説明

ドープシリコン膜の形成方法

【課題】高次シラン化合物にドーパントソースを混合して加熱するとき、大気圧下におけるドーパントソースの蒸発温度がドーパントソースの分解温度より低いため、分解する前に蒸発してしまい、高次シラン化合物内に残留する率が低下するという問題があった。
【解決手段】ドーパントソースと高次シラン化合物とを有する液体材料の温度を容器中で加圧雰囲気下にて第1温度から第2温度に上昇させる第1工程を含む、ことを特徴とするドープシリコン膜の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体膜の製造方法に関するものであり、特に不純物ドープシリコンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体メモリ、ダイオード、トランジスタ、太陽電池などに用いられている半導体膜これらにはP型、N型があり、一般的にはシリコンにボロンやリンをドーピングすることにより作製される。ドーピング方法としてはCVD(Chemical Vapor Deposition)、スパッタ、イオンインプラ等の方法がある。これらのドーピング方法とは別に高次シラン化合物にドーパントを含んだ化合物(ドーパントソース)を混合し、加熱することによりドープシリコンを低コストで得る方法が考えられている。
【0003】
【特許文献1】特開2004−311945号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、高次シラン化合物にドーパントソースを混合して加熱するとドーパントソースが蒸発してしまう問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]
(1)ドーパントソースと高次シラン化合物とを有する液体材料の温度を容器中で加圧雰囲気下にて第1温度から第2温度に上昇させる第1工程を含む、ことを特徴とするドープシリコン膜の製造方法。
(2)上記ドープシリコン膜の製造方法において、前記第1工程に先立ち、前記容器中の圧力を第1気圧から第2気圧に上昇させる第2工程を含む、ことを特徴とするドープシリコン膜の製造方法。
(3)上記ドープシリコン膜の製造方法において、前記第2工程において、前記容器に不活性ガスを注入することで前記圧力を上昇させるものである、ことを特徴とするドープシリコン膜の製造方法。
(4)上記ドープシリコン膜の製造方法において、前記第1工程における前記第1温度が前記第1気圧における前記ドーパントソースの昇華温度より高いものである、ことを特徴とするドープシリコン膜の製造方法。
(5)上記ドープシリコン膜の製造方法において、前記第1工程における前記第1温度が前記高次シラン化合物のアモルファスシリコン膜への転移温度であり、かつ、前記第2気圧における前記ドーパントソースの昇華温度より低いものである、ことを特徴とするドープシリコン膜の製造方法。
(6)上記ドープシリコン膜の製造方法において、前記第1工程における前記第1温度が前記ドーパントソースの分解温度であり、かつ、前記第2気圧における前記ドーパントソースの昇華温度より低いものである、ことを特徴とするドープシリコン膜の製造方法。
(7)上記ドープシリコン膜の製造方法において、前記第1工程における前記第2温度が前記第2気圧における前記ドーパントソースの昇華温度より低いものである、ことを特徴とするドープシリコン膜の製造方法。
(8)上記ドープシリコン膜の製造方法において、前記第1工程において、前記液体材料が基板上に塗布された塗布膜であり、前記基板がヒーター上に載置されたものであり、前記ヒーターの制御により前記塗布膜が前記第1温度まで加熱されたものである、ことを特徴とするドープシリコン膜の製造方法。
(9)上記ドープシリコン膜の製造方法において、前記ヒーターが前記基板の中央部を加熱する温度よりも前記基板の周辺部を加熱する温度のほうが高くなるよう制御されるものである、ことを特徴とするドープシリコン膜の製造方法。
(10)上記ドープシリコン膜の製造方法において、前記塗布膜が前記第1温度まで加熱されるまでにおける単位時間あたりに上昇する温度が前記第1温度から前記第2温度まで加熱されるまでにおける単位時間あたりに上昇する温度より大きいものである、ことを特徴とするドープシリコン膜の製造方法。
【0007】
この構成によれば、ドーパントソースの飽和蒸気圧を低くすることでドーパントソースの蒸発を抑えた状態でドープシリコン膜を形成することができるため、ドープシリコン膜に残留するドーパント原子の量を増やすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同一の機能を有するものには同一もしくは関連の符号を付し、その繰り返しの説明を省略する。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に用いられる装置100を示すものである。ヒーター6の内蔵された基台4上に容器1が配置されている。容器1には注入口5が設けられ、内部に気体を注入し、気圧を調整できるようになっている。容器1は内部の気圧変化に耐えられる強度を持つ物質で構成される。なお、図1では、装置100を用いて形成されたドープシリコン膜2が図示されている。ドープシリコン膜2は基台4上に載置された基板3上に形成されている。
【0010】
図2(A)〜(E)は、装置100を用いてドープシリコン膜2を形成する工程について示したものである。
【0011】
液体材料を準備する。液体材料は不純物含有シラン組成物であり、高次シラン化合物と、ドーパントソースとを含むものである。
【0012】
高次シラン化合物は具体的には、1個の環状構造を有するものとして、シクロトリシラン、シクロテトラシラン、シクロペンタシラン、シクロヘキサシラン、シクロへプタシラン等が挙げられ、2個の環状構造を有するものとして、1、1’−ビシクロヘキサシラン、1、1’−ビシクロブタシラン、1、1’−ビシクロペンタシラン、1、1’−ビシクロヘキサシラン、1、1’−ビシクロヘプタシラン、1、1’−シクロブタシリルシクロペンタシラン、1、1’−シクロブタシリルシクロヘキサシラン、1、1’−シクロブタシリルシクロへプタシラン、1、1’−シクロペンタシリルシクロヘキサシラン、1、1’−シクロペンタシリルシクロヘプタシラン、1、1’−シクロヘキサシリルシクロヘプタシラン、スピロ[2、2]ペンタシラン、スピロ[3、3]へプタシラン、スピロ[4、4]ナノシラン、スピロ[4、5]デカシラン、スピロ[4、6]ウンデカシラン、スピロ[5、5]ウンデカシラン、スピロ[5、6]ウンデカシラン、スピロ[6、6]ウンデカシラン等が挙げられ、その他にこれらの骨格の水素原子部分にSiH3基やハロゲン原子に置換したケイ素化合物を挙げることができる。これらは2種類以上を混合しても使用することができる。本実施形態ではシクロペンタシランを用いて説明する。
【0013】
ドーパントソースはデカボラン、ペンタボラン、ヘキサボラン、オクタヒドロボラン、ニド−ペンタボラン、アルチノ−テトラボラン、ヘキサヒドロ−クロソ−ヘキサボランなどの水素化ボロン化合物が挙げられる。本実施形態ではデカボランを用いて説明する。
【0014】
液体材料は溶媒を含むものであってもよい。溶媒の具体例としては、n−へキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、ジシクロペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、デュレン、インデン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、スクワランなどの炭素化水素系溶媒の他、ジプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコール、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系溶媒、さらにプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒を挙げることができる。これらのうち、高次シラン溶解性と該溶液の安定性の点で炭化水素系溶媒、エーテル溶媒系が好ましく、さらに好ましい溶媒としては炭化水素系溶媒を挙げることができる。これらの溶媒は、単独でも、或いは2種以上の混合物としても使用できる。特に炭化水素系溶媒は、高次シランの溶解性を向上させ、後述する熱処理や光処理時の高次シランの残留を制御する観点から好適である。
【0015】
図2(A)は基板3を容器1内の基台4上に配置する工程を示すものである。
【0016】
図2(B)は基板3上に液体材料を塗布し、塗布膜7を形成する工程を示すものである。塗布膜7の形成方法は、スピンコート法、ディプコート法、インクジェット法、ミストディポシッション法などいずれにおいても形成することができる。
【0017】
なお、塗布膜7の塗布された基板3を容器1内に配置するものであってもよい。
【0018】
図2(C)は塗布膜7が容器1内にある状態で、注入口5から容器1内に気体Gを注入する工程を示すものである。気体Gは液体材料を塗布する前に容器1内に充填されているものであってもよい。塗布膜7を加熱する前に容器1内を所定の気圧(第2気圧)まで上げればよく、気体G注入のタイミングは限定されるものではない。
【0019】
気体Gは窒素、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、ラドン、又はそれらの混合ガスが用いられる。不活性ガスを注入させることにより、高次シラン化合物と大気との反応を防ぐ効果がある。
【0020】
容器1内の気圧(第2気圧)は3気圧以上まで上昇させることが好ましい。デカボランは通常の気圧(第1気圧)下では概ね250度以上で昇華する。気圧が3気圧以上の下では、デカボランの昇華温度は360度まで上昇する。そのため、気圧を3気圧以上まで上昇させることで、塗布膜の温度を300度まで上昇させてもデカボランの昇華による消失を防ぐことができる。
【0021】
容器1内の気圧が3気圧以上に達したとき、基台4に内蔵されるヒーター6の温度を上昇させる。ヒーター6が基台4を加熱することで、基台4上の基板3が加熱され、基板3上に塗布された塗布膜7の温度が上昇する。なお、図2ではヒーター6が基台4の内部に埋没している構成が示されているが、ヒーター6が基板3に接触している構成であってもよい。
【0022】
ここで、ヒーター6の構造について説明する。一般に、基板3への加熱温度が均一であると、基板3の周辺部においてより熱が放散されやすい。また、基板3の中央部に熱が閉じ込められやすく、中央部の温度が周辺部の温度より高まる傾向にある。その結果、塗布膜7の加熱温度に局所的なバラツキが生じる。
【0023】
しかし、本実施形態では、塗布膜7の温度上昇が局所的に異ならないことが好ましい。例えばヒーター6の形状は電熱線が渦巻き型のものが用いられるが、特に基板3の中央部よりも周辺部において電熱線の間隔が狭くなるよう配置されていることが好ましい。この構成によれば、基板3の中央部に対し周辺部を優先して加熱することができるため、結果的に塗布膜7の温度上昇を均一に行うことができる。
【0024】
図2(D)は図2(C)における塗布膜7の温度を後述する第1温度まで上昇させる工程を示すものである。塗布膜7の温度が第1温度まで上昇したとき、塗布膜7中のデカボランが分解を開始する。第1温度は通常の気圧下でのデカボランの分解温度である。一方、通常の気圧下でのデカボランの昇華温度(蒸発温度)は250度付近であるが、容器1内の気圧が3気圧以上であるため、第1温度ではデカボランの昇華が起こらない。よって、デカボランを分解して塗布膜7中に分散させることができる。便宜上、この結果得られるものを塗布膜8とする。
【0025】
なお、用いるドーパントソースがデカボラン以外のものである場合、第1温度はそのドーパントソースの分解温度であればよい。ただし、第1温度がドーパントソースの昇華温度より低いことが必要である。
【0026】
また、第1温度が高次シラン化合物のアモルファスシリコンに変換され始める温度に設定されてあってもよい。
【0027】
図2(E)は塗布膜8の温度を第2温度まで上昇させる工程を示すものである。塗布膜8の温度を第2温度まで上昇させると、液体材料中の高次シラン化合物がアモルファスシリコンに変換され始める。この第2温度においても、第1温度で分解されずに残留しているデカボランが分解を続けることができる。
【0028】
デカボランがアモルファスシリコン中で分解することによりボロン原子近傍のシリコン原子と結合しドープアモルファスシリコン膜が得られる。また、十分な量のボロン原子がシリコン原子と結合していない場合、レーザーアニール、ランプアニール、電気炉アニール、プラズマアニール等を用いて活性化を行うことができる。
【0029】
この結果、デカボランが昇華せずに分解され、ボロン原子がアモルファスシリコンの中に残留し、ドープシリコン膜9が形成される。
【0030】
ここで、図2(D)では、ドープシリコン膜9を形成するスループットを向上させるため、短時間で塗布膜7の温度を上昇させることが必要である。そして第1温度に達したあとも分解していないデカボランを分解させるためには、図2(E)のように、温度を第1温度より高めて加熱する時間を大きくする必要がある。しかし、図2(E)における第2温度がデカボランの昇華温度に達してしまわないよう、熱の上昇速度を落とすことが好ましい。そこで、図2(E)において、第1温度に達するまでの期間における単位時間あたりの上昇温度より、第1温度に達してから第2温度まで上昇させる期間における単位時間あたりの上昇温度が小さくなるよう、塗布膜8の加熱を制御させることが好ましい。
【0031】
さらに、塗布膜8の温度が第2温度に達した後、所定の期間、第2温度に維持することが好ましい。これによれば、高次シラン化合物を完全にアモルファスシリコンに変換させることができる。この期間に第2温度以上に加熱をすると、その時点で分解していないデカボランが昇華温度に達してしまい、不純物濃度が低下分解してしまう可能性がある。そのため、デカボランの昇華を防ぐために、温度を維持することが好ましい。
【0032】
図3は、図2における塗布膜7への加熱温度と加熱時間との関係を示すものである。縦軸は温度を示し、横軸は時間を示す。図2(C)において容器1に気体Gが注入された状態において、室温下に配置された基板を50分間加熱する。加熱温度がデカボラン分解開始温度10(第1温度)である300℃に達すると、図2(C)における塗布膜7に含まれるデカボランが分解し、図2(D)における塗布膜8を得る。
【0033】
その後、アモルファスシリコン膜形成過程11において、さらに20分間で加熱温度を50℃上昇させ、アモルファルシリコン膜形成温度(第2温度)である350℃まで到達させる。350℃の温度状態を30分間保つ。このアモルファスシリコン膜形成過程11により、塗布膜8がアモルファスシリコン膜に変換される。また、デカボランのうちデカボラン分解開始温度10である300℃にて分解されなかった残留成分が完全に分解される。その後、冷却過程12を設ける。
【0034】
アモルファスシリコン膜形成温度は、350℃以上に設定することも可能であるが、デカボラン残留成分が昇華しない温度範囲に抑えることが好ましい。
【0035】
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について述べる。第2の実施形態は、第1の実施形態で用いたドープシリコン膜の形成方法を、太陽電池などの光電変換装置の製造過程に応用した例を示すものである。
【0036】
図4は、光電変換装置200の構造を示すものである。基板3はガラスなどの透明基板を用いる。基板3上に第1金属膜13が形成されている。第1金属膜13はITO(Indium Tin Oxide)などからなる透明電極である。第1金属膜13上にN型シリコン膜(N−Type Doped Silicon Film)14が形成されている。N型シリコン膜14はボロン原子を含むものであり、第1の実施形態で用いた方法を応用して形成される。N型シリコン膜14上にはI型シリコン膜(Intrinsic Silicon Film)15が形成されている。I型シリコン膜15上にはP型シリコン膜(P−Type Doped Silicon Film)16が形成されている。P型シリコン膜16上には第2金属膜17が形成されている。第1金属膜13と第2金属膜17のいずれもが透明電極であっても、いずれか一方のみが透明電極であっても、I型シリコン膜15に光が入射する構造であれば構わない。
【0037】
基板3が透明基板であり、第1金属膜13が透明電極である、光が基板3と第1金属膜13とを透過してI型シリコン膜15に入射する。I型シリコン膜15で光が吸収されて電子が励起する。第1金属膜13と第2金属膜17とに起電力を供給することで電流が発生する。
【0038】
図5は、図4で示した光電変換装置200の製造過程の一例を示すものである。第1チャンバー300と第2チャンバー400とが第1搬送路600で連通し、第2チャンバー400と第3チャンバー500とが第2搬送路700で連通する。
【0039】
第1チャンバー300はN型シリコン膜14を形成するものであり、第1の実施形態における装置100に相当する。第1チャンバー300は液体材料の塗布機構および気体注入口を有する。第1チャンバー300内に、第1金属膜13の形成された基板3が配置されたあと、第1金属膜13に高次シラン化合物と、ドーパントソースとを含む液体材料を塗布する。図3で示した条件で加熱し、N型シリコン膜14を得る。
【0040】
N型シリコン膜14の形成された基板3を第1搬送路600を通して第2チャンバー400に搬送する。第2チャンバー400ではN型シリコン膜14上にI型シリコン膜15を形成する。その後、I型シリコン膜15の形成された基板3を第2搬送路700を通して第3チャンバー500に搬送する。N型シリコン膜14の形成工程と同様の方法で、P型シリコン膜16を形成する。
【0041】
このようなシリコン膜形成工程においては、不純物成分が蒸発しチャンバー内に残留する可能性がある。そこで、本実施形態のように、電型の異なるシリコン膜を積層する度に異なるチャンバーを用いることで、不純物の混在を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】ドープシリコン膜を形成する装置を示す図。
【図2】図1に示す装置に基板を配置してからドープシリコン膜が形成されるまでの一連の過程を示す図。
【図3】図2に示す過程における加熱温度と経過時間の関係を示すグラフ。
【図4】ドープシリコン膜を含む太陽電池を示す図。
【図5】太陽電池を製造する工程を示す図。
【符号の説明】
【0043】
1…容器、2,9…ドープシリコン膜、3…基板、4…基台、5…注入口、6…ヒーター、7,8…塗布膜、10…デカボラン分解開始温度、11…アモルファスシリコン膜形成過程、12…冷却過程、13…第1金属膜、14…N型シリコン膜、15…I型シリコン膜、16…P型シリコン膜、17…第2金属膜、100…装置、200…光電変換装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドーパントソースと高次シラン化合物とを有する液体材料の温度を容器中で加圧雰囲気下にて第1温度から第2温度に上昇させる第1工程を含む、
ことを特徴とするドープシリコン膜の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載のドープシリコン膜の製造方法において、
前記第1工程に先立ち、前記容器中の圧力を第1気圧から第2気圧に上昇させる第2工程を含む、
ことを特徴とするドープシリコン膜の製造方法。
【請求項3】
請求項2に記載のドープシリコン膜の製造方法において、
前記第2工程において、前記容器に不活性ガスを注入することで前記圧力を上昇させるものである、
ことを特徴とするドープシリコン膜の製造方法。
【請求項4】
請求項2または3に記載のドープシリコン膜の製造方法において、
前記第1工程における前記第1温度が前記第1気圧における前記ドーパントソースの昇華温度より高いものである、
ことを特徴とするドープシリコン膜の製造方法。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか一項に記載のドープシリコン膜の製造方法において、
前記第1工程における前記第1温度が前記高次シラン化合物のアモルファスシリコン膜への転移温度であり、かつ、前記第2気圧における前記ドーパントソースの昇華温度より低いものである、
ことを特徴とするドープシリコン膜の製造方法。
【請求項6】
請求項2乃至5のいずれか一項に記載のドープシリコン膜の製造方法において、
前記第1工程における前記第1温度が前記ドーパントソースの分解温度であり、かつ、前記第2気圧における前記ドーパントソースの昇華温度より低いものである、
ことを特徴とするドープシリコン膜の製造方法。
【請求項7】
請求項2乃至6のいずれか一項に記載のドープシリコン膜の製造方法において、
前記第1工程における前記第2温度が前記第2気圧における前記ドーパントソースの昇華温度より低いものである、
ことを特徴とするドープシリコン膜の製造方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか一項に記載のドープシリコン膜の製造方法において、
前記第1工程において、前記液体材料が基板上に塗布された塗布膜であり、前記基板がヒーター上に載置されたものであり、前記ヒーターの制御により前記塗布膜が前記第1温度まで加熱されたものである、
ことを特徴とするドープシリコン膜の製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載のドープシリコン膜の製造方法において、
前記ヒーターが前記基板の中央部を加熱する温度よりも前記基板の周辺部を加熱する温度のほうが高くなるよう制御されるものである、
ことを特徴とするドープシリコン膜の製造方法。
【請求項10】
請求項8または9に記載のドープシリコン膜の製造方法において、
前記塗布膜が前記第1温度まで加熱されるまでにおける単位時間あたりに上昇する温度が前記第1温度から前記第2温度まで加熱されるまでにおける単位時間あたりに上昇する温度より大きいものである、
ことを特徴とするドープシリコン膜の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−135579(P2010−135579A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−310588(P2008−310588)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】