説明

ナビゲーションシステム及びナビゲーションシステムの起動方法

【課題】ナビゲーションシステムに備えられた各種機能の内、ユーザの使用可能性の高い機能の起動時間を短縮することを課題とする。
【解決手段】ハードウェア1とソフトウェア2とで構成されたナビゲーションシステムの電源がオンされたときに、ナビゲーションシステムに予め搭載された各種機能を起動して使用可能状態にするナビゲーションシステムにおいて、ナビゲーションシステムを搭載した車両の状態を検出し、その車両の状態に基づいてナビゲーションシステムに搭載された、スイッチ操作機能、経路案内機能、目的地設定機能を含む各種機能にそれぞれ対応したアプリケーションソフトウェア23の起動優先順位を設定し、設定された起動優先順位を保存し、保存された起動優先順位にしたがって起動優先順位が高いアプリケーションソフトウェア23から順に起動して実行可能状態にすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の経路案内等を行うナビゲーションシステム及びナビゲーションシステムの起動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の技術としては、例えば以下に示す文献に記載されたものが知られている(特許文献1参照)。この文献には、ナビゲーションシステムの電源を投入した直後は、操作入力を受けることなく表示装置にオープニング画面を表示し、通常画面表示用のデータのうち一部についてはオープニング画面の表示中に転送すると共に、他の未転送データをオープニング画面を通常画面に切り替えた後に転送し、早期に使用される可能性の高いデータを優先的に転送する技術が記載されている。
【0003】
このような技術では、システムの電源を投入してから操作入力が行えるようになるまでの起動時間をほぼ任意に設定することができので、起動時間が異なるシステムや車種の仕様に対しても柔軟に対応することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−115107号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のシステムにおいては、転送するデータの優先順位がシステムや車種の仕様で予めデフォルトして設定されているので、システムに備えられた各種の機能の中からユーザが優先的に使用するであろうと想定される機能が、他の機能に優先させて利用することができないといった不具合を招いていた。
【0006】
そこで、本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ナビゲーションシステムに備えられた各種機能の内、ユーザの使用可能性の高い機能の起動時間を短縮したナビゲーションシステム及びナビゲーションシステムの起動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の課題を解決する手段は、車両状態に基づいて各種機能の起動優先順位を設定し、設定した起動優先順位を保存し、ナビゲーションシステムの電源がオンされたときに、保存した優先順位の高い順から各種機能を起動して使用可能状態にすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、車両状態検出手段により車両状態が検出され、車両状態に基づいて起動優先順位設定手段により各種機能の起動優先順位が設定され、保存手段により設定された起動優先順位が保存され、起動手段により保存された優先順位の高い順から各種機能が起動されて使用可能状態になるので、ユーザが使用する可能性が高い機能から順に起動することが可能となり、ユーザの使用可能性の高い機能の起動時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例1に係るナビゲーションシステムの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施例1に係る各種機能の起動手順を示すフローチャートである。
【図3】各種機能の優先順位の設定手順を示すフローチャートである。
【図4】経路案内機能の起動優先順位が最も高い場合の起動の様子を示す図である。
【図5】スイッチ操作機能の起動優先順位が最も高い場合の起動の様子を示す図である。
【図6】リアカメラ機能の起動優先順位が最も高い場合の起動の様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明を実施するための実施例を説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は本発明の実施例1に係るナビゲーションシステムの構成を示す図である。図1に示す実施例1のナビゲーションシステムは、ユーザにより目的地や経由地が入力されると、GPS(全地球測位システム)や車速情報、ジャイロなどの自律航法装置、ならびに道路地図情報を利用して車両の現在位置を認識し、車両の現在位置からユーザにより入力された目的地に至る最適経路を選定し、ディスプレイに必要な地図を表示させながら経路案内を行うシステムであり、本システムの制御中枢として機能する制御手段として例えばマイクロコンピュータを備えている。
【0012】
このマイクロコンピュータは、ハードウェア1の構成要件として、ユーザの操作によって入力が行われるスイッチ類や液晶画面等を触手して入力操作するタッチパネル入力等のの入力インターフェース装置、CPU(中央演算処理装置)、記憶装置、液晶等のディスプレイ(表示装置)、音声による案内情報等を出力するスピーカ等の出力装置を備えている。
【0013】
一方、ソフトウェア2の構成要件として、コンピュータシステム全体を統御管理する基本ソフトウェアのメインOS(オペレーティング・システム)21、ハードウェア1に対応したデバイスを駆動するデバイスドライバ(A,B,C)22、メインOS21上で動作する複数のアプリケーションソフトウェア23、ならびに複数のアプリケーションソフトウェア23の起動優先順位を設定する機能を実現する起動優先順位設定機能24を備えている。
【0014】
このようなシステムでは、システム毎に必要なデバイスドライバ22が選択されて実装され、このハードウェア1とデバイスドライバ22は、専用に組み込まれたメインOS21もしくは汎用のメインOS21によって制御される。なお、1つのシステムに対してOSは単一のメインOS21に代えて、複数のOSで構成することも可能である。この基本ソフトとなるメインOS21を利用してシステム毎に予め組み込まれた特定の機能を実現するアプリケーションソフトウェア23が各種機能に対応して複数実装されている。
【0015】
これらの複数のアプリケーションソフトウェア23で実現される特定の各種機能としては、図1に示すように、ユーザによる入力操作を実現するスイッチ操作機能、ディスプレイに地図を表示する地図表示機能、経路案内時の目的地を設定、探索する目的地設定機能、経路案内機能、交通情報を提供する交通情報提供機能、車両の現在位置等を特定して表示するロケータ機能、リアカメラ機能、指定された地図上の地点を登録する地点登録機能等を備えている。なお、図1において各種機能の上に記載された数字は、後述する起動優先順位の一例である。
【0016】
上記リアカメラ機能には、車両の後部に設置されて車両後方を撮像するリアカメラで得られた映像をディスプレイに表示するためのディスプレイ切り替え機能や、リアカメラに切り替えるための車両信号状態の検出、及びリアカメラの映像に駐車ガイド線や、ドライバーへの注意、案内をリアカメラの映像に重ね合わせて表示する機能が含まれている。
【0017】
経路案内機能には、現在地から目的地までの経路を選定し、選定された経路を案内する機能であり、経路案内時に次の分岐点までの距離と分岐方向の検出、検出された内容に基づいた方向と距離の表示機能、音声による案内機能等が含まれている。
【0018】
目的地設定機能は、予め登録されている自宅等の地点を呼び出して目的地として設定する登録地呼出機能や、設定しようとする目的地を検索する際の各種検索機能、ユーザの発話により目的地を設定する際の音声認識機能等が含まれている。
【0019】
これらの各種機能を実現するアプリケーションソフトウェア23は、メインOS21が起動されてOSの機能が利用可能になった後、それぞれの機能が単独で動作可能となるようにプロセス分離されて構築されている。すなわち、これらの分離されたアプリケーションソフトウェア23は、メインOS21が起動されて利用可能となった後、少なくともいずれか1つのアプリケーションソフトウェア23が起動されてそれに対応した機能が実行可能状態にあるならば、残りの他のアプリケーションソフトウェア23が起動されていない場合、もしくは起動中であっても、起動が完了したアプリケーションソフトウェア23は単独で実行可能となり、起動が完了したアプリケーションソフトウェア23に対応した上記機能が実現される。また、各アプリケーションソフトウェア23に対応したデバイスドライバ22も必要に応じて単独で起動可能となるように分離独立して構築されている。
【0020】
これらの各種機能を実現する複数のアプリケーションソフトウェア23は、起動優先順位設定機能24により起動の優先順位が設定される。この優先順位は、車両の後部に設置されたリアカメラで撮像された映像や、上記各種機能の実行状態等の車両の状態に基づいて随時設定される。設定された優先順位は、システムの電源がオフされても次回リセットされて消去の処理がなされるまでハードウェア1の記憶装置に不揮発に記憶されて保存される。保存された優先順位は、次回システムの電源が投入されて、アプリケーションソフトウェア23が起動される際に参照され、参照結果に基づいてアプリケーションソフトウェア23は優先順位の高い順から順次起動されて実行可能な状態となる。
【0021】
次に、図2のフローチャートを参照して、複数のアプリケーションソフトウェア23の優先順位を設定する手順の一例を説明する。
【0022】
図2において、先ずナビゲーションシステムの起動状態が確認された後(ステップS201)、ナビゲーションシステムの電源のオン/オフを制御する車両のACCスイッチがオフされたか否かを判別する(ステップS202)。判別の結果、ACCスイッチがオンされてシステムに電源が投入されている場合には、現在の車両の状態に基づいて、システムの電源がオフした後再起動されたときのアプリケーションソフトウェア23の起動優先順位を決定する(ステップS203)。なお、この決定の手順は図3を参照して後述する。
【0023】
一方、ACCスイッチがオフした場合には、先ず先のステップS203で設定した最新の優先順位に対応したフラグを設定し(ステップS204)、設定したフラグを不揮発性の記憶装置に退避して保存し、また電源をオフする際のシステム全体におけるレジスタやスタック等の退避処理を行った後(ステップS205)、システムの電源をオフする(ステップS206)。
【0024】
その後、ACCスイッチがオンされてシステムの電源が投入されシステムの起動処理が開始されると(ステップS207)、前回保存されたフラグを参照して、優先順位が高い順にアプリケーションソフトウェア23を起動する(ステップS208)。起動されて実行可能状態となった優先順位の高いアプリケーションソフトウェア23に対応した機能は、使用可能となり、機能に応じたユーザの操作や外部割り込み等の処理が実行可能となる(ステップS209)。
【0025】
続いて、優先順位の低いアプリケーションソフトウェア23が順次起動されて実行可能状態となり、さらに優先順位が設定されていないアプリケーションソフトウェア23がある場合には、その後優先順位が設定されていないアプリケーションソフトウェア23が順次起動され(ステップS210)、最終的にはシステムに実装されたすべてのアプリケーションソフトウェア23が起動されて実行可能状態となる(ステップS211)。
【0026】
次に、図3のフローチャートを参照して、図2に示すステップS203で示す処理の具体的な一手順を説明する。
【0027】
図3において、先ずアプリケーションソフトウェア23の優先順位を決定する際の車両の状態として、ナビゲーションシステムで使用している機能は経路案内の機能か否かを判別する(ステップS301)。判別の結果、経路案内の機能が実行されて車両が経路案内されている状態である場合には、この時点ではユーザは次回再起動時に分岐点の表示や音声案内を必要とする可能性が高くなると予測推定されるので、これらの機能を含む経路案内機能を実現するアプリケーションソフトウェア23の起動優先順位を最も高く設定する(ステップS302)。
【0028】
このように優先順位が設定された場合には、次回ACCスイッチがオンしてシステムの電源が投入されて再起動されると、図4に示すように、先ず経路案内機能を実現するアプリケーションソフトウェア23が起動されて、経路案内機能が使用可能となり、経路案内機能に含まれる分岐方向の表示や分岐案内がディスプレイに表示可能となる。その後、例えばスイッチ操作、ロケータ機能による現在地の表示、目的地の設定といった優先順位の高い順に順次使用可能となる。
【0029】
したがって、上記のように優先順位が設定された直後にシステムの電源がオフし、その後システムの電源が投入されてシステムが起動されると、上記優先順位にしたがってアプリケーションソフトウェア23が実行可能状態となるので、先ず経路案内機能が使用可能となり、システムの電源がオフする直前の状態に速やかに復帰することが可能なる。これにより、ユーザが使用したい可能性が最も高いと予測される機能をユーザが使用操作できるまでの時間を短縮することが可能となり、起動の優先順位が予め固定的に設定されていた従来に比べて、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0030】
図3に戻って、先のステップS302に続いて、車両の現在位置や地図情報等に基づいて、現在地が駐車場であるか否かを判別する(ステップS303)。判別の結果、駐車場でない場合には、先のステップS301に戻る一方、現在地が駐車場内である場合には、車両に設置されたリアカメラで得られた映像や駐車支援装置の情報に基づいて、車両が前進で駐車スペースに進入して駐車したか否かを判別する(ステップS304)。判別の結果、車両が前進で駐車スペースに進入して駐車していない場合には、続いて車両が駐車場外に移動(退場)したか否かを判別する(ステップS305)。判別の結果、車両が駐車場から退場していない場合には、先のステップS304に戻る一方、駐車場外に移動した場合には、先のステップS301に戻る。
【0031】
一方、先のステップS304の判別結果において、車両が前進で駐車スペースに進入して駐車した場合には、次回システムの再起動時には駐車スペースから移動する際に使用されるであろうと予測されるリアカメラ機能を最も高い(第1位の)優先順位に設定し、次いで経路案内機能を次に高い(第2位の)優先順位に設定する(ステップS306)。これにより、次回システムが起動された際には、先ずリアカメラで得られた映像がディスプレイに表示可能となり、運転者はこのディスプレイに表示された映像を見ながら駐車スペースから車両を移動させることが可能となり、次いで経路案内における分岐点表示や音声案内機能が使用可能となり、運転者はこの案内にしたがって車両を速やかに移動させることが可能となる。
【0032】
上記のように優先順位が設定された後、引き続いて車両が駐車場外に移動したか否かを判別し(ステップS307)、駐車場外に移動した場合には先のステップS301で示す処理を実行する一方、駐車場外に移動していない場合には、先のステップS307で示す処理を実行する。
【0033】
次に、先のステップS301の判別結果において、現在システムで使用されている機能は経路案内機能ではなく他の前述した機能のいずれかの機能が使用されている場合には、システムの再起動時にはユーザのスイッチ操作により目的地が入力されて経路案内機能が使用される可能性が高いものと予測し、スイッチ操作機能を最も高い(第1位の)優先順位に設定し、次いで登録地呼出機能、各種検索機能、音声認識機能を含む目的地の設定機能を次に高い(第2位の)優先順位に設定する(ステップS308)。
【0034】
このように優先順位が設定された場合には、次回ACCスイッチがオンしてシステムの電源が投入されて再起動されると、図5に示すように、先ずスイッチ操作機能を実現するアプリケーションソフトウェア23が起動されて、スイッチ操作機能が使用可能となり、ユーザがスイッチ操作により入力することが可能となる。その後、目的地設定機能が使用可能となり、スイッチ操作により目的地の設定が可能となる。次いで、例えば経路案内機能が第3位の優先順位に設定されている場合には、目的地を設定する操作をしている間に経路案内機能が使用可能となり、目的地の設定が終了すると直ちに目的地までの経路(ルート)が探索されて最適な経路が選定され、選定された経路が表示されて経路案内を開始することが可能となる。これにより、ナビゲーションシステムを起動してから車両が走行するまでの時間を短縮することが可能となる。
【0035】
図3に戻って、先のステップS308に続いて、車両の現在位置や地図情報等に基づいて、現在地が駐車場であるか否かを判別する(ステップS309)。判別の結果、駐車場でない場合には、先のステップS301に戻る一方、現在地が駐車場内である場合には、車両に設置されたリアカメラで得られた映像や駐車支援装置、地図情報等に基づいて、車両が前進で駐車スペースに進入して駐車したか否かを判別する(ステップS310)。判別の結果、車両が前進で駐車スペースに進入して駐車していない場合には、続いて車両が駐車場外に移動(退場)したか否かを判別する(ステップS311)。判別の結果、車両が駐車場から退場していない場合には、先のステップS310に戻る一方、駐車場外に移動した場合には、先のステップS301に戻る。
【0036】
一方、先のステップS310の判別結果において、車両が前進で駐車スペースに進入して駐車した場合には、次回システムの再起動時には、経路案内機能が使用されていないので、駐車スペースから移動した後目的地を設定し、経路案内により設定した目的地まで走行する可能性が高いものと予測し、先ずリアカメラ機能を最も高い(第1位の)優先順位に設定し、次いでスイッチ操作機能を次に高い(第2位の)優先順位に設定し、目的地設定機能を次に高い(第3位の)優先順位に設定する(ステップS312)。
【0037】
このように優先順位が設定された場合には、次回ACCスイッチがオンしてシステムの電源が投入されて再起動されると、図6に示すように、先ずリアカメラ機能を実現するアプリケーションソフトウェア23が起動されてリアカメラ機能が使用可能となり、リアカメラで得られた映像がディスプレイに表示可能となり、運転者はこのディスプレイに表示された映像を見ながら駐車スペースから車両を移動させることが可能となる。
【0038】
次いで、スイッチ操作機能が使用可能となり、ユーザがスイッチ操作により入力することが可能となる。その後、目的地設定機能が使用可能となり、スイッチ操作により目的地の設定が可能となる。続いて、例えば経路案内機能が第3位の優先順位に設定されている場合には、目的地を設定する操作をしている間に経路案内機能が使用可能となり、目的地の設定が終了すると直ちに目的地までの経路(ルート)が探索されて最適な経路が選定され、選定された経路が表示されて経路案内を開始することが可能となる。これにより、ナビゲーションシステムを起動してから車両が駐車スペースから移動して目的地に向かって走行するまでの時間を短縮することが可能となる。
【0039】
図3に戻って、上記のように優先順位が設定された後、引き続いて車両が駐車場外に移動したか否かを判別し(ステップS313)、駐車場外に移動した場合には先のステップS301で示す処理を実行する一方、駐車場外に移動していない場合には、先のステップS312で示す処理を実行する。
【0040】
このように、この実施例1においては、システムが起動された後、現在の車両の状態に基づいて、次回システムの電源の投入時にユーザが使用するであろう可能性が高いと想定される機能を予測推定し、その結果に基づいてユーザが使用するであろう可能性が高いと想定される機能を実現するアプリケーションソフトウェア23を起動する優先順位を高く設定するようにしたので、各種機能に対応したアプリケーションソフトウェア23の起動順序を、それまでにシステムでどのような機能が使用されていたのかかといったシステムの状態や、車両が駐車場で駐車しているのか否かといった車両の状態に応じて随時設定することが可能となる。
【0041】
また、次回システムの電源投入時に優先順位の高い順から順次起動して実行可能とすることで、ユーザがいち早く使用したい機能を使用できるまでの時間を短縮することが可能となり、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0042】
なお、実施例の構成要件と、特許請求の範囲における構成要件との対応関係は以下の通りである。すなわち、ハードウェア1、メインOS21、デバイスドライバ22ならびにアプリケーションソフトウェア23が起動手段を、車両に搭載されたリアカメラ、ならびにハードウェア1とソフトウェア2とで構築されたナビゲーションシステムが車両状態検出手段を、起動優先順位設定機能24が起動優先順位設定手段を、ハードウェア1に備えられた記憶装置が起動優先順位保存手段を構成する。また、ハードウェア1とソフトウェア2とで構築されたナビゲーションシステムが特定手段を構成する。
【符号の説明】
【0043】
1…ハードウェア
2…ソフトウェア
21…メインOS
22…デバイスドライバ
23…アプリケーションソフトウェア
24…起動優先順位設定機能

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーションシステムの電源がオンされたときに、前記ナビゲーションシステムに予め搭載された各種機能を起動して使用可能状態にする起動手段
を有するナビゲーションシステムにおいて、
前記ナビゲーションシステムを搭載した車両の状態を検出する車両状態検出手段と、
前記車両状態検出手段で検出された車両状態に基づいて、前記ナビゲーションシステムに搭載された各種機能の起動優先順位を設定する起動優先順位設定手段と、
前記起動優先順位設定手段で設定された起動優先順位を保存する起動優先順位保存手段とを有し、
前記起動手段は、前記起動優先順位保存手段に保存された起動優先順位にしたがって起動優先順位が高い機能から順に起動する
ことを特徴とするナビゲーションシステム。
【請求項2】
各種機能として車両を経路案内する経路案内機能を備え、
前記車両状態検出手段によって前記ナビゲーションシステムで経路案内機能が使用されていることが検出された場合には、前記起動優先順位設定手段は、経路案内機能の起動優先順位を最高順位に設定する
ことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項3】
車両の現在位置を特定する特定手段と、
各種機能として車両の後方を撮像してその映像を表示手段に表示する撮像表示機能を備え、
前記特定手段によって車両が駐車場にいることが特定され、前記車両状態検出手段によって車両が前進で駐車スペースに進入して車両を駐車させたことが検出された場合には、前記起動優先順位設定手段は、撮像表示機能、経路案内機能の順で起動優先順位を設定することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーションシステム。
【請求項4】
各種機能として車両を経路案内する経路案内機能と、入力手段を操作して各種情報を前記ナビゲーションシステムに入力する入力機能と、車両を経路案内する際の目的地を設定する目的地設定機能とを備え、
前記車両状態検出手段によって前記ナビゲーションシステムで経路案内機能が使用されていないことが検出された場合には、前記起動優先順位設定手段は、入力機能、目的地設定機能の順で起動優先順位を設定する
ことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーションシステム。
【請求項5】
車両の現在位置を特定する特定手段と、
各種機能として車両の後方を撮像してその映像を表示手段に表示する撮像表示機能を備え、
前記特定手段によって車両が駐車場にいることが特定され、前記車両状態検出手段によって車両が前進で駐車スペースに進入して車両を駐車させたことが検出された場合には、前記起動優先順位設定手段は、入力機能ならびに経路案内機能に優先させて撮像表示機能を最も高い優先順位に設定する
ことを特徴とする請求項4に記載のナビゲーションシステム。
【請求項6】
ナビゲーションシステムの電源がオンされたときに、前記ナビゲーションシステムに予め搭載された各種機能を起動して使用可能状態にする起動ステップを有するナビゲーションシステムの起動方法において、
車両状態検出手段により前記ナビゲーションシステムを搭載した車両の状態を検出する第1のステップと、
前記第1のステップで検出された車両状態に基づいて、前記ナビゲーションシステムに搭載された各種機能の起動優先順位を設定する第2のステップと、
前記第2のステップで設定された起動優先順位を保存する第3のステップとを有し、
前記起動ステップでは、前記第3のステップで保存された起動優先順位にしたがって起動優先順位が高い機能から順に起動する
ことを特徴とするナビゲーションシステムの起動方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2010−210278(P2010−210278A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−53910(P2009−53910)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】