説明

ナビゲーション装置、制御方法、プログラム、及び記憶媒体

【課題】使用者の意図に適った検索結果の表示を実行することが可能なナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置は、車両に設置され、記憶部と、検索条件特定手段と、検索手段と、検索結果出力手段と、を備える。記憶部は、経路案内の目標地となる候補と、これに関連する駐車ポイントとを関連付けて記憶する。検索条件特定手段は、外部入力に基づき、検索条件を特定する。検索手段は、検索条件を満たす候補を検索する。検索結果出力手段は、検索条件を満たす候補のうち、当該候補に関連付けられた駐車ポイントの数が大きい候補ほど、優先的に検索結果として表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置による使用者への情報提示の制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、施設の周辺地図を表示する際、当該施設と関連する駐車場の位置を表示する技術が存在する。例えば、特許文献1には、施設検索により指示された施設の周辺地図を描画する際、提携先駐車場を施設内駐車場と共に施設の周辺地図上に表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−089989号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、使用者が検索条件を指定して施設検索を行う場合、ナビゲーション装置は、検索条件に合致する複数の施設のリストを、例えば当該施設名称の50音順に又は現在地から近い順に表示する。一方、使用者は、駐車しやすい施設を優先的に選択したい場合がある。従って、この場合、使用者は、検索結果としてリスト表示された施設に駐車可能な場所が存在するか否かを、各施設を選択して地図表示等することにより確かめる必要がある。上記の問題は、特許文献1には、何ら検討されていない。
【0005】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、使用者の意図に適った検索結果の表示を実行することが可能なナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、ナビゲーション装置であって、経路案内の目標地となる候補と、当該候補と関連する駐車場又は当該駐車場の入口の位置を示す駐車ポイントと、を関連付けて記憶する記憶部と、外部入力に基づき、検索条件を特定する検索条件特定手段と、前記候補から、前記検索条件を満たす候補を検索する検索手段と、前記検索条件を満たす候補のうち、当該候補に関連付けられた前記駐車ポイントの数が大きい候補ほど、優先的に検索結果として表示する検索結果出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項7に記載の発明は、経路案内の目標地となる候補と、当該候補と関連する駐車場又は当該駐車場の入口の位置を示す駐車ポイントと、を関連付けて記憶する記憶部を備えるナビゲーション装置により実行される制御方法であって、外部入力に基づき、検索条件を特定する検索条件特定工程と、前記候補から、前記検索条件を満たす候補を検索する検索工程と、前記検索条件を満たす候補のうち、当該候補に関連付けられた前記駐車ポイントの数が大きい候補ほど、優先的に検索結果として表示する検索結果出力工程と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項8に記載の発明は、経路案内の目標地となる候補と、当該候補と関連する駐車場又は当該駐車場の入口の位置を示す駐車ポイントと、を関連付けて記憶する記憶部を備えるナビゲーション装置に搭載され実行されるプログラムであって、外部入力に基づき、検索条件を特定する検索条件特定手段と、前記候補から、前記検索条件を満たす候補を検索する検索手段と、前記検索条件を満たす候補のうち、当該候補に関連付けられた前記駐車ポイントの数が大きい候補ほど、優先的に検索結果として表示する検索結果出力手段、として前記ナビゲーション装置を機能させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】各実施例に係るナビゲーション装置の概略構成の一例である。
【図2】各実施例に係るナビゲーション装置の機能ブロックの一例である。
【図3】第1実施例に係るナビゲーション装置の表示例である。
【図4】比較例に係るナビゲーション装置の表示例である。
【図5】第1実施例の処理手順を示すフローチャートの一例である。
【図6】第2実施例に係るナビゲーション装置の表示例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の1つの観点では、経路案内の目標地となる候補と、当該候補と関連する駐車場又は当該駐車場の入口の位置を示す駐車ポイントと、を関連付けて記憶する記憶部と、外部入力に基づき、検索条件を特定する検索条件特定手段と、前記候補から、前記検索条件を満たす候補を検索する検索手段と、前記検索条件を満たす候補のうち、当該候補に関連付けられた前記駐車ポイントの数が大きい候補ほど、優先的に検索結果として表示する検索結果出力手段と、を備える。
【0011】
上記のナビゲーション装置は、車両に設置され、記憶部と、検索条件特定手段と、検索手段と、検索結果出力手段と、を備える。記憶部は、経路案内の目標地となる候補と、これに関連する駐車ポイントとを関連付けて記憶する。ここで、「目標地」とは、経路案内の目標となる地点を指し、いわゆる目的地及び立寄地を含む。また、「目標地となる候補」とは、施設その他使用者が目標地として設定可能な地点又はエリアを指す。「駐車ポイント」とは、駐車場又は当該駐車場の入口の位置を示し、1の駐車場に複数の入口がある場合には、駐車場の数だけ駐車ポイントがあることと定めてもよく、または、入口の数だけ駐車ポイントがあることと定めてもよい。検索条件特定手段は、外部入力に基づき、検索条件を特定する。ここで、「外部入力」とは、ナビゲーション装置の使用者の操作に基づく入力を指す。検索手段は、検索条件を満たす候補を検索する。検索結果出力手段は、検索条件を満たす候補のうち、当該候補に関連付けられた駐車ポイントの数が大きい候補ほど、優先的に検索結果として表示する。具体的には、検索結果出力手段は、検索結果を画面上にリスト表示する場合、駐車ポイントの数が大きい候補ほど、当該リストの上位に表示する。このようにすることで、ナビゲーション装置は、駐車しやすい候補を検索結果として積極的に提示することができる。従って、使用者は駐車しやすい候補を目標地として選択することが容易となり、利便性が向上する。また、駐車ポイントは、通常、多数の者が立ち寄る大型施設に多く関連付けられる。従って、使用者は、初めて行く場所であっても、大型施設を検索結果から容易に選択することができる。
【0012】
上記のナビゲーション装置の一態様では、前記駐車ポイントは、優先順位が定められた複数の種類に分類され、前記検索結果出力手段は、前記優先順位が高い前記種類の駐車ポイントの数が大きい候補ほど、優先的に検索結果として表示する。ここで、優先順位は、予め定められていてもよく、外部入力に基づき決定又は変更されてもよい。また、駐車ポイントの種類は、例えば、予め記憶部に記憶された駐車ポイントの他、使用者個人用に事後的に登録された駐車ポイントや、ネットワーク上のサーバから配信された駐車ポイントなどがある。このようにすることで、ナビゲーション装置は、駐車ポイントの種類を考慮して検索結果を使用者に提示することができる。
【0013】
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記駐車ポイントは、優先順位が定められた複数の種類に分類され、前記検索結果出力手段は、前記優先順位に基づき前記種類ごとの駐車ポイントの数の重み付けを行い、当該重み付け後の駐車ポイントの数の合算値が大きい候補ほど、優先的に検索結果として表示する。この態様によれば、検索結果出力手段は、各種類の駐車ポイントごとに所定の重み付け係数を乗じて得た値を合算値として産出する。そして、検索結果出力手段は、当該合算値が大きい候補ほど、優先的に表示する。このようにすることで、ナビゲーション装置は、駐車ポイントの種類を考慮して検索結果を使用者に提示することができる。
【0014】
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、車両に搭載され、前記駐車ポイントのうち、外部入力又は前記車両の過去の駐車履歴に基づき生成された第1駐車ポイントが、少なくとも前記種類のうちの1の種類として分類され、前記検索結果出力手段は、前記第1駐車ポイントの前記優先順位を最も高く設定する。即ち、第1駐車ポイントは、駐車ポイントの種類の1つであり、ナビゲーション装置の使用者の行為に起因して個人用に生成された駐車ポイントである。従って、この態様では、ナビゲーション装置は、使用者自身がよく立ち寄る施設等を検索結果の上位に提示することができる。
【0015】
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記駐車ポイントのうち、他のナビゲーション装置と前記駐車ポイントの情報を共有することで登録された第2駐車ポイントが、少なくとも前記種類のうちの1の種類として分類され、前記検索結果出力手段は、前記第2駐車ポイントの前記優先順位を最も高く設定する。即ち、第2駐車ポイントは、駐車ポイントの種類の1つであり、例えば駐車ポイントの情報を管理するサーバを介して当該ナビゲーション装置と他のナビゲーション装置とが共有する駐車ポイントである。この態様では、ナビゲーション装置は、他のナビゲーション装置の使用者により頻繁に利用される施設等を優先的に検索結果として使用者に提示することができる。
【0016】
上記のナビゲーション装置の他の一態様では、前記検索結果出力手段は、前記検索条件を満たす候補を検索結果として表示する際、少なくとも当該候補の前記駐車ポイントの数を表示する。ここで、検索結果出力手段は、駐車ポイントの数を数字で表示してもよく、グラフなどで図案化して駐車ポイントの数が感覚的に認識可能なように表示してもよい。このようにすることで、ナビゲーション装置は、明確に使用者に駐車ポイントの数を通知することができる。
【0017】
本発明の他の観点では、経路案内の目標地となる候補と、当該候補と関連する駐車場又は当該駐車場の入口の位置を示す駐車ポイントと、を関連付けて記憶する記憶部を備えるナビゲーション装置により実行される制御方法であって、外部入力に基づき、検索条件を特定する検索条件特定工程と、前記候補から、前記検索条件を満たす候補を検索する検索工程と、前記検索条件を満たす候補のうち、当該候補に関連付けられた前記駐車ポイントの数が大きい候補ほど、優先的に検索結果として表示する検索結果出力工程と、を備える。ナビゲーション装置は、この方法を使用することで、駐車しやすい候補を検索結果として積極的に提示することができる。従って、使用者は駐車しやすい候補を目標地として選択することが容易となり、利便性が向上する。
【0018】
本発明のさらに別の観点では、経路案内の目標地となる候補と、当該候補と関連する駐車場又は当該駐車場の入口の位置を示す駐車ポイントと、を関連付けて記憶する記憶部を備えるナビゲーション装置に搭載され実行されるプログラムであって、外部入力に基づき、検索条件を特定する検索条件特定手段と、前記候補から、前記検索条件を満たす候補を検索する検索手段と、前記検索条件を満たす候補のうち、当該候補に関連付けられた前記駐車ポイントの数が大きい候補ほど、優先的に検索結果として表示する検索結果出力手段、として前記ナビゲーション装置を機能させる。ナビゲーション装置は、このプログラムを搭載して実行することで、駐車しやすい候補を検索結果として積極的に提示することができる。従って、使用者は駐車しやすい候補を目標地として選択することが容易となり、利便性が向上する。好適には、上記プログラムは、記憶媒体に記憶される。
【実施例】
【0019】
以下、図面を参照して本発明の好適な第1実施例及び第2実施例について説明する。まず、本発明の各実施例に共通するナビゲーション装置の概略構成について説明する。
【0020】
なお、以後の説明では、ナビゲーション装置1が搭載された車両を、「搭載車両」と呼ぶ。また、「使用者」とは、搭載車両の運転者の他、搭載車両の乗員も含むものとする。さらに、「目的地等」とは、使用者がナビゲーション装置1に設定した目的地の他、使用者が目的地の途中で立ち寄る地点(立寄地)として設定した地点も含むものとする。また、「施設」とは、建物や設備の他、目的地等として設定され得る地点を指す。
【0021】
[概略構成]
図1に、ナビゲーション装置1の概略構成を示す。図1に示すように、ナビゲーション装置1は、自立測位装置10、GPS受信機18、システムコントローラ20、ディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、通信装置38、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60を備える。
【0022】
自立測位装置10は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13を備える。加速度センサ11は、例えば圧電素子からなり、車両の加速度を検出し、加速度データを出力する。角速度センサ12は、例えば振動ジャイロからなり、車両の方向変換時における車両の角速度を検出し、角速度データ及び相対方位データを出力する。距離センサ13は、車両の車輪の回転に伴って発生されているパルス信号からなる車速パルスを計測する。
【0023】
GPS受信機18は、複数のGPS衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波19を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報等から車両の絶対的な位置(以後、「現在地」とも呼ぶ。)を検出するために用いられる。
【0024】
システムコントローラ20は、インタフェース21、CPU(Central Processing Unit)22、ROM(Read Only Memory)23及びRAM(Random Access Memory)24を含んでおり、ナビゲーション装置1全体の制御を行う。
【0025】
インタフェース21は、加速度センサ11、角速度センサ12及び距離センサ13並びにGPS受信機18とのインタフェース動作を行う。そして、これらから、車速パルス、加速度データ、相対方位データ、角速度データ、GPS測位データ、絶対方位データ等をシステムコントローラ20に入力する。CPU22は、システムコントローラ20全体を制御する。ROM23は、システムコントローラ20を制御する制御プログラム等が格納された図示しない不揮発性メモリ等を有する。RAM24は、入力装置60を介して使用者により予め設定された経路データ等の各種データを読み出し可能に格納したり、CPU22に対してワーキングエリアを提供したりする。なお、これらのシステムコントローラ20の各要素が実行する具体的な処理については、後述する。
【0026】
システムコントローラ20、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブなどのディスクドライブ31、データ記憶ユニット36、通信用インタフェース37、表示ユニット40、音声出力ユニット50及び入力装置60は、バスライン30を介して相互に接続されている。
【0027】
ディスクドライブ31は、システムコントローラ20の制御の下、CD又はDVDといったディスク33から、音楽データ、映像データなどのコンテンツデータを読み出し、出力する。なお、ディスクドライブ31は、CD−ROMドライブ又はDVD−ROMドライブのうち、いずれか一方としてもよいし、CD及びDVDコンパチブルのドライブとしてもよい。
【0028】
データ記憶ユニット36は、例えば、HDDなどにより構成され、地図データなどのナビゲーション処理に用いられる各種データを記憶するユニットである。特に、データ記憶ユニット36は、地図データとして、各施設の位置情報その他施設に関連する情報(以後、「施設情報」と呼ぶ。)のデータベースを記憶する。また、データ記憶ユニット36は、施設ごとに、当該施設を利用する際に駐車可能な場所又はその入口(以後、「駐車ポイントP」と呼ぶ。)の位置情報(即ち、緯度経度情報)を記憶する。なお、1の駐車場に対し複数の入り口が存在した場合、駐車ポイントPは、当該入口の数分だけ存在するものとする。
【0029】
通信装置38は、例えば、FMチューナやビーコンレシーバ、携帯電話や専用の通信カードなどにより構成され、VICSセンタ、又は各車両の走行履歴を蓄積管理して渋滞情報を提供するサーバなどから配信される渋滞情報その他交通情報を電波39より取得する。そしてインタフェース37は、通信装置38のインタフェース動作を行い、交通情報をシステムコントローラ20等に入力する。
【0030】
表示ユニット40は、システムコントローラ20の制御の下、各種表示データをディスプレイなどの表示装置に表示する。具体的には、システムコントローラ20は、データ記憶ユニット36から地図データを読み出す。表示ユニット40は、システムコントローラ20によってデータ記憶ユニット36から読み出された地図データなどを表示画面上に表示する。表示ユニット40は、バスライン30を介してCPU22から送られる制御データに基づいて表示ユニット40全体の制御を行うグラフィックコントローラ41と、VRAM(Video RAM)等のメモリからなり即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッファメモリ42と、グラフィックコントローラ41から出力される画像データに基づいて、液晶、CRT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ44を表示制御する表示制御部43と、ディスプレイ44とを備える。ディスプレイ44は、画像表示部として機能し、例えば対角5〜10インチ程度の液晶表示装置等からなり、車内のフロントパネル付近に装着される。
【0031】
音声出力ユニット50は、システムコントローラ20の制御の下、CD−ROMドライブ31又はDVD−ROM32、若しくはRAM24等からバスライン30を介して送られる音声デジタルデータのD/A(Digital to Analog)変換を行うD/Aコンバータ51と、D/Aコンバータ51から出力される音声アナログ信号を増幅する増幅器(AMP)52と、増幅された音声アナログ信号を音声に変換して車内に出力するスピーカ53とを備えて構成されている。
【0032】
入力装置60は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置等から構成されている。入力装置60は、車内に搭載された当該車載用電子システムの本体のフロントパネルやディスプレイ44の周囲に配置される。また、ディスプレイ44がタッチパネル方式の場合、ディスプレイ44の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力装置60として機能する。
【0033】
なお、図1のシステムコントローラ20は、本発明における検索条件特定手段、検索手段、及び検索結果出力手段に相当する。
【0034】
次に、駐車ポイントPについて詳しく説明する。駐車ポイントPは、その登録された経緯に基づき、複数の種類に分類される。ここでは、駐車ポイントPは、一例として、「既存駐車ポイントPa」、「個人駐車ポイントPi」、及び「共有駐車ポイントPu」の3種類に分類されるものとする。既存駐車ポイントPaは、データ記憶ユニット36が予め地図データとして記憶している駐車ポイントPを指す。個人駐車ポイントPiは、ユーザの操作や過去の駐車履歴に起因して新たに施設と関連付けられた駐車ポイントPを指す。共有駐車ポイントPuは、他のナビゲーション装置と情報共有することにより登録された駐車ポイントPを指す。
【0035】
ここで、個人駐車ポイントPi及び共有駐車ポイントPuの登録方法について説明する。まず、個人駐車ポイントPiの登録方法について説明する。システムコントローラ20は、例えば、目的地等が設定されている場合であって、当該目的地等から十分近い距離で搭載車両が駐車されたと認めた場合、当該駐車地点を、当該目的地等の個人駐車ポイントPiとして登録する。そして、システムコントローラ20は、当該駐車地点の位置情報をGPS受信機18から取得し、当該目的地等と関連づけてデータ記憶ユニット36に記憶させる。他の例では、使用者が画面操作により手動で個人駐車ポイントPiを登録してもよい。
【0036】
次に、共有駐車ポイントPuの登録方法の一例について説明する。使用者は、データ記憶ユニット36をナビゲーション装置1から分離してインターネット等のネットワークに接続した自宅の端末と電気的に接続させる。そして、使用者は、当該端末のブラウザ等を介して、個人駐車ポイントPiの情報を管理するサーバ(以後、「データ管理サーバ」と呼ぶ。)へ個人駐車ポイントPiの情報をアップロードすると共に、データ管理サーバに登録された共有駐車ポイントPuの情報をダウンロードする。これにより、データ記憶ユニット36は、共有駐車ポイントPuの情報を記憶する。即ち、データ管理サーバには多数の使用者により登録された個人駐車ポイントPiの情報がアップロードされるため、データ記憶ユニット36は、他の使用者が登録した個人駐車ポイントPiの情報を共有駐車ポイントPuの情報として記憶する。
【0037】
なお、個人駐車ポイントPi、共有駐車ポイントPu、及び既存駐車ポイントPaが互いに重複する場合、システムコントローラ20は、所定の優先順位に基づき、いずれか1つの駐車ポイントPのみをデータ記憶ユニット36に記憶させてもよい。
【0038】
[第1実施例]
(基本説明)
次に、第1実施例でシステムコントローラ20が実行する処理について説明する。概略的には、システムコントローラ20は、目的地等を設定するための検索結果を表示する場合、検索条件を満たす施設を、当該施設情報に含まれる駐車ポイントPの数(以後、「駐車ポイント数Np」と呼ぶ。)が多いほど優先的に表示する。このようにすることで、システムコントローラ20は、駐車が容易な施設を上位に提示し、利便性を向上させる。
【0039】
この処理について、図2を参照して具体的に説明する。図2は、システムコントローラ20の機能ブロックを示した図の一例である。図2に示すように、システムコントローラ20は、検索条件特定部201と、検索部202と、検索結果出力部203と、を備える。以下、これらの各要素が実行する処理について説明する。
【0040】
まず、検索条件特定部201が実行する処理について説明する。検索条件特定部201は、入力装置60から供給される入力情報に基づき、検索条件を特定する。例えば、検索条件特定部201は、施設名称に基づき検索を行う名称検索の場合、所望の施設の施設名称の全部又は一部に該当するキーワード(以後、「検索文字列」とも呼ぶ。)の入力を受け付けると共に、適宜、当該施設が存在するエリアの指定又は/及び当該施設が属するジャンルの指定を受け付ける。そして、検索条件特定部201は、この場合、上述の検索文字列、指定されたエリア(以後、「指定エリア」と呼ぶ。)、及び指定されたジャンル(以後、「指定ジャンル」と呼ぶ。)を検索条件として特定する。
【0041】
次に、検索部202が実行する処理について説明する。検索部202は、検索条件を満たす施設(以後、「該当施設」と呼ぶ。)を、データ記憶ユニット36が記憶する施設情報のデータベースから抽出する。例えば、上述の名称検索の場合、検索部202は、入力されたキーワードを施設名称に含む施設であって、かつ、指定エリア内に存在し、指定ジャンルに属する施設を該当施設として抽出する。
【0042】
次に、検索結果出力部203が実行する処理について説明する。検索結果出力部203は、該当施設の施設情報に含まれる駐車ポイント数Npに基づき、該当施設を表示する順番(以後、単に「表示順位」と呼ぶ。)を決定する。そして、検索結果出力部203は、表示順位に基づき該当施設を検索結果として表示ユニット40に表示する。具体的には、検索結果出力部203は、駐車ポイント数Npが大きい該当施設ほど、表示順位を高く設定する。そして、検索結果出力部203は、検索結果のリスト(以後、「検索結果リスト」と呼ぶ。)を表示する際、駐車ポイント数Npが大きい該当施設ほど検索結果リストの上位に表示する。
【0043】
このようにすることで、システムコントローラ20は、駐車が容易な施設を優先的に提示し、使用者の利便性を向上させることができる。
【0044】
なお、検索結果出力部203は、駐車ポイント数Npが同じ該当施設が存在する場合、これらの表示順位を50音順に定めてもよく、現在地に近い順に定めてもよい。
【0045】
(表示例)
次に、図3を参照して第1実施例で表示ユニット40が出力する表示画面について説明する。以後の説明では、ナビゲーション装置1は、一例としてタッチパネル方式による入力を受け付けるものとする。また、図3中の「A」、「B」、「C」は、それぞれ所定の平仮名を表示するものとする。また、破線枠は、仮想的な領域を示す。
【0046】
図3(a)は、名称検索を実行する際の入力画面表示例を示す。表示画面70xは、入力された検索文字列を表示する入力表示欄71と、タッチパネルによる文字入力部72と、を備える。さらに、表示画面70xは、指定ジャンルの選択画面へ移行するためのジャンル選択ボタン73と、指定エリアの選択画面へ移行するためのエリア選択ボタン74と、検索を開始するための候補表示ボタン75と、を備える。
【0047】
まず、使用者は、文字入力部72中の文字部分を押下することにより、検索文字列を入力する。ここでは、使用者は、入力表示欄71に示すように、「ABCえき」と入力を行ったものとする。また、使用者は、必要に応じて、ジャンル選択ボタン73を押下することにより、指定ジャンルの選択画面を表示させる。そして、使用者は、当該選択画面から指定ジャンルを選択するための入力を行う。同様に、使用者は、必要に応じて、エリア選択ボタン74を押下することにより、指定エリアの選択画面を表示させる。そして、使用者は、当該選択画面から指定エリアを選択するための入力を行う。
【0048】
そして、使用者が候補表示ボタン75を押下した場合、検索条件特定部201は、検索条件を特定する。そして、検索部202は、検索条件に基づき該当施設を特定し、検索結果出力部203は、各該当施設の表示順位を決定する。
【0049】
図3(b)は、名称検索の実行後の出力画面表示例を示す。表示画面70yは、検索結果リスト76と、検索結果リスト76の表示部分の切り替えを実行するための表示切替ボタン77と、検索結果リスト76の全体に占める表示部分の位置を表示するスクロールバー78と、地図表示部79と、を備える。
【0050】
図3(b)に示すように、表示画面70yは、施設名称表示欄86及び駐車ポイント数表示欄87を備える検索結果リスト76を、表示順位が高い該当施設から上位に表示している。ここで、施設名称表示欄86は、該当施設の施設名称を表示する。また、駐車ポイント数表示欄87は、該当施設の駐車ポイント数Npを表示する。図3(b)では、駐車ポイント数Npが8で最も多い該当施設「ABC駅」が、検索結果リスト76の最上位に表示されている。また、検索結果出力部203は、使用者が表示切替ボタン77を押下した場合、表示順位が5番目以降の検索結果リスト76を適宜表示する。
【0051】
地図表示部79は、検索結果リスト76の1の該当施設(ここでは、検索結果リストの最上位に位置する「ABC駅」)の位置を地図表示部79で地図表示している。アイコン80は、該当施設「ABC駅」の駐車ポイントPの位置を表示するアイコンである。
【0052】
このように、検索結果出力部203は、駐車ポイント数Npが多い該当施設ほど検索結果リスト76の上位に表示することで、駐車しやすい該当候補の選択を容易にすることができる。また、検索結果出力部203は、駐車ポイント数表示欄87を設けることで、駐車ポイント数Npを使用者に明確に把握させることができる。
【0053】
(効果)
次に、第1実施例の効果について図4の比較例を用いて補足説明する。図4は、比較例における名称検索の実行後の出力画面表示例を示す。表示画面90は、検索結果リスト76xと、表示切替ボタン77xと、スクロールバー78xと、地図表示部79xと、を備える。
【0054】
図4に示すように、表示画面90は、該当施設を50音順に、又は現在地から近い順に、検索結果リスト76xを表示している。また、図4では、該当施設「ABランド」が検索結果リスト76xから選択されている。その結果、地図表示部79xは、「ABランド」を中心とした周辺地図を表示している。また、地図表示部79xは、「ABランド」に関連付けられた駐車ポイントPをアイコン80xにより表示している。
【0055】
このように、比較例では、使用者が検索結果リスト76xの任意の該当施設を選択することで、地図表示部79xは、その該当施設に関連付けられた駐車ポイントPをアイコン80xにより表示する。従って、比較例では、使用者は、検索結果リスト76xから該当施設を選択しなければ、その該当施設に関連付けられた駐車ポイント数Npを知ることができない。また、比較例では、検索結果リスト76xは、該当施設の施設名称の50音順等所定の規則に従い並べられる。従って、比較例では、検索結果リスト76xの上位の該当施設が多くの駐車ポイントPを有するとは限らない。よって、使用者は、駐車ポイント数Npの多い順に、即ち、駐車が容易な順に、該当施設を選択したい場合に、不便に感じる可能性がある。
【0056】
以上を勘案し、第1実施例では、システムコントローラ20は、駐車ポイント数Npの多い順に検索結果を表示する。これにより、使用者は、駐車しやすい該当施設を容易に選択することができる。また、一般に、駐車ポイント数Npは、駐車場及びその入り口が多く設けられた大型施設ほど多くなる。また、共有駐車ポイントPuのように、多数の使用者の行動を集計することにより駐車ポイントPを決定する場合、駐車ポイント数Npは、多数の使用者が利用する施設ほど大きくなる。よって、第1実施例では、システムコントローラ20は、大勢の人に利用される施設や大型施設ほど、検索結果リストの上位に提示することができる。従って、システムコントローラ20は、より使用者の意図に適った該当施設を検索結果として使用者に提示することができる。
【0057】
(処理フロー)
次に、第1実施例でシステムコントローラ20が実行する処理手順について図5を用いて説明する。図5は、第1実施例でシステムコントローラ20が実行する処理手順を示すフローチャートの一例である。ここでは、一例として、名称検索の場合の処理フローについて説明する。システムコントローラ20は、図5に示すフローチャートの処理を、所定の周期に従い繰り返し実行する。
【0058】
まず、システムコントローラ20は、検索文字列の入力を受け付ける(ステップS101)。具体的には、システムコントローラ20は、例えば図3(a)に示すような表示画面70xを表示し、使用者から検索文字列の入力を受け付ける。また、システムコントローラ20は、ジャンル選択ボタン73の押下を検知した場合、指定ジャンルの選択画面を表示し、指定ジャンルを受け付ける。さらに、システムコントローラ20は、エリア選択ボタン74の押下を検知した場合、指定エリアの選択画面を表示し、指定エリアを受け付ける。
【0059】
次に、システムコントローラ20は、ジャンルの指定があるか否か判定する(ステップS102)。そして、ジャンルの指定がある場合(ステップS102;Yes)、システムコントローラ20は、指定ジャンルを検索条件に追加する(ステップS103)。一方、ジャンルの指定がない場合(ステップS102;No)、システムコントローラ20は、ステップS104へ処理を進める。
【0060】
次に、システムコントローラ20は、エリアの指定があるか否か判定する(ステップS104)。そして、エリアの指定がある場合(ステップS104;Yes)、システムコントローラ20は、指定エリアを検索条件に追加する(ステップS105)。一方、エリアの指定がない場合(ステップS104;No)、システムコントローラ20は、ステップS106へ処理を移行する。
【0061】
次に、システムコントローラ20は、検索を実行する(ステップS106)。具体的には、システムコントローラ20は、ステップS101乃至ステップS105で特定した検索条件を満たす施設を該当施設として抽出する。
【0062】
そして、システムコントローラ20は、該当施設があるか否か判定する(ステップS107)。即ち、システムコントローラ20は、検索条件を満たす施設が存在するか否か判定する。そして、該当施設が存在する場合(ステップS107;Yes)、システムコントローラ20は、駐車ポイント数Npに基づき該当施設をソートする(ステップS108)。言い換えると、システムコントローラ20は、駐車ポイント数Npが大きい該当施設ほど、表示順位を高く設定する。そして、システムコントローラ20は、検索結果を表示する(ステップS109)。このとき、システムコントローラ20は、駐車ポイント数Npが多い該当施設ほど、検索結果リストの上位に表示する。これにより、システムコントローラ20は、駐車しやすい施設ほど優先的に使用者に提示し、使用者の選択の利便性を向上させることができる。
【0063】
以上説明したように、本実施例に係るナビゲーション装置は、ナビゲーション装置は、車両に設置され、記憶部と、検索条件特定手段と、検索手段と、検索結果出力手段と、を備える。記憶部は、経路案内の目標地となる候補と、これに関連する駐車ポイントとを関連付けて記憶する。検索条件特定手段は、使用者の操作に基づき、検索条件を特定する。検索手段は、検索条件を満たす候補を検索する。検索結果出力手段は、検索条件を満たす候補のうち、当該候補に関連付けられた駐車ポイントの数が大きい候補ほど、優先的に検索結果として表示する。このようにすることで、ナビゲーション装置は、駐車しやすい候補を検索結果として積極的に提示することができる。従って、使用者は駐車しやすい候補を目標地として選択することが容易となり、利便性が向上する。また、駐車ポイントは、通常、多数の者が立ち寄る大型施設に多く関連付けられる。従って、使用者は、初めて行く場所であっても、大型施設を検索結果から容易に選択することができる。
【0064】
[第2実施例]
次に、第2実施例でシステムコントローラ20が実行する処理について説明する。概略的には、システムコントローラ20は、駐車ポイントPの種類ごとの駐車ポイント数Np(以後、「種別駐車ポイント数Nps」と呼ぶ。)と、いずれの種別駐車ポイント数Npsを優先させるかを定めた優先順位(以後、「種別間優先順位」と呼ぶ。)とに基づき、該当施設の表示順位を定める。これにより、より使用者の選択の利便性を向上させる。
【0065】
これについて再び図2を参照して具体的に説明する。なお、検索条件特定部201及び検索部202が実行する処理は、第1実施例と同様であるため、その説明を省略する。
【0066】
まず、検索結果出力部203は、種別間優先順位が最も高い種別駐車ポイント数Npsが多い該当施設ほど、表示順位を高く設定する。次に、検索結果出力部203は、上述の処理の結果、表示順位が同一の該当施設、即ち上述の種別駐車ポイント数Npsが同一の該当施設に対し、種別間優先順位が2番目に高い種別駐車ポイント数Npsが多い該当施設ほど、表示順位を高く設定する。さらに、上述の2つの種別駐車ポイント数Npsが同一の該当施設に対し、検索結果出力部203は、種別間優先順位が3番目に高い種別駐車ポイント数Npsが多い該当施設ほど、表示順位を高く設定する。なお、検索結果出力部203は、全ての種別駐車ポイント数Npsが同じ該当施設が存在する場合、50音順に基づきこれらの表示順位を決定してもよく、現在地に近い該当施設ほど表示順位を高く設定してもよい。
【0067】
次に、検索結果出力部203は、上述の処理により決定した表示順位に基づき該当施設を表示ユニット40により表示する。即ち、検索結果出力部203は、表示順位が高い該当施設ほど、検索結果リストの上位に表示する。
【0068】
このようにすることで、システムコントローラ20は、さらに使用者の利便性を向上させることができる。例えば、個人駐車ポイントPiの種別間優先順位が最も高く設定された場合、システムコントローラ20は、個人駐車ポイントPiの数が多い施設を優先的に使用者へ提示する。従って、この場合、システムコントローラ20は、搭載車両の使用者が行く頻度が高い施設を検索結果リストの上位に表示することができる。他の例では、共有駐車ポイントPuの種別間優先順位が最も高く設定された場合、システムコントローラ20は、共有駐車ポイントPuの数が多い施設を優先的に使用者へ提示する。従って、この場合、システムコントローラ20は、駐車ポイントPを共有する他のナビゲーション装置の使用者が多く利用する施設を検索結果リストの上位に表示することができる。
【0069】
(表示例)
図6は、第2実施例の出力画面表示例を示す。表示画面70zは、第1実施例の表示画面70yと同様、検索結果リスト76と、検索結果リスト76の表示部分の切り替えを実行するための表示切替ボタン77と、検索結果リスト76の表示部分の位置を表示するスクロールバー78と、地図表示部79と、を備える。なお、図6では、種別間優先順位は、個人駐車ポイントPi、共有駐車ポイントPu、既存駐車ポイントPaの順に設定されているものとする。
【0070】
図6に示すように、検索結果リスト76は、それぞれ、施設名称表示欄86と、個人駐車ポイント数表示欄87aと、共有駐車ポイント数表示欄87bと、既存駐車ポイント数表示欄87cと、を備える。個人駐車ポイント数表示欄87aは、個人駐車ポイントPiの数(以後、「個人駐車ポイント数Npi」と呼ぶ。)を表示する欄である。共有駐車ポイント数表示欄87bは、共有駐車ポイントPuの数(以後、「共有駐車ポイント数Npu」と呼ぶ。)を表示する欄である。既存駐車ポイント数表示欄87cは、既存駐車ポイントPaの数(以後、「既存駐車ポイント数Npa」と呼ぶ。)を表示する欄である。
【0071】
そして、検索結果リスト76の最上位には、種別間優先順位が最も高い個人駐車ポイント数Npiが最多の「4」である該当施設「ABC駅」が表示されている。2番目と3番目の検索結果リスト76には、個人駐車ポイント数Npiが「3」の該当施設「ABC駅前ビル」及び該当施設「ABC駅前公園」が表示されている。なお、図6では、該当施設「ABC駅前ビル」は、該当施設「ABC駅前公園」よりも、種別間優先順位が2番目に高い共有駐車ポイント数Npuが多い。従って、該当施設「ABC駅前ビル」は、該当施設「ABC駅前公園」よりも上位に表示されている。そして、4番目の検索結果リスト76には、個人駐車ポイント数Npiが4番目に高い該当施設「ABC駅前量販店」が表示されている。なお、検索結果出力部203は、使用者による表示切替ボタン77への押下を検知した場合、表示順位が5番目以降の検索結果リスト76を適宜表示する。
【0072】
また、地図表示部79は、表示順位が最も高い該当施設「ABC駅」の周辺地図を表示している。ここで、アイコン80aは、個人駐車ポイントPiの位置を表示する。アイコン80bは、共有駐車ポイントPuの位置を表示する。アイコン80cは、既存駐車ポイントPaの位置を表示する。
【0073】
このように、個人駐車ポイントPiの種別間優先順位が最も高く設定されることで、システムコントローラ20は、個人駐車ポイントPiの数が多い施設を優先的に使用者へ提示することができる。従って、システムコントローラ20は、搭載車両の使用者が行く頻度が高い施設を検索結果リスト76の上位に表示することができる。また、システムコントローラ20は、個人駐車ポイント数表示欄87a、共有駐車ポイント数表示欄87b、及び既存駐車ポイント数表示欄87cにより各種別駐車ポイント数Npsを表示している。従って、使用者は、検索結果リスト76から、各該当施設の種別駐車ポイント数Npsを容易に把握することができ、選択の利便性が向上する。
【0074】
(処理フロー)
次に、第2実施例の処理フローについて再び図5を参照して説明する。第2実施例では、システムコントローラ20は、ステップS101乃至ステップS107の実行後、ステップS108の処理に代えて、種別間優先順位と、種別駐車ポイント数Npsとに基づき、該当施設のソートを行い、表示順位を決定する。そして、システムコントローラ20は、ステップS109と同様、検索結果を表示する。
【0075】
[変形例]
以下、本実施例の各変形例について説明する。なお、これらの各変形例は、任意に組み合わせて上述の各実施例に適用することが可能である。
【0076】
(変形例1)
図5等では、システムコントローラ20は、名称検索の検索結果の表示順位を、駐車ポイント数Np又は種別駐車ポイント数Npsに基づき決定した。しかし、本発明が適用可能な検索対象は、これに限定されない。具体的には、システムコントローラ20は、名称検索に代えて、電話番号に基づく施設の検索(電話番号検索)、又は、ジャンルに基づく施設の検索(ジャンル検索)、その他の検索の検索結果に対しても、第1又は第2実施例の処理を実行してもよい。
【0077】
この場合、システムコントローラ20は、各種の検索に基づき得られた該当施設を、駐車ポイント数Npが大きいほど優先的に表示する。または、システムコントローラ20は、各種の検索に基づき得られた該当施設を、種別間優先順位が高い種別駐車ポイント数Npsが大きいほど優先的に表示する。
【0078】
(変形例2)
システムコントローラ20は、第1及び第2実施例の各処理を、使用者からの明示的な指示があった場合のみ実行してもよい。この場合、システムコントローラ20は、例えば図3(a)の表示画面70xに、駐車ポイント数Np又は種別駐車ポイント数Npsに基づき検索結果を表示する旨の指示ボタンをさらに表示する。そして、システムコントローラ20は、当該指示ボタンの押下を検出した場合のみ、駐車ポイント数Np又は種別駐車ポイント数Npsに基づき該当施設を並べて検索結果リストを表示する。これによっても、システムコントローラ20は、使用者の利便性を向上させることができる。
【0079】
(変形例3)
図3(b)の表示画面70yでは、システムコントローラ20は、駐車ポイント数表示欄87に各該当施設の駐車ポイント数Npを数字で表示した。これに代えて、システムコントローラ20は、各検索結果リスト76に、該当施設の駐車ポイント数Npを棒グラフなどのグラフ等感覚的に把握可能な表示にしてもよい。同様に、システムコントローラ20は、図6の表示画面70z中の個人駐車ポイント数表示欄87a、共有駐車ポイント数表示欄87b、及び既存駐車ポイント数表示欄87c中の表示を、数字に代えて感覚的に把握可能な表示にしてもよい。
【0080】
(変形例4)
第2実施例では、システムコントローラ20は、駐車ポイントPの種類を、個人駐車ポイントPi、共有駐車ポイントPu、及び既存駐車ポイントPaと定めた。しかし、本発明が適用可能な駐車ポイントPの種類は、これに限定されない。これに代えて、システムコントローラ20は、さらに詳細に駐車ポイントPを分類してもよい。または、システムコントローラ20は、駐車ポイントPを2種類に分類してもよい。これらの場合でっても、システムコントローラ20は、各駐車ポイントPの種類に種別間優先順位を設定し、種別間優先順位が高い種別の種別駐車ポイント数Npsが大きいほど、検索結果の該当施設を高い表示順位に設定する。
【0081】
(変形例5)
第2実施例では、システムコントローラ20は、種別間優先順位が高い種別駐車ポイント数Npsが大きいほど、その該当施設を優先的に表示した。しかし、本発明が適用可能な方法は、これに限定されない。これに代えて、システムコントローラ20は、種別間優先順位に基づき種別駐車ポイント数Npsに所定の重み付けを行い、重み付け後の各種別駐車ポイント数Npsの合算値(以後、単に「合算値G」と呼ぶ。)が大きいほど、その該当施設を優先的に表示してもよい。
【0082】
これについて、図6を用いて具体的に説明する。ここでは、個人駐車ポイント数Npiの重み付け係数を「3」、共有駐車ポイント数Npuの重み付け係数を「2」、既存駐車ポイント数Npaの重み付け係数を「1」とする。この場合、該当施設「ABC駅」の合算値Gは「18」、該当施設「ABC駅前ビル」の合算値Gは「13」、該当施設「ABC駅前公園」の合算値Gは「10」、該当施設「ABC駅前量販店」の合算値Gは「12」となる。従って、この場合、該当施設「ABC駅前公園」と該当施設「ABC駅前量販店」との表示順位が入れ替わる。
【0083】
以上のように、システムコントローラ20は、合算値Gに基づき該当施設の表示順位を決定することによっても、駐車ポイントPの種類を考慮して検索結果を使用者に提示することができる。
【0084】
(変形例6)
[概略構成]のセクションの駐車ポイントPの説明では、1の駐車場に対し複数の入り口が存在した場合、駐車ポイント数Npは、当該入口の数だけカウントされた。これに代えて、駐車ポイント数Npは、駐車場の数だけカウントされてもよい。即ち、駐車ポイント数Npは、1の駐車場に対し複数の入り口が存在した場合であっても、当該駐車場に対し1だけカウントされる。
【産業上の利用可能性】
【0085】
本発明は、車載用ナビゲーション装置、PND(Personal Navigation Device)、その他ナビゲーション機能を有する端末に好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0086】
1 ナビゲーション装置
10 自立測位装置
12 GPS受信機
20 システムコントローラ
22 CPU
36 データ記憶ユニット
38 通信装置
40 表示ユニット
44 ディスプレイ
60 入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路案内の目標地となる候補と、当該候補と関連する駐車場又は当該駐車場の入口の位置を示す駐車ポイントと、を関連付けて記憶する記憶部と、
外部入力に基づき、検索条件を特定する検索条件特定手段と、
前記候補から、前記検索条件を満たす候補を検索する検索手段と、
前記検索条件を満たす候補のうち、当該候補に関連付けられた前記駐車ポイントの数が大きい候補ほど、優先的に検索結果として表示する検索結果出力手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記駐車ポイントは、優先順位が定められた複数の種類に分類され、
前記検索結果出力手段は、前記優先順位が高い前記種類の駐車ポイントの数が大きい候補ほど、優先的に検索結果として表示することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記駐車ポイントは、優先順位が定められた複数の種類に分類され、
前記検索結果出力手段は、前記優先順位に基づき前記種類ごとの駐車ポイントの数の重み付けを行い、当該重み付け後の駐車ポイントの数の合算値が大きい候補ほど、優先的に検索結果として表示することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
車両に搭載され、
前記駐車ポイントのうち、外部入力又は前記車両の過去の駐車履歴に基づき生成された第1駐車ポイントが、少なくとも前記種類のうちの1の種類として分類され、
前記検索結果出力手段は、前記第1駐車ポイントの前記優先順位を最も高く設定することを特徴とする請求項2または3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記駐車ポイントのうち、他のナビゲーション装置と前記駐車ポイントの情報を共有することで登録された第2駐車ポイントが、少なくとも前記種類のうちの1の種類として分類され、
前記検索結果出力手段は、前記第2駐車ポイントの前記優先順位を最も高く設定することを特徴とする請求項2または3に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記検索結果出力手段は、前記検索条件を満たす候補を検索結果として表示する際、少なくとも当該候補の前記駐車ポイントの数を表示することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
経路案内の目標地となる候補と、当該候補と関連する駐車場又は当該駐車場の入口の位置を示す駐車ポイントと、を関連付けて記憶する記憶部を備えるナビゲーション装置により実行される制御方法であって、
外部入力に基づき、検索条件を特定する検索条件特定工程と、
前記候補から、前記検索条件を満たす候補を検索する検索工程と、
前記検索条件を満たす候補のうち、当該候補に関連付けられた前記駐車ポイントの数が大きい候補ほど、優先的に検索結果として表示する検索結果出力工程と、
を備えることを特徴とする制御方法。
【請求項8】
経路案内の目標地となる候補と、当該候補と関連する駐車場又は当該駐車場の入口の位置を示す駐車ポイントと、を関連付けて記憶する記憶部を備えるナビゲーション装置に搭載され実行されるプログラムであって、
外部入力に基づき、検索条件を特定する検索条件特定手段と、
前記候補から、前記検索条件を満たす候補を検索する検索手段と、
前記検索条件を満たす候補のうち、当該候補に関連付けられた前記駐車ポイントの数が大きい候補ほど、優先的に検索結果として表示する検索結果出力手段、
として前記ナビゲーション装置を機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
請求項8に記載のプログラムを記憶したことを特徴とする記憶媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−112495(P2011−112495A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268866(P2009−268866)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【Fターム(参考)】