ナビゲーション装置およびプログラム
【課題】 案内経路の計算においてある渋滞税エリアへの進入を避けるか否かを、その道路領域への進入履歴に基づいて決めるようなナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 カーナビゲーション装置が、渋滞税エリアへの進入履歴を記憶媒体に記憶させ、当日当該ナビゲーション装置が当該渋滞税エリアに進入したことがないことに基づいて、当該渋滞税エリアへの進入を避けるような案内経路を算出する。
【解決手段】 カーナビゲーション装置が、渋滞税エリアへの進入履歴を記憶媒体に記憶させ、当日当該ナビゲーション装置が当該渋滞税エリアに進入したことがないことに基づいて、当該渋滞税エリアへの進入を避けるような案内経路を算出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の道路領域への進入を避けるような案内経路計算を行うためのナビゲーション装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、進入すると課金させるエリア等の特定の道路領域を避けるような案内経路を計算するナビゲーション装置が提案されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。このような技術を用いることで、有料道路や進入すると課金される都市区域等への進入を迂回する経路案内を行うことが可能となる。
【特許文献1】特開2002−181571号公報
【特許文献2】特許3384293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このような従来技術では、ある車両がある道路領域へ進入するための課金額が、その車両のその道路領域への過去の進入履歴に基づいて決まるようになっている場合には、必ずしも適切に対応できない。
【0004】
例えば、ある車両が、ある日付において最初にその道路領域に進入するときには課金され、一度課金されると、その後この車両がその日付中に何度当該道路領域に進入しても課金されない、といった課金制度が定められる可能性がある。このような課金制度においては、単にある道路領域に進入することを避けるような案内経路計算をするのみでは足りず、自車両がその日のうちに既にその領域に進入したことがあるか否かに基づいて、案内経路計算の方法を切り替えるようになっていることが望まれる。
【0005】
また、課金に限らず、ある車両がある道路領域へ進入することを避けるべきか否かが、その車両のその道路領域への過去の進入履歴に左右されるような場合に対しても、上記の従来技術では必ずしも適切に対応できない。
【0006】
このような考察を踏まえ、本発明は、案内経路の計算においてある道路領域への進入を避けるか否かを、その道路領域への進入履歴に基づいて決めるようなナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の特徴は、ナビゲーション装置が、道路領域への進入履歴を記憶媒体に記憶させ、その記憶媒体に記憶させたある道路領域への進入履歴に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することである。このように、記憶媒体に道路領域への進入履歴を記憶させることで、ナビゲーション装置は、案内経路の計算においてある道路領域への進入を避けるか否かを、記憶されたその道路領域への進入履歴に基づいて決めることができるようになる。
【0008】
なお、道路領域とは、少なくとも1つのリンクを含んでいる領域をいい、例えば1本の道路であってもよいし、多数の道路を含む1つの都市全体であってもよい。
【0009】
また、ナビゲーション装置は、過去のある時点から現在に至るまで当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがないことに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。
【0010】
このようになっていることで、例えば過去のある時点から現在に至るまでの期間に一度でも進入すると、その期間中何度入っても課金額が変わらない場合のように、ある期間中に一度進入してしまえば、その期間中に再度その道路領域に進入することを避ける理由がなくなってしまうような場合に、ナビゲーション装置は対応することができる。
【0011】
また、ここでいう過去のある時点としては、一定時間間隔で現れる区切りタイミングのうち、直前の区切りタイミングであってもよい。このようになっていることで、一定時間間隔で区切られた期間中に一度進入してしまえば、その期間中に再度その道路領域に進入することを避ける理由がなくなってしまうような場合に、ナビゲーション装置は対応することができる。
【0012】
また、区切りタイミングは、各日の午前0時であるようになっていてもよい。このようになっていることで、ある日付に一度進入してしまえば、その日付中に再度その道路領域に進入することを避ける理由がなくなってしまうような場合に、ナビゲーション装置は対応することができる。
【0013】
また、ナビゲーション装置は、ある区切りタイミングから現在に至るまで当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがないことに基づく動のための手法として、ある道路領域について、自車両がその道路領域に進入したときに進入履歴としてのフラグをセットし、当該区切りタイミングにおいて当該フラグをリセットし、当該フラグがリセットされていることに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。
【0014】
また、過去のある時点としては、現在から所定時間前であってもよい。このようになっていることで、一度進入してしまえば、その後当該所定時間が経過するまで、再度その道路領域に進入することを避ける理由がなくなってしまうような場合に、ナビゲーション装置は対応することができる。
【0015】
また、ナビゲーション装置は、当該所定時間前から現在に至るまで当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがないことに基づく作動ための手法として、ある道路領域について、自車両がその道路領域に進入したときに進入履歴としてその進入時刻を記憶媒体に記憶させ、その進入履歴中の当該道路領域への最新の進入時刻が、現在から当該所定時間前の時刻よりも前であることに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。
【0016】
また、ナビゲーション装置は、時間の経過によって、当該道路領域に自車両が進入する前に、上記の過去のある時点の日時が変化することで、過去のある時点から現在に至るまで当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがあるか否かの状態が変化したことに基づいて、案内経路を再度算出するようになっていてもよい。このようにすることで、案内経路を時間の経過に基づいて柔軟に変化させることが可能となる。
【0017】
また、ナビゲーション装置は、算出する案内経路を自車両が走行したとしたら、その走行中の時間の経過によって過去のある時点の日時が変化することで、過去のある時点から現在に至るまで当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがあるか否かの状態が変化する、と予測することに基づいて、その変化後の状態に基づいて、案内経路を再度算出するようになっていてもよい。このようになっていることで、案内経路の走行における時間の経過を考慮してあらかじめ案内経路計算を行うことができる。
【0018】
また、ナビゲーション装置は、現在位置が当該道路領域外にあり、設定された目的地が当該道路領域外にあることに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。
【0019】
また、ナビゲーション装置は、現在位置が当該道路領域内にあり、設定された目的地が当該道路領域外にあることに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出してもよい。このようになっていることで、当該道路領域内の地点から当該道路領域外の地点に至る案内経路が、一度その道路領域を出た後にその道路領域内に進入するようになることを避けることができる。これは、当該道路領域がいびつな地理形状を有している場合においてより効果を発揮する。
【0020】
また、ナビゲーション装置は、現在位置が当該道路領域内にあり、設定された目的地が当該道路領域内にあることに基づいて、当該道路領域への進入を避けるようになっていてもよい。このようになっていることで、当該道路領域内の地点から当該道路領域外の地点に至る案内経路が、一度その道路領域を出た後にその道路領域内に進入するようになることを避けることができる。これは、当該道路領域がいびつな地理形状を有している場合においてより効果を発揮する。
【0021】
また、ナビゲーション装置は、現在位置が当該道路領域外にあり、設定された目的地が当該道路領域内にあることに基づいて、当該道路領域への進入を避けることを考慮しない案内経路を算出するようになっていてもよい。これは、現在位置が当該道路領域外にあり、設定された目的地が当該道路領域内にある場合は、よほど特殊な事情がない限り、自車両は一度は必ずその道路領域内に進入するので、当該道路領域への進入を避けるような経路を算出しようとしてもほとんど無意味であるという事実に基づいた作動である。
【0022】
なお、ある時限課金道路領域を避けるような案内経路の算出と、当該時限課金道路領域を避けることを考慮しないような案内経路の算出との違いは、例えば複数の経路のうち最もコストの低い経路を案内経路とするような経路算出においては、当該時限課金道路領域へ進入するある経路に対して、前者の場合よりも後者の場合の方が低いコストを付与することである。
【0023】
また、ナビゲーション装置は、現在位置、設定された目的地、および設定された経由地からなる地点群中の、到達順が連続する2つの地点のうち、到達の早い方が当該道路領域外にあり、到達の遅い方が当該道路領域内にあるような組み合わせが1つでもある場合、当該道路領域への進入を避けることを考慮しない案内経路を算出するようになっていてもよい。これは、現在位置、目的地、および経由地の、到達順が連続する2つの組のうち、到達の早い方が、到達の遅い方が当該道路領域内にあるような組み合わせが1つでもあれば、よほど特殊な事情がない限り、自車両は一度は必ずその道路領域内に進入するので、当該道路領域への進入を避けるような経路を算出しようとしてもほとんど無意味であるということに基づいた作動である。
【0024】
また、ナビゲーション装置は、記憶媒体に記憶された自車両のナンバープレート情報に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。このようになっていることで、当該道路領域に進入することを避ける必要があるか否かが車両毎(例えばナンバープレートの末尾の数字毎)に異なるような場合に対応することができる。
【0025】
また、ナビゲーション装置は、現在の曜日に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。このようになっていることで、当該道路領域に進入することを避ける必要があるか否かが曜日毎に異なるような場合に対応することができる。
【0026】
また、ナビゲーション装置は、現在の時分に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。このようになっていることで、当該道路領域に進入することを避ける必要があるか否かが時分についての時間帯毎に異なるような場合に対応することができる。
【0027】
なお、現在の時分とは、日付によらず、現在が何時何分であるかについての情報をいう。
【0028】
また、ナビゲーション装置は、無線通信によって車外から取得された情報に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。このようになっていることで、自車両が当該道路領域に進入することを避ける必要があるか否かの情報を外部から取得することができる。
【0029】
また、ナビゲーション装置は、ユーザによる当該道路領域への進入を避けたい旨の設定が為されたことに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。このようにすることで、ユーザの好みに応じた案内経路の計算が実現する。
【0030】
またこのとき、ナビゲーション装置は、ユーザによる当該道路領域への進入を避けたい旨の設定が為されたにも関わらず、当該道路領域への進入を避けることを考慮しない案内経路を算出する際に、ユーザに対してその旨の通知を行うようになっていてもよい。このようになっていることで、当該道路領域への進入を避ける旨の設定にも関わらず当該道路領域への進入を避けることを考慮しない場合には、ユーザに対する通知が行われるので、ユーザに与える違和感を軽減することができる。
【0031】
ここで、「算出する際」とは、このまま設定の変更が行われなければ、当該道路領域への進入を避けることを考慮しない案内経路の算出が行われるとき、および経路算出中を含む概念である。
【0032】
また同様の観点から、ナビゲーション装置は、ユーザによる当該道路領域への進入を避けたい旨の設定が為されたにも関わらず、当該道路領域へ進入する案内経路を算出したとき、ユーザに対してその旨の通知を行うようになっていてもよい。
【0033】
このようにすることで、ユーザの受ける違和感を低減することができる。
【0034】
また、ナビゲーション装置は、当該道路領域内の目的地または経由地が設定されたとき、ユーザに対してその旨の通知を行うようになっていてもよい。
【0035】
また、ナビゲーション装置は、複数の道路領域毎の進入履歴を記憶媒体に記憶させ、その記憶媒体に記憶させた複数の道路領域への進入履歴に基づいて、当該複数の道路領域のうち少なくとも1つへの進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。
【0036】
またこのとき、ナビゲーション装置は、当該複数の道路領域のうち、上限個数分の道路領域への進入を避けることを考慮せず、他の道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。このようにすることで、複数の道路領域のうち、進入を避ける領域および進入を避けない領域を、上限個数という制限によって分けることができる。
【0037】
またこのとき、ナビゲーション装置は、進入に対する課金額が定められている当該複数の道路領域のうち、課金額の合計が上限金額を超えない道路領域への進入を避けることを考慮せず、他の道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。このようにすることで、上限金額に基づいて、複数の道路領域のうち、進入を避ける領域および進入を避けない領域を分けることができる。
【0038】
また、道路領域は、ある車両の当該道路領域への進入履歴に基づいて、その車両に対する課金額が設定されるように定められている都市区域であってもよい。
【0039】
また、道路領域は、ある車両の当該道路領域への進入履歴に基づいて、その車両に対する課金額が設定されるように定められている有料道路であってもよい。
【0040】
また、本発明は、道路領域への進入履歴を記憶媒体に記憶させる機能、および当該記憶媒体に記憶させたある道路領域への進入履歴に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出する機能を、コンピュータに実現させるようなプログラムとしても捉えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
図1に、本実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1のハードウェア構成を示す。
【0042】
この車両用ナビゲーション装置1は、位置検出器11、操作スイッチ群12、画像表示装置13、スピーカ14、RAM16、ROM17、外部記憶媒体18、CPU19、を有している。
【0043】
位置検出器11は、いずれも周知の図示しない地磁気センサ、ジャイロスコープ、車速センサ、およびGPS受信機等のセンサを有しており、これらセンサの各々の性質に基づいた、車両の現在位置や向きを特定するための情報をCPU19に出力する。
【0044】
操作スイッチ群12は、車両用ナビゲーション装置1に設けられた複数のメカニカルスイッチ、画像表示装置13の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置から成り、ユーザによるメカニカルスイッチの押下、タッチパネルのタッチに基づいた信号をCPU19に出力する。
【0045】
画像表示装置13は、CPU19から出力された映像信号に基づいた映像をユーザに表示する。表示映像としては、例えば現在地を中心とする地図等がある。
【0046】
外部記憶媒体18は、HDD等の不揮発性の記憶媒体であり、CPU19が読み出して実行するプログラム、経路案内用の地図データ、複数の進入履歴フラグ等を記憶している。
【0047】
地図データは、道路片(リンク)および交差点(ノード)の位置、種別、交差点と道路片との接続関係情報等を含む道路データ、および施設データを有している。施設データは、施設毎のエントリを複数有しており、各エントリは、対象とする施設の名称情報、所在位置情報、施設種類情報等を示すデータを有している。また、本実施形態においては、地図データは、渋滞税エリアについてのデータを有している。渋滞税エリアとは、1つ以上の道路片から成り、ある車両がある日付において最初にそのエリアに進入するときには、その車両に対して課金され、一度課金されると、その後この車両がその日付中に何度当該エリアに進入しても、再度課金されなくなってしまうような制度が導入されているエリアをいう。渋滞税エリアについてのデータとは、より具体的には、渋滞税エリア毎の、その渋滞税エリアが含む道路片を特定するデータである。
【0048】
ドライバーがこのような渋滞税の課金を受けたくない場合、その日のうちに自車両が一度でもある渋滞税エリア内に入ったことがあるか否かによって、自車両がその渋滞税エリアへ進入することを避けるべきか否かが変化する。
【0049】
なお、どの車両が当該渋滞税エリアへ進入したかの特定のためには、その渋滞税エリアに進入することができる道路を走行する車両のナンバープレートを常時カメラで撮影してもよいし、道路上のその渋滞税エリアへの進入ポイントに設置された路側通信機と車両内の車載通信機が無線通信し、その際に車載通信機が路側通信機に固有の識別コードを送信するようになっていてもよい。また、課金された料金の徴収はその場で支払うようになっていてもよいし、後日支払うようになっていてもよいし、ETC(自動料金収受システム)のように、路側通信機と車載通信機とが通信することによって料金の徴収が実現されてもよい。
【0050】
進入履歴フラグは、渋滞税エリア毎に1つずつ設けられたフラグである。この進入履歴フラグは、後述するように、自車両が渋滞税エリアへ進入することを避けるべきか否かを判定するために用いるデータであり、対象とする渋滞税エリアの、その日のうちに一度でも進入したか否かを示す情報を含んでいる。
【0051】
CPU(コンピュータに相当する)19は、ROM17および外部記憶媒体18から読み出した車両用ナビゲーション装置1の動作のためのプログラムを実行し、その実行の際にはRAM16、ROM17、および外部記憶媒体18から情報を読み出し、RAM16および外部記憶媒体18に対して情報の書き込みを行い、位置検出器11、操作スイッチ群12、画像表示装置13およびスピーカ14と信号の授受を行う。
【0052】
CPU19がプログラムを実行することによって行う具体的な処理としては、現在位置特定処理、案内経路算出処理、経路案内処理、メニュー処理、進入履歴記録処理等がある。
【0053】
現在位置特定処理は、位置検出器11からの信号に基づいて、周知のマップマッチング等の技術を用いて車両の現在位置や向きを特定する処理である。
【0054】
案内経路算出処理は、操作スイッチ群12からユーザによる目的地の入力を受け付け、現在位置から当該目的地までの最適な案内経路を算出する処理である。
【0055】
経路案内処理は、外部記憶媒体18から地図データを読み出し、算出された案内経路、目的施設、経由施設および現在位置等をこの地図データの示す地図上に重ねた画像を、画像表示装置13に出力し、案内交差点の手前に自車両が到達した等の必要時に、右折、左折等を指示する案内音声信号をスピーカ14に出力する処理である。
【0056】
メニュー処理は、CPU19が実行する各種処理を、その処理の機能や目的別に階層的にメニュー表示し、そのメニュー表示されたものの中からユーザが選択した処理に対応したプログラムの実行を開始する。なお、メニュー表示は画像表示装置13に当該メニューの画像データを出力することで行い、また、ユーザの選択は、操作スイッチ群12に対する選択操作の検出によって受け付ける。
【0057】
進入履歴記録処理は、上述した進入履歴フラグの値を変化させる処理である。図2に、この進入履歴記録処理のためにCPU19が実行するプログラム500を示す。CPU19は、起動直後からこのプログラム500を実行し、ステップ510で、前回のステップ510の実行後、ある渋滞税エリアに進入したか否かを、自車両の現在位置と地図データ中の渋滞税エリアのデータに基づいて判定する。進入したと判定した場合、続いてステップ520で、当該進入した渋滞税エリアについての進入履歴フラグをオンに変化させ、続いてステップ530を実行する。
【0058】
進入していないと判定した場合、続いてステップ530で、前回のステップ530の実行後、日付が変化したか否か、すなわち、時刻が午前0時を越えたか否かを判定する。日付が変化した場合、続いてステップ540で、すべての進入履歴フラグをオフにする。日付が変化していない場合、続いてステップ510を実行する。
【0059】
以上のようなステップ510〜540の繰り返しをCPU19が実行することにより、カーナビゲーション装置1は、各渋滞税エリアについて、自車両がその道路領域に進入したときに当該エリアについての進入履歴フラグをオンにセットし(ステップ510、520参照)、定期的に現れる区切りタイミングとしての日付の変わり目において当該進入履歴フラグをオフにリセットする。
【0060】
次に、CPU19が実行する案内経路算出処理について詳述する。本実施形態のCPU19は、この案内経路算出処理において、ある渋滞税エリアに進入する経路を避けるような経路を算出するか、あるいはある渋滞税エリアに進入する経路を避けることを考慮しないような経路を算出するかを、その渋滞税エリアに対応する進入履歴フラグ等に基づいて決定するようになっている。
【0061】
図3および図4に、この案内経路算出処理のためにCPU19が実行するプログラム100およびプログラム200を示す。
【0062】
CPU19は、上述のメニュー処理において通過点、目的地設定を行う旨のユーザの操作を受け付けることに基づいて、プログラム100の実行を開始し、また、上述のメニュー処理において経路計算条件設定を行う旨のユーザの操作を受け付けることに基づいて、プログラム200の実行を開始する。
【0063】
CPU19は、プログラム100の実行を開始すると、まずステップ110で、通過点・目的地設定方法の選択を受け付ける。具体的には、図5に示すような表示画面20を画像表示装置13に表示させ、ユーザによるこの表示画面20を用いた通過点・目的地設定方法の選択を待ち、その選択を受けると続いてステップ120を実行する。
【0064】
ここで、図5の表示画面20について説明する。表示画面20は、住所用選択ボタン21、名所用選択ボタン22、地図用選択ボタン23、郵便番号用選択ボタン24、メモリ地点用選択ボタン25、前回地点選択ボタン26、現在地表示ボタン27、リターンボタン28等の複数の構成要素から成る画面である。ここで、ボタンとは、ユーザが選択可能な画面中の構成要素をいう。このユーザによるボタンの選択は、画像表示装置13の表示面に重ねて設けられた操作スイッチ群12のタッチパネルの、ボタンの表示領域に相当する部分をタッチすることで実現される。CPU19は、当該タッチパネルからの信号により、特定のボタンに相当する部分へのタッチがあったことを検出すると、そのボタンがユーザによって選択されたと判定し、そのボタンに対応した処理を実行する。
【0065】
具体的には、CPU19は、住所用選択ボタン21、名所用選択ボタン22、地図用選択ボタン23、郵便番号用選択ボタン24、メモリ地点用選択ボタン25、および前回地点選択ボタン26のいずれかのボタンが選択されると、通過点・目的地設定方法が選択されたとして、続いてステップ120を実行する。また、現在地表示ボタン27が選択されると、プログラム100の実行を中止し、現在地を中心とする地図を画像表示装置13に表示させる。また、リターンボタン28が選択されると、プログラム100の実行を終了してメニュー処理の実行を再開する。なお、後述する他の表示画面上の現在地表示ボタン27およびリターンボタン28も、それぞれこの表示画面上の現在地表示ボタン27およびリターンボタン28と同じ機能を実現するためのボタンである。
【0066】
ステップ120では、地点設定を受け付ける。具体的には、ステップ110で住所用選択ボタン21の選択があった場合は、ユーザによる住所の文字列入力を受け付け、その受け付けた住所から目的地または経由地を特定する。また、ステップ110で名所用選択ボタン22の選択があった場合は、名所のリスト表示を行い、ユーザによるそのうちの1つの選択を受け付け、その受け付けた名所を目的地または経由地として特定する。また、ステップ110で地図用選択ボタン23の選択があった場合は、地図表示を行い、ユーザによる地図上の1点の選択を受け付け、その位置を目的地または経由地として特定する。また、ステップ110で郵便番号用選択ボタン24の選択があった場合は、郵便番号の入力を受け付け、その受け付けた郵便番号に対応した地域、またはその地域から更に細かく選択された位置を目的地または経由地として特定する。また、ステップ110でメモリ地点用選択ボタン25の選択があった場合は、ユーザがあらかじめ登録した特定の地点(例えば自宅、駐車場、行きつけのレストラン等)のリスト表示を行い、ユーザによるそのうちの1つの選択を受け付け、その受け付けた地点を目的地または経由地として特定する。また、ステップ110で前回地点選択ボタン26の選択があった場合は、前回選択された目的地を今回の目的地または経由地として特定する。
【0067】
この地点設定受付の一例として、図6に、ステップ110で地図用選択ボタン23が選択された場合に、CPU19が画像表示装置13に表示させる地図表示画面30を示す。表示画面30においては、地図上に、選択位置マーク31、目的地ボタン32、経由地ボタン33、地図の方位を表す方位アイコン34、縮尺変更ボタン35、現在地表示ボタン27、リターンボタン28等の構成要素が重ねられている。ユーザが目的地ボタン32を選択すると、CPU19は、選択位置マーク31が重なっている地図上の地点を目的地として特定する。また、ユーザが経由地ボタン33を選択すると、CPU19は、選択位置マーク31が重なっている地図上の地点を経由地として特定する。なお、縮尺変更ボタン35の選択を検出すると、CPU19は、表示地図の縮尺の拡大、縮小を行う。また、CPU19は、ユーザによる操作スイッチ群12の操作に基づいて、選択位置マーク31を地図上で移動させるようになっている。
【0068】
続いてステップ130では、ステップ120で特定した設定地点(すなわち目的地または経由地)が、渋滞税エリアのいずれかの内部であるか否かを、地図データに基づいて判定する。そして、渋滞税エリア内であればステップ140を実行し、渋滞税エリア外であれば続いてステップ150を実行する。
【0069】
ステップ140では、設定地点が渋滞税エリア内である旨の警告通知を、所定の時間またはユーザによる操作スイッチ群12に対する了解の操作を受け付けるまで、画像表示装置13またはスピーカ14に行わせる。このような警告における表示画面30の一例を、図7に示す。この図においては、「設定された地点は渋滞税エリア内です」という警告表示が、表示画面30の中央部のポップアップウインドウ36内に示されている。なお、ここでは、後述するプログラム200の実行により、渋滞税エリア通過を避けたい旨の設定が行われている場合に限り、この警告通知を行うようになっていてもよい。また、この渋滞税エリアに対応した進入履歴フラグがオフとなっている場合に限り、この警告通知を行うようになっていてもよい。ステップ140に続いては、ステップ150を実行する。
【0070】
ステップ150では、プログラム100の実行開始以後特定した目的地、経由地のリストを表示する。図8に、この目的地、経由地のリストの一例を示す表示画面40を示す。この表示画面40は、特定した現在位置名称41、特定した経由地名称42、43、および特定した目的地名称44に加え、地点追加ボタン45〜47、ルート条件設定ボタン48、スクロールボタン49、50、現在地表示ボタン27、リターンボタン28等の構成要素を有する。なお、ステップ150においては、スクロールボタン49、50の選択があると、それぞれ経由地名称43、目的地名称44の名称表示を横スクロールさせるようになっている。
【0071】
ステップ150に続いては、ステップ160で、追加地点設定を行う旨の操作、すなわち地点追加ボタン45〜47のいずれかの選択があったか否かを判定する。ここで、これら複数のボタン45〜47のうち、どのボタンが選択されるかで、そのボタンの選択に起因して選択された地点の経由順序が決まるようになっている。追加地点設定を行う旨の操作があると、続いてステップ110を実行し、ない場合は、続いてステップ170を実行する。
【0072】
ステップ170では、ルート条件設定を行う旨の操作、すなわちルート条件設定ボタン48の選択があったか否かを判定し、ある場合、続いてステップ180を実行し、ない場合、続いてステップ150を実行する。
【0073】
ステップ180では、経路計算条件設定のため、プログラム200の実行を開始し、その後プログラム100の実行を終了する。このように、プログラム200は、メニュー処理以外にも、このプログラム100の実行中にも、その実行が始まるようになっている。
【0074】
このようなプログラム100をCPU19が実行することにより、カーナビゲーション装置1は、ユーザからの目的地、経由地当の地点設定を受け付け(ステップ120参照)、その設定された地点が渋滞税エリア内であるとき、ユーザに対してその旨の警告通知を行う(ステップ140参照)。
【0075】
またCPU19は、プログラム200の実行を開始すると、まずステップ210で、経路算出の際に用いる各種条件をユーザに設定させるための表示、およびその設定を受け付けるための処理を行う。図9に、このときに画像表示装置13に表示させる表示画面60を示す。表示画面60は、幹線道路可ボタン61、時間制限道路可ボタン62、有料道路可ボタン63、フェリー可ボタン64、渋滞税可ボタン65、渋滞税詳細設定ボタン66、経路計算ボタン67等を構成要素として有する。ステップ210においては、更に、幹線道路可ボタン61、時間制限道路可ボタン62、有料道路可ボタン63、フェリー可ボタン64、および渋滞税可ボタン65のいずれかがユーザによって選択されたか否かを判定し、選択されたと判定したボタンに対応する設定フラグのオン、オフをトグルする。
【0076】
なお、現在の対応する設定フラグがオンであるかオフであるかによって、表示画面60中における各ボタン61〜65の表示形状は異なるようになっている。具体的には、ある設定フラグがオンの場合、各ボタン61〜65のうちその設定フラグに対応するボタンの形状は、押下された状態の機械式ボタンのようになっている。そして、ある設定フラグがオフの場合、各ボタン61〜65のうちその設定フラグに対応するボタンの形状は、押下されていない状態の機械式ボタンのようになっている。
【0077】
続いてステップ215で、渋滞税エリア進入可→不可に設定が変更されたか否か、すなわち渋滞税可ボタン65が選択されることで、このボタンに対応する設定フラグがオンからオフに変化したか否かを判定する。変更されていない場合、続いてステップ220を実行し、変更された場合、続いてステップ230を実行する。
【0078】
ステップ230では、いずれかの渋滞税エリアへの進入が不可避であるか否かを判定する。ある渋滞税エリアへの進入が不可避であると判定する場合とは、現在位置、目的地、および経由地からなる地点群中の、到達順が連続する2つの地点(例えば図8の例においては、現在位置とDEERLIJKの組、DEERLIJと19DULVERTON ROADの組、19DULVERTON ROADと目的地のMUSCOVY ROADの組、の3組)のうち、到達の早い方が当該渋滞税エリア外にあり、到達の遅い方が当該渋滞税エリア内にあるような組み合わせが1つでもある場合をいう。この場合、ほとんど当該渋滞税エリアへの進入が不可避である。なお、経由地がなく、設定された地点が目的地のみである場合において、ある渋滞税エリアへの進入が不可避であるとは、現在位置が当該渋滞税エリア外にあり、目的地が当該渋滞税エリア内にあるような場合をいう。なお、ここでは、対応する進入履歴フラグがオフとなっている渋滞税エリアのいずれかへの進入が不可避であるか否かを判定してもよい。不可避である場合、続いてステップ240を実行し、不可避でない場合、続いてステップ220を実行する。
【0079】
ステップ240では、渋滞税エリアに進入する案内経路を算出しようとしている旨の警告通知を、所定の時間またはユーザによる操作スイッチ群12に対する了解の操作を受け付けるまで、画像表示装置13またはスピーカ14に行わせる。このような警告における表示画面60の一例を、図10に示す。この図においては、「設定された地点へ行くルートは渋滞税エリアを通る可能性があります」という警告表示が、表示画面60の中央部のポップアップウインドウ68内に示されている。ステップ240に続いては、ステップ220を実行する。
【0080】
ステップ220では、渋滞税詳細設定ボタン66が選択されたか否かを判定し、選択されたなら続いてステップ250を実行し、されていなければ続いてステップ225を実行する。
【0081】
ステップ250では、詳細設定用の画面表示を行い、ユーザに、この画面表示を通じた渋滞税エリアへの進入に関する詳細設定を行わせる。図11に、詳細設定用の表示画面70の一例を示す。表示画面70は、総量金額ボタン71、料金入力フィールド72、通過エリア個数ボタン73、個数入力フィールド、個別エリア設定ボタン75、ロンドンボタン76、都市Aボタン77、都市Bボタン78、終了ボタン79を構成要素として有している。
【0082】
総量金額ボタン71、通過エリア個数ボタン73、個別エリア設定ボタン75は、それらのうちの最大1つがハイライト表示されるようになる。具体的には、ボタン71、73、75のうち、いずれか1つが選択されると、その選択されたボタンがハイライト表示され、他のボタンがハイライト表示されていれば、当該他のボタンのハイライト表示が通常の表示に戻る。そして、ボタン71、73、75のうち、どれがハイライト表示となるかのハイライト選択情報は、外部記憶媒体18に記録されるようになっている。
【0083】
料金入力フィールド72に対しては、ユーザは操作スイッチ群12を用いて数値を入力することができる。数値の入力を受けると、CPU19はその値を、外部記憶媒体18中に、総料金額の変数として記録する。個数入力フィールド74に対しては、ユーザは操作スイッチ群12を用いて数値を入力することができる。数値の入力を受けると、CPU19はその値を、外部記憶媒体18中に、通過エリア個数の変数として記録する。
【0084】
ロンドンボタン76、都市Aボタン77、都市Bボタン78は、個別の渋滞税エリアに割り当てられたボタンであり、各ボタンの選択によって、対応する渋滞税エリア個々への進入を避けるか否かの個別エリアフラグの値のオン、オフがトグルする。
【0085】
また、終了ボタン79が選択されると、ステップ250が終了し、続いてステップ225を実行する。
【0086】
ステップ225では、経路計算ボタン67が選択されたか否かを判定し、選択されたなら続いてステップ260を実行し、されていないなら続いてステップ210を実行する。
【0087】
ステップ260では、経路算出処理の実行を開始し、プログラム200の実行を終了する。
【0088】
このようなプログラム200をCPU19が実行することにより、カーナビゲーション装置1は、ユーザから経路計算条件の入力を受け付け(ステップ210参照)、そしてユーザによる渋滞税エリアへの進入を避けたい旨の設定が為されたにも関わらず(ステップ215参照)、現在位置、目的地、および経由地からなる地点群中の、到達順が連続する2つの地点のうち、到達の早い方がある渋滞税エリア外にあり、到達の遅い方が当該渋滞税エリア内にあるような組み合わせが1つでもあるため等の、当該渋滞税エリア外からエリア内に進入することがほぼ不可避な場合、当該渋滞税エリアへの進入を避けることを考慮しない案内経路を算出する旨の通知をユーザに対して行う(ステップ230、240参照)。このようになっていることで、ユーザに与える違和感を軽減することができる。
【0089】
また、カーナビゲーション装置1は、複数の渋滞税エリアについての詳細設定において、当該複数の渋滞税エリアのうち、上限個数分の渋滞税エリアへの進入を許し、他の渋滞税エリアへの進入を避けるような設定、課金額の合計が上限金額を超えない渋滞税エリアへの進入を許し、他の渋滞税エリアへの進入を避けるような設定、あるいは個別の渋滞税エリアへの進入の許可、不許可をそれぞれ設定することができる(ステップ250参照)。
【0090】
次に、CPU19が実行する案内経路算出処理について詳述する。CPU19は、この案内経路算出処理のために、図12に示すプログラム300を実行する。CPU19は、このプログラム300の実行を開始すると、まずステップ310で、経路算出条件を参照する。ここで参照する、すなわち読み出す経路算出条件は、プログラム100において記録された進入履歴フラグ、プログラム200のステップ210において設定された設定フラグ、ステップ250によって設定された渋滞税エリア詳細設定(すなわち、ハイライト選択情報、料金入力フィールド72に入力された料金、通過エリア個数ボタン73に入力された個数、および個別エリアフラグ)等である。
【0091】
続いてステップ320で、参照した経路算出条件に基づいて経路算出を行う。
【0092】
具体的には、現在位置(出発位置)、目的地、および経由地からなる地点群によって分割される区間毎に、ダイクストラ法に基づいた最適経路の算出を行う。この算出においては、各区間の始点と終点とを繋ぐ複数経路のコストを計算し、そのコストが最低の経路を最適経路として特定する。ここで、ある経路がある渋滞税エリアに進入するような経路となっている場合、その経路のコストがどのような値になるかは、設定フラグの値によって変化する。
【0093】
具体的には、幹線道路可ボタン61に対応する設定フラグがオフのときは、幹線道路を通る経路のコストが、事実上最適経路と成り得ないような大きな値とする。また、当該設定フラグがオンのときは、幹線道路を通る経路が最適経路となり得るよう、幹線道路を通る経路のコストを、当該設定フラグがオフである場合に比べて低い値とする。
【0094】
また、時間制限道路可ボタン62に対応する設定フラグがオフのときは、時間制限道路を通る経路のコストが、事実上最適経路と成り得ないような大きな値とする。また、当該設定フラグがオンのときは、時間制限道路を通る経路が最適経路となり得るよう、時間制限道路を通る経路のコストを、当該設定フラグがオフである場合に比べて低い値とする。
【0095】
また、有料道路可ボタン63に対応する設定フラグがオフのときは、有料道路を通る経路のコストが、事実上最適経路と成り得ないような大きな値とする。また、当該設定フラグがオンのときは、有料道路を通る経路が最適経路となり得るよう、有料道路を通る経路のコストを、当該設定フラグがオフである場合に比べて低い値とする。
【0096】
また、フェリー可ボタン64に対応する設定フラグがオフのときは、フェリーを使用する経路のコストが、事実上最適経路となり得ないような大きな値とする。また、当該設定フラグがオンのときは、フェリーを使用する経路が最適経路となり得るよう、フェリーを使用する経路のコストを、当該設定フラグがオフである場合に比べて低い値とする。
【0097】
また、渋滞税可ボタン65に対応する設定フラグがオンのときは、渋滞税エリアに進入する経路のコストを、渋滞税エリアに進入する経路が最適経路となり得るような値とする。すなわち、渋滞税エリアへの進入を避けることを考慮しないようなコスト計算を行う。
【0098】
以下、渋滞税可ボタン65に対応する設定フラグがオフの場合について説明する、この場合、ある経路がある渋滞税エリアに進入するような経路となっている場合、その経路のコストがどのような値になるかは、当該渋滞税エリアに対応する進入履歴フラグによって変化する。以下、当該渋滞税エリアに対応する進入履歴フラグがオンの場合とオフの場合についてそれぞれ説明する。
【0099】
(1)当該進入履歴フラグがオンの場合:
この場合、当該渋滞税エリアに進入する経路のコストを、当該渋滞税エリアに進入する経路が最適経路となり得るような値とする。すなわち、当該渋滞税エリアへの進入を避けることを考慮しないようなコスト計算を行う。
【0100】
(2)当該進入履歴フラグがオフの場合:
この場合、全区間のうち、少なくとも1つの区間について、その区間の始点が当該渋滞税エリア外にあり、その区間の終点が当該渋滞税エリア内にあれば、当該渋滞税エリアへの進入を避けることを考慮しないようなコスト計算を、各区間について行う。これは、現在位置、目的地、および経由地の、到達順が連続する2つの組のうち、到達の早い方が当該渋滞税エリア外にあり、到達の遅い方が当該渋滞税エリア内にあるような組み合わせが1つでもあれば、よほど特殊な事情がない限り、自車両は一度は必ずその渋滞税エリア内に進入するので、当該渋滞税エリアへの進入を避けるような経路を算出しようとしてもほとんど無意味であるということに基づいた作動である。
【0101】
またこの場合、全区間について、その区間の始点が当該渋滞税エリア内にあるか、またはその区間の終点が当該渋滞税エリア外にあれば、プログラム200のステップ250によって設定されたハイライト選択情報の内容によって、経路計算の方法が以下のように異なる。
【0102】
(2−1)ハイライト選択情報が、総量金額ボタン71、通過エリア個数ボタン73、個別エリア設定ボタン75のいずれもハイライトされていない旨を示している場合:
この場合、当該渋滞税エリアへの進入を避けるような経路の算出を行う。当該渋滞税エリアへの進入を避けるようなコスト計算としては、当該渋滞税エリアに進入する経路のコストが、当該渋滞税エリアに進入しない経路のコストより下回ることがないようなコストとする。なお、このような場合であっても、候補となる経路がすべて当該渋滞税エリアに進入するものばかりである場合は、それらのうちの1つを最適経路として算出する。
【0103】
(2−2)ハイライト選択情報が、総量金額ボタン71がハイライトされている旨を示している場合:
この場合、全課金額が料金入力フィールド72に入力された料金額以内に収まる範囲内で、当該渋滞税エリア(進入履歴フラグがオフである渋滞税エリア)への進入を許す。具体的には、案内経路候補が、1つ以上の当該渋滞税エリアに進入するようになっている場合、それら当該渋滞税エリアの課金額を特定し、それらの総和が料金入力フィールド72に入力された料金額以下であれば、この経路のコストを、渋滞税エリアに進入しない経路に対抗して最適経路となり得るような値とする。また、それらの総和が料金入力フィールド72に入力された料金額を超えていれば、この経路のコストを、渋滞税エリアに進入しない経路に対抗して最適経路となることが事実上ないような大きな値とする。
【0104】
なお、各渋滞税エリアの課金額の情報は、あらかじめ外部記憶媒体18に記憶されており、CPU19はこの情報を読み出して各渋滞税エリアの課金額を特定するようになっている。
【0105】
このようにCPU19は、進入に対する課金額が定められている当該複数の渋滞税エリアのうち、課金額の合計が上限金額(すなわち料金入力フィールド72に入力された料金額)を超えない渋滞税エリアへの進入を避けることを考慮せず、他の渋滞税エリアへの進入を避けるような案内経路を算出するようになっていることで、上限金額に基づいて、複数の渋滞税エリアのうち、進入を避けるエリアおよび進入を避けないエリアを分けることができる。
【0106】
(2−3)ハイライト選択情報が、通過エリア個数ボタン73がハイライトされている旨を示している場合:
この場合、通過する当該渋滞税エリア(進入履歴フラグがオフである渋滞税エリア)が個数入力フィールド74に入力された個数に収まる範囲内で、当該渋滞税エリアへの進入を許す。具体的には、案内経路候補が、1つ以上の当該渋滞税エリアに進入するようになっている場合、それら当該渋滞税エリアの総数が個数入力フィールド74に入力された個数以下であれば、この経路のコストを、渋滞税エリアに進入しない経路に対抗して最適経路となり得るような値とする。また、その総数が個数入力フィールド74に入力された個数を超えていれば、この経路のコストを、渋滞税エリアに進入しない経路に対抗して最適経路となることが事実上ないような大きな値とする。
【0107】
このようにCPU19は、当該渋滞税エリアのうち、上限個数分の渋滞税エリアへの進入を避けることを考慮せず、他の渋滞税エリアへの進入を避けるような案内経路を算出するようになっていることで、複数の渋滞税エリアのうち、進入を避けるエリアおよび進入を避けないエリアを、上限個数という制限に基づいて分けることができる。
【0108】
(2−4)ハイライト選択情報が、個別エリア設定ボタン75がハイライトされている旨を示している場合:
この場合、進入履歴フラグがオフである渋滞税エリアのうち、個別エリアフラグがオンとなっている渋滞税エリアについては、その渋滞税エリアへの進入を避けることを考慮しない経路を算出し、個別エリアフラグがオフとなっている渋滞税エリアについては、その渋滞税エリアへの進入を避けるような経路を算出する。具体的には、案内経路候補が、進入履歴フラグがオフで個別エリアフラグがオフであるような渋滞税エリアに1度でも進入するようになっていれば、その経路のコストを、渋滞税エリアに進入しない経路に対抗して最適経路となり得ることが事実上ないような大きな値とする。また、案内経路候補が、個別エリアフラグがオンであるような渋滞税エリアにのみ進入するようになっていれば、その経路のコストを、渋滞税エリアに進入しない経路に対抗して最適経路となり得るような値とする。
【0109】
図13に、案内経路算出の一例として、目的地が設定され、経由地が設定されておらず、渋滞税可ボタン65に対応する設定フラグがオフとなっており、かつハイライト選択情報が、総量金額ボタン71、通過エリア個数ボタン73、個別エリア設定ボタン75のいずれもハイライトされていない旨を示していない場合に、CPU19が行う案内経路算出の方法を表形式で示す。この図に示す通り、CPU19は、当日一度でも進入したことのある渋滞税エリア、すなわち対応する進入履歴フラグがオンの渋滞税エリアについては、出発地(現在位置)および目的地に関わらず、その渋滞税エリアへの進入を考慮しない案内経路を算出する。
【0110】
また、当日一度も進入していない渋滞税エリア、すなわち対応する進入履歴フラグがオフの渋滞税エリアについては、現在位置が当該渋滞税エリア外にあり目的地が当該渋滞税エリア外にある場合、現在位置が当該渋滞税エリア内にあり目的地が当該渋滞税エリア外にある場合、および、現在位置が当該渋滞税エリア内にあり目的地が当該渋滞税エリア内にある場合、当該渋滞税エリアへの進入を避けるような案内経路を算出する。
【0111】
このようになっていることで、案内経路が、当該渋滞税エリア外の地点から当該渋滞税エリア外の地点に至る案内経路において、一端当該渋滞税エリアに進入するようになること、当該渋滞税エリア内の地点から当該渋滞税エリア外の地点に至る案内経路が、一度その渋滞税エリアを出た後にその渋滞税エリア内に進入するようになること、および、当該渋滞税エリア内の地点から当該渋滞税エリア外の地点に至る案内経路が、一度その渋滞税エリアを出た後にその渋滞税エリア内に進入するようになること、を避けることができる。これは、当該渋滞税エリアがいびつな地理形状を有している場合においてより効果を発揮する。
【0112】
また、当日一度も進入していない渋滞税エリア、すなわち対応する進入履歴フラグがオフの渋滞税エリアについて、現在位置が当該渋滞税エリア外にあり目的地が当該渋滞税エリア内にある場合、当該渋滞税エリアへの進入を避けることを考慮しない案内経路を算出するようになっていてもよい。これは、現在位置が当該渋滞税エリア外にあり、設定された目的地が当該渋滞税エリア内にある場合は、よほど特殊な事情がない限り、自車両は一度は必ずその渋滞税エリア内に進入するので、当該渋滞税エリアへの進入を避けるような経路を算出しようとしてもほとんど無意味であるからである。
【0113】
ステップ320に続いては、ステップ340で、算出した案内経路が、いずれかの渋滞税エリアに進入するようになっているか否かを判定し、進入するようになっている場合は続いてステップ348を実行し、進入しないようになっている場合はステップ345を実行する。
【0114】
ステップ345では、算出した最適案内経路を、地図と共に画像表示装置13に表示させる。図14に、この案内経路表示のための表示画面80の一例を示す。表示画面80は、地図上に目的地81までの案内経路82を表している。なお、表示画面80中、行程リスト83は、その案内経路中の高速道路や一般道路の距離を示し、総距離表示84は、案内経路82の総行程距離を示し、到着予定表示87は、到着予定時刻を示している。また、CPU19は、ユーザによる経路変更ボタン85の選択があると、他の最適経路の算出を行う。また、CPU19は、ユーザによるガイドボタン86の選択があると、上述の経路案内処理を開始する。ステップ345の後、プログラム300の実行は終了する。
【0115】
ステップ348では、設定は渋滞税エリア進入不可か否か、すなわち渋滞税可ボタン65に対応する設定フラグがオフであるか否か、を判定し、進入不可の場合続いてステップ350を実行し、進入不可でない場合、続いてステップ345を実行する。
【0116】
ステップ350では、現在時刻(またはユーザが操作スイッチ群12を用いて指定した出発時刻)に自車両がその案内経路の走行を開始した場合の、その走行の進捗度と時刻との関係を、あらかじめ地図データ中に記録された案内経路中の道路片の平均速度、制限速度等に基づいて特定し、その関係に基づいて、進入する渋滞税エリアのうち、走行中の時間の経過によって日付が変更することで、その渋滞税エリアに進入する前に、当該進入履歴フラグがオンからオフにリセットされるような渋滞税エリアが1つでもあるか否かを判定する。ある場合は、続いてステップ380を実行し、ない場合は、続いてステップ355で、ステップ345と同様の案内経路表示を行う。
【0117】
ステップ355に続いては、ステップ370で、渋滞税エリアへ進入する案内経路を算出した旨の通知(例えば「渋滞税エリアに進入します」等のメッセージ)を、一定期間またはユーザの操作スイッチ群12に対する確認操作があるまで、画像表示装置13およびスピーカ14に行わせる。なお、このような警告通知は、進入履歴フラグがオフの渋滞税エリアについてのみ行うようになっていてもよい。図15に、この通知が表示画面80のポップアップウインドウ88内に表示された様子を示す。ステップ370の後、プログラム300の実行は終了する。
【0118】
ステップ350で案内経路走行中に進入履歴フラグが進入前にオンからオフにリセットされる渋滞税エリアが1つでもあると判定された後のステップ380では、当該進入履歴フラグを暫定的にオフにし、その上で再度ステップ320を実行する。なお、CPU19は、この暫定的にオフとなった進入履歴フラグの値を、プログラム300の実行終了時に元の値に戻すようになっている。
【0119】
なお、プログラム300の実行が終了すると、CPU19は続いて経路案内処理を開始する。
【0120】
このようなプログラム300をCPU19が実行することにより、カーナビゲーション装置1は、設定された経路計算条件に基づいて(ステップ310参照)案内経路の算出を行う(ステップ320参照)。そして、この算出において、日付の変わり目から現在に至るまで当該ナビゲーション装置がいずれかの渋滞税エリアに進入したことがなく(すなわち当該渋滞税エリアの進入履歴フラグがリセットされた状態であり)、現在位置、目的地、および経由地からなる地点群中の、到達順が連続する2つの地点のうち、到達の早い方が当該渋滞税エリア外にあり、到達の遅い方が当該渋滞税エリア内にあるような組み合わせが1つもなく、かつ、ユーザが渋滞税エリアを避ける旨の設定を行っている場合、当該渋滞税エリアへの進入を避けるような案内経路を算出する。
【0121】
そして、それ以外の場合、すなわち当該渋滞税エリアへの進入を避けることを考慮しない案内経路を算出した場合、ユーザによる当該渋滞税エリアへの進入を避けたい旨の設定が為されていれば、ユーザに対してその旨の警告通知を行う(ステップ348、370参照)。
【0122】
また、ある渋滞税エリアへの進入を避けることを考慮しない案内経路を算出した場合、算出した案内経路を自車両が走行したとしたら、その走行中の時間の経過によって、自車両が当該渋滞税エリアに進入する前に日時が変化することで、当該渋滞税エリアの進入履歴フラグがリセットされる、と予測することに基づいて(ステップ350参照)、案内経路を再度算出する(ステップ380参照)ようになっていてもよい。このようになっていることで、案内経路の走行における時間の経過を考慮してあらかじめ案内経路計算を行うことができる。
【0123】
次に、図16に、CPU19が経路案内処理を実行しているときに、その処理と並列的に繰り返し実行するプログラム400を示す。CPU19は、このプログラムの実行において、まずステップ410で、新たに、すなわち前回のステップ410の実行の後、進入履歴フラグの値に変化があったか否かを判定する。なお、進入履歴フラグの値の変化は、上述のプログラム500の実行によって発生する。新たに進入履歴フラグの値に変化があった場合、続いてステップ420を実行し、変化がない場合、プログラム400の1回分の実行を終了する。
【0124】
ステップ420では、再度経路算出処理を行うため、プログラム300を実行させ、その後プログラム400の1回分の実行を終了する。
【0125】
このようなプログラム400をCPU19が実行することにより、カーナビゲーション装置1は、時間の経過によって日付が変わり、進入履歴フラグの値が変化したとき(ステップ410)案内経路を再度算出するこのようにすることで、案内経路を時間の経過に基づいて柔軟に変化させることが可能となる。
【0126】
以上のような作動により、カーナビゲーション装置1は、渋滞税エリアへの進入履歴を記憶媒体に記憶させ、当日当該ナビゲーション装置が当該渋滞税エリアに進入したことがないことに基づいて、当該渋滞税エリアへの進入を避けるような案内経路を算出する。このように、記憶媒体に渋滞税エリアへの進入履歴を記憶させることで、ナビゲーション装置は、案内経路の計算においてある渋滞税エリアへの進入を避けるか否かを、記憶されたその渋滞税エリアへの進入履歴に基づいて決めることができるようになる。
【0127】
なお、上記の実施形態において、プログラム100、プログラム200、プログラム300、プログラム400、およびプログラム500が、特許請求の範囲に記載のプログラムに相当する。またCPU19が、プログラム500を実行することで、特許請求の範囲に記載の記憶制御手段として機能する。またCPU19が、プログラム100〜400を実行することで、特許請求の範囲に記載の案内経路算出手段として機能する。
(他の実施形態)
なお、上記の実施形態においては、カーナビゲーション装置1は、状況に応じて渋滞税エリアへの進入を避けるような案内経路を算出するようになっている。ここでいう渋滞税エリアとは、ある車両の当該領域への進入履歴に基づいて、その車両に対する課金額が設定されるように定められている都市区域の一例であるということができる。しかし、かならずしもこのような都市区域のみならず、カーナビゲーション装置1は、ある車両の当該領域への進入履歴に基づいて、その車両に対する課金額が設定されるように定められている有料道路への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。すなわち、カーナビゲーション装置1は、状況に応じて1つ以上のリンクから成る道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていればよい。
【0128】
また、上記の実施形態では、定期的に現れる区切りタイミングとしての日付の変わり目として、午前0時を用いているが、その道路領域の時間的制限の内容に対応していれば、必ずしも0時でなくとも、午前4時等、何時であってもよい。
【0129】
また、上記の実施形態では、カーナビゲーション装置1は、「一定時間間隔で現れる区切りタイミングのうち、直前の区切りタイミングから現在に至るまで」当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがないことに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっているが、かならずしもこのようになっている必要はない。
【0130】
例えば、カーナビゲーション装置1は、「現在から所定時間前から現在に至るまで」当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがないことに基づいて、当該道路領域への進入を避けるようになっていてもよい。このようになっていることで、一度進入してしまえば、その後当該所定時間が経過するまで、再度その道路領域に進入することを避ける理由がなくなってしまうような場合に、カーナビゲーション装置1は対応することができる。
【0131】
このとき、カーナビゲーション装置1は、当該所定時間前から現在に至るまで当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがないことを判定するための手法として、進入履歴フラグに代え、ある道路領域について、自車両がその道路領域に進入したときに進入履歴としてその進入時刻を記憶媒体に記憶させ、その進入履歴中の当該道路領域への最新の進入時刻が、現在から当該所定時間前の時刻よりも前であることに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。なお、この区切りタイミングや所定時間は、道路領域毎に異なっていてもよい。
【0132】
このように、カーナビゲーション装置1は、過去のある時点から現在に至るまで当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがないことに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていれば足りる。
【0133】
また、上記の実施形態において、カーナビゲーション装置1は、過去のある時点から現在に至るまで当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがないことに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっているが、必ずしもこのようになっておらずともよい。
【0134】
例えば、過去のある時点から現在に至るまでの期間において、車両が当該道路領域内に1度進入した場合は課金されず、その期間における2度目以上の進入において初めて課金されるような場合は、過去のある時点から現在に至るまでカーナビゲーション装置1が当該道路領域に進入したことが「ある」ことに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。
【0135】
また、渋滞税エリアによっては、ある種類の車両(例えば特定の地域において登録された車両等)には常に課金しないという制度が設けられる可能性がある。すなわち、車両によっては、道路領域への進入を避ける理由が全く存在しない場合がある。
【0136】
例えば、ある地域名称のナンバープレートを有する車両が、ある道路領域への進入を避ける理由が全く存在しない場合、ある末尾番号のナンバープレートを有する車両が、ある道路領域への進入を避ける理由が全く存在しない場合等、においては、カーナビゲーション装置1は、外部記憶媒体18等の記憶媒体に記憶された自車両のナンバープレート情報に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出する必要があるか否かを判定し、必要がある場合にのみ当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。
【0137】
また、渋滞税エリアによっては、ある曜日には課金し、他の曜日には常に課金しないという制度が設けられる可能性がある。すなわち、曜日によっては、道路領域への進入を避ける理由が全く存在しない場合がある。
【0138】
このような場合においては、カーナビゲーション装置1は、現在の曜日、および外部記憶媒体18等の記憶媒体に記憶された曜日毎の当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出する必要があるか否かの情報に基づいて、当日が当該道路領域への進入を避ける必要がある曜日である場合にのみ、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。
【0139】
また、渋滞税エリアによっては、1日のうちある時間帯(例えば通勤ラッシュ時等)には課金し、他の時間帯には常に課金しないという制度が設けられる可能性がある。すなわち、その日の時分によっては、道路領域への進入を避ける理由が全く存在しない場合がある。
【0140】
このような場合においては、カーナビゲーション装置1は、現在の時分、および外部記憶媒体18等の記憶媒体に記憶された当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出する必要がある時間帯の情報に基づいて、現在時刻が当該道路領域への進入を避ける必要がある曜日である場合にのみ、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。
【0141】
また、カーナビゲーション装置1は、無線通信によって路上機等の車外の装置と通信し、その際に自身の識別番号を送信することで、当該路上機から、当該識別番号に対応する車両が当該道路領域への進入を避けるような必要があるか否かの情報を受信し、その受信した情報に基づいて、必要がある場合にのみ、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。
【0142】
また、上記実施形態においては、進入履歴を記憶する対象の道路領域は複数あるが、1つであってもよい。
【0143】
また、上記実施形態のカーナビゲーション装置1は、車両用のナビゲーション装置に限らず、ナビゲーション装置であれば、ポータブルのナビゲーション装置等、どのようなものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】本発明の実施形態に係るカーナビゲーション装置1のハードウェア構成図である。
【図2】CPU19が実行するプログラム500のフローチャートである。
【図3】CPU19が実行するプログラム100のフローチャートである。
【図4】CPU19が実行するプログラム200フローチャートである。
【図5】目的地・経由地の設定手段を選択させる表示画面20を示す図である。
【図6】目的地・経由地の地図表示画面30を示す図である。
【図7】ポップアップウインドウ36による警告表示を有する表示画面30を示す図である。
【図8】目的地・経由地の表示画面40を示す図である。
【図9】ルート条件設定のための表示画面60を示す図である。
【図10】ポップアップウインドウ36による警告表示を有する表示画面30を示す図である。
【図11】渋滞税詳細条件の設定のための表示画面70を示す図である。
【図12】CPU19が実行するプログラム20のフローチャートである。
【図13】経路算出の方向の場合分けを示す図表である。
【図14】算出された案内経路の表示画面80を示す図である。
【図15】ポップアップウインドウ68による警告表示を有する表示画面30を示す図である。
【図16】CPU19が実行するプログラム20のフローチャートである。
【符号の説明】
【0145】
1…カーナビゲーション装置、11…位置検出器、12…操作スイッチ群、
13…画像表示装置、14…スピーカ、16…RAM、17…ROM、
18…外部記憶媒体、19…CPU、20…表示画面、21…住所用選択ボタン、
22…名所用選択ボタン、23…地図用選択ボタン、24…郵便番号用選択ボタン、
25…メモリ地点用選択ボタン、26…前回地点選択ボタン、
27…現在地表示ボタン、28…リターンボタン、30…表示画面、
31…選択位置マーク、32…目的地ボタン、33…経由地ボタン、
34…方位アイコン、35…縮尺変更ボタン、36…ポップアップウインドウ、
40、60、70、80…表示画面、41…現在位置名称、42、43…経由地名称、
44…目的地名称、45〜47…地点追加ボタン、48…ルート条件設定ボタン、
49、50…スクロールボタン、61…幹線道路可ボタン、
62…時間制限道路可ボタン、63…有料道路可ボタン、64…フェリー可ボタン、
65…渋滞税可ボタン、66…渋滞税詳細設定ボタン、67…経路計算ボタン、
68…ポップアップウインドウ、71…総量金額ボタン、72…料金入力フィールド、
73…通過エリア個数ボタン、74…個数入力フィールド、
75…個別エリア設定ボタン、76…ロンドンボタン、77…都市Aボタン、
78…都市Bボタン、79…終了ボタン、81…目的地、82…案内経路、
83…行程リスト、84…総距離表示、85…経路変更ボタン、
86…ガイドボタン、87…到着予定表示、88…ポップアップウインドウ、
100〜500…プログラム。
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の道路領域への進入を避けるような案内経路計算を行うためのナビゲーション装置およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、進入すると課金させるエリア等の特定の道路領域を避けるような案内経路を計算するナビゲーション装置が提案されている(例えば特許文献1、特許文献2参照)。このような技術を用いることで、有料道路や進入すると課金される都市区域等への進入を迂回する経路案内を行うことが可能となる。
【特許文献1】特開2002−181571号公報
【特許文献2】特許3384293号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、このような従来技術では、ある車両がある道路領域へ進入するための課金額が、その車両のその道路領域への過去の進入履歴に基づいて決まるようになっている場合には、必ずしも適切に対応できない。
【0004】
例えば、ある車両が、ある日付において最初にその道路領域に進入するときには課金され、一度課金されると、その後この車両がその日付中に何度当該道路領域に進入しても課金されない、といった課金制度が定められる可能性がある。このような課金制度においては、単にある道路領域に進入することを避けるような案内経路計算をするのみでは足りず、自車両がその日のうちに既にその領域に進入したことがあるか否かに基づいて、案内経路計算の方法を切り替えるようになっていることが望まれる。
【0005】
また、課金に限らず、ある車両がある道路領域へ進入することを避けるべきか否かが、その車両のその道路領域への過去の進入履歴に左右されるような場合に対しても、上記の従来技術では必ずしも適切に対応できない。
【0006】
このような考察を踏まえ、本発明は、案内経路の計算においてある道路領域への進入を避けるか否かを、その道路領域への進入履歴に基づいて決めるようなナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明の特徴は、ナビゲーション装置が、道路領域への進入履歴を記憶媒体に記憶させ、その記憶媒体に記憶させたある道路領域への進入履歴に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することである。このように、記憶媒体に道路領域への進入履歴を記憶させることで、ナビゲーション装置は、案内経路の計算においてある道路領域への進入を避けるか否かを、記憶されたその道路領域への進入履歴に基づいて決めることができるようになる。
【0008】
なお、道路領域とは、少なくとも1つのリンクを含んでいる領域をいい、例えば1本の道路であってもよいし、多数の道路を含む1つの都市全体であってもよい。
【0009】
また、ナビゲーション装置は、過去のある時点から現在に至るまで当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがないことに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。
【0010】
このようになっていることで、例えば過去のある時点から現在に至るまでの期間に一度でも進入すると、その期間中何度入っても課金額が変わらない場合のように、ある期間中に一度進入してしまえば、その期間中に再度その道路領域に進入することを避ける理由がなくなってしまうような場合に、ナビゲーション装置は対応することができる。
【0011】
また、ここでいう過去のある時点としては、一定時間間隔で現れる区切りタイミングのうち、直前の区切りタイミングであってもよい。このようになっていることで、一定時間間隔で区切られた期間中に一度進入してしまえば、その期間中に再度その道路領域に進入することを避ける理由がなくなってしまうような場合に、ナビゲーション装置は対応することができる。
【0012】
また、区切りタイミングは、各日の午前0時であるようになっていてもよい。このようになっていることで、ある日付に一度進入してしまえば、その日付中に再度その道路領域に進入することを避ける理由がなくなってしまうような場合に、ナビゲーション装置は対応することができる。
【0013】
また、ナビゲーション装置は、ある区切りタイミングから現在に至るまで当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがないことに基づく動のための手法として、ある道路領域について、自車両がその道路領域に進入したときに進入履歴としてのフラグをセットし、当該区切りタイミングにおいて当該フラグをリセットし、当該フラグがリセットされていることに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。
【0014】
また、過去のある時点としては、現在から所定時間前であってもよい。このようになっていることで、一度進入してしまえば、その後当該所定時間が経過するまで、再度その道路領域に進入することを避ける理由がなくなってしまうような場合に、ナビゲーション装置は対応することができる。
【0015】
また、ナビゲーション装置は、当該所定時間前から現在に至るまで当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがないことに基づく作動ための手法として、ある道路領域について、自車両がその道路領域に進入したときに進入履歴としてその進入時刻を記憶媒体に記憶させ、その進入履歴中の当該道路領域への最新の進入時刻が、現在から当該所定時間前の時刻よりも前であることに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。
【0016】
また、ナビゲーション装置は、時間の経過によって、当該道路領域に自車両が進入する前に、上記の過去のある時点の日時が変化することで、過去のある時点から現在に至るまで当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがあるか否かの状態が変化したことに基づいて、案内経路を再度算出するようになっていてもよい。このようにすることで、案内経路を時間の経過に基づいて柔軟に変化させることが可能となる。
【0017】
また、ナビゲーション装置は、算出する案内経路を自車両が走行したとしたら、その走行中の時間の経過によって過去のある時点の日時が変化することで、過去のある時点から現在に至るまで当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがあるか否かの状態が変化する、と予測することに基づいて、その変化後の状態に基づいて、案内経路を再度算出するようになっていてもよい。このようになっていることで、案内経路の走行における時間の経過を考慮してあらかじめ案内経路計算を行うことができる。
【0018】
また、ナビゲーション装置は、現在位置が当該道路領域外にあり、設定された目的地が当該道路領域外にあることに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。
【0019】
また、ナビゲーション装置は、現在位置が当該道路領域内にあり、設定された目的地が当該道路領域外にあることに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出してもよい。このようになっていることで、当該道路領域内の地点から当該道路領域外の地点に至る案内経路が、一度その道路領域を出た後にその道路領域内に進入するようになることを避けることができる。これは、当該道路領域がいびつな地理形状を有している場合においてより効果を発揮する。
【0020】
また、ナビゲーション装置は、現在位置が当該道路領域内にあり、設定された目的地が当該道路領域内にあることに基づいて、当該道路領域への進入を避けるようになっていてもよい。このようになっていることで、当該道路領域内の地点から当該道路領域外の地点に至る案内経路が、一度その道路領域を出た後にその道路領域内に進入するようになることを避けることができる。これは、当該道路領域がいびつな地理形状を有している場合においてより効果を発揮する。
【0021】
また、ナビゲーション装置は、現在位置が当該道路領域外にあり、設定された目的地が当該道路領域内にあることに基づいて、当該道路領域への進入を避けることを考慮しない案内経路を算出するようになっていてもよい。これは、現在位置が当該道路領域外にあり、設定された目的地が当該道路領域内にある場合は、よほど特殊な事情がない限り、自車両は一度は必ずその道路領域内に進入するので、当該道路領域への進入を避けるような経路を算出しようとしてもほとんど無意味であるという事実に基づいた作動である。
【0022】
なお、ある時限課金道路領域を避けるような案内経路の算出と、当該時限課金道路領域を避けることを考慮しないような案内経路の算出との違いは、例えば複数の経路のうち最もコストの低い経路を案内経路とするような経路算出においては、当該時限課金道路領域へ進入するある経路に対して、前者の場合よりも後者の場合の方が低いコストを付与することである。
【0023】
また、ナビゲーション装置は、現在位置、設定された目的地、および設定された経由地からなる地点群中の、到達順が連続する2つの地点のうち、到達の早い方が当該道路領域外にあり、到達の遅い方が当該道路領域内にあるような組み合わせが1つでもある場合、当該道路領域への進入を避けることを考慮しない案内経路を算出するようになっていてもよい。これは、現在位置、目的地、および経由地の、到達順が連続する2つの組のうち、到達の早い方が、到達の遅い方が当該道路領域内にあるような組み合わせが1つでもあれば、よほど特殊な事情がない限り、自車両は一度は必ずその道路領域内に進入するので、当該道路領域への進入を避けるような経路を算出しようとしてもほとんど無意味であるということに基づいた作動である。
【0024】
また、ナビゲーション装置は、記憶媒体に記憶された自車両のナンバープレート情報に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。このようになっていることで、当該道路領域に進入することを避ける必要があるか否かが車両毎(例えばナンバープレートの末尾の数字毎)に異なるような場合に対応することができる。
【0025】
また、ナビゲーション装置は、現在の曜日に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。このようになっていることで、当該道路領域に進入することを避ける必要があるか否かが曜日毎に異なるような場合に対応することができる。
【0026】
また、ナビゲーション装置は、現在の時分に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。このようになっていることで、当該道路領域に進入することを避ける必要があるか否かが時分についての時間帯毎に異なるような場合に対応することができる。
【0027】
なお、現在の時分とは、日付によらず、現在が何時何分であるかについての情報をいう。
【0028】
また、ナビゲーション装置は、無線通信によって車外から取得された情報に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。このようになっていることで、自車両が当該道路領域に進入することを避ける必要があるか否かの情報を外部から取得することができる。
【0029】
また、ナビゲーション装置は、ユーザによる当該道路領域への進入を避けたい旨の設定が為されたことに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。このようにすることで、ユーザの好みに応じた案内経路の計算が実現する。
【0030】
またこのとき、ナビゲーション装置は、ユーザによる当該道路領域への進入を避けたい旨の設定が為されたにも関わらず、当該道路領域への進入を避けることを考慮しない案内経路を算出する際に、ユーザに対してその旨の通知を行うようになっていてもよい。このようになっていることで、当該道路領域への進入を避ける旨の設定にも関わらず当該道路領域への進入を避けることを考慮しない場合には、ユーザに対する通知が行われるので、ユーザに与える違和感を軽減することができる。
【0031】
ここで、「算出する際」とは、このまま設定の変更が行われなければ、当該道路領域への進入を避けることを考慮しない案内経路の算出が行われるとき、および経路算出中を含む概念である。
【0032】
また同様の観点から、ナビゲーション装置は、ユーザによる当該道路領域への進入を避けたい旨の設定が為されたにも関わらず、当該道路領域へ進入する案内経路を算出したとき、ユーザに対してその旨の通知を行うようになっていてもよい。
【0033】
このようにすることで、ユーザの受ける違和感を低減することができる。
【0034】
また、ナビゲーション装置は、当該道路領域内の目的地または経由地が設定されたとき、ユーザに対してその旨の通知を行うようになっていてもよい。
【0035】
また、ナビゲーション装置は、複数の道路領域毎の進入履歴を記憶媒体に記憶させ、その記憶媒体に記憶させた複数の道路領域への進入履歴に基づいて、当該複数の道路領域のうち少なくとも1つへの進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。
【0036】
またこのとき、ナビゲーション装置は、当該複数の道路領域のうち、上限個数分の道路領域への進入を避けることを考慮せず、他の道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。このようにすることで、複数の道路領域のうち、進入を避ける領域および進入を避けない領域を、上限個数という制限によって分けることができる。
【0037】
またこのとき、ナビゲーション装置は、進入に対する課金額が定められている当該複数の道路領域のうち、課金額の合計が上限金額を超えない道路領域への進入を避けることを考慮せず、他の道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。このようにすることで、上限金額に基づいて、複数の道路領域のうち、進入を避ける領域および進入を避けない領域を分けることができる。
【0038】
また、道路領域は、ある車両の当該道路領域への進入履歴に基づいて、その車両に対する課金額が設定されるように定められている都市区域であってもよい。
【0039】
また、道路領域は、ある車両の当該道路領域への進入履歴に基づいて、その車両に対する課金額が設定されるように定められている有料道路であってもよい。
【0040】
また、本発明は、道路領域への進入履歴を記憶媒体に記憶させる機能、および当該記憶媒体に記憶させたある道路領域への進入履歴に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出する機能を、コンピュータに実現させるようなプログラムとしても捉えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
図1に、本実施形態に係る車両用ナビゲーション装置1のハードウェア構成を示す。
【0042】
この車両用ナビゲーション装置1は、位置検出器11、操作スイッチ群12、画像表示装置13、スピーカ14、RAM16、ROM17、外部記憶媒体18、CPU19、を有している。
【0043】
位置検出器11は、いずれも周知の図示しない地磁気センサ、ジャイロスコープ、車速センサ、およびGPS受信機等のセンサを有しており、これらセンサの各々の性質に基づいた、車両の現在位置や向きを特定するための情報をCPU19に出力する。
【0044】
操作スイッチ群12は、車両用ナビゲーション装置1に設けられた複数のメカニカルスイッチ、画像表示装置13の表示面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置から成り、ユーザによるメカニカルスイッチの押下、タッチパネルのタッチに基づいた信号をCPU19に出力する。
【0045】
画像表示装置13は、CPU19から出力された映像信号に基づいた映像をユーザに表示する。表示映像としては、例えば現在地を中心とする地図等がある。
【0046】
外部記憶媒体18は、HDD等の不揮発性の記憶媒体であり、CPU19が読み出して実行するプログラム、経路案内用の地図データ、複数の進入履歴フラグ等を記憶している。
【0047】
地図データは、道路片(リンク)および交差点(ノード)の位置、種別、交差点と道路片との接続関係情報等を含む道路データ、および施設データを有している。施設データは、施設毎のエントリを複数有しており、各エントリは、対象とする施設の名称情報、所在位置情報、施設種類情報等を示すデータを有している。また、本実施形態においては、地図データは、渋滞税エリアについてのデータを有している。渋滞税エリアとは、1つ以上の道路片から成り、ある車両がある日付において最初にそのエリアに進入するときには、その車両に対して課金され、一度課金されると、その後この車両がその日付中に何度当該エリアに進入しても、再度課金されなくなってしまうような制度が導入されているエリアをいう。渋滞税エリアについてのデータとは、より具体的には、渋滞税エリア毎の、その渋滞税エリアが含む道路片を特定するデータである。
【0048】
ドライバーがこのような渋滞税の課金を受けたくない場合、その日のうちに自車両が一度でもある渋滞税エリア内に入ったことがあるか否かによって、自車両がその渋滞税エリアへ進入することを避けるべきか否かが変化する。
【0049】
なお、どの車両が当該渋滞税エリアへ進入したかの特定のためには、その渋滞税エリアに進入することができる道路を走行する車両のナンバープレートを常時カメラで撮影してもよいし、道路上のその渋滞税エリアへの進入ポイントに設置された路側通信機と車両内の車載通信機が無線通信し、その際に車載通信機が路側通信機に固有の識別コードを送信するようになっていてもよい。また、課金された料金の徴収はその場で支払うようになっていてもよいし、後日支払うようになっていてもよいし、ETC(自動料金収受システム)のように、路側通信機と車載通信機とが通信することによって料金の徴収が実現されてもよい。
【0050】
進入履歴フラグは、渋滞税エリア毎に1つずつ設けられたフラグである。この進入履歴フラグは、後述するように、自車両が渋滞税エリアへ進入することを避けるべきか否かを判定するために用いるデータであり、対象とする渋滞税エリアの、その日のうちに一度でも進入したか否かを示す情報を含んでいる。
【0051】
CPU(コンピュータに相当する)19は、ROM17および外部記憶媒体18から読み出した車両用ナビゲーション装置1の動作のためのプログラムを実行し、その実行の際にはRAM16、ROM17、および外部記憶媒体18から情報を読み出し、RAM16および外部記憶媒体18に対して情報の書き込みを行い、位置検出器11、操作スイッチ群12、画像表示装置13およびスピーカ14と信号の授受を行う。
【0052】
CPU19がプログラムを実行することによって行う具体的な処理としては、現在位置特定処理、案内経路算出処理、経路案内処理、メニュー処理、進入履歴記録処理等がある。
【0053】
現在位置特定処理は、位置検出器11からの信号に基づいて、周知のマップマッチング等の技術を用いて車両の現在位置や向きを特定する処理である。
【0054】
案内経路算出処理は、操作スイッチ群12からユーザによる目的地の入力を受け付け、現在位置から当該目的地までの最適な案内経路を算出する処理である。
【0055】
経路案内処理は、外部記憶媒体18から地図データを読み出し、算出された案内経路、目的施設、経由施設および現在位置等をこの地図データの示す地図上に重ねた画像を、画像表示装置13に出力し、案内交差点の手前に自車両が到達した等の必要時に、右折、左折等を指示する案内音声信号をスピーカ14に出力する処理である。
【0056】
メニュー処理は、CPU19が実行する各種処理を、その処理の機能や目的別に階層的にメニュー表示し、そのメニュー表示されたものの中からユーザが選択した処理に対応したプログラムの実行を開始する。なお、メニュー表示は画像表示装置13に当該メニューの画像データを出力することで行い、また、ユーザの選択は、操作スイッチ群12に対する選択操作の検出によって受け付ける。
【0057】
進入履歴記録処理は、上述した進入履歴フラグの値を変化させる処理である。図2に、この進入履歴記録処理のためにCPU19が実行するプログラム500を示す。CPU19は、起動直後からこのプログラム500を実行し、ステップ510で、前回のステップ510の実行後、ある渋滞税エリアに進入したか否かを、自車両の現在位置と地図データ中の渋滞税エリアのデータに基づいて判定する。進入したと判定した場合、続いてステップ520で、当該進入した渋滞税エリアについての進入履歴フラグをオンに変化させ、続いてステップ530を実行する。
【0058】
進入していないと判定した場合、続いてステップ530で、前回のステップ530の実行後、日付が変化したか否か、すなわち、時刻が午前0時を越えたか否かを判定する。日付が変化した場合、続いてステップ540で、すべての進入履歴フラグをオフにする。日付が変化していない場合、続いてステップ510を実行する。
【0059】
以上のようなステップ510〜540の繰り返しをCPU19が実行することにより、カーナビゲーション装置1は、各渋滞税エリアについて、自車両がその道路領域に進入したときに当該エリアについての進入履歴フラグをオンにセットし(ステップ510、520参照)、定期的に現れる区切りタイミングとしての日付の変わり目において当該進入履歴フラグをオフにリセットする。
【0060】
次に、CPU19が実行する案内経路算出処理について詳述する。本実施形態のCPU19は、この案内経路算出処理において、ある渋滞税エリアに進入する経路を避けるような経路を算出するか、あるいはある渋滞税エリアに進入する経路を避けることを考慮しないような経路を算出するかを、その渋滞税エリアに対応する進入履歴フラグ等に基づいて決定するようになっている。
【0061】
図3および図4に、この案内経路算出処理のためにCPU19が実行するプログラム100およびプログラム200を示す。
【0062】
CPU19は、上述のメニュー処理において通過点、目的地設定を行う旨のユーザの操作を受け付けることに基づいて、プログラム100の実行を開始し、また、上述のメニュー処理において経路計算条件設定を行う旨のユーザの操作を受け付けることに基づいて、プログラム200の実行を開始する。
【0063】
CPU19は、プログラム100の実行を開始すると、まずステップ110で、通過点・目的地設定方法の選択を受け付ける。具体的には、図5に示すような表示画面20を画像表示装置13に表示させ、ユーザによるこの表示画面20を用いた通過点・目的地設定方法の選択を待ち、その選択を受けると続いてステップ120を実行する。
【0064】
ここで、図5の表示画面20について説明する。表示画面20は、住所用選択ボタン21、名所用選択ボタン22、地図用選択ボタン23、郵便番号用選択ボタン24、メモリ地点用選択ボタン25、前回地点選択ボタン26、現在地表示ボタン27、リターンボタン28等の複数の構成要素から成る画面である。ここで、ボタンとは、ユーザが選択可能な画面中の構成要素をいう。このユーザによるボタンの選択は、画像表示装置13の表示面に重ねて設けられた操作スイッチ群12のタッチパネルの、ボタンの表示領域に相当する部分をタッチすることで実現される。CPU19は、当該タッチパネルからの信号により、特定のボタンに相当する部分へのタッチがあったことを検出すると、そのボタンがユーザによって選択されたと判定し、そのボタンに対応した処理を実行する。
【0065】
具体的には、CPU19は、住所用選択ボタン21、名所用選択ボタン22、地図用選択ボタン23、郵便番号用選択ボタン24、メモリ地点用選択ボタン25、および前回地点選択ボタン26のいずれかのボタンが選択されると、通過点・目的地設定方法が選択されたとして、続いてステップ120を実行する。また、現在地表示ボタン27が選択されると、プログラム100の実行を中止し、現在地を中心とする地図を画像表示装置13に表示させる。また、リターンボタン28が選択されると、プログラム100の実行を終了してメニュー処理の実行を再開する。なお、後述する他の表示画面上の現在地表示ボタン27およびリターンボタン28も、それぞれこの表示画面上の現在地表示ボタン27およびリターンボタン28と同じ機能を実現するためのボタンである。
【0066】
ステップ120では、地点設定を受け付ける。具体的には、ステップ110で住所用選択ボタン21の選択があった場合は、ユーザによる住所の文字列入力を受け付け、その受け付けた住所から目的地または経由地を特定する。また、ステップ110で名所用選択ボタン22の選択があった場合は、名所のリスト表示を行い、ユーザによるそのうちの1つの選択を受け付け、その受け付けた名所を目的地または経由地として特定する。また、ステップ110で地図用選択ボタン23の選択があった場合は、地図表示を行い、ユーザによる地図上の1点の選択を受け付け、その位置を目的地または経由地として特定する。また、ステップ110で郵便番号用選択ボタン24の選択があった場合は、郵便番号の入力を受け付け、その受け付けた郵便番号に対応した地域、またはその地域から更に細かく選択された位置を目的地または経由地として特定する。また、ステップ110でメモリ地点用選択ボタン25の選択があった場合は、ユーザがあらかじめ登録した特定の地点(例えば自宅、駐車場、行きつけのレストラン等)のリスト表示を行い、ユーザによるそのうちの1つの選択を受け付け、その受け付けた地点を目的地または経由地として特定する。また、ステップ110で前回地点選択ボタン26の選択があった場合は、前回選択された目的地を今回の目的地または経由地として特定する。
【0067】
この地点設定受付の一例として、図6に、ステップ110で地図用選択ボタン23が選択された場合に、CPU19が画像表示装置13に表示させる地図表示画面30を示す。表示画面30においては、地図上に、選択位置マーク31、目的地ボタン32、経由地ボタン33、地図の方位を表す方位アイコン34、縮尺変更ボタン35、現在地表示ボタン27、リターンボタン28等の構成要素が重ねられている。ユーザが目的地ボタン32を選択すると、CPU19は、選択位置マーク31が重なっている地図上の地点を目的地として特定する。また、ユーザが経由地ボタン33を選択すると、CPU19は、選択位置マーク31が重なっている地図上の地点を経由地として特定する。なお、縮尺変更ボタン35の選択を検出すると、CPU19は、表示地図の縮尺の拡大、縮小を行う。また、CPU19は、ユーザによる操作スイッチ群12の操作に基づいて、選択位置マーク31を地図上で移動させるようになっている。
【0068】
続いてステップ130では、ステップ120で特定した設定地点(すなわち目的地または経由地)が、渋滞税エリアのいずれかの内部であるか否かを、地図データに基づいて判定する。そして、渋滞税エリア内であればステップ140を実行し、渋滞税エリア外であれば続いてステップ150を実行する。
【0069】
ステップ140では、設定地点が渋滞税エリア内である旨の警告通知を、所定の時間またはユーザによる操作スイッチ群12に対する了解の操作を受け付けるまで、画像表示装置13またはスピーカ14に行わせる。このような警告における表示画面30の一例を、図7に示す。この図においては、「設定された地点は渋滞税エリア内です」という警告表示が、表示画面30の中央部のポップアップウインドウ36内に示されている。なお、ここでは、後述するプログラム200の実行により、渋滞税エリア通過を避けたい旨の設定が行われている場合に限り、この警告通知を行うようになっていてもよい。また、この渋滞税エリアに対応した進入履歴フラグがオフとなっている場合に限り、この警告通知を行うようになっていてもよい。ステップ140に続いては、ステップ150を実行する。
【0070】
ステップ150では、プログラム100の実行開始以後特定した目的地、経由地のリストを表示する。図8に、この目的地、経由地のリストの一例を示す表示画面40を示す。この表示画面40は、特定した現在位置名称41、特定した経由地名称42、43、および特定した目的地名称44に加え、地点追加ボタン45〜47、ルート条件設定ボタン48、スクロールボタン49、50、現在地表示ボタン27、リターンボタン28等の構成要素を有する。なお、ステップ150においては、スクロールボタン49、50の選択があると、それぞれ経由地名称43、目的地名称44の名称表示を横スクロールさせるようになっている。
【0071】
ステップ150に続いては、ステップ160で、追加地点設定を行う旨の操作、すなわち地点追加ボタン45〜47のいずれかの選択があったか否かを判定する。ここで、これら複数のボタン45〜47のうち、どのボタンが選択されるかで、そのボタンの選択に起因して選択された地点の経由順序が決まるようになっている。追加地点設定を行う旨の操作があると、続いてステップ110を実行し、ない場合は、続いてステップ170を実行する。
【0072】
ステップ170では、ルート条件設定を行う旨の操作、すなわちルート条件設定ボタン48の選択があったか否かを判定し、ある場合、続いてステップ180を実行し、ない場合、続いてステップ150を実行する。
【0073】
ステップ180では、経路計算条件設定のため、プログラム200の実行を開始し、その後プログラム100の実行を終了する。このように、プログラム200は、メニュー処理以外にも、このプログラム100の実行中にも、その実行が始まるようになっている。
【0074】
このようなプログラム100をCPU19が実行することにより、カーナビゲーション装置1は、ユーザからの目的地、経由地当の地点設定を受け付け(ステップ120参照)、その設定された地点が渋滞税エリア内であるとき、ユーザに対してその旨の警告通知を行う(ステップ140参照)。
【0075】
またCPU19は、プログラム200の実行を開始すると、まずステップ210で、経路算出の際に用いる各種条件をユーザに設定させるための表示、およびその設定を受け付けるための処理を行う。図9に、このときに画像表示装置13に表示させる表示画面60を示す。表示画面60は、幹線道路可ボタン61、時間制限道路可ボタン62、有料道路可ボタン63、フェリー可ボタン64、渋滞税可ボタン65、渋滞税詳細設定ボタン66、経路計算ボタン67等を構成要素として有する。ステップ210においては、更に、幹線道路可ボタン61、時間制限道路可ボタン62、有料道路可ボタン63、フェリー可ボタン64、および渋滞税可ボタン65のいずれかがユーザによって選択されたか否かを判定し、選択されたと判定したボタンに対応する設定フラグのオン、オフをトグルする。
【0076】
なお、現在の対応する設定フラグがオンであるかオフであるかによって、表示画面60中における各ボタン61〜65の表示形状は異なるようになっている。具体的には、ある設定フラグがオンの場合、各ボタン61〜65のうちその設定フラグに対応するボタンの形状は、押下された状態の機械式ボタンのようになっている。そして、ある設定フラグがオフの場合、各ボタン61〜65のうちその設定フラグに対応するボタンの形状は、押下されていない状態の機械式ボタンのようになっている。
【0077】
続いてステップ215で、渋滞税エリア進入可→不可に設定が変更されたか否か、すなわち渋滞税可ボタン65が選択されることで、このボタンに対応する設定フラグがオンからオフに変化したか否かを判定する。変更されていない場合、続いてステップ220を実行し、変更された場合、続いてステップ230を実行する。
【0078】
ステップ230では、いずれかの渋滞税エリアへの進入が不可避であるか否かを判定する。ある渋滞税エリアへの進入が不可避であると判定する場合とは、現在位置、目的地、および経由地からなる地点群中の、到達順が連続する2つの地点(例えば図8の例においては、現在位置とDEERLIJKの組、DEERLIJと19DULVERTON ROADの組、19DULVERTON ROADと目的地のMUSCOVY ROADの組、の3組)のうち、到達の早い方が当該渋滞税エリア外にあり、到達の遅い方が当該渋滞税エリア内にあるような組み合わせが1つでもある場合をいう。この場合、ほとんど当該渋滞税エリアへの進入が不可避である。なお、経由地がなく、設定された地点が目的地のみである場合において、ある渋滞税エリアへの進入が不可避であるとは、現在位置が当該渋滞税エリア外にあり、目的地が当該渋滞税エリア内にあるような場合をいう。なお、ここでは、対応する進入履歴フラグがオフとなっている渋滞税エリアのいずれかへの進入が不可避であるか否かを判定してもよい。不可避である場合、続いてステップ240を実行し、不可避でない場合、続いてステップ220を実行する。
【0079】
ステップ240では、渋滞税エリアに進入する案内経路を算出しようとしている旨の警告通知を、所定の時間またはユーザによる操作スイッチ群12に対する了解の操作を受け付けるまで、画像表示装置13またはスピーカ14に行わせる。このような警告における表示画面60の一例を、図10に示す。この図においては、「設定された地点へ行くルートは渋滞税エリアを通る可能性があります」という警告表示が、表示画面60の中央部のポップアップウインドウ68内に示されている。ステップ240に続いては、ステップ220を実行する。
【0080】
ステップ220では、渋滞税詳細設定ボタン66が選択されたか否かを判定し、選択されたなら続いてステップ250を実行し、されていなければ続いてステップ225を実行する。
【0081】
ステップ250では、詳細設定用の画面表示を行い、ユーザに、この画面表示を通じた渋滞税エリアへの進入に関する詳細設定を行わせる。図11に、詳細設定用の表示画面70の一例を示す。表示画面70は、総量金額ボタン71、料金入力フィールド72、通過エリア個数ボタン73、個数入力フィールド、個別エリア設定ボタン75、ロンドンボタン76、都市Aボタン77、都市Bボタン78、終了ボタン79を構成要素として有している。
【0082】
総量金額ボタン71、通過エリア個数ボタン73、個別エリア設定ボタン75は、それらのうちの最大1つがハイライト表示されるようになる。具体的には、ボタン71、73、75のうち、いずれか1つが選択されると、その選択されたボタンがハイライト表示され、他のボタンがハイライト表示されていれば、当該他のボタンのハイライト表示が通常の表示に戻る。そして、ボタン71、73、75のうち、どれがハイライト表示となるかのハイライト選択情報は、外部記憶媒体18に記録されるようになっている。
【0083】
料金入力フィールド72に対しては、ユーザは操作スイッチ群12を用いて数値を入力することができる。数値の入力を受けると、CPU19はその値を、外部記憶媒体18中に、総料金額の変数として記録する。個数入力フィールド74に対しては、ユーザは操作スイッチ群12を用いて数値を入力することができる。数値の入力を受けると、CPU19はその値を、外部記憶媒体18中に、通過エリア個数の変数として記録する。
【0084】
ロンドンボタン76、都市Aボタン77、都市Bボタン78は、個別の渋滞税エリアに割り当てられたボタンであり、各ボタンの選択によって、対応する渋滞税エリア個々への進入を避けるか否かの個別エリアフラグの値のオン、オフがトグルする。
【0085】
また、終了ボタン79が選択されると、ステップ250が終了し、続いてステップ225を実行する。
【0086】
ステップ225では、経路計算ボタン67が選択されたか否かを判定し、選択されたなら続いてステップ260を実行し、されていないなら続いてステップ210を実行する。
【0087】
ステップ260では、経路算出処理の実行を開始し、プログラム200の実行を終了する。
【0088】
このようなプログラム200をCPU19が実行することにより、カーナビゲーション装置1は、ユーザから経路計算条件の入力を受け付け(ステップ210参照)、そしてユーザによる渋滞税エリアへの進入を避けたい旨の設定が為されたにも関わらず(ステップ215参照)、現在位置、目的地、および経由地からなる地点群中の、到達順が連続する2つの地点のうち、到達の早い方がある渋滞税エリア外にあり、到達の遅い方が当該渋滞税エリア内にあるような組み合わせが1つでもあるため等の、当該渋滞税エリア外からエリア内に進入することがほぼ不可避な場合、当該渋滞税エリアへの進入を避けることを考慮しない案内経路を算出する旨の通知をユーザに対して行う(ステップ230、240参照)。このようになっていることで、ユーザに与える違和感を軽減することができる。
【0089】
また、カーナビゲーション装置1は、複数の渋滞税エリアについての詳細設定において、当該複数の渋滞税エリアのうち、上限個数分の渋滞税エリアへの進入を許し、他の渋滞税エリアへの進入を避けるような設定、課金額の合計が上限金額を超えない渋滞税エリアへの進入を許し、他の渋滞税エリアへの進入を避けるような設定、あるいは個別の渋滞税エリアへの進入の許可、不許可をそれぞれ設定することができる(ステップ250参照)。
【0090】
次に、CPU19が実行する案内経路算出処理について詳述する。CPU19は、この案内経路算出処理のために、図12に示すプログラム300を実行する。CPU19は、このプログラム300の実行を開始すると、まずステップ310で、経路算出条件を参照する。ここで参照する、すなわち読み出す経路算出条件は、プログラム100において記録された進入履歴フラグ、プログラム200のステップ210において設定された設定フラグ、ステップ250によって設定された渋滞税エリア詳細設定(すなわち、ハイライト選択情報、料金入力フィールド72に入力された料金、通過エリア個数ボタン73に入力された個数、および個別エリアフラグ)等である。
【0091】
続いてステップ320で、参照した経路算出条件に基づいて経路算出を行う。
【0092】
具体的には、現在位置(出発位置)、目的地、および経由地からなる地点群によって分割される区間毎に、ダイクストラ法に基づいた最適経路の算出を行う。この算出においては、各区間の始点と終点とを繋ぐ複数経路のコストを計算し、そのコストが最低の経路を最適経路として特定する。ここで、ある経路がある渋滞税エリアに進入するような経路となっている場合、その経路のコストがどのような値になるかは、設定フラグの値によって変化する。
【0093】
具体的には、幹線道路可ボタン61に対応する設定フラグがオフのときは、幹線道路を通る経路のコストが、事実上最適経路と成り得ないような大きな値とする。また、当該設定フラグがオンのときは、幹線道路を通る経路が最適経路となり得るよう、幹線道路を通る経路のコストを、当該設定フラグがオフである場合に比べて低い値とする。
【0094】
また、時間制限道路可ボタン62に対応する設定フラグがオフのときは、時間制限道路を通る経路のコストが、事実上最適経路と成り得ないような大きな値とする。また、当該設定フラグがオンのときは、時間制限道路を通る経路が最適経路となり得るよう、時間制限道路を通る経路のコストを、当該設定フラグがオフである場合に比べて低い値とする。
【0095】
また、有料道路可ボタン63に対応する設定フラグがオフのときは、有料道路を通る経路のコストが、事実上最適経路と成り得ないような大きな値とする。また、当該設定フラグがオンのときは、有料道路を通る経路が最適経路となり得るよう、有料道路を通る経路のコストを、当該設定フラグがオフである場合に比べて低い値とする。
【0096】
また、フェリー可ボタン64に対応する設定フラグがオフのときは、フェリーを使用する経路のコストが、事実上最適経路となり得ないような大きな値とする。また、当該設定フラグがオンのときは、フェリーを使用する経路が最適経路となり得るよう、フェリーを使用する経路のコストを、当該設定フラグがオフである場合に比べて低い値とする。
【0097】
また、渋滞税可ボタン65に対応する設定フラグがオンのときは、渋滞税エリアに進入する経路のコストを、渋滞税エリアに進入する経路が最適経路となり得るような値とする。すなわち、渋滞税エリアへの進入を避けることを考慮しないようなコスト計算を行う。
【0098】
以下、渋滞税可ボタン65に対応する設定フラグがオフの場合について説明する、この場合、ある経路がある渋滞税エリアに進入するような経路となっている場合、その経路のコストがどのような値になるかは、当該渋滞税エリアに対応する進入履歴フラグによって変化する。以下、当該渋滞税エリアに対応する進入履歴フラグがオンの場合とオフの場合についてそれぞれ説明する。
【0099】
(1)当該進入履歴フラグがオンの場合:
この場合、当該渋滞税エリアに進入する経路のコストを、当該渋滞税エリアに進入する経路が最適経路となり得るような値とする。すなわち、当該渋滞税エリアへの進入を避けることを考慮しないようなコスト計算を行う。
【0100】
(2)当該進入履歴フラグがオフの場合:
この場合、全区間のうち、少なくとも1つの区間について、その区間の始点が当該渋滞税エリア外にあり、その区間の終点が当該渋滞税エリア内にあれば、当該渋滞税エリアへの進入を避けることを考慮しないようなコスト計算を、各区間について行う。これは、現在位置、目的地、および経由地の、到達順が連続する2つの組のうち、到達の早い方が当該渋滞税エリア外にあり、到達の遅い方が当該渋滞税エリア内にあるような組み合わせが1つでもあれば、よほど特殊な事情がない限り、自車両は一度は必ずその渋滞税エリア内に進入するので、当該渋滞税エリアへの進入を避けるような経路を算出しようとしてもほとんど無意味であるということに基づいた作動である。
【0101】
またこの場合、全区間について、その区間の始点が当該渋滞税エリア内にあるか、またはその区間の終点が当該渋滞税エリア外にあれば、プログラム200のステップ250によって設定されたハイライト選択情報の内容によって、経路計算の方法が以下のように異なる。
【0102】
(2−1)ハイライト選択情報が、総量金額ボタン71、通過エリア個数ボタン73、個別エリア設定ボタン75のいずれもハイライトされていない旨を示している場合:
この場合、当該渋滞税エリアへの進入を避けるような経路の算出を行う。当該渋滞税エリアへの進入を避けるようなコスト計算としては、当該渋滞税エリアに進入する経路のコストが、当該渋滞税エリアに進入しない経路のコストより下回ることがないようなコストとする。なお、このような場合であっても、候補となる経路がすべて当該渋滞税エリアに進入するものばかりである場合は、それらのうちの1つを最適経路として算出する。
【0103】
(2−2)ハイライト選択情報が、総量金額ボタン71がハイライトされている旨を示している場合:
この場合、全課金額が料金入力フィールド72に入力された料金額以内に収まる範囲内で、当該渋滞税エリア(進入履歴フラグがオフである渋滞税エリア)への進入を許す。具体的には、案内経路候補が、1つ以上の当該渋滞税エリアに進入するようになっている場合、それら当該渋滞税エリアの課金額を特定し、それらの総和が料金入力フィールド72に入力された料金額以下であれば、この経路のコストを、渋滞税エリアに進入しない経路に対抗して最適経路となり得るような値とする。また、それらの総和が料金入力フィールド72に入力された料金額を超えていれば、この経路のコストを、渋滞税エリアに進入しない経路に対抗して最適経路となることが事実上ないような大きな値とする。
【0104】
なお、各渋滞税エリアの課金額の情報は、あらかじめ外部記憶媒体18に記憶されており、CPU19はこの情報を読み出して各渋滞税エリアの課金額を特定するようになっている。
【0105】
このようにCPU19は、進入に対する課金額が定められている当該複数の渋滞税エリアのうち、課金額の合計が上限金額(すなわち料金入力フィールド72に入力された料金額)を超えない渋滞税エリアへの進入を避けることを考慮せず、他の渋滞税エリアへの進入を避けるような案内経路を算出するようになっていることで、上限金額に基づいて、複数の渋滞税エリアのうち、進入を避けるエリアおよび進入を避けないエリアを分けることができる。
【0106】
(2−3)ハイライト選択情報が、通過エリア個数ボタン73がハイライトされている旨を示している場合:
この場合、通過する当該渋滞税エリア(進入履歴フラグがオフである渋滞税エリア)が個数入力フィールド74に入力された個数に収まる範囲内で、当該渋滞税エリアへの進入を許す。具体的には、案内経路候補が、1つ以上の当該渋滞税エリアに進入するようになっている場合、それら当該渋滞税エリアの総数が個数入力フィールド74に入力された個数以下であれば、この経路のコストを、渋滞税エリアに進入しない経路に対抗して最適経路となり得るような値とする。また、その総数が個数入力フィールド74に入力された個数を超えていれば、この経路のコストを、渋滞税エリアに進入しない経路に対抗して最適経路となることが事実上ないような大きな値とする。
【0107】
このようにCPU19は、当該渋滞税エリアのうち、上限個数分の渋滞税エリアへの進入を避けることを考慮せず、他の渋滞税エリアへの進入を避けるような案内経路を算出するようになっていることで、複数の渋滞税エリアのうち、進入を避けるエリアおよび進入を避けないエリアを、上限個数という制限に基づいて分けることができる。
【0108】
(2−4)ハイライト選択情報が、個別エリア設定ボタン75がハイライトされている旨を示している場合:
この場合、進入履歴フラグがオフである渋滞税エリアのうち、個別エリアフラグがオンとなっている渋滞税エリアについては、その渋滞税エリアへの進入を避けることを考慮しない経路を算出し、個別エリアフラグがオフとなっている渋滞税エリアについては、その渋滞税エリアへの進入を避けるような経路を算出する。具体的には、案内経路候補が、進入履歴フラグがオフで個別エリアフラグがオフであるような渋滞税エリアに1度でも進入するようになっていれば、その経路のコストを、渋滞税エリアに進入しない経路に対抗して最適経路となり得ることが事実上ないような大きな値とする。また、案内経路候補が、個別エリアフラグがオンであるような渋滞税エリアにのみ進入するようになっていれば、その経路のコストを、渋滞税エリアに進入しない経路に対抗して最適経路となり得るような値とする。
【0109】
図13に、案内経路算出の一例として、目的地が設定され、経由地が設定されておらず、渋滞税可ボタン65に対応する設定フラグがオフとなっており、かつハイライト選択情報が、総量金額ボタン71、通過エリア個数ボタン73、個別エリア設定ボタン75のいずれもハイライトされていない旨を示していない場合に、CPU19が行う案内経路算出の方法を表形式で示す。この図に示す通り、CPU19は、当日一度でも進入したことのある渋滞税エリア、すなわち対応する進入履歴フラグがオンの渋滞税エリアについては、出発地(現在位置)および目的地に関わらず、その渋滞税エリアへの進入を考慮しない案内経路を算出する。
【0110】
また、当日一度も進入していない渋滞税エリア、すなわち対応する進入履歴フラグがオフの渋滞税エリアについては、現在位置が当該渋滞税エリア外にあり目的地が当該渋滞税エリア外にある場合、現在位置が当該渋滞税エリア内にあり目的地が当該渋滞税エリア外にある場合、および、現在位置が当該渋滞税エリア内にあり目的地が当該渋滞税エリア内にある場合、当該渋滞税エリアへの進入を避けるような案内経路を算出する。
【0111】
このようになっていることで、案内経路が、当該渋滞税エリア外の地点から当該渋滞税エリア外の地点に至る案内経路において、一端当該渋滞税エリアに進入するようになること、当該渋滞税エリア内の地点から当該渋滞税エリア外の地点に至る案内経路が、一度その渋滞税エリアを出た後にその渋滞税エリア内に進入するようになること、および、当該渋滞税エリア内の地点から当該渋滞税エリア外の地点に至る案内経路が、一度その渋滞税エリアを出た後にその渋滞税エリア内に進入するようになること、を避けることができる。これは、当該渋滞税エリアがいびつな地理形状を有している場合においてより効果を発揮する。
【0112】
また、当日一度も進入していない渋滞税エリア、すなわち対応する進入履歴フラグがオフの渋滞税エリアについて、現在位置が当該渋滞税エリア外にあり目的地が当該渋滞税エリア内にある場合、当該渋滞税エリアへの進入を避けることを考慮しない案内経路を算出するようになっていてもよい。これは、現在位置が当該渋滞税エリア外にあり、設定された目的地が当該渋滞税エリア内にある場合は、よほど特殊な事情がない限り、自車両は一度は必ずその渋滞税エリア内に進入するので、当該渋滞税エリアへの進入を避けるような経路を算出しようとしてもほとんど無意味であるからである。
【0113】
ステップ320に続いては、ステップ340で、算出した案内経路が、いずれかの渋滞税エリアに進入するようになっているか否かを判定し、進入するようになっている場合は続いてステップ348を実行し、進入しないようになっている場合はステップ345を実行する。
【0114】
ステップ345では、算出した最適案内経路を、地図と共に画像表示装置13に表示させる。図14に、この案内経路表示のための表示画面80の一例を示す。表示画面80は、地図上に目的地81までの案内経路82を表している。なお、表示画面80中、行程リスト83は、その案内経路中の高速道路や一般道路の距離を示し、総距離表示84は、案内経路82の総行程距離を示し、到着予定表示87は、到着予定時刻を示している。また、CPU19は、ユーザによる経路変更ボタン85の選択があると、他の最適経路の算出を行う。また、CPU19は、ユーザによるガイドボタン86の選択があると、上述の経路案内処理を開始する。ステップ345の後、プログラム300の実行は終了する。
【0115】
ステップ348では、設定は渋滞税エリア進入不可か否か、すなわち渋滞税可ボタン65に対応する設定フラグがオフであるか否か、を判定し、進入不可の場合続いてステップ350を実行し、進入不可でない場合、続いてステップ345を実行する。
【0116】
ステップ350では、現在時刻(またはユーザが操作スイッチ群12を用いて指定した出発時刻)に自車両がその案内経路の走行を開始した場合の、その走行の進捗度と時刻との関係を、あらかじめ地図データ中に記録された案内経路中の道路片の平均速度、制限速度等に基づいて特定し、その関係に基づいて、進入する渋滞税エリアのうち、走行中の時間の経過によって日付が変更することで、その渋滞税エリアに進入する前に、当該進入履歴フラグがオンからオフにリセットされるような渋滞税エリアが1つでもあるか否かを判定する。ある場合は、続いてステップ380を実行し、ない場合は、続いてステップ355で、ステップ345と同様の案内経路表示を行う。
【0117】
ステップ355に続いては、ステップ370で、渋滞税エリアへ進入する案内経路を算出した旨の通知(例えば「渋滞税エリアに進入します」等のメッセージ)を、一定期間またはユーザの操作スイッチ群12に対する確認操作があるまで、画像表示装置13およびスピーカ14に行わせる。なお、このような警告通知は、進入履歴フラグがオフの渋滞税エリアについてのみ行うようになっていてもよい。図15に、この通知が表示画面80のポップアップウインドウ88内に表示された様子を示す。ステップ370の後、プログラム300の実行は終了する。
【0118】
ステップ350で案内経路走行中に進入履歴フラグが進入前にオンからオフにリセットされる渋滞税エリアが1つでもあると判定された後のステップ380では、当該進入履歴フラグを暫定的にオフにし、その上で再度ステップ320を実行する。なお、CPU19は、この暫定的にオフとなった進入履歴フラグの値を、プログラム300の実行終了時に元の値に戻すようになっている。
【0119】
なお、プログラム300の実行が終了すると、CPU19は続いて経路案内処理を開始する。
【0120】
このようなプログラム300をCPU19が実行することにより、カーナビゲーション装置1は、設定された経路計算条件に基づいて(ステップ310参照)案内経路の算出を行う(ステップ320参照)。そして、この算出において、日付の変わり目から現在に至るまで当該ナビゲーション装置がいずれかの渋滞税エリアに進入したことがなく(すなわち当該渋滞税エリアの進入履歴フラグがリセットされた状態であり)、現在位置、目的地、および経由地からなる地点群中の、到達順が連続する2つの地点のうち、到達の早い方が当該渋滞税エリア外にあり、到達の遅い方が当該渋滞税エリア内にあるような組み合わせが1つもなく、かつ、ユーザが渋滞税エリアを避ける旨の設定を行っている場合、当該渋滞税エリアへの進入を避けるような案内経路を算出する。
【0121】
そして、それ以外の場合、すなわち当該渋滞税エリアへの進入を避けることを考慮しない案内経路を算出した場合、ユーザによる当該渋滞税エリアへの進入を避けたい旨の設定が為されていれば、ユーザに対してその旨の警告通知を行う(ステップ348、370参照)。
【0122】
また、ある渋滞税エリアへの進入を避けることを考慮しない案内経路を算出した場合、算出した案内経路を自車両が走行したとしたら、その走行中の時間の経過によって、自車両が当該渋滞税エリアに進入する前に日時が変化することで、当該渋滞税エリアの進入履歴フラグがリセットされる、と予測することに基づいて(ステップ350参照)、案内経路を再度算出する(ステップ380参照)ようになっていてもよい。このようになっていることで、案内経路の走行における時間の経過を考慮してあらかじめ案内経路計算を行うことができる。
【0123】
次に、図16に、CPU19が経路案内処理を実行しているときに、その処理と並列的に繰り返し実行するプログラム400を示す。CPU19は、このプログラムの実行において、まずステップ410で、新たに、すなわち前回のステップ410の実行の後、進入履歴フラグの値に変化があったか否かを判定する。なお、進入履歴フラグの値の変化は、上述のプログラム500の実行によって発生する。新たに進入履歴フラグの値に変化があった場合、続いてステップ420を実行し、変化がない場合、プログラム400の1回分の実行を終了する。
【0124】
ステップ420では、再度経路算出処理を行うため、プログラム300を実行させ、その後プログラム400の1回分の実行を終了する。
【0125】
このようなプログラム400をCPU19が実行することにより、カーナビゲーション装置1は、時間の経過によって日付が変わり、進入履歴フラグの値が変化したとき(ステップ410)案内経路を再度算出するこのようにすることで、案内経路を時間の経過に基づいて柔軟に変化させることが可能となる。
【0126】
以上のような作動により、カーナビゲーション装置1は、渋滞税エリアへの進入履歴を記憶媒体に記憶させ、当日当該ナビゲーション装置が当該渋滞税エリアに進入したことがないことに基づいて、当該渋滞税エリアへの進入を避けるような案内経路を算出する。このように、記憶媒体に渋滞税エリアへの進入履歴を記憶させることで、ナビゲーション装置は、案内経路の計算においてある渋滞税エリアへの進入を避けるか否かを、記憶されたその渋滞税エリアへの進入履歴に基づいて決めることができるようになる。
【0127】
なお、上記の実施形態において、プログラム100、プログラム200、プログラム300、プログラム400、およびプログラム500が、特許請求の範囲に記載のプログラムに相当する。またCPU19が、プログラム500を実行することで、特許請求の範囲に記載の記憶制御手段として機能する。またCPU19が、プログラム100〜400を実行することで、特許請求の範囲に記載の案内経路算出手段として機能する。
(他の実施形態)
なお、上記の実施形態においては、カーナビゲーション装置1は、状況に応じて渋滞税エリアへの進入を避けるような案内経路を算出するようになっている。ここでいう渋滞税エリアとは、ある車両の当該領域への進入履歴に基づいて、その車両に対する課金額が設定されるように定められている都市区域の一例であるということができる。しかし、かならずしもこのような都市区域のみならず、カーナビゲーション装置1は、ある車両の当該領域への進入履歴に基づいて、その車両に対する課金額が設定されるように定められている有料道路への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。すなわち、カーナビゲーション装置1は、状況に応じて1つ以上のリンクから成る道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていればよい。
【0128】
また、上記の実施形態では、定期的に現れる区切りタイミングとしての日付の変わり目として、午前0時を用いているが、その道路領域の時間的制限の内容に対応していれば、必ずしも0時でなくとも、午前4時等、何時であってもよい。
【0129】
また、上記の実施形態では、カーナビゲーション装置1は、「一定時間間隔で現れる区切りタイミングのうち、直前の区切りタイミングから現在に至るまで」当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがないことに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっているが、かならずしもこのようになっている必要はない。
【0130】
例えば、カーナビゲーション装置1は、「現在から所定時間前から現在に至るまで」当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがないことに基づいて、当該道路領域への進入を避けるようになっていてもよい。このようになっていることで、一度進入してしまえば、その後当該所定時間が経過するまで、再度その道路領域に進入することを避ける理由がなくなってしまうような場合に、カーナビゲーション装置1は対応することができる。
【0131】
このとき、カーナビゲーション装置1は、当該所定時間前から現在に至るまで当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがないことを判定するための手法として、進入履歴フラグに代え、ある道路領域について、自車両がその道路領域に進入したときに進入履歴としてその進入時刻を記憶媒体に記憶させ、その進入履歴中の当該道路領域への最新の進入時刻が、現在から当該所定時間前の時刻よりも前であることに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。なお、この区切りタイミングや所定時間は、道路領域毎に異なっていてもよい。
【0132】
このように、カーナビゲーション装置1は、過去のある時点から現在に至るまで当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがないことに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていれば足りる。
【0133】
また、上記の実施形態において、カーナビゲーション装置1は、過去のある時点から現在に至るまで当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがないことに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっているが、必ずしもこのようになっておらずともよい。
【0134】
例えば、過去のある時点から現在に至るまでの期間において、車両が当該道路領域内に1度進入した場合は課金されず、その期間における2度目以上の進入において初めて課金されるような場合は、過去のある時点から現在に至るまでカーナビゲーション装置1が当該道路領域に進入したことが「ある」ことに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。
【0135】
また、渋滞税エリアによっては、ある種類の車両(例えば特定の地域において登録された車両等)には常に課金しないという制度が設けられる可能性がある。すなわち、車両によっては、道路領域への進入を避ける理由が全く存在しない場合がある。
【0136】
例えば、ある地域名称のナンバープレートを有する車両が、ある道路領域への進入を避ける理由が全く存在しない場合、ある末尾番号のナンバープレートを有する車両が、ある道路領域への進入を避ける理由が全く存在しない場合等、においては、カーナビゲーション装置1は、外部記憶媒体18等の記憶媒体に記憶された自車両のナンバープレート情報に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出する必要があるか否かを判定し、必要がある場合にのみ当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。
【0137】
また、渋滞税エリアによっては、ある曜日には課金し、他の曜日には常に課金しないという制度が設けられる可能性がある。すなわち、曜日によっては、道路領域への進入を避ける理由が全く存在しない場合がある。
【0138】
このような場合においては、カーナビゲーション装置1は、現在の曜日、および外部記憶媒体18等の記憶媒体に記憶された曜日毎の当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出する必要があるか否かの情報に基づいて、当日が当該道路領域への進入を避ける必要がある曜日である場合にのみ、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。
【0139】
また、渋滞税エリアによっては、1日のうちある時間帯(例えば通勤ラッシュ時等)には課金し、他の時間帯には常に課金しないという制度が設けられる可能性がある。すなわち、その日の時分によっては、道路領域への進入を避ける理由が全く存在しない場合がある。
【0140】
このような場合においては、カーナビゲーション装置1は、現在の時分、および外部記憶媒体18等の記憶媒体に記憶された当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出する必要がある時間帯の情報に基づいて、現在時刻が当該道路領域への進入を避ける必要がある曜日である場合にのみ、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。
【0141】
また、カーナビゲーション装置1は、無線通信によって路上機等の車外の装置と通信し、その際に自身の識別番号を送信することで、当該路上機から、当該識別番号に対応する車両が当該道路領域への進入を避けるような必要があるか否かの情報を受信し、その受信した情報に基づいて、必要がある場合にのみ、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出するようになっていてもよい。
【0142】
また、上記実施形態においては、進入履歴を記憶する対象の道路領域は複数あるが、1つであってもよい。
【0143】
また、上記実施形態のカーナビゲーション装置1は、車両用のナビゲーション装置に限らず、ナビゲーション装置であれば、ポータブルのナビゲーション装置等、どのようなものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0144】
【図1】本発明の実施形態に係るカーナビゲーション装置1のハードウェア構成図である。
【図2】CPU19が実行するプログラム500のフローチャートである。
【図3】CPU19が実行するプログラム100のフローチャートである。
【図4】CPU19が実行するプログラム200フローチャートである。
【図5】目的地・経由地の設定手段を選択させる表示画面20を示す図である。
【図6】目的地・経由地の地図表示画面30を示す図である。
【図7】ポップアップウインドウ36による警告表示を有する表示画面30を示す図である。
【図8】目的地・経由地の表示画面40を示す図である。
【図9】ルート条件設定のための表示画面60を示す図である。
【図10】ポップアップウインドウ36による警告表示を有する表示画面30を示す図である。
【図11】渋滞税詳細条件の設定のための表示画面70を示す図である。
【図12】CPU19が実行するプログラム20のフローチャートである。
【図13】経路算出の方向の場合分けを示す図表である。
【図14】算出された案内経路の表示画面80を示す図である。
【図15】ポップアップウインドウ68による警告表示を有する表示画面30を示す図である。
【図16】CPU19が実行するプログラム20のフローチャートである。
【符号の説明】
【0145】
1…カーナビゲーション装置、11…位置検出器、12…操作スイッチ群、
13…画像表示装置、14…スピーカ、16…RAM、17…ROM、
18…外部記憶媒体、19…CPU、20…表示画面、21…住所用選択ボタン、
22…名所用選択ボタン、23…地図用選択ボタン、24…郵便番号用選択ボタン、
25…メモリ地点用選択ボタン、26…前回地点選択ボタン、
27…現在地表示ボタン、28…リターンボタン、30…表示画面、
31…選択位置マーク、32…目的地ボタン、33…経由地ボタン、
34…方位アイコン、35…縮尺変更ボタン、36…ポップアップウインドウ、
40、60、70、80…表示画面、41…現在位置名称、42、43…経由地名称、
44…目的地名称、45〜47…地点追加ボタン、48…ルート条件設定ボタン、
49、50…スクロールボタン、61…幹線道路可ボタン、
62…時間制限道路可ボタン、63…有料道路可ボタン、64…フェリー可ボタン、
65…渋滞税可ボタン、66…渋滞税詳細設定ボタン、67…経路計算ボタン、
68…ポップアップウインドウ、71…総量金額ボタン、72…料金入力フィールド、
73…通過エリア個数ボタン、74…個数入力フィールド、
75…個別エリア設定ボタン、76…ロンドンボタン、77…都市Aボタン、
78…都市Bボタン、79…終了ボタン、81…目的地、82…案内経路、
83…行程リスト、84…総距離表示、85…経路変更ボタン、
86…ガイドボタン、87…到着予定表示、88…ポップアップウインドウ、
100〜500…プログラム。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路領域への進入履歴を記憶媒体に記憶させる記憶制御手段と、
前記記憶制御手段が前記記憶媒体に記憶させたある道路領域への進入履歴に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出する案内経路算出手段と、を備えたナビゲーション装置。
【請求項2】
前記案内経路算出手段は、過去のある時点から現在に至るまで当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがないことに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記過去のある時点とは、一定時間間隔で現れる区切りタイミングのうち、直前の区切りタイミングであることを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記区切りタイミングは、各日の午前0時であることを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記記憶制御手段は、ある道路領域について、自車両がその道路領域に進入したときに進入履歴としてのフラグをセットし、前記区切りタイミングにおいて当該フラグをリセットし、
前記案内経路算出手段は、前記フラグがリセットされていることに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項3または4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記過去のある時点とは、現在から所定時間前であることを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記記憶制御手段は、ある道路領域について、自車両がその道路領域に進入したときに進入履歴としてその進入時刻を前記記憶媒体に記憶させ、
前記案内経路算出手段は、前記進入履歴中の当該道路領域への最新の進入時刻が、現在から前記所定時間前の時刻よりも前であることに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項6に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記案内経路算出手段は、時間の経過によって前記過去のある時点の日時が変化することで、前記過去のある時点から現在に至るまで当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがあるか否かの状態が変化したことに基づいて、案内経路を再度算出することを特徴とする請求項2ないし7のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記案内経路算出手段は、算出する案内経路を自車両が走行したとしたら、その走行中の時間の経過によって、当該道路領域に自車両が進入する前に、前記過去のある時点の日時が変化することで、前記過去のある時点から現在に至るまで当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがあるか否かの状態が変化する、と予測することに基づいて、その変化後の状態に基づいて、案内経路を再度算出することを特徴とする請求項2ないし8のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
前記案内経路算出手段は、現在位置が当該道路領域外にあり、設定された目的地が当該道路領域外にあることに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項1ないし9に記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
前記案内経路算出手段は、現在位置が当該道路領域内にあり、設定された目的地が当該道路領域外にあることに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項12】
前記案内経路算出手段は、現在位置が当該道路領域内にあり、設定された目的地が当該道路領域内にあることに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項13】
前記案内経路算出手段は、現在位置が当該道路領域外にあり、設定された目的地が当該道路領域内にあることに基づいて、当該道路領域への進入を避けることを考慮しない案内経路を算出することを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項14】
前記案内経路算出手段は、現在位置、設定された目的地、および設定された経由地からなる地点群中の、到達順が連続する2つの地点のうち、到達の早い方が当該道路領域外にあり、到達の遅い方が当該道路領域内にあるような組み合わせが1つでもある場合、当該道路領域への進入を避けることを考慮しない案内経路を算出することを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項15】
前記案内経路算出手段は、前記記憶媒体に記憶された自車両のナンバープレート情報に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項16】
前記案内経路算出手段は、現在の曜日に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項17】
前記案内経路算出手段は、現在の時分に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項18】
前記案内経路算出手段は、無線通信によって車外から取得された情報に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項1ないし17のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項19】
前記案内経路算出手段は、ユーザによる当該道路領域への進入を避けたい旨の設定が為されたことに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出する請求項1ないし18のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項20】
前記案内経路算出手段は、ユーザによる当該道路領域への進入を避けたい旨の設定が為されたにも関わらず、当該道路領域への進入を避けることを考慮しない案内経路を算出する際に、ユーザに対してその旨の通知を行うことを特徴とする請求項19に記載のナビゲーション装置。
【請求項21】
前記案内経路算出手段は、ユーザによる当該道路領域への進入を避けたい旨の設定が為されたにも関わらず、当該道路領域へ進入する案内経路を算出したとき、ユーザに対してその旨の通知を行うことを特徴とする請求項19または20に記載のナビゲーション装置。
【請求項22】
当該道路領域内の目的地または経由地が設定されたとき、ユーザに対してその旨の通知を行うことを特徴とする請求項1ないし21のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項23】
前記記憶制御手段は、複数の道路領域毎の進入履歴を記憶媒体に記憶させ、
前記案内経路算出手段は、前記記憶制御手段が前記記憶媒体に記憶させた複数の道路領域への進入履歴に基づいて、当該複数の道路領域のうち少なくとも1つへの進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項1ないし22のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項24】
前記案内経路算出手段は、当該複数の道路領域のうち、上限個数分の道路領域への進入を避けることを考慮せず、他の道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項23に記載のナビゲーション装置。
【請求項25】
前記案内経路算出手段は、進入に対する課金額が定められている当該複数の道路領域のうち、課金額の合計が上限金額を超えない道路領域への進入を避けることを考慮せず、他の道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項23に記載のナビゲーション装置。
【請求項26】
当該道路領域は、ある車両の当該道路領域への進入履歴に基づいて、その車両に対する課金額が設定されるように定められている都市区域であることを特徴とする請求項1ないし25のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項27】
当該道路領域は、ある車両の当該道路領域への進入履歴に基づいて、その車両に対する課金額が設定されるように定められている有料道路であることを特徴とする請求項1ないし26のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項28】
道路領域への進入履歴を記憶媒体に記憶させる記憶制御手段、および
前記記憶制御手段が前記記憶媒体に記憶させたある道路領域への進入履歴に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出する案内経路算出手段として、コンピュータを機能させるプログラム。
【請求項1】
道路領域への進入履歴を記憶媒体に記憶させる記憶制御手段と、
前記記憶制御手段が前記記憶媒体に記憶させたある道路領域への進入履歴に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出する案内経路算出手段と、を備えたナビゲーション装置。
【請求項2】
前記案内経路算出手段は、過去のある時点から現在に至るまで当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがないことに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記過去のある時点とは、一定時間間隔で現れる区切りタイミングのうち、直前の区切りタイミングであることを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記区切りタイミングは、各日の午前0時であることを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記記憶制御手段は、ある道路領域について、自車両がその道路領域に進入したときに進入履歴としてのフラグをセットし、前記区切りタイミングにおいて当該フラグをリセットし、
前記案内経路算出手段は、前記フラグがリセットされていることに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項3または4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記過去のある時点とは、現在から所定時間前であることを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記記憶制御手段は、ある道路領域について、自車両がその道路領域に進入したときに進入履歴としてその進入時刻を前記記憶媒体に記憶させ、
前記案内経路算出手段は、前記進入履歴中の当該道路領域への最新の進入時刻が、現在から前記所定時間前の時刻よりも前であることに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項6に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記案内経路算出手段は、時間の経過によって前記過去のある時点の日時が変化することで、前記過去のある時点から現在に至るまで当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがあるか否かの状態が変化したことに基づいて、案内経路を再度算出することを特徴とする請求項2ないし7のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記案内経路算出手段は、算出する案内経路を自車両が走行したとしたら、その走行中の時間の経過によって、当該道路領域に自車両が進入する前に、前記過去のある時点の日時が変化することで、前記過去のある時点から現在に至るまで当該ナビゲーション装置が当該道路領域に進入したことがあるか否かの状態が変化する、と予測することに基づいて、その変化後の状態に基づいて、案内経路を再度算出することを特徴とする請求項2ないし8のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
前記案内経路算出手段は、現在位置が当該道路領域外にあり、設定された目的地が当該道路領域外にあることに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項1ないし9に記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
前記案内経路算出手段は、現在位置が当該道路領域内にあり、設定された目的地が当該道路領域外にあることに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項12】
前記案内経路算出手段は、現在位置が当該道路領域内にあり、設定された目的地が当該道路領域内にあることに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項13】
前記案内経路算出手段は、現在位置が当該道路領域外にあり、設定された目的地が当該道路領域内にあることに基づいて、当該道路領域への進入を避けることを考慮しない案内経路を算出することを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項14】
前記案内経路算出手段は、現在位置、設定された目的地、および設定された経由地からなる地点群中の、到達順が連続する2つの地点のうち、到達の早い方が当該道路領域外にあり、到達の遅い方が当該道路領域内にあるような組み合わせが1つでもある場合、当該道路領域への進入を避けることを考慮しない案内経路を算出することを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項15】
前記案内経路算出手段は、前記記憶媒体に記憶された自車両のナンバープレート情報に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項16】
前記案内経路算出手段は、現在の曜日に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項17】
前記案内経路算出手段は、現在の時分に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項18】
前記案内経路算出手段は、無線通信によって車外から取得された情報に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項1ないし17のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項19】
前記案内経路算出手段は、ユーザによる当該道路領域への進入を避けたい旨の設定が為されたことに基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出する請求項1ないし18のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項20】
前記案内経路算出手段は、ユーザによる当該道路領域への進入を避けたい旨の設定が為されたにも関わらず、当該道路領域への進入を避けることを考慮しない案内経路を算出する際に、ユーザに対してその旨の通知を行うことを特徴とする請求項19に記載のナビゲーション装置。
【請求項21】
前記案内経路算出手段は、ユーザによる当該道路領域への進入を避けたい旨の設定が為されたにも関わらず、当該道路領域へ進入する案内経路を算出したとき、ユーザに対してその旨の通知を行うことを特徴とする請求項19または20に記載のナビゲーション装置。
【請求項22】
当該道路領域内の目的地または経由地が設定されたとき、ユーザに対してその旨の通知を行うことを特徴とする請求項1ないし21のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項23】
前記記憶制御手段は、複数の道路領域毎の進入履歴を記憶媒体に記憶させ、
前記案内経路算出手段は、前記記憶制御手段が前記記憶媒体に記憶させた複数の道路領域への進入履歴に基づいて、当該複数の道路領域のうち少なくとも1つへの進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項1ないし22のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項24】
前記案内経路算出手段は、当該複数の道路領域のうち、上限個数分の道路領域への進入を避けることを考慮せず、他の道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項23に記載のナビゲーション装置。
【請求項25】
前記案内経路算出手段は、進入に対する課金額が定められている当該複数の道路領域のうち、課金額の合計が上限金額を超えない道路領域への進入を避けることを考慮せず、他の道路領域への進入を避けるような案内経路を算出することを特徴とする請求項23に記載のナビゲーション装置。
【請求項26】
当該道路領域は、ある車両の当該道路領域への進入履歴に基づいて、その車両に対する課金額が設定されるように定められている都市区域であることを特徴とする請求項1ないし25のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項27】
当該道路領域は、ある車両の当該道路領域への進入履歴に基づいて、その車両に対する課金額が設定されるように定められている有料道路であることを特徴とする請求項1ないし26のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項28】
道路領域への進入履歴を記憶媒体に記憶させる記憶制御手段、および
前記記憶制御手段が前記記憶媒体に記憶させたある道路領域への進入履歴に基づいて、当該道路領域への進入を避けるような案内経路を算出する案内経路算出手段として、コンピュータを機能させるプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−153559(P2006−153559A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−342114(P2004−342114)
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年11月26日(2004.11.26)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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