説明

ナビゲーション装置および経路誘導案内方法

【課題】従来のナビゲーション装置によると、一般道路における右左折渋滞時において、右左折案内がされる前に車線変更が報知される場合があり、運転者はいつ右左折すればよいかが分からず、円滑な運転を行うことができなくなるという問題がある。
【解決手段】ナビゲーション装置は、経路誘導開始後(S420)、次の誘導ポイントまでの間の渋滞車列情報が取得される(S425)。取得した渋滞車列情報に基づき、経路の誘導タイミングが演算されると共に、車線変更に関する報知内容が決定される(S430)。経路の誘導タイミングが到来すると(S435)、先に演算された経路の誘導タイミングで決定された車線変更に関する報知内容に基づいて画面表示または音声出力により報知する(S440)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通状態を考慮した経路誘導を実行するナビゲーション装置および経路誘導案内方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置の中には、交通情報に基づき、渋滞を考慮した経路探索演算および所要時間算出を実行するものがある。しかし、如何なる渋滞状況が形成されているか不明であるため、例えば高速道路の出口渋滞の車列が長い場合、運転者は自車両を車列の最後尾に後続することができない場合が生じ得る。そこで、路車間通信により、渋滞車列の最後尾に後続するよう、音声による進路情報提供を行う道路案内装置が特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されている発明によると、走行車線の側部に配設された漏洩同軸ケーブルに供給される各車両からの路車間通信用の車両位置および車速に相当する信号に基づいて、処理装置が渋滞状況を検出する。処理装置は、渋滞距離を算出し、渋滞距離は漏洩同軸ケーブルを介して道路案内装置へ提供される。道路案内装置は、渋滞距離に基づいて、出口渋滞の車列の最後尾まで所定の距離となったタイミングで運転者に対し、出口渋滞の旨および出口渋滞の車列の最後尾が位置する車線へ車線変更すべき旨を報知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−141591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示されている発明によると、目的地に向かうに際して最適なインターチェンジ出口の渋滞長に応じて車線変更についての進路情報提供がなされるのみで、右左折案内のタイミングは変わらない。そのため、一般道路における右左折渋滞に適用すると、右左折案内がされる前に車線変更が報知される場合があり、運転者はいつ右左折すればよいかが分からず、円滑な運転を行うことができなくなるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載のナビゲーション装置は、移動体の出発地から目的地までの経路を探索する探索手段と、探索手段により探索された経路上の誘導ポイント近傍において、経路を誘導する誘導手段と、経路上の渋滞車列情報を取得する取得手段と、取得手段により取得された渋滞車列情報に応じて、誘導手段により誘導する内容の報知タイミングまたは報知地点を決定する決定手段とを備えることを特徴とする。
請求項7に記載のナビゲーション装置は、移動体の出発地から目的地までの経路を探索する探索手段と、探索手段により探索された経路上の誘導ポイント近傍において、経路を誘導する誘導手段と、経路上の渋滞車列情報を取得する取得手段とを備え、誘導手段は、取得手段により取得された渋滞車列情報に応じて、誘導する内容を決定することを特徴とする。
請求項9に記載の経路誘導案内方法は、移動体の出発地から目的地までの経路を探索するステップと、経路上の渋滞車列情報を取得するステップと、経路上の誘導ポイント近傍の渋滞車列情報に応じて、経路を誘導する内容の報知タイミングまたは報知地点を決定するステップと、報知タイミングまたは報知地点により経路を誘導するステップとを含むことを特徴とする。
請求項10に記載の経路誘導案内方法は、移動体の出発地から目的地までの経路を探索するステップと、経路上の渋滞車列情報を取得するステップと、経路上の誘導ポイント近傍の渋滞車列情報に応じて、経路を誘導する内容を決定するステップと、決定した誘導する内容を報知することにより、経路を誘導するステップとを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、右左折渋滞時、右左折案内がされる前に車線変更を報知されることが無く、車両の運転者は円滑な運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施の形態のナビゲーション装置を含む経路誘導案内システムの全体構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態のナビゲーション装置の構成を例示する図である。
【図3】本発明の実施の形態における制御処理の概要を説明するための図である。
【図4】本実施の形態のナビゲーション装置における経路誘導案内処理手順を示すフローチャートである。
【図5】本実施の形態のナビゲーション装置における経路の誘導タイミングおよび車線変更に関する報知内容について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1〜図5を参照して、本発明によるナビゲーション装置を車両に搭載した一実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態のナビゲーション装置を含む経路誘導案内システムの全体構成を示す図である。
【0010】
図1に示す経路誘導案内システムは、本実施の形態のナビゲーション装置を搭載した車両10と、情報配信サーバ200と、基地局300と、広域通信ネットワーク40とを含んで構成されている。
【0011】
情報配信サーバ200は、ネットワークインタフェースを介して広域通信ネットワーク40に接続され、広域通信ネットワーク40内を流通している様々な情報を検索および収集する機能、収集した情報をデータベース化して管理する機能、それらの情報を各車両のナビゲーション装置へ配信する機能等を備えたサーバである。情報配信サーバ200に蓄積される情報は、たとえば、不図示の交通情報センタから配信される交通渋滞情報、複数の車両から収集されるプローブ情報、および不図示の路側センサから収集される交通情報である。また、情報配信サーバ200から車両10のナビゲーション装置へ配信される情報は、たとえば、交通渋滞情報のほか、プローブ情報に基づいて編集された渋滞車列情報等の各種情報である。
【0012】
基地局300は、本実施の形態のナビゲーション装置のような移動端末に対して無線通信サービスを提供する機能を備えると共に、ゲートウェイノードとして広域通信ネットワーク40に接続される。
【0013】
図1の一例では、車両10が出発地から目的地までの経路を走行する際に、車両10に搭載された本実施の形態のナビゲーション装置が、広域通信ネットワーク40に接続されている情報配信サーバ200からの渋滞車列情報を、基地局300との無線通信を介して受信する。
【0014】
図2は、本実施の形態のナビゲーション装置100の構成を例示する図である。CPU110はナビゲーション装置100全体を制御する演算処理装置であり、CPU110およびその周辺装置は互いにバスで接続されている。周辺装置は、主記憶装置115、補助記憶装置140、ディスプレイモジュール150、および通信モジュール170を含む。主記憶装置115は、CPU110の作業エリアであるワークメモリや制御プログラムが格納されているプログラムメモリを有する。
【0015】
CPU110においては、現在地検出装置120およびユーザ入力装置130からの信号が入力される。現在地検出装置120は、たとえば、GPSセンサ、ジャイロセンサ、および車速センサであり、現在地検出装置120からの入力信号により現在位置を特定することができる。ユーザ入力装置130は、たとえば、タッチパネル、パネル周辺の押ボタン式スイッチ、リモコン、およびジョイスティックである。
【0016】
補助記憶装置140は、ナビゲーション処理に使用する道路地図データやPOI(Point Of Interest:観光地や各種施設)情報を格納する記憶装置である。補助記憶装置140としては、たとえば、ハードディスクドライブのほか、道路地図データが格納されたCDやDVD、フラッシュメモリ、その他の記録媒体、およびその読み出し装置である。
【0017】
道路地図データは、地図に関する情報であり、地図表示用データ、経路探索用データ、誘導データを含む。地図表示用データは道路や道路地図の背景を表示するためのデータである。経路探索用データは、道路形状とは直接関係しない分岐情報を含むデータであり、主に推奨経路を演算(経路探索)する際に用いられる。誘導データは、交差点名称・道路名称・方面名称・方向ガイド施設情報を含むデータであり、演算された推奨経路に基づきユーザを経路誘導する際に用いられる。
【0018】
ディスプレイモジュール150は、CPU110から出力される文字や図形を含む画像データに基づいて画面表示し、スピーカ155は、CPU110から出力される音声データに基づいて音声を出力する。監視装置160は、たとえばカメラであり、自車両周囲の他車両の走行状況や、位置関係等に関する情報を収集する。通信モジュール170は、アンテナを介し、アクセスポイント300およびネットワーク40を経由する情報配信サーバ200との通信、および他車両との車々間無線通信を行う。
【0019】
監視装置160によって収集された情報のうち、前方車両および後方車両を監視した画像情報は、現在地検出装置120からの入力信号に基づいて特定される現在位置の情報と共に、通信モジュール170により、情報配信サーバ200へプローブ情報として送信される。情報配信サーバ200は、各車両から収集されるプローブ情報に基づいて、たとえば渋滞車列長を算出し、渋滞車列情報として編集する。
【0020】
図3は、本発明の実施の形態における制御処理の概要を説明するための図である。ナビゲーション装置100を搭載した自車両500は、左側通行に従って片側2車線530および540のうちの右側の車線540を走行している。自車両500は次の交差点550で左折するように経路誘導されているため、交差点550の手前で左側の車線530に移動することを予定している。左側の車線530において、その交差点550で左折する車両が形成する車列520による渋滞が発生している場合、車列520の最後尾の車両510の手前に到達するまでに左側の車線530へ移動を完了する必要がある。
【0021】
しかし、ナビゲーション装置100において、左側の車線530の左折待ち渋滞車列520が考慮されていない場合、経路誘導に従うと、自車両500は、車列520の最後尾の車両510よりも前方であって、車両が密接に連なっている車列520に割り込まざるを得ないことがあり得る。また、渋滞車列520を検出する従来技術によると、経路誘導との連携動作ができず、左折の誘導が報知される前に車線変更の誘導が報知されることが起こり得る。いずれも、自車両500の円滑な走行を阻害する要因となる。したがって、渋滞車列520の長さに応じて、経路の誘導タイミングを変更し、併せて車線540から車線530への車線変更の誘導が行われることが好ましい。ナビゲーション装置100においては、渋滞車列520の長さに応じて、経路の誘導タイミングを変更し、併せて車線540から車線530への車線変更の誘導を行う。なお、自車両500が車線530および540のうちのいずれの車線を走行しているかについての判別技術は公知技術を用いる。
【0022】
図4は、本実施の形態のナビゲーション装置100における経路誘導案内処理手順を示すフローチャートである。本処理手順は、CPU110で実行される。ステップS410において、経路探索が実行される。経路探索処理は公知技術を用いて実行されるので、説明を省略する。ステップS415において、ナビゲーション装置100を搭載した自車両500が走行を開始したか否かを判定する。肯定判定であれば、本処理手順はステップS420へ進み、否定判定であれば、ステップS415に記載の処理が繰り返される。
【0023】
ステップS420においては、経路誘導が開始される。ステップS425においては、次の誘導ポイントまでの間の渋滞車列情報が取得される。渋滞車列情報は、たとえば、通信モジュール170を用いた情報配信サーバ200との通信を介して取得される。取得した渋滞車列情報に基づき、ステップS430においては、経路の誘導タイミングが演算されると共に、車線変更に関する報知内容が決定される。具体的には、次のようにして行われる。経路の誘導タイミングおよび車線変更に関する報知内容について、図5を用いて説明する。
【0024】
(1)経路の誘導タイミングが、交差点までの距離に基づいて演算される場合
(1−1)図5(a)に示すように、渋滞していないか又は渋滞車列520の車列長Lが閾値L1未満の場合、自車両500が、交差点550までの距離が所定距離D1の位置を通過した時をもって、経路の誘導タイミングとする。図5(a)に示す例では、左折誘導が行われる。このとき、車線変更に関する報知は行われない。
(1−2)図5(b)に示すように、渋滞車列520の車列長Lが閾値L1以上かつ閾値L2未満の場合、自車両500が、交差点550までの距離が所定距離D1+L1の位置を通過した時をもって、経路の誘導タイミングとする。図5(b)に示す例では、左折誘導が行われる。この経路誘導に伴い、自車両500の走行する車線540を変更する必要があれば、同一のタイミングで車線変更に関する報知がされる。図5(b)に示す例では、左折誘導の際に左側の車線530への車線変更を促す報知がされる。
(1−3)図5(c)に示すように、渋滞車列520の車列長Lが閾値L2以上の場合、自車両500が、交差点550までの距離が所定距離D1+L2の位置を通過した時をもって、経路の誘導タイミングとする。図5(c)に示す例では、左折誘導が行われる。この経路誘導に伴い、自車両500の走行する車線540を変更する必要があれば、同一のタイミングで車線変更に関する報知がされる。図5(c)に示す例では、左折誘導の際に左側の車線530への車線変更を促す報知がされる。
【0025】
(2)経路の誘導タイミングが、交差点到達迄の所要予測時間に基づいて演算される場合
(1−1)図5(a)に示すように、渋滞していないか又は渋滞車列520の車列長Lが閾値L1未満の場合、自車両500が、交差点550に到達するまでの所要予測時間Tが所定時間T1を下回った時をもって、経路の誘導タイミングとする。図5(a)に示す例では、左折誘導が行われる。このとき、車線変更に関する報知は行われない。
(1−2)図5(b)に示すように、渋滞車列520の車列長Lが閾値L1以上かつ閾値L2未満の場合、自車両500が、交差点550に到達するまでの所要予測時間Tが所定時間T2を下回った時をもって、経路の誘導タイミングとする。ただし所定時間T2>所定時間T1である。図5(b)に示す例では、左折誘導が行われる。この経路誘導に伴い、自車両500の走行する車線540を変更する必要があれば、同一のタイミングで車線変更に関する報知がされる。図5(b)に示す例では、左折誘導の際に左側の車線530への車線変更を促す報知がされる。
(1−3)図5(c)に示すように、渋滞車列520の車列長Lが閾値L2以上の場合、自車両500が、交差点550に到達するまでの所要予測時間Tが所定時間T3を下回った時をもって、経路の誘導タイミングとする。ただし所定時間T3>所定時間T2である。この経路誘導に伴い、自車両500の走行する車線540を変更する必要があれば、同一のタイミングで車線変更に関する報知がされる。図5(c)に示す例では、左折誘導の際に左側の車線530への車線変更を促す報知がされる。
【0026】
自車両500が走行した結果、ステップS435において、経路の誘導タイミングが到来したか否かを判定する。否定判定であれば、肯定判定が得られるまでこの判定が繰り返される。肯定判定であれば、ステップS440において、ステップS430において演算された経路の誘導タイミングで決定された車線変更に関する報知内容に基づいて報知する。報知形態としては、ディスプレイモジュール150により、報知内容を画面表示する。あるいは、スピーカ155により、報知内容を音声出力しても良い。図5(a)に示した例において、渋滞していないために車列長L=0であって、自車両500が、交差点550までの距離が所定距離D1=100[m]の位置に到達した場合は、交差点550での左折を誘導する画面をディスプレイモジュール150に表示する。また、交差点550で左折するように誘導する音声をスピーカ155から出力する。図5(b)に示した例において、渋滞車列520の車列長L=80[m]および閾値L1=50[m]であって、自車両500が、交差点550までの距離が所定距離D1+L1=150[m]の位置に到達した場合は、自車両500の走行する車線540を直ちに車線530に変更することを促す画面と、交差点550での左折を誘導する画面とをディスプレイモジュール150に表示する。また、自車両500の走行する車線540を直ちに車線530に変更することを促す音声と、交差点550で左折するように誘導する音声とを出力する。図5(c)に示した例において、渋滞車列520の車列長L=150[m]および閾値L2=100[m]であって、自車両500が、交差点550までの距離が所定距離D1+L2=200[m]の位置に到達した場合は、自車両500の走行する車線540を直ちに車線530に変更することを促す画面と、交差点550での左折を誘導する画面とをディスプレイモジュール150に表示する。また、自車両500の走行する車線540を直ちに車線530に変更することを促す音声と、交差点550で左折するように誘導する音声とを出力する。
【0027】
ステップS445において、自車両500が誘導ポイントを通過したか否かについて判定される。否定判定であれば、肯定判定が得られるまでこの判定が繰り返される。肯定判定であれば、ステップS450において、目的地までの経路に含まれるすべての誘導ポイントを自車両500が通過したか否かについて判定される。否定判定であれば、本処理手順はステップS425に戻る。その結果、常に最新の渋滞車列情報が取得されるため、通過が予定されている複数の誘導ポイントに関する経路の誘導タイミングの演算は再演算され、車線変更に関する報知内容の決定については再決定される。ステップS450において、肯定判定であれば、ステップS455において、自車両500が目的地に到着したか否かについて判定される。否定判定であれば、肯定判定が得られるまでこの判定が繰り返される。肯定判定であれば、ステップS460において、経路誘導が終了し、本処理手順は終了する。
【0028】
以上で説明した実施の形態のナビゲーション装置100においては、渋滞車列長に応じて、経路の誘導タイミングが演算されると共に、車線変更に関する報知内容が決定されるように構成した。したがって、渋滞車列長に影響されることの無い円滑な車両走行を行うことができるという作用効果を奏する。
【0029】
−−−変形例−−−
以上で説明した実施の形態のナビゲーション装置100を、次のように変形することもできる。
(1) 上述した図4のステップS425においては、渋滞車列情報は、たとえば、通信モジュール170を用いた情報配信サーバ200との通信を介して取得されることとした。具体的には、ナビゲーション装置100から情報配信サーバ200に対して所定区間における渋滞車列情報の取得要求を送信し、これを受信した情報配信サーバ200から送信される所定区間における渋滞車列情報をナビゲーション装置100が受信することにより実現される。しかし、ナビゲーション装置100から情報配信サーバ200に対して一定時間周期で目的地までの経路情報と現在位置情報とを送信し、情報配信サーバ200から一定時間周期で送信される所定区間における渋滞車列情報をナビゲーション装置100が受信することにより実現しても良い。あるいは、付近の他車両が受信した渋滞車列情報を、ナビゲーション装置100が車々間通信を介して受信することにより実現しても良い。
【0030】
(2) 上述の図4において、ステップS425からステップS450までの処理手順が繰り返される過程において、常に最新の渋滞車列情報が取得されるため、通過が予定されている複数の誘導ポイントに関する経路の誘導タイミングはその都度演算され、車線変更に関する報知内容が再決定されることとした。しかし、経路誘導開始時に誘導タイミングを演算して報知内容を決定し、その後の演算及び報知内容の再決定を抑止することとしても良い。
【0031】
(3) 上述の図4において、ステップS450からステップS425へ処理手順が戻る際、直ちに最新の渋滞車列情報が取得され、誘導タイミングの再演算及び報知内容の再決定が行われることとした。しかし、次の誘導ポイントまで所定距離の位置、若しくは所定数のブロック手前の位置を自車両500が通過したこと、または次の誘導ポイントまでの所要時間が所定値以内となったことを検出した際に、ステップS425における最新の渋滞車列情報が取得され、後続の各ステップが処理されることとしても良い。
【0032】
(4) 上述の図4のステップS430においては、渋滞車列の車列長Lが閾値L1以上の場合に、所定のタイミングで、経路誘導と共に車線変更に関する報知をすることとしたが、経路誘導と車線変更に関する報知とのうちのいずれか一方をすることとしても良い。
【0033】
(5) 上述の図3においては、片側2車線の道路を想定し、したがって車線変更回数は1回で足りる。しかし、車線数がさらに多い場合、たとえば、本発明における誘導タイミングの演算及び報知内容の決定を複数回繰り返すことにより、車線変更が1つずつ円滑に行われるようにしても良い。
【0034】
(6) 上述の図3においては、片側2車線の道路における車線変更を想定したが、本発明を、幅員減少や道路工事による車線規制による車線変更に用いることとしても良い。
【0035】
(7) 上述の本実施の形態および変形例の説明では、本発明をナビゲーション装置100に適用した実施の形態を説明したが、PND(Personal Navigation Device)、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話機、ポータブルパソコン、ポータブルゲーム機に本発明を適用しても良い。
【0036】
上述した各実施の形態および各変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。また、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における機器構成に何ら限定されない。
【符号の説明】
【0037】
10 車両 40 広域通信ネットワーク
100 ナビゲーション装置 110 CPU
115 主記憶装置 120 現在地検出装置
130 ユーザ入力装置 140 補助記憶装置
150 ディスプレイモジュール 155 スピーカ
160 監視装置 170 通信モジュール
200 情報配信サーバ 300 基地局
500 自車両 510 車列最後尾の車両
520 渋滞車列 530、540 車線
550 交差点


【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体の出発地から目的地までの経路を探索する探索手段と、
前記探索手段により探索された前記経路上の誘導ポイント近傍において、前記経路を誘導する誘導手段と、
前記経路上の渋滞車列情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記渋滞車列情報に応じて、前記誘導手段により誘導する内容の報知タイミングまたは報知地点を決定する決定手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記誘導手段により誘導する内容は、前記誘導ポイントにおける進行方向指示と、前記移動体を前記渋滞車列情報に対応する渋滞車列の最後尾に後続させるための車線変更指示を含むことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のナビゲーション装置において、
前記決定手段は、前記取得手段により反復的に取得された前記渋滞車列情報に応じて、前記報知タイミングまたは前記報知地点を反復的に決定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、
前記誘導手段は、前記取得手段により取得された前記渋滞車列情報に応じて、前記誘導する内容を決定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、
前記取得手段は、所定の地点において前記渋滞車列情報を取得し、
前記所定の地点は、次の誘導ポイント手前の所定位置であることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、
前記取得手段は、所定のタイミングにおいて前記渋滞車列情報を取得し、
前記所定のタイミングは、次の誘導ポイントまでの所要時間が所定値以内となったときであることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
移動体の出発地から目的地までの経路を探索する探索手段と、
前記探索手段により探索された前記経路上の誘導ポイント近傍において、前記経路を誘導する誘導手段と、
前記経路上の渋滞車列情報を取得する取得手段とを備え、
前記誘導手段は、前記取得手段により取得された前記渋滞車列情報に応じて、前記誘導する内容を決定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項7に記載のナビゲーション装置において、
前記誘導手段により誘導する内容は、前記誘導ポイントにおける進行方向指示と、前記移動体を前記渋滞車列情報に対応する渋滞車列の最後尾に後続させるための車線変更指示を含むことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
移動体の出発地から目的地までの経路を探索するステップと、
前記経路上の渋滞車列情報を取得するステップと、
前記経路上の誘導ポイント近傍の前記渋滞車列情報に応じて、前記経路を誘導する内容の報知タイミングまたは報知地点を決定するステップと、
前記報知タイミングまたは前記報知地点により前記経路を誘導するステップとを含むことを特徴とする経路誘導案内方法。
【請求項10】
移動体の出発地から目的地までの経路を探索するステップと、
前記経路上の渋滞車列情報を取得するステップと、
前記経路上の誘導ポイント近傍の前記渋滞車列情報に応じて、前記経路を誘導する内容を決定するステップと、
決定した前記誘導する内容を報知することにより、前記経路を誘導するステップとを含むことを特徴とする経路誘導案内方法。
【請求項11】
請求項9または10に記載の経路誘導案内方法において、
前記誘導する内容は、前記誘導ポイントにおける進行方向指示と、前記移動体を前記渋滞車列情報に対応する渋滞車列の最後尾に後続させるための車線変更指示を含むことを特徴とする経路誘導案内方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−7986(P2012−7986A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−143658(P2010−143658)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】