説明

ナビゲーション装置

【課題】 使用者が必要とするときのみ目的地設定を促すガイダンス音声を出力すること。
【解決手段】 履歴メモリ110に自車両の走行履歴を格納し、制御装置107は履歴メモリ110に格納された自車両の走行履歴に基づいて、自車両が使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であるか否かを判定して、自車両が使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定した場合に、使用者に対して目的地設定を促すガイダンスをスピーカー108を介して出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声によって操作コマンドの入力が可能なナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両がエンジンを始動した時や信号待ちで停止状態にあるときに、自動的に目的地の入力を促すガイダンス音声を出力して、使用者の操作を簡略化するナビゲーション装置が特許文献1によって知られている。
【0003】
【特許文献1】特開平11−142178号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のナビゲーション装置においては、エンジン始動時や信号待ちで停止状態にあるときに毎回ガイダンス音声が出力されるため、使用者が必要としていないときにもガイダンス音声が出力されてしまうという問題が生じていた。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載のナビゲーション装置は、自車両の走行履歴を格納する格納手段と、格納手段に格納された自車両の走行履歴に基づいて、自車両が使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であるか否かを判定する判定手段と、判定手段によって自車両が使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定した場合に、使用者に対して目的地設定を促すガイダンスを出力する出力手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、自車両の走行履歴を考慮して自車両が使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定した場合、使用者に対して目的地設定を促すガイダンスを出力することとしたため、使用者が必要とするときに適切にガイダンス音声を出力することができ、使用者にとって煩わしいガイダンスとなることを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
―第1の実施の形態―
図1は、第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。ナビゲーション装置100は車両に搭載され、自車両の車速を検出する車速センサ101と、GPS衛星からのGPS信号を受信して自車両の現在位置を検出するGPSユニット102と、自車両の進行方向を検出するジャイロセンサ103と、使用者の発話音声を入力するマイク104と、使用者によって操作される入力装置105と、地図データやガイダンス音声の音声データを格納する地図ディスク106aを読み取るディスク読取装置106と、制御装置107と、音声を出力するスピーカー108と、地図やメニュー画面を表示するモニタ109と、後述する自車両の走行履歴を格納する履歴メモリ110と、音声認識時の待ち受け単語を格納する音声認識用辞書111とを備えている。
【0008】
入力装置105は、使用者が音声入力の開始を指示するための発話スイッチ105aと、後述する音声認識処理の結果、誤認識が発生した場合に直前の発話を訂正するために押下される訂正スイッチ105bとを備えている。また、地図ディスク106aに格納される地図データは、道路をノードとリンクで表現した道路データを含み、この道路データでは、交差点にノードが対応し、各ノード間を結ぶ線分がリンクに対応する。この実施の形態では、各ノードには識別番号としてノードIDが付与されており、各リンクには識別番号としてリンクIDが付与されている。地図データは、道路データに加えて背景データ、施設データなども含む。
【0009】
制御装置107は、車速センサ101、GPSユニット102、およびジャイロセンサ103からの出力に基づいて、自車両の現在位置、および進行方向を検出する。そして、地図ディスク106aから自車両周辺の道路地図を読み込み、読み込んだ地図上に自車両の現在位置マークを描画して、モニタ109に表示する。また、制御装置107は、図2により後述する信号処理ユニット107aを有しており、発話者による音声入力の開始を検出してガイダンス音声を出力し、発話者によってマイク104を介して入力された音声入力コマンドを認識する。
【0010】
図2は、信号処理ユニット107aの構成例を示すブロック図である。信号処理ユニット107aは、A/Dコンバータ1031と、D/Aコンバータ1032と、出力アンプ1033と、信号処理装置1034を有している。信号処理装置1034は、MPU1034a、およびメモリ1034bを有している。使用者によって発話スイッチ105aが押下されて発話開始が指示されると、信号処理装置1034は、音声入力を促すメッセージを使用者に知らせるために、地図ディスク106aからガイダンス音声を読み込んで、D/Aコンバータ1032でアナログ信号に変換し、出力アンプ1033、およびスピーカー108を介して出力する。
【0011】
その後、使用者によって音声入力コマンドが発話されると、信号処理装置1034は、次のように音声を検出する。すなわち、マイク104から入力された音声信号はA/Dコンバータ1031でデジタル信号に変換され信号処理装置1034に入力される。信号処理装置1034は発話スイッチ105aの操作がなされるまでは、A/Dコンバータ1031から入力されるデジタル信号の平均パワーを演算している。そして、発話スイッチ105aが操作されると音声待ち受け状態となる。その後、入力されるデジタル信号の瞬間パワーが平均パワーより所定値以上大きくなった時、使用者が発話したと判断して音声の取り込みを開始する。
【0012】
続いて信号処理装置1034は、入力された音声信号と音声認識辞書111に格納されている待受け単語との一致度演算を開始する。なお一致度演算を行っている間も、使用者の1回の発話(1フレーズ)が継続している間は、並列処理により音声の取り込みは継続されており、デジタル信号の瞬間パワーが所定値以下の状態が所定時間以上継続した場合に、使用者の1回の発話が終了したと判断する。そして、使用者の1回の発話で入力された音声信号を上述した一致度演算によって音声認識する。すなわち、一致度演算の結果、その一致度の大きさを示すスコアを待受け単語ごとに算出し、スコアが最も高い待ち受け単語、すなわち最も一致度の高い待ち受け単語を音声認識結果として決定する。
【0013】
その後、信号処理装置1034は、音声認識結果に応じて出力するガイダンス音声を地図ディスク106aから読み込んで音声信号に変換し、D/Aコンバータ1032、出力アンプ1033、およびスピーカー108を介して出力する。その後、ガイダンス音声に従って使用者が発話した発話内容を上述した処理により音声認識して処理を継続する。
【0014】
第1の実施の形態におけるナビゲーション装置100では、一般的な音声入力方法である使用者が発話スイッチ105aを押下して音声入力を開始する方法に加えて、後述するように、履歴メモリ110に格納された自車両の走行履歴に基づいて、使用者(運転者)の道路に対する精通度を判定し、走行中に使用者の精通度が高い道路から精通度が低い道路への進入が予想された場合には、使用者に目的地設定を促すガイダンス音声、例えば「どちらへ行きますか?」をスピーカー108を介して出力して音声入力待ち受け状態になる。その後、使用者との対話によって目的地を特定し、目的地までの経路探索後、経路誘導を開始する。
【0015】
以下、一般的な音声入力方法である使用者が発話スイッチ105aを押下して音声入力を開始して目的地を設定する場合の具体例について説明する。すなわち、使用者は自主的に目的地設定を行うための音声入力コマンドを発話し、最終的に目的地が設定された場合には、自車両の現在位置から設定された目的地までの経路を探索し、探索結果に基づいて目的地までの経路誘導を行う。例えば、使用者によって発話スイッチ105aが押下され発話の開始が指示されると、信号処理ユニット107aは、使用者に対して音声入力コマンドの発話を促すガイダンス音声、例えば「音声入力コマンドをお話しください」をスピーカー108を介して出力して音声入力待ち受け状態になる。
【0016】
その後、これに対して発話者が目的地設定を行うための音声入力コマンド、例えば「目的地設定」を発話すると、音声データがマイク104を介して入力される。そして、入力された音声データと音声認識辞書111に格納されている待受け単語との一致度を演算し、最も一致度の高い待ち受け単語を音声認識結果として決定する。すなわち音声認識を行う。使用者によって発話された音声入力コマンド「目的地設定」が正常に認識されると、次に、目的地の設定方法を決定するための音声入力コマンドの発話を促すガイダンス音声、例えば「目的地の設定方法をお話しください」をスピーカー108を介して出力する。使用者が住所を指定して目的地を設定するための音声入力コマンド、例えば「住所」を発話すると、上述したように音声認識を行う。
【0017】
その後、使用者に住所の入力を促すためのガイダンス音声、例えば「住所をお話しください」を出力し、使用者による住所の発話、例えば「神奈川県横浜市夏島町」の発話を得る。当該住所の音声認識が正常に完了すると、「神奈川県横浜市夏島町でよろしいですか?」の確認ガイダンスを出力し、使用者によって肯定応答、例えば「はい」が発話されたと判断すると、制御装置107は、「神奈川県横浜市夏島町」を目的地として設定し、目的地までの経路探索を行う。その後、経路探索の結果に基づいて、目的地までの経路誘導を開始する。
【0018】
次に、履歴メモリ110に格納された自車両の走行履歴に基づいて、使用者(運転者)の道路に対する精通度を判定し、走行中に使用者の精通度が高い道路から精通度が低い道路への進入が予想された場合には、使用者に目的地設定を促すガイダンス音声を出力する場合について説明する。
【0019】
まず、履歴メモリ110に格納された自車両の走行履歴に基づいて、使用者の道路の精通度を判定する方法について説明する。履歴メモリ110には、使用者の道路に対する認知度を示す情報として、イグニションスイッチがオンまたはオフされた地点、およびその地点においてイグニションスイッチがオンおよびオフされた回数を対とする地点データと、走行した道路リンクのリンクID、およびその道路リンクを走行した回数を対とするリンクIDデータとを記憶する。すなわち、自車両のイグニションスイッチがオンまたはオフされた場合に、GPSユニット102によってその地点の緯度経度情報を検出し、履歴メモリ110内に当該地点におけるイグニションスイッチオン・オフの回数を計数する地点カウンタがすでに存在する場合には、その地点カウンタのカウント値に1を加算する。当該地点の地点カウンタが存在しない場合には、新規に地点カウンタを作成し、そのカウント値に1をセットして記憶する。
【0020】
また、自車両が走行している道路に対応した道路リンクを所定時間間隔、例えば10秒ごとに検出し、検出した道路リンクのリンクIDが、前回検出したとき走行していた道路リンクのリンクIDと異なる場合には、そのリンクIDと対となるリンクIDカウンタのカウント値に1を加算する。なお、この場合にも履歴メモリ110内に当該リンクIDと対となるリンクIDカウンタが存在しない場合には、新規にリンクIDカウンタを作成し、そのカウント値に1をセットして記憶する。
【0021】
制御装置107は、後述するように、イグニションスイッチがオンされたときに、地点カウンタのカウント値とリンクIDカウンタのカウント値とを履歴メモリ110から読み込んで、カウント値が所定値以上、例えば5以上の地点、および道路リンクは使用者の精通度が高いと判断する。そして、自車両の現在地を中心として、使用者の精通度が高い地点、および使用者の精通度が高い道路リンクを含む範囲を指定し、当該範囲を使用者の精通度が高い範囲とする。例えば、図3に示すように、自車両の現在地(出発地)Aを中心に使用者の精通度が高い範囲を楕円Xで示す。
【0022】
そして、使用者の精通度が高い範囲Xの境界から所定の範囲、例えば30m内側の範囲Yを指定し、範囲Yの外側かつ範囲Xの内側の境界領域R1を自車両が使用者の精通度が高い範囲から低い範囲へ進入する可能性の高い範囲とする。したがって、例えば、自車両が境界領域R1内の地点Vを走行していることを検出した場合には、自車両は使用者の精通度が高い範囲から低い範囲へ進入する可能性の高い地点内の地点を走行中であると判定する。そしてこの場合に、上述したように、使用者に目的地設定を促すガイダンス音声、例えば「どちらへ行きますか?」をスピーカー108を介して出力する。
【0023】
なお、図3において、黒点で示した地点は、履歴メモリ110に記憶されているイグニションスイッチがオンまたはオフされた地点のうち、地点カウンタのカウント値が所定値以上の地点であり、カウント値の大きさが大きいほどその点を大きく示している。また、太線で示した道路リンクは、履歴メモリ110に記憶されている道路リンクのうち、当該道路リンクのリンクIDに対応するリンクIDカウンタのカウント値が所定値以上の道路リンクであり、そのカウント値の大きさが大きいほど、対応する道路リンクの太さを太く示している。よって、自車両の現在地Aと地点Bは最もイグニションスイッチがオンまたはオフされた回数が多く、かつAB間の走行回数が多いことを示しており、例えば地点Aは自宅で地点Bは会社を示している。
【0024】
図4は、第1の実施の形態におけるナビゲーション装置100による履歴データ記憶処理の流れを示すフローチャートである。図4に示す処理は、不図示のイグニションスイッチがオンされると起動するプログラムとして制御装置107により実行される。ステップS10において、GPSユニット102で検出した自車両の現在位置に対応する地点カウンタのカウント値に1を加算する。自車両の現在位置に対応する地点カウンタが存在しない場合には、自車両の現在位置に対応する地点カウンタを新規に作成し、そのカウント値に1をセットして履歴メモリ110に記憶する。その後、ステップS20へ進む。
【0025】
ステップS20では、車速センサ101からの出力に基づいて、自車両が走行を開始したか否かを判断する。自車両が走行を開始したと判断した場合には、ステップS30へ進む。ステップS30では、自車両が現在走行中の道路に該当する道路リンクを識別し、識別した道路リンクに対応するリンクIDカウンタのカウント値に1を加算する。識別した道路リンクに対応するリンクIDカウンタが存在しない場合には、当該リンクIDに対応するリンクIDカウンタを新規に作成し、そのカウント値に1をセットして履歴メモリ110に記憶する。その後、ステップS40へ進む。
【0026】
ステップS40では、自車両が走行中の道路リンクのリンクIDが変化したか否かを判断する。リンクIDが変化したと判断した場合には、ステップS30に戻り、変化後の道路リンクに対して上述した処理を行う。リンクIDが変化しないと判断した場合には、ステップS50へ進む。ステップS50では、イグニションスイッチがオフされたか否かを判断する。イグニションスイッチがオフされないと判断した場合には、ステップS40へ戻り、イグニションスイッチがオフされるまで上述した処理を繰り返す。
【0027】
一方、イグニションスイッチがオフされたと判断した場合には、ステップS60へ進む。ステップS60では、上述したステップS10と同様にGPSユニット102で検出した自車両の現在位置に対応する地点カウンタのカウント値に1を加算する。自車両の現在位置に対応する地点カウンタが存在しない場合には、自車両の現在位置に対応する地点カウンタを新規に作成し、そのカウント値に1をセットして履歴メモリ110に記憶する。その後、処理を終了する。
【0028】
図5は、第1の実施の形態におけるナビゲーション装置100による精通度判定処理の流れを示すフローチャートである。図5に示す処理は、不図示のイグニションスイッチがオンされると起動するプログラムとして制御装置107により実行される。ステップS110において、履歴メモリ110から走行履歴を読み込んでステップS120へ進む。ステップS120において、読み込んだ走行履歴に基づいて、上述した使用者の精通度が高い範囲Xと、範囲Xから所定の範囲内側の範囲Yとを地図上に設定する。その後、ステップS130へ進む。
【0029】
ステップS130では、車速センサ101からの出力に基づいて、自車両が走行を開始したか否かを判断する。自車両が走行を開始したと判断した場合には、ステップS140へ進む。ステップS140では、自車両が地図上に設定した範囲Yの外側でかつ範囲Xの内側の境界領域R1内を走行中か否かを判断する。自車両が境界領域R1内を走行中であると判断した場合には、ステップS150へ進む。ステップS150では、スピーカー108を介して使用者に目的地設定を促すガイダンス音声、例えば「どちらへ行きますか?」を出力する。その後、ステップS160へ進む。
【0030】
ステップS160では、使用者から音声入力がされたか否かを判断し、音声入力がされたと判断した場合には、ステップS170へ進む。ステップS170では、上述したように、使用者によって入力された音声を音声認識してステップS180へ進む。ステップS180では、音声認識の結果、目的地の設定が完了したか否かを判断する。目的地の設定が完了しないと判断した場合には、ステップS150へ戻り、目的地の設定が完了するまで処理を繰り返す。一方、目的地の設定が完了したと判断した場合には、ステップS190へ進む。
【0031】
ステップS190では、設定された目的地までの経路を探索し、探索した誘導経路に従って経路誘導を開始する。その後、ステップS200へ進み、自車両が目的地へ到着したか否かを判断し、目的地へ到着したと判断した場合には、ステップS210へ進む。ステップS210では、経路誘導を終了して、処理を終了する。
【0032】
また、ステップS160において、使用者から音声入力がされないと判断した場合には、ステップS161へ進む。ステップS161では、ステップS150でスピーカー108を介して使用者に目的地設定を促すガイダンス音声を出力してから所定時間、例えば1分が経過したか否かを判断する。ガイダンス音声を出力してから所定時間が経過したと判断した場合には、使用者は目的地を設定する意思が無いと判断して、そのまま処理を終了する。
【0033】
以上説明した第1の実施の形態によれば、以下のような作用効果が得られる。
(1)自車両が使用者の精通度が高い範囲から低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定した場合に、使用者に対して目的地設定を促すガイダンスを出力することとした。これによって、使用者が必要とするときのみ目的地設定を促すガイダンス音声を出力することができ、使用者にとって煩わしいガイダンス音声となることを防ぐことができる。
【0034】
(2)イグニションスイッチがオンされたとき(エンジン始動時)に、走行履歴に基づいて使用者の精通度が高い範囲Xと、範囲Xから所定の範囲内側の範囲Yとを地図上に設定し、自車両が地図上に設定した範囲Yの外側でかつ範囲Xの内側の境界領域R1内を走行中である場合に、自車両は使用者の精通度が高い範囲から低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定した。これによって、複雑なアルゴリズムや高価な機器を使用することなく、簡易に自車両が使用者の精通度が高い範囲から低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であることを判定することができる。
【0035】
(3)自車両が使用者の精通度が高い範囲から低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定した場合に、使用者に対して目的地設定を促すガイダンス音声を出力した後、使用者からの発話が所定時間以上無い場合には、そのまま処理を終了することとした。これによって、使用者は、目的地を設定する意思がない場合には目的地の設定を行わずにそのまま運転を継続することができ、必要なときのみ目的地の設定を行うことができる。
【0036】
―第2の実施の形態―
第1の実施の形態においては、図3に示したように、使用者の精通度が高い範囲Xと、範囲Xから所定の範囲内側の範囲Yで区画された境界領域R1を設定した。これに対して第2の実施の形態では、図6に示すように、使用者の精通度が高い範囲Xのみを地図上に設定する。そして、自車両が地図上に設定した範囲Xの境界線上を内側から外側へまたいで走行している場合、例えば地点Vを走行している場合に、自車両は使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定して、自動的に目的地設定を促すガイダンス音声を出力する。
【0037】
なお、図6の地点を表す黒点の大きさ、リンクを示す線幅の意味は、第1の実施の形態と同様である。また、図1に示したナビゲーション装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図、図2に示した信号処理ユニット107aの構成例を示すブロック図、および図4に示した履歴データ記憶処理の流れを示すフローチャートについては、第1の実施の形態と同様のため、説明を省略する。
【0038】
図7は、第2の実施の形態におけるナビゲーション装置100による精通度判定処理の流れを示すフローチャートである。図7に示す処理は、不図示のイグニションスイッチがオンされると起動するプログラムとして制御装置107により実行される。なお、図5に示した第1の実施の形態における処理と同様の処理については、同じステップ番号を付与し、相違点を中心に説明する。
【0039】
ステップS121において、読み込んだ走行履歴に基づいて、上述した使用者の精通度が高い範囲Xを地図上に設定する。ステップS141では、自車両が地図上に設定した範囲Xの境界線上を走行中か否かを判断する。自車両が範囲Xの境界線上を走行中であると判断した場合には、ステップS150へ進む。
【0040】
以上説明した第2の実施の形態によれば、使用者の精通度が高い範囲Xを地図上に設定し、自車両が地図上に設定した範囲Xの境界線上を走行中である場合に、自車両は使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定した。そして、自車両が使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定した場合にのみ、自動的に目的地設定を促すガイダンス音声を出力することとした。これによって、第1の実施の形態と同様の作用効果が得られる。
【0041】
―第3の実施の形態―
第3の実施の形態においては、図1に示したナビゲーション装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図、図2に示した信号処理ユニット107aの構成例を示すブロック図、および図4に示した履歴データ記憶処理の流れを示すフローチャートについては、第1の実施の形態と同様のため、説明を省略する。
【0042】
第3の実施の形態では、制御装置107は、履歴メモリ110に格納されたイグニションスイッチがオン、またはオフされた地点、および過去に走行したリンクIDと、それぞれに対応するカウント値とを読み込んで、図8に示すように、黒点で示したカウント値が所定値以上、例えば5以上の地点、および太線で示したカウント値が所定値以上、例えば5以上の道路リンクの全分布の重心となる地点Gを算出して地図上に設定する。そして、自車両が地点Gから所定距離、例えば10km以上離れた地点であるVを走行中であることを検出した場合に、自車両は使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定して、自動的に目的地設定を促すガイダンス音声を出力する。なお、図8の地点を表す黒点の大きさ、リンクを示す線幅の意味は、第1の実施の形態と同様である。
【0043】
図9は、第3の実施の形態におけるナビゲーション装置100による精通度判定処理の流れを示すフローチャートである。図9に示す処理は、不図示のイグニションスイッチがオンされると起動するプログラムとして制御装置107により実行される。なお、図5に示した第1の実施の形態における処理と同様の処理については、同じステップ番号を付与し、相違点を中心に説明する。
【0044】
ステップS122において、カウント値が所定値以上の地点、およびカウント値が所定値以上の道路リンクの全分布の重心となる地点Gを算出し、地図上に設定する。ステップS142では、自車両が地図上に設定した重心地点Gから所定距離以上離れた地点を走行中であるか否かを判断する。自車両が重心となる地点Gから所定距離以上離れた地点を走行中であると判断した場合には、ステップS150へ進む。
【0045】
以上説明した第3の実施の形態によれば、カウント値が所定値以上の地点、およびカウント値が所定値以上の道路リンクの全分布の重心となる地点Gを算出し、自車両が重心地点Gから所定距離以上の地点を走行中である場合に、自車両は使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定した。そして、自車両が使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定した場合にのみ、自動的に目的地設定を促すガイダンス音声を出力することとした。これによって、第1の実施の形態と同様の作用効果が得られる。
【0046】
―第4の実施の形態―
第4の実施の形態では、図10に示すように、第1、および第2の実施の形態と同様に、イグニションスイッチがオンされたときに履歴メモリ100に格納された各地点と地点カウンタのカウント値との対、およびリンクIDとリンクIDカウンタのカウント値との対に基づいて、使用者の精通度の高い範囲Xを算出して地図上に設定する。そして、自車両が二重線で示す国道、県道、および高速道路などの主要幹線道路Zを走行中で、かつその主要幹線道路Zをそのまま走行すると、地図上に設定した範囲Xの外へ出てしまう場合、すなわち、走行中の主要幹線道路が自車両の進行方向にトレースしたときに範囲Xの外部につながっている場合には、自車両は使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定して、自動的に目的地設定を促すガイダンス音声を出力する。
【0047】
したがって、自車両が例えば主要幹線道路Z上の地点Vを走行中である場合には、そのまま走行すると地図上に設定した範囲Xの外へ出てしまうため、自車両は使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定して、自動的に目的地設定を促すガイダンス音声を出力する。
【0048】
なお、図10の地点を表す黒点の大きさ、リンクを示す線幅の意味は、第1の実施の形態と同様である。また、図1に示したナビゲーション装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図、図2に示した信号処理ユニット107aの構成例を示すブロック図、および図4に示した履歴データ記憶処理の流れを示すフローチャートについては、第1の実施の形態と同様のため、説明を省略する。
【0049】
図11は、第4の実施の形態におけるナビゲーション装置100による精通度判定処理の流れを示すフローチャートである。図11に示す処理は、不図示のイグニションスイッチがオンされると起動するプログラムとして制御装置107により実行される。なお、図5に示した第1の実施の形態における処理、および図7に示した第2の実施の形態における処理と同様の処理については、同じステップ番号を付与し、相違点を中心に説明する。
【0050】
ステップS143で、走行中の道路リンクの道路種別に基づいて、自車両が主要幹線道を走行中であるか否かを判断する、自車両が主要幹線道路を走行中であると判断した場合には、ステップS144へ進む。ステップS144では、走行中の主要幹線道路を自車両の進行方向にトレースして、進行方向の先が地図上に設定した範囲Xの外へつながっているか否かを判断する。範囲Xの外へつながっていないと判断した場合には、ステップS143へ戻る。一方、範囲Xの外へつながっていると判断した場合には、ステップS150へ進む。
【0051】
以上説明した第4の実施の形態によれば、使用者の精通度が高い範囲Xを地図上に設定し、自車両が主要幹線道路を走行している場合に、走行中の主要幹線道路の自車両の進行方向が地図上に設定した範囲Xの範囲外に延伸している場合に、自車両は使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定した。そして、自車両が使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定した場合にのみ、自動的に目的地設定を促すガイダンス音声を出力することとした。これによって、第1の実施の形態と同様の作用効果が得られる。
【0052】
―第5の実施の形態―
第5の実施の形態では、履歴メモリ110には、自車両の走行履歴としてイグニションスイッチがオンまたはオフされた地点、およびその地点に対応した地点カウンタのカウント値の対と、過去に走行した道路リンクのリンクID、リンクIDに対応したリンクIDカウンタのカウント値、および当該道路リンクを走行した後に最終的にイグニションスイッチがオフされた地点の履歴の組が格納されている。この履歴メモリ100に格納された各地点とその地点カウンタのカウント値、およびリンクIDとリンクIDカウンタのカウント値とに基づいて、図12に示すように、第1、第2、および第4の実施の形態と同様に、使用者の精通度の高い範囲Xを算出して地図上に設定する。
【0053】
そして、自車両が破線で示す道路リンクW上の地点Vを走行している場合、この道路リンクWを過去に走行したときに最終的にイグニションスイッチがオフされた地点を検索する。その結果、最終的にイグニションスイッチがオフされた地点の少なくとも1つが地図上に設定した範囲Xの外部に存在する場合、例えば、過去に道路リンクWを走行したときに最終的にイグニションスイッチがオフされた地点が地点Cである場合には、自車両は使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定して、自動的に目的地設定を促すガイダンス音声を出力する。
【0054】
なお、図12の地点を表す黒点の大きさ、リンクを示す線幅の意味は、第1の実施の形態と同様である。また、図1に示したナビゲーション装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図、図2に示した信号処理ユニット107aの構成例を示すブロック図、および図4に示した履歴データ記憶処理の流れを示すフローチャートについては、第1の実施の形態と同様のため、説明を省略する。
【0055】
図13は、第5の実施の形態におけるナビゲーション装置100による精通度判定処理の流れを示すフローチャートである。図13に示す処理は、不図示のイグニションスイッチがオンされると起動するプログラムとして制御装置107により実行される。なお、図5に示した第1の実施の形態における処理、および図7に示した第2の実施の形態における処理と同様の処理については、同じステップ番号を付与し、相違点を中心に説明する。
【0056】
ステップS145において、自車両が現在走行中の道路リンクを過去に走行した後に、最終的にイグニションスイッチがオフされた地点を検索する。その後、ステップS146へ進み、過去にイグニションスイッチがオフされた地点の少なくとも1つが地図上に設定した範囲Xの外部に存在するか否かを判断する。過去にイグニションスイッチがオフされた地点の少なくとも1つが地図上に設定した範囲Xの外部に存在しない、すなわち現在走行中の道路リンクを初めて走行する場合、または過去にイグニションスイッチがオフされた地点の全てが地図上に設定した範囲Xの内部に存在する場合には、ステップS145へ戻る。一方、過去にイグニションスイッチがオフされた地点の少なくとも1つが地図上に設定した範囲Xの外部に存在すると判断した場合には、ステップS150へ進む。
【0057】
以上説明した第5の実施の形態によれば、使用者の精通度が高い範囲Xを地図上に設定し、現在走行中の道路リンクを過去に走行したときに、最終的にイグニションスイッチがオフされた地点のうち少なくとも1つの地点が範囲Xの外部に存在する場合に、自車両は使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定した。そして、自車両が使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定した場合にのみ、自動的に目的地設定を促すガイダンス音声を出力することとした。これによって、第1の実施の形態と同様の作用効果が得られる。
【0058】
なお、以下のように変形することもできる。
(1)上述した第1〜第5の実施の形態を組み合わせて、自車両が使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であるか否かを判定してもよい。
【0059】
(2)上述した第5の実施の形態では、使用者の精通度が高い範囲Xを地図上に設定し、現在走行中の道路リンクを過去に走行したときに、最終的にイグニションスイッチがオフされた地点が範囲Xの外部に存在する場合に、自車両は使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定した。しかし、最終的にイグニションスイッチがオフされた地点に代えて、その道路を走行中に設定されていた目的地を用いてもよい。
【0060】
(3)上述した第1〜第5の実施の形態において、履歴メモリ110には、自車両の走行履歴として、さらに、イグニションスイッチをオンした地点とともにそのオンされた時刻の履歴を記憶してもよい。この場合、自車両が使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定したときに、使用者がイグニションスイッチをオンした時刻が、過去にイグニションスイッチをオンした時刻の分布範囲から外れる場合のみ、自車両が使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性が高い地点を走行中であるか否かの判定を行うようにする。
【0061】
この場合、使用者がイグニションスイッチをオンした時刻が、過去にイグニションスイッチをオンした時刻の分布範囲から外れるか否かは、例えば、一日を一時間単位に区切り、履歴メモリ110に記憶されている時刻の各時間帯ごとの合計回数を計数して、その合計回数の平均値を算出する。そして、使用者がイグニションスイッチをオンした時刻が含まれる時間帯の合計回数が、全時間帯の平均値より少ない場合には、過去にイグニションスイッチをオンした時刻の分布範囲から外れると判定する。
【0062】
これによって、使用者が普段とは異なる時間帯に車を発車させた場合には、普段とは異なる目的で運転する可能性が高いことを考慮して、自車両は使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定することができる。さらに、この場合にのみ自動的に目的地設定を促すガイダンス音声を出力するため、さらに使用者にとってのガイダンスに対する煩わしさを低減することができる。
【0063】
(4)上述した第1〜第5の実施の形態において、さらに使用者(運転者)による運転操作回数、例えば運転者によるステアリング操作回数、アクセルペダル操作回数、およびブレーキペダル操作回数を計数するセンサを設け、任意の道路リンクを走行した場合に、走行した道路リンク内における各センサによって計数した操作回数の合計を運転操作回数として算出してもよい。この場合、履歴メモリ110に、自車両の走行履歴として、過去に走行した道路リンクのリンクID、およびカウント値とともに当該道路リンクIDにおける運転操作回数の履歴を記憶しておく。
【0064】
そして、自車両が使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定した場合に、運転操作回数の履歴からその平均運転操作回数を算出して、平均操作回数が所定回数未満、例えば5回未満の場合のみ自動的に目的地設定を促すガイダンス音声を出力することとしてもよい。これによって、自車両が運転負荷の低い道路リンク、すなわち運転負荷の低い地点を走行中にのみ使用者に目的地設定を促すことができ、使用者は余裕をもって目的地設定操作を行うことができる。
【0065】
なお、現在走行している地点において、使用者の運転負荷が高いか否かの判断は、直前の所定時間、例えば1分間の間の運転操作回数が所定回数未満、例えば5回未満の場合に使用者の運転負荷が低いと判断してもよい。
【0066】
(5)上述した第1〜第5の実施の形態では、音声によって操作可能なナビゲーション装置に本発明を適用する例を示したが、これに限定されず、例えばタッチパネルやジョイスティックによって操作可能なナビゲーション装置に適用してもよい。
【0067】
(6)上述した第1〜第5の実施の形態では、自車両が使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定した場合に、自動的に目的地設定を促すガイダンス音声を出力することとした。しかしこれに限定されず、例えば、自車両が使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中である旨を通知するガイダンス音声や、慣れない道路へ進入する可能性があることを警告するためのビープ音など、その他の音声を出力してもよい。
【0068】
(7)上述した第1〜第5の実施の形態では、使用者に対して発話を促すガイダンス音声をスピーカー108を介して出力することとしたが、使用者に対して発話を促すガイダンスメッセージをモニタ109に表示してもよい。
【0069】
特許請求の範囲の構成要素と実施の形態との対応関係について説明する。制御装置107は判定手段、および運転負荷判断手段に、スピーカー108は出力手段に、履歴メモリ110は格納手段に相当する。なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、本発明は、上述した実施の形態における構成に何ら限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】第1の実施の形態におけるナビゲーション装置の一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】信号処理ユニット107aの構成例を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態において使用者の精通度が高い範囲を地図上に設定したときの具体例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態におけるナビゲーション装置100による履歴データ記憶処理の流れを示すフローチャート図である。
【図5】第1の実施の形態におけるナビゲーション装置100による精通度判定処理の流れを示すフローチャート図である。
【図6】第2の実施の形態において使用者の精通度が高い範囲を地図上に設定したときの具体例を示す図である。
【図7】第2の実施の形態におけるナビゲーション装置100による精通度判定処理の流れを示すフローチャート図である。
【図8】第3の実施の形態において、カウント値が所定値以上の地点、および道路リンクの分布の重心となる地点を算出する場合の具体例を示す図である。
【図9】第3の実施の形態におけるナビゲーション装置100による精通度判定処理の流れを示すフローチャート図である。
【図10】第4の実施の形態において使用者の精通度が高い範囲を地図上に設定したときの具体例を示す図である。
【図11】第4の実施の形態におけるナビゲーション装置100による精通度判定処理の流れを示すフローチャート図である。
【図12】第5の実施の形態において使用者の精通度が高い範囲を地図上に設定したときの具体例を示す図である。
【図13】第5の実施の形態におけるナビゲーション装置100による精通度判定処理の流れを示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0071】
100 ナビゲーション装置
101 車速センサ
102 GPSユニット
103 ジャイロセンサ
104 マイク
105 入力装置
106 ディスク読取装置
106a 地図ディスク
107 制御装置
107a 信号処理ユニット
108 スピーカー
109 モニタ
110 履歴メモリ
111 音声認識用辞書

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の走行履歴を格納する格納手段と、
前記格納手段に格納された自車両の走行履歴に基づいて、自車両が使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって自車両が使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定した場合に、使用者に対して目的地設定を促すガイダンスを出力する出力手段とを有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記走行履歴は、使用者の道路に対する認知度を示す情報を含むことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記使用者の道路に対する認知度を示す情報は、イグニションスイッチがオンまたはオフされた地点、およびその地点においてイグニションスイッチがオンまたはオフされた回数を対とする地点データと、走行した道路リンクの識別番号、およびその走行回数を対とする識別番号データとを含み、
前記判定手段は、イグニションスイッチがオンまたはオフされた回数が所定回数以上の地点と、走行回数が所定回数以上の道路リンクとを含む範囲を使用者の精通度が高い範囲として設定し、自車両が前記使用者の精通度が高い範囲の境界から所定距離手前の地点から、前記使用者の精通度が高い範囲の境界までの間に到達したときに、自車両が使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記使用者の道路に対する認知度を示す情報は、イグニションスイッチがオンまたはオフされた地点、およびその地点においてイグニションスイッチがオンまたはオフされた回数を対とする地点データと、走行した道路リンクの識別番号、およびその走行回数を対とする識別番号データとを含み、
前記判定手段は、イグニションスイッチがオンまたはオフされた回数が所定回数以上の地点と、走行回数が所定回数以上の道路リンクとを含む範囲を使用者の精通度が高い範囲として設定し、自車両が前記使用者の精通度が高い範囲の境界上に到達したときに、自車両が使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記使用者の道路に対する認知度を示す情報は、イグニションスイッチがオンまたはオフされた地点、およびその地点においてイグニションスイッチがオンまたはオフされた回数を対とする地点データと、走行した道路リンクの識別番号、およびその走行回数を対とする識別番号データとを含み、
前記判定手段は、イグニションスイッチがオンまたはオフされた回数が所定回数以上の地点と走行回数が所定回数以上の道路リンクの全分布の重心となる地点から所定距離以上離れた地点に自車両が到達したときに、自車両が使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記使用者の道路に対する認知度を示す情報は、イグニションスイッチがオンまたはオフされた地点、およびその地点においてイグニションスイッチがオンまたはオフされた回数を対とする地点データと、走行した道路リンクの識別番号、およびその走行回数を対とする識別番号データとを含み、
前記判定手段は、イグニションスイッチがオンまたはオフされた回数が所定回数以上の地点と、走行回数が所定回数以上の道路リンクとを含む範囲を使用者の精通度が高い範囲として設定し、自車両が主要幹線道路上を走行しており、かつ当該主要幹線道路の自車両の進行方向が前記使用者の精通度が高い範囲の外へ延伸しているときに、自車両が使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記使用者の道路に対する認知度を示す情報は、イグニションスイッチがオンまたはオフされた地点、およびその地点においてイグニションスイッチがオンまたはオフされた回数を対とする地点データと、走行した道路リンクの識別番号、その走行回数、および当該道路リンクを走行した後に最終的にイグニションスイッチがオフされた地点の履歴の組とを含み、
前記判定手段は、イグニションスイッチがオンまたはオフされた回数が所定回数以上の地点と、走行回数が所定回数以上の道路リンクとを含む範囲を使用者の精通度が高い範囲として設定し、自車両が現在走行している道路リンクに対応する最終的にイグニションスイッチがオフされた地点の履歴のうち少なくとも1つの地点が前記使用者の精通度が高い範囲の外部に存在するときに、自車両が使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記使用者の道路に対する認知度を示す情報は、イグニションスイッチがオンまたはオフされた地点、およびその地点においてイグニションスイッチがオンまたはオフされた回数を対とする地点データと、走行した道路リンクの識別番号、その走行回数、および当該道路リンクを走行したときに設定されていた目的地の履歴の組とを含み、
前記判定手段は、イグニションスイッチがオンまたはオフされた回数が所定回数以上の地点と、走行回数が所定回数以上の道路リンクとを含む範囲を使用者の精通度が高い範囲として設定し、自車両が現在走行している道路リンクに対応する目的地の履歴のうち少なくとも1つの目的地が前記使用者の精通度が高い範囲の外部に存在するときに、自車両が使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であると判定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項2〜8のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
前記使用者の道路に対する認知度を示す情報は、イグニションスイッチをオンした地点に対応付けたイグニションスイッチをオンした時刻の履歴をさらに含み、
前記判定手段は、前記イグニションスイッチをオンした時刻の履歴に基づいて、自車両のイグニションスイッチがオンされた時刻が、過去にイグニションスイッチをオンした時刻の分布範囲外にあると判断したときのみ、自車両が使用者の精通度が低い範囲へ進入する可能性の高い地点を走行中であるか否かを判定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
運転者の運転負荷を判断する運転負荷判断手段をさらに有し、
前記出力手段は、前記運転負荷判断手段によって運転負荷が低いと判断されたときのみ、使用者に対して目的地設定を促すガイダンスを出力することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−47092(P2006−47092A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−227893(P2004−227893)
【出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】