説明

ナビゲーション装置

【課題】煩雑な配線作業を要することなく、また、車両に搭載されているETC車載器の機種に関わりなく、さらに、ETCゲートの種類に影響されることなく、ETCに関連する機能を確実に実行することができる「ナビゲーション装置」を提供すること。
【解決手段】音声認識手段4によるETC車載器5が発する所定の音声の認識の有無に基づいたETC有無判定手段4によるETC車載器5の有無の判定を行った上で、ETC関連機能実行手段10によってETCに関連する所定の機能を実行すること。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に係り、特に、有料道路の通行に好適なナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ナビゲーション装置の中には、ETC(Electronic Toll Collection System)車載器と連動してETCに関連する各種の機能を実行することが可能なものがある。
【0003】
すなわち、この種のナビゲーション装置では、ETC車載器が搭載されていることを自動的に認識した上で、例えば、有料道路の走行時にETCレーンを案内することや、経路探索時にスマートインターチェンジ(以下、スマートICと称する)等のETCゲートを活用した最適経路を探索すること等が可能となっている。
【0004】
ただし、このようなナビゲーション装置をETC車載器と連動させるためには、ワイヤなどによってETC車載器をナビゲーション装置に接続する配線作業が必要であり、なおかつ、ETC車載器としてナビゲーション装置との接続に対応する機種を選択することが必要であった。
【0005】
このため、例えば、ETC車載器と連動可能なナビゲーション装置に、これに対応する機種のETC車載器を一旦接続したとしても、ナビゲーション装置を買い換えた場合には、現在のETC車載器が買い換え後の新たなナビゲーション装置との接続に対応する機種ではない場合がある。この場合、新たなナビゲーション装置をETC車載器に連動させるためには、新たなナビゲーション装置との接続に対応する機種のETC車載器を新たに購入して、再びナビゲーション装置にETC車載器を接続するための煩雑な配線作業を強いられることを余儀なくされていた。
【0006】
また、この逆も然りで、ETC車載器と連動可能なナビゲーション装置に、これに対応する機種のETC車載器を一旦接続したとしても、ETC車載器を買い換える場合には、現在のナビゲーション装置との接続に対応する機種を選択した上で再度配線作業を行わなければならなかった。
【0007】
そして、このようなナビゲーション装置とETC車載器との相互間の機種の制約や繰り返し必要となる煩雑な配線作業は、ナビゲーション装置のETCに関連する機能を活用する上での大きな障害となっていた。
【0008】
そこで、これまでにも、例えば、特許文献1においては、自車位置に基づいて自車がETCゲートの設置位置をノンストップで通過したと判定された場合に、ナビゲーション装置におけるETCに関連する機能を擬似的に実現させる技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2008−40871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、一般のインターチェンジのETCゲートに対応することはできるが、ETCゲートの直前での停止が必要となるスマートICに対応することはできない。すなわち、自車がスマートICのETCゲートの直前で停止した場合には、ETC車載器が搭載されているにもかかわらず、ナビゲーション装置側でETCに関連する機能を実行することができないことになる。
【0011】
そこで、本発明は、このような点に鑑みなされたものであり、煩雑な配線作業を要することなく、また、車両に搭載されているETC車載器の機種に関わりなく、さらに、ETCゲートの種類に影響されることなく、ETCに関連する機能を確実に実行することができ、ひいては、取り扱い性、汎用性および利便性の向上ならびにコストの削減を実現することができるナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した目的を達成するため、本発明に係るナビゲーション装置は、車内の音声を集音する集音手段と、この集音手段によって集音された前記音声に基づいて、ETC車載器が発する所定の音声を認識する音声認識手段と、この音声認識手段による前記所定の音声の認識の有無に基づいて、前記ETC車載器の有無を判定するETC有無判定手段と、このETC有無判定手段によって肯定的な判定結果が得られた場合に、ETCに関連する所定の機能を実行するETC関連機能実行手段とを備えたことを特徴としている。
【0013】
そして、このような構成によれば、音声認識手段によるETC車載器が発する所定の音声の認識の有無に基づいたETC有無判定手段によるETC車載器の有無の判定を行った上で、ETC関連機能実行手段によってETCに関連する所定の機能を実行することができるので、煩雑な配線作業を要することなく、また、車両に搭載されているETC車載器の機種に関わりなく、さらに、ETCゲートの種類に影響されることなく、ETCに関連する機能を確実に実行することができる。
【0014】
また、前記所定の音声は、前記ETC車載器の起動時に前記ETC車載器が発する音声であってもよい。
【0015】
そして、このような構成によれば、起動時に音声を発するといったETC車載器の既存の技術を活用してETC車載器の有無を判定することができる。
【0016】
さらに、前記所定の音声は、前記ETC車載器へのETCカードの挿入時に前記ETC車載器が発する音声であってもよい。
【0017】
そして、このような構成によれば、ETC車載器へのETCカードの挿入時に音声を発するといったETC車載器の既存の技術を有効に利用してETC車載器の有無を判定することもできる。
【0018】
さらにまた、前記所定の音声は、ETCゲートの通過時に前記ETC車載器が発する音声であってもよい。
【0019】
そして、このような構成によれば、ETCゲートの通過時にETC車載器が音声を発するといったETC車載器の既存の技術をそのまま用いてETC車載器の有無を簡便に判定することもできる。
【0020】
また、前記所定の音声は、前記ETC車載器が発話前に発する音声であってもよい。
【0021】
そして、このような構成によれば、ETC車載器が発話前に音声を発するといったETC車載器の既存の技術を活用してETC車載器の有無を判定することもできる。
【0022】
さらに、前記所定の機能は、前記所定の音声に続く前記ETC車載器の発話音声に対応する機能であってもよい。
【0023】
そして、このような構成によれば、ETC関連機能実行手段により、ETCに関連する所定の機能として、ETC車載器の発話音声に対応する機能を確実に実行することができる。
【0024】
さらにまた、前記音声認識手段による前記所定の音声の認識を契機として前記発話音声の認識を開始する第2の音声認識手段を備え、前記ETC関連機能実行手段は、前記第2の音声認識手段の認識結果に対応する前記所定の機能を実行してもよい。
【0025】
そして、このような構成によれば、発話音声の認識を好適なタイミングで開始することができるので、ノイズを認識することによるETC関連機能実行手段の誤動作を防止することができるとともに、システム負荷を軽減することができる。
【0026】
また、自車位置を検出する自車位置検出手段を備え、前記ETC関連機能実行手段は、前記発話音声の内容が特定の場所において発せられるべき所定の内容の場合には、前記自車位置検出手段の検出結果が前記特定の場所に適合することを条件として、前記所定の機能を実行してもよい。
【0027】
そして、このような構成によれば、ETC車載器の発話音声に対応する機能を、この機能が実行されるべき場所において実行することができるので、ETC関連機能実行手段の誤動作を更に確実に防止することができる。
【0028】
さらに、前記所定の機能は、前記発話音声に対応する情報を表示部に表示する機能および前記発話音声に対応する情報を記憶部に記録する機能の少なくとも一方を含んでもよい。
【0029】
そして、このような構成によれば、ETC関連機能実行手段により、ETCに関連する所定の機能として、発話音声に対応する情報を表示部に表示する機能および発話音声に対応する情報を記憶部に記録する機能の少なくとも一方を確実に実行することができる。
【0030】
さらにまた、自車位置を検出する自車位置検出手段と、目的地までの最適経路の探索を行う経路探索手段と、この経路探索手段によって探索された前記最適経路を誘導経路とした経路誘導を行う経路誘導手段とを備え、前記所定の機能は、前記経路探索手段を介してETCを利用することを加味した前記最適経路の探索を行う機能および前記経路誘導手段を介してETCを利用する通行方法を案内する機能の少なくとも一方を含んでもよい。
【0031】
そして、このような構成によれば、ETC関連機能実行手段により、ETCに関連する所定の機能として、経路探索手段を介してETCを利用することを加味した最適経路の探索を行う機能および経路誘導手段を介してETCを利用する通行方法を案内する機能の少なくとも一方を確実に実行することができる。
【0032】
また、前記所定の音声は、ETCの入口ゲートの通過時に前記ETC車載器が発する音声であり、前記所定の機能は、自車が前記経路誘導手段による前記経路誘導にしたがって前記入口ゲートを通過した場合に、前記経路探索手段を介して出口側のインターチェンジとしてスマートインターチェンジを利用することを加味した前記最適経路の再探索を行う機能を含んでもよい。
【0033】
そして、このような構成によれば、ETC関連機能実行手段により、ETCに関連する所定の機能として、経路探索手段を介して出口側のインターチェンジとしてスマートインターチェンジを利用することを加味した最適経路の再探索を行う機能を確実に実行することができる。
【0034】
さらに、前記音声認識手段は、前記自車位置検出手段によって検出された前記自車位置が有料道路の入口料金所まで所定距離以内の地点に到達したことを契機として、前記所定の音声の認識を開始してもよい。
【0035】
そして、このような構成によれば、所定の音声の認識を然るべきタイミングで開始することができるので、ETC関連機能実行手段の誤動作の防止およびシステム負荷を軽減を図ることができる。
【0036】
さらにまた、前記所定の音声は、ビープ音であってもよい。
【0037】
そして、このような構成によれば、ETC車載器が発するビープ音を利用した音声認識に基づいて、ETC車載器の有無を簡便に判定することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、煩雑な配線作業を要することなく、また、車両に搭載されているETC車載器の機種に関わりなく、さらに、ETCゲートの種類に影響されることなく、ETCに関連する機能を確実に実行することができ、ひいては、取り扱い性、汎用性および利便性の向上ならびにコストの削減を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係るナビゲーション装置の実施形態を示すブロック図
【図2】本発明に係るナビゲーション装置の実施形態を示す簡易フローチャート
【図3】本発明に係るナビゲーション装置の第1の実施例において、音声認識/ETC有無判定部を示す構成図
【図4】本発明に係るナビゲーション装置の第1の実施例を示すフローチャート
【図5】本発明に係るナビゲーション装置の第2の実施例を示すフローチャート
【図6】本発明に係るナビゲーション装置の第3の実施例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明に係るナビゲーション装置の実施形態について、図1乃至図6を参照して説明する。
【0041】
図1に示すように、本実施形態におけるナビゲーション装置1は、ナビゲーション装置1の各種の構成部を統合して制御するシステム制御部2を有している。このシステム制御部2は、CPUがROMやフラッシュメモリに記憶されたプログラムを実行することによって実現されるCPUの一機能部であってもよい。
【0042】
また、図1に示すように、システム制御部2には、集音手段としての集音部3が接続されており、この集音部3は、車内の音声を集音するようになっている。なお、集音部3は、例えばマイクロホンによって構成することができる。
【0043】
さらに、図1に示すように、システム制御部2には、音声認識/ETC有無判定部4が接続されている。
【0044】
この音声認識/ETC有無判定部4は、システム制御部2の制御の下で音声認識手段として機能し、集音部3によって集音された音声に基づいて、車内に搭載されたETC車載器5が発する所定の音声(以下、ETC出力音と称する)を認識するようになっている。
【0045】
ここで、ETC出力音としては、ETC車載器5の起動時(すなわち、Acc電源やETC車載器5単独の起動スイッチがONにされた際)にETC車載器5が発する音声、ETC車載器5へのETCカードの挿入時にETC車載器5が発する音声またはETCゲートの通過時にETC車載器5が発する音声等の種々の音声を挙げることができる。また、ETC出力音は、「ポーン」等のビープ音であってもよく、このビープ音は、ETC車載器5が発話前に発するものであってもよい。
【0046】
ここで、ビープ音を認識するための具体的な手段としては、図3に示すようなトーンデコーダ7を挙げることができる。トーンデコーダ7は、予め記憶されたビープ音に対応する一定の周波数およびレベル(振幅)を有する音を検出して、検出結果を後段に出力する回路である。ビープ音の周波数やレベルに関するデータは、図1に示すETC関連機能用記憶部8に記憶させておけばよい。この図3の詳細については後述する。
【0047】
また、音声認識/ETC有無判定部4が音声認識手段としての機能を作動させる期間としては、システム制御部2によってETC接続状態が電気的に検知されていないことを前提として、種々の期間を採用することができる。ただし、ETC接続状態とは、ETC車載器5がナビゲーション装置1に適切に接続されている状態のことであり、このような状態は、ETC車載器5がナビゲーション装置1に連動可能な機種の場合にのみ実現することができる。
【0048】
例えば、音声認識/ETC有無判定部4は、ナビゲーション装置1の起動(換言すれば、Acc電源のON)とともに音声認識手段としての機能を起動させて、それ以後は、ナビゲーション装置1が作動中の場合には、当該機能を作動し続けるようにしてもよい。あるいは、音声認識/ETC有無判定部4は、インターチェンジの出入口料金所まで所定距離以内の所定の自車位置において音声認識手段としての機能を起動させて、それ以後は、自車が出入口料金所を通過するまでの間等の一定の走行区間内においてのみ当該機能を作動し続けるようにしてもよい。
【0049】
さらに、音声認識/ETC有無判定部4は、システム制御部2の制御の下でETC有無判定手段として機能し、ETC出力音の認識の有無に基づいて、ETC車載器5の有無を判定するようになっている。すなわち、音声認識/ETC有無判定部4は、ETC出力音が認識された場合には、ETC車載器5が搭載されていると判断し、ETC出力音が認識されていない場合には、ETC車載器5が搭載されていないと判断するようになっている。
【0050】
なお、音声認識/ETC有無判定部4は、CPUの一機能部であってもよい。
【0051】
さらにまた、図1に示すように、システム制御部2には、ETC関連機能実行手段としてのETC関連機能実行部10が接続されている。
【0052】
ここで、システム制御部2は、ETC接続状態を検知した場合には、ナビゲーション装置1の記憶領域内で管理されているETCに関する設定項目(以下、ETC設定項目と称する)を、デフォルトの「OFF」(もしくは「しない」)から自動的に「ON」(「する」)に設定するようになっている。
【0053】
なお、ETC設定項目としては、ETCゲートを通過した際における通行料金の表示の有無、ETCゲートを通過した際における料金履歴の記録の有無、ETCカードの挿し忘れ警告の出力の有無、ETCレーン案内の有無およびスマートICの利用やETC割り引きの適用等のETCの利用を加味した経路探索の有無等を挙げることができる。
【0054】
そして、このようなETC接続状態において、ETC関連機能実行部10は、ETC設定項目に対応するETCに関連する機能(以下、ETC関連機能と略称する)を実行することができるようになっている。
【0055】
一方、システム制御部2は、ETC車載器5がナビゲーション装置1に連動可能な機種のものではなく、ETC車載器5がナビゲーション装置1に接続されていない場合には、ETC接続状態を検知することができない。このようなETC車載器5がナビゲーション装置1に接続されていない状態(以下、ETC非接続状態と称する)においては、システム制御部2は、ETC設定項目をデフォルトの「OFF」に維持するようになっている。
【0056】
この場合、ETC関連機能実行部10は、車内にETC車載器5が搭載されていたとしても、ETC関連機能を実行することができない。
【0057】
しかしながら、本実施形態において、システム制御部2は、音声認識/ETC有無判定部4によるETC車載器5の有無の判定によって肯定的な判定結果が得られた場合には、ETC設定項目をデフォルトの「OFF」から自動的に「ON」に設定するようになっている。
【0058】
これにより、ETC関連機能実行部10は、ETC非接続状態の場合であっても、ETCに関連する所定の機能としてのETC関連機能を実行することができる。
【0059】
ただし、ETC関連機能は、本来は、ETC車載器5との間でのデータの授受を前提に行われるものであるので、ETC関連機能実行部10がETC非接続状態においてETC関連機能を実行する際には、ETC関連機能実行部10がETC車載器5からのデータを待つような動作は予め禁止するようにして、エラー(実行不能)を回避する必要がある。そこで、例えば、システム制御部2は、ETC関連機能用記憶部8内において、ETC非接続状態におけるETC関連機能の実行の有無を示すフラグ(以下、非接続時実行フラグと称する)を管理してもよい。ここで、非接続時実行フラグは、ETC接続状態が検知された場合およびETC非接続状態において音声認識/ETC有無判定部4による肯定的な判定結果が得られていない場合には、システム制御部2によって「0」に設定されるようになっている。一方、非接続時実行フラグは、ETC非接続状態において音声認識/ETC有無判定部4によって肯定的な判定結果が得られた場合には、「1」に設定されるようになっている。そして、ETC関連機能実行部10は、ETC設定項目が「ON」の場合であっても、非接続時実行フラグが「1」に設定されている場合には、ETC車載器5からのデータを待つ動作を行うことなくETC関連機能を実行するように構成すればよい。
【0060】
そして、このようなETC非接続状態におけるETC関連機能の実行には、音声認識/ETC有無判定部4の認識・判定結果や自車位置検出部16の検出結果等のETC車載器5からのデータに代替する情報が用いられることになる。
【0061】
なお、ETC関連機能実行部10は、CPUの一機能部であってもよい。
【0062】
また、図1に示すように、システム制御部2には、操作部11が接続されている。この操作部11は、メカニカルスイッチ、ディスプレイのタッチパネル、リモコン、リニアエンコーダまたはロータリエンコーダ等によって構成することができる。
【0063】
さらに、図1に示すように、システム制御部2には、表示部12が接続されており、この表示部12は、ディスプレイによって構成することができる。
【0064】
さらにまた、図1に示すように、システム制御部2には、音声出力部14が接続されており、この音声出力部14は、スピーカによって構成することができる。
【0065】
また、図1に示すように、システム制御部2には、前述したETC関連機能用記憶部8が接続されている。このETC関連機能用記憶部8は、ETC関連機能実行部10がETC関連機能を実行するために必要な種々のデータの記憶に用いられるようになっている。
【0066】
さらに、図1に示すように、システム制御部2には、地図データ記憶部15が接続されている。この地図データ記憶部15には、地図データが記憶されており、この地図データは、自車位置検出機能、地図表示機能、経路探索機能、経路誘導機能および検索機能等のナビゲーション装置1の各種の基本的な機能の実行に用いられるようになっている。この地図データ記憶部15は、例えば、ハードディスクドライブ等によって構成することができる。
【0067】
さらにまた、図1に示すように、システム制御部2には、自車位置検出手段としての自車位置検出部16が接続されている。この自車位置検出部16は、GPS衛星から配信されるGPS情報(軌道や時刻に関する情報)に基づいて自車位置を絶対座標として測位する衛星航法と、自車の走行軌跡に基づいて自車位置を前回の測位位置に対する相対位置として測位する自律航法とによって自車位置を検出するようになっている。また、その際に、自車位置検出部16は、地図データを用いることによって、衛星航法または自律航法によって算出された自車位置を地図データにおける該当する道路上の位置に補正するマップマッチング処理を行うようになっている。この自車位置検出部16は、例えば、GPSレシーバ、ジャイロセンサ等の自律航法センサおよびCPUによって構成することができる。
【0068】
また、図1に示すように、システム制御部2には、目的地設定部17が接続されている。この目的地設定部17は、表示部12に目的地設定用の操作画面を表示した上で、この操作画面に対する操作部11を介したユーザ操作にしたがった目的地を設定するようになっている。この目的地設定部17は、CPUの一機能部であってもよい。
【0069】
さらに、図1に示すように、システム制御部2には、経路探索手段としての経路探索部18が接続されている。この経路探索部18は、デフォルトあるいはユーザ操作によって設定された経路探索条件にしたがって、自車位置検出部16によって検出された自車位置から目的地設定部17によって設定された目的地までの最適経路を地図データを用いて探索するようになっている。そして、経路探索部18は、探索された最適経路を、誘導経路に設定可能な状態で表示部12に表示(提示)するようになっている。この経路探索部18の経路探索機能は、ETC関連機能実行部10が、ETC関連機能としてETCの利用を加味した経路探索を実行する際に用いられるようになっている。なお、経路探索部18は、CPUの一機能部であってもよい。
【0070】
さらにまた、図1に示すように、システム制御部2には、経路誘導手段としての経路誘導部19が接続されている。この経路誘導部19は、経路探索部18によって提示された最適経路がユーザ操作にともなって誘導経路に設定された上で、設定された誘導経路にしたがった経路誘導を行うようになっている。具体的には、経路誘導においては、交差点拡大図等の案内画像の表示部12への表示や、音声出力部14を介した交差点右左折案内またはレーン案内等の音声案内が行われるようになっている。この経路誘導部19の経路誘導機能は、ETC関連機能実行部10が、ETC関連機能としてETCレーン案内を実行する際に用いられるようになっている。なお、経路誘導部19は、CPUの一機能部であってもよい。
【0071】
このようにして構成されたナビゲーション装置1のETC非接続状態におけるETC関連機能の実行に関する基本動作は図2のようになる。
【0072】
なお、図2の初期状態においては、ETC車載器5がナビゲーション装置1に対応する機種でなく、システム制御部2により、ETC設定項目がデフォルトの「OFF」に設定されているとともに非接続時実行フラグがデフォルトの「0」に設定されているものとする。また、図2の初期状態においては、システム制御部2により、音声認識/ETC有無判定部4の音声認識手段としての機能が起動されているものとする。
【0073】
そして、初期状態から、まず、ステップ1(ST1)において、音声認識/ETC有無判定部4により、ETC車載器5が発するETC出力音が認識されたか否かに基づいて、ETC車載器5の有無を判定する。そして、ステップ1(ST1)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ2(ST2)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ4(ST4)に進む。
【0074】
次いで、ステップ2(ST2)においては、システム制御部2により、ETC設定項目を「ON」に設定するとともに、非接続時実行フラグを「1」に設定してステップ3(ST3)に進む。
【0075】
一方、ステップ4(ST4)においては、システム制御部2により、ETC設定項目および非接続時実行フラグをともにデフォルト値(「OFF」、「0」)に維持する。
【0076】
次いで、ステップ3(ST3)において、ETC関連機能実行部10により、ETC関連機能を実行して処理を終了する。ステップ3(ST3)から処理を終了する場合には、ETC設定項目および非接続時実行フラグをともにデフォルト値(「OFF」、「0」)に戻す。
【0077】
次に、本実施形態の具体的な実施例について説明する。
〔第1の実施例〕
まず、第1の実施例においては、音声認識/ETC有無判定部4を図3のように構成する。すなわち、本実施例において、音声認識/ETC有無判定部4は、トーンデコーダ7とADC(A/Dコンバータ)21と、CPU22とによって構成されている。ここで、トーンデコーダ7は、音声認識手段として機能するようになっており、このトーンデコーダ7は、ディスクリートやIC(Integrated Circuit) によって構成することができる。また、CPU22は、ETC有無判定手段としての機能と、ETC車載器5が発する発話音声を認識する第2の音声認識手段としての機能(以下、発話音声認識機能と称する)とを有している。なお、CPU22は、ナビゲーション装置1の各構成部10、16〜19を構成するものであってもよい。
【0078】
図3に示すように、集音部3によって集音された音声は、トーンデコーダ7およびこれに並列に接続されたADC21にそれぞれ入力されるようになっている。そして、ADC21は、集音部3から入力されたアナログの音声をデジタル化してCPU22に入力するようになっている。一方、トーンデコーダ7は、集音部3から入力された音声の中から、ETC関連機能用記憶部8に記憶されたETC出力音としてのビープ音に該当する周波数およびレベルを有する音を検出するようになっている。そして、トーンデコーダ7は、ビープ音に該当する音が検出された場合には、その検出結果を割り込み信号としてCPU22に入力するようになっている。
【0079】
また、本実施例において、CPU22は、トーンデコーダ7から割り込み信号が入力されない場合には、ETC有無判定手段の機能によってETC車載器5が搭載されていない旨の否定的な判定を行うようになっている。そして、これにともなって、CPU22は、発話音声認識機能を起動させないようになっている。このような場合には、ADC21から音声が入力されたとしても、その音声が発話音声認識機能によって音声認識されることはない。
【0080】
一方、CPU22は、トーンデコーダ7から割り込み信号が入力された場合には、ETC有無判定手段としての機能によってETC車載器5が搭載されている旨の肯定的な判定を行うようになっている。そして、これにともなって、CPU22は、発話音声認識機能を起動させるようになっている。このような場合には、ADC21から入力されたビープ音に続くETC車載器5の発話音声が、発話音声認識機能によって音声認識されるようになっている。なお、ETC車載器5の発話音声としては、「ポーン」の後に続く「通行料金は○○円です」、「ETCカードが挿入されていません」等の音声を挙げることができる。また、発話音声の認識には、パターンマッチング等の公知の音声認識方法を用いることができる。
【0081】
そして、このように音声認識/ETC有無判定部4を構成した上で、本実施例においては、ナビゲーション装置1を図4に示すように動作させる。
【0082】
なお、図4の初期状態においては、図2と同様に、ETC車載器5がナビゲーション装置1に対応する機種でなく、システム制御部2により、ETC設定項目が「OFF」に設定されているとともに、非接続時実行フラグが「0」に設定されているものとする。また、図4の初期状態においては、システム制御部2により、音声認識/ETC有無判定部4におけるトーンデコーダ7(すなわち、音声認識手段)およびETC有無判定手段の機能が起動されているものとする。一方、図4の初期状態において、トーンデコーダ7によるビープ音の検出は未だになされておらず、発話音声認識機能は未起動の状態であるものとする。
【0083】
そして、初期状態から、まず、図4のステップ11(ST11)において、音声認識/ETC有無判定部4により、トーンデコーダ7によるビープ音の検出の有無に基づいてETC車載器5の有無を判定し、肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ12(ST12)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ21(ST21)に進む。
【0084】
ここで、ステップ12(ST12)以後の処理について先に説明すると、まず、ステップ12(ST12)において、システム制御部2により、ETC設定項目を「ON」に設定するとともに、非接続時実行フラグを「1」に設定する。
【0085】
次いで、ステップ13(ST13)において、システム制御部2により、音声認識/ETC有無判定部4の発話音声認識機能を起動することによって、ETC車載器5が発する発話音声の認識を開始する。
【0086】
次いで、ステップ14(ST14)において、システム制御部2により、ナビゲーション装置1に配設されたタイマ等の不図示の計時手段の計測結果に基づいて、ステップ13(ST13)における発話音声の認識の開始から所定時間が経過したか否かを判定する。そして、ステップ14(ST14)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ15(ST15)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ14(ST14)を繰り返す。
【0087】
次いで、ステップ15(ST15)において、システム制御部2により、音声認識/ETC有無判定部4の発話音声認識機能の作動を停止することによって、発話音声の認識を終了する。
【0088】
次いで、ステップ16(ST16)において、システム制御部2により、音声認識/ETC有無判定部4によって発話音声が認識されたか否かを判定し、肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ17(ST17)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ21(ST21)に進む。
【0089】
次いで、ステップ17(ST17)において、ETC関連機能実行部10により、音声認識/ETC有無判定部4によって認識された発話音声の内容に基づいて、この発話音声が、特定の場所において発せられるべき発話音声であるか否かを判定するようになっている。
【0090】
ここで、例えば、「通行料金は、○○円です」といった内容の発話音声は、特定の場所としてのETCの出口ゲートにおいて発せられるべき発話音声となる。このような場合には、ステップ17(ST17)における判定結果は肯定的なものとなる。一方、例えば、「ETCカードが挿入されていません」といった内容の発話音声は、ETCカードが挿入されていない状態でETC車載器5が起動されれば場所を問わず発せられる音声である。このような場合には、ステップ17(ST17)における判定結果は否定的なものとなる。
【0091】
そして、ステップ17(ST17)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ18(ST18)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ20(ST20)に進む。
【0092】
次いで、ステップ18(ST18)において、ETC関連機能実行部10により、自車位置検出部16から自車位置の検出結果を取得する。
【0093】
次いで、ステップ19(ST19)において、ETC関連機能実行部10により、音声認識/ETC有無判定部4によって認識された発話音声の内容が、ステップ18(ST18)において取得された自車位置に適合するか否かを判定する。
【0094】
ここで、例えば、発話音声の内容が「通行料金は、○○円です」の場合に、自車位置の検出結果が有料道路の出口料金所から所定距離以内の位置を示す場合には、ステップ19(ST19)における判定結果は肯定的なものとなり、所定距離よりも離れた位置を示す場合には、判定結果は否定的なものとなる。
【0095】
そして、ステップ19(ST19)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ20(ST20)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ24(ST24)に進む。
【0096】
次いで、ステップ20(ST20)において、ETC関連機能実行部10により、ETC関連機能として、音声認識/ETC有無判定部4によって認識された発話音声の内容に対応する情報の表示および記録の少なくとも一方を行う。
【0097】
ここで、発話音声の内容に対応する情報の表示としては、「ETCカードが挿入されていません」や「通行料金は、○○円です」といった発話音声に相当する文字情報を表示部12に表示する動作を挙げることができる。なお、これらの文字情報は、ETC関連機能実行部10がETC接続状態において実行することができるETCカードの挿し忘れ警告の表示機能や通行料金の表示機能に用いる文字情報としてETC関連機能用記憶部8に記憶させておいたものを、発話音声にマッチする情報としてETC関連機能用記憶部8から抽出して表示するものであってもよい。
【0098】
また、発話音声の内容に対応する情報の記録としては、「通行料金は、○○円です」といった発話音声に相当する通行料金を料金履歴としてETC関連機能用記憶部8に記録する動作を挙げることができる。ただし、ETC車載器5からのデータを用いずに料金履歴を記録するためには、ナビゲーション装置1側で、自車が利用した有料道路の情報を把握しておく必要がある。そこで、例えば、ETC関連機能実行部10は、音声認識/ETC有無判定部4によるビープ音の認識が、有料道路の入口料金所に該当する自車位置において行われた場合に、この自車位置を有料道路の走行開始地点としてETC関連機能用記憶部8に記録しておけばよい。そして、出口料金所においてビープ音が認識された場合に、この出口料金所における自車位置を有料道路の走行終了地点と決定した上で、決定された走行終了地点と記録された走行開始地点とを結ぶ有料道路の走行区間を割り出し、割り出された走行区間の情報を、発話音声が示す通行料金「○○円」と対応付けて料金履歴として記録すればよい。このようにして記録された料金履歴は、自車が再び同じ有料道路の走行区間を走行した際に、ユーザ操作に基づいて過去の利用履歴として表示部12に表示することができるものとなる。
【0099】
次いで、ステップ21(ST21)において、システム制御部2により、Accの状態に基づいて、ナビゲーション装置1が作動中であるか否かを判定し、肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ22(ST22)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、処理を終了する。
【0100】
次いで、ステップ22(ST22)において、システム制御部2により、非接続時実行フラグが「1」に設定されているか否かを判定し、肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ23(ST23)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ11(ST11)に戻る。
【0101】
次いで、ステップ23(ST23)において、システム制御部2により、トーンデコーダ7によるビープ音の検出が行われたか否かを判定し、肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ13(ST13)に戻り、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ21(ST21)に戻る。
【0102】
一方、ステップ19(ST19)からステップ24(ST24)に進む場合には、ETC関連機能実行部10による音声認識/ETC有無判定部4によって認識された発話音声の内容に対応する情報の表示および記録を行わずにステップ21(ST21)に進む。
【0103】
なお、図4において、処理を終了する際に、ETC設定項目が「ON」に設定されている場合には、これを「OFF」に戻し、また、非接続時実行フラグが「1」に設定されている場合には、これを「0」に戻せばよい。
【0104】
また、ステップ11(ST11)からステップ21(ST21)を経て処理を終了する場合には、ETC設定項目および非接続時実行フラグがともにデフォルト値(「OFF」、「0」)に維持されることになる。
〔第2の実施例〕
次に、第2の実施例においては、音声認識/ETC有無判定部4がビープ音を認識する音声認識手段としての機能さえ有していれば、必ずしも発話音声認識機能までも有することは要しない。
【0105】
このような前提で、本実施例においては、ナビゲーション装置1を図5に示すように動作させる。
【0106】
ただし、図5の初期状態においては、図2と同様に、ETC車載器5がナビゲーション装置1に対応する機種でなく、システム制御部2により、ETC設定項目が「OFF」に設定されているとともに、非接続時実行フラグが「0」に設定されているものとする。また、図5の初期状態においては、システム制御部2により、音声認識/ETC有無判定部4における音声認識手段およびETC有無判定手段の機能が起動されているものとする。
【0107】
そして、初期状態から、まず、図5のステップ31(ST31)において、音声認識/ETC有無判定部4により、ビープ音の認識の有無に基づいてETC車載器5の有無を判定し、肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ32(ST32)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ47(ST47)に進む。
【0108】
ここで、ステップ32(ST32)〜ステップ35(ST35)までの一連の処理について先に説明すると、まず、ステップ32(ST12)において、システム制御部2により、ETC設定項目を「ON」に設定するとともに、非接続時実行フラグを「1」に設定する。
【0109】
次いで、ステップ33(ST33)において、ETC関連機能実行部10により、自車位置検出部16の検出結果に基づいて、自車が有料道路を走行中であるか否かを判定し、肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ34(ST34)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ36(ST36)に進む。
【0110】
次いで、ステップ34(ST34)において、ETC関連機能実行部10により、自車位置が有料道路の出口料金所まで所定の距離以内の位置であるか否かを判定し、肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ35(ST35)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ42(ST42)に進む。
【0111】
次いで、ステップ35(ST35)において、ETC関連機能実行部10により、出口料金所が一般のインターチェンジ(IC)であることを条件に、ETC関連機能としてのETCレーン案内(例えば、ETCレーンの拡大図の表示)を行って処理を終了する。なお、出口料金所がスマートICの場合には、特に案内を行わずに処理を終了すればよい。出口料金所の種類については、地図データに基づいて判断することができる。
【0112】
次に、ステップ36(ST36)〜ステップ38(ST38)までの一連の処理について説明すると、まず、ステップ36(ST36)において、ETC関連機能実行部10により、経路誘導部19による経路誘導が行われているか否かを判定する。そして、ステップ36(ST36)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ37(ST37)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ39(ST39)に進む。
【0113】
次いで、ステップ37(ST37)において、ETC関連機能実行部10により、誘導経路上における自車位置の前方に有料道路が存在するか否かを判定し、肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ38(ST38)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ47(ST47)に進む。
【0114】
次いで、ステップ38(ST38)において、経路誘導部19による経路誘導を継続してステップ33(ST33)に戻る。
【0115】
次に、ステップ39(ST39)〜ステップ41(ST41)までの一連の処理について説明すると、まず、ステップ39(ST39)において、ETC関連機能実行部10により、操作部11を用いた目的地の設定操作が行われたか否かを判定する。そして、ステップ39(ST39)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ40(ST40)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ47(ST47)に進む。
【0116】
次いで、ステップ40(ST40)において、ETC関連機能実行部10により、経路探索部18の経路探索機能を用いることによって、ETC関連機能として、ETCを利用することを加味した最適経路の探索を行う。このとき探索される最適経路としては、例えば、スマートICを利用する最適経路や、ETC割り引きの適用を受けることができる最適経路を挙げることができる。
【0117】
次いで、ステップ41(ST41)において、経路誘導部19により、ステップ40(ST40)において探索された最適経路がユーザ操作によって誘導経路に設定されることを待って、この誘導経路にしたがった経路誘導を開始してステップ37(ST37)に進む。
【0118】
次に、ステップ42(ST42)〜ステップ45(ST45)までの一連の処理について説明すると、まず、ステップ42(ST42)において、ETC関連機能実行部10により、ステップ40(ST40)を経ているか否かを判定する。そして、ステップ42(ST42)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ34(ST34)に戻り、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ43(ST43)に進む。
【0119】
次いで、ステップ43(ST43)において、ETC関連機能実行部10により、経路探索部18の経路探索機能を用いることによって、ETC関連機能として、出口側のインターチェンジとしてスマートICを利用することを加味した最適経路の再探索を行う。
【0120】
次いで、ステップ44(ST44)において、ETC関連機能実行部10により、ステップ43(ST43)の再探索によって、スマートICを利用する経路が現在の誘導経路に代わる最適経路として探索されたか否かを判定し、肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ45(ST45)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ46(ST46)に進む。
【0121】
次いで、ステップ45(ST45)において、経路誘導部19により、ステップ43(ST43)において探索された最適経路がユーザ操作によって現在の誘導経路に代わる新たな誘導経路に設定されることを待って、この新たな誘導経路にしたがった経路誘導を開始してステップ34(ST34)に戻る。
【0122】
一方、ステップ44(ST44)からステップ46(ST46)に進んだ場合には、ステップ46(ST46)において、経路誘導部19により、現在の誘導経路を維持してステップ34(ST34)に戻る。
【0123】
また、ステップ31(ST31)、ステップ37(ST37)またはステップ39(ST39)からステップ47(ST47)に進んだ場合には、ステップ47(ST47)において、システム制御部2により、ナビゲーション装置1が作動中であるか否かを判定し、肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ48(ST48)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、処理を終了する。
【0124】
次いで、ステップ48(ST48)において、システム制御部2により、非接続時実行フラグが「1」に設定されているか否かを判定し、肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ33(ST33)に戻り、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ31(ST31)に戻る。
〔第3の実施例〕
【0125】
次に、第3の実施例においても、第2の実施例と同様に、音声認識/ETC有無判定部4がビープ音を認識する音声認識手段としての機能さえ有していれば、必ずしも発話音声認識機能までも有することは要しない。
【0126】
このような前提で、本実施例においては、ナビゲーション装置1を図6に示すように動作させる。
【0127】
ただし、図6の初期状態においては、図2と同様に、ETC車載器5がナビゲーション装置1に対応する機種でなく、システム制御部2により、ETC設定項目が「OFF」に設定されているとともに、非接続時実行フラグが「0」に設定されているものとする。また、図6の初期状態においては、第1の実施例および第2の実施例とは異なり、音声認識/ETC有無判定部4は起動されていないものとする。さらに、図6の初期状態においては、経路探索部18により、最適経路が探索されているものとする。
【0128】
そして、初期状態から、まず、図6のステップ51(ST51)において、経路誘導部19により、初期状態において探索されている最適経路を誘導経路とした経路誘導を開始する。
【0129】
次いで、図6のステップ52(ST52)において、システム制御部2により、誘導経路上における自車位置の前方に有料道路が存在するか否かを判定し、肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ53(ST53)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ61(ST61)に進む。
【0130】
ここで、ステップ53(ST53)以後の処理について先に説明すると、まず、ステップ53(ST53)において、システム制御部2により、自車位置が有料道路の入口料金所まで所定の距離以内の位置にあるか否かを判定し、肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ54(ST54)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ53(ST53)を繰り返す。
【0131】
次いで、ステップ54(ST54)において、システム制御部2により、音声認識/ETC有無判定部4を起動することによって、例えば、現在の自車位置から入口料金所よりも僅かに進行した位置までの所定の走行区間内におけるビープ音の認識を開始する。
【0132】
次いで、ステップ55(ST55)において、音声認識/ETC有無判定部4により、ビープ音の認識の有無に基づいてETC車載器5の有無を判定する。この判定は、自車がETCの入口ゲートを通過したか否かの判定と同義である。なお、このとき、入口料金所が一般のインターチェンジであれば、自車が停止したか否か(車速の変化)を併用して判定を行うようにしてもよい。そして、ステップ55(ST55)において肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ56(ST56)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ61(ST61)に進む。
【0133】
次いで、ステップ56(ST56)において、システム制御部2により、ETC設定項目を「ON」に設定するとともに、非接続時実行フラグを「1」に設定する。
【0134】
次いで、ステップ57(ST57)において、ETC関連機能実行部10により、ETC関連機能として、出口側でスマートICを利用することを加味した最適経路の再探索を行う。
【0135】
次いで、ステップ58(ST58)において、ETC関連機能実行部10により、ステップ57(ST57)においてスマートICを利用する経路が最適経路として探索されたか否かを判定し、肯定的な判定結果が得られた場合には、ステップ59(ST59)に進み、否定的な判定結果が得られた場合には、ステップ60(ST60)に進む。
【0136】
次いで、ステップ59(ST59)において、経路誘導部19により、ステップ57(ST57)において探索された最適経路がユーザ操作によって現在の誘導経路に代わる新たな誘導経路に設定されることを待って、この新たな誘導経路にしたがった経路誘導を開始して処理を終了する。
【0137】
一方、ステップ60(ST60)に進んだ場合には、このステップ60(ST60)において、経路誘導部19により、現誘導経路を維持して処理を終了する。
【0138】
また、ステップ52(ST52)またはステップ55(ST55)からステップ61(ST61)に進んだ場合には、このステップ61(ST61)において、経路誘導部19により、経路誘導を継続して処理を終了する。
【0139】
以上述べたように、本発明によれば、音声認識/ETC有無判定部4によってETC車載器5が発するビープ音の認識の有無に基づいたETC車載器5の有無の判定を行った上で、ETC関連機能実行部10によってETC非接続状態にもかかわらずETC関連機能を実行することができるので、煩雑な配線作業を要することなく、また、車両に搭載されているETC車載器5の機種に関わりなく、さらに、ETCゲート付近における混雑に影響されることなく、ETC関連機能を確実に実行することができる。
【0140】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々変更することができる。
【符号の説明】
【0141】
1 ナビゲーション装置
3 集音部
4 音声認識/ETC有無判定部
5 ETC車載器
10 ETC関連機能実行部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車内の音声を集音する集音手段と、
この集音手段によって集音された前記音声に基づいて、ETC車載器が発する所定の音声を認識する音声認識手段と、
この音声認識手段による前記所定の音声の認識の有無に基づいて、前記ETC車載器の有無を判定するETC有無判定手段と、
このETC有無判定手段によって肯定的な判定結果が得られた場合に、ETCに関連する所定の機能を実行するETC関連機能実行手段と
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記所定の音声は、前記ETC車載器の起動時に前記ETC車載器が発する音声であること
を特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記所定の音声は、前記ETC車載器へのETCカードの挿入時に前記ETC車載器が発する音声であること
を特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記所定の音声は、ETCゲートの通過時に前記ETC車載器が発する音声であること
を特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記所定の音声は、前記ETC車載器が発話前に発する音声であること
を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記所定の機能は、前記所定の音声に続く前記ETC車載器の発話音声に対応する機能であること
を特徴とする請求項5に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記音声認識手段による前記所定の音声の認識を契機として前記発話音声の認識を開始する第2の音声認識手段を備え、
前記ETC関連機能実行手段は、前記第2の音声認識手段の認識結果に対応する前記所定の機能を実行すること
を特徴とする請求項6に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
自車位置を検出する自車位置検出手段を備え、
前記ETC関連機能実行手段は、前記発話音声の内容が特定の場所において発せられるべき所定の内容の場合には、前記自車位置検出手段の検出結果が前記特定の場所に適合することを条件として、前記所定の機能を実行すること
を特徴とする請求項7に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記所定の機能は、前記発話音声に対応する情報を表示部に表示する機能および前記発話音声に対応する情報を記憶部に記録する機能の少なくとも一方を含むこと
を特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
自車位置を検出する自車位置検出手段と、
目的地までの最適経路の探索を行う経路探索手段と、
この経路探索手段によって探索された前記最適経路を誘導経路とした経路誘導を行う経路誘導手段と
を備え、
前記所定の機能は、前記経路探索手段を介してETCを利用することを加味した前記最適経路の探索を行う機能および前記経路誘導手段を介してETCを利用する通行方法を案内する機能の少なくとも一方を含むこと
を特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
前記所定の音声は、ETCの入口ゲートの通過時に前記ETC車載器が発する音声であり、
前記所定の機能は、自車が前記経路誘導手段による前記経路誘導にしたがって前記入口ゲートを通過した場合に、前記経路探索手段を介して出口側のインターチェンジとしてスマートインターチェンジを利用することを加味した前記最適経路の再探索を行う機能を含むこと
を特徴とする請求項10に記載のナビゲーション装置。
【請求項12】
前記音声認識手段は、前記自車位置検出手段によって検出された前記自車位置が有料道路の入口料金所まで所定距離以内の地点に到達したことを契機として、前記所定の音声の認識を開始すること
を特徴とする請求項11に記載のナビゲーション装置。
【請求項13】
前記所定の音声は、ビープ音であることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−107067(P2011−107067A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−264834(P2009−264834)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】