説明

ナビゲーション装置

【課題】先頭の文字が同じデータの一覧のリストにおいても、ユーザが所望する住所や名称を利便性良く検索することができる検索装置を提供することを目的とする。
【解決手段】例えば、「ABC」を検索文字列として施設名称を検索し、該当する施設が多数存在する場合において、リモコン18の方向キー22、もしくはスクロールスイッチ23の下方向を長押しすることにより、図4(a)乃至(b)に示すように、表示画面20に表示されるカーソル21を、検索文字列「ABC」の次の文字が異なるデータまで移動させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザにより入力された文字列に基づいて住所や施設等を検索することが可能なナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置においては、ユーザが目的地を設定するために住所、施設名称等を入力する際、50音、アルファベット、記号、数字等をタッチパネル入力、リモコン等によって操作カーソルを移動・決定して入力する。このようなナビゲーション装置において、ユーザが任意の文字を順次入力した際に、入力文字列を含む住所や施設名称を地図データ記憶部から検索し、対象となるデータの一覧を文字列順にソートしたリストとして画面内に表示する機能を有するものがある。そして、画面内にはデータを選択するためのカーソルが表示され、ユーザはリストのスクロール機能を有する操作スイッチを押下することでカーソルを移動させ、所望するデータを選択することが可能である。また、タッチパネルとなっている画面においては、所望するデータの表示部分を直接押下する(触れる)ことにより、所望するデータを選択することが可能である。
【0003】
ところが、検索対象となるデータ数が多い場合、一度に画面内に表示できるデータ数には限りがあるため、ユーザが所望するデータが画面内に表示されていないことがある。このとき、ユーザは所望するデータを選択するために、画面内に表示しているリストをスクロールさせることにより、ユーザが所望するデータを画面内に表示させる必要がある。このとき、ユーザにとって利便性よく所望するデータを表示させるリストのスクロール方法が提案されている。例えば、カーソルのスクロール機能を有するスイッチを長押しすることで、50音の先頭の文字が異なるデータが表示されるようにリストを順次スクロールさせ、併せてカーソルを移動させる技術が特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−168544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、先頭の文字が同じ住所や名称ばかりのデータの一覧のリストにおいては、スイッチを長押ししてもリストをスクロールさせることができないといった問題がある。
【0006】
そこで、本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、先頭の文字が同じデータの一覧のリストにおいても、ユーザが所望する住所や名称を利便性良く検索することができるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、検索対象となる文字列データを記憶する記憶手段と、記憶手段を参照して、ユーザにより入力される検索文字列を含む文字列データを検索する検索手段と、検索手段により検索された複数の文字列データを文字列順にソートしたリストを作成するリスト作成手段と、リスト作成手段にて作成されたリストを部分的に表示する表示部と、表示部に表示しているリストの表示箇所を変更するリストスクロール手段とを備えた検索装置であって、リストスクロール手段にて、表示部に表示しているリストにおける文字列データに対し検索文字列の次の文字が同一の文字列データをとばして、検索文字列の次の文字が異なる文字列データを表示部に表示するように、表示部に表示しているリストの表示箇所を変更することを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、ユーザは、表示部に表示している文字列データに対し検索文字列の次の文字が同一の文字列データをとばして、検索文字列の次の文字が異なる文字列データを表示するようにリストの表示箇所を変更することができる。このため、ユーザは、先頭文字が同一のデータのリストにおいても複数のデータの中から利便性よく所望のデータを検索することができる。
【0009】
請求項2に記載の検索装置は、ユーザにより下方向若しくは上方向が出力されたかどうかを判定する出力方向判定手段をさらに備え、リストスクロール手段にて、出力方向判定手段により下方向が出力されたと判定された場合には、ソートされたリストの下方向に前記リストの表示箇所を変更し、出力方向判定手段により上方向が出力されたと判定された場合には、ソートされたリストの上方向にリストの表示箇所を変更することを特徴とする。これにより、ユーザは利便性よく所望のデータを検索することができる。
【0010】
請求項3に記載の検索装置は、表示部に表示しているリストにおける文字列データに対し、検索文字列の次の文字が文字列データの1つ上の文字列データと異なる場合、文字列データを強調して表示する強調表示手段を備えることを特徴とする。これにより、ユーザに対してリストの表示箇所を変更する基準をわからせることができる。
【0011】
請求項4に記載の検索装置は、強調表示手段にて、文字列データに含まれる検索文字列の次の文字の大きさ、表示色、若しくはその両方を変更して表示することにより文字列データを強調することを特徴とする。これにより、ユーザに対してリストの表示箇所を変更する基準をわからせることができる。
【0012】
請求項5に記載の検索装置は、リストスクロール手段にて、表示部に表示しているリストにおける文字列データに対し検索文字列の次の文字が異なる文字列データを表示部に表示するリストの最上部に表示するように、表示部に表示しているリストの表示箇所を変更することを特徴とする。これにより、ユーザは利便性よく所望のデータを検索することができる。
【0013】
上記課題を解決するために、請求項6に記載の発明は、検索対象となる文字列データを記憶する記憶手段と、記憶手段を参照して、ユーザにより入力される検索文字列を含む文字列データを検索する検索手段と、検索手段により検索された複数の文字列データを文字列順にソートしたリストを作成するリスト作成手段と、リスト作成手段にて作成されたリストを表示する表示部と、表示部に表示されるリストにおける1つの文字列データを選択していることを示すように文字列データを強調させるデータ強調手段と、データ強調手段により強調されている文字列データとは別の文字列データをデータ強調手段により強調させるデータ強調移動手段とを備えた検索装置であって、データ強調移動手段にて、データ強調手段により強調されている文字列データに対し検索文字列の次の文字が同一の文字列データをとばして、検索文字列の次の文字が異なる文字列データを、データ強調手段により新たに強調させることを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明によれば、ユーザは、データ強調手段により強調されている文字列データに対し検索文字列の次の文字が同一の文字列データをとばして、検索文字列の次の文字が異なる文字列データを、データ強調手段により新たに強調させることができる。このため、ユーザは、先頭文字が同一のデータのリストにおいても複数のデータの中から利便性よく所望のデータを検索することができる。
【0015】
請求項7に記載の検索装置は、ユーザにより下方向若しくは上方向が出力されたかどうかを判定する出力方向判定手段とを備え、データ強調移動手段にて、出力方向判定手段により下方向が出力されたと判定された場合には、ソートされたリストの下方向に存在する文字列データをデータ強調手段により新たに強調させ、出力方向判定手段により上方向が出力されたと判定された場合には、ソートされたリストの上方向に存在する文字列データをデータ強調手段により新たに強調させることを特徴とする。これにより、ユーザは利便性よく所望のデータを検索することができる。
【0016】
請求項8に記載の検索装置は、表示部に表示しているリストの表示箇所を変更するリストスクロール手段を備え、表示部にてリスト作成手段にて作成されたリストを部分的に表示し、リストスクロール手段は、データ強調手段により強調されている文字列データに対し検索文字列の次の文字が同一の文字列データをとばして、検索文字列の次の文字が異なる文字列データを表示部に表示するように、表示部に表示しているリストの表示箇所を変更することを特徴とする。これにより、表示部に、検索文字列の次の文字が異なる文字列データが表示されていない場合においても、検索文字列の次の文字が異なる文字列データを表示部に表示させ、データ強調手段により新たに強調させることができる。これにより、ユーザは利便性よく所望のデータを検索することができる。
【0017】
請求項9に記載の検索装置は、リストスクロール手段にて、データ強調手段により強調されている文字列データに対し検索文字列の次の文字が異なる文字列データが表示部に表示されている場合は、表示部に表示しているリストの表示箇所を変更しないことを特徴とする。これにより、ユーザは利便性よく所望のデータを検索することができる。
【0018】
請求項10に記載の検索装置は、表示部に表示しているリストにおける文字列データに対し、検索文字列の次の文字が文字列データの1つ上の文字列データと異なる場合、文字列データを強調して表示する強調表示手段を備えることを特徴とする。これにより、ユーザに対してリストの表示箇所を変更する基準をわからせることができる。
【0019】
請求項11に記載の検索装置は、
強調表示手段にて、文字列データに含まれる検索文字列の次の文字の大きさ、表示色、若しくはその両方を変更して表示することにより文字列データを強調することを特徴とする。これにより、ユーザに対してリストの表示箇所を変更する基準をわからせることができる。
【0020】
請求項12に記載の検索装置は、リストスクロール手段にて、データ強調手段により強調されている文字列データに対し検索文字列の次の文字が異なる文字列データを、表示部に表示するリストの最上部に表示するように、表示部に表示しているリストの表示箇所を変更することを特徴とする。これにより、ユーザは利便性よく所望のデータを検索することができる。
【0021】
上記課題を解決するために、請求項13に記載の発明は、検索対象となる文字列データを記憶する記憶手段と、記憶手段を参照して、ユーザにより平仮名にて入力される検索文字列を読みに含む文字列データを検索する検索手段と、検索手段により検索された複数の文字列データを読み及び表記文字の種別に基づいてソートしたリストを作成するリスト作成手段と、リスト作成手段にて作成されたリストを表示する表示部と、表示部に表示されるリストにおける1つの文字列データを選択していることを示すように文字列データを強調するデータ強調手段と、データ強調手段により強調されている文字列データとは別の文字列データをデータ強調手段により強調させるデータ強調移動手段とを備えた検索装置であって、ソートされたリストにおいて、検索文字列部分に該当する表記文字の先頭文字が同一で、且つ、検索文字列部分に該当する表記文字の2文字目以降が異なる異表記文字列データが存在するか否かを判定する異表記判定手段を備え、異表記判定手段により、異表記文字列データが存在すると判定された場合、データ強調移動手段は、データ強調手段により強調されている文字列データに対し検索文字列部分に該当する表記文字が同一の文字列データをとばして、異表記文字列データを前記データ強調手段により新たに強調させることを特徴とする。
【0022】
請求項13に記載の発明によれば、ユーザは、データ強調手段により強調されている文字列データに対し検索文字列部分に該当する表記文字が同一の文字列データをとばして、異表記文字列データを前記データ強調手段により新たに強調させることができる。このため、ユーザは、1つの検索文字列で検索されたリストにおいて、検索文字列部分に該当する先頭文字は同一だが、2文字目以降の表記文字が異なる文字列データが存在する場合においても、複数のデータの中から利便性よく所望のデータを検索することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本実施例におけるナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本実施例において、ユーザが検索文字列を入力する際の表示画面20を示す説明図である。
【図3】本実施例において、方向キー22、若しくはスクロールスイッチ23の下方向が押下された場合の作動を示す説明図である。
【図4】本実施例において、方向キー22、若しくはスクロールスイッチ23の下方向が長押しされた場合の作動を示す説明図である。
【図5】本実施例において、制御部19にて実行される検索処理を示すフローチャートである。
【図6】本実施例において、制御部19にて実行されるリストスクロール処理を示すフローチャートである。
【図7】本実施例における変形例1の説明図である。
【図8】本実施例における変形例2の説明図である。
【図9】本実施例における変形例4の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に本発明の実施例について図面を用いて説明する。なお、本実施例では、本発明を車両に搭載されるカーナビゲーション装置に適用した例について説明する。
(実施例)
図1は本実施例のカーナビゲーション装置10の概略構成を示すブロック図である。カーナビゲーション装置10は、地図データ記憶部11、自車位置検出部13、音声出力装置14、操作スイッチ15、表示装置16、リモコンセンサ17、リモコン18、及び、制御部19から構成される。
【0025】
地図データ記憶部11には、各種施設等の名称、住所、その位置情報等を記憶する施設データ12が格納される。なお、図示しなかったが、地図データ記憶部11には、ユーザにより設定された目的地に至る経路を探索するための経路データ、表示装置16に地図を描画するために地図情報をユニット化した描画データ、案内用の画像や音声データ等が格納される。地図データ記憶部11の記憶媒体としては、ROM(Read Only Memory)、若しくは、読み書き可能なハードディスク、メモリ等を用いることができる。
【0026】
自車位置検出部13は、GPS受信機、ジャイロセンサ、車速度センサ等を備え、それらの各検出信号に基づき位置座標及び進行方向の組として車両の現在の自車位置を算出する。
【0027】
音声出力装置14は、スピーカーからなり、地図データ記憶部11に記憶されている音声データに基づいて各種案内の音声を出力する。
【0028】
操作スイッチ15は、表示装置16と一体に構成され、表示画面上に設置されるタッチパネル、及び、表示装置16の周囲に設けられた釦スイッチ等が用いられる。タッチパネルと表示装置16とは積層一体化されており、タッチパネルには、感圧方式、電磁誘導方式、静電容量方式、あるいはこれらを組み合わせた方式などがあるが、何れを用いてもよい。
【0029】
表示装置16は、カラー表示可能な液晶ディスプレイからなる。表示装置16の表示画面には、文字等を入力する際の入力画面、地図上に自車の現在位置を示すマーク、目的地までの誘導経路等を重ねて表示する案内用画面等が表示される。表示装置14としては、液晶ディスプレイ以外にも、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等があるが、その何れを用いてもよい。
【0030】
リモコンセンサ17はリモートコントロール端末(以下、リモコン)18からユーザにより入力された信号を受けて、制御部19に出力する。
【0031】
リモコン18は、車両のステアリングホイールと一体に構成され、ステアリングホイールを握った状態でもユーザにより操作可能な位置に釦スイッチが設けられる。また、釦スイッチには表示装置16の表示画面に表示されるカーソルを移動させるための方向キー22、決定ボタン等が含まれる。
【0032】
制御部19は、CPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインなどからなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成されている。そして、ROM等に記憶されたプログラムに基づいて、操作スイッチ15やリモコン18を介したユーザの操作によって指示された範囲の地図等を表示装置16に表示する地図表示処理や、ユーザにより入力された検索文字列に基づいて施設データ12を参照することにより、各種施設等を検索する検索処理等を実行する。
【0033】
なお、上記実施例における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明する。地図データ記憶部11は、記憶手段に相当し、表示装置16は表示部に相当し、制御部19は、検索手段、リスト作成手段、リストスクロール手段、出力方向判定手段、データ強調手段、データ強調移動手段に相当する。
【0034】
続いて、制御部19にて実行される検索処理について詳細に説明する。まず、図2は、ユーザが目的地を設定する場合に、その施設名称から検索を行うために、ユーザが文字を入力する際の表示装置16の表示画面20を示している。ユーザは、ナビゲーション装置10への各種入力を、操作スイッチ15若しくはリモコン18を介して行う。具体的には、ユーザはタッチパネルとしての表示画面20上の操作スイッチ15を直接押下することにより文字を入力することができる。また、リモコン18における方向キー22を操作して表示画面20上に表示されるカーソル21を所望の文字に移動させ、リモコン18における決定スイッチを押下することにより、文字を入力することができる。
【0035】
ユーザが、例えば、「ABC」の検索文字列を入力して、その検索文字列を施設名称に含む各種施設等の検索を行った場合、制御部19は、「ABC」を含む施設名称を施設データ12から検索する。検索結果は、図3(a)に示すように、文字列順にソートしたリストとして表示画面20に表示される。
【0036】
ここで、本実施例においては、リストに例えば、100個の施設名称のデータが含まれる場合であっても、表示装置20には5個ずつの施設名称のデータしか表示されない。従って、ユーザが所望する施設名称が表示画面20に表示されていない場合がある。このような場合、ユーザはリモコン18における方向キー22を操作することにより、若しくはタッチパネルにおけるスクロールスイッチ23を押下することにより、カーソル21を移動させ、所望の施設名称を探す必要がある。ユーザが、方向キー22(下方向)、若しくはスクロールスイッチ23(下方向)を押下すると、図3(a)乃至(c)に示すように、カーソル21は施設名称のデータを1つずつ下に移動する。また、ユーザが方向キー22(下方向)、若しくはスクロールスイッチ23(下方向)を長押しした場合は、図4(a)乃至(d)に示すように、カーソル21は検索文字列の次の文字(記号や数字も含む)が異なる施設名称まで移動する。
【0037】
そして、所望の施設名称が表示画面20上に表示された場合、タッチパネルのその施設名称が表示される部分を押下することにより、若しくはカーソル21をその施設名称に合わせてリモコン18の決定ボタンを押下することにより、ユーザは所望の施設名称を選択することができる。ナビゲーション装置は、ユーザにより選択された施設名称を有する施設を、目的地として設定したり、その位置を地図上に表示させたり、その情報を表示させたりすることができる。
【0038】
次に、制御部19にて実行される検索処理について図5及び図6のフローチャートを参照して説明する。なお、本フローチャートに示す処理は制御部19に記憶されているコンピュータプログラムに従って実行される。
【0039】
本検索処理は、ユーザがナビゲーション装置10にて目的地を設定するために、各種施設等を施設名称から検索するモードに移行し、図2の文字入力画面を表示画面20に表示すると開始される。まず、図5における、ステップS10にて、検索文字列が入力されたかどうかを判定する。ユーザにより検索文字列が入力され、図2におけるタッチパネルの「List」ボタンが押下された場合、若しくはリモコン18の方向キー22により「List」ボタンにカーソル21を移動させ、決定ボタンが押下された場合に、検索文字列が入力されたと判定する。ステップS10にて検索文字列が入力された場合は(ステップS10:YES)、ステップS20に移行し、検索文字列が入力されない場合は(ステップS10:NO)、ユーザにより検索文字列が入力されるまで自己遷移を繰り返す。
【0040】
ステップS20では、ステップS10にてユーザにより入力された検索文字列を、施設名称に含む各種施設等の検索を、施設データ12を参照して行う。ステップS30では、ステップS20にて検索された施設名称のデータ群を、文字列順にソートしたリストとして作成する。ステップS35では、ステップS30にて作成されたリストを表示画面20に表示する。
【0041】
ステップS40では、リストスクロール処理のサブルーチンを実行する。なお、リストスクロール処理の具体的な処理については後述する。
【0042】
ステップS50では、ユーザによりリストから施設名称の1つが選択されたかどうかを判定する。具体的には、タッチパネルにて施設名称の1つが表示される部分が押下されたか、若しくはカーソル21を施設名称の1つに合わせてリモコン18の決定ボタンを押下されたかどうかにより判定を行う。ユーザによりリストから施設名称の1つが選択された場合は(ステップS50:YES)、ステップS60に移行し、ユーザによりリストからデータの1つが選択されない場合は(ステップS50:NO)、ステップS40に戻る。
【0043】
ステップS60では、ステップS50にてユーザにより選択された施設名称を有する施設の情報の出力を行う。具体的には、該当する施設の位置情報等を施設データ12を参照して読み出し、その施設を目的地として設定し、また、地図上に目的地として表示させる。
【0044】
続いて、ステップS40におけるリストスクロール処理サブルーチンについて説明する。
まず、図6におけるステップS401にて、方向キー22、若しくはスクロールスイッチ23の下方向がユーザにより押下されたかどうかを判定する。方向キー22、若しくはスクロールスイッチ23の下方向が押下された場合は(ステップS401:YES)、ステップS403に移行する。方向キー22、若しくはスクロールスイッチ23が押下されない場合は(ステップS401:NO)、本リストスクロール処理サブルーチンを終了する。
【0045】
ステップS403では、ステップS401にて方向キー22、若しくはスクロールスイッチ23の下方向が押下された場合に、それが長押しであるかどうかを判定する。具体的には、ユーザにより1秒以上継続して方向キー22、スクロールスイッチ23が押下された場合は、長押しであると判定する。長押しであると判定された場合は(ステップS403:YES)、ステップS407に移行する。長押しでないと判定された場合は(ステップS403:NO)、ステップS404に移行する。
【0046】
ステップS404では、リストにおいてカーソル21を、1行分下に移動させられるかどうかを判定する。例えば、カーソル21がリストの一番下のデータを示している場合は、カーソル21を下に移動させられないと判定する。リストにおいてカーソル21を、1行分下に移動させられる場合は(ステップS404:YES)、ステップS406に移行し、カーソル21を1行分下に移動させる。リストにおいてカーソル21を、1行分下に移動させられない場合は(ステップS404:NO)、ステップS405に移行する。ステップS405では、リストをスクロールさせることによって表示画面20に表示している部分のリストを、リストの下方向に存在する部分のリストに変更する。このとき、カーソル21も示しているデータに併せて移動する。ステップS405からはステップS406に移行し、カーソル21を1行分下に移動させる。
【0047】
ステップS407では、現在のカーソル21位置はリストにおけるN番目である場合に、変数nにNを代入する。ステップS409では、リストにおけるn番目の施設名称において、図5におけるステップS10にて入力された検索文字列の次の文字C1(記号や数字も含む)を検出する。
【0048】
ステップS411では、リストにおけるn+1番目の施設名称において、図5におけるステップS10にて入力された検索文字列の次の文字C2(記号や数字も含む)を検出する。ステップS413では、ステップS411にて検出された文字C1と、ステップS413にて検出された文字C2とが同一であるかを半定する。C1とC2が同一である場合は(ステップS413:YES)、ステップS415に移行する。C1とC2が同一でない場合は(ステップS413:NO)、ステップS417に移行する。ステップS415では、nにn+1の値を代入する。ステップS415からはステップS411に戻る。
【0049】
ステップS417では、n+1番目の施設名称のデータが表示画面20に表示されているかどうかを判定する。n+1番目の施設名称のデータが表示画面20に表示されている場合は(ステップS417:YES)、ステップS421に移行する。n+1番目の施設名称のデータが表示画面20に表示されていない場合は(ステップS417:NO)、ステップS419に移行する。ステップS419では、リストをスクロールさせることによって表示画面20に表示している部分のリストを、n+1番目の施設名称のデータが存在する部分のリストに変更する。ステップS421では、n+1番目の施設名称のデータにカーソル21の位置を移動させる。
【0050】
ステップS423では、ステップS403にて判定された長押しが解除されたかどうかを判定する。長押しが解除された場合は(ステップS419:YES)、本リストスクロール処理サブルーチンを終了する。長押しが解除されずに継続している場合は(ステップS419:NO)、ステップS407に戻る。
【0051】
なお、本リストスクロール処理サブルーチンは下方向の方向キー22、若しくはスクロールスイッチ23が押下された場合について説明したが、上方向の方向キー22、若しくはスクロールスイッチ23が押下された場合においては、ステップS406において、1行分上に移動し、ステップS411、ステップS415、ステップS417、ステップS421において「n+1」を「n−1」に置換したものとすれば、略同様の処理が行われるので、説明は割愛する。
【0052】
以上のように本実施例によれば、ユーザは、方向キー22及びスクロールスイッチ23を長押しすることにより、検索文字列の次の文字が異なるデータを表示画面20に表示させ、そのデータまでカーソル21を移動させることができる。そのため、ユーザは、先頭文字が同一のデータのリストにおいても複数のデータの中から利便性よく所望のデータを特定することができる。
(変形例1)
本変形例においては、図7に示すように、リストのデータにおいて、検索文字列の次の文字が1つ上のデータと異なる場合、そのデータにおける検索文字列の次の文字の色、大きさ、若しくはその両方を変更する。これにより、ユーザはリストがスクロールされる基準を明確に把握できるとともに、リストにおいて検索文字列の次の文字が異なるデータの位置を容易に認識することができる。
(変形例2)
本実施例においては、図4(a)及び図4(b)に示すように、検索文字列の次の文字が異なるデータまでカーソル21を移動させる際に、検索文字列の次の文字が異なるデータが表示画面20上に存在する場合、そのデータに合うようにカーソル21を表示させる。これに対して本変形例においては、図8(a)乃至(c)に示すように、リストの下方向に検索文字列の次の文字が異なるデータまでカーソル21を移動させる場合、検索文字列の次の文字が異なるデータが、表示画面20に表示させるリストの1番上となるように表示させる。これにより、ユーザは複数のデータの中から利便性よく所望のデータを特定することができる。おな、リストの上方向に検索文字列の次の文字が異なるデータまでカーソル21を移動させる場合は、検索文字列の次の文字が異なるデータが、表示画面20に表示させるリストの1番下となるように表示させてもよい。
(変形例3)
本実施例においては、方向キー22及びスクロールスイッチ23を長押しすることにより、検索文字列の次の文字が異なるデータまでカーソル21を移動させる。これに対して本変形例においては、先頭文字ではない2文字目以降の文字において、同じ読みでも表記が異なるデータがリストに存在する場合、その表記文字が異なるデータまでカーソル21を移動させる。例えば、日本語においては、検索文字列を「かりや」と入力した場合、リストには「刈谷〜」や「刈屋〜」といったように、先頭文字ではない2文字目以降の文字が、読みは同じでも漢字等の表記文字が異なるデータが存在することがある。本変形例においては、「刈谷〜」のデータにカーソル21が位置している場合、方向キー22及びスクロールスイッチ23を長押しすることにより、「刈屋〜」のデータまでカーソル21を移動させる。具体的には、まず、文字列順にソートされたリストにおいて先頭文字が同一のデータ群を対象とし、そのデータ群のデータ同士において、何文字目に初めて異なる表記文字が存在するかを判定する。上記の例においては、「刈谷〜」と「刈屋〜」のデータが含まれるので、2文字目に初めて異なる表記文字が存在すると判定される。そして、方向キー22及びスクロールスイッチ23が長押しされると、その判定された文字目において、表示文字が異なるデータまでカーソル21を移動させる。
【0053】
本変形例によれば、例えば、リストに同じ読みでも漢字等の表記文字が異なる場合においても、その表記文字が異なるデータまでカーソル21を移動させることができるため、ユーザは複数のデータの中から利便性よく所望のデータを特定することができる。
(変形例4)
本実施例においては、方向キー22及びスクロールスイッチ23を長押しすることにより、検索文字列の次の文字が異なるデータまでカーソル21を移動させる。これに対して本変形例においては、長押しではなく別のスイッチの押下することにより同様の処理を実現する。例えば、図9に示すように、表示画面20のタッチパネルにおけるスクロールスイッチ23付近にジャンプスクロールスイッチ24を設置するとよい。これにより、ユーザはより利便性よく所望のデータを探すことができる。
(その他の変形例)
本実施例においては、目的地を設定するために、施設名称から各種施設等を検索を実行する場合において説明したが、例えば、目的地を設定するためではなく施設情報等を確認するために検索を実行してもよい。この場合は、図5におけるステップS60にて、選択された施設において、施設データ12に記憶される施設情報を表示画面20に出力する。また、施設名称ではなく、例えば施設の住所等から検索を実行してもよい
また、本実施例においては、図3及び図4に示すように、文字列の先頭に検索文字列が存在するリストを例示したが、先頭文字が同一であれば、先頭ではなく文字列の途中に検索文字列を含むリストにおいても、検索文字列の次の文字が異なるデータまでカーソル21を移動させることも可能である。
【0054】
本発明は、上記の実施例及び変形例等に限定されることなく、本発明の技術的範囲に存在する限り、様々な形態を取り得る。
【符号の説明】
【0055】
10 カーナビゲーション装置
11 地図データ記憶部
15 操作スイッチ
14 表示装置
16 表示装置
18 リモコン
19 制御部
20 表示画面
21 カーソル
22 方向キー
23 スクロールスイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索対象となる文字列データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段を参照して、ユーザにより入力される検索文字列を含む文字列データを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された複数の文字列データを文字列順にソートしたリストを作成するリスト作成手段と、
前記リスト作成手段にて作成されたリストを部分的に表示する表示部と、
前記表示部に表示しているリストの表示箇所を変更するリストスクロール手段とを備えた検索装置であって、
前記リストスクロール手段は、前記表示部に表示しているリストにおける文字列データに対し前記検索文字列の次の文字が同一の文字列データをとばして、前記検索文字列の次の文字が異なる文字列データを前記表示部に表示するように、前記表示部に表示しているリストの表示箇所を変更することを特徴とする検索装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検索装置において、
ユーザにより下方向若しくは上方向が出力されたかどうかを判定する出力方向判定手段とを備え、
前記リストスクロール手段は、前記出力方向判定手段により下方向が出力されたと判定された場合には、前記ソートされたリストの下方向に前記リストの表示箇所を変更し、前記出力方向判定手段により上方向が出力されたと判定された場合には、前記ソートされたリストの上方向に前記リストの表示箇所を変更することを特徴とする検索装置。
【請求項3】
請求項1若しくは2に記載の検索装置において、
前記表示部に表示しているリストにおける文字列データに対し、前記検索文字列の次の文字が前記文字列データの1つ上の文字列データと異なる場合、前記文字列データを強調して表示する強調表示手段を備えることを特徴とする検索装置。
【請求項4】
請求項3に記載の検索装置において、
前記強調表示手段は、前記文字列データに含まれる検索文字列の次の文字の大きさ、表示色、若しくはその両方を変更して表示することにより前記文字列データを強調することを特徴とする検索装置。
【請求項5】
請求項1乃至4に記載の検索装置において、
前記リストスクロール手段は、前記表示部に表示しているリストにおける文字列データに対し前記検索文字列の次の文字が異なる文字列データを前記表示部に表示するリストの最上部に表示するように、前記表示部に表示しているリストの表示箇所を変更することを特徴とする検索装置。
【請求項6】
検索対象となる文字列データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段を参照して、ユーザにより入力される検索文字列を含む文字列データを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された複数の文字列データを文字列順にソートしたリストを作成するリスト作成手段と、
前記リスト作成手段にて作成されたリストを表示する表示部と、
前記表示部に表示されるリストにおける1つの文字列データを選択していることを示すように前記文字列データを強調させるデータ強調手段と、
前記データ強調手段により強調されている文字列データとは別の文字列データを前記データ強調手段により強調させるデータ強調移動手段とを備えた検索装置であって、
前記データ強調移動手段は、前記データ強調手段により強調されている文字列データに対し前記検索文字列の次の文字が同一の文字列データをとばして、前記検索文字列の次の文字が異なる文字列データを、前記データ強調手段により新たに強調させることを特徴とする検索装置。
【請求項7】
請求項6に記載の検索装置において、
ユーザにより下方向若しくは上方向が出力されたかどうかを判定する出力方向判定手段とを備え、
前記データ強調移動手段は、前記出力方向判定手段により下方向が出力されたと判定された場合には、前記ソートされたリストの下方向に存在する文字列データを前記データ強調手段により新たに強調させ、前記出力方向判定手段により上方向が出力されたと判定された場合には、前記ソートされたリストの上方向に存在する文字列データを前記データ強調手段により新たに強調させることを特徴とする検索装置。
【請求項8】
請求項6若しくは7に記載の検索装置において、
前記表示部に表示しているリストの表示箇所を変更するリストスクロール手段を備え、
前記表示部は、前記リスト作成手段にて作成されたリストを部分的に表示し、
前記リストスクロール手段は、前記データ強調手段により強調されている文字列データに対し前記検索文字列の次の文字が同一の文字列データをとばして、前記検索文字列の次の文字が異なる文字列データを前記表示部に表示するように、前記表示部に表示しているリストの表示箇所を変更することを特徴とする検索装置。
【請求項9】
請求項8に記載の検索装置において、
前記リストスクロール手段は、前記データ強調手段により強調されている文字列データに対し前記検索文字列の次の文字が異なる文字列データが前記表示部に表示されている場合は、前記表示部に表示しているリストの表示箇所を変更しないことを特徴とする検索装置。
【請求項10】
請求項6乃至9に記載の検索装置において、
前記表示部に表示しているリストにおける文字列データに対し、前記検索文字列の次の文字が前記文字列データの1つ上の文字列データと異なる場合、前記文字列データを強調して表示する強調表示手段を備えることを特徴とする検索装置。
【請求項11】
請求項10に記載の検索装置において、
前記強調表示手段は、前記文字列データに含まれる検索文字列の次の文字の大きさ、表示色、若しくはその両方を変更して表示することにより前記文字列データを強調することを特徴とする検索装置。
【請求項12】
請求項6乃至11に記載の検索装置において、
前記リストスクロール手段は、前記データ強調手段により強調されている文字列データに対し前記検索文字列の次の文字が異なる文字列データを前記表示部に表示するリストの最上部に表示するように、前記表示部に表示しているリストの表示箇所を変更することを特徴とする検索装置。
【請求項13】
検索対象となる文字列データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段を参照して、ユーザにより平仮名にて入力される検索文字列を読みに含む文字列データを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された複数の文字列データを読み及び表記文字の種別に基づいてソートしたリストを作成するリスト作成手段と、
前記リスト作成手段にて作成されたリストを表示する表示部と、
前記表示部に表示されるリストにおける1つの文字列データを選択していることを示すように前記文字列データを強調するデータ強調手段と、
前記データ強調手段により強調されている文字列データとは別の文字列データを前記データ強調手段により強調させるデータ強調移動手段とを備えた検索装置であって、
前記ソートされたリストにおいて、検索文字列部分に該当する表記文字の先頭文字が同一で、且つ、検索文字列部分に該当する表記文字の2文字目以降が異なる異表記文字列データが存在するか否かを判定する異表記判定手段を備え、
前記異表記判定手段により、前記異表記文字列データが存在すると判定された場合、データ強調移動手段は、前記データ強調手段により強調されている文字列データに対し検索文字列部分に該当する表記文字が同一の文字列データをとばして、前記異表記文字列データを前記データ強調手段により新たに強調させることを特徴とする検索装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−141725(P2011−141725A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−1844(P2010−1844)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】