説明

ナビゲーション装置

【課題】施設情報(POI情報)を最適なタイミングで更新することができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置10の更新情報取得部28は、施設情報検索部24によって前記施設情報が所定範囲に絞られたことをトリガとして、前記所定範囲内の施設情報の更新情報を取得する。施設情報検索部24によって施設情報が所定範囲に絞られたことをトリガとして、当該所定範囲内の施設情報の更新情報を取得することで、施設情報を最適なタイミングで更新することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、位置情報と連動したデジタルコンテンツである施設情報、いわゆるPOI(Point Of Interest)情報の更新を適宜に行うナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、レストランあるいはレジャー施設等のジャンルを指定して車載ナビゲーション装置から情報センタへジャンル検索要求(施設検索要求)を行うと、情報センタでは、検索要求に応じて施設情報データベースを検索し、指定されたジャンル中、利用頻度の高い施設順に検索結果を車両のナビゲーション装置に送信するとともに、情報センタ内の施設情報データベースの目的地に設定された施設の利用頻度を更新するようにした通信型ナビゲーション装置が提案されている(特許文献1)。
【0003】
この特許文献1に係る通信型ナビゲーション装置では、ジャンル検索要求の際には、検索エリア(検索地域)を指定するが、検索エリアの指定のない場合には、車両位置から所定距離以内(例えば30km以内)を検索対象とすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−50135号公報([0002]、[0009]、[0020]、図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術に係る通信型ナビゲーション装置では、ジャンル検索要求時に、毎回、情報センタからジャンル検索リスト及び施設情報を取得するため、通信のコストがかかるとともに、検索結果の施設情報を表示部に表示してユーザに提示するまでの時間がかかるという問題がある。
【0006】
この発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、施設情報(POI情報)を最適なタイミングで更新することを可能とするナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【0007】
また、この発明は、検索に対応する施設情報の表示部への表示までの時間を短時間にすることを可能とするとともに、施設情報を取得する通信コストを低減することを可能とするナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るナビゲーション装置は、施設情報を含む地図データを記憶する地図データ記憶部と、ユーザの入力に応じて、前記施設情報を検索して絞り込む施設情報検索部と、前記施設情報検索部によって絞り込まれた施設情報を表示する表示部と、前記施設情報の更新情報を取得する更新情報取得部と、前記更新情報取得部によって取得された前記更新情報を用いて、前記地図データ記憶部の施設情報を更新する地図データ更新部と、を有するナビゲーション装置であって、前記更新情報取得部は、前記施設情報検索部によって前記施設情報が所定範囲に絞られたことをトリガとして、前記所定範囲内の施設情報の更新情報を取得することを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、施設情報検索部によって施設情報が所定範囲に絞られたことをトリガとして、当該所定範囲内の施設情報の更新情報を取得するようにしたので、施設情報を最適なタイミングで更新することができる。
【0010】
この場合、前記表示部は、前記施設情報検索部によって前記施設情報が所定範囲に絞られたとき、前記所定範囲内における前記地図データ記憶部に格納されている既存の施設情報を表示し、その後、前記更新情報取得部により更新情報が取得されると、更新情報により更新された最新の施設情報を表示するようにすることで、検索に対応する施設情報の表示部への表示が短時間に行えるとともに、最新の施設情報を確実に表示させることができる。また、地図データ記憶部に格納されている既存の施設情報を表示部に表示するようにしたので、その分、地図データ配信センタ等から施設情報を取得する通信コストを低減することができる。
【0011】
なお、前記更新情報取得部は、前記施設情報の内、施設名称を先に取得し、その後に詳細情報を取得するようにすることで、ユーザは、施設名称を詳細情報に先んじて表示により確認することができるので利便である。
【0012】
また、前記更新情報取得部は、ユーザの操作状態に応じて前記詳細情報を順次取得するようにすることで、ユーザの欲する詳細情報を優先的に取得して、ユーザに提示することができる。
【0013】
さらに、前記所定範囲は、前記施設情報のジャンル、及びエリアが特定された範囲とすることが好ましい。
【0014】
さらにまた、前記更新情報取得部は、前記更新情報を外部から取得するようにすることで、簡易に適当な時に更新情報を取得することができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば、施設情報(POI情報)を最適なタイミングで更新できる。また、検索に対応する施設情報の表示部への表示までの時間を短時間にすることができる。さらに、施設情報を取得する通信コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】この実施形態に係るナビゲーション装置が適用された地図データ更新システムのシステム図である。
【図2】この実施形態に係るナビゲーション装置の詳細な構成を含む車両のブロック図である。
【図3】施設情報の表示・更新処理の説明に供されるフローチャートである。
【図4】施設情報の表示・更新処理の説明に供されるシーケンス図である。
【図5】図5Aは、目的地設定画面の説明図である。図5Bは、施設ジャンル選択画面の説明図である。図5Cは、エリア選択画面の説明図である。
【図6】図6Aは、検索結果画面の説明図である。図6Bは、情報取得時画面の説明図である。図6Cは、詳細情報取得中画面の説明図である。
【図7】詳細情報画面の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の一実施形態に係るナビゲーション装置について図面を参照して説明する。
【0018】
図1は、この実施形態に係るナビゲーション装置10に収容されたハードディスク等の記憶部に記憶された地図データを更新する地図データ更新システム14の構成例を示している。
【0019】
この地図データ更新システム14は、ナビゲーション装置10及び通信端末16を搭載した車両12と、移動通信網18と、地図データ(更新地図データ)が格納されたサーバ21を備える地図データ配信センタ(更新地図データ配信センタともいう。)20とから構成されている。
【0020】
車両12内のユーザの鞄あるいはポケット等に収納されている携帯電話等の通信端末16は、無線等でナビゲーション装置10に接続されるとともに図示しない基地局を含む移動通信網18を通じて地図データ配信センタ20に無線接続される。この実施形態に係る通信端末16は、電話機能とともにデータ通信機能を備える。
【0021】
図2は、ナビゲーション装置10の詳細な構成を示す車両12のブロック図である。
【0022】
図2から分かるように、ナビゲーション装置10は、ナビゲーション装置本体11と、このナビゲーション装置本体11に接続される入力装置34、ディスクドライブ(記録媒体読取装置)35、表示部(モニタ、ディスプレイ)32、スピーカ(音声出力装置)36、GPS装置38、振動ジャイロ39及び車速センサ40と、を備える。通信端末16は、ナビゲーション装置本体11にBluetoothにより無線で接続されている。通信端末16とナビゲーション装置本体11とを、有線で接続することもできる。
【0023】
ここで、表示部32は、後述する施設又は施設情報(POI情報)を地図上に表示する液晶表示器等から構成され、入力装置34は、例えば、その表示部32上のタッチスクリーン等により構成される。ディスクドライブ35は、例えば、施設情報を含む地図データが記録された記録媒体であるCD、DVD、BD等の各ディスクを再生することができる。
【0024】
ナビゲーション装置本体11は、マイクロコンピュータを含む計算機であり、CPU(中央処理装置)、メモリ(記憶部)であるROM(EEPROMも含む。)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、及びHDD、その他、A/D変換器、D/A変換器等の入出力装置、及び計時手段としてのタイマ等を有しており、CPUがROMに記録されているプログラムを読み出し実行することで各種機能実現部(機能実現手段)、例えば制御部、演算部、処理部等として機能する。
【0025】
ナビゲーション装置本体11は、施設情報を含む地図データを記憶する地図データ記憶部22を備える。
【0026】
また、ナビゲーション装置本体11は、より具体的な機能実現部として、ユーザによる入力装置34の操作入力に応じて表示部32に表示する施設情報を検索して絞り込む施設情報検索部24と、前記施設情報の更新情報を取得する更新情報取得部28と、更新情報取得部28によって取得された更新情報を用いて、地図データ記憶部22の施設情報を更新する地図データ更新部30と、施設情報検索部24によって前記施設情報が所定範囲に絞られたとき、前記所定範囲内における地図データ記憶部22に格納されている既存の施設情報を表示し、その後、更新情報取得部28により更新情報が取得されると、更新情報により更新された最新の施設情報を表示するようにする表示制御部(施設情報表示制御部)26と、を有する。
【0027】
ナビゲーション装置10は、地図データ記憶部22に記録されている地図データに基づいて、入力装置34を通じてユーザにより設定された目的地までの推奨経路を探索し、その推奨経路に従って車両12を誘導することにより、目的地までユーザを案内する。
【0028】
地図データ更新システム14では、図1に示すように、地図データ配信センタ20においてサーバ21から読み出されて地図データ配信センタ20から送信され、移動通信網18を経由し通信端末16を通じて受信される地図データ(施設情報を含む地図データ)によって、ナビゲーション装置10の地図データ記憶部22に記憶されている地図データを、部分的に更新することができる。
【0029】
図2に示すように、ナビゲーション装置10は、現在地検出装置(現在位置検出装置)42を備える。現在地検出装置42は、自車両12の現在地を検出する装置であり、例えば、自車両12の進行方位を検出する振動ジャイロ39、車速を検出する車速センサ40、GPS衛星からのGPS信号を検出するGPS装置38等から構成される。
【0030】
ナビゲーション装置10は、この現在地検出装置42により検出された自車両12の現在地に基づいて、推奨経路を探索するときの経路探索開始点を決定することができる。
【0031】
地図データ配信センタ20のサーバ21及びナビゲーション装置10の地図データ記憶部22に記録されている地図データには、推奨経路を演算するために用いられる経路計算データや、交差点名称、道路名称など、推奨経路に従って自車両を目的地まで案内するために用いられる経路誘導データ、道路形状を表す道路データ、さらには海岸線や河川、鉄道、建物など、道路以外の地図形状を表す背景データなどが含まれている。
【0032】
また、サーバ21及び地図データ記憶部22に記録されている地図データには、施設情報(POI)の名称や位置、ジャンル(種類)、電話番号などを表す施設情報(POIデータともいう。)も含まれている。
【0033】
前記道路データにおいて、道路区間を表す最小単位はリンクと呼ばれている。すなわち、各道路は所定の道路区間ごとに設定された複数のリンクによって構成されている。なお、リンクによって設定される道路区間の長さは異なっており、リンクの長さは一定ではない。リンク同士を接続している点はノードと呼ばれ、このノードはそれぞれに位置情報(座標情報)を有している。また、リンク内にはノードとノードの間に形状補間点と呼ばれる点が設定されていることもある。形状補間点もノードと同じく、それぞれに位置情報(座標情報)を有している。このノードと形状補間点の位置情報によって、リンク形状、すなわち道路の形状が決定される。経路計算データには、上記の各リンクに対応して、自車両の通過所要時間を表すためのリンクコストと呼ばれる値が設定されている。
【0034】
上述したように入力装置34におけるユーザの操作によって目的地が設定されると、現在地検出装置42により検出された現在地を経路探索開始点として、設定された目的地までの経路演算が経路計算データに基づいて所定のアルゴリズムにより行われ、目的地までの経路が求められる。そして、求められた推奨経路付近の地図が表示部32に表示され、推奨経路に従って右左折の指示などが適宜行われる。
【0035】
基本的には以上のように構成されかつ動作するナビゲーション装置10について、次に、図3に示すナビゲーション装置本体11のフローチャート及び図4のシーケンス図を参照し、施設情報の更新処理(施設情報を含む地図データの更新処理)について説明する。
【0036】
ステップS1及びシーケンスSQ1において、ユーザによる入力装置34の操作により目的地設定が選択乃至開始されると、表示制御部26は、ステップS2及びシーケンスSQ2において、地図データ記憶部22を参照し、図5Aに示す目的地設定画面52を表示部32上に表示させる。
【0037】
目的地設定画面52において、強調表示している「検索して探す」ボタン54が押されると、「施設ジャンル」ボタン56等が表示される。
【0038】
次いで、ステップS3において、目的地設定画面52上で「施設ジャンル」ボタン56が押されると、シーケンスSQ3に示すように、施設ジャンル検索選択を実行する旨がナビゲーション装置本体11に伝えられ、施設情報検索部24及び表示制御部26は、ステップS4及びシーケンスSQ4において、地図データ記憶部22を参照して、図5Bに示すように、施設ジャンルの項目リスト(施設ジャンル項目リスト)58を表示する施設ジャンル選択画面60を表示部32上に表示させる。
【0039】
次いで、ステップS5及びシーケンスSQ5において、施設ジャンル選択画面60上で、特定の施設ジャンルの選択がなされると、ここでは、「ホテル」ボタン62が押されて、施設ジャンル「ホテル」が選択されたとすると、施設情報検索部24及び表示制御部26は、ステップS6及びシーケンスSQ6において、図5Cに示すエリア選択(地域選択)画面64を表示部32上に表示させる。この実施形態において、エリア選択の最小単位は、都道府県単位の選択になっているが、もっと狭めた単位(市、群、町等)としてもよく、広げた単位(関東、東北等)でもよい。
【0040】
図5Cに示すように、施設ジャンルのエリア選択画面64上では、現在地検出装置42により検出された自車両の現在地を含む都道府県、図5C例では「栃木県」が地図65上で強調表示されている。
【0041】
次いで、ステップS7及びシーケンスSQ7において、エリア選択画面64上で所望のエリアが選択される(この実施形態では、エリア選択画面64がスクロールされて「東京都」が選択されたものとする。)と、換言すれば、施設情報検索部24によって施設情報の範囲が所定範囲(所定エリア、所望エリアで、ここでは、「東京都」)に絞られると、ステップS8及びシーケンスSQ8において、施設情報検索部24は、この所定範囲に対応して、地図データ記憶部22に既に記録されている施設情報中の項目情報(この実施形態では名称情報)であるホテル名のリストを検索して、図6Aに示すような東京都のホテルの項目情報リスト66(既存項目情報リスト)として表示部32に表示させる。
【0042】
なお、この実施形態において、施設情報は、項目情報(名称情報)と各項目の詳細を説明する詳細情報とから構成されている。
【0043】
項目情報リスト66が表示される際には、デフォルト(初期設定)で、強調表示される「あ」行の「アアホテル蒲田」を目的地68として含む地図70も併せて表示する。
【0044】
次いで、ステップS9及びシーケンスSQ101において、更新情報取得部28又はサーバ21によって、施設情報の更新の必要性有無が判定される。
【0045】
サーバ21により、施設情報の更新の必要性の有無を判定する場合には、ステップS9及びシーケンスSQ101において、ナビゲーション装置10の更新情報取得部28は、通信端末16及び移動通信網18を通じて地図データ配信センタ20に、所定範囲である所定エリア(ここでは、「東京都」)内の所定ジャンル(ここでは、「ホテル」)毎に、前回、いつ情報を受信したかをサーバ21に通知する。すなわち、更新情報取得部28は、施設情報の更新履歴を地図データ記憶部22に記録している。
【0046】
この場合、サーバ21は、条件1として、前回の施設情報の取得時(取得タイミング)からの経過期間と当該経過期間の閾値(閾値経過期間)とを比較することにより、条件2として、前回の施設情報の取得時から今回の通知時との間に当該サーバ21に施設情報の更新情報が入手されていたか否かを確認することにより、施設情報の更新の必要性の有無を判定する。なお、閾値経過期間は、例えば1ヶ月等に設定される。
【0047】
サーバ21は、上記の条件1及び条件2を両方とも満たしていたとき、すなわち、前回の施設情報の取得時からの経過期間が閾値経過期間を過ぎていて、かつサーバ21に施設情報の更新情報が入手されていた場合には、施設情報の更新の必要性があると判定し、シーケンスSQ102で、施設情報の項目情報である施設の最新名称リストをナビゲーション装置本体11の更新情報取得部28に詳細情報に先立ち送信する。
【0048】
更新情報取得部28によりステップS9の閾値経過期間を過ぎているか否かを判定する場合には、閾値経過期間を更新情報取得部28に記録しておけばよい。
【0049】
次いで、更新情報取得部28は、ステップS10において施設情報の項目情報の受信中には、図6Bに示すように、「最新の情報を取得しています」とメッセージ表示72を行い、項目情報を受信すると、当該施設情報の項目情報である施設の最新名称リストを、ステップS11及びシーケンスSQ9による処理にて地図データ記憶部22で既存の施設情報にマージ(追加、更新)するとともに、表示部32上の項目情報リスト66に最新施設をマージして、図6Cに示すように、更新後の項目情報リスト66aとして表示する。
【0050】
なお、サーバ21は、1ヶ月以内に前回更新している、又は、更新情報が無いことにより、施設情報の更新の必要性が無いと判定した場合には、シーケンスSQ102において、地図データ配信センタ20から更新不要との判定結果を、移動通信網18を通じてナビゲーション装置10の更新情報取得部28に通知する。このときには、ステップS10の判定処理である、項目受信有りの判定が否定的とされる。
【0051】
シーケンスSQ102及びステップS10で最新施設の名称リストを受信した合(項目情報受信有りの場合)、更新情報取得部28は、図6Cに示したように、最新施設をマージして項目情報リスト66aとして表示する。
【0052】
図6Cにおいて、マージされた項目、すなわち、追加・更新がある項目は、当該項目の先頭に星印を付ける等、強調表示(ここでは、赤坂ホテルと浅草イイホテルを強調表示している。)を行うようにすることが好ましい。
【0053】
このように、サーバ21から受信した項目情報と地図データ記憶部22に格納している項目情報をマージして表示する際には、通信に時間がかかるので、上述したように、ステップS8において地図データ記憶部22(ナビゲーション装置10)に格納している既存の項目情報を先に表示する(図6A、図6B)。
【0054】
次いで、図6Cに示すように、「詳細情報を取得中です しばらくお待ちください」のメッセージ表示78がなされる。
【0055】
メッセージ表示78の表示中あるいは表示が消えた後に、例えば、ステップS12及びシーケンスSQ10において、項目情報リスト66a中、例えば、項目情報が更新されている「浅草イイホテル」ボタン80が押されると(選択されると)、まず、ステップS13において、地図データ記憶部22に記録されている既存の詳細情報が、図7に示すように詳細情報画面84としてまず表示され、シーケンスSQ104で、「浅草イイホテル」についての詳細情報の優先送信要求がサーバ21に対してなされる。
【0056】
そして、ステップS14及びシーケンスSQ103又はSQ105で項目「浅草イイホテル」の詳細情報の取得を完了したときには、ステップS15及びシーケンスSQ11にて、詳細情報がマージして表示される。シーケンスSQ105では、シーケンスSQ104の詳細情報優先送信要求に係る詳細情報が優先して送信された後、残りの詳細情報が順次送信される。
【0057】
このように、詳細情報は、シーケンスSQ103に示すように、基本的には、順次送受信(地図データ配信センタ20から送信、ナビゲーション装置10で受信)され、送信(受信)の順序は、図6Bに示すように、カーソル表示(強調表示)されているくくり(図6B例では「あ」行)で最初に行われる。この順次送信の途中で、「浅草イイホテル」ボタン80等を押すことによる新たな項目の選択がなされた場合には(ステップS12;YES)優先され、この詳細情報の優先送受信がなされた後(シーケンスSQ104、SQ105)、また、あいうえお順の順次送信(SQ105)にもどるようになっている。
【0058】
なお、図6Cに示しているメッセージ表示78の表示中あるいは表示が消えた後に、東京都のホテルの項目情報リスト66aが表示部32に表示されている状態において、ユーザの記憶にあって興味のあるホテル名、例えば「サ−ホテル」の最新情報を優先的に取得したいとき、当該ユーザは、項目情報リスト66a中の「さ」行のボタンを押すことにより、「さ」行にカーソル表示が移り、カーソル表示されているくくり、すなわち「さ」行の詳細情報から優先的に順次取得するようにすることができる。
【0059】
もちろん、図6A及び図6Bに示している東京都のホテルの項目情報リスト66が表示部32に表示されている状態において、当該ユーザが、項目情報リスト66中の「さ」行のボタンを押すことにより、「さ」行にカーソル表示が移り、カーソル表示されているくくり、すなわち「さ」行の詳細情報から優先的に順次取得するように変更することもできる。
【0060】
以上説明したように、上述した実施形態に係るナビゲーション装置10は、施設情報(POI情報)を含む地図データを記憶する地図データ記憶部22と、ユーザの入力に応じて、前記施設情報を検索して絞り込む施設情報検索部24と、施設情報検索部24によって絞り込まれた施設情報を表示する表示部32と、前記施設情報の更新情報を取得する更新情報取得部28と、更新情報取得部28によって取得された前記更新情報を用いて、地図データ記憶部22の施設情報を更新する地図データ更新部30と、を有するナビゲーション装置10であって、更新情報取得部28は、施設情報検索部24によって前記施設情報が所定範囲(上述の実施形態では、施設ジャンルがホテルでかつエリアが東京都)に絞られたことをトリガとして、前記所定範囲内の施設情報の更新情報を取得するようにしている。
【0061】
このように、施設情報検索部24によって施設情報が所定範囲に絞られたことをトリガとして、当該所定範囲内の施設情報の更新情報を取得するようにしたので、施設情報を最適なタイミングで更新することができる。換言すれば、更新情報を取得するまでの通信時間を気にすることなく、最適なタイミングで施設情報を更新することができる。
【0062】
この場合、表示部32は、施設情報検索部24によって前記施設情報が所定範囲に絞られたとき、前記所定範囲内における地図データ記憶部22に格納されている既存の施設情報を表示し、その後、更新情報取得部28により更新情報が取得されると、更新情報により更新された最新の施設情報を表示するようにすることで、検索に対応する施設情報の表示部32への表示が短時間に行えるとともに、最新の施設情報を確実に表示させることができる。また、地図データ記憶部22に格納されている既存の施設情報を表示部32に表示するようにしたので、その分、施設情報を取得する通信コストを低減することができる。
【0063】
なお、更新情報取得部28は、前記施設情報の内、項目情報である施設名称を先に取得し、その後に詳細情報を取得するようにすることで、ユーザは、施設名称を詳細情報に先んじて表示により確認することができるので利便である。
【0064】
また、更新情報取得部28は、ユーザの操作状態に応じて前記詳細情報を順次取得するようにすることで、ユーザの欲する詳細情報を優先的に取得して、ユーザに提示することができる。
【0065】
上記のように、所定範囲は、施設情報のジャンル、及びエリアが特定された範囲とすることが好ましい。すなわち、施設検索によって、ジャンル及びエリアが絞りこまれると、既存の施設情報リストをユーザに提示すると同時に、前記ジャンル及びエリアに該当する施設名称(項目情報)の更新情報の取得を開始し、施設名称の更新情報が取得できた時点で施設情報リストを更新し(表示も更新し)、その後、ユーザの操作状態に応じて詳細情報の更新情報を順次更新することで、更新情報を取得するまでの通信時間を気にすることなく、最適なタイミングで施設情報を更新することができる。
【0066】
さらに、更新情報取得部28は、前記更新情報を外部、上述の実施形態では、地図データ配信センタ20から取得するようにすることで、簡易に適当な時に更新情報を取得することができる。
【0067】
すなわち、上述した実施形態によれば、施設情報(POI情報)を最適なタイミングで更新することができる。また、検索に対応する施設情報の表示部32への表示を短時間にすることができる。さらに、施設情報を取得する通信コストを低減することができる。さらにまた、ユーザの欲する最新の施設情報を優先的に取得することができる。
【0068】
なお、この発明は、上述の実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【符号の説明】
【0069】
10…ナビゲーション装置 11…ナビゲーション装置本体
12…車両 14…地図データ更新システム
16…通信端末 18…移動通信網
20…地図データ配信センタ 21…サーバ
22…地図データ記憶部 24…施設情報検索部
26…表示制御部 28…更新情報取得部
30…地図データ更新部 32…表示部
34…入力装置 42…現在地検出装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設情報を含む地図データを記憶する地図データ記憶部と、
ユーザの入力に応じて、前記施設情報を検索して絞り込む施設情報検索部と、
前記施設情報検索部によって絞り込まれた施設情報を表示する表示部と、
前記施設情報の更新情報を取得する更新情報取得部と、
前記更新情報取得部によって取得された前記更新情報を用いて、前記地図データ記憶部の施設情報を更新する地図データ更新部と、
を有するナビゲーション装置であって、
前記更新情報取得部は、
前記施設情報検索部によって前記施設情報が所定範囲に絞られたことをトリガとして、前記所定範囲内の施設情報の更新情報を取得する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記表示部は、
前記施設情報検索部によって前記施設情報が所定範囲に絞られたとき、前記所定範囲内における前記地図データ記憶部に格納されている既存の施設情報を表示し、その後、前記更新情報取得部により更新情報が取得されると、更新情報により更新された最新の施設情報を表示する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記更新情報取得部は、
前記施設情報の内、施設名称を先に取得し、その後に詳細情報を取得する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3に記載のナビゲーション装置において、
前記更新情報取得部は、
ユーザの操作状態に応じて前記詳細情報を順次取得する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、
前記所定範囲は、
前記施設情報のジャンル、及びエリアが特定された範囲である
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のナビゲーション装置において、
前記更新情報取得部は、
前記更新情報を外部から取得する
ことを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−149728(P2011−149728A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−9168(P2010−9168)
【出願日】平成22年1月19日(2010.1.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】