説明

ナビゲーション装置

【課題】経路探索がなされておらず、道路の分岐点からいずれの方向の道路へも進行する可能性がある場合でも、ユーザが所望する範囲の周辺施設検索が可能となるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】制御部7は、車両が次に到達する分岐点を抽出し、現在位置から抽出された分岐点までの距離を算出し、算出された距離が所定距離以上であるか否かを判定し、判定結果に応じて検索基準地点を決定し、決定された検索基準地点を含む検索条件を通信部6を介してサーバ20に送信し、サーバ20に周辺施設検索をさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置による周辺施設検索に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、様々な周辺施設検索機能を有するナビゲーション装置が開発されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、経路探索がなされていない場合、車両の現在位置を支点として車両進行方向に対して所定角度(例えば±45度)で、かつ所定半径(例えば、2km)以内の扇形領域の範囲で施設を検索する車両用ナビゲーション装置が開示されている。これにより、検索された周辺施設に向かう際には既に通過した道路を戻ることがないようにしているとされている。
【0004】
また、例えば、特許文献2には、経路探索された経路上であって現在位置から目的地までの間に存在する交差点の中から現在位置近傍の交差点を検索し、検索された交差点の名称を出力し、出力された交差点名称がユーザにより選択されると、選択された交差点の近傍に存在する施設を検索するカーナビゲーション装置が開示されている。これにより、交差点周辺の施設に関する情報を簡単な操作で提示できるとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−266757号公報(第5図)
【特許文献2】特開2006−78430号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、経路探索がなされていない場合は、交差点の近くに車両が位置するとき車両は交差点からいずれの方向の道路へも進行する可能性があり、例えば交差点を左右のいずれかに曲がるような場合、上記特許文献1では交差点を曲がる前の進行方向に基づき扇形領域の施設検索が行われるので、左右に曲がった後の進行方向を考慮した周辺施設検索ができない。
【0007】
また、上記特許文献2では、経路探索されていることが前提であり、経路探索がなされていない場合については記載されていない。
【0008】
上記問題点を鑑み、本発明は、経路探索がなされておらず、道路の分岐点からいずれの方向の道路へも進行する可能性がある場合でも、ユーザが所望する範囲の周辺施設検索が可能となるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために本発明のナビゲーション装置は、現在位置を検出する現在位置検出部と、
進行方向を検出する進行方向検出部と、
道路データを記憶する道路データ記憶部と、
前記現在位置、前記進行方向並びに前記道路データに基づき、次に到達する分岐点を抽出する分岐点抽出部と、
前記現在位置と前記抽出された分岐点との距離を算出する距離算出部と、
前記算出された距離が所定距離以上か否かを判定する距離判定部と、
前記距離判定部の判定結果に応じて検索基準地点を決定する検索基準地点決定部と、を備え、
前記決定された検索基準地点を含む検索条件を外部サーバに送信し前記外部サーバに周辺施設検索を行わせる通信部および/または前記決定された検索基準地点に基づき周辺施設検索を行う周辺施設検索部をさらに備える構成としている。
【0010】
このような構成によれば、経路探索がなされておらず、現在位置が分岐点に近く、分岐点からいずれの方向の道路へも進行する可能性がある場合でも、適切に決定された検索基準地点によりユーザが所望する範囲の周辺施設検索が行える。また、現在位置が分岐点から遠い場合でも、適切に決定された検索基準地点によりユーザが所望する範囲の周辺施設検索が行える。
【0011】
また、上記構成において、前記算出された距離が前記所定距離以上でない場合、前記抽出された分岐点または前記現在位置と前回決定された検索基準地点との距離を算出する第2の距離算出部と、
前記第2の距離算出部により算出された距離が所定距離以上か否かを判定する第2の距離判定部と、を備え、
前記第2の距離判定部により前記算出された距離が前記所定距離以上でないと判定された場合、前記通信部は前記検索条件を前記外部サーバに送信しない、および/または前記周辺施設検索部は周辺施設検索を行わない構成としてもよい。
【0012】
このような構成によれば、今回抽出された分岐点または現在位置が前回の検索基準地点と近い場合、検索範囲が重複するので、無駄な周辺施設検索を防ぐことができる。
【0013】
また、本構成において、前記第2の距離判定部により前記算出された距離が前記所定距離以上であると判定された場合、前記検索基準地点決定部は、前記抽出された分岐点または前記現在位置に検索基準地点を決定する構成としてもよい。
【0014】
このような構成によれば、今回抽出された分岐点または現在位置が前回の検索基準地点から遠ければ、今回抽出された分岐点または現在位置を新たな検索基準地点に決定でき、新たな周辺施設検索を行える。
【0015】
また、本構成において、前記第2の距離判定部により前記算出された距離が前記所定距離以上でないと判定された場合、検索対象の施設種別が所定の施設種別に指定されているか否かを判定する施設種別判定部を備え、
前記所定の施設種別に指定されていると判定された場合、前記検索基準地点決定部は、前記抽出された分岐点または前記現在位置に検索基準地点を決定し、
前記所定の施設種別に指定されていないと判定された場合、前記通信部は前記検索条件を前記外部サーバに送信しない、および/または前記周辺施設検索部は周辺施設検索を行わない構成としてもよい。
【0016】
このような構成によれば、今回抽出された分岐点または現在位置が前回の検索基準地点と近い場合、検索範囲が重複するが、時間経過により変化し易い動的な情報に関連する所定の施設種別(例えば、満空情報に関連する駐車場など)が指定されていれば、今回抽出された分岐点または現在位置に新たな検索基準地点を決定し、最新の周辺施設検索を行える。また、上記所定の施設種別に指定されていない場合は、新たな検索を行う必要性が少ないので周辺施設検索は行わず、無駄な検索を防ぐことができる。
【0017】
また、上記いずれかの構成において、前記検索基準地点決定部は、前記距離算出部により算出された距離が前記所定距離以上でない場合、前記抽出された分岐点または前記現在位置に検索基準地点を決定する構成としてもよい。
【0018】
このような構成によれば、現在位置が分岐点に近く、分岐点からいずれの方向の道路へも進行する可能性がある場合でも、分岐点または現在位置に検索基準地点が決定されるので、ユーザが所望する範囲の周辺施設検索を行える。
【0019】
また、上記いずれかの構成において、移動速度を検出する速度検出部を備え、
前記検索基準地点決定部は、前記距離算出部により算出された距離が前記所定距離以上である場合、前記現在位置、前記進行方向並びに前記移動速度に基づき検索基準地点を決定する構成としてもよい。
【0020】
このような構成によれば、現在位置が分岐点から遠い場合に、検索に要する時間を考慮した適切な周辺施設検索が行える。
【発明の効果】
【0021】
本発明のナビゲーション装置によれば、経路探索がなされておらず、道路の分岐点からいずれの方向の道路へも進行する可能性がある場合でも、ユーザが所望する範囲の周辺施設検索が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】本発明に係る周辺施設検索処理の一例に関するフローチャートである。
【図3】検索基準地点の決定について説明するための図である。
【図4】本発明に係る周辺施設検索処理の別実施形態に関するフローチャートである。
【図5】図4の周辺施設検索処理の変形例に関するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の概略構成図である。
【0024】
図1に示すナビゲーション装置10は、車両に搭載され、現在位置検出部1と、地図記憶部2と、入力部3と、表示部4と、音声報知部5と、通信部6と、制御部7とを備えている。
【0025】
現在位置検出部1は、地球上空を周回している複数のGPS(Global Positioning System)衛星から時刻情報を含む電波を受信するGPS受信機、角速度を検出するジャイロセンサ、加速度を検出する加速度センサなどから構成され、車両の現在位置に加えて車両の進行方向、車両の走行速度を検出する。
【0026】
地図記憶部2は、道路の分岐地点等の結節点をノードとする道路ノードデータと、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとした道路リンクデータとからなる道路データと、地図画像と、を含む地図情報を記憶する。
【0027】
道路ノードデータには、道路ノード番号、位置座標、接続リンク本数、分岐地点名称等が含まれる他、分岐地点から所定距離だけ離れた案内地点において、右左折、直進等の経路案内を行う経路案内データおよび案内地点の位置座標が記憶される。
【0028】
また、道路リンクデータには、始点および終点となる道路ノード番号、道路種別、ノード間の距離情報であるリンク長(リンクコスト)、所要時間、車線数、車道幅などが含まれる。道路リンクデータには、さらに、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所等のデータが付与される。道路種別とは、高架道路と高架下道路との別、高速道路や有料道路の別、国道や都道府県道等の別を含む情報である。
【0029】
入力部3は、各種操作入力を行うための各種ハードキー、タッチパネルから構成される。
【0030】
表示部4は、地図画像や最適経路画像等、各種画像を表示して使用者が視認できるようにするためのものであり、液晶ディスプレイなどで構成される。
【0031】
音声報知部5は、経路案内における案内報知等、各種音声報知を行うものでありスピーカ等で構成される。
【0032】
通信部6は、ナビゲーション装置10外部のサーバ20との間で送受信を行う。サーバ20には、施設データが記憶されている。ここで、施設データは、駐車場やファミリーレストラン等の施設種別、施設名称、位置座標、詳細情報から構成され、詳細情報とは、例えば駐車場の満空情報やファミリーレストランの営業時間、お薦めメニュー情報などである。駐車場の満空情報等は、時間経過により変化し易い動的な情報となる。
【0033】
そして、通信部6からサーバ20へ検索条件が送信されると、サーバ20は、受信した検索条件と施設データとに基づき周辺施設検索を行い、検索結果を通信部6へ送信する。
【0034】
制御部7は、CPUおよびRAM/ROMからなるプロセッサで構成され、ROMに記録された制御プログラムにしたがってナビゲーション装置10の各部の動作を制御するものである。
【0035】
また、制御部7は、ユーザが入力部3を用いて目的地を入力すると、地図記憶部2に記憶されている地図情報を参照し、現在位置またはユーザによって指定された出発地から目的地に至る最適経路を探索する。最適経路の探索は、現在位置または出発地に対応する道路ノードから目的地に対応する道路ノードまでに至るリンクとノードをダイクストラ法等の各種の手法によって探索し、リンク長(リンクコスト)や所要時間等を累積し、総リンク長(走行距離)または総所要時間等が最短となる経路を最適経路とし、当該経路に属する道路ノードやリンクを最適経路データとして提供するものである。
【0036】
次に、本発明に係る周辺施設検索処理について、図2のフローチャートを用いて説明する。ここで、経路探索はなされていないものとする。
【0037】
表示部4に表示される施設種別リスト(駐車場、ファミリーレストラン等)から入力部3により施設種別が指定されると、図2のフローチャートが開始され、まずステップS21で、制御部7は、不図示のタイマをリセットする。
【0038】
そして、所定時間T(例えば、5分)を経過するまで(ステップS23のN)、制御部7は、現在位置検出部1から車両の現在位置、進行方向並びに速度を取得することを継続する(ステップS22)。なお、所定時間Tは、予め入力部3によりユーザが設定できるようにしてもよい。そして、所定時間Tが経過すると(ステップS23のY)、ステップS24に進む。
【0039】
ステップS24で、制御部7は、ステップS22で取得した現在位置および進行方向と、地図記憶部2に記憶された道路データに基づき、車両が到達可能な次の分岐点を抽出する。そして、ステップS25で、制御部7は、道路データに基づき、現在位置から抽出した分岐点までの距離を算出する。
【0040】
そして、制御部7は、算出された距離が所定距離(例えば、2km)以上であるか否かを判定し、もし所定距離以上であれば(ステップS26のY)、ステップS27に進む。
【0041】
ステップS27で、制御部7は、ステップS22で取得した現在位置、進行方向並びに速度に基づき、検索基準地点を決定する。より具体的には、現在位置から進行方向へ速度に応じた距離だけ進んだ地点を検索基準地点に決定する。ここで、速度に応じた距離とは、例えば、速度範囲と距離を対応させたテーブルを予め制御部7が有し、テーブルを参照して現在の速度に応じた距離を特定すればよい。テーブルにおける距離は、例えば、対応する速度範囲内の所定速度に、後述するサーバ20を使用した周辺施設検索の平均的な所要時間を乗算して求められる距離とする。これにより、後述するサーバを使用した周辺施設検索に要する時間を考慮した適切な地点を検索基準地点とできる。
【0042】
図3(A)で説明すれば、現在位置から分岐点までの距離L1が所定距離以上であるので、現在位置から進行方向へ速度に応じた距離Dだけ進んだ地点P1を検索基準地点と決定する。なお、上記テーブルを使用する代わりに、現在の速度に所定の検索時間を乗算して距離を算出するようにしてもよい。また、進行方向へ速度に応じた距離だけ進んだ地点とは、現在、車両が走行している道路を特定し、特定した道路上における進行方向へ速度に応じた距離だけ進んだ地点であることが好ましい。
【0043】
一方、ステップS26で、算出された距離が所定距離より短ければ(ステップS26のN)、ステップS28に進み、制御部7は、ステップS24で抽出した分岐点を検索基準地点に決定する。なお、分岐点ではなく、ステップS22で取得した現在位置を検索基準地点に決定するようにしてもよい。図3(B)で説明すれば、現在位置から分岐点P2までの距離L2が所定距離より短いので、分岐点P2を検索基準地点に決定する。なお、ステップS28において、ステップS22で取得した現在位置を検索基準地点に決定する場合、ステップS25で、算出された距離とは、検索条件に含まれる検索基準地点を中心とした円形の検索範囲の半径距離より短いことが好ましい。すなわち、現在位置を検索基準地点に決定する場合は、検索基準地点を中心とした円形の検索範囲内に分岐点が十分に含まれることが好ましい。
【0044】
ステップS27またはステップS28の後は、ステップS29に進み、制御部7は、周辺施設検索のための検索条件を通信部6を介してサーバ20に送信する。ここで、検索条件とは、例えば、決定した検索基準地点、検索基準地点を中心とした円形の検索範囲の半径距離、指定された施設種別並びに上限件数とすればよい。なお、検索範囲は円形に限らず、例えば矩形としてもよい。
【0045】
通信部6から検索条件を受信すると、サーバ20は、検索条件に基づき周辺施設検索を行い、検索結果を通信部6に送信する。検索結果は、例えば、施設名称、位置座標、詳細情報となる。
【0046】
そして、ステップS30で、制御部7は、通信部6を介して検索結果を取得し、ステップS31で、制御部7は、取得した検索結果に基づき検索結果を表示部4に表示させる。ここでの表示は、例えば、まず施設名称をリスト表示させ、入力部3により施設名称が選択されると、選択された施設の周辺地図と詳細情報(駐車場の満空情報、ファミリーレストランの営業時間等)を表示させるようにするとよい。また、現在位置周辺の地図表示において施設の位置にバルーン表示をさせ、バルーン表示を入力部3により選択すると詳細情報が表示されるようにしてもよい。
【0047】
そして、ステップS32で、ナビゲーション装置10の電源がオフにされていなければ(ステップS32のN)、ステップS21に戻り、オフにされていれば(ステップS32のY)、処理は終了となる(エンド)。なお、ステップS32であるか否かに係らずナビゲーション装置10の電源がオフにされれば、処理は終了となる。
【0048】
以上のような処理により、車両が分岐点の近傍に位置し分岐点に向かっている場合、現在位置から分岐点までの距離が所定距離より短くなり、分岐点または現在位置が検索基準地点に決定され、決定された検索基準地点周辺の施設が検索されるので、経路探索がなされておらず分岐点からいずれの方向の道路へも車両が進行する可能性があった場合でも、ユーザが所望する範囲の周辺施設検索が行える。
【0049】
また、車両が次の分岐点まで遠く離れている場合でも、検索時間を考慮した距離だけ現在位置から進行方向へ離れた地点を検索基準地点に決定し、決定された検索基準地点周辺の施設が検索されるので、ユーザが所望する範囲の周辺施設検索が行える。
【0050】
次に、本発明に係る周辺施設検索処理の別実施形態について、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0051】
本実施形態では、まず図2のステップS21からステップS31までの処理を行う。それから、ステップS32で装置の電源がオフでなければ、図4のフローチャートが開始される。
【0052】
図4のステップS41からステップS46までは、図2のステップS21からステップS26までと同様である。そしてもし、現在位置から抽出した分岐点までの算出された距離が所定距離より短ければ(ステップS46のN)、ステップS47に進み、制御部7は、前回決定した検索基準地点を読み出す。
【0053】
そして、ステップS48で、制御部7は、ステップS44で抽出した分岐点または現在位置と、読み出した前回の検索基準地点との距離を算出する。なお、ステップS28で現在位置を検索基準地点に決定する場合は、現在位置と前回の検索基準地点との距離を算出する。
【0054】
そして、ステップS49で、制御部7は、算出された距離が所定距離(例えば、100m)以上であるか否かを判定し、もし所定距離より短ければ(ステップS49のN)、ステップS50に進む。ステップS50で、制御部7は、所定の施設種別が指定されているか否かを判定する。ここで、所定の施設種別とは、満空情報等の動的な情報が関連する駐車場等の施設種別である。そして、もし所定の施設種別が指定されていなければ(ステップS50のN)、ステップS51に進み、制御部7は、前回取得した周辺施設検索結果に基づき検索結果を表示部4に表示させる。
【0055】
また、ステップS49で算出した距離が所定距離以上であるか(ステップS49のY)、ステップS50で所定の施設種別が指定されていれば(ステップS50のY)、ステップS52に進み、制御部7は、ステップS44で抽出した分岐点を検索基準地点に決定する。なお、ステップS28で現在位置を検索基準地点に決定する場合は、ここでも現在位置を検索基準地点に決定する。
【0056】
また、ステップS46で算出した距離が所定距離以上であれば(ステップS46のY)、ステップS53に進み、ステップS27と同様に制御部7は、現在位置、進行方向並びに速度に基づき検索基準地点を決定する。
【0057】
ステップS52またはステップS53の後は、ステップS54で、制御部7は、通信部6を介してサーバ20に検索条件を送信して周辺施設検索をさせ、ステップS55で、制御部7は、サーバ20から通信部6を介して検索結果を取得する。そして、ステップS56で、制御部7は、取得した検索結果に基づき検索結果を表示部4に表示させる。
【0058】
ステップS51またはステップS56の後は、ナビゲーション装置の電源がオフにされていなければ(ステップS57のN)、ステップS41に戻り、オフにされていれば(ステップS57のY)、処理は終了となる(エンド)。
【0059】
本実施形態によれば、抽出した分岐点または現在位置と前回の検索基準地点とが近ければ、検索範囲が重複するので、サーバ20に無駄な検索はさせずに前回取得した検索結果を表示することができる。また、抽出した分岐点または現在位置と前回の検索基準地点とが近くても、例えば動的な情報である満空情報に関連する駐車場等が指定されている場合は、最新の検索を行った方がよいので、サーバ20に検索をさせて最新の検索結果を表示させるようにしている。
【0060】
また、図4の処理の変形例を図5に示す。ここでは、ステップS45で算出された現在位置から分岐点までの距離が所定距離以上である場合(ステップS46のY)の処理が異なっている。
【0061】
まず、ステップS58に進み、制御部7は、前回決定した検索基準地点を読み出す。そして、ステップS59で、制御部7は、現在位置、進行方向並びに速度に基づき検索基準地点を決定する。次に、ステップS60で、制御部7は、決定した検索基準地点と前回の検索基準地点との距離を算出する。
【0062】
そして、ステップS61で、制御部7は、算出した距離が所定距離(例えば、100m)以上であるか否かを判定し、もし所定距離より短ければ(ステップS61のN)、ステップS62に進む。ステップS62で、制御部7は、所定の施設種別が指定されているか否かを判定する。ここで、所定の施設種別とは、満空情報等の動的な情報が関連する駐車場等の施設種別である。そして、もし所定の施設種別が指定されていなければ(ステップS62のN)、ステップS63に進み、制御部7は、前回取得した周辺施設検索結果に基づき検索結果を表示部4に表示させ、ステップS57に進む。
【0063】
また、ステップS61で算出した距離が所定距離以上であるか(ステップS61のY)、ステップS62で所定の施設種別が指定されていれば(ステップS62のY)、ステップS54に進み、制御部7は、検索条件を通信部6を介してサーバ20に送信する。
【0064】
本実施形態によれば、現在位置から抽出した分岐点までの距離が所定距離以上である場合に決定した検索基準地点と前回の検索基準地点とが近ければ、検索範囲が重複するので、サーバ20に無駄な検索はさせずに前回取得した検索結果を表示することができる。また、決定した検索基準地点と前回の検索基準地点とが近くても、例えば動的な情報である満空情報に関連する駐車場等が指定されている場合は、最新の検索を行った方がよいので、サーバ20に検索をさせて最新の検索結果を表示させるようにしている。
【0065】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨の範囲内であれば実施形態は種々変更可能である。
【0066】
例えば、以上の実施形態では、周辺施設検索は外部のサーバ20にさせるようにしたが、地図記憶部2に記憶された施設データに基づき制御部7が検索をするようにしてもよい。なお、周辺施設検索を外部のサーバ20にさせるための通信部6を備えたナビゲーション装置10であっても、地図記憶部2に記憶された施設データに基づき制御部7が検索してもよい。例えば、地図記憶部2を参照し、現在位置がトンネル内など、通信が行えない位置である場合などに、制御部7が検索し、通信ができる位置であれば周辺施設検索は外部のサーバ20にさせるようにすることが好ましい。
【0067】
また、本発明は、車両用のナビゲーション装置に限らず、例えば、歩行者用のナビゲーション装置に適用してもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 現在位置検出部
2 地図記憶部
3 入力部
4 表示部
5 音声報知部
6 通信部
7 制御部
10 ナビゲーション装置
20 サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を検出する現在位置検出部と、
進行方向を検出する進行方向検出部と、
道路データを記憶する道路データ記憶部と、
前記現在位置、前記進行方向並びに前記道路データに基づき、次に到達する分岐点を抽出する分岐点抽出部と、
前記現在位置と前記抽出された分岐点との距離を算出する距離算出部と、
前記算出された距離が所定距離以上か否かを判定する距離判定部と、
前記距離判定部の判定結果に応じて検索基準地点を決定する検索基準地点決定部と、を備え、
前記決定された検索基準地点を含む検索条件を外部サーバに送信し前記外部サーバに周辺施設検索を行わせる通信部および/または前記決定された検索基準地点に基づき周辺施設検索を行う周辺施設検索部をさらに備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記算出された距離が前記所定距離以上でない場合、前記抽出された分岐点または前記現在位置と前回決定された検索基準地点との距離を算出する第2の距離算出部と、
前記第2の距離算出部により算出された距離が所定距離以上か否かを判定する第2の距離判定部と、を備え、
前記第2の距離判定部により前記算出された距離が前記所定距離以上でないと判定された場合、前記通信部は前記検索条件を前記外部サーバに送信しない、および/または前記周辺施設検索部は周辺施設検索を行わないことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記第2の距離判定部により前記算出された距離が前記所定距離以上であると判定された場合、前記検索基準地点決定部は、前記抽出された分岐点または前記現在位置に検索基準地点を決定することを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記第2の距離判定部により前記算出された距離が前記所定距離以上でないと判定された場合、検索対象の施設種別が所定の施設種別に指定されているか否かを判定する施設種別判定部を備え、
前記所定の施設種別に指定されていると判定された場合、前記検索基準地点決定部は、前記抽出された分岐点または前記現在位置に検索基準地点を決定し、
前記所定の施設種別に指定されていないと判定された場合、前記通信部は前記検索条件を前記外部サーバに送信しない、および/または前記周辺施設検索部は周辺施設検索を行わないことを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記検索基準地点決定部は、前記距離算出部により算出された距離が前記所定距離以上でない場合、前記抽出された分岐点または前記現在位置に検索基準地点を決定することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
移動速度を検出する速度検出部を備え、
前記検索基準地点決定部は、前記距離算出部により算出された距離が前記所定距離以上である場合、前記現在位置、前記進行方向並びに前記移動速度に基づき検索基準地点を決定することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−179868(P2011−179868A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−42222(P2010−42222)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】