説明

ハイブリッド車のエンジン制御装置

【課題】EV走行モードで車両が停止し、シフト操作装置が中立位置Nを経由した時はすぐにエンジンの自動始動をしないように制御すると共に、後進位置を経由した時はエンジンをすぐに停止させないように制御することにより、運転者が車両電気回路のメインスイッチのOFF操作の忘れ防止を図ると共に、不所望なエンジンの自動始動及び自動停止を防止して燃料及び、バッテリ電力の消費を抑制することを目的とする。
【解決手段】中立位置Nを経由して前進位置Dまたは、後進位置Rへの切換を行うよう構成されたシフト操作装置32と、メインスイッチ8と、該メインスイッチ8がON状態で、且つエンジン2が停止状態時に、シフト操作装置32が前進位置Dまたは、後進位置Rから中立位置Nへ切換えられ、中立位置Nに第一所定時間以上維持された場合はエンジン2を自動始動させる制御手段とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハイブリッド車のエンジン始動及び停止の制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ハイブリッド車両のシフト操作装置は図2に示すように、図2のシフト操作位置が上側から駐車位置P、後進位置R、中立位置N、前進位置D、2nd前進位置及び低速位置Lのパターンとなっている。これは運転者の運転操作性を考慮して大部分の車両でこのようなパターンが採用されている。そして、車両の駆動を走行用モータにて行うハイブリッド車においては、車両停止時のシフト操作装置が駐車位置Pまたは、中立位置Nのときにエンジンも停止させると、車両が静かな状態なので運転者が車両から離れる際に、車両電気回路のメインスイッチのOFF操作を忘れてしまう可能性がある。
その対応策として、車両停止時のシフト操作装置が駐車位置Pまたは、中立位置Nのときはエンジンを自動始動させることによって、メインスイッチのOFF操作を促す制御を採用している車両がある。
【0003】
ところが、ハイブリッド車の車庫入れ等でシフト操作装置を前進位置Dから後進位置Rにシフト操作するときに中立位置を経由する度に不所望であるエンジンの始動が発生する。(図2のパターン参照)
これにより、不要な燃料が消費されると共に、不用なバッテリ電力の消費が発生する不具合が生じている。
更に、シフト操作装置を中立位置Nから駐車位置Pにシフト操作するときに、後進位置Rを通過する度にエンジンが停車し、駐車位置Pに到達すると、再度エンジン始動が開始され、不用なバッテリ電力の消費が発生する不具合を有している。
【0004】
また、特開2009−292287号公報(特許文献1)にはモータのみで走行するEV走行モードを有するハイブリッド車が開示されているが、EV走行モードで車両が停止し、シフト操作装置のシフト位置を中立位置Nまたは、駐車位置Pに操作した時にエンジンを自動始動する技術開示が無く、運転者が車両電気回路のメインスイッチのOFF操作を忘れてしまう可能性がある。
対策として、警告音を吹鳴させるようにすることも考えられるが、運転者が何の警報なのか判断し難い場合があり、的確に警報しようとすると音声案内や文字表示が必要となりコスト高を招く不具合が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−292287号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑み、EV走行モードで車両が停止し、シフト操作装置が中立位置Nを経由した時はすぐに自動始動をしないように制御すると共に、後進位置を経由した時はエンジンをすぐに停止させないように制御することにより、運転者が車両電気回路のメインスイッチのOFF操作の忘れ防止を図ると共に、不所望なエンジンの自動始動及び自動停止をしないようにして燃料消費及び、バッテリ電力の消費を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はかかる目的を達成するもので、エンジンと走行用モータとを有し、モータ単独走行が可能なハイブリッド車のエンジン制御装置において、車両の走行状態を少なくとも前進位置と中立位置と後進位置とに切換可能で前記中立位置を経由して前記前進位置または、前記後進位置への切換を行うよう構成されたシフト操作装置と、前記車両の電気回路をON−OFFするメインスイッチと、該メインスイッチがON状態で、且つ前記エンジンが停止状態時に、前記シフト操作装置が前記前進位置または、前記後進位置から前記中立位置へ切換えられたことが検出され、前記中立位置が第一所定時間以上維持された場合は前記エンジンを自動始動させる制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0008】
かかる発明において、シフト操作装置の中立位置に所定時間以上維持されるとエンジンを自動始動させる制御としたので、運転者が車両のメインスイッチをOFFする操作を忘れてもエンジン始動により、メインスイッチOFF操作忘れを気付かせることができる。中立位置でのエンジン始動までの時間の条件を第一所定時間としたので、前進位置と中立位置との間で切換えるたびに不所望のエンジンが自動始動するのを防止できる。
また、不所望のエンジン自動始動による無駄なバッテリ電力の消費を防止できる。
【0009】
また、本願発明において好ましくは、前記シフト操作装置は駐車位置をさらに有し、前記制御手段は前記メインスイッチがON状態で、且つ前記エンジンが停止状態時、前記後進位置から前記駐車位置に切換えられたことが検出され前記駐車位置が第二所定時間以上維持された場合は前記エンジンを自動始動させるようにするとよい。
【0010】
このような構成にすることにより、シフト操作装置が駐車位置に所定時間以上維持されるとエンジンを自動始動させる制御としたので、運転者が車両のメインスイッチをOFFする操作を忘れてもエンジン始動により、メインスイッチのOFF操作の忘れを気付かせることができる。
また、第二所定時間エンジンが自動始動するのを防止することにより、駐車後、シフト操作装置を駐車位置に操作して、メインスイッチを直にOFF操作にする場合は不所望のエンジン自動始動による無駄なバッテリ電力の消費を防止できる。
【0011】
また、本願発明において好ましくは、前記シフト操作装置は前記後進位置を経由して前記中立位置と前記駐車位置との間の切換えを行うように構成され、前記制御手段はエンジンが始動した状態で前記中立位置または、前記駐車位置から前記後進位置に切換えられたことが検出され、前記後進位置が第三所定時間以上維持されると前記エンジンを自動停止させるとよい。
【0012】
このような構成にすることにより、既に説明したように、シフト操作装置が駐車位置に所定時間以上維持されるとエンジンを自動始動させる制御としたので、運転者が車両のメインスイッチをOFFする操作を忘れてもエンジン始動により、メインスイッチOFF操作忘れを気付かせることができる。
さらに、シフト操作装置が後進位置に第三所定時間以上維持されるとエンジンが自動停止されるので、深夜、住宅街等で静かに後退走行(車庫入れ等)できると共に、駐車位置と中立位置との間で切換えるたびに不所望のエンジンの自動停止―自動始動が行われることなく無駄なバッテリ電力の消費を防止できる。
【0013】
また、本願発明において好ましくは、前記制御装置は前記エンジンが自動始動した状態で前記中立位置から前記前進位置に切換えられた場合も前記エンジンを自動停止させ、前記シフト操作装置が前進位置に操作されてから前記エンジンを自動停止させる第四所定時間を前記第三所定時間より短くするとよい。
【0014】
このような構成にすることにより、後進に比べ車両周囲の安全確認が容易な前進走行へのシフト操作装置の操作時は後進位置への切換えよりも迅速にエンジンを停止させることにより、運転者の感覚にあったエンジン停止タイミングを実現できる。
【0015】
また、本願発明において好ましくは、前記制御装置は前記第一所定時間を前記第三所定時間より長く設定するとよい。
【0016】
このような構成にすることにより、中立位置でエンジンを自動始動させるまでの時間を後進位置でエンジンを自動停止させるまでの時間より長く設定しているので、燃料消費をできるだけ節約しながらメインスイッチのOFF操作を促すことができる。
更に、第1所定時間内にメインスイッチをOFF操作した場合には、エンジン自動始動に要するバッテリ電力の消費も防止できる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、EV走行モードで車両が停止し、シフト操作装置が中立位置Nを経由した時はすぐに自動始動をしないように制御すると共に、後進位置を経由した時はエンジンをすぐに停止させないように制御することにより、運転者が車両電気回路のメインスイッチのOFF操作を忘れ防止を図ると共に、不所望なエンジンの自動始動及び自動停止をしないようにして燃料消費及び、バッテリ電力の消費を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】は本発明の実施形態にかかるハイブリッド車の概略構成図を示す。
【図2】は本発明の実施形態にかかる説明図であり、(イ)はシフト操作装置のシフトパターンで、(ロ)はエンジン状態の説明図を示す。
【図3】は本発明の実施形態のエンジン制御フロー図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。
但し、この実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
【0020】
図1は本発明の実施形態における概略構成図を示す。ハイブリッド車1は前輪駆動車の形態をしており、前輪11の車幅方向中間部にハイブリッド車1のハンドル操作に対応して、左右のタイヤ回転数の違いを調整するデファレンシャル機構13が配置されている。
車輪11の前方にはエンジン2が配設され、ハイブリッド車1の走行状態により、制御装置7からの信号に基づいて、稼働(運転)制御または、運転停止等が行われる。エンジン2とデファレンシャル機構13との間にはCVT(無段変速機)3が介装され、CVT3のエンジン側にはトルクコンバータ31が介装されている。CVT3は運転席に設けられたシフト操作装置32により、ハイブリッド車1の走行状態をコントロールする。
シフト操作装置32は図2に示すように、運転手が着座した状態で、シフト操作パターンがハイブリッド車1前側から駐車位置P、後進位置R、中立位置N、前進位置D、2nd位置及びローギア位置Lの順に配設されている。
制御装置7、バッテリ4、制御装置7とバッテリ4との間に介装され電気的ON−OFFを行うメインスイッチ8が運転席のハンドル近傍に配置されている。
【0021】
更に、デファレンシャル機構13の車両前後方向後側には第1モータ&ジェネレータ5が装着されている。第1モータ&ジェネレータ5は制御装置7からの信号に基づいて、前輪11を駆動(モータ作用)する場合と、下り坂及び減速時のエネルギーを電力に変える発電作用(ジェネレータ作用)の機能を備えている。
【0022】
エンジン2の側部前側には第2モータ&ジェネレータ6が装着され、エンジン2の駆動軸に連結されたプーリ21に巻回したベルト22を介してエンジン2の動力で駆動されている。第2モータ&ジェネレータ6はエンジン2の始動時には始動用のモータ(スタータモータ作用)として作用し、エンジン稼働中は発電作用(ジェネレータ作用)を行うように構成されている。
【0023】
制御装置7はエンジン2の始動、停止、及び負荷制御と、第1モータ&ジェネレータ5の始動、停止、及び発電制御と、第2モータ&ジェネレータ6が発電した電力をバッテリ4に充電する制御装置、バッテリ4の充電状態により、エンジン2の始動、停止を指示するエンジンコントロール等を備えている。
制御装置7とバッテリ4との間には、メインスイッチ8が介装されておりメインスイッチ8はハイブリッド車1の電気的な制御装置7を作動させるための電力の供給または、遮断を行う。バッテリ4への充電もメインスイッチ8を介して行われる。
【0024】
発明の実施形態におけるハイブリッド車1は低速域(例えば40km/h)以下の場合はEV走行モードである第1モータ&ジェネレータ5の駆動力のみで走行する。
高速及び登坂等の負荷が大きい時には、エンジン2の駆動力と第1モータ&ジェネレータ5の駆動力を併用して走行するようになっている。
そして、図2に示すように、ハイブリッド車1が低速域での走行の場合、シフト操作装置32のシフト位置が駐車位置P及び、中立位置Nの場合には一定時間後にエンジン2を自動始動し、後進位置R及び、前進位置Dの場合には一定時間後にエンジン2を自動停止させるようになっている。
【0025】
図3は本発明の実施形態に係るエンジンの制御フロー図である。電気回路のメインスイッチ8はON状態で、且つエンジンは停止状態で、ハイブリッド車1は低速域走行の場合において説明する。
シフト操作装置32を前進位置Dから後進位置Rに中立位置Nを経由して操作される。ステップS1においてシフト操作装置32のシフト位置は中立位置Nにあるかを判断する。Yと判断されるとステップS2において滞留時間(第一カウンタ)の加算を開始する。ステップS3において第1所定時間経過したかを判断して、第1所定時間経過するとYと判断され、エンジン2は始動される。
この制御により、シフト位置を中立位置Nに滞留させると判断するもので、運転者に電気回路のメインスイッチ8はON状態にあることを認識させることができる。
ステップS3において第1所定時間以内にシフト位置を変更すると、シフト位置を中立位置Nに滞留させないと判断してエンジン2は自動始動されない。
これによって、不所望のエンジンの自動始動がなくなるため、燃料消費量の節約及び、エンジン始動による、第2モータ&ジェネレータによる電力消費の抑制が可能となる。
尚、この第1所定時間はシフト位置を中立位置Nに維持するのか、又は後退位置Rにシフトするための経由的な中立位置Nなのかを判断するものであるから、本実施形態では1.5秒から2.5秒位が運転感覚として最適であった。
【0026】
また、ステップS1において、中立位置Nではないと判断した場合、ステップS5に進み、ステップS5においてステップS2の滞留時間の第1加算をリセットする。ステップS6においてシフト位置が駐車位置Pに在るか否かを判断する。シフト位置が駐車位置Pに在るとYと判断されステップS7に進み第2カウンタを加算する。ステップS8に進んで駐車位置Pが第2所定時間を経過したか否かを判断する。経過した場合はYとしてステップS9でエンジン2を自動始動する。
この制御により、シフト位置を駐車位置Pに滞留させると判断するもので、運転者に電気回路のメインスイッチ8はON状態にあることを認識させることができる。
ステップS8において第2所定時間以内にシフト位置を変更すると、シフト位置を駐車位置Pに滞留させないと判断してエンジン2は自動始動されない。
更に、不所望のエンジンの自動始動がなくなるため、燃料消費量の節約及び、エンジン始動による、第2モータ&ジェネレータによる電力消費の抑制が可能となる。
尚、この第2所定時間はシフト位置を駐車位置Pに維持するかを判断するものであるから、本実施形態では第1所定時間と同じ1.5〜2.5秒位が運転感覚として最適であった。
【0027】
ステップS6において、駐車位置Pに維持しないと判断した場合、ステップS10に進み、ステップS10においてステップS7の滞留時間の第2カウンタ加算をリセットして、ステップS11に進む。
ステップS11においてシフト操作装置32のシフト位置は後進位置Rに在るか否かを判断する。後進位置Rに在ると判断した場合には、ステップS12に進み第3カウンタを加算する。ステップS13に進み、後進位置Rが第3所定時間を経過したか否かを判断する。経過した場合はYとしてステップS14に進みエンジン2を自動停止する。
シフト操作装置32のシフト位置が後進位置Rに第3所定時間以上滞留していると、エンジン2を自動停止させるので、前進位置D及び、後進位置Rを繰返す車庫入れ等の場合には静かに行える。
尚、燃料消費の抑制及び静かな後進を行うために第3所定時間は1秒位が運転感覚として最適であった。
また、ステップS13において、第3所定時間以内にシフト位置を変更すると、シフト位置を後進位置Rに滞留させないと判断してエンジン2は自動停止されない。
この制御により、駐車位置Pと中立位置Nとの間で切換える場合、エンジン2の運転→停止→始動の動作を防止でき、不所望な停止バッテリ電力の消費を防止できる。
【0028】
ステップS11において、後進位置Rではないと判断した場合、ステップS15に進み、ステップS15においてステップS12の滞留時間の第3カウンタ加算をリセットして、ステップS16に進む。
ステップS16においてシフト操作装置32のシフト位置は前進位置Dに在るか否かを判断する。前進位置Dに在ると判断した場合には、ステップS17に進み第4カウンタを加算する。ステップS18に進み、前進位置Dが第4所定時間を経過したか否かを判断する。経過した場合はYとしてステップS19に進みエンジン2を自動停止する。
【0029】
この場合、第4所定時間は第3所定時間より短くしてある。
これは車両11の後進に比べ前進の方が、車両の周囲、後続車両の安全確認等が容易なので、シフト位置の前進位置Dへの切換えを後進位置Rへの切換えより迅速にエンジン2を停止させることで、運転者の感覚に沿ったエンジン2の停止タイミングを実現できる。
この場合、第4所定時間を0.5秒くらいとすることが、運転感覚として最適であった。。
ステップS16でシフト操作装置32のシフト位置が前進位置Dでないと判断した場合、ステップS20に進み、ステップS20において、ステップS17の滞留時間の第4カウンタ加算をリセットして、リターンへ戻る。
【0030】
また、エンジン制御において、ステップS3の第1所定時間のエンジン始動停止時間を、ステップS13の第3所定時間のエンジン稼働制限時間(停止する時間)より長く設定してある。
これは、シフト操作装置4の中立位置Nにおいて、エンジン2が自動始動するまでの時間を、後進位置Rにおけるエンジン2の自動停止までの時間より長く設定することで、燃料消費を可能な限り節約しながら、メインスイッチ8のOFF操作を促すことができる。
【0031】
本実施形態においては、シフト操作装置の中立位置に所定時間以上維持されるとエンジンを自動始動させることで、メインスイッチOFF操作の忘れを気付かせることができる。
更に、中立位置でのエンジン停止時間を第一所定時間としたので、前進位置と中立位置との間で切換えるたびに不所望のエンジンが自動始動するのを防止できると共に、エンジン自動始動による無駄なバッテリ電力の消費を防止できる。
また、後進位置に第三所定時間以上維持されるとエンジンが自動停止されるので、深夜、住宅街等で静かに後退走行(車庫入れ等)できると共に、駐車位置と中立位置との間で切換える場合に不所望のエンジン自動始動による無駄なバッテリ電力の消費を防止できる。
後進に比べ車両周囲の安全確認が容易な前進走行へのシフト操作装置の操作時は後進位置への切換えよりも迅速にエンジンを停止させることにより、運転者の感覚にあったエンジン停止タイミングを実現できる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
モータ単独走行が可能で、シフト操作装置のシフト位置が中立位置又は、駐車位置Pの場合にエンジンを自動始動させて、制御用電気回路のメインスイッチのOFF操作忘れ防止を必要とするハイブリッド車に適用する。
【符号の説明】
【0033】
1 ハイブリッド車
2 エンジン
3 CVT(無段変速機)
4 バッテリ
5 第1モータ&ジェネレータ
6 第2モータ&ジェネレータ
7 制御装置
8 メインスイッチ
32 シフト操作装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと走行用モータとを有し、モータ単独走行が可能なハイブリッド車のエンジン制御装置において、車両の走行状態を少なくとも前進位置と中立位置と後進位置とに切換可能で前記中立位置を経由して前記前進位置または、前記後進位置への切換を行うよう構成されたシフト操作装置と、前記車両の電気回路をON−OFFするメインスイッチと、該メインスイッチがON状態で、且つ前記エンジンが停止状態時に、前記シフト操作装置が前記前進位置または、前記後進位置から前記中立位置へ切換えられたことが検出され、前記中立位置が第一所定時間以上維持された場合は前記エンジンを自動始動させる制御手段とを備えたことを特徴とするハイブリッド車のエンジン制御装置。
【請求項2】
前記シフト操作装置は駐車位置をさらに有し、前記制御手段は前記メインスイッチがON状態で、且つ前記エンジンが停止状態時、前記後進位置から前記駐車位置に切換えられたことが検出され前記駐車位置が第二所定時間以上維持された場合は前記エンジンを自動始動させるようにしたことを特徴とする請求項1記載のハイブリッド車のエンジン制御装置。
【請求項3】
前記シフト操作装置は前記後進位置を経由して前記中立位置と前記駐車位置との間の切換えを行うように構成され、前記制御手段はエンジンが始動した状態で前記中立位置または、前記駐車位置から前記後進位置に切換えられたことが検出され、前記後進位置が第三所定時間以上維持されると前記エンジンを自動停止させることを特徴とする請求項1または2記載のハイブリッド車のエンジン制御装置。
【請求項4】
前記制御装置は前記エンジンが自動始動した状態で前記中立位置から前記前進位置に切換えられ場合も前記エンジンを自動停止させ、前記シフト操作装置が前進位置に操作されてから前記エンジンを自動停止させる第四所定時間を前記第三所定時間より短くしたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のハイブリッド車のエンジン制御装置。
【請求項5】
前記制御装置は前記第一所定時間を前記第三所定時間より長く設定したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のハイブリッド車のエンジン制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−194995(P2011−194995A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−63315(P2010−63315)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000006286)三菱自動車工業株式会社 (2,892)
【Fターム(参考)】