説明

バイオファブリケーションを用いた集積発光ダイオード表示装置の製造方法

集積発光ダイオード表示装置の製造方法を提供する。例示的な一実施形態では、この方法は、エネルギーが印加されると所定の色の光を発することができるpn接合を基板に生物学的に形成する工程を含む。別の例示的な実施形態では、発光ダイオードの製造方法を提供する。この方法は、pn接合材料に対して親和力を有する生物学的材料を基板に堆積する工程と、堆積した生物学的材料を第1のpn接合材料に露出してpn接合のドープ領域を形成する工程とを含む。さらに別の例示的な実施形態では、発光ダイオードを提供する。この発光ダイオードは、基板と、この基板に生物学的に形成し配置したpn接合とを含み、このpn接合にエネルギーを印加すると所定の色の光を発するものである。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2005年6月15日に出願された米国仮特許出願第60/691,148号明細書の利益を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は概して表示装置に関し、より詳細には、バイオファブリケーション方式を用いて製造される集積発光ダイオードを有する表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
発光ダイオード(「LED」)表示装置は、広告、交通管制、スポーツイベント、他の通信手段など、無数の目的に用いられる。典型的なLED表示装置は、真空管に配置された半導体チップをそれぞれ含む多数のLEDで作成されている。各チップは、結晶性または多結晶性の半導体材料の種々の層を堆積させたウエハから作成され、LEDに特定の色をもたらすために特定の半導体材料が用いられる。典型的には、ウエハから、エネルギーが供給されると同色の光を発することのできる多数のLEDが得られる。表示装置に含まれるLEDはそれぞれが個別素子であるため、多色表示装置を製造するためには異なるウエハから作製される多数のLEDが必要となる。結果として、大量の材料が必要となり得る。そして、個々のLEDは所定のパターンに組み合わされ、電源に接続されて表示装置を形成する。
【0004】
多色表示装置を作成するのに用いる材料の量を低減するために、集積LED(「ILED」)表示装置の使用が最近提案されている。ILEDはシリコン基板などの従来の単一の半導体基板に構成されるのが典型であり、従来のLED表示装置と同様に、エネルギーが供給されると発光するものである。しかし、多色ILEDを製造するための現在のプロセスは非常に高温(約1000℃)を伴うものであり、比較的複雑であり、実行に時間がかかる。結果として、ILEDの製造に関わる費用は比較的高いものとなる。また、ILEDは一般に半導体材料の上に形成されるため、光の抽出が従来のLEDアレイ表示装置におけるものほど効率的ではない。光抽出を増大させるための試みには、例えばガラス基板またはプラスチック基板などの透明な基板にILEDを構成することが含まれていた。しかし、一定の色を発することのできる特定の材料を堆積するには、例えば約1000℃を上回る比較的高温が必要である。これは、透明な基板材料に対するプロセス温度は約300℃以下に制限されるのが典型であるため、このような基板材料の使用を不可能にする温度である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、比較的単純であり300℃を下回る温度で実施できるILED表示装置の製造プロセスを有することが望ましい。また、このプロセスが高品質かつ多色のILED表示装置を製造することが望ましい。さらに、本発明の他の望ましい特徴および特性は、添付の図面およびこの本発明の背景技術と併せて次の本発明の詳細な説明および添付の特許請求の範囲から明らかになる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
集積発光ダイオード表示装置の製造方法を提供する。例示的な一実施形態では、この方法は、エネルギーが印加されると所定の色の光を発することができるpn接合を基板に生物学的に形成する工程を含む。
【0007】
別の例示的な実施形態では、発光ダイオードの製造方法を提供する。この方法は、pn接合材料に対して親和力を有する生物学的材料を基板に堆積する工程と、堆積した生物学的材料をpn接合材料に露出して、エネルギーが印加されると所定の色の光を発することができるpn接合の第1のドープ領域を形成する工程とを含む。
【0008】
さらに別の例示的な実施形態では、発光ダイオードを提供する。この発光ダイオードは、基板と、この基板に生物学的に形成され配置されたpn接合とを備え、このpn接合にエネルギーを印加すると所定の色の光を発するものである。
【0009】
本発明を次の図面と併せて以下に説明するが、図面において同一の番号は同一の構成要素を示すものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下の本発明の詳細な説明は、実際はあくまでも例示的なものであり、本発明または本発明の適用および使用を制限することを意図するものではない。さらに、先の本発明の背景技術または以下の本発明の詳細な説明に示したいかなる理論によっても拘束されることを意図するものではない。
【0011】
ここで図1を見ると、例示的な多色集積発光ダイオード(「ILED」)表示装置100の一部が表されている。表示装置100は単一の基板110の上に構成されるのが好ましく、複数のダイオード200が形成されたバックプレーン電子素子層201(図2に示す)を含むものである。ダイオード200およびバックプレーン電子素子層201は、これらに電力を供給する表示装置駆動電子機器112に結合しており、これにより作動するものである。
【0012】
基板110は複数の区域に分割されており、各区域はさらに少なくとも三つの領域102、104、106に分割されている。これらの各領域102、104、106は、エネルギーが供給されると発光できる。各領域は単色の光を発し、ある領域から発せられる光は別の領域から発せられる光とは異なる色であることが好ましい。例えば、第1の領域102はそれぞれが第1の色の光を発するように構成されており、第2の領域104はそれぞれが第2の色の光を発するように構成されており、第3の領域106は第3の色の光を発するように構成されている。
【0013】
表示装置100にカラー画像を生成するために、三原色を含めた色合成を用いるのが好ましい。例示的な一実施形態では加色混合を用いるため、表示装置100で用いられる第1の色、第2の色、第3の色は赤、緑、青である。別の例示的な実施形態では、減色混合を採用する。これについては、第1の色、第2の色、第3の色はシアン、マゼンタ、黄色である。領域102、104、106は図1に特定のパターンに配置して表してあるが、種々の色を作り出すのに加色混合または減色混合の能力を最大限に活かすパターンに領域102、104、106を配置するのが最も好ましいことが理解されるであろう。このため、領域102、104、106は他のいかなる適したパターンにも配置されてよい。
【0014】
ダイオード200により複数の領域102、104、106から光が発せられる。複数のダイオード200を領域102、104、106のそれぞれに配置して示してあるが、代わりにこれよりも少ないかまたは多いダイオード200をここに組み込んでもよいことが理解されるであろう。図2に移ると、一つの例示的なダイオード200が表されている。ダイオード200は基板202のバックプレーン電子素子層201に形成されており、所定の色の光を発することができる。各ダイオード200は、pn接合204と、これに結合した二つの導体206、208とを含んでいる。一部の実施形態では、ダイオード200は基板202と導体206のうちの一つとの間に配置された反射体210をも含んでいる。
【0015】
基板202はいかなる大きさであってもよく、複数のダイオード200が形成された土台として機能するように構成される。基板202は比較的軽量の材料で作成されているのが好ましく、透明であってもよく、または反射性であってもよい。適した材料には、これに限定されないが、ガラス、プラスチック、スチール、アルミニウムがある。バックプレーン電子素子層201は、pn接合204に供給されるエネルギー、例えば、電圧または電流を制御するように構成されるため、ILED用の薄膜トランジスタアレイとして形成されるのが好ましい。バックプレーン電子素子層201は、例えば、アモルファスシリコン、ポリシリコン、有機半導体材料など、薄膜トランジスタを形成するのに適した多くの半導体材料のうちのいずれか一つから構成されてよい。
【0016】
pn接合204は、バックプレーン電子素子層201の上に配置されており、P型ドーパントをドープした第1のドープ領域212と、n型ドーパントをドープした第2のドープ領域214とを含むか、またはこの逆のものを含む。従来使用されてきた多くの半導体材料のうちいずれか一つを用いてよいことが理解されるであろう。しかし、第1のドープ領域212および第2のドープ領域214はいずれも同一の材料で作成されているのが好ましく、この材料はn型ドーパントまたはp型ドーパントがドープされたものである。例示的な一実施形態では、pn接合を形成する材料は、発光機能、およびレーダなどの他の電磁放射検出/センサー機能としての二重の特性を有している。このような場合、適した材料には、これに限定されないが、ZnS等があり得る。表示装置100の第1の領域102に配置された各pn接合204は第1の材料を含み、表示装置100の第2の領域104に配置された各pn接合204は第2の材料を含み、表示装置100の第3の領域106に配置された各pn接合204は第3の材料を含むのが好ましい。種々の材料を用いる理由は、以下の説明でさらに明らかになる。
【0017】
第1のドープ領域212および第2のドープ領域214のそれぞれの少なくとも一部が導体206、208とそれぞれ導通されている。導体206、208は、図1の表示装置駆動電子機器112など、図示されない電力源からバックプレーン電子素子層201を介してエネルギーを受け取り、電圧または電流をpn接合204を通って供給するように構成されている。導体206、208は、従来の多くの構成のうちのいずれか一つを有し、従来使用されてきた多くの導電材料のうちのいずれか一つで作成されてよい。図2に示した一例では、導体206、208は、pn接合204の第1のドープ領域212および第2のドープ領域214に隣接してそれぞれ堆積されるかまたは形成される導電材料の層である。また、図2に示すように、下部導体206はpn接合204とバックプレーン電子素子層201との間に配置されており、上部導体208はpn接合204の上に配置され露出されている。別の実施形態では、露出した上部導体208は、例えば、酸化インジウムスズまたは酸化インジウム亜鉛など、実質的に透明な材料で作成されていることが好ましい。代わりの方法として、有機発光ダイオード(OLED)装置の上部から発せられた光を抽出するトップエミッション構造用の他のいかなる適した透明な導電材料を用いてもよい。他の適した材料の例としては、これに限定されないが、ナノ材料、カーボンナノチューブ、フラーレン、ナノワイヤ、有機半導体材料、導電性ポリマー等がある。
【0018】
一部の実施形態では、ダイオード200は反射体210を含んでいる。反射体210は、pn接合204から発せられた光を表面の電極208の方向に効率的に反射して戻し、その後光が観察者に達するように構成されている。これについて、反射体210は、多くの反射性材料のうちのいずれか一つで形成されてよい。適した材料の例としては、これに限定されないが、アルミニウム、およびクロムがある。一部のトップエミッションの実施形態では、下部導体206は反射体として機能してもよく、これにより別個の反射体210が不要となる。
【0019】
例示的な一実施形態では、下部導体206は、表示装置の底部から基板202を介して光を抽出するために透明な導電材料で作成されており、反射性材料210は導体208の上部に位置している。このボトムエミッションの実施形態では、上部導体208は反射体として機能してもよく、これにより独立した反射体210が不要となる。
【0020】
ここで図3に移ると、多色ILED表示装置100を構成するための例示的な方法300が説明されている。初めに、基板202にバックプレーン電子素子層201を形成する(工程302)。次に、バックプレーン電子素子層201にpn接合204を生物学的に形成する(工程304)。その後、pn接合204を導体206、208に電気的に結合させ、これによりバックプレーン電子素子層201および表示装置駆動電子機器112に結合させる(工程306)。
【0021】
上に簡潔に述べたように、基板202にバックプレーン電子素子層201を形成する(工程302)。バックプレーン電子素子層201は従来の多くの技術のうちのいずれか一つを用いて形成してもよいことが理解されるであろう。例えば、アモルファスシリコン、ポリシリコン、および有機半導体材料などの材料で薄膜トランジスタを形成するのに適した技術が採用されるのが好ましい。例示的な一実施形態では、バックプレーン電子素子層201には、その上に配置された導体206のうちの一つが形成される。別の例示的な一実施形態では、バックプレーン電子素子層201には、その上に反射体210が形成される。さらに別の実施形態では、下部導体206の上に反射性材料が配置される。
【0022】
次に、バックプレーン電子素子層201にpn接合204を生物学的に形成する(工程304)。初めに、pn接合204の材料およびpn接合204を形成するための生物学的材料を選択する。pn接合204の材料は、エネルギーが印加されると有色光を発することができるように選択するのが好ましく、生物学的材料は、特定の元素または化合物に対して結合特異性を有し、比較的低温で処理できる表面を有することが可能な多くの生物学的材料のうちのいずれか一つから選択するのが好ましい。これらの材料の選択は相互に依存し合って決まる。特に、pn接合204の材料はpn接合204を適切に構成するためのみに選択するのではなく、選択した生物学的材料のうちの一つが親和力を示す元素または化合物が含まれるようにも選択する。
【0023】
例えば、多色ILED表示装置100の製造については、pn接合204を形成するために少なくとも三つの異なる種類の半導体材料を使用し、三つの異なるタンパク質など、対応する少なくとも三つの異なる生物学的材料を選択する。一例として、窒化ガリウムをベースとした半導体を用いて第1のpn接合を形成し、ヒ化ガリウムをベースとした半導体として第2のpn接合を形成し、リン化ガリウムアルミニウムをベースとした半導体として第3のpn接合を形成する。これに応じて、窒化ガリウムに対して親和力を有する第1のタンパク質を選択し、ヒ化ガリウムに対して親和力を有する第2のタンパク質を選択し、リン化ガリウムアルミニウムに対して親和力を有する第3のタンパク質を選択する。
【0024】
材料を選択した後、基板202、またはその代わりにバックプレーン電子素子層201または導体206に、生物学的材料の一つを所定のパターンとなるように堆積し、これに対応するpn接合204の材料源と接触させる。三つのpn接合材料が選択され、材料の堆積パターンが図1に示す表示装置100の第1の領域102、第2の領域104、第3の領域106の特定のパターンと同様である例示的な一実施形態では、初めに第1の領域102にpn接合204を形成し、第2の領域104および第3の領域106をマスクで覆う。約300℃を下回る温度で行われてもよい従来の多くのマスキング技術のうちのいずれか一つを用いて領域104、106を被覆してもよい。
【0025】
そして、第1の領域102に第1のpn接合材料に対して親和力を有する第1の生物学的材料を堆積する。生物学的材料は、特定の元素または化合物に対して結合特異性を有し、比較的低温で処理できる表面を有する多くの生物学的材料のうちのいずれか一つであってよい。例示的な一実施形態では、生物学的材料はタンパク質である。タンパク質は、バクテリオファージ、または他のウイルスまたはバクテリアとしてなど、多くのパッケージのうちいずれか一つにカプセル化され、その表面に作用して特定の元素または化合物に結合することが理解されるであろう。生物学的材料は既製のものを得てもよく、また特別に設計したものでもよい。第1の領域102に生物学的材料を噴霧してもよく、第1の領域102を生物学的材料に浸漬させてもよく、またはその代わりに第1の領域102に生物学的材料を接触させてもよい。
【0026】
次に、第1の生物学的材料をこれに対応するpn接合204の材料に接触させる。例示的な一実施形態では、初めにpn接合204のpドープした材料を用いるが、nドープした材料を代わりに用いてもよいことが理解されるであろう。対応するpn接合204の材料を溶液またはプラズマ中に浮遊させ、多くの方法のうちいずれか一つの方法により第1の生物学的材料に接触させる。例えば、pn接合204の材料を領域102に噴霧するか、またはその代わりに、pn接合204の材料を懸濁させた溶液を収容した容器の中に基板202を浸すかまたは浸漬させる。いかなる場合でも、pn接合204の材料が第1の生物学的材料に結合してこれにより第1のドープ領域212を形成するのに十分な時間をかけて、この溶液またはプラズマを領域102に接触させることが好ましい。
【0027】
第1の領域102において十分な量のpn接合204の材料を成長させた後、第1の領域102における第1の生物学的材料の堆積を繰り返し、さらに対応するpn接合204の材料を第1の生物学的材料に接触させる。例示的な一実施形態では、pn接合204のnドープした材料を、十分な量が基板202に堆積して第2のドープ領域214を形成するまで、第1の生物学的材料に接触させる。先の工程でnドープした材料を採用した場合、この工程ではpドープした材料が用いられるのが好ましいことが理解されるであろう。
【0028】
その後、任意の従来の技術を用いて第2の領域104および第3の領域106のマスクを外し、第2の領域104および第3の領域106にpn接合204を形成するためにプロセスを繰り返す。例えば、第1の領域102にpn接合204を形成した後、第1の領域102および第3の領域106をマスクで覆い、第2の領域104を第2の生物学的材料およびこれに対応するpn接合204の材料に露出させる。その後、少なくとも第3の領域106のマスクを外し、第1の領域102および第2の領域104をマスクで覆う。その後、第3の領域106を第3の生物学的材料およびこれに対応するpn接合204の材料に露出させる。いかなる場合でも、pn接合204の形成における各工程が、基板202の材料の構造の完全性に悪影響を及ぼさない範囲の温度で行うことが好ましい。例えば、基板202がガラスである実施形態では、温度範囲が約300℃を超えないことが好ましい。基板202が熱安定化PEN(ポリエチレンナフタレート)などのプラスチック基板を含む場合、温度範囲は約180℃を超えないことが好ましい。
【0029】
領域102、104、106にpn接合204を十分に形成した後、生物学的材料をこれらから除去する。除去の工程は接触のプロセスを通して数回行ってもよく、または一度行ってもよいことが理解されるであろう。例えば、種々のpn接合204の材料および/またはマスキングが用いられるプロセスでは、各溶液を基板202に適切に接触させた後に生物学的材料を除去する。代わりの方法で、pn接合204を形成する全プロセスの終わりに生物学的材料を除去してもよい。除去は、従来の多くの熱的手法または化学的手法のいずれか一つを用いて行ってもよい。
【0030】
次に、上部導体208を形成し、pn接合204に電気的に結合させる(工程306)。上部導体208は、ILEDにおけるpn接合すべてに共通のものである。導体208は、従来のマスキングプロセス、堆積プロセス、エッチングプロセスを含めた従来の多くの技術のうち一つを用いて形成してもよいことが理解されるであろう。その後、導体208およびバックプレーン層201を、表示装置駆動電子機器112または他の適した電力源に結合させる。
【0031】
このようにして、電力源によって導体206、208に電流を供給することによりpn接合204にエネルギーを供給した際に、表示装置100の各領域102、104、106は、領域内に配置されるpn接合204の材料を製造するのに用いられた半導体材料に対応した色の光を発することとなる。一つ以上の領域102、104、106、および/または領域102、104、106に配置された一つ以上のダイオード200に電圧または電流を供給することにより、多色が作り出される。
【0032】
比較的単純であり、約300℃を下回る温度で行うことのできるILED表示装置の製造プロセスをここに提供した。また、このプロセスは単一の基板を用いるものであり、高品質の多色ILED表示装置がその上に作り出される。
【0033】
少なくとも一つの例示的な実施形態を上述の本発明の詳細な説明において示したが、膨大な数の変形例が存在することは理解されるであろう。例示的な実施形態または複数の例示的な実施形態はあくまでも例であり、いかなる方法によっても本発明の範囲、適用性、または構成を限定することを意図したものではないことは理解されるであろう。先の詳細な説明はむしろ、当業者に、本発明の例示的な実施形態を実行するのに都合の良いロードマップを提供するものである。添付の特許請求の範囲に示した本発明の範囲を逸脱することなく、例示的な実施形態に記載した構成要素の機能および配置に種々の変更を加えられることは理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】例示的な集積発光ダイオード(「ILED」)表示装置である。
【図2】図1の表示装置に実装可能な例示的な発光ダイオード(「LED」)の断面図である。
【図3】図1に表したILED表示装置の例示的な製造方法のフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エネルギーが印加されると所定の色の光を発することができるpn接合(204)を基板(202)の上に生物学的に形成する工程を含む集積発光ダイオード表示装置(100)の製造方法。
【請求項2】
前記生物学的に形成する工程が、
pn接合材料に対して親和力を有する生物学的材料を前記基板(202)の上に堆積する工程と、
前記pn接合(204)の第1のドープ領域(212)を形成するように、前記堆積した生物学的材料を第1のpn接合材料に露出させる工程と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記露出させる工程が、pドープした第1のpn接合材料またはnドープした第1のpn接合材料に前記堆積した生物学的材料を露出させる工程を含み、前記方法がさらに、
前記第1のドープ領域(212)に前記生物学的材料を堆積する工程と、
第2のドープ領域(214)を形成するように、pドープした第1のpn接合材料またはnドープした第1のpn接合材料のうちの他方に前記生物学的材料を露出させる工程と
を含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記生物学的に形成する工程が、前記基板(202)の上に複数のpn接合(204)を作成する工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記作成する工程が、
前記基板(202)の第1の領域(102)に、エネルギーが印加されると第1の色の光を発することができる第1の複数のpn接合(204)を第1のpn接合(204)材料から生物学的に形成する工程と、
前記基板(202)の第2の領域(104)に、エネルギーが印加されると第2の色の光を発することができる第2の複数のpn接合(204)を第2のpn接合(204)材料から生物学的に形成する工程と、
前記基板(202)の第3の領域(106)に、エネルギーが印加されると第3の色の光を発することができる第3の複数のpn接合(204)を第3のpn接合(204)材料から生物学的に形成する工程と
を含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
基板(202)と、
前記基板(202)の上に配置され生物学的に形成されたpn接合(204)とを備え、
前記pn接合(204)にエネルギーを印加すると所定の色の光を発することを特徴とする発光ダイオード。
【請求項7】
前記基板(202)がガラスからなる請求項6に記載の発光ダイオード。
【請求項8】
前記基板(202)の上に配置され、前記pn接合(204)に電気的に結合した導体をさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の発光ダイオード。
【請求項9】
前記基板(202)に形成された第1のpn接合(204)と、第2のpn接合(204)と、第3のpn接合(204)とをさらに備え、各pn接合(204)がエネルギーが印加されると第1の色、第2の色、第3の色をそれぞれ発光できることを特徴とする請求項6に記載の発光ダイオード。
【請求項10】
前記基板(202)と前記pn接合(204)との間に配置されたバックプレーン電子薄膜トランジスタをさらに備えることを特徴とする請求項6に記載の発光ダイオード。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公表番号】特表2008−544316(P2008−544316A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517131(P2008−517131)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【国際出願番号】PCT/US2006/023446
【国際公開番号】WO2006/138538
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】