説明

パターン形成方法

【課題】 効率良く欠けショット領域にパターンを形成し、スループットの向上及び精度良くパターンを形成可能なパターン形成方法を提供する。
【解決手段】 基板上に形成された被加工膜上の第1の領域に第1の膜を形成してパターニングすることにより第1のパターンを形成する。その後、前記第1のパターンを形成した後、前記第1のパターンの寸法が変動しないように前記被加工膜上に密着膜を形成する。次に、前記第1の領域とは異なる前記被加工膜上の第2の領域の前記密着層上に、インプリント法を用いて第2のパターンを形成する。次いで、前記第1のパターン及び第2のパターンをマスクとして前記被加工膜をエッチングする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
実施の形態は、パターン形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置形成において所望のパターンを形成するために光リソグラフィが使用されてきた。従来の光リソグラフィでは、露光装置の露光波長の短波長化による解像性の向上や、ウェハ処理速度の向上が図られてきた。その反面、露光装置の大型化及び装置取得費用の上昇が著しい。このため、より安価、かつ高い解像性を発揮できる可能性があるリソグラフィ手段として、インプリントリソグラフィが期待されている。
【0003】
インプリントリソグラフィは、予め所望のパターンを形成したテンプレートと呼称される型を用いて、樹脂材料を基板上に押し当てることで、テンプレートに形成された所望パターンを基板上に形成する技術である。テンプレートで形成された樹脂材料の形状を固定する手法として、熱で樹脂を硬化させる熱インプリントリソグラフィと、UV光などのエネルギー線を照射して樹脂を硬化する光インプリントリソグラフィがある。前記硬化した樹脂パターンが、基板と密着し、テンプレートから除去される必要がある。
【0004】
半導体基板は円形状であることから、基板が大型化して曲率が低下しても、転写パターン領域が不完全にしか含まれないショット(以降、欠けショットと称する。)が存在する。これらの欠けショットは、当該リソグラフィ工程で形成されるレジストパターンをマスクとするエッチング工程や、その後のCMP工程などにおけるパターン密度に依存する加工差を防止するために行なわれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−210877
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
効率良く欠けショット領域にパターンを形成し、スループットの向上及び精度良くパターンを形成可能なパターン形成方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によるパターン転写方法は、基板上に形成された被加工膜上の第1の領域に第1の膜を形成してパターニングすることにより第1のパターンを形成する。その後、前記第1のパターンを形成した後、前記第1のパターンの寸法が変動しないように前記被加工膜上に密着膜を形成する。次に、前記第1の領域とは異なる前記被加工膜上の第2の領域の前記密着層上に、インプリント法を用いて第2のパターンを形成する。次いで、前記第1のパターン及び第2のパターンをマスクとして前記被加工膜をエッチングすることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】円形状の半導体基板に対する全ショットにおける欠けショットの割合を表した一例を示した平面図である。
【図2】本発明の実施例1にかかるパターン形成方法のフローを表した図である。
【図3】図2に示したフローを模式的に示した断面図である。
【図4】欠けショット領域に対し基板を回転しながら同心円状に露光する方法を示した斜視図である。
【図5】図2に示したフローを模式的に示した断面図である。
【図6】図2に示したフローを模式的に示した断面図である。
【図7】本発明の実施例2にかかるパターン形成方法のフローを表した図である。
【図8】図7に示したフローを模式的に示した断面図である。
【図9】図7に示したフローを模式的に示した断面図である。
【図10】図7に示したフローを模式的に示した断面図である。
【図11】本発明の実施例3にかかるパターン形成方法のフローを表した図である。
【図12】本発明の実施例4にかかるパターン形成方法のフローを表した図である。
【図13】図12に示したフローを模式的に示した断面図である。
【図14】図12に示したフローを模式的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は円形状の半導体基板に対する全ショットにおける欠けショットの割合を表した一例を示している。欠けショットには素子動作に必要な領域が不完全にしか含まれないため、本来リソグラフィ工程によりレジストパターンを形成する必要がない。しかし、素子領域のエッチング工程や、CMP(Chemical Mechanical Polishing)工程などにおいて、欠けショット部に隣接する素子領域ではパターン密度が急激に変化することによる加工差等が生じるため、それらを抑制するため欠けショット部にもレジストパターンが形成される。
【0011】
欠けショット部には加工差等を抑制する観点からパターンが形成されるため、素子領域と同等の微細なパターン形成は必要としない。したがって、他の安価な手段によってパターン形成が代替できれば微細パターンの形成に必要なレジスト材料の抑制やスループットの向上に繋がる。
【0012】
図2は本発明の実施例1にかかるパターン形成方法のフローを表している。また、図3、図5及び図6は図2に示したフローを模式的に示した断面図である。図3、図5及び図6は便宜的に素子領域と欠けショット領域とを隣接して示しているが、これに限らない。
【0013】
まず、図3(a)に示すように、基板1上に被加工膜となる下地層2を形成する(ステップ1)。下地層2は、素子領域及び欠けショット領域のいずれにも形成されている。この下地層2上に、図3(b)に示すように、ネガレジスト膜3を、例えば、スピンコート等を用いて塗布する(ステップ1)。スピンコート以外にもスリット式のノズル、或いはローラー等を用いた塗布であっても構わない。ネガレジスト膜3を塗布した後、必要に応じて適切な加熱工程(PAB:Post Applied Bake)を実施しても構わない。加熱工程は主に塗布形成したネガレジスト膜3の不要な溶剤の除去等を目的として行なわれる。
【0014】
続いて、図3(c)に示すように、基板1の外周領域である欠けショット領域に形成されたネガレジスト膜3に対してパターン化されたエネルギー線を照射し、潜像4を形成する(ステップ2)。後述する素子領域に形成するレジストパターンの被覆率をC%とした場合、欠けショット領域中のネガレジスト膜3へのエネルギー照射部の割合は概略C%とすることが望ましい。欠けショット領域に形成するパターンは、1ショット内で周期的配列である必要はなく、基板1の中心に対して点対称の配列など、ショット毎に異なるパターン配列であっても構わない。なお、エネルギー線が照射されたネガレジスト膜3に対し、必要に応じて露光後加熱工程(PEB:Post Exposure Bake)を実施しても構わない。
【0015】
欠けショット領域のリソグラフィは、被覆率を調整できれば良く、素子領域と同等の微細なパターン形成は必要としないため、製造コストの低減のためI線波長等の先端リソグラフィプロセスで用いられる露光光よりも波長の長い光を用いることが好ましい。また、例えば、I線レジストの一例として、ナフトキノンジアジド系のノボラック型のレジストを用いることができる。
【0016】
基板1の中心に対して点対称の配列のレジストパターンの形成方法として、例えば、以下の方法を挙げることができる。図4に示すように、欠けショット領域に対し電子ビーム、DUV(Deep Ultra Violet)光、あるいは水銀ランプ等の光源5により基板1を回転しながら同心円状に露光する。その際、素子領域が露光されないようにショットマップ型アパーチャマスク6が基板1上に配置される。例えば、レジスト被覆率50%を達成する必要がある場合には、0.5μm幅のスポットビームを0.5μm間隔で、基板回転数2000rpmで露光すると、60秒で2mm幅の欠けショット領域における露光が可能となる。スポットビーム数を複数本装備することでスループットを向上することも可能である。
【0017】
次いで、図5(a)に示すように、潜像4が形成されたネガレジスト膜3に対して、所定の現像液を用いて現像工程を実施し、現像液に溶解したネガレジスト膜3を除去するリンス工程を実施することで、所定のレジストパターンを得る(ステップ3)。欠けショット領域のレジストパターンの被覆率は、概略C%である。本実施形態ではネガレジストを用いているため、所定以上の露光量が照射された領域はレジストパターンが残り、未露光部などの露光量が所定以下の領域はレジスト膜が除去される。そのため、図5(a)に示すように、素子領域には露光を行っていないため、レジストパターンは形成されない。
【0018】
現像工程後、必要に応じてレジストパターンに加熱工程を実施しても構わない。一般に現像後の加熱工程の目的は、水分の除去である。それに加え、現像後に加熱を行うことによって、レジストパターンの溶剤耐性を高めることができる。より積極的にレジストパターンの溶剤耐性を高めるためには、200度以上の高温加熱を実施することが好ましい。また、更に溶剤耐性を高めるために、250度以上の加熱を実施する場合には、雰囲気中の酸素によるレジストパターンの酸化分解が起きることから、窒素雰囲気などの低酸素雰囲気での加熱を行うことが望ましい。また、耐溶剤性を高める処理を行うことで、レジストパターンが収縮する場合がある。このような場合には、素子領域のレジストパターンの被覆率C%に対して、収縮後の欠けショット領域のレジストパターンの被覆率が概略C%となるように欠けショット領域のレジストパターンの露光量、或いは露光量およびフォトマスク寸法を調整することが望ましい。本実施例では、レジストパターンの溶剤耐性を高める処理をしている(ステップ4)。
【0019】
また、前記した現像後加熱工程によるレジストパターンの溶剤耐性向上の他に、必要に応じて、レジストパターンの溶剤耐性を高める処理を施しても構わない。溶剤耐性処理としては、UV(Ultraviolet)照射、UVキュア、EB(Electron Beam)照射、EBキュア、イオン注入、プラズマ処理等を挙げることができる。UV照射或いはUVキュアのUV光の照射量としては300mJ/cm以上の照射量、EB照射或いはEBキュアのEB照射量としては0.1C/cm以上が望ましい。UVキュアやEBキュアにおいて、レジストパターンを180度以上に加熱しながら行う場合には、窒素雰囲気などの低酸素雰囲気、或いは真空雰囲気で実施することが望ましい。また、イオン注入の場合には、例えば、Arイオンの注入である場合には、1〜30keVで1×1011〜1×1013台の注入量であることが望ましい。
【0020】
次に、図5(b)に示すように、基板1上全面に対しインプリントリソグラフィに用いる密着膜7を形成する(ステップ5)。密着膜7は素子領域上の下地層2上及び欠けショット領域上の下地層2上とネガレジスト膜3上に形成されるが、欠けショット領域上の密着膜7はコンフォーマルに形成されることが望ましい。密着膜7は、塗膜形成による方法、気相による反応形成方法等により形成される。
【0021】
インプリントリソグラフィは先端かつ低コストのリソグラフィプロセスとして期待を集めているが、インプリントレジストとテンプレートとが物理的に接触するプロセスであるためテンプレートをインプリントレジストから離す際にレジストパターンが倒れたり、千切れたりするような欠陥が生じやすい。そこで、インプリントリソグラフィを行なう前にインプリントレジストと下地との密着性を高め、欠陥を抑制するために密着膜7を形成している。密着膜7は例えば、スピンコート等によって形成することができる。
【0022】
密着膜7を形成する前に、欠けショット領域には既にレジストパターンが形成されている。欠けショット領域に形成されているレジストパターンの溶剤耐性が低いと、密着膜7を形成する際の溶剤によって欠けショット領域に形成されているレジストパターンが変形する場合があるため、前記した耐溶剤処理を欠けショット領域のレジストパターンに対して施しておくことが望ましい。密着膜7の形成には、例えば、常温において気体或いは液体であるシリル化剤等が使用できる。
【0023】
続いて、図5(c)に示すように、密着膜7が形成された素子領域上にインプリントリソグラフィによってインプリントレジストパターン8を形成する(ステップ6)。インプリントリソフィでは、インクジェット等を用いることによって、基板1上に選択的にインプリントレジストを供給することが可能であるため欠けショット領域に予めパターンが形成されていても素子領域に選択的にレジスト供給・パターン形成を行なうことができる。
【0024】
インプリントリソグラフィでは、テンプレートの破壊を防ぐため、またパターン部への樹脂材料を埋め込む際に気体の残留を防ぐため、パターン部の下及びパターン間に残膜を残すことが一般的である。従って、インプリントレジストパターン8を下地層2に転写するには、まず残膜の加工が必要である。残膜部はインプリントレジストパターン8と略同一の物質であり、エッチング速度も略同一である。インプリントレジストパターン8の被覆率がC%である場合、前記のように欠けショット領域の被覆率も概C%としていることにより、ウェハ全体の被覆率が概略C%となる。
【0025】
次いで、図6(a)に示すように、インプリントレジストパターン8のパターン間の残膜と密着膜7をエッチングにより加工除去する(ステップ7)。この残膜及び密着膜7を加工するエッチングプロセスにおいては、欠けショット領域に形成されているレジストパターン上の密着膜7や欠けショット領域に形成されているレジストパターン自体も加工される。インプリントレジストと、欠けショット領域に形成されているレジストのエッチング速度が略同一である場合には、欠けショット領域に形成されているレジスト膜厚(Tedge)は、インプリントレジストパターン8のパターン高さ(Tcenter)と残膜厚(RLT:residual layer thickness)の合計と同等以上とすることが望ましい。インプリントレジストパターン8の残膜のエッチングには酸素系あるいはハロゲン系のエッチングガスを使用することが望ましい。
【0026】
欠けショット領域に光リソグラフィでレジストパターンを形成する場合、前記したように現像工程を経る。現像工程においては、残すパターンの部分であっても膜厚減少が生じてしまう。ポジレジストの場合には、完全に露光量が0であっても現像液に対する溶解性が完全には0でなく、ネガレジストの場合には、露光量が十分に大きくても同様に現像液に対する溶解性が完全には0となることは稀である。また、有限の回折次数の光しか結像に寄与していないことから、光リソグラフィでレジスト膜に照射される光学像は有限のコントラストしか有さない。このため、欠けショット部に光リソグラフィでレジストパターンを形成する場合のレジスト塗布膜厚は、現像による膜厚減少を考慮して、素子領域のインプリントレジストパターン8のパターン高さ(Tcenter)と残膜厚(RLT:residual layer thickness)の合計よりも厚くすることがより望ましい。
【0027】
次に、図6(b)に示すように、素子領域ではインプリントレジストパターン8を、欠けショット領域ではネガレジスト膜3のパターンをマスクとして下地層2をエッチング加工し所定のパターンを形成する。この際に、素子領域と欠けショット領域のパターン被覆率をC%で揃えているため、加工のバラつきを抑制することができる。
【0028】
続いて、図6(c)に示すように、素子領域のインプリントレジストパターン8、欠けショット領域のネガレジスト膜3のパターンを除去することにより所定のパターンが完成する。
【0029】
前記したように、本実施例では素子領域のパターン形成にインプリントリソグラフィを用いており、素子領域に選択的にレジスト供給・パターン形成を行なうことができる。インプリントリソグラフィでは、微細なレジストパターンを寸法精度良く形成することができるが、処理速度が従来技術である光リソグラフィに劣る側面がある。欠けショット領域は欠けショット近隣の素子領域の寸法均一性を保つためにだけ形成している。欠けショットを予め別のリソグラフィ手段、本実施例では光リソグラフィで形成し、微細かつ高精度なレジストパターンが必要な素子領域をインプリントリソグラフィで分けて形成することで、欠けショット領域と素子領域に効率良くそれぞれパターンを形成することができる。また、インプリントリソグラフィに先立ち密着膜7を形成しているが、欠けショット領域のレジストパターンに予め溶剤耐性向上処理を行っているため、密着膜形成時に生じる欠けショット領域のパターン変形を抑制することができる。
【実施例2】
【0030】
図7は本発明の実施例2にかかるパターン形成方法のフローを表している。実施例2は欠けショット領域のパターン形成にポジレジストを用いた点で実施例1と異なる。その他の部分は実施例1と同様のプロセスであり、重複した部分には同じ符号を用いる。図8乃至図10は図7に示したフローを模式的に示した断面図である。図8乃至図10は便宜的に素子領域と欠けショット領域とを隣接して示しているが、これに限らない。
【0031】
まず、図8(a)に示すように、基板1上に被加工膜となる下地層2を形成する。下地層2は、素子領域及び欠けショット領域のいずれにも形成されている。この下地層2上に、図8(b)に示すように、ポジレジスト膜9を、例えば、スピンコート等を用いて塗布する(ステップ8)。スピンコート以外にもスリット式のノズル、或いはローラー等を用いた塗布であっても構わない。ポジレジスト膜9を塗布した後、必要に応じて適切な加熱工程(PAB:Post Applied Bake)を実施しても構わない。加熱工程は主に塗布形成したポジレジスト膜9の不要な溶剤の除去等を目的として行なわれる。
【0032】
続いて、図8(c)に示すように、基板1の外周領域である欠けショット領域に形成されたポジレジスト膜9に対してパターン化されたエネルギー線を照射し、潜像4を形成する。後述する素子領域に形成するレジストパターンの被覆率をC%とした場合、欠けショット領域中のポジレジスト膜9へのエネルギー照射部の割合は概略100−C%とすることが望ましい。素子領域に対しては、現像工程において完全にレジスト膜が溶解する露光量を全面に照射、すなわち被覆率0%で照射する(ステップ9)。
【0033】
フォトマスクを用いてポジレジスト膜9を露光する場合、被覆率がC%と完全にクリア領域のマスクが必要となる。一般の光リソグラフィ装置においては、フォトマスクの交換時間には数分の時間がかかる。このため、1枚のマスクを被覆率C%の領域と完全にクリアの領域に分割し、欠けショット領域と完全ショット領域に割り当てて用いることが望ましい。なお、エネルギー線が照射されたポジレジスト膜9に対し、必要に応じて露光後加熱工程(PEB:Post Exposure Bake)を実施しても構わない。
【0034】
次いで、図9(a)に示すように、潜像4が形成されたポジレジスト膜9に対して、所定の現像液を用いて現像工程を実施し、現像液に溶解したポジレジスト膜9を除去するリンス工程を実施することで、所定のレジストパターンを得る(ステップ10)。欠けショット領域のレジストパターンの被覆率は、概略C%である。本実施形態ではポジレジストを用いているため、所定以上の露光量が照射された領域はレジストパターンが溶解し、未露光部などの露光量が所定以下の領域はレジスト膜が残る。そのため、図9(a)に示すように、素子領域には全面露光を行っていり、レジストパターンは形成されない。
【0035】
現像工程後、必要に応じてレジストパターンに加熱工程を実施しても構わない。一般に現像後の加熱工程の目的は、水分の除去である。それに加え、現像後に加熱を行うことによって、レジストパターンの溶剤耐性を高めることができる。より積極的にレジストパターンの溶剤耐性を高めるためには、200度以上の高温加熱を実施することが好ましい。また、更に溶剤耐性を高めるために、250度以上の加熱を実施する場合には、雰囲気中の酸素によるレジストパターンの酸化分解が起きることから、窒素雰囲気などの低酸素雰囲気での加熱を行うことが望ましい。また、耐溶剤性を高める処理を行うことで、レジストパターンが収縮する場合がある。このような場合には、素子領域のレジストパターンの被覆率C%に対して、収縮後の欠けショット領域のレジストパターンの被覆率が概略C%となるように欠けショット領域のレジストパターンの露光量、或いは露光量およびフォトマスク寸法を調整することが望ましい。本実施例では、レジストパターンの溶剤耐性を高める処理をしている(ステップ11)。
【0036】
また、前記した現像後加熱工程によるレジストパターンの溶剤耐性向上の他に、必要に応じて、レジストパターンの溶剤耐性を高める処理を施しても構わない。溶剤耐性処理としては、UV(Ultra Violet)照射、UVキュア、EB(Electron Beam)照射、EBキュア、イオン注入、プラズマ処理等を挙げることができる。UV照射或いはUVキュアのUV光の照射量としては300mJ/cm以上の照射量、EB照射或いはEBキュアのEB照射量としては0.1C/cm以上が望ましい。UVキュアやEBキュアにおいて、レジストパターンを180度以上に加熱しながら行う場合には、窒素雰囲気などの低酸素雰囲気、或いは真空雰囲気で実施することが望ましい。また、イオン注入の場合には、例えば、Arイオンの注入である場合には、1〜30keVで1×1011〜1×1013台の注入量であることが望ましい。
【0037】
次に、図9(b)に示すように、基板1上全面に対しインプリントリソグラフィに用いる密着膜7を形成する(ステップ12)。密着膜7は素子領域上の下地層2上及び欠けショット領域上の下地層2上とポジレジスト膜9上に形成されるが、欠けショット領域上の密着膜7はコンフォーマルに形成されることが望ましい。密着膜7は、塗膜形成による方法、気相による反応形成方法等により形成される。
【0038】
密着膜7を形成する前に、欠けショット領域には既にレジストパターンが形成されている。欠けショット領域に形成されているレジストパターンの溶剤耐性が低いと、密着膜7を形成する際の溶剤によって欠けショット領域に形成されているレジストパターンが変形する場合があるため、前記した耐溶剤処理を欠けショット領域のレジストパターンに対して施しておくことが望ましい。密着膜7の形成には、例えば、常温において気体或いは液体であるシリル化剤等が使用できる。
【0039】
続いて、図9(c)に示すように、密着膜7が形成された素子領域上にインプリントリソグラフィによってインプリントレジストパターン8を形成する(ステップ13)。インプリントリソフィでは、インクジェット等を用いることによって、基板1上に選択的にインプリントレジストを供給することが可能であるため欠けショット領域に予めパターンが形成されていても素子領域に選択的にレジスト供給・パターン形成を行なうことができる。
【0040】
インプリントリソグラフィでは、テンプレートの破壊を防ぐため、またパターン部への樹脂材料を埋め込む際に気体の残留を防ぐため、パターン部の下及びパターン間に残膜を残すことが一般的である。従って、インプリントレジストパターン8を下地層2に転写するには、まず残膜の加工が必要である。残膜部はインプリントレジストパターン8と略同一の物質であり、エッチング速度も略同一である。インプリントレジストパターン8の被覆率がC%である場合、前記のように欠けショット領域の被覆率も概C%としていることにより、ウェハ全体の被覆率が概略C%となる。
【0041】
次いで、図10(a)に示すように、インプリントレジストパターン8のパターン間の残膜と密着膜7をエッチングにより加工除去する(ステップ14)。この残膜及び密着膜7を加工するエッチングプロセスにおいては、欠けショット領域に形成されているレジストパターン上の密着膜7や欠けショット領域に形成されているレジストパターン自体も加工される。インプリントレジストと、欠けショット領域に形成されているレジストのエッチング速度が略同一である場合には、欠けショット領域に形成されているレジスト膜厚(Tedge)は、インプリントレジストパターン8のパターン高さ(Tcenter)と残膜厚(RLT:residual layer thickness)の合計と同等以上とすることが望ましい。インプリントレジストパターン8の残膜のエッチングには酸素系あるいはハロゲン系のエッチングガスを使用することが望ましい。また、実施例1と同様の理由から素子領域のインプリントレジストパターン8のパターン高さ(Tcenter)と残膜厚(RLT:residual layer thickness)の合計よりも厚くすることがより望ましい。
【0042】
次に、図10(b)に示すように、素子領域ではインプリントレジストパターン8を、欠けショット領域ではネガレジスト膜3のパターンをマスクとして下地層2をエッチング加工し所定のパターンを形成する。この際に、素子領域と欠けショット領域のパターン被覆率をC%で揃えているため、加工のバラつきを抑制することができる。
【0043】
続いて、図10(c)に示すように、素子領域のインプリントレジストパターン8、欠けショット領域のポジレジスト膜9のパターンを除去することにより所定のパターンが完成する。
【0044】
前記したように、本実施例では素子領域のパターン形成にインプリントリソグラフィを用いており、素子領域に選択的にレジスト供給・パターン形成を行なうことができる。インプリントリソグラフィでは、微細なレジストパターンを寸法精度良く形成することができるが、処理速度が従来技術である光リソグラフィに劣る側面がある。欠けショット領域は欠けショット近隣の素子領域の寸法均一性を保つためにだけ形成している。欠けショットを予め別のリソグラフィ手段、本実施例では光リソグラフィで形成し、微細かつ高精度なレジストパターンが必要な素子領域をインプリントリソグラフィで分けて形成することで、欠けショット領域と素子領域に効率良くそれぞれパターンを形成することができる。また、インプリントリソグラフィに先立ち密着膜7を形成しているが、欠けショット領域のレジストパターンに予め溶剤耐性向上処理を行っているため、密着膜形成時に生じる欠けショット領域のパターン変形を抑制することができる。
【実施例3】
【0045】
図11は本発明の実施例3にかかるパターン形成方法のフローを表している。実施例3は素子領域のインプリントリソグラフィに先立ち形成する密着層7を形成する際に用いる溶液を変更することで欠けショット領域に形成したレジストパターンの寸法の変動を抑制している点で前記した実施例1及び実施例2と異なる。具体的には欠けショット領域に形成したレジストパターンを溶解しない溶媒を用いる。その他の部分は実施例1と同様のプロセスであり、重複した部分には同じ符号を用いる。工程フローは実施例1、実施例2から溶剤耐性処理を省略したものであるため記載は省略する。
【0046】
密着膜の溶剤として、素数4以上の炭化水素系溶剤、炭素数6〜10のアルコール系溶剤、炭素数4〜10のアルキル基を有するエーテル系溶剤、炭素数4〜12のアルキル基を有するケトン系溶剤、炭素数7〜12のエステル系溶剤、あるいはこれらのフッ素フッ素置換された溶媒等を用いることで、欠けショットのレジストパターンの寸法を抑制しながら密着膜5を形成し、インプリントパターンを形成することが可能となる。
【0047】
素数4以上の炭化水素系溶剤、炭素数6〜10のアルコール系溶剤、炭素数4〜10のアルキル基を有するエーテル系溶剤、炭素数4〜12のアルキル基を有するケトン系溶剤、炭素数7〜12のエステル系溶剤の具体例としては、1−ブチルアルコール、2−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、tert−アミルアルコール、ネオペンチルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、3−メチル−3−ペンタノール、シクロペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、3−ヘキサノール、2,3−ジメチル−2−ブタノール、3,3−ジメチル−1−ブタノール、3,3−ジメチル−2−ブタノール、2−ジエチル−1−ブタノール、2−メチル−1−ペンタノール、2−メチル−2−ペンタノール、2−メチル−3−ペンタノール、3−メチル−1−ペンタノール、3−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−3−ペンタノール、4−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、4−メチル−3−ペンタノール、シクロヘキサノール等を挙げることができる。上記は一例を示したものであり、これらに限定されるものではなく、これらの複数を混合して用いても構わない。
【実施例4】
【0048】
図12は本発明の実施例4にかかるパターン形成方法のフローを表している。実施例4は実施例1乃至3で記載した光リソグラフィに変えて、欠けショット領域に自己組織化膜を選択的に形成し、所定の処理によって前記自己組織化膜中に形成される自発的な秩序相の少なくとも一つの相を除去したものを欠けショット領域のレジストパターン形成に利用するものである。その他の部分は実施例1と同様のプロセスであり、重複した部分には同じ符号を用いる。図13乃及び図14は図12に示したフローを模式的に示した断面図である。図13及び図14は便宜的に素子領域と欠けショット領域とを隣接して示しているが、これに限らない。
【0049】
自己組織化膜中に形成される自発的な秩序相をリソグラフィパターンとして利用する技術は、DSA(Direct Self Assembly)リソグラフィとして認知されている。自己組織化膜の最も著名な例としては、polystyrene‐block−polymethylmetacrylate(PS−b−PMMA)がある。これは、通常のstyrene‐methylmetacrylateポリマが、styreneとethylmetacrylateがランダムにつながった構造(ランダムポリマ)であるのに対して、1つのpolystyreneと1つのpolymethylmetacrylateとが 結合した構造(ブロックコポリマ)である。
【0050】
このようなPS−b−PMMAから構成された膜では、その膜のガラス転移点温度以上の温度で所定の加熱後に冷却することで、膜中にPS相とPMMA相が、所定の構造かつ周期で自発的に秩序相を形成する現象が生じる。この現象は、ガラス転移点以上の加熱によって膜中の樹脂の再構成が容易となり、熱力学的な安定構造を取るものとして理解されている。膜中に秩序相が形成された後に冷却することで、非秩序化構造への移行が阻止されて、加熱時の秩序相が保持される。いわば、合金における変態と同種の現象である。
【0051】
PSブロックの分子量、PMMAブロックの分子量、温度、膜厚、自己組織化膜との接する膜等によって、種々の秩序構造を形成することが知られており、例えば、縦ラメラ構造、縦シリンダー構造、横シリンダー構造、球構造等を挙げることができる。一般に、特定の構造において、所望のパターン周期および線幅を得るには、PSブロックおよびPMMAブロックの分子量は特定され、さらに膜厚および加熱条件を最適化する必要がある。また、前記ガラス転移温度は、ブロックコポリマの種類(PSブロックおよびPMMAブロックの分子量)によって異なる。
【0052】
また、必ずしもブロックコポリマだけで発生するのではなく、ブロックコポリマと前記ブロックコポリマの一方のみから成る相対的に低分子量のポリマとの混合物、ポリマ同士の混合物で秩序相を形成しても構わない。
【0053】
本実施形態で着目する欠けショットでは、問題となるのは被覆率と、被加工相のエッチング時における残膜である。このため、必ずしも秩序相の周期方位が一定である必要がない。そこで、図13に示すランダムラメラ構造を用いることが可能となる。本実施例では、以降はPS−b−PMMA膜を用いたランダムラメラ構造を例として記述する。
【0054】
まず、図13(a)に示すように、基板1上に被加工膜となる下地層2を形成し、その下地層2上にPS−b−PMMAがラメラ構造を形成するための表面処理を施して有機層10を形成する(ステップ15)。
【0055】
本実施例では、基板を所定の温度で加熱した状態でのシランカップリング材の気相供給によって基板表面に有機相を形成する。別の手段としては、有機溶媒にシランカップリング材溶かした薬液を回転供給し、所定の加熱処理で基板表面と反応させた後、未反応のシランカップリング材或いは多層に形成された有機層を除去し、1分子層の有機層10を形成しても構わない。1分子層の有機層10であるSAM(Self Assembled Monolayers)層の形成技術として知られる種々の手法のうち、基板との反応性、コスト、PS−b−PMMAの秩序相の形成の容易さから、望ましい手法を選択すれば良い。
【0056】
なお、有機層10は必ずしも形成する必要が無いが、半導体素子製造においては、製造中の工程毎に基板表面の膜種が変わる場合がある。このため、表面処理によって表面エネルギー状態を一定にするための処理を施すことは、プロセスの安定化および再現性の面で有効である。表面処理で形成された有機層は、理想的には1分子層、すなわち1nm以下である。インプリントリソグラフィで形成されるRLTが少なくとも5nmであることを考えると、被加工基板のエッチングに表面処理層の存在は、問題とならない。
【0057】
この有機層10上に、図13(b)に示すように、基板1の欠けショット領域に対して、選択的に自己組織化膜11であるPS−b−PMMA膜を形成する(ステップ16)。自己組織化膜の選択的な形成手法としては、ローラー塗布、スキージ塗布、Cap塗布などの液膜の展開、インクジェット(および必要に応じての加熱処理)による微小液膜の形成などの手段を用いることが可能である。自己組織化膜の塗膜形成後、必要に応じて残留溶媒を減少させるための加熱を行っても構わない。この一般の光リソグラフィにおけるPABに相当する加熱工程は、後述する秩序相形成のための加熱工程と連続的に行ってもよい。
【0058】
残留溶媒の存在は樹脂の移動を容易にすることから秩序相の形成を促進する反面、ウェハ面内での残留溶媒量の差などによって秩序相形成にばらつきを生じさせる可能性がる。残留溶媒を現象させるための加熱工程は、残留溶媒によってガラス転移点温度が低下することを考慮すると、80〜130℃の間で実施することが望ましい。
【0059】
続いて、図13(c)に示すように、自己組織化膜11を形成した基板1に対して、秩序相形成のための加熱処理を施す。分子量によって加熱温度の最適値が異なるが、例えば180〜250℃において、1分〜30分の範囲で実施する。望ましくは、180℃〜210℃の範囲で5分以下の加熱である。加熱温度が200℃以上で10分以上実施する場合には、熱酸化の影響をさけるためには、窒素雰囲気などの数ppm以下の低酸素雰囲気での加熱を行うことが好ましい。本実施例では、PS−b−PMMAを用いているため、PS相12とPMMA相13に相分離する(ステップ17)。
【0060】
次に、図14(a)に示すように、PS相12とPMMA相13に相分離した自己組織化膜11に対して、いずれか一方の相を除去するための現像処理を行う(ステップ18)。現像処理は大別して2種類の現像処理が考えられる。一方は、主に酸素系のガスを用いたDryエッチング或いはアッシングによるDry現像であり他方は、薬液を用いたWet現像を挙げることができる。
【0061】
本実施例ではDry現像を行った場合について記載する。Dry現像には、例えば、酸素プラズマ/酸素ラジカル等を用いることができる。PS相12はPMMA相13に対して酸素プラズマ/酸素ラジカルによるエッチング耐性が高いため、PMMA相13を選択的に除去することができる。自己組織化膜11形成前に形成した有機層10は、現像処理時に除去される。
【0062】
PS相12はPMMA相13に対して酸素プラズマ/酸素ラジカル等によるDry現像時の耐性は高いが、PS相12も全くエッチングされない訳ではないため、膜減りが生じる。PMMA相13とPS相12のDry現像における選択比はおよそ1.5〜2程度である。このため、Dry現像を用いる場合には、特にDry現像後のPS相12のパターン膜厚(Tedge_DryPS)を、後述するインプリントレジストパターン8のパターン高さ(Tcenter)と残膜厚(RLT)の合計よりも厚くすることがより望ましい。
【0063】
Wet現像を行なう場合は、疎水性であるPS相12を残し、親水性であるPMMA相13を除去するには、極性溶媒を用いることが望ましい。また、PMMA相13がEBやVUV(Vacuum Ultraviolet)光やDUV(Deep Ultraviolet)光によって分子構造の主鎖が切断されることでの親水性増加/分子量低下による溶解性向上処理を行っても構わない。また、PSブロックとPMMAブロックを切断するために、Wet現像前に例えば1〜10keVの電子線や、波長172nmのVUV光、波長193nmのUV光などを照射してもよい。ただし、これらのエネルギー線照射による分解反応は、一方では競合反応としての架橋反応を示すことから、適切な照射量の設定を行うことが好ましい。架橋反応の進行を抑制するためには、照射中のウェハ温度が急激な上昇がないように、ウェハを冷却或いは室温で恒温しながら、前記電子線やVUV光或いはUUV光の照射を行うことが望ましい。
【0064】
また、Wet現像においても、前記したDry現像と同様の理由から現像後のPS相12のパターン膜厚(Tedge_DryPS)が、後述するインプリントレジストパターン8のパターン高さ(Tcenter)と残膜厚(RLT:residual layer thickness)の合計よりも厚くすることがより望ましい。
【0065】
Wet現像液の種類としては、メチルイソブチルケトン(MIBK)とイソプロピルアルコール(IPA)などのアルコール類とを1:10〜7:3程度で混合した溶液や、酢酸や酪酸などの有機酸、TMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド)やTBAH(テトラブチルアンモニウムヒドロキシド)などの有機アルカリなどを用いることが可能である。現像液には、界面活性剤を添加されていても構わない。
【0066】
次いで、図14(b)に示すように、現像処理によって欠けショット領域にPS相12のパターンが形成された基板1に対して、必要に応じて実施例1と2同様の耐溶剤性処理、或いは実施例3同様に溶剤としてPS相12パターンを溶解しない溶液を用いてインプリント用密着膜7を形成する(ステップ19)。
【0067】
次に、図14(c)に示すように、ウェハ上の素子領域の前記密着膜上に、インプリントレジストパターン8を形成する(ステップ20)。その後、インプリントレジストパターン8及びPS相12パターンをマスクとして、下地層2をエッチングすることで所望のパターンを寸法制御良く形成することが出来る(ステップ21)。
【0068】
前記したように、本実施例では素子領域のパターン形成にインプリントリソグラフィを用いており、素子領域に選択的にレジスト供給・パターン形成を行なうことができる。インプリントリソグラフィでは、微細なレジストパターンを寸法精度良く形成することができるが、処理速度がDSAリソグラフィに劣る側面がある。欠けショット領域は欠けショット近隣の素子領域の寸法均一性を保つためにだけ形成している。欠けショットを予め別のリソグラフィ手段、本実施例ではDSAリソグラフィで形成し、微細かつ高精度なレジストパターンが必要な素子領域をインプリントリソグラフィで分けて形成することで、欠けショット領域と素子領域に効率良くそれぞれパターンを形成することができる。
【0069】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々に変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0070】
1 基板
2 下地層
3 ネガレジスト膜
4 潜像
5 光源
6 ショットマップ型アパーチャマスク
7 密着膜
8 インプリントレジストパターン
9 ポジレジスト膜
10 有機層
11 自己組織化膜
12 PS相
13 PMMA相

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成された被加工膜上の第1の領域に第1の膜を形成してパターニングすることにより第1のパターンを形成する工程と、
前記第1のパターンを形成した後、前記第1のパターンの寸法が変動しないように前記被加工膜上に密着膜を形成する工程と、
前記第1の領域とは異なる前記被加工膜上の第2の領域の前記密着層上に、インプリント法を用いて第2のパターンを形成する工程と、
前記第1のパターン及び第2のパターンをマスクとして前記被加工膜をエッチングする工程とを備えることを特徴とするパターン形成方法。
【請求項2】
前記密着膜を形成する工程で、前記第1のパターンを溶解しない溶液を用いて前記密着膜を形成することを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項3】
前記密着膜を形成する工程で、前記第1のパターンの溶剤耐性を向上させる処理を行ってから前記密着膜を形成することを特徴とする請求項1に記載のパターン形成方法。
【請求項4】
前記第1のパターンは、前記基板の中心に対して点対称に形成されることを特徴とする請求項1乃至3に記載のパターン形成方法。
【請求項5】
前記第1のパターンは、前記基板を回転させながら、ショットマップ型マスクを介したエネルギー線を前記基板に照射することにより形成されることを特徴とする請求項4に記載のパターン形成方法。
【請求項6】
前記第1のパターンは、自己組織化膜を相分離させることで形成される2以上の相の少なくとも一つを除去することで形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のパターン形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−109322(P2012−109322A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255413(P2010−255413)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】