説明

パッケージ構造とその製造方法

【課題】放熱性が良好で、かつ小型で薄型のパッケージ構造およびその製造方法を提供する。
【解決手段】基板110の開口116に、電子デバイス120が配置され、接着剤層130上のパターン化金属層140が基板110の下表面113上にラミネートされるとともに、電子デバイス120の底表面124を露出させる。露出された底表面124上に散熱コラム150が形成され、第1ラミネート構造160が基板110の上表面111および電子デバイス120の頂表面122を被覆し、第2ラミネート構造170が散熱コラム150ならびにパターン化金属層140を被覆する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パッケージ構造とその製造方法に関する。特に、埋め込み素子(embedded device)を備えるパッケージ構造とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年来、電子デバイスの電気性能を向上させるために、電子デバイスがしばしば回路板中に設置され、システム・イン・パッケージ(system-in-package = SIP)構造として知られている。SIP構造は、システム統合パッケージと呼ばれる。即ち、電子デバイスが単一パッケージ中に統合され、その中には、受動素子、メモリー、電子制御器、他の埋め込みデバイスが含まれる。様々な製造方法が色々な材料のSIP構造を作るために利用できる。電子デバイスが回路板中に配置された後、導電層がビルトアップ法(build-up method)を利用することによって回路板上に積層されて、多層を有する回路板が組み立てられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、SIP構造がパッケージ面積を効果的に削減でき、かつシステムを初期的に統合するにもかかわらず、SIP構造は、比較的複雑な構造を有する。さらに、単一チップパッケージと比較して、SIP構造は、散熱(heat dissipation)設計および電気的信頼性について更なる挑戦に遭遇する。埋め込み素子が多層回路板中に埋め込まれているため、埋め込み素子により生成された熱が金属導電層ならびに絶縁層という手段によって回路板の外へ放散される必要がある。つまり、従来の埋め込み素子を含むパッケージ構造は、限定された散熱効果しか達成できない。それにより、パッケージ構造中の他のデバイスは、過大な操作温度のために正常に機能できないとともに、パッケージ構造の電気性能または信頼性が更に悪化させられる。
【0004】
そこで、この発明の目的は、埋め込まれた電子デバイスを有するパッケージ構造を提供することにあり、そのうち、パッケージ構造が好ましい散熱効果を達成するとともに、小さなパッケージ容量および薄い厚さを有する。
【0005】
この発明の目的は、さらに、パッケージ構造の製造方法を提供することにあり、そのうち、製造方法を利用することによって、前記したパッケージ構造を形成することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明の実施形態中、パッケージ構造を製造する方法が提供される。製造方法中、基板が提供される。基板が上表面、下表面、および開口を有する。上表面および下表面が互いに対向するとともに、開口が上表面ならびに下表面を連通する。電子デバイスが開口中に配置される。接着剤層および接着剤層上に位置するパターン化金属層を基板の下表面上にラミネートする。また、接着剤層ならびにパターン化金属層が電子デバイスの底表面を露出させる。散熱コラム(heat-dissipating column)が接着剤層およびパターン化金属層により露出された電子装置の底表面上に形成される。ここで、散熱コラムがパターン化金属層ならびに電子デバイスの底表面に連接する。第1ラミネート構造および第2ラミネート構造がそれぞれ基板の上表面ならびにパターン化金属層上にラミネートされる。第1ラミネート構造が基板の上表面および電子デバイスの頂表面を被覆するとともに、第2ラミネート構造が散熱コラムならびにパターン化金属層を被覆する。
【0007】
この発明の実施形態に従い、電子デバイスが、無線周波数(radio frequency = RF)素子、能動素子、受動素子を含む。
【0008】
この発明の実施形態に従い、第1ラミネート構造が少なくとも1つの第1誘電層、少なくとも1つの第1パターン化金属層、および少なくとも1つの第1誘電層を貫通する導電ビアを含む。第1誘電層ならびに第1パターン化金属層が基板の上表面に順番に積層される。開口が第1誘電層によって充填される。第1パターン化金属層が導電ビアを介して電子デバイスに電気接続される。
【0009】
この発明の実施形態に従い、第2ラミネート構造が少なくとも1つの第2誘電層および少なくとも1つの第2パターン化金属層を含む。第2誘電層ならびに第2パターン化金属層がパターン化金属層および散熱コラム上に積層されるとともに、散熱コラムが。第2パターン化金属層に直接接触される。
【0010】
この発明の実施形態に従い、第1ラミネート構造および前第2ラミネート構造を基板の上表面ならびにパターン化金属層上にラミネートした後、製造方法が更に第1ソルダーマスク層を第1ラミネート構造上に形成するステップと第2ソルダーマスク層を第2ラミネート構造上に形成するステップとを含む。
【0011】
この発明の実施形態に従い、第1ラミネート構造および第2ラミネート構造を基板の上表面ならびにパターン化金属層上にラミネートする方法が熱ラミネーションを含む。
【0012】
この発明の実施形態に従い、 接着剤層およびパターン化金属層により露出された電子デバイスの底表面上に散熱コラムを形成する方法が電気メッキを含む。
【0013】
この発明の実施形態中、基板と電子デバイスと接着剤層とパターン化金属層と散熱コラムと第1ラミネート構造と第2ラミネート構造とを含むパッケージ構造が提供される。基板が上表面と下表面と開口とを有する。上表面と下表面とが互いに対向するとともに、開口が上表面と下表面とを連通する。電子デバイスが基板の開口中に配置されるとともに、頂表面と底表面とを有する。頂表面と底表面とが互いに対向する。接着剤層が基板の下表面上に配置されるとともに、電子デバイスの底表面を露出させる。パターン化金属層が接着剤層を介して基板の下表面に接着されるとともに、電子デバイスの底表面を露出させる。散熱コラムが接着剤層およびパターン化金属層によって露出された電子デバイスの底表面上に配置される。ここで、散熱コラムがパターン化金属層ならびに電子デバイスの底表面に連接される。第1ラミネート構造が基板の上表面に配置されるとともに、基板の上表面および電子デバイスの頂表面を被覆する。第2ラミネート構造がパターン化金属層上に配置されるとともに、散熱コラムおよびパターン化金属層を被覆する。
【0014】
この発明の実施形態に従い、電子デバイスが、無線周波数(radio frequency = RF)素子、能動素子、受動素子を含む。
【0015】
この発明の実施形態に従い、第1ラミネート構造が、少なくとも1つの第1誘電層と、少なくとも1つの第1パターン化金属層と、第1誘電層を貫通する少なくとも1つの導電ビアとを含む。第1誘電層と第1パターン化金属層とが基板の上表面上に順番に積層される。開口が第1誘電層で充填される。第1パターン化金属層が導電ビアを介して電子デバイスに電気接続される。
【0016】
この発明の実施形態に従い、第2ラミネート構造が少なくとも1つの第2誘電層および少なくとも1つの第2パターン化金属層を含む。第2誘電層ならびに第2パターン化金属層がパターン化金属層および散熱コラム上に積層される。散熱コラムが第2パターン化金属層に直接接触される。
【0017】
この発明の実施形態に従い、パッケージ構造が更に第1ソルダーマスク層と第2ソルダーマスク層とを含む。第1ソルダーマスク層が第1ラミネート構造上に配置される。第2ソルダーマスク層が第2ラミネート構造上に配置される。
【発明の効果】
【0018】
発明の実施形態中で述べられた電子デバイスは、基板およびラミネート構造中に埋め込まれるとともに、電子デバイスの底表面が散熱コラムに直接接触する。従って、使用する時に電子デバイスによって生成される熱が下方にある散熱コラムおよびパターン化金属層という手段により散熱できるので、パッケージ構造が好ましい散熱効果を達成できる。また、電子デバイスが基板ならびにラミネート構造中に埋め込まれるので、発明の実施形態に述べたパッケージ構造は、小さなパッケージ容量および薄い厚さを有することができる。
【0019】
さらに、パターン化金属層が発明の実施形態中に述べられたようにパッケージ構造の外側に配置されるとともに、このようにパッケージ構造がパターン化金属層を介して電子デバイスまたは外部回路に電気接続できるため、このようにして、パッケージ構造の応用性を向上させる。また、基板の開口の直径が電子デバイスの直径より大きいので、電子デバイスが基板の開口中に配置される時、好ましいプロセス余裕が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1A】この発明の実施形態にかかるパッケージ構造を製造する方法を示す概略的な断面図である。
【図1B】この発明の実施形態にかかるパッケージ構造を製造する方法を示す概略的な断面図である。
【図1C】この発明の実施形態にかかるパッケージ構造を製造する方法を示す概略的な断面図である。
【図1D】この発明の実施形態にかかるパッケージ構造を製造する方法を示す概略的な断面図である。
【図1E】この発明の実施形態にかかるパッケージ構造を製造する方法を示す概略的な断面図である。
【図1F】この発明の実施形態にかかるパッケージ構造を製造する方法を示す概略的な断面図である。
【図1G】この発明の実施形態にかかるパッケージ構造を製造する方法を示す概略的な断面図である。
【図1H】チップを搭載する図1G中に描かれたパッケージ構造を示す概略的な断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1A〜図1Gは、この発明の実施形態にかかるパッケージ構造を製造する方法を示す概略的な断面図である。図1Aに示したように、この実施形態中のパッケージ構造を製造する方法に従い、基板110が提供される。基板110は、上表面111と、この上表面111に対向する下表面113とを有する。基板110が例えば絶縁層112および銅箔層114aからなるとともに、絶縁層112が例えばポリイミド(polyimide = PI)またはエポキシ(epoxy)樹脂からできている。図示していない別な実施形態中、基板は、1つの絶縁層と、絶縁層の2つの各側面に位置する2つの銅箔層とから構成される両側板(double-sided board)であることもでき、あるいは基板がグラスファイバー(glass fiber)(FR4 = Flame Retardant Type 4)基板であることができるけれども、この発明を限定するものではない。
【0022】
図1Bにおいて、基板110の上表面111と下表面113とを連通する開口116が、例えばスタンピング(型抜き)(stamping)または刳(く)り貫き(routing)によって形成される。
【0023】
図1Cにおいて、電子デバイス120が基板110の開口116中に配置される。基板110の開口116の直径が電子デバイス120の直径よりも大きい。電子デバイス120は、頂表面122と、この頂表面122に対向する底表面124とを有するとともに、電子デバイス120が基板110の上表面111上に配置される接着剤(図示せず)を介して一時的に開口116中へ固定される。ここで、電子デバイス120は、例えば、RF(Radio Frequency 無線周波数)素子、能動素子、受動素子、メモリーまたは(電子)コネクターである。
【0024】
図1Dにおいて、接着剤層130と、接着剤層130上に位置する金属層140aとが基板110の下表面113上に積層(ラミネート)される。ここでは、接着剤層130と、金属層140aとが基板110の下表面113上に例えば熱ラミネーションにより積層される。この時、接着剤層130と金属層140aとが等角的に(conformally)配置される。接着剤層130および金属層140aを貫通するブラインド孔Hが機械ドリルにより形成されて、接着剤層130ならびに金属層140aが電子デバイス120の底表面124の一部を露出させる。基板110の上表面111に位置する接着剤(図示せず)が銅箔層114aを露出するために除去される。
【0025】
図1Eにおいて、基板110の銅箔層114aおよび金属層140a(図1Dを参照)は、パターン化されてパターン化銅箔層114とパターン化金属層140とを形成する。パターン化銅箔層114は、絶縁層112の表面の一部を露出するとともに、パターン化金属層140が接着剤層130の一部を露出する。
【0026】
図1Eに示したように、散熱コラム(heat-dissipating column)150がブラインド孔H中に形成される。つまり、散熱コラム150が接着剤層130およびパターン化金属層140によって露出された電子デバイス120の底表面124の一部に位置する。ここで、散熱コラム150が例えばメッキにより形成されるとともに、メッキプロセスがともに散熱コラム150およびパターン化金属層140間の接着ならびに散熱コラム150および電子デバイス120間の接着を有効に強化できる。
【0027】
図1Fにおいて、第1ラミネート構造160および第2ラミネート構造170がそれぞれ基板110の上表面111およびパターン化金属層140上にラミネートされる。第1ラミネート構造160が基板110の上表面111ならびに電子デバイス120の頂表面122を被覆するとともに、第2ラミネート構造170が散熱コラム150およびパターン化金属層140を被覆する。第1ラミネート構造160ならびに第2ラミネート構造170がそれぞれ基板110の上表面111およびパターン化金属層140上に例えば熱ラミネーションによりラミネートされる。
【0028】
より詳細には、この実施形態中に述べた第1ラミネート構造160は、少なくとも1つの第1誘電層162と少なくとも1つの第1金属層164aと、第1誘電層162を貫通する少なくとも1つの導電ビア166とを含む。図1F中、1つの第1誘電層162と1つの第1金属層164aと2つの導電ビア166とが概略的に示されている。第1誘電層162と第1金属層164aとが基板110の上表面111上に順番に積層される。開口116が熱で溶融された第1誘電層162で充填されるとともに、それにより電子デバイス120が開口116中に固定される。第1金属層164aが導電ビア166を介して電子デバイス120の頂表面122上に位置する電極(図示せず)と電気接続される。
【0029】
第2ラミネート構造170が少なくとも1つの第2誘電層172と少なくとも1つの第2金属層174aと第2パターン化金属層176とを含む。図1F中、1つの第2誘電層172と1つの第2金属層174aとが概略的に示されている。第2誘電層172と、第2金属層174aと、第2パターン化金属層176とがパターン化金属層140および散熱コラム150上に積層される。ここで、第2誘電層172が第2金属層174aおよび第2パターン化金属層176間に位置するとともに、散熱コラム150が第2パターン化金属層176に直接接触する。
【0030】
図1Gにおいて、(図1Fにおける)第1ラミネート構造160の第1金属層164aと第2ラミネート構造170の第2金属層174aとがパターン化されて第1パターン化金属層164と第2パターン化金属層174とを形成する。第1ソルダーマスク層180が第1ラミネート構造160上に形成されるとともに、第2ソルダーマスク層190が第2ラミネート構造170上に形成される。ここで、第1ソルダーマスク層180が第1パターン化金属層164の一部を露出させるとともに、第2ソルダーマスク層190が第2パターン化金属層174の一部を露出させる。ここまでで、パッケージ構造100の製造が実質的に完了する。
【0031】
図1Gに示したように、パッケージ構造100は、基板110と、電子デバイス120と、接着剤層130と、パターン化金属層140と、散熱コラム150と、第1ラミネート構造160と、第2ラミネート構造170と、第1ソルダーマスク層180と、第2ソルダーマスク層190とを含む。基板110は、上表面111と、上表面111に対向する下表面113と、上表面111および下表面113を連通する開口116とを有する。ここで、基板110は、例えば、絶縁層112とパターン化銅箔層114とから構成される。電子デバイス120が基板110の開口116中に配置されるとともに、頂表面122と底表面124とを有する。電子デバイス120の頂表面122および底表面124は、互いに対向している。ここで、電子デバイス120は、RFデバイス、能動素子、受動素子、メモリーまたは電子コネクターを含む。接着剤層130が基板110の下表面113に配置されるとともに、電子デバイス120の底表面124の一部を露出させる。パターン化金属層140が接着剤層130を介して基板110の下表面113に接着されるとともに、電子デバイス120の底表面124の一部を露出させる。散熱コラム150が接着剤層130およびパターン化金属層140によって露出された電子デバイス120の底表面124の一部上に配置される。即ち、散熱コラム150は、接着剤層130およびパターン化金属層140を貫通するブラインド孔H中に配置される。ここで、散熱コラム150がパターン化金属層140ならびに電子デバイス120の底表面124に接続される。
【0032】
第1ラミネート構造160が基板110の上表面111上に配置されるとともに、基板110の上表面111および電子デバイス120の頂表面122を被覆する。ここで、第1ラミネート構造160は、第1誘電層162と、第1パターン化金属層164と、第1誘電層162を貫通する第1導電ビア166とによって構成される。第1誘電層162と第1パターン化金属層164とは、基板110の上表面111上に順番に積層される。開口116は、第1誘電層162で充填される。第1パターン化金属層164が第1導電ビア166を介して電子デバイス120に電気接続される。第2ラミネート構造170がパターン化金属層140上に配置されるとともに、散熱コラム150およびパターン化金属層140を被覆する。ここで、第2ラミネート構造170が第2誘電層172および第2パターン化金属層174、176によって構成される。第2誘電層172と第2パターン化金属層174、176とがパターン化金属層140および散熱コラム150上に積層されるとともに、散熱コラム150が第2パターン化金属層176と直接接触する。第1ソルダーマスク層180が第1ラミネート構造160上に配置されるとともに、第1パターン化金属層164の一部を露出させる。第2ソルダーマスク層190が第2ラミネート構造170上に配置されるとともに、第2パターン化金属層174の一部を露出させる。
【0033】
この実施形態中に述べた電子デバイス120は、基板110、第1ラミネート構造160および第2ラミネート構造170中に埋め込まれるとともに、電子デバイス120の底表面124が散熱コラム150と直接接触する。従って、電子デバイス120により生成された熱が基底にある散熱コラム150と第2パターン化金属層176と第2パターン化金属層174とにより散熱できる。かくして、この実施形態のパッケージ構造100は、好ましい散熱効果を達成できる。また、電子デバイス120が基板110、第1ラミネート構造160および第2ラミネート構造170中に埋め込まれるので、パッケージ構造100が小さなパッケージ容量ならびに薄い厚さを有することができる。さらに、基板110の開口116の直径が電子デバイス120の直径よりも大きい。従って、電子デバイス120が基板110の開口116中に配置される時、好ましいプロセスウインドウ(process window 工程余裕)が提供できる。
【0034】
図1Hは、チップを搭載する図1G中に描かれたパッケージ構造を示す概略的な断面図である。図1Hにおいて、第1パターン化金属層164と第2パターン化金属層174とは、この実施形態中のパッケージ構造100の外側に配置される。従って、パッケージ構造100は、第1パターン化金属層164を介してチップ10に電気接続できるとともに、第2パターン化金属層174は、外部回路(図示せず)に電気接続できる。それにより、パッケージ構造100の応用性を向上させることができる。チップ10は、半導体集積回路チップまたは発光ダイオード(light emitting diode = LED)チップであるけれど、この発明を限定するものではない。
【0035】
詳細には、チップ10は、フリップチップ(flip-chip)接合によりパッケージ構造100の第1パターン化金属層164に電気接続される、あるいはチップ10とパッケージ構造100の一部とがカプセル素材20によって被包されて、チップ10およびパッケージ構造100間の電気接続を保護する。この実施形態中のチップ10がフリップチップ接合によってパッケージ構造100の第1パターン化金属層164に電気接続されるものの、注意すべきことは、チップ10とパッケージ構造100とを接合する方法およびチップ10のタイプは、この発明において限定されるものではないことである。しかし、図に示していない他の実施形態中、チップは、第1パターン化金属層に多数のボンディングワイヤーを介してワイヤーボンディングによりパッケージ構造の第1パターン化金属層に電気接続できる。チップ10とパッケージ構造100とを接合する方法およびチップ10のタイプは、例示的なものであって、発明を限定するものとされてはならない。
【0036】
以上のように、この発明を実施形態により開示したが、もとより、この発明を限定するためのものではなく、当業者であれば容易に理解できるように、この発明の技術思想の範囲内において、適当な変更ならびに修正が当然なされうるものであるから、その特許権保護の範囲は、特許請求の範囲および、それと均等な領域を基準として定めなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、比較的薄い厚みを有するパッケージ構造及びその製造方法に関するものである。
【符号の説明】
【0038】
10 チップ
20 カプセル素材
100 パッケージ構造
110 基板
111 上表面
112 絶縁層
113 下表面
114 パターン化銅箔層
114a 銅箔層
116 開口
120 電子デバイス
122 頂表面
124 底表面
130 接着剤層
140 パターン化金属層
140a 金属層
150 散熱コラム
160 第1ラミネート構造
162 第1誘電層
164 第1パターン化金属層
164a 第1金属層
166 導電ビア
170 第2ラミネート構造
172 第2誘電層
174、176 第2パターン化金属層
174a 第2金属層
180 第1ソルダーマスク層
190 第2ソルダーマスク層
H ブラインド孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を提供し、前記基板が上表面、下表面、および開口を有し、前記上表面ならびに前記下表面が互いに対向し、前記開口が前記上表面および前記下表面を連通するステップと、
前記基板の前記開口中に電子デバイスを配置するステップと、
接着剤層および前記接着剤層上に位置するパターン化金属層を前記基板の前記下表面上にラミネートし、前記接着剤層ならびに前記パターン化金属層が前記電子デバイスの底表面を露出させるステップと、
前記接着剤層および前記パターン化金属層により露出された前記電子装置の前記底表面上に散熱コラムを形成し、前記散熱コラムが前記パターン化金属層ならびに前記電子デバイスの前記底表面に連接するステップと、
それぞれ第1ラミネート構造および第2ラミネート構造を前記基板の前記上表面ならびに前記パターン化金属層上にラミネートし、前記第1ラミネート構造が前記基板の前記上表面および前記電子デバイスの頂表面を被覆し、前記第2ラミネート構造が前記散熱コラムならびに前記パターン化金属層を被覆するステップと
を備えるパッケージ構造を製造する方法。
【請求項2】
前記電子デバイスが、無線周波数(radio frequency = RF)素子、能動素子または受動素子を含む請求項1記載のパッケージ構造を製造する方法。
【請求項3】
前記第1ラミネート構造が、少なくとも1つの第1誘電層、少なくとも1つの第1パターン化金属層、および前記少なくとも1つの第1誘電層を貫通する少なくとも1つの導電ビアを備え、前記少なくとも1つの第1誘電層および前記少なくとも1つの第1パターン化金属層が前記基板の前記上表面上に順番に積層され、前記開口が前記少なくとも1つの第1誘電層で充填されるとともに、前記少なくとも1つの第1パターン化金属層が前記少なくとも1つの導電ビアを介して前記電子デバイスに電気接続される請求項1記載のパッケージ構造を製造する方法。
【請求項4】
前記第2ラミネート構造が少なくとも1つの第2誘電層および少なくとも1つの第2パターン化金属層を含み、前記少なくとも1つの第2誘電層ならびに前記少なくとも1つの第2パターン化金属層が前記パターン化金属層および前記散熱コラム上に積層されるとともに、前記散熱コラムが前記少なくとも1つの第2パターン化金属層に直接接触される請求項1記載のパッケージ構造を製造する方法。
【請求項5】
前記第1ラミネート構造および前記第2ラミネート構造を前記基板の前記上表面ならびに前記パターン化金属層上にラミネートした後、さらに、
第1ソルダーマスク層を前記第1ラミネート構造上に形成するステップと、
第2ソルダーマスク層を前記第2ラミネート構造上に形成するステップと
を含む請求項1記載のパッケージ構造を製造する方法。
【請求項6】
前記第1ラミネート構造および前記第2ラミネート構造を前記基板の前記上表面ならびに前記パターン化金属層上にラミネートする方法が熱ラミネーションを含む請求項1記載のパッケージ構造を製造する方法。
【請求項7】
前記接着剤層および前記パターン化金属層により露出された前記電子デバイスの前記底表面上に前記散熱コラムを形成する方法が、電気メッキを含む請求項1記載のパッケージ構造を製造する方法。
【請求項8】
上表面、下表面、および開口を有し、前記上表面ならびに前記下表面が互いに対向し、前記開口が前記上表面および前記下表面を連通する基板と、
前記基板の前記開口中に配置されるとともに、頂表面ならびに底表面を有し、前記頂表面および前記底表面が互いに対向する電子デバイスと、
前記基板の前記下表面上に配置されるとともに、前記電子デバイスの前記底表面を露出させる接着剤層と、
前記接着剤層を介して前記基板の前記下表面に接着されるとともに、前記電子デバイスの前記底表面を露出させるパターン化金属層と、
前記接着剤層および前記パターン化金属層によって露出された前記電子デバイスの前記底表面上に配置され、前記パターン化金属層ならびに前記電子デバイスの前記底表面に連接される散熱コラムと、
前記基板の前記上表面に配置されるとともに、前記基板の前記上表面および前記電子デバイスの前記頂表面を被覆する第1ラミネート構造と、
前記パターン化金属層上に配置されるとともに、前記散熱コラムおよび前記パターン化金属層を被覆する第2ラミネート構造と
を含むパッケージ構造。
【請求項9】
前記電子デバイスが、無線周波数(radio frequency = RF)素子、能動素子または受動素子を含む請求項8記載のパッケージ構造。
【請求項10】
前記第1ラミネート構造が少なくとも1つの第1誘電層、少なくとも1つの第1パターン化金属層、および少なくとも1つの前記少なくとも1つの第1誘電層を貫通する導電ビアを備え、前記少なくとも1つの第1誘電層および前記少なくとも1つの第1パターン化金属層が前記基板の前記上表面上に順番に積層され、前記開口が前記少なくとも1つの第1誘電層で充填されるとともに、前記少なくとも1つの第1パターン化金属層が前記少なくとも1つの導電ビアを介して前記電子デバイスに電気接続される請求項8記載のパッケージ構造。
【請求項11】
前記第2ラミネート構造が少なくとも1つの第2誘電層および少なくとも1つの第2パターン化金属層を含み、前記少なくとも1つの第2誘電層ならびに前記少なくとも1つの第2パターン化金属層が前記パターン化金属層および前記散熱コラム上に積層されるとともに、前記散熱コラムが前記少なくとも1つの第2パターン化金属層に直接接触される請求項8記載のパッケージ構造。
【請求項12】
さらに、
第1ソルダーマスク層が前記第1ラミネート構造上に配置されるとともに、
第2ソルダーマスク層が前記第2ラミネート構造上に配置される請求項8記載のパッケージ構造。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図1G】
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【図1H】
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【公開番号】特開2012−244166(P2012−244166A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−103121(P2012−103121)
【出願日】平成24年4月27日(2012.4.27)
【出願人】(599110599)旭徳科技股▲ふん▼有限公司 (14)
【Fターム(参考)】