パワーステアリング装置
【課題】ステアリングハウジングを車両に支持するためのブラケットにおいて、インシュレータゴムの突起部の設計自由度を高めることができる構造を提供する。
【解決手段】ステアリングハウジングに設けられ、内部に第1貫通孔を有する筒状に形成され、ブラケット9は、内部に第1貫通孔24が形成された筒状のアウタ筒部材13と、内部に第2貫通孔25が形成された筒状のインナ筒部材14と、インナ筒部材14の外周に加硫成形により固着されているインシュレータ15(第1弾性部材)と、アウタ筒部材13の両軸方向端部に設けられた上部ゴムシート11(第2弾性部材)、下部ゴムシート12(第3弾性部材)とから構成されている。
【解決手段】ステアリングハウジングに設けられ、内部に第1貫通孔を有する筒状に形成され、ブラケット9は、内部に第1貫通孔24が形成された筒状のアウタ筒部材13と、内部に第2貫通孔25が形成された筒状のインナ筒部材14と、インナ筒部材14の外周に加硫成形により固着されているインシュレータ15(第1弾性部材)と、アウタ筒部材13の両軸方向端部に設けられた上部ゴムシート11(第2弾性部材)、下部ゴムシート12(第3弾性部材)とから構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術としては、下記の特許文献1に記載の技術が開示されている。この公報には、ステアリングハウジングを車両に支持するためのブラケット構造として、インシュレータを3分割したものが開示されている。3分割したインシュレータのうち、上部および下部ゴムシートには突起部が設けられ、この突起部により上部および下部ゴムシートはステアリングハウジングに仮止めがされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−335597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の上部ゴムシートおよび下部ゴムシートに設けられた突起部は、ステアリングハウジングを車両へ取付けた際の支持剛性特性にできるだけ影響を及ぼさないように設計されている。そのため、突起部の設置位置や大きさ等に制約があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、3分割したインシュレータのうち上部ゴムシートおよび下部ゴムシートに設けた突起部の設計自由度を高めることができるパワーステアリング装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため本発明では、ステアリングハウジングに設けられ、内部に第1貫通孔を有する筒状に形成され、ステアリングハウジングを車両に取付けるためのアウタ筒部材と、アウタ筒部材内に設けられ、内部に第2貫通孔を有する筒状に形成され、内周形状が車両の車軸方向である第1軸方向に長い長孔状に形成され、外周形状が前記第1軸方向に長い扁平円形状に形成されると共に、前記第2貫通孔の貫通方向である第2軸方向に対する径方向隙間が前記第1貫通孔との間に設けられるように形成され、ステアリングハウジングを車両に締結するためのボルトが挿入されるインナ筒部材と、第1軸方向と第2軸方向の両方に対して直角となる方向を第3軸方向としたとき、アウタ筒部材とインナ筒部材の間に設けられ、樹脂材料で形成され、インナ筒部材の前記第2軸方向両端部のうちインナ筒部材の第3軸方向両側に空間部が設けられるように形成された第1弾性部材と、アウタ筒部材の前記第2軸方向一方側および他方側の夫々に設けられ、樹脂部材で形成され、アウタ筒部材の前記第2軸方向端面の少なくとも一部を被覆するように形成された第2弾性部材および第3弾性部材と、空間部に挿入されるように第2弾性部材および第3弾性部材の夫々に樹脂材料で一体成形され、空間部内周面のうち第3軸方向において対向する対向面の両側に接触するように形成された複数の突起部と、を設けた。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、上部および下部ゴムシートに設けた突起部の設計自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1のパワーステアリング装置の斜視図である。
【図2】実施例1のブラケットの拡大図である。
【図3】実施例1のブラケット示す図である。
【図4】実施例1のインナ筒部材とインシュレータを示す図である。
【図5】実施例1のアウタ筒部材にインナ筒部材を挿入した状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔実施例1〕
[パワーステアリング装置の全体構成]
パワーステアリング装置1の構成について説明する。図1は、ステアリングハウジング用ブラケットを装着したパワーステアリング装置1の斜視図である。パワーステアリング装置1は、ポンプからパワーシリンダへの作動油の供給を制御する操舵制御ユニット2、ステアリングホイールと接続するピニオン軸3と、ピニオン軸3と噛み合うラック軸4と、内部にパワーシリンダを収容したステアリングハウジング5を有する。
ステアリングハウジング5は、ブラケット9を介して車体に取付けられている。ステアリングハウジング5内には2つのシリンダ室を有するパワーシリンダと、ラック軸4が設けられている。ラック軸4の両端には、転舵輪と接続するタイロッド8が接続されている。なお、ピニオン軸3、ラック軸4は操舵機構を構成している。
操舵制御ユニット2は、運転者によるステアリングホイールの操舵量に応じて、ポンプからパワーシリンダの各油室に供給する際の作動油の油路の切り換えを行う。操舵制御ユニット2とパワーシリンダの各油室とは第1ターンチューブ6、第2ターンチューブ7が接続されている。操舵制御ユニット2により、パワーシリンダに供給する作動油を制御することにより、ラック軸4に操舵アシスト力を付与している。
【0009】
[ブラケット取付部材の詳細]
図2は、ステアリングハウジング5に装着したブラケット9の拡大図である。図2(a)は、ブラケット9およびステアリングハウジング5をステアリングハウジング5の軸方向から見た図である。図2(b)は、ブラケットおよびステアリングハウジング5を図2(a)のA方向から見た図である。
ブラケット9は、ブラケット取付部材10によりステアリングハウジング5に取付けられている。ブラケット取付部材10は、ステアリングハウジング5の外周に取付けられるハウジング装着部10aと、ブラケット9を保持するブラケット保持部10bとから構成されている。ブラケット取付部材10は、一枚の板材の中間部をステアリングハウジング5の外周に沿って曲げることでハウジング装着部10aを構成し、板材の両端部にブラケット9を挿入する貫通孔を形成してブラケット保持部10bを構成している。ハウジング装着部10aとステアリングハウジング5、ブラケット保持部10bとブラケット9とは溶接により固定されている。
【0010】
[ブラケットの構成]
図3はブラケット9を示す図であり、図3(a)はブラケット9の軸方向視図、図3(b)は図3(a)のB-B断面図である。図4はインナ筒部材14とインシュレータ15を示す図であり、図4(a)はインナ筒部材14およびインシュレータ15の軸方向視図、図4(b)は図4(a)におけるC-C断面図である。図5はアウタ筒部材13にインナ筒部材14を挿入した状態の斜視図である。
ブラケット9は、内部に第1貫通孔24が形成された筒状のアウタ筒部材13と、内部に第2貫通孔25が形成された筒状のインナ筒部材14と、インナ筒部材14の外周に加硫成形により固着されているインシュレータ15(第1弾性部材)と、アウタ筒部材13の両軸方向端部に設けられた上部ゴムシート11(第2弾性部材)、下部ゴムシート12(第3弾性部材)とから構成されている。
以下、車両の軸方向をX軸方向(第1軸方向)、第2貫通孔25の軸方向をY軸方向(第2軸方向)、X軸およびY軸に直交する方向をZ軸方向(第3軸方向)とする。
(インナ筒部材の構成)
インナ筒部材14に形成された第2貫通孔25の内周は、車両の車軸方向に長い長孔状に形成されている。またインナ筒部材14の外周は扁平円形状に形成されており、車軸方向に互いに平行に対向するようにほぼ直線上に形成された直線部14aと、この一対の直線部14aの車軸方向端部同士を円弧状に接続する円弧状部14bとを有する。
インナ筒部材14はアウタ筒部材13の第1貫通孔24内に収容されている。インナ筒部材14がアウタ筒部材13に収容された状態で、インナ筒部材14の外周とアウタ筒部材13の第1貫通孔24の内周との間には隙間が設けられている。このインナ筒部材14の外周とアウタ筒部材13の第1貫通孔24の内周との間の隙間を埋めるようにインシュレータ15が設けられている。
(インシュレータの構成)
インシュレータ15は、アウタ筒部材13の内周とインナ筒部材14の外周との間に設けられ、樹脂材料により形成されている。インシュレータ15の軸方向中間部の外周には内側に凹状の第1すぐり部18が形成されている。この第1すぐり部18は全周にわって形成されている。この第1すぐり部18の軸方向両側に厚肉部17が形成されている。厚肉部17の軸方向外側には、他の部分よりも肉厚が薄い薄肉部26が形成されている。インシュレータ15がアウタ筒部材13に装着された状態で、薄肉部26とアウタ筒部材13の第1貫通孔24との間にはZ軸方向に隙間が設けられた空間部27が形成されている。
またインシュレータ15には、X軸方向両側に内側に凹状の第2すぐり部16が形成されている。この第2すぐり部16はインシュレータ15の軸方向全体にわたって形成されている。
【0011】
(ゴムシートの構成)
上部ゴムシート11および下部ゴムシート12は、アウタ筒部材13のY軸方向両端部に設けられ、樹脂材料により形成されている。上部ゴムシート11と下部ゴムシート12は同じ形状に形成されている。
上部ゴムシート11と下部ゴムシート12の板部材であって、外径はアウタ筒部材13の外径よりも大きく形成されている。また、軸方向に貫通する貫通孔28が形成されており、この貫通孔28の内径はインナ筒部材14よりも大きく形成されている。すなわち、上部ゴムシート11および下部ゴムシート12がアウタ筒部材13に装着された状態で、アウタ筒部材13の軸方向端部を被覆するように形成されている。
上部ゴムシート11および下部ゴムシート12の片面には、2つの突起部23が形成されている。この突起部23のZ軸方向幅は、アウタ筒部材13の第1貫通孔24の内周面とインナ筒部材14の外周面とのZ軸方向幅とほぼ等しく形成されている。突起部23は前述の空間部27に挿入され、アウタ筒部材13の第1貫通孔24の内周とインナ筒部材14の外周面とZ方向において接触している。また突起部23は、インナ筒部材14の直線部14aよりも長く形成されている。これにより、突起部23がアウタ筒部材13およびインナ筒部材14に取付けられた状態で、突起部23のX軸方向両端部が直線部14aのX軸方向両端部よりも外側に配置されることとなる。
突起部23が空間部27に挿入されることにより、アウタ筒部材13およびインナ筒部材14に仮止めすることが可能となる。これにより、ブラケット9単体で一体となるため、ブラケット9の運搬時に上部ゴムシート11および下部ゴムシート12がアウタ筒部材13およびインナ筒部材14から外れることを防止することができ、またブラケット9をステアリングハウジング5や車体21に固定する際の作業性を向上することができる。
(ブラケットの取付)
ブラケット9を車体21に固定する際には、上部ゴムシート11にワッシャ22を当接させると共に、下部ゴムシート12を車体21に当接させた状態でインナ筒部材14の第2貫通孔25にボルトを挿入し、ナットで固定する。
【0012】
[作用]
ブラケット9はインシュレータ15によって、ステアリングハウジング5の車両の車軸方向であるX軸方向の動きと、ねじれ方向であるZ軸方向の動きによる振動を吸収している。従来では、上部ゴムシート11、下部ゴムシート12に設けた突起部は、X軸およびZ軸方向のインシュレータ15の弾性特性に影響を及ぼさないように、X軸およびZ軸方向避けて設けられていた。そのため突起部の設置位置や大きさに制限あり、上部ゴムシート11および下部ゴムシート12がアウタ筒部材13およびインナ筒部材14から外れてしまうことがあった。
そこで実施例1では、インシュレータ15がアウタ筒部材13に装着された状態で、インナ筒部材14のZ軸方向両側に形成された空間部27に上部ゴムシート11、下部ゴムシート12に設けた突起部23を挿入するようにした。
この構成により、突起部23の設置位置や大きさの制限が少なくなり、突起部23に上部ゴムシート11、下部ゴムシート12の取付機能と、ブラケット9のZ軸方向の支持剛性特性の調節機能とを持たせることができる。
また実施例1では、上部ゴムシート11および下部ゴムシート12の突起部23の軸方向幅を空間部27のZ軸方向の幅とほぼ等しくなるように形成した。
この構成により、突起部23を空間部27に挿入した際に、アウタ筒部材13とインナ筒部材14に突起部23が当接するが、突起部23は圧縮されないため、突起部23の挿入作業性を向上することができる。
また実施例1では、突起部23のX軸方向両端部を、インナ筒部材14の直線部14aのX軸方向両端部よりも外側に配置するようにした。
この構成により、突起部23を空間部27に挿入した際に、インナ筒部材14の円弧状部14bまで回り込むため、インシュレータ15に対する上部ゴムシート11および下部ゴムシート12の相対回転を抑制することができる。そのため、ステアリングハウジング5の支持剛性特性の変化を抑制することができる。
また実施例1では、インシュレータ15のX軸方向両端部に第2すぐり部16を設けた。インナ筒部材14はX軸方向に長い扁平円形状をしている。アウタ筒部材13とインナ筒部材との間を埋めるようにインシュレータ15が設けられるため、インシュレータ15の径方向厚さはX軸方向に対してZ軸方向の方が厚くなる。よってステアリングハウジング5の支持剛性はZ軸方向に対してX軸方向の方が高くなる。第2すぐり部16によってインシュレータ15のX軸方向両端部の厚さが相対的に薄くなり、X軸方向とZ軸方向の支持剛性特性を均一化することができる。
【0013】
[効果]
実施例1のパワーステアリング装置1の効果について以下に列記する。
(1)ステアリングホイールの操舵に基づき転舵輪を転舵させる操舵機構を収容するステアリングハウジング5と、ステアリングハウジング5に設けられ、内部に第1貫通孔24を有する筒状に形成され、ステアリングハウジング5を車両に取付けるためのアウタ筒部材13と、アウタ筒部材13内に設けられ、内部に第2貫通孔25を有する筒状に形成され、内周形状が車両の車軸方向であるX軸方向に長い長孔状に形成され、外周形状がX軸方向に長い扁平円形状に形成されると共に、第2貫通孔25の貫通方向であるY軸方向に対する径方向隙間が前記第1貫通孔24との間に設けられるように形成され、ステアリングハウジング5を車両に締結するためのボルトが挿入されるインナ筒部材14と、X軸方向とY軸方向の両方に対して直角となる方向をZ軸方向としたとき、アウタ筒部材13とインナ筒部材14の間に設けられ、樹脂材料で形成され、インナ筒部材14のY軸方向両端部のうちインナ筒部材14のZ軸方向両側に空間部27が設けられるように形成されたインシュレータ15と、アウタ筒部材13のY軸方向一方側および他方側の夫々に設けられ、樹脂部材で形成され、アウタ筒部材13のY軸方向端面の少なくとも一部を被覆するように形成された上部ゴムシート11および下部ゴムシート12と、空間部27に挿入されるように上部ゴムシート11および下部ゴムシート12の夫々に樹脂材料で一体成形され、空間部内周面のうちZ軸方向において対向する対向面の両側に接触するように形成された複数の突起部23とを設けた。
よって、突起部23の設置位置や大きさの制限が少なくなり、突起部23に上部ゴムシート11、下部ゴムシート12の取付機能と、ブラケット9のZ軸方向の支持剛性特性の調節機能とを持たせることができる。
【0014】
(2)突起部23のZ軸方向幅を空間部27の第3軸方向の幅とほぼ等しくなるように形成した。
突起部23を空間部27に挿入した際に、アウタ筒部材13とインナ筒部材14に突起部23が当接するが、突起部23は圧縮されないため、突起部23の挿入作業性を向上することができる。
(3)インナ筒部材14の外周形状を、互いに平行に対向するようにほぼ直線上に形成された一対の直線部14aと、一対の直線部14aのX軸方向両端同士を接続するように形成された一対の円弧状部14bとから構成され、突起部23は、突起部23のX軸方向両端部が直線部14aのX軸方向両端部よりも外側に配置されるように形成した。
(4)インシュレータ15のX軸方向両端部に第2すぐり部16を設けた。
第2すぐり部16によってインシュレータ15のX軸方向両端部の厚さが相対的に薄くなり、X軸方向とZ軸方向の支持剛性特性を均一化することができる。
【0015】
〔他の実施例〕
以上、本願発明を実施例1に基づいて説明してきたが、各発明の具体的な構成は各実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、実施例1のパワーステアリング装置1では、突起部23を2つ設けているが、分割して2以上設けるようにしても良い。
また、実施例1のパワーステアリング装置1では、アシスト力を付与する手段として油圧式が用いられているが、電動モータによりピニオン軸3にアシスト力を与えるようにしても良い。
【符号の説明】
【0016】
1 パワーステアリング装置
3 ピニオン軸(操舵機構)
4 ラック軸(操舵機構)
5 ステアリングハウジング
9 ブラケット
11 上部ゴムシート(第2弾性部材)
12 下部ゴムシート(第3弾性部材)
13 アウタ筒部材
14 インナ筒部材
14a 直線部
14b 円弧状部
15 インシュレータ(第1弾性部材)
16 第2すぐり部(すぐり部)
23 突起部
24 第1貫通孔
25 第2貫通孔
27 空間部
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワーステアリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の技術としては、下記の特許文献1に記載の技術が開示されている。この公報には、ステアリングハウジングを車両に支持するためのブラケット構造として、インシュレータを3分割したものが開示されている。3分割したインシュレータのうち、上部および下部ゴムシートには突起部が設けられ、この突起部により上部および下部ゴムシートはステアリングハウジングに仮止めがされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−335597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の上部ゴムシートおよび下部ゴムシートに設けられた突起部は、ステアリングハウジングを車両へ取付けた際の支持剛性特性にできるだけ影響を及ぼさないように設計されている。そのため、突起部の設置位置や大きさ等に制約があった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、3分割したインシュレータのうち上部ゴムシートおよび下部ゴムシートに設けた突起部の設計自由度を高めることができるパワーステアリング装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため本発明では、ステアリングハウジングに設けられ、内部に第1貫通孔を有する筒状に形成され、ステアリングハウジングを車両に取付けるためのアウタ筒部材と、アウタ筒部材内に設けられ、内部に第2貫通孔を有する筒状に形成され、内周形状が車両の車軸方向である第1軸方向に長い長孔状に形成され、外周形状が前記第1軸方向に長い扁平円形状に形成されると共に、前記第2貫通孔の貫通方向である第2軸方向に対する径方向隙間が前記第1貫通孔との間に設けられるように形成され、ステアリングハウジングを車両に締結するためのボルトが挿入されるインナ筒部材と、第1軸方向と第2軸方向の両方に対して直角となる方向を第3軸方向としたとき、アウタ筒部材とインナ筒部材の間に設けられ、樹脂材料で形成され、インナ筒部材の前記第2軸方向両端部のうちインナ筒部材の第3軸方向両側に空間部が設けられるように形成された第1弾性部材と、アウタ筒部材の前記第2軸方向一方側および他方側の夫々に設けられ、樹脂部材で形成され、アウタ筒部材の前記第2軸方向端面の少なくとも一部を被覆するように形成された第2弾性部材および第3弾性部材と、空間部に挿入されるように第2弾性部材および第3弾性部材の夫々に樹脂材料で一体成形され、空間部内周面のうち第3軸方向において対向する対向面の両側に接触するように形成された複数の突起部と、を設けた。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、上部および下部ゴムシートに設けた突起部の設計自由度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】実施例1のパワーステアリング装置の斜視図である。
【図2】実施例1のブラケットの拡大図である。
【図3】実施例1のブラケット示す図である。
【図4】実施例1のインナ筒部材とインシュレータを示す図である。
【図5】実施例1のアウタ筒部材にインナ筒部材を挿入した状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
〔実施例1〕
[パワーステアリング装置の全体構成]
パワーステアリング装置1の構成について説明する。図1は、ステアリングハウジング用ブラケットを装着したパワーステアリング装置1の斜視図である。パワーステアリング装置1は、ポンプからパワーシリンダへの作動油の供給を制御する操舵制御ユニット2、ステアリングホイールと接続するピニオン軸3と、ピニオン軸3と噛み合うラック軸4と、内部にパワーシリンダを収容したステアリングハウジング5を有する。
ステアリングハウジング5は、ブラケット9を介して車体に取付けられている。ステアリングハウジング5内には2つのシリンダ室を有するパワーシリンダと、ラック軸4が設けられている。ラック軸4の両端には、転舵輪と接続するタイロッド8が接続されている。なお、ピニオン軸3、ラック軸4は操舵機構を構成している。
操舵制御ユニット2は、運転者によるステアリングホイールの操舵量に応じて、ポンプからパワーシリンダの各油室に供給する際の作動油の油路の切り換えを行う。操舵制御ユニット2とパワーシリンダの各油室とは第1ターンチューブ6、第2ターンチューブ7が接続されている。操舵制御ユニット2により、パワーシリンダに供給する作動油を制御することにより、ラック軸4に操舵アシスト力を付与している。
【0009】
[ブラケット取付部材の詳細]
図2は、ステアリングハウジング5に装着したブラケット9の拡大図である。図2(a)は、ブラケット9およびステアリングハウジング5をステアリングハウジング5の軸方向から見た図である。図2(b)は、ブラケットおよびステアリングハウジング5を図2(a)のA方向から見た図である。
ブラケット9は、ブラケット取付部材10によりステアリングハウジング5に取付けられている。ブラケット取付部材10は、ステアリングハウジング5の外周に取付けられるハウジング装着部10aと、ブラケット9を保持するブラケット保持部10bとから構成されている。ブラケット取付部材10は、一枚の板材の中間部をステアリングハウジング5の外周に沿って曲げることでハウジング装着部10aを構成し、板材の両端部にブラケット9を挿入する貫通孔を形成してブラケット保持部10bを構成している。ハウジング装着部10aとステアリングハウジング5、ブラケット保持部10bとブラケット9とは溶接により固定されている。
【0010】
[ブラケットの構成]
図3はブラケット9を示す図であり、図3(a)はブラケット9の軸方向視図、図3(b)は図3(a)のB-B断面図である。図4はインナ筒部材14とインシュレータ15を示す図であり、図4(a)はインナ筒部材14およびインシュレータ15の軸方向視図、図4(b)は図4(a)におけるC-C断面図である。図5はアウタ筒部材13にインナ筒部材14を挿入した状態の斜視図である。
ブラケット9は、内部に第1貫通孔24が形成された筒状のアウタ筒部材13と、内部に第2貫通孔25が形成された筒状のインナ筒部材14と、インナ筒部材14の外周に加硫成形により固着されているインシュレータ15(第1弾性部材)と、アウタ筒部材13の両軸方向端部に設けられた上部ゴムシート11(第2弾性部材)、下部ゴムシート12(第3弾性部材)とから構成されている。
以下、車両の軸方向をX軸方向(第1軸方向)、第2貫通孔25の軸方向をY軸方向(第2軸方向)、X軸およびY軸に直交する方向をZ軸方向(第3軸方向)とする。
(インナ筒部材の構成)
インナ筒部材14に形成された第2貫通孔25の内周は、車両の車軸方向に長い長孔状に形成されている。またインナ筒部材14の外周は扁平円形状に形成されており、車軸方向に互いに平行に対向するようにほぼ直線上に形成された直線部14aと、この一対の直線部14aの車軸方向端部同士を円弧状に接続する円弧状部14bとを有する。
インナ筒部材14はアウタ筒部材13の第1貫通孔24内に収容されている。インナ筒部材14がアウタ筒部材13に収容された状態で、インナ筒部材14の外周とアウタ筒部材13の第1貫通孔24の内周との間には隙間が設けられている。このインナ筒部材14の外周とアウタ筒部材13の第1貫通孔24の内周との間の隙間を埋めるようにインシュレータ15が設けられている。
(インシュレータの構成)
インシュレータ15は、アウタ筒部材13の内周とインナ筒部材14の外周との間に設けられ、樹脂材料により形成されている。インシュレータ15の軸方向中間部の外周には内側に凹状の第1すぐり部18が形成されている。この第1すぐり部18は全周にわって形成されている。この第1すぐり部18の軸方向両側に厚肉部17が形成されている。厚肉部17の軸方向外側には、他の部分よりも肉厚が薄い薄肉部26が形成されている。インシュレータ15がアウタ筒部材13に装着された状態で、薄肉部26とアウタ筒部材13の第1貫通孔24との間にはZ軸方向に隙間が設けられた空間部27が形成されている。
またインシュレータ15には、X軸方向両側に内側に凹状の第2すぐり部16が形成されている。この第2すぐり部16はインシュレータ15の軸方向全体にわたって形成されている。
【0011】
(ゴムシートの構成)
上部ゴムシート11および下部ゴムシート12は、アウタ筒部材13のY軸方向両端部に設けられ、樹脂材料により形成されている。上部ゴムシート11と下部ゴムシート12は同じ形状に形成されている。
上部ゴムシート11と下部ゴムシート12の板部材であって、外径はアウタ筒部材13の外径よりも大きく形成されている。また、軸方向に貫通する貫通孔28が形成されており、この貫通孔28の内径はインナ筒部材14よりも大きく形成されている。すなわち、上部ゴムシート11および下部ゴムシート12がアウタ筒部材13に装着された状態で、アウタ筒部材13の軸方向端部を被覆するように形成されている。
上部ゴムシート11および下部ゴムシート12の片面には、2つの突起部23が形成されている。この突起部23のZ軸方向幅は、アウタ筒部材13の第1貫通孔24の内周面とインナ筒部材14の外周面とのZ軸方向幅とほぼ等しく形成されている。突起部23は前述の空間部27に挿入され、アウタ筒部材13の第1貫通孔24の内周とインナ筒部材14の外周面とZ方向において接触している。また突起部23は、インナ筒部材14の直線部14aよりも長く形成されている。これにより、突起部23がアウタ筒部材13およびインナ筒部材14に取付けられた状態で、突起部23のX軸方向両端部が直線部14aのX軸方向両端部よりも外側に配置されることとなる。
突起部23が空間部27に挿入されることにより、アウタ筒部材13およびインナ筒部材14に仮止めすることが可能となる。これにより、ブラケット9単体で一体となるため、ブラケット9の運搬時に上部ゴムシート11および下部ゴムシート12がアウタ筒部材13およびインナ筒部材14から外れることを防止することができ、またブラケット9をステアリングハウジング5や車体21に固定する際の作業性を向上することができる。
(ブラケットの取付)
ブラケット9を車体21に固定する際には、上部ゴムシート11にワッシャ22を当接させると共に、下部ゴムシート12を車体21に当接させた状態でインナ筒部材14の第2貫通孔25にボルトを挿入し、ナットで固定する。
【0012】
[作用]
ブラケット9はインシュレータ15によって、ステアリングハウジング5の車両の車軸方向であるX軸方向の動きと、ねじれ方向であるZ軸方向の動きによる振動を吸収している。従来では、上部ゴムシート11、下部ゴムシート12に設けた突起部は、X軸およびZ軸方向のインシュレータ15の弾性特性に影響を及ぼさないように、X軸およびZ軸方向避けて設けられていた。そのため突起部の設置位置や大きさに制限あり、上部ゴムシート11および下部ゴムシート12がアウタ筒部材13およびインナ筒部材14から外れてしまうことがあった。
そこで実施例1では、インシュレータ15がアウタ筒部材13に装着された状態で、インナ筒部材14のZ軸方向両側に形成された空間部27に上部ゴムシート11、下部ゴムシート12に設けた突起部23を挿入するようにした。
この構成により、突起部23の設置位置や大きさの制限が少なくなり、突起部23に上部ゴムシート11、下部ゴムシート12の取付機能と、ブラケット9のZ軸方向の支持剛性特性の調節機能とを持たせることができる。
また実施例1では、上部ゴムシート11および下部ゴムシート12の突起部23の軸方向幅を空間部27のZ軸方向の幅とほぼ等しくなるように形成した。
この構成により、突起部23を空間部27に挿入した際に、アウタ筒部材13とインナ筒部材14に突起部23が当接するが、突起部23は圧縮されないため、突起部23の挿入作業性を向上することができる。
また実施例1では、突起部23のX軸方向両端部を、インナ筒部材14の直線部14aのX軸方向両端部よりも外側に配置するようにした。
この構成により、突起部23を空間部27に挿入した際に、インナ筒部材14の円弧状部14bまで回り込むため、インシュレータ15に対する上部ゴムシート11および下部ゴムシート12の相対回転を抑制することができる。そのため、ステアリングハウジング5の支持剛性特性の変化を抑制することができる。
また実施例1では、インシュレータ15のX軸方向両端部に第2すぐり部16を設けた。インナ筒部材14はX軸方向に長い扁平円形状をしている。アウタ筒部材13とインナ筒部材との間を埋めるようにインシュレータ15が設けられるため、インシュレータ15の径方向厚さはX軸方向に対してZ軸方向の方が厚くなる。よってステアリングハウジング5の支持剛性はZ軸方向に対してX軸方向の方が高くなる。第2すぐり部16によってインシュレータ15のX軸方向両端部の厚さが相対的に薄くなり、X軸方向とZ軸方向の支持剛性特性を均一化することができる。
【0013】
[効果]
実施例1のパワーステアリング装置1の効果について以下に列記する。
(1)ステアリングホイールの操舵に基づき転舵輪を転舵させる操舵機構を収容するステアリングハウジング5と、ステアリングハウジング5に設けられ、内部に第1貫通孔24を有する筒状に形成され、ステアリングハウジング5を車両に取付けるためのアウタ筒部材13と、アウタ筒部材13内に設けられ、内部に第2貫通孔25を有する筒状に形成され、内周形状が車両の車軸方向であるX軸方向に長い長孔状に形成され、外周形状がX軸方向に長い扁平円形状に形成されると共に、第2貫通孔25の貫通方向であるY軸方向に対する径方向隙間が前記第1貫通孔24との間に設けられるように形成され、ステアリングハウジング5を車両に締結するためのボルトが挿入されるインナ筒部材14と、X軸方向とY軸方向の両方に対して直角となる方向をZ軸方向としたとき、アウタ筒部材13とインナ筒部材14の間に設けられ、樹脂材料で形成され、インナ筒部材14のY軸方向両端部のうちインナ筒部材14のZ軸方向両側に空間部27が設けられるように形成されたインシュレータ15と、アウタ筒部材13のY軸方向一方側および他方側の夫々に設けられ、樹脂部材で形成され、アウタ筒部材13のY軸方向端面の少なくとも一部を被覆するように形成された上部ゴムシート11および下部ゴムシート12と、空間部27に挿入されるように上部ゴムシート11および下部ゴムシート12の夫々に樹脂材料で一体成形され、空間部内周面のうちZ軸方向において対向する対向面の両側に接触するように形成された複数の突起部23とを設けた。
よって、突起部23の設置位置や大きさの制限が少なくなり、突起部23に上部ゴムシート11、下部ゴムシート12の取付機能と、ブラケット9のZ軸方向の支持剛性特性の調節機能とを持たせることができる。
【0014】
(2)突起部23のZ軸方向幅を空間部27の第3軸方向の幅とほぼ等しくなるように形成した。
突起部23を空間部27に挿入した際に、アウタ筒部材13とインナ筒部材14に突起部23が当接するが、突起部23は圧縮されないため、突起部23の挿入作業性を向上することができる。
(3)インナ筒部材14の外周形状を、互いに平行に対向するようにほぼ直線上に形成された一対の直線部14aと、一対の直線部14aのX軸方向両端同士を接続するように形成された一対の円弧状部14bとから構成され、突起部23は、突起部23のX軸方向両端部が直線部14aのX軸方向両端部よりも外側に配置されるように形成した。
(4)インシュレータ15のX軸方向両端部に第2すぐり部16を設けた。
第2すぐり部16によってインシュレータ15のX軸方向両端部の厚さが相対的に薄くなり、X軸方向とZ軸方向の支持剛性特性を均一化することができる。
【0015】
〔他の実施例〕
以上、本願発明を実施例1に基づいて説明してきたが、各発明の具体的な構成は各実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、実施例1のパワーステアリング装置1では、突起部23を2つ設けているが、分割して2以上設けるようにしても良い。
また、実施例1のパワーステアリング装置1では、アシスト力を付与する手段として油圧式が用いられているが、電動モータによりピニオン軸3にアシスト力を与えるようにしても良い。
【符号の説明】
【0016】
1 パワーステアリング装置
3 ピニオン軸(操舵機構)
4 ラック軸(操舵機構)
5 ステアリングハウジング
9 ブラケット
11 上部ゴムシート(第2弾性部材)
12 下部ゴムシート(第3弾性部材)
13 アウタ筒部材
14 インナ筒部材
14a 直線部
14b 円弧状部
15 インシュレータ(第1弾性部材)
16 第2すぐり部(すぐり部)
23 突起部
24 第1貫通孔
25 第2貫通孔
27 空間部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステアリングホイールの操舵に基づき転舵輪を転舵させる操舵機構を収容するステアリングハウジングと、
前記ステアリングハウジングに設けられ、内部に第1貫通孔を有する筒状に形成され、前記ステアリングハウジングを車両に取付けるためのアウタ筒部材と、
前記アウタ筒部材内に設けられ、内部に第2貫通孔を有する筒状に形成され、内周形状が車両の車軸方向である第1軸方向に長い長孔状に形成され、外周形状が前記第1軸方向に長い扁平円形状に形成されると共に、前記第2貫通孔の貫通方向である第2軸方向に対する径方向隙間が前記第1貫通孔との間に設けられるように形成され、前記ステアリングハウジングを車両に締結するためのボルトが挿入されるインナ筒部材と、
前記第1軸方向と前記第2軸方向の両方に対して直角となる方向を第3軸方向としたとき、
前記アウタ筒部材と前記インナ筒部材の間に設けられ、樹脂材料で形成され、前記インナ筒部材の前記第2軸方向両端部のうち前記インナ筒部材の前記第3軸方向両側に空間部が設けられるように形成された第1弾性部材と、
前記アウタ筒部材の前記第2軸方向一方側および他方側の夫々に設けられ、樹脂部材で形成され、前記アウタ筒部材の前記第2軸方向端面の少なくとも一部を被覆するように形成された第2弾性部材および第3弾性部材と、
前記空間部に挿入されるように前記第2弾性部材および前記第3弾性部材の夫々に樹脂材料で一体成形され、前記空間部内周面のうち前記第3軸方向において対向する対向面の両側に接触するように形成された複数の突起部と、
を有することを特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項2】
請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
前記突起部の前記第3軸方向幅は前記空間部の前記第3軸方向の幅とほぼ等しくなるように形成されることを特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項3】
請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
前記インナ筒部材の外周形状は、互いに平行に対向するようにほぼ直線上に形成された一対の直線部と、前記一対の直線部の前記第1軸方向両端同士を接続するように形成された一対の円弧状部とから構成され、
前記突起部は、前記突起部の前記第1軸方向両端部が前記直線部の前記第1軸方向両端部よりも外側に配置されるように形成されることを特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項4】
請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
前記第1弾性部材の前記第1軸方向両端部にすぐり部を有することを特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項1】
ステアリングホイールの操舵に基づき転舵輪を転舵させる操舵機構を収容するステアリングハウジングと、
前記ステアリングハウジングに設けられ、内部に第1貫通孔を有する筒状に形成され、前記ステアリングハウジングを車両に取付けるためのアウタ筒部材と、
前記アウタ筒部材内に設けられ、内部に第2貫通孔を有する筒状に形成され、内周形状が車両の車軸方向である第1軸方向に長い長孔状に形成され、外周形状が前記第1軸方向に長い扁平円形状に形成されると共に、前記第2貫通孔の貫通方向である第2軸方向に対する径方向隙間が前記第1貫通孔との間に設けられるように形成され、前記ステアリングハウジングを車両に締結するためのボルトが挿入されるインナ筒部材と、
前記第1軸方向と前記第2軸方向の両方に対して直角となる方向を第3軸方向としたとき、
前記アウタ筒部材と前記インナ筒部材の間に設けられ、樹脂材料で形成され、前記インナ筒部材の前記第2軸方向両端部のうち前記インナ筒部材の前記第3軸方向両側に空間部が設けられるように形成された第1弾性部材と、
前記アウタ筒部材の前記第2軸方向一方側および他方側の夫々に設けられ、樹脂部材で形成され、前記アウタ筒部材の前記第2軸方向端面の少なくとも一部を被覆するように形成された第2弾性部材および第3弾性部材と、
前記空間部に挿入されるように前記第2弾性部材および前記第3弾性部材の夫々に樹脂材料で一体成形され、前記空間部内周面のうち前記第3軸方向において対向する対向面の両側に接触するように形成された複数の突起部と、
を有することを特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項2】
請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
前記突起部の前記第3軸方向幅は前記空間部の前記第3軸方向の幅とほぼ等しくなるように形成されることを特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項3】
請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
前記インナ筒部材の外周形状は、互いに平行に対向するようにほぼ直線上に形成された一対の直線部と、前記一対の直線部の前記第1軸方向両端同士を接続するように形成された一対の円弧状部とから構成され、
前記突起部は、前記突起部の前記第1軸方向両端部が前記直線部の前記第1軸方向両端部よりも外側に配置されるように形成されることを特徴とするパワーステアリング装置。
【請求項4】
請求項1に記載のパワーステアリング装置において、
前記第1弾性部材の前記第1軸方向両端部にすぐり部を有することを特徴とするパワーステアリング装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【公開番号】特開2011−131624(P2011−131624A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−290334(P2009−290334)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
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