説明

パワートレイン制御装置

【課題】排気エミッション中の有害物質(特にHC)量が常に少なく,逆回転によるエンジン停止やトルク低下によるドライバビリティ悪化も生じない自動車を実現できるパワートレイン制御装置を提供する。
【解決手段】 パワートレイン10用のパワートレイン制御装置21を、内燃機関11の暖機が完了していない場合には、各点火プラグの点火時期がMBTよりかなり前となっている状態で内燃機関11を作動させると共に、モータ14を,内燃機関11のトルクアシストのために作動させ続ける装置として構成しておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワートレイン制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、自動車に用いられている火花点火式の内燃機関、排気エミッション浄化装置(排気ガス浄化装置)は、或る温度となったとき(暖機が完了したとき)に、本来の機能を発揮するものとなっている。このため、内燃機関の点火時期を通常の点火時期よりも進角/遅角させることにより、各部の暖機を促進すること(例えば、特許文献1,2を参照)が行われている。
【特許文献1】特開2000−240547号公報
【特許文献2】特開2003−293814号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記した従来の技術は内燃機関の暖気性は考慮しているものの、排気エミッションについては考慮されていないため、排気エミッションの規制強化に適応しきれない可能性がある。また、内燃機関の点火時期を通常の点火時期よりも進角させる場合には、逆回転によるエンジン停止およびトルク低下によるドライバビリティ悪化のおそれがある。
【0004】
そこで、本発明の課題は、排気エミッション中の有害物質(特にHC)量が,常に(内燃機関の冷間始動時等にも),少なく,逆回転によるエンジン停止やトルク低下によるドライバビリティ悪化も生じない自動車を実現できるパワートレイン制御装置を、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本発明では、火花点火式内燃機関、及び、前記火花点火式内燃機関の補助動力源として使用可能なモータを含むパワートレインを制御するためのパワートレイン制御装置を、前記火花点火式内燃機関の状態が,暖機が必要な未暖機状態にあるか否かを判別するための判別手段と、前記パワートレイン内の前記火花点火式内燃機関及び前記モータを制御するための制御手段であって、協働的に作動するように,前記モータ及び前記火花点火式内燃機関を制御する第1制御処理であって、前記火花点火式内燃機関については,各点火プラグの点火時期がMBTより前となっている状態で作動するように制御する第1制御処理、及び、各点火プラグの点火時期がMBT近傍の予め定められている時期となるように、前記火花点火式内燃機関を制御する第2制御処理を、実行可能であり、前記第1制御処理を開始した後,前記判別手段によって前記火花点火式内燃機関の状態が前記未暖機状態ではなくなったと判別されたときに,前記第2制御処理を開始する制御手段とを備えるものとしておく。
【0006】
すなわち、本発明のパワートレイン制御装置は、火花点火式内燃機関の暖機が完了していない場合、各点火プラグの点火時期がMBTより前となっている状態で火花点火式内燃機関を作動させる構成を有している。従って、本発明のパワートレイン制御装置によれば、火花点火式内燃機関からの排気エミッションに含まれるHC量を低減させる(詳細は後述)ことができることになる。また、火花点火式内燃機関(及び、それと接続された排気エミッション浄化装置)の暖機を促進できることにもなる。さらに、パワートレイン制御装置は、火花点火式内燃機関の暖機が完了していない場合、モータを,火花点火式内燃機関のトルクアシストのために作動させる装置ともなっている。このため、本発明のパワー
トレイン制御装置を用いれば、複雑な構成のパワートレイン制御装置(逆回転等の問題が生じないように、内燃機関の各点火プラグの点火時期を制御するパワートレイン制御装置)を設計・製造しなくても、排気エミッション中の有害物質(特にHC)量が,常に(内燃機関の冷間始動時等にも),少なく,逆回転によるエンジン停止やトルク低下によるドライバビリティ悪化も生じない自動車を実現できることになる。
【0007】
本発明のパワートレイン制御装置の判別手段としては、具体的な構成の異なるさまざまな手段を採用することが出来る。例えば、判別手段として、筒内温度(気筒内の温度)に基づき、火花点火式内燃機関の状態が未暖機状態にあるか否かを判別する手段を採用することも出来る。また、判別手段として、第1制御処理開始時から現時点までの積算空気量と,火花点火式内燃機関に設けられている冷却水水温を測定するためのセンサの第1制御処理開始時における出力とから,火花点火式内燃機関の筒内温度を推定し、推定した筒内温度に基づき、火花点火式内燃機関の状態が未暖機状態にあるか否かを判別する手段を採用することも出来る。
【0008】
火花点火式内燃機関に接続された排気エミッション浄化装置は、火花点火式内燃機関の状態に応じた状態(温度など)を取るものであるため、判別手段として、火花点火式内燃機関に接続された排気エミッション浄化装置の状態の調査結果に基づき,火花点火式内燃機関の状態が,未暖機状態にあるか否かを判別する手段を採用しておくことも出来る。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複雑な構成のパワートレイン制御装置(逆回転等の問題が生じないように、内燃機関の各点火プラグの点火時期を制御するパワートレイン制御装置)を設計・製造しなくても、排気エミッション中の有害物質(特にHC)量が,常に(内燃機関の冷間始動時等にも),少なく,逆回転によるエンジン停止やトルク低下によるドライバビリティ悪化も生じない自動車を実現できることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
《第1実施形態》
図1に、本発明の第1実施形態に係るパワートレイン制御装置21の使用形態を示す。
【0012】
図1に模式的にあるように、本発明の第1実施形態に係るパワートレイン制御装置21は、火花点火式内燃機関11(以下,内燃機関11と略記する),モータ12,動力分割機構13,モータ14,減速機15等からなるパワートレイン10(いわゆるハイブリッドエンジン)と組み合わせて使用される装置である。
【0013】
本実施形態に係るパワートレイン制御装置21が制御するパワートレイン10は、従来より存在するものである。このため、詳細説明は省略するが、このパワートレイン10は、発電機及びイグニッションモータとして機能するモータ14と、バッテリ走行を行うためのモータ12とを備えたものとなっている。そして、パワートレイン10は、各動力源〔内燃機関11,モータ12,イグニッションモータとして機能しているモータ14〕からの動力が,動力分割機構13によって自動的に各部〔車軸30,発電機として機能しているモータ14等〕へ分割されるもの(動力分割機構13に対する制御が不要なもの)となっている。
【0014】
また、図示してあるように、パワートレイン10は、モータ12及びモータ14が,インバータ16を介してバッテリ17と接続され、内燃機関11が,排気エミッション浄化装置18が設けられている排気系と接続された形で使用されるエンジンとなっている。さ
らに、パワートレイン10内の内燃機関11は、内燃機関11の回転数(クランクの位置が所定位置となったこと)を検出するためのクランクポジションセンサ,気筒内の温度(以下、筒内温度と表記する)を検出するための温度センサ,冷却水水温を検出するための温度センサといった各種のセンサが取り付けられたものとなっている。
【0015】
本実施形態に係るパワートレイン制御装置21は、このような構成を有するパワートレイン10を制御可能な既存のパワートレイン制御装置(CPU,ROM,RAM,各種入出力回路等からなる,いわゆるECU;以下、従来制御装置と表記する)を改良した装置である。
【0016】
具体的には、パワートレイン制御装置21は、パワートレイン10の始動が指示された場合(イグニッションキーが回された場合)に,図2に示した手順の始動時処理を行うように、従来制御装置をソフトウェア的に改良した装置となっている。
【0017】
すなわち、パワートレイン制御装置21は、パワートレイン10の始動が指示された場合、以下のような制御を行う装置となっている。
【0018】
この場合、パワートレイン制御装置21は、まず、モータによるエンジン始動制御(ステップS101)を行う。ここで、モータによるエンジン始動制御とは、モータ14を作動させるための制御のことである。
【0019】
その後、パワートレイン制御装置21は、内燃機関11に設けられているクランクポジションセンサからの出力(図1参照)に基づき、エンジン回転数(内燃機関11の単位時間当たりの回転数)が,所定回転数(予め設定されている回転数)以上となるのを待機(監視)する処理(ステップS102)を開始する。
【0020】
そして、パワートレイン制御装置21は、エンジン回転数が所定回転数以上となった場合(ステップS102;YES)には、内燃機関11を,各点火プラグの点火時期がMBT(Minimum advance for Best Torque)より前となっている状態で作動させるための制
御である点火時期進角制御を開始する(ステップS103)。なお、このステップS103で開始される点火時期進角制御は、モータ14でトルクアシストされていない場合には,内燃機関11が逆回転してしまう程度まで、各点火プラグの点火時期を進角させるものとなっている。
【0021】
その後、パワートレイン制御装置21は、内燃機関11に設けられている筒内温度用の温度センサの出力である筒内温度T(図1参照)が,予め設定されている温度Tmin以上
となるのを待機(監視)する処理(ステップS104)を開始する。そして、パワートレイン制御装置21は、筒内温度TがTmin以上となった場合(ステップS104;YES
)には、点火時期進角制御を終了して通常の点火時期制御を開始する処理(ステップS105)を行う。なお、通常の点火時期制御とは、内燃機関11を,各点火プラグの点火時期がMBT近傍となっている状態で作動させるための制御のことである。
【0022】
ステップS105の処理を終えたパワートレイン制御装置21は、モータ14を停止させるため処理(ステップS106)を行ってから、この始動時処理(図2の処理)を終了して,通常制御処理(従来制御装置が行っているものと同じ制御処理)を開始する。
【0023】
以上の説明から明らかなように、パワートレイン制御装置21は、火花点火式内燃機関11の暖機が完了していない場合(筒内温度T<Tminが成立している場合)、各点火プラグの点火時期がMBTよりかなり前となっている状態で火花点火式内燃機関11を作動させることにより、火花点火式内燃機関11,及び,排気エミッション浄化装置18の
暖機を促進する装置となっている。また、パワートレイン制御装置21は、火花点火式内燃機関11の暖機が完了していない場合には、モータ14を,火花点火式内燃機関11のトルクアシストのために作動させ続ける装置ともなっている。
【0024】
そして、本願発明者の鋭意の実験及び検証によって、筒内温度が比較的に低い状態で各点火プラグの点火時期を過進角した場合は、図3に示したように、その進角量が増加するほど火花点火式内燃機関11から排出される未燃燃料成分(HC)の量が少なくなることが、解明されている。
【0025】
このため、このパワートレイン制御装置21を用いておけば、複雑な構成のパワートレイン制御装置(逆回転等の問題が生じないように、各点火プラグの点火時期を制御するパワートレイン制御装置)を設計・製造しなくても、排気エミッション中の有害物質(特にHC)量が常に少なく,逆回転によるエンジン停止やトルク低下によるドライバビリティ悪化も生じない自動車を実現できることになる。
【0026】
《第2実施形態》
図4に、本発明の第2実施形態に係るパワートレイン制御装置22の使用形態を示す。
【0027】
図から明らかなように、本発明の第2実施形態に係るパワートレイン制御装置22は、既に説明したパワートレイン10を制御するための装置である。
【0028】
以下、パワートレイン制御装置21と異なる部分を中心に、既に説明している用語の説明は省略する形で、パワートレイン制御装置22の構成・動作を説明することにする。
【0029】
本実施形態に係るパワートレイン制御装置22は、パワートレイン10の始動が指示された場合に図5に示した手順の始動時処理を行うように、従来制御装置を改良した装置である。
【0030】
すなわち、パワートレイン10の始動が指示された場合、パワートレイン制御装置22は、まず、内燃機関11に設けられている冷却水水温用の温度センサからの出力(図4参照)に基づき、その時点における冷却水水温Tstを特定(把握)する処理(ステップS201)を行う。また、このステップS201において、パワートレイン制御装置22は、内燃機関11の総回転数(クランクポジションセンサの出力が所定出力となるというイベントの発生回数)のカウントを開始する処理も行う。
【0031】
その後、パワートレイン制御装置22は、ステップS202〜S204にて,それぞれ,上記したステップS101〜S103の処理(図2参照)と同じ処理を行う。
【0032】
そして、ステップS204の処理を終えたパワートレイン制御装置22は、その時点における内燃機関11の総回転数のカウント結果等に基づき,エンジン始動から,その時点までの積算空気量GAsumを求めた上で、当該GAsum,及び,ステップS201の処理で特定しておいた冷却水水温Tstを,筒内温度Tを推定するための演算式に代入することによって、筒内温度Tを推定する処理(ステップS205)を行う。
【0033】
要するに、図6に示したように、筒内温度Tは,積算空気量GAsumのみからは求める
ことが出来ない温度となっている。このため、上記したように、パワートレイン制御装置22を、予め,エンジン始動時の冷却水水温Tstを特定する装置であると共に、現在の(ステップS205実行時点における)筒内温度Tを,現在のGAsumと,特定しておいた
冷却水水温Tstとから推定する装置として構成してある(プログラミングしてある)のである。
【0034】
ステップS205の処理を終えたパワートレイン制御装置22は、推定した筒内温度Tが,予め設定されている温度Tmin以上であるか否かを判断(ステップS206)し、筒
内温度TがTmin未満であった場合(ステップS206;NO)には、ステップS205
に戻って、再び、現在の筒内温度Tを推定する処理を行う。
【0035】
また、パワートレイン制御装置22は、推定した筒内温度TがTmin以上であった場合
(ステップS206;YES)には、点火時期進角制御を終了して通常の点火時期制御を開始する処理(ステップS207)と、モータ14を停止させるため処理(ステップS208)とを行う。そして、パワートレイン制御装置22は、この始動時処理を終了して、通常制御処理を開始する。
【0036】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係るパワートレイン制御装置22も、第1実施形態に係るパワートレイン制御装置21と同様の制御をパワートレイン10に対して行う装置となっている。
【0037】
従って、このパワートレイン制御装置22を用いても、複雑な構成のパワートレイン制御装置を設計・製造しなくても、排気エミッション中の有害物質量が常に少なく,逆回転によるエンジン停止やトルク低下によるドライバビリティ悪化も生じない自動車を実現できることになる。
【0038】
《第3実施形態》
図7に、本発明の第3実施形態に係るパワートレイン制御装置23の使用形態を示す。
【0039】
図から明らかなように、本発明の第3実施形態に係るパワートレイン制御装置23も、パワートレイン10を制御するための装置である。
【0040】
そして、本実施形態に係るパワートレイン制御装置23は、パワートレイン10の始動が指示された場合、図8に示した手順の始動時処理を行うように、従来制御装置を改良した装置となっている。
【0041】
すなわち、パワートレイン制御装置23は、パワートレイン10の始動が指示された場合、まず、ステップS301〜S303にて、それぞれ、ステップS101〜S103の処理と同じ処理を行う。つまり、これらのステップにおいて、パワートレイン制御装置21は、モータ14によるエンジン始動制御を行ってから、エンジン回転数が所定回転数以上となるのを待機し、エンジン回転数が所定回転数以上となったときに、内燃機関11を,各点火プラグの点火時期がMBTより前となっている状態で作動させるための点火時期進角制御を開始する処理を行う。
【0042】
その後、パワートレイン制御装置21は、排気エミッション浄化装置18に設けられている温度センサの出力である触媒温度が、予め設定されている規定温度以上となるのを待機(監視)する処理(ステップS304)を開始する。そして、パワートレイン制御装置21は、触媒温度が規定温度以上となった場合(ステップS304;YES)には、点火時期進角制御を終了して通常の点火時期制御を開始する処理(ステップS305)と、モータ14を停止させるため処理(ステップS306)とを行う。そして、パワートレイン制御装置23は、この始動時処理を終了して、通常制御処理を開始する。
【0043】
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係るパワートレイン制御装置23も、いわば、火花点火式内燃機関11の状態を、火花点火式内燃機関11の筒内温度と強い相関がある触媒温度にて判断するように、パワートレイン制御装置21,22を変形した装置
となっている。
【0044】
従って、このパワートレイン制御装置23を用いても、複雑な構成のパワートレイン制御装置(逆回転等の問題が生じないように、各点火プラグの点火時期を制御するパワートレイン制御装置)を設計・製造しなくても、排気エミッション中の有害物質(特にHC)量が常に少なく,逆回転によるエンジン停止やトルク低下によるドライバビリティ悪化も生じない自動車を実現できることになる。
【0045】
《変形形態》
上記した各実施形態に係るパワートレイン制御装置21〜23は、各種の変形を行うことが出来る。例えば、パワートレイン制御装置21〜23を、モータ12を有さないパワートレイン用のものに変形しておくことが出来る。また、パワートレイン制御装置21〜23を、内燃機関11の筒内温度が下がった場合には、常に(パワートレイン10の始動時以外にも)、上記したような制御を,内燃機関11及びモータ14(又はモータ12)に対して行う装置に変形しておくことも出来る。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の第1実施形態に係るパワートレイン制御装置の使用形態の説明図である。
【図2】第1実施形態に係るパワートレイン制御装置が実行する始動時処理の流れ図である。
【図3】気筒内から排出される未燃燃料成分(HC)と点火時期との関係を示す図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係るパワートレイン制御装置の使用形態の説明図である。
【図5】第2実施形態に係るパワートレイン制御装置が実行する始動時処理の流れ図である。
【図6】第2実施形態に係るパワートレイン制御装置による筒内温度の推定手順の意味を説明するための図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係るパワートレイン制御装置の使用形態の説明図である。
【図8】第3実施形態に係るパワートレイン制御装置が実行する始動時処理の流れ図である。
【符号の説明】
【0047】
10 パワートレイン
11 火花点火式内燃機関
12 モータ
13 動力分割機構
14 発電機
15 減速機
16 インバータ
17 バッテリ
18 排気エミッション浄化装置
21,22,23 パワートレイン制御装置
30 車軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
火花点火式内燃機関、及び、前記火花点火式内燃機関の補助動力源として使用可能なモータを含むパワートレインを制御するためのパワートレイン制御装置において、
前記火花点火式内燃機関の状態が,暖機が必要な未暖機状態にあるか否かを判別するための判別手段と、
前記パワートレイン内の前記火花点火式内燃機関及び前記モータを制御するための制御手段であって、
協働的に作動するように,前記モータ及び前記火花点火式内燃機関を制御する第1制御処理であって、前記火花点火式内燃機関については,各点火プラグの点火時期がMBTより前となっている状態で作動するように制御する第1制御処理、及び、
各点火プラグの点火時期がMBT近傍の予め定められている時期となるように、前記火花点火式内燃機関を制御する第2制御処理を、実行可能であり、
前記第1制御処理を開始した後,前記判別手段によって前記火花点火式内燃機関の状態が前記未暖機状態ではなくなったと判別されたときに,前記第2制御処理を開始する制御手段と
を備えることを特徴とするパワートレイン制御装置。
【請求項2】
前記判別手段が、
前記火花点火式内燃機関に設けられている,筒内温度に基づき、前記火花点火式内燃機関の状態が前記未暖機状態にあるか否かを判別する手段である
ことを特徴とする請求項1記載のパワートレイン制御装置。
【請求項3】
前記判別手段が、
前記第1制御処理開始時から現時点までの積算空気量と,前記火花点火式内燃機関に設けられている冷却水水温を測定するためのセンサの前記第1制御処理開始時における出力とから,前記火花点火式内燃機関の筒内温度を推定し、推定した筒内温度に基づき、前記火花点火式内燃機関の状態が前記未暖機状態にあるか否かを判別する手段である
ことを特徴とする請求項1記載のパワートレイン制御装置。
【請求項4】
前記判別手段が、
前記火花点火式内燃機関に接続された排気エミッション浄化装置の状態の調査結果に基づき,前記火花点火式内燃機関の状態が,前記未暖機状態にあるか否かを判別する手段である
ことを特徴とする請求項1記載のパワートレイン制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−126230(P2009−126230A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−300524(P2007−300524)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】