説明

パワープラント機械の過速度保護システムを試験する方法及びシステム

【課題】トリップの機会を低減させる過速度保護システムを試験する方法を提供すること。
【解決手段】本発明の実施形態は、シャフト(137)を備え、安全制御システム(190)と一体化されたパワープラント機械の過速度保護システムを自動的に試験するという技術的な効果を有する。本発明の一実施形態では、パワープラント機械がシャットダウン中である間に過速度保護システムを自動的に試験することができる。本発明の別の実施形態では、無負荷定格速度で動作しながらシャフト(137)の速度を調整することによって、パワープラント機械の過速度保護システムを自動的に試験することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パワープラント機械の保護システムに関し、より詳細には、パワープラント機械のための自動化された過速度保護システムに関する。この出願は、本発明の譲受人に譲渡された2006年10月10日出願の米国特許出願第11/584,095号及び2006年10月30日出願の米国特許出願第11/589,579号に関する。
【背景技術】
【0002】
パワープラント機械上のシャフトの速度が指定の範囲を超過した後は、過速度状態が発生する。過速度状態中、パワープラント機械は通常、破局的な故障を引き起こしうる深刻な機械的及び熱的応力を受ける。
【0003】
通常、パワープラント機械は、過速度状態の影響を低減しようとする保護システムを装備する。通常、調速機システムが1次的な保護線として働く。過速度状態を検出すると、調速機は、シャフトの減速を試みる。また、2次的な又は独立した保護線、すなわち過速度保護システムが存在することもある。通常、過速度保護システムは、パワープラント機械を守るために機械的構成要素、電気的構成要素、及びソフトウェア構成要素を組み込む。過速度保護システムは、過速度イベント発生中、緊急シャットダウン(一般にトリップと呼ばれる)を開始することによってパワープラント機械を保護する。
【0004】
一部のパワープラント機械は、独立した専用の保護システムと一体化される。これは、パワープラント機械に独立した保護層を提供する安全制御システムと見なすことができる。安全制御システムは一般に、少なくとも1つの独立した制御装置を提供し、この制御装置は、たとえばそれだけに限定されるものではないが、過速度イベントを検出すると、安全手段としてパワープラント機械をトリップさせることができる。
【0005】
本質的に、安全制御システムと動作制御システムは一体化されない。安全制御システムは、動作制御システムを制御せず、逆も同様である。一部の安全制御システムは、動作制御システムと並行して動作することができる。他の安全制御システムは、動作しているパワープラント機械に対する追加の保護層として動作することができる。
【0006】
パワープラントの操作者は、過速度保護システムを定期的に試験して、システムが正しく機能しているかどうかを判断する。過速度保護システムを試験する前、パワープラント機械は習慣的に、無負荷定格速度(FSNL)状態で動作している。FSNLとは、パワープラント機械が正常の動作速度であり、負荷に対してエネルギーを搬出していない状態である。過速度試験では通常、正常の動作範囲を上回るようにシャフトの速度を手動で上昇させる必要がある。たとえば、それだけに限定されるものではないが、過速度試験中、操作者は、シャフトの速度を正常の動作速度の110%まで上昇させることができ、その後過速度保護システムは、パワープラント機械をトリップさせるはずである。
【0007】
現在の過速度試験方法には、いくつかの問題がある。シャフト速度を手動で調整することで、高い熱過渡をもたらすことがある。正常の動作速度付近又はそれを上回る速度でのトリップは、パワープラント機械の構成要素上に大きな機械的、電気的、及び熱的応力をもたらす可能性がある。これらの応力は、保守間隔を低減させる。さらに、トリップ後はパワープラント機械を再始動する必要があり、これにより、エネルギーの搬出を遅延させる。さらに、現在の過速度試験方法では通常、パワープラント機械がFSNLで動作する必要がある。これは、利益を生むのではなく、燃料及び電気を消費する。これらの問題により、パワープラント機械の操作者は、手動の速度調整、トリップ、FSNL動作、及び過速度試験の回避せざるをえなくなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2007/0013365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記の理由で、トリップの機会を低減させる過速度保護システムを試験する方法が必要とされている。この方法は、他のパワープラント機械と一体化されたものを含めて、多種多様なパワープラント機械に適応できるはずである。この方法は、安全制御システムと一体化されたパワープラント機械に適用できるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、パワープラントの過速度保護システムを試験する方法であって、シャフト及び動作制御システムを備えるパワープラント機械を用意するステップであり、動作制御システムが、パワープラント機械を動作させるように構成されており、動作制御システムが、シャフトに関連する過速度イベントを検出するように構成された過速度保護システムを備える、ステップと、動作制御システムから独立した安全制御システムを用意するステップであり、安全制御システムが、パワープラント機械の動作に関連するリスクを低減させるように構成されており、安全制御システムが、動作制御システムから独立したスタンドアロンシステムとして機能する、ステップと、過速度保護システムを試験する方法論を選択するステップであり、方法論が、パワープラント機械がシャットダウンモードで動作しているか、それとも動作モードで動作しているかを判断する、ステップと、パワープラント機械がシャットダウンモードである場合、シャフトの速度が過速度イベントを表すシャットダウン値を超過するかどうかを判断するステップと、パワープラント機械が動作モードである場合、シャフトの速度が過速度イベントを表す過速度トリップ値を超過するかどうかを判断するステップと、過速度トリップ値を変化させるステップと、過速度保護システムがパワープラント機械をトリップさせるように動作するかどうかを判断するステップとを含み、過速度保護システムの試験中にトリップが発生する可能性を低減させる方法が提供される。
【0011】
パワープラントは、複数のパワープラント機械を備えることができる。ここでは、複数のパワープラント機械は、ガスタービン及び蒸気タービンを備え、シャフトは、ガスタービンと蒸気タービンを一体化させて、蒸気及びガス伝動装置(STAG)を形成する。
【0012】
方法論は、シャットダウンモード向けに構成されたシャットダウンモード手順と、動作モード向けに構成された動作モード手順とを含むことができる。
【0013】
動作モード手順は、シャフトの速度をほぼ過速度トリップ値に自動的に調整するステップと、シャフトの速度がほぼ過速度トリップ値であるかどうかを判断するステップと、シャフトの速度がほぼ過速度トリップ値であるかどうかを判断した後、シャフトの速度をほぼ動作速度に自動的に調整するステップとを実行することができる。
【0014】
この方法は、過速度試験を開始するステップと、安定化許容度が満足されるかどうかを判断し、安定化許容度が満足されない場合、過速度試験を中断するステップと、シャフトの速度を自動的に調整するステップと、シャフトの速度が過速度トリップ値を超過するかどうかを判断するステップと、シャフト速度基準が過速度トリップ値を超過するかどうかを判断するステップと、シャフト速度基準が過速度トリップ値を超過し、一方シャフトの速度が過速度トリップ値を下回る場合、過速度試験を中断するステップと、シャフトの速度の自動調整を自動的に使用不能にするステップとをさらに含むことができる。ここでは、過速度試験を中断するステップが、シャフトの速度をほぼ動作速度に調整することができる。
【0015】
この方法は、動作許容度が満足されるかどうかを判断するステップをさらに含むことができる。この方法は、過速度試験許容度が満足されるかどうかを判断するステップをさらに含むことができる。この方法は、過速度トリップ設定点にバイアスをかけるステップをさらに含むことができる。
【0016】
本発明の代替実施形態によれば、パワープラントの過速度保護システムを試験する方法であって、ガスタービン及び蒸気タービンを備えるパワープラントを用意するステップであり、シャフトが、ガスタービンと蒸気タービンを一体化させて蒸気及びガス伝動装置(STAG)を形成する、ステップと、動作制御システムを用意するステップであり、動作制御システムが、パワープラント機械を動作させるように構成されており、動作制御システムが、シャフトに関連する過速度イベントを検出するように構成された過速度保護システムを備える、ステップと、動作制御システムから独立した安全制御システムを用意するステップであり、安全制御システムが、パワープラント機械の動作に関連するリスクを低減させるように構成されており、安全制御システムが、動作制御システムから独立したスタンドアロンシステムとして機能する、ステップと、過速度保護システムを試験する方法論を選択するステップであり、方法論が、STAGがシャットダウンモードで動作しているか、それとも動作モードで動作しているかを判断する、ステップと、STAGがシャットダウンモードである場合、シャフトの速度が過速度イベントを表すシャットダウン値を超過するかどうかを判断するステップと、STAGが動作モードである場合、シャフトの速度が過速度イベントを表す過速度トリップ値を超過するかどうかを判断するステップと、過速度トリップ値を変化させるステップと、過速度保護システムがSTAGをトリップさせるように動作するかどうかを判断するステップとを含み、過速度保護システムの試験中にSTAGトリップの可能性を低減させる方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態が動作する環境を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施形態による過速度保護システムを試験する方法を示す概略図である。
【図3A】本発明の一実施形態による図2のシャットダウンシーケンス中に過速度保護システムを試験する方法の一例を示す流れ図である。
【図3B】本発明の一実施形態による図2のシャットダウンシーケンス中に過速度保護システムを試験する方法の一例を示す流れ図であり、図3Aの続きである。
【図4】本発明の一実施形態による使用中の図2及び3の方法を示す概略図である。
【図5A】本発明の一実施形態による図2の過速度保護システムを試験する第2の方法の一例を示す流れ図である。
【図5B】本発明の一実施形態による図2の過速度保護システムを試験する第2の方法の一例を示す流れ図であり、図5Aの続きである。
【図6−1】本発明の一実施形態による使用中の図2及び5の方法を示す概略図である。
【図6−2】本発明の一実施形態による使用中の図2及び5の方法を示す概略図である。
【図7】本発明の実施形態による過速度保護システムを試験する例示的なシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、シャフトを備え、安全制御システムと一体化されたパワープラント機械の過速度保護システムを自動的に試験するという技術的な効果を有する。本発明の一実施形態では、パワープラント機械がシャットダウン中である間に過速度保護システムを自動的に試験することができる。本発明の別の実施形態では、FSNLで動作しながらシャフトの速度を調整することによって、パワープラント機械の過速度保護システムを自動的に試験することができる。
【0019】
本明細書では、詳細な例示的な実施形態を開示する。しかし、本明細書に開示される特有の構成上及び機能上の詳細は、例示的な実施形態を説明することを目的として、単に代表的なものである。しかし、例示的な実施形態は、多くの代替形式で実施することができ、本明細書に記載の実施形態のみに限定されるものとして解釈されるべきではない。
【0020】
したがって、例示的な実施形態では、様々な修正及び代替形式が可能であるが、これらの実施形態は、例として図面に示し、本明細書で詳細に説明する。しかし、例示的な実施形態は開示した特定の形式に限定されるものではなく、逆に、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の範囲内に入るすべての修正形態、均等物、及び代替形態を包含するものであることを理解されたい。
【0021】
本明細書で第1、第2などの用語を使用して様々な要素について説明することがあるが、これらの要素はこれらの用語に限定されるべきではないことが理解されるであろう。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。たとえば、例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。本明細書では、「及び/又は」という用語は、1つ又は複数の関連する記載項目のあらゆる組合せを含む。
【0022】
本明細書で使用される術語は、特定の実施形態について説明することのみを目的とし、例示的な実施形態を限定しようとするものではない。本明細書では、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈上別段の明示がない限り、複数形も同様に含むものとする。「備える、含む(comprises)」、「備える、含む(comprising)」、「含む(includes)」、及び/又は「含む(including)」という用語は、本明細書で使用するとき、記載の特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又は構成要素の存在を指定するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除しないことがさらに理解されるであろう。
【0023】
いくつかの代替の実装形態では、記載の機能/動作は、図に示す順序以外で行いうることにも留意されたい。たとえば、2つの連続する図は、関係する機能/動作に応じて、実質上同時に実行することができ、又は時には逆の順序で実行することもできる。
【0024】
本発明は、多くの形態のパワープラント機械に適用することができる。パワープラント機械は、部分的にはシャフトを回転させることによってエネルギーを伝達する機械と見なすことができる。パワープラントの中には、それだけに限定されるものではないがターボ機械など複数のパワープラント機械で構成されるものもあれば、回転シャフトで構成されるものもある。パワープラントの構成は、それだけに限定されるものではないが、単一のシャフトによって一体化された蒸気タービン及びガスタービン(一般に一軸型STAGと呼ぶ)、又は複数のシャフトを介して一体化された複数のタービンを含むことができる。シャフトは複数のパワープラント機械を一体化させ、それによって各パワープラント機械は、シャフトを回転させるトルクに寄与することができる。したがって、本発明の実施形態は、単一のシャフトを備える単一のパワープラント機械、複数のシャフトを備える単一のパワープラント機械、STAG構成で一体化された複数のパワープラント機械、又は複数のシャフトを介して一体化された複数のパワープラント機械に適用することができる。
【0025】
本発明の実施形態は、それだけに限定されるものではないが、開放及び/又は閉鎖システム内の半径流機、軸流機、遠心機など、回転式機械の形式を有する多種多様なパワープラント機械に適用することができる。これは、それだけに限定されるものではないが、軸流タービン、軸流圧縮機、遠心圧縮機、螺旋状のねじ圧縮機、半径流タービン、トルクコンバータ、ポンプ、ファン、ブロワ、水力タービン、船舶用プロペラ、風力タービン、又はこれらの任意の組合せを含むことができる。
【0026】
パワープラント機械はまた、電力を生成及び/又は消費するように構成されたターボ機械の形式を有することができる。これらのターボ機械は、それだけに限定されるものではないが、燃焼タービン及び蒸気タービンを含むことができる。これらのターボ機械は主に、作動流体の圧力を増大させるように機能することができる。作動流体の非限定的な例には、空気、水、ガス、物理的物質、又はこれらの任意の組合せが含まれる。これらのターボ機械は、それだけに限定されるものではないが、ガス、液体燃料、空気、水、蒸気、風、電気、熱、蒸気、又はこれらの任意の組合せなど、多種多様なエネルギー源を消費することができる。
【0027】
本発明の実施形態は、それだけに限定されるものではないが、航空宇宙、自動車、冷却、加熱、工業、発電、海洋、化学、農業、石油化学用の機械的駆動装置、ポンプ、ファン、ブロワ、圧縮器などを含めて、多種多様な応用例で動作するパワープラント機械に適用することができる。
【0028】
図を次に参照すると、図1は、本発明の一実施形態が動作できる環境を示す概略図である。図では、いくつかの図全体にわたって、様々な番号が同じ要素を表す。図1は、ガスタービン105及び蒸気タービン160を有する、コンバインドサイクル構成のパワープラント100を示す。シャフト137が、ガスタービン105と蒸気タービン160を一体化させる。この構成は、一軸型STAG伝動装置と見なされる。本発明の実施形態について、本明細書では一軸型STAGの応用例を参照して説明するが、本発明は、他のパワープラントの構成に適用することもできる。本発明の実施形態は、単一のシャフトを備える単一のパワープラント機械、複数のシャフトを備える単一のパワープラント機械、又は複数のシャフトを介して一体化された複数のパワープラント機械に適用することができる。
【0029】
ガスタービン105は通常、圧縮器部110、燃焼システム120、タービン部125、及び排気部130を備える。通常、圧縮器110は、図1に矢印で表すように、吸気を取り入れて圧縮する。圧縮空気は、燃焼システム120まで下流へ流れることができ、燃焼システム120で圧縮空気は、ガス燃料システム150から受け取った、それだけに限定されるものではないが天然ガスなどの燃料と混合され、次いで燃焼される。燃焼プロセス中に解放されたエネルギーは、下流へ流れ、タービン部125を駆動する。ガスタービン105にはシャフト137を介して、それだけに限定されるものではないが、発電機167などの負荷を結合することができる。ここでは、タービン部125内で生成される機械的トルクが、発電機167を駆動する。
【0030】
ガスタービン105の動作中に生成される排気135は、排気部130を通って下流へ流れることができ、排熱回収蒸気発生器(HRSG)140によって受け取ることができる。HRSG140は、熱交換プロセスを利用して、排気135中の熱の一部を復水又は給水147へ伝達し、蒸気145を生じさせる。蒸気145は、シャフト137を介して、ガスタービン105に結合された蒸気タービン160まで下流へ流れることができる。蒸気タービン160を通って流れた後、蒸気145は復水器165内で凝結し、復水147を形成する。次いで復水又は給水ポンプ(図示せず)は、復水又は給水147をHRSG140内へ運び、HRSG140で前述のプロセスを繰り返すことができる。HRSG140を通って流れた後、排気135は、排気筒(図示せず)へ流れることができる。蒸気145が蒸気タービン160を通って流れると、蒸気145のエネルギーが機械的トルク内に伝達されてシャフト137を駆動する。
【0031】
動作制御システム170が、パワープラント100の動作を監視及び制御することができる。本発明の実施形態によれば、動作制御システム170は、下記の過速度試験システムを実施することができる。
【0032】
安全制御システム190が、独立した専用の保護システムとして働く。論じたように、安全制御システムは、独立した保護層を提供する。一部の安全制御システムは、動作制御システムと並行して動作することができる。一部の他の安全制御システムは、動作しているパワープラント機械に対する追加の保護層として動作することができる。
【0033】
理解されるように、本発明は、方法、システム、又はコンピュータプログラム製品として実施することができる。したがって、本発明は、全面的にハードウェアの実施形態、全面的にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、又はソフトウェアとハードウェアの態様を組み合わせる一実施形態の形式をとることができる。これらをすべて、本明細書では概して「回路」、「モジュール」、又は「システム」と呼ぶ。さらに、本発明は、コンピュータ使用可能記憶媒体上でコンピュータプログラム製品の形式をとることができ、媒体内で実施されるコンピュータ使用可能プログラムコードを有する。本明細書では、「ソフトウェア」及び「ファームウェア」という用語は交換可能であり、RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、及び不揮発性RAM(NVRAM)メモリを含めて、プロセッサによって実行するためにメモリ内に記憶された任意のコンピュータプログラムを含む。上記のメモリタイプは例示のみを目的としており、したがって、コンピュータプログラムの記憶に使用可能なメモリのタイプを限定するものではない。任意の適切なコンピュータ読取り可能媒体を利用することができる。
【0034】
コンピュータ使用可能又はコンピュータ読取り可能媒体は、たとえば、それだけに限定されるものではないが、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、又は半導体のシステム、装置、デバイス、又は伝搬媒体とすることができる。コンピュータ読取り可能媒体のより具体的な例(排他的でないリスト)には、1つ又は複数のワイアを有する電気的接続、携帯型のコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取り専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラム可能な読取り専用メモリ(EPROMもしくはフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯型のコンパクトディスク読取り専用メモリ(CD−ROM)、光記憶デバイス、インターネットもしくはイントラネットに対応するものなどの伝送媒体、又は磁気記憶デバイスが含まれるであろう。コンピュータ使用可能又はコンピュータ読取り可能媒体は、たとえば紙又は他の媒体の光走査を介してプログラムを電子的に捕獲し、次いでコンパイルし、解釈し、又は必要に応じてその他の方法で適切に処理し、次いでコンピュータメモリ内に記憶できるため、紙又はプログラムが印刷された別の適切な媒体でも可能であることに留意されたい。本明細書では、コンピュータ使用可能又はコンピュータ読取り可能媒体は、命令実行システム、装置、もしくはデバイスによって又はこれらに関連して使用するためのプログラムを収容、記憶、通信、伝搬、又は輸送できる任意の媒体とすることができる。
【0035】
本明細書では、プロセッサという用語は、本明細書に記載の機能を実行することが可能な中央演算処理装置、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、縮小命令セット回路(RISC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、論理回路、及び任意の他の回路又はプロセッサを指す。
【0036】
本発明の動作を実施するコンピュータプログラムコードは、Java(商標)7、Smalltalk、又はC++などのオブジェクト指向プログラミング言語で書き込むことができる。しかし、本発明の動作を実施するコンピュータプログラムコードはまた、「C」プログラミング言語などの従来の手続き的プログラミング言語又は類似の言語で書き込むこともできる。プログラムコードは、全面的にユーザのコンピュータ上で、スタンドアロンソフトウェアパッケージとして部分的にユーザのコンピュータ上で、部分的にユーザのコンピュータ上で、そして部分的に遠隔のコンピュータ上で、又は全面的に遠隔のコンピュータ上で、実行することができる。後者の場合、遠隔のコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)もしくはワイドエリアネットワーク(WAN)を通じてユーザのコンピュータに接続することができ、又は外部のコンピュータへ(たとえば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを通じて)接続することもできる。
【0037】
本発明について、本発明の実施形態による方法、装置(システム)、及びコンピュータプログラム製品の流れ図及び/又はブロック図を参照して以下に説明する。流れ図及び/又はブロック図の各ブロック、並びに流れ図及び/又はブロック図内のブロックの組合せは、コンピュータプログラム命令によって実施できることが理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供して、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、流れ図及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロック内に指定の機能/動作を実施する手段を作り出すような機械を生成することができる。
【0038】
これらのコンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ読取り可能メモリ内に記憶することができる。これらの命令は、特定の形で機能するようにコンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置に指示することができる。これは、コンピュータ読取り可能メモリ内に記憶された命令が、流れ図及び/又はブロック図の1つ又は複数のブロック内に指定の機能/動作を実施する命令手段を含む製造品を作るような形で行われる。コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置上へロードすることもできる。これらの命令により、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置上で一連の動作ステップを実行して、コンピュータ実装プロセスを作ることができる。ここでは、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置上で実行される命令は、流れ図及び/又はブロック図のブロック内に指定の機能/動作を実施するステップを提供する。
【0039】
図を再び参照すると、図2は、本発明の一実施形態による過速度保護システムを試験する方法200を示す概略図である。本発明の一実施形態では、操作者は、動作制御システム170を使用して、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)などを介して方法200の動作を監視及び/又は制御することができる。
【0040】
ステップ205では、パワープラント100は動作モードである。ここでは、パワープラント100はFSNLであり、電力を搬出しており、又は類似の動作モードである。
【0041】
ステップ210では、方法200は、過速度保護システムの試験が望ましいかどうかを判断することができる。ここでは、操作者は、GUIを使用して、過速度保護システムの試験が望ましいことを知らせることができる。過速度保護システムの試験が望ましい場合、方法200はステップ215へ進むことができ、そうでなければ方法200はステップ205へ戻ることができる。
【0042】
ステップ215では、方法200は、パワープラントの過速度試験の方法論を選択することができる。本発明の重要な利益は、2つの方法論を介して過速度保護システムを試験できることである。シャットダウン方法論では、ユーザは、パワープラント機械がシャットダウン中である間に過速度保護システムを試験することができる。動作方法論では、ユーザは、パワープラントがFSNLで動作している間に過速度保護システムを試験することができる。各方法論の特徴及び利点について、以下に論じる。パワープラントがシャットダウンしている場合、方法200はステップ220へ進むことができる。パワープラントのシャフトの速度が正常の動作速度前後である場合、方法200はステップ230へ進むことができる。
【0043】
ステップ220では、方法200は、パワープラントがシャットダウンプロセスを開始しようとしていると判断することができる。
【0044】
ステップ225では、方法200は、パワープラントがシャットダウンしている間に過速度保護システムの試験を開始することができる。図3及び4は、パワープラントがシャットダウンしている間に過速度保護システムを試験することに関連するステップを説明及び図示する。
【0045】
ステップ230では、方法200は、パワープラントのシャフト速度が正常の速度範囲内で動作していると判断することができる。
【0046】
ステップ235では、方法200は、パワープラントがFSNLである間に過速度保護システムの試験を開始することができる。図5及び6は、パワープラントがFSNLで動作している間に過速度保護システムを試験することに関連するステップを説明及び図示する。
【0047】
本発明の一実施形態によるシャットダウンシーケンス中に過速度保護システムを試験する方法300を示す流れ図である図3A及び3B(集合的に図3)を次に参照されたい。図3に示し、下記で説明するように、方法300が動作すると、安全制御システムは、並行して、及び/又は追加の保護層として動作することができる。
【0048】
論じたように、安全制御システム190は、独立した保護システムとして働くことができる。安全制御システム190のいくつかの実施形態は、3重モジュール冗長(TMR)保護システムなどの構成を有することができる。いくつかの安全制御システム190は、安全度水準(SIL)システムなどに関連する安全計装システム(SIS)の形式を含むことができる。
【0049】
ステップ305では、ガスタービン105の燃焼シャットダウンが開始される。燃焼シャットダウンは、操作者によって手動で、又は必要な権限を持つ制御システムによって自動的に開始することができる。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、安全制御システム190は、動作制御システム170が方法300を実施するとき、ガスタービン105の全体的な動作を監視することができる。これについて、図3全体にわたってステップ365〜375として示し、下記にさらに説明する。
【0051】
ステップ310では、方法300は、少なくとも1つの燃焼シャットダウン過速度試験許容度が満足されるかどうかを判断する。ユーザは、試験に不可欠な複数の許容度を構成することができる。これらの許容度を使用して、試験前に特有の動作状態を確保することができる。たとえば、それだけに限定されるものではないが、ユーザは、試験を開始する前にガスタービン105がFSNL状態又はそれに近い状態で動作していることを好むことがある。必要な試験許容度が満足されない場合、方法300はステップ335へ進むことができ、そうでなければ方法300はステップ315へ進むことができる。
【0052】
ステップ315では、燃焼シャットダウン過速度試験が選択される。ユーザは、ステップ310が満足された後に試験を自動的に選択するように、方法300を構成することができる。ユーザは、ガスタービン105の動作が遠隔で行われる場合、この選択肢を望むことがある。代替手段では、ユーザは、試験を手動で選択することを好むことがある。これは、タービンの動作がローカルで行われる場合に望ましいことがある。
【0053】
次いで方法300はステップ320へ進むことができ、ステップ320で、シャフト137の実際の速度が燃焼器フレームアウト速度を超過するかどうかを判断することができる。実際の速度がフレームアウト速度を超過する場合、方法300はステップ325へ進むことができ、そうでなければ方法300はステップ335へ進むことができる。本発明では、ユーザは、燃焼器フレームアウト速度を判断するパラメータを構成することができる。たとえば、ユーザは、燃焼器フレームアウト速度を制御定数として設定することができる。別法として、本発明では、燃焼器フレームアウト速度を、試験中に自動的に判断される変数とすることができる。
【0054】
方法300は、ステップ325で、ステップ310の試験許容度が維持されるかどうかを判断する。動作イベントにより、試験許容度が状態を変化させることがある。たとえば、燃料システムの問題により、早過ぎるフレームアウト及び試験許容度の不足を招くことがある。試験許容度が維持されない場合、方法300はステップ335へ進むことができ、そうでなければ方法300はステップ330へ進むことができる。
【0055】
ステップ330では、ユーザは、試験を手動で中断することができる。ユーザは、動作上又はその他の点で、試験を中断する理由を発見することがある。たとえば、ユーザは、火炎検出器が信頼性の高い火炎状態の表示を提供していないことを発見することがあり、また火炎状態が重要な試験要件となることがある。ユーザが試験を中断した場合、方法300はステップ335へ進むことができ、そうでなければ方法300はステップ340へ進むことができる。
【0056】
ステップ335では、方法300は試験を中断する。試験を中断した後、ガスタービン105の動作は、前の燃焼シャットダウンシーケンスへ戻る。ユーザは、試験を中断したという通知を提供するように、方法300を構成することができる。通知は、それだけに限定されるものではないが、音声信号、グラフィック、又は文字メッセージなど、様々な形式の警報とすることができる。
【0057】
図3Bに示すステップ340では、過速度トリップ設定点を燃焼シャットダウントリップ設定点に変更する。燃焼シャットダウントリップ設定点の値は、様々な機械、動作、及び信頼性の要因の影響を受けることがある。これらの要因は、パワープラント機械タイプ、燃焼システム、動作状態、燃料タイプなどの間で変動することがある。この値は通常、特定の燃焼システムの自然のフレームアウト速度付近に設定し、それによってトリップに関連する熱過渡を最小にする。本発明の一実施形態では、ユーザは、燃焼シャットダウントリップ設定点の値を入力し、それによって特有の状態に対する調整手段を提供することができる。別法として、本発明は、燃焼シャットダウントリップ設定点に対する値を自動的に生成及び入力するように構成することができる。
【0058】
過速度トリップ設定点を変更した後、方法300はステップ345へ進むことができる。ここでは、ガスタービン105は、燃焼シャットダウン過速度トリップを受けることがある。トリップは、ガスタービン105の実際の速度が燃焼シャットダウン過速度設定点付近になった後に発生することがある。
【0059】
次いで方法300は、ステップ350で、緊急保護システムが正確に機能したかどうかを判断することができる。燃焼タービンでは、緊急保護システムは通常、燃焼システムへの燃料の流れを急速に停止し、それによって燃焼を消すように動作する。通常、データ記録手段を使用して、緊急保護システムの構成要素が正確に動作したことを検証する。緊急保護システムが正確に機能した場合、方法300はステップ360へ進むことができ、ステップ360で燃焼シャットダウン試験は成功し、そうでなければ方法300はステップ355へ進むことができ、ステップ355で燃焼シャットダウン試験は失敗する。本発明は、緊急保護システムが正確に機能したか否かをユーザに通知する警報システムと一体化させることができる。
【0060】
ステップ365〜375は、ステップ310〜355を介して過速度保護システムが試験されるとき、安全制御システム190の一実施形態で実施できるステップを表す。ステップ365では、方法300は、安全制御システム190に関連する許容度が維持されるかどうかを判断することができる。安全制御システム190の一実施形態では、許容度は、安全制御システム190がパワープラント機械のシャットダウンを必要とする安全上の問題を検出しなかったことを知らせる信号などと見なすことができる。図3全体にわたって示すように、過速度保護システムが試験されるとき、安全制御システム190は、ガスタービン105を連続して監視することができる。許容度が維持される場合、方法300は、試験を次のステップへ進めることができる。許容度が維持されない場合、方法300はステップ370へ進むことができる。
【0061】
ステップ370では、方法300は、安全制御システム190に関連する許容度の不足のため、過速度試験を中断することができる。
【0062】
ステップ375では、方法300は、ガスタービン105のシャットダウンを開始することができる。本発明の一実施形態では、安全制御システム190は、許容度の不足の原因となる状況に基づいて、正常シャットダウンが必要であるか、それともトリップが必要であるかを判断することができる。
【0063】
図4A〜4C(集合的に図4)は、本発明の一実施形態による使用中の図2及び3の方法を示す概略図である。話を簡単にするために、図4は、図1に示すパワープラント100のガスタービン105を主に示す。図4はまた、ガスタービン105の関連する動作パラメータを示す。これらのパラメータは、実際のタービン速度410(正常の動作速度の百分率として)、過速度トリップ設定点(正常の動作速度の百分率として)420、及び燃焼システム120の火炎検出器を含む。図4はまた、停止/速度比バルブ152及び複数のガス制御バルブ154を持つガス燃料システム150を示す。
【0064】
具体的には、実際のタービン速度410が100%であり、過速度トリップ設定点420が110%であり、火炎検出器が火炎を知らせていることを示す図4Aを参照されたい。これらのパラメータは、タービン100がFSNL状態で動作していることを示唆する。
【0065】
燃焼シャットダウンが開始されて試験許容度(複数可)が満足された後、ユーザは、燃焼シャットダウン過速度試験を開始することができる。図4Bは、ガスタービン105が燃焼シャットダウンを受け、実際のタービン速度410が50%であり、火炎検出器が火炎を知らせていることを示す。本発明では、ユーザは、試験を手動で中断し、それによってガスタービン105上の燃焼シャットダウンを再開することができる。
【0066】
燃焼シャットダウン過速度試験は、過速度トリップ設定点420をタービン100のフレームアウト速度付近の値に自動的に調整する。ここでは、設定点420を48%まで下げる。
【0067】
設定点420を変更した後すぐ、過速度保護システムは、図4Cに示すようにガスタービン105をトリップさせなければならない。ガスタービン105のトリップにより、ガスタービン105へのガス燃料の流れが急速に停止し、それによって火炎を消す。図4Cは、燃焼システム120の火炎検出器が火炎の存在を知らせていないことを示す。ガスタービン105がトリップした後、過速度トリップ設定点420は、デフォルト値に自動的にリセットすることができる。
【0068】
ガスタービン105が初めにFSNLで動作する間にタービンの過速度保護システムを試験する方法500に対するステップを示す流れ図である図5A及び5B(集合的に図5)を次に参照されたい。図5に示し、下記で説明するように、方法500が動作すると、安全制御システム190は、並行して、及び/又は追加の保護層として動作することができる。
【0069】
本発明の一実施形態では、操作者は、動作制御システム170を使用して、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)などを介して方法500の動作を監視及び/又は制御することができる。
【0070】
方法500は、過速度保護システムトリップ及び緊急保護システムトリップのデフォルト設定点を調整するバイアスシステムなどを含むことができる。バイアスシステムにより、ガスタービン105をトリップさせることなく、ガスタービン105の速度を過速度トリップ設定点のデフォルト設定まで増大させることができる。これにより、過速度保護システムが過速度トリップ設定点のデフォルト設定で試験されることを確実にすることができる。さらに、方法500の一実施形態では、過速度保護システム又は緊急保護システムを使用不能にすることができない。たとえば、それだけに限定されるものではないが、試験中、バイアスシステムは、緊急トリップ設定点を110%から111%へ増大させ、保護トリップ設定点を113%から114%へ増大させることができる。したがって、本発明が動作不良になった場合、独立した保護線がガスタービン105を保護することができる。
【0071】
本発明では、過速度試験の開始前に、少なくとも1つの試験許容度を満足して維持する必要があることがある。これらの許容度は、マスタ保護トリップ状態、発電機/駆動負荷状態、動作許容度、入口案内羽根位置、及び安定化許容度を含むことができる。さらに、各許容度は、過速度試験の異なる期間で必要とされることがある。たとえば、試験が開始する前には動作許容度が必要とされ、一方試験中には安定化許容度が必要とされることがある。
【0072】
ステップ505では、ガスタービン105は、過速度試験に対する好ましい開始状態であるFSNLで動作することができる。通常、ガスタービン105は、エネルギーを外部の負荷へ搬出していないとき、FSNLで動作する。たとえば、発電機167と電力系統を同期させる前、ガスタービン105はFSNLで動作する。
【0073】
本発明の一実施形態によれば、安全制御システム190は、動作制御システム170が方法500を実施するとき、ガスタービン105の全体的な動作を監視することができる。これについて、図5全体にわたってステップ580〜590として示し、下記でさらに説明する。
【0074】
ステップ510では、方法500は、動作許容度が満足されるかどうかを判断する。本発明の一実施形態では、ユーザは、少なくとも1つの動作許容度を構成することができる。動作許容度は、FSNLの連続する動作、浸漬時間、又は同様の要件を含むことができる。たとえば、許容度は、新しいシャフトに対してより長い動作期間を必要とすることがある。動作許容度が満足される場合、方法500はステップ515へ進むことができ、そうでなければ方法500はステップ505へ戻ることができる。
【0075】
ステップ515では、方法500は、少なくとも1つの過速度試験許容度が満足されるかどうかを判断する。ステップ510と同様に、本発明の一実施形態では、ユーザは、1つ又は複数の過速度試験許容度を定義することができる。たとえば、それだけに限定されるものではないが、過速度試験許容度は、入口案内羽根の位置、圧縮器保護システムの状態、及び吸気システムの状態、入口抽気熱などを含むことができる。過速度試験許容度が満足されない場合、方法500はステップ530へ進むことができ、そうでなければ方法500はステップ520へ進むことができる。
【0076】
ステップ530では、方法500は、過速度試験を自動的に中断することができる。試験を中断した後、ガスタービン105の動作は、自動的にFSNLへ戻る。ユーザは、試験を中断したという通知を提供するように、方法500を構成することができる。通知は、それだけに限定されるものではないが、音声信号、グラフィック、又は文字メッセージなど、様々な形式の警報とすることができる。
【0077】
方法500はステップ520へ進むことができ、ステップ520で過速度試験が開始される。ユーザは、ステップ515が満足された後、過速度試験を自動的に開始するように、方法500を事前に構成することができる。ユーザは、たとえばガスタービン105の動作が遠隔で行われる場合、この選択肢を望むことがある。別法として、方法500は、過速度試験を開始するのにユーザ操作を必要とするように、事前に構成することができる。ユーザ操作は、それだけに限定されるものではないが、タービンがローカルで制御される場合、ディスプレイ上の「過速度試験開始」ボタンなどの選択とすることができる。
【0078】
ステップ525では、方法500は、安定化許容度が満足されるかどうかを判断することができる。安定化許容度は、ほぼ熱的に安定した状態で、最小の熱過渡でガスタービン105が動作していることを確実にすることができる。安定化許容度は、ガスタービン105の動作時間を数えるタイマなどの形式とすることができる。ステップ510及び515と同様に、本発明の一実施形態では、ユーザは、1つ又は複数の安定化許容度を定義することができる。さらに、安定化許容度は、ガスタービン105のタイプ及び/又はクラスによって変動することがある。安定化試験許容度が満足されない場合、方法500はステップ530へ進むことができ、そうでなければ方法500はステップ535へ進むことができる。
【0079】
ステップ535では、方法500は自動速度増大を選択することができる。本発明の一実施形態では、方法500ですぐに自動速度増大できることをユーザに通知することができる。この通知は、それだけに限定されるものではないが、自動速度増大を進めるのにユーザ操作を必要とする警報及び/又はプロンプトとすることができる。別法として、本発明の一実施形態は、自動速度増大を自動的に選択するように事前に構成することができる。
【0080】
ステップ540では、方法500は、ガスタービン105のシャフトの速度を自動的に増大させることができる。本発明の一実施形態では、速度が増大する率を変動させることができ、それによってユーザは、一般に速度増大に関連する熱過渡を最小にすることができる。この率は、タービンクラス及び動作環境に応じて変動させることができる。たとえば、本発明の一実施形態では、ユーザはまた、過速度試験中に率を変動させて、シャフト及び他の機械的構成要素に関連する運動量を補償することができる。さらに、速度がより遅い間は比較的速い率を使用することができ、タービンが過速度トリップ設定点に近づくにつれて、より遅い率を使用することができる。
【0081】
自動速度増大が開始した後、方法500は、ステップ545で、ユーザが過速度試験を手動で中断すると決めたかどうかを判断することができる。過速度試験を中断する理由は、それだけに限定されるものではないが、動作上の問題を含むことができる。たとえば、シャフト速度がより速いと、振動の問題を引き起こし、ユーザは試験を中断する必要があることがある。ユーザが過速度試験を中断した場合、方法500はステップ550へ進むことができ、そうでなければ方法500はステップ555へ進むことができる。
【0082】
ステップ550では、方法500は、試験を中断する。ステップ530と同様に、過速度試験を中断した後、ガスタービン105の動作は、FSNLへ戻ることができる。ユーザは、ステップ545中に過速度試験を中断したという通知を提供するように、方法500を構成することができる。通知は、それだけに限定されるものではないが、音声信号、グラフィック、又は文字メッセージなど、様々な形式の警報とすることができる。
【0083】
本発明は、タービンを動作させる制御システム、タービン制御装置などを組み込むことができる。タービン制御装置は、タービンの速度を登録する一般にコアと呼ばれる少なくとも1つの処理システムを含むことができる。本発明の一実施形態は、少なくとも2つのコア、すなわち動作コア及び保護コアなどを有するタービン制御装置を含むことができる。方法500により、ステップ555でユーザは、ガスタービン105の速度を登録するように各コアを事前に構成することができる。これは、ガスタービン105が過速度状態を受けていることを検証する働きがある。
【0084】
ガスタービン105は、燃焼システムへの燃料の流れを急速に停止し、それによって燃焼を消すように通常動作する保護システムを含むことができる。通常、データ記録手段を使用して、保護システムの構成要素が過速度試験中に正確に動作したことを検証する。本発明は、本当の過速度状態の場合に保護システムが正確に動作したか否かをユーザに通知する警報システムと一体化させることができる。
【0085】
ステップ555では、方法500は、シャフト速度が過速度トリップ設定点を超過するかどうかを判断することができる。本発明の一実施形態では、動作コア及び保護コアが、シャフト速度が過速度トリップ設定点を超過することを登録しない場合、方法500はステップ560へ進むことができ、そうでなければ方法500はステップ570へ進むことができる。
【0086】
本発明の一実施形態では、まず速度基準を増大させることによって、シャフトの速度を増大させることができる。速度基準は燃料ストローク基準などに変換され、これが最終的にシャフトの速度を増大させる。ステップ560では、方法500は、タービン制御装置が過速度トリップ設定点より大きい速度基準で開始しているかどうかを判断する。速度基準が過速度トリップ設定点以下である場合、方法500はステップ540へ戻ることができる。別法として、速度基準が過速度トリップ設定点より大きい場合、方法500はステップ565へ進むことができる。
【0087】
ステップ565では、過速度試験を中断して、様々な理由で起こりうるトリップ又は破局的な故障を回避する。破局的な故障の1つの理由は、熱膨張率が回転しているタービン構成要素と静止したタービン構成要素の間で変動することに関係する。通常、シャフト速度が増大するにつれて、構成要素の熱膨張が増大する。さらに、異なる材料から作られることが多い回転しているタービン構成要素と静止したタービン構成要素の間には、比較的狭い隙間が存在する。これらの隙間は、回転している構成要素及び静止した構成要素が過速度試験中に膨張するにつれて、さらに低減することがある。したがって、回転しているタービン構成要素と静止したタービン構成要素の間の接触に起因する破局的な故障を回避するために、方法500は、ステップ565で、速度基準が過速度トリップ設定点を超過する場合、タービン速度が過速度トリップ設定点より下で登録されている場合でも、過速度速度試験を中断することができる。
【0088】
ステップ570では、方法500は、シャフト速度を自動的に低減させる。ステップ540と同様に、本発明の一実施形態では、速度が低減する率を変動させることができ、それによってユーザは、一般に速度低減に関連する熱過渡を最小にすることができる。たとえば、それだけに限定されるものではないが、この率は、タービンクラス及び動作環境に応じて変動させることができる。本発明の一実施形態では、ユーザはまた、速度低減の率を変動させることができる。たとえば、シャフト速度がより速い間は比較的速い率を使用することができ、シャフト速度が正常の動作速度に近づくにつれて、より遅い率を使用することができる。
【0089】
本発明の過速度試験は、シャフト速度が正常の動作速度前後に戻ったとき、完了したと見なすことができる。ステップ575では、方法500は、シャフト速度がFSNL前後に戻った後、自動速度変化を使用不能にすることができる。
【0090】
ステップ580〜590は、ステップ505〜575を介して過速度保護システムが試験されるとき、安全制御システム190の一実施形態で実施できるステップを表す。ステップ580では、方法500は、安全制御システム190に関連する許容度が維持されるかどうかを判断することができる。安全制御システム190の一実施形態では、許容度は、安全制御システム190がパワープラント機械のシャットダウンを必要とする安全上の問題を検出しなかったことを知らせる信号などと見なすことができる。図5全体にわたって示すように、過速度保護システムが試験されるとき、安全制御システム190は、ガスタービン105を連続して監視することができる。許容度が維持される場合、方法500は、試験を次のステップへ進めることができる。許容度が維持されない場合、方法500はステップ585へ進むことができる。
【0091】
ステップ585では、方法500は、安全制御システム190に関連する許容度の不足のため、過速度試験を中断することができる。
【0092】
ステップ590では、方法500は、ガスタービン105のシャットダウンを開始することができる。本発明の一実施形態では、安全制御システム190は、許容度の不足の原因となる状況に基づいて、正常シャットダウンが必要であるか、それともトリップが必要であるかを判断することができる。
【0093】
方法500の一実施形態が動作できる環境を示す概略図である図6A〜6E(集合的に図6)を次に参照されたい。図6は、本発明の一実施形態によって、ガスタービン105が過速度保護システムの試験を受けていることを示す。図6はまた、ガスタービン105の動作パラメータを示す。これらのパラメータは、実際のタービン速度610(正常の動作速度の百分率として)、過速度トリップ設定点(正常の動作速度の百分率として)620、及び燃焼システム120の火炎検出器を含む。図6はまた、停止/速度比バルブ152、複数のガス制御バルブ154を有するガス燃料システム150を示す。
【0094】
具体的には、実際のタービン速度610が100%であり、過速度トリップ設定点620が110%であり、燃焼システム120の火炎検出器が火炎を知らせていることを示す図6Aを参照されたい。これらのパラメータは、ガスタービン105がFSNL状態で動作している可能性があることを示唆する。試験許容度(複数可)が満足された後、ユーザは、過速度試験を開始することができる。
【0095】
図6Bは、過速度試験が開始した後、実際のタービン速度610が103%まで増大し、過速度トリップ設定点620に111%までバイアスがかけられていることを示す。本発明では、過速度試験中にシャフト137の速度を自動的に調整する。
【0096】
図6Cは、シャフト137の実際の速度が110%であることを示す。これは、過速度トリップ設定のデフォルト値に等しい。論じたように、過速度トリップ設定点620には、111%までバイアスがかけられている。本発明では、過速度状態に到達したとき、過速度試験中にガスタービン105をトリップさせない。本発明の一実施形態では、過速度状態をユーザに通知することができる。図6Dに示すように、本発明では、過速度状態に到達した後、シャフト137の速度を自動的に低減させる。ここでは、実際の速度610は、自動的に108%まで下げられている。さらに、本発明では、実際の速度が過速度トリップ設定のデフォルト値に到達した後、過速度トリップのバイアスを取り除くことができる。ここでは、過速度トリップ設定点620は、デフォルト値の110%に戻る。図6Eに示すように、本発明の一実施形態では、FSNLに到達し、それによって試験を完了するまで、引き続きシャフト137の速度を自動的に調整することができる。その後、ユーザは、パワープラント100の通常動作を再開することができる。
【0097】
図7は、本発明の実施形態によるターボ機械の過速度保護システムを自動的に試験するための例示的なシステム700のステップ図である。方法300、500の要素を、システム700内で実施することができ、またシステム700によって実行することができる。システム700は、1つ又は複数のユーザもしくはクライアント通信デバイス702又は類似のシステムもしくはデバイス(図7には2つ示す)を含むことができる。各通信デバイス702は、コンピュータシステム、パーソナルデジタルアシスタント、セルラー電話、又は電子メッセージの送受信が可能な類似のデバイスとすることができる。
【0098】
通信デバイス702は、システムメモリ704又はローカルファイルシステムを含むことができる。システムメモリ704は、読取り専用メモリ(ROM)及びランダムアクセスメモリ(RAM)を含むことができる。ROMは、基本入出力システム(BIOS)を含むことができる。BIOSは、通信デバイス702の要素又は構成要素間で情報を伝達するのを助ける基本ルーチンを収容することができる。システムメモリ704は、通信デバイス702の全体的な動作を制御する動作システム706を収容することができる。システムメモリ704はまた、ブラウザ708又はウェブブラウザを含むことができる。システムメモリ704はまた、方法300、500の要素と類似であり、又はこれらの要素を含みうる、ターボ機械の過速度保護システムを自動的に試験するデータ構造710又はコンピュータ実行可能コードを含むことができる。システムメモリ704は、方法300、500と一緒に使用して直前の試験からのデータを自動的に記憶できるテンプレートキャッシュメモリ712をさらに含むことができる。
【0099】
通信デバイス702はまた、通信デバイス702の他の構成要素の動作を制御するプロセッサ又は処理ユニット714を含むことができる。動作システム706、ブラウザ708、データ構造710は、プロセッサ714上で動作可能とすることができる。プロセッサ714は、システムバス716によって通信デバイス702のメモリシステム704及び他の構成要素に結合することができる。
【0100】
通信デバイス702はまた、複数の入力デバイス、出力デバイス、又は組合せ入出力デバイス718を含むことができる。各入出力デバイス718は、入出力インターフェース(図7には図示せず)によってシステムバス716に結合することができる。入力及び出力デバイス又は組合せ入出力デバイス718により、ユーザは、通信デバイス702に接続して動作し、またブラウザ708及びデータ構造710の動作を制御して、ソフトウェアにアクセス、動作、及び制御し、ターボ機械の過速度保護システムを自動的に試験することができる。入出力デバイス718は、本明細書に論じた動作を実行するために、キーボード及びコンピュータポインティングデバイスなどを含むことができる。
【0101】
入出力デバイス718はまた、ディスクドライブ、光学、機械、磁気、又は赤外線入出力デバイス、モデムなどを含むことができる。入出力デバイス718を使用して、媒体720にアクセスすることができる。媒体720は、通信デバイス702などのシステムによって、又はシステムと接続して使用するためのコンピュータ読取り可能もしくはコンピュータ実行可能命令又は他の情報を収容、記憶、通信、又は輸送することができる。
【0102】
通信デバイス702はまた、ディスプレイ又はモニタ722などの他のデバイスを含むことができ、又はこれらに接続することができる。モニタ722を使用して、ユーザは、通信デバイス702と接続することができる。モニタ722は、ターボ機械の過速度保護システムを自動的に試験するデータ構造710によって生成できる画像、グラフィックなどを提示する。
【0103】
通信デバイス702はまた、ハードディスクドライブ724を含むことができる。ハードドライブ724は、ハードドライブインターフェース(図7には図示せず)によってシステムバス716に結合することができる。ハードドライブ724はまた、ローカルファイルシステム又はシステムメモリ704の一部を形成することができる。通信デバイス702の動作のために、システムメモリ704とハードドライブ724の間でプログラム、ソフトウェア、及びデータを伝達及び交換することができる。
【0104】
通信デバイス702は、遠隔サーバ726と通信することができ、またネットワーク728を介して他のサーバ又は通信デバイス702に類似の他の通信デバイスにアクセスすることができる。システムバス716は、ネットワークインターフェース730によってネットワーク728に結合することができる。ネットワークインターフェース730は、ネットワーク728に結合するモデム、イーサネット(商標)カード、ルータ、ゲートウェイなどとすることができる。この結合は、有線接続であっても無線であってもよい。ネットワーク728は、インターネット、自営ネットワーク、イントラネットなどとすることができる。
【0105】
サーバ726はまた、システムメモリ732を含むことができ、システムメモリ732は、ファイルシステム、ROM、RAMなどを含むことができる。システムメモリ732は、通信デバイス702内の動作システム706と類似の動作システム734を含むことができる。システムメモリ732はまた、ターボ機械の過速度保護システムを自動的に試験するデータ構造736を含むことができる。データ構造736は、ターボ機械の過速度保護システムを自動的に試験する方法300、500に関して記載のものと類似の動作を含むことができる。サーバシステムメモリ732はまた、他のファイル738、アプリケーション、モジュールなどを含むことができる。
【0106】
サーバ726はまた、サーバ726内の他のデバイスの動作を制御するプロセッサ742又は処理ユニットを含むことができる。サーバ726はまた、入出力デバイス744を含むことができる。入出力デバイス744は、通信デバイス702の入出力デバイス718と類似のものとすることができる。サーバ726は、入出力デバイス744とともにサーバ726へのインターフェースを提供するモニタなどの他のデバイス746をさらに含むことができる。サーバ726はまた、ハードディスクドライブ748を含むことができる。サーバ726の異なる構成要素を、システムバス750が接続することができる。システムバス750を介して、ネットワークインターフェース752がサーバ726をネットワーク728に結合することができる。
【0107】
図中の流れ図及びステップ図は、本発明の様々な実施形態によるシステム、方法、及びコンピュータプログラム製品の可能な実装形態のアーキテクチャ、機能、及び動作を示す。この点で、流れ図又はステップ図内の各ステップは、指定の論理機能(複数可)を実施する1つ又は複数の実行可能な命令を含むコードのモジュール、セグメント、又は部分を表すことができる。いくつかの代替実装形態では、ステップ内に記載の機能は、図に記載の順序以外で行いうることにも留意されたい。たとえば、連続して示す2つのステップは実際には、関係する機能に応じて、実質上同時に実行することができ、又は時には、これらのステップを逆の順序で実行することもできる。ブロック図及び/又は流れ図の各ステップ、並びにブロック図及び/又は流れ図内のステップの組合せは、専用のハードウェア及びコンピュータ命令の指定の機能もしくは動作又は組合せを実行する専用のハードウェアベースのシステムによって実施できることにも留意されたい。
【0108】
当業者には理解されるように、いくつかの例示的な実施形態に関連して上記で記載の多くの様々な特徴及び構成をさらに選択的に適用して、本発明の他の可能な実施形態を形成することができる。下記のいくつかの請求項によって又はその他の形で包含されるすべての組合せ及び可能な実施形態は、本出願の一部であるものとするが、本発明のすべての可能な反復を提供し、又は詳細に論じているわけではないことが、当業者にはさらに理解されるであろう。さらに、本発明のいくつかの例示的な実施形態の上記の説明から、改善形態、変更形態、及び修正形態が、当業者には理解されるであろう。当技術分野の範囲内のそのような改善形態、変更形態、及び修正形態はまた、添付の特許請求の範囲によって包含されるものとする。さらに、上記は、本出願の記載の実施形態のみに関すること、そして以下の特許請求の範囲によって定義する本出願の精神及び範囲並びにその均等物から逸脱することなく、多数の変更及び修正を加えうることが、明らかになるはずである。
【符号の説明】
【0109】
100 パワープラント
105 ガスタービン
110 圧縮器部
120 燃焼システム
125 タービン部
130 排気部
135 排気
137 シャフト
140 HRSG
145 蒸気
147 復水
150 ガス燃料システム
152 停止/速度比バルブ
154 複数のガス制御バルブ
160 蒸気タービン
165 復水器
167 発電機
170 動作制御システム
190 安全制御システム
200 方法
300 方法
410 実際のタービン速度
420 過速度トリップ設定点
500 方法
610 実際のタービン速度
620 過速度トリップ設定点
700 システム
702 通信デバイス
704 システムメモリ
706 動作システム
708 ブラウザ
710 データ構造
712 テンプレートキャッシュメモリ
714 プロセッサ、処理ユニット
716 システムバス
718 入出力デバイス
720 媒体
722 モニタ
724 ハードディスクドライブ
726 遠隔サーバ
728 ネットワーク
730 ネットワークインターフェース
732 システムメモリ
734 動作システム
736 データ構造
738 他のファイル
742 プロセッサ
744 入出力デバイス
746 他のデバイス
748 ハードディスクドライブ
750 システムバス
752 ネットワークインターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パワープラント(100)の過速度保護システムを試験する方法(200)であって、
シャフト(137)及び動作制御システム(170)を備えるパワープラント機械を用意するステップであり、前記動作制御システム(170)が、前記パワープラント機械を動作させるように構成されており、前記動作制御システム(170)が、前記シャフト(137)に関連する過速度イベントを検出するように構成された過速度保護システムを備える、ステップと、
前記動作制御システム(170)から独立した安全制御システム(190)を用意するステップであり、前記安全制御システム(170)が、前記パワープラント機械の動作に関連するリスクを低減させるように構成されており、前記安全制御システム(190)が、前記動作制御システム(170)から独立したスタンドアロンシステムとして機能する、ステップと、
前記過速度保護システムを試験する方法論(215)を選択するステップであり、前記方法論が、前記パワープラント機械がシャットダウンモードで動作しているか、それとも動作モードで動作しているかを判断する、ステップと、
前記パワープラント機械が前記シャットダウンモードである場合、前記シャフトの前記速度(137)が前記過速度イベントを表すシャットダウン値を超過するかどうかを判断するステップと、
前記パワープラント機械が前記動作モードである場合、前記シャフト(137)の前記速度が前記過速度イベントを表す過速度トリップ値を超過するかどうかを判断するステップと、
前記過速度トリップ値を変化させるステップと、
前記過速度保護システムが前記パワープラント機械をトリップさせるように動作するかどうかを判断するステップとを含み、
前記過速度保護システムの試験中にトリップが発生する可能性を低減させる、方法(200)。
【請求項2】
前記パワープラントが複数のパワープラント機械を備える、請求項1記載の方法(200)。
【請求項3】
前記複数のパワープラント機械がガスタービン(105)及び蒸気タービン(160)を備え、前記シャフトが、前記ガスタービン(105)と前記蒸気タービン(160)を一体化させて、蒸気及びガス伝動装置(STAG)を形成する、請求項2記載の方法(200)。
【請求項4】
前記方法論が、前記シャットダウンモード向けに構成されたシャットダウンモード手順(300)と、前記動作モード向けに構成された動作モード手順(500)とを含む、請求項3記載の方法(200)。
【請求項5】
前記動作モード手順(500)が、
a.前記シャフト(137)の前記速度をほぼ前記過速度トリップ値に自動的に調整するステップと、
b.前記シャフト(137)の前記速度がほぼ前記過速度トリップ値であるかどうかを判断するステップと、
c.前記シャフト(137)の前記速度がほぼ前記過速度トリップ値であるかどうかを判断した後、前記シャフト(137)の前記速度をほぼ動作速度に自動的に調整するステップとを実行する、請求項4記載の方法(200)。
【請求項6】
a.過速度試験を開始するステップと、
b.安定化許容度が満足されるかどうかを判断し、前記安定化許容度が満足されない場合、前記過速度試験を中断するステップと、
c.前記シャフト(137)の前記速度を自動的に調整するステップと、
d.前記シャフト(137)の前記速度が過速度トリップ値を超過するかどうかを判断するステップと、
e.シャフト速度基準が前記過速度トリップ値を超過するかどうかを判断するステップと、
f.前記シャフト速度基準が前記過速度トリップ値を超過し、一方前記シャフト(137)の前記速度が前記過速度トリップ値を下回る場合、前記過速度試験を中断するステップと、
g.前記シャフト(137)の前記速度の前記自動調整を自動的に使用不能にするステップと
をさらに含む、請求項5記載の方法(200)。
【請求項7】
前記過速度試験を中断する前記ステップが、前記シャフト(137)の前記速度をほぼ動作速度に調整する、請求項6記載の方法(200)。
【請求項8】
動作許容度が満足されるかどうかを判断するステップをさらに含む、請求項7記載の方法(200)。
【請求項9】
過速度試験許容度が満足されるかどうかを判断するステップをさらに含む、請求項8記載の方法(200)。
【請求項10】
過速度トリップ設定点にバイアスをかけるステップをさらに含む、請求項9記載の方法(200)。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6−1】
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【図6−2】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−197006(P2011−197006A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62672(P2011−62672)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】