説明

ヒスタミンH3受容体活性を有するベンゾチアゾール

ヒスタミンH3アゴニスト活性を有する一般式(I)のピペラジン環の3および/または4位置で任意に置換されるある種の新規のベンゾチアゾールおよびベンズオキサゾール、例えば2-(ピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾールおよび2-(ピペラジン-1-イル)ベンズオキサゾールは、製剤組成物中に用いられ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野
本発明は、ヒスタミンH3アンタゴニスト活性を有する新規のベンズチアゾールおよびベンズオキサゾールに、製剤組成物中のこれらの化合物の使用に、化合物を含む製剤組成物に、そしてこれらの化合物または組成物を用いる治療方法に関する。本発明の化合物はヒスタミンH3受容体に対する高い且つ選択的な結合親和性を示すが、これは、ヒスタミンH3受容体アンタゴニスト、逆アゴニストまたはアゴニスト活性を示している。その結果、化合物は、ヒスタミンH3受容体に関連した疾患または障害の治療のために有用である。
【背景技術】
【0002】
本発明の背景
ヒスタミンH3受容体の存在は数年の間に知られるようになり、そして該受容体は新薬の開発のために目下注目されている(例えばDrugs Fut. 1996; 21: 507-20;Progress in Drug Research 1995; 45: 107-65参照)。近年、ヒトヒスタミンH3受容体がクローン化されている(Molecular Pharmacology, 1999; 55: 1101-7を比較)。ヒスタミンH3受容体は、中枢および末梢神経系の両方に、皮膚、ならびに器官、例えば肺、腸、おそらくは脾臓および消化管に位置するシナプス前自己受容体である。近年の証拠は、H3受容体が、in vitroならびにin vivoで固有の構成的活性を示す、ということを示唆する(即ち、それはアゴニストの非存在下で活性である;例えばNature 2000; 408: 860-4参照)。逆アゴニストとして作用する化合物は、この活性を阻害し得る。ヒスタミンH3受容体は、ヒスタミンの放出を、そして他の神経伝達物質、例えばセロトニンおよびアセチルコリンの放出も調節することが実証されている。したがってヒスタミンH3受容体アンタゴニストまたは逆アゴニストは、脳におけるこれらの神経伝達物質の放出を増大すると予測される。これに反して、ヒスタミンH3受容体アゴニストは、ヒスタミンの生合成の阻害、ならびにヒスタミンの放出の、さらにまた他の神経伝達物質、例えばセロトニンおよびアセチルコリンの放出の阻害をもたらす。これらの知見は、ヒスタミンH3受容体アゴニスト、逆アゴニストおよびアンタゴニストがニューロン活性の重要な媒介物質であり得る、ということを示唆する。したがってヒスタミンH3受容体は、新しい治療薬に関する重要な標的である。
【0003】
いくつかの出版物は、ヒスタミンH3アゴニストおよびアンタゴニストの調製および使用を開示する。これらのいくつかは、イミダゾール誘導体である(例えばDrugs Fut 1996; 21: 507-20;Expert Opinion on Therapeutic Patents 2000; 10: 1045-55参照)。しかしながら種々のヒスタミンH3受容体のイミダゾール無含有リガンドも記載されている(例えばArch Pharm Pharm Med Chem 1999; 332: 389-98;J Med Chem 2000; 43: 2362-70;Arch Pharm Pharm Med Chem 1998; 331: 395-404;Il Farmaco 1999; 54: 684-94;WO 99/42458、EP 0 978 512、WO97/17345、US 6,316,475、WO 01/66534、WO 01/74810、WO 01/44191、WO 01/74815、WO 01/74773、WO 01/74813、WO 01/74814およびWO 02/12190参照)。当該技術分野の状態は、Drug Discovery Today, 2005; 10: 1613-17およびNat Rev Drug Discov 2005; 4: 107でも再検討されている。ヒスタミンH3受容体アゴニスト、逆アゴニストおよびアンタゴニストにおける当該技術分野の関心にかんがみて、ヒスタミンH3受容体と相互作用する新規の化合物は、当該技術分野に非常に望ましい貢献を有する。本発明は、新規のクラスの置換ベンゾチアゾールおよびベンズオキサゾールがヒスタミンH3受容体に対する高度の且つ特異的な親和性を有し、そしてヒスタミンH3受容体での効能を有する、という知見に基づいている当該技術分野への貢献を提供する。
【0004】
ヒスタミンH3受容体とのそれらの相互作用のため、本発明の化合物は、ヒスタミンH3受容体との相互作用が有益である広範囲の症状および障害の治療に有用である。したがって化合物は、例えば中枢神経系、末梢神経系、心臓血管系、呼吸器系、消化管系および内分泌系の疾患の治療に、用途を見出し得る。
【0005】
米国特許第6,130,217号、カラム120、実施例85では、中間体2-(4-メチルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-7-オールが言及されている。
【0006】
日本国特許第11199573号では、以下の化合物が言及されている:2-(ピペラジン-1-イル)-6-クロロベンゾチアゾールフマレート;2-(ピペラジン-1-イル)-5-クロロベンゾチアゾールフマレート;2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5-メチルベンゾチアゾールフマレート;2-(ピペラジン-1-イル)-5-メチルベンゾチアゾールフマレート;2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-6-クロロベンゾチアゾールフマレートおよび2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5-クロロベンゾチアゾール二塩酸塩。
【0007】
日本国特許第2869561号には、以下の化合物が言及されている:2-(ピペラジン-1-イル)-6-クロロベンゾチアゾールおよび2-(ピペラジン-1-イル)-6-(o-クロロベンジル-アミノ)ベンゾチアゾール塩酸塩。化合物が血小板粘着阻害剤である、ということも記述されている。
【0008】
日本国特許第4316565号には、以下の中間体が言及されている:2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-6-メトキシベンゾチアゾールおよび2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-6-ヒドロキシベンゾチアゾール。薬理学的特性は、これらの化合物に関しては言及されていない。
【発明の開示】
【0009】
本発明の目的は、従来技術の少なくとも1つの欠点を克服または改善すること、あるいは有用な代替物を提供することである。
定義
本明細書中で示される構造式において、そして本発明の明細書全体を通して、以下の用語は指示された意味を有する:
「ヒドロキシ」という用語はラジカル-OHを意味し、「オキシ」という用語はラジカル-O-を意味し、「オキソ」という用語はラジカル=Oを意味し、「カルボニル」という用語はラジカル-C(=O)-を意味し、「スルフィニル」という用語はラジカル-(S=O)-を意味し、「スルホニル」という用語はラジカル-S(=O)2-を意味し、「カルボキシ」という用語はラジカル-(C=O)O-および-C(=O)OHを意味し、「アミノ」という用語はラジカル-NH2を意味し、「ニトロ」という用語はラジカル-NO2を意味し、そして「シアノ」という用語はラジカル-CNを意味する。
【0010】
「C2-6-アルケニル」という用語は、本明細書中で用いる場合、2〜6個の炭素原子および少なくとも1つの二重結合を有する分枝鎖または直鎖炭化水素基、例えばC2-6-アルケニル、C3-6-アルケニル等を表わす。代表例としては、エテニル(またはビニル)、プロペニル(例えばプロプ-1-エニルおよびプロプ-2-エニル)、ブタジエニル(例えばブタ-1,3-ジエニル)、ブテニル(例えばブト-1-エン-1-イルおよびブト-2-エン-1-イル)、ペンテニル(例えばペント-1-エン-1-イルおよびペント-2-エン-2-イル)、ヘキセニル(例えばヘクス-1-エン-2-イルおよびへクス-2-エン-1-イル)、1-エチルプロプ-2-エニル、1,1-(ジメチル)プロプ-2-エニル、1-エチルブト-3-エニル、1,1-(ジメチル)ブト-2-エニル等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0011】
「C1-6-アルコキシ」という用語は、本明細書中で用いる場合、ラジカルC1-6-アルキル-O-を指す。代表例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(例えば1-プロポキシおよび2-プロポキシ)、ブトキシ(例えば1-ブトキシ、2-ブトキシおよび2-メチル-2-プロポキシ)、ペントキシ(1-ペントキシおよび2-ペントキシ)、ヘキソキシ(1-ヘキソキシおよび3-ヘキソキシ)等である。
【0012】
「C1-6-アルコキシ-C1-6-アルキル」という用語は、本明細書中で用いる場合、任意の炭素原子でC1-6-アルコキシで置換されるC1-6-アルキルを指す。代表例は、メトキシメチル、エトキシメチル、2-メトキシエチル、2-エトキシエチル、3-メトキシプロプ-1-イル等である。
【0013】
「C1-6-アルコキシカルボニル」という用語は、本明細書中で用いる場合、ラジカルC1-6-アルコキシ-C(=O)-を指す。代表例は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、1-プロポキシカルボニル、2-プロポキシカルボニル、1-ブトキシカルボニル、2-ブトキシカルボニル、2-メチル-2-プロポキシカルボニル、3-メチルブトキシカルボニル、1-ヘキソキシカルボニル等である。
【0014】
「C1-6-アルキル」という用語は、本明細書中で用いる場合、1〜6個の炭素原子を有する飽和、分枝鎖または直鎖炭化水素基、例えばC1-3-アルキル、C1-4-アルキル、C2-6-アルキル、C3-6-アルキル等を表わす。代表例は、メチル、エチル、プロピル(例えばプロプ-1-イルおよびプロプ-2-イル(またはイソプロピル))、ブチル(例えば2-メチルプロプ-2-イル(またはtert‐ブチル)、ブト-1-イルおよびブト-2-イル)、ペンチル(例えばペント-1-イル、ペント-2-イルおよびペント-3-イル)、2-メチルブト-1-イル、3-メチルブト-1-イル、ヘキシル(例えばへキス-1-イル)、ヘプチル(例えばヘプト-1-イル)等である。
【0015】
同様に、「C1-3-アルキル」という用語は、本明細書中で用いる場合、1〜3個の炭素原子を有する飽和、分枝鎖または直鎖炭化水素基を表わす。代表例は、メチル、エチル、プロピル(例えばプロプ-1-イルおよびプロプ-2-イル(またはイソプロピル))等である。
【0016】
「C1-6-アルキルカルボニル」という用語は、本明細書中で用いる場合、ラジカルC1-6-アルキル-C(=O)-を指す。代表例は、アセチル(例えばメチルカルボニル)、プロピニル(例えばエチルカルボニル)、ブタノイル(例えばプロプ-1-イルカルボニルおよびプロプ-2-イルカルボニル)等である。
【0017】
「C1-6-アルキルカルボニルアミノ」という用語は、本明細書中で用いる場合、ラジカルC1-6-アルキル-C(=O)-NH-を指す。代表例は、アセチルアミノ、プロピオニルアミノ、ピバロイルアミノ、バレロイルアミノ等である。
【0018】
「C1-6-アルキルカルボニルアミノ-C1-6-アルキル」という用語は、本明細書中で用いる場合、任意の炭素原子でC1-6-アルキルカルボニルアミノにより置換されるC1-6-アルキルを指す。代表例は、アセチルアミノメチル、1-(アセチルアミノ)エチル、プロピオニルアミノメチル等である。
【0019】
「C1-6-アルキルカルボキシ」という用語は、本明細書中で用いる場合、ラジカルC1-6-アルキル-C(=O)O-を指す。代表例は、メチルカルボキシ、エチルカルボキシ、プロピルカルボキシ(例えばプロプ-1-イルカルボキシ、プロプ-2-イルカルボキシ)等である。
【0020】
「C1-6-アルキレン」という用語は、本明細書中で用いる場合、1〜6個の炭素原子および2つの自由結合を有する分枝鎖または直鎖炭化水素基を指す。代表例は、メチレン、エチレン、プロピレン、例えば1,3-プロピレン、およびブチレン、例えば1,4-ブチレン(1,4−ブタンジイル)等である。
【0021】
同様に、「C1-4-アルキレン」という用語は、1〜4個の炭素原子および2つの自由結合を有する分枝鎖または直鎖炭化水素基を指す。
【0022】
「C1-6-アルキルスルファニル」という用語は、本明細書中で用いる場合、ラジカルC1-6-アルキル-S-を指す。代表例は、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ(例えば1-プロピルチオ、2-プロピルチオおよび3-プロピルチオ)、ブチルチオ、ペンチルチオ、ヘキシルチオ等である。
【0023】
「C1-6-アルキルスルフィニル」という用語は、本明細書中で用いる場合、ラジカルC1-6-アルキル-S(=O)-を指す。代表例は、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、プロピルスルフィニル、ブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニル、ヘキシルスルフィニル等である。
【0024】
「C1-6-アルキルスルホニル」という用語は、本明細書中で用いる場合、ラジカルC1-6-アルキル-S(=O)2-を指す。代表例は、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、ペンチルスルホニル、ヘキシルスルホニル等である。
【0025】
「C2-8-アルキニル」という用語は、本明細書中で用いる場合、2〜8個の炭素原子および少なくとも1つの三重結合を有する分枝鎖または直鎖炭化水素基を表わす。代表例は、エチニル、プロピニル(例えばプロプ-1-イニルおよびプロプ-2-イニル)、ブチニル(例えばブト-1-イニルおよびブト-2-イニル)、ペンチニル(例えばペント-1-イニルおよびペント-2-イニル)、ヘキシニル(例えばへキス-1-イニルおよびへキス-2-イニル)、1-エチルプロプ-2-イニル、1,1-(ジメチル)プロプ-2-イニル、1-エチルブト-3-イニル、1,1-(ジメチル)ブト-2-イニル等が挙げられる。
【0026】
「アリール」という用語は、本明細書中で用いる場合、単環式、二環式または多環式炭素環式芳香族環を包含するよう意図される。代表例は、フェニル、ナフチル(例えばナフチ-1-イル、ナフチ-2-イル)、アントリル(例えばアントル-1-イル、アントル-9-イル)、フェナントリル(例えばフェナントル-1-イル、フェナントル-9-イル)等である。アリールはさらにまた、炭素環式芳香族環で置換される単環式、二環式または多環式炭素環式芳香族環を包含するよう意図される。代表例は、ビフェニル(例えばビフェニル-2-イル、ビフェニル-3-イル、ビフェニル-4-イル)、フェニルナフチル(例えば1-フェニルナフト-2-イルおよび2-フェニルナフト-1-イル)等である。アリールはさらにまた、少なくとも1つの不飽和部分(例えばベンゾ部分)を有する部分飽和二環式または多環式炭素環式環を包含する。代表例は、インダニル(例えばインダン-1-イル、インダン-5-イル)、インデニル(例えばインデン-1-イル、インデン-5-イル)、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル(例えば1,2,3,4-テトラヒドロナフト-1-イル、1,2,3,4-テトラヒドロナフト-2-イルおよび1,2,3,4-テトラヒドロナフト-6-イル)、1,2-ジヒドロナフチル(例えば1,2-ジヒドロナフト-1-イル、1,2-ジヒドロナフト-4-イルおよび1,2-ジヒドロナフト-6-イル)、フルオレニル(例えばフルオレン-1-イル、フルオレン-4-イルおよびフルオレン-9-イル)等である。アリールはさらにまた、1または2つの架橋を含有する部分飽和二環式または多環式炭素環式芳香族環を包含するよう意図される。代表例は、ベンゾノルボルニル(例えばベンゾノルボルン-3-イルおよびベンゾノルボルン-6-イル)、1,4-エタノ-1,2,3,4-テトラヒドロナプチル(例えば1,4-エタノ-1,2,3,4-テトラヒドロナプト-2-イルおよび1,4-エタノ-1,2,3,4-テトラヒドロナプト-10-イル)等である。アリールはさらにまた、1つまたは複数のスピロ原子を含有する部分飽和二環式または多環式炭素環式芳香族環を包含するよう意図される。代表例は、スピロ[シクロペンタン-1,1’-インダン]-4-イル、スピロ[シクロペンタン-1,1’-インデン]-4-イル、スピロ[ピペリジン-4,1’-インダン]-1-イル、スピロ[ピペリジン-3,2’-インダン]-1-イル、スピロ[ピペリジン-4,2’-インダン]-1-イル、スピロ[ピペリジン-4,1’-インダン]-3’-イル、スピロ[ピロリジン-3,2’-インダン]-1-イル、スピロ[ピロリジン-3,1’-(3’,4’-ジヒドロナフタレン)]-1-イル、スピロ[ピペリジン-3,1’-(3’,4’-ジヒドロナフタレン)]-1-イル、スピロ[ピペリジン-4,1’-(3’,4’-ジヒドロナフタレン)]-1-イル、スピロ[イミダゾリジン-4,2’-インダン]-1-イル、スピロ[ピペリジン-4,1’-インデン]-1-イル等である。
【0027】
「アリールカルボニル」という用語は、本明細書中で用いる場合、ラジカル・アリール-C(=O)-を指す。代表例は、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、4-フェニルベンゾイル、アントリルカルボニル、フェナントリルカルボニル等である。
【0028】
「アリールカルボニルアミノ」という用語は、本明細書中で用いる場合、ラジカル・アリール-C(=O)-NH-を指す。代表例は、ベンゾイルアミノ、ナフチルカルボニルアミノ、4-フェニルベンゾイルアミノ等である。
【0029】
「アリールカルボニルアミノ-C1-6-アルキル」という用語は、本明細書中で用いる場合、任意の炭素原子でアリールカルボニルアミノにより置換されるC1-6-アルキルを指す。代表例は、ベンゾイルアミノメチル、ナフチルカルボニルアミノメチル、2-(4-フェニルベンゾイルアミノ)エチル等である。
【0030】
「シアノ-C1-6-アルキル」という用語は、任意の炭素原子(単数または複数)でシアノにより置換されるC1-6-アルキルを指す。代表例は、シアノメチル、2-シアノエチル等である。
【0031】
「C5-8-シクロアルケニル」という用語は、本明細書中で用いる場合、5〜8個の炭素原子および少なくとも1つの二重結合を有する部分飽和単環式炭素環式環を表わす。代表例は、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロヘキス-1,3-ジエニル等である。
【0032】
明らかに、「C5-8-シクロアルケニル-C2-6-アルケニル」という用語は、本明細書中で定義されるようなC5-8-シクロアルケニルとC2-6-アルケニルの組合せである。
【0033】
明らかに、「C5-8-シクロアルケニル-C1-6-アルキル」という用語は、本明細書中で定義されるようなC5-8-シクロアルケニルとC1-6-アルキルの組合せである。
【0034】
明らかに、「C5-8-シクロアルケニル-C2-6-アルキニル」という用語は、本明細書中で定義されるようなC5-8-シクロアルケニルとC2-6-アルキニルの組合せである。
【0035】
「C3-8-シクロアルキル」という用語は、本明細書中で用いる場合、3〜8個の炭素原子を有する飽和単環式炭素環式環、例えばC3-6-アルキル等を表わす。代表例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等である。C3-8-シクロアルキルはさらにまた、4〜8個の炭素原子を有する飽和二環式炭素環式環を表わすよう意図される。代表例は、デカヒドロナフタレニル、ビシクロ[3.3.0]オクタニル等である。C3-8-シクロアルキルはさらにまた、3〜8個の炭素原子を有し、そして1または2つの炭素架橋を含有する飽和炭素環式環を表わすよう意図される。代表例は、アダマンチル、ノルボルナニル、ノルトリシクリル、ビシクロ[3.2.1]オクタニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、トリシクロ[5.2.1.0/2,6]デカニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル等である。C3-8-シクロアルキルはさらにまた、3〜8個の炭素原子を有し、そして1つまたは複数のスピロ原子を含有する飽和炭素環式環を表わすよう意図される。代表例は、スピロ[2,5]オクタニル、スピロ[4,5]デカニル等である。
【0036】
明らかに、「C3-8-シクロアルキル-C2-6-アルケニル」という用語は、本明細書中で定義されるようなC3-8-シクロアルキルとC2-6-アルケニルの組合せである。
【0037】
明らかに、「C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルキル」という用語は、C3-8-シクロアルキルとC1-6-アルキルの組合せである。代表例は、シクロプロピルメチル、2-シクロヘキシルエチル、3-シクロペンチル-プロプ-1-イル、1-シクロヘキシルエチル、アダマンチルメチル等である。この置換基において、非環式アルキル基は好ましくは3個以下の炭素原子を有する。
【0038】
明らかに、「C3-8-シクロアルキル-C2-6-アルキニル」という用語は、本明細書中で定義されるようなC3-8-シクロアルキルとC2-6-アルキニルの組合せである。
【0039】
明らかに、「ジ(C3-8-シクロアルキル)-C1-6-アルキル」という用語は、本明細書中で定義されるような2つのC3-8-シクロアルキル基と1つのC1-6-アルキル基の組合せである。
【0040】
「ハロ-C1-6-アルキル」という用語は、本明細書中で用いる場合、任意の炭素原子(単数または複数)で任意のハロゲンにより1または複数回置換されるC1-6-アルキルを指す。代表例は、トリフルオロメチル、2,2,2-トリフルオロエチル等である。
【0041】
「ハロ-C1-6-アルコキシ」という用語は、本明細書中で用いる場合、任意の炭素原子(単数または複数)で任意のハロゲンにより1または複数回置換されるC1-6-アルコキシを指す。代表例は、トリフルオロメトキシおよび2,2,2-トリフルオロエトキシ等である。
「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
【0042】
「ヘテロアリール」という用語は、本明細書中で用いる場合、窒素、酸素、イオウ、SOおよびS(=O)2から選択される1つまたは複数の異種原子を含有する単環式複素環式芳香族環を包含するよう意図される。代表例は、ピロリル(例えばピロール-1-イル、ピロール-2-イルおよびピロール-3-イル)、フラニル(例えばフラン-2-イルおよびフラン-3-イル)、チエニル(例えばチエン-2-イルおよびチエン-3-イル)、オキサゾリル(例えばオキサゾール-2-イル、オキサゾール-4-イルおよびオキサゾール-5-イル)、チアゾリル(例えばチアゾール-2-イル、チアゾール-4-イルおよびチアゾール-5-イル)、イミダゾリル(例えばイミダゾール-2-イル、イミダゾール-4-イルおよびイミダゾール-5-イル)、ピラゾリル(例えばピラゾール-1-イル、ピラゾール-3-イルおよびピラゾール-5-イル)、イソキサゾリル(例えばイソキサゾール-3-イル、イソキサゾール-4-イルおよびイソキサゾール-5-イル)、イソチアゾリル(例えばイソチアゾール-3-イル、イソチアゾール-4-イルおよびイソチアゾール-5-イル)、1,2,3-トリアゾリル(例えば1,2,3-トリアゾール-1-イル、1,2,3-トリアゾール-4-イルおよび1,2,3-トリアゾール-5-イル)、1,2,4-トリアゾリル(例えば1,2,4-トリアゾール-1-イル、1,2,4-トリアゾール-3-イルおよび1,2,4-トリアゾール-5-イル)、1,2,3-オキサジアゾリル(例えば1,2,3-オキサゾール-4-イルおよび1,2,3-オキサゾール-5-イル)、1,2,4-オキサジアゾリル(例えば1,2,4-オキサジアゾール-3-イルおよび1,2,4-オキサジアゾール-5-イル)、1,2,5-オキサジアゾリル(例えば1,2,5-オキサジアゾール-3-イルおよび1,2,5-オキサジアゾール-4-イル)、1,3,4-オキサジアゾリル(例えば1,3,4-オキサジアゾール-2-イルおよび1,3,4-オキサジアゾール-5-イル)、1,2,3-チアジアゾリル(例えば1,2,3-チアジアゾール-4-イルおよび1,2,3-チアジアゾール-5-イル)、1,2,4-チアジアゾリル(例えば1,2,4-チアジアゾール-3-イルおよび1,2,4-チアジアゾール-5-イル)、1,2,5-チアジアゾリル(例えば1,2,5-チアジアゾール-3-イルおよび1,2,5-チアジアゾール-4-イル)、1,3,4-チアジアゾリル(例えば1,3,4-チアジアゾール-2-イルおよび1,3,4-チアジアゾール-5-イル)、テトラゾリル(例えばテトラゾール-1-イルおよびテトラゾール-5-イル)、ピラニル(例えばピラン-2-イル)、ピリジニル(例えばピリジン-2-イル、ピリジン-3-イルおよびピリジン-4-イル)、ピリダジニル(例えばピリダジン-2-イルおよびピリダジン-3-イル)、ピリミジニル(例えばピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イルおよびピリミジン-5-イル)、ピラジニル、1,2,3-トリアジニル、1,2,4-トリアジニル、1,3,5-トリアジニル、チアジアジニル、アゼピニル、アゼシニル等である。ヘテロアリールはさらにまた、窒素、酸素、イオウ、S(=O)およびS(=O)2から選択される1つまたは複数の異種原子を含有する二環式複素環式芳香族環を包含するよう意図される。代表例は、インドリル(例えばインドール-1-イル、インドール-2-イル、インドール-3-イルおよびインドール-5-イル)、イソインドリル、ベンゾフラニル(例えばベンゾ[b]フラン-2-イル、ベンゾ[b]フラン-3-イル、ベンゾ[b]フラン-5-イル、ベンゾ[c]フラン-2-イル、ベンゾ[c]フラン-3-イルおよびベンゾ[c]フラン-5-イル)、ベンゾチエニル(例えばベンゾ[b]チエン-2-イル、ベンゾ[b]チエン-3-イル、ベンゾ[b]チエン-5-イル、ベンゾ[c]チエン-2-イル、ベンゾ[c]チエン-3-イルおよびベンゾ[c]チエン-5-イル)、インダゾリル(例えばインダゾール-1-イル、インダゾール-3-イルおよびインダゾール-5-イル)、インドリジニル(例えばインドリジン-1-イルおよびインドリジン-3-イル)、ベンゾピラニル(例えばベンゾ[b]ピラン-3-イル、ベンゾ[b]ピラン-6-イル、ベンゾ[c]ピラン-1-イルおよびベンゾ[c]ピラン-7-イル)、ベンズイミダゾリル(例えばベンズイミダゾール-1-イル、ベンズイミダゾール-2-イルおよびベンズイミダゾール-5-イル)、ベンゾチアゾリル(例えばベンゾチアゾール-2-イルおよびベンゾチアゾール-5-イル)、ベンズイソチアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンゾキサジニル、ベンゾトリアゾリル、ナフチリジニル(例えば1,8-ナフチリジン-2-イル、1,7-ナフチリジン-2-イルおよび1,6-ナフチリジン-2-イル)、フタラジニル(例えばフタラジン-1-イルおよびフタラジン-5-イル)、プテリジニル、プリニル(例えばプリン-2-イル、プリン-6-イル、プリン-7-イル、プリン-8-イルおよびプリン-9-イル)、キナゾリニル(例えばキナゾリン-2-イル、キナゾリン-4-イルおよびキナゾリン-6-イル)、シンノリニル、キノリニル(例えばキノリン-2-イル、キノリン-3-イル、キノリン-4-イルおよびキノリン-6-イル)、イソキノリニル(例えばイソキノリン-1-イル、イソキノリン-3-イルおよびイソキノリン-4-イル)、キノキサリニル(例えばキノキサリン-2-イルおよびキノキサリン-5-イル)、ピロロピリジニル(例えばピロロ[2,3-b]ピリジニル、ピロロ[2,3-c]ピリジニルおよびピロロ[3,2-c]ピリジニル)、フロピリジニル(例えばフロ[2,3-b]ピリジニル、フロ[2,3-c]ピリジニルおよびフロ[3,2-c]ピリジニル)、チエノピリジニル(例えばチエノ[2,3-b]ピリジニル、チエノ[2,3-c]ピリジニルおよびチエノ[3,2-c]ピリジニル)、イミダゾピリジニル(例えばイミダゾ[4,5-b]ピリジニル、イミダゾ[4,5-c]ピリジニル、イミダゾ[1,5-a]ピリジニルおよびイミダゾ[1,2-a]ピリジニル)、イミダゾピリミジニル(例えばイミダゾ[1,2-a]ピリミジニルおよびイミダゾ[3,4-a]ピリミジニル)、ピラゾロピリジニル(例えばピラゾロ[3,4-b]ピリジニル、ピラゾロ[3,4-c]ピリジニルおよびピラゾロ[1,5-a]ピリジニル)、ピラゾロピリミジニル(例えばピラゾロ[1,5-a]ピリミジニルおよびピラゾロ[3,4-d]ピリミジニル)、チアゾロピリジニル(例えばチアゾロ[3,2-d]ピリジニル)、チアゾロピリミジニル(例えばチアゾロ[5,4-d]ピリミジニル)、イミダゾチアゾリル(例えばイミダゾ[2,1-b]チアゾリル)、トリアゾロピリジニル(例えばトリアゾロ[4,5-b]ピリジニル)、トリアゾロピリミジニル(例えば8-アザプリニル)等である。ヘテロアリールはさらにまた、窒素、酸素、イオウ、S(=O)およびS(=O)2から選択される1つまたは複数の異種原子を含有する多環式複素環式芳香族環を包含するよう意図される。代表例は、カルバゾリル(例えばカルバゾール-2-イル、カルバゾール-3-イル、カルバゾール-9-イル)、フェノキサジニル(例えばフェノキサジン-10-イル)、フェナジニル(例えばフェナジン-5-イル)、アクリジニル(例えばアクリジン-9-イルおよびアクリジン-10-イル)、フェノールチアジニル(例えばフェノチアジン-10-イル)、カルボリニル(例えばピリド[3,4-b]インドール-1-イル、ピリド[3,4-b]インドール-3-イル)、フェナントロリニル(例えばフェナントロリン-5-イル)等である。ヘテロアリールはさらにまた、窒素、酸素、イオウ、S(=O)およびS(=O)2から選択される1つまたは複数の異種原子を含有する部分飽和単環式、二環式または多環式複素環式環を包含するよう意図される。代表例は、ピロリニル、ピラゾリニル、イミダゾリニル(例えば4,5-ジヒドロイミダゾール-2-イルおよび4,5-ジヒドロイミダゾール-1-イル)、インドリニル(例えば2,3-ジヒドロインドール-1-イルおよび2,3-ジヒドロインドール-5-イル)、ジヒドロベンゾフラニル(例えば2,3-ジヒドロベンゾ[b]フラン-2-イルおよび2,3-ジヒドロベンゾ[b]フラン-4-イル)、ジヒドロベンゾチエニル(例えば2,3-ジヒドロベンゾ[b]チエン-2-イルおよび2,3-ジヒドロベンゾ[b]チエン-5-イル)、4,5,6,7-テトラヒドロベンゾ[b]フラン-5-イル、ジヒドロベンゾピラニル(例えば3,4-ジヒドロベンゾ[b]ピラン-3-イル、3,4-ジヒドロベンゾ[b]ピラン-6-イル、3,4-ジヒドロベンゾ[c]ピラン-1-イルおよびジヒドロベンゾ[c]ピラン-7-イル)、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-6-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-5-イル、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン-2-イル、ベンゾ[1,3]ジオキソール-4-イル、ベンゾ[1,3]ジオキソール-5-イル、ベンゾ[1,3]ジオキソール-2-イル;3,4-ジヒドロ-2Hベンゾ[1,4]オキサジン-7-イル;4-メチル-3,4-ジヒドロ-2Hベンゾ[1,4]オキサジン-7-イル、オキサゾリニル(例えば4,5-ジヒドロオキサゾール-2-イル、4,5-ジヒドロオキサゾール-4-イルおよび4,5-ジヒドロオキサゾール-5-イル)、イソキサゾリニル、オキサゼピニル、テトラヒドロインダゾリル(例えば4,5,6,7-テトラヒドロインダゾール-1-イル、4,5,6,7-テトラヒドロインダゾール-3-イル、4,5,6,7-テトラヒドロインダゾール-4-イルおよび4,5,6,7-テトラヒドロインダゾール-6-イル)、テトラヒドロベンズイミダゾリル(例えば4,5,6,7-テトラヒドロベンズイミダゾール-1-イルおよび4,5,6,7-テトラヒドロベンズイミダゾール-5-イル)、テトラヒドロイミダゾ[4,5-c]ピリジル(例えば4,5,6,7-テトラヒドロイミダゾ[4,5-c]ピリド-1-イル、4,5,6,7-テトラヒドロイミダゾ[4,5-c]ピリド-5-イルおよび4,5,6,7-テトラヒドロイミダゾ[4,5-c]ピリド-6-イル)、テトラヒドロキノリニル(例えば1,2,3,4-テトラヒドロキノリニルおよび5,6,7,8-テトラヒドロキノリニル)、テトラヒドロイソキノリニル(例えば1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニルおよび5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリニル)、テトラヒドロキノキサリニル(例えば1,2,3,4-テトラヒドロキノキサリニルおよび5,6,7,8-テトラヒドロキノキサリニル)等である。ヘテロアリールはさらにまた、1つまたは複数のスピロ原子を含有する部分飽和二環式または多環式複素環式環を包含するよう意図される。代表例は、スピロ[イソキノリン-3,1’-シクロヘキサン]-1-イル、スピロ[ピペリジン-4,1’-ベンゾ[c]チオフェン]-1-イル、スピロ[ピペリジン-4,1’-ベンゾ[c]フラン]-1-イル、スピロ[ピペリジン-4,3’-ベンゾ[b]フラン]-1-イル、スピロ[ピペリジン-4,3’-クマリン]-1-イル等である。
【0043】
「ヘテロアリールカルボニル」という用語は、本明細書中で用いる場合、ラジカル・ヘテロアリール-C(=O)-を指す。代表例は、ピリジニルカルボニル(例えばピリジン-2-イルカルボニルおよびピリジン-4-イルカルボニル)、キノリニルカルボニル(例えば2-(キノリン-2-イル)カルボニルおよび1-(キノリン-2-イル)カルボニル)、イミダゾリルカルボニル(例えばイミダゾール-2-イルカルボニルおよびイミダゾール-5-イルカルボニル)等である。
【0044】
「ヘテロアリールカルボニルアミノ」という用語は、本明細書中で用いる場合、ラジカル・ヘテロアリール-C(=O)-NH-を指す。代表例は、ピリジニルカルボニルアミノ(例えばピリジン-2-イルカルボニルアミノおよびピリジン-4-イルカルボニルアミノ)、キノリニルカルボニルアミノ(例えば2-(キノリン-2-イル)カルボニルアミノおよび1-(キノリン-2-イル)カルボニルアミノ)等である。
【0045】
「ヘテロアリールカルボニルアミノ-C1-6-アルキル」という用語は、本明細書中で用いる場合、任意の炭素原子でヘテロアリールカルボニルアミノにより置換されるC1-6-アルキルを指す。代表例は、ピリジニルカルボニルアミノメチル(例えばピリジン-2-イルカルボニルアミノメチルおよびピリジン-4-イルカルボニルアミノメチル)、2-(キノリニルカルボニルアミノ)エチル(例えば2-(2-(キノリン-2-イル)カルボニルアミノ)エチルおよび2-(1-(キノリン-2-イル)カルボニルアミノ)エチル)等である。
「ヘテロシクリル」という用語は、本明細書中で用いる場合、窒素、酸素、イオウ、S(=O)およびS(=O)2から選択される1つまたは複数の異種原子を含有する飽和3〜8員単環式環を表わす。代表例は、アジリジニル(例えばアジリジン-1-イル)、アゼチジニル(例えばアゼチジン-1-イルおよびアゼチジン-3-イル)、オキセタニル、ピロリジニル(例えばピロリジン-1-イル、ピロリジン-2-イルおよびピロリジン-3-イル)、イミダゾリジニル(例えばイミダゾリジン-1-イル、イミダゾリジン-2-イルおよびイミダゾリジン-4-イル)、オキサゾリジニル(例えばオキサゾリジン-2-イル、オキサゾリジン-3-イルおよびオキサゾリジン-4-イル)、チアゾリジニル(例えばチアゾリジン-2-イル、チアゾリジン-3-イルおよびチアゾリジン-4-イル)、イソチアゾリジニル、1,1-ジオキソ-イソチアゾリジン-2-イル、ピペリジニル(例えばピペリジン-1-イル、ピペリジン-2-イル、ピペリジン-3-イルおよびピペリジン-4-イル)、ホモピペリジニル(例えばホモピペリジン-1-イル、ホモピペリジン-2-イル、ホモピペリジン-3-イルおよびホモピペリジン-4-イル)、ピペラジニル(例えばピペラジン-1-イルおよびピペラジン-2-イル)、モルホリニル(例えばモルホリン-2-イル、モルホリン-3-イルおよびモルホリン-4-イル)、チオモルホリニル(例えばチオモルホリン-2-イル、チオモルホリン-3-イルおよびチオモルホリン-4-イル)、1-オキソ-チオモルホリニル、1,1-ジオキソ-チオモルホリニル、テトラヒドロフラニル(例えばテトラヒドロフラン-2-イルおよびテトラヒドロフラン-3-イル)、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロ-1,1-ジオキソチエニル、テトラヒドロピラニル(例えば2-テトラヒドロピラニル)、テトラヒドロチオピラニル(例えば2-テトラヒドロチオピラニル)、1,4-ジオキサニル、1,3-ジオキサニル等である。ヘテロシクリルはさらにまた、窒素、酸素、イオウ、S(=O)およびS(=O)2から選択される1つまたは複数の異種原子を含有する飽和6〜12員二環式環を表わすよう意図される。代表例は、オクタヒドロインドリル(例えばオクタヒドロインドール-1-イル、オクタヒドロインドール-2-イル、オクタヒドロインドール-3-イルおよびオクタヒドロインドール-5-イル)、デカヒドロキノリニル(例えばデカヒドロキノリン-1-イル、デカヒドロキノリン-2-イル、デカヒドロキノリン-3-イル、デカヒドロキノリン-4-イルおよびデカヒドロキノリン-6-イル)、デカヒドロキノキサリニル(例えばデカヒドロキノキサリン-1-イル、デカヒドロキノキサリン-2-イルおよびデカヒドロキノキサリン-6-イル)等である。ヘテロシクリルはさらにまた、窒素、酸素、イオウ、S(=O)およびS(=O)2から選択される1つまたは複数の異種原子を含有し、そして1または2つの架橋を有する飽和6〜12員環を表わすよう意図される。代表例は、3-アザビシクロ[3.2.2]ノニル、2-アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキシル、2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、アトロピニル、トロピニル、キヌクリジニル、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタニル等である。ヘテロシクリルはさらにまた、窒素、酸素、イオウ、S(=O)およびS(=O)2から選択される1つまたは複数の異種原子を含有し、そして1つまたは複数のスピロ原子を含有する6〜12員飽和環を表わすよう意図される。代表例は、1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカニル(例えば1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカン-2-イルおよび1,4-ジオキサスピロ[4.5]デカン-7-イル)、1,4-ジオキサ-8-アザスピロ[4.5]デカニル(例えば1,4-デオキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-2-イルおよび1,4-デオキサ-8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)、8-アザスピロ[4.5]デカニル(例えば8-アザスピロ[4.5]デカン-1-イルおよび8-アザスピロ[4.5]デカン-8-イル)、2-アザスピロ[5.5]ウンデカニル(例えば2-アザスピロ[5.5]ウンデカン-2-イル)、2,8-ジアザスピロ[4.5]デカニル(例えば2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-イルおよび2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル)、2,8-ジアザスピロ[5.5]ウンデカニル(例えば2,8-ジアザスピロ[5.5]ウンデカン-2-イル)、1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカニル(例えば1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-1-イルおよび1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-3-イル、1,3,8-トリアザスピロ[4.5]デカン-8-イル)等である。
【0046】
「ヘテロシクリル-C1-6-アルコキシ」という用語は、本明細書中で用いる場合、ラジカル・ヘテロシクリル-C1-6-アルコキシを指す。代表例は、ピペリジン-1-イルメトキシ、2-(ピペリジン-1-イル)エトキシ、3-(ピペリジン-1-イル)プロプ-3-オキシ、ピペラジン-1-イルメトキシ、2−(ピペラジン−1−イル)エトキシ、3-(ピペラジン-1-イル)プロプ-3-オキシ、モルホリン-1-イルメトキシ、2-(モルホリン-1-イル)エトキシ、3-(モルホリン-1-イル)プロプ-3-オキシ等である。
【0047】
「ヘテロシクリル-C1-6-アルキル」という用語は、本明細書中で用いる場合、ラジカル・ヘテロシクリル-C1-6-アルキルを指す。代表例は、ピペリジン-1-イルメチル、2-(ピペリジン-1-イル)エチル、3-ヒドロキシ-3-(ピペリジン-1-イル)プロピル、ピペラジン-1-イルメチル、2−(ピペラジン−1−イル)エチル、3-ヒドロキシ-3-(ピペラジン-1-イル)プロピル、モルホリン-1-イルメチル、2-(モルホリン-1-イル)エチル、3-ヒドロキシ-3-(モルホリン-1-イル)プロピル等である。
【0048】
「ヘテロシクリルカルボニル」という用語は、本明細書中で用いる場合、ラジカル・ヘテロシクリル-C(=O)-を指す。代表例は、ピペリジニルカルボニル(例えばピペリジン-2-イルカルボニル、ピペリジン-3-イルカルボニルおよびピペリジン-4-イルカルボニル)、ピペラジニルカルボニル(例えばピペラジン-1-イルカルボニルおよびピペラジン−2−イルカルボニル)等である。
【0049】
「ヒドロキシ-C1-6-アルキル」という用語は、本明細書中で用いる場合、任意の炭素原子(単数または複数)でヒドロキシルにより1つまたは複数回置換されるC1-6-アルキルを指す。代表例は、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル(例えば1-ヒドロキシエチルおよび2-ヒドロキシエチル)等である。
【0050】
「架橋」という用語は、本明細書中で用いる場合、炭素、窒素、酸素およびイオウから選択される1〜4個の原子の鎖を介して隣接物でないような環の2つの原子間の飽和または部分飽和環中の結合を表わす。このような結合鎖の代表例は、-CH2-、-CH2CH2-、-CH2NHCH2-、-CH2CH2CH2-、-CH2OCH2-等である。
【0051】
「スピロ原子」という用語は、本明細書中で用いる場合、炭素、窒素、酸素およびイオウから選択される3〜8個の原子の鎖の両端を結合する飽和または部分飽和環中の炭素原子を表わす。代表例は、-(CH25-、-(CH23-、-(CH24-、-CH2NHCH2CH2-、-CH2CH2NHCH2CH2-、-CH2NHCH2CH2CH2-、-CH2CH2OCH2-、-OCH2CH2O-等である。
【0052】
「任意に置換される」という用語は、本明細書中で用いる場合、当該基が特定された置換基のうちの1つまたは複数で置換されないかまたは置換される、ということを意味する。当該基(単数または複数)が1つより多くの置換基で置換される場合、置換基は同一であるかまたは異なり得る。
【0053】
定義される用語のある種のものは、構造式中に1回より多く出現し得るし、そしてこのような出現時に、各用語は他のものとは独立して定義される。定義される用語のある種のものは組合せて出現し得るし、そして最初に言及されるラジカルはその後に言及されるラジカル上の置換基であり、この場合、置換の点、即ち当該分子の別の部分との付着の点は、当該ラジカルの最後に言及されるものの上である、と理解されるべきである。
【0054】
「溶媒和物」という用語は、本明細書中で用いる場合、溶質(この場合は、本発明による化合物)および溶媒により生成される限定化学量論の複合体である。溶媒は、製薬業界で一般的に用いられるもの、例えば水、エタノール、酢酸等である。「水和物」という用語は、溶媒分子が水である複合体を指す。
【0055】
「治療」という用語は、本明細書中で用いる場合、疾患、障害または症状と闘う目的のための患者の管理および看護を意味する。当該用語は、疾患、障害または症状の進行の遅延、症候および合併症の緩和または軽減、および/または疾患、障害または症状の治癒または排除を包含するよう意図される。
【0056】
「疾患」、「症状」および「障害」という用語は、本明細書中で用いる場合、ヒトの正常生理学的状態でない患者の状態を明記するために互換的に用いられる。
【0057】
「薬剤」という用語は、本明細書中で用いる場合、患者への薬学的活性化合物の投与に適した製剤組成物を意味する。
【0058】
「プロドラッグ」という用語は、本明細書中で用いる場合、生体加水分解可能アミドおよび生体加水分解可能エステルを含み、そしてa)このようなプロドラッグ中の生体加水分解可能官能基が本発明の化合物中に包含される化合物、ならびにb)所定の官能基で生物学的に酸化されるかまたは還元されて、本発明の薬剤物質を生じ得る化合物も包含する。これらの官能基の例としては、1,4-ジヒドロピリジン、N-アルキルカルボニル-1,4-ジヒドロピリジン、1,4-シクロヘキサジエン、tert‐ブチル等が挙げられる。
【0059】
「生体加水分解可能エステル」という用語は、本明細書中で用いる場合、薬剤物質(本発明の場合、式Iの化合物)のエステルであって、これは、a)親物質の生物学的活性を妨げないが、しかしその物質にin vivoで有益な特性、例えば作用持続時間、作用の開始等を付与するか、あるいはb)生物学的に不活性であるが、しかし被験者を生物学的活性原理に付すことによりin vivoで容易に転化される。利点は、例えば生体加水分解可能エステルが腸から経口的に吸収され、そして血漿中で(I)に転換される、という点である。このような多数の例は当業界で既知であり、そして例としては、低級アルキルエステル(例えばC1-4-アルキルエステル)、低級アシルオキシアルキルエステル、低級アルコキシアシルオキシアルキルエステル、アルコキシアシルオキシエステル、アルキルアシルアミノアルキルエステル、およびコリンエステルが挙げられる。
【0060】
「生体加水分解可能アミド」という用語は、本明細書中で用いる場合、薬剤物質(本発明の場合、式Iの化合物)のアミドであって、これは、a)親物質の生物学的活性を妨げないが、しかしその物質にin vivoで有益な特性、例えば作用持続時間、作用の開始等を付与するか、あるいはb)生物学的に不活性であるが、しかし被験者を生物学的活性原理に付すことによりin vivoで容易に転化される。利点は、例えば生体加水分解可能アミドが腸から経口的に吸収され、そして血漿中で(I)に転換される、という点である。このような多数の例は当業界で既知であり、そして例としては、低級アルキルアミド、α-アミノ酸アミド、アルコキシアシルアミドおよびアルキルアミノアルキルカルボニルアミドが挙げられる。
【0061】
「製薬上許容可能な」という用語は、本明細書中で用いる場合、正常の薬学的適用、即ち患者に副作用生じないこと等に適していることを意味する。
【0062】
「有効量」という用語は、本明細書中で用いる場合、治療しない場合と比較して、患者の治療が有効であるために十分である投与量を意味する。
化合物の「治療的有効量」という用語は、本明細書中で用いる場合、所定の疾患およびその合併症の臨床的症状発現を治癒し、緩和し、または部分的に抑止するのに十分な量を意味する。これを成し遂げるのに適した量は、「治療的有効量」と定義される。各目的のための有効量は、疾患または損傷の重症度、ならびに被験者の体重および全身状態によっている。適切な投与量の確定は、ルーチンの実験を用いて、値のマトリックスを構築し、そしてマトリックスにおける異なる点を試験することにより達成され得る(これはすべて、熟練医または獣医の通常力量の範囲内である)、と理解されるべきである。
【0063】
「代謝産物」という用語は、本明細書中で用いる場合、代謝に起因する任意の中間体または生成物である。
【0064】
「代謝」という用語は、本明細書中で用いる場合、患者に投与される薬剤物質(本発明においては、一般式Iの化合物)の生体内変換を指す。
上記の代表例は、本発明の特定の実施形態である。
【0065】
発明の要約
本発明は、以下の特許請求の範囲において明記される一般式Iの化合物に関する。
本発明の化合物は、既知の化合物と構造的に異なる。
本発明はさらにまた、治療における上記化合物の使用に、そして特に上記化合物を含む製剤組成物に関する。
別の実施形態において、本発明は、治療方法であって、それを必要とする被験者に有効量の式Iの1つまたは複数の化合物を投与することを包含する方法に関する。
さらなる実施形態では、本発明は、薬剤の製造における式Iの化合物の使用に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0066】
好ましい実施形態の説明
ヒスタミンH3受容体とのそれらの相互作用のため、以下の特許請求の範囲ならびに本明細書中の他の箇所で定義されるような本発明の化合物は、ヒスタミンH3受容体が有益である広範囲の症状および障害の治療に有用である。したがって当該化合物は、例えば中枢神経系、末梢神経系、心臓血管系、呼吸器系、消化管系および内分泌系の疾患の治療に用途を見出し得る。
【0067】
以下において、本発明の異なる個々の実施形態および条項が言及され、そしてこれらの個々の実施形態および条項は任意の適切な方法および/または順序で組合され得る:
a)R1は、シクロペンチル、シクロプロピルまたはイソプロピルである。
b)R1は、C1-6-アルキルまたはC3-8-シクロアルキルである。
c)R2は水素である。
d)R1およびR2は、ともに1,4-ブチレンである。
e)R1およびR2は、ともにC1-6-アルキレン、好ましくはC1-4-アルキレンである。
f)R3は水素である。
g)R3は水素でない。
h)R4は水素である。
i)R4は水素でない。
j)R5は、クロロ、シアノ、N,N-ジメチルアミノカルボニル、N,N-ジメチルアミノメチル、メトキシ、5-メチル-[1,2,4]オキソジアゾール-3-イル、モルホリン-4-イルカルボニル、モルホリン-4-イルメチル、5-フェニル-[1,2,4]オキソジアゾール-3-イル、ピペリジン-1-イルカルボニル、ピペリジン-1-イルメチル、5-ピペリジン-4-イル-[1,2,4]-オキソジアゾール-3-イルまたはピロリジン-1-イルメチルである。
【0068】
k)R5は、ハロゲン、シアノ、C1-6-アルコキシ、ヘテロシクリル-C1-6-アルキル、ヘテロシクリルカルボニル、または一般式-Y-(CH2s-(C=O)r-NR78の基(式中、R7、R8、r、sおよびYは、各々、本明細書中に定義されたものと同様である)である。
l)R5は、C1-6-アルキル、アリールまたはヘテロアリールで任意に置換されるヘテロアリールである。
m)R5は水素である。
n)R5は水素でない。
o)R6は、クロロ、シアノ、N,N-ジメチルアミノカルボニル、N,N-ジメチルアミノメチル、メトキシ、5-メチル-[1,2,4]オキソジアゾール-3-イル、モルホリン-4-イルカルボニル、モルホリン-4-イルメチル、5-フェニル-[1,2,4]オキソジアゾール-3-イル、ピペリジン-1-イルカルボニル、ピペリジン-1-イルメチル、5-ピペリジン-4-イル-[1,2,4]-オキソジアゾール-3-イルまたはピロリジン-1-イルメチルである。
p)R6は、ハロゲン、シアノ、C1-6-アルコキシ、ヘテロシクリル-C1-6-アルキル、ヘテロシクリルカルボニル、または一般式-Y-(CH2s-(C=O)r-NR78の基(式中、R7、R8、r、sおよびYは、各々、本明細書中に定義されたものと同様である)である。
q)R6は、C1-6-アルキル、アリールまたはヘテロアリールで任意に置換されるヘテロアリールである。
r)R6は水素である。
s)R6は水素でない。
t)記号R3、R4、R5およびR6のうちの少なくとも2つは水素ではない。
u)R7はメチルである。
v)R7はC1-6-アルキルである。
【0069】
w)R8はメチルである。
x)R8はC1-6-アルキルである。
y)Xはオキシ(-O-)である。
z)Xはイオウ(-S-)である。
aa)Yは一結合である。
bb)mは0である。
cc)mは1である。
dd)mは2である。
ee)rは0または1である。
ff)sは0または1である。
【0070】
上記の個々の実施形態の組合せはさらなる実施形態を生じ、そして本発明は、上記の個々の実施形態のすべての考え得る組合せ、ならびに以下の個々の請求項とのすべての考え得る組合せに関する。これらの実施形態のうちのどれが組合され得ないかは、当業者に明らかである。
【0071】
式Iの特定の化合物の例を以下に示す:
1)6-クロロ-2-(4-シクロペンチルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール、
2)2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-6-メトキシベンゾチアゾール、
3)2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-メトキシベンゾチアゾール、
4)2-(6-メトキシベンゾチアゾール-2-イル)オクタヒドロピリド[1,2-a]ピラジン、
5)2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボニトリル、
6)[2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イル]ピペリジン-1-イルメタノン、
7)2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボン酸ジメチルアミド、
8)[2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イル]モルホリン-4-イルメタノン、
9)2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-6-ピペラジン-1-イルメチルベンゾチアゾール、
10)2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-6-(モルホリン-4-イルメチル)ベンゾチアゾール、
11)[2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イルメチル]ジメチルアミン、
12)2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-6-(5-メチル-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)ベンゾチアゾール、
13)2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-6-(5-フェニル-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)ベンゾチアゾール、
14)2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-6-(5-ピリジン-4-イル-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)ベンゾチアゾール、
【0072】
15)2-(4-シクロペンチルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボニトリル、
16)[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イルメチル]ジメチルアミン、
17)2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンゾチアゾール、
18)2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-(モルホリン-4-イルメチル)ベンゾチアゾール、
19)2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾチアゾール、
20)N-[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イル]アセトアミド、
21)[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イル]-(4-メチルピペラジン-1-イル)メタノン、
22)2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-(3,4-ジメトキシフェニル)ベンゾチアゾール、
23)2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-(6-メトキシピリジン-3-イル)ベンゾチアゾール、
24)6-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)-2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール、
25)2-(6-ピペリジン-1-イルメチルベンゾチアゾール-2-イル)オクタヒドロピリド[1,2-a]ピラジン、
26)N-{4-[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イル]フェニル}アセトアミド、
【0073】
27)シクロプロピル-[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イルメチル]アミン、
28)2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-(1,1-ジオキソ-1λ6-イソチアゾリジン-2-イルメチル)ベンゾチアゾール、
29)2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-(1,1-ジオキソ-1λ6-イソチアゾリジン-2-イル)ベンゾチアゾール、
30)2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-カルボニトリル、
31)2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-5-ピロリジン-1-イルメチルベンゾチアゾール、
32)[2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-イルメチル]ジメチルアミン、
33)[2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-イル]ピロリジン-1-イルメタノン、
34)5-(1,1-ジオキソ-1λ6-イソチアゾリジン-2-イルメチル)-2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール、
35)2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-カルボニトリル、
36)[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-イル]ピロリジン-1-イルメタノン、
37)2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-5-(1,1-ジオキソ-1λ6-イソチアゾリジン-2-イルメチル)ベンゾチアゾール、
38)2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-5-ピロリジン-1-イルメチルベンズオキサゾール、および
39)[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-イルメチル]ジメチルアミン、
そして一態様では、本発明は特定的には、独立してこれらの化合物の各々に関する。別の態様では、本発明は特定的には、独立してこれらの化合物の各々の製薬上許容可能な塩に、さらに特定的には、以下の特定実施例中で言及される特定の塩に関する。
【0074】
本発明の一実施形態では、以下の請求項1で言及される記号のうちの4つ以外のすべて、好ましくは3つ以外のすべて、さらに好ましくは2つ以外のすべて、もっとも好ましくは1つ以外のすべてが、以下の実施例のうちのいずれか1つで独立して言及される式Iの化合物中に存在する基または部分であり、そして残りの単数または複数の記号は、個々の実施態様a)〜w)のいずれかで言及されるものである。
【0075】
本発明の化合物はヒスタミンH3受容体と相互作用し、したがって、ヒスタミンH3相互作用が有益である種々の疾患または症状の治療に特に有用である。
一態様において、本発明は、製剤組成物中の式Iの化合物の使用を提供する。製剤組成物は、本発明の別の態様において、活性成分として、式Iの少なくとも1つの化合物を、1つまたは複数の製薬上許容可能な担体または賦形剤と一緒に含み得る。別の態様では、本発明は、約0.05 mg〜約1000 mg、例えば約0.1 mg〜約500 mg、例えば約0.5 mg〜約200 mgの式Iの化合物を含む単位剤形で、このような製剤組成物を提供する。
【0076】
別の態様では、本発明は、H3ヒスタミン受容体の阻害が有益作用を有する疾患および障害の治療のための製剤組成物の調製のための上記のような式Iの化合物の使用を提供する。
別の態様では、本発明は、ヒスタミンH3アンタゴニスト活性またはヒスタミンH3逆アゴニスト活性を有する製剤組成物の調製のための式Iの化合物の使用を提供する。
別の態様では、本発明は、体重の低減のための製剤組成物の調製のための式Iの化合物の使用を提供する。
別の態様では、本発明は、体重超過または肥満の治療のための製剤組成物の調製のための式Iの化合物の使用を提供する。
別の態様では、本発明は、食欲の抑制のためのまたは満腹誘導のための製剤組成物の調製のための式Iの化合物の使用を提供する。
【0077】
別の態様では、本発明は、体重超過または肥満症に関連した障害および疾患、例えば異脂肪血症、冠動脈性心疾患、胆嚢疾患、骨関節炎および種々の型の癌、例えば子宮体癌、乳癌、前立腺癌および結腸癌の防止および/または治療のための製剤組成物の調製のための式Iの化合物の使用を提供する。
別の態様では、本発明は、摂食障害、例えば過食症または馬鹿食いの防止および/または治療のための製剤組成物の調製のための式Iの化合物の使用を提供する。
別の態様では、本発明は、IGT(耐糖能障害)の治療のための製剤組成物の調製のための式Iの化合物の使用を提供する。
【0078】
別の態様では、本発明は、2型糖尿病の治療のための製剤組成物の調製のための式Iの化合物の使用を提供する。
別の態様では、本発明は、IGTから2型糖尿病への進行の遅延または防止のための製剤組成物の調製のための式Iの化合物の使用を提供する。
【0079】
別の態様では、本発明は、非インスリンを要する2型糖尿病からインスリンを要する2型糖尿病への進行の遅延または防止のための製剤組成物の調製のための式Iの化合物の使用を提供する。
別の態様では、本発明は、H3ヒスタミン受容体の刺激が有益作用を有する疾患および障害の治療のための製剤組成物の調製のための式Iの化合物の使用を提供する。
別の態様では、本発明は、H3アゴニスト活性を有する製剤組成物の調製のための式Iの化合物の使用を提供する。
別の態様では、本発明は、アレルギー性鼻炎、潰瘍または拒食症の治療のための製剤組成物の調製のための式Iの化合物の使用を提供する。
【0080】
別の態様では、本発明は、アルツハイマー病、ナルコレプシー、注意欠陥障害または覚醒度低下の治療のための、あるいは睡眠の調節のための製剤組成物の調製のための式Iの化合物の使用を提供する。
別の態様では、本発明は、気道障害、例えば喘息の治療のための、胃酸分泌の調節のための、あるいは下痢の治療のための製剤の調製のための式Iの化合物の使用に関する。
別の態様では、本発明は、H3ヒスタミン受容体に関連した障害または疾患の治療のための方法であって、それを必要とする被験者に、治療的有効量の上記のような一般式Iの化合物またはこのような化合物を含む製剤組成物を投与することを包含する方法を提供する。
【0081】
別の態様では、本発明は、上記のような一般式Iの化合物の有効量が、約0.05 mg〜約2000 mg、好ましくは約0.1 mg〜約1000 mg、さらに好ましくは約0.5 mg〜約500 mg/日の範囲である上記のような方法を提供する。
一態様では、本発明は、ヒスタミンH3受容体アンタゴニスト活性または逆アゴニスト活性を示す、したがってH3受容体遮断が有益である広範囲の症状および障害の治療に有用であり得る化合物に関する。
【0082】
別の態様では、本発明は、体重の低減のための方法であって、それを必要とする被験者に、有効量の上記のような式Iの化合物を投与することを包含する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、体重超過または肥満の治療のための方法であって、それを必要とする被験者に、有効量の式Iの化合物を投与することを包含する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、食欲の抑制のためのまたは満腹誘導のための方法であって、それを必要とする被験者に、有効量の式Iの化合物を投与することを包含する方法を提供する。
【0083】
別の態様では、本発明は、体重超過または肥満症に関連した障害または疾患、例えば異脂肪血症、冠動脈性心疾患、胆嚢疾患、骨関節炎および種々の型の癌、例えば子宮体癌、乳癌、前立腺癌および結腸癌の防止および/または治療のための方法であって、それを必要とする被験者に、有効量の式Iの化合物を投与することを包含する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、摂食障害、例えば過食症および馬鹿食いの防止および/または治療のための方法であって、それを必要とする被験者に、有効量の式Iの化合物を投与することを包含する方法を提供する。
【0084】
別の態様では、本発明は、IGT(耐糖能障害)の治療のための方法であって、それを必要とする被験者に、有効量の式Iの化合物を投与することを包含する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、2型糖尿病の治療のための方法であって、それを必要とする被験者に、有効量の式Iの化合物を投与することを包含する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、IGTから2型糖尿病への進行の遅延または防止のための方法であって、それを必要とする被験者に、有効量の式Iの化合物を投与することを包含する方法を提供する。
【0085】
別の態様では、本発明は、非インスリンを要する2型糖尿病からインスリンを要する2型糖尿病への進行の遅延または防止のための方法であって、それを必要とする被験者に、有効量の式Iの化合物を投与することを包含する方法を提供する。
別の態様では、本発明は、ヒスタミンH3受容体アゴニスト活性を示し、したがってヒスタミンH3受容体活性化が有益である広範囲の症状および障害の治療において有用であり得る化合物に関する。
【0086】
本発明の化合物は、気道障害(例えば喘息)の治療のために、抗下痢薬として、そして胃酸分泌の調整のためにも用いられ得る。
さらに本発明の化合物は、睡眠および覚醒の調節と関連した疾患の治療のために、そしてナルコレプシーおよび注意欠陥障害の治療のために用いられ得る。
さらに本発明の化合物は、CNS刺激薬として、あるいは鎮静薬として用いられ得る。
本発明の化合物は、癲癇に関連した症状の治療のためにも用いられ得る。さらに本発明の化合物は、動揺病および眩暈の治療のために用いられ得る。さらにそれらは、視床下部-下垂体分泌の調節薬として、抗うつ薬として、脳循環の調整物質として、そして過敏性腸症候群の治療において有用であり得る。
さらに本発明の化合物は、痴呆症およびアルツハイマー病の治療のために用いられ得る。
本発明の化合物は、アレルギー性鼻炎、潰瘍または拒食症の治療のためにも有用であり得る。
【0087】
本発明の化合物はさらに、片頭痛の治療のために[例えばThe Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics 1998; 287: 43-50参照]、そして心筋梗塞の治療のために[Expert Opinion on Investigational Drugs 2000; 9: 2537-42参照]有用であり得る。
本発明のさらなる一態様では、本発明の化合物による患者の治療は、食餌および/または運動と組合される。
【0088】
本発明のさらなる一態様では、本発明の1つまたは複数の化合物は、任意の適切な比で1つまたは複数のさらなる活性物質との組合せで投与される。このようなさらなる活性作用物質は、例えば抗肥満薬、抗糖尿病薬、抗異脂肪血症薬、抗高血圧薬、糖尿病に起因するかまたは関連した合併症の治療のための作用物質、ならびに肥満症に起因するかまたは関連した合併症および障害の治療のための作用物質から選択され得る。
【0089】
したがって本発明のさらなる一態様では、本発明の1つまたは複数の化合物は、1つまたは複数の抗肥満薬または食欲調節薬と組合せて投与され得る。このような作用物質は、例えばCART(コカイン・アンフェタミン調節転写産物)アゴニスト、NPY(神経ペプチドY)アンタゴニスト、MC4(メラノコルチン4)アゴニスト、MC3(メラノコルチン3)アゴニスト、オレキシン・アンタゴニスト、TNF(腫瘍壊死因子)アゴニスト、CRF(コルチコトロピン放出因子)アゴニスト、CRF BP(コルチコトロピン放出因子結合タンパク質)アンタゴニスト、ウロコルチン・アゴニスト、β3アドレナリン作動性アゴニスト、例えばCL-316243、AJ-9677、GW-0604、LY362884、LY377267またはAZ-40140、MSH(メラノサイト刺激ホルモン)アゴニスト、MCH(メラノサイト凝集ホルモン)アンタゴニスト、CCK(コレシストキニン)アゴニスト、セロトニン再取込み阻害剤、例えばフルオキセチン、セロキサットまたはシタロプラム、セロトニンおよびノルアドレナリン再取込み阻害剤、混合セロトニンおよびノルアドレナリン作動性化合物、5HT(セロトニン)アゴニスト、ボンベシン・アゴニスト、ガラニン・アンタゴニスト、成長ホルモン、成長因子、例えばプロラクチンまたは胎盤性ラクトゲン、成長ホルモン放出化合物、TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)アゴニスト、UCP2または3(非共役タンパク質2または3)モジュレーター、レプチン・アゴニスト、DAアゴニスト(ブロモクリプチン、ドプレキシン)、リパーゼ/アミラーゼ阻害剤、PPAR(ペルオキシソーム増殖活性化受容体)モジュレーター、RXR(レチノイドX受容体)モジュレーター、TRβアゴニスト、AGRP(アグーチ関連タンパク質)阻害剤、オピオイド・アンタゴニスト(例えばナルトレキソン)、エキセンジン-4、GLP-1および毛様体神経栄養因子から成る群から選択され得る。
【0090】
本発明の一実施形態では、1つまたは複数の本発明の化合物と組合せて投与される抗肥満薬は、レプチンである。
別の実施形態では、このような抗肥満薬はデクスアンフェタミンまたはアンフェタミンである。
別の実施形態では、このような抗肥満薬はフェンフルラミンまたはデクスフェンフルラミンである。
【0091】
さらに別の実施形態では、このような抗肥満薬はシブトラミンである。
さらなる実施形態では、このような抗肥満薬はオルリスタットである。
別の実施形態では、このような抗肥満薬はマジンドールまたはフェンテルミンである。
さらに別の実施形態では、このような抗肥満薬は、フェンジメトラジン、ジエチルプロピオン、フルオキセチン、ブプロピオン、トピラメートまたはエコピパムである。
本発明のさらなる一態様において、本発明の1つまたは複数の化合物は、1つまたは複数の抗糖尿病薬と組合せて投与され得る。関連抗糖尿病薬としては、インスリン、インスリン類似体および誘導体、例えばEP 0 792 290(Novo Nordisk A/S)に開示されたもの、例えばNεb29-テトラデカノイル・デス(B30)ヒト・インスリン、EP 0 214 826およびEP 0 705 275(Novo Nordisk A/S)に開示されたもの、例えばAspB28ヒト・インスリン、米国特許第5,504,188号(Eli Lilly)に開示されたもの、例えばLysB28ProB29ヒト・インスリン、EP 0 368 187(Aventis)に開示されたもの、例えばランタス(登録商標)(これらの記載内容はすべて、参照により本明細書中で援用される)、GLP-1誘導体、例えばWO 98/08871(Novo Nordisk A/S)(この記載内容は参照により本明細書中で援用される)に開示されたもの、ならびに経口的活性血糖降下薬が挙げられる。
【0092】
経口的活性血糖降下薬は、好ましくは、イミダゾリン、スルホニル尿素、ビグアニド、メグリチニド、オキサジアゾリジンジオン、チアゾリジンジオン、インスリン感作物質、α-グルコシダーゼ阻害薬、β細胞のATP依存性カリウムチャンネルに作用する作用物質、例えばカリウムチャンネル開口固定薬、例えばWO 97/26265、WO 99/03861およびWO 00/37474(Novo Nordisk A/S)(これらの記載内容は参照により本明細書中で援用される)に開示されたもの、またはミチグリニド、あるいはカリウムチャンネル遮断薬、例えばBTS-67582、ナテグリニド、グルカゴン・アンタゴニスト、例えばWO 99/01423およびWO 00/39088(Novo Nordisk A/SおよびAgouron Pharmaceuticals, Inc.)(これらの記載内容は参照により本明細書中で援用される)に開示されたもののうちの1つ、DPP-IV(ジペプチジルペプチダーゼIV)阻害薬、PTPアーゼ(プロテイン・チロシンホスファターゼ)阻害薬、グルコース新生および/またはグリコーゲン分解の刺激に関与する肝臓酵素、グルコース取込みモジュレーター、GSK-3(グリコーゲンシンターゼキナーゼ-3)阻害薬、脂質代謝を修飾する化合物、例えば抗脂血症薬、食物摂取を低下させる化合物、PPAR(ペルオキシソーム増殖活性化受容体)およびRXR(レチノイドX受容体)アゴニスト、例えばALRT268、LG-1268またはLG-1069を含む。
【0093】
本発明の一実施形態では、本発明の1つまたは複数の化合物は、インスリンあるいはインスリン類似体または誘導体、例えばNεb29-テトラデカノイル・デス(B30)ヒト・インスリン、AspB28ヒト・インスリン、LysB28ProB29ヒト・インスリン、ランタス(登録商標)、あるいはこれらのうちの1つまたは複数を含む混合調製物と組合せて投与され得る。
【0094】
本発明のさらなる一実施形態では、本発明の化合物のうちの1つは、スルホニル尿素、例えばトルブタミド、クロルプロパミド、トラザミド、グリベンクラミド、グリピジド、グリメピリド、グリカジドまたはグリブリドと組合せて投与され得る。
本発明の別の実施形態では、本発明の1つまたは複数の化合物は、ビグアニド、例えばメトホルミンと組合せて投与され得る。
【0095】
本発明のさらに別の実施形態では、本発明の1つまたは複数の化合物は、メグリチニド、例えばレパグリニドまたはナテグリニドと組合せて投与され得る。
本発明のさらに別の実施形態では、本発明の1つまたは複数の化合物は、チアゾリジンジオン・インスリン感作物質、例えばトログリタゾン、シグリタゾン、ピオグリタゾン、ロシグリタゾン、イサグリタゾン、ダルグリタゾン、エングリタゾン、CS-011/CI-1037またはT174、あるいはWO 97/41097、WO 97/41119、WO 97/41120、WO 00/41121およびWO 98/45292(これらの記載内容はすべて参照により本明細書中で援用される)に開示された化合物と組合せて投与され得る。
【0096】
本発明のさらに別の実施形態では、本発明の1つまたは複数の化合物は、インスリン感作物質、例えばGI262570、YM-440、MCC-555、JTT-501、AR-H039242、KRP-297、GW-409544、CRE-16336、AR-H049020、LY510929、MBX-102、CLX-0940、GW-501516、あるいはWO 99/19313、WO 00/50414、WO 00/63191、WO 00/63192またはWO 00/63193に、あるいはWO 00/23425、WO 00/23415、WO 00/23451、WO 00/23445、WO 00/23417、WO 00/23416、WO 00/63153、WO 00/63196、WO 00/63209、WO 00/63190またはWO 00/63189(Novo Nordisk A/S)(これらの記載内容はすべて参照により本明細書中で援用される)に開示された化合物と組合せて投与され得る。
【0097】
本発明のさらなる一実施形態では、本発明の1つまたは複数の化合物は、α-グルコシダーゼ阻害薬、例えばボグリボース、エミグリテート、ミグリトールまたはアカルボースと組合せて投与され得る。
本発明の別の実施形態では、本発明の1つまたは複数の化合物は、β細胞のATP依存性カリウムチャンネルに作用する作用物質、例えばトルブタミド、グリベンクラミド、グリピジド、グリカジド、BTS-67582またはレパグリニドと組合せて投与され得る。
本発明のさらに別の実施形態では、本発明の1つまたは複数の化合物は、ナテグリニドと組合せて投与され得る。
【0098】
さらに別の実施形態では、本発明の1つまたは複数の化合物は、抗高脂血症薬または抗脂血症薬、例えばコレスチラミン、コレスチポール、クロフィブレート、ゲムフィブロジル、ロバスタチン、プラバスタチン、シムバスタチン、プロブコールまたはデクストロチロキシンと組合せて投与され得る。
【0099】
本発明のさらに別の実施形態では、本発明の1つまたは複数の化合物は、抗脂血症薬、例えばコレスチラミン、コレスチポール、クロフィブレート、ゲムフィブロジル、ロバスタチン、プラバスタチン、シムバスタチン、プロブコールまたはデクストロチロキシンと組合せて投与され得る。
【0100】
本発明の別の態様では、本発明の1つまたは複数の化合物は、上記の化合物のうちの1つより多くとの組合せで、例えばメトフォルミンおよびスルホニル尿素、例えばグリブリド;スルホニル尿素およびアカルボース;ナテグリニドおよびメトホルミン;アカルボースおよびメトホルミン;スルホニル尿素、メトホルミンおよびトログリタゾン;インスリンおよびスルホニル尿素;インスリンおよびメトホルミン;インスリン、メトホルミンおよびスルホニル尿素;インスリンおよびトログリタゾン;インスリンおよびロバスタチン;等との組合せで、投与され得る。
【0101】
さらに本発明の1つまたは複数の化合物は、1つまたは複数の抗高血圧薬との組合せで投与され得る。抗高血圧薬の例は、β遮断薬、例えばアルプレノロール、アテノロール、チモロール、ピンドロール、プロプラノロールおよびメトプロロール、ACE(アンギオテンシン変換酵素)阻害薬、例えばベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、フォシノプリル、リシノプリル、キナプリルおよびラミプリル、カルシウムチャンネル遮断薬、例えばニフェジピン、フェロジピン、ニカルジピン、イスラジピン、ニモジピン、ジルチアゼムおよびベラパミル、ならびにα遮断薬、例えばドキサゾシン、ウラピジル、プラゾシンおよびテラゾシンである。Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th Edition, Gennaro, Ed., Mack Publishing Co., Easton, PA, 1995がさらに参照され得る。
本発明の化合物と食餌および/または運動、上記化合物のうちの1つまたは複数および任意に1つまたは複数のその他の活性物質との任意の適切な組合せは本発明の範囲内であるとみなされる、と理解されるべきである。
【0102】
本発明の化合物はキラルであり得るし、そしてエナンチオマー(分離される場合)、純粋または部分精製エナンチオマーあるいはそのラセミ混合物が本発明の範囲内に含まれる、ということが意図される。
さらに二重結合、あるいは完全または部分飽和環系、あるいは不斉の1つより多い中心、あるいは束縛回転可能性を有する結合が分子中に存在する場合、ジアステレオマーが形成され得る。任意のジアステレオマー(分離される場合)、純粋または部分精製ジアステレオマーまたはその混合物が本発明の範囲内に含まれる、ということが意図される。
【0103】
さらに本発明の化合物のいくつかは、異なる互変異性体形態で存在し得るし、そして任意の互変異性体形態(化合物が生じ得る)は本発明の範囲内に含まれる、と意図される。
本発明は、本発明の化合物の製薬上許容可能な塩も包含する。このような塩としては、製薬上許容可能な酸付加塩、製薬上許容可能な金属塩、アンモニウムおよびアルキル化アンモニウム塩が挙げられる。酸付加塩としては、無機酸ならびに有機酸の塩が挙げられる。適切な無機酸の代表例としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、リン酸、硫酸、硝酸等が挙げられる。適切な有機酸の代表例としては、蟻酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、安息香酸、桂皮酸、クエン酸、フマル酸、グリコール酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、シュウ酸、ピクリン酸、ピルビン酸、サリチル酸、コハク酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酒石酸、アスコルビン酸、パモ酸、ビスメチレンサリチル酸、エタンジスルホン酸、グルコン酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、EDTA、グリコール酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸等が挙げられる。製薬上許容可能な無機または有機酸付加塩のさらなる例としては、J Pharm Sci 1977; 66: 2(この記載内容は参照により本明細書中で援用される)に列挙された製薬上許容可能な塩が挙げられる。金属塩の例としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム塩等が挙げられる。アンモニウムおよびアルキル化アンモニウム塩の例としては、アンモニウム塩、メチルアンモニウム塩、ジメチルアンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、エチルアンモニウム塩、ヒドロキシエチルアンモニウム塩、ジエチルアンモニウム塩、ブチルアンモニウム塩、テトラメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
【0104】
製薬上許容可能な酸付加塩は本発明の化合物が生じ得る水和物である、ということも意図される。
酸付加塩は、化合物合成の直接産物として生成され得る。代替的には、遊離塩基は適切な酸を含有する適切な溶媒中に溶解され、そしてその塩は、溶媒を蒸発させることにより、あるいはそうでなければ塩および溶媒を分離することにより、単離される。
【0105】
本発明の化合物は、当業者に周知の方法を用いて、標準低分子量溶媒と溶媒和物を形成し得る。このような溶媒和物も、本発明の範囲内であると理解されるべきである。
本発明はさらにまた、投与後に、代謝プロセスにより化学的転化を受けた後、活性薬理学的物質になる本発明の化合物のプロドラッグを包含する。概して、このようなプロドラッグは、in vivoで式Iの要求される化合物に容易に転化可能である本発明の化合物の機能性誘導体である。適切なプロドラッグ誘導体の選択および調製のための慣用的手順は、例えばDesign of Prodrugs, ed. H. Bundgaard, Elsevier, 1985に記載されている。
本発明は、本発明の化合物の活性代謝産物も包含する。
【0106】
本明細書中に記載される個々の実施形態のうちの1つまたは複数を、任意に以下の個々の請求項のうちの1つまたは複数と組合せることはさらなる実施形態を生じ、そして本発明は、上記の実施形態および請求項の考え得るすべての組合せに関する。
一実施形態において、本発明は、本明細書中に示された定義を有する式Iの化合物に関するが、但し、R1が水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C3-8-シクロアルキルまたはC3-8-シクロアルキル-C1-6-アルキルである場合、R2は、水素またはC1-6-アルキルであり;あるいはR1およびR2が、それらが結合される原子と一緒になって窒素含有環、任意に別のヘテロシクリル基を形成し;mは、0(ゼロ)、1または2であり;4つの置換基R3、R4、R5およびR6のうちの1つが、基ハロゲン、ヒドロキシ、シアノまたはC1-6-アルキルのいずれかであり、そして4つの置換基R3、R4、R5およびR6のうちの3つが水素である場合には、Xは-S-とは異なり、そして別の実施形態では、本発明は、薬剤のような化合物の使用に関するし、そしてさらなる一実施形態では、本発明は、本明細書中で言及される任意の特定の疾患または本明細書中で言及される任意の特定の症状の治療のためのこのような化合物の使用に関する。
【0107】
製剤組成物
本発明の化合物は、単独で、または製薬上許容可能な担体または賦形剤と組合せて、1回または多数回用量投与で投与され得る。本発明による製剤組成物は、製薬上許容可能な担体または希釈剤、ならびに任意の既知のアジュバントおよび賦形剤を用いて、慣用的技法、例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 19th Edition, Gennaro, Ed., Mack Publishing Co., Easton, PA, 1995に開示されたものに従って処方され得る。製剤組成物は、特定的には、任意の適切な経路、例えば経口、直腸、鼻、肺、局所(例えば頬および舌下)、経皮、槽内、腹腔内、膣または非経口(例えば皮下、筋肉内、鞘内、静脈内および皮内)経路による投与のために処方され、経口経路が好ましい。好ましい経路は、治療される被験者の全身状態および年齢、治療される症状の性質、ならびに選択される活性成分によっている、と理解される。
【0108】
経口投与のための製剤組成物としては、固体剤形、例えばカプセル、錠剤、糖衣錠、ピル、ロゼンジ、粉末および顆粒が挙げられる。適切な場合、それらは、コーティング、例えば腸溶性コーティングを有して調製され得るし、あるいは当業界で周知の方法に従って活性成分の制御放出、例えば持続性または延長性放出を提供するようそれらは処方され得る。
経口投与のための液体剤形としては、溶液、乳濁液、懸濁液、シロップおよびエリキシルが挙げられる。
非経口投与のための製剤組成物としては、滅菌水性および非水性注射用溶液、分散液、懸濁液または乳濁液、ならびに使用前に滅菌注射用溶液または分散液中で再構成されるべき滅菌粉末が挙げられる。デポー剤注射用処方物も、本発明の範囲内であると理解されるべきである。
【0109】
その他の適切な投与形態としては、座薬、噴霧剤、軟膏、クリーム、ゲル、吸入剤、皮膚パッチ、埋込み物等が挙げられる。
典型的経口投与量は、1回または多数回、例えば1〜3回の用量投与で投与される約0.001〜約100 mg/体重1 kg/日、好ましくは約0.01〜約50 mg/体重1 kg/日、さらに好ましくは約0.05〜約10 mg/体重1 kg/日の範囲である。適格な投与量は、投与の頻度および方式、治療される被験者の性別、年齢、体重および全身状態、治療される症状の性質および重症度、ならびに治療されるべき任意の随伴疾患、そして当業者に明らかなその他の因子によっている。
【0110】
処方物は、当業者に既知の方法により単位剤形で与えられるのが便利であり得る。1日1つまたは複数回、例えば1日1〜3回の経口投与のための典型的単位剤形は、0.05 mg〜約1000 mg、好ましくは約0.1〜約500 mg、さらに好ましくは約0.5 mg〜約200 mgの本発明の化合物(あるいは上記のようなその塩またはその他の誘導体)を含有し得る。
【0111】
本発明の化合物は、一般的に、遊離物質として、またはその製薬上許容可能な塩として利用される。一例は、遊離塩基官能基を有する化合物の酸付加塩である。式Iの化合物が遊離塩基官能基を含有する場合、このような塩は、化学的等価(酸-塩基等価)の製薬上許容可能な酸で遊離塩基形態の式Iの化合物の溶液または懸濁液を処理することにより、慣用的方法で調製される。関連無機および有機酸の代表例は、上記されている。ヒドロキシ基を有する本発明の化合物の生理学的に許容可能な塩は、適切な陽イオンと組合せた上記化合物の陰イオン、例えばナトリウムまたはアンモニウムイオンを包含する。
【0112】
非経口投与に関しては、滅菌水性溶液、水性プロピレングリコールあるいはゴマ油または落花生油中の式Iの新規化合物の溶液が用いられ得る。このような水性溶液は、必要な場合、適切に緩衝され、そして希釈液は先ず十分な生理食塩水またはグルコースで等張にされる。水性溶液は、静脈内、筋肉内、皮下および腹腔内投与に特に適している。用いられる滅菌水性媒質はすべて、当業者に既知の標準技法により容易に入手可能である。
【0113】
適切な薬学的担体としては、不活性固体希釈剤または充填剤、滅菌水性溶液および種々の有機溶媒が挙げられる。固体担体の例は、ラクトース、白土、スクロース、シクロデキストリン、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはセルロースの低級アルキルエーテルである。液体担体の例は、シロップ、落花生油、オリーブ油、リン脂質、脂肪酸、脂肪酸アミン、ポリオキシエチレンまたは水である。同様に、担体または希釈剤としては、当業界で既知の任意の徐放性物質、例えば単独でまたは蝋と混合されるグリセリルモノステアレートまたはグリセリルジステアレートが挙げられる。式Iの新規化合物および製薬上許容可能な担体を組合せることにより生成される製剤組成物は次に、開示された投与経路に適した種々の剤形で容易に投与される。処方物は、製薬業界で既知の方法により単位剤形で与えられるのが便利である。
【0114】
経口投与に適した本発明の処方物は、予定量の活性成分を各々含有し、そして適切な賦形剤を含み得る分離性単位、例えばカプセルまたは錠剤として与えられ得る。これらの処方物は、粉末または顆粒の形態であり得るし、水性または非水性液体中の溶液または懸濁液として、あるいは水中油または油中水エマルションとして存在し得る。
【0115】
固体担体が経口投与のために用いられる場合、調製物は錠剤成形され、粉末またはペレット形態で硬質ゼラチンカプセル中に入れられるか、あるいはそれはトローチまたはロゼンジの形態であり得る。固体担体の量は広範に変わり得るが、しかし通常は約25 mg〜約1 gである。液体担体が用いられる場合、調製物はシロップ、エマルション、軟質ゼラチンカプセルまたは滅菌注射用液体、例えば水性または非水性液体懸濁液または溶液の形態であり得る。
【0116】
慣用的錠剤成形技法により調製され得る典型的錠剤は、コア中に、5.0 mgの本発明の化合物、67.8 mgのlactosum Ph. Eur.、31.4 mgのセルロース、微晶質(Avicel)、1.0 mgのアンバーライト(登録商標)IRP88(即ちポラクリリン・カリウムNF、錠剤崩壊剤、Rohm and Haas)およびmagnesii stearas Ph. Eur.十分量を含有し、約9 mgのヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび約0.9 gmのMywacett 9-40T(皮膜コーティングのための可塑剤として用いられるアシル化モノグリセリドである)のコーティングを有する。
【0117】
所望により、本発明の製剤組成物は、1つまたは複数のさらなる製薬上許容可能な活性物質、例えば上記のものの中から選択される物質と組合せて、式Iの化合物を含み得る。
要するに、本発明の化合物は、それ自体既知の、あるいは既知のプロセスと類似の方法で調製され得る。
本明細書中で引用される参考文献は、出版物、特許出願および特許を含めてすべて、それらの全体で、そして各参考文献が個別におよび特定的にその記載内容が参照により本明細書中で援用され、記述されるよう指示された(法律により許される最大程度に)場合と同程度に、参照により本明細書中で援用される。
【0118】
見出しおよび小見出しは、便宜のためにのみ本明細書中で用いられ、そして如何なる点でも本発明を限定するよう意図されるべきでない。
本明細書中で提供される任意のおよびすべての実施例または例示的言語(例えば「〜のような」)の使用は、単に本発明をより良好に例証するよう意図され、そして別記しない限り本発明の範囲を限定するものではない。明細書中の言語は、本発明の実行に不可欠な場合、任意の非特許請求素子を示すよう解釈されるべきである。
【0119】
本明細書中の特許文書の引用および援用は、便宜のためにのみ成され、そしてこのような特許文書の妥当性、特許性および/または施行可能性についてのいかなる見解も反映しない。参照文献の本明細書中での言及は、それらが従来技術を構成することの容認ではない。
本明細書中では、「〜を含む」という語は、「包含する」、「含有する」または「含蓄する」を意味すると広範に解釈されるべきである(EPOガイドラインC4.13)。
本発明は、適用可能な法律により容認されるように本明細書に添付された特許請求の範囲に列挙される対象のすべての修正および等価物を包含する。
以下の実施例は例証として提供されるが、本発明を限定するものではない。
【実施例】
【0120】
実施例
上記の代表例は、本発明の特定実施形態である。以下の実施例において、以下の用語は、以下の一般的意味を有するよう意図される:dは日(単数または複数)であり、gはグラム(単数または複数)であり、hは時間(単数または複数)であり、Hzはヘルツであり、kDはキロダルトン(単数または複数)、Lはリットル(単数または複数)であり、Mはモルであり、mbarはミリバールであり、mgはミリグラム(単数または複数)であり、minは分(単数または複数)であり、mLはミリリットル(単数または複数)であり、mMはミリモル(単数または複数)であり、mmolはミリモル(単数または複数)であり、molはモル(単数または複数)であり、Nは正常であり、ppmは百万分率であり、psiはポンド/平方インチであり、APCIは大気圧化学イオン化法であり、ESIはエレクトロスプレー法であり、i.v.は静脈内であり、m/zは質量対電荷比であり、mp/Mpは融点であり、MSは質量分析であり、HPLCは高速液体クロマトグラフィーであり、RPは逆相であり、HPLC-MSは高速液体クロマトグラフィー-質量分析であり、NMRは核磁気共鳴分光分析であり、p.o.は経口であり、Rfは相対TLC移動度であり、rtは室温であり、s.c.は皮下であり、TLCは薄層クロマトグラフィーであり、trは保持時間であり、BOPは(1ベンゾトリアゾリルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートであり、CDIはカルボニルジイミダゾールであり、DCMはジクロロメタンであり、CH2Cl2はメチレンクロリドであり、DBUは1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク-7-エンであり、DEADはジエチルアゾジカルボキシレートであり、DICは1,3-ジイソプロピルカルボジイミドであり、DIPEAはN,N-ジイソプロピルエチルアミン、DMAはN,N-ジメチルアセトアミドであり、DMFはN,N-ジメチルホルムアミドであり、DMPUはN,N-ジメチルプロピレン尿素、1,3-ジメチル-2-オキソヘキサヒドロピリミジンであり、DMSOはジメチルスルホキシドであり、EDACは1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩であり、Et2Oはジエチルエーテルであり、EtOAcは酢酸エチルであり、HMPAはヘキサメチルリン酸トリアミドであり、HOAtは1-ヒドロキシ-7-アザベンゾトリアゾールであり、HOBtは1-ヒドロキシベンゾトリアゾールであり、LAHは水素化アルミニウムリチウム(LiAlH4)であり、LDAはリチウムジイソプロピルアミドであり、MeCNはアセトニトリルであり、MeOHはメタノールであり、NMMはN-メチルモルホリン(4-メチルモルホリン)であり、NMPはN-メチルピロリジン-2-オンであり、TEAはトリエチルアミンであり、TFAはトリフルオロ酢酸であり、THFはテトラヒドロフランであり、THPはテトラヒドロピラニルであり、TTFHはフルオロ-N,N,N’,N’-テトラメチルホルムアミジニウム・ヘキサフルオロホスフェートであり、CDCl3はジューテリオクロロホルムであり、CD3ODはテトラジューテリオメタノールであり、そしてDMSO-d6はヘキサジューテリオジメチルスルホキシドである。
要するに、本発明の化合物は、それ自体既知のまたは既知のプロセスと類似の方法で調製され得る。
【0121】
一般実験手順
NMRスペクトルをBruker 300または400 MHz分光計で記録した。内部参照標準としてのテトラメチルシランからの百万分率(ppm)ダウン・フィールドで、シフト(δ)を示す。
【0122】
HPLC方法A. YMC-ODS、4.6×50 mm;勾配溶離(溶媒A(水中0.1%TFA)中0%〜30%溶媒B(アセトニトリル中0.1%TFA)を6分以内)、次に2分間保持、2.5 mL/分、220 nmで検出(温度30℃)を用いて、島津LC-20で、RP分析を実施した。
【0123】
HPLC方法B. YMC-ODS、4.6×50 mm;勾配溶離(溶媒A(水中0.1%TFA)中0%〜60%溶媒B(アセトニトリル中0.1%TFA)を8分以内)、次に2分間保持、2.5 mL/分、220 nmで検出(温度30℃)を用いて、島津LC-20で、RP分析を実施した。
【0124】
以下の実施例ならびに本明細書中に記載される一般手順は、本明細書中および合成スキームで同定される一般式Iに関する中間体化合物および最終生成物に言及する。以下の実施例を用いて、本発明の一般式Iの化合物の調製を詳細に記載する。時として反応は、本発明の開示された範囲内に含まれる各化合物に記載どおりに適用可能であるというわけではない。これが起きる化合物は、当業者に容易に認識される。これらの場合、妨害基の適切な保護による、他の慣用的試薬に変えることによる、または反応条件のルーチン修正によるものである当業者に既知の慣用的修正により、反応を首尾よく実施し得る。代替的には、本明細書中に開示される他の反応またはそうでなければ慣用的反応は、本発明の対応する化合物の調製に適用可能である。すべての調製方法において、出発物質はすべて既知であるか、あるいは類似の既知の化合物の調製と同様に当業者によりもしくは本明細書中に記載される一般手順A〜Gにより調製され得る。以下の実施例は例証として提示されており、本発明を限定するものではない。
【0125】
一般手順A
式I(式中、X、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびmは式Iに関して定義されたものと同様である)の化合物(この化合物は、ここでは、式Iaと呼ばれる)は、下記のように調製し得る:
【化1】

式A-1(式中、R1、R2およびmは本明細書中で定義されたものと同様である)のアミンを、式A-2(式中、R3、R4、R5およびR6は各々、本明細書中で定義されたものと同様であり、Lgは脱離基、例えばメチルチオ、塩素、臭素またはヨウ素を表わす)の置換ベンゾチアゾールと反応させて、式Iaの化合物を得る。適切な溶媒、例えばジメチルスルホキシド中で、還流までの温度で、この反応を実行し得る。既知の手順に従って、例えば対応する2-アミノ-または2-メルカプト置換複素環から、式A-2の化合物を調製し得る。
【0126】
一般手順B
式I(式中、X、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびmは式Iに関して定義されたものと同様である)の化合物(この化合物は、ここでは、式Ibと呼ばれる)は、下記のように調製し得る:
【化2】

式B-1(式中、X、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびmは各々、本明細書中で定義されたものと同様である)のアミンを、脂肪族ハロゲン化物と反応させて、式Ibの化合物を得る。適切な溶媒、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルまたは2-ブタノン中で、還流までの温度で、この反応を実行し得る。反応は、例えば水素化ナトリウム、炭酸カリウムまたはN,N-ジイソプロピルエチルアミンのような塩基、ならびに例えばヨウ化カリウムのような触媒の存在下で実行し得る。本明細書中に記載された他の一般手順(単数または複数)に従って、式B-1の化合物を調製し得る。
【0127】
一般手順C
式I(式中、X、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびmは式Iに関して定義されたものと同様である)の化合物(この化合物は、ここでは、式Icと呼ばれる)は、下記のように調製し得る:
【化3】

式C-1(式中、X、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびmは各々、本明細書中で定義されたものと同様である)のアミンを、還元剤の存在下で、ケトンまたはアルデヒドと反応させて、式Icの化合物を得る。適切な溶媒、例えばテトラヒドロフランまたは1,2-ジクロロエタン中で、還流までの温度で、この反応を実行し得る。最終的には酸性触媒、例えば酢酸の存在下で、還元剤は、例えばNaCNBH3またはNaBH(OAc)3であり得る。本明細書中に記載された他の一般手順(単数または複数)に従って、式C-1の化合物を調製し得る。
【0128】
一般手順D
式I(式中、R3、R4、R5またはR6のうちの1つは-(C=O)-NR78であり、ここで、R7およびR8は式Iに関して定義されたものと同様である)の化合物(この化合物は、ここでは、式Idと呼ばれる)は、下記のように調製し得る:
【化4】

式D-2のカルボン酸を、式R78NHのアミンと反応させて、式Idのアミドを得る。適切な溶媒、例えばTHF中で、還流までの温度で、例えばHOBt/EDACを用いたカルボン酸の活性化により、この反応を実行し得る。式D-1のニトリルの加水分解により、式D-2のカルボン酸を調製し得る。例えば6 N塩酸中で、還流までの温度で、強酸性条件下でこの反応を実行し得る。本明細書中に記載された他の一般手順(単数または複数)に従って、式D-1の化合物を調製し得る。
【0129】
一般手順E
式I(式中、R3、R4、R5またはR6のうちの1つは-CH2-NR78であり、ここで、R7およびR8は式Iに関して定義されたものと同様である)の化合物(この化合物は、ここでは、式Ieと呼ばれる)は、下記のように調製し得る:
【化5】

式E-2のカルボキサルデヒドを、還元条件下で式R78NHのアミンと反応させて、式Ieのアミンを得る。適切な溶媒、例えばテトラヒドロフランまたは1,2-ジクロロエタン中で、還流までの温度で、この反応を実行し得る。最終的には酸性触媒、例えば酢酸の存在下で、還元剤は、例えばNaCNBH3またはNaBH(OAc)3であり得る。式E-1のニトリルの還元により、式E-2のカルボキサルデヒドを調製し得る。適切な溶媒、例えばテトラヒドロフランまたは1,2-ジクロロエタン中で、還流までの温度で、この反応を実行し得る。還元剤は、例えばDIBAHであり得る。本明細書中に記載された他の一般手順(単数または複数)に従って、式E-1の化合物を調製し得る。
【0130】
一般手順F
式I(式中、R3、R4、R5またはR6のうちの1つは式Iに関して定義されたような1,2,4-オキサジアゾール-3-イルである)の化合物(この化合物は、ここでは、式Ifと呼ばれる)は、下記のように調製し得る:
【化6】

式F-2のヒドロキシアミジンを、式F-3のカルボン酸塩化物または無水物と反応させて、式Idの化合物を得る。適切な溶媒、例えばN,N-ジメチルアセトアミドまたは酢酸中で、還流までの温度で、この反応を実行し得る。式F-1のニトリルとヒドロキシアミンとの反応により、式F-2の化合物を調製し得る。例えば炭酸カリウムのような塩基の存在下で、適切な溶媒、例えばエタノールおよび水中で、還流までの温度で、この反応を実行し得る。本明細書中に記載された他の一般手順(単数または複数)に従って、式F-1の化合物を調製し得る。
【0131】
一般手順G
式I(式中、R3、R4、R5またはR6のうちの1つはシアノである)の化合物(この化合物は、ここでは、式Igと呼ばれる)は、下記のように調製し得る:
【化7】

式G-1の臭化物を、触媒、例えばヨウ化銅(I)の存在下で、シアン化銅(I)と反応させて、式Ieのニトリルを得る。適切な溶媒、例えばN-メチルピロリドン中で、還流までの温度で、この反応を実行し得る。本明細書中に記載された他の一般手順(単数または複数)に従って、式G-1の化合物を調製し得る。
【0132】
一般手順H
式I(式中、R3、R4、R5またはR6のうちの1つは-NH(C=O)-Rである)の化合物(この化合物は、ここでは、式Ihと呼ばれる)は、下記のように調製し得る:
【化8】

式H-1の臭化物を、触媒、例えばPd(OAc)2の存在下で、式H-2のカルボキサミドと反応させて、式Ihのアシル化アミンを得る。例えばCs2CO3のような塩基の存在下で、適切な溶媒、例えば1,4-ジオキサン中で、還流までの温度で、この反応を実行し得る。本明細書中に記載された他の一般手順(単数または複数)に従って、式H-1の化合物を調製し得る。
【0133】
一般手順I
式I(式中、R3、R4、R5またはR6のうちの1つはA’である)の化合物(この化合物は、ここでは、式Iiと呼ばれる)は、下記のように調製し得る:
【化9】

式I-1(式中、Halは塩素、臭素またはヨウ素を表わす)の化合物を、式I-2の(ヘテロ)芳香族ボロン酸誘導体または対応するボロン酸エステル誘導体と反応させて、式Iiの化合物を得る。適切な触媒、例えばビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)ジクロリドおよび炭酸ナトリウムの存在下で、適切な溶媒、例えばアセトニトリル/水中で、150℃Cまでの温度で、この反応を実行し得る。この反応は、ハロゲンおよびボロン酸部分が交換された反応体から出発して一巡する他の方法でも実行し得る。本発明の方法は、上記と同様の条件下で実行し得る。本明細書中に記載された他の一般手順(単数または複数)に従って、式I-1の化合物を調製し得る。
【0134】
一般手順N
式I(式中、R3、R4、R5またはR6は環状スルホンアミドであり、pは式Iに関する場合と同様に1〜4である)の化合物(この化合物は、ここでは、式Inと呼ばれる)は、下記のように調製し得る:
【化10】

式N-1の芳香族アミンを、式N-2(式中、pは1〜4であり、そしてLG1およびLG2は適切な脱離基、例えばハロゲンを表わす)の活性化スルホン酸と反応させて、式N-3の化合物を得る。例えばTEAのような塩基の存在下で、適切な溶媒、例えばDMF中で、還流までの温度で、この反応を実行し得る。この反応は、例えばNaHのような塩基の存在下で、適切な溶媒、例えばDMF中で、還流までの温度で、実行し得る。本明細書中に記載された他の一般手順(単数または複数)に従って、式N-1の化合物を調製し得る。
【0135】
一般手順O
式I(式中、R3、R4、R5またはR6のうちの1つは-CH2-NR78であり、ここで、R7およびR8は式Iに関して定義されたものと同様である)の化合物(この化合物は、ここでは、式Ioと呼ばれる)は、下記のように調製し得る:
【化11】

式O-2のカルボキサルデヒドを、還元条件下で式R78NHのアミンと反応させて、式Ioのアミンを得る。適切な溶媒、例えばテトラヒドロフランまたは1,2-ジクロロエタン中で、還流までの温度で、この反応を実行し得る。最終的には酸性触媒、例えば酢酸の存在下で、還元剤は、例えばNaCNBH3またはNaBH(OAc)3であり得る。強塩基、例えばn-ブチルリチウムと反応させて、その後、ホルミル化剤、例えばDMFを付加することにより、式O-1のハロゲン化物から、式O-2のカルボキサルデヒドを調製し得る。適切な溶媒、例えばテトラヒドロフラン中で、−78℃より低い温度で、この反応を実行し得る。本明細書中に記載された他の一般手順(単数または複数)に従って、式O-1の化合物を調製し得る。
【0136】
実施例1(一般手順A)
6-クロロ-2-(4-シクロペンチルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール・塩酸塩
【化12】

2,6-ジクロロベンゾチアゾール(0.39 g, 1.9 mmol)、1-シクロペンチルピペラジン(0.22 g, 1.4 mmol)およびジメチルスルホキシド(2.0 mL)の混合物を、130℃で23時間、撹拌した。反応混合物を冷却させて、水(2.0 mL)および炭酸カリウム(1 g)を付加した。その結果生じた混合物を酢酸エチルおよびジクロロメタンの混合物で抽出し、濾過した。濾液を分離し、有機抽出物をブライン(2×)で洗浄して、乾燥(MgSO4)した。揮発性物質を蒸発させて、固体残渣を得て、これをエタノール(30 mL)および1 N塩酸(2.5 mL)の混合物中に溶解した。トルエンを付加し、混合物を濃縮した。エタノールおよびトルエンを付加して、混合物を再び濃縮した。これにより固体を得て、これをエタノール(50 mL)で処理し、還流温度に加熱した。その結果生じた混合物を結晶化のために一晩放置した。これにより濾過および乾燥後に、0.35 g(69%)の6-クロロ-2-(4-シクロペンチルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール・塩酸塩を得た。
【0137】
実施例2(一般手順A)
2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-6-メトキシベンゾチアゾール・塩酸塩
【化13】

2-クロロ-6-メトキシベンゾチアゾール(0.20 g, 1.0 mmol)および1-イソプロピルピペラジン(0.26 g, 2.0 mmol)の混合物を、120℃で2時間、撹拌した。反応混合物を冷却させて、酢酸エチルを用いた抽出により準備した。有機抽出物をNaHCO3溶液および水(3×)で洗浄した。有機相を0.25 M塩酸(10 mL)で抽出した。酸性水性抽出物を濃縮し、エタノールを用いて再蒸発させた。残渣をエタノールおよび酢酸エチルの混合物から結晶化して、260 mg(80%)の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-6-メトキシベンゾチアゾール・塩酸塩を得た。
【化14】

【0138】
実施例3(一般手順A)
2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-メトキシベンゾチアゾール・塩酸塩
【化15】

2-クロロ-6-メトキシベンゾチアゾール(0.20 g, 1.0 mmol)および1-シクロプロピルピペラジン(0.25 g, 2.0 mmol)の混合物を、120℃で一晩撹拌した。反応混合物を冷却させて、酢酸エチルおよびNaHCO3溶液の混合物中に溶解した。相を分離し、有機相を水(3×)で洗浄し、次に0.25 M塩酸(20 mL)で抽出した。酸性水性抽出物を濃縮し、エタノールを用いて再蒸発させた。残渣をエタノールおよび酢酸エチルの混合物から結晶化して、60 mg(18%)の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-メトキシベンゾチアゾール・塩酸塩を得た。
【化16】

【0139】
実施例4(一般手順A)
2-(6-メトキシベンゾチアゾール-2-イル)オクタヒドロピリド[1,2-a]ピラジン・塩酸塩
【化17】

2-クロロ-6-メトキシベンゾチアゾール(0.17 g, 1.0 mmol)、オクタヒドロピリド「1,2-a」-ピラジン(0.21 g, 1.0 mmol)、DIPEA(0.51 mL)およびジメチルスルホキシド(1 mL)の混合物を、115℃で一晩撹拌した。反応混合物を冷却させて、酢酸エチルおよびNaHCO3溶液の混合物中に溶解した。相を分離し、有機相を水(3×)で洗浄し、次に0.25 M塩酸(20 mL)で抽出した。酸性水性抽出物を濃縮し、エタノールを用いて再蒸発させた。残渣をエタノールおよび酢酸エチルの混合物から結晶化して、193 mg(57%)の2-(6-メトキシベンゾチアゾール-2-イル)オクタヒドロピリド[1,2-a]ピラジン・塩酸塩を得た。
【化18】

【0140】
実施例5(一般手順B)
2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボニトリル
【化19】

ステップA:
2-クロロベンゾチアゾール-6-カルボニトリル
【化20】

4-アミノベンゾニトリル(23.6 g, 0.2 mol)およびロダン酸アンモニウム(30.4 g, 0.4 mol)の混合物に氷酢酸(600 mL)を付加し、その結果生じた溶液を氷浴上で13.5℃に冷却した。臭素および氷酢酸の混合物を徐々に滴下した。その結果生じた混合物を13.5℃で1時間撹拌し、濾過した。フィルター・ケークを氷酢酸(6×100 mL)で洗浄し、撹拌しながら温水(1000 mL)中に入れた。混合物を濾過し、飽和炭酸ナトリウム溶液を用いて濾液のpHを7に調整した。沈殿物を単離し、乾燥して、19.5 g(56%)の2-アミノベンゾチアゾール-6-カルボニトリルを得た。濃塩酸(113 mL)および水(52 mL)の混合物を、2-アミノベンゾチアゾール-6-カルボニトリル(19 g, 0.108 mol)を付加しながら、90℃に加熱した。混合物を氷浴上で−5℃に冷却して、0℃より低い温度に保持しながら、水(20 mL)中の硝酸ナトリウム(7.72 g, 0.112 mol)の溶液を滴下した。付加が完了したら、混合物を0.5時間撹拌し、水(108 mL)中のCuCl2(16 g)の溶液を滴下した。付加が完了したら、混合物を10分間撹拌し、氷浴を除去した。撹拌を2時間継続して、混合物を室温に冷却した。混合物を濾過し、固体を水で洗浄して中性にして、乾燥した。これにより、12.8 g(61%)の2-クロロベンゾチアゾール-6-カルボニトリルを得た。
【化21】

【0141】
ステップB:
DMF(250 mL)中の2-クロロベンゾチアゾール-6-カルボニトリル(14.9 g, 0.077 mol)の溶液を、無水ピペラジン(60 g, 0.698 mol)およびDMF(300 mL)の混合物に10℃で滴下した。次に、混合物を2時間撹拌した。水(1,550 mL)を付加し、混合物をジクロロメタン(5×500 mL)で抽出した。併合有機抽出物を水(6×500 mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)して、濾過し、蒸発させて、残渣を得て、これを酢酸エチルから再結晶化した。これにより10.5 g(56%)の2-(ピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボニトリルを得た。このピペラジン誘導体(19.4 g, 0.08 mol)、ヨウ化ナトリウム(1.94 g)、トリエチルアミン(9.6 g, 0.095 mol)およびDMF(80 mL)の混合物を撹拌しながら加熱して、赤色液体を得た。DMF(80 mL)中の2-ブロモプロパン(14.7 g, 0.12 mol)の溶液を、1時間以内に117℃で滴下した。反応混合物を110〜117℃でさらに3時間撹拌し、次に室温に冷却させた。水(110 mL)を付加し、混合物を濾過した。濾液が無色になるまでフィルター・ケークを洗浄し、次に乾燥した。固体をDMF(250 mL)中に溶解し、濾過して、固体残渣を除去した。水(1000 mL)を撹拌しながら濾液に付加して、沈殿物を得た。固体を単離し、水で洗浄して、乾燥し、9.4 g(41%)の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボニトリルを得た。
【化22】

【0142】
実施例6(一般手順D)
[2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イル]ピペリジン-1-イルメタノン・トリフルオロアセテート
【化23】

THF(14 mL)中の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボン酸(800 mg, 2.1 mmol)の溶液に、HOBt(342 mg, 2.5 mmol)、EDAC(807 mg, 4.2 mmol)、トリエチルアミン(1.7 g, 17 mmol)およびピペリジン(718 mg, 8.5 mmol)を室温で付加した。反応混合物を、窒素雰囲気下で40〜50℃で12時間撹拌した。混合物を真空濃縮し、残渣をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製し、CH2Cl2/MeOHの勾配(100:1→50:1)で溶離して、粗生成物を得て、これをさらに分取HPLCで精製して、167 mg(21%)の[2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イル]ピペリジン-1-イルメタノンをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【化24】

【0143】
実施例7(一般手順D)
2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボン酸ジメチルアミド・トリフルオロアセテート
【化25】

THF(14 mL)中の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボン酸(800 mg, 2.1 mmol)の溶液に、HOBt(342 mg, 2.5 mmol)、EDAC(807 mg, 4.2 mmol)、トリエチルアミン(1.7 g, 17 mmol)および塩酸ジメチルアミン(689 mg, 8.5 mmol)を室温で付加した。反応混合物を、窒素雰囲気下で40〜50℃で12時間撹拌した。混合物を真空濃縮し、残渣を、溶離液としてCH2Cl2/MeOHの勾配(100:1→50:1)を用いてシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して粗生成物を得て、これをさらに分取HPLCで精製して、178 mg(25%)の[2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボン酸ジメチルアミドをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【化26】

【0144】
実施例8(一般手順D)
[2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イル]モルホリン-4-イルメタノン・トリフルオロアセテート
【化27】

THF(14 mL)中の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボン酸(800 mg, 2.1 mmol)の溶液に、HOBt(342 mg, 2.5 mmol)、EDAC(807 mg, 4.2 mmol)、トリエチルアミン(1.7 g, 17 mmol)およびモルホリン(735 mg, 8.4 mmol)を室温で付加した。反応混合物を、窒素雰囲気下で40〜50℃で12時間撹拌した。混合物を真空濃縮し、残渣をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製し、CH2Cl2/MeOHの勾配(100:1→50:1)で溶離して、粗生成物を得て、これをさらに分取HPLCで精製して、224 mg(28%)の[2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イル]モルホリン-4-イルメタノンをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【化28】

【0145】
実施例9(一般手順E)
2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-6-ピペリジン-1-イルメチルベンゾチアゾール
【化29】

ステップA:
2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボキサルデヒド
【化30】

THF(150 mL)中の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボニトリル(5.0 g, 0.0175 mol)の溶液に−78℃で、DIBAL-H(175 mL, 0.0175 mol)を滴下した。付加後、混合物を−40℃に加温させて、その温度で1時間撹拌した。H2O/THFの混合物(1:4, 250 mL)を滴下した。混合物を室温に冷却させて、次に濾過した。揮発性物質を濾液から蒸発させた。残渣をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製し、CH2Cl2/MeOH(20:1)で溶離して2.5 g(49%)の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボキサルデヒドを得た。
【化31】

【0146】
ステップB:
THF(5 mL)中の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボキサルデヒド(0.5 g, 1.73 mmol)およびAcOH(11 mg, 0.173 mmol)の溶液に、ピペラジン(0.34 mL, 3.46 mmol)およびNaCNBH3(132 mg, 2.08 mmol)を順に付加した。反応混合物を、63℃で12時間加熱した。溶媒を除去し、混合物を酢酸エチルで抽出し、水およびブラインで洗浄して、乾燥(MgSO4)した。揮発性物質を蒸発させて、残渣をシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製し、酢酸エチルおよびメタノール(10:1)で溶離して、160 mg(26%)の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-6-ピペリジン-1-イル-メチルベンゾチアゾールを得た。
【化32】

【0147】
実施例10(一般手順E)
2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-6-(モルホリン-4-イルメチル)ベンゾチアゾール・トリフルオロアセテート
【化33】

THF(5 mL)中の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボキサルデヒド(0.5 g, 1.73 mmol)およびAcOH(11 mg, 0.173 mmol)の溶液に、モルホリン(0.31 mL, 3.46 mmol)およびNaCNBH3(132 mg, 2.08 mmol)を順に付加した。反応混合物を、63℃で12時間加熱した。溶媒を除去し、残渣を酢酸エチルで抽出し、水およびブラインで洗浄して、乾燥(MgSO4)した。揮発性物質を蒸発させて、残渣を分取HPLCにより精製して、130 mg(21%)の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-6-(モルホリン-4-イルメチル)ベンゾチアゾールをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【化34】

【0148】
実施例11(一般手順E)
[2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イルメチル]ジメチルアミン・トリフルオロアセテート
【化35】

THF中の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボキサルデヒド(0.7 g, 2.42 mmol)およびAcOH(291 mg, 4.84 mmol)の溶液に、塩酸ジメチルアミン(397 mg, 4.84 mmol)およびNaCNBH3(245 mg, 3.88 mmol)を順に付加した。反応混合物を、63℃で12時間加熱した。溶媒を除去し、残渣を酢酸エチルで抽出し、水およびブラインで洗浄して、乾燥(MgSO4)した。揮発性物質を蒸発させて、残渣を分取HPLCにより精製して、250 mg(32%)の[2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イルメチル]ジメチルアミンをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【化36】

【0149】
実施例12(一般手順F)
2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-6-(5-メチル-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)ベンゾチアゾール・トリフルオロアセテート
【化37】

ステップA:
N-ヒドロキシ-2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボキサミジン
【化38】

エタノール(50 mL)中の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボニトリル(5.0 g, 17.5 mmol)の溶液に、塩酸ヒドロキシルアミン(3.6 g, 52.4 mmol)、水(8 mL)および炭酸カリウム(7.2 g, 52.4 mmol)を付加した。反応混合物を、還流で一晩撹拌した。混合物を冷却させて、次に真空濃縮した。残渣をTHF(30 mL)中に溶解し、次に濾過した。濾液を真空濃縮して、4 gの粗製N-ヒドロキシ-2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボキサミジンを得た。
【化39】

【0150】
ステップB:
無水酢酸(20 mL)中のN-ヒドロキシ-2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボキサミジン(700 mg, 2.19 mmol)の溶液を、130℃で6時間加熱した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を分取HPLCにより精製して、125 mg(16.7%)の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-6-(5-メチル-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)ベンゾチアゾール・トリフルオロ酢酸塩を得た。
【化40】

【0151】
実施例13(一般手順F)
2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-6-(5-フェニル-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)ベンゾチアゾール
【化41】

酢酸(40 mL)中のN-ヒドロキシ-2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボキサミジン(650 mg, 2.04 mmol)の溶液に、ベンゾイルクロリド(3 mL)を付加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次に2時間還流した。反応混合物を真空濃縮し、残渣を0.5 N塩酸(30 mL)中に溶解した。水性溶液をジエチルエーテル(3×15 mL)で抽出した。有機層を捨てて、水性相を4 N水酸化ナトリウムで塩基性にしてpH13とし、次に酢酸エチル(4×10 mL)で抽出した。併合有機抽出物を蒸発させて、残渣をCH2Cl2およびMeOHの混合物から3回、再結晶化して、189 mg(26%)の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-6-(5-フェニル-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)ベンゾチアゾールを得た。
【化42】

【0152】
実施例14(一般手順F)
2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-6-(5-ピリジン-4-イル-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)ベンゾチアゾール
【化43】

酢酸(50 mL)中のN-ヒドロキシ-2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボキサミジン(1.30 g, 4.07 mmol)の溶液に、イソニコチノイルクロリド(1.42 g, 10.0 mmol)を付加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、次に8時間還流加熱した。反応混合物を真空濃縮し、残渣を0.5 N塩酸(40 mL)中に溶解した。水性溶液をジエチルエーテル(3×15 mL)で抽出した。有機層を捨てて、水性相を4 N水酸化ナトリウムで塩基性にしてpH13とし、次に酢酸エチル(4×10 mL)で抽出した。併合有機抽出物を蒸発させて、残渣をCH2Cl2およびMeOHの混合物から再結晶化して、175 mg(11%)の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-6-(5-ピリジン-4-イル-[1,2,4]オキサジアゾール-3-イル)ベンゾチアゾールを得た。
【化44】

【0153】
実施例15(一般手順G)
2-(4-シクロペンチルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボニトリル
【化45】

ステップA:
6-ブロモ-2-(4-シクロペンチルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール
【化46】

エタノール(50 mL)中の6-ブロモ-2-クロロベンゾチアゾール(3 g, 12.1 mmol)の溶液に、トリエチルアミン(5.04 g, 36.3 mmol)および1-シクロペンチルピペラジン(1.86 g, 12.1 mmol)を付加した。反応混合物を、還流で16時間加熱し、次に減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルで抽出し、併合有機抽出物をブラインで洗浄して、乾燥(Na2SO4)し、減圧下で濃縮して、4.3 g(99%)の6-ブロモ-2-(4-シクロペンチルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾールを得た。
【0154】
ステップB:
N-メチルピロリジン-2-オン(100 mL)中の6-ブロモ-2-(4-シクロペンチルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール(0.54 g, 1.50 mmol)の溶液に、ヨウ化銅(I)(344 mg, 1.80 mmol)およびシアン化銅(I)(270 mg, 3.0 mmol)を付加した。混合物を160℃で4時間加熱し、次に室温に冷却させて、濾過した。フィルターケークを酢酸エチルで洗浄し、濾液を酢酸エチルで抽出した。併合有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)して、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製して、140 mg(30%)の2-(4-シクロペンチルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボニトリルを得た。
【化47】

【0155】
実施例16(一般手順E)
[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イルメチル]ジメチルアミン・トリフルオロアセテート
【化48】

メタノール(14 mL)およびTHF(28 mL)中の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボキサルデヒド(500 mg, 1.7 mmol)の溶液に、塩酸ジメチルアミン(277 mg, 3.4 mmol)、酢酸(22 mg, 0.4 mmol)およびNaCNBH3(158 mg, 2.7 mmol)を付加した。混合物を、63℃で一晩撹拌した。その結果生じた混合物を減圧下で濃縮し、残渣をジクロロメタン(15 mL)で希釈した。混合物をブラインで洗浄し、有機相を乾燥(MgSO4)して、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製して、367 mg(32%)の[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イルメチル]ジメチルアミンをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【化49】

【0156】
実施例17(一般手順E)
2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンゾチアゾール・トリフルオロアセテート
【化50】

MeOH(14 mL)およびTHF(28 mL)中の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボキサルデヒド(500 mg, 1.7 mmol)の溶液に、ピロリジン(242 mg, 3.4 mmol)、酢酸(22 mg, 0.4 mmol)およびNaCNBH3(158 mg, 2.7 mmol)を付加した。混合物を、63℃で一晩撹拌した。次に混合物を減圧下で濃縮し、ジクロロメタン(15 mL)を付加した。混合物をブラインで洗浄し、有機相を乾燥(MgSO4)して、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製して、318 mg(27%)の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンゾチアゾールをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【化51】

HPLC(方法B):tr=2.02分(97.9%)。
【0157】
実施例18(一般手順E)
2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-(モルホリン-4-イルメチル)ベンゾチアゾール・トリフルオロアセテート
【化52】

MeOH(14 mL)およびTHF(28 mL)中の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボキサルデヒド(500 mg, 1.7 mmol)の溶液に、モルホリン(296 mg, 3.4 mmol)、酢酸(22 mg, 0.4 mmol)およびNaCNBH3(158 mg, 2.7 mmol)を付加した。混合物を、63℃で一晩撹拌した。次にその結果生じた混合物を減圧下で濃縮し、残渣をジクロロメタン(15 mL)で希釈した。混合物をブラインで洗浄し、有機相を乾燥(MgSO4)して、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製して、306 mg(31%)の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-(モルホリン-1-イルメチル)ベンゾチアゾールをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【化53】

HPLC(方法B):tr=2.07分(95.1%)。
【0158】
実施例19(一般手順E)
2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾチアゾール・トリフルオロアセテート
【化54】

ステップA:
2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボニトリル
【化55】

ブタン-1-オール(112 mL)中の2-クロロベンゾチアゾール-6-カルボニトリル(3.5 g, 18 mmol)、1-シクロプロピルピペラジン(3.63 g, 28.8 mmol)および塩化アンモニウム(0.96 g, 18 mmol)の懸濁液を、48時間加熱還流した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を水(30 mL)で希釈した。混合物を炭酸カリウムでアルカリ性にして、CH2Cl2(3×20 mL)で抽出した。併合有機抽出物を濃縮して残渣を得て、これをシリカゲル(石油エーテル中20%酢酸エチル)上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、2.2 g(43.5%)の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボニトリルを得た。
【0159】
ステップB:
2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボアルデヒド
【化56】

トルエン中の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボニトリル(2 g, 7 mmol)の溶液に、DIBAH(15.5 mL, 15.5 mmol, トルエン中1 M)を室温で滴下し、撹拌を室温で1時間継続した。反応混合物をH2SO4(水中5%溶液)でクエンチした。混合物を濾過し、濾液を酢酸エチル(3×20 mL)で抽出した。併合有機抽出物を濃縮して、1.7 g(85%)の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボキサルデヒドを得た。
【化57】

【0160】
ステップC:
MeOH(14 mL)およびTHF(28 mL)中の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボキサルデヒド(500 mg, 1.7 mmol)の溶液に、ピペリジン(290 mg, 3.4 mmol)、酢酸(22 mg, 0.4 mmol)およびNaCNBH3(158 mg, 2.7 mmol)を付加した。混合物を、63℃で一晩撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣にCH2Cl2(15 mL)を付加した。混合物をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)して、減圧下で濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製して、332 mg(28%)の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-(ピペリジン-1-イルメチル)ベンゾチアゾールをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【化58】

HPLC(方法B):tr=2.78分(99%)。
【0161】
実施例20(一般手順H)
N-[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イル]-アセトアミド・トリフルオロアセテート
【化59】

【0162】
ステップA:
6-ブロモ-2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール
【化60】

EtOH(115 mL)中の6-ブロモ-2-クロロベンゾチアゾール(8.2 g, 33 mmol)の溶液に、Et3N(16.7 g, 165 mmol)を、その後1-シクロプロピルピペラジン(5 g, 39.6 mmol)を付加した。混合物を12時間加熱還流した。次に混合物を蒸発させて、EtOHを除去した。水(120 mL)を残渣に付加し、混合物をCH2Cl2(3×50 mL)で抽出した。併合有機抽出物をブラインで洗浄して、乾燥(Na2SO4)し、濃縮して残渣を得て、これをシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製し、EtOAc/石油エーテル(1:10, NH4OH付加)の混合物で溶離して、3.46 g(31%)の6-ブロモ-2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾールを得た。
【化61】

【0163】
ステップB:
1,4-ジオキサン(10 mL)中の6-ブロモ-2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール(480 mg, 1.42 mmol)、アセトアミド(251 mg, 4.26 mmol)、Pd(OAc)2(15.9 mg, 0.071 mmol)、Cs2CO3(694 mg, 2.13 mmol)およびキサントフォス(62 mg, 0.107 mmol)の混合物を、12時間加熱還流した。水(5 mL)を付加し、混合物を濾過した。濾液をEtOAc(3×5 mL)で抽出した。併合有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮して残渣を得て、これを分取HPLCにより精製して、108 mg(24%)のN-[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6イル]-アセトアミドをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【化62】

HPLC(方法B):tr=3.60分(95.4%)。
【0164】
実施例21(一般手順D)
[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イル]-(4-メチルピペラジン-1-イル)メタノン・トリフルオロアセテート
【化63】

【0165】
ステップA:
2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボン酸
【化64】

2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボニトリル(500 mg, 1.7 mmol)および濃HCl(5 mL)の混合物を、一晩加熱還流した。溶媒を減圧下で除去して、2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボン酸を得た。
【0166】
ステップB:
DMF中の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボン酸(530 mg, 1.76 mmol)、1-メチルピペラジン(350 mg, 3.54 mmol)およびDIEA(0.92 mL, 5.28 mmol)の懸濁液に、PyBop(1.8 g, 3.52 mmol)を付加した。その結果生じた溶液を、室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣を水およびジクロロメタンで希釈した。相を分離して、有機相を乾燥(Na2SO4)し、濃縮して粗生成物を得て、これを分取HPLCにより精製した。これにより、296 mg (20%)の[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イル]-(4-メチルピペラジン-1-イル)メタノンをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【化65】

HPLC(方法B):tr=5.27分(95.9%)。
【0167】
実施例22(一般手順I)
2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-(3,4-ジメトキシフェニル)ベンゾチアゾール
【化66】

THF-H2O(20 mL, 5:1)中の6-ブロモ-2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール(500 mg, 1.48 mmol)および3,4-ジメトキシフェニルボロン酸(323 mg, 1.78 mmol)の溶液に、Pd2(dba)3(240 mg, 0.148 mmol)を、その後P(t-Bu)3BF4(86 mg, 0.296 mmol)およびK3PO4・H2O(1.97 g, 7.4 mmol)を付加した。混合物を60℃で3時間加熱した。混合物を濾過し、濾液を蒸発させた。残渣を水(5 mL)で希釈し、CH2Cl2(3×5 mL)で抽出した。併合有機抽出物を乾燥(Na2SO4)し、濃縮して粗生成物を得て、これをシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製し、CH2Cl2/MeOH(1:50)で溶離した。これにより、258 mg(49%)の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-(3,4-ジメトキシベンゾ)ベンゾチアゾールを得た。
【化67】

HPLC(方法B):tr=5.71分(96.5%)。
【0168】
実施例23(一般手順I)
2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-(6-メトキシピリジン-3-イル)ベンゾチアゾール
【化68】

THF-H2O(16 mL, 5:1)中の6-ブロモ-2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール(400 mg, 1.18 mmol)および2-メトキシ-5-ピリジンボロン酸(217 mg, 1.42 mmol)の溶液に、Pd2(dba)3(191 mg, 0.118 mmol)を、その後P(t-Bu)3BF4(68 mg, 0.236 mmol)およびK3PO4・H2O(1.57 g, 5.9 mmol)を付加した。混合物を60℃に3時間加熱した。混合物を濾過し、濾液を蒸発させた。残渣を水(5 mL)で希釈し、CH2Cl2(3×5 mL)で抽出した。併合有機抽出物を乾燥(Na2SO4)し、濃縮して粗生成物を得て、これをシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーにより精製し、CH2Cl2/MeOH(1:50)で溶離した。これにより、253 mg(58%)の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-(6-メトキシピリジン-3-イル)ベンゾチアゾールを得た。
【化69】

HPLC(方法B):tr=4.12分(96.5%)。
【0169】
実施例24(一般手順I)
6-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)-2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール・トリフルオロアセテート
【化70】

DMF(20 mL)中の6-ブロモ-2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール(500 mg, 1.48 mmol)および5-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル-4-ボロン酸(334 mg, 1.78 mmol)の溶液に、PdCl2(dppf)(108 mg, 0.148 mmol)を、その後CH3COOK(581 mg, 5.92 mmol)を付加した。混合物を80℃で2時間加熱し、濾過し、揮発性物質を蒸発させた。水(5 mL)を付加し、混合物をCH2Cl2(3×5 mL)で抽出した。併合有機抽出物を乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製して、35 mg(6%)の6-(5-クロロ-2-メトキシピリジン-4-イル)-2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾールをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【化71】

HPLC(方法B):tr=4.83分(98.5%)。
【0170】
実施例25(一般手順E)
2-(6-ピペリジン-1-イルメチルベンゾチアゾール-2-イル)オクタヒドロ-ピリド[1,2-a]ピラジン・トリフルオロアセテート
【化72】

【化73】

HPLC(方法B):tr=2.90分(98.8%)。
【0171】
実施例26(一般手順I)
N-{4-[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イル]フェニル}-アセトアミド・トリフルオロアセテート
【化74】

THFおよびH2Oの5:1混合物(20 mL)中の6-ブロモ-2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール(500 mg, 1.48 mmol)および4-アセトアミドフェニルボロン酸(319 mg, 1.78 mmol)の溶液に、Pd2(dba)3(240 mg, 0.148 mmol)を、その後P(t-Bu)3BF4(86 mg, 0.296 mmol)およびK3PO4・H2O(1.97 g, 7.4 mmol)を付加した。混合物を60℃で3時間加熱し、濾過し、揮発性物質を蒸発させた。水(5 mL)を付加し、混合物をCH2Cl2(3×20 mL)で抽出した。併合有機抽出物を乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製して、42 mg(7%)のN-{4-[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イル]フェニル}-アセトアミドをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【化75】

HPLC(方法B):tr=4.17分(96.0%)。
【0172】
実施例27(一般手順E)
シクロプロピル-[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イルメチル]アミン・トリフルオロアセテート
【化76】

CH3OHおよびTHFの1:3混合物(40 mL)中の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボアルデヒド(400 mg, 1.39 mmol)およびシクロプロピルアミン(159 mg, 2.78 mmol)の溶液に、AcOH(417 mg, 6.95 mmol)を、その後NaCNBH3(140 mg, 2.22 mmol)を付加した。混合物を、12時間加熱還流し、次に揮発性物質を蒸発させた。水(10 mL)を付加し、混合物をCH2Cl2(3×15 mL)で抽出した。併合有機抽出物を乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製して、362 mg(79%)のシクロプロピル-[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イルメチル]アミンをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【化77】

HPLC(方法B):tr=2.63分(99.8%)。
【0173】
実施例28(一般手順N)
2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-(1,1-ジオキソ-1λ6-イソチアゾリジン-2-イルメチル)ベンゾチアゾール
【化78】

ステップA:
6-アミノメチル-2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾールの合成
【化79】

MeOH-THF(120 mL, 5:3)中の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-カルボニトリル(1 g, 3.52 mmol)の溶液に、NH4OH(15 mL)およびラネーNi(200 mg)を付加した。混合物を、50 psiH2雰囲気下で室温で12時間撹拌した。濾過後、混合物を濃縮して6-アミノメチル-2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール(500 mg, 49.3%)を得て、これをさらに精製せずに次のステップに用いた。
【0174】
ステップB:
3-クロロプロパン-1-スルホン酸[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イルメチル]-アミド
【化80】

CH2Cl2(15 mL)中の6-アミノメチル-2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール(500 mg, 1.74 mmol)の溶液に、トリエチルアミン(879 mg, 8.2 mmol)を付加した。混合物を0℃で5分間撹拌し、次に塩化3-クロロプロパン-1-スルホニル(308 mg, 1.74 mmol)を滴下した。混合物を0℃で1時間撹拌し、次に徐々に室温に至らせた。次に混合物を室温でさらに1時間撹拌した。揮発性物質を蒸発させて、残渣をCH2Cl2で抽出した。これにより粗生成物を得て、これを、シリカゲル(溶離液:メタノール中5%CH2Cl2)上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3-クロロプロパン-1-スルホン酸[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イルメチル]アミド300 mg(39.5%)を得た。
【化81】

【0175】
ステップC:
EtOH(5 mL)中の3-クロロプロパン-1-スルホン酸[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イルメチル]アミド(300 mg, 0.70 mmol)および水酸化カリウム(396 mg, 7.0 mmol)の混合物を、1時間加熱還流した。揮発性物質を蒸発させて、残渣をCH2Cl2で抽出し、ブラインで洗浄し、真空濃縮した。粗製残渣を、シリカゲル(溶離液:メタノール中5%CH2Cl2)上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-(1,1-ジオキソ-1λ6-イソチアゾリジン-2-イルメチル)ベンゾチアゾール193 mg(49%)を得た。
【化82】

【0176】
実施例29(一般手順N)
2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-(1,1-ジオキソ-1λ6-イソチアゾリジン-2-イル)ベンゾチアゾール
【化83】

【0177】
ステップA:
2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イルアミン
【化84】

EtOH(36 mL)中のN-[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イル]-アセトアミド(679 mg, 2.15 mmol)の溶液に、濃塩酸(7.2 mL)を付加した。混合物を、2時間加熱還流した。冷却後、混合物を15%水酸化ナトリウムで中和した。揮発性物質を減圧下で除去し、残渣をメタノール(10 mL)中に溶解した。混合物を濾過し、濾液を真空濃縮して、512 mg(87%)の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イルアミンを得た。
【化85】

【0178】
ステップB:
DMF(10 mL)中の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-6-イルアミン(500 mg, 1.82 mmol)の溶液に、NaH(220 mg, 5.46 mmol)を0℃で付加した。混合物を室温に温めさせて、次に30分間撹拌した。DMF(2 mL)中の塩化3-クロロプロパン-1-スルホニル(450 mg, 2.55 mmol)の溶液を付加し、反応混合物を2時間撹拌した。その結果生じた混合物を酢酸エチル(3×20 mL)で抽出した。併合有機抽出物を乾燥(Na2SO4)し、減圧下で濃縮して残渣を得て、これをシリカゲル(溶離液:メタノール中2%ジクロロメタン)上でのカラムクロマトグラフィーにより精製した。これにより217 mg(31%)の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-(1,1-ジオキソ-1λ6-イソチアゾリジン-2-イル)ベンゾチアゾールを得た。
【化86】

HPLC(方法A):tr=2.19分(95%)。
【0179】
実施例30(一般手順A)
2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-カルボニトリル・トリフルオロアセテート
【化87】

ステップA:
2-チオキソ-2,3-ジヒドロベンゾチアゾール-5-カルボニトリル
【化88】

N-メチル-2-ピロリドン(1.5 mL)中の3-アミノ-4-クロロベンゾニトリル(200 mg, 1.32 mmol)およびカリウムo-エチル-キサンテート(422 mg, 2.64 mmol)の混合物を、140℃で2時間加熱した。冷却後、混合物を氷水中に注ぎ入れた。次に濃塩酸(0.2 mL)を付加した。固体を収集し、水で洗浄して、乾燥し、2-チオキソ-2,3-ジヒドロベンゾチアゾール-5-カルボニトリル250 mg(99%)を得た。
【化89】

【0180】
ステップB:
2-メチルスルファニルベンゾチアゾール-5-カルボニトリル
【化90】

EtOH(10.8 mL)中の2-チオキソ-2,3-ジヒドロベンゾチアゾール-5-カルボニトリル(260 mg, 1.35 mmol)の溶液に、Et3N(137 mg, 1.35 mmol)およびヨウ化メチル(192 mg, 1.35 mmol)を付加した。混合物を、1時間加熱還流した。揮発性物質を蒸発させて、残渣をCH2Cl2(3×10 mL)で抽出した。併合有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)して、濃縮し、2-メチルスルファニルベンゾチアゾール-5-カルボニトリル271 mg(97%)を得た。
【化91】

【0181】
ステップC:
2-メチルスルファニルベンゾチアゾール-5-カルボニトリル(500 mg, 2.43 mmol)、1-イソプロピルピペラジン(3.11 g, 24.3 mmol)およびピリジン(1.92 g, 24.3 mmol)の混合物を、160℃で5時間加熱した。ピリジンを除去後、混合物をCH2Cl2(3×10 mL)で抽出した。併合有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮して残渣を得て、これを分取HPLCにより精製した。これにより、81 mg(12%)の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-カルボニトリルをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【化92】

HPLC(方法B):tr=3.95分(97.0%)。
【0182】
実施例31(一般手順E)
2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-5-ピロリジン-1-イルメチルベンゾチアゾール・トリフルオロアセテート
【化93】

CH3OH/THF(12 mL, 1:2)中の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-カルボアルデヒド(270 mg, 0.93 mmol)およびピロリジン(133 mg, 1.86 mmol)の溶液に、酢酸(179 mg, 2.98 mmol)およびNaCNBH3(173 mg, 2.98 mmol)を付加した。混合物を、12時間加熱還流した。揮発性物質を除去して、残渣を水(5 mL)で希釈した。その結果生じた混合物をCH2Cl2(3×10 mL)で抽出した。併合有機抽出物を乾燥(Na2SO4)して、減圧下で濃縮して残渣を得て、これを分取HPLCにより精製した。これにより、306 mg(48%)の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)-5-ピロリジン-1-イルメチルベンゾチアゾールをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【化94】

HPLC(方法B):tr=2.28分(98.3%)。
【0183】
実施例32(一般手順O)
[2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-イルメチル]ジメチル-アミン・トリフルオロアセテート
【化95】

ステップA:
5-ブロモベンゾチアゾール-2-チオール
【化96】

N-メチル-2-ピロリジン(1.5 mL)中の5-ブロモ-2-フルオロベンゼンアミン(200 mg, 1.28 mmol)の溶液に、カリウムo-エチルカルボノジチオレート(410 mg, 2.56 mmol)を付加した。混合物を140℃で2時間加熱した。反応混合物を大量の水中に注ぎ入れ、濃塩酸で酸性にして、濾過し、5-ブロモ-ベンゾチアゾール-2-チオール300 mg(95%)を得た。
【0184】
ステップB:
5-ブロモ-2-(メチルチオ)ベンゾ[d]チアゾール
【化97】

EtOH(1.5 mL)中の5-ブロモベンゾ[d]チアゾール-2-チオール(24 mg, 0.098 mmol)の溶液に、トリエチルアミン(10 mg, 0.098 mmol)およびヨウ化メチル(14 mg, 0.098 mmol)を付加した。混合物を、1.5時間加熱還流した。次に混合物をジクロロメタン(3×10 mL)で抽出した。併合有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)して、濃縮し、5-ブロモ-2-(メチルチオ)ベンゾチアゾール20 mg(80%)を得た。
【化98】

【0185】
ステップC:
5-ブロモ-2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール
【化99】

5-ブロモ-2-(メチルチオ)ベンゾチアゾール(200 mg, 0.77 mmol)、1-イソプロピルピペラジン(985 mg, 7.7 mmol)およびピリジン(610 mg, 7.7 mmol)の混合物を、160℃で36時間加熱した。反応混合物を減圧下で濃縮し、残渣をジクロロメタン(3×10 mL)で抽出した。併合有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。残渣を、シリカゲル(溶離液:石油エーテル中2%EtOAc)上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、200 mg(77%)の5-ブロモ-2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾールを得た。
【0186】
ステップD:
2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-カルボアルデヒド
【化100】

乾燥THF中の5-ブロモ-2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール(300 mg, 0.88 mmol)の溶液に、n-BuLiを−78℃で10分間に亘って滴下した。30分後、DMFを−78℃で滴下した。次に反応混合物を−78℃で1.5時間撹拌し、水でクエンチして、酢酸エチルで抽出して残渣を得て、これをシリカゲル(溶離液:メタノール中1%ジクロロメタン)上でのカラムクロマトグラフィーにより精製した。これにより、240 mg(94%)の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-カルボアルデヒドを得た。
【化101】

【0187】
ステップE:
THF(27.5 mL)およびMeOH(13.7 mL)中の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-カルボアルデヒド(500 mg, 1.73 mmol)および塩酸ジメチルアミン(282 mg, 3.46 mmol)の溶液に、酢酸(166 mg, 2.77 mmol)を、その後NaCNBH3(160 mg, 2.77 mmol)を付加した。混合物を、一晩加熱還流した。混合物を減圧下で濃縮し、Na2CO3の水溶液で中和してpH7として、濾過した。残渣をジクロロメタン(3×10 mL)で抽出した。併合有機抽出物をブラインで洗浄し、を乾燥(Na2SO4)して、濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製して、251 mg(46%)の[2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-イル-メチル]ジメチルアミンをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【化102】

HPLC(方法B):tr=2.05分(96.0%)。
【0188】
実施例33(一般手順D)
[2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-イル]ピロリジン-1-イルメタノン・トリフルオロアセテート
【化103】

ステップA:
2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-カルボン酸
【化104】

濃塩酸(10 mL)中の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-カルボニトリル(300 mg, 1.04 mmol)の溶液を、3時間加熱還流した。混合物を減圧下で濃縮して、315 mg(99%)の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-カルボン酸を得て、これを次のステップに直接用いた。
【0189】
ステップB:
THF(7.3 mL)中の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-カルボン酸(530 mg, 1.75 mmol)、ピロリジン(149 mg, 2.10 mmol)およびDIEAの溶液を、室温で30分間撹拌した。次にPyBOPを付加し、反応混合物を室温で一晩撹拌した。混合物を濃縮し、残渣をNa2CO3の水溶液で中和してpH7とした。次に混合物をジクロロメタン(3×10 mL)で抽出した。併合有機抽出物をブラインで洗浄し、乾燥(Na2SO4)して、濃縮した。残渣を分取HPLCで精製して、490 mg(78%)の(2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-イル)(ピロリジン-1-イル)メタノンをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【化105】

HPLC(方法B):tr=2.86分(96.9%)。
【0190】
実施例34(一般手順N)
5-(1,1-ジオキソ-1λ6-イソチアゾリジン-2-イルメチル)-2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール
【化106】

ステップA:
5-アミノメチル-[2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール
【化107】

MeOH-THF(66 mL, 3:5)中の2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-カルボニトリル(500 mg, 1.75 mmol)の溶液に、NH4OH(7 mL)およびラネーNi(100 mg)を付加した。混合物を、H2雰囲気下で室温で12時間撹拌した。混合物を濾過し、濾液を濃縮して5-アミノメチル-[2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール507 mg(100%)を得て、これをさらに精製せずに次のステップに用いた。
【化108】

【0191】
ステップB:
DMF(10 mL)中の5-アミノメチル-[2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール(439 mg, 1.51 mmol)の溶液に、NaH(181 mg, 4.53 mmol)を0℃で付加した。混合物を室温に温めさせた。30分後、DMF(1.67 mL)中の3-クロロプロパン-1-スルホン酸(373 mg, 2.11 mmol)の溶液を室温で付加した。反応混合物を室温で2時間撹拌し、次に水でクエンチした。揮発性物質を除去し、残渣を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製して、267 mg(45%)の5-(1,1-ジオキソ-1λ6-イソチアゾリジン-2-イルメチル)-2-(4-イソプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾールをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【化109】

HPLC(方法B):tr=2.76分(95.6%)。
【0192】
実施例35(一般手順A)
2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-カルボニトリル
【化110】

ステップA:
4-ヒドロキシ-3-ニトロベンゾニトリル
【化111】

硝酸(1.16 g, 12 mmol)および氷酢酸(1 mL)の混合物を、40℃に加熱した。フラスコ温度が50℃Cに上昇するまで、この混合物に、氷酢酸(4 mL)中の4-ヒドロキシベンゾニトリル(1 g, 8.4 mmol)の溶液を迅速に付加した。次に、温度が50〜60℃に保持されるような速度で、溶液を付加した。付加が完了したら、混合物を55℃でさらに20分間撹拌し、次に氷水(24 mL)中に注ぎ入れた。混合物を濾過し、固体を水で洗浄して、4-ヒドロキシ-3-ニトロベンゾニトリル1.09 g(79%)を固体として得た。
【化112】

【0193】
ステップB:
3-アミノ-4-ヒドロキシベンゾニトリル
【化113】

4-ヒドロキシ-3-ニトロベンゾニトリル(100 mg, 0.61 mmol)、パラジウム・チャコール(10 mg, 10%)、EtOH(0.67 mL)および酢酸エチル(0.33 mL)の混合物を、室温で2時間水素添加した。次に混合物を濾過し、濃縮して、3-アミノ-4-ヒドロキシベンゾニトリル60 mg(73%)を固体として得た。
【化114】

【0194】
ステップC:
2-チオキソ-2,3-ジヒドロベンゾオキサゾール-5-カルボニトリル
【化115】

ピリジン(0.75 mL)中の3-アミノ-4-ヒドロキシベンゾニトリル(50 mg, 0.37 mmol)およびカリウムO-エチルキサンテート(65 mg, 0.41 mmol)の混合物を、2時間加熱還流した。冷却後、混合物を氷水中に注ぎ入れた。次に濃塩酸(0.2 mL)を付加した。固体を収集し、水で洗浄して、乾燥し、2-チオキソ-2,3-ジヒドロベンゾオキサゾール-5-カルボニトリル30 mg(46%)を得た。
【化116】

【0195】
ステップD:
2-クロロベンゾオキサゾール-5-カルボニトリル
【化117】

2-チオキソ-2,3-ジヒドロベンゾオキサゾール-5-カルボニトリル(2.56 g, 14.5 mmol)およびチオニルクロリド(14.1 mL)の混合物に、DMFを2滴付加した。混合物を65〜70℃で1時間加熱した。次に混合物を室温に冷却し、CH2Cl2で希釈した。溶媒および余分量のチオニルクロリドを、減圧下で除去した。残渣をシリカゲル(溶離液:石油エーテル中20%EtOAc)上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、2-クロロベンゾオキサゾール-5-カルボニトリル1.69 g(65%)を得た。
【化118】

【0196】
ステップE:
EtOH(34 mL)中の2-クロロベンゾオキサゾール-5-カルボニトリル(1.69 g, 9.5 mmol)の溶液に、Et3N(4.8 g, 47.5 mmol)を、その後1-シクロプロピルピペラジン(1.44 g, 11.4 mmol)を付加し、混合物を12時間加熱還流した。次に揮発性物質を蒸発させてEtOHを除去し、水(120 mL)を付加した。混合物をCH2Cl2(3×50 mL)で抽出した。併合有機抽出物をブラインで洗浄して、乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。残渣を、シリカゲル(溶離液:石油エーテル中10%酢酸エチル、0.1%NH4OH付加)上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、1.34 g(53%)の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾオキサゾール-5-カルボニトリルを得た。
【化119】

HPLC(方法B):tr=2.10分(99.7%)。
【0197】
実施例36(一般手順D)
[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-イル]ピロリジン-1-イルメタノン・トリフルオロアセテート
【化120】

ステップA:
2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-カルボン酸
【化121】

濃塩酸(10 mL)中の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾオキサゾール-5-カルボニトリル(322 mg, 1.2 mmol)の混合物を、4時間加熱還流した。次に反応混合物を濃縮して、2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-カルボン酸(340 mg, 99%)を得て、これをさらに精製することなく次のステップに用いた。
【0198】
ステップB:
THF(5 mL)中の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾオキサゾール-5-カルボン酸(340 mg, 1.18 mmol)、ピロリジン(102 mg, 1.44 mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(372 mg, 2.88 mmol)の混合物に、25℃でPyBOPを一部ずつ付加した。15時間撹拌後、混合物を水で希釈し、ブラインで洗浄して、乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製して、141 mg(35%)の[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-イル]ピロリジン-1-イルメタノンをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【化122】

HPLC(方法B):tr=2.44分(95.0%)。
【0199】
実施例37(一般手順N)
2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-5-(1,1-ジオキソ-1λ6-イソチアゾリジン-2-イルメチル)-ベンゾオキサゾール・トリフルオロアセテート
【化123】

ステップA:
5-アミノメチル-[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾオキサゾール
【化124】

MeOH-THF(12 mL, 5:3)中の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール-5-カルボニトリル(500 mg, 1.85 mmol)の溶液に、NH4OH(1.5 mL)およびラネーNi(100 mg)を付加した。混合物を、H2雰囲気下で室温で12時間撹拌した。濾過後、混合物を濃縮して5-アミノメチル-[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾチアゾール(500 mg, 99%)を得て、これをさらに精製せずに次のステップに用いた。
【化125】

【0200】
ステップB:
3-クロロプロパン-1-スルホン酸[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾオキサゾール-5-イルメチル]-アミド
【化126】

CH2Cl2(15 mL)中の5-アミノメチル-[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾオキサゾール(500 mg, 1.84 mmol)の溶液に、Et3N(929 mg, 9.2 mmol)を付加した。混合物を0℃で5分間撹拌し、次に塩化3-クロロプロパン-1-スルホニル(326 mg, 1.84 mmol)を滴下した。混合物を0℃で1時間撹拌し、徐々に室温に至らせた。次に混合物を室温でさらに1時間撹拌した。揮発性物質を除去して、残渣をCH2Cl2で抽出した。その結果生じた残渣をシリカゲル(溶離液:メタノール中5%CH2Cl2)上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、3-クロロプロパン-1-スルホン酸[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾオキサゾール-5-イルメチル]アミド(315 mg, 42%)を得た。
【化127】

【0201】
ステップC:
EtOH(5 mL)中の3-クロロプロパン-1-スルホン酸[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾオキサゾール-5-イルメチル]アミド(315 mg, 0.76 mmol)および水酸化カリウム(430 mg, 7.6 mmol)の混合物を、1時間加熱還流した。揮発性物質を蒸発させて、残渣をCH2Cl2で抽出した。有機抽出物をブラインで洗浄し、濃縮して残渣を得て、これを分取HPLCにより精製した。これにより、97 mg(34%)の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-5-(1,1-ジオキソ-1λ6-イソチアゾリジン-2-イルメチル)ベンゾオキサゾールをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【化128】

HPLC(方法B):tr=2.26分(95.7%)。
【0202】
実施例38(一般手順E)
2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-5-ピロリジン-1-イルメチルベンゾキサゾール
【化129】

ステップA:
2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾキサゾール-5-カルボキサルデヒド
【化130】

THF-トルエン(50 mL, 2:1)中の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾオキサゾール-5-カルボニトリル(1.5 g, 5.6 mmol)の溶液に、窒素雰囲気下で−78℃で、DIBAL(16.8 mL, 16.8 mmol)を滴下した。次に混合物を20℃に加温させて、次に1時間撹拌した。メタノール(5 mL)を、その後水(20 mL)を滴下した。混合物を酢酸エチル(3×20 mL)で抽出し、併合有機抽出物を乾燥(Na2SO4)して、濃縮した。残渣をシリカゲル(溶離液:メタノール中2%ジクロロメタン)上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、1.1 g(72%)の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾオキサゾール-5-カルボキサルデヒドを得た。
【化131】

【0203】
ステップB:
CH3OH/THF(36 mL, 1:3)中の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾオキサゾール-5-カルボキサルデヒド(400 mg, 1.48 mmol)およびピロリジン(210 mg, 2.96 mmol)の溶液に、酢酸(142 mg, 2.37 mmol)を、その後NaCNBH3(137 mg, 2.37 mmol)を付加した。混合物を、12時間加熱還流した。揮発性物質を除去し、残渣を水(5 mL)で希釈した。その結果生じた混合物をCH2Cl2(3×10 mL)で抽出し、併合有機抽出物を乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。残渣をシリカゲル(溶離液:メタノール中2%ジクロロメタン)上でのカラムクロマトグラフィーにより精製して、193 mg(40%)の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-5-ピロリジン-1-イルメチルベンゾオキサゾールを得た。
【化132】

【0204】
実施例39(一般手順E)
[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾオキサゾール-5-イルメチル]ジメチルアミン・トリフルオロアセテート
【化133】

CH3OH/THF(32 mL, 1:3)中の2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾオキサゾール-5-カルボキサルデヒド(350 mg, 1.29 mmol)および塩酸ジメチルアミン(210 mg, 2.58 mmol)の溶液に、酢酸(124 mg, 2.06 mmol)を、その後NaCNBH3(120 mg, 2.06 mmol)を付加した。混合物を、12時間加熱還流した。揮発性物質を減圧下で除去し、残渣を水(5 mL)で希釈した。混合物をCH2Cl2(3×10 mL)で抽出し、併合有機抽出物を乾燥(Na2SO4)し、濃縮した。残渣を分取HPLCにより精製して、233 mg(60%)の[2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)ベンゾオキサゾール-5-イルメチル]ジメチルアミンをトリフルオロ酢酸塩として得た。
【化134】

HPLC(方法B):tr=2.00分(99.0%)。
【0205】
実施例40
2-(4-シクロプロピルピペラジン-1-イル)-6-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンゾチアゾール・塩酸塩
【化135】

【0206】
薬理学的方法
ヒスタミンH3受容体と相互作用する化合物の能力は、以下のin vitro結合検定により確定され得る。
結合検定I
ラット大脳皮質を、氷冷K-Hepes, 5 mMMgCl2、pH7.1緩衝液中でホモジナイズする。2回の異なる遠心分離後、最終ペレットを、1 mg/mlバシトラシンを含有する新鮮なHepes緩衝液中に再懸濁する。膜懸濁液(400 μg/ml)のアリコートを、25℃で60分間、30 pM[125I]-ヨードプロキシファン(既知のヒスタミンH3受容体アンタゴニスト)および種々の濃度の試験化合物とともにインキュベートする。氷冷媒質を用いた希釈によりインキュベーションを停止し、その後、0.5%ポリエチレンイミンで1時間前処理したワットマンGF/Bフィルターを通して迅速濾過する。Cobra II自動ガンマ計数器を用いて、フィルター上に保持された放射能を計数する。フィルターの放射能は、試験化合物の結合親和性と間接的に比例する。非線形回帰分析により、結果を分析する。
【0207】
結合検定II
H3-受容体アゴニストリガンドR-□-メチル[3H]ヒスタミン(RAMHA)を、25℃で1時間、単離ラット皮質細胞膜とともにインキュベートし、その後、ワットマンGF/Bフィルターを通して培養標本を濾過する。ベータ計数器を用いて、フィルター上に保持された放射能を測定する。雄ウィスター・ラット(150〜200 g)を断頭し、大脳皮質を迅速に切除して、ドライアイス上で直ちに凍結する。膜調製まで、組織を−80℃で保持する。膜調製中、組織を氷上に全時間保持する。30分間、Ultra-Turraxホモジナイザーを用いて、10容積(w/w)の氷冷Hepes緩衝液(20 mM Hepes, 5 mMMgCl2、pH7.1(KOH)+1 mg/mlバシトラシン)中でラット大脳皮質をホモジナイズする。ホモジネートを、10分で140 gで遠心分離する。上清を新しい試験管に移して、23,000 gで30分間遠心分離する。ペレットを5〜10 ml Hepes緩衝液中に再懸濁し、ホモジナイズして、23,000 gで10分間遠心分離する。この短い遠心分離ステップを2回反復する。最終遠心分離後、ペレットを2〜4 ml Hepes緩衝液中に再懸濁し、タンパク質濃度を確定する。Hepes緩衝液を用いて5 mg/mlのタンパク質濃度に膜を希釈し、アリコート化して、使用するまで−80℃で保存する。
【0208】
50 μlの試験化合物、100 μlの膜(200 μg/ml)、300 μlのHepes緩衝液および50 μlのR-α-メチル[3H]ヒスタミン(1 nM)を、試験管中で混合する。試験されるべき化合物をDMSO中に溶解し、H2O中でさらに希釈して、所望の濃度にする。放射性リガンドおよび膜を、Hepes緩衝液+1 mg/mlバシトラシン中に希釈した。混合物を、25℃で60分間インキュベートする。5 ml氷冷0.9%NaClを付加し、その後、0.5%ポリエチレンイミンで1時間前処理したワットマンGF/Bフィルターを通して迅速濾過することにより、インキュベーションを終結する。フィルターを2×5 ml氷冷NaClで洗浄する。各フィルターに、3 mlシンチレーション・カクテルを付加し、保持放射能をPackard Tri-Carbベータ計数器で測定する。
ウィンドウ・プログラム(GraphPad Prism, GraphPad software,USA)を用いて、結合曲線の非線形回帰分析(最低6ポイント)により、IC50値を算定する。
【0209】
結合検定III
ヒトH3受容体をPCRによりクローン化し、pcDNA3発現ベクター中にサブクローン化する。H3発現ベクターをHEK293細胞中にトランスフェクトし、H3クローンに関して選択するためのG418を用いることにより、H3受容体を安定的に発現する細胞を生成する。37℃で、グルタマックス、10%ウシ胎仔血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシンおよび1 mg/mlG418を有するDMEM(GIBCO-BRL)および5%CO2中で、ヒトH3-HEK293クローンを培養する。収穫前に、集密細胞をPBSですすぎ、約5分間、ベルセン(プロテイナーゼ、GIBCO-BRL)とともにインキュベートする。細胞をPBSおよびDMEMでフラッシュして、細胞懸濁液を試験管中に収集し、Heraeus Sepatech Megafuge 1.0で1500 rpmで5〜10分間遠心分離する。ペレットを、10〜20容積のHepes緩衝液[20 mM Hepes、5 mMMgCl2、pH7.1(KOH)]中に再懸濁し、Ultra-Turraxホモジナイザーを用いて10〜20秒間ホモジナイズする。ホモジネートを、23,000 gで30分間遠心分離する。ペレットを5〜10 ml Hepes緩衝液中に再懸濁し、Ultra-Turraxで5〜10秒間ホモジナイズして、23,000 gで10分間遠心分離する。この遠心分離ステップ後、膜ペレットを2〜4 mlHepes緩衝液中に再懸濁し、注射器またはテフロン(登録商標)・ホモジナイザーでホモジナイズして、タンパク質濃度を確定する。Hepes緩衝液中で1〜5 mg/mlのタンパク質濃度に膜を希釈し、アリコート化して、使用するまで−80℃で保存する。
膜懸濁液のアリコートを、25℃で60分間、30 pM[125I]-ヨードプロキシファン(H3受容体に関して高親和性を有する既知の化合物)および種々の濃度の試験化合物とともにインキュベートする。氷冷媒質を用いた希釈によりインキュベーションを停止し、その後、0.5%ポリエチレンイミンで1時間前処理したワットマンGF/Bフィルターを通して迅速濾過する。Cobra II自動ガンマ計数器を用いて、フィルター上に保持された放射能を計数する。フィルターの放射能は、試験化合物の結合親和性と間接的に比例する。非線形回帰分析により、結果を分析する。試験した場合、式(I)の本発明の化合物は一般に、ヒスタミンH3受容体に対する高結合親和性を示す。
好ましくは、本発明の化合物は、10 μM未満、さらに好ましくは1 μM未満、さらに好ましくは500 μM未満、例えば100 nM未満の検定のうちの1つまたは複数により確定されるようなIC50値を有する。
【0210】
機能検定I
アゴニスト、逆アゴニストおよび/またはアンタゴニストとしてのヒスタミンH3受容体と相互作用する化合物の能力は、ヒトH3受容体を発現するHEK293細胞からの膜を利用するin vitro機能検定により確定される。
H3受容体をPCRによりクローン化し、pcDNA3発現ベクター中にサブクローン化する。H3発現ベクターをHEK293細胞中にトランスフェクトし、H3クローンに関して選択するためのG418を用いることにより、H3受容体を安定的に発現する細胞を生成する。37℃で、グルタマックス、10%ウシ胎仔血清、1%ペニシリン/ストレプトマイシンおよび1 mg/mlG418を有するDMEMおよび5%CO2中で、ヒトH3-HEK293クローンを培養する。
【0211】
H3受容体発現細胞をリン酸塩緩衝生理食塩水(PBS)で1回洗浄し、ベルセン(GIBCO-BRL)を用いて収穫する。PBSを付加し、細胞を188 gで5分間遠心分離する。細胞ペレットを、刺激緩衝液中に再懸濁して、1×106細胞/mlの濃度にする。フラッシュ・プレート(登録商標)cAMP検定(NENTM Life Science Products)を用いて、cAMP蓄積を測定する。検定は一般的に、メーカーにより記載されたように実施される。要するに、50 μlの細胞懸濁液をFlashplateの各ウエルに付加するが、これは、cAMP生成を刺激するために25 μlの40 μMイソプレナリンも、そして25 μlの試験化合物も含有する(アゴニストまたは逆アゴニスト単独、あるいはアゴニストおよびアンタゴニストを組合せて)。漸増濃度で、独力で、細胞に試験化合物が付加され、そしてcAMPが測定される「アゴニスト・モード」で、検定を実行し得る。cAMPが増す場合、問題の化合物は逆アゴニストであり;cAMPが変わらない場合、それは中性アンタゴニストであり、そしてcAMPが下がる場合、それはアゴニストである。試験化合物が、漸増濃度の既知のH3アゴニスト(例えばRAMHA)と一緒に、漸増濃度で、付加される「アンタゴニスト・モード」でも、検定を実行し得る。試験化合物がアンタゴニストである場合、その漸増濃度はH3-アゴニストの用量-応答曲線における右方シフトを生じる。各ウエルの最終容積は、100 μlである。試験化合物をDMSO中に溶解し、そしてH2O中に希釈する。混合物を5分間振盪し、室温で25分間放置させる。100 μlの「検出混合物」/ウエルを用いて、反応を停止する。次にプラスチックでプレートを密封し、30分間振盪して、一晩放置し、最後にCobra II自動ガンマ・トップカウンターで放射能を計数する。GraphPad Prismを用いて、用量応答曲線の非線形回帰分析(最低6ポイント)により、EC50値を算定する。Schildプロット分析により、Kb値を算定する。
【0212】
機能検定II
アゴニスト、逆アゴニストおよび/またはアンタゴニストとしてのヒトH3受容体と結合し、相互作用する化合物の能力は、[35S]GTPγS検定と呼ばれる機能検定により確定される。検定は、□-サブユニットでのグアノシン5’-トリホスフェート(GTP)によるグアノシン5’-ジホスフェート(GDP)の交換を触媒することにより、Gタンパク質の活性化を測定する。GTP結合Gタンパク質は、2つのサブユニット、即ちGGTPおよびGβγに解離し、これは順に、細胞内酵素およびイオンチャンネルを調節する。GTPは、G□-サブユニット(GTPアーゼ)により迅速に加水分解され、そしてGタンパク質は非活性化され、新規のGTP交換サイクルのための準備ができる。Gタンパク質でのグアニンヌクレオチド交換の増大によるリガンド誘導性Gタンパク質結合受容体(GPCR)の機能を試験するために、[35S]-グアノシン-5’-O-(3-チオ)トリホスフェート[35S]GTPγS(GTPの非加水分解類似体である)の結合を確定する。このプロセスは、Gタンパク質結合受容体H3を含有する細胞膜を、GDPおよび[35S]GTPγSとともにインキュベートすることにより、in vitroでモニタリングし得る。ヒトH3受容体を安定的に発現するCHO細胞から、細胞膜は得られる。細胞をPBS中で2回洗浄し、PBS+1 mMEDTA、pH7.4を用いて収穫し、1000 rpmで5分間遠心分離する。Ultra-Turraxホモジナイザーを用いて30秒間、10 mlの氷冷Hepes緩衝液(20 mM Hepes、10 mMEDTA、pH7.4(NaOH))中で、細胞ペレットをホモジナイズし、20,000 rpmで15分間遠心分離する。この遠心分離ステップ後、膜ペレットを10 mlの氷冷Hepes緩衝液(20 mM Hepes、0.1 mMEDTA、pH7.4(NaOH))中に再懸濁し、上記と同様にホモジナイズする。最終均質化ステップを除いて、この手順を2回反復し、タンパク質濃度を確定し、そして膜を2 mg/mlのタンパク質濃度に希釈して、アリコート化し、使用するまで−80℃で保持する。
【0213】
逆アゴニスト/アンタゴニストの存在および効力を試験するために、H3受容体アゴニストリガンドR-α-メチルヒスタミン(RAMHA)を付加する。RAMHAの作用を相殺する試験化合物の能力を測定する。アゴニストの作用を試験する場合、RAMHAは検定媒質に付加されない。試験化合物を、種々の濃度で、検定緩衝液(20 mM Hepes、120 mMNaCl、10 mMMgCl2、pH7.4(NaOH))中に希釈し、その後、10-8 nMRAMHA(逆アゴニスト/アンタゴニストが検査される場合のみ)、3 μMGDP、2.5 μgの膜、0.5 mgのSPAビーズおよび0.1 nM[35S]GTPγSを付加し、そして室温で静かに撹拌しながら2時間インキュベートする。プレートを1500 rpmで10分間得遠心分離し、そしてトップカウンターを用いて放射能を測定する。結果を非線形回帰により分析し、IC50値を確定する。RAMHAおよびその他のH3アゴニストは、[35S]GTPγSと、H3受容体を発現する膜との結合を刺激する。アンタゴニスト/逆アゴニスト試験において、10-8 MRAMHAにより増大[35S]GTPγS結合を阻害する漸増量の試験化合物の能力を、放射能シグナルの減少として測定する。アンタゴニストに関して確定されるIC50値は、10-8 MRAMHAの作用を50%阻害するこの化合物の能力である。アゴニスト試験において、漸増量の試験化合物の能力は、放射能シグナルの増大として測定される。アゴニストに関して確定されるEC50値は、10-5 MRAMHAにより得られる最大シグナルの50%シグナルを増大するこの化合物の能力である。
【0214】
好ましくは本発明のアンタゴニストおよびアゴニストは、10 μM未満、さらに好ましくは1 μM未満、さらに好ましくは500 nM未満、例えば100 nM未満のIC50/EC50値(上記の検定のうちの1つまたは複数により確定されるような値)を有する。
【0215】
オープン・ケージ・スケジュール飼養ラットモデル
体重を低減する本発明の化合物の能力を、in vivoオープン・ケージ・スケジュール飼養ラットモデルを用いて確定する。
約11/2〜2月齢および体重約200〜250 gのSprague-Dawley(SD)系雄ラットを、Mollegard Breeding and Research Centre A/S(Denmark)から購入する。到着時に、それらを数日間馴化させた後、個々の開放プラスチックケージ中に入れる。各々の日に7時間だけ(07.30〜14.30、週7日)、それらのホームケージ中で食餌(Altrominペレットラット餌)の存在に馴れさせる。水は随意に与える。7〜9日後に食餌の消費が安定化したら、動物は使用の準備ができている。
【0216】
処置間の繰越作用を回避するために、各動物は1回だけ用いられる。試験期間中、期間の開始の30分前に、試験化合物を腹腔内または経口投与する。一動物群に異なる用量で試験化合物を投与し、そして対照群の動物にはビヒクルを投与する。投与後1、2および3時間目に、食餌および水摂取をモニタリングする。
連続モニタリングを可能にするために動物は透明プラスチックケージ中に保持されるため、任意の副作用(胴部横転、もじゃもじゃの毛等)が迅速に検出され得る。
【0217】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I:
【化1】

(式中、R1は、水素、C1-6-アルキル、C2-6-アルケニル、C2-6-アルキニル、C3-8-シクロアルキル、C5-8-シクロアルケニル、C3-8-シクロアルキル-C1-6-アルキル、ジ(C3-8-シクロアルキル)-C1-6-アルキル、C3-8-シクロアルキル-C2-6-アルケニル、C3-8-シクロアルキル-C2-6-アルキニル、C5-8-シクロアルケニル-C1-6-アルキル、C5-8-シクロアルケニル-C2-6-アルケニルまたはC5-8-シクロアルケニル-C2-6-アルキニルであり;
2は、水素またはC1-6-アルキルであり;あるいは
1およびR2は、それらが結合される原子と一緒になってヘテロシクリル基を形成し得るし;
mは、0(ゼロ)、1または2であり;
Xは、-O-または-S-であり;
3およびR4は、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1-6-アルキル、C3-8-シクロアルキル、ハロ-C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、ハロ-C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、C1-6-アルキルスルフィニル、一般式-Y-(CH2s-(C=O)r-NR78の基、一般式-R9-(CH2t-(C=O)r-N(R10)-(CH2u-の基、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1-6-アルキル、ヘテロシクリル-C1-6-アルコキシ、ヘテロシクリルカルボニル、C1-6-アルキルカルボニル、C1-6-アルコキシカルボニル、C1-6-アルキルカルボキシ、シアノ-C1-6-アルキル、ヒドロキシ-C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ-C1-6-アルキル、C1-6-アルキルカルボニルアミノ、C1-6-アルキルカルボニル-アミノ-C1-6-アルキル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ-C1-6-アルキル、ヘテロアリールカルボニルアミノまたはヘテロアリールカルボニルアミノ-C1-6-アルキルから選択され;
5およびR6は、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1-6-アルキル、C3-8-シクロアルキル、ハロ-C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、ハロ-C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、C1-6-アルキルスルフィニル、一般式-Y-(CH2s-(C=O)r-NR78の基、一般式-R9-(CH2t-(C=O)r-N(R10)-(CH2u-の基、ヘテロシクリル、ヘテロシクリル-C1-6-アルキル、ヘテロシクリル-C1-6-アルコキシ、ヘテロシクリルカルボニル、C1-6-アルキルカルボニル、C1-6-アルコキシカルボニル、C1-6-アルキルカルボキシ、シアノ-C1-6-アルキル、ヒドロキシ-C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ-C1-6-アルキル、C1-6-アルキルカルボニルアミノ、C1-6-アルキルカルボニル-アミノ-C1-6-アルキル、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ-C1-6-アルキル、ヘテロアリールカルボニルアミノまたはヘテロアリールカルボニルアミノ-C1-6-アルキルから選択され;あるいは
5およびR6は、独立して、アリールまたはヘテロアリールから選択され、これらは各々、ハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、シアノ、C1-6-アルキル、C3-8-シクロアルキル、C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルファニル、C1-6-アルキルスルホニル、C1-6-アルキルカルボニル、C1-6-アルキルカルボニルアミノ、C1-6-アルコキシカルボニル、C1-6-アルキルカルボキシ、ハロ-C1-6-アルキル、ハロ-C1-6-アルコキシ、ヒドロキシ-C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ-C1-6-アルキル、アリール、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ-C1-6-アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ-C1-6-アルキル、あるいは一般式一般式-Y-(CH2s-(C=O)r-NR78または一般式-R9-(CH2t-(C=O)r-N(R10)-(CH2u-の基で置換され得るし;
rは、0(ゼロ)または1であり;
sは、0(ゼロ)、1、2または3であり;
tは、0(ゼロ)、1、2または3であり;
uは、0(ゼロ)、1、2または3であり;
Yは、式-O-、-S-または>NR10(ここで、R10は水素またはC1-6-アルキルである)の一結合または部分を表わし;
7およびR8は、独立して、水素、C1-6-アルキルまたはC3-8-シクロアルキルであり;あるいはR7およびR8は、結合される窒素と一緒になってヘテロシクリル基を形成し得るし;そして
9は、C1-6-アルキル、C3-8-シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであって、この場合、前記C1-6-アルキル、C3-8-シクロアルキル、アリールおよびヘテロアリールは任意に、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、C1-6-アルキル、C3-8-シクロアルキル、ハロ-C1-6-アルキル、C1-6-アルコキシ、ハロ-C1-6-アルコキシ、C1-6-アルキルスルホニル、C1-6-アルキルスルフィニル、C1-6-アルキルカルボニル、C1-6-アルコキシカルボニル、C1-6-アルキルカルボキシ、シアノ-C1-6-アルキル、ヒドロキシ-C1-6-アルキルまたはC1-6-アルコキシ-C1-6-アルキルで置換され得るが;
但し、R3、R4、R5およびR6はすべてが同時に水素を表わし得るというわけではない)
の化合物、ならびにその任意のジアステレオマーまたはエナンチオマーまたは互変異性体形態(これらの混合物を含めて)、あるいはその製薬上許容可能な塩。
【請求項2】
Xが-S-(イオウ)である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-ベンゾチアゾール-7-オール;2-(ピペラジン-1-イル)-6-クロロベンゾチアゾールフマレート;2-(ピペラジン-1-イル)-5-クロロベンゾチアゾールフマレート;2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5-メチルベンゾチアゾールフマレート;2-(ピペラジン-1-イル)-5-メチルベンゾチアゾールフマレート;2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-6-クロロベンゾチアゾールフマレート;2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5-クロロベンゾチアゾール二塩酸塩;2-(ピペラジン-1-イル)-6-クロロベンゾチアゾール;2-(ピペラジン-1-イル)-6-(o-クロロベンジル-アミノ)ベンゾチアゾール塩酸塩;2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-6-メトキシベンゾチアゾールおよび2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-6-ヒドロキシベンゾチアゾールとは異なる、請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
明細書中に、例えば個々の実施例に、特に実施例1〜40のいずれか1つに、好ましくは実施例1〜19のいずれか1つに、独立して記述された個々の化合物のうちのいずれか1つ、あるいは前記に独立して記述された個々の親化合物のうちのいずれか1つ、特に実施例1を伴う節の前に、番号1)〜39)下で、好ましくは前記の番号1)〜19)下で独立して記述されたもの、特に2-(4-シクロプロピル-ピペラジン-1-イル)-6-(ピロリジン-1-イルメチル)ベンゾチアゾールである、請求項1または2記載の化合物、ならびにその塩。
【請求項5】
記号が独立して前記個々の実施形態a)〜ff)のいずれかに記述されたものと同様である、請求項1または2記載の化合物。
【請求項6】
薬剤として用いるための、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
2-(ピペラジン-1-イル)-6-クロロベンゾチアゾールフマレート;2-(ピペラジン-1-イル)-5-クロロベンゾチアゾールフマレート;2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5-メチルベンゾチアゾールフマレート;2-(ピペラジン-1-イル)-5-メチルベンゾチアゾールフマレート;2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-6-クロロベンゾチアゾールフマレート;2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5-クロロベンゾチアゾール二塩酸塩;2-(ピペラジン-1-イル)-6-クロロベンゾチアゾールおよび2-(ピペラジン-1-イル)-6-(o-クロロベンジルアミノ)ベンゾチアゾール塩酸塩とは異なる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
前記疾患のいずれかの治療のための製剤組成物の調製のための、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項9】
化合物が2-(ピペラジン-1-イル)-6-クロロベンゾチアゾールフマレート;2-(ピペラジン-1-イル)-5-クロロベンゾチアゾールフマレート;2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5-メチルベンゾチアゾールフマレート;2-(ピペラジン-1-イル)-5-メチルベンゾチアゾールフマレート;2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-6-クロロベンゾチアゾールフマレート;2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5-クロロベンゾチアゾールジ塩酸塩;2-(ピペラジン-1-イル)-6-クロロベンゾチアゾールおよび2-(ピペラジン-1-イル)-6-(o-クロロベンジルアミノ)ベンゾチアゾール塩酸塩とは異なる、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項10】
前記疾患のいずれかの治療方法であって、それを必要とする被験者に、治療的有効量の請求項1〜9のいずれか一項に記載の化合物、好ましくは2-(ピペラジン-1-イル)-6-クロロベンゾチアゾールフマレート;2-(ピペラジン-1-イル)-5-クロロベンゾチアゾールフマレート;2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5-メチルベンゾチアゾールフマレート;2-(ピペラジン-1-イル)-5-メチルベンゾチアゾールフマレート;2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-6-クロロベンゾチアゾールフマレート;2-(4-メチルピペラジン-1-イル)-5-クロロベンゾチアゾール二塩酸塩;2-(ピペラジン-1-イル)-6-クロロベンゾチアゾールおよび2-(ピペラジン-1-イル)-6-(o-クロロベンジルアミノ)ベンゾチアゾール塩酸塩とは異なる化合物を投与することを包含する方法。
【請求項11】
任意の新規の特徴あるいは本明細書中に記載された特徴の組合せ。

【公表番号】特表2009−531376(P2009−531376A)
【公表日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−502034(P2009−502034)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際出願番号】PCT/EP2007/052751
【国際公開番号】WO2007/110364
【国際公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【出願人】(508269525)ハイ ポイント ファーマシューティカルズ,リミティド ライアビリティ カンパニー (26)
【Fターム(参考)】