説明

ビス−アリールスルホンアミド

ケモカイン受容体の効力のある拮抗薬として作用する化合物を提供する。該化合物は一般にアリールスルホンアミド誘導体であり、ケモカイン受容体を介する疾患の治療のための医薬組成物、方法において、およびCCR9拮抗薬の同定のためのアッセイのコントロールとして有用である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連する出願
[0001]本出願は2002年11月18日に出願された米国仮特許出願第60/427,670号に対する優先権を主張する。当該優先権出願の開示をその全内容において当明細書に参照として援用する。
【0002】
発明の背景
[0002]本発明は、様々なケモカインの受容体に対する、例えばTECKのCCR9受容体に対する、結合または機能を阻害する上で有効である化合物、それら化合物もしくは医薬的に受容可能なそれらの塩の1つまたはそれより多くを含有する医薬組成物を提供する。CCR9受容体に関する拮抗薬または調節薬として、該化合物および組成物は炎症ならびに免疫障害の状態および疾患の治療における有用性を有する。
【0003】
[0003]ケモカインは、広範囲の多様な細胞により放出され、様々なタイプの免疫系細胞、例えばマクロファージ、T細胞、好酸球、好塩基球および好中球を炎症部位に誘引する、走化性サイトカインである(Schall, Cytokine, 3: 165-183 (1991), Schall, et al., Curr. Opin. Immunol., 6: 865 873 (1994)および Murphy, Rev. Immun., 12: 593-633 (1994)にまとめられている)。走化性を刺激することに加えて、白血球の活性化に伴う細胞の形の変化、細胞内のフリーのカルシウムイオン([Ca2+])濃度の一時的な増加、(分泌)顆粒のエキソサイトーシス、インテグリンのアップレギュレーション、生理活性脂質(例えばロイコトリエン)の形成および呼吸バーストを含むその他の変化が、応答細胞においてケモカインにより選択的に誘発され得る。このようにケモカインは、炎症を仲介する物質の放出、感染部位または炎症部位への走化性および血管外遊走の原因となる、炎症応答の早期の引き金となる。
【0004】
[0004]Tリンパ球(T細胞)の小腸および大腸内への浸潤は、セリアック病、食物アレルギー、慢性関節リウマチ、クローン病および潰瘍性大腸炎を含むヒトの炎症性腸疾患(IBD)に関連づけられていた。関連するT細胞集団の腸への輸送を阻止することで、ヒトのIBDを治療するための有効なアプローチを導くことができる。さらに最近、ケモカイン受容体9(CCR9)が、末梢血中に腸管ホーミングT細胞上で発現し、小腸の炎症、例えばクローン病およびセリアック病の患者において増加していることが注目された。今日までに同定された唯一のCCR9リガンドであるTECK(胸腺で発現されるケモカイン)が小腸で発現され、このリガンドと受容体とのペアがIBD発症の中枢的役割を担っていると現在考えられている。特にこのペアは疾患の原因となるT細胞の腸への遊走を仲介する。例えばZaballos, et al., J. Immunol., 162(10): 5671-5675 (1999); Kunkel, et al., J. Exp. Med. 192(5): 761-768 (2000); Papadakis, et al., J. Immunol., 165(9): 5069-5076 (2000); Papadakis, et al., Gastroenterology, 121(2): 246-254 (2001); Campbell, et al., J. Exp. Med., 195(1): 135-141 (2002); Wurbel, et al., Blood, 98(9): 2626-2632 (2001); およびUehara, et al., J.Immunol, 168(6): 2811-2819 (2002)を参照のこと。
【0005】
[0005]ケモカイン受容体の機能を調節する化合物は、ケモカイン受容体活性化と関連する炎症ならびにその他の状態及び疾患の治療のための治療剤として魅力的である。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の簡単な概要
[0006]本発明は、ケモカイン活性を調節する上で有用な化合物および医薬的に受容可能なそれらの塩、組成物、ならびに方法に向けられる。本明細書に記載する化合物およびそれらの塩、組成物、ならびに方法は、CCR9ケモカイン活性を調節するのに特に有用である。
【0007】
[0007]1つの態様において本発明の調節薬は式(I):
【0008】
【化1】

【0009】
の化合物である。式中X、YおよびZは以下に定義するものとする。これらの化合物の塩もまた本発明の範疇に含まれる。
[0008]もう1つの側面において本発明は、ケモカイン活性を調節する上で有用な組成物を提供する。1つの態様において本発明による組成物は、本発明による調節薬および医薬的に受容可能な担体または賦形剤を包含する。
【0010】
[0009]なおもう1つの側面において本発明は、本発明による調節薬または組成物の治療有効量を、細胞と接触させることを包含する、細胞におけるケモカイン機能を調節する方法を提供する。
【0011】
[0010]まだもう1つの側面において本発明は、本発明による調節薬または組成物の安全で有効な量を被験者に投与することを包含する、CCR9を介した状態または疾患を治療するための方法を提供する。
【0012】
[0011]本明細書に提供した化合物に加えて本発明はさらに、CCR9のシグナリング活性に伴う疾患を1次的に治療するための、1つまたはそれより多くのこれらの化合物を含有する医薬組成物、ならびに治療法におけるこれらの化合物の使用のための方法を提供する。
【0013】
発明の詳細な説明
(一般)
[0013]本発明は、ケモカイン受容体の機能、特にCCR9の機能の調節に有用な化合物およびそれらの塩、組成物ならびに方法に向けられる。ケモカイン受容体の活性の調節は、本明細書においてそれらの様々な形で使用する場合、特定のケモカイン受容体、好ましくはCCR9受容体に伴う活性の拮抗作用、作動作用、部分的拮抗作用、逆の作動作用、および/または部分的作動作用を包括的に含むことを意図する。したがって本発明の化合物は、哺乳類のCCR9、例えばヒトCCR9タンパク質の少なくとも1つの機能または特性を調節する化合物である。CCR9の機能を調節する化合物の能力は、結合アッセイ(例えばリガンドの結合または作動薬の結合)、遊走アッセイ、シグナリングアッセイ(例えば哺乳類のGタンパク質の活性化、細胞質ゾルのフリーのカルシウム濃度の急速および一時的な増加の誘導)、および/または細胞応答アッセイ(例えば白血球による走化性、エキソサイトーシスまたは炎症仲介物質の放出の刺激)において、示すことができる。
(略語および定義)
[0014]本発明の化合物、組成物、方法および過程について記載する場合、他に指摘がなければ以下の用語は以下の意味を有する。
【0014】
[0015]本発明の化合物、組成物、方法および過程について記載する場合、他に指摘がなければ以下の用語は以下の意味を有する。
[0016]“アルキル”はそれ自体でまたは別の置換基の一部として、指定された炭素原子の数を有する(すなわちC1−8は1から8個の炭素原子を意味する)、直鎖、環式もしくは分枝鎖、またはそれらの組み合わせとしてもよい炭化水素基をいう。アルキル基の例としてメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、シクロヘキシル、シクロペンチル、(シクロヘキシル)メチル、シクロプロピルメチル等を含む。置換されたアルキルの例としてハロアルキル、チオアルキル、アミノアルキル等を含む。
【0015】
[0017]“シクロアルキル”は、指定された数の環を構成する原子(例えばC3−6シクロアルキル)を有し、完全に飽和されているかまたは環の頂点間に1つのみの二重結合を有する炭化水素環をいう。“シクロアルキル”はまた、二環式および多環式の炭化水素環、例えばビシクロ[2,2,1]ヘプタン、ビシクロ[2,2,2]オクタン等をいうことも意味する。
【0016】
[0018]“アルキレン”はそれ自体でまたは別の置換基の一部として、CHCHCHCH−に例示されるように、アルカンから誘導された2価ラジカルを意味する。典型的には8またはそれより少ない炭素原子を有するアルキル(またはアルキレン)基が、本発明においては好ましい。
【0017】
[0019]“アルケニル”は、直鎖、環式もしくは分枝鎖、またはそれらの組み合わせとしてもよい不飽和炭化水素基をいう。2−8個の炭素原子を有するアルケニル基が好ましい。アルケニル基は1、2または3個の炭素―炭素二重結合を含有してもよい。アルケニル基の例として、エテニル、n−プロペニル、イソプロペニル、n−ブト−2−エニル、n−ヘキシ−3−エニル等を含む。
【0018】
[0020]“アルコキシ”および“アルキルチオ”(またはチオアルコキシ)は、それらの従来の意味で使用され、それぞれ酸素原子またはイオウ原子を各々介して分子の残り部分を結合したアルキル基をいう。アルコキシおよびチオアルコキシの例として、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、シクロペンチルオキシ、チオメトキシ等を含む。
【0019】
[0021]“アルキニル”は、直鎖、環式もしくは分枝鎖、またはそれらの組み合わせとしてもよい不飽和炭化水素基をいう。2−8個の炭素原子を有するアルキニル基が好ましい。アルキニル基は1、2または3つの炭素―炭素三重結合を含有してよい。アルキニル基の例として、エチニル、n−プロピニル、n−ブト−2−イニル、n−ヘキシ−3−イニル等を含む。
【0020】
[0022]“アリール”は、単環または、共に融合するもしくは共有結合により連結する多環を有するポリ不飽和芳香族炭化水素基をいう。6−10個の炭素原子を有するアリール基が好ましい。アリール基の例として、フェニルおよびナフタレン−1−イル、ナフタレン−2−イル、ビフェニル等を含む。
【0021】
[0023]“ハロ”または“ハロゲン”はそれ自体でまたは置換基の一部として、塩素、臭素、ヨウ素またはフッ素原子をいう。加えて “ハロアルキル”は、モノハロアルキル基またはポリハロアルキル基、最も典型的には1−3個のハロゲン原子で置換さた基をいう。例として1−クロロエチル、3−ブロモプロピル、トリフルオロメチル等を含む。
【0022】
[0024]“ヘテロシクリル”は、少なくとも1個のヘテロ原子を含有する、飽和または不飽和の非芳香族基をいう。“ヘテロアリール”は、少なくとも1つのヘテロ原子を含有する芳香族基をいう。各ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、利用できるあらゆる環を構成する炭素原子またはヘテロ原子で結合することができる。各ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、1つまたはそれより多くの環を有していてもよい。複数の環が存在する場合、それらは共に融合するか、または共有結合により連結することができる。各ヘテロシクリルおよびヘテロアリールは、窒素、酸素またはイオウから選択される少なくとも1つのヘテロ原子(典型的には1から5個のヘテロ原子)を含有していなければならない。好ましくはこれらの基は0−3個の窒素原子、0−1個のイオウ原子、および0−1個の酸素原子を含有する。飽和および不飽和のヘテロシクリル基の例として、ピロリジン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、1,4−ジオキサン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、3−ピロリジン等を含む。不飽和および芳香族のヘテロシクリル基の例として、ピロール、イミダゾール、チアゾール、オキサゾール、フラン、チオフェン、トリアゾール、テトラゾール、オキサジアゾール、ピラゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、ピリミジン、トリアジン、インドール;ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、ベンゾイミダゾール、ベンゾピラゾール、ベンズチアゾール、キノリン、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリン等を含む。ヘテロシクリル基およびヘテロアリール基は置換されないことも置換されることもできる。置換された基に関して、置換は炭素上またはヘテロ原子上でよい。例えば置換が=Oである場合、得られる基はカルボニル(−C(O)−)またはN−オキシド(−N(O)−)のいずれかを有してよい。
【0023】
[0025]置換されたアルキル、置換されたアルケニル、置換されたアルキニルおよび置換されたシクロルキルに関する適切な置換基として、m’をこのようなラジカルの炭素原子の総数とした場合、0から(2m’+1)までの範囲の数の−ハロゲン、−OR’、−NR’R”、−SR’、−SiR’R”R’”、−OC(O)R’、−C(O)R’、−COR’、−CONR’R”、−OC(O)NR’R”、−NR”C(O)R’、−NR’−C(O)NR”R’”、−NR”C(O)R’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R”、−NR’S(O)R”、−CN、オキソ(=Oまたは−O−)および−NOを含む。
【0024】
[0026]置換されたアリール、置換されたヘテロアリール、および置換されたヘテロシクリルに関する適切な置換基として、0から芳香環系上の結合可能な原子価(open valences)の総数までの範囲の数の、−ハロゲン、置換されていないまたは置換されたアルキル、置換されていないまたは置換されたアルケニル、置換されていないまたは置換されたアルキニル、置換されていないまたは置換されたシクロアルキル、−OR’、オキソ(=Oまたは−O)、−OC(O)R’、−NR’R”、−SR’、−R’、−CN、−NO、−COR’、−CONR’R”、−C(O)R’、−OC(O)NR’R”、−NR”C(O)R’、−NR”C(O)R’、−NR’−C(O)NR”R’”、−NH−C(NH)=NH、−NR’ C(NH)=NH、−NH−C(NH)=NR’、−S(O)R’、−S(O)R’、−S(O)NR’R”、−NR’S(O)R”および−Nを含む。
【0025】
[0027]上で使用する場合R’、R”およびR’”は各々独立して、水素、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−6シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルキニル、置換されていないまたは置換されたアリール、置換されていないまたは置換されたヘテロアリール、置換されていないまたは置換されたヘテロシクリルを含む様々な基をいう。好ましくはR’、R”およびR’”は独立して、水素、置換されていないC1−8アルキル、置換されていないヘテロアルキル、置換されていないアリール、1−3個のハロゲンで置換されたアリール、置換されていないC1−8アルキル、置換されていないC1−8アルコキシ、置換されていないC1−8チオアルコキシの各基、または置換されていないアリール−C1−4アルキル基から選択される様々な基をいう。R’およびR”が同じ窒素原子に結合する場合、これらは窒素原子と合わせて3、4、5、6または7員環を形成することができる(例えば−NR’R”は1−ピロリジニルおよび4−モルホリニルを含む)。
【0026】
[0028]あるいはアリール、ヘテロアリールまたはヘテロシクリル環の隣接する原子上の2つの置換基は、所望により式−T−C(O)−(CH−U−の置換基で置き換えられてもよく、この場合TおよびUは独立して−NR’−、−O−、−CH−、または単結合であり、qは0から2の整数である。あるいはアリールまたはヘテロアリール環の隣接する原子上の2つの置換基は、所望により式−A−(CH−B−の置換基で置き換えられてもよく、この場合AおよびBは独立して、−CH−、−O−、−NR’−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−S(O)NR’−、または単結合であり、rは1から3の整数である。そのように形成された新しい環の単結合の1つが、所望により二重結合に置き換えられてもよい。あるいはアリール環またはヘテロアリール環の隣接する原子上の2つの置換基は、所望により式−(CH−X−(CH−の置換基で置き換えられてもよく、この場合sおよびtは独立して0から3の整数であり、Xは−O−、−NR’−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、または−S(O)NR’−である。−NR’−および−S(O)NR’−の置換基R’は、ハロゲンまたは置換されていないC1−6アルキルから選択される。
【0027】
[0029]“ヘテロ原子”は、酸素(O),窒素(N),イオウ(S)およびシリコン(Si)を含むことを意味する。
[0030]“医薬的に受容可能な”担体、希釈剤、または賦形剤は、製剤の他の成分と適合し、そのレシピエントに有害でない担体、希釈剤、または賦形剤である。
【0028】
[0031]“医薬的に受容可能な塩”は患者、例えば哺乳類への投与に対して受容可能な塩(例えば与えられた投与計画に関して受容可能な哺乳類の安全性を有する塩)をいう。このような塩は、当明細書に記載の化合物に見出される特定の置換基に依存して、医薬的に受容可能な無機塩基または有機塩基、および医薬的に受容可能な無機酸または有機酸から誘導することができる。本発明の化合物が相対的に酸性の機能性を含有する場合、ニートまたは適切な不活性溶媒中のいずれかで十分量の所望の塩基と、中性の形のこのような化合物を接触させることにより、塩基付加塩を得ることができる。医薬的に受容可能な無機塩基から誘導される塩として、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン、亜マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等の塩を含む。医薬的に受容可能な有機塩基から誘導される塩として、置換されたアミン、環式アミン、天然に生成されるアミン等を含む、第一級、第二級、第三級、および第四級のアミン、例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2-ジエチルアミノエタノール、2-ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン(hydrabamine)、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等の塩を含む。本発明の化合物が相対的に塩基性の機能性を含有する場合、ニートまたは適切な不活性溶媒中のいずれかで十分量の所望の酸と、中性の形のこのような化合物を接触させることにより、酸付加塩を得ることができる。医薬的に受容可能な酸から誘導される塩として、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルクロン酸、グルタミン酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩化水素酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、ナフタレンスルホン酸、ニコチン酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等の塩を含む。
【0029】
[0032]アミノ酸の塩 例えばアルギネート(arginate)等、およびグルクロン酸またはガラクツロン酸等のような有機酸の塩もまた含む(例えばBerg, S.M., et al., “Pharmaceutical Salts”, J. Pharmaceutical Science, 1977, 66: 1-19を参照のこと)。本発明のある種の特定の化合物は、同化合物を塩基付加塩または酸付加塩のいずれかに変換させることのできる、塩基性および酸性双方の機能性を含有する。
【0030】
[0033] 中性の形の化合物は、塩基または酸とこの塩を接触させ、そして従来の方法で親化合物を単離することにより再生成してもよい。該化合物の親化合物の形は、ある種の物理的特性、例えば極性溶媒中の溶解度、において様々な塩の形とは異なるが、それ以外の点では本発明の目的に関して、これらの塩は該化合物の親化合物の形と均等である。
【0031】
[0034]“その塩”は、酸の水素がカチオン、たとえば金属カチオンまたは有機カチオン等で置き換えられる時に形成される化合物をいう。好ましくは塩は医薬的に受容可能であるが、患者への投与を意図していない中間化合物の塩についてはこの必要はない。
【0032】
[0035]塩の形に加えて、本発明はプロドラッグの形である化合物を提供する。当明細書に記載した化合物のプロドラッグは、生理学的条件下で容易に化学変化を起こし、本発明の化合物を提供する化合物である。加えてプロドラッグは、ex vivo の環境で化学的方法または生化学的方法により本発明の化合物に変換させることができる。例えばプロドラッグは、経皮パッチの貯蔵部分に適切な酵素または化学的試薬と共に設置した場合に、本発明の化合物に緩やかに変換させることができる。
【0033】
[0036]“治療有効量”は、治療を必要とする患者に投与する場合に治療を達成するのに十分な量をいう。
[0037]“治療すること”または“治療”は当明細書で使用する場合、以下の項目:
[0038]疾患もしくは医学的状態の改善、すなわち患者の疾患もしくは医学的状態の除去もしくは緩解を起こすこと;
[0039]疾患もしくは医学的状態の抑制、すなわち患者の疾患もしくは医学的状態の発症の遅延または阻止;または
[0040]患者の疾患もしくは医学的状態の症状の軽減
を含む、患者、例えば哺乳類(特にヒトまたは愛玩動物)、の疾患または医学的状態(例えば細菌感染)を治療することまたは治療をいう。
【0034】
[0041]本発明のある種の化合物は、溶媒和していない形、ならびに水和した形を含む溶媒和した形で存在することができる。一般に溶媒和した形および溶媒和していない形の双方とも、本発明の範疇に包括的に含むことを意図する。本発明のある種の化合物は、複数の結晶形またはアモルファスの形で(すなわち多型として)存在してもよい。一般にすべての物理的な形は、本発明の考慮する使用に関して均等であり、本発明の範疇であることを意図する。
【0035】
[0042]本発明のある種の化合物は非対称の炭素原子(光学中心)または二重結合を有する;ラセミ化合物、ジアステレオマー、幾何学異性体および個々の異性体(例えば個々のエナンチオマー)はすべて、本発明の範疇に包括的に含むことを意図する。本発明の化合物はまた、このような化合物を構成する1つまたはそれより多くの原子に、原子の同位体という天然にはない特性を含有してもよい。例えば該化合物は放射性同位体、例えばトリチウム(H)、ヨウ素−125(125I)または炭素−14(14C)で放射能標識してもよい。本発明の化合物のすべての同位体のバリエーションは、放射性であるかどうかにかかわらず、本発明の範疇に包括的に含むことを意図する。
【0036】
(CCR9活性を調節する化合物)
[0043]本発明はCCR9活性を調節する化合物を提供する。特に本発明は、特異的に抗炎症または免疫調節の活性を有する化合物を提供する。本発明の化合物は、ケモカイン受容体機能を特異的に調節または阻害することにより、不適当なT細胞の輸送を妨げると考えられる。ケモカイン受容体は、細胞外のリガンド 例えばケモカインと相互作用する膜タンパク質の総体であり、リガンドに対する細胞応答、例えば走化作用、増加された細胞内カルシウムイオン濃度、等を仲介する。したがってケモカイン受容体機能を調節する、例えばケモカイン受容体とリガンドとの相互作用を妨げることで、ケモカイン受容体を介した応答を調節し、ケモカイン受容体を介した状態または疾患を治療または予防することになる。ケモカイン受容体の機能の調節には、機能の誘導および阻害の双方を含む。達成される調節のタイプは化合物の特性、すなわち拮抗薬、または完全作動薬、部分作動薬もしくは反作動薬かに依存することになる。
【0037】
[0044]特定の理論に拘束する意図はないが、当明細書で提供する化合物は、ケモカイン受容体および1つまたはそれより多くのコグネイトリガンド間の相互作用の妨害すると考えられる。特に該化合物はCCR9およびCCR9リガンド、例えばTECK、間の相互作用を妨げると考えられる。本発明の考慮する化合物は、当明細書に提供した例示化合物およびそれらの塩を含むが、これらに限定されない。
【0038】
[0045]例えば本発明の化合物は強力なCCR9拮抗薬として作用するが、この拮抗作用の活性を、CCR9の特徴的疾患状態の1つである、炎症に関する動物試験でさらに確認した。したがって当明細書に提供する化合物は、医薬的組成物、CCR9を介した疾患の治療のための方法において、および競合性CCR9拮抗薬の同定に関するアッセイのコントロールとして有用である。
【0039】
(癌の治療としてのCCR9拮抗薬)
[0046]炎症性疾患に加えて、T細胞のコントロールされない増殖により引き起こされる癌は、CCR9拮抗薬で治療してもよい。ある種のタイプの癌は、ケモカイン受容体CCR9を発現するT細胞により引き起こされる。例えば胸腺腫および胸腺癌は、リンパ球の分化が起こる臓器である胸腺の組織中に癌細胞が見出される疾患である。胸腺細胞と言われる胸腺中のT細胞は、機能的CCR9を発現することが知られている;これのリガンドは胸腺中で高レベルで発現される。もう1つの例は、急性リンパ芽球性白血病、および急性白血病とも言われる急性リンパ性白血病(ALL)であり、小児ならびに成人において発症し得る一般的な白血病である。最近の研究は、ALLの患者のT細胞は選択的に高レベルのCCR9を発現することを示した (Qiuping Z et al., Cancer Res. 2003, 1; 63(19): 6469-77)。
【0040】
[0047]ケモカイン受容体は癌に関与していた。ケモカイン受容体を伴う正確な機序はまた完全には理解されていないが、このような受容体は癌細胞の成長(増殖)を促進し、癌細胞の広がること(転移)を促進し、または癌細胞がプログラム細胞死(アポトーシス)を阻止する手助けをすることが知られている。例えば癌T細胞株MOLT−4中のCCR9は、癌細胞のアポトーシスを阻止する生存シグナルを癌細胞に提供する(Youn BS, et al., Apoptosis. 2002 Jun; 7(3): 271-6)。胸腺腫、胸腺癌、および急性リンパ性白血病のケースにおいて、CCR9はこれらの細胞の生存および増殖の鍵となる役割を担っているようである。したがってCCR9のシグナリングを遮断することは、これらの拡大および転移を予防する手助けとなるはずである。
(本発明の調節薬)
[0048]本発明の調節薬は以下の式(I)の化合物、またはその塩である:
【0041】
【化2】

【0042】
[0049]Lは−C(O)−、−S−、−S(O)−または−S(O)−である。
[0050]Xは、ハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−O(CO)R、−C(O)NR、−OC(O)NR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)、−NRSO、−NR(CO)NR、置換されていないC2−8アルキル、置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルキニル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないまたは置換された6から10員アリール、置換されていないまたは置換された5から10員ヘテロアリール、および置換されていないまたは置換された3から10員ヘテロシクリルからなる群から独立して選択される、1から4個の置換基を表す。
【0043】
[0051]R、RおよびRは、水素、置換されていないまたは置換されたC1−6ハロアルキル、置換されていないまたは置換されたC1−6アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−6シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルキニル、置換されていないまたは置換された6から10員アリール、置換されていないまたは置換された5から10員ヘテロアリール、置換されていないまたは置換されたアリール−C1−4アルキル、置換されていないまたは置換されたアリール−C1−4アルキル、および置換されていないまたは置換されたアリールオキシ−C1−4アルキルからなる群から各々独立して選択される;またはR、RおよびRの2つがそれらの結合する原子(単数または複数)と共に置換されていないまたは置換された1つの5、6または7員環を形成してもよい。
【0044】
[0052]Yは、ハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−SR、−SOR、−SO、および置換されていないまたは置換されたC1−4アルキルからなる群から各々独立して選択される、1から3個の置換基を表す。
【0045】
[0053]Rは、水素、置換されていないまたは置換されたC1−6ハロアルキル、置換されていないまたは置換されたC1−6アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−6シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルケニル、および置換されていないまたは置換されたC2−6アルキニルからなる群から選択される。
【0046】
[0054]Zは、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルキニル、置換されていないまたは置換されたC1−8アルコキシ、=O、−CN、−NO、−OH、−OR、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−OC(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NRSO、置換されていないまたは置換された6から10員アリール、置換されていないまたは置換されたヘテロアリール、および置換されていないまたは置換されたヘテロシクリルからなる群から独立して選択される0から5個の置換基を表す。
【0047】
[0055]R、RおよびRは各々独立して、水素、置換されていないまたは置換されたC1−6ハロアルキル、置換されていないまたは置換されたC1−6アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−6シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルキニル、置換されていないまたは置換されたフェニル、置換されていないまたは置換されたヘテロアリール、置換されていないまたは置換されたアリール−C1−4アルキル、および置換されていないまたは置換されたアリールオキシ−C1−4アルキルである;またはここで、R、RおよびRのいずれか2つが、それらの結合する原子(単数または複数)と共に、1つの5、6または7員環を形成してもよい。
(好ましいL置換基)
[0056]Lは、好ましくは−C(O)−である。
(好ましいX置換基)
[0057]1つの態様において少なくとも1つのX置換基は好ましくは、式(I)に定義したようなスルホンアミド結合に対してパラ、メタ、オルトに位置する。
【0048】
[0058]もう1つの態様においてXは好ましくは、ハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−O(CO)R、−OC(O)NR、−SR、−SOR、−SO、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)、−NR(CO)NR、置換されていないC2−8アルキル、置換されたC1−8アルキル、置換されていないもしくは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないもしくは置換されたC2−8アルキニル、置換されていないもしくは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないもしくは置換された6から10員アリール、置換されていないもしくは置換された5もしくは6員ヘテロアリール、または置換されていないもしくは置換された3から7員ヘテロシクリルからなる群から独立して選択される、1から3個の置換基を表す。
【0049】
[0059]もう1つの態様において少なくとも1つのXは好ましくは、置換されていないC2−8アルキル、置換されていないC3−8シクロアルキル、置換されていないC2−8アルケニル、または置換されていないC2−8アルキニルである。
【0050】
[0060]もう1つの態様において少なくとも1つのXは、置換されたC1−8アルキル、置換されたC3−8シクロアルキル、置換されたC2−8アルケニル、または置換されたC2−8アルキニルであり、各々が、ハロゲン、−OH、−CN、−NO、=O、−OC(O)R、−OR、−C(O)R、−CONR、−OC(O)NR、−NRC(O)R、−NR(CO)NR、−CO、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NRSO、置換されていないまたは置換された6から10員アリール、置換されていないまたは置換された5から10員ヘテロアリール、および置換されていないまたは置換された3から10員ヘテロシクリルからなる群から独立して選択される、1から5個の置換基を有する。
【0051】
[0061]もう1つの態様において、少なくとも1つのXは置換されたC1−8アルキルであり、ハロゲン、−OH、−CN、=O、−OC(O)R、−OR、−C(O)R、−CONR、−NRC(O)R、−CO、−NR、−SO、置換されていないまたは置換されたフェニル、および置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリールからなる群から独立して選択される、1から3個の置換基を有する。
【0052】
[0062]もう1つの態様において少なくとも1つのXは、置換されていないもしくは置換された6から10員アリール、置換されていないもしくは置換された5から10員ヘテロアリール、または置換されていないもしくは置換された3から10員ヘテロシクリルであって、Xが置換されている時は、Xは、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、−CN、−NO、−OH、−OR、=O、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−OC(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−SONR、および−NRSOからなる群から独立して選択される1から4個の置換基を有する。
【0053】
[0063]もう1つの態様において少なくとも1つのXは、置換されていないまたは置換されたフェニルであって、Xが置換されている時は、Xは、ハロゲン、−OH、−OR、−C(O)R、−CONR、−NRC(O)R、−NR、−SO、および置換されていないまたは置換されたC1−8アルキルからなる群から独立して選択される、1から3個の置換基を有する。
【0054】
[0064]もう1つの態様において少なくとも1つのXは、置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリールであって、Xが置換されている時は、Xは、ハロゲン、−OH、−OR、−C(O)R、−CONR、−NRC(O)R、−NR、−SO、および置換されていないまたは置換されたC1−8アルキルからなる群から独立して選択される1から3個の置換基を有する。
【0055】
[0065]もう1つの態様において少なくとも1つのXは、置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリルであって、Xが置換されている時は、Xは、C1−8アルキル、−OR、−OH、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−NR、−SO、および−NRSOからなる群から独立して選択される、1から3個の置換基を有する。
【0056】
[0066]R、RおよびRが置換されている場合、R、RおよびRは好ましくはハロゲン、−OH、−OR’、−OCOHNR’、−OCONR’、−SH、−SR’、−SONH、−CONH、−NHC(O)NH、−NR’C(O)NH、−COH、−CN、−NO、−NH、−NHR’および−NR’、−S(O)R’、−S(O)R’、 −COR’、−CONR’、−CONHR’、 −C(O)R’、−NR’COR’、−NHCOR’、−NR’COR’、 −NHCOR’、−COR’、−NR’C(O)NR’、−NHC(O)NR’、−NR’C(O)NHR’、−NHC(O)NHR’、 −NR’SOR’、−NHSOR’、−SONR’、および−SONHR’からなる群から独立して選択される1から3個の置換基を有することができ、その場合R’はC1−6アルキルである。
【0057】
(好ましいY置換基)
[0067]1つの態様においてYは、ハロゲン、−CN、−OR、−C(O)R、−SR、−CF、−SOR、および−SOからなる群から独立して選択される1から3個の置換基を表す。
【0058】
[0068]もう1つの態様においてYは好ましくは、ハロゲン、−CN、−CF、および−SOからなる群から独立して選択される1から3個の置換基を表す。
[0069]もう1つの態様において、少なくとも1つのYは好ましくはハロゲンを表す。
【0059】
[0070]もう1つの態様においてYは好ましくは、ハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−SR、−SOR、−SO、および置換されていないまたは置換されたC1−4アルキルからなる群から各々独立して選択される、1から2個の置換基を表す。
【0060】
[0071]もう1つの態様において、1つのYが好ましくは1つのハロゲンを表し、もう1つの置換基は、ハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−SR、−SOR、−SO、および置換されていないまたは置換されたC1−4アルキルからなる群から選択される。
【0061】
[0072]もう1つの態様において、少なくとも1つのY置換基は好ましくは式(I)に定義したようなスルホンアミド結合に対してパラに位置し、もう1つのY置換基はハロゲンである。
【0062】
[0073]もう1つの態様において少なくとも1つのYは、好ましくは置換されていないC1−4アルキルである。
[0074]もう1つの態様において、少なくとも1つのYは好ましくは置換されたC1−4アルキルであり、ハロゲン、−OH、−OR、−CN、−NO、=O、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−OC(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)R、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−SONR、および−NRSOからなる群から独立して選択される1から3個の置換基を有し、
[0075]その場合R、RおよびRは、水素、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−6アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−6シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルケニル、および置換されていないまたは置換されたC2−6アルキニルからなる群から各々独立して選択される;またはその場合、R、RおよびRのいずれか2つが、それらの結合する原子(単数または複数)と共に、1つの5、6または7員環を形成してもよい。
【0063】
[0076]もう1つの態様において、Yは好ましくは置換されたC1−4アルキルであり、ハロゲン、−OH、−OR、−CN、−NO、=O、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−NRC(O)R、−NR、−NR、−SR、−SOR、−SO、および−NRSOからなる群から独立して選択される1から3個の置換基を有する。
【0064】
[0077]R、RおよびRが置換されている場合、R、RおよびRは好ましくは−OH、−OR’、−SH、−SR’、−SONH、−CONH、−NHC(O)NH、−N(C1−6アルキル)C(O)NH、−COH、−CN、−NO、−NH、−NHR’、−NR’、−S(O)R’、−S(O)R’、 −COR’、 −CONHR’、−CONR’、および−C(O)R’からなる群から独立して選択される1から3個の置換基を有することができ、その場合R’はC1−6アルキルである。
【0065】
(好ましいZ置換基)
[0078]1つの態様においてZは好ましくは、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルキニル、置換されていないまたは置換されたC1−8アルコキシ、=O、−CN、−NO、−OH、−OR、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−NRC(O)R、−NR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NRSO、置換されていないまたは置換されたフェニル、置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリール、および置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリルからなる群から独立して選択される、0から3個の置換基を表す。
【0066】
[0079]もう1つの態様においてZは好ましくは、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−6アルキル、置換されていないまたは置換されたC1−6アルコキシ、=O、−CN、−NO、−OH、−OR、−C(O)R、−CONR、−NRC(O)R、−NR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NRSO、置換されていないまたは置換されたフェニル、置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリル、および置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリールからなる群から独立して選択される0から2個の置換基を表す。
【0067】
[0080]もう1つの態様において少なくとも1つのZは好ましくは、置換されていないC1−8アルキル、置換されていないC3−8シクロアルキル、置換されていないC2−8アルケニル、置換されていないC2−8アルキニル、または置換されていないC1−8アルコキシ、置換されていない6から10員アリール、置換されていない3から7員ヘテロシクリル、および3から7員ヘテロアリールである。
【0068】
[0081]もう1つの態様において少なくとも1つのZは好ましくは、置換されたC1−8アルキル、置換されたC3−8シクロアルキル、置換されたC2−8アルケニル、置換されたC2−8アルキニル、または置換されたC1−8アルコキシであり、各々が、ハロゲン、−OH、−OR、−CN、−NO、=O、−CN、−NO、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−OC(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NRSO、置換されていないもしくは置換されたフェニル、置換されていないもしくは置換された5もしくは6員ヘテロアリール、または置換されていないもしくは置換された3から6員ヘテロシクリルからなる群から独立して選択される1から5個の置換基を有する。
【0069】
[0082]R、RおよびRが置換されている場合、R、RおよびRは好ましくは、ハロゲン、−OH、−OR’、−OCONHR’、−OCONR’、−SH、−SR’、−CN、−SONH、−CONH、−NHC(O)NH、−NR’C(O)NH、−COH、−NO、−NH、−NHR’および−NR’、−S(O)R’、−S(O)R’、 −COR’、−CONR’、−CONHR’、 −C(O)R’、−NR’COR’、−NHCOR’、−NR’COR’、 −NHCOR’、−COR’、−NR’C(O)NR’、−NHC(O)NR’、−NR’C(O)NHR’、−NHC(O)NHR’、−NR’SOR’、−NHSOR’、−SONR’、および−SONHR’からなる群から独立して選択される1から3個の置換基を有することができ、その場合R’はC1−6アルキルである。
(好ましい調節薬)
[0083]本発明の調節薬は好ましくは以下の式のものである:
【0070】
【化3】

【0071】
[0084]X’およびX”は、水素、ハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−O(CO)R、−C(O)NR、−OC(O)NR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)、−NRSO、−NR(CO)NR、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルキニル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないまたは置換された6から10員アリール、置換されていないまたは置換された5から10員ヘテロアリール、および置換されていないまたは置換された3から10員ヘテロシクリルからなる群から各々独立して選択される、ただしX’およびX”の一方が水素である場合、他方は水素または置換されていないメチルではないものとする。
【0072】
[0085]R、RおよびRは、水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、6から10員アリール、5から10員ヘテロアリール、アリール−C1−4アルキル、アリール−C1−4アルキル、およびアリールオキシ−C1−4アルキルからなる群から各々独立して選択される;またはR、RおよびRの2つがそれらの結合する原子(単数または複数)と共に1つの5、6または7員環を形成してもよい。
【0073】
[0086]Y’およびY”は、水素、ハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−SR、−SOR、−SO、および置換されていないまたは置換されたC1−4アルキルからなる群から各々独立して選択される、ただしY’およびY”の双方が同時に水素であることはできないものとする。
【0074】
[0087]Rは、水素、置換されていないまたは置換されたC1−6アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−6シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルケニル、および置換されていないまたは置換されたC2−6アルキニルからなる群から選択される。
【0075】
[0088]Z’およびZ”は、水素、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルキニル、置換されていないまたは置換されたC1−8アルコキシ、=O、−CN、−NO、−OH、−OR、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−OC(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NRSO、置換されていないまたは置換された6から10員アリール、置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリール、および置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリルからなる群から各々独立して選択される。
【0076】
[0089]R、RおよびRは各々独立して、水素、置換されていないまたは置換されたC1−6アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−6シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルキニル、置換されていないまたは置換されたフェニル、置換されていないまたは置換されたヘテロアリール、置換されていないまたは置換されたアリール−C1−4アルキル、および置換されていないまたは置換されたアリールオキシ−C1−4アルキルである;またはここで、R、RおよびRのいずれか2つが、それらの結合する原子(単数または複数)と共に、1つの5、6または7員環を形成してもよい。
【0077】
[0090]1つの態様においてX’およびX”は、水素、ハロゲン、−CN、−OR、−C(O)R、−SO、−NR、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないまたは置換されたフェニル、置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリール、および置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロシクリルからなる群から各々独立して選択される、ただしX’およびX”の一方が水素である場合、他方は水素または置換されていないメチルではないものとする。
【0078】
[0091]もう1つの態様においてX’およびX”は、水素、ハロゲン、−CN、−CF、−CH=CH、イソアミル、フェニルアセチレン、t−ブチル、エチル(Et)、i−プロピル(Pr)、−C(CHCHCH、ヒドロキシブチル、−C(CHCHCHOH、−CHCHCOMe、−OCF、−OMe、−O−Pr、−C(O)Me、−SOMe、フェニル(Ph)、−OEt、ピラゾール、チオフェン、アミノピリジン、オキサゾール、およびモルホリニルからなる群から各々独立して選択される、ただしX’およびX”の双方が同時に水素であることはできないものとする。
【0079】
[0092]1つの態様においてY’およびY”は、各々独立して水素またはハロゲンである、ただし一方または双方がハロゲンであるものとする。
[0093]もう1つの態様においてY’は水素であり、Y”はクロロまたはブロモである。
【0080】
[0094]もう1つの態様において、Y’またはY”の少なくとも一方が1つのハロゲン原子であり、式(I)のスルホンアミド結合に対してオルトまたはメタまたはパラである。
[0095]1つの態様においてZ’およびZ”は、水素、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−OC(O)R、−CONR、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−NRSO、−SONR、置換されていないまたは置換されたフェニル、および置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリール、置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリルからなる群から各々独立して選択される。
【0081】
[0096]もう1つの態様においてZ’およびZ”は各々独立して、水素、ハロゲン、−CN、−OR、−NR、−SR、−SOR、および−SO、置換されていないもしくは置換されたC1−6アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたC1−6アルキル、置換されていないもしくは置換されたフェニル、または置換されていないもしくは置換された5もしくは6員ヘテロシクリルである。
【0082】
(公知の化合物)
[0097]以下の化合物は公知であるがケモカイン調節薬としてではない、より具体的にはCCR9調節薬としてではない(これらの化合物は式(I)の調節薬から明確に除外される):
・N−(2−ベンゾイル−4−メチルフェニル)−4−クロロ−ベンゼンスルホンアミド;
・N−(2−ベンゾイルフェニル)−3,5−ビス(トリフルオロメチル)−ベンゼンスルホンアミド;
・N−(4−アミノ−2−ベンゾイルフェニル)−4−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド;
・N−[4−[[(2−ベンゾイル−4−クロロフェニル)アミノ]スルホニル]フェニル]−アセトアミド;
・N−(2−ベンゾイル−4−クロロフェニル)−4−エチル−ベンゼンスルホンアミド;
・N−(2−ベンゾイルフェニル)−4−クロロ−ベンゼンスルホンアミド;
・N−(2−ベンゾイル−4−クロロフェニル)−2,5−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミド;
・N−(2−ベンゾイル−4−クロロフェニル)−2,4,6−トリメチル−ベンゼンスルホンアミド;
・N−(2−ベンゾイル−4−クロロフェニル)−2,4,6−トリス(1−メチルエチル)−ベンゼンスルホンアミド;
・N−(2−ベンゾイル−4−クロロフェニル)−4−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド;
・N−(2−ベンゾイル−4−クロロフェニル)−4−トリシクロ[3.3.1.13,7]デシ−1−イル−ベンゼンスルホンアミド;
・N−(2−ベンゾイル−4−クロロフェニル)−2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミド;
・N−(2−ベンゾイル−4−クロロフェニル)−4−ブロモ−ベンゼンスルホンアミド;
・N−(2−ベンゾイル−4−クロロフェニル)−4−クロロ−ベンゼンスルホンアミド;
・N−(2−ベンゾイル−4−クロロフェニル)−4−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド;
・N−[4−ブロモ−2−(2−フロオロベンゾイル)フェニル]−3,4−ジメトキシ−ベンゼンスルホンアミド;
・N−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−4−(2−プロペニルオキシ)−ベンゼンスルホンアミド;
・N−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−3,4−ジメトキシ−ベンゼンスルホンアミド;
・N−[4−クロロ−2−(2−クロロベンゾイル)フェニル]−2,5−ジメトキシ−ベンゼンスルホンアミド;
・2−アミノ−N−(2−ベンゾイル−4−メチルフェニル)−ベンゼンスルホンアミド;
・N−(2−ベンゾイル−5−メチルフェニル)−N,4−ジメチル−ベンゼンスルホンアミド;
・2−アミノ−2’−ベンゾイル−4’−クロロ−ベンゼンスルホンアニリド。
【0083】
[0098]本発明の調節薬は、好ましくは以下の条件の化合物を除外する:
・Lがカルボニルであり、少なくとも1つのXが2−または4−メトキシであり、Yが4−ハロであり、そしてZが2−ハロまたは水素である。
・Lがカルボニルであり、少なくとも1つのXが4−メトキシであり、Yが4−アミノであり、そしてZが水素である。
・Lがカルボニルであり;Xが2,4,6−トリアルキル、4−エチル、または4−アセトアミドであり;Yが4−クロロであり;そしてZが水素である。
・Lがカルボニルであり、Xが2−アミノであり、Yが4−アミノまたは4−クロロであり;そしてZが水素である。
・Lがカルボニルであり;Xが4−ハロであり;Yが水素、4−クロロまたは4−メチルであり;そしてZが水素である。
・Lがカルボニルであり;Xが2−クロロであり;Yが4−クロロであり;そしてZが2−クロロである。
【0084】
(CCR9活性を調節する組成物)
[0099]もう1つの側面において、本発明はCCR9活性を調節する組成物を提供する。一般に、ヒトおよび動物におけるケモカイン受容体活性を調節するための組成物は、医薬的に受容可能な賦形剤または希釈剤、および式(I)として上に提供した式を有する化合物を包含するものとする。
【0085】
[00100]当明細書で使用する場合“組成物”という用語は、特定の成分を特定の量で包含する製品、ならびに特定の成分の特定の量での併用に直接または間接的に由来するあらゆる製品を包括的に含むことを意図する。“医薬的に受容可能な”により、担体、希釈剤または賦形剤が製剤中の他の成分と適合しなければならず、そのレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
【0086】
[00101]本発明の化合物の投与のための医薬組成物は、ユニット投与量の剤形で使いやすいように提供してもよく、薬学分野で公知のいずれの方法で調製してもよい。すべての方法は、1つまたはそれより多くの付加的な成分を構成する担体と共に活性成分を合わせるステップを含む。一般に医薬組成物は活性成分を、液体の担体または微細に分割された固体の担体またはその双方と共に均一および完全に合わせることにより調製し、その後必要であれば所望の剤形に製品を成型する。医薬組成物において活性な目的の化合物は、疾患の進行または状態に所望の効果をもたらすために十分な量で含まれる。
【0087】
[00102]活性成分を含有する医薬組成物は、経口投与に適する剤形、例えば錠剤、トローチ、ロゼンジ、水溶性または油性の懸濁液、分散可能な粉末または顆粒、エマルジョンおよび米国特許出願20020012680に記載されているような自己乳化(剤)(self emulsifications)、ハードカプセルもしくはソフトカプセル、またはシロップもしくはエリキシルとしてよい。経口使用を意図する組成物は、医薬組成物の製造に関する技術分野に公知のあらゆる方法により調製してよい。このような組成物は、医薬的に洗練された味のよい調製剤を提供するために、甘味剤、芳香剤、着色剤、および保存剤から選択される1つまたはそれより多くの物質を含有してよい。錠剤は、錠剤の製造に適する非毒性の医薬的に受容可能な賦形剤と混合して活性成分を含有する。これらの賦形剤は、例えば不活性の希釈剤 例えばセルロース、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、グルコース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、リン酸カルシウム、またはリン酸ナトリウム;顆粒化剤および崩壊剤用に 例えばコーンスターチまたはアルギン酸;結合剤 例えばPVP、セルロース、PEG、スターチ、ゼラチンまたはアカシア、および滑剤 例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクとしてよい。錠剤はコーティングしなくてもよいし、あるいは胃消化管での崩壊および吸収を遅延させ、それにより長時間にわたる持続的な作用を提供するための、腸溶性またはその他の公知の技術によりコーティングしてもよい。例えば徐放性物質 例えばグリセリルモノステアレートまたはグリセリルジステアレートを使用してもよい。錠剤はまた、米国特許第4,256,108;4,166,452;および4,265,874に記載の技術によりコーティングし、コントロールされた放出のための浸透性治療用錠剤を形成してもよい。
【0088】
[00103]経口使用のための製剤はまた、活性成分を不活性の固体希釈剤 例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合するハードゼラチンカプセルとして、または活性成分を水もしくはオイルの媒体 たとえばピーナッツオイル、流動パラフィンもしくはオリーブオイルと混合するソフトゼラチンカプセルとして提供してもよい。加えてエマルジョンは、水混和性ではない成分 例えばオイルと共に調製し、界面活性剤 例えばモノ−ジグリセリド、PEGエステル等を用いて安定化させることができる。
【0089】
[00104]水溶性懸濁液は、水性懸濁液の製造に適する賦形剤と混合して活性物質を含有する。このような賦形剤として懸濁剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリドン、トラガカントゴム、アカシアゴムがあり;分散剤または湿潤剤は、天然に生成されるホスファチド 例えばレシチン、または酸化アルキレンと脂肪酸との縮合物 例えばポリオキシエチレンステアレート、または酸化エチレンと長鎖脂肪酸アルコールとの縮合物 例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、または酸化エチレンと、脂肪酸およびヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合物 例えばポリエチレンソルビトールモノオレエート、または酸化エチレンと、脂肪酸およびヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合物 例えばポリエチレンソルビタンモノオレエートとしてよい。水溶性懸濁液はまた、1つまたはそれより多くの保存剤 例えばエチルまたはn−プロピル、P−ヒドロキシ安息香酸エステル、1つまたはそれより多くの着色剤、1つまたはそれより多くの芳香剤、および1つまたはそれより多くの甘味剤 例えばスクロースまたはサッカリンを含有してよい。
【0090】
[00105]油性懸濁液は、活性成分を植物油、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油もしくはココナッツ油、または鉱物油 例えば流動パラフィンに懸濁させることにより製剤化してよい。油性懸濁液は増粘剤、例えばビーズワックス、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含有してよい。甘味剤、例えば上述の物質、および芳香剤を加えて、味のよい経口調製剤を提供してよい。これらの組成物は抗酸化剤 例えばアスコルビン酸を加えることにより保存してよい。
【0091】
[00106]水を加えることによる水溶性懸濁液の調製に適する分散可能な粉末および顆粒は、活性成分を、分散剤または湿潤剤、懸濁剤および1つまたはそれより多くの保存剤と混合して提供する。適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤は、既に上に述べた物質を例として挙げられる。付加的な賦形剤、例えば甘味剤、芳香剤および着色剤もまた含めてもよい。
【0092】
[00107]本発明の医薬組成物はまた、水中油滴型エマルジョンの剤形としてもよい。油相は、植物油 例えばオリーブ油もしくはラッカセイ油、または鉱物油 例えば流動パラフィン、またはこれらの混合物としてよい。適切な乳化剤は、天然に生成されるゴム 例えばアカシアゴムまたはトラガカントゴム、天然に生成されるホスファチド 例えば大豆、レシチン、および脂肪酸とヘキシトール無水物から誘導されるエステルまたは部分エステル 例えばソルビタンモノオレエート、および前記部分エステルと酸化エチレンとの縮合物 例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートとしてよい。エマルジョンはまた甘味剤および芳香剤を含有してもよい。
【0093】
[00108]シロップおよびエリキシルは甘味剤、例えばグリセロール、ポリエチレングリコール、ソルビトールまたはスクロースを用いて製剤化してよい。このような製剤はまた、粘滑剤、保存剤、ならびに芳香剤および着色剤を含有してもよい。経口用溶液は、例えばシクロデキストリン、PEGおよび界面活性剤と組み合わせて調製することができる。
【0094】
[00109]該医薬組成物は、滅菌した注射可能な水溶性または油性の懸濁液の剤形としてよい。本懸濁液は、上述の適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて公知の技術により製剤化してよい。滅菌した注射可能な調製剤はまた、非毒性の非経口的に受容可能な希釈液または溶媒中の滅菌した注射可能な溶液または懸濁液、例えば1,3−ブタンジオール中の溶液としてもよい。使用してよい受容可能なビヒクルおよび溶媒として、水、リンガー溶液および等張の塩化ナトリウム溶液がある。加えて滅菌、無菌(axed)の油も、溶媒または懸濁液の媒体として従来のように使用する。この目的のため、合成のモノグリセリドまたはジグリセリドを含むあらゆる非刺激性不揮発性の油を使用してよい。加えて脂肪酸 例えばオレイン酸は、注射可能な調製剤中への使用が認められている。
【0095】
[00110]本発明の化合物はまた、薬剤の直腸投与用の坐剤の剤形で投与してもよい。これらの組成物は、通常温度では固体であるが直腸の温度では液体であるため、直腸内で溶けて薬剤を放出することになる、適切な非刺激性の賦形剤と薬剤を混合することにより調製することができる。このような材料としてココアバターおよびポリエチレングリコールがある。加えて該化合物は、溶液または軟膏による視覚的な送達により投与することができる。なおさらに本題の化合物の経皮送達は、イオントフォレーシスパッチ等の方法により達成することができる。
【0096】
[00111]局所使用のためには、本発明の化合物を含有するクリーム、軟膏、ジェル、溶液または懸濁液を使用する。当明細書で使用する場合、局所投与はまた口腔洗浄液およびうがい薬の使用を含むことを意味する。
【0097】
[00112]本発明の医薬組成物および方法はさらに、当明細書に指摘したように治療上活性な他の化合物、例えば上述の病理学的状態の治療に適用する薬剤を包含してもよい。
(CCR9を介した状態または疾患を治療する方法)
[00113]なおもう1つの側面において本発明は、CCR9を介した状態または疾患を有する被験者に、上の式(I)のあらゆる化合物の治療有効量を投与することにより、このような状態または疾患を治療または予防する方法を提供する。本方法に使用するための化合物として、式(I)による化合物、態様として上に提供したもの、以下の実施例に特に例示するもの、および本明細書において特定された構造と共に提供したものを含む。“被験者”は本明細書において、動物、例えば霊長類(例えばヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス等を含む(これに限定されない)哺乳類を含むものと定義する。好ましい態様において、被験者はヒトである。
【0098】
[00114]本明細書で使用する場合“CCR9を介した状態または疾患”という語句ならびに関連する語句および用語は、不適当な、すなわち正常より少ないかまたは多いCCR9機能の活性を特徴とする状態または疾患をいう。不適当なCCR9機能の活性は、正常ではCCR9を発現しない細胞中のCCR9の発現、CCR9発現の増加(例えば炎症および免疫調節の障害および疾患をもたらす)、またはCCR9発現の低下という結果として現れるかもしれない。不適当なCCR9機能の活性はまた、正常ではTECKを分泌しない細胞中によるTECKの分泌、増加したTECK発現(例えば炎症および免疫調節の障害および疾患をもたらす)、または低下したTECK発現という結果として現れるかもしれない。CCR9を介した状態または疾患は、不適当なCCR9機能の活性によって完全にまたは部分的に仲介されるとも考えられる。しかしながら、CCR9を介した状態または疾患は、CCR9を調節することが根元的な状態または疾患に何らかの影響を及ぼす状態または疾患の1つである(例えばCCR9拮抗薬は少なくとも一部の患者における患者の良好な生活に何らかの改善をもたらす)。
【0099】
[00115]“治療上の有効量”という用語は、研究者、獣医、医師またはその他の治療提供者により研究されている、細胞、組織、システム、または動物、例えばヒトの生物学的または医学的応答を引き出す、主題の化合物の量を意味する。
【0100】
[00116]炎症、免疫障害、感染および癌に伴う疾患および状態は、本発明の化合物、組成物および方法を用いて治療または予防することができる。態様の1つの群において、ヒトまたは他の種の慢性疾患を含む疾患または状態を、CCR9機能の阻害剤を用いて治療することができる。これらの疾患または状態として以下を含む:(1)アレルギー性疾患 例えば全身性アナフィラキシーまたは過敏性応答、薬物アレルギー、昆虫の刺傷によるアレルギーおよび食物アレルギー、(2)炎症性腸疾患 例えばクローン病、潰瘍性大腸炎、回腸炎および腸炎、(3)膣炎、(4)乾癬および炎症性の皮膚病 例えば皮膚炎、湿疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎、蕁麻疹およびそう痒症、(5)血管炎、(6)椎骨関節症、(7)強皮症、(8)喘息および呼吸のアレルギー性疾患 例えばアレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、過敏性肺疾患等、(9)自己免疫疾患 例えば繊維性筋肉痛、強皮症、強直性脊椎炎、若年性RA、スチル病、多関節性若年性RA、少数関節性若年性RA、リウマチ性多発性筋痛、慢性関節リウマチ、乾癬性関節炎、骨関節炎、多関節性関節炎、多発性硬化症、全身性紅斑性狼瘡、I型糖尿病、II型糖尿病、糸球体腎炎、等、(10)移植片拒絶(同種移植片拒絶を含む)、(11)移植片対宿主病(急性および慢性の双方を含む)、(12)望ましくない炎症性応答が阻害されるべきその他の疾患、例えばアテローム硬化症、筋炎、神経変性の疾患(例えばアルツハイマー病)、脳炎、髄膜炎、肝炎、腎炎、敗血症、サルコイドーシス、アレルギー性結膜炎、耳炎、慢性閉塞性肺疾患、副鼻腔炎、ベーチェット症候群および痛風、(13)免疫を介した食物アレルギー 例えばセリアック病、(14)肺線維症およびその他の線維症疾患、および(15)過敏性腸症候群。
【0101】
[00117]態様のもう1つの群において、疾患または状態をCCR9機能の調節薬および拮抗薬を用いて治療することができる。CCR9機能を調節することにより治療する疾患の例として、癌、心血管疾患、血管形成または新血管新生が1つの役割を担う疾患(新生物の疾患、網膜症および筋肉変性)、感染疾患(ウイルス感染、例えばHIV感染、および細菌感染)および免疫抑制の疾患 例えば臓器移植の状態および皮膚移植の状態を含む。“臓器移植の状態”という用語は、骨髄移植の状態および固体臓器(例えば、腎臓、肝臓、肺、心臓、膵臓、またはそれらを組み合わせたもの)移植の状態を含むことを意味する。
【0102】
[00118]好ましくは本方法は、クローン病および潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患、アレルギー性疾患、乾癬、アトピー性皮膚炎および喘息、自己免疫疾患 例えば慢性関節リウマチ、ならびに免疫を介した食物アレルギー 例えばセリアック病から選択される疾患または状態の治療を対象とする。
【0103】
[00119]治療する疾患および被験者の状態に依存して本発明の化合物および組成物は、経口、非経口(例えば筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、大槽内への注射もしくは注入、皮下注射、またはインプラント)、吸気、経鼻、経膣、直腸から、舌下、または局所の投与経路で投与してよく、各投与経路に適当な従来の非毒性の医薬的に受容可能な担体、アジュバントおよびビヒクルを含有する、適切な投与ユニット製剤中に、単独でまたは合わせて製剤化してよい。本発明はまた、デポ製剤中での本発明の化合物および組成物の投与も考慮する。
【0104】
[00120]ケモカイン受容体の調節を必要とする状態の治療または予防において、単回または複数回の投与で投与することのできる適当な投与量レベルは一般に、1日当たり患者の体重kg当たり約0.001から100mgであろう。好ましくは投与量レベルは1日当たり約0.01から約25mg/kg;より好ましくは1日当たり約0.05から約10mg/kgであろう。適切な投与量レベルは、1日当たり約0.01から約25mg/kg、1日当たり約0.05から約10mg/kg、または1日当たり約0.1から約5mg/kgとしてもよい。この範囲内で、投与量は1日当たり0.005から0.05、0.05から0.5、0.5から5.0、または5.0から50mg/kgとしてよい。経口投与用に該組成物は好ましくは、活性成分 1.0から1000ミリグラムを含有する、特に治療する患者への投与量を症状により調節して、活性成分 1.0、5.0,10.0、15.0、20.0、25.0、50.0、75.0、100.0,150.0、200.0、250.0、300.0、400.0、500.0、600.0、750.0,800.0、900.0、および1000.0ミリグラムを含有する錠剤の剤形で提供する。該化合物は1日当たり1回から4回、好ましくは1日当たり1回または2回の投与計画で投与してよい。
【0105】
[00121]しかし、あらゆる特定の患者の対する特異的な用量レベルおよび投与頻度は多様としてよく、使用する特異的な化合物の活性、その化合物の代謝の安定性および作用の長さ、年齢、体重、遺伝的特徴、一般的健康状態、性別、食事、投与の方法および時間、排出速度、併用薬剤、特定の状態の重症度、および宿主に行っている治療を含む様々な因子に依存するであろう。
【0106】
[00122]まだ他の態様において本方法は、アレルギー性疾患の治療を対象とする。この場合本発明の化合物または組成物は単独でまたは第2の治療薬と併用してのいずれかで投与し、前記の第2の治療薬を抗ヒスタミン薬とする。併用して使用する場合、医師は本発明の化合物または組成物および第2の治療薬を組み合わせたものを投与することができる。また該化合物または組成物および第2の治療薬は、あらゆる順番で逐次的に投与することもできる。
【0107】
[00123]なお他の態様において、本方法は乾癬の治療への方向付けを行う。この場合本発明の化合物または組成物は単独でまたは、コルチコステロイド、滑剤、表皮剥奪剤、ビタミンD誘導体、PUVAおよびアントラリンから選択される第1の治療薬と併用して使用する。
【0108】
[00124]他の態様において本方法は、本発明の化合物または組成物を単独で、または滑剤およびコルチコステロイドから選択される第2の治療薬と併用してのいずれかで使用する、アトピー性皮膚炎の治療を対象とする。
【0109】
[00125]さらなる態様において本方法は、本発明の化合物または組成物を単独で、またはβ2作動薬およびコルチコステロイドから選択される第2の治療薬と併用してのいずれかで使用する、喘息の治療を対象とする。
【0110】
[00126]本発明の化合物および組成物は、注目する状態または疾患、例えば炎症性腸疾患、アレルギー性疾患、乾癬、アトピー性皮膚炎および喘息を含む炎症性の状態および疾患、ならびに上に指摘した病理学的状態および疾患を予防および治療するための、関連する有用性を有するその他の化合物および組成物と併用することができる。
【0111】
[00127]本発明の化合物−対−第2の活性成分の重量比は多様としてよく、各成分の有効用量に依存するであろう。一般には各成分の有効用量を使用するものとする。したがって例えば本発明の化合物をNSAIDと併用する場合、本発明の化合物−対−NSAIDの重量比は一般に、約1000:1から約1:1000、好ましくは約200:1から約1:200の範囲とする。本発明の化合物および他の活性成分の併用は、一般にはまた上述の範囲内とするが、ケース毎に各活性成分の有効用量を使用すべきであろう。
【0112】
[00128]
【実施例】
【0113】
実施例
[00129]以下で使用する試薬および溶媒は、市販の業者、例えばAldrich Chemical Co. (Miowaukee, Wisconsin, USA)から得ることができる。H−NMRは、Varian Mercury 400MHz NMRスペクトロメーターにて記録した。有意なピークは順に:多重度(s、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;m、多重線)およびプロトン数をまとめている。質量分析の結果は、質量/電荷の比率、次いで各イオンの相対アバンダンス(括弧内)として報告される。表ではただ1つのm/e値を、最も一般的な原子同位体(複数)を含むM+H(または指摘している場合にはM−H)イオンについて報告する。同位体のパターンはすべてのケースにおいて予測される式に対応している。エレクトロスプレーイオン化質量分析の分析は、サンプルの送達のためのHP1100 HPLCを用いたHewlett-Packard MSD エレクトロスプレー質量分析計にて行った。通常、被験化合物は、メタノール中に0.1mg/mLで溶かし、1μLを送達溶媒と共に質量分析計に注入し、100から1500ダルトンまでスキャンした。すべての化合物は、送達溶媒として1%ギ酸を含むアセトニトリル/水を用いた正イオンESIモードで分析することができた。以下に提供した化合物はまた、送達システムとしてアセトニトリル/水中の2mM NHOAcを用いた負イオンESIモードでも分析することができた。
【0114】
[00130]本発明の範疇内の化合物は、当業者に公知の様々な反応を用いて以下に記載するように合成することができる。ベンゾフェノンおよびヘテロアリール双方から誘導されるサブユニット、および本請求項の式(I)のスルホンアミド分子の完全な合成、への有用な経路のサンプルを以下に提供する。以下に示す合成の記載において、一部の前駆物質は市販の業者より得た。これらの市販の業者として、Aldrich Chemical Co., Acros Organics, Ryan Scientific Incorporated, Oakwood Products Incorporated, Lancaster Chemicals, Sigma Chemical Co., Lancaster Chemical Co., TCI-America, Alfa Aesar, Davos Chemicals および GFS Chemicals を含む。
【0115】
[00131]本発明の化合物は、従来の合成方法を用いて調製することができる。これらの化合物を合成するために採用してもよいアプローチの実施例を以下に示す。それでもなお当業者は、本発明の標的化合物を合成するために別の方法を利用してもよく、本文献の文中に記載したアプローチは網羅的ではないが、注目する該化合物への広範囲に適用できる実践的な経路を確かに提供していることを認識するだろう。
【0116】
[00132]本特許で請求するある種の化合物は、異なるエナンチオマーおよびジアステレオマーの形で存在し得るものであり、これらの化合物のすべてのこのような変異体は本発明の範疇に含まれる。
【0117】
[00133]本文中の鍵となる化合物を合成するために使用する実験方法の詳細な記述は、それらを同定する物理的データ、ならびにそれらに伴う構造的表現により記載される分子を導くものである。
【0118】
[00134]当業者はまた、有機化学の標準的な一連の方法(work up)の間に、酸および塩基が頻繁に使用されることを認識するだろう。本特許内に記載する実験方法の途中段階で、親化合物が必然的な固有の酸性度または塩基性度を有する場合には、親化合物の塩を生成することもある。
【0119】
(CCR9調節薬の調製)
[00135]以下の実施例は、請求した本発明を説明するために提供するものであり、限定するためのものではない。
【0120】
[00136]加えて当業者は、本特許で請求する分子は様々な標準的な有機化学の変換反応を用いて合成してもよいことを、認識するだろう。
[00137]本発明の標的化合物を合成するために広く使用されるある種の一般的な反応のタイプを、実施例にまとめる。特に、スルホンアミドの生成、ピリジンN酸化物の生成、およびFriedel-Crafts タイプのアプローチによる2−アミノフェニル−アリールメタノンの合成のための一般的な方法を提供するが、多数の他の標準的な化学も本文献中に記載しており、これらをルーチーンに使用した。
【0121】
[00138]網羅的とする意図はないが、本発明の化合物を調製するために使用することのできる代表的な有機合成の変換反応を以下に含む。
[00139]これらの代表的な変換反応として以下を含む;標準的な官能基の操作;例えばニトロからアミノへの還元;アルコールおよびピリジンを含む官能基の酸化;ニトリル、メチルおよびハロゲンを含む多様な基の導入のための、IPSOまたは他のメカニズムによるアリールの置換;保護基の導入および除去;求電子剤を用いてのグリニャール生成および反応;Buckvald、SuzukiおよびSonigashira反応を含む(が、これに限定されない)金属を介した交差カップリング反応;ハロゲン化および他の求電子芳香核置換反応:ジアゾニウム塩の生成およびこれらの種の反応;エーテル化;ヘテロアリール基を導くシクロ化(cyclative) 縮合、脱水、酸化および還元;アリールの金属イオン付加(metallation)、および金属交換、ならびに求電子剤 例えば酸塩化物またはWeinrebアミドを用いてのアリール−金属種の後続する反応;アミド化;エステル化;求核置換反応;アルキル化;アシル化;スルホンアミドの生成;クロロスルホニル化;エステルおよび関連する加水分解、等。
【0122】
実施例1:N−アリール−ベンゼンスルホンアミドの調製ための一般的方法
【0123】
【化4】

【0124】
[00140]上の一般的なスキームにおいて、Rは先に提供した定義に矛盾しない1から5個の置換基を表す。ピリジンに溶かし、氷水浴中で冷却した所望のアニリン(0.5mmol)に、冷却したピリジンに溶かしたアリールスルホニルクロリド(0.5mmol)の溶液を加えた。次にこの反応混合液を緩やかに振盪しながら16時間、60℃に加熱した。標準的な一連の方法で溶媒を蒸発させた後、フラッシュクロマトグラフィーまたは逆相HPLCのいずれかにより、対応するN−アリール−ベンゼンスルホンアミドを得た。
【0125】
実施例2:(2−アミノ−フェニル)−アリール−メタノンの合成のための一般的方法
【0126】
【化5】

【0127】
[00141] 上の一般的なスキームにおいて、Rは先に提供した定義に矛盾しない1から5個の置換基を表す。0℃で撹拌している塩化メチレン中の12.5mL 1M BCl(12mmol、1.2等量)に、15mLのTCE中の所望のハロアニリン(10mmol、1.0等量)の溶液を滴下させながら20分にわたり加えた。10分後、所望のベンゾニトリル(11mmol、1.1等量)を加え、続いてAlCl(15mmol、1.5等量)を加えた。反応液を室温にして1時間撹拌した後、すべてのDCMを蒸留除去するまで80−90℃で加熱した。次に反応混合液を160℃で4時間還流し、室温まで冷却して一晩撹拌した。10mL 3M HClを注意深く加え、反応の進行をLC/MSでモニターしながら、混合液を120℃で2-3時間還流した。粗反応液を室温まで冷却し、100mLの水を加えた。粗混合液をDCMで抽出(2×50mL)し、水層を取り出し、有機層から50mL 1M HCl(水溶液)で逆抽出した。すべての水層を合わせて、3M NaOH(水溶液)にてpH12とし、DCMで抽出(4×50mL)した。DCM層をNaSO上で乾燥、濾過し、ロータリーエバポレーションにより濃縮した。粗生成物をEtOで十分に洗浄し、真空下で乾燥させ、必要な場合は従来の技術、例えばカラムクロマトグラフィーによりさらに精製した。
【0128】
実施例3:N−(4−クロロ−フェニル)−2,2−ジメチル−プロピオンアミドの合成
【0129】
【化6】

【0130】
[00142]25mLピリジン中の4−クロロアニリン(5.0g、39.2mmol)の溶液に、5.3mL(43.1mmol)の塩化ピバロイルを加え、反応混合液を一晩室温で撹拌した。この混合液を激しく撹拌している6M HCl中に注ぎ、減圧濾過により固体を集め、HOで十分に洗浄し、真空下で乾燥させて表題の化合物を得た。
【0131】
【化7】

【0132】
実施例4:(2−アミノ−5−フルオロ−フェニル)−フェニル−メタノンの合成
【0133】
【化8】

【0134】
[00143](2−アミノ−フェニル)−アリール−メタノンの合成の一般的な方法に従って、0℃に冷却したBCl(1M DCM中)(24ml、24mmol)の溶液に、30mLのTCE中の4−フルオロアニリン(1.77g、16mmol)の溶液を15分間にわたり滴下させながら加え、得られた反応混合液を同温度でさらに10分間撹拌した。ベンゾニトリル(2.06g、20mmol)およびAlCl(3.0g、22mmol)を氷水浴の冷却下で加えた。この溶液を室温に温まるまで放置し、30分間撹拌した。次にこの溶液を80−90℃で1時間加熱し、DCMを蒸留除去した。得られた溶液を160℃で4時間還流し、室温で一晩撹拌した。反応混合液に3N HCl(約20mL)を加えて、100℃で1時間還流した。反応混合液を室温に冷却するまで放置し、この溶液を6N NaOHでアルカリ性(pH12)にした。反応混合液を水およびDCMで希釈した。得られた2層を分離し、水層をDCMで抽出(2×150ml)し、NaSO上で乾燥させた。溶媒を除去した後、残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより溶出液として酢酸エチル/ヘキサン(1:12)を用いて精製した。630mgの純粋な生成物を得た(収率=18%)。
【0135】
実施例5:(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)−フェニル−メタノンの合成
【0136】
【化9】

【0137】
[00144]0℃に冷却したBCl(1M DCM中)(48ml、48mmol)に、60mLのTCE中の4−ブロモアニリン(5.5g、32mmol)の溶液を15分間にわたり滴下させながら加え、同温度でさらに10分間撹拌した。ベンゾニトリル(4.12g、40mmol)およびAlCl(6.0g、45mmol)を氷水浴の冷却下で加えた。この溶液を室温に温まるまで放置し、30分間撹拌した。次にこの溶液を80−90℃で1時間加熱し、DCMを蒸留除去した。得られた溶液を160℃で4時間還流し、室温で一晩撹拌した。3N HCl(約40mL)を加えて、反応混合液を90℃で1時間撹拌した。反応混合液を室温に冷却するまで放置し、この溶液を6N NaOH水溶液を加えてpH12とした。反応混合液を水およびDCMで希釈した。得られた2層を分離し、水層をDCMで抽出(2×150ml)し、NaSO上で乾燥させた。溶媒を除去した後、残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより溶出液として酢酸エチル/ヘキサン(1:12)を用いて精製した。1.2gの純粋な生成物を黄色固体として得た(収率=14%)。
【0138】
実施例6:(2−アミノ−4−ブロモ−フェニル)−フェニル−メタノンの合成
【0139】
【化10】

【0140】
[00145]氷水浴中で冷却した20mLのTCE中のBCl(1M DCM中)(31.97ml、32mmol)の溶液に、20mLのTCE中の3−ブロモアニリン(5.0g、29mmol)の溶液を15分間にわたり滴下させながら加え、得られた反応混合液を同温度でさらに15分間撹拌した。ベンゾニトリル(6mL、58mmol)およびAlCl(4.26g、32mmol)を氷水浴の冷却下で加えた。この溶液を室温に温まるまで放置し、20分間撹拌した。次にこの溶液を80−90℃で1時間加熱し、DCMを蒸留除去した。得られた溶液を150℃で4時間還流した後、室温で一晩撹拌した。反応混合液(約25mL)に3N HClを加えて、この反応混合液を90℃で1時間還流した。反応混合液を室温に冷却するまで放置し、この溶液を6N NaOHでpH9に調整した。得られた2層を分離し、下層をDCM(6×50mL)で抽出、乾燥(NaSO)、および濃縮した。生成物をカラムクロマトグラフィー(EA:Hex、1:9)を用いて精製した。2.95gの純粋な生成物を単離した(収率=37%)。TLC分析(EA:Hex、1:3)による生成物 R=0.65(黄色スポット)。
【0141】
【化11】

【0142】
実施例7:N−(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニル)−4−tert−ブチル−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0143】
【化12】

【0144】
[00146]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、115mgの(2−アミノ−5−クロロ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび116mgの4−tert−ブチル−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0145】
【化13】

【0146】
実施例8:N−(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニル)−4−フルオロ−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0147】
【化14】

【0148】
[00147]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、115mgの(2−アミノ−5−クロロ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび87mgの4−フルオロ−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0149】
【化15】

【0150】
実施例9:N−(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニル)−2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0151】
【化16】

【0152】
[00148]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、115mgの(2−アミノ−5−クロロ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび123mgの2,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0153】
【化17】

【0154】
実施例10:N−(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニル)−3,4−ジクロロ−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0155】
【化18】

【0156】
[00149]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、115mgの(2−アミノ−5−クロロ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび123mgの3,4−ジクロロ−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0157】
【化19】

【0158】
実施例11:N−(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニル)−4−エチル−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0159】
【化20】

【0160】
[00150]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、115mgの(2−アミノ−5−クロロ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび102mgの4−エチル−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0161】
【化21】

【0162】
実施例12:N−(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニル)−4−ブチル−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0163】
【化22】

【0164】
[00151]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、115mgの(2−アミノ−5−クロロ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび116mgの4−ブチル−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0165】
【化23】

【0166】
実施例13:2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−6−スルホン酸(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニル)−アミドの合成
【0167】
【化24】

【0168】
[00152]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、115mgの(2−アミノ−5−クロロ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび109mgの2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−6−スルホニルクロリドを用いて調製した。
【0169】
【化25】

【0170】
実施例14:N−(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニル)−4−ブトキシ−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0171】
【化26】

【0172】
[00153]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、115mgの(2−アミノ−5−クロロ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび124mgの4−ブトキシ−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0173】
【化27】

【0174】
実施例15:N−[4−(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニルスルファモイル)−2−クロロ−フェニル]−アセトアミドの合成
【0175】
【化28】

【0176】
[00154]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、115mgの(2−アミノ−5−クロロ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび133mgの4−アセチルアミノ−3−クロロ−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0177】
【化29】

【0178】
実施例16:N−(2−ベンゾイル−4−フルオロ−フェニル)−4−メトキシ−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0179】
【化30】

【0180】
[00155]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、115mgの(2−アミノ−5−フルオロ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび101mgの4−メトキシ−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0181】
【化31】

【0182】
実施例17:N−(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニル)−4−ピラゾル−1−イル−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0183】
【化32】

【0184】
[00156]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、116mgの(2−アミノ−5−クロロ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび121mgの4−ピラゾル−1−イル−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0185】
【化33】

【0186】
実施例18:N−(2−ベンゾイル−4−ブロモ−フェニル)−4−tert−ブチル−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0187】
【化34】

【0188】
[00157]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、138mgの(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび116mgの4−tert−ブチル−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0189】
【化35】

【0190】
実施例19:N−(2−ベンゾイル−4−ブロモ−フェニル)−4−オキサゾル−5−イル−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0191】
【化36】

【0192】
[00158]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、138mgの(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび121mgの4−オキサゾル−5−イル−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0193】
【化37】

【0194】
実施例20:N−(2−ベンゾイル−4−ブロモ−フェニル)−4−エチル−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0195】
【化38】

【0196】
[00159]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、138mgの(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび102mgの4−エチル−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0197】
【化39】

【0198】
実施例21:N−(2−ベンゾイル−4−メトキシ−フェニル)−4−メトキシ−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0199】
【化40】

【0200】
[00160]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、115mgの(2−アミノ−5−メトキシ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび103mgの4−メトキシ−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0201】
【化41】

【0202】
実施例22:N−(2−ベンゾイル−5−ブロモ−フェニル)−4−メトキシ−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0203】
【化42】

【0204】
[00161]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、138mgの(2−アミノ−4−ブロモ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび103mgの4−メトキシ−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0205】
【化43】

【0206】
実施例23:4−tert−ブチル−N−[4−クロロ−2−(4−フルオロ−ベンゾイル)−フェニル]−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0207】
【化44】

【0208】
[00162]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、125mgの(2−アミノ−5−クロロ−フェニル)−(4−フルオロ−フェニル)−メタノンおよび116mgの4−tert−ブチル−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0209】
【化45】

【0210】
実施例24:N−(2−ベンゾイル−4−クロロ−3−メトキシ−フェニル)−4−tert−ブチル−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0211】
【化46】

【0212】
[00163]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、131mgの((6−アミノ−3−クロロ−2−メトキシ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび116mgの4−tert−ブチル−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0213】
【化47】

【0214】
実施例25:N−(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニル)−4−(1,1−ジメチル−プロピル)−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0215】
【化48】

【0216】
[00164]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、116mgの(2−アミノ−4−クロロ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび123mgの4−(1,1−ジメチル−プロピル)−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0217】
【化49】

【0218】
実施例26:3−[4−(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニルスルファモイル)−フェニル]−プロピオン酸メチルエステルの合成
【0219】
【化50】

【0220】
[00165]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、116mgの(2−アミノ−5−クロロ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび131mgの3−(4−クロロスルホニル−フェニル)−プロピオン酸メチルエステルを用いて調製した。
【0221】
【化51】

【0222】
実施例27:N−[4−(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニルスルファモイル)−フェニル]−アセトアミドの合成
【0223】
【化52】

【0224】
[00166]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、115mgの(2−アミノ−5−クロロ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび117mgの4−アセチルアミノ−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0225】
【化53】

【0226】
実施例28:N−(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニル)−4−メタンスルホニル−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0227】
【化54】

【0228】
[00167]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、115mgの(2−アミノ−5−クロロ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび127mgの4−メタンスルホニル−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0229】
【化55】

【0230】
実施例29:N−(2−ベンゾイル−4−ブロモ−フェニル)−4−メトキシ−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0231】
【化56】

【0232】
[00168]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、138mgの(2−アミノ−5−ブロモ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび103mgの4−メトキシ−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0233】
【化57】

【0234】
実施例30:N−(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニル)−3−シアノ−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0235】
【化58】

【0236】
[00169]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、(2−アミノ−5−クロロ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび3−シアノ−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0237】
【化59】

【0238】
実施例31:N−(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニル)−4−トリフルオロメトキシ−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0239】
【化60】

【0240】
[00170]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、(2−アミノ−5−クロロ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび4−トリフルオロメトキシ−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0241】
【化61】

【0242】
実施例32:N−(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニル)−2−フルオロ−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0243】
【化62】

【0244】
[00171]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、(2−アミノ−5−クロロ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび2−フルオロ−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0245】
【化63】

【0246】
実施例33:N−(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニル)−3−フルオロ−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0247】
【化64】

【0248】
[00172]表題の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、(2−アミノ−5−クロロ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび3−フルオロ−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製した。
【0249】
【化65】

【0250】
実施例34:N−(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニル)−4−メトキシ−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0251】
【化66】

【0252】
[00173]公知の化合物を、先に記載したN−アリール−ベンゼンスルホンアミドの合成のための一般的方法により、(2−アミノ−5−クロロ−フェニル)−フェニル−メタノンおよび4−メトキシ−ベンゼンスルホニルクロリドを用いて調製し、フラッシュクロマトグラフィー(20% EtOAc.ヘキサン)により精製した。
【0253】
【化67】

【0254】
実施例35:N−(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニル)−4−ブロモ−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0255】
【化68】

【0256】
[00174]2−アミノ−5−クロロベンゾフェノン(5.33g、23mmol)を100mLピリジン中に溶かし、室温で撹拌した。4−ブロモベンゼンスルホニルクロリド(6.17g、24.1mmol)を加え、混合液を一晩撹拌した。この混合液を、350mLの激しく撹拌している冷却した6M HCl中に一定の流量で注ぎ、赤みがかった油性の沈殿を得た。この溶液を100mL EtOAcおよび200mL HOで希釈し、分別ろうと中で振盪し、水層を捨てた。有機層を乾燥させ、真空下で濃縮し、表題の化合物を得た(10.2g、98%)
【0257】
【化69】

【0258】
実施例36:N−(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニル)−4−シアノ−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0259】
【化70】

【0260】
[00175]2−アミノ−5−クロロベンゾフェノン(2.92g、12.60mmol)を60mLのピリジン中に溶かした後、10mLピリジン中の4−シアノベンゼンスルホニルクロリド(2.66g、13.2mmol)を加えた。この混合液を一晩室温で、N下にて撹拌した後、350mLの激しく撹拌している冷却した6M HCl中に一定の流量で注ぎ、黄色固体の沈殿を得、これを減圧濾過して集め、HOで十分に洗浄した後、50mL EtOAc中に溶かし、この溶媒を真空下で除去し、赤みがかった粉末を得、これを75mLの沸騰しているアセトンに溶かした。150mLのHOをこの熱い撹拌しているアセトン溶液に少量の流量でゆっくり加えた。冷却下で黄色沈殿物を形成させ、これを減圧濾過して集め、真空下で一晩乾燥させ、赤みがかった粉末として5.7gの生成物を得た(定量)。
【0261】
【化71】

【0262】
実施例37:N−(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニル)−4−ヨード−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0263】
【化72】

【0264】
[00176]マグネティックスターラーで撹拌している乾燥ピリジン(30mL)中の2−アミノ−5−クロロベンゾフェノン(1.62g、7.0mmol)の溶液にトルエン(12mL)中のピプシルクロリド(pipsyl chloride)の溶液を滴下させながら加え、反応液を周囲温度で撹拌した。この反応液を冷却した(氷浴)6M塩酸に撹拌しながら加え、この混合液を酢酸エチルで抽出(3×50mL)した。抽出物を水および飽和NaCl水溶液で洗浄した。有機層を乾燥(MgSO)、濾過、および濃縮して、結晶固体を得た。生成物を濾過、ヘキサンで洗浄、そして乾燥(真空)し、白色結晶固体を得た。
【0265】
【化73】

【0266】
実施例38:4’−メトキシ−ビフェニル−4−スルホン酸(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニル)−アミドの合成
【0267】
【化74】

【0268】
[00177]N−(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニル)−4−ヨード−ベンゼンスルホンアミド(497mg、1.0mmol)、[1,1’ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(1:1)(30mg、0.037mmol)およびNMP(3mL)中の乾燥炭酸セシウム(511mg、1.57mmol)のマグネティックスターラーで撹拌している混合液に、乾燥窒素下でDME(3mL)および乾燥トリエチルアミン(3mL)を加えた。この撹拌している混合液に、(4−メトキシフェニル)ボロン酸(202mg)を加え、この混合液を55℃で一晩撹拌した。砕いた氷を加えることにより反応を停止させ、酢酸エチルで抽出(3×75mL)し、有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィーに10−30%EtOAc/ヘキサンを用いてかけた。
【0269】
【化75】

【0270】
実施例39:N−(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニル)−4−フェニルエチニル−ベンゼンスルホンアミドの合成
【0271】
【化76】

【0272】
[00178]N−(2−ベンゾイル−4−クロロ−フェニル)−4−ブロモ−ベンゼンスルホンアミド(450mg、1.0mmol)、[1,1’ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム(II)のジクロロメタンとの錯体(1:1)(30mg、0.037mmol)およびヨウ化銅(I)(100mg、0.52mmol)のマグネティックスターラーで撹拌している混合液に、乾燥窒素下でDME(6mL)および乾燥トリエチルアミン(3mL)を加えた。この撹拌している混合液に、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(250mg)を加え、続いてフェニルアセチレン(0.240mL)を加えた。暗緑色の混合液を周囲温度で一晩撹拌した。砕いた氷を加えることにより反応を停止させ、酢酸エチルで抽出(3×75mL)し、有機層を乾燥させ(MgSO)、濾過、および濃縮した。粗生成物を、シリカゲルのクロマトグラフィーに10−30%EtOAc/ヘキサンを用いてかけた。
【0273】
【化77】

【0274】
(CCR9調節薬の効能の測定)
(in vitro アッセイ)
[00179]シグナリングアッセイ、遊走アッセイ、および細胞応答のその他のアッセイを含む様々なアッセイを使用して、当明細書に提供した化合物を評価することができる。CCR9受容体のシグナリングアッセイを使用して、ある化合物、例えばCCR9拮抗薬の可能性のある物質の、CCR9リガンド(例えばTECK)誘発性のシグナリングを遮断する能力を測定することができる。遊走のアッセイを使用して、注目する化合物、例えばCCR9拮抗薬の可能性のある物質の、in vitro のCCR9を介しての細胞の遊走を遮断する能力を測定することができる。後者はin vivoのケモカイン誘発性の細胞の遊走に類似すると考えられる。
【0275】
[00180]適切なアッセイでは、哺乳類のCCR9タンパク質の少なくとも1つの特性、活性または機能的特徴を有する、(単離されたまたは組換えの)CCR9タンパク質を使用する。この特性は、結合特性(例えばリガンドまたは阻害薬に対して)、シグナリング活性(例えば哺乳類のGタンパク質の活性化、細胞質ゾルのフリーのカルシウム[Ca++]濃度の急速なおよび一時的な増加の誘発)、細胞応答機能(例えば白血球による走化性の刺激または炎症仲介物質の放出)等とすることができる。
【0276】
[00181]アッセイは、CCR9受容体をコードする核酸配列を有するベクターまたは発現カセットを用いて、安定的または一時的にトランスフェクションした細胞を使用する、細胞に基づいたアッセイとすることができる。細胞は、受容体の発現に適当な条件下で維持し、結合が起こるための適当な条件下で推定される物質と接触させる。結合は標準的な技術を用いて検出することができる。例えば結合の程度は、適切なコントロールとの関連において(例えば推定される物質の存在しないバックグラウンド、または公知のリガンドとの関連において)決定することができる。所望により受容体を含有する細胞の分画、例えば膜の分画を、全細胞の代わりに使用することができる。
【0277】
[00182]結合または複合体の形成の検出は、直接または間接的に検出することができる。例えば推定される物質を適切な標識(例えば蛍光標識、化学ルミネッセンス標識、同位体標識、酵素による標識、等)で標識することができ、結合を標識の検出により決定することができる。特異的および/または競合的な結合は、競合物質として標識していない物質またはリガンド(例えばTECK)を使用して、競合または置き換えの試験により査定することができる。
【0278】
[00183]結合阻害アッセイを使用して、本発明の化合物を評価することができる。これらのアッセイでは該化合物は、例えばTECKを使用してリガンドの結合の阻害薬として評価する。本態様において、CCR9受容体をリガンド、例えばTECKと接触させ、リガンドの結合の測定を行う。次にこの受容体を、リガンド(たとえばTECK)の存在下で検査物質と接触させて、第2の結合の測定を行う。リガンドの結合の程度の低下が、検査物質による結合の阻害を示す。結合阻害アッセイは、CCR9を発現する全細胞、またはCCR9を発現する細胞由来の膜の分画を使用して行うことができる。
【0279】
[00184]Gタンパク質とカップルした受容体への例えば作動薬による結合は、受容体によるシグナリングのイベントを引き起こすことができる。したがってシグナリングアッセイを使用してもまた、本発明の化合物を評価することができ、ある物質によるシグナリング機能の誘導を、いずれの適切な方法を用いてもモニターすることができる。例えばGタンパク質の活性、例えばGTPからGDPへの加水分解、または受容体の結合が引き金となるその後のシグナリングイベントを、公知の方法によりアッセイすることができる(例えばPCT/US97/15915; Neote,et al., Cell, 72: 415425 (1993); Van Riper, et al., J. Exp. Med., 177: 851-856 (1993) および Dahinden, et al., J. Exp. Med., 179: 751-756 (1994) を参照のこと)。
【0280】
[00185]走化性のアッセイを使用してもまた、受容体の機能を査定し、当明細書に提供した化合物を評価することができる。これらのアッセイは、ある物質により誘導されるin vitro またはin vivo の細胞の機能的な遊走に基づいており、このアッセイを使用して、リガンド、阻害剤、または作動薬の走化性における結合および/または効果を査定することができる。様々な走化性のアッセイが当該技術分野で知られており、いずれの適切なアッセイを使用しても、本発明の化合物を評価することができる。適切なアッセイの例としてPCT/US97/15915; Springer, et al., WO 94/20142; Berman et al., Immunol. Invest., 17: 625-677 (1988); およびKavanaugh et al., J. Immunol., 146: 4149-4156 (1991)に記載されているものを含む。
【0281】
[00186]カルシウムシグナリングアッセイは、経時的な、好ましくは受容体の結合の前後のカルシウム濃度を測定する。これらのアッセイを使用して、受容体の結合(またはそれが存在しない場合)後の、受容体シグナリングの仲介物質、Ca++の産生を定量することができる。これらのアッセイはある化合物、例えば本発明の化合物が、注目する受容体に結合することにより受容体のシグナリング仲介物質を産生させる能力を決定する上で有用である。またこれらのアッセイはある化合物、例えば本発明の化合物が、注目する受容体とリガンド間の結合を妨げることにより、受容体のシグナリングの仲介物質の産生を阻害する能力を決定することができる。
【0282】
[00187]CCR9および公知のCCR9リガンド間の結合を妨げる化合物の能力を決定するために使用するカルシウムシグナリングアッセイにおいて、まずCCR9発現細胞(例えばT細胞株MOLT−4細胞)を、注目する化合物、例えばCCR9拮抗薬の可能性のある物質と共に濃度を増加させながらインキュベーションする。細胞数は、96ウェルマイクロタイタープレートの1ウェル当たり10から5×10個の細胞とすることができる。検査する化合物の濃度は0から100μMの範囲としてよい。一定時間のインキュベーション(5から60分の範囲とすることができる)後、Fluorometric Imaging Plate Reader(FLIPR(登録商標))(Molecular Devices Corp., Sunnyvale, CA より入手可能)内に使用説明書にしたがって、処理した細胞をセットする。FLIPRシステムは、アッセイを行う上での標準的な方法として当該技術者に周知である。次に細胞を適当量のCCR9リガンドTECK(例えば最終濃度5−100nM)で刺激して、細胞内のカルシウムの増加(カルシウム流量ともいう)のシグナルを記録する。CCR9およびリガンド間の結合の阻害薬としての化合物の効能を、IC50(シグナリングの50%の阻害の原因となるために必要な濃度)またはIC90(90%の阻害について)として算出することができる。
【0283】
[00188]in vitro の細胞遊走アッセイは、96ウェルマイクロチャンバー(ChemoTX(登録商標)ともいう)を用いて行うことができる(が、この型に限定されない)。ChemoTXシステムは、走化性/細胞遊走の装置の1つのタイプとして当業者に周知である。本アッセイにおいてまずCCR9発現細胞(例えばMOLT−4)を注目する化合物、例えばCCR9拮抗薬の可能性のある物質と共に濃度を増加させながらインキュベーションする。典型的には1ウェル当たり50000個の細胞を使用するが、この量は1ウェル当たり10−10個の細胞の範囲とすることができる。CCR9リガンドTECKを典型的には50nM(しかし5−100nMの範囲とすることができる)で下部チャンバーに入れ、遊走装置を設置する。次に20マイクロリットルの検査化合物で処理した細胞をメンブレンの上にのせる。37℃で一定時間、典型的には2.5時間遊走を行わせる。インキュベーション終了の後、メンブレンを越えて下部チャンバーに遊走した細胞数を次に定量する。CCR9を介した細胞の遊走の阻害薬としての化合物の効能を、IC50(細胞遊走を50%までに低減するために必要な濃度)またはIC90(90%阻害について)として算出する。
【0284】
(ヒトのIBDに関するin vivo の効能のモデル)
[00189]小腸および大腸内へのT細胞の浸潤は、セリアック病、クローン病および潰瘍性大腸炎を含むヒトの炎症性腸疾患の病理に関連づけられていた。関連するT細胞群の腸への輸送を遮断することは、ヒトのIBDを治療するための有効なアプローチであると考えられる。CCR9は末梢血における腸管ホーミングT細胞上に発現され、小腸の炎症、例えばクローン病およびセリアック病の患者において増大する。CCR9リガンドTECKは、小腸内で発現される。したがってこのリガンドと受容体のペアが、腸へのT細胞の遊走を仲介することによりIBDの発症に一役を担っていると考えられる。いくつかの動物モデルがあり、注目する化合物、例えばCCR9拮抗薬の可能性のある物質を、ヒトにおける拮抗薬の効能を予測できるかもしれないこのようなT細胞の遊走および/または状態または疾患に影響を及ぼす能力について評価するために、この動物モデルを使用することができる。
【0285】
(ヒトの潰瘍性大腸炎に類似する病理を有する動物モデル)
[00190]Panwala および共同研究者に記載されたネズミのモデル(Panwala, et al., J Immunol., 161 (10): 5733-44 (1998))は、ネズミ多剤耐性遺伝子(MDR)の遺伝子の欠失を伴う。MDRノックアウトマウス(MDR−/−)は、特定の無菌飼育条件下に維持した場合に、重篤な自発性の腸炎症を発症しやすい。MDR−/−マウスに見られる腸の炎症は、ヒトの炎症性腸疾患(IBD)の炎症と類似の病理を有し、大腸の粘膜固有層内へのTh1型T細胞の浸潤により定義される。
【0286】
[00191]もう1つのネズミのモデルがDavidson et al., J Exp Med., 184(1): 241-51 (1986)により記載されている。このモデルではネズミIL−10遺伝子が欠失されており、このマウスはインターロイキン10の産生を欠如する(IL−10−/−)。これらのマウスは大腸に著明となる、ヒトIBDの組織学的特徴と共通する慢性炎症性腸疾患(IBD)を発症する。
【0287】
[00192]もう1つのIBDに関するネズミのモデルがPowrie et al., Int Immunol., 5(11): 1461-71 (1993)により記載されている。このモデルでは免疫力のあるマウス由来のCD4+ T細胞のサブセット(CD45RB (high)と言われている)を精製して、免疫不全マウス(例えばC.B−17scidマウス)に養子的に(adoptively)移入する。CD45RB highCD4+T細胞群で回復させた動物は、病理学的にはヒトIBDと類似する、大腸内の重度の単核細胞の浸潤を有する致死的消耗性疾患を発症する。
【0288】
(ヒトクローン病と類似の病理を伴うネズミのモデル)
[00193]TNF ARE(−/−)モデル。 ごく最近Targan et al., N Engl J Med., 337(15): 1029-35 (1997)により、抗TNFアルファ抗体を用いての治療の成功により、ヒトのクローン病におけるTNFの役割が示された。TNF遺伝子(ARE−/−)における遺伝子の変化による異常なTNF−アルファの産生を有するマウスは、クローン病様の炎症性腸疾患を発症する(Kontoyiannis et al., Immunity, 10(3): 387-98 (1999))。
【0289】
[00194]SAMP/yitモデル。 このモデルはKosiewicz et al., J Clin Invest., 107(6): 695-702 (2001)により記載されている。このマウス株、SAMP/Yitは、回腸末端に局在する慢性炎症を自然発症する。その結果回腸は、活性化されたTリンパ球の粘膜固有層内への多量の浸潤を特徴とし、ヒトクローン病との顕著な類似性をもつ。
【0290】
実施例40
[00195]本実施例は、本発明の代表的な化合物に伴う活性を例証する。
(材料および方法(in vitro アッセイ))
(試薬および細胞)
[00196]MOLT−4細胞はAmerican Type Culture Collection (Manassas, VA)より入手し、加湿した5%COインキュベータ内で、37℃で、10%ウシ胎児血清(FCS)を補ったRPMI組織培地にて培養した。組換えヒトケモカインタンパク質TECKは、R&D Systems (Minneapolis, MN)より入手した。ChemoTX(登録商標)の走化性用マイクロチャンバーは、Neuro Probe (Gaithersburg, MD)より購入した。CyQUANT(登録商標)細胞増殖キットは、Molecular Probes (Eugene, Oregon)より購入した。カルシウムインジケータ色素Fluo−4 AMは、Molecular Devices (Mountain View, CA)より購入した。
【0291】
(従来の遊走アッセイ)
[00197]従来の遊走アッセイを使用して、CCR9を介しての遊走の遮断における受容体拮抗薬の可能性のある物質の効能を決定した。このアッセイは、5μmポアサイズのポリカーボネ−トメンブレンを用いたChemoTX(登録商標)マイクロチャンバーシステムを使用して、ルーチーンの方法により行った。このようなアッセイを始めるため、GS−6R Beckman 遠心機にて1000RPMで細胞の懸濁液を遠心することにより、MOLT−4細胞を集めた。細胞ペレットを走化性バッファー(HBSS、0.1%BSAを含む)中に5×10細胞/mLで再懸濁させた。所望の濃度の検査化合物を、走化性バッファー中での段階希釈により10mMストック溶液から調製した。等しい容積の細胞および化合物を混合し、室温で15分間インキュベーションした。その後20μLの混合液を遊走マイクロチャンバーの多孔性メンブレン上に移し、29μLの50nMケモカインTECKタンパク質を下部チャンバーにセットした。37℃、150分のインキュベーション(この間に細胞はケモカイン濃度勾配に対して遊走する)後、細胞の液滴をフィルター上部から取り除くことによりアッセイを終了させた。メンブレンを越えて遊走した細胞を定量するため、下部チャンバーの各ウェルに5μLの7×CyQUANT(登録商標)溶液を加え、蛍光シグナルをSpectrafluor Plus 蛍光プレートリーダー(TECAN, Durham, NC)にて測定した。阻害の程度は、化合物で処理した細胞および未処理の細胞間の遊走シグナルを比較することにより決定した。IC50の算出を、Graphpad Prism (Graphpad Software, San Diego, CA)を用いて、非線形二乗法回帰分析によりさらに行った。
【0292】
(RAMアッセイ)
[00198]CCR9拮抗薬を同定するための1次スクリーニングを、RAMアッセイ(WO 02101350)を用いて行った、このアッセイは、抑制TECK濃度下で細胞の遊走を活性化する能力により、可能性のあるヒットを検出する。このようなアッセイを始めるため、GS−6R Beckman 遠心機にて、1000RPMで細胞の懸濁液を遠心することにより、MOLT−4細胞を集めた。細胞ペレットを走化性バッファー(HBSS/0.1%BSA)中に5×10細胞/mLで再懸濁させた。25マイクロリットルの細胞を、同じバッファーで20μMに希釈した同容積の検査化合物と混合した。20マイクロリットルの混合液を上部走化性チャンバーのフィルター上に移し、29μLの500nMケモカインタンパク質TECKを下部チャンバーにセットした。37℃、150分のインキュベーション後、細胞の液滴をフィルター上部から取り除くことによりアッセイを終了させた。メンブレンを越えて遊走した細胞を定量するため、下部チャンバーの各ウェルに5μLの7×CyQUANT(登録商標)を加え、蛍光シグナルをSpectrafluor Plus 蛍光プレートリーダー(TECAN, Durham, NC)にて測定した。
【0293】
[00199]可能性のあるヒットを選択するため、遊走活性化のレベルをRAMインデックス、すなわち特定のウェルのシグナルおよび全プレートのシグナルの中央値間の比率として算出した。1.8より高いRAMインデックスをもつ化合物をRAMポジティブとみなし、従来の機能アッセイにおけるIC50の決定のために選択した。
【0294】
(カルシウム流量アッセイ)
[00200]カルシウム流量アッセイは、リガンドに誘導される受容体活性化後の細胞内カルシウムの増加を測定した。CCR9拮抗薬のスクリーニングにおいて、このアッセイをFLIPR(登録商標)装置((Molecular Devices, Mountain View, CA)にて行う2次アッセイとして使用した。アッセイを始めるため、細胞懸濁液を遠心してMOLT−4細胞を集め、HBSS(1%ウシ胎児血清を含む)中に1.5×10細胞/mLに再懸濁させた。次に細胞を、カルシウムインジケータ色素Fluo−4AMと共に、45分間37℃で緩やかに振盪しながら標識した。インキュベーション後細胞をペレット化し、HBSSで1回洗浄し、同バッファーに1.6×10細胞/mLの密度で再懸濁した。100マイクロリットルの標識した細胞を10μLの適当な濃度の検査化合物とアッセイプレート上で混合した。ケモカインタンパク質TECKを最終濃度25nMとなるように加え、受容体を活性化させた。阻害の程度は化合物で処理した細胞と未処理の細胞との間のカルシウムシグナルを比較することにより決定した。IC50の算出を、Graphpad Prism (Graphpad Software, San Diego, CA)を用いて、非線形二乗法回帰分析によりさらに行った。
【0295】
(CCR9拮抗薬の発見)
[00201]CCR9拮抗薬の発見を2段階のステップで行った:第1段階としてRAMアッセイを使用し、ハイスループット法で化合物ライブラリをスクリーニングした。このアッセイでは、RAM条件下でポジティブな遊走シグナルの原因となる能力により化合物を検出した。第2段階としてRAMポジティブな化合物を、従来の遊走アッセイおよびカルシウム流量アッセイを用いて検査して、それらのIC50を決定した。
【0296】
[00202]例えばおよそ100,000の化合物のスクリーニングにおいて、全化合物のおよそ2%に当たる2000の個別のウェルが、1.8より高いRAMインデックスを示した。これらの化合物を大枠として選択し、ダブルのウェルでRAMアッセイにより再度検査した。合計270の化合物、またはライブラリの0.27%がRAMポジティブと確認された。
【0297】
[00203]RAMポジティブのシグナルは受容体拮抗薬の存在のみを示すが、どの位強くその拮抗薬が受容体の機能を遮断するかは示さないため、RAMポジティブの化合物を、MOLT−4細胞を用いてさらにカルシウム流量アッセイで能力を検査した。このサブセットのIC50の決定により、1μM未満のIC50を有し、有意なレベルで調べた他のケモカイン受容体は阻害しない、いくつかの化合物を発見した。
【0298】
(in vivo の効能の試験)
[00204]P−糖タンパク質遺伝子を欠損するMDR1aノックアウトマウスは、特定の無菌飼育条件下で大腸炎を自然発症する。これらの動物の病理はヒトの潰瘍性大腸炎と類似するTh1型T細胞を仲介する炎症として特徴付けられている。疾患は通常約8−10週齢で発症し始める。しかし発症開始週齢および最終的な浸透度レベルは、異なる飼育施設間でしばしばかなり多様である。
【0299】
[00205]MDR1αノックアウトマウスを用いた試験において、以下に示す公知の化合物を、短期治療計画中の疾患の発症を遅延させるその能力について検査した。
【0300】
【化78】

【0301】
[00206]この化合物は、請求項に記載する本発明の調節薬(I)に構造的に類似する。メスのマウス(n=15)に、13週齢に開始して連続14日間、50mg/kg、1日2回を腹腔内注射にて投与した。本試験はマウスが17週齢に達した時に終了とし、その時点で下痢の発症により測定した疾患の浸透度レベルは55%に達していた。本試験は、該化合物が十分に忍要性があることを示した;該化合物で治療した群のマウスは、IBD症候群の発症の有意な遅延を示した。この予防効果は治療停止後、1から2週間に及んだ(図1)。
【0302】
[00207]以下の表に、本明細書に記載した代表的な化合物について構造および活性を提供する。活性は、上記の走化性アッセイおよび/またはカルシウム流動アッセイのいずれかまたは双方について、以下のように提供する:+、1000nM<IC50<10000nM;
++、100nM<IC50<1000nM;そして+++、IC50<100nM。
【0303】
【表1−1】

【0304】
【表1−2】

【0305】
【表1−3】

【0306】
【表1−4】

【0307】
【表2−1】

【0308】
【表2−2】

【0309】
【表2−3】

【0310】
【表3−1】

【0311】
【表3−2】

【0312】
本明細書に記載された実施例および態様は説明の目的のみのためであり、その観点での様々な修飾または変更は当業者に示唆するところであり、本出願の精神および視野、ならびに付記した請求項の範疇内に含まれるものとする。本明細書に引用したすべての出版物、特許および特許出願をすべての目的について参照として援用する。
【0313】
図面の簡単な説明
図1は、実施例40で検査した公知化合物に関するin vivo の効能を示すグラフである。黒三角:ビヒクル;白丸:以下の式のCCR9拮抗薬:
【0314】
【化79】

【図面の簡単な説明】
【0315】
【図1】図1は、実施例40で検査した公知化合物に関するin vivo の効能を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)またはその塩である調節薬であって:
【化1】

式中
Lは、−C(O)−、−S−、−S(O)−または−S(O)−である;
Xは、ハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−O(CO)R、−C(O)NR、−OC(O)NR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)、−NRSO、−NR(CO)NR、置換されていないC2−8アルキル、置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルキニル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないまたは置換された6から10員アリール、置換されていないまたは置換された5から10員ヘテロアリール、および置換されていないまたは置換された3から10員ヘテロシクリルからなる群から独立して選択される、1から4個の置換基を表す;
、RおよびRは、水素、置換されていないまたは置換されたC1−6アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−6シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルキニル、置換されていないまたは置換された6から10員アリール、置換されていないまたは置換された5から10員ヘテロアリール、置換されていないまたは置換されたアリール−C1−4アルキル、置換されていないまたは置換されたアリール−C1−4アルキル、および置換されていないまたは置換されたアリールオキシ−C1−4アルキルからなる群から各々独立して選択される;または
、RおよびRの2つが、それらの結合する原子(単数または複数)と共に、置換されていないまたは置換された1つの5、6または7員環を形成してもよい;
Yは、ハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−SR、−SOR、−SO、および置換されていないまたは置換されたC1−4アルキルからなる群から各々独立して選択される、1から3個の置換基を表す;
は、水素、置換されていないまたは置換されたC1−6アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−6シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルケニル、および置換されていないまたは置換されたC2−6アルキニルからなる群から選択される;
Zは、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルキニル、置換されていないまたは置換されたC1−8アルコキシ、=O、−CN、−NO、−OH、−OR、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−OC(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NRSO、置換されていないまたは置換された6から10員アリール、置換されていないまたは置換されたヘテロアリール、および置換されていないまたは置換されたヘテロシクリルからなる群から独立して選択される0から5個の置換基を表す;そして
、RおよびRは各々独立して、水素、置換されていないまたは置換されたC1−6アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルキニル、置換されていないまたは置換されたフェニル、置換されていないまたは置換されたヘテロアリール、置換されていないまたは置換されたアリール−C1−4アルキル、および置換されていないまたは置換されたアリールオキシ−C1−4アルキルである;またはここで、R、RおよびRのいずれか2つが、それらの結合する原子(単数または複数)と共に、1つの5、6または7員環を形成してもよい;
前記調節薬。
【請求項2】
Lが−CO−である請求項1に記載の調節薬。
【請求項3】
Xが、ハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−O(CO)R、−OC(O)NR、−SR、−SOR、−SO、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)、−NR(CO)NR、置換されていないC2−8アルキル、置換されたC1−8アルキル、置換されていないもしくは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないもしくは置換されたC2−8アルキニル、置換されていないもしくは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないもしくは置換された6から10員アリール、置換されていないもしくは置換された5もしくは6員ヘテロアリール、または置換されていないもしくは置換された3から7員ヘテロシクリルからなる群から独立して選択される1から3個の置換基を表す、請求項2に記載の調節薬。
【請求項4】
少なくとも1つのX置換基が式(I)に定義したようなスルホンアミド結合に対してパラに位置する、請求項2に記載の調節薬。
【請求項5】
少なくとも1つのX置換基が式(I)に定義したようなスルホンアミド結合に対してメタに位置する、請求項2に記載の調節薬。
【請求項6】
少なくとも1つのX置換基が式(I)に定義したようなスルホンアミド結合に対してオルトに位置する、請求項2に記載の調節薬。
【請求項7】
少なくとも1つのXが、置換されていないC2−8アルキル、置換されていないC3−8シクロアルキル、置換されていないC2−8アルケニル、または置換されていないC2−8アルキニルである、請求項2に記載の調節薬。
【請求項8】
少なくとも1つのXが、置換されたC1−8アルキル、置換されたC3−8シクロアルキル、置換されたC2−8アルケニル、または置換されたC2−8アルキニルであり、各々が、ハロゲン、−OH、−CN、−NO、=O、−OC(O)R、−OR、−C(O)R、−CONR、−OC(O)NR、−NRC(O)R、−NR(CO)NR、−CO、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NRSO、置換されていないまたは置換された6から10員アリール、置換されていないまたは置換された5から10員ヘテロアリール、および置換されていないまたは置換された3から10員ヘテロシクリルからなる群から独立して選択される1から5個の置換基を有する、請求項2に記載の調節薬。
【請求項9】
少なくとも1つのXが置換されたC1−8アルキルであり、ハロゲン、−OH、−CN、=O、−OC(O)R、−OR、−C(O)R、−CONR、−NRC(O)R、−CO、−NR、−SO、置換されていないまたは置換されたフェニル、および置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリールからなる群から独立して選択される1から3個の置換基を有する、請求項8に記載の調節薬。
【請求項10】
少なくとも1つのXが、置換されていないもしくは置換された6から10員アリール、置換されていないもしくは置換された5から10員ヘテロアリール、または置換されていないもしくは置換された3から10員ヘテロシクリルであって、Xが置換されている時は、Xが、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、−CN、−NO、−OH、−OR、=O、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−OC(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−SONR、および−NRSOからなる群から独立して選択される1から4個の置換基を有する、請求項2に記載の調節薬。
【請求項11】
少なくとも1つのXが、置換されていないまたは置換されたフェニルであって、Xが置換されている時は、Xが、ハロゲン、−OH、−OR、−C(O)R、−CONR、−NRC(O)R、−NR、−SO、および置換されていないまたは置換されたC1−8アルキルからなる群から独立して選択される1から3個の置換基を有する、請求項10に記載の調節薬。
【請求項12】
少なくとも1つのXが、置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリルであって、Xが置換されている時は、Xが、C1−8アルキル、−OR、−OH、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−NR、−SO、および−NRSOからなる群から独立して選択される1から3個の置換基を有する、請求項10に記載の調節薬。
【請求項13】
少なくとも1つのXが、置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリールであって、Xが置換されている時は、Xが、ハロゲン、−OH、−OR、−C(O)R、−CONR、−NRC(O)R、−NR、−SO、および置換されていないまたは置換されたC1−8アルキルからなる群から独立して選択される1から3個の置換基を有する、請求項10に記載の調節薬。
【請求項14】
、RおよびRが置換されている場合、R、RおよびRが、ハロゲン、−OH、−OR’、−OCOHNR’、−OCONR’、−SH、−SR’、−SONH、−CONH、−NHC(O)NH、−NR’C(O)NH、−COH、−CN、−NO、−NH、−NHR’および−NR’、−S(O)R’、−S(O)R’、 −COR’、−CONR’、−CONHR’、 −C(O)R’、−NR’COR’、−NHCOR’、−NR’COR’、 −NHCOR’、−COR’、−NR’C(O)NR’、−NHC(O)NR’、−NR’C(O)NHR’、−NHC(O)NHR’、 −NR’SOR’、−NHSOR’、−SONR’、および−SONHR’からなる群から独立して選択される1から3個の置換基を有することができ、その場合R’がC1−6アルキルである、請求項2に記載の調節薬。
【請求項15】
Yが、ハロゲン、−CN、−OR、−C(O)R、−SR、−CF、−SOR、および−SOからなる群から独立して選択される1から3個の置換基を表す、請求項2に記載の調節薬。
【請求項16】
Yが、ハロゲン、−CN、−CF、および−SOからなる群から独立して選択される1から3個の置換基を表す、請求項15に記載の調節薬。
【請求項17】
少なくとも1つのYがハロゲンを表す、請求項15に記載の調節薬。
【請求項18】
Yが、ハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−SR、−SOR、−SO、および置換されていないまたは置換されたC1−4アルキルからなる群から各々独立して選択される1から2個の置換基を表す、請求項2に記載の調節薬。
【請求項19】
1つのYが1つのハロゲンを表し、もう1つの置換基がハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−SR、−SOR、−SO、および置換されていないまたは置換されたC1−4アルキルからなる群から選択される、請求項18に記載の調節薬。
【請求項20】
少なくとも1つのY置換基が、式(I)に定義したようなスルホンアミド結合に対してパラに位置し、もう1つのY置換基がハロゲンである、請求項18に記載の調節薬。
【請求項21】
少なくとも1つのYが置換されていないC1−4アルキルである、請求項15に記載の調節薬。
【請求項22】
少なくとも1つのYが置換されたC1−4アルキルであり、ハロゲン、−OH、−OR、−CN、−NO、=O、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−OC(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)R、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−SONR、および−NRSOからなる群から独立して選択される1から3個の置換基を有し、
ここで、R、RおよびRは、水素、置換されていないまたは置換されたC1−6アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−6シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルケニル、および置換されていないまたは置換されたC2−6アルキニルからなる群から各々独立して選択される;または、R、RおよびRのいずれか2つが、それらの結合する原子(単数または複数)と共に、1つの5、6または7員環を形成してもよい、
請求項15に記載の調節薬。
【請求項23】
少なくとも1つのYが置換されたC1−4アルキルであり、ハロゲン、−OH、−OR、−CN、−NO、=O、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−NRC(O)R、−NR、−NR、−SR、−SOR、−SO、および−NRSOからなる群から独立して選択される1から3個の置換基を有する、請求項22に記載の調節薬。
【請求項24】
、RおよびRが置換されている場合、R、RおよびRがハロゲン、−OH、−OR’、−SH、−SR’、−SONH、−CONH、−NHC(O)NH、−N(C1−6アルキル)C(O)NH、−COH、−CN、−NO、−NH、−NHR’、−NR’、−S(O)R’、−S(O)R’、 −COR’、 −CONHR’、−CONR’、および−C(O)R’からなる群から独立して選択される1から3個の置換基を有することができ、その場合R’がC1−6アルキルである、請求項23に記載の調節薬。
【請求項25】
Zが、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルキニル、置換されていないまたは置換されたC1−8アルコキシ、=O、−CN、−NO、−OH、−OR、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−NRC(O)R、−NR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NRSO、置換されていないまたは置換されたフェニル、置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリール、および置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリルからなる群から独立して選択される0から3個の置換基を表す、請求項2に記載の調節薬。
【請求項26】
Zが、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−6アルキル、置換されていないまたは置換されたC1−6アルコキシ、=O、−CN、−NO、−OH、−OR、C(O)R、−CONR、−NRC(O)R、−NR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NRSO、置換されていないまたは置換されたフェニル、置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリル、および置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリールからなる群から独立して選択される0から2個の置換基を表す、請求項2に記載の調節薬。
【請求項27】
少なくとも1つのZが、置換されていないC1−8アルキル、置換されていないC3−8シクロアルキル、置換されていないC2−8アルケニル、置換されていないC2−8アルキニルまたは置換されていないC1−8アルコキシ、置換されていない6から10員アリール、置換されていない3から7員ヘテロシクリル、および3から7員ヘテロアリールである、請求項25に記載の調節薬。
【請求項28】
少なくとも1つのZが、置換されたC1−8アルキル、置換されたC3−8シクロアルキル、置換されたC2−8アルケニル、置換されたC2−8アルキニルまたは置換されたC1−8アルコキシであり、各々が、ハロゲン、−OH、−OR、−CN、−NO、=O、−CN、−NO、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−OC(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NRSO、置換されていないもしくは置換されたフェニル、置換されていないもしくは置換された5もしくは6員ヘテロアリール、または置換されていないもしくは置換された3から6員ヘテロシクリルからなる群から独立して選択される1から5個の置換基を有する、請求項25に記載の調節薬。
【請求項29】
、RおよびRが置換されている場合、R、RおよびRが各々、ハロゲン、−OH、−OR’、−OCONHR’、−OCONR’、−SH、−SR’、−CN、−SONH、−CONH、−NHC(O)NH、−NR’C(O)NH、−COH、−NO、−NH、−NHR’および−NR’、−S(O)R’、−S(O)R’、 −COR’、−CONR’、−CONHR’、 −C(O)R’、−NR’COR’、−NHCOR’、−NR’COR’、 −NHCOR’、−COR’、−NR’C(O)NR’、−NHC(O)NR’、−NR’C(O)NHR’、−NHC(O)NHR’、−NR’SOR’、−NHSOR’、−SONR’、および−SONHR’からなる群から独立して選択される1から3個の置換基を有することができ、その場合R’がC1−6アルキルである、請求項25に記載の調節薬。
【請求項30】
Yが、ハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−SR、−SOR、−SO、および置換されていないまたは置換されたC1−4アルキルからなる群から各々独立して選択される1から3個の置換基を表す、請求項3に記載の調節薬。
【請求項31】
少なくとも1つのYがハロゲンである、請求項30に記載の調節薬。
【請求項32】
Yが、ハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−SR、−SOR、−SO、および置換されていないまたは置換されたC1−4アルキルからなる群から各々独立して選択される1から3個の置換基を表す、請求項25に記載の調節薬。
【請求項33】
少なくとも1つのYがハロゲンである請求項32に記載の調節薬。
【請求項34】
Zが、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルキニル、置換されていないまたは置換されたC1−8アルコキシ、=O、−CN、−NO、−OH、−OR、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−NRC(O)R、−NR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NRSO、置換されていないまたは置換されたフェニル、置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリール、および置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリルからなる群から独立して選択される0から3個の置換基を表す、請求項15に記載の調節薬。
【請求項35】
Xが置換されていないC2−8アルキルまたは置換されたC1−8アルキルである、請求項34に記載の調節薬。
【請求項36】
少なくとも1つのYがハロゲンである、請求項34に記載の調節薬。
【請求項37】
Zが、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルキニル、置換されていないまたは置換されたC1−8アルコキシ、=O、−CN、−NO、−OH、−OR、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−NRC(O)R、−NR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NRSO、置換されていないまたは置換されたフェニル、置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリール、および置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリルからなる群から独立して選択される0から3個の置換基を表す、請求項30に記載の調節薬。
【請求項38】
Xが置換されていないC2−8アルキルまたは置換されたC1−8アルキルである、請求項37に記載の調節薬。
【請求項39】
少なくとも1つのYがハロゲンである、請求項37に記載の調節薬。
【請求項40】
走化性アッセイの活性 <10000nMを有する、請求項1に記載の調節薬。
【請求項41】
走化性アッセイの活性 <1000nMを有する、請求項1に記載の調節薬。
【請求項42】
走化性アッセイの活性 <100nMを有する、請求項1に記載の調節薬。
【請求項43】
CCR9走化性アッセイの活性 <10000nMを有する、請求項1に記載の調節薬。
【請求項44】
CCR9走化性アッセイの活性 <1000nMを有する、請求項1に記載の調節薬。
【請求項45】
CCR9走化性アッセイの活性 <100nMを有する、請求項1に記載の調節薬。
【請求項46】
式(II)または(III)またはそれらの塩の1つである調節薬であって:
【化2】

式中、X’およびX”は、水素、ハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−O(CO)R、−C(O)NR、−OC(O)NR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)、−NRSO、−NR(CO)NR、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルキニル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないまたは置換された6から10員アリール、置換されていないまたは置換された5から10員ヘテロアリール、および置換されていないまたは置換された3から10員ヘテロシクリルからなる群から各々独立して選択される、ただしX’およびX”の一方が水素である場合、他方は水素または置換されていないメチルではないものとする;
、RおよびRは、水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、6から10員アリール、5から10員ヘテロアリール、アリール−C1−4アルキル、アリール−C1−4アルキル、およびアリールオキシ−C1−4アルキルからなる群から各々独立して選択される;または
、RおよびRの2つがそれらの結合する原子(単数または複数)と共に1つの5、6または7員環を形成してもよい;
Y’およびY”は、水素、ハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−SR、−SOR、−SO、および置換されていないまたは置換されたC1−4アルキルからなる群から各々独立して選択される、ただしY’およびY”の双方が同時に水素であることはできないものとする;
は、水素、置換されていないまたは置換されたC1−6アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−6シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルケニル、および置換されていないまたは置換されたC2−6アルキニルからなる群から選択される;
Z’およびZ”は、水素、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルキニル、置換されていないまたは置換されたC1−8アルコキシ、=O、−CN、−NO、−OH、−OR、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−OC(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NRSO、置換されていないまたは置換された6から10員アリール、置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリール、および置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリルからなる群から各々独立して選択される;そして
その場合R、RおよびRは各々独立して、水素、置換されていないまたは置換されたC1−6アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−6シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルキニル、置換されていないまたは置換されたフェニル、置換されていないまたは置換されたヘテロアリール、置換されていないまたは置換されたアリール−C1−4アルキル、および置換されていないまたは置換されたアリールオキシ−C1−4アルキルである;またはR、RおよびRのいずれか2つがそれらの結合する原子(単数または複数)と共に、1つの5、6または7員環を形成してもよい;
前記調節薬。
【請求項47】
X’およびX”が、水素、ハロゲン、−CN、−OR、−C(O)R、−SO、−NR、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないまたは置換されたフェニル、置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリール、および置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロシクリルからなる群から各々独立して選択される、ただしX’およびX”の一方が水素である場合、他方は水素または置換されていないメチルではないものとする、請求項46に記載の調節薬。
【請求項48】
X’およびX”が、水素、ハロゲン、−CN、−CF、−CH=CH、イソアミル、フェニルアセチレン、t−ブチル、エチル(Et)、i−プロピル(Pr)、−C(CHCHCH、ヒドロキシブチル、−C(CHCHCHOH、−CHCHCOMe、−OCF、−OMe、−O−Pr、−C(O)Me、−SOMe、フェニル(Ph)、−OEt、ピラゾール、チオフェン、アミノピリジン、オキサゾール、およびモルホリニルからなる群から各々独立して選択される、ただしX’およびX”の双方が同時に水素であることはできないものとする、請求項46に記載の調節薬。
【請求項49】
Y’およびY”が各々独立して水素またはハロゲンである、ただし一方または双方がハロゲンであるものとする、請求項46に記載の調節薬。
【請求項50】
Y’が水素であり、Y”がクロロまたはブロモである、請求項46に記載の調節薬。
【請求項51】
Y’またはY”の少なくとも一方が1つのハロゲン原子であり、式(I)のスルホンアミド結合に対してオルトである、請求項46に記載の調節薬。
【請求項52】
Y’またはY”の少なくとも一方が1つのハロゲン原子であり、式(I)のスルホンアミド結合に対してメタである、請求項46に記載の調節薬。
【請求項53】
Y’またはY”の少なくとも一方が1つのハロゲン原子であり、式(I)のスルホンアミド結合に対してパラである、請求項46に記載の調節薬。
【請求項54】
Z’およびZ”が、水素、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−OC(O)R、−CONR、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−NRSO、−SONR、置換されていないまたは置換されたフェニル、および置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリール、置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリルからなる群から各々独立して選択される、請求項46に記載の調節薬。
【請求項55】
Z’およびZ”が各々独立して、水素、ハロゲン、−CN、−OR、−NR、−SR、−SOR、および−SO、置換されていないもしくは置換されたC1−6アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたC1−6アルキル、置換されていないもしくは置換されたフェニル、または置換されていないもしくは置換された5もしくは6員ヘテロシクリルである、請求項46に記載の調節薬。
【請求項56】
Y’およびY”が各々独立して水素またはハロゲンである、ただし一方または双方がハロゲンであるものとする、請求項47に記載の調節薬。
【請求項57】
Z’およびZ”が、水素、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−OC(O)R、−CONR、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−NRSO、−SONR、置換されていないまたは置換されたフェニル、および置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリール、置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリルからなる群から各々独立して選択される、請求項47に記載の調節薬。
【請求項58】
Z’およびZ”が、水素、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC1−8シクロアルキル、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−OC(O)R、−CONR、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−NRSO、置換されていないまたは置換された6から10員アリール、および置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリール、置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリルからなる群から各々独立して選択される、請求項49に記載の調節薬。
【請求項59】
Z’およびZ”が、水素、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−OC(O)R、−CONR、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−NRSO、−SONR、置換されていないまたは置換されたフェニル、および置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリール、置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリルからなる群から各々独立して選択される、請求項56に記載の調節薬。
【請求項60】
医薬的に受容可能な担体および請求項2に記載の化合物を包含する組成物。
【請求項61】
請求項2に記載の調節薬の安全で有効な量を被験者に投与することを包含する、CCR9を介した状態または疾患を治療する方法。
【請求項62】
CCR9を介した疾患または状態が、炎症性の状態、免疫調節の障害である、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
CCR9を介した疾患または状態が、炎症性腸疾患、アレルギー性疾患、乾癬、アトピー性皮膚炎、喘息、線維症疾患、移植片拒絶、免疫を介した食物アレルギー、自己免疫疾患、セリアック病、慢性関節リウマチ、胸腺腫、胸腺癌、白血病、固形腫瘍、または急性リンパ性白血病である、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
抗炎症剤または鎮痛剤を投与することをさらに包含する、請求項61に記載の方法。
【請求項65】
投与が経口、非経口、直腸から、経皮、舌下、経鼻または局所である、請求項61に記載の方法。
【請求項66】
当該化合物を、抗炎症剤または鎮痛剤と併用して投与する、請求項61に記載の方法。
【請求項67】
請求項2の調節薬のCCR9を調節する量を細胞とを接触させることを包含する、該細胞におけるCCR9機能を調節する方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)またはその塩である調節薬であって:
【化1】

式中
Lは、−C(O)−、−S−、−S(O)−または−S(O)−である;
Xは、ハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−O(CO)R、−C(O)NR、−OC(O)NR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)、−NRSO、−NR(CO)NR、置換されていないC2−8アルキル、置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルキニル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないまたは置換された6から10員アリール、置換されていないまたは置換された5から10員ヘテロアリール、および置換されていないまたは置換された3から10員ヘテロシクリルからなる群から独立して選択される、1から4個の置換基を表す;
、RおよびRは、水素、置換されていないまたは置換されたC1−6アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−6シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルキニル、置換されていないまたは置換された6から10員アリール、置換されていないまたは置換された5から10員ヘテロアリール、置換されていないまたは置換されたアリール−C1−4アルキル、置換されていないまたは置換されたアリール−C1−4アルキル、および置換されていないまたは置換されたアリールオキシ−C1−4アルキルからなる群から各々独立して選択される;または
、RおよびRの2つが、それらの結合する原子(単数または複数)と共に、置換されていないまたは置換された1つの5、6または7員環を形成してもよい;
Yは、ハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−SR、−SOR、−SO、および置換されていないまたは置換されたC1−4アルキルからなる群から各々独立して選択される、1から3個の置換基を表す;
は、水素、置換されていないまたは置換されたC1−6アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−6シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルケニル、および置換されていないまたは置換されたC2−6アルキニルからなる群から選択される;
Zは、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルキニル、置換されていないまたは置換されたC1−8アルコキシ、=O、−CN、−NO、−OH、−OR、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−OC(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NRSO、置換されていないまたは置換された6から10員アリール、置換されていないまたは置換されたヘテロアリール、および置換されていないまたは置換されたヘテロシクリルからなる群から独立して選択される0から5個の置換基を表す;そして
、RおよびRは各々独立して、水素、置換されていないまたは置換されたC1−6アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルキニル、置換されていないまたは置換されたフェニル、置換されていないまたは置換されたヘテロアリール、置換されていないまたは置換されたアリール−C1−4アルキル、および置換されていないまたは置換されたアリールオキシ−C1−4アルキルである;またはここで、R、RおよびRのいずれか2つが、それらの結合する原子(単数または複数)と共に、1つの5、6または7員環を形成してもよい;
前記調節薬。
【請求項2】
Lが−CO−である請求項1に記載の調節薬。
【請求項3】
Xが、ハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−O(CO)R、−OC(O)NR、−SR、−SOR、−SO、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)、−NR(CO)NR、置換されていないC2−8アルキル、置換されたC1−8アルキル、置換されていないもしくは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないもしくは置換されたC2−8アルキニル、置換されていないもしくは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないもしくは置換された6から10員アリール、置換されていないもしくは置換された5もしくは6員ヘテロアリール、または置換されていないもしくは置換された3から7員ヘテロシクリルからなる群から独立して選択される1から3個の置換基を表す、請求項2に記載の調節薬。
【請求項4】
少なくとも1つのX置換基が式(I)に定義したようなスルホンアミド結合に対してパラに位置する、請求項2に記載の調節薬。
【請求項5】
少なくとも1つのX置換基が式(I)に定義したようなスルホンアミド結合に対してメタに位置する、請求項2に記載の調節薬。
【請求項6】
少なくとも1つのX置換基が式(I)に定義したようなスルホンアミド結合に対してオルトに位置する、請求項2に記載の調節薬。
【請求項7】
少なくとも1つのXが、置換されていないC2−8アルキル、置換されていないC3−8シクロアルキル、置換されていないC2−8アルケニル、または置換されていないC2−8アルキニルである、請求項2に記載の調節薬。
【請求項8】
少なくとも1つのXが、置換されたC1−8アルキル、置換されたC3−8シクロアルキル、置換されたC2−8アルケニル、または置換されたC2−8アルキニルであり、各々が、ハロゲン、−OH、−CN、−NO、=O、−OC(O)R、−OR、−C(O)R、−CONR、−OC(O)NR、−NRC(O)R、−NR(CO)NR、−CO、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NRSO、置換されていないまたは置換された6から10員アリール、置換されていないまたは置換された5から10員ヘテロアリール、および置換されていないまたは置換された3から10員ヘテロシクリルからなる群から独立して選択される1から5個の置換基を有する、請求項2に記載の調節薬。
【請求項9】
少なくとも1つのXが置換されたC1−8アルキルであり、ハロゲン、−OH、−CN、=O、−OC(O)R、−OR、−C(O)R、−CONR、−NRC(O)R、−CO、−NR、−SO、置換されていないまたは置換されたフェニル、および置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリールからなる群から独立して選択される1から3個の置換基を有する、請求項8に記載の調節薬。
【請求項10】
少なくとも1つのXが、置換されていないもしくは置換された6から10員アリール、置換されていないもしくは置換された5から10員ヘテロアリール、または置換されていないもしくは置換された3から10員ヘテロシクリルであって、Xが置換されている時は、Xが、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、−CN、−NO、−OH、−OR、=O、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−OC(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−SONR、および−NRSOからなる群から独立して選択される1から4個の置換基を有する、請求項2に記載の調節薬。
【請求項11】
少なくとも1つのXが、置換されていないまたは置換されたフェニルであって、Xが置換されている時は、Xが、ハロゲン、−OH、−OR、−C(O)R、−CONR、−NRC(O)R、−NR、−SO、および置換されていないまたは置換されたC1−8アルキルからなる群から独立して選択される1から3個の置換基を有する、請求項10に記載の調節薬。
【請求項12】
少なくとも1つのXが、置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリルであって、Xが置換されている時は、Xが、C1−8アルキル、−OR、−OH、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−NR、−SO、および−NRSOからなる群から独立して選択される1から3個の置換基を有する、請求項10に記載の調節薬。
【請求項13】
少なくとも1つのXが、置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリールであって、Xが置換されている時は、Xが、ハロゲン、−OH、−OR、−C(O)R、−CONR、−NRC(O)R、−NR、−SO、および置換されていないまたは置換されたC1−8アルキルからなる群から独立して選択される1から3個の置換基を有する、請求項10に記載の調節薬。
【請求項14】
、RおよびRが置換されている場合、R、RおよびRが、ハロゲン、−OH、−OR’、−OCOHNR’、−OCONR’、−SH、−SR’、−SONH、−CONH、−NHC(O)NH、−NR’C(O)NH、−COH、−CN、−NO、−NH、−NHR’および−NR’、−S(O)R’、−S(O)R’、 −COR’、−CONR’、−CONHR’、 −C(O)R’、−NR’COR’、−NHCOR’、−NR’COR’、 −NHCOR’、−COR’、−NR’C(O)NR’、−NHC(O)NR’、−NR’C(O)NHR’、−NHC(O)NHR’、 −NR’SOR’、−NHSOR’、−SONR’、および−SONHR’からなる群から独立して選択される1から3個の置換基を有することができ、その場合R’がC1−6アルキルである、請求項2に記載の調節薬。
【請求項15】
Yが、ハロゲン、−CN、−OR、−C(O)R、−SR、−CF、−SOR、および−SOからなる群から独立して選択される1から3個の置換基を表す、請求項2に記載の調節薬。
【請求項16】
Yが、ハロゲン、−CN、−CF、および−SOからなる群から独立して選択される1から3個の置換基を表す、請求項15に記載の調節薬。
【請求項17】
少なくとも1つのYがハロゲンを表す、請求項15に記載の調節薬。
【請求項18】
Yが、ハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−SR、−SOR、−SO、および置換されていないまたは置換されたC1−4アルキルからなる群から各々独立して選択される1から2個の置換基を表す、請求項2に記載の調節薬。
【請求項19】
1つのYが1つのハロゲンを表し、もう1つの置換基がハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−SR、−SOR、−SO、および置換されていないまたは置換されたC1−4アルキルからなる群から選択される、請求項18に記載の調節薬。
【請求項20】
少なくとも1つのY置換基が、式(I)に定義したようなスルホンアミド結合に対してパラに位置し、もう1つのY置換基がハロゲンである、請求項18に記載の調節薬。
【請求項21】
少なくとも1つのYが置換されていないC1−4アルキルである、請求項15に記載の調節薬。
【請求項22】
少なくとも1つのYが置換されたC1−4アルキルであり、ハロゲン、−OH、−OR、−CN、−NO、=O、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−OC(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)R、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−SONR、および−NRSOからなる群から独立して選択される1から3個の置換基を有し、
ここで、R、RおよびRは、水素、置換されていないまたは置換されたC1−6アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−6シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルケニル、および置換されていないまたは置換されたC2−6アルキニルからなる群から各々独立して選択される;または、R、RおよびRのいずれか2つが、それらの結合する原子(単数または複数)と共に、1つの5、6または7員環を形成してもよい、
請求項15に記載の調節薬。
【請求項23】
少なくとも1つのYが置換されたC1−4アルキルであり、ハロゲン、−OH、−OR、−CN、−NO、=O、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−NRC(O)R、−NR、−NR、−SR、−SOR、−SO、および−NRSOからなる群から独立して選択される1から3個の置換基を有する、請求項22に記載の調節薬。
【請求項24】
、RおよびRが置換されている場合、R、RおよびRがハロゲン、−OH、−OR’、−SH、−SR’、−SONH、−CONH、−NHC(O)NH、−N(C1−6アルキル)C(O)NH、−COH、−CN、−NO、−NH、−NHR’、−NR’、−S(O)R’、−S(O)R’、 −COR’、 −CONHR’、−CONR’、および−C(O)R’からなる群から独立して選択される1から3個の置換基を有することができ、その場合R’がC1−6アルキルである、請求項23に記載の調節薬。
【請求項25】
Zが、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルキニル、置換されていないまたは置換されたC1−8アルコキシ、=O、−CN、−NO、−OH、−OR、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−NRC(O)R、−NR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NRSO、置換されていないまたは置換されたフェニル、置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリール、および置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリルからなる群から独立して選択される0から3個の置換基を表す、請求項2に記載の調節薬。
【請求項26】
Zが、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−6アルキル、置換されていないまたは置換されたC1−6アルコキシ、=O、−CN、−NO、−OH、−OR、C(O)R、−CONR、−NRC(O)R、−NR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NRSO、置換されていないまたは置換されたフェニル、置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリル、および置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリールからなる群から独立して選択される0から2個の置換基を表す、請求項2に記載の調節薬。
【請求項27】
少なくとも1つのZが、置換されていないC1−8アルキル、置換されていないC3−8シクロアルキル、置換されていないC2−8アルケニル、置換されていないC2−8アルキニルまたは置換されていないC1−8アルコキシ、置換されていない6から10員アリール、置換されていない3から7員ヘテロシクリル、および3から7員ヘテロアリールである、請求項25に記載の調節薬。
【請求項28】
少なくとも1つのZが、置換されたC1−8アルキル、置換されたC3−8シクロアルキル、置換されたC2−8アルケニル、置換されたC2−8アルキニルまたは置換されたC1−8アルコキシであり、各々が、ハロゲン、−OH、−OR、−CN、−NO、=O、−CN、−NO、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−OC(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NRSO、置換されていないもしくは置換されたフェニル、置換されていないもしくは置換された5もしくは6員ヘテロアリール、または置換されていないもしくは置換された3から6員ヘテロシクリルからなる群から独立して選択される1から5個の置換基を有する、請求項25に記載の調節薬。
【請求項29】
、RおよびRが置換されている場合、R、RおよびRが各々、ハロゲン、−OH、−OR’、−OCONHR’、−OCONR’、−SH、−SR’、−CN、−SONH、−CONH、−NHC(O)NH、−NR’C(O)NH、−COH、−NO、−NH、−NHR’および−NR’、−S(O)R’、−S(O)R’、 −COR’、−CONR’、−CONHR’、 −C(O)R’、−NR’COR’、−NHCOR’、−NR’COR’、 −NHCOR’、−COR’、−NR’C(O)NR’、−NHC(O)NR’、−NR’C(O)NHR’、−NHC(O)NHR’、−NR’SOR’、−NHSOR’、−SONR’、および−SONHR’からなる群から独立して選択される1から3個の置換基を有することができ、その場合R’がC1−6アルキルである、請求項25に記載の調節薬。
【請求項30】
Yが、ハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−SR、−SOR、−SO、および置換されていないまたは置換されたC1−4アルキルからなる群から各々独立して選択される1から3個の置換基を表す、請求項3に記載の調節薬。
【請求項31】
少なくとも1つのYがハロゲンである、請求項30に記載の調節薬。
【請求項32】
Yが、ハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−SR、−SOR、−SO、および置換されていないまたは置換されたC1−4アルキルからなる群から各々独立して選択される1から3個の置換基を表す、請求項25に記載の調節薬。
【請求項33】
少なくとも1つのYがハロゲンである請求項32に記載の調節薬。
【請求項34】
Zが、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルキニル、置換されていないまたは置換されたC1−8アルコキシ、=O、−CN、−NO、−OH、−OR、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−NRC(O)R、−NR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NRSO、置換されていないまたは置換されたフェニル、置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリール、および置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリルからなる群から独立して選択される0から3個の置換基を表す、請求項15に記載の調節薬。
【請求項35】
Xが置換されていないC2−8アルキルまたは置換されたC1−8アルキルである、請求項34に記載の調節薬。
【請求項36】
少なくとも1つのYがハロゲンである、請求項34に記載の調節薬。
【請求項37】
Zが、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルキニル、置換されていないまたは置換されたC1−8アルコキシ、=O、−CN、−NO、−OH、−OR、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−NRC(O)R、−NR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NRSO、置換されていないまたは置換されたフェニル、置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリール、および置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリルからなる群から独立して選択される0から3個の置換基を表す、請求項30に記載の調節薬。
【請求項38】
Xが置換されていないC2−8アルキルまたは置換されたC1−8アルキルである、請求項37に記載の調節薬。
【請求項39】
少なくとも1つのYがハロゲンである、請求項37に記載の調節薬。
【請求項40】
走化性アッセイの活性 <10000nMを有する、請求項1に記載の調節薬。
【請求項41】
走化性アッセイの活性 <1000nMを有する、請求項1に記載の調節薬。
【請求項42】
走化性アッセイの活性 <100nMを有する、請求項1に記載の調節薬。
【請求項43】
CCR9走化性アッセイの活性 <10000nMを有する、請求項1に記載の調節薬。
【請求項44】
CCR9走化性アッセイの活性 <1000nMを有する、請求項1に記載の調節薬。
【請求項45】
CCR9走化性アッセイの活性 <100nMを有する、請求項1に記載の調節薬。
【請求項46】
式(II)または(III)またはそれらの塩の1つである調節薬であって:
【化2】

式中、X’およびX”は、水素、ハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−O(CO)R、−C(O)NR、−OC(O)NR、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NR、−NRC(O)R、−NRC(O)、−NRSO、−NR(CO)NR、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルキニル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないまたは置換された6から10員アリール、置換されていないまたは置換された5から10員ヘテロアリール、および置換されていないまたは置換された3から10員ヘテロシクリルからなる群から各々独立して選択される、ただしX’およびX”の一方が水素である場合、他方は水素または置換されていないメチルではないものとする;
、RおよびRは、水素、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C2−6アルケニル、C2−6アルキニル、6から10員アリール、5から10員ヘテロアリール、アリール−C1−4アルキル、アリール−C1−4アルキル、およびアリールオキシ−C1−4アルキルからなる群から各々独立して選択される;または
、RおよびRの2つがそれらの結合する原子(単数または複数)と共に1つの5、6または7員環を形成してもよい;
Y’およびY”は、水素、ハロゲン、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−SR、−SOR、−SO、および置換されていないまたは置換されたC1−4アルキルからなる群から各々独立して選択される、ただしY’およびY”の双方が同時に水素であることはできないものとする;
は、水素、置換されていないまたは置換されたC1−6アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−6シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルケニル、および置換されていないまたは置換されたC2−6アルキニルからなる群から選択される;
Z’およびZ”は、水素、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルキニル、置換されていないまたは置換されたC1−8アルコキシ、=O、−CN、−NO、−OH、−OR、−OC(O)R、−CO、−C(O)R、−CONR、−OC(O)NR、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−SONR、−NRSO、置換されていないまたは置換された6から10員アリール、置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリール、および置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリルからなる群から各々独立して選択される;そして
その場合R、RおよびRは各々独立して、水素、置換されていないまたは置換されたC1−6アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−6シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルケニル、置換されていないまたは置換されたC2−6アルキニル、置換されていないまたは置換されたフェニル、置換されていないまたは置換されたヘテロアリール、置換されていないまたは置換されたアリール−C1−4アルキル、および置換されていないまたは置換されたアリールオキシ−C1−4アルキルである;またはR、RおよびRのいずれか2つがそれらの結合する原子(単数または複数)と共に、1つの5、6または7員環を形成してもよい;
前記調節薬。
【請求項47】
X’およびX”が、水素、ハロゲン、−CN、−OR、−C(O)R、−SO、−NR、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、置換されていないまたは置換されたC2−8アルケニル、置換されていないまたは置換されたフェニル、置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリール、および置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロシクリルからなる群から各々独立して選択される、ただしX’およびX”の一方が水素である場合、他方は水素または置換されていないメチルではないものとする、請求項46に記載の調節薬。
【請求項48】
X’およびX”が、水素、ハロゲン、−CN、−CF、−CH=CH、イソアミル、フェニルアセチレン、t−ブチル、エチル(Et)、i−プロピル(Pr)、−C(CHCHCH、ヒドロキシブチル、−C(CHCHCHOH、−CHCHCOMe、−OCF、−OMe、−O−Pr、−C(O)Me、−SOMe、フェニル(Ph)、−OEt、ピラゾール、チオフェン、アミノピリジン、オキサゾール、およびモルホリニルからなる群から各々独立して選択される、ただしX’およびX”の双方が同時に水素であることはできないものとする、請求項46に記載の調節薬。
【請求項49】
Y’およびY”が各々独立して水素またはハロゲンである、ただし一方または双方がハロゲンであるものとする、請求項46に記載の調節薬。
【請求項50】
Y’が水素であり、Y”がクロロまたはブロモである、請求項46に記載の調節薬。
【請求項51】
Y’またはY”の少なくとも一方が1つのハロゲン原子であり、式(I)のスルホンアミド結合に対してオルトである、請求項46に記載の調節薬。
【請求項52】
Y’またはY”の少なくとも一方が1つのハロゲン原子であり、式(I)のスルホンアミド結合に対してメタである、請求項46に記載の調節薬。
【請求項53】
Y’またはY”の少なくとも一方が1つのハロゲン原子であり、式(I)のスルホンアミド結合に対してパラである、請求項46に記載の調節薬。
【請求項54】
Z’およびZ”が、水素、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−OC(O)R、−CONR、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−NRSO、−SONR、置換されていないまたは置換されたフェニル、および置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリール、置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリルからなる群から各々独立して選択される、請求項46に記載の調節薬。
【請求項55】
Z’およびZ”が各々独立して、水素、ハロゲン、−CN、−OR、−NR、−SR、−SOR、および−SO、置換されていないもしくは置換されたC1−6アルコキシ、置換されていないもしくは置換されたC1−6アルキル、置換されていないもしくは置換されたフェニル、または置換されていないもしくは置換された5もしくは6員ヘテロシクリルである、請求項46に記載の調節薬。
【請求項56】
Y’およびY”が各々独立して水素またはハロゲンである、ただし一方または双方がハロゲンであるものとする、請求項47に記載の調節薬。
【請求項57】
Z’およびZ”が、水素、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−OC(O)R、−CONR、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−NRSO、−SONR、置換されていないまたは置換されたフェニル、および置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリール、置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリルからなる群から各々独立して選択される、請求項47に記載の調節薬。
【請求項58】
Z’およびZ”が、水素、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC1−8シクロアルキル、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−OC(O)R、−CONR、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−NRSO、置換されていないまたは置換された6から10員アリール、および置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリール、置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリルからなる群から各々独立して選択される、請求項49に記載の調節薬。
【請求項59】
Z’およびZ”が、水素、ハロゲン、置換されていないまたは置換されたC1−8アルキル、置換されていないまたは置換されたC3−8シクロアルキル、−CN、−OH、−OR、−C(O)R、−CO、−OC(O)R、−CONR、−NR、−NRCO、−SR、−SOR、−SO、−NRSO、−SONR、置換されていないまたは置換されたフェニル、および置換されていないまたは置換された5または6員ヘテロアリール、置換されていないまたは置換された3から7員ヘテロシクリルからなる群から各々独立して選択される、請求項56に記載の調節薬。
【請求項60】
医薬的に受容可能な担体および請求項2に記載の化合物を包含する組成物。
【請求項61】
CCR9を介した状態または疾患を治療するための医薬組成物であって、請求項2に記載の調節薬を包含する、前記医薬組成物
【請求項62】
CCR9を介した疾患または状態が、炎症性の状態および免疫調節の障害からなる群から選択される、請求項61に記載の医薬組成物
【請求項63】
CCR9を介した疾患または状態が、炎症性腸疾患、アレルギー性疾患、乾癬、アトピー性皮膚炎、喘息、線維症疾患、移植片拒絶、免疫を介した食物アレルギー、自己免疫疾患、セリアック病、慢性関節リウマチ、胸腺腫、胸腺癌、白血病、固形腫瘍、および急性リンパ性白血病からなる群から選択される、請求項61に記載の医薬組成物
【請求項64】
抗炎症剤または鎮痛剤をさらに包含する、請求項61に記載の医薬組成物
【請求項65】
経口、非経口、直腸から、経皮、舌下、経鼻または局所投与する、請求項61に記載の医薬組成物
【請求項66】
抗炎症剤または鎮痛剤と併用して投与する、請求項61に記載の医薬組成物
【請求項67】
請求項2の調節薬のCCR9を調節する量を細胞とを接触させることを包含する、該細胞におけるCCR9機能を調節する方法。

【図1】
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【公表番号】特表2006−510724(P2006−510724A)
【公表日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−569975(P2004−569975)
【出願日】平成15年11月18日(2003.11.18)
【国際出願番号】PCT/US2003/037035
【国際公開番号】WO2004/085384
【国際公開日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【出願人】(502129656)ケモセントリックス, インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】