説明

ビデオ会議システム,サーバ装置,及びビデオ会議プログラム

【課題】ビデオ会議を安価に行うことを可能にする。
【解決手段】サーバ装置3の主要発言者判定部21が、ビデオ会議の主要発言者を判定し、サーバ装置3の映像表示制御部22が、主要発言者判定部21の判定結果に基づいて、第1の主要発言者と第2の主要発言者を特定する。そして映像表示制御部22は、第1の主要発言者と第2の主要発言者の映像が左右異なる位置に表示されるように他地点の表示装置11を制御し、第2の主要発言者の映像が他地点の表示装置11における第2の主要発言者の映像表示位置とは異なる左右位置に表示されるように第1の主要発言者がいる地点の表示装置11を制御し、第1の主要発言者の映像が他地点の表示装置11における第1の主要発言者の映像表示位置とは異なる左右位置に表示されるように第2の主要発言者がいる地点の表示装置11を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の地点にいる出席者間でビデオ会議を行うためのビデオ会議システム,サーバ装置,及びビデオ会議プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、撮像装置と表示装置を用いて複数の地点にいる出席者の映像を撮影及び伝送することにより、複数の地点にいる出席者間でビデオ会議を行うビデオ会議システムが知られている。このようなビデオ会議システムでは、同じ会議を行っているという臨場感を出席者に与えるために、出席者の視線を互いに一致させることが重要な課題である。
【0003】
このような背景から、複数の通信先の映像を1つの画面に合成して表示する表示装置と、会話中の通信先の映像と視線が一致する角度から通信元の正面の映像を撮影する複数の正面用撮像装置と、会話中の出席者同士の視線が一致する角度から通信元の横顔の映像を撮影する複数の横顔用撮像装置を備えるビデオ会議システムが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
このビデオ会議システムは、出席者(通信元)がどの通信先の出席者と会話をしているのかを検出する。そしてビデオ会議システムは、検出結果に応じて、複数の正面用撮像装置により撮影された映像のうちの対応する映像を会話中の通信先に送信し、複数の横顔用撮像装置により撮影された映像のうちの対応する映像を会話中の通信先以外の通信先に送信する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のビデオ会議システムによれば、少なくとも{(ビデオ会議の出席者数−1)×2}台の撮像装置を出席者がいる各地点に設置しなければならないために、出席者数の増加に伴い撮像装置の必要設置台数が増加し、ビデオ会議を安価に行うことが困難になる。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、その目的は、ビデオ会議を安価に行うことが可能なビデオ会議システム,サーバ装置,及びビデオ会議プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、ビデオ会議の出席者がいる地点毎に配置された複数のビデオ会議端末装置と、電気通信回線を介して複数のビデオ会議端末装置に接続されたサーバ装置とを備え、各ビデオ会議端末装置は、少なくとも2地点の他の出席者の映像を左右異なる位置に表示する表示装置と、表示装置の表示画面に対面する出席者の映像を撮影する撮像装置とを備え、サーバ装置は、ビデオ会議の主要発言者を判定する主要発言者判定部と、表示装置が表示する出席者の映像を制御する映像表示制御部とを備え、映像表示制御部は、主要発言者判定部の判定結果に基づいて第1及び第2の主要発言者を特定し、撮像装置により撮影された第1の主要発言者と前記第2の主要発言者の映像が左右異なる位置に表示されるように、第1及び前記第2の主要発言者以外の出席者がいる地点の表示装置を制御し、撮像装置により撮影された第2の主要発言者の映像が、第1及び第2の主要発言者以外の出席者がいる地点の表示装置における、第2の主要発言者の映像表示位置とは異なる左右位置に表示されるように、第1の主要発言者がいる地点の表示装置を制御し、撮像装置により撮影された第1の主要発言者の映像が、第1及び第2の主要発言者以外の出席者がいる地点の表示装置における、第1の主要発言者の映像表示位置とは異なる左右位置に表示されるように、第2の主要発言者がいる地点の表示装置を制御する。
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の地点にいるビデオ会議の出席者の中からビデオ会議の主要発言者を判定する主要発言者判定部と、ビデオ会議の出席者がいる地点毎に配置された表示装置に表示させる出席者の映像を制御する映像表示制御部とを備え、映像表示制御部は、主要発言者判定部の判定結果に基づいて第1及び第2の主要発言者を特定し、第1の主要発言者と第2の主要発言者の映像が左右異なる位置に表示されるように、第1及び第2の主要発言者以外の出席者がいる地点の表示装置を制御し、第2の主要発言者の映像が、第1及び第2の主要発言者以外の出席者がいる地点の表示装置における、第2の主要発言者の映像表示位置とは異なる左右位置に表示されるように、第1の主要発言者がいる地点の表示装置を制御し、第1の主要発言者の映像が、第1及び第2の主要発言者以外の出席者がいる地点の表示装置における、第1の主要発言者の映像表示位置とは異なる左右位置に表示されるように、第2の主要発言者がいる地点の表示装置を制御する。
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の地点にいるビデオ会議の出席者の中からビデオ会議の主要発言者を判定する主要発言者判定ステップと、ビデオ会議の出席者がいる地点毎に配置された表示装置に表示させる出席者の映像を制御する映像表示制御ステップとをコンピュータに実行させ、映像表示制御ステップは、主要発言者判定ステップの結果に基づいて第1及び第2の主要発言者を特定するステップと、第1の主要発言者と第2の主要発言者の映像が左右異なる位置に表示されるように、第1及び第2の主要発言者以外の出席者がいる地点の表示装置を制御するステップと、第2の主要発言者の映像が、第1及び第2の主要発言者以外の出席者がいる地点の表示装置における、第2の主要発言者の映像表示位置とは異なる左右位置に表示されるように、第1の主要発言者がいる地点の表示装置を制御するステップと、第1の主要発言者の映像が、第1及び前記第2の主要発言者以外の出席者がいる地点の表示装置における、第1の主要発言者の映像表示位置とは異なる左右位置に表示されるように、第2の主要発言者がいる地点の表示装置を制御するステップとを含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、撮像装置の必要設置台数がビデオ会議の出席者数に依存しなくなるので、ビデオ会議を安価に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の実施形態となるビデオ会議システムの構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、図1に示す表示装置の画面構成を示す模式図である。
【図3】図3は、図1に示す左カメラと右カメラのレイアウトを示す模式図である。
【図4】図4は、図1に示す主要発言者判定部の内部構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、図1に示す表示装置の表示出力例を示す模式図である。
【図6】図6(a)は、出席者が右画面領域を見ている際に右カメラにより撮影される映像を説明するための図、図6(b)は、出席者が右画面領域を見ている際に左カメラにより撮影される映像を説明するための図、図6(c)は、出席者が左画面領域を見ている際に右カメラにより撮影される映像を説明するための図、図6(d)は、出席者が左画面領域を見ている際に左カメラにより撮影される映像を説明するための図である。
【図7】図7は、地点P1〜P4の表示装置に表示される出席者の映像の一例を示す模式図である。
【図8】図8は、映像表示制御処理の流れを示すフローチャート図である。
【図9】図9は、図8に示すステップS4の処理のサブルーチンを示すフローチャート図である。
【図10】図10は、図8に示すステップS5の処理のサブルーチンを示すフローチャート図である。
【図11】図11は、図10に示すステップS23の処理のサブルーチンを示すフローチャート図である。
【図12】図12は、図10に示すステップS24の処理のサブルーチンを示すフローチャート図である。
【図13】図13は、図10に示すステップS25の処理のサブルーチンを示すフローチャート図である。
【図14】図14は、図8に示すステップS6の処理のサブルーチンを示すフローチャート図である。
【図15】図15は、図8に示すステップS8の処理のサブルーチンを示すフローチャート図である。
【図16】図16は、他地点nにいる出席者,第1の主要発言者,及び第2の主要発言者の表示装置の表示画面例を示す模式図である。
【図17】図17は、主要発言者の変化に伴う表示画面の変化の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態となるビデオ会議システムの構成及びその動作について説明する。
【0013】
〔ビデオ会議システムの構成〕
始めに、図1を参照して、本発明の実施形態となるビデオ会議システムの構成について説明する。
【0014】
本発明の実施形態となるビデオ会議システム1は、図1に示すように、ビデオ会議の出席者がいる地点毎に設けられたビデオ会議端末装置2と、ビデオ会議端末装置2の動作を制御するサーバ装置3とを備え、ビデオ会議端末装置2とサーバ装置3は、電気通信回線4を介して相互に情報通信可能なように構成されている。
【0015】
〔ビデオ会議端末装置の構成〕
ビデオ会議端末装置2は、表示装置11と撮像装置12を備える。表示装置11は、液晶ディスプレイ装置やCRT(Cathode Ray Tube)装置等の公知の表示装置により構成され、図2に示すように、左画面領域31,右画面領域32,下画面領域33,及び発言率表示領域34,35を有する。左画面領域31,右画面領域32,及び下画面領域33は、サーバ装置3から送信されたビデオ会議の出席者の映像を表示する。本実施形態では、左画面領域32と右画面領域33は、図3に示すように、それぞれの中心位置から表示画面の中心位置までの距離(図3に示す距離a)が同じになる位置に配置されている。
【0016】
発言率表示領域34及び発言率表示領域35はそれぞれ、左画面領域31及び右画面領域32に表示されている出席者の発言時間のビデオ会議時間中に占める割合(発言率)を表示する。本実施形態では、発言率表示領域34,35に表示されている黒色のバーの長さが出席者の発言率を示す。すなわち本実施形態では、黒色のバーが発言率表示領域34,35に表示されていない場合、出席者の発言率は0%となり、黒色のバーが発言率表示領域34,35の左端から右端まで表示されている場合には、出席者の発言率は100%となる。
【0017】
撮像装置12は、表示装置11に対面している出席者(操作者)の映像を撮影する左カメラ12aと右カメラ12bを有する。左カメラ12aは、図3に示すように、操作者が左画面領域31に表示されている出席者の映像を見ている時の視線方向と撮像方向がなす角度がθとなる位置に配置され、操作者の正面近くの映像を角度θで撮影する。一方、右カメラ12bは、操作者が左画面領域31に表示されている出席者の映像を見ている時の視線方向と撮像方向がなす角度がβとなる位置に配置され、左画面領域31を見ている操作者の横顔の映像を角度βで撮影する。
【0018】
左画面領域31又は右画面領域32に表示されている出席者の視線と操作者の視線を一致させるためには、角度θが可能な限り小さくなるように左カメラ12a及び右ガメラ12bを配置することが望ましい。また操作者の横顔を正しく撮影するためには、角度βが60〜90°の範囲内に収まるように左カメラ12a及び右カメラ12bを配置することが望ましい。但し、操作者の正面映像と横顔映像を区別しやすくするためには、角度βが角度θの少なくとも2倍以上であることが望ましい。
【0019】
〔サーバ装置の構成〕
サーバ装置3は、ワークステーション等の公知の情報処理装置により構成され、主要発言者判定部21と映像表示制御部22を備える。主要発言者判定部21と映像表示制御部22の機能は、情報処理装置内部のCPU(Central Processing Unit)が記憶媒体からビデオ会議プログラムを読み出して実行することにより、サーバ装置3上で実現されるようになっている。
【0020】
上記ビデオ会議プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM,フレキシブルディスク(FD),CD-R,DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。またビデオ会議プログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。またビデオ会議プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成してもよい。またビデオ会議プログラムをROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0021】
主要発言者判定部21は、図4に示すように、音量検出部41,音量履歴記憶部42,主要発言書特定部43,及び発言時間計算部44を含む。音量検出部41は、ビデオ会議の出席者がいる各地点のビデオ会議端末装置2から出席者の映像を受信し、受信した映像情報に基づいて各出席者の発話音量を検出する。音量履歴記憶部42は、音量検出部41により検出された各出席者の発話音量を単位時間毎に記憶する。主要発言者特定部43は、音量履歴記憶部42に記憶されている各出席者の単位時間毎の発話音量に基づいて所定時間内の平均発話音量(例えば最近5〜10秒間の平均発話音量)を算出し、算出された平均発話音量が最も大きい出席者を主要発言者として特定する。発言時間計算部44は、音量履歴記憶部42に記憶されている各出席者の単位時間毎の発話音量に基づいて各出席者の発言率を算出する。
【0022】
映像表示制御部22は、主要発言者判定部21(主要発言者特定部43及び発言時間計算部44)の処理結果に基づいて、各地点の表示装置11に表示する映像や情報を制御する。詳しくは後述するが、地点P1〜P4にいる出席者間でビデオ会議を行っている場合において、地点P1の出席者が地点P2の出席者と会話をしている時には、映像表示制御部22は、例えば図5に示すように、地点P1の表示装置11の左画面領域31及び右画面領域32にそれぞれ地点P2及び地点P3の出席者の映像を表示する。
【0023】
出席者が右画面領域32を見ている場合、右カメラ12bは図6(a)に示すような出席者が小さく左を向いている映像を撮影し、左カメラ12aは図6(b)に示すような出席者が大きく左を向いている映像を撮影する。一方、出席者が左画面領域31を見ている場合には、右カメラ12bは図6(c)に示すような出席者が大きく右を向いている映像を撮影し、左カメラ12aは図6(d)に示すような出席者が小さく右を向いている映像を撮影する。
【0024】
従って、地点P1の出席者が地点P2の出席者と会話をしている場合、映像表示制御部22は、図7に示すように、地点P1の表示装置11の左画面領域31及び右画面領域32にはそれぞれ地点P2の出席者が小さく右を向いている映像及び地点P3の出席者が大きく左を向いている映像を表示する。また映像表示制御部22は、地点P2の表示装置11の左画面領域31及び右画面領域32にはそれぞれ地点P4の出席者が大きく右を向いている映像及び地点P1の出席者が小さく左を向いている映像を表示する。また映像表示制御部22は、地点P3及び地点P4の表示装置11の左画面領域31及び右画面領域32にはそれぞれ地点P1の出席者が大きく右を向いている映像及び地点P2の出席者が大きく左を向いている映像を表示する。
【0025】
〔映像表示制御処理〕
このようなビデオ会議システム1では、サーバ装置3が以下に示す映像表示制御処理を実行することにより、ビデオ会議を安価に行うことを可能にする。以下、図8に示すフローチャートを参照して、この映像表示制御処理を実行する際のサーバ装置3の動作について説明する。
【0026】
図8に示すフローチャートは、サーバ装置3に対しビデオ会議の開始が指示されたタイミングで開始となり、映像表示制御処理はステップS1の処理に進む。
【0027】
ステップS1の処理では、映像表示制御部22が、映像表示制御処理の初期設定を実行する。具体的には、映像表示制御部22は、ビデオ会議の主催者によって入力されたビデオ会議の出席者の主要順序に基づいて、主要順序が1番目の出席者を「第1の主要発言者」,主要順序が2番目の出席者を「第2の主要発言者」,主要順序が3番目の出席者がいる地点を「デフォルト地点」に設定する。
【0028】
映像表示制御部22は、「第1の主要発言者」の表示装置11の左画面領域31及び右画面領域32にそれぞれ右カメラ12bにより撮影された「第2の主要発言者」の映像及び左カメラ12aにより撮影された「デフォルト地点」にいる出席者の映像を表示するように「第1の主要発言者」の表示装置11の表示画面を設定する。映像表示制御部22は、「第2の主要発言者」の表示装置11の左画面領域31及び右画面領域32にそれぞれ右カメラ12bにより撮影された「デフォルト地点」にいる出席者の映像及び左カメラ12aにより撮影された「第1の主要発言者」の映像を表示するように「第2の主要発言者」の表示装置11の表示画面を設定する。
【0029】
映像表示制御部22は、「第1の主要発言者」と「第2の主要発言者」以外の出席者(「デフォルト地点」を含む「他地点」にいる出席者)の表示装置11の左画面領域31及び右画面領域32にそれぞれ右カメラ12bにより撮影された「第1の主要発言者」の映像及び左カメラ12aにより撮影された「第2の主要発言者」の映像を表示するように「他地点」の表示装置11の表示画面を設定する。そして映像表示制御部22は、各出席者について設定した情報、すなわち「第1の主要発言者」,「第2の主要発言者」,「デフォルト地点」,及び「他地点」の種別を示す分類情報と、表示装置11の左画面領域31及び右画面領域32に表示する映像を示す表示情報を各出席者の属性情報として記憶する。これにより、ステップS1の処理は完了し、映像表示制御処理はステップS2の処理に進む。
【0030】
ステップS2の処理では、映像表示制御部22が、主要発言者判定部21から主要発言者の情報を取得する。これにより、ステップS2の処理は完了し、映像表示制御処理はステップS3の処理に進む。
【0031】
ステップS3の処理では、映像表示制御部22が、出席者の属性情報とステップS2の処理により取得した主要発言者の情報とを比較することにより、主要発言者が変化したか否かを判別する。判別の結果、主要発言者が変化していない場合、映像表示制御部22は映像表示制御処理をステップS7の処理に進める。一方、主要発言者が変化した場合には、映像表示制御部22は映像表示制御処理をステップS4の処理に進める。
【0032】
ステップS4の処理では、映像表示制御部22が、新しい主要発言者(「第1の主要発言者」と「第2の主要発言者」)を特定し、特定結果に基づいて各出席者の属性情報を更新する(主要発言者特定処理)。この主要発言者特定処理の詳細については、図9に示すフローチャートを参照して後述する。これにより、ステップS4の処理は完了し、映像表示制御処理はステップS5の処理に進む。
【0033】
ステップS5の処理では、映像表示制御部22が、ステップS4の処理により更新された各出席者の属性情報に従って、各出席者の表示装置11の左画面領域31及び右画面領域32に映像を表示する出席者を決定する(映像表示地点決定処理)。この映像表示地点決定処理の詳細については、図10乃至図13に示すフローチャートを参照して後述する。これにより、ステップS5の処理は完了し、映像表示制御処理はステップS6とステップS7の処理に進む。
【0034】
ステップS6の処理では、映像表示制御部22が、ステップS5の処理結果に基づいて、各出席者の表示装置11の左画面領域31及び右画面領域32に表示する出席者の映像(左カメラ12a又は右カメラ12bにより撮影された映像)を特定する(映像特定処理)。この映像特定処理の詳細については図14に示すフローチャートを参照して後述する。これにより、ステップS6の処理は完了し、映像表示制御処理はステップS8の処理に進む。
【0035】
ステップS7の処理では、映像表示制御部22が、主要発言者判定部21から「第1の主要発言者」,「第2の主要発言者」,及び「デフォルト地点」にいる出席者の発言率に関する情報を取得する。これにより、ステップS7の処理は完了し、映像表示制御処理はステップS8の処理に進む。
【0036】
ステップS8の処理では、映像表示制御部22が、ステップS6の処理結果に基づいて各地点の表示装置11に送信する映像を選択し、ステップS7の処理により取得した発言率に関する情報と共に選択された映像を各地点の表示装置11に送信する(情報送信処理)。この情報送信処理の詳細については、図15に示すフローチャートを参照して後述する。これにより、ステップS8の処理は完了し、映像表示制御処理はステップS9の処理に進む。
【0037】
ステップS9の処理では、映像表示制御部22が、ビデオ会議の終了指示が入力されたか否かを判別する。判別の結果、ビデオ会議の終了指示が入力されていない場合、映像表示制御部22は映像表示制御処理をステップS2の処理に戻す。一方、ビデオ会議の終了指示が入力された場合には、映像表示制御部22は一連の映像表示制御処理を終了する。
【0038】
〔主要発言者特定処理〕
次に、図9に示すフローチャートを参照して、上記ステップS4の主要発言者特定処理について詳しく説明する。
【0039】
図9に示すフローチャートは、ステップS3の処理において主要発言者が変化したと判別されたタイミングで開始となり、主要発言者特定処理はステップS11の処理に進む。
【0040】
ステップS11の処理では、映像表示制御部22が、各出席者の属性情報を読み出す。これにより、ステップS11の処理は完了し、主要発言者特定処理はステップS12の処理に進む。
【0041】
ステップS12の処理では、映像表示制御部22が、属性情報内の分類情報を元分類情報(主要発言者が変化する前の各出席者の属性情報)に置き換える。これにより、ステップS12の処理は完了し、主要発言者特定処理はステップS13の処理に進む。
【0042】
ステップS13の処理では、映像表示制御部22が、元分類情報で「第2の主要発言者」に分類されている出席者の分類情報を「第1の主要発言者」に設定する。これにより、ステップS13の処理は完了し、主要発言者特定処理はステップS14の処理に進む。
【0043】
ステップS14の処理では、映像表示制御部22が、新しい主要発言者の分類情報を「第2の主要発言者」に設定する。これにより、ステップS14の処理は完了し、主要発言者特定処理はステップS14の処理は完了し、主要発言者特定処理はステップS15の処理に進む。
【0044】
ステップS15の処理では、映像表示制御部22が、ステップS13とステップS14の処理により「第1の主要発言者」及び「第2の主要発言者」に設定された出席者と元分類情報において「第1の主要発言者」及び「デフォルト地点」にいる出席者に設定されている出席者を除く出席者の中で、初期設定処理において設定された主要順位が最も高い出席者の分類情報を「デフォルト地点」に設定する。これにより、ステップS15の処理は完了し、主要発言者特定処理はステップS16の処理に進む。
【0045】
ステップS16の処理では、映像表示制御部22が、ステップS15の処理により「デフォルト地点」にいる出席者に分類された出席者を含む「第1の主要発言者」と「第2の主要発言者」以外の出席者の分類情報を「他地点」に設定する。これにより、ステップS16の処理は完了し、主要発言者特定処理はステップS17の処理に進む。
【0046】
ステップS17の処理では、映像表示制御部22が、ステップS12乃至ステップS16の処理結果に基づいて、各出席者の属性情報を更新する。これにより、ステップS17の処理は完了し、一連の主要発言者特定処理は完了する。
【0047】
〔映像表示地点決定処理〕
次に、図10に示すフローチャートを参照して、上記ステップS5の映像表示地点決定処理について詳しく説明する。
【0048】
図10に示すフローチャートは、ステップS4の処理が完了したタイミングで開始となり、映像表示地点決定処理はステップS21の処理に進む。
【0049】
ステップS21の処理では、映像表示制御部22が、各出席者の属性情報を読み出す。これにより、ステップS21の処理は完了し、映像表示地点決定処理はステップS22の処理に進む。
【0050】
ステップS22の処理では、映像表示制御部22が、ステップS21の処理により読み出された属性情報から各出席者の分類情報,元分類情報、及び表示情報を抽出する。これにより、ステップS22の処理は完了し、映像表示地点決定処理はステップS23の処理に進む。
【0051】
ステップS23の処理では、映像表示制御部22が、ステップS22の処理により抽出された分類情報及び表示情報に基づいて、「他地点」の表示装置11に映像を表示する出席者の地点を決定する(第1表示地点決定処理)。この第1表示地点決定処理の詳細については、図11に示すフローチャートを参照して後述する。これにより、ステップS23の処理は完了し、映像表示地点決定処理はステップS24の処理に進む。
【0052】
ステップS24の処理では、映像表示制御部22が、ステップS22の処理により抽出された分類情報及び表示情報に基づいて、「第1の主要発言者」の表示装置11に映像を表示する出席者の地点を決定する(第2表示地点決定処理)。この第2表示地点決定処理の詳細については、図12に示すフローチャートを参照して後述する。これにより、ステップS24の処理は完了し、映像表示地点決定処理はステップS25の処理に進む。
【0053】
ステップS25の処理では、映像表示制御部22が、ステップS22の処理により抽出された分類情報及び表示情報に基づいて、「第2の主要発言者」の表示装置11に映像を表示する出席者の地点を決定する(第3表示地点決定処理)。この第3表示地点決定処理の詳細については、図13に示すフローチャートを参照して後述する。これにより、ステップS25の処理は完了し、一連の映像表示地点決定処理は完了する。
〔第1表示地点決定処理〕
次に、図11に示すフローチャートを参照して、上記ステップS23の第1表示地点決定処理について詳しく説明する。
【0054】
図11に示すフローチャートは、ステップS22の処理が完了したタイミングで開始となり、第1表示地点決定処理はステップS31の処理に進む。
【0055】
ステップS31の処理では、映像表示制御部22が、ステップS22の処理により抽出された表示情報に基づいて、「第1の主要発言者」の映像が表示されている画面領域(左画面領域31又は右画面領域32)を検出する。これにより、ステップS31の処理は完了し、第1表示地点決定処理はステップS32の処理に進む。
【0056】
ステップS32の処理では、映像表示制御部22が、ステップS31の処理により検出された画面領域とは反対の画面領域に「第2の主要発言者」の映像を表示するように表示画面を設定する。これにより、ステップS32の処理は完了し、第1表示地点決定処理はステップS33の処理に進む。
【0057】
ステップS33の処理では、映像表示制御部22が、ステップS32の処理により「第2の主要発言者」の映像を表示する画面と設定された画面領域とは反対の画面領域に「第1の主要発言者」の映像を表示するように表示画面を設定する。これにより、ステップS33の処理は完了し、第1表示地点決定処理はステップS34の処理に進む。
【0058】
ステップS34の処理では、映像表示制御部22が、ステップS32,S33の処理結果に基づいて、「他地点」にいる出席者として分類されている出席者の表示情報(属性情報)を更新する。これにより、ステップS34の処理は完了し、一連の第1表示地点決定処理は終了する。
〔第2表示地点決定処理〕
次に、図12に示すフローチャートを参照して、上記ステップS24の第2表示地点決定処理について詳しく説明する。
【0059】
図12に示すフローチャートは、ステップS23の処理が完了したタイミングで開始となり、第2表示地点決定処理はステップS41の処理に進む。
【0060】
ステップS41の処理では、映像表示制御部22が、ステップS22の処理により抽出された表示情報に基づいて、「第2の主要発言者」の映像が表示されている画面領域(左画面領域31又は右画面領域32)を検出する。これにより、ステップS41の処理は完了し、第2表示地点決定処理はステップS42の処理に進む。
【0061】
ステップS42の処理では、映像表示制御部22が、ステップS41の処理により検出された画面領域とは反対の画面領域に「第2の主要発言者」の映像を表示するように表示画面を設定する。これにより、ステップS42の処理は完了し、第2表示地点決定処理はステップS43の処理に進む。
【0062】
ステップS43の処理では、映像表示制御部22が、ステップS42の処理により「第2の主要発言者」の映像を表示する画面と設定された画面領域とは反対の画面領域に「デフォルト地点」にいる出席者の映像を表示するように表示画面を設定する。これにより、ステップS43の処理は完了し、第2表示地点決定処理はステップS44の処理に進む。
【0063】
ステップS44の処理では、映像表示制御部22が、ステップS42,S43の処理結果に基づいて、「第1の主要発言者」に分類されている出席者の表示情報(属性情報)を更新する。これにより、ステップS44の処理は完了し、一連の第2表示地点決定処理は終了する。
〔第3表示地点決定処理〕
次に、図13に示すフローチャートを参照して、上記ステップS25の第3表示地点決定処理について詳しく説明する。
【0064】
図13に示すフローチャートは、ステップS24の処理が完了したタイミングで開始となり、第3表示地点決定処理はステップS51の処理に進む。
【0065】
ステップS51の処理では、映像表示制御部22が、ステップS22の処理により抽出された表示情報に基づいて、「第1の主要発言者」の映像が表示されている画面領域(左画面領域31又は右画面領域32)を検出する。これにより、ステップS51の処理は完了し、第3表示地点決定処理はステップS52の処理に進む。
【0066】
ステップS52の処理では、映像表示制御部22が、ステップS51の処理により検出された画面領域とは反対の画面領域に「第1の主要発言者」の映像を表示するように表示画面を設定する。これにより、ステップS52の処理は完了し、第3表示地点決定処理はステップS53の処理に進む。
【0067】
ステップS53の処理では、映像表示制御部22が、ステップS52の処理により「第1の主要発言者」の映像を表示する画面と設定された画面領域に対して反対の画面領域に「デフォルト地点」にいる出席者の映像を表示するように表示画面を設定する。これにより、ステップS53の処理は完了し、第3表示地点決定処理はステップS54の処理に進む。
【0068】
ステップS54の処理では、映像表示制御部22が、ステップS52,S53の処理結果に基づいて、「第2の主要発言者」に分類されている出席者の表示情報(属性情報)を更新する。これにより、ステップS54の処理は完了し、一連の第3表示地点決定処理は終了する。
〔映像特定処理〕
次に、図14に示すフローチャートを参照して、上記ステップS6の映像特定処理について詳しく説明する。
【0069】
図14に示すフローチャートは、ステップS5の処理が完了したタイミングで開始となり、映像表示地点決定処理はステップS61の処理に進む。
【0070】
ステップS61の処理では、映像表示制御部22が、各出席者の属性情報を読み出す。これにより、ステップS61の処理は完了し、映像特定処理はステップS61の処理に進む。
【0071】
ステップS62の処理では、映像表示制御部22が、ステップS61の処理により読み出された属性情報から各出席者の分類情報,元分類情報、及び表示情報を抽出する。これにより、ステップS62の処理は完了し、映像特定処理はステップS63の処理に進む。
【0072】
ステップS63の処理では、映像表示制御部22が、「第2の主要発言者」の映像が表示される「他地点」の表示装置11の画面領域と同じ側にある撮像装置により撮影された「第2の主要発言者」の映像を、「第1の主要発言者」の表示装置11に表示する「第2の主要発言者」の映像に設定する。これにより、ステップS63の処理は完了し、映像特定処理はステップS64の処理に進む。
【0073】
ステップS64の処理では、映像表示制御部22が、「第1の主要発言者」の映像が表示される「他地点」の表示装置11の画面領域と同じ側にある撮像装置により撮影された「第1の主要発言者」の映像を、「第2の主要発言者」の表示装置11に表示する「第1の主要発言者」の映像に設定する。これにより、ステップS64の処理は完了し、映像特定処理はステップS65の処理に進む。
【0074】
ステップS65の処理では、映像表示制御部22が、「第2の主要発言者」の映像が表示される「他地点」の表示装置11の画面領域と同じ側にある撮像装置により撮影された「第1の主要発言者」の映像を、「他地点」の表示装置11に表示する「第1の主要発言者」の映像に設定する。これにより、ステップS65の処理は完了し、映像特定処理はステップS66の処理に進む。
【0075】
ステップS66の処理では、映像表示制御部22が、「第1の主要発言者」の映像が表示される「他地点」の表示装置11の画面領域と同じ側にある撮像装置により撮影された「第2の主要発言者」の映像を、「他地点」の表示装置11に表示する「第2の主要発言者」の映像に設定する。これにより、ステップS66の処理は完了し、映像特定処理はステップS67の処理に進む。
【0076】
ステップS67の処理では、映像表示制御部22が、ステップS62の処理により抽出された分類情報に基づいて、「デフォルト地点」にいる出席者として分類された出席者を検出する。これにより、ステップS67の処理は完了し、映像特定処理はステップS68の処理に進む。
【0077】
ステップS68の処理では、映像表示制御部22が、「第1の主要発言者」の映像が表示される「他地点」の表示装置11の画面領域と同じ側にある撮像装置により撮影された「デフォルト地点」にいる出席者の映像を、「第1の主要発言者」の表示装置11に表示する「デフォルト地点」にいる出席者の映像に設定する。これにより、ステップS68の処理は完了し、映像特定処理はステップS69の処理に進む。
【0078】
ステップS69の処理では、映像表示制御部22が、「第2の主要発言者」の映像が表示される「他地点」の表示装置11の画面領域と同じ側にある撮像装置により撮影された「デフォルト地点」にいる出席者の映像を、「第2の主要発言者」の表示装置11に表示する「デフォルト地点」にいる出席者の映像に設定する。これにより、ステップS68の処理は完了し、映像特定処理はステップS69の処理に進む。
【0079】
ステップS70の処理では、映像表示制御部22が、「第1の主要発言者」,「第2の主要発言者」,及び「デフォルト地点」にいる出席者以外の出席者の両側にある撮像装置により撮影された映像を、「第1の主要発言者」及び「第2の主要発言者」の表示装置11の下画面領域33に表示する出席者の映像に設定する。これにより、ステップS70の処理は完了し、映像特定処理はステップS71の処理に進む。
【0080】
ステップS71の処理では、映像表示制御部22が、「第1の主要発言者」,「第2の主要発言者」,及び「他地点n」にいる出席者以外の出席者の両側にある撮像装置により撮影された映像を、「他地点n」の表示装置11の下画面領域33に表示する出席者の映像に設定する。これにより、ステップS71の処理は完了し、一連の映像特定処理は終了する。
【0081】
〔情報送信処理〕
最後に、図15に示すフローチャートを参照して、ステップS8の情報送信処理について詳しく説明する。
【0082】
図15に示すフローチャートは、ステップS6,7の処理が完了したタイミングで開始となり、情報送信処理はステップS81の処理に進む。
【0083】
ステップS81の処理では、映像表示制御部22が、各出席者の撮像装置12の左カメラ12a及び右カメラ12bにより撮影された映像を受信する。これにより、ステップS81の処理は完了し、情報送信処理はステップS82の処理に進む。
【0084】
ステップS82の処理では、映像表示制御部22が、ステップS6の処理により設定された情報とステップS7の処理により取得された発言率の情報を取得する。これにより、ステップS82の処理は完了し、情報送信処理はステップS83の処理に進む。
【0085】
ステップS83の処理では、映像表示制御部22が、ステップS82の処理により取得した情報に基づいて、ステップS81の処理により受信した映像の中から各出席者の表示装置11に送信する映像を選択する。これにより、ステップS83の処理は完了し、情報送信処理はステップS84の処理に進む。
【0086】
ステップS84の処理では、映像表示制御部22が、ステップS83の処理結果に基づいて、左映像領域31,右映像領域32,及び下映像領域33に表示する映像を発言率に関する情報と共に各出席者の表示装置11に送信する。具体的には、図16に示すように、他地点nの表示装置11の左画面領域31及び右画面領域32にそれぞれ「第1の主要発言者」及び「第2の主要発言者」の映像を表示する場合、映像表示制御部22は、「第2の主要発言者」(「第1の主要発言者」)の映像が表示されている右画面領域32(左画面領域31)と同じ側に設定されている右カメラ12b(左カメラ12a)により撮影された「第1の主要発言者」(「第2の主要発言者」)の映像を「第2に主要発言者」(第1の主要発言者)の表示装置11に表示する「第1の主要発言者」(「第2の主要発言者」)の映像として送信する。また他地点nが「デフォルト地点」でない場合、映像表示制御部22は、他地点nの左カメラ12a及び右カメラ12bにより撮影された映像を各地点に送信し、他地点nが「デフォルト地点」である場合には、「第1の主要発言者」の映像が表示されている左画面領域31と同じ側に設定されている左カメラ12aにより撮影された他地点nにいる出席者の映像を「第1の主要発言者」及び「第2の主要発言者」の表示装置11に表示する「デフォルト地点」にいる出席者の映像として送信する。これにより、ステップS84の処理は完了し、一連の情報送信処理は終了する。
【0087】
以上の映像表示制御処理をより具体的に説明すると以下のようになる。いま地点A〜Fにいる出席者間でビデオ会議を行う場合を考える。初期化処理においてビデオ会議の主催者が出席者の主要順序を地点F,地点C,地点A,地点D,地点B,地点Eの順に設定したとすると、「第1の主要発言者」,「第2の主要発言者」,及び「デフォルト地点」にいる出席者は順に地点F,地点C,及び地点Aにいる出席者となる。従ってこの段階では、図17に示すように、他地点の表示装置11の左画面領域31及び右画面領域32にはそれぞれ地点C及び地点Fの出席者の映像が表示され、「第1の主要発言者」の表示装置11の左画面領域31及び右画面領域32にはそれぞれ地点A及び地点Cの出席者の映像が表示され、「第2の主要発言者」の表示装置11の左画面領域31及び右画面領域32にはそれぞれ地点F及び地点Aの出席者の映像が表示される。
【0088】
次に、主要発言者が図17に示すように地点B→地点C→地点B→地点D→地点F→地点Aの順に変化したとすると、主要発言者が特定された段階で上述した出席者の分類(「第1の主要発言者」,「第2の主要発言者」,及び「デフォルト地点」にいる出席者)を元分類に置き換えた後、地点C及び地点Bにいる出席者をそれぞれ「第1の主要発言者」及び「第2の主要発言者」に分類する。そして他地点の表示装置11の左画面領域31及び右画面領域32にはそれぞれ地点C及び地点Bの出席者の映像が表示され、「第1の主要発言者」の表示位置は変化させないようにする。また「第1の主要発言者」(地点Cにいる出席者)の表示装置11の左画面領域31及び右画面領域32にはそれぞれ「第2の主要発言者」(地点Bにいる出席者)及び「デフォルト地点」にいる出席者(地点Dにいる出席者)の映像が表示され、「第2の主要発言者」(地点Bにいる出席者)の表示装置11の左画面領域31及び右画面領域32にはそれぞれ「デフォルト地点にいる出席者」及び「第1の主要発言者」の映像が表示される。なおこの場合、「デフォルト地点」は、「第1の主要発言者」と「第2の主要発言者」を除いた(望ましくは元分類情報において「第1の主要発言者」及び「デフォルト地点」にいる出席者に分類された出席者をさらに除いた)出席者の中で主要順序が最も高い出席者がいる地点を示す。
【0089】
次に、主要発言者が地点Bにいる出席者から地点Cにいる出席者に変化した場合、主要発言者が変化したタイミングで、主要発言者が地点Bにいる出席者である時の分類情報を元分類に置き換えた後、地点B及び地点Cにいる出席者をそれぞれ「第1の主要発言者」及び「第2の主要発言者」に分類する。そして他地点の表示装置11の左画面領域31及び右画面領域32にはそれぞれ地点C及び地点Bの出席者の映像が表示される。また「第1の主要発言者」(地点Bにいる出席者)の表示装置11の左画面領域31及び右画面領域32にはそれぞれ「デフォルト地点」にいる出席者(地点Fにいる出席者)及び「第2の主要発言者」(地点Cにいる出席者)の映像が表示され、「第2の主要発言者」(地点Cにいる出席者)の表示装置11の左画面領域31及び右画面領域32にはそれぞれ「第1の主要発言者」及び「デフォルト地点にいる出席者」の映像が表示される。以下、同様の処理を繰り返す。
【0090】
以上の説明から明らかなように、本発明の実施形態となるビデオ会議システム1では、サーバ装置3の主要発言者判定部21が、ビデオ会議の主要発言者を判定し、サーバ装置3の映像表示制御部22が、主要発言者判定部21の判定結果に基づいて、「第1の主要発言者」と「第2の主要発言者」を特定する。そして映像表示制御部22は、「第1の主要発言者」と「第2の主要発言者」の映像が左右異なる位置に表示されるように「他地点」の表示装置11を制御し、「第2の主要発言者」の映像が「他地点」の表示装置11における「第2の主要発言者」の映像表示位置とは異なる左右位置に表示されるように「第1の主要発言者」がいる地点の表示装置11を制御し、「第1の主要発言者」の映像が「他地点」の表示装置11における「第1の主要発言者」の映像表示位置とは異なる左右位置に表示されるように「第2の主要発言者」がいる地点の表示装置11を制御する。
【0091】
すなわち、本発明の実施形態となるビデオ会議システム1では、サーバ装置3の映像表示制御部22が、主要発言者判定部21により判定された主要発言者に基づいて、各地点の表示装置11に映像を表示する出席者を決定する。そしてこのような構成によれば、撮像装置の必要設置台数がビデオ会議の出席者数に依存しなくなるので、ビデオ会議を安価に行うことができる。また会議の途中で出席者が増加した場合であっても、増えた出席者分の撮像装置を必ずしも追加する必要がないので、ビデオ会議を円滑に進行することができる。また特殊な広視野角の曲面スクリーン等の特別な装置を用いることなく、主要発言者が向き合っている視線一致映像を他の出席者の表示装置11に表示させることができる。
【0092】
また本発明の実施形態となるビデオ会議システム1では、映像表示制御部22は、主要発言者が変化した場合、「第2の主要発言者」の映像を新たな主要発言者の映像に置き換えるように「他地点」の表示装置11を制御する。このような構成によれば、主要発言者が変化したとしても、主要発言者が変化する前の「第1の主要発言者」の映像は同じ位置に表示されるので、出席者の表示位置の変化が小さくなり、ビデオ会議を円滑に進行させることができる。
【0093】
また本発明の実施形態となるビデオ会議システム1では、主要発言者判定部21は、ビデオ会議に出席している出席者の発話音量に基づいて、ビデオ会議の主要発言者を判定するので、主要発言者を正確に判定することができる。また本発明の実施形態となるビデオ会議システム1では、主要発言者判定部21は、ビデオ会議の会議時間中に占める各出席者の発言時間の割合を各出席者の発言率として算出し、映像表示制御部22は、表示装置11に映像を表示する出席者の発言率に関する情報を主要発言者特定部21から取得し、取得した発言率に関する情報を出席者の映像と共に表示するように表示装置11を制御するので、出席者の発言を予想及び比較することが可能となり、操作者が適切な行動が行うことが可能となる。
【0094】
また本発明の実施形態となるビデオ会議システム1では、撮像装置は、左カメラ12a及び右カメラ12bは、表示装置11に表示されている2人の出席者の映像のうちの一方の映像を見ている時の操作者の視線方向と右カメラ12bの撮像方向がなす角度βが、視線方向と左カメラ12aの撮像方向がなす角度θの少なくとも2倍以上、且つ、60度以上乃至90度以下の範囲内になる位置に配置されているので、主要発言者が向き合っている視線一致映像を正確に撮影することができる。
【0095】
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施の形態について説明したが、この実施の形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち上記実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0096】
1 ビデオ会議システム
2 ビデオ会議端末装置
3 サーバ装置
4 電気通信回線
11 表示装置
12 撮像装置
12a 左カメラ
12b 右カメラ
21 主要発言者判定部
22 映像表示制御部
31 左画面領域
32 右画面領域
33 下画面領域
34,35 発言率表示領域
41 音量検出部
42 音量履歴記憶部
43 主要発言者特定部
44 発言時間計算部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0097】
【特許文献1】特許第3587106号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビデオ会議の出席者がいる地点毎に配置された複数のビデオ会議端末装置と、
電気通信回線を介して前記複数のビデオ会議端末装置に接続されたサーバ装置とを備え、
各ビデオ会議端末装置は、
少なくとも2地点の他の出席者の映像を左右異なる位置に表示する表示装置と、
前記表示装置の表示画面に対面する出席者の映像を撮影する撮像装置とを備え、
前記サーバ装置は、
前記ビデオ会議の主要発言者を判定する主要発言者判定部と、
前記表示装置が表示する出席者の映像を制御する映像表示制御部とを備え、
前記映像表示制御部は、
前記主要発言者判定部の判定結果に基づいて第1及び第2の主要発言者を特定し、
前記撮像装置により撮影された前記第1の主要発言者と前記第2の主要発言者の映像が左右異なる位置に表示されるように、前記第1及び前記第2の主要発言者以外の出席者がいる地点の表示装置を制御し、
前記撮像装置により撮影された前記第2の主要発言者の映像が、前記第1及び前記第2の主要発言者以外の出席者がいる地点の表示装置における、前記第2の主要発言者の映像表示位置とは異なる左右位置に表示されるように、前記第1の主要発言者がいる地点の表示装置を制御し、
前記撮像装置により撮影された前記第1の主要発言者の映像が、前記第1及び前記第2の主要発言者以外の出席者がいる地点の表示装置における、前記第1の主要発言者の映像表示位置とは異なる左右位置に表示されるように、前記第2の主要発言者がいる地点の表示装置を制御すること
を特徴とするビデオ会議システム。
【請求項2】
前記映像表示制御部は、前記主要発言者判定部の判定結果に基づいて主要発言者が変化したか否かを判別し、主要発言者が変化した場合、前記第2の主要発言者の映像を新たな主要発言者の映像に置き換えるように前記第1及び前記第2の主要発言者以外の出席者がいる地点の表示装置を制御することを特徴とする請求項1に記載のビデオ会議システム。
【請求項3】
前記主要発言者判定部は、前記ビデオ会議に出席している出席者の発話音量に基づいて、前記ビデオ会議の主要発言者を判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のビデオ会議システム。
【請求項4】
前記主要発言者判定部は、前記ビデオ会議の会議時間中に占める各出席者の発言時間の割合を各出席者の発言率として算出し、前記映像表示制御部は、前記表示装置に映像を表示する出席者の発言率に関する情報を前記主要発言者判定部から取得し、取得した発言率に関する情報を出席者の映像と共に表示するように前記表示装置を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項3のうち、いずれか1項に記載のビデオ会議システム。
【請求項5】
前記撮像装置は、第1の撮像方向から出席者の映像を撮影する第1の撮像装置と第2の撮像方向から出席者の映像を撮影する第2の撮像装置とを備え、前記第1及び第2の撮像装置は、前記表示装置に表示されている2人の出席者の映像のうちの一方の映像を見ている時の操作者の視線方向と第1の撮像方向がなす角度が、当該視線方向と第2の撮像方向がなす角度の少なくとも2倍以上、且つ、60度以上乃至90度以下の範囲内になる位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1項に記載のビデオ会議システム。
【請求項6】
複数の地点にいるビデオ会議の出席者の中からビデオ会議の主要発言者を判定する主要発言者判定部と、
前記ビデオ会議の出席者がいる地点毎に配置された表示装置に表示させる出席者の映像を制御する映像表示制御部とを備え、
前記映像表示制御部は、
前記主要発言者判定部の判定結果に基づいて第1及び第2の主要発言者を特定し、
前記第1の主要発言者と前記第2の主要発言者の映像が左右異なる位置に表示されるように、前記第1及び前記第2の主要発言者以外の出席者がいる地点の表示装置を制御し、
前記第2の主要発言者の映像が、前記第1及び前記第2の主要発言者以外の出席者がいる地点の表示装置における、前記第2の主要発言者の映像表示位置とは異なる左右位置に表示されるように、前記第1の主要発言者がいる地点の表示装置を制御し、
前記第1の主要発言者の映像が、前記第1及び前記第2の主要発言者以外の出席者がいる地点の表示装置における、前記第1の主要発言者の映像表示位置とは異なる左右位置に表示されるように、前記第2の主要発言者がいる地点の表示装置を制御すること
を特徴とするサーバ装置。
【請求項7】
複数の地点にいるビデオ会議の出席者の中からビデオ会議の主要発言者を判定する主要発言者判定ステップと、
前記ビデオ会議の出席者がいる地点毎に配置された表示装置に表示させる出席者の映像を制御する映像表示制御ステップとをコンピュータに実行させ、
前記映像表示制御ステップは、
前記主要発言者判定ステップの結果に基づいて第1及び第2の主要発言者を特定するステップと、
前記第1の主要発言者と前記第2の主要発言者の映像が左右異なる位置に表示されるように、前記第1及び前記第2の主要発言者以外の出席者がいる地点の表示装置を制御するステップと、
前記第2の主要発言者の映像が、前記第1及び前記第2の主要発言者以外の出席者がいる地点の表示装置における、前記第2の主要発言者の映像表示位置とは異なる左右位置に表示されるように、前記第1の主要発言者がいる地点の表示装置を制御するステップと、
前記第1の主要発言者の映像が、前記第1及び前記第2の主要発言者以外の出席者がいる地点の表示装置における、前記第1の主要発言者の映像表示位置とは異なる左右位置に表示されるように、前記第2の主要発言者がいる地点の表示装置を制御するステップとを含むこと
を特徴とするビデオ会議プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−30063(P2011−30063A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175274(P2009−175274)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】