説明

ピロリジニル誘導体およびその使用

本発明は、モノアミン再取込み阻害剤に関連する疾患の処置に有用である、3,3−二置換ピロール誘導体に関する。同じく、医薬組成物、化合物の使用方法、および化合物の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピロリジニル化合物およびその使用方法に関する。特に、本発明の化合物は、モノアミン再取込み阻害剤に関連する疾患の処置に有用である。
【0002】
モノアミン欠乏は、長い間、うつ病、不安および他の障害に結び付けられてきた(例えば、Charneyら、J. Clin. Psychiatry (1998) 59, 1-14; Delgadoら、J. Clin. Psychiatry (2000) 67, 7-11; Resserら、Depress. Anxiety (2000) 12(Suppl 1)2-19;および Hirschfeld ら、J. Clin. Psychiatry (2000) 61, 4-6を参照されたい)。特に、セロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン)およびノルエピネフリンは、気分の調節において、大切な役割を担う重要な調節的神経伝達物質として認識されている。選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI、例えば、フルオキセチン、セルトラリン、パロキセチン、フルボキサミン、シタロプラムおよびエスシタロプラム)が、うつ病的障害の処置を提供してきた(Mas andら、Harv. Rev. Psychiatry (1999) 7, 69-84)。ノルアドレナリンまたはノルエピネフリン再取込み阻害剤(例えば、レボキセチン、アトモキセチン、デシプラミンおよびノルトリプチリン)が、うつ病、注意欠陥および多動性障害の有効な処置を提供してきた(Scatesら、Ann Pharmacother. (2000) 34, 1302-1312; Tatsumi ら、Eur. J. Pharmacol. (1997)340, 249-258)。
【0003】
セロトニンおよびノルエピネフリン神経伝達の増強は、セロトニンまたはノルエピネフリン神経伝達単独のみの増強に比較して、うつ病および不安障害の薬理療法において、相乗的であると認識されている(Thase ら、Br. J. Psychiatry (2000) 178, 234, 241; Tran ら、J. Clin. Psychopharmacology (2003) 23, 78-86)。セロトニンおよびノルエピネフリン両者の二重再取り込み阻害剤(例えば、デュロキセチン、ミルナシプランおよびベンラファキシン)は、現在、うつ病および不安障害の処置用に上市されている(Mallinckrodt ら、J. Clin. Psychiatry (2003) 5(1))19-28; Bymaster ら、Expert Opin. Investig. Drugs (2003) 12(4) 531-543)。セロトニンおよびノルエピネフリンの二重再取り込み阻害剤は、統合失調症および他の精神病、ジスキネジー、薬物依存、認知障害、アルツハイマー病、強迫−強制挙動、注意欠陥障害、パニック発作、対人恐怖症、摂食障害(例えば、肥満、食欲不振、大食および「過食症」)、ストレス、高血糖症、高脂血症、非インスリン依存性糖尿病、発作性障害(例えば、てんかん)に対する可能性のある処置法、ならびに卒中、脳傷害、脳虚血、頭部損傷および出血に由来する神経損傷に関連する状態の処置法を提供する。セロトニンおよびノルエピネフリンの二重再取り込み阻害剤は、また、尿管の障害および疾患状態、ならびに疼痛および炎症に対する可能性のある処置法を提供する。
【0004】
更に最近になって、ノルエピネフリン、セロトニン、およびドパミンの再取り込みを阻害する「三重再取り込み」阻害剤(「広域抗うつ剤」)が、うつ病及び他のCNS兆候症の処置に有用であると認識されている(Beerら、J. Clinical Pharmacology (2004) 44:1360-1367;Skolnickら、Eur J Pharmacol. (2003) Feb 14; 461(2-3):99-104)。
【0005】
モノアミン再取込み阻害剤は、また、疼痛の処置に用途を有する。セロトニンは、末梢神経系における疼痛過程に関与し、炎症および神経損傷における末梢鋭敏化および痛覚過敏に寄与することが見出されている(Sommerら、Molecular Neurobiology (2004) 30(2), 117-125)。セロトニン−ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、デュロキセチンは、動物モデルにおける疼痛の処置に有効であることが示されている(Iyengarら、J. Pharm. Exper. Therapeutics (2004), 311, 576-584)。
【0006】
従って、セロトニン再取込み阻害剤、ノルエピネフリン再取込み阻害剤、ドパミン再取込み阻害剤、および/またはセロトニン、ノルエピネフリンおよび/またはドパミンの二重再取り込み阻害剤、あるいはノルエピネフリン、セロトニン、およびドパミンの三重再取込み阻害剤として有効である化合物、ならびに、うつ病、不安障害、泌尿生殖器障害、疼痛および他の障害の処置において、そのような化合物を製造および使用する方法が必要とされている。本発明は、これらの必要を満たすものである。
【0007】
本出願は、式I:
【0008】
【化1】

【0009】
(式中、
またはZのいずれかは、N(R)であり、他方は、CHであり;
Xは、CHまたはNであり;
Yは、CHまたはNであり;
mは、0または1であり;
Rは、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、または低級アルコキシであり;
Qは、CH、C(R)、またはNであり;
は、H、低級アルキル、またはベンジルであり;
a’は、H、低級アルキル、シクロアルキルアルキル、−S(=O)、−C(=O)N(R、またはS(=O)N(Rであり;
nは、0または1であり;
各々のRは、独立して、Rb’またはRb”であり;
b’は、ヒドロキシ、ハロゲン、−C(=O)(R)、−C(=O)O(R)、−OC(=O)(R)、−N(R、−C(=O)N(R、−NHC(=O)(R)、−CN、−S(=O)、または−S(=O)N(Rであり;
b”は、1個以上のRで場合により置換される、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、フェニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキルであり;
各々のRは、独立して、RまたはRであり;
は、Hであり;
は、1個以上のRe’で場合により置換される、低級アルキル、低級ハロアルキル、シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールであり;
各々のRe’は、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、または−CNであり;
2aおよびR2bは、各々独立して、H、ヒドロキシ、低級アルキル、低級ハロアルキル、または低級アルコキシであり;
rは、0、1、または2であり;
は、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級ハロアルキル、または低級アルコキシである)
の化合物またはその鏡像異性体、ジアステレオマーもしくは薬学的に許容される塩を提供する。
【0010】
一つの態様において、Zは、N(R)であり、Zは、CHである。
【0011】
他の態様において、Zは、CHであり、Zは、N(R)である
【0012】
一つの態様において、Zは、N(R)であり、Zは、CHであり、R、R2a、およびR2bは、Hであり、mは0であり、rは0であり、XはCHであり、YはCHであり、Ra’はHであり、nは1である。
【0013】
他の態様において、Zは、CHであり、Zは、N(R)であり、R、R2a、およびR2bは、Hであり、mは0であり、rは0であり、XはCHであり、YはCHであり、Ra’はHであり、nは1である。
【0014】
上記の態様の一つの変形例において、Qは、C(R)である。
【0015】
上記の態様の一つの変形例において、Rは、Rb’である。
【0016】
上記の態様の他の変形例において、Rは、Rb”である。
【0017】
特定の態様において、Qは、C(R)であり、Rは、Rb’であり、Rb’は、−CNまたはハロゲンである。
【0018】
特定の態様において、Qは、C(R)であり、Rは、Rb’であり、Rb’は、−C(=O)N(R2cまたは−NHC(=O)(R2c)である。
【0019】
特定の態様において、Qは、C(R)であり、Rは、Rb’であり、Rb’は、−S(=O)2cまたは−S(=O)N(R2cである。
【0020】
特定の態様において、Qは、C(R)であり、Rは、Rb’であり、Rb’は、−C(=O)(R2c)または−C(=O)O(R2c)である。
【0021】
特定の態様において、Qは、C(R)であり、Rは、Rb”であり、Rb”は、低級アルキルまたはシクロアルキルアルキルである。
【0022】
本出願は、式II:
【0023】
【化2】

【0024】
(式中、
またはZのいずれかは、N(R)であり、他方は、CHであり;
Xは、CHまたはNであり;
mは、0または1であり;
Rは、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、または低級アルコキシであり;
は、H、低級アルキル、またはベンジルであり;
nは、0または1であり;
各々のRは、独立して、Rb’またはRb”であり;
b’は、ヒドロキシ、ハロゲン、−C(=O)(R)、−C(=O)O(R)、−OC(=O)(R)、−N(R、−C(=O)N(R、−NHC(=O)(R)、−CN、−S(=O)、または−S(=O)N(Rであり;
b”は、1個以上のRで場合により置換される、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、フェニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキルであり;
各々のRは、独立して、RまたはRであり;
は、Hであり;
は、1個以上のRe’で場合により置換される、低級アルキル、低級ハロアルキル、シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールであり;
各々のRe’は、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、または−CNであり;
2aおよびR2bは、各々独立して、H、ヒドロキシ、低級アルキル、低級ハロアルキル、または低級アルコキシであり;
rは、0、1、または2であり;
は、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級ハロアルキル、または低級アルコキシである)
の化合物またはその鏡像異性体、ジアステレオマーもしくは薬学的に許容される塩を提供する。
【0025】
一つの態様において、R2aおよびR2bは、Hであり、mは0であり、rは0である。
【0026】
上記の態様の一つの変形例において、Zは、CHであり、Zは、N(R)であり、RはHであり、nは1である。
【0027】
本出願は、式III:
【0028】
【化3】

【0029】
(式中、
またはZのいずれかは、N(R)であり、他方は、CHであり;
Xは、CHまたはNであり;
は、H、低級アルキル、またはベンジルであり;
nは、0、1または2であり;
各々のRは、独立して、Rb’またはRb”であり;
b’は、ヒドロキシ、ハロゲン、−C(=O)(R)、−C(=O)O(R)、−OC(=O)(R)、−N(R、−C(=O)N(R、−NHC(=O)(R)、−CN、−S(=O)、または−S(=O)N(Rであり;
b”は、1個以上のRで場合により置換される、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、フェニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキルであり;
各々のRは、独立して、RまたはRであり;
は、Hであり;
は、1個以上のRe’で場合により置換される、低級アルキル、低級ハロアルキル、シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールであり;
各々のRe’は、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、または−CNであり;
2aおよびR2bは、各々独立して、H、ヒドロキシ、低級アルキル、低級ハロアルキル、または低級アルコキシであり;
rは、0、1、または2であり;
は、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級ハロアルキル、または低級アルコキシであり;
ただし、Zが、N(R)であり、Zが、CHであり、RがHであり、かつXがCHであるとき、nは0ではなく;またZが、N(R)であり、Zが、CHであり、Rがエチルであり、XがCHであり、かつR2aまたはR2bのいずれかが、ヒドロキシであるとき、nは0ではない)
の化合物またはその鏡像異性体、ジアステレオマーもしくは薬学的に許容される塩を提供する。
【0030】
一つの態様において、R2aおよびR2bは、Hであり、rは0である。
【0031】
上記の態様の一つの変形例において、Zは、CHであり、Zは、N(R)であり、RはHである。
【0032】
本出願は、式IV:
【0033】
【化4】

【0034】
(式中、
またはZのいずれかは、N(R)であり、他方は、CHであり;
Xは、SまたはN(Ra’)であり;
mは、0または1であり;
Rは、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、または低級アルコキシであり;
Qは、CH、C(R)、またはNであり;
は、H、低級アルキル、またはベンジルであり;
a’は、H、低級アルキル、シクロアルキルアルキル、−S(=O)、−C(=O)N(R、またはS(=O)N(Rであり;
は、R1aまたはR1bであり;
1aは、Hであり;
1bは、1個以上のR1b’で場合により置換される、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、または低級ハロアルキルであり;
各々のR1b’は、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、または−CNであり;
nは、0または1であり;
各々のRは、独立して、Rb’またはRb”であり;
b’は、ヒドロキシ、ハロゲン、−C(=O)(R)、−C(=O)O(R)、−OC(=O)(R)、−N(R、−C(=O)N(R、−NHC(=O)(R)、−CN、−S(=O)、または−S(=O)N(Rであり;
b”は、1個以上のRで場合により置換される、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、フェニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキルであり;
各々のRは、独立して、RまたはRであり;
は、Hであり;
は、1個以上のRe’で場合により置換される、低級アルキル、低級ハロアルキル、シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールであり;
各々のRe’は、独立してヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、または−CNであり;
2aおよびR2bは、各々独立して、H、ヒドロキシ、低級アルキル、低級ハロアルキル、または低級アルコキシである)
の化合物またはその鏡像異性体、ジアステレオマーもしくは薬学的に許容される塩を提供する。
【0035】
一つの態様において、R2aおよびR2bは、Hであり、mは0である。
【0036】
上記の態様の一つの変形例において、Zは、CHであり、Zは、N(R)であり、RはHであり、nは1である。
【0037】
本出願は、式V:
【0038】
【化5】

【0039】
(式中、
またはZのいずれかは、N(R)であり、他方は、CHであり;
は、H、低級アルキル、またはベンジルであり;
Xは、CHまたはNであり;
mは、0または1であり;
Rは、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、または低級アルコキシであり;
a’は、H、低級アルキル、シクロアルキルアルキル、−S(=O)、−C(=O)N(R、またはS(=O)N(Rであり;
各々のRは、独立して、RまたはRであり;
は、Hであり;
は、1個以上のRe’で場合により置換される、低級アルキル、低級ハロアルキル、シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールであり;
各々のRe’は、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、または−CNであり;
2aおよびR2bは、各々独立して、H、ヒドロキシ、低級アルキル、低級ハロアルキル、または低級アルコキシであり;
rは、0、1、または2であり;
は、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級ハロアルキル、または低級アルコキシである)
の化合物またはその鏡像異性体、ジアステレオマーもしくは薬学的に許容される塩を提供する。
【0040】
本出願は、式VI:
【0041】
【化6】

【0042】
(式中、
またはZのいずれかは、N(R)であり、他方は、CHであり;
Xは、CHまたはNであり;
mは、0または1であり;
Rは、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、または低級アルコキシであり;
は、H、低級アルキル、またはベンジルであり;
a’は、H、低級アルキル、シクロアルキルアルキル、−S(=O)、−C(=O)N(R、またはS(=O)N(Rであり;
nは、0または1であり;
各々のRは、独立して、Rb’またはRb”であり;
b’は、ヒドロキシ、ハロゲン、−C(=O)(R)、−C(=O)O(R)、−OC(=O)(R)、−N(R、−C(=O)N(R、−NHC(=O)(R)、−CN、−S(=O)、または−S(=O)N(Rであり;
b”は、1個以上のRで場合により置換される、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、フェニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキルであり;
各々のRは、独立して、RまたはRであり;
は、Hであり;
は、1個以上のRe’で場合により置換される、低級アルキル、低級ハロアルキル、シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールであり;
各々のRe’は、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、または−CNであり;
2aおよびR2bは、各々独立して、H、ヒドロキシ、低級アルキル、低級ハロアルキル、または低級アルコキシであり;
rは、0、1、または2であり;
は、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級ハロアルキル、または低級アルコキシである)
の化合物またはその鏡像異性体、ジアステレオマーもしくは薬学的に許容される塩を提供する。
【0043】
一つの局面において、本出願は、
【0044】
【化7】





【0045】
からなる群より選択される化合物を提供する。
【0046】
一つの局面において、本出願は、本明細書に記載の化合物のいずれか一つおよび薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。
【0047】
一つの局面において、本出願は、薬学的に有効な量の本明細書に記載の化合物のいずれか一つを、それを必要とする対象に投与することを含む、モノアミン再取込み阻害剤に関連する疾患を処置する方法を提供する。
【0048】
一つの局面において、本出願は、薬学的に有効な量の本明細書に記載の化合物のいずれか一つを、それを必要とする対象に投与することを含む、不安、うつ病、または両方を処置する方法を提供する。
【0049】
他に断りがなければ、明細書および特許請求の範囲を含む、本出願に用いられる以下の用語は、以下に示す定義を有する。明細書および添付の特許請求の範囲において用いられるように、単数形の「a」、「an」および「the」は、前後関係が明確に他のことを示していなければ、複数形も含むことに留意されなければならない。
【0050】
「アゴニスト」は、別の化合物またはレセプター部位の活性を増加する化合物を指す。
【0051】
「アルキル」は、炭素および水素原子のみからなり、1〜12個の炭素原子を有する、一価直鎖状または分枝状飽和炭化水素部分を意味する。
【0052】
「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子の直鎖状または分枝状アルキル基、すなわち、C〜Cアルキルを指す。アルキル基の例には、非限定的に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、n−ヘキシル、オクチル、ドデシルなどが含まれる。
【0053】
「アルキレン」は、1〜6個の炭素原子の直鎖状飽和二価炭化水素基、または3〜6個の炭素原子の分枝状飽和二価炭化水素基、例えば、メチレン、エチレン、2,2−ジメチルエチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ブチレン、ペンチレンなどを意味する。
【0054】
「アルコキシ」は、式:−OR(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキル部分である)の部分を意味する。アルコキシ部分の例には、非限定的に、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシなどが含まれる。
【0055】
「アルコキシアルキル」は、式:−R’−R”(式中、R’は、本明細書に定義されるアルキレンであり、R”は、本明細書に定義されるアルコキシである)の部分を意味する。アルコキシアルキル基の例には、例えば、2−メトキシエチル、3−メトキシプロピル、1−メチル−2−メトキシエチル、1−(2−メトキシエチル)−3−メトキシプロピル、および1−(2−メトキシエチル)−3−メトキシプロピルが含まれる。
【0056】
「アルキルカルボニル」は、式:−C(O)−R(式中、R’は、本明細書に定義されるアルキルである)の部分を意味する。
【0057】
「アルキルスルホニル」は、式:−SO−R’(式中、R’は、本明細書に定義されたアルキルである)の部分を意味する。
【0058】
「アルキルスルファニル」は、式:−S−R’(式中、R’は、本明細書に定義されたアルキルである)の部分を意味する。
【0059】
「アルキルスルホニルアルキル」は、式:−R−SO−R(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキルであり、Rは、本明細書に定義されるアルキレンである)の部分を意味する。例示的なアルキルスルホニルアルキル基には、例えば、3−メタンスルホニルプロピル、2−メタンスルホニルエチル、2−メタンスルホニルプロピルなどが含まれる。
【0060】
「アルキルスルファニルアルキル」は、式:−R−S−R(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキルであり、Rは、本明細書に定義されるアルキレンである)の部分を意味する。
【0061】
「アルキルスルホニルオキシ」は、式:R−SO−O−(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキルである)の部分を意味する。
【0062】
「アミノ」は、式:−NRR’(式中、RおよびR’は、各々独立して、水素または本明細書に定義されるアルキルである)の部分を意味する。したがって、アミノには、「アルキルアミノ」(式中、RおよびR’の一方は、アルキルであり、他方は水素である)および「ジアルキルアミノ」(式中、RおよびR’は、両方ともアルキルである)が含まれる。
【0063】
「アルキルカルボニルアミノ」は、式:−NR−C(O)−R’(式中、Rは、水素または本明細書に定義されるアルキルであり、R’は、本明細書に定義されるアルキルである)の基を意味する。
【0064】
「アンタゴニスト」は、別の化合物またはレセプター部位の作用を減少させるまたは妨げる化合物を指す。
【0065】
「アリール」は、単環式、二環式または三環式芳香族環からなる一価環状芳香族炭化水素部分を意味する。アリール基は、本明細書に定義されるように、場合により置換されてもよい。アリール部分の例には、非限定的に、場合により置換される、フェニル、ナフチル、フェナントリル、フルオレニル、インデニル、アズレニル、オキシジフェニル、ビフェニル、メチレンジフェニル、アミノジフェニル、ジフェニルスルフィジル、ジフェニルスルホニル、ジフェニルイソプロピリデニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾジオキシリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾオキサジノニル、ベンゾピペラジニル(benzopiperadinyl)、ベンゾピペラジニル(benzopiperazinyl)、ベンゾピロリジニル、ベンゾモルホリニル、メチレンジオキシフェニル、エチレンジオキシフェニル等が含まれる。好ましいアリールには、場合により置換されるフェニルおよび場合により置換されるナフチルが含まれる。
【0066】
「アリールオキシ」は、式:−OR(式中、Rは、本明細書に定義されるアリール部分である)の部分を意味する。
【0067】
交換可能に用いられ得る「アリールアルキル」および「アラルキル」は、基:−R(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレン基であり、Rは、本明細書に定義されるアリール基である)を意味し;例えば、ベンジル、フェニルエチル、3−(3−クロロフェニル)−2−メチルペンチルなどのフェニルアルキルが、アリールアルキルの例である。
【0068】
「アラルコキシ」は、式:−OR(式中、Rは、本明細書に定義されるアラルキル部分である)の部分を意味する。
【0069】
「アザインドリル」は、式:
【0070】
【化8】

【0071】
(式中、X、X、XおよびXのいずれか1または2個は、N(アザ)であり、その他は、炭素である)の基を意味する。「アザインドール」は、1、2および3位と、窒素ではない4〜7位のいずれかに、ヘテロアリールに関して本明細書に定義されるとおり、場合により置換されていてもよい。したがって、「アザインドリル」には、XおよびXがNである、上記の式で示される「ピロロピリミジン」;XおよびXがNである、上記の式で示される「ピロロピリミジン」;XおよびXがNである、上記の式で示される「ピロロピラジン」;XがNである、上記の式で示される「ピロロピリジン」;Xが、Nである、上記の式で示される「ピロロピリジン」;XがNである、上記の式で示される「ピロロピリジン」;ならびにXがNである、上記の式で示される「ピロロピリジン」が含まれる。一つの好ましいアザインドールは、7−アザインドリル(X、X、X=CおよびX=N)またはピロロ[2,3−b]ピリジニルである。他の好ましいアザインドールは、4−アザインドリルまたはピロロ[3,2−b]ピリジニルである。
【0072】
「アザインダゾリル」は、式:
【0073】
【化9】

【0074】
(式中、X、X、XおよびXのいずれか1または2個は、N(アザ)であり、その他は、炭素である)の基を意味する。「アザインダゾール」は、1、2および3位と、窒素ではない4〜7位のいずれかに、ヘテロアリールに関して本明細書に定義されるとおり、場合により置換されていてもよい。したがって、「アザインダゾリル」には、XおよびXがNである、上記の式で示される「ピラゾロピリミジン」;XおよびXがNである、上記の式で示される「ピラゾロピリミジン」;XおよびXがNである、上記の式で示される「ピラゾロピラジン」;XがNである、上記の式で示される「ピラゾロピリジン」;Xが、Nである、上記の式で示される「ピラゾロピリジン」;XがNである、先の式で示される「ピラゾロピリジン」;ならびにXがNである、上記の式で示される「ピラゾロピリジン」が含まれる。
【0075】
「シアノアルキル」は、式:−R’−R”(式中、R’は、本明細書に定義されるアルキレンであり、R”は、シアノまたはニトリルである)の部分を意味する。
【0076】
「シクロアルキル」は、単環または二環からなる一価飽和炭素環部分を意味する。シクロアルキルは、1個以上の置換基で、場合により置換されていてもよく、各置換基は、他に断りがなければ、独立して、ヒドロキシ、アルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、アミノ、モノアルキルアミノ、またはジアルキルアミノである。シクロアルキル部分の例には、非限定的に、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが含まれ、それらの部分不飽和誘導体が含まれる。
【0077】
交換可能に用いられ得る「シクロアルキルオキシ」および「シクロアルコキシ」は、式:−OR(式中、Rは、本明細書に定義されるシクロアルキルである)の基を意味する。例示的なシクロアルキルオキシには、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが含まれる。
【0078】
「シクロアルキルアルキル」または「シクロアルキルアルキル」は、式:−R’−R”(式中、R’は、本明細書に定義されるアルキレンであり、R”は、本明細書に定義されるシクロアルキルである)の部分を意味する。
【0079】
「アルキルシクロアルキルアルキル」は、式:
【0080】
【化10】

【0081】
(式中、nは、1〜4であり、Rは、本明細書に定義されるアルキレンであり、R’は、本明細書に定義されるアルキルである)の部分を意味する。例示的なアルキルシクロアルキルアルキルには、2−(1−メチル−シクロプロピル)−エチルおよび3−(1−メチル−シクロプロピル)−メチルなどが含まれる。
【0082】
交換可能に用いられ得る「シクロアルキルアルキルオキシ」および「シクロアルキルアルコキシ」は、式:−OR(式中、Rは、本明細書に定義されるシクロアルキルアルキルである)の基を意味する。例示的なシクロアルキルオキシには、シクロプロピルメトキシ、シクロブチルメトキシ、シクロペンチルメトキシ、シクロヘキシルメトキシなどが含まれる。
【0083】
「ヘテロアルキル」は、分枝状C〜Cアルキルを含む、本明細書に定義されるアルキル基を意味し、ここで、1、2または3個の水素原子が、独立して、−OR、−NRおよび−S(O)(式中、nは、0〜2の整数である)(式中、Rは、水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルであり、RおよびRは、互いに独立して、水素、アシル、アルキル、シクロアルキル、またはシクロアルキルアルキルであり、nが0である場合には、Rは、水素、アルキル、シクロアルキルまたはシクロアルキルアルキルであり、nが1または2である場合には、Rは、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アミノ、アシルアミノ、モノアルキルアミノまたはジアルキルアミノである)からなる群より選択される置換基で置換されており、ヘテロアルキル基の結合点が、炭素原子を介していると理解される。代表的な例には、非限定的に、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1−ヒドロキシメチルエチル、3−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシブチル、2−ヒドロキシ−1−メチルプロピル、2−アミノエチル、3−アミノプロピル、2−メチルスルホニルエチル、アミノスルホニルメチル、アミノスルホニルエチル、アミノスルホニルプロピル、メチルアミノスルホニルメチル、メチルアミノスルホニルエチル、メチルアミノスルホニルプロピルなどが含まれる。
【0084】
「ヘテロアリール」は、N、OまたはSから選択される、1、2または3個の環ヘテロ原子を含み、残りの環原子がCである、少なくとも1個の芳香族環を有する、5〜12個の環原子の、単環、二環または三環基を意味し、ヘテロアリール基の結合点は、芳香族環上にあると理解される。ヘテロアリール環は、本明細書に定義されるとおり、場合により置換されていてもよい。ヘテロアリール部分の例には、非限定的に、場合により置換される、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、チオフェニル、フラニル、ピラニル、ピリジニル、ピロリル、ピラゾリル、ピリミジル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチオピラニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾピラニル、インドリル、イソインドリル、インダゾリル、トリアゾリル、トリアジニル、キノキサリニル、プリニル、キナゾリニル、キノリジニル、ナフチリジニル、プテリジニル、カルバゾリル、アゼピニル、ジアゼピニル、アクリジニルなどが含まれる。
【0085】
交換可能に用いられ得る「ヘテロアリールアルキル」および「ヘテロアラルキル」は、基:−R(式中、Rは、本明細書に定義されるアルキレン基であり、Rは、本明細書に定義されるヘテロアリール基である)を意味する。
【0086】
交換可能に用いられ得る用語「ハロ」および「ハロゲン」は、置換基:フルオロ、クロロ、ブロモ、またはヨードを指す。
【0087】
「ハロアルキル」は、1個以上の水素原子が、同一または異なるハロゲンで置換されている、本明細書に定義されるアルキルを意味する。例示的なハロアルキルには、−CHCl、−CHCF、−CHCCl、ペルフルオロアルキル(例えば、−CF)などが含まれる。
【0088】
「ハロアルコキシ」は、式:−OR(式中、Rは、本明細書に定義されるハロアルキル部分である)の部分を意味する。ハロアルコキシ部分の例には、非限定的に、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシなどが含まれる。
【0089】
「ヒドロキシアルキル」は、ヘテロアルキルの下位集合を指し、詳細には、1個以上の、好ましくは、1、2または3個のヒドロキシ基で置換される、本明細書に定義されるアルキル部分を指すが、ただし、同じ炭素原子が、2個以上のヒドロキシ基を担わないことを条件とする。代表的な例には、非限定的に、ヒドロキシメチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピル、3−ヒドロキシプロピル、1−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロピル、2−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチル、4−ヒドロキシブチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシ−1−ヒドロキシメチルエチル、2,3−ジヒドロキシブチル、3,4−ジヒドロキシブチルおよび2−(ヒドロキシメチル)−3−ヒドロキシプロピルなどが含まれる。
【0090】
「ヘテロシクロアミノ」は、少なくとも1個の環原子が、N、NHまたはN−アルキルであり、残りの環原子が、アルキレン基を形成する飽和環を意味する。
【0091】
「ヘテロシクリル」は、1、2、3または4個のヘテロ原子(窒素、酸素または硫黄から選択される)を組み込んだ、1〜3個の環からなる、一価飽和部分を意味する。ヘテロシクリル環は、本明細書に定義されるとおり、場合により置換されていてもよい。ヘテロシクリル部分の例には、非限定的に、場合により置換される、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、アゼパニル、ピロリジニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、オキサゾリジニル、イソオキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、チアジアゾリジニル、ベンゾチアゾリジニル、ベンゾアゾリリジニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、ジヒドロキノリニル、ジヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニルなどが含まれる。好ましいヘテロシクリルには、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペラジニルおよびピロリジニルが含まれる。
【0092】
「アリール」、「フェニル」、「ヘテロアリール」{インドリル(例えば、インドール−1−イル、インドール−2−イルおよびインドール−3−イル)、2,3−ジヒドロインドリル(例えば、2,3−ジヒドロインドール−1−イル、2,3−ジヒドロインドール−2−イルおよび2,3−ジヒドロインドール−3−イル)、インダゾリル(例えば、インダゾール−1−イル、インダゾール−2−イルおよびインダゾール−3−イル)、ベンズイミダゾリル(例えば、ベンゾイミダゾール−1−イルおよびベンズイミダゾール−2−イル)、ベンゾチオフェニル(例えば、ベンゾチオフェン−2−イルおよびベンゾチオフェン−3−イル)、ベンゾキサゾール−2−イル、ベンゾチアゾール−2−イル、チエニル、フラニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリルおよびキノリニルを含む}または「ヘテロシクリル」に関連して用いられる「場合により置換される」は、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、シアノ、ニトロ、ヘテロアルキル、アミノ、アシルアミノ、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、ベンジルオキシ、シクロアルキルアルキル、シクロアルコキシ、シクロアルキルアルコキシ、アルキルスルホニルオキシ、場合により置換されるチオフェニル、場合により置換されるピラゾリル、場合により置換されるピリジニル、モルホリノカルボニル、−(CH−S(O)、−(CH−NR;−(CH−C(=O)−NR、−(CH−C(=O)−C(=O)−NR;−(CH−SO−NR;−(CH−N(R)−C(=O)−R;−(CH−C(=O)−R;または−(CH−N(R)−SO−R(式中、qは、0または1であり、rは、0〜2であり、R、R、およびRは、それぞれ独立して、水素またはアルキルであり、各々のRは、独立して、水素、アルキル、ヒドロキシ、またはアルコキシである)から選択される、1〜4個の置換基、好ましくは、1または2個の置換基で、独立して、場合により置換される、アリール、フェニル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルを意味する。「アリール」、「フェニル」、「ヘテロアリール」、「シクロアルキル」または「ヘテロシクリル」に対する、特定の好ましい、場合による置換基には、アルキル、ハロ、ハロアルキル、アルコキシ、シアノ、アミノおよびアルキルスルホニルが含まれる。より好ましい置換基は、メチル、フルオロ、クロロ、トリフルオロメチル、メトキシ、アミノおよびメタンスルホニルである。
【0093】
「脱離基」は、合成有機化学において、それに関連する標準的な意味を持つ基、すなわち、置換反応条件下で、置き換わり得る原子または基を意味する。脱離基の例には、非限定的に、ハロゲン、アルカン−またはアリーレンスルホニルオキシ、例えば、メタンスルホニルオキシ、エタンスルホニルオキシ、チオメチル、ベンゼンスルホニルオキシ、トシルオキシ、チエニルオキシ、ジハロホスフィノイルオキシ、場合により置換されるベンジルオキシ、イソプロピルオキシ、アシルオキシなどが含まれる。
【0094】
「モジュレーター」は、標的と相互作用する分子を意味する。相互作用には、非限定的に、本明細書に定義されるアゴニスト、アンタゴニストなどが含まれる。
【0095】
「場合による(optinal)」または「場合により」は、その後に記載される事象または状況が起こり得るが、起こる必要がないこと、および、その記述が、その事象または状況が起こる例と起こらない例とを含むことを意味する。
【0096】
「疾患」および「疾患状態」は、いずれの疾患、状態、徴候、障害または適応症をも意味する。
【0097】
「不活性有機溶媒」または「不活性溶媒」は、溶媒が、それに関連して記載される反応の条件下で不活性である溶媒を意味し、例えば、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、クロロホルム、塩化メチレンまたはジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、tert−ブタノール、ジオキサン、ピリジンなどが含まれる。本発明の反応に用いられる溶媒は、反することが記載されない限り、不活性溶媒である。
【0098】
「薬学的に許容される」は、一般に、安全で非毒性であり、生物学的にも、他においても望ましくなくはない医薬組成物を製造するのに有用であることを意味し、動物およびヒトの医薬使用に許容され得ることを包含する。
【0099】
化合物の「薬学的に許容される塩」は、本明細書に定義されるとおり薬学的に許容され得て、親化合物の所望の薬理活性を保有する塩を意味する。
そのような塩は、
無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など)で形成される酸付加塩、もしくは有機酸(例えば、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、ヒドロキシナフトエ酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ムコン酸、2−ナフタレンスルホン酸、プロピオン酸、サリチル酸、コハク酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリメチル酢酸など)で形成される酸付加塩;または
親化合物中に存在する酸性プロトンが、金属イオン(例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、またはアルミニウムイオン)で置換されるか、または有機もしくは無機塩基と配位して形成される塩を含む。許容される有機塩基には、ジエタノールアミン、エタノールアミン、N−メチルグルカミン、トリエタノールアミン、トロメタミンなどが含まれる。許容される無機塩基には、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムおよび水酸化ナトリウムが含まれる。
【0100】
好ましい薬学的に許容される塩は、酢酸、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、マレイン酸、リン酸、酒石酸、クエン酸、ナトリウム、カリウム、カルシウム、亜鉛、およびマグネシウムから形成される塩である。
【0101】
薬学的に許容される塩への全ての参照が、同じ酸付加塩の、本明細書に定義される、溶媒付加形態(溶媒和物)または結晶形態(多形)を包含することを理解すべきである。
【0102】
「保護基」または「保護する基(protecting group)」は、合成化学において、それに関連する標準的な意味で、別の非保護反応部位で化学反応を選択的に行うことができるよう、多官能性化合物中の一つの反応部位を選択的にブロックする基を意味する。本発明の特定の方法は、反応体に存在する、反応性窒素および/または酸素原子をブロックする保護基に依拠する。例えば、交換可能に用いられる用語「アミノ保護基」および「窒素保護基」は、合成手順の間、窒素原子を望ましくない反応から保護することを意図した有機基を指す。例示的な窒素保護基には、非限定的に、トリフルオロアセチル、アセトアミド、ベンジル(Bn)、ベンジルオキシカルボニル(カルボベンジルオキシ、CBZ)、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル(BOC)などが含まれる。当業者は、除去が容易で、後の反応に耐えることができる基を選択する方法を知っている。
【0103】
「溶媒和物」は、化学量論的または非化学量論的量のいずれかの溶媒を含む、溶媒付加形態を意味する。一部の化合物は、結晶固体状態で、一定モル比の溶媒分子を捕捉する傾向があり、こうして溶媒和物を形成する。溶媒が水であれば、形成された溶媒和物は水和物であり、溶媒がアルコールであれば、形成された溶媒和物はアルコラートである。水和物は、1分子以上の水と1分子の物質との組み合わせにより形成され、ここで、水は、H2Oとして、分子状態を保持し、そのような組み合わせは、一以上の水和物を形成しうる。
【0104】
「対象」は、哺乳類および非哺乳類を意味する。哺乳類は、非限定的に、ヒト;非ヒトの霊長類(例えば、チンパンジーおよび他の類人猿およびサル類);畜産動物(例えばウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギおよびブタ;家庭動物(例えば、ウサギ、イヌおよびネコ);げっ歯類を含む実験動物(例えば、ラット、マウスおよびモルモット)などを含む、哺乳類のいずれかの種類を意味する。非哺乳類の例には、非限定的に、トリなどが含まれる。用語「対象」は、特定の年齢および性別を示すものではない。
【0105】
セロトニン、ノルエピネフリンおよび/またはドパミン神経伝達に関連する「疾患状態」には、うつ病および不安障害に加え、統合失調症および他の精神病、ジスキネジー、薬物依存、認知障害、アルツハイマー病、注意欠陥障害(例えば、ADHD)、強迫−強制挙動、パニック発作、対人恐怖症、摂食障害(例えば、肥満、食欲不振、大食および「過食症」)、ストレス、高血糖症、高脂血症、非インスリン依存性糖尿病、発作性障害(例えば、てんかん)、ならびに卒中、脳傷害、脳虚血、頭部外傷および出血に由来する神経損傷に関する状態、ならびに尿管の障害および疾患状態が含まれる。セロトニン、ノルエピネフリンおよび/またはドパミン神経伝達に関連する「疾患状態」には、また、対象における炎症状態が含まれる。本発明の化合物は、リューマチ性関節炎、脊椎関節症、痛風性関節炎、変形性関節炎、全身性エリテマトーデスおよび若年性関節炎、変形性関節炎、痛風性関節炎ならびに他の関節炎状態を非限定的に包含する、関節炎の処置に有用である。
【0106】
本明細書で用いられる「うつ病」には、非限定的に、大うつ病、長期抑うつ、処置抵抗性うつ病、気分変調、悲しみ、絶望、落胆、「憂鬱(blues)」、哀愁といった感情、低い自己評価、罪および自責の感情によって特徴付けられる抑うつ気分の心理状態、人間同士の交流からの引きこもり、ならびに摂食および睡眠障害のような身体的症状が含まれる。
【0107】
本明細書で用いられる「不安」には、非限定的に、非現実的な、想像的なまたは過大な危険または傷害の予想への精神生理的な応答に関連する、喜ばしくないまたは望ましくない感情状態、身体的な付帯状況(例えば、心拍数の増加、呼吸数の変化、発汗、震え、衰弱および疲労、切迫した危機感、無気力、懸念および緊張感)が含まれる。
【0108】
「尿管の症状」と交換可能に用いられる「尿管の障害」または「尿路疾患」は、尿管内の病理変化を意味する。尿管障害の例には、非限定的に、ストレス性尿失禁、切迫性尿失禁、良性前立腺肥大(BPH)、前立腺炎、排尿筋反射亢進、出口閉塞、頻尿、夜間多尿症、尿意切迫、過活動膀胱、骨盤過敏症、尿道炎、前立腺痛、膀胱炎、特発性膀胱過敏症などが含まれる。
【0109】
「尿管の症状」と交換可能に用いられる「尿管に関連する疾患状態」または「尿管疾患状態」または「尿路疾患」は、尿管での病理変化、または尿蓄積もしくは尿排泄障害を引き起す、膀胱平滑筋の機能不全もしくはその神経支配の機能不全を意味する。尿管の症状には、非限定的に、過活動膀胱(排尿筋過活動としても知られる)、出口閉塞、出口不全、および骨盤過敏症が含まれる。
【0110】
「過活動膀胱」または「排尿筋過活動」には、非限定的に、切迫感、頻尿、膀胱容量の変化、尿失禁、排尿閾値、不安定な膀胱収縮、括約筋痙性、排尿筋反射亢進(神経因性膀胱)、排尿筋不安定などが含まれる。
【0111】
「出口閉塞」には、非限定的に、良性前立腺肥大(BPH)、尿道狭窄症、腫瘍、尿流速低下、排尿開始困難、切迫感、恥骨上部の疼痛などが含まれる。
【0112】
「出口不全」には、非限定的に、尿道の過剰運動性、内因性括約筋不全、混合型尿失禁、ストレス性尿失禁などを含む。
【0113】
「骨盤過敏症」には、非限定的に、骨盤痛、間質(細胞)性膀胱炎、前立腺痛、前立腺炎、外陰部痛、尿道炎、精巣痛、過活動膀胱などが含まれる。
【0114】
「疼痛」は、特定の神経末端を刺激することにより生じる、不快感、苦痛または苦悶の、より局所的なまたはより局所的でない感覚を意味する。疼痛には、電撃痛、幻想痛、疼くような痛み、急性痛、炎症痛、神経因性疼痛、複合性局所疼痛、神経痛、神経障害などを非限定的に包含する、多くの種類の疼痛が存在する(Dorland's Illustrated Medical Dictionary, 28th Edition, W. B. Saunders Company, Philadelphia, PA)。疼痛の処置のゴールは、処置対象により知覚される痛みの重篤度を和らげることである。
【0115】
「神経因性疼痛」は、末梢神経系での、機能妨害および/または病的変化ならびに非炎症性病変から生じる疼痛を意味する。神経因性疼痛の例には、非限定的に、熱的または機械的痛覚過敏、熱的または機械的異痛、糖尿病性疼痛、絞扼性疼痛(entrapment pain)などが含まれる。
【0116】
「治療有効量」は、疾患状態を処置するために対象に投与される場合に、疾患状態のそのような処置を実行するのに十分である、化合物の量を意味する。「治療有効量」は、化合物、処置される疾患状態、処置される疾患の重症度、対象の年齢および相対的健康度、投与の経路および形態、従事する医師または獣医師の判断、ならびに他の因子に応じて変動する。
【0117】
用語「上に定義されるもの」および「本明細書に定義されるもの」は、変数を指す場合、その変数の広い定義、ならびに、もしあるならば、好ましい、より好ましいおよび最も好ましい定義が参照により組み入れられる。
【0118】
疾患状態の「処置すること」または「処置」は、
(i)疾患状態を予防すること、すなわち、疾患状態にさらされうるもしくはかかりやすいが、疾患状態の症状を経験していないかもしくは示していない対象において、疾患状態の臨床症状を引き起こさないこと、
(ii)疾患状態を抑制すること、すなわち、疾患状態もしくはその臨床的症状の進行を止めること、または
(iii)疾患状態を緩和すること、すなわち、疾患状態もしくはその臨床的症状を、一時的または永久的に退行させること、を包含する。
【0119】
化学反応に関して、用語「処理する」、「接触する」および「反応する」は、適切な条件下で、2種以上の試薬を添加または混合して、示された生成物および/または所望の生成物を生成させることを意味する。示された生成物および/または所望の生成物を生成させる反応が、必ずしも、最初に添加した2種の試薬の組合せから直接得られるものではなくてもよく、すなわち、最終的には、指示されたおよび/または所望の生成物の生成に導く、混合物中で製造される1以上の中間体が存在していてもよいと認識されるべきである。
【0120】
一般に、本出願で用いられる命名法は、IUPAC体系的命名法の実行のための、AUTONOM(商標)v.4.0, Beilstein Instituteコンピューター化システムに基づいている。本明細書に示される化学構造は、ISIS(登録商標)バージョン2.2を用いて作成した。本明細書中の構造における、炭素、酸素、硫黄または窒素原子上の全ての空いている結合価は、水素原子の存在を意味する。
【0121】
化学構造にキラル炭素が存在する場合はいつでも、そのキラル炭素に関連する立体異性体は全て、その構造に包含されるものであり、特定の鏡像異性体を包含する。
【0122】
本明細書で同定された特許および刊行物は全て、その全体が、本明細書に参照して組み入れられる。
【0123】
本発明の方法による代表的な化合物を、表1に示す。
【0124】
【表1】















【0125】
本発明の化合物は、以下に示され、記述される例示的合成反応に描写される様々な方法により製造することができる。
【0126】
これらの化合物を製造するために用いる出発原料および試薬は、一般に、商業的な供給業者、例えば、Aldrich Chemical Co.,から入手するか、または参考資料、例えば、Fieser and Fieser's Reagents for Organic Synthesis; Wiley & Sons: New York, 1991, Volumes1-15; Rodd's Chemistry of Carbon Compounds, Elsevier Science Publishers, 1989, Volumes 1-5 and Supplementals;およびOrganic Reactions, Wiley & Sons: New York, 1991, Volumes 1-40に示された手順に従って、当業者に公知の方法により製造される。以下の合成反応スキームは、単に、本発明の化合物が合成され得る方法のいくつかを例示したに過ぎず、これらの合成反応スキームの様々な修正が可能であり、本出願に含まれる開示を参照する当業者に示唆される。
【0127】
合成反応スキームの出発原料および中間体は、所望ならば、従来の技術(非限定的に、ろ過、蒸留、結晶化、クロマトグラフィーなどを含む)を用いて、分離および精製することができる。そのような物質は、物理定数およびスペクトルデータを含む従来の手段を用いて特徴づけることができる。
【0128】
反することが特記されない限りは、本明細書に記載された反応は、好ましくは、約−78℃〜約150℃、より好ましくは、約0℃〜約125℃の温度範囲で、最も好ましくそして簡便にはほぼ室温(または周囲温度)、例えば、約20℃で、大気圧での不活性雰囲気下に実施される。
【0129】
本発明の化合物は、セロトニン神経伝達、ノルエピネフリン神経伝達および/またはドパミン神経伝達に関連する疾患または状態の処置に使用可能である。そのような疾患および状態は、うつ病および不安障害に加え、統合失調症および他の精神病、ジスキネジー、薬物依存、認知障害、アルツハイマー病、注意欠陥障害(例えば、ADHD)、強迫−強制挙動、パニック発作、対人恐怖症、摂食障害(例えば肥満、食欲不振、大食および「過食症」)、ストレス、高血糖症、高脂血症、非インスリン依存性糖尿病、発作性障害(例えば、てんかん)、ならびに卒中、脳傷害、脳虚血、頭部外傷および出血に由来する神経損傷に関する状態を含む。
【0130】
本発明の化合物は、尿管の障害および疾患状態、例えば、ストレス性尿失禁、切迫性尿失禁、良性前立腺肥大(BPH)、前立腺炎、排尿筋反射亢進、出口閉塞、頻尿、夜間多尿症、尿意切迫、過活動膀胱、骨盤過敏症、尿道炎、前立腺痛、膀胱炎、特発性膀胱過敏症の処置にも使用可能である。
【0131】
本発明の化合物は、in vivoでの抗炎症的および/または鎮痛的性質をも保有し、したがって、神経因性疼痛、炎症痛、手術痛、内臓痛、歯痛、月経痛、中枢痛、熱傷による疼痛、片頭痛または群発性頭痛、神経損傷、神経炎、神経痛、中毒、虚血性損傷、間質性膀胱炎、癌性疼痛、ウイルス、寄生虫または細菌感染、外傷後損傷(骨折および運動傷害を含む)、および機能性腸障害(例えば、過敏性腸症候群)に関連する疼痛を非限定的に包含する、様々な原因からの疼痛状態に関連する疾患状態の処置において有用性が見出されることが期待される。
【0132】
本発明の化合物は、また、リューマチ性関節炎、脊椎関節症、痛風性関節炎、変形性関節炎、全身性エリテマトーデスおよび若年性関節炎、変形性関節炎、痛風性関節炎ならびに他の関節炎状態を非限定的に包含する、関節炎の処置に有用である。
【0133】
本発明は、少なくとも1種の本発明の化合物、またはその各異性体、異性体のラセミ混合物もしくは非ラセミ混合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を、少なくとも一種の薬学的に許容される担体、ならびに場合により他の治療的および/または予防的成分と共に含む医薬組成物を包含する。
【0134】
一般に、本発明の化合物は、同様の用途を与える薬剤について、許容される投与様式のいずれかにより、治療有効量において投与される。適切な投与量の範囲は、処置される疾患の重篤度、対象の年齢および相対的健康度、用いられる化合物の強さ、投与の経路および形態、投与が目的とする適応症、関与する医師の好みおよび経験など多数の因子に依存するが、典型的には、1日あたり1〜500mg、好ましくは、1日あたり1〜100mg、最も好ましくは、1日あたり1〜30mgである。そのような疾患を処置する当業者は、過度の実験なしに、個人の知識と本出願の開示に依拠して、所与の疾患に対する本発明の化合物の治療有効量を確認することができるであろう。
【0135】
本発明の化合物は、経口(口腔および舌下を含む)、経直腸、経鼻、局所、経肺、経膣、もしくは非経口(筋肉内、動脈内、くも膜下腔内、皮下、および静脈内を含む)投与に適したものを含む医薬調合物として、または吸入もしくは通気による投与に適した形態で投与されうる。投与の好ましい手法は、一般に、病気の度合いにより調整し得る、都合のよい1日用量レジメンを用いる経口である。
【0136】
本発明の化合物は、従来の、1種以上のアジュバント、担体、または希釈剤と共に、医薬組成物および単位用量の形態にしてもよい。その医薬組成物および単位用量形態は、追加の活性化合物または有効成分を含むか、またはそれを含まずに、従来の成分を従来の割合で含んでいてもよく、単位用量形態は、用いられる、意図された1日用量範囲にふさわしい、適切な有効量の活性成分を含んでいてもよい。医薬組成物は、経口使用の固形(例えば、錠剤または充填カプセル)、半固形、粉末、徐放性調合物、液剤(例えば、溶液剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤、または充填カプセル)として;または経直腸もしくは経膣投与用の坐剤の形態で;または非経口使用の滅菌注射溶液の形態で用いられてもよい。したがって、錠剤あたり、活性成分約1ミリグラム、より広範には、約0.01〜約100ミリグラムを含む調合物が、適切な代表的単位用量形態である。
【0137】
本発明の化合物は、様々な経口投与用量形態で調合されてもよい。医薬組成物および投与形態は、活性成分として、本発明の化合物または薬学的に許容されるその塩を含んでいてもよい。薬学的に許容される担体は、固体または液体のいずれであってもよい。固形形態製剤には、粉末剤、錠剤、ピル、カプセル、カシェ剤、坐剤および分散性顆粒が含まれる。固形担体は、希釈剤、着香剤、可溶化剤、滑剤、懸濁剤、結合剤、防腐剤、錠剤崩壊剤、または封入用物質としても作用し得る、1種以上の物質であってもよい。粉末では、担体は、一般に、微粉化した活性成分との混合物である、微粉化した固体である。錠剤では、活性成分を、一般に、必要な結合能力を有する担体と適切な割合で混合し、所望の形状およびサイズに圧縮する。粉末および錠剤は、好ましくは、約1〜約70%の活性化合物を含有する。適切な担体には、非限定的に、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖類、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、ココアバターなどが包含される。用語「製剤」には、活性化合物と担体としての封入用物質との調合物が包含されることが意図され、担体を有するかまたは有しない活性成分がそれに関係する担体により周囲を囲まれているカプセル剤を提供する。同様に、カシェ剤およびロゼンジ剤も包含される。錠剤、粉末剤、カプセル、ピル、カシェ剤およびロゼンジ剤は、経口投与に適した固体形態でありうる。
【0138】
経口投与に適した他の形態には、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、水溶液剤、水性懸濁剤を含む液状製剤、または使用直前に液状製剤に変換されることが意図される固形製剤が包含される。乳剤は、溶液(例えば、ポリプロピレングリコール水溶液)中で調製してもよく、または、乳化剤(例えば、レシチン、モノオレイン酸ソルビタン、またはアカシア)を含んでいてもよい。水溶液剤は、活性成分を水に溶解して、適切な着色剤、香料、安定化剤、および増粘剤を添加することにより調製しうる。水性懸濁剤は、微粉化した活性成分を粘性物質(例えば、天然または合成ゴム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび他の周知の懸濁化剤)と共に水に分散させることにより調製されうる。固形製剤には、溶液剤、懸濁剤および乳剤を含み、活性成分に加えて、着色剤、香料、安定化剤、緩衝剤、人工および天然甘味料、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含んでいてもよい。
【0139】
本発明の化合物は、非経口投与用に(例えば、注射、例えば、ボーラス注射または連続点滴による)調合されてもよく、アンプル剤、充填済注射器、小容量注入容器中に単位用量形態で、または添加された防腐剤を有する頻回投与用容器中に存在してもよい。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁剤、溶液剤、または乳剤、例えば、水性ポリエチレングリコール中の溶液剤、のような形態をとりうる。油性または非水性担体、希釈剤、溶媒または賦形剤の例には、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油(例えば、オリーブ油)および注射可能な有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)が包含され、調合剤、例えば、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、安定化剤および/または分散剤を含んでいてもよい。または、活性成分は、滅菌固体の無菌分離によるか、または適切なビヒクル(例えば、滅菌した、発熱物質を含まない水)による使用前の構成用溶液から凍結乾燥することにより得られる粉末形態であってよい。
【0140】
本発明の化合物は、軟膏剤、クリーム剤もしくはローション剤としてまたは経皮パッチ剤として表皮に局所投与するために、調合することができる。例えば、軟膏剤およびクリーム剤は、適切な増粘剤および/またはゲル化剤を加え、水性または油性基剤を用いて調合することができる。ローション剤は、水性または油性基剤を用いて調合することができ、また一般的に、1種以上の、乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤または着色剤をも含有する。口腔内の局所投与に適切な調合物には、風味付けした基剤、通常、スクロースおよびアカシアまたはトラガカント中に活性剤を含むトローチ剤;ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアのような不活性基剤中に活性成分を含むパステル剤;ならびに適切な液体担体中に活性成分を含む洗口剤が包含される。
【0141】
本発明の化合物は、坐剤として投与するために調合されてもよい。低融点ワックス(例えば、脂肪酸グリセリドまたはココアバターの混合物)を最初に融解して、例えば撹拌することにより、活性成分を均質に分散させる。その後、融解した均質混合物を、簡便なサイズの成形型に注いで放冷し、固化させる。
【0142】
本発明の化合物は、経膣投与用に調合されてもよい。ペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム、またはスプレーは、活性成分に加えて、当技術分野において適切であることが知られている担体を含む。
【0143】
主題の化合物は、経鼻投与用に調合されてもよい。液剤または懸濁剤を、従来の方法、例えば、滴瓶、ピペットまたはスプレーを用いて、直接鼻腔に適用する。製剤は単回投与または多回投与形態で提供することができる。滴瓶またはピペットの後者の場合、液剤または懸濁剤の適切で所定の容量を患者が投与することで、それを達成することができる。スプレーの場合、例えば、計量噴霧スプレーポンプを用いて達成することができる。
【0144】
本発明の化合物は、鼻腔内投与を含む、特に気道へのエアゾール投与用に調合することができる。化合物は、一般的に、例えば、5μ以下のオーダーの小さい粒径を有する。そのような粒径は、当該技術で既知の方法、例えば、微粉砕により得ることができる。活性成分は、クロロフルオロカーボン(CFC)、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタンもしくはジクロロテトラフルオロエタン、または二酸化炭素、あるいは他の適切なガスのような適切な噴射剤を用いた加圧パックで提供される。エアゾールは、また、レシチンのような界面活性剤を好都合に含有することができる。薬剤の用量は、計量弁により制御されうる。あるいはまた、活性成分は、乾燥粉末の形態で、例えば、乳糖、デンプン、デンプン誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびポリビニルピロリジン(PVP)のような適切な粉末基剤中の化合物の粉末混合物で提供されうる。粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成する。粉末組成物は、例えば、ゼラチンのカプセルもしくはカートリッジ、またはブリスターパック(例えば、粉末剤は吸入器によりそこから投与されうる)中の単位用量形態で存在してもよい。
【0145】
所望であれば、調合物は、活性成分の持続的または制御的放出投与用に適合される腸溶性コーティングを用いて調製できる。例えば、本発明の化合物は、経皮剤または皮下薬剤送達デバイス中に調合されてもよい。これらの送達システムは、化合物の持続性放出が必要となる場合、そして処置レジメンでの患者の服薬遵守が重要な場合に有利となる。経皮送達システム中の化合物は、多くの場合、皮膚接着性固形支持体に付着している。目的の化合物は、浸透増強剤、例えば、エイゾン(Azone)(1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン)と組み合わせることができる。持続性放出送達システムは、手術または注入により、皮下層に皮下挿入する。皮下インプラントは、脂質可溶性の膜(例えば、シリコーンゴム)または生分解性ポリマー(例えば、ポリ乳酸)中に化合物を包み込んでいる。
【0146】
医薬製剤は、好ましくは、単位用量形態である。そのような形態では、製剤は、活性成分の適切な量を含有する単位用量に細分化されている。単位用量形態は、パッケージ製剤であることができ、そのパッケージは、小包装錠剤、カプセル剤およびバイアルまたはアンプル中の粉末剤のような製剤の個々の分量を含有する。また、単位用量形態は、それ自体、カプセル剤、錠剤、カシェ剤またはトローチ剤であることができるか、またはパッケージ形態での、適切な数のこれらのいずれかであることができる。
【0147】
他の適切な医薬担体およびそれらの調合物は、E. W. Martinの編集によるRemington: The Science and Practice of Pharmacy 1995, Mack Publishing Company, 19版, Easton, Pennsylvaniaに記載されている。本発明の化合物を含む代表的な医薬調合物を、以下に記載する。
【0148】
実施例
以下の調製例及び実施例は、当業者が本発明をより明確に理解し、実施できるために示されている。これらは、本発明の範囲を制限すると考えられるべきではなく、単に本発明の例示及び代表例として考えられるべきである。
【0149】
ある化学構造中にキラル炭素が存在するときはいつも、特定の鏡像異性体を含むように、そのキラル炭素に関連する全ての立体異性体がその構造に包含されることが意図されている。
【0150】
以下の略語を実施例において使用することがある。
【0151】
略語
ACE−Cl クロロギ酸α−クロロエチル
AcOH 酢酸
Bn ベンジル
(BOC)O 二炭酸ジ−tert−ブチル
t−BuLi tert−ブチルリチウム
t−BuOH tert−ブチルアルコール
m−CPBA 3−クロロ過安息香酸
DCE 1,2−ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン/塩化メチレン
DEA ジエチルアミン
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン
DIBALH 水素化ジイソブチルアルミニウム
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMF N,N−ジメチルホルムアミド
DMP Dess Martin Periodinane(酢酸1,1−ジアセトキシ−3−オキソ−1ラムダ*5*−ヨーダ−2−オキサ−インダン−1−イルエステル)
DMSO ジメチルスルホキシド
Dppf 1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン
EDC 1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
EtOAc 酢酸エチル
HPLC 高圧液体クロマトグラフィー
HOBt 1−ヒドロキシベンゾトリアゾール
LAH 水素化アルミニウムリチウム
LHMDS リチウムビス(トリメチルシリル)アミド
MeOH メタノール
MsCl メタンスルホニルクロリド
NMP 1−メチル−2−ピロリジノン
NBS N−ブロモスクシンイミド
PFBSF フッ化ペルフルオロブタンスルホニル
PPTS p−トルエンスルホン酸ピリジニウム
TBAF フッ化テトラブチルアンモニウム
TBAHS 硫酸水素テトラブチルアンモニウム
TBDMS tert−ブチルジメチルシリル
TMSI ヨードトリメチルシラン
TEA トリエチルアミン
TIPS トリイソプロピルシリル
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
TMAF フッ化テトラメチルアンモニウム
TMS トリメチルシリル
p−TSOH p−トルエンスルホン酸
【0152】
手順1 1−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール
スキームAに示された方法に従って、この手順に記載された合成手順を実施した。
【0153】
【化11】

【0154】
工程1 5−ブロモ−1−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール
DCM(15ml)中の5−ブロモインダゾール(2.48g、12.6mmol)、3,4−ジヒドロ−2H−ピラン(2.61ml、28.9mmol)及びp−トルエンスルホン酸ピリジニウム(158mg、0.629mmol)の混合物を、5時間加熱還流した。次に反応混合物を冷却し、飽和NaHCO水溶液(30ml)に注いだ。有機層を分離し、水層をDCM(30ml)で2回抽出した。合わせた有機抽出物をクエン酸溶液(水中の1M、約40ml)、ブライン(30ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、橙色の油状物(4g)を得た。この粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中のEtOAc 10%〜30%)により精製し、5−ブロモ−1−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール2.46g(70%収率)を橙色のガム状物として、5−ブロモ−2−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−2H−インダゾール0.86g(24%収率)を橙色の油状物として得た。
【0155】
工程2 1−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール
5−ブロモ−1−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール(2.40g、8.54mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(3.25g、12.8mmol)、KOAc(2.51g、2.6mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−フェロセン]ジクロロパラジウム(II).CHCl(0.348g、0.427mmol)及びDMSO(50ml)の混合物を、窒素雰囲気下、90℃で加熱した。90℃で5時間撹拌した後、暗色の混合物を冷却し、水(100ml)とEtOAc(200ml)の混合物に注いだ。有機相を分離し、水相をEtOAc(100ml)で3回抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(150ml)で1回、水(100ml)で3回及び再びブライン(100ml)で洗浄し、次にMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させ、暗褐色の油状物を得て、放置して凝固させた。この粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中のEtOAc10%〜30%)により精製して、1−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール1.66g(収率59%)を黄色のガム状物として得た。
【0156】
適切な出発物質を使用して同様に調製した:WO2004/078757 A2に記載されたように合成した5−ブロモ−1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジンを使用した1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(271mg、47%収率、低融点固体);7−クロロ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インドール(2.31g、96%収率、白色の固体)。
【0157】
実施例1 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール
スキームBに示された方法に従って、この実施例に記載された合成手順を実施した。
【0158】
【化12】

【0159】
工程1 1−ベンジル−3−(1H−インドール−5−イル)−ピロリジン−2,5−ジオン
トリエチルアミン(0.433ml、3.11mmol)及びN−ベンジルマレイミド(0.582mg、3.11mmol)を、1,4−ジオキサン/水(9/1、10ml)の混合物中の5−インドリルボロン酸(0.750mg、4.66mmol)及び[RhOH(cod)](70.9mg、0.155mmol)の溶液に加えた。暗褐色の混合物を50℃で2.5時間加熱し;次にそれを冷却し、シリカプラグで濾過した。フィルターケーキをEtOAc(100ml)で洗浄し、濾液を減圧下で濃縮し、褐色の油状物(1.5g)を得た。この粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中のEtOAc10%〜100%)により精製して、1−ベンジル−3−(1H−インドール−5−イル)−ピロリジン−2,5−ジオン932mg(99%収率)を淡黄色の泡状物として得た。
【0160】
適切なボロン酸を使用して同様に調製した:2−(1−ベンゾチオフェン−5−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを使用した3−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−1−ベンジル−ピロリジン−2,5−ジオン(黄色の泡状物、93%収率);1−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−5−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−1H−インダゾール(調製1参照)を使用した1−ベンジル−3−[1−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル]−ピロリジン−2,5−ジオン(黄色のガム状物、80%収率);4−(N−BOC−アミノ)フェニルボロン酸を使用した[4−(1−ベンジル−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル)−フェニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(褐色の固体、91%収率);MS=761[2M+H];1−ベンジル−3−(1H−インドール−6−イル)−ピロリジン−2,5−ジオン(無色のさくさくした固体、1.39g、92%収率);1−ベンジル−3−[1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]−ピロリジン−2,5−ジオン(白色の固体、52%収率);MS=420[M+H];3−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−3−イル)−1−ベンジル−ピロリジン−2,5−ジオン(無色の泡状物、66%収率);MS=445[M+H]、486[M+H+CHCN];1−ベンジル−3−(7−クロロ−1H−インドール−5−イル)−ピロリジン−2,5−ジオン(黄色のガム状物、2.80g、定量的収率)。
【0161】
N−メチルマレイミドを使用して同様に調製した:3−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−1−メチル−ピロリジン−2,5−ジオン(25%収率);及び3−(1H−インドール−5−イル)−1−メチル−ピロリジン−2,5−ジオン(黄色の固体、71%収率)。
【0162】
工程2 5−(1−ベンジル−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸メチルエステル
クロロギ酸メチル(0.26ml、3.31mmol)を、DCM(8ml)とNaOH(水中30%、8ml)の混合物中の急激に撹拌した1−ベンジル−3−(1H−インドール−5−イル)−ピロリジン−2,5−ジオン(0.606mg、1.99mmol)と臭化ベンジルトリエチルアンモニウム(5.4mg、19.9μmol)の混合物に0℃で15分間かけて滴下した。反応混合物を30分間撹拌した;次にそれをDCM(10ml)で3回抽出した。合わせた有機抽出物を水(15ml)及びブライン(15ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、橙褐色の泡状物(590mg)を得た。この粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中のEtOAc5%〜60%)により精製して、5−(1−ベンジル−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸メチルエステル400mg(56%収率)を黄色のガム状物として得た。MS=363[M+H]、404[M+H+CHCN]
【0163】
適切な出発物質を使用して同様に調製した:6−(1−ベンジル−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸メチルエステル(黄色の固体、1.04g、64%収率);5−(1−ベンジル−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル)−7−クロロ−インドール−1−カルボン酸メチルエステル(黄色のガム状物、1.0g、33%収率);及び5−(1−メチル−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸メチルエステル。
【0164】
工程3 5−(1,3−ジベンジル−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸メチルエステル
DMF(0.5ml)中の5−(1−ベンジル−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸メチルエステル(177mg、0.489mmol)の撹拌した混合物に、窒素雰囲気下、臭化ベンジル(0.166ml、0.978 mmol)を室温で加え、続いて無水(高真空下で新たに乾燥させた)KCO(350mg)を室温で加えた。室温で5時間撹拌した後、EtOAc(20ml)及び水(20ml)を加えた。有機層を分離し、水層をEtOAc(15ml)で2回抽出した。合わせた有機抽出物を飽和NaHCO水溶液(20ml)及びブライン(20ml)で洗浄し;次にMgSOで乾燥させ、濾過して、減圧下で蒸発させた。粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中のEtOAc5%〜60%)により精製して、5−(1,3−ジベンジル−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸メチルエステル170mg(77%収率)を、白色の粉末として得た。MS=453[M+H],494[M+H+CHCN],905[2M+H]
【0165】
適切な出発物質を使用して同様に調製した:1,3−ジベンジル−3−[1−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール−5−イル]−ピロリジン−2,5−ジオン(淡黄色の泡状物、57%収率);MS=480[M+H];[4−(1,3−ジベンジル−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル)−フェニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(淡黄色の泡状物、47%収率);MH=469[M−H];493[M+Na];6−(1,3−ジベンジル−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸メチルエステル(蛍光黄色のガム状物、531mg、85%収率);1,3−ジベンジル−3−[1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]−ピロリジン−2,5−ジオン(無色の泡状物、67%収率);3−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−3−イル)−1,3−ジベンジル−ピロリジン−2,5−ジオン(白色の固体、63%収率);MS=535[M+H];7−クロロ−5−(1,3−ジベンジル−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸メチルエステル(無色のガム状物、447mg、36%収率);5−[1−ベンジル−3−(4−フルオロ−ベンジル)−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル]−インドール−1−カルボン酸メチルエステル(黄色の泡状物、529mg、93%収率);5−[1−ベンジル−3−(3−メトキシ−ベンジル)−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル]−インドール−1−カルボン酸メチルエステル(粘性ガム状物、519mg、78%収率);5−(3−ベンジル−1−メチル−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸メチルエステル(オフホワイトの固体、527mg、80%収率);MS=377[M+H];5−(1−ベンジル−2,5−ジオキソ−3−ピリジン−2−イルメチル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸メチルエステル(光沢のある黄色の固体、1.23g、59%収率);5−(1−ベンジル−2,5−ジオキソ−3−フェネチル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸メチルエステル(黄色のガム状物、381mg、59%収率);5−[1−ベンジル−2,5−ジオキソ−3−(2−オキソ−2−フェニル−エチル)−ピロリジン−3−イル]−インドール−1−カルボン酸メチルエステル(黄色の固体、494mg、75%収率);及び5−(1−ベンジル−3−メチル−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸メチルエステル(324mg、62%収率)。
【0166】
工程4 1,3−ジベンジル−3−(1H−インドール−5−イル)−ピロリジン−2,5−ジオン
THF(6ml)と水(2ml)の混合物中の5−(1,3−ジベンジル−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸メチルエステル(162mg、0.358mmol)及びLiOH(34mg、1.43mmol)の溶液を、1.5時間加熱還流した。反応混合物を減圧下で濃縮し;残留物をEtOAc(30ml)で希釈し、水(10ml)、クエン酸(10ml)、飽和NaHCO水溶液(10ml)及びブライン(10ml)で洗浄した。次にそれをMgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させ、1,3−ジベンジル−3−(1H−インドール−5−イル)−ピロリジン−2,5−ジオン142mg(定量的収率)を無色のガム状物として得て、それを更に精製しないで使用した。
【0167】
適切なインドールを使用して同様に調製した:1,3−ジベンジル−3−(1H−インドール−6−イル)−ピロリジン−2,5−ジオン(無色のガム状物、450mg、100%収率);1−ベンジル−3−(4−フルオロ−ベンジル)−3−(1H−インドール−5−イル)−ピロリジン−2,5−ジオン(オフホワイトの泡状物、412mg、91%収率);1−ベンジル−3−(1H−インドール−5−イル)−3−(3−メトキシ−ベンジル)−ピロリジン−2,5−ジオン(無色のガム状物、424mg、94%収率);1−ベンジル−3−(1H−インドール−5−イル)−3−ピリジン−2−イルメチル−ピロリジン−2,5−ジオン(黄色のガム状物、192mg、85%収率);1−ベンジル−3−(1H−インドール−5−イル)−3−フェネチル−ピロリジン−2,5−ジオン(277mg、92%収率);1−ベンジル−3−(1H−インドール−5−イル)−3−(2−オキソ−2−フェニル−エチル)−ピロリジン−2,5−ジオン(黄色の固体、297mg、67%収率);及び1−ベンジル−3−(1H−インドール−5−イル)−3−メチル−ピロリジン−2,5−ジオン(黄色のガム状物、148mg、66%収率)。
【0168】
工程5 5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール
水素化アルミニウムリチウムの溶液(THF中の1.0M溶液、1.63ml)を、窒素雰囲気下、THF(4ml)中の1,3−ジベンジル−3−(1H−インドール−5−イル)−ピロリジン−2,5−ジオン(129mg、0.327mmol)の撹拌した溶液に室温で滴下した。反応混合物を80℃で4時間加熱し;次にそれを室温で冷まし、NaSO.10HO(約1g)を加えることによりクエンチした。混合物をEtOAc(25ml)で希釈し、濾過し;無機塩をEtOAc(5ml)で3回洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール(108mg、90%収率)を得て、それを更に精製しないで使用した。MS=367[M+H]。同様に、適切な出発物質を使用して調製した:5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール、MS=452[M+H];6−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール(無色の泡状物、260mg、66%収率)、MS=367[M+H];5−[1−ベンジル−3−(4−フルオロ−ベンジル)−ピロリジン−3−イル]−1H−インドール(無色の膜、131mg、67%収率);5−[1−ベンジル−3−(3−メトキシ−ベンジル)−ピロリジン−3−イル]−1H−インドール(白色の固体、420mg、定量的収率);5−(1−ベンジル−3−ピリジン−2−イルメチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール(定量的収率);5−(1−ベンジル−3−フェネチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール;及び5−(1−ベンジル−3−メチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール。
【0169】
工程6 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール
MeOH(20ml)中の5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール(108mg、0.295mmol)の混合物を、水素雰囲気下(60PSI)、Parr装置中、Pd(OH)/C(20%、54mg)で4.5時間振とうした。得られた混合物を濾過し、減圧下で無色の残留物(84mg)に濃縮し、それをフラッシュクロマトグラフィー(DCM中のMeOH/NHOH 9/1の2%〜20%)により精製てし、5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール44mg(54%収率)を白色の泡状物として得た。MS=277[M+H]。この物質の第二バッチを調製し、分取キラルHPLC(Chiralpak ADの分取カラム20×250mm ID、流速10ml/分で80%ヘキサン類(0.1%DEA)/20%エタノール使用)により精製し、2つの鏡像異性体を得た:鏡異性体A オフホワイトの粉末、α=+16°(c=2.10mg/ml MeOH);鏡像異性体B 白色の粉末、α=−34°(c=7.28mg/ml MeOH)。
【0170】
適切な出発物質を使用して同様に調製した:6−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール(無色の泡状物、115mg、66%収率)MS=277[M+H];及び対応物:鏡像異性体A:α=−21.1°(c=4.8mg/ml CHCl);鏡像異性体B:α=+21.0°(c=4.2mg/ml CHCl);70%ヘキサン(0.1% DEA)/30%エタノールを使用してChiralpak IA分取カラム(30×250mm ID)で20ml/分で分離した;5−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−ピロリジン−3−イル]−1H−インドール(オフホワイトの泡状物、50mg、50%収率);MS=295[M+H];5−[3−(3−メトキシ−ベンジル)−ピロリジン−3−イル]−1H−インドール(白色の粉末、191mg、62%収率);MS=307[M+H];及び対応物:鏡像異性体A:α=−17.4°(c=4.3mg/ml CHCl);鏡像異性体B:α=+14.3°(c=4.6mg/ml CHCl);90%ヘキサン(0.1% DEA)/10%エタノールを使用してChiralpak IA 分取カラム(30×250mm ID)で20ml/分で分離した;5−(3−ピリジン−2−イルメチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール(オフホワイトの泡状物、45mg、28% 3工程収率);MS=278[M+H];融点=169.9−171.1℃;5−(3−フェネチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール(オフホワイトの粉末、63mg、32% 2工程収率);MS=291[M+H];及び5−(3−メチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール(白色の固体、70mg、75% 2工程収率)、MS=201[M+H]
【0171】
実施例2 3−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−3−ベンジル−ピロリジン塩酸塩
スキームCに示される方法に従って、この実施例に記載された合成手順を実施した。
【0172】
【化13】

【0173】
工程1 3−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−1,3−ジベンジル−ピロリジン−2,5−ジオン
DMF(1.5ml)中の3−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−1−ベンジル−ピロリジン−2,5−ジオン(462mg、1.44mmol)及び臭化ベンジル(0.34ml、2.88mmol)の撹拌した混合物に、窒素雰囲気下、無水(高真空下で新たに乾燥させた)KCO(1.0g)を室温で加えた。反応混合物を45℃で3時間温め、次にそれを冷却し、EtOAc(30ml)及び水(10ml)で希釈した。有機層を分離し、水層をEtOAc(15ml)で2回抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(20ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させ、黄色の油状物(1.0g)を得た。この粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中のEtOAc 0%〜30%)により精製して、3−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−1,3−ジベンジル−ピロリジン−2,5−ジオン444mg(75%収率)を無色の針状晶として得た。
【0174】
適切な出発物質を使用して同様に調製した:3−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−3−ベンジル−1−メチル−ピロリジン−2,5−ジオン(白色の固体、77%収率);3−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−1−ベンジル−3−プロパ−2−イニル−ピロリジン−2,5−ジオン(黄色のガム状物、325mg、75%収率)。
【0175】
工程2 3−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−1,3−ジベンジル−ピロリジン
水素化アルミニウムリチウムの溶液(THF中の1.0M 溶液、4.2ml)を、窒素雰囲気下、THF(10ml)中の3−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−1,3−ジベンジル−ピロリジン−2,5−ジオン(428mg、1.04mmol)の撹拌した溶液に室温で滴下した。反応混合物を80℃で2時間加熱し;次にそれを室温で冷却し、NaSO.10HO(約3g)を加えることによりクエンチした。混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中のEtOAc5%〜50%)により精製して、3−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−1,3−ジベンジル−ピロリジン(374mg、81%収率)を無色の膜として得た。
【0176】
3−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−1−ベンジル−3−プロパ−2−イニル−ピロリジンを適切な出発物質を使用して同様の方法で調製した(無色のガム状物、232mg、79%収率)。
【0177】
工程3 3−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−3−ベンジル−ピロリジン塩酸塩
クロロギ酸1−クロロエチル(56μL、0.509mmol)を、窒素雰囲気下、1,2−ジクロロエタン(3ml)中の3−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−1,3−ジベンジル−ピロリジン(130mg、0.339mmol)の撹拌した溶液に0℃で加えた。15分間撹拌した後、混合物を室温に温め、次にそれを80℃に3時間加熱した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、次にMeOH(2ml)を残留物に加え、混合物を1時間還流した。次に溶媒を減圧下で蒸発させ、粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM中のMeOH/NHOH 9/1の混合物0%〜20%)により精製して、3−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−3−ベンジル−ピロリジン14mgを黄色の油状物として得た。この物質をDCM(0.5ml)に溶解し、HCl溶液(EtO中の1M、50μL)を加えた。混合物を減圧下で濃縮し、泡状のオフホワイトの残留物を高真空下で乾燥させて、3−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−3−ベンジル−ピロリジン塩酸塩17mg(15%収率)を得た。融点=120.9°〜123.0°;MS=294[M+H]。適切な出発物質を使用して3−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−3−プロパ−2−イニル−ピロリジン塩酸塩を同様の方法で調製した(さくさくとしたオフホワイトの泡状物、158mg、81%収率);MS=242[M+H]
【0178】
実施例3 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インダゾール
スキームDに示された方法に従って、この実施例に記載された合成手順を実施した。
【0179】
【化14】

【0180】
工程1 5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インダゾール
p−トルエンスルホン酸(218mg、1.15mmol)を、5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1−(テトラヒドロ−ピラン−2−イル)−1H−インダゾール(実施例1の記載と同様の方法で調製した)(259mg、0.574mmol)の撹拌した溶液に室温で加え;清澄な、明黄色の得られた溶液を2時間撹拌した。次にHCl(水中の2M、4ml)の溶液を加え、混合物を50℃に2時間に温め;次にそれを冷却し、NaOHの溶液(水中の10%、20ml)を加えることによりクエンチした。得られた混合物をEtOAc(30ml)で3回抽出し;合わせた有機抽出物をブライン(20ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、黄色の残留物(190mg)を得た。粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM中のMeOH 2%〜20%)により精製し、5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インダゾール133mg(63%収率)を明黄色の油状物として得た。
【0181】
工程2 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インダゾール
実施例1、工程6の手順に従って、5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インダゾールを水素化し;5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インダゾール53mg(53%収率)を白色の泡状物として得た。MS=278[M+H]
【0182】
実施例4 [4−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−フェニル]−メチル−アミン塩酸塩
スキームEに示された方法に従って、この実施例に記載された合成手順を実施した。
【0183】
【化15】

【0184】
工程1 [4−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−フェニル]−メチル−アミン
水素化アルミニウムリチウム(THF中の1.0M、1.70ml)の溶液を、窒素雰囲気下、THF(5ml)中の[4−(1,3−ジベンジル−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル)−フェニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(実施例1に記載された手順に従って調製した)(200mg、0.426mmol)の撹拌した溶液に室温で加えた。反応混合物を、80℃で2時間加熱し、それを冷却し、15時間撹拌し、次にそれをNaSO.10HO(約1g)を加えることによりクエンチした。混合物を濾過し、無機塩をEtOAc(20ml)で2回、DCM/MeOH(9/1)混合物で1回洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、[4−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−フェニル]−メチル−アミン(165mg)を得て、更に精製しないで使用した。
【0185】
工程2 [4−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−フェニル]−メチル−アミンビス塩酸塩
MeOH(10ml)中の[4−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−フェニル]−メチル−アミン(約0.426mmol)の混合物を、水素雰囲気下(60PSI)、Parr装置中、Pd(OH)/C(20%、120mg)で8時間振とうした。得られた混合物を濾過し、減圧下で暗褐色の油状物に濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(DCM中のMeOH/NHOH 9/1 1%〜20%)により精製して、[4−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−フェニル]−メチル−アミン50mgを褐色の油状物として得た。この物質をDCM/MeOH(9/1、2ml)の混合物に溶解し、HClの溶液(EtO中の1M、1.0ml)を加えた。得られた混合物を減圧下で濃縮し、標記化合物のビス塩酸塩64mg(44%収率)を明褐色の泡状物として得た。MS=267[M+H]
【0186】
実施例5 N−[4−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−フェニル]−アセトアミド
スキームFに記載された方法に従って、この実施例に記載された合成手順を実施した。
【0187】
【化16】

【0188】
工程1 4−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−フェニルアミン
トリフルオロ酢酸(5.2ml、67.4mmol)を、DCM(10ml)中の[4−(1,3−ジベンジル−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル)−フェニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(実施例1に記載した手順に従って調製した)(3.17g、6.74mmol)の撹拌した溶液に室温で加えた。4時間撹拌した後、反応混合物をDCM(40ml)で希釈し、LiOHの溶液(水中の1M、100ml)を加えた。黄色の有機相を分離し;水相をDCM(40ml)で3回抽出した。合わせた有機抽出物をLiOH(水中の1M、50ml)の溶液、ブライン(40ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、3−(4−アミノ−フェニル)−1,3−ジベンジル−ピロリジン−2,5−ジオンを黄色のガム状物(2.53g、定量的収率)として得た。この粗物質(2.49g、6.73mmol)をTHF(16ml)に溶解し、窒素雰囲気下、水素化アルミニウムリチウムの溶液(THF中の1.0M、16.1ml)を室温で滴下した。反応混合物を80℃で3時間加熱し、次にそれを冷却して、NaSO.10HO(約2g)を加えることによりクエンチした。混合物をEtOAc(150ml)で希釈し、濾過し、減圧下で濃縮し、4−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−フェニルアミン2.1g(91%収率)を黄色の固体として得た。
【0189】
工程2 N−[4−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−フェニル]−アセトアミド
無水酢酸(0.32ml、3.36mmol)及びトリエチルアミン(0.47ml、3.36mmol)を、クロロホルム(20ml)中の4−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−フェニルアミン(0.50g、1.46mmo)の撹拌した溶液に加えた。1.5時間後、反応混合物をクロロホルム(30ml)で希釈し、水(10ml)で2回、ブライン(20ml)で1回洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、無色のガム状物を得た。この粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM中のMeOH 0%〜5%)より精製して、N−[4−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−フェニル]−アセトアミド0.487mg(87%収率)を、ガラス状の固体として得た。
【0190】
工程3 N−[4−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−フェニル]−アセトアミド
クロロギ酸1−クロロエチル(57μL、0.520mmol)及びトリエチルアミン(40μL、0.520mmol)を、窒素雰囲気下、1,2−ジクロロエタン(2ml)中のN−[4−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−フェニル]−アセトアミド(100mg、0.260mmol)の撹拌した溶液に室温で加えた。30分間撹拌した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。黄色の残留物をMeOH(2ml)に溶解し、得られた混合物を50℃に45分間温めた。次に、溶媒を減圧下で蒸発させ、粗残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM中のMeOH/NHOH 9/1の混合物0%〜20%)により精製し、N−[4−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−フェニル]−アセトアミド58mgを無色で白色の泡状の固体として得た。MS=295[M+H]
【0191】
実施例6 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩及び5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−カルボン酸tert−ブチルアミドトリフルオロ酢酸塩
スキームGに示された方法に従って、この実施例に記載した合成手順を実施した。
【0192】
【化17】

【0193】
工程1 5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
THF(41ml)中の5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール(1.50g、4.10mmol)及び4−ジメチルアミノピリジン(25mg、0.205mmol)の撹拌した溶液に、窒素雰囲気下、二炭酸ジ−tert−ブチル(0.941g、4.31mmol)、続いてトリエチルアミン(0.60ml、4.31mmol)を室温で加えた。2時間室温で撹拌した後、窒素雰囲気下、二炭酸ジ−tert−ブチル(0.298g、1.37mmol)及びトリエチルアミン(0.191ml、1.37mmol)の第2アリコートを加えた。更に1時間撹拌した後、二炭酸ジ−tert−ブチル(0.47g、2.15mmol)及びトリエチルアミン(0.30ml、2.15mmol)の第3アリコートを加え、得られた清澄な溶液を更に16時間撹拌した。反応混合物を減圧下で蒸発させ;残留物を水(40ml)で希釈して、EtOAc(40ml)で3回抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(40ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、黄色の油状物を得た。この粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中のEtOAc 0%〜30%)により精製し、5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル1.45g(76%収率)を白色の固体として得た。
【0194】
工程2 2−シアノ−5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
tert−ブチルリチウム(ペンタン中の1.55M、0.97ml、1.50mmol)を、窒素雰囲気下、THF(20ml)中の5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(500mg,、1.07mmol)の撹拌した溶液に−75℃で滴下した。30分間撹拌した後、THF(2ml)中のシアン酸フェニルの溶液(0.190g、1.61mmol)を加えた。−75℃で30分間撹拌した後、反応混合物を30分間かけて0℃に温め;次にそれを室温に温め、NHCl飽和水溶液(20ml)を加えることによりクエンチした。得られた混合物をEtOAc(20ml)で3回抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(15ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過して、減圧下で蒸発させて、黄色の油状物(0.8g)を得た。この粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM中のMeOH 0%〜3%)により精製して、2−シアノ−5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル212mg(40%収率)を得た。MS=492[M+H]
【0195】
工程3 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−2−シアノ−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
クロロギ酸1−クロロエチル(80μL、0.733mmol)を、窒素雰囲気下、1,2−ジクロロエタン(3ml)中の2−シアノ−5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(200mg、0.407mmol)の撹拌した溶液に室温で加え;続いてトリエチルアミン(57μL、0.407mmol)を加えた。15分間撹拌した後、濁った黄色の混合物を減圧下で濃縮し、次にMeOH(2ml)を黄色の残留物に加え、得られた混合物を、窒素雰囲気下、60℃で30分間加熱した。次に清澄な黄色の溶液を減圧下で蒸発させ、淡黄色の得られたガム状物(310mg)を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM中のMeOH/NHOH 9/1の混合物 0%〜10%)により精製して、5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−2−シアノ−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル98mg(60%収率)を無色の泡状のガム状物として得た。
【0196】
工程4 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−カルボニトリル
トリフルオロ酢酸(0.52ml、6.73mmol)を、窒素雰囲気下、DCM(0.5ml)中の5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−2−シアノ−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(135mg、0.337mmol)及び1,3−ジメトキシベンゼンの撹拌した溶液に室温で1時間加えた。反応混合物を減圧下、シリカゲルに濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(DCM中のMeOH/NHOH 9/1の混合物0%〜20%)により精製し、オフホワイトの泡状物68mgを得て、続いて分取HPLC(12分間かける水85%+0.1%TFA/15%アセトニトリル〜5%/95%の勾配、Gemini Phenyl カラム 50×20mm ID(Phenomenex Corp.)上)により再精製して、5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−カルボニトリルトリフルオロ酢酸塩(結晶質の白色の固体)及び5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−カルボン酸tert−ブチルアミドトリフルオロ酢酸塩(白色の固体)を得た。
【0197】
実施例7 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−カルボン酸アミド
スキームHに示された方法に従って、この実施例に記載した合成手順を実施した。
【0198】
【化18】

【0199】
水(0.2ml)中のKOH(77mg、1.38mmol)の溶液を、EtOH(10ml)中の5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−2−シアノ−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(138mg、0.344mmol)の撹拌した溶液に加え、得られた混合物を18時間加熱還流した。反応混合物を減圧下で濃縮し、粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM中のMeOH/NHOH 9/1の混合物0%〜20%)により精製して、5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−カルボニトリル50mg(48%収率)及び所望された第一級アミド7mg(6%収率)を得た。ニトリルをEtOH(3ml)及び水(0.1ml)に溶解し、KOH(37mg、0.664mmol)を加えた。得られた混合物を80℃で16時間加熱し;KOH(74mg)及び水(0.2ml)の第2アリコートを加えて、加熱し続けた。8時間後、反応混合物を減圧下で濃縮し、粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM中のMeOH/NHOHの混合物9/1 0%〜20%)により精製して、5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−カルボン酸アミド18mg(34%収率)をオフホワイトの粉末として得た。MS=320[M+H]
【0200】
実施例8 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−カルボン酸メチルアミド
スキームIに示された方法に従って、この実施例に記載した合成手順を実施した。
【0201】
【化19】

【0202】
工程1 5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−エチルエステル
冷却した(−78℃)tert−ブチルリチウムの溶液(ペンタン中の1.33M、1.63ml、2.17mmol)を、窒素雰囲気下、THF(25ml)中の5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(674mg、1.45mmol)の撹拌した溶液に−78℃で5分間かけて滴下した。1.5時間撹拌した後、THF(2ml)中のクロロギ酸エチル(0.21ml、2.17mmol)の溶液を2分間かけて滴下した。30分間撹拌した後、反応物をNHCl飽和水溶液(20ml)を加えることによりクエンチし、得られた混合物を室温に温めた。有機層を分離し、水層をEtOAc(20ml)で3回抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(20ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させ、黄色の油状物(0.8g)を得た。この粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中のEtOAc 5%〜55%)により精製して、5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−エチルエステル587mg(75%収率)を明黄色のガム状物として得た。
【0203】
工程2 5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−カルボン酸メチルアミド
トリメチルアルミニウムの溶液(トルエン中の2.0M、0.377ml、0.753mmol)を、トルエン(1ml)中のメチルアミン塩酸塩(50.8mg、0.753mmol)の撹拌した懸濁液に室温で滴下した。混合物を1時間撹拌し、次にトルエン(1.5ml)中の5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−エチルエステル(135mg、0.251mmol)の溶液を加え、得られた混合物を80℃で18時間加熱した。水(0.5ml)を加えることにより反応混合物をクエンチし、それをEtOAc(15ml)で希釈した。有機層を分離し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させ、5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−カルボン酸メチルアミド152mgを黄色の固体として更に精製しないで得た。MS=424[M+H]
【0204】
ジメチルアミン塩酸塩を使用して、5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミドを同様に調製した(94mg、32%収率)。
【0205】
工程3 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−カルボン酸メチルアミド
MeOH(20ml)中の5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−カルボン酸メチルアミド(約0.251mmol)の溶液を、水素雰囲気下(60PSI)、Parr装置中、Pd(OH)/C(20%、150mg)で6時間振とうした。得られた混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、黄色の残留物(105mg)を得て、フラッシュクロマトグラフィー(DCM中のMeOH/NHOH 9/1 5%〜20%)により精製して、5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−カルボン酸メチルアミド11mg(13% 2工程収率)をオフホワイトの粉末として得た。MS=334[M+H]
【0206】
適切な出発物質を使用して、5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−カルボン酸ジメチルアミドを同様に調製した(38mg、69%収率、白色の泡状物)。
【0207】
実施例9 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
スキームJに示された方法に従って、この実施例に記載した合成手順を実施した。
【0208】
【化20】

【0209】
工程1 5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
水素化アルミニウムリチウムの溶液(THF中の1.0M、1.27ml)を、窒素雰囲気下、THF(5ml)中の1,3−ジベンジル−3−[1−(tert−ブチル−ジメチル−シラニル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン−5−イル]−ピロリジン−2,5−ジオン(実施例1に記載した手順に従って調製した)(162mg、0.318mmol)の撹拌した溶液に室温で滴下した。反応混合物を80℃で1.5時間加熱し;次にそれを冷却し、NaSO.10HO(約1g)を加えることによりクエンチした。混合物を濾過し、無機塩をDCM/MeOH/NHOHの混合物(9/1/0/1、10ml)で3回洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、オフホワイトの残留物160mgを得て、それをフラッシュクロマトグラフィー(DCM中のMeOH/NHOH 9/1 0%〜10%)により精製して、5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン78mg(67%収率)を無色のガム状物として得た。
【0210】
工程2 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン
MeOH(10ml)中の5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン(78mg、0.213mmol)の混合物を、水素雰囲気下(60PSI)、Parr装置中、Pd(OH)/C(20%、78mg)で18時間振とうした。得られた混合物を濾過し、減圧下で濃縮し、黄色の膜(58mg)を得て、これをフラッシュクロマトグラフィー(DCM中のMeOH/NHOH 9/1 10〜20%)により精製して、5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−ピロロ[2,3−b]ピリジン45mg(76%収率)を白色の泡状物として得た。MS=278[M+H]
【0211】
実施例10 3−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール塩酸塩
スキームKに示された方法に従って、この実施例に記載した合成手順を実施した。
【0212】
【化21】

【0213】
工程1 1,3−ジベンジル−3−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−2,5−ジオン
フッ化テトラブチルアンモニウムの溶液(THF中の1.0M、4.24ml)を、窒素雰囲気下、3−(1−ベンゼンスルホニル−1H−インドール−3−イル)−1,3−ジベンジル−ピロリジン−2,5−ジオン(実施例1に記載した手順に従って調製した)(0.687g、1.29mmol)の撹拌した溶液に室温で加えた。清澄な無色の溶液がすぐに赤色になった。室温で6時間撹拌した後、反応混合物を75℃で加熱した。1.5時間後、得られた混合物を減圧下で濃縮し、残留物を水(30ml)で希釈し、EtOAc(30ml)で3回抽出した。合わせた有機抽出物をNaHCO飽和水溶液(20ml)及びブライン(20ml)で洗浄し、次に、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、褐色の油状物を得た。この粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中のEtOAc 0%〜40%)により精製して、1,3−ジベンジル−3−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−2,5−ジオン177mg(35%収率)を白色の泡状物として得た。MS=395[M+H]
【0214】
工程2 3−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール
水素化アルミニウムリチウムの溶液(THF中の1.0M溶液、1.29ml)を、窒素雰囲気下、THF(5ml)中の1,3−ジベンジル−3−(1H−インドール−3−イル)−ピロリジン−2,5−ジオン(170mg、0.431mmol)の撹拌した溶液に室温で滴下した。反応混合物を70℃で2時間加熱し、次にそれを室温で冷まし、NaSO.10HO(約0.5g)を加えることによりクエンチした。混合物をEtOAc(20ml)で希釈し、濾過し;無機塩をEtOAc(10ml)で3回洗浄した。濾液を減圧下で濃縮し、3−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール(166mg、定量的収率、無色の油状物)を得て、更に精製しないで使用した。
【0215】
工程3 3−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール塩酸塩
MeOH(20ml)中の3−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール(約0.431mmol)の混合物を、水素雰囲気下(60PSI)、Parr装置中、Pd(OH)/C(20%、100mg)で4時間振とうした。得られた混合物を濾過し、減圧下で明黄色の残留物(106mg)に濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(DCM中のMeOH/NHOH 9/1 0%〜10%)により精製し、3−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール51mg(43% 2工程収率)を黄色の泡状物として得た。この物質をDCM(0.5ml)に溶解し、HClの溶液(EtO中の1M、0.185ml)を加え;混合物を減圧下で濃縮し、標記化合物の塩酸塩59mg(定量的収率)を淡黄色の泡状物として得た。MS=277[M+H]
【0216】
実施例11 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル塩酸塩
スキームLに示された方法に従って、この実施例に記載した合成手順を実施した。
【0217】
【化22】

【0218】
工程1 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1,2−ジカルボン酸 1−tert−ブチルエステル2−エチルエステル
窒素雰囲気下、1,2−ジクロロエタン(4ml)中の5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−エチルエステル(183mg、0.340mmol)の撹拌した溶液に、クロロギ酸1−クロロエチル(97μL、0.680mmol)を、続いてトリエチルアミン(47μL、0.340mmol)を室温で加えた。30分間撹拌した後、混合物を減圧下で濃縮し、次にEtOH(4ml)を加え、得られた混合物を、窒素雰囲気下、50℃で45分間加熱した。次に反応混合物を減圧下で蒸発させ、粗残留物を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM中のMeOH 5%〜20%)により精製し、5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−エチルエステル125mg(82%収率)を淡黄色の油状物として得た。MS=449[M+H]
【0219】
工程2 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル塩酸塩
トリフルオロ酢酸(1ml)を、窒素雰囲気下、DCM(5ml)中の5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1,2−ジカルボン酸1−tert−ブチルエステル2−エチルエステル(125mg、0.279mmol)の撹拌した溶液に0℃で加えた。混合物の色が黄色から青色に変わった。0℃で15分間撹拌した後、それを室温に温め、45分間撹拌した。次にNaOHの水溶液(2M、20ml)を加え、得られた混合物をDCM(20ml)で3回抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(20ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、淡黄色の残留物(150mg)を得た。この粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM中のMeOH/NHOH 9/1の混合物 0%〜20%)により精製して、5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル41mgを得た。この生成物(20mg)の一部をDCM(1ml)に溶解し、HClの溶液(EtO中の1M、0.09ml)を加え;混合物を減圧下で濃縮し、標記化合物の塩酸塩20mgをオフホワイトの粉末として得た。MS=349[M+H]
【0220】
実施例12 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−カルボン酸メチルエステル塩酸塩
スキームMに示された方法に従って、この実施例に記載した合成手順を実施した。
【0221】
【化23】

【0222】
MeOH(5ml)中の5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−カルボン酸エチルエステル(21mg、60.3μmol)及びNaOMe(2mg)の撹拌した溶液を、70℃で48時間加熱した。次に混合物を減圧下で無色の残留物に濃縮し、クロロホルム(5ml)でトリチュレートし;上澄みを濾過し、濾液を減圧下で蒸発させて、オフホワイトの泡状物(16mg)を得た。この物質をDCM(0.5ml)に溶解し、HClの溶液(EtO中の1M、0.07ml)を加え;混合物を減圧下で濃縮して、5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−カルボン酸メチルエステル塩酸塩16mg(72%収率)をオフホワイトの粉末として得た。MS=335[M+H]
【0223】
実施例13 1−[5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エタノン
スキームNに示された方法に従って、この実施例に記載した合成手順を実施した。
【0224】
【化24】

【0225】
工程1 1−[5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エタノン
n−ブチルリチウム(ヘキサン中の2.21M、0.63ml、1.40mmol)を、窒素雰囲気下、THF(5ml)中の5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール(0.50g、1.37mmol)の撹拌した溶液に−70℃で滴下した。30分間撹拌した後、CO(気体)を−70℃で10分間泡立て、COを泡立て続けながら次に混合物を室温に温めた。完全なクエンチを確実にするために固体COのペレットを加えた。泡立てが終了した後、混合物を、窒素流下、次に減圧下で蒸発させた。得られた黄色の泡状物をTHF(5ml)に溶解し、−70℃に冷却し、次にtert−ブチルリチウム(ペンタン中の1.44M、0.98ml、1.41mmol)を20分間かけて滴下した。−70℃で1時間撹拌した後、温度を−70℃以下に保持しながらTHF(1ml)中のトリフルオロ酢酸エチル(0.18ml、1.51mmol)の溶液を滴下した。2時間撹拌した後、水(1ml)を加え、得られた混合物を室温に温め;次にそれを一晩撹拌した。混合物をNHClの飽和水溶液及びEtOAcで希釈した。有機層を分離し、水層をEtOAc(20ml)で3回抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(20ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、黄色の残留物(850mg)を得た。この粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中のEtOAc 10%〜50%)により精製して、1−[5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エタノン79mg(12%収率)を黄色の油状物として得た。
【0226】
工程2 1−[5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エタノン
実施例6工程3に記載した方法と同様にして、1−[5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エタノンを脱保護した。1−[5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−イル]−2,2,2−トリフルオロ−エタノンを黄色の固体として得た。MS=373[M+H]
【0227】
実施例14 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1−メチル−1H−インドール
スキームOに示された方法に従って、この実施例に記載した合成手順を実施した。
【0228】
【化25】

【0229】
工程1 5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1−メチル−1H−インドール
DMF(3ml)中の5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール(0.20g、0.546mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、DMF(2.0ml)中のNaH(鉱油中の60%、85.2mg、2.113mmol)の撹拌した懸濁液に室温で加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌し、次にヨウ化メチル(41μL、0.655mmol)を濁った懸濁液に加えた。3時間撹拌した後、水(10ml)及びEtOAc(20ml)を加え、相を分離した。水相をEtOAc(10ml)で2回抽出し;合わせた有機抽出物をブライン(10ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、無色の残留物(220mg)を得た。この粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中のEtOAc 10%〜60%)により精製して、5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1−メチル−1H−インドール129mg(62%収率)を無色の膜状物として得た。
【0230】
適切なアルキル化剤を使用して同様に調製した:清澄な膜としての1−シクロプロピルメチル−5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール(137mg、60%収率);MS=421[M+H];5−(1−ベンジル−3−ピリジン−2−イルメチル−ピロリジン−3−イル)−1−メチル−1H−インドール(182mg、77%収率)。
【0231】
工程2 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1−メチル−1H−インドール
実施例9工程2に記載した方法と同様にして、5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1−メチル−1H−インドールを脱保護した。5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1−メチル−1H−インドールを75%収率で無色の泡状物として得た。MS=291[M+H]
【0232】
適切な出発物質を使用して同様に調製した:黄色のガム状物としての5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1−シクロプロピルメチル−1H−インドール;対応する塩酸塩を、EtO中のHClの溶液を加えることにより生成した(白色の粉末、56mg、47%収率);MS=331[M+H];1−メチル−5−(3−ピリジン−2−イルメチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール(淡黄色の固体、85mg、62%収率);MS=292[M+H]
【0233】
実施例15 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1−メタンスルホニル−1H−インドール
スキームPに示された方法に従って、この実施例に記載した合成手順を実施した。
【0234】
【化26】

【0235】
工程1 5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1−メタンスルホニル−1H−インドール
トルエン(2ml)及びNaOH(水中の50%、2ml)中の5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール(230mg、0.628mmol)の0℃で激しく撹拌した溶液に、BuNHSO(32mg、0.0943mmol)を、続いてメタンスルホニルクロリド(98μL、1.26mmol)を加えた。反応混合物 を室温に温め、2時間撹拌し;次にメタンスルホニルクロリド(49μL、1.0当量)の第2のアリコートを加えた。更に1時間撹拌した後、メタンスルホニルクロリド(49μL、1.0当量)の第3のアリコートを加えた。反応混合物を18時間撹拌し;次にそれを水(5ml)及びEtOAc(20ml)で希釈し、相を分離した。水相をEtOAc(20ml)で2回抽出し;合わせた有機抽出物を水(10ml)で2回、ブライン(10ml)で1回洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、黄色の液体を得た。この粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM中のMeOH 0%〜5%)により精製して、5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1−メタンスルホニル−1H−インドール160mg(57%収率)を無色のガム状物として得た。
【0236】
工程2 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1−メタンスルホニル−1H−インドール
実施例13工程2に記載した方法と同様にして、5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1−メタンスルホニル−1H−インドールを脱保護した。5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1−メタンスルホニル−1H−インドールを89%収率で無色の泡状物として得た。MS=355[M+H]
【0237】
実施例16 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸 ジメチルアミド
スキームQに示された方法に従って、この実施例に記載した合成手順を実施した。
【0238】
【化27】

【0239】
工程1 5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸ジメチルアミド
THF(1ml)中の5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール(0.230g、0.628mmol)の溶液を、窒素雰囲気下、THF(1.0ml)中のNaH(鉱油中の60%、30.1mg、0.754mmol)の撹拌した懸濁液に0℃で加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌し;次にそれを0℃に冷却し、N,N−ジメチルカルバモイルクロリド(63μL、0.691mmol)を加えた。反応混合物を室温で6時間撹拌し;次にそれをNHCl(5ml)の飽和水溶液を加えることによりクエンチした。得られた混合物をEtOAc(10ml)で3回抽出し;合わせた有機抽出物をブライン(5ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、無色のガム状物(300mg)を得た。この粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM中のMeOH 0%〜5%)により精製して、5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸ジメチルアミド160mg(58%収率)を無色のガム状物として得た。
【0240】
工程2 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸ジメチルアミド
実施例13工程2に記載した方法と同様にして、5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸ジメチルアミドを脱保護した。5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸ジメチルアミドを、94%収率(119mg)でオフホワイトの粉末として得た。MS=348[M+H]
【0241】
実施例17 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−3−クロロ−インドール−1−スルホン酸ジメチルアミド
スキームRに示された方法に従って、この実施例に記載した合成手順を実施した。
【0242】
【化28】

【0243】
工程1 3−クロロ−5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−スルホン酸ジメチルアミド
NaH(鉱油中の60%、31.5mg、0.788mmol)を、窒素雰囲気下、THF(2ml)中の5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール(0.206g、0.563mmol)の撹拌した溶液に0℃で加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌し;次にそれを0℃に冷却し、N,N−ジメチルスルファモイルクロリド(73μL、0.676mmol)を加えた。反応混合物を室温に温め、それを20時間撹拌し;次に水(5ml)及びEtOAc(10ml)を加えた。有機層を分離し、水層をEtOAc(15ml)で2回抽出し;合わせた有機抽出物をブライン(10ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、黄色の残留物として得た。この粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM中のMeOH 0%〜5%)により精製して、3−クロロ−5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−スルホン酸ジメチルアミド50mgを無色の残留物として得た。
【0244】
工程2 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−3−クロロ−インドール−1−スルホン酸ジメチルアミド
実施例13工程2に記載した方法と同様にして、3−クロロ−5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−スルホン酸ジメチルアミドを脱保護した。5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−3−クロロ−インドール−1−スルホン酸ジメチルアミドを42%収率(23mg)で淡黄色の固体として得た。MS=418[M+H]
【0245】
実施例18 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−3−カルボニトリル
スキームSに示された方法に従って、この実施例に記載した合成手順を実施した。
【0246】
【化29】

【0247】
工程1 5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−3−カルバルデヒド
塩化オキサリル(64μL、0.751mmol)を、窒素雰囲気下、1,2−ジクロロエタン(4ml)中のDMF(63μL、0.820mmol)の撹拌した溶液に0℃で加え;塩化オキサリルを加えることで激しい発泡を観察し、濁った沈殿物を形成した。30分間撹拌した後、1,2−ジクロロエタン(3ml)中の5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール(0.250g、0.683mmol)の溶液を滴下し;橙色のガム状物をすぐに形成した。1時間撹拌した後、第2のフラスコ中で塩化オキサリル(64μL、0.751mmol)を、窒素雰囲気下、1,2−ジクロロエタン(2ml)中のDMF(63μL、0.820mmol)の撹拌した溶液に0℃で加え、混合物を15分間撹拌した;形成された濃い沈殿物を第1の反応フラスコにピペットで取った。濁った桃色の混合物を形成し、すぐに明澄になって、フラスコの表面に橙色のガム状物を得た。10分間撹拌した後、NaOHの溶液(水中の2M、15ml)を加え、得られた混合物を30分間、橙色のガム状物が溶解するまで撹拌した。有機層を分離し、水層をEtOAc(20ml)で3回抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(20ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、濾過し、減圧下で蒸発させて、黄色の油状物(310mg)を得た。この粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM中のMeOH/NHOH 9/1の混合物 1%〜20%)により精製して、5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−3−カルバルデヒド59mg(22%収率)を白色の泡状物として得た。
【0248】
適切な出発物質を使用して、5−(1−ベンジル−3−ピリジン−2−イルメチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−3−カルバルデヒド(255mg、93%収率)を同様に調製した。MS=396[M+H]
【0249】
工程2 5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−3−カルボニトリル
アンモニアの溶液(イソプロパノール中の2.0M、1.28ml、2.55mmol)及び無水硫酸マグネシウム(307mg、2.55mmol)を、THF(0.6ml)中の5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−3−カルバルデヒド(67mg、0.170mmol)の溶液に加えた。15分間撹拌した後、MnO(85%、261mg、2.55mmol)を少量ずつ加え、得られた混合物を室温で28時間撹拌した。次に同量のアンモニア、硫酸マグネシウム及びMnOを加え、アンモニアの減少の速度を遅くするためにゴム製の隔膜を使用して撹拌を続けた。更に18時間撹拌した後、混合物を50℃に6時間温め;次にそれを冷却し、濾過し、減圧下で濃縮し、5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−3−カルボニトリル62mg(93%収率)を得て、淡黄色の残留物を更に精製しないで使用した。
【0250】
適切な出発物質を使用して、5−(1−ベンジル−3−ピリジン−2−イルメチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−3−カルボニトリルを同様に調製した(黄色の泡状物、199mg、73% 2工程収率)。
【0251】
工程3 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−3−カルボニトリル
実施例9工程2に記載した方法と同様にして、5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−3−カルボニトリルを脱保護した。62%収率(2工程収率、32mg)で5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−3−カルボニトリルを白色の固体として得た。MS=302[M+H];融点=119.9−125.5℃。5−(3−ピリジン−2−イルメチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−3−カルボニトリル(黄色の泡状の固体、20mg、25%収率);MS=303[M+H]
【0252】
実施例19 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−7−クロロ−1H−インドール
スキームTに示された方法に従って、この実施例に記載された合成手順を実施した。
【0253】
【化30】

【0254】
工程1 7−クロロ−5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール
水素化アルミニウムリチウムの溶液(THF中の1.0M、2.01ml)を、窒素雰囲気下、THF(5ml)中の7−クロロ−5−(1,3−ジベンジル−2,5−ジオキソ−ピロリジン−3−イル)−インドール−1−カルボン酸メチルエステル(実施例1の記載と同様の方法で調製した)(244mg、0.502mmol)の撹拌した溶液に室温で滴下した。混合物を70℃に45分間加熱し;次にそれを冷却し、NaSO.10HO(約1g)を加えてクエンチした。混合物をEtOAc(40ml)で希釈し、濾過し;濾液を減圧下で濃縮して、無色のガム状物(230mg)を得た。この粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中のEtOAc30%〜80%)により精製して、7−クロロ−5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール125mg(62%収率)を無色のガム状物として得た。MS=401[M+H]
【0255】
5−(3−ベンジル−1−メチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドールを同様の方法で調製した(354mg、90%収率、明緑色の固体)。MS=291[M+H]
【0256】
工程2 5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−7−クロロ−1H−インドール
実施例13工程2に記載した方法と同様にして、7−クロロ−5−(1,3−ジベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドールを脱保護した。5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−7−クロロ−1H−インドールをオフホワイトの泡状固体として得た。MS=311[M+H]
【0257】
実施例20 3−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−3−ベンジル−1−メチル−ピロリジン塩酸塩
スキームUに示された方法に従って、この実施例に記載した合成手順を実施した。
【0258】
【化31】

【0259】
水素化アルミニウムリチウムの溶液(THF中の1.0M溶液、11.2ml)を、窒素雰囲気下、THF(11.2ml)中の3−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−3−ベンジル−1−メチル−ピロリジン−2,5−ジオン(939mg、2.80mmol)の撹拌した溶液に室温で滴下した。反応混合物を80℃で2時間加熱し;次にそれを室温で冷まし、NaSO.10HO (約2g)を加えることによりクエンチした。混合物をEtOAc(20ml)で希釈し、濾過し;濾液を減圧下で濃縮し、無色の油状物0.89gを得た。この粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM中のMeOH/NHOH 9/1の混合物 0%〜10%)により精製して、3−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−3−ベンジル−1−メチル−ピロリジン707mg(82%収率)を清澄なガム状物として得た。この物質(67mg)の一部をDCM(1ml)に溶解し、HClの溶液(EtO中の1M、0.218ml)を加えた。混合物を減圧下で蒸発させ、3−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−3−ベンジル−1−メチル−ピロリジン塩酸塩73mgを白色の泡状物として得た。MS=308[M+H]
【0260】
適切な出発物質を使用して同様に調製した:3−ベンゾ[b]チオフェン−5−イル−1−メチル−ピロリジン塩酸塩(白色の固体)、MS=218[M+H];5−(1−メチル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール(白色の固体、189mg、865収率)、MS=201[M+H]
【0261】
実施例21 2−[3−(1H−インドール−5−イル)−ピロリジン−3−イル]−1−フェニル−エタノール
スキームVに示された方法に従って、この実施例の合成手順を実施した。
【0262】
【化32】

【0263】
工程1 2−[1−ベンジル−3−(1H−インドール−5−イル)−ピロリジン−3−イル]−1−フェニル−エタノール
水素化アルミニウムリチウムの溶液(THF中の1.0M溶液、2.60ml)を、窒素雰囲気下、THF(5ml)中の1−ベンジル−3−(1H−インドール−5−イル)−3−(2−オキソ−2−フェニル−エチル)−ピロリジン−2,5−ジオン(274mg、0.645mmol)の撹拌した溶液に室温で加えた。反応混合物を80℃で3時間加熱し;次にそれを室温で冷まし、NaSO.10HO(約1g)を加えることによりクエンチした。混合物をEtOAc(15ml)で希釈し、濾過し;濾液を減圧下で濃縮して、黄色の残留物266mgを得た。この粗物質を、フラッシュクロマトグラフィー(DCM中のMeOH/NHOH 9/1の混合物 0%〜5%)により精製して、2−[1−ベンジル−3−(1H−インドール−5−イル)−ピロリジン−3−イル]−1−フェニル−エタノール92mgを単一のジアステレオマーとして得た。
【0264】
工程2 2−[3−(1H−インドール−5−イル)−ピロリジン−3−イル]−1−フェニル−エタノール
実施例9工程2に記載した方法と同様にして、2−[1−ベンジル−3−(1H−インドール−5−イル)−ピロリジン−3−イル]−1−フェニル−エタノールを脱保護した。2−[3−(1H−インドール−5−イル)−ピロリジン−3−イル]−1−フェニル−エタノールを白色の泡状物として得た。MS=307[M+H]
【0265】
実施例22 処方
種々の経路で送達される医薬製剤を以下の表で示されるように製剤化する。表中で使用する「活性成分」又は「活性化合物」は、1つ以上の式Iの化合物を意味する。
【0266】
【表2】

【0267】
成分を混合し、それぞれ約100mgを含有するカプセルに分注する。1カプセルが1日用量のほぼ全てとなる。
【0268】
【表3】

【0269】
成分を合わせ、メタノールのような溶媒を使用して粒状にする。次に処方物を乾燥させ、適切な錠剤成形機を用いて錠剤(活性化合物約20mg含有)を形成する。
【0270】
【表4】

【0271】
成分を混合して、経口投与用の懸濁剤を形成する。
【0272】
【表5】

【0273】
活性成分を注射用水の一部に溶解する。次に十分な量の塩化ナトリウムを撹拌しながら加えて、溶液を等張にする。注射用水の残りで溶液の重量にして、0.2μ膜フィルタを通して濾過し、滅菌条件下で包装する。
【0274】
【表6】

【0275】
成分を一緒に溶融し、蒸気浴上で混合し、全重量2.5gを含有する鋳型に注ぐ。
【0276】
【表7】

【0277】
水以外の全ての成分を合わせ、撹拌しながら約60℃に加熱する。次に、十分な量の水を激しく撹拌しながら約60℃で加えて成分を乳化し、次に、約100gにするのに適量の水を加える。
【0278】
鼻孔スプレー調合物
0.025〜0.5%の活性化合物を含む水性懸濁剤の数種を、鼻孔スプレー調合物として調製する。調合物は、場合により、不活性成分、例えば、微結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストロースなどを含む。pHを調整するために塩酸を加えてもよい。通常、鼻孔スプレー調合物は、典型的には1回の作動で約50〜100マイクロリットルの処方を送達する、鼻内スプレー計量ポンプを介して送達しうる。典型的な投与スケジュールは、4〜12時間毎に2〜4回のスプレーである。
【0279】
実施例23 シンチレーション近接アッセイ(SPA)を用いる、ヒトセロトニントランスポーター(hSERT)アンタゴニストのスクリーニング
この実施例のスクリーニングアッセイは、[H]−シタロプラムとの競合によるhSERTトランスポーターでのリガンドの親和性を測定するために使用した。
【0280】
シンチレーション近接アッセイ(SPA)は、放射性リガンドをビーズシンチラントに非常に接近させて、発光を刺激することにより実行する。このアッセイでは、レセプターを含む膜を、SPAビーズに予め結合させて、トランスポータへの適切な放射性リガンドの結合を測定した。発光は、結合した放射性リガンドの量に比例した。非結合放射性リガンドは、シンチラントと離れている(distant proximity)ため、シグナルを発生しなかった(エネルギー移動の欠如)。
【0281】
組換えhSERTを安定して発現するHEK−293細胞(Tatsumi ら、Eur. J. Pharmacol. 1997, 30, 249-258)を、培地(10% FBS、300μg/ml G418および2mM L−グルタミンを含むDMEM高グルコース)で維持し、5%CO、37℃でインキュベーションした。PBSを用いて、細胞を1〜2分間で培養フラスコから遊離させる。次に、細胞を1000gで5分間遠心分離し、PBSに再懸濁させた後、膜の調製に用いた。
【0282】
50mMトリス(pH7.4)の膜調製緩衝液を用いて、細胞膜を調製した。細胞膜は、単一キューブ(合計7.5x109細胞)から調製した。細胞を、ポリトロンを用いてホモジナイゼーションした(媒体を4秒破裂に設定)。その後、ホモジネートを48,000xgで15分間遠心分離し、次に、上清を除去し、廃棄し、ペレットを新しい緩衝液で再懸濁した。二回目の遠心分離後、ペレットを再度ホモジナイゼーションして、アッセイ時に定められた最終容量にした。典型的には、膜部分は、3mg/ml(w:v)に等分し、−80℃で保存した。
【0283】
シンチレーション近接アッセイでのIC50/Kiの決定には、50mMトリス−HClおよび300mM NaCl(pH7.4)緩衝液を使用した。本発明の化合物を、連続希釈プロトコルを利用して、Beckman Biomek2000を介して、10mM〜0.1nMFAC(10点曲線、全対数/半対数希釈(whole log/half log dilutions))に希釈した。その後、試験化合物を移し(20μl/ウェル)、[H]−シタロプラム放射性リガンドを50μl/ウェルで添加した。膜およびビーズは、1穴あたり0.7mgのPVT−WGA Amershamビーズ(Cat# RPQ0282V)を加えて、10μg:0.7mgの比に調製した。130μlの膜:ビーズ混合物をアッセイプレートに加えた。混合物を室温で1時間放置し、次いで、Packard TopCount LCS、一般的なシンチレーション近接アッセイカウントプロトコル設定でカウントした(エネルギー範囲:低い、効率モード:ノーマル、領域A:1.50〜35.00、領域B:1.50〜256.00、カウント時間(分):0.40、バックグラウンド減算:なし、半減期補正:なし、クエンチインジケーター:tSIS、プレートマップブランク減算:なし、クロストーク低減:オフ)。
【0284】
試験したそれぞれの化合物について%阻害率を計算した[(最大濃度での化合物CPM−非特異的CPM/総CPM×100)]。以下の式を利用し、活性ベース/Xlfitでの反復非線形曲線フィッティング法を利用して、50%阻害をもたらす濃度(IC50)を決定した。
【0285】
【数1】

【0286】
(式中、max=総結合、min=非特異的結合、x=試験化合物の濃度(M)およびn=ヒル勾配)。各々の化合物の阻害解離定数(Ki)を、Cheng-Prusoffの方法に従って決定し、次いで、そのKiの負の対数(pKi)に変換した。
【0287】
上記手順を用いて、本発明の化合物が、ヒトセロトニントランスポーターに対して親和性を有することが見出された。例えば、上記アッセイを用いると、5−(3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドール−2−カルボニトリルは、約9.5のpKiを示した。
【0288】
実施例24 シンチレーション近接アッセイ(SPA)を用いるヒトノルエピネフリントランスポーター(hNET)に活性な化合物のスクリーニング
このアッセイを、[3H]−ニソキセチン(Nisoxetine)との競合によるhNETトランスポーターに対するリガンドの親和性を決定するために使用した。上記の実施例のhSERTアッセイと同様に、受容体含有膜をSPAビーズに予め結合し、適切な放射性リガンドのトランスポーターへの結合を測定した。発光は、結合した放射性リガンドの量に比例し、非結合放射性リガンドは、シグナルを生じなかった。
【0289】
組換えhNETを安定して発現するHEK−293細胞(クローン:HEK−hNET #2)(Tatsumi ら、Eur. J. Pharmacol. 1997, 30, 249-258)を、培地(10% FBS、300μg/ml G418および2mM L−グルタミンを含むDMEM高グルコース)で維持し、5%CO、37℃でインキュベーションした。PBSを用いて、細胞を1〜2分間で培養フラスコから遊離させた。次に、細胞を1000gで5分間遠心分離し、PBSに再懸濁させた後、膜の調製に用いた。
【0290】
50mMトリス(pH7.4)の膜調製緩衝液を用いて、細胞膜を調製した。細胞膜は、単一キューブ(合計7.5x109細胞)から調製した。細胞を、ポリトロンを用いてホモジナイゼーションした(媒体を4秒破裂に設定)。その後、ホモジネートを48,000xgで15分間遠心分離し、次に、上清を除去し、廃棄し、ペレットを新しい緩衝液で再懸濁した。二回目の遠心分離後、ペレットを再度ホモジナイゼーションして、アッセイ時に定められた最終容量にした。典型的には、膜部分は、3〜6mg/ml(w:v)に等分し、−80℃で保存した。
【0291】
シンチレーション近接アッセイでのIC50/Kiの決定には、[H]−ニソキセチン放射性リガンド(Amersham Cat# TRK942またはPerkin Elmer Cat# NET1084、比活性:70〜87Ci/mmol、原液濃度:1.22e-5 M、最終濃度:8.25e-9 M)および50mMトリス−HCl、300mM NaCl(pH7.4)緩衝液を使用した。本発明の化合物を、連続希釈プロトコルを利用して、Beckman Biomek2000を介して、10mM〜0.1nMFAC(10点曲線、全対数/半対数希釈)に希釈した。その後、試験化合物を移し(20μl/ウェル)、放射性リガンドを50μl/ウェルで添加した。膜およびビーズは、1穴あたり0.7mgのPVT−WGA Amershamビーズ(Cat# RPQ0282V)を加えて、10μg:0.7mgの比に調製した。130μlの膜:ビーズ混合物をアッセイプレートに加えた。混合物を室温で1時間放置し、次いで、Packard TopCount LCS、一般的なシンチレーション近接アッセイカウントプロトコル設定でカウントした(エネルギー範囲:低い、効率モード:ノーマル、領域A:1.50〜35.00、領域B:1.50〜256.00、カウント時間(分):0.40、バックグラウンド減算:なし、半減期補正:なし、クエンチインジケーター:tSIS、プレートマップブランク減算:なし、クロストーク低減:オフ)。
【0292】
試験したそれぞれの化合物について%阻害率を計算した[(最大濃度での化合物CPM−非特異的CPM/総CPM×100)]。以下の式を利用し、活性ベース/Xlfitでの反復非線形曲線フィッティング法を利用して、50%阻害をもたらす濃度(IC50)を決定した。
【0293】
【数2】

【0294】
(式中、max=総結合、min=非特異的結合、x=試験化合物の濃度(M)およびn=ヒル勾配)。各々の化合物の阻害解離定数(Ki)を、Cheng-Prusoffの方法に従って決定し、次いで、そのKiの負の対数(pKi)に変換した。
【0295】
上記手順を用いて、本発明の化合物が、ヒトノルエピネフリントランスポーターに対して親和性を有することが見出された。例えば、上記アッセイを用いると、6−((S)−3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドールは、約9.2のpKiを示した。
【0296】
実施例25 シンチレーション近接アッセイ(SPA)を用いるヒトドパミントランスポーターに活性な化合物のスクリーニング
このアッセイは、[H]−バノキセリン(Vanoxerine)との競合によるドパミントランスポーターでのリガンドの親和性を測定するために使用した。
【0297】
組換えhDATを安定して発現するHEK−293細胞((Tatsumi ら、Eur. J. Pharmacol. 1997, 30, 249-258)を、培地(10% FBS、300μg/ml G418および2mM L−グルタミンを含むDMEM高グルコース)で維持し、5%CO、37℃でインキュベーションした。細胞を、実験の4時間前に、白色の、不透明なCell−Takコートされた96ウェルプレート上に、1ウェルあたり約30,000細胞(PBS中)で接種することにより、塗布した。ELx405プレートウォッシャーを用いて、余分な緩衝液を細胞プレートから吸引した。
【0298】
シンチレーション近接アッセイIC50/Ki決定のために、[H]−バノキセリン(GBR 12909)放射性リガンド、比活性:約59Ci/mmol、原液濃度:400nM、および50mMトリス−HCl、300mM NaCl(pH7.4)緩衝液を使用した。本発明の化合物を、10点希釈プロトコルを利用して、Beckman Biomek2000を介して、10mM〜0.1nMFAC(10点曲線、全対数/半対数希釈)に希釈した。混合物を室温で30分放置し、次いで、Packard TopCount LCS、一般的なシンチレーション近接アッセイカウントプロトコル設定でカウントした(カウント時間(分):0.40、バックグラウンド減算:なし、半減期補正:なし、クエンチインジケーター:tSIS、プレートマップブランク減算:なし、クロストーク低減:オフ)。
【0299】
試験したそれぞれの化合物について、%阻害率を計算した[(最大濃度で、1分あたりの化合物カウント(CPM)−非特異的CPM/総CPM×100)]。以下の式を利用し、活性ベース/Xlfitでの反復非線形曲線フィッティング法を利用して、50%阻害をもたらす濃度(IC50)を決定した。
【0300】
【数3】

【0301】
(式中、max=総結合、min=非特異的結合、x=試験化合物の濃度(M)およびn=ヒル勾配)。各々の化合物の阻害解離定数(Ki)を、Cheng-Prusoffの方法に従って決定し、次いで、そのKiの負の対数(pKi)に変換した。
【0302】
上記手順を用いて、本発明の化合物が、ヒトドパミントランスポーターに対して親和性を有することが見出された。例えば、上記アッセイを用いると、5−((R)−3−ベンジル−ピロリジン−3−イル)−1H−インドールは、約8.0のpKiを示した。
【0303】
実施例26 ホルマリン疼痛アッセイ
雄のスプラーグドーリー(Sprague Dawley)ラット(180〜220g)を個々のプレキシグラスシリンダーに入れ、試験環境に30分間順応させた。ビヒクル、薬物または陽性対照(モルフィン2mg/kg)を、5ml/kgで皮下投与した。投与の15分後、ホルマリン(50μl中5%)を、26ゲージ針を使用して右後足の足底表面に注射した。ラットを直ちに観察チャンバーに戻した。チャンバーの周りに置いた鏡で、ホルマリンを注射した足の観察が妨げられずに可能であった。各々の動物の痛み防御挙動の持続時間を、自動挙動タイマーを用い、盲検観察者(blinded observer)により記録した。後足をなめることおよび振ること/持ち上げることは、5分づつに分けて、合計60分間記録した。0〜5分の間になめることまたは振ることに費やした(秒での)時間の合計は、初期段階と考えられ、一方、後期段階は、15〜40分になめることまたは振ることに費やした時間の合計として解釈した。血漿試料を採取した。
【0304】
実施例27 結腸疼痛アッセイ
成体の雄のスプラーグドーリーラット(350〜425g;Harlan, Indianapolis, IN)を、動物ケア用設備中に1ケージあたり1〜2匹入れた。ラットを、腹腔内投与したペントバルビタールナトリウム(45mg/kg)で深く麻酔した。電極を、筋電図(EMG)記録のために、斜紋筋中に入れて固定した。爾後のアクセス用に、電極リード線を、皮下に潜らせて、首筋で体外に出した。施術後、ラットを別々に住まわせて、試験の前に4〜5日間回復させた。
【0305】
柔軟性のある管の周りに縛り付けた7〜8cmの長さの柔軟性のあるラテックスバルーンを圧力の制御をしながら膨らませることにより、下向結腸および直腸を膨張させた。バルーンを潤滑し、肛門から結腸に挿入し、尾の基部にバルーンカテーテルをテープで貼り付けることにより固定した。結腸直腸膨張(CRD)は、ソレノイドゲートを定圧の空気リザーバーに開放して達成した。結腸内圧は、圧力制御装置で制御し、連続的にモニターした。応答は、内臓の働きの応答(VMR)、腹筋および後肢筋の収縮として、定量化した。外部斜紋筋の収縮によりもたらされるEMG活性は、Spike2ソフトウエア(Cambridge Electronic Design)を用いて定量化した。各膨張試験は、60秒継続し、EMG活性は、膨張前の20秒間(ベースライン)、20秒の膨張中、および膨張後20秒間定量化した。ベースラインより上の、膨張中に記録されたカウントの合計数の増加は、応答として定義される。CRD(10、20、40および80mmHg、20秒、4分離れて)に対する安定なベースライン応答は、全ての処置の前に、意識のある、鎮静化されていないラットで得られた。
【0306】
最初に、急性内臓侵害受容のモデルおよび約6cmの深さに挿入された針で結腸に点滴されたザイモサン(zymosan)(1mL、25mg/mL)での結腸内処置により生成された結腸過敏症のモデルにおける結腸膨張への応答に対する効果について、化合物を評価した。実験群は、8匹づつのラットより構成される。
【0307】
急性内臓侵害受容:急性内臓侵害受容に対する薬物の効果を試験するために、薬物、ビヒクルまたは陽性対照(モルヒネ、2.5mg/kg)の3つの投与の一つを、ベースライン応答が確立された後に投与し;膨張への応答が、次の60〜90分にわたって続いた。
【0308】
内臓過敏症:ザイモサンでの結腸内処置後の薬物またはビヒクルの効果を試験するために、結腸内処置を、ベースライン応答が確立された後に施した。4時間での薬物試験の前に、膨張に対する応答を評定して過敏症の存在を確立した。ザイモサン処置ラットにおいて、薬物、ビヒクルまたは陽性対照(モルヒネ、2.5mg/kg)の3つの投与の一つを、ザイモサン処置の4時間後に施し、膨張への応答が、次の60〜90分にわたって続いた。
【0309】
実施例28 坐骨神経の慢性緊縮損傷を有するラットにおける寒冷異痛
寒冷異痛に対する本発明の化合物の効果を、ラットにおける神経因性疼痛の慢性緊縮損傷(CCI)モデルを用いて決定し、ここでは、寒冷異痛は、金属板の床を有する冷水浴中で、1.5〜2.0cmの深さおよび3〜4℃の温度の水中で測定した(Gogas, K.R.ら、Analgesia, 1997, 3, 1-8)。
【0310】
具体的には、CCI、ラットを麻酔し;坐骨神経の三叉部の位置を確認し、三叉部近傍の坐骨神経の周りで周方向に4つの結索(4−0または5−0クローミック腸線)を配置した。次いで、ラットを手術から回復させた。術後4〜7日目に、個々に動物を冷水浴中に置き、1分間に損傷した足を上げた:損傷した足を水から上げた全回数を記録することにより、ラットを最初に冷たさで誘起される異痛について評定した。移動運動または体の位置変えに伴う足上げは記録しなかった。術後4〜7日目に1分間に5回以上の足上げを示したラットは、寒冷異痛を示したと考え、以下の検討に使用した。急性の検討において、ビヒクル、参照化合物または本発明化合物を、試験の30分前に、皮下投与(s.c.)した。寒冷異痛に対する本発明化合物の反復投与の効果は、以下の投薬計画:7日間、〜12時間間隔(BID)でのビヒクル、参照または本発明化合物の経口(p.o.)投与、の最後の経口投与の14、20または38時間後に測定した。
【0311】
本発明を、その特定の実施態様を挙げて説明してきたが、本発明の真の精神および範囲から逸脱することなく、種々の変更を行い得、また均等物で置き換え得ることを当業者は理解すべきである。さらに、種々の改変を行って、特定の状況、材料、組成物、プロセス、プロセス工程または複数の工程を、本発明の目的の精神および範囲に適合させ得る。全てのこのような改変は、本明細書に添付の特許請求の範囲内のものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化33】


(式中、
またはZのいずれかは、N(R)であり、他方は、CHであり;
Xは、CHまたはNであり;
Yは、CHまたはNであり;
mは、0または1であり;
Rは、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、または低級アルコキシであり;
Qは、CH、C(R)、またはNであり;
は、H、低級アルキル、またはベンジルであり;
a’は、H、低級アルキル、シクロアルキルアルキル、−S(=O)、−C(=O)N(R、またはS(=O)N(Rであり;
nは、0または1であり;
各々のRは、独立して、Rb’またはRb”であり;
b’は、ヒドロキシ、ハロゲン、−C(=O)(R)、−C(=O)O(R)、−OC(=O)(R)、−N(R、−C(=O)N(R、−NHC(=O)(R)、−CN、−S(=O)、または−S(=O)N(Rであり;
b”は、1個以上のRで場合により置換される、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、フェニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキルであり;
各々のRは、独立して、RまたはRであり;
は、Hであり;
は、1個以上のRe’で場合により置換される、低級アルキル、低級ハロアルキル、シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールであり;
各々のRe’は、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、または−CNであり;
2aおよびR2bは、各々独立して、H、ヒドロキシ、低級アルキル、低級ハロアルキル、または低級アルコキシであり;
rは、0、1、または2であり;
は、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級ハロアルキル、または低級アルコキシである)
の化合物またはその鏡像異性体、ジアステレオマーもしくは薬学的に許容される塩。
【請求項2】
が、N(R)であり、Zが、CHである、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
が、CHであり、Zが、N(R)である、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
、R2a、およびR2bが、Hであり、mが0であり、rが0であり、XがCHであり、YがCHであり、Ra’がHであり、nが1である、請求項2記載の化合物。
【請求項5】
、R2a、およびR2bが、Hであり、mが0であり、rが0であり、XがCHであり、YがCHであり、Ra’がHであり、nが1である、請求項3記載の化合物。
【請求項6】
Qが、C(R)である、請求項4記載の化合物。
【請求項7】
Qが、C(R)である、請求項5記載の化合物。
【請求項8】
が、Rb’である、請求項6記載の化合物。
【請求項9】
が、Rb”である、請求項6記載の化合物。
【請求項10】
が、Rb’である、請求項7記載の化合物。
【請求項11】
が、Rb”である、請求項7記載の化合物。
【請求項12】
b’が、−CNまたはハロゲンである、請求項8記載の化合物。
【請求項13】
b’が、−C(=O)N(R2cまたは−NHC(=O)(R2c)である、請求項8記載の化合物。
【請求項14】
b’が、−S(=O)2cまたは−S(=O)N(R2cである、請求項8記載の化合物。
【請求項15】
b’が、−C(=O)(R2c)または−C(=O)O(R2c)である、請求項8記載の化合物。
【請求項16】
b”が、低級アルキルまたはシクロアルキルアルキルである、請求項9記載の化合物。
【請求項17】
b’が、−CNまたはハロゲンである、請求項10記載の化合物。
【請求項18】
b’が、−C(=O)N(R2cまたは−NHC(=O)(R2c)である、請求項10記載の化合物。
【請求項19】
b’が、−C(=O)(R2c)または−C(=O)O(R2c)である、請求項10記載の化合物。
【請求項20】
b”が、低級アルキルまたはシクロアルキルアルキルである、請求項11記載の化合物。
【請求項21】
式II:
【化34】


(式中、
またはZのいずれかは、N(R)であり、他方は、CHであり;
Xは、CHまたはNであり;
mは、0または1であり;
Rは、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、または低級アルコキシであり;
は、H、低級アルキル、またはベンジルであり;
nは、0または1であり;
各々のRは、独立して、Rb’またはRb”であり;
b’は、ヒドロキシ、ハロゲン、−C(=O)(R)、−C(=O)O(R)、−OC(=O)(R)、−N(R、−C(=O)N(R、−NHC(=O)(R)、−CN、−S(=O)、または−S(=O)N(Rであり;
b”は、1個以上のRで場合により置換される、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、フェニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキルであり;
各々のRは、独立して、RまたはRであり;
は、Hであり;
は、1個以上のRe’で場合により置換される、低級アルキル、低級ハロアルキル、シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールであり;
各々のRe’は、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、または−CNであり;
2aおよびR2bは、各々独立して、H、ヒドロキシ、低級アルキル、低級ハロアルキル、または低級アルコキシであり;
rは、0、1、または2であり;
は、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級ハロアルキル、または低級アルコキシである)
の化合物またはその鏡像異性体、ジアステレオマーもしくは薬学的に許容される塩。
【請求項22】
2aおよびR2bが、Hであり、mが0であり、rが0である、請求項21記載の化合物。
【請求項23】
が、CHであり、Zが、N(R)であり、RがHであり、nが1である、請求項22記載の化合物。
【請求項24】
式III:
【化35】


(式中、
またはZのいずれかは、N(R)であり、他方は、CHであり;
Xは、CHまたはNであり;
は、H、低級アルキル、またはベンジルであり;
nは、0、1または2であり;
各々のRは、独立して、Rb’またはRb”であり;
b’は、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、−C(=O)(R)、−C(=O)O(R)、−OC(=O)(R)、−N(R、−C(=O)N(R、−NHC(=O)(R)、−CN、−S(=O)、または−S(=O)N(Rであり;
b”は、1個以上のRで場合により置換される、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、フェニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキルであり;
各々のRは、独立して、RまたはRであり;
は、Hであり;
は、1個以上のRe’で場合により置換される、低級アルキル、低級ハロアルキル、シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールであり;
各々のRe’は、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、または−CNであり;
2aおよびR2bは、各々独立して、H、ヒドロキシ、低級アルキル、低級ハロアルキル、または低級アルコキシであり;
rは、0、1、または2であり;
は、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級ハロアルキル、または低級アルコキシであり;
ただし、Zが、N(R)であり、Zが、CHであり、RがHであり、かつXがCHであるとき、nは0ではなく;またZが、N(R)であり、Zが、CHであり、Rがエチルであり、XがCHであり、かつR2aまたはR2bのいずれかが、ヒドロキシであるとき、nは0ではない)
の化合物またはその鏡像異性体、ジアステレオマーもしくは薬学的に許容される塩。
【請求項25】
2aおよびR2bが、Hであり、rが0である、請求項24記載の化合物。
【請求項26】
が、CHであり、Zが、N(R)であり、RがHであり、nが1である、請求項25記載の化合物。
【請求項27】
式IV:
【化36】


(式中、
またはZのいずれかは、N(R)であり、他方は、CHであり;
Xは、SまたはN(Ra’)であり;
mは、0または1であり;
Rは、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、または低級アルコキシであり;
Qは、CH、C(R)、またはNであり;
は、H、低級アルキル、またはベンジルであり;
a’は、H、低級アルキル、シクロアルキルアルキル、−S(=O)、−C(=O)N(R、またはS(=O)N(Rであり;
は、R1aまたはR1bであり;
1aは、Hであり;
1bは、1個以上のR1b’で場合により置換される、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、または低級ハロアルキルであり;
各々のR1b’は、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、または−CNであり;
nは、0または1であり;
各々のRは、独立して、Rb’またはRb”であり;
b’は、ヒドロキシ、ハロゲン、−C(=O)(R)、−C(=O)O(R)、−OC(=O)(R)、−N(R、−C(=O)N(R、−NHC(=O)(R)、−CN、−S(=O)、または−S(=O)N(Rであり;
b”は、1個以上のRで場合により置換される、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、フェニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキルであり;
各々のRは、独立して、RまたはRであり;
は、Hであり;
は、1個以上のRe’で場合により置換される、低級アルキル、低級ハロアルキル、シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールであり;
各々のRe’は、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、または−CNであり;
2aおよびR2bは、各々独立して、H、ヒドロキシ、低級アルキル、低級ハロアルキル、または低級アルコキシである)
の化合物またはその鏡像異性体、ジアステレオマーもしくは薬学的に許容される塩。
【請求項28】
2aおよびR2bが、Hであり、mが0である、請求項27記載の化合物。
【請求項29】
が、CHであり、Zが、N(R)であり、RがHであり、nが1である、請求項28記載の化合物。
【請求項30】
式V:
【化37】


(式中、
またはZのいずれかは、N(R)であり、他方は、CHであり;
は、H、低級アルキル、またはベンジルであり;
Xは、CHまたはNであり;
mは、0または1であり;
Rは、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、または低級アルコキシであり;
a’は、H、低級アルキル、シクロアルキルアルキル、−S(=O)、−C(=O)N(R、またはS(=O)N(Rであり;
各々のRは、独立して、RまたはRであり;
は、Hであり;
は、1個以上のRe’で場合により置換される、低級アルキル、低級ハロアルキル、シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールであり;
各々のRe’は、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、または−CNであり;
2aおよびR2bは、各々独立して、H、ヒドロキシ、低級アルキル、低級ハロアルキル、または低級アルコキシであり;
rは、0、1、または2であり;
は、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級ハロアルキル、または低級アルコキシである)
の化合物またはその鏡像異性体、ジアステレオマーもしくは薬学的に許容される塩。
【請求項31】
式VI:
【化38】


(式中、
またはZのいずれかは、N(R)であり、他方は、CHであり;
Xは、CHまたはNであり;
mは、0または1であり;
Rは、ヒドロキシ、ハロゲン、低級アルキル、または低級アルコキシであり;
は、H、低級アルキル、またはベンジルであり;
a’は、H、低級アルキル、シクロアルキルアルキル、−S(=O)、−C(=O)N(R、またはS(=O)N(Rであり;
nは、0または1であり;
各々のRは、独立して、Rb’またはRb”であり;
b’は、ヒドロキシ、ハロゲン、−C(=O)(R)、−C(=O)O(R)、−OC(=O)(R)、−N(R、−C(=O)N(R、−NHC(=O)(R)、−CN、−S(=O)、または−S(=O)N(Rであり;
b”は、1個以上のRで場合により置換される、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、フェニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキルであり;
各々のRは、独立して、RまたはRであり;
は、Hであり;
は、1個以上のRe’で場合により置換される、低級アルキル、低級ハロアルキル、シクロアルキル、フェニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロアリールであり;
各々のRe’は、独立して、ヒドロキシ、ハロゲン、アミノ、低級アルキル、低級アルケニル、低級アルキニル、低級アルコキシ、低級ハロアルキル、または−CNであり;
2aおよびR2bは、各々独立して、H、ヒドロキシ、低級アルキル、低級ハロアルキル、または低級アルコキシであり;
rは、0、1、または2であり;
は、ハロゲン、ヒドロキシ、低級アルキル、低級ハロアルキル、または低級アルコキシである)
の化合物またはその鏡像異性体、ジアステレオマーもしくは薬学的に許容される塩。
【請求項32】
【化39】






からなる群より選択される化合物。
【請求項33】
請求項1〜32のいずれか1項記載の化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。
【請求項34】
薬学的に有効な量の請求項1〜32のいずれか1項記載の化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、モノアミン再取込み阻害剤に関連する疾患を処置する方法。
【請求項35】
薬学的に有効な量の請求項1〜32のいずれか1項記載の化合物を、それを必要とする対象に投与することを含む、不安、うつ病、または両方を処置する方法。

【公表番号】特表2011−515355(P2011−515355A)
【公表日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−500151(P2011−500151)
【出願日】平成21年3月10日(2009.3.10)
【国際出願番号】PCT/EP2009/052748
【国際公開番号】WO2009/115427
【国際公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】