説明

フィルタおよび分波器

【課題】特定の周波数において、一定量の減衰量を確保すること。
【解決手段】ラダー型に接続された複数の直列共振器S1−S4および複数の並列共振器P1−P4と、前記複数の直列共振器のうち少なくとも1つの直列共振器S1に並列に接続された第1インダクタL1と、を具備し、前記複数の並列共振器の一部P3aは、前記複数の直列共振器と前記複数の並列共振器とが形成する通過帯域の外であって前記第1インダクタと前記少なくとも1つの直列共振器とが形成する第1減衰極10の高周波数側に共振周波数frp3および反共振周波数fap3を有し、前記複数の並列共振器の一部の少なくとも1つは、共振周波数の低周波数側に副共振の共振周波数frp31を有するフィルタ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタに関し、例えばラダー型フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
弾性波共振器を用いたフィルタは、例えば無線機器等に用いられている。弾性波共振器としては、例えば弾性表面波共振器または圧電薄膜共振器がある。弾性波共振器を用いたラダー型フィルタは、バンドパスフィルタとして機能する。ラダー型フィルタにおいて、通過帯域以外の特定の周波数帯を抑圧する方法として、直列共振器に並列にインダクタを接続する方法がある(例えば特許文献1および2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−167937号公報
【特許文献2】特開2003−69382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1および2の方法では、得られる減衰特性は緩やかである。このため、ある特定の周波数帯において、一定の減衰量を確保することは難しい。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、特定の周波数において、一定量の減衰量を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ラダー型に接続された複数の直列共振器および複数の並列共振器と、前記複数の直列共振器のうち少なくとも1つの直列共振器に並列に接続された第1インダクタと、を具備し、前記複数の並列共振器の一部は、前記複数の直列共振器と前記複数の並列共振器とが形成する通過帯域の外であって前記第1インダクタと前記少なくとも1つの直列共振器とが形成する第1減衰極の高周波数側に共振周波数および反共振周波数を有し、前記複数の並列共振器の前記一部の少なくとも1つは、共振周波数の低周波数側に副共振の共振周波数を有することを特徴とするフィルタである。本発明によれば、特定の周波数において、一定量の減衰量を確保することができる。
【0007】
上記構成において、前記第1減衰極と、前記複数の並列共振器の前記一部の共振応答により形成された第2減衰極と、前記複数の並列共振器の前記一部の少なくとも1つの副共振応答により形成された第3減衰極とのすそのが重なるように減衰領域が形成される構成とすることができる。
【0008】
上記構成において、前記少なくとも1つの直列共振器は単一の直列共振器であり、前記並列共振器の前記一部は、単一の並列共振器である構成とすることができる。
【0009】
前記複数の並列共振器の前記一部の少なくとも1つとグランドとの間に直列に接続された第2インダクタを具備する構成とすることができる。
【0010】
上記構成において、前記複数の並列共振器の前記一部の少なくとも1つは、他の前記複数の並列共振器より共振抵抗が大きい構成とすることができる。
【0011】
上記構成において、前記複数の並列共振器は、弾性表面波共振器であり、前記複数の並列共振器の前記一部の少なくとも1つは、他の前記複数の並列共振器とは、弾性波の伝搬方向が異なる構成とすることができる。
【0012】
本発明は、ラダー型に接続された複数の直列共振器および複数の並列共振器と、前記複数の直列共振器のうち少なくとも1つの直列共振器に並列に接続された第1インダクタと、を具備し、前記複数の直列共振器の一部は、前記複数の直列共振器と前記複数の並列共振器とが形成する通過帯域の外であって前記第1インダクタと前記少なくとも1つの直列共振器とが形成する第1減衰極の低周波数側に共振周波数および反共振周波数を有し、前記複数の並列共振器の一部は、前記通過帯域の外であって前記第1減衰極の高周波数側に共振周波数および反共振周波数を有することを特徴とするフィルタである。本発明によれば、特定の周波数において、一定量の減衰量を確保することができる。
【0013】
上記構成において、前記第1減衰極と、前記複数の直列共振器の前記一部の反共振応答により形成された第2減衰極と、前記複数の並列共振器の前記一部の共振応答により形成された第3減衰極と、のすそのが重なるように減衰領域が形成される構成とすることができる。
【0014】
上記構成において、前記少なくとも1つの直列共振器は単一の直列共振器であり、前記複数の直列共振器の前記一部は、単一の直列共振器であり、前記複数の並列共振器の前記一部は、単一の並列共振器である構成とすることができる。
【0015】
上記構成において、前記複数の並列共振器の前記一部の少なくとも1つは、共振周波数の低周波数側に副共振の共振周波数を有する構成とすることができる。
【0016】
上記構成において、前記副共振の共振周波数は、前記複数の直列共振器の前記一部の反共振周波数より高周波数側に位置する構成とすることができる。
【0017】
上記構成において、前記複数の並列共振器の前記一部の少なくとも1つとグランドとの間に直列に接続された第2インダクタを具備することを構成とすることができる。
【0018】
上記構成において、前記複数の並列共振器の前記一部および前記複数の直列共振器の一部の少なくとも1つは、前記通過帯域を形成する共振器より共振抵抗が大きい構成とすることができる。
【0019】
上記構成において、前記複数の直列共振器および前記複数の並列共振器は、弾性表面波共振器であり、前記複数の並列共振器の前記一部および前記複数の直列共振器の一部の少なくとも1つは、前記通過帯域を形成する共振器とは、弾性波の伝搬方向が異なる構成とすることができる。
【0020】
上記構成において、前記複数の直列共振器および前記複数の並列共振器は、弾性表面波共振器である構成とすることができる。
【0021】
上記構成において、前記複数の直列共振器および前記複数の並列共振器は、圧電薄膜共振器である構成とすることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、特定の周波数において、一定量の減衰量を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】図1(a)は、弾性表面波共振器を示す平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。
【図2】図2(a)は、ラブ波共振器の断面図、図2(b)は、弾性境界波共振器の断面図である。
【図3】図3(a)は、圧電薄膜共振器を示す平面図、図3(b)は、図3(a)のA−A断面図である。
【図4】図4は、弾性波共振器のアドミタンス特性を示す模式図である。
【図5】図5(a)は、直列共振器Sの回路図、図5(b)は、並列共振器Pの回路図、図5(c)は、直列共振器および並列共振器の通過特性を示す模式図である。
【図6】図6(a)は、複数段のラダー型フィルタの回路図、図6(b)は、ラダー型フィルタの通過特性を示す模式図である。
【図7】図7は、2種類のラダー型フィルタの通過特性を示す模式図である。
【図8】図8(a)は、比較例1に係るラダー型フィルタの回路図、図8(b)は、比較例1の通過特性を示す模式図である。
【図9】図9(a)は、実施例1に係るフィルタの回路図、図9(b)は、減衰極付近の減衰特性を示す模式図である。
【図10】図10(a)は、実施例1に係るフィルタの通過特性を示す模式図、図10(b)は、比較例2に係るフィルタの通過特性を示す模式図である。
【図11】図11(a)は、実施例1のシミュレーションに用いた分波器の回路図、図11(b)は、送信フィルタを形成したチップの上面図、図11(c)は、受信フィルタを形成したチップの上面図である。
【図12】図12(a)は、実施例1に係る分波器の通過特性のシミュレーション結果を示す図である。12(b)は、実施例1と比較例2の送信フィルタの通過特性のシミュレーション結果を示す図である。
【図13】図13(a)および図13(b)は、減衰極10が減衰極14と16との間に位置しない場合の送信フィルタの通過特性のシミュレーション結果を示す図である。
【図14】図14は、副共振を有する共振器のアドミタンス特性を示す模式図である。
【図15】図15(a)は、実施例2に係るフィルタの減衰極近傍の減衰特性を示す模式図、図15(b)は、実施例2に係るフィルタの通過特性を示す模式図である。
【図16】図16は、実施例2に係る分波器の送信フィルタの通過特性のシミュレーション結果を示す図である。
【図17】図17(a)は実施例3に係るフィルタの回路図、図17(b)は、減衰極付近の減衰特性を示す模式図である。
【図18】図18は、実施例3に係るフィルタの通過特性を示す模式図である。
【図19】図19は、実施例4に係るフィルタの通過特性を示す模式図である。
【図20】図20は、実施例4に係る分波器の送信フィルタの通過特性のシミュレーション結果を示す図である。
【図21】図21は、送信フィルタを形成したチップの上面図である。
【図22】図22(a)は実施例5に係るフィルタの回路図、図22(b)は、減衰極付近の減衰特性を示す模式図である。
【図23】図23は、実施例5に係るフィルタの通過特性を示す模式図である。
【図24】図24は、実施例5に係る分波器の送信フィルタの通過特性のシミュレーション結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
まず、以下の実施例に用いられる弾性波共振器の例について説明する。図1(a)は、弾性表面波共振器を示す平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A断面図である。図1(a)および図1(b)のように、タンタル酸リチウム(LT)またはニオブ酸リチウム(LN)等の圧電基板50上にアルミニウムまたは銅等の金属膜52が形成されている。金属膜52により、反射器R0、IDT(Interdigital
Transducer)IDT0、入力端子Tinおよび出力端子Toutが形成されている。IDTは、2つのくし型電極54を備えている。2つのくし型電極54にはそれぞれ入力端子Tinおよび出力端子Toutが接続されている。入力端子Tinおよび出力端子Toutは例えばパッドである。IDT0の伝搬方向の両側に反射器R0が配置されている。くし型電極54および反射器R0は、弾性波の波長λに対応する間隔に配置された電極指を備えている。IDT0により励振された弾性波は反射器R0により反射される。これにより、弾性表面波共振器は弾性波の波長λに対応する周波数において共振する。
【0025】
図2(a)は、ラブ波共振器の断面図、図2(b)は、弾性境界波共振器の断面図である。ラブ波共振器および弾性境界波共振器の平面図は、図2(a)と同じであり説明を省略する。図2(a)のように、ラブ波共振器においては、金属膜52を覆うように誘電体膜56が形成されている。誘電体膜56としては、例えば酸化シリコン膜を用いることができる。図2(b)のように、弾性境界波共振器においては、金属膜52を覆うように誘電体膜56が形成されている。さらに、誘電体膜56上に誘電体膜58が形成されている。誘電体膜58は、例えば酸化アルミニウム膜である。弾性波を誘電体膜56内に閉じ込めるため誘電体膜58の音速は誘電体膜56より速いことが好ましい。なお、ラブ波共振器および弾性境界波共振器は、弾性表面波共振器の一種である。
【0026】
図3(a)は、圧電薄膜共振器を示す平面図、図3(b)は、図3(a)のA−A断面図である。図3(a)および図3(b)のように、例えばシリコン等の基板40上に下部電極42、窒化アルミニウム等の圧電膜44、上部電極46が順次積層されている。圧電膜44を挟み上部電極46と下部電極42とが重なる領域が共振領域47である。共振領域47においては、上下方向に伝搬する弾性波が共振し共振器として機能する。共振領域47の下方の基板40には、空隙48が形成されている。空隙48は、基板40と下部電極42との間に形成されていてもよい。また、空隙48の代わりに、弾性波を反射する音響多層膜が形成されていてもよい。
【0027】
図4は、弾性波共振器のアドミタンス特性を示す模式図である。図4に示すように、弾性波共振子は、主共振周波数fr0および主反共振周波数fa0を有する2重共振特性を有する。主反共振周波数fa0は、主共振周波数fr0の高周波側近傍に形成される。
【0028】
図5(a)は、直列共振器Sの回路図、図5(b)は、並列共振器Pの回路図、図5(c)は、直列共振器および並列共振器の通過特性を示す模式図である。図5(a)のように、入力端子Tinと出力端子Toutとの間に直列に図4のようなアドミタンス特性を有する弾性波共振器が直列共振器Sとして接続されている。図5(b)のように、入力端子Tinと出力端子Toutとの間に並列に図4のようなアドミタンス特性を有する弾性波共振器が並列共振器Pとして接続されている。
【0029】
図5(c)において、直列共振器Sの通過特性を実線、並列共振器Pの通過特性を破線で示している。図5(c)のように、直列共振器Sは、共振周波数frsと反共振周波数fasとの間を遷移周波数とするローパスフィルタとして機能する。並列共振器Pは、共振周波数frpと反共振周波数fapとの間を遷移周波数とするハイパスフィルタとして機能する。直列共振器Sの共振周波数frsと並列共振器Pの反共振周波数fapはほぼ一致するように設定される。直列共振器Sと並列共振器Pとを接続し、1段のラダー型フィルタとすることにより、バンドパスフィルタが形成される。
【0030】
図6(a)は、複数段のラダー型フィルタの回路図、図6(b)は、ラダー型フィルタの通過特性を示す模式図である。図6(a)に示すように、ラダー型フィルタは、直列共振器S1〜S4と並列共振器P1〜P4を有している。直列共振器S1〜S4および並列共振器P1〜P4はラダー型に接続されている。例えば、直列共振器S1〜S4は入力端子Tinと出力端子Toutとの間に直列に接続されている。並列共振器P1〜P4は入力端子Tinと出力端子Toutとの間に並列に接続されている。図6(b)に示すように、複数の直列共振器S1〜S4と複数の並列共振器P1〜P4とにより通過帯域が形成される。通過帯域の両側に抑圧域が形成される。このように、複数段のラダー型フィルタにより、より抑圧度の高いバンドパスフィルタが形成される。
【0031】
図7は、2種類のラダー型フィルタの通過特性を示す模式図である。図7を参照し、ラダー型フィルタの減衰域のパワー通過率は比較的平らである。このため、点線のように、減衰域における抑圧度を高くしようとすると、全体域の抑圧度を高くすることになる。このため、通過帯域の挿入損失が大きくなってしまう。
【0032】
図8(a)は、比較例1に係るラダー型フィルタの回路図、図8(b)は、比較例1の通過特性を示す模式図である。図8(a)に示すように、直列共振器S1に並列にインダクタL1を接続する。インダクタL1は、直列共振器S1〜S4の少なくとも1つに接続されていればよい。図8(b)に示すように、直列共振器S1に並列にインダクタL1を電気的に接続することにより、通過帯域の挿入損失を大きく変えることなく、通過帯域の低周波数側の減衰域に減衰極10、高周波数側の減衰域に減衰極12が形成される。例えば、図8(b)中の仕様20を通過帯域の挿入損失の仕様、仕様22を減衰量の仕様とする。仕様20および仕様22の幅は帯域、横線は挿入損失または減衰量の規格を示している。仕様22は、例えば、他の通信方式の周波数帯に対する減衰量の仕様である。仕様22は、減衰極10を設けることで満たされているが、減衰極10の減衰特性は緩やかであるため、仕様22に対し余裕がない。または、仕様22によっては、減衰極10を設けただけでは、仕様22を満たさない場合もありうる。以下に仕様22に対し十分な減衰特性を有するフィルタの実施例を説明する。
【実施例1】
【0033】
図9(a)は、実施例1に係るフィルタの回路図、図9(b)は、減衰極付近の減衰特性を示す模式図である。図9(a)に示すように、実施例1に係るフィルタは、複数の直列共振器S1〜S4の少なくとも1つの直列共振器S3aの共振特性を比較例と異ならせる。同様に、複数の並列共振器P1〜P4の少なくとも1つの並列共振器P3aの共振特性を比較例と異ならせる。その他の構成は、比較例1の図8(a)と同じであり説明を省略する。
【0034】
図9(b)において、点線は直列共振器S1にインダクタL1(第1インダクタ)を並列に接続したことにより形成される減衰極10を示している。実線および破線は、それぞれ直列共振器S3aおよび並列共振器P3aの通過特性を示している。直列共振器S3aの共振周波数frs3および反共振周波数fas3を減衰極10の周波数fgの低周波数側の近傍に設定する。一方、並列共振器P3aの共振周波数frp3および反共振周波数fap3を減衰極10の周波数fgの高周波数側の近傍に設定する。これにより、反共振周波数fas3および共振周波数frp3に減衰極が形成される。フィルタの減衰特性は点線、実線および破線の波形を合成したものとなる。よって、反共振周波数fas3と共振周波数frp3との間の減衰量が高くなる。
【0035】
図10(a)は、実施例1に係るフィルタの通過特性を示す模式図である。図10(a)において、破線は比較例1の通過特性を示している。実施例1においては、減衰極10(第1減衰極)の低周波数側に直列共振器S3aの反共振応答により形成されたる減衰極14(第3減衰極)、減衰極10の高周波数側に並列共振器P3aの共振応答により形成された減衰極16(第2減衰極)が形成され、減衰極14と減衰極16とに急激な変曲点が形成され、減衰極14と減衰極16との間が井戸型状の減衰特性となる。このため、減衰量の仕様22に対し、十分余裕のある減衰特性とすることができる。
【0036】
図10(b)は、比較例2に係るフィルタの通過特性を示す模式図である。図10(b)に示すように、比較例2では、減衰極10の低周波側に減衰極14および16を形成している。この場合、減衰極14および16近傍では減衰量が高くなるものの、減衰極14と減衰極16との間では減衰量は高くならない。このため、仕様22を満足できない。このように、減衰極10の低周波数側に減衰極14を、高周波数側に減衰極16を形成することが求められる。
【0037】
次に、実施例1を用いた分波器のシミュレーション結果について説明する。図11(a)は、実施例1のシミュレーションに用いた分波器の回路図、図11(b)は、送信フィルタを形成したチップの上面図、図11(c)は、受信フィルタを形成したチップの上面図である。図11(a)を参照に、分波器100は、WCDMA(Wide-band
Code Division Multiple Access)のバンド1用であり、送信フィルタ30と受信フィルタ32を備えている。減衰域を要する周波数帯は、GPS(Global
Positioning System)の帯域である。送信フィルタ30はラダー型フィルタであり、共通端子Tantと送信端子Ttxとの間に接続されている。受信フィルタ32は多重モード型フィルタであり、共通端子Tantと受信端子Trxとの間に接続されている。送信フィルタ30において、共通端子Tantと送信端子Ttxとの間に、直列共振器S1〜S5が直列に接続され、並列共振器P1〜P4が並列に接続されている。直列共振器S1には並列にインダクタL1が接続されている。直列共振器S3aは、共振周波数として1485MHzを有し、減衰極14を形成する。並列共振器P3aは、共振周波数として、1630MHzを有し、減衰極16を形成する。その他の直列共振器および並列共振器は通過帯域を形成するための共振特性を有する。インダクタL1のインダクタンスは2.8nHである。共通端子Tantとグランドとの間にはインダクタL2が電気的に接続されている。インダクタL2は、整合回路として機能する。
【0038】
図11(b)に示すように、LT基板60上に、Al等からなる金属膜が形成されている。金属膜により、直列共振器S1〜S5および並列共振器P1〜P4、配線64およびパッド66が形成されている。各共振器は、表面弾性波共振器であり、IDTとIDTの両側に形成された反射器R0とを有している。直列共振器S1〜S5は、共通パッドAntと送信パッドTx間に直列に配線64により電気的に接続されている。並列共振器P1〜P4は、グランドパッドGndと直列共振器間のノードとの間に配線64により電気的に接続されている。
【0039】
図11(c)に示すように、LT基板60上にAl等からなる金属膜が形成されている。金属膜により、IDT2〜IDT4、配線64およびパッド66が形成されている。反射器R0の間に、弾性波の伝搬方向にIDT2〜IDT4が配列されている。受信パッドRxとグランドパッドGndとの間にIDT3が電気的に接続されている。共通パッドAntとグランドパッドGndとの間にIDT2およびIDT4がそれぞれ接続されている。
【0040】
図12(a)は、実施例1に係る分波器の通過特性のシミュレーション結果を示す図である。図12(a)において、破線は受信フィルタ32の通過特性、直線は送信フィルタ30の通過特性を示している。帯域21は、WCDMAのバンド1の送信帯域、帯域23は、GPS周波数帯域である。送信フィルタ30の通過特性において、直列共振器S3aによる応答24および並列共振器P3aによる応答26が現れ、減衰極14と16との間に帯域23を含むように井戸型状の減衰域が形成されている。
【0041】
図12(b)は、実施例1と比較例2の送信フィルタの通過特性のシミュレーション結果を示す図である。比較例2においては、直列共振器S3aと並列共振器P3aを形成していない。比較例2においては、インダクタL1に起因する減衰極10が形成される。一方、実施例1においては、減衰極10、14および16により井戸型状の減衰域が形成される。これにより、実施例1においては、帯域23内の減衰量を大きくできる。
【0042】
図13(a)および図13(b)は、減衰極10が減衰極14と16との間に位置しない場合の送信フィルタの通過特性のシミュレーション結果を示す図である。破線は、直列共振器S3aおよび並列共振器P3aを設けない場合、実線は、直列共振器S3aおよび並列共振器P3aを設けた場合である。図13(a)においては、減衰極14および16が減衰極10より低周波数側にある。この場合、井戸型状の減衰域は形成されず、帯域23の減衰量は小さい。図13(b)においては、減衰極14および16が減衰極10より高周波数側にある。この場合、帯域23の減衰量は小さい。以上のように、減衰極10が減衰極14と16との間に位置することが求められる。
【0043】
実施例1によれば、複数の直列共振器S1〜S4の一部S3aは、通過帯域の外であって減衰極10の低周波数側に共振周波数frs3および反共振周波数fas3を有する。一方、複数の並列共振器P1〜P4の一部P3aは、通過帯域の外であって減衰極10の高周波数側に共振周波数frp3および反共振周波数fap3を有する。これにより、図10(a)のように、減衰極10近傍の減衰量を高くできる。
【0044】
また、減衰極10と減衰極14と減衰極16とのすそのが重なるように減衰領域が形成される。減衰領域は、例えば井戸型状に形成される。例えば、減衰極10の周波数fgにおいて、直列共振器S3aにより減衰量が大きくなり、並列共振器P3aにより減衰量がさらに大きくなる。これにより、仕様22における減衰量の余裕をより大きくできる。
【0045】
インダクタL1を並列に接続する直列共振器は、複数の直列共振器の少なくとも1つでよいが、実施例1のように単一の直列共振器S1でもよい。直列共振器S1以外の直列共振器でもよい。また、減衰極14を形成する直列共振器は、複数の直列共振器の一部でよいが、実施例1のように単一の直列共振器S3aでもよい。また、直列共振器S3a以外の直列共振器でもよい。さらに、減衰極16を形成する並列共振器は、複数の並列共振器の一部でよいが、実施例1のように単一の並列共振器P3aでもよい。また、並列共振器P3a以外の並列共振器でもよい。
【0046】
減衰極14および16を形成する減衰極としては、通過帯域の高周波数側の減衰極12でもよい。しかしながら、通過帯域の低周波数側の減衰極10は減衰極12に比べ、他の方法を用い減衰量を高くすることが難しい。よって、通過帯域の低周波数側の減衰極10近傍に減衰極14および16を形成することが好ましい。
【実施例2】
【0047】
実施例2は、並列共振器P3aの副共振を用いる例である。図14は、副共振を有する共振器のアドミタンス特性を示す模式図である。図4と比較し、主共振の共振周波数fr0および反共振周波数fa0の低周波数側に副共振の共振周波数fr1および反共振周波数fa1が形成されている。副共振は、例えば主共振に対する不要応答である。弾性表面波共振器の場合、例えば対数を少なくする、または開口長を短くすることにより副共振を生成できる。圧電薄膜共振器の場合、例えば共振領域の面積を小さくすることにより副共振を生成できる。実施例2においては、実施例1の図9(a)の並列共振器P3aに副共振を有する共振器を用いる。その他の構成は実施例2と同じであり説明を省略する。
【0048】
図15(a)は、実施例2に係るフィルタの減衰極近傍の減衰特性を示す模式図である。図15(a)のように、実施例1の図9(b)に比べ、減衰極10の周波数fg近傍に副共振に起因した共振周波数frp31の減衰極が形成される。
【0049】
図15(b)は、実施例2に係るフィルタの通過特性を示す模式図である。図15(b)において、破線は比較例1の通過特性を示している。図15(b)に示すように、減衰極14と16との間に、副共振に起因する減衰極18が形成される。これにより、仕様22に対する減衰特性の余裕をより大きくできる。
【0050】
次に、実施例2を用いた分波器のシミュレーション結果について説明する。シミュレーションした分波器の構成は、実施例1の図11(a)から図11(c)に比べ、並列共振器P3aが1595MHzに副共振の共振周波数を有する以外は同じである。
【0051】
図16は、実施例2に係る分波器の送信フィルタの通過特性のシミュレーション結果を示す図である。シミュレーションに用いた分波器の構成は、実施例1の図11(a)から図11(c)と同じであり説明を省略する。図16において、実線は、実施例2の通過特性、破線は、直列共振器S3aおよび並列共振器P3aを有しない送信フィルタの通過特性を示している。図16に示すように、減衰極14と16と間に減衰極18が形成されている。これにより、減衰域の減衰量が高くなっている。
【0052】
実施例2によれば、並列共振器P3aの共振周波数frpの低周波数側に副共振の共振周波数frp31を有する。これにより、図15(b)のように、減衰域の減衰量をより高くできる。なお、減衰極16を形成する並列共振器P3aが複数ある場合、その少なくとも1つの並列共振器が副共振の共振周波数を有すればよい。
【0053】
また、副共振の共振周波数frp31は、直列共振器S3a反共振周波数fas3より高周波数側に位置することが好ましい。これにより、減衰極18を減衰極14と16との間に形成できる。
【実施例3】
【0054】
実施例3は、並列共振器とグランドとの間にインダクタを有する例である。図17(a)は実施例3に係るフィルタの回路図、図17(b)は、減衰極付近の減衰特性を示す模式図である。図17(a)に示すように、並列共振器P3aのグランド側とグランドとの間に直列にインダクタL3(第2インダクタ)が電気的に接続されている。その他の構成は実施例1の図9(a)と同じであり、説明を省略する。図17(b)に示すように、インダクタL3により並列共振器P3aの共振周波数frp3と反共振周波数fap3との間隔を広げることができる。このため、図9(b)に比べ共振周波数frp3を減衰極10の周波数fgに近づけることができる。
【0055】
図18は、実施例3に係るフィルタの通過特性を示す模式図である。図18の示すように、インダクタL3により並列共振器P3aの共振周波数が減衰極10に近づいたため、井戸型状の減衰域の中央付近の減衰量を高くできる。
【0056】
実施例3によれば、インダクタL3が並列共振器P3aとグランドとの間に直列に接続されている。これにより、減衰域の減衰量をより高くできる。なお、減衰極16を形成する並列共振器P3aが複数ある場合、その少なくとも1つの並列共振器とグランドとの間にインダクタL3を接続すればよい。
【実施例4】
【0057】
実施例4は、並列共振器の共振抵抗を大きくする例である。実施例4に係るフィルタの回路図は実施例1の図9(a)と同じであり説明を省略する。実施例4においては、通過帯域を形成する並列共振器P1、P2およびP4に対し並列共振器P3aの共振抵抗を大きくする。共振器の共振抵抗を大きくする方法として、弾性表面波共振器の場合、例えば反射器の対数を少なくする。例えば、圧電薄膜共振器の場合、共振領域の面積を小さくする。共振抵抗が大きくなると、共振点におけるQ値が小さくなる。これにより、共振点におけるフライバックを小さくできる。
【0058】
図19は、実施例4に係るフィルタの通過特性を示す模式図である。実施例1の図10(a)に比べ、減衰極16側の高周波数側28における減衰量の低下が小さくなっている。
【0059】
図20は、実施例4に係る分波器の送信フィルタの通過特性のシミュレーション結果を示す図である。シミュレーションに用いた分波器の構成は、実施例1の図11(a)から図11(c)と同じであり説明を省略する。図20において、実線は、実施例4の通過特性、破線は、直列共振器S3aおよび並列共振器P3aを有しない送信フィルタの通過特性を示している。図20に示すように、減衰極16の高周波数側28のフライバックが図10(a)に比べ小さくなっている。
【0060】
実施例4によれば、並列共振器P3aは、他の複数の並列共振器より共振抵抗が大きい。これにより、共振点におけるフライバックを小さくできる。なお、減衰極16を形成する並列共振器P3aが複数ある場合、その少なくとも1つの並列共振器の共振抵抗が通過帯域を形成する並列共振器より大きければよい。また、直列共振器S3aの共振抵抗を他の直列共振器より大きくすることにより、減衰極14の低周波数側のフライバックを小さくすることもできる。すなわち、複数の並列共振器の一部P3aおよび複数の直列共振器の一部S3aの少なくとも1つは、通過帯域を形成する共振器より共振抵抗が大きいことが好ましい。
【0061】
弾性表面波共振器を用いた場合について、図21は、送信フィルタを形成したチップの上面図である。図21においては、並列共振器P3の弾性波の伝搬方向が、通過帯域を形成する共振器の弾性波の伝搬方向と異なる。その他の構成は、図11(b)と同じであり説明を省略する。このように、直列共振器S3aおよび並列共振器P3aの少なくとも1つは、通過帯域を形成する共振器とは、弾性波の伝搬方向が異なっていてもよい。これにより、共振抵抗を大きくしフライバックを抑制できる。また、通過帯域を形成する共振器とは異なる音速および結合係数の弾性波を利用することができる。よって、減衰特性を設計する上での自由度を増すことができる。
【実施例5】
【0062】
実施例5は、並列共振器の副共振を用いる例である。図22(a)は実施例5に係るフィルタの回路図、図22(b)は、減衰極付近の減衰特性を示す模式図である。図22(a)を参照し、並列共振器P3aは実施例2と同様に副共振を有する共振器である。一方、直列共振器S3は通過帯域を形成する共振器である。その他の構成は、実施例1の図9(a)と同じであり説明を省略する。図22(b)に示すように、並列共振器P3aの共振周波数frp3は減衰極10より高周波側に位置している。さらに、共振周波数frp3の低周波数側に並列共振器P3aの副共振の共振周波数frp31が位置している。実施例2の図15(a)と比較し、直列共振器による減衰極は形成されていない。
【0063】
図23は、実施例5に係るフィルタの通過特性を示す模式図である。図23において、破線は比較例1の通過特性を示している。図23に示すように、減衰極10および16に、副共振応答により形成される減衰極18(第3減衰極)が重なるように形成される。これにより、仕様22に対する減衰特性の余裕をより大きくできる。
【0064】
次に、実施例5を用いた分波器のシミュレーション結果について説明する。シミュレーションした分波器の構成は、実施例1の図11(a)から図11(c)に比べ、並列共振器P3aが1595MHzに副共振の共振周波数を有する点および直列共振器S3aを有しない点以外は同じである。
【0065】
図24は、実施例5に係る分波器の送信フィルタの通過特性のシミュレーション結果を示す図である。図25において、実線は、実施例5の通過特性、破線は、並列共振器P3aを有しない送信フィルタの通過特性を示している。図24に示すように、減衰極10と重なるように減衰極18が形成されている。これにより、減衰域の減衰量が高くなっている。
【0066】
実施例5のように、直列共振器S3aは設けられておらず、並列共振器P3aは、共振周波数の低周波数側に副共振の共振周波数を有していてもよい。これにより、実施例2のように直接共振器S3aを設けなくとも、減衰特性を向上できる。なお、減衰極16を形成する並列共振器P3aが複数ある場合、その少なくとも1つの並列共振器が副共振の共振周波数を有すればよい。
【0067】
さらに、減衰極10と、減衰極16と、減衰極18とのすそのが重なるように減衰領域が形成されることが好ましい。これにより、減衰領域の減衰量をより大きくできる。
【0068】
共振周波数frp31の位置は減衰極10の周波数fgより低周波数側でも高周波数側でもよい。しかしながら、減衰極10、16および18を重ね減衰域の減衰量をより大きくするためには、副共振の共振周波数frp31は減衰極10の周波数fgより低周波側であることが好ましい。
【0069】
さらに、減衰極16を形成する並列共振器は、複数の並列共振器の一部でよいが、実施例5のように単一の並列共振器P3aでもよい。また、減衰極16を形成する並列共振器が複数の場合、副共振を有する並列共振器は、その少なくとも1つであればよい。
【0070】
実施例3のように、並列共振器P3aとグランドとの間に直列に接続されたインダクタL3を有してもよい。実施例4のように、並列共振器P3aは、他の複数の並列共振器より共振抵抗が大きくてもよい。
【0071】
図21のように、並列共振器P3の弾性波の伝搬方向を通過帯域を形成する共振器の弾性波の伝搬方向と異ならせることもできる。
【0072】
実施例1から実施例5において、共振器としては、図1(a)から図2(b)において示した弾性表面波共振器を用いることができる。また、図3(a)および図3(b)で示した圧電薄膜共振器を用いることもできる。
【0073】
実施例1から5に係るフィルタは、分波器に用いることができる。例えば、送信フィルタが送信端子と共通端子との間に接続され、受信フィルタが受信端子と共通端子との間に接続された分波器において、受信フィルタおよび送信フィルタの少なくとも1つを実施例1から5のいずれかのフィルタとすることができる。さらに、移動体通信用の通信高周波モジュールに実施例1から5のいずれかのフィルタを用いることもできる。
【0074】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0075】
10 減衰極
14、16、18 減衰極
30 受信フィルタ
32 送信フィルタ
S1〜S4 直列共振器
P1〜P4 並列共振器
L1〜L3 インダクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラダー型に接続された複数の直列共振器および複数の並列共振器と、
前記複数の直列共振器のうち少なくとも1つの直列共振器に並列に接続された第1インダクタと、
を具備し、
前記複数の並列共振器の一部は、前記複数の直列共振器と前記複数の並列共振器とが形成する通過帯域の外であって前記第1インダクタと前記少なくとも1つの直列共振器とが形成する第1減衰極の高周波数側に共振周波数および反共振周波数を有し、
前記複数の並列共振器の前記一部の少なくとも1つは、共振周波数の低周波数側に副共振の共振周波数を有することを特徴とするフィルタ。
【請求項2】
前記第1減衰極と、前記複数の並列共振器の前記一部の共振応答により形成された第2減衰極と、前記複数の並列共振器の前記一部の少なくとも1つの副共振応答により形成された第3減衰極とのすそのが重なるように減衰領域が形成されることを特徴とする請求項1記載のフィルタ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの直列共振器は単一の直列共振器であり、
前記複数の並列共振器の前記一部は、単一の並列共振器であることを特徴とする請求項1または2記載のフィルタ。
【請求項4】
前記複数の並列共振器の前記一部の少なくとも1つとグランドとの間に直列に接続された第2インダクタを具備することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載のフィルタ。
【請求項5】
前記複数の並列共振器の前記一部の少なくとも1つは、他の前記複数の並列共振器より共振抵抗が大きいことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載のフィルタ。
【請求項6】
前記複数の並列共振器は、弾性表面波共振器であり、
前記複数の並列共振器の前記一部の少なくとも1つは、他の前記複数の並列共振器とは、弾性波の伝搬方向が異なることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の記載のフィルタ。
【請求項7】
ラダー型に接続された複数の直列共振器および複数の並列共振器と、
前記複数の直列共振器のうち少なくとも1つの直列共振器に並列に接続された第1インダクタと、
を具備し、
前記複数の直列共振器の一部は、前記複数の直列共振器と前記複数の並列共振器とが形成する通過帯域の外であって前記第1インダクタと前記少なくとも1つの直列共振器とが形成する第1減衰極の低周波数側に共振周波数および反共振周波数を有し、
前記複数の並列共振器の一部は、前記通過帯域の外であって前記第1減衰極の高周波数側に共振周波数および反共振周波数を有することを特徴とするフィルタ。
【請求項8】
前記第1減衰極と、前記複数の直列共振器の前記一部の反共振応答により形成された第2減衰極と、前記複数の並列共振器の前記一部の共振応答により形成された第3減衰極と、のすそのが重なるように減衰領域が形成されることを特徴とする請求項7記載のフィルタ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの直列共振器は単一の直列共振器であり、
前記複数の直列共振器の前記一部は、単一の直列共振器であり、
前記複数の並列共振器の前記一部は、単一の並列共振器であることを特徴とする請求項7または8記載のフィルタ。
【請求項10】
前記複数の並列共振器の前記一部の少なくとも1つは、共振周波数の低周波数側に副共振の共振周波数を有することを特徴とする請求項7から9のいずれか一項記載のフィルタ。
【請求項11】
前記副共振の共振周波数は、前記複数の直列共振器の前記一部の反共振周波数より高周波数側に位置することを特徴とする請求項10記載のフィルタ。
【請求項12】
前記複数の並列共振器の前記一部の少なくとも1つとグランドとの間に直列に接続された第2インダクタを具備することを特徴とする請求項7から9のいずれか一項記載のフィルタ。
【請求項13】
前記複数の並列共振器の前記一部および前記複数の直列共振器の一部の少なくとも1つは、前記通過帯域を形成する共振器より共振抵抗が大きいことを特徴とする請求項7から9のいずれか一項記載のフィルタ。
【請求項14】
前記複数の直列共振器および前記複数の並列共振器は、弾性表面波共振器であり、
前記複数の並列共振器の前記一部および前記複数の直列共振器の一部の少なくとも1つは、前記通過帯域を形成する共振器とは、弾性波の伝搬方向が異なることを特徴とする請求項7から13のいずれか一項記載の記載のフィルタ。
【請求項15】
前記複数の直列共振器および前記複数の並列共振器は、弾性表面波共振器であることを特徴とする請求項1から5、および、7から13のいずれか一項記載のフィルタ。
【請求項16】
前記複数の直列共振器および前記複数の並列共振器は、圧電薄膜共振器であることを特徴とする請求項1から5、および、7から13のいずれか一項記載のフィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−110595(P2013−110595A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−254202(P2011−254202)
【出願日】平成23年11月21日(2011.11.21)
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)
【Fターム(参考)】