説明

フィルムベース白色基板

【課題】薄膜化や折り曲げ変形が可能で設計自由度が高く、高い光反射率を有するフィルムベース白色基板を提供すること。
【解決手段】有機絶縁性フィルムの少なくとも片面に樹脂層および金属層をこの順に有し、樹脂層を構成する樹脂組成物が、少なくとも1種の(A)熱可塑性樹脂、(B)エポキシ樹脂および(C)白色粒子を含むことを特徴とするフィルムベース白色基板。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、白色基板に関する。より詳しくは、発光ダイオード(LED)や光学センサー等を実装する際に、高い光反射率を求められる配線基板として好ましく用いられるフィルムベース白色基板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電子機器の小型化、薄型化に伴い、光源の小型化、半導体化が進んでおり、光共振器や冷陰極管から半導体レーザーやLEDへの切り替えが進んでいる。なかでも、配線基板表面にLED素子を直接実装した表面実装型LEDは、電子機器の小型化、軽量化、薄型化、低消費電力化に有利なことから、携帯電話の液晶バックライト、キー照明等に広く使用されている。近年、LEDの高輝度化がさらに進んでおり、表面実装型LEDを高密度実装した面光源が検討されている。これにより白色電球や蛍光灯に比較して小型化、低消費電力化が図れることから、これら照明装置用途においても実用化が期待されている。
【0003】
表面実装型LEDの構造の一態様を図1に示す。配線基板2上の電極3に、LED素子1を銀ペースト4により接続し、もう一方の電極5とLED素子1をボンディングワイヤー6により接続し、透明封止樹脂7によりLED素子が封止される。この配線基板2は、LED素子1が発した光を表面にて反射することでLED素子1の発光を効率よく活用させることが重要であり、白色基板と称せられる。白色基板としては、酸化チタンおよびアルミナを含有する熱硬化性樹脂を含浸したシート状ガラス繊維基材の層を加熱加圧成形した積層板(例えば、特許文献1参照)や脂環式エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂、グリシジルアクリレート系ポリマー、白色顔料、及び硬化剤を必須成分とする樹脂組成物をシート状ガラスクロス基材に含浸、乾燥させてなる白色プリプレグ(例えば、特許文献2参照)等が提案されている。これらの白色基板は、樹脂を含浸させたシート状ガラスクロス基材を加熱加圧成形することで製造される。その際、基板の厚みは通常0.2〜1mmであり、さらなる薄型化は容易ではない。また、板状であるので折り曲げることはできず、細かいサイズ、複雑な形状への加工にも手間が掛かることから、設計自由度にも乏しい。
【0004】
これらの課題に対し、特定構造のポリイミド樹脂に白色顔料を混合した樹脂組成物からなる白色樹脂層に金属層が積層されたフレキシブル金属張り白色ポリイミド積層体が提案されている(例えば、特許文献3〜4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−60321号公報(請求項1)
【特許文献2】特開2006−316173号公報(請求項1〜8)
【特許文献3】特開2006−110999号公報(請求項1〜8)
【特許文献4】特開2008−168439号公報(請求項1〜4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように、シート状ガラスクロス基材を用いた従来の白色基板は薄膜化への対応が困難であった。また、特許文献3〜4等に開示されたフレキシブル金属張り白色ポリイミド積層体は、白色樹脂層に透明性が高いポリイミド樹脂を選択して用いており、白色樹脂層が光を透過しやすいため、LED素子等の発光の反射率が不十分であった。本発明は、かかる従来技術の課題に鑑み、薄膜化や折り曲げ変形が可能で設計自由度が高く、高い光反射率を有するフィルムベース白色基板を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は主として以下の構成を有する。すなわち、有機絶縁性フィルムの少なくとも片面に樹脂層および金属層をこの順に有し、樹脂層を構成する樹脂組成物が、少なくとも1種の(A)熱可塑性樹脂、(B)エポキシ樹脂および(C)白色粒子を含むことを特徴とするフィルムベース白色基板である。
【発明の効果】
【0008】
本発明のフィルムベース白色基板は、薄膜化が可能で、フィルムベースであることから折り曲げ変形も可能で設計自由度が高く、加工性に優れる。さらに、高い光反射率を有することから、本発明のフィルムベース白色基板にLEDや光学センサーを実装することで、電子機器を小型化・薄型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】表面実装型LEDの一態様の模式図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明のフィルムベース白色基板は、チップLED、半導体レーザー、フォトカメラ、フォトダイオード等を実装するための白色基板として好ましく用いられる。
【0011】
以下、本発明の構成を詳述する。本発明のフィルムベース白色基板は、有機絶縁性フィルムの少なくとも片面に樹脂層、金属層をこの順に有する。
【0012】
有機絶縁性フィルムとしては、ポリイミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、アラミド、ポリカーボネート、ポリアリレート等のフィルムが挙げられる。有機絶縁性フィルムの厚さは、10〜175μmが好ましい。また、これらの2種以上を積層してもよい。必要に応じて、有機絶縁性フィルムに加水分解、コロナ放電、低温プラズマ、物理的粗面化、易接着コーティング処理等の表面処理を施してもよい。また、有機絶縁性フィルム表面に金属蒸着等により反射層を設けてもよく、これにより光反射率をより向上させることができる。
【0013】
金属層は、その上に回路パターンを印刷し、薬剤処理でエッチングすることによりパターン形成することができ、導体パターンとして機能する。金属層は、例えば、樹脂層上に金属箔を積層することにより形成される。金属箔としては、銅箔、アルミニウム箔、ニッケル箔、ステンレス箔、銅合金箔、アルミニウム合金箔等が用いられる。金属箔の製法には、圧延、電解等があり、いずれでも構わない。厚みは特に制限はないが、3〜105μmが好ましい。また、金属層の表層に表面処理を施してもよい。例えば、耐腐食性に優れる金属をメッキする処理や、樹脂層との密着力を向上させる微細粗面化等が挙げられる。
【0014】
本発明のフィルムベース白色基板において、樹脂層は、金属層を有機絶縁性フィルム上に保持させる役割を担う。さらには、LED素子が発した光を表面で反射することでLED素子の発光を効率よく活用させる必要があるため、白色基板においては、導体パターン形成後に露出した樹脂層の光反射率が高いことが求められる。樹脂層の厚みは、白色基板の薄型化を損なわず、明度を悪化させない限りは特に制限はないが、5〜300μmが好ましい。
【0015】
このような樹脂層を構成する樹脂組成物は、(A)熱可塑性樹脂、(B)エポキシ樹脂および(C)白色粒子を含有することを特徴とする。(A)熱可塑性樹脂と(B)エポキシ樹脂とを組み合わせることにより、光反射率を向上させることができる。さらに、(A)熱可塑性樹脂と(B)エポキシ樹脂とが非相溶で、相分離構造を有することが好ましく、光反射率をより向上させることができる。
【0016】
(A)熱可塑性樹脂は、可撓性、熱応力の緩和等の機能を有し、後述する(B)エポキシ樹脂と組み合わせることにより、光反射率を向上させることができる。(A)熱可塑性樹脂としては、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体(NBR)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(ABS)、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン−エチレン樹脂(SEBS)、アクリル酸またはメタクリル酸エステル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が例示される。(A)熱可塑性樹脂の形状は特に制限されず、微粒子状であってもよい。
【0017】
中でも可撓性、熱応力の緩和効果に優れる点から炭素数1〜8の側鎖を有するアクリル酸および/またはメタクリル酸エステル樹脂は好ましい。さらに共重合成分として、アクリロニトリル、アクリロアミド、オルガノポリシロキサンを側鎖に有するメタクリル酸エステル等を組み合わせてもよい。
【0018】
また、電気特性がよいことからポリアミド樹脂も好ましく用いられる。ポリアミド樹脂は、公知の種々のものが使用できる。特に、接着剤層に可撓性を持たせ、かつ低吸水性の炭素数が36であるジカルボン酸(いわゆるダイマー酸)を重合成分として含むものが好適である。ダイマー酸残基を含むポリアミド樹脂は、常法によるダイマー酸とジアミンの重縮合により得られるが、この際にダイマー酸以外のアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等のジカルボン酸を共重合成分として含有してもよい。ジアミンはエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン等の公知のものが使用でき、吸湿性、溶解性の点から2種以上用いてもよい。
【0019】
(A)熱可塑性樹脂は、後述の(B)エポキシ樹脂との反応が可能な官能基を有していてもよい。具体的には、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、水酸基、アルコキシ基、イソシアネート基、ビニル基、シラノール基等である。これらの官能基によりエポキシ樹脂との結合が強固になり、硬化後の樹脂膜強度が向上する。このため、実装時のワイヤーボンディング不良を低減することができ、半田リフローに対する耐熱性を向上させることができる。
【0020】
(A)熱可塑性樹脂の含有量は、熱応力緩和効果の点から、樹脂組成物中5〜50重量%が好ましい。
【0021】
(B)エポキシ樹脂は、接着性、耐熱性、絶縁性、硬化後の樹脂膜強度等の物性バランスを実現する機能を有し、前述の(A)熱可塑性樹脂と組み合わせることにより、光反射率を向上させることができる。(B)エポキシ樹脂としては、1分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであれば特に制限されないが、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、エポキシ化メタキシレンジアミン、シクロヘキサンエポキサイド等の脂環式エポキシ、ナフタレン構造を有する多官能型エポキシ樹脂、ビフェニル構造を有する多官能型エポキシ樹脂等が挙げられる。具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂として、“エピコート(登録商標)”828、“エピコート(登録商標)”1001(いずれもジャパンエポキシレジン(株)製)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂として、“エピコート(登録商標)”807、“エピコート(登録商標)”4004P(いずれもジャパンエポキシレジン(株)製)、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂として、HP7200(大日本インキ化学工業(株)製)、フェノールノボラック型エポキシ樹脂として、YDPN−638(東都化成(株)製)、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂として、“エピコート(登録商標)”180H65(ジャパンエポキシレジン(株)製)、ESCN195(住友化学(株)製)、EOCN102S、103S、104S(いずれも日本化薬(株)製)、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂として、“エピコート(登録商標)”157S65(ジャパンエポキシレジン(株)製)、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂として、EPPN501H(日本化薬(株)製)、“エピコート(登録商標)”1032(ジャパンエポキシレジン(株)製)、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂として、“エピコート(登録商標)”1031S(ジャパンエポキシレジン(株)製)等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂を2種以上用いてもよい。
【0022】
難燃性付与のために、臭素化エポキシ樹脂等のハロゲン化エポキシ樹脂を含有してもよい。臭素化エポキシ樹脂の例としては、テトラブロモビスフェノールAとビスフェノールAの共重合型エポキシ樹脂、“BREN”−S(日本化薬(株)製)等の臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらの臭素化エポキシ樹脂を2種以上用いてもよい。
【0023】
また、最近では環境影響の観点から、ハロゲンを含まないタイプのエポキシ樹脂、具体的にはリン含有エポキシ樹脂、窒素含有エポキシ樹脂も多く用いられている。難燃性付与のために、これらのエポキシ樹脂を用いてもよい。
【0024】
(B)エポキシ樹脂の含有量は、接着性、硬化後の膜強度の向上効果の点から、樹脂組成物中4〜40重量%が好ましい。
【0025】
樹脂層を構成する樹脂組成物は、さらにメラミン樹脂、キシレン樹脂、フラン樹脂、シアン酸エステル樹脂等、公知の熱硬化性樹脂を含有してもよい。
【0026】
(B)エポキシ樹脂を熱硬化させるため、樹脂組成物は硬化剤を含有することが好ましい。硬化剤としては、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂等の公知のフェノール樹脂等が挙げられる。具体的には、フェノール、クレゾール、p−t−ブチルフェノール、ノニルフェノール、p−フェニルフェノール等のアルキル置換フェノール、テルペン、ジシクロペンタジエン等の環状アルキル変性フェノール、ニトロ基、ハロゲン基、シアノ基、アミノ基等のヘテロ原子を含む官能基を有するもの、ナフタレン、アントラセン等の骨格を有するもの、ビスフェノールF、ビスフェノールA、ビスフェノールS、レゾルシノール、ピロガロール等の多官能性フェノールからなる樹脂、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジメチル−5,5’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’,3,3’−テトラクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4,4’−トリアミノジフェニルスルホン等の芳香族ポリアミン、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、水素化メチルナジック酸無水物等の酸無水物系、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のノボラック樹脂、ビスフェノールA等のビスフェノール化合物等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。硬化剤の含有量は、(B)エポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜100重量部であると、反応性の点から好ましい。
【0027】
また、必要に応じ硬化促進剤を含有してもよい。硬化促進剤としては、三フッ化ホウ素トリエチルアミン錯体等の三フッ化ホウ素のアミン錯体、2−アルキル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−アルキルイミダゾール、イミダゾールシラン等のイミダゾール誘導体、ジシアンジアミド、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、テトラフェニルホスフォニウムテトラフェニルボレート等のホスフィン系、有機ホスホニウム塩化合物、4級アンモニウム塩、スルフォニウム塩誘導体等公知のものが挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。硬化促進剤の含有量は、(B)エポキシ樹脂100重量部に対して0.3〜3.0重量部であると、硬化促進作用と保存安定性のバランスから好ましい。
【0028】
樹脂層を構成する樹脂組成物は、(C)白色粒子を含有する。(C)白色粒子としては、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、アルミナ等を挙げることができる。これらを2種以上用いてもよい。中でも光反射率に優れる点から酸化チタンが特に好ましい。(C)白色粒子の含有量は、所望する明度を達成できれば特に限定されないが、金属箔との接着強度保持の点から、樹脂組成物中80重量%以下が好ましい。
【0029】
(C)白色粒子の粒子形状、結晶性は特に制限されず、破砕系、球状、鱗片状等が用いられる。樹脂組成物中への均一分散性の点から球状が好ましく用いられる。(C)白色粒子の粒径は特に限定されないが、均一分散性および塗工性の点から平均粒径10μm以下が好ましい。なお、平均粒径は、(株)堀場製作所製LA500レーザー回折式粒度分布計で測定することができる。ここでいう平均粒径とは、球相当体積を基準とした粒度分布を測定し、累積分布をパーセント(%)で表した時の50%に相当する粒子径(メジアン径)で定義される。ここで言う粒度分布は、体積基準で粒子径表示が56分割片対数表示(0.1〜200μm)するものとする。また、測定試料は、イオン交換水中に、白濁する程度に粒子を入れ、10分間超音波分散を行なったものとする。また、屈折率1.1、光透過度を基準値(約70%程度、装置内で既に設定されている)に合わせて測定を行う。
【0030】
また(C)白色粒子には、変質防止や樹脂成分との塗れ性向上等のために、表面処理を施してもよい。具体的には、シリカ、リン酸等でのコーティングや、酸化膜付与処理、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、シラン化合物等での表面処理等が挙げられ、これらの手法を併用してもよい。
【0031】
また、樹脂組成物は、酸化防止剤、白色粒子以外の無機質充填剤、イオン捕捉剤等を含有してもよい。酸化防止剤を含有することにより、フィルムベース白色基板の樹脂層が熱や紫外線による酸化により着色することを抑制し、光反射率をより高く保つことができる。酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が挙げられる。無機質充填剤としては、シリカ、酸化マグネシウム、窒化珪素、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭化珪素、窒化アルミニウム、窒化チタン、炭化チタン、ガラス粉末等が挙げられる。無機質充填剤の平均粒径は、分散安定性の観点から、10μm以下が好ましい。イオン捕捉剤としては、アルミノケイ酸塩(天然ゼオライト、合成ゼオライト等)、水酸化物または含水酸化物(含水酸化チタン、含水酸化ビスマス等)、酸性塩(リン酸ジルコニウム、リン酸チタン等)、塩基性塩、複合含水酸化物(ハイドロタルサイト類等)、ヘテロポリ酸類(モリブドリン酸アンモニウム等)、ヘキサシアノ鉄(III)塩等が挙げられる。
【0032】
本発明のフィルムベース白色基板は、樹脂層を構成する樹脂組成物から(C)白色粒子を除いた樹脂組成物のCステージにおけるヘイズが30以上であることが好ましい。ヘイズは、透明性(曇価)の指標として用いられる。白色基板には、樹脂層の光反射率が高いことが求められる。光反射率(%)は、(反射光/入射光)×100で示され、反射光は、入射光から被検体を透過した光、ならびに被検体に吸収された光を減じたものとなるが、(C)白色粒子を除いた組成の樹脂層のヘイズが30以上であると、樹脂層を透過する光を抑え、反射光を増すことができるため、光反射率をより向上させることができる。ヘイズは厚みに影響されることもあるが、本発明においては、フィルムベース白色基板の樹脂層の厚みにおいて、上述のヘイズ値を満たすものが好ましい。
【0033】
ここでいうヘイズは、表面の凹凸による散乱の影響を除いたものであり、接着剤表面が平滑でない場合はガラス板に貼り合わせて測定する。測定サンプルは、次の方法で作製することができる。まず、フィルムベース白色基板の樹脂層を構成する樹脂組成物から(C)白色粒子を除いた樹脂組成物を得る。これを固形分濃度40重量%となるようにジメチルホルムアミド(以下、DMF)/モノクロルベンゼン/メチルイソブチルケトン(以下、MIBK)等重量混合溶剤に40℃で撹拌、溶解して樹脂組成物溶液を作製する。次にこの樹脂組成物溶液をバーコータで、シリコーン離型剤付きの厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(藤森工業(株)製“フィルムバイナ(登録商標)”GT)上に20μmの乾燥厚さとなるように塗布し、100℃1分間、さらに150℃1分間乾燥して溶剤を揮発させ、Bステージ状態の樹脂層を得る。さらに熱風オーブン中で160℃2時間加熱して硬化させ、Cステージの樹脂層を得る。ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、樹脂層単膜を測定サンプルとする。ヘイズ測定法は、JISK7105(1981)に準ずる。全光線透過率(%)をTt、拡散透過率(%)をTdとした場合、平行光線透過率(%)Tpは、Tp=Tt−Tdで表され、ヘイズ値(%)Hは、H=(Td/Tt)×100と表すことができる。測定機器はスガ試験機(株)製直読ヘーズコンピューター(型式:HGM−2DP)を使用する。
【0034】
なお、Cステージとは、樹脂組成物の反応率が90%以上である状態を示す。反応率はDSC(示差走査熱量計)測定により算出することができる。樹脂組成物をBステージ状態とした試料での発熱量Q1(mJ/mg)、ならびに加熱硬化後の試料の発熱量Q2(mJ/mg)をDSCにより測定し、反応率(%)=((Q1−Q2)/Q1)×100として算出する。測定装置としては、例えば、DSC6200(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製)を使用し、測定条件は、温度範囲25℃〜350℃、昇温速度10℃/分、試料量10mg、Al製オープンパン使用、窒素ガスフロー40ml/分にて測定できる。
【0035】
このような特性を有する樹脂層を得るためには、(A)熱可塑性樹脂と(B)エポキシ樹脂とが非相溶で、相分離構造を有することが好ましい。例えば、(A)熱可塑性樹脂として、炭素数1〜8の側鎖を有するアクリル酸および/またはメタクリル酸エステル樹脂、もしくはダイマー酸およびアジピン酸とヘキサメチレンジアミンの重縮合により得られたポリアミド樹脂を(B)エポキシ樹脂と組み合わせることにより、ヘイズの高い樹脂層を容易に得ることができる。
【0036】
本発明のフィルムベース白色基板は、導体パターン形成後に露出した樹脂層の光反射率が高いことが好ましい。樹脂層の光反射率を示す尺度として、明度(L)が挙げられる。本発明においては、金属層を除去した樹脂層面の明度が80以上であることが好ましく、85以上であることがより好ましい。金属層の除去方法は、金属層を全面除去できれば特に限定されず、酸エッチング等公知の手法による。例えば、酸エッチング液として塩化第二鉄水溶液(濃度30〜40重量%)を用い、液温30〜40℃、1〜10分間のエッチング液シャワーにより行うことができる。
【0037】
明度(L)とは、国際照明委員会(CIE)が1976年に規定した色空間、CIE1976L表色系において、白黒の度合いを示す指標として用いられ、100が完全な白色、0が完全な黒色を表す。明度(L)測定には、例えば日本電色工業(株)製色差計(型番:NR−1)を用いることができる。
【0038】
このような明度を有するフィルムベース白色基板を得る方法としては、例えば、前述の(C)白色粒子を除いた樹脂組成物のCステージにおけるヘイズが30以上となるような樹脂組成物で樹脂層を構成する方法や、(C)白色粒子を好ましくは40〜80重量%、より好ましくは50〜80重量%の範囲で含有する樹脂組成物で樹脂層を構成する方法等が挙げられる。
【0039】
次に本発明のフィルムベース白色基板の製造方法例について説明する。
【0040】
(1)樹脂組成物を溶剤に溶解した塗料を、有機絶縁性フィルム、例えばポリイミドフィルム上に塗布、乾燥する。乾燥条件は、100〜200℃、1〜5分間が好ましい。樹脂層の膜厚に応じて、塗料を2回以上塗布してもよいし、2層以上の樹脂層をラミネートにより積層してもよい。得られた樹脂層は、例えば40〜70℃で20〜200時間程度の熱処理を施して硬化度を調節してもよい。
【0041】
樹脂組成物を溶解する溶剤は特に限定されないが、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、Nメチルピロリドン等の非プロトン系極性溶剤等が挙げられる。これらを2種以上用いてもよい。
【0042】
(2)次に、有機絶縁性フィルム上の樹脂層に、金属箔、例えば銅箔をラミネートにより貼り合わせる。ラミネート条件は、80〜200℃、0.3〜5MPaが好ましい。続いて貼り合わせ後に、加熱し、樹脂層を硬化させることでフィルムベース白色基板が得られる。加熱硬化条件は、120〜200℃にて1〜8時間が好ましい。また、樹脂層/金属層間の接着力向上の点から、加熱硬化を0.1MPa以上の加圧条件下で行うことが好ましい。加圧装置としては、圧力容器、プレス装置等が用いられる。
【0043】
上記(1)(2)の手順とは異なり、先に金属箔に塗料を塗布して樹脂層を設け、そこへ有機絶縁性フィルムを貼り合わせる方法、もしくは金属箔、有機絶縁性フィルムのそれぞれに塗料を塗布して樹脂層を設け、その樹脂層面同士を貼り合わせる方法も好適に用いられる。その際も上記ラミネート条件、加熱硬化条件で行うことが好ましい。
【0044】
本発明のフィルムベース白色基板は、樹脂層、有機絶縁性フィルム層の厚みを薄くすることが容易であり、総厚み0.1mm未満の積層体を容易に得ることができる。このため、折り曲げ変形、小サイズへの打ち抜き、切断等が容易となり、設計自由度が高い。また、高い光反射率を有することから、本発明のフィルムベース白色基板にLEDや光学センサーを実装することで、電子機器を小型化・薄型化することができる。
【実施例】
【0045】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。まず、各実施例で行った評価方法について述べる。
【0046】
(1)ヘイズ:樹脂層を構成する樹脂組成物より白色粒子を除いた組成による混合物を、固形分濃度40重量%となるようにDMF/モノクロルベンゼン/MIBK等重量混合溶剤に40℃で撹拌、溶解して樹脂組成物溶液を作製した。次にこの樹脂組成物溶液をバーコータで、シリコーン離型剤付きの厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(藤森工業(株)製“フィルムバイナ”GT)上に20μmの乾燥厚さとなるように塗布し、100℃1分間、さらに150℃1分間乾燥して溶剤を揮発させ、Bステージ状態の樹脂層を得た。さらに熱風オーブン中で160℃2時間加熱して硬化させ、樹脂層をCステージ化(反応率90%以上)した。次にポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし、樹脂層単膜を測定サンプルとして、JISK7105に準じてヘイズを測定した。全光線透過率(%)をTt、拡散透過率(%)をTdとした場合、平行光線透過率(%)Tpは、Tp=Tt−Tdで表され、ヘイズ値(%)Hは、H=(Td/Tt)×100と表すことができる。なお、測定機器はスガ試験機(株)直読ヘーズコンピューター(型式:HGM−2DP)を使用した。
【0047】
(2)明度(L):白色基板の銅層を酸エッチング(塩化第二鉄38重量%水溶液、35℃、4分間シャワー)により除去して、露出させた樹脂層を日本電色工業(株)製色差計(型番:NR−1)により、CIE1976L表色系における明度(L)を測定した。
【0048】
(3)折り曲げ試験:白色基板を1回、90°折り曲げて戻した後に、銅箔、樹脂層を目視観察した。いずれの層にも割れが生じていなければ折り曲げ可能と判断した。
実施例、比較例に使用した各原材料は次の通りである。
【0049】
(A)熱可塑性樹脂
SG−P3:ナガセケムテックス(株)製、ブチルアクリレート/エチルアクリレート/アクリロニトリルを共重合成分とするエポキシ基含有アクリルゴム、重量平均分子量85万
G−0150M:日本油脂(株)製、グリシジルメタクリレートをモノマー成分とするエポキシ基含有アクリルポリマー、重量平均分子量1万 。
【0050】
合成例1(ポリアミド樹脂Aの合成)
酸としてダイマー酸PRIPOL1009(ユニケマ社製)およびアジピン酸(ダイマー酸/アジピン酸=2/1)、アミンとしてヘキサメチレンジアミンを用い、酸/アミン比を等モル量で、酸/アミン反応物100重量部に対して1重量部以下のリン酸触媒を加え、140℃で1時間、205℃で1.5時間撹拌加熱を行った。2kPaの真空下で0.5時間保持した後放冷し、ポリアミド樹脂Aを得た。ポリアミド樹脂Aの重量平均分子量は11万、酸価は0.1以下、アミン価は0.1以下であった。
【0051】
合成例2(ポリイミド樹脂Bの合成)
ピロメリット酸100重量部、純水300重量部、ロジウム担持活性炭触媒(エヌ・イーケムキャット株式会社製)36重量部をオートクレーブへ仕込み、密閉した。撹拌しながら窒素ガスで置換後、水素ガスで置換し、水素圧5.0MPa、60℃条件下で、2時間の反応を行った。反応後、窒素ガス置換を行った上で、反応液を抜き出し、濾過にて触媒分離、濾過液を減圧濃縮し、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸を得た。
【0052】
続いて、無水酢酸100重量部と上記で得られた1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸11.25重量部とをセパラブルフラスコに仕込み、窒素ガス雰囲気下で10分間溶媒を還流させながら撹拌し、その後室温冷却して結晶を析出させた。これにより1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物が得られた。
【0053】
次にディーンスターク形ソックスレー抽出器に窒素気流下、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル100重量部と、N−メチル−2−ピロリドン85重量部を仕込み、溶解後、上記で得られた1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物112重量部を室温にて1時間かけ分割投入して、さらに室温で2時間撹拌した。次に共沸脱水溶剤としてキシレン300重量部を添加して180℃に昇温して3時間反応を行い、キシレンの還流に併せ、共沸してくる生成水を分離した。1時間かけて190℃へ昇温しながらキシレンを留去した後、60℃へ降温しポリイミド樹脂B溶液を得た(濃度18重量%)。
【0054】
合成例3(ポリアミド酸Cの合成)
トランス1,4−ジアミノシクロヘキサン100重量部、N,N−ジメチルアセトアミド2982重量部を反応容器へ入れ、撹拌し溶解した後に、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物2321重量部とピロメリット酸二無水物19.1重量部を徐々に加えた。形成された塩溶液を150℃5分間撹拌した後に室温へ降温し、3時間撹拌して、透明で粘稠なポリアミド酸C溶液を得た。
【0055】
(B)エポキシ樹脂
jER828:ジャパンエポキシレジン(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190
YDCN−704:東都化成(株)製、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量210
HP−7200:大日本インキ化学工業(株)製、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、エポキシ当量260
EHPE−3150:ダイセル化学工業(株)製、脂環式エポキシ樹脂、エポキシ当量140
(C)白色粒子
CR−58:石原産業(株)製、ルチル型酸化チタン、平均粒径0.3μm
AO502:アドマテックス(株)製、アルミナ、平均粒径0.7μm
<硬化剤>
PSM4326:群栄化学工業(株)製、フェノールノボラック樹脂、水酸基当量105
DDS:4,4’−ジアミノジフェニルスルホン
<硬化触媒>
2P4MZ:四国化成工業(株)製、2−フェニル−4−メチルイミダゾール
C11Z−CN:四国化成工業(株)製、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール
DICY:ジシアンジアミド 。
【0056】
実施例1〜6
表1に示した組成となるように各組成分を配合し、固形分濃度45重量%となるようにDMF/モノクロルベンゼン/MIBK等重量混合溶剤を加え、ミキサーにて分散撹拌して均一な樹脂組成物溶液を作製した。この樹脂組成物溶液をバーコータで、厚さ2μmのポリイミドフィルム(東レデュポン(株)製“カプトン(登録商標)”V)に20μmの乾燥厚さとなるように塗布し、100℃で1分間、さらに150℃で1分間乾燥して溶剤を揮発させた。次に乾燥後の樹脂層面に1/2ozの電解銅箔(三井金属(株)製、3EC−VLP箔、18μm厚)の非光沢面を合わせるように、100℃、3MPaでラミネートした後、0.1MPaに設定した加圧容器中で160℃2時間の熱処理を行って、フィルムベース白色基板を作製した。
【0057】
比較例1〜3
表1に示した組成となるように各組成分を配合し、比較例1では固形分濃度45重量%、比較例2、3では固形分濃度70重量%となるようにDMF/モノクロルベンゼン/MIBK等重量混合溶剤を加え、ミキサーにて分散撹拌して均一な樹脂組成物溶液を作製した。この樹脂組成物溶液を0.1mm厚ガラスクロス(日東紡(株)製、WEA−116E)に含浸し、150℃で5分間乾燥して、樹脂組成物含有量50%の白色プリプレグシートを得た。これを2枚積層し、1/2ozの電解銅箔(三井金属(株)製、3EC−VLP箔、18μm厚)の非光沢面をプリプレグ側に配置し、170℃、4MPa、1時間のプレスを行い、約0.2mm厚の白色基板を作製した。
【0058】
比較例4
合成例2で得られたポリイミド樹脂B溶液100重量部(濃度18重量%)と酸化チタン9重量部(石原産業(株)製、CR−58)に、N−メチルピロリドン54重量部を加え、ミキサーにて分散撹拌して均一な樹脂組成物溶液を作製した。この樹脂組成物溶液をバーコータで、1/2ozの電解銅箔(三井金属(株)製、3EC−VLP箔、18μm厚)の非光沢面上へ25μmの乾燥厚さとなるように塗布し、100℃で1時間、さらに220℃で2時間の乾燥を施して溶剤を揮発させ、白色基板を作製した。
【0059】
比較例5
合成例3で得られたポリアミド酸C溶液へ酸化チタン(石原産業(株)製、CR−58)を樹脂層中の30重量%となるように加えて、混合分散し、白色顔料含有ポリアミド酸液を得た。得られた液を、1/2ozの電解銅箔(三井金属(株)製、3EC−VLP箔、18μm厚)の非光沢面上へ塗布し、90℃で25分間熱風乾燥し、200℃で3分間熱処理した後、350℃まで20秒間かけて昇温し、350℃で7分間熱処理し、5分間かけて室温まで冷却して、イミド化反応を経たポリイミド樹脂に白色顔料が分散された白色ポリイミド樹脂層を有する白色基板を作製した。
【0060】
各実施例および比較例の評価結果を表1に示す。
【0061】
【表1】

【0062】
表1から明らかなように、本発明により得られたフィルムベース白色基板は、折り曲げ変形が可能で、高い光反射率を有する。
【符号の説明】
【0063】
1 LED素子
2 配線基板
3、5 電極
4 銀ペースト
6 ボンディングワイヤー
7 透明封止樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機絶縁性フィルムの少なくとも片面に樹脂層および金属層をこの順に有し、樹脂層を構成する樹脂組成物が、少なくとも1種の(A)熱可塑性樹脂、(B)エポキシ樹脂および(C)白色粒子を含むことを特徴とするフィルムベース白色基板。
【請求項2】
前記樹脂層を構成する樹脂組成物から(C)白色粒子を除いた樹脂組成物のCステージにおけるヘイズが30以上であることを特徴とする請求項1記載のフィルムベース白色基板。
【請求項3】
前記金属層を除去した樹脂層表面を測定した明度(L*)が80以上であることを特徴とする請求項1または2記載のフィルムベース白色基板。

【図1】
image rotate


【公開番号】特開2011−5714(P2011−5714A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−150665(P2009−150665)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000003159)東レ株式会社 (7,677)
【Fターム(参考)】