説明

フリルメチレンマロンアミド化合物及びその塩、紫外線吸収剤、皮膚外用剤

【課題】水溶性が高く、紫外線波長領域において優れた吸収能を有し、且つ可視領域には吸収がなく、しかも安定性に優れた新規化合物の提供。
【解決手段】下記一般式(1)で表されるフリルメチレンマロンアミド化合物及びその塩。


(式中、R、R、Rは各々独立して、水素原子又は炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基を表し、R、Rは各々{(CH)−O}−Rを表し、Rは水素原子または炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基を表す。mは2〜4、nは1〜5の整数である。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフリルメチレンマロンアミド化合物及びその塩、特に該化合物からなる紫外線吸収剤、これを有効成分として含む紫外線吸収性組成物、及びこれを配合した皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光に含まれる紫外線のうち、290nm以下の波長の紫外線はオゾン層によって吸収され地表に到達しないが、290nm〜400nmの紫外線は地表に到達して様々な影響を及ぼす。皮膚科学的には、290nm〜320nmの中波長紫外線は紅斑や水泡の形成、メラニン形成亢進、色素沈着等を引き起こすことが知られている。また、320nm〜400nmの長波長紫外線は、照射直後に皮膚を黒化させる即時黒化作用を有し、また、そのエネルギーが真皮にまで達するため、血管壁や結合組織中の弾性繊維にも影響を及ぼすとされる。これらの中〜長波長紫外線の作用は、皮膚の老化を促進し、しみ、そばかす、しわ等の形成の一因であると考えられている。
【0003】
このような紫外線から皮膚を保護するために、従来からベンゾトリアゾール誘導体、ベンゾフェノン誘導体、サリチル酸誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、桂皮酸誘導体、ウロカニン酸誘導体等の紫外線吸収剤が利用されてきた。
【0004】
しかしながら、これらの紫外線吸収剤は一般に油溶性であり、水性ベースの製品に配合することはできなかった。最近では夏の水浴や冬のスキー場などの使用に限らず、日常生活においても紫外線防御が重要と考えられており、通常のスキンケア化粧品でも紫外線防止効果のあるものが望まれている。従って、化粧水等の水系のスキンケア化粧品にも十分量配合できる水溶性紫外線吸収剤の開発が望まれている。
【0005】
これまで水溶性の紫外線吸収剤は数少なく、現在使用されているものでは、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルフォキソニウムベンゾフェノンナトリウムが知られている。しかし、該物質はスルホン酸塩であるために配合系のpHに影響を与え、また、配合系のpHにより紫外線吸収領域が変化する問題があった。また、該物質は水溶性ではあるものの、その溶解度は25℃で約6%に過ぎず、製品中に高濃度に配合すると低温で析出するという問題があった。さらに、該物質は可視光領域においても吸収を有するので、淡黄色に着色しており、製品の色調に影響を与えるという欠点があった。
【0006】
さらに、水溶性の紫外線吸収剤として、特許文献1には、2−デオキシヘキソース残基を有するp−アミノ安息香酸アミド誘導体が開示されている。また特許文献2には、2−デオキシヘキソース残基を有する桂皮酸アミドが開示されている。しかしがら、これらの物質の水への溶解性は低く、十分に満足できるものではなかった。
【0007】
一方、紫外線吸収剤は、医薬品や化粧料以外の分野でも使用されており、例えば、塗料、染料、顔料、各種樹脂、合成ゴム、ラテックス、フィルム、繊維等の各種材料に添加して紫外線吸収能を付与し、製品自体を、あるいはその塗膜やフィルムで被覆された製品を紫外線から保護し、紫外線による劣化、変質等を防止して、品質を維持するために用いられている。しかし、従来の紫外線吸収剤では、塗膜の焼き付け時や樹脂の成型時等に加熱によって昇華して揮散したり、加熱しなくとも経時的に徐々に揮散して効果が低下するという問題もあった。
また、紫外線吸収剤を皮膚外用剤に配合する場合には、その化合物自体が日光曝露によって分解されない安定性も重要である。
【特許文献1】特開平10−120698号公報
【特許文献2】特開2002−363195号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述の事情に鑑みなされたものであり、その課題は、水溶性が高く、幅広い紫外線波長領域にわたって優れた紫外線吸収能を有し、可視領域にはその吸収が無く、安定性に優れた化合物、該化合物からなる紫外線吸収剤、該化合物を有効成分として含む紫外線吸収性組成物、及び該化合物を配合した皮膚外用剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を達成するために本発明者等が鋭意研究を行った結果、下記一般式(1)で表されるフリルメチレンマロンアミド化合物及びその塩を合成し、その性質について調査を行ったところ、該化合物が幅広い紫外線波長領域にわたって優れた紫外線吸収能を有し、可視領域にはその吸収が無く、水溶性、安定性に優れたものであることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明の第一の主題は、下記一般式(1)で表されるフリルメチレンマロンアミド化合物及びその塩を提供するものである。
【化3】

(式中、R、R、Rは各々独立して、水素原子又は炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基を表し、R、Rは各々{(CH)−O}−Rを表し、Rは水素原子または炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基アルキル基を表す。mは2〜4、nは1〜5の整数である。R、Rは同一であっても又は異なってもよい。)
【0011】
また、本発明の第二の主題は、上記一般式(1)のフリルメチレンマロンアミド化合物及び/またはその塩からなる紫外線吸収剤を提供するものである。
さらに、本発明の第三の主題は、上記一般式(1)のフリルメチレンマロンアミド化合物及び/またはその塩を有効成分として含有する紫外線吸収性組成物を提供するものである。
【0012】
また、本発明の第四の主題は、上記一般式(1)のフリルメチレンマロンアミド化合物及び/またはその塩を有する皮膚外用剤を提供するものである。
前記皮膚外用剤に、さらに無機粉体を含有することが好適である。
【発明の効果】
【0013】
本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物及びその塩は、幅広い紫外線波長領域にわたって高い紫外線吸収能を有し、該化合物自体の構造も安定性に優れているため、安定性に優れた紫外線吸収剤として効果的に用いることができる。また、該化合物は水溶性に優れているため、水性ベースの製品に配合することができる。したがって該化合物を配合することにより、紫外線防止効果および安定性に優れた紫外線吸収性組成物および皮膚外用剤を得ることができる。
また、本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物及びその塩は、可視部に吸収を持たないために、該化合物を製品に配合した場合に着色することがなく、経時的な外観上の変化がみられない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物及びその塩は下記一般式(1)で表されるものである。
【化4】

(式中、R、R、Rは各々独立して、水素原子又は炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基を表し、R、Rは各々{(CH)−O}−Rを表し、Rは水素原子または炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基を表す。mは2〜4、nは1〜5の整数である。R、Rは同一であっても又は異なってもよい。)
【0015】
上記一般式(1)で表されるフリルメチレンマロンアミド化合物及びその塩において、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基を表す。具体的にはメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソプロピル基等が挙げられる。これらのうち、R、R、Rはそれぞれ独立して水素原子、メチル基、エチル基のいずれかから選択されることが好適である。
【0016】
また、本発明にかかる上記一般式(1)で表されるフリルメチレンマロンアミド化合物及びその塩において、R、Rは各々{(CH)−O}−Rを表し、Rは水素原子または炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基を表す。炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソプロピル基等が挙げられる。本発明においては、Rが水素原子であることが好ましい。また、R、Rは同一であっても又は異なってもよい。
mは2〜4の整数、nは1〜5の整数であることを特徴とする。本発明においては、mが2であることが好適であり、またnが2であることが好適である。
【0017】
本発明においては、R、Rが各々{(CH)−O}−Hであることが特に好適であり、すなわち下記一般式(2)で表されるものである。
【化5】

上記一般式(2)で表される化合物において、式中のR、R、Rは前述と同様の特徴を有する物であり、この範囲においていずれのものであってもよい。
【0018】
本発明にかかる上記一般式(1)で表されるフリルメチレンマロンアミド化合物及びその塩の化学名は、R、R、R、及びRにより異なるが、例えば、2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド、N,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−2−[(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミド、2−[(5−エチル−2−フリル)メチレン]−N,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド、2−[(4,5−ジメチル−2−フリル)メチレン]−N,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド等である。なお、これらの化合物の構造は、順に下記化合物(3)〜(6)に相当する。前記一般式(2)で表される化合物として、例えば、下記化合物(3)〜(6)等が挙げられる
【化6】

【0019】
本発明にかかる一般式(1)で表されるフリルメチレンマロンアミド化合物は、公知の合成反応を用いて製造することができる。
以下にその代表的は製法を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下の製法において特に明記しない限り、R、R、R、R、R、Rは上記一般式(1)の定義の通りである。
【0020】
<製法1>
【化7】

【0021】
まず、上記製法1について説明する。第1段階として、上記一般式(7)で表される置換基を有していてもよい2−フルアルデヒド(フルフラール)と、上記一般式(8)で表されるマロン酸エステル(例えば、Rがエチル基の場合、マロン酸ジエチル)との公知の縮合反応により、上記式(9)で表される化合物を合成することができる。式(7)の化合物に対して、モル比で約1当量の式(8)の化合物を用いることが好ましい。
この縮合反応に用いる反応溶媒として、例えばトルエン、ベンゼン、ピリジン等を単独あるいはこれらの混合溶媒を適宜選択して用いることができる。反応触媒としては、例えば、ピペリジン、酢酸、酢酸アンモニウム等を単独又は組み合わせて用いることが可能である。反応溶媒は、通常の合成反応における濃度となる量で用いることが好ましく、例えば、化合物(7)に対して、1〜50の質量比である。また、用いる反応触媒の添加量は、通常の反応の触媒量に準じればよく、例えば、式(7)の化合物に対して、モル比で0.01〜0.9の量である。反応溶媒中で前記式(7)、(8)の化合物、及び反応触媒を混合した後に還流させて、式(9)の化合物が得られる。
【0022】
続いて、第2段階として、式(9)の化合物に対して、アミンNH−Rおよび/またはNH−Rを加熱条件下にて反応させることにより、目的の式(1)のフリルメチレンマロンアミド化合物を合成することができる。このときの反応温度は50〜200℃であることが好ましい。式(9)の化合物に対して、RとRが同一の場合はアミンNH−R、またはNH−Rのどちらか一方を、モル比で約2当量用いることが好ましい。RとRが異なる場合は、まず、どちらか一方をモル比で約1当量反応させた後、他方をモル比で約1当量反応させることが好ましい。
【0023】
また、式(9)の化合物を加水分解して、式(10)のジカルボン酸とした後、アミンNH−Rおよび/またはNH−Rと公知のアミド結合生成法により、容易に合成することもできる。すなわち、そのカルボキシル基を活性化して活性化体として、その活性化体に、アミンNH−Rおよび/またはNH−Rを反応させることにより、式(1)のフリルメチレンマロンアミド化合物を合成できる。
カルボキシル基を活性化する方法としては、下記(i)〜(iii)等の方法を用いることが可能である。
(i)p−ニトロフェニルエステル、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル等を用いる活性エステル法。
(ii)塩化イソブチルオキシカルボニル、塩化エチルオキシカルボニル等を用いる炭酸モノアルキルエステルとの混合酸無水物を用いる混合酸無水物法。
(iii)三塩化リン、五塩化リン、塩化チオニル等と反応させて得られる酸塩化物を用いる酸塩化物法。
【0024】
さらに、式(10)のジカルボン酸とアミンNH−Rおよび/またはNH−Rとの混合溶液に、カップリング試薬を加えてカップリングさせることにより、式(1)のフリルメチレンマロンアミド化合物を合成することもできる。カップリング試薬としてはN,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N−ヒドロキシスクシンイミドとDCC、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールとDCC等を用いることが可能である。
【0025】
また、下記に示す製法2により製造することも可能である。
<製法2>
【化8】

【0026】
すなわち、第1’段階として、式(8)で表されるマロン酸エステルとアミンNH−Rおよび/またはNH−Rを反応させ、式(11)で表されるジアミド化合物を合成する。また、マロン酸とアミンNH−Rおよび/またはNH−Rを、公知のアミド結合生成法により式(11)のジアミド化合物を合成することも可能である。アミド結合生成法の具体的な方法は前述のとおりである。式(8)の化合物に対して、RとRが同一の場合はアミンNH−R、またはNH−Rのどちらか一方を、モル比で約2当量用いることが好ましい。RとRが異なる場合は、まず、どちらか一方をモル比で約1当量反応させた後、他方をモル比で約1当量反応させることが好ましい。
さらに第2’段階として、式(11)のジアミド化合物と置換基を有していてもよい2−フルアルデヒド(フルフラール)を公知の縮合反応を行い、式(1)のフリルメチレンマロンアミド化合物を合成することが可能である。この縮合反応に用いる反応溶媒として、例えばトルエン、ベンゼン、ピリジン等を単独あるいはこれらの混合溶媒を適宜選択して用いることができる。反応触媒としては、例えば、ピペリジン、酢酸、酢酸アンモニウム等を単独又は組み合わせて用いることが可能である。反応溶媒は、通常の合成反応における濃度となる量で用いることが好ましく、例えば、化合物(7)に対して、1〜50の質量比である。また、用いる反応触媒の添加量は、通常の反応の触媒量に準じればよく、例えば、式(7)の化合物に対して、モル比で0.01〜0.9の量である。反応溶媒中で前記式(7)、(11)の化合物、及び反応触媒を混合した後に還流させて、式(1)の化合物が得られる。
【0027】
上記の製法に必要な化合物は、フルフラール(東京化成工業株式会社製)、5−メチル−2−フルアルデヒド(東京化成工業株式会社製)、マロン酸ジエチル(和光純薬工業株式会社製)、2−(2−アミノエトキシ)エタノール(東京化成工業株式会社製)等の市販品を用いることができる。
【0028】
本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物は、常法に従い、無機塩又は有機塩とすることができる。その塩は特に限定されないが、例えば、無機塩としては、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩等が挙げられる。有機塩としては、酢酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、トリエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、アミノ酸塩等が挙げられる。
【0029】
本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物及び/またはその塩は紫外線吸収剤として有用である。またフリルメチレンマロンアミド化合物及び/またはその塩を有効成分として配合し、他の種々の物質と混合して紫外線吸収性組成物を構成することもできる。
また、前記紫外線吸収剤及び紫外線吸収性組成物は、紫外線吸収効果を発揮する種々の製品に配合可能である。特に皮膚外用剤に配合することが好適である。
本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物及び/またはその塩を配合した皮膚外用剤は、優れた紫外線防止効果を発揮し、また、日光曝露下においても紫外線吸収剤が分解しないので、その効果が長時間にわたって安定に発揮される。また、可視領域を吸収しないので製品の着色もなく、外観上の経時変化もみられない。外観の経時変化は使用者にとって、時として期待する効果のマイナスイメージに繋がる傾向にあるため、このような特徴は有利な効果といえる。さらに、皮膚トラブルも生じることがなく、特にサンスクリーン用皮膚外用剤として極めて有用である。
【0030】
サンスクリーン用皮膚外用剤においては、その紫外線遮蔽効果を高めるために、有機化合物系紫外線吸収剤とともに無機粉体系紫外線遮蔽剤を併用することが望まれる。また、メーキャップ化粧料においても無機粉体が配合されることが多い。しかしながら、有機系紫外線吸収剤を無機粉体と併用すると変色が起こる場合がある。
本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物及び/またはその塩は、無機粉体とともに皮膚外用剤に配合した場合でも変色を生じず、無機粉体との併用が可能である。
【0031】
本発明に用いる無機粉体としては、通常化粧料や医薬品に配合されるものであれば特に限定されない。例えば、タルク、カオリン、窒化ホウ素、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、黒雲母、金雲母、合成雲母、合成マイカ、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、酸化アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム、焼セッコウ、リン酸カルシウム、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム等)等の無機粉末の他、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、チタン酸鉄、カーボン、低次酸化チタン、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト、群青、紺青、酸化チタン被覆マイカ、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、着色酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等の無機顔料が挙げられる。
特に日焼け止め化粧料等のサンスクリーン用皮膚外用剤には微粒子酸化チタンや微粒子酸化亜鉛が好ましく配合される。
【0032】
本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物及び/またはその塩を皮膚外用剤に配合する場合、その配合量は所望の紫外線吸収能に応じて適宜決定すれば良く、特に限定されない。通常、皮膚外用剤全量に対して0.001〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜10質量%である。
また、無機粉体の配合量も限定されない。皮膚外用剤の製品に応じて適宜決定され、通常、皮膚外用剤全量に対して0.1〜99.5質量%程度が配合される。例えば、サンスクリーン用皮膚外用剤を調製する場合には、無機粉体は全量に対して0.1〜30質量%程度配合されることが好ましい。
【0033】
本発明の皮膚外用剤の製品形態は特に制限されない。例えば、化粧水、乳液、クリーム、美容液、セルフタニング剤等のスキンケア化粧料の他、下地用化粧料、ファンデーション、口紅、フェイスカラー、アイライナー等のメーキャップ化粧料、ヘアスプレー、ヘアトニック、ヘアリキッド等の頭髪用、頭皮用化粧料等が挙げられる。
【0034】
本発明の皮膚外用剤には、上記必須成分の他に、通常化粧品や医薬品に配合可能な成分、例えば、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル類、シリコーン類、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子化合物、増粘剤、被膜剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖類、アミノ酸類、有機アミン類、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン類、酸化防止剤、香料、粉末、色材、水等を必要に応じて適宜配合することができる。なお、本発明の皮膚外用剤にはフリルメチレンマロンアミド化合物及びその塩以外の紫外線吸収剤を組み合わせて配合することも可能である。
【0035】
また、本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物及び/またはその塩は、皮膚外用剤以外の製品、例えば、塗料、染料、顔料、各種樹脂、合成ゴム、ラテックス、フィルム、繊維等に配合して、紫外線を防御することが可能である。本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物及びその塩ないし紫外線吸収剤を各種の製品に配合する際には、その他の原料化合物と混合したり水溶液を調製したりして紫外線吸収性組成物を調製し、これを配合することも可能である。
本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物及びその塩は熱安定性にも優れ、揮散しないため、その効力を長時間維持することができる。各種製品や紫外線吸収性組成物におけるフリルメチレンマロンアミド化合物及び/またはその塩の配合量は、通常0.001〜20質量%、好ましくは0.01〜10質量%である。
【実施例1】
【0036】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1−1:2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミドの合成
【化9】

【0037】
(1)N,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミドの合成
マロン酸ジエチル(3.59mL、23.78mmol)と2−(2−アミノエトキシ)エタノール(5.00g、4.56mmol)を130℃で6時間攪拌した。放冷後濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=20/1)にて精製し、N,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミドを得た(6.58g、収率99%)。
得られた化合物をH−NMR(ECP400、JEOL社製)により同定した。また、テトラメチルシラン(TMS)を内部標準として用いた。化学分析値は次の通りである。
H−NMR(DMSO−d、TMS、ppm)
δ:7.98(t,J=4.8Hz,2H)、4.49(t,J=5.3Hz,2H)、3.52−3.48(m,4H)、3.44−3.41(m,8H)、3.25−3.17(m,4H)、3.05(s,2H)。
【0038】
(2)2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミドの合成
,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド(0.50g、1.80mmol)にトルエン(6mL)、フルフラール(0.15mL、1.80mmol)、ピペリジン(0.09mL、0.90mmol)を加えた。反応液を7時間還流させた後、放冷し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=25/1)にて精製し、2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミドを得た(0.51g、収率80%)。
得られた化合物をH−NMR(ECP400、JEOL社製)により同定した。また、テトラメチルシラン(TMS)を内部標準として用いた。化学分析値は次の通りである。
H−NMR(DMSO−d、TMS、ppm)
δ:8.42(t,J=5.8Hz,1H)、7.77(d,J=1.9Hz,1H)、7.53(t,J=5.8Hz,1H)、7.18(s,1H)、6.86(d,J=3.4Hz,1H)、6.58(dd,J=1.9Hz,J=3.4Hz,1H)、4.50−4.47(m,2H)、3.55−3.31(m,16H)。
【0039】
実施例1−2:N,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−2−[(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミドの合成
【化10】

【0040】
,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド(0.70g、2.52mmol)にトルエン(6mL)、フルフラール(0.25mL、2.52mmol)、ピペリジン(0.04mL、0.50mmol)、酢酸(0.09mL、1.51mmol)を加えた。反応液を3時間還流させた後、放冷し、濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=25/1)にて精製し、N,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−2−[(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミドを得た(0.18g、収率19%)。
得られた化合物をH−NMR(ECP400、JEOL社製)により同定した。また、テトラメチルシラン(TMS)を内部標準として用いた。化学分析値は次の通りである。
H−NMR(DMSO−d、TMS、ppm)
δ:8.37(t,J=5.8Hz,1H)、7.49(t,J=5.8Hz,1H)、7.13(s,1H)、6.77(d,J=2.9Hz,1H)、6.22(d,J=2.9Hz,1H)、4.50−4.48(m,2H)、3.56−3.41(m,12H)、3.39−3.30(m,4H)、2.29(s,3H)。
【0041】
評価1:紫外線波長領域の吸光度の測定
本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物の紫外線吸収スペクトル(溶媒:水、濃度10ppm、光路長1cm)を分光光度計(日本分光株式会社製 V-560)にて測定した。その結果を下記表1に示す。表1より明らかなように、本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物は紫外線波長領域(290〜400nm)において優れた吸収能を有することが確認された。
【表1】

【0042】
評価2:可視光領域の吸光度の測定
本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物の405nmの可視光の吸光度(溶媒:水、光路長1cm)を分光光度計(日本分光株式会社製 V-560)にて測定した。また、比較例として、従来の水溶性紫外線吸収剤である2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルフォキソニウムベンゾフェノンナトリウムも同様に測定した。その結果を下記表2に示す。
【0043】
【表2】

【0044】
上記表2から明らかなように、本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物は、400nmより長波長側の可視領域においては吸収を示さない。そのため、結晶は白色でその水溶液は無色透明であった。
一方、比較化合物は可視領域において吸収を有するため、結晶は淡黄色、水溶液は黄色にそれぞれ着色しており、製品の着色を避けるためには配合量が制限され、その結果十分な紫外線吸収効果を期待することはできない。
【0045】
評価3:水への溶解性
本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物の水への溶解性を測定した。また、比較例として2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルフォキソニウムベンゾフェノンナトリウムについても同様に測定した。その結果を表3に示す。
【0046】
【表3】

【0047】
上記表3より明らかなように、本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物は水への溶解性に優れ、高濃度に配合することが可能である。一方、比較化合物は水溶性が低く、高濃度に配合することは困難である。高濃度に配合すると低温保存で析出してしまう傾向があり、それを避けるために配合量を制限すれば、その結果十分な紫外線吸収効果を期待することはできない。
【0048】
評価4:紫外線防止効果
本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物を用いて、下記のとおりに試料を調製し、実試験を実施した。また、試料の外観も併せてその結果を下記表4および表5に示す。
<試料の調製>
下記の処方の(a)ローションと(b)クリームを調製した。紫外線吸収剤としては、本発明の実施例1−1;2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド、及び実施例1−2;N,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−2−[(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミド)と、比較例として水溶性紫外線吸収剤の2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルフォキソニウムベンゾフェノンナトリウムを使用した。
【0049】
(a)ローション
(アルコール相)
95%エタノール 25.0 質量%
POE(25)硬化ヒマシ油 2.0
防腐剤 適 量
香料 適 量
(水相)
紫外線吸収剤 1〜10
グリセリン 5.0
ヘキサメタリン酸ナトリウム 適 量
イオン交換水 残 余
(製法)
水相、アルコール相をそれぞれ調製後、混合した。
【0050】
(b)クリーム
ステアリルアルコール 7.0 質量%
ステアリン酸 2.0
水添ラノリン 2.0
スクワラン 5.0
2−オクチルドデシルアルコール 6.0
POE(25)セチルエーテル 3.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0
プロピレングリコール 5.0
紫外線吸収剤 1〜10
香料 適 量
亜硫酸水素ナトリウム 適 量
エチルパラベン 0.3
イオン交換水 残 余
(製法)
イオン交換水にプロピレングリコールと紫外線吸収剤を加えて溶解し、加熱して70℃に保った(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、よくかきまぜながら30℃まで冷却した。
【0051】
<試験方法>
夏期の海辺で実使用テストを行った。パネルの背中に各試料を等量づつ塗布した。直射日光曝露後の日焼けの程度を以下の判定基準に従って評価した。なお、1群10名で行った。
(判定基準)
著効:全くあるいはほとんど日焼け症状が認められなかった。
有効:軽度の日焼け症状が認められた。
無効:強度の日焼け症状が認められた。
(判定)
A:著効又は有効の被験者が80%以上。
B:著効又は有効の被験者が50%以上80%未満。
C:著効又は有効の被験者が30%以上50%未満。
D:著効又は有効の被験者が30%未満。
【0052】
【表4】

【0053】
【表5】

【0054】
上記表4及び表5より明らかなように、本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物を配合した皮膚外用剤は、従来の水溶性紫外線吸収剤を配合した場合よりも優れた紫外線防止効果を有していた。また、低温保存時にも紫外線吸収剤の析出は全く認められなかった。
【0055】
以上のように、本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物は、水溶性が極めて高く、紫外線波長領域において優れた吸収能を有する。
また、400nm以上の可視光は全く吸収しないので白色であり、その水溶液は無色透明であるため、製品に対して着色の問題がない。
さらに、水溶性が非常に高いため、製品中に多量に配合することが可能であり、その場合にも経時的な析出の問題を生じない。また、配合系のpHにも影響を与えない。従って、本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物は、水溶性の紫外線吸収剤として非常に有用な化合物である。
そこで本発明者等は、本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物が、皮膚外用剤に配合した場合の好適な条件を調べるために、皮膚刺激性、光安定性、及び無機粉体の影響についてさらに検討を行った。
【0056】
評価5:皮膚刺激性試験
上記評価4と同一の試料(紫外線吸収剤の配合量は10質量%)を用いて以下のとおりに試験を行った。その結果を下記表6に示す。
<試験方法>
健常な男性及び女性志願者の前腕屈側部にフィンチャンバ−を用いて24時間閉塞パッチテストを1群20名で行い、次の判定基準で判定した。
(判定基準)
皮膚反応の程度 スコア
反応なし(陰性) 0
軽い紅斑(疑陰性) 1
紅斑(弱陽性) 2
紅斑+浮腫(中等度陽性) 3
紅斑+浮腫+丘疹(強陽性) 4
大水泡(最強度陽性) 5
(判定)
20名のスコアの合計点を人数で割って求められる平均スコアを求め、次の基準で判定した。
A:平均スコアが0。
B:平均スコアが0より大きく1未満。
C:平均スコアが1以上2未満。
D:平均スコアが2以上。
【0057】
【表6】

【0058】
上記表6から明らかなように、本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物を配合した皮膚外用剤は、パッチテストにおいて皮膚刺激性が全くなく、安全性に非常に優れることが確認された。
【0059】
評価6:光安定性試験
本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物の水溶液を日光に2週間曝露(日射被爆量80MJ/m)後、残存率及び外観の変化を調べるとともに紫外線吸収スペクトル(溶媒:水、濃度10ppm、光路長1cm)を分光光度計にて測定し、紫外線吸収スペクトルの290nm〜400nmの範囲を積分処理して面積値を求め、日光曝露前と比較した。その結果を下記表7に示す。
(判定)
残存率及び紫外線吸収スペクトルの面積値の変化を次の基準で判定した。
A:日光曝露前の95%以上。
B:日光曝露前の90%以上95%未満。
C:日光曝露前の70%以上90%未満。
D:日光曝露前の70%未満。
【0060】
【表7】

【0061】
上記表7から明らかなように、本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物は、従来の水溶性紫外線吸収剤に比べて長時間の直射日光曝露によっても分解されず、非常に高い残存率を示した。
また、紫外線吸収スペクトルの形状や面積値にも変化はなく、外観においても着色や析出などは認められなかった。
【0062】
評価7:無機粉体系紫外線遮蔽剤との併用時の安定性試験
下記の処方でサンスクリーンクリームを製造し、これらを50℃で2ヶ月間保存し、目視により変色を観察することにより、無機粉体系紫外線遮蔽剤との併用時の安定性について検討した。その結果を下記表8に示す。
「サンスクリーンクリーム」
(1)エチルセルロース 1.0質量%
(2)エタノール 5.0
(3)コハク酸2−エチルヘキシル 24.0
(4)二酸化チタン 1.0
(5)多孔性無水ケイ酸粉末 1.0
(6)球状ナイロン粉末 1.0
(7)タルク 1.0
(8)セリサイト 1.0
(9)窒化ホウ素 1.0
(10)シリコーン処理マイカ 1.0
(11)紫外線吸収剤 10.0
(12)カルボキシメチルセルロース 1.0
(13)イオン交換水 残 余
(14)防腐剤 適 量
(15)香料 適 量
<製法>
(1)に(2)を加え十分に膨潤させた後、(3)〜(10)を加え加熱混合し、十分に分散及び溶解した。この分散液を70℃に保ち、(11)〜(15)を混合した溶液を徐々に加えながらホモミキサーで均一に乳化した後、よくかき混ぜながら30℃まで冷却し、サンスクリーンクリームを得た。
【0063】
【表8】

【0064】
上記表8から明らかなように、従来の水溶性紫外線吸収剤は無機粉体を併用すると黄色が濃く変色したが、本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物を配合した皮膚外用剤は無機粉体を併用しても変色は認められなかった。
以上のように、本発明のフリルメチレンマロンアミド化合物は、皮膚刺激性がなく、光安定性にも優れ、また、無機粉体との併用でも変色を生じない。
従って、本発明の紫外線吸収剤は、皮膚外用剤に配合可能な紫外線吸収剤として非常に有用である。
【実施例2】
【0065】
以下、本発明の皮膚外用剤の実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、配合量は全て質量%で示す。
処方例1:化粧水
(アルコール相)
エタノール 10.0
オレイルアルコール 0.1
POE(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル 0.5
POE(15)ラウリルエーテル 0.5
防腐剤 適 量
香料 適 量
(水相)
2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド 10.0
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸 3.0
水酸化ナトリウム 0.4
1,3−ブチレングリコール 6.0
グリセリン 4.0
4,5−ジモルホリノ−3−ヒドロキシピリダジン 0.3
イオン交換水 残 余
(製法)
水相、アルコール相をそれぞれ調製後、混合し目的の化粧水を得た。
【0066】
処方例2:化粧水
(アルコール相)
エタノール 10.0
オレイルアルコール 0.1
POE(20)ソルビタンモノラウリン酸エステル 0.5
POE(15)ラウリルエーテル 0.5
防腐剤 適 量
香料 適 量
(水相)
,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]
−2−[(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミド 5.0
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸 3.0
水酸化ナトリウム 0.4
1,3−ブチレングリコール 6.0
グリセリン 4.0
テレフタリリデンジカンフルスルホン酸 1.0
4,5−ジモルホリノ−3−ヒドロキシピリダジン 0.3
イオン交換水 残 余
(製法)
水相、アルコール相をそれぞれ調製後、混合し目的の化粧水を得た。
【0067】
処方例3:化粧水
(アルコール相)
エタノール 10.0
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルエステル 0.5
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 0.5
4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 0.5
2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−
ジフェニルアクリレート 0.5
POE(20)オレイルエーテル 0.5
防腐剤 適 量
香料 適 量
(水相)
ジプロピレングリコール 6.0
ソルビット 4.0
PEG1500 5.0
2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド 20.0
テレフタリリデンジカンフルスルホン酸 1.0
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸 3.0
トリエタノールアミン 1.8
メチルセルロース 0.2
クインスシード 0.1
イオン交換水 残 余
(製法)
イオン交換水の一部にメチルセルロース及びクインスシードを混合、攪拌し、粘稠液を調製する。イオン交換水の残部と他の水相成分を混合溶解し、これに前記の粘稠液を加えて、均一な水相を得た。アルコール相を調製後、水相に添加し、目的の化粧水を得た。
【0068】
処方例4:化粧水
(アルコール相)
エタノール 10.0
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルエステル 0.5
4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 0.5
2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−
ジフェニルアクリレート 0.5
POE(20)オレイルエーテル 0.5
防腐剤 適 量
香料 適 量
(水相)
ジプロピレングリコール 6.0
ソルビット 4.0
PEG1500 5.0
2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド 7.0
,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]
−2−[(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミド 7.0
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸 3.0
トリエタノールアミン 1.8
メチルセルロース 0.2
クインスシード 0.1
イオン交換水 残 余
(製法)
イオン交換水の一部にメチルセルロース及びクインスシードを混合、攪拌し、粘稠液を調製する。イオン交換水の残部と他の水相成分を混合溶解し、これに前記の粘稠液を加えて、均一な水相を得た。アルコール相を調製後、水相に添加し、目的の化粧水を得た。
【0069】
処方例5:クリーム
ステアリン酸 5.0
ステアリルアルコール 4.0
イソプロピルミリステート 18.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 3.0
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルエステル 10.0
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 5.0
4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 3.0
2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−
ジフェニルアクリレート 5.0
プロピレングリコール 10.0
2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド 5.0
テレフタリリデンジカンフルスルホン酸 0.5
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸 3.0
トリエタノールアミン 1.8
4,5−ジモルホリノ−3−ヒドロキシピリダジン 0.2
水酸化カリウム 0.2
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
防腐剤 適 量
香料 適 量
イオン交換水 残 余
(製法)
イオン交換水に水相成分を加えて溶解し、加熱して70℃に保った(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を徐々に加えて予備乳化し、ホモミキサーで均一に乳化後、攪拌しながら30℃まで冷却して目的のクリームを得た。
【0070】
処方例6:クリーム
ステアリン酸 5.0
ステアリルアルコール 4.0
イソプロピルミリステート 18.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 3.0
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルエステル 10.0
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 5.0
4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 3.0
2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−
ジフェニルアクリレート 10.0
プロピレングリコール 10.0
,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]
−2−[(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミド 3.0
2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド 3.0
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸 3.0
水酸化ナトリウム 0.4
テレフタリリデンジカンフルスルホン酸 0.5
4,5−ジモルホリノ−3−ヒドロキシピリダジン 0.2
水酸化カリウム 0.2
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
防腐剤 適 量
香料 適 量
イオン交換水 残 余
(製法)
イオン交換水に水相成分を加えて溶解し、加熱して70℃に保った(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を徐々に加えて予備乳化し、ホモミキサーで均一に乳化後、攪拌しながら30℃まで冷却して目的のクリームを得た。
【0071】
処方例7:クリーム
ステアリン酸 6.0
ソルビタンモノステアリン酸エステル 2.0
POE(20)ソルビタンモノステアリン酸エステル 1.5
プロピレングリコール 10.0
2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド 10.0
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸 3.0
水酸化ナトリウム 0.4
グリセリントリオクタノエート 10.0
スクワレン 5.0
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
エチルパラベン 0.3
香料 適 量
イオン交換水 残 余
(製法)
イオン交換水にプロピレングリコール及び2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、水酸化ナトリウムを加えて溶解し、加熱して70℃に保った(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を徐々に加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、攪拌しながら30℃まで冷却して目的のクリームを得た。
【0072】
処方例8:クリーム
ステアリン酸 6.0
ソルビタンモノステアリン酸エステル 2.0
POE(20)ソルビタンモノステアリン酸エステル 1.5
プロピレングリコール 10.0
,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]
−2−(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミド 5.0
グリセリントリオクタノエート 10.0
スクワレン 5.0
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
エチルパラベン 0.3
香料 適 量
イオン交換水 残 余
(製法)
イオン交換水にプロピレングリコール及びN,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]−2−[(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミドを加えて溶解し、加熱して70℃に保った(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を徐々に加え、予備乳化を行い、ホモミキサーで均一に乳化した後、攪拌しながら30℃まで冷却して目的のクリームを得た。
【0073】
処方例9:乳液
ステアリン酸 2.5
セチルアルコール 1.5
ワセリン 5.0
流動パラフィン 10.0
POE(10)モノオレイン酸エステル 2.0
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルエステル 3.0
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 2.0
4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 2.0
2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−
ジフェニルアクリレート 5.0
PEG1500 3.0
トリエタノールアミン 1.0
2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド 5.0
,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]
−2−[(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミド 5.0
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸 3.0
水酸化ナトリウム 0.4
テレフタリリデンジカンフルスルホン酸 0.5
4,5−ジモルホリノ−3−ヒドロキシピリダジン 0.1
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
エチルパラベン 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.05
香料 適 量
イオン交換水 残 余
(製法)
少量のイオン交換水にカルボキシビニルポリマーを溶解した(A相)。イオン交換水の残部に水相成分を加え、加熱溶解して70℃に保った(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を加えて予備乳化を行い、A相を加えてホモミキサーで均一に乳化した後、攪拌しながら30℃まで冷却して目的の乳液を得た。
【0074】
処方例10:乳液
ステアリン酸 2.5
セチルアルコール 1.5
ワセリン 5.0
流動パラフィン 10.0
POE(10)モノオレイン酸エステル 2.0
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルエステル 3.0
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 2.0
4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 2.0
2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−
ジフェニルアクリレート 5.0
PEG1500 3.0
トリエタノールアミン 1.0
,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]
−2−[(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミド 3.0
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸 3.0
トリエタノールアミン 1.8
テレフタリリデンジカンフルスルホン酸 0.5
4,5−ジモルホリノ−3−ヒドロキシピリダジン 0.1
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
エチルパラベン 0.3
カルボキシビニルポリマー 0.05
香料 適 量
イオン交換水 残 余
(製法)
少量のイオン交換水にカルボキシビニルポリマーを溶解した(A相)。水相成分を加え、加熱溶解して70℃に保った(水相)。他の成分を混合し、加熱融解して70℃に保った(油相)。水相に油相を加えて予備乳化を行い、A相を加えてホモミキサーで均一に乳化した後、攪拌しながら30℃まで冷却して目的の乳液を得た。
【0075】
処方例11:ジェル
95%エタノール 10.0
ジプロピレングリコール 15.0
POE(50)オレイルエーテル 2.0
カルボキシビニルポリマー 1.0
水酸化ナトリウム 0.55
2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド 1.0
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸 1.0
メチルパラベン 0.1
香料 適 量
イオン交換水 残 余
(製法)
イオン交換水にカルボキシビニルポリマーを均一に溶解した(A相)。95%エタノールにPOE(50)オレイルエーテルを溶解し、A相に添加した。水酸化ナトリウム以外の成分を添加後、水酸化ナトリウムを添加して中和増粘させ目的のジェルを得た。
【0076】
処方例12:ジェル
95%エタノール 10.0
ジプロピレングリコール 15.0
POE(50)オレイルエーテル 2.0
カルボキシビニルポリマー 1.0
水酸化ナトリウム 0.55
,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]
−2−[(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミド 5.0
2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド 5.0
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸 1.0
メチルパラベン 0.2
香料 適 量
イオン交換水 残 余
(製法)
イオン交換水にカルボキシビニルポリマーを均一に溶解した(A相)。95%エタノールにPOE(50)オレイルエーテルを溶解し、A相に添加した。水酸化ナトリウム以外の成分を添加後、水酸化ナトリウムを添加して中和増粘させ目的のジェルを得た。
【0077】
処方例13:美容液
(A相)
95%エタノール 10.0
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルエステル 1.0
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 0.5
4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 0.5
2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−
ジフェニルアクリレート 0.5
POE(20)オクチルドデカノール 1.0
メチルパラベン 0.15
パントテニルエチルエーテル 0.1
(B相)
水酸化カリウム 0.1
(C相)
2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド 10.0
,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]
−2−[(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミド 10.0
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸 3.0
水酸化ナトリウム 0.4
グリセリン 5.0
ジプロピレングリコール 10.0
テレフタリリデンジカンフルスルホン酸 2.0
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
カルボキシビニルポリマー 0.2
イオン交換水 残 余
(製法)
A相、C相をそれぞれ均一に溶解し、C相にA相を加えて可溶化した。次いでB相を加えて混合し目的の美容液を得た。
【0078】
処方例14:美容液
(A相)
95%エタノール 10.0
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルエステル 1.0
4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 0.5
2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−
ジフェニルアクリレート 0.5
POE(20)オクチルドデカノール 1.0
メチルパラベン 0.15
パントテニルエチルエーテル 0.1
(B相)
水酸化カリウム 0.1
(C相)
,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]
−2−[(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミド 5.0
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸 3.0
トリエタノールアミン 1.8
グリセリン 5.0
ジプロピレングリコール 10.0
テレフタリリデンジカンフルスルホン酸 3.0
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
カルボキシビニルポリマー 0.2
イオン交換水 残 余
(製法)
A相、C相をそれぞれ均一に溶解し、C相にA相を加えて可溶化した。次いでB相を加えて混合し目的の美容液を得た。
【0079】
処方例15:セルフタニングエマルション
(パーツ1)
2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート 5.0
ステアリン酸PEG−5グリセリン 1.0
ステアリン酸PEG−60グリセリン 2.0
シクロメチコン 5.0
セバシン酸ジイソプロピル 5.0
ベヘニルアルコール 2.0
ステアリルアルコール 1.0
水添パーム油 2.0
香料 適 量
(パーツ2)
2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド 5.0
,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]
−2−[(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミド 5.0
ジヒドロキシアセトン 5.0
グリチルリチン酸ジカリウム 0.01
エタノール 5.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
EDTA−3Na 0.1
ピロ亜硫酸ナトリウム 0.1
パラベン 適 量
イオン交換水 残 余
(製法)
60℃で均一溶解したパーツ2に70℃で均一溶解したパーツ1を添加して乳化処理を行った。その後、冷却して目的のセルフタニングエマルションを得た。
【0080】
処方例16:パック
(A相)
ジプロピレングリコール 5.0
POE(60)硬化ヒマシ油 5.0
(B相)
オリーブ油 5.0
酢酸トコフェロール 0.2
エチルパラベン 0.2
香料 0.2
(C相)
,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]
−2−[(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミド 0.1
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
ポリビニルアルコール(ケン化度90,重合度2000) 13.0
エタノール 7.0
イオン交換水 残 余
(製法)
A相、B相、C相をそれぞれ均一に溶解し、A相にB相を加えて可溶化した。次いでこれをC相に加えて混合し、目的のパックを得た。
【0081】
処方例17:パック
(A相)
ジプロピレングリコール 5.0
POE(60)硬化ヒマシ油 5.0
(B相)
オリーブ油 5.0
酢酸トコフェロール 0.2
エチルパラベン 0.2
香料 0.2
(C相)
2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド 0.1
,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]
−2−[(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミド 0.1
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸 0.3
トリエタノールアミン 0.18
亜硫酸水素ナトリウム 0.03
ポリビニルアルコール(ケン化度90,重合度2000) 13.0
エタノール 7.0
イオン交換水 残 余
(製法)
A相、B相、C相をそれぞれ均一に溶解し、A相にB相を加えて可溶化した。次いでこれをC相に加えて混合し、目的のパックを得た。
【0082】
処方例18:乳液
(油相)
ステアリルアルコール 1.5
スクワレン 2.0
ワセリン 2.5
脱臭液状ラノリン 1.5
月見草油 2.0
ミリスチン酸イソプロピル 5.0
グリセリンモノオレート 2.0
2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート 5.0
POE(60)硬化ヒマシ由 2.0
酢酸トコフェロール 0.05
エチルパラベン 0.2
ブチルパラベン 0.1
香料 適 量
(水相)
,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]
−2−[(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミド 5.0
4,5−ジモルホリノ−3−ヒドロキシピリダジン 0.05
亜硫酸水素ナトリウム 0.01
グリセリン 5.0
ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
カルボキシビニルポリマー 0.2
水酸化カリウム 0.2
イオン交換水 残 余
(製法)
油相、水相をそれぞれ70℃にて溶解した。水相に油相を添加し、乳化機で乳化後、熱交換機で30℃まで冷却して目的の乳液を得た。
【0083】
処方例19:固形パウダリーファンデーション
(1)タルク 15.0
(2)セリサイト 10.0
(3)球状ナイロン粉末 10.0
(4)多孔性無水ケイ酸粉末 15.0
(5)窒化ホウ素 5.0
(6)二酸化チタン 5.0
(7)酸化鉄 3.0
(8)ステアリン酸亜鉛 5.0
(9)2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド 1.0
(10)流動パラフィン 残 余
(11)2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−
ジフェニルアクリレート 1.0
(12)トリイソオクタン酸グリセリン 15.0
(13)セスキオレイン酸ソルビタン 1.5
(14)防腐剤 適 量
(15)香料 適 量
(製法)
(1)〜(8)の各成分を混合粉砕した。これに、(9)〜(15)の各成分を混合したものを加えて攪拌混合した。これを容器に成型して目的の固形パウダリーファンデーションを得た。
【0084】
処方例20:固形パウダリーファンデーション
(1)タルク 15.0
(2)セリサイト 10.0
(3)球状ナイロン粉末 10.0
(4)多孔性無水ケイ酸粉末 15.0
(5)窒化ホウ素 5.0
(6)二酸化チタン 5.0
(7)酸化鉄 3.0
(8)ステアリン酸亜鉛 5.0
(9)N,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]
−2−[(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミド 1.0
(10)2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド 1.0
(11)流動パラフィン 残 余
(12)トリイソオクタン酸グリセリン 15.0
(13)セスキオレイン酸ソルビタン 1.5
(14)防腐剤 適 量
(15)香料 適 量
(製法)
(1)〜(8)の各成分を混合粉砕した。これに、(9)〜(15)の各成分を混合したものを加えて攪拌混合した。これを容器に成型して目的の固形パウダリーファンデーションを得た。
【0085】
処方例21:油中水型乳化ファンデーション
(1)球状ナイロン 10.0
(2)多孔性無水ケイ酸粉末 8.0
(3)雲母チタン 2.0
(4)シリコーン処理セリサイト 2.0
(5)シリコーン処理マイカ 12.0
(6)シリコーン処理二酸化チタン 5.0
(7)シリコーン処理酸化鉄 2.0
(8)イオン交換水 残 余
(9)2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド 5.0
(10)デカメチルシクロペンタンシロキサン 18.0
(11)ジメチルポリシロキサン 5.0
(12)スクワラン 1.0
(13)ポリオキシエチレン変性ジメチルポリシロキサン 2.0
(14)パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルエステル 3.0
(15)2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 1.0
(16)4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 0.5
(17)テレフタリリデンジカンフルスルホン酸 0.5
(18)2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−
ジフェニルアクリレート 0.5
(19)防腐剤 適 量
(20)香料 適 量
(製法)
(10)〜(20)の各成分を均一に混合溶解した。これに、混合粉砕した(1)〜(7)を加えて分散させた。この分散液に、(9)を(8)に溶解したものを加えて乳化した。これを容器に充填して目的の油中水型乳化ファンデーションを得る。
【0086】
処方例22:油中水型乳化ファンデーション
(1)球状ナイロン 10.0
(2)多孔性無水ケイ酸粉末 8.0
(3)雲母チタン 2.0
(4)シリコーン処理セリサイト 2.0
(5)シリコーン処理マイカ 12.0
(6)シリコーン処理二酸化チタン 5.0
(7)シリコーン処理酸化鉄 2.0
(8)イオン交換水 残 余
(9)N,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]
−2−[(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミド 3.0
(10)2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド 3.0
(11)デカメチルシクロペンタンシロキサン 18.0
(12)ジメチルポリシロキサン 5.0
(13)スクワラン 1.0
(14)ポリオキシエチレン変性ジメチルポリシロキサン 2.0
(15)パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルエステル 3.0
(16)2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 1.0
(17)4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 0.5
(18)テレフタリリデンジカンフルスルホン酸 0.5
(19)2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−
ジフェニルアクリレート 0.5
(20)防腐剤 適 量
(21)香料 適 量
(製法)
(11)〜(21)の各成分を均一に混合溶解した。これに、混合粉砕した(1)〜(7)を加えて分散させた。この分散液に、(9)、(10)を(8)に溶解したものを加えて乳化した。これを容器に充填して目的の油中水型乳化ファンデーションを得た。
【0087】
処方例23:白粉
(1)タルク 残 余
(2)セリサイト 10.0
(3)球状ナイロン粉末 10.0
(4)窒化ホウ素 5.0
(5)酸化鉄 3.0
(6)炭酸マグネシウム 5.0
(7)スクワラン 3.0
(8)トリイソオクタン酸グリセリン 2.0
(9)セスキオレイン酸ソルビタン 2.0
(10)2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−
ジフェニルアクリレート 0.5
(11)2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド 0.5
(12)防腐剤 適 量
(13)香料 適 量
(製法)
(1)〜(6)の各成分を混合粉砕した。これに、(7)〜(13)の各成分を混合したものを加えて攪拌混合し、目的の白粉を得た。
【0088】
処方例24:アイシャドー
(1)タルク 残 余
(2)マイカ 15.0
(3)球状ナイロン粉末 10.0
(4)窒化ホウ素 5.0
(5)酸化鉄 3.0
(6)酸化チタン被覆マイカ 5.0
(7)スクワラン 3.0
(8)トリイソオクタン酸グリセリン 2.0
(9)セスキオレイン酸ソルビタン 2.0
(10)2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−
ジフェニルアクリレート 1.0
(11)N,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]
−2−[(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミド 0.3
(12)防腐剤 適 量
(13)香料 適 量
(製法)
(1)〜(6)の各成分を混合粉砕した。これに、(7)〜(13)の各成分を混合したものを加えて攪拌混合し、目的のアイシャドーを得た。
【0089】
処方例25:口紅
(1)カルナバロウ 0.5
(2)キャンデリラロウ 5.0
(3)セレシン 10.0
(4)スクワラン 残 余
(5)トリイソステアリン酸グリセリン 10.0
(6)ジイソステアリン酸グリセリン 20.0
(7)テレフタリリデンジカンフルスルホン酸 0.5
(8)パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルエステル 3.0
(9)2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−
ジフェニルアクリレート 5.0
(10)2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド 3.0
(11)マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル 4.0
(12)合成ケイ酸ナトリウム−マグネシウム 0.5
(13)疎水性シリカ 0.5
(14)イオン交換水 2.0
(15)色剤 適 量
(16)防腐剤 適 量
(17)香料 適 量
(製法)
60℃に加熱した(11)に(12)、(13)を分散させ、これに(10)(14)を加えて十分攪拌した。別に加熱溶解しておいた(1)〜(9)に、これを加えて十分攪拌した。さらに(15)〜(17)を加えて分散攪拌し、その後成型して目的の口紅を得た。
【0090】
処方例26:口紅
(1)カルナバロウ 0.5
(2)キャンデリラロウ 5.0
(3)セレシン 10.0
(4)スクワラン 残 余
(5)トリイソステアリン酸グリセリン 10.0
(6)ジイソステアリン酸グリセリン 20.0
(7)テレフタリリデンジカンフルスルホン酸 0.5
(8)パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルエステル 3.0
(9)2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−
ジフェニルアクリレート 5.0
(10)N,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]
−2−[(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミド 2.0
(11)2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド 3.0
(12)2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸 3.0
(13)水酸化ナトリウム 0.4
(14)マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 4.0
(15)合成ケイ酸ナトリウム−マグネシウム 0.5
(16)疎水性シリカ 0.5
(17)イオン交換水 2.0
(18)色剤 適 量
(19)防腐剤 適 量
(20)香料 適 量
(製法)
60℃に加熱した(14)に(15)、(16)を分散させ、これに(10)(11)、(12)、(13)、(17)を加えて十分攪拌した。別に加熱溶解しておいた(1)〜(9)にこれを加えて十分攪拌した。さらに(18)〜(20)を加えて分散攪拌し、その後成型して目的の口紅を得た。
【0091】
処方例27:ヘアフォーム
(原液処方)
(1)アクリル樹脂アルカノールアミン液(50%) 8.0
(2)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 適 量
(3)流動パラフィン 5.0
(4)グリセリン 3.0
(5)香料 適 量
(6)防腐剤 適 量
(7)エタノール 15.0
(8)2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド 7.0
(9)イオン交換水 残 余
(充填処方)
(1)原液 90.0
(2)液化石油ガス 10.0
(製法)
流動パラフィンをグリセリンとポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の溶解混合物に添加し、ホモミキサーで均一に乳化した。これを他の成分の溶液に添加した。充填は缶に原液を充填し、バルブ装着後、ガスを充填した。
【0092】
処方例28:ヘアフォーム
(原液処方)
(1)アクリル樹脂アルカノールアミン液(50%) 8.0
(2)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 適 量
(3)流動パラフィン 5.0
(4)グリセリン 3.0
(5)香料 適 量
(6)防腐剤 適 量
(7)エタノール 15.0
(8)N,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]
−2−[(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミド 3.0
(9)イオン交換水 残 余
(充填処方)
(1)原液 90.0
(2)液化石油ガス 10.0
(製法)
流動パラフィンをグリセリンとポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の溶解混合物に添加し、ホモミキサーで均一に乳化した。これを他の成分の溶液に添加した。充填は缶に原液を充填し、バルブ装着後、ガスを充填した。
【0093】
処方例29:ヘアリキッド
(1)ポリオキシプロピレン(40)ブチルエーテル 20.0
(2)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0
(3)エタノール 50.0
(4)香料 適 量
(5)防腐剤 適 量
(6)パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルエステル 2.0
(7)2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−
ジフェニルアクリレート 5.0
(8)染料 適 量
(9)2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド 2.0
(10)イオン交換水 残 余
(製法)
(3)に(1)、(2)、(4)〜(7)を溶解した(エタノール相)。(10)に、(8)、(9)を溶解した(水相)。エタノール相に水相を添加し、ろ紙でろ過して目的のヘアリキッドを得た。
【0094】
処方例30:ヘアスプレー
(原液処方)
(1)アクリル樹脂アルカノールアミン液(50%) 7.0
(2)セチルアルコール 0.1
(3)シリコーン油 0.3
(4)エタノール 残 余
(5)香料 適 量
(6)N,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]
−2−[(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミド 1.0
(7)イオン交換水 3.0
(充填処方)
(1)原液 50.0
(2)液化石油ガス 50.0
(製法)
エタノールに他の成分を加え溶解し、ろ過した。充填は缶に原液を充填し、バルブ装着後、ガスを充填した。
【0095】
処方例31:ヘアトニック
(1)2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド 3.0
(2)硬化ヒマシ油エチレンオキシド(40モル)付加物 2.0
(3)パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルエステル 3.0
(4)2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 3.0
(5)4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 3.0
(6)テレフタリリデンジカンフルスルホン酸 1.0
(7)2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−
ジフェニルアクリレート 5.0
(8)2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸 3.0
(9)トリエタノールアミン 1.8
(10)エタノール 60.0
(11)香料 適 量
(12)イオン交換水 残 余
(製法)
(10)に(2)〜(7)を溶解した(エタノール相)。(12)に、(1)、(8)、(9)を溶解した(水相)。エタノール相及び水相を混合し、(11)を加えて目的のヘアトニックを得た。
【0096】
処方例32:ヘアトニック
(1)N,N−ビス[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]
−2−[(5−メチル−2−フリル)メチレン]マロンアミド 2.0
(2)2−(2−フリルメチレン)−N,N−ビス[2−
(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]マロンアミド 2.0
(3)2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸 3.0
(4)水酸化ナトリウム 0.4
(5)硬化ヒマシ油エチレンオキシド(40モル)付加物 2.0
(6)パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシルエステル 3.0
(7)2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 3.0
(8)4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 3.0
(9)2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−
ジフェニルアクリレート 5.0
(10)エタノール 60.0
(11)香料 適 量
(12)イオン交換水 残 余
(製法)
(10)に(5)〜(9)を溶解した(エタノール相)。(12)に、(1)〜(4)を溶解した(水相)。エタノール相及び水相を混合し、(11)を加えて目的のヘアトニックを得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるフリルメチレンマロンアミド化合物及びその塩。
【化1】

(式中、R、R、Rは各々独立して、水素原子又は炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基を表し、R、Rは各々{(CH)−O}−Rを表し、Rは水素原子または炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基を表す。mは2〜4、nは1〜5の整数である。R、Rは同一であっても又は異なってもよい。)
【請求項2】
請求項1に記載のフリルメチレンマロンアミド化合物及びその塩において、R、Rが各々{(CH)−O}−Hである、下記一般式(2)で表されるフリルメチレンマロンアミド化合物及びその塩。
【化2】

(式中、R、R、Rは各々独立して、水素原子又は炭素数1〜4の直鎖または分岐のアルキル基を表す。)
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフリルメチレンマロンアミド化合物及び/またはその塩からなる紫外線吸収剤。
【請求項4】
請求項1又は2に記載のフリルメチレンマロンアミド化合物及び/またはその塩を有効成分として含有することを特徴とする紫外線吸収性組成物。
【請求項5】
請求項1又は2に記載のフリルメチレンマロンアミド化合物及び/またはその塩を含有することを特徴とする皮膚外用剤。
【請求項6】
請求項5に記載の皮膚外用剤において、さらに無機粉体を含有することを特徴とする皮膚外用剤。


【公開番号】特開2008−88126(P2008−88126A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−272614(P2006−272614)
【出願日】平成18年10月4日(2006.10.4)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】