説明

フレキシブルフラットハーネス及びその製造方法並びにスライドドアの給電装置

【課題】フレキシブルフラットハーネスにおいて、コネクタ部分の安価かつ確実な防水構造を実現する。
【解決手段】フレキシブルフラットハーネスは、平角導線19を有するフレキシブルフラットケーブル(FFC)14と、丸状ケーブル16と、接続端子40と、凹部51を有する保護ケース31と、凹部51を覆うカバー32と、を備える。接続端子40は平角導線19にピアッシングされて第1接続部を形成し、更に丸状ケーブル16の心線に圧着されて第2接続部を形成している。接続端子40、第1接続部、及び第2接続部は、保護ケース31の凹部51に収容される。カバー32には、凹部51の内底面へ突出し、接続端子40に接触又は近接する押え凸部85が形成される。押え凸部85の少なくとも先端部、接続端子40、第1接続部、及び第2接続部を覆うように凹部51にシール材70が充填される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主要には、フレキシブルフラットケーブルを備えるフレキシブルフラットハーネスの構成に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ワンボックスカーやワゴン車等、スライドドアを備える車両のニーズが増加している。このようなスライドドア車両において、快適さ等のニーズに応えるべく、スライドドアには様々な機器(例えば、スライドドアの自動開閉装置のモータ、パワーウインドウのモータ、半ドア検出等のための各種センサ、スピーカー等)が搭載されるようになっている。
【0003】
そして、スライドドアの開閉にかかわらず当該スライドドアの各種機器に車体側から電力を供給するために、常時給電装置が提案されている。例えば、特許文献1は、丸線のワイヤハーネスに比べて許容曲げ半径を大幅に小さくできるフレキシブルフラットケーブルを用いたスライドドア用給電装置を開示する。特許文献1は、この構成により、小型で長期信頼性の高いスライドドア用給電装置を提供できるとする。
【特許文献1】特開2006−21689号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
フレキシブルフラットケーブルは、上述のように優れた屈曲性を有し、装置の小型化に有利であるものの、コネクタ部分の防水処理が困難であり、この点で改善の余地が残されていた。即ち、丸線を用いたワイヤハーネスであれば、シリコンゴム製のワイヤシールを備えた公知の防水コネクタを用いる等の方法で、容易に防水処理を行うことができる。一方、フレキシブルフラットケーブルは薄いリボン状の線材であるために、その鋭利な端部でシリコンゴムが損傷し易い。従って、ワイヤシールを使用した防水は防水信頼性の点で課題が多い。また、グリスを使った防水も考えられるが、これも防水信頼性、耐久性等の点で要求を満たすことが困難である。
【0005】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、フレキシブルフラットハーネスにおいて、コネクタ部分の安価かつ確実な防水構造を実現することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0006】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0007】
本発明の第1の観点によれば、以下の構成のフレキシブルフラットハーネスが提供される。即ち、このフレキシブルフラットハーネスは、複数のフラット導線を有するフレキシブルフラットケーブルと、略円形の断面を有する複数の丸状ケーブルと、前記フラット導線と前記丸状ケーブルにそれぞれ接続される接続端子と、前記フラット導線と前記接続端子との第1接続部と、前記丸状ケーブルと前記接続端子との第2接続部と、凹部を有する保護ケースと、前記凹部を覆うカバーと、を備える。そして、前記接続端子、前記第1接続部、及び前記第2接続部が前記保護ケースの前記凹部に収容される。更に、前記カバーには前記凹部の内底面に向かって突出する押え凸部が形成されて、この押え凸部が前記接続端子に接触又は近接している。そして、前記押え凸部の少なくとも先端部、前記接続端子、前記第1接続部、及び前記第2接続部を覆うように前記凹部にシール材が充填されている。
【0008】
これにより、簡単な構成で、フレキシブルフラットケーブルの端部に丸状ケーブルを接続することができる。また、このフレキシブルフラットケーブルと丸状ケーブルとの接続部分はシール材の充填による防水処理が施されているので、当該接続部分に水が侵入することによる短絡を防止できる。更に、保護ケースの凹部に接続端子が配置され、その凹部にシール材が充填されるので、シール材の量が少なくても接続端子の周囲全体を容易に覆うことができる。従って、接続部分の防水性能を維持しながら小型化とシール材の材料コスト低減を実現できる。更に、カバーの押え凸部が接続端子の移動を規制した状態で、当該押え凸部の先端部を含めて覆うようにシール材でシールされるので、接続端子が露出しないように全体を確実にシールでき、防水信頼性を高めることができる。また、保護ケースとカバー(押え凸部)とがシール材を介して結合される形となるので、接続構造を覆うカバーが保護ケースから外れるのを防止し、保護ケース内の接続構造を良好に保護することができる。
【0009】
前記のフレキシブルフラットハーネスにおいては、前記丸状ケーブルに取り付けられる防水コネクタを備えることが好ましい。
【0010】
この構成により、丸状ケーブルに防水コネクタを配置し、これをハーネスのコネクタとすることができる。従って、簡単な構成でコネクタ部分の防水を実現したフレキシブルフラットハーネスを提供できる。
【0011】
前記のフレキシブルフラットハーネスにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記接続端子の近傍位置において前記フレキシブルフラットケーブルと前記丸状ケーブルには曲げ部が形成され、前記曲げ部が前記保護ケースの凹部に収容される。この曲げ部を覆うように前記凹部にシール材が充填されている。
【0012】
この構成により、保護ケース内にはフレキシブルフラットケーブル及び丸状ケーブルが曲げられた状態で配置されるので、フレキシブルフラットケーブル及び丸状ケーブルに引張方向の力が加わっても保護ケースから抜けにくく、耐久性に優れる。
【0013】
前記のフレキシブルフラットハーネスにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記第1接続部において前記接続端子は前記フラット導線にピアッシングされている。前記第2接続部において前記接続端子は前記丸状ケーブルの心線に圧着されている。
【0014】
この構成により、フラット導線と丸状ケーブルの心線とを接続端子を介して確実に接続できるとともに、製造コスト及び製造工数を低減できる。
【0015】
前記のフレキシブルフラットハーネスにおいては、前記押え凸部は前記接続端子の長手方向のほぼ中央部に接触又は近接していることが好ましい。
【0016】
この構成により、接続端子を傾かせたりせず、その移動を押え凸部によって確実に規制した状態でシール材によりシールすることができる。
【0017】
前記のフレキシブルフラットハーネスにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記保護ケースの凹部の内底面には固定突起が形成される。前記接続端子には前記固定突起を挿通可能な位置決め穴が形成される。前記固定突起から前記位置決め穴が抜ける方向の前記接続端子の移動を前記押え凸部が規制する。
【0018】
この構成により、固定突起と位置決め穴とにより、接続端子を動かないように位置決めしてシール材でシールすることができる。また、接続端子が固定突起から抜ける方向へ移動しようとしても当該移動が押え突起によって規制されるため、位置決めを確実に行うことができる。従って、防水処理を確実に行うことができ、接続端子同士の接触による短絡を防止できる。
【0019】
本発明の第2の観点によれば、以下の工程を含むフレキシブルフラットハーネスの製造方法が提供される。即ち、第1工程では、フレキシブルフラットケーブルが有する複数のフラット導線に接続端子を接続して第1接続部を形成するとともに、略円形の断面を有する丸状ケーブルに当該接続端子を接続して第2接続部を形成する。第2工程では、前記接続端子、前記第1接続部、及び前記第2接続部を、凹部を有する保護ケースに収容する。第3工程では、前記凹部にシール材を充填する。第4工程では、前記シール材が固化する前に、前記保護ケースの前記凹部をカバーで覆い、当該カバーに形成されている押え凸部を前記シール材に沈めて前記接続端子に接触又は対面させる。
【0020】
この方法により、フレキシブルフラットケーブルの端部に丸状ケーブルを接続することができる。従って、この丸状ケーブルに防水コネクタを配置することにより、簡単な構成でコネクタ部分の防水を実現したフレキシブルフラットハーネスを提供できる。また、このフレキシブルフラットケーブルと丸状ケーブルとの接続部分にシール材の充填による防水処理を施すことで、当該接続部分に水が侵入することによる短絡を防止できる。更に、保護ケースの凹部に接続端子が配置され、その凹部にシール材が充填されるので、シール材の量が少なくても接続端子の周囲全体を容易に覆うことができる。従って、接続部分の防水性能を維持しながら小型化とシール材の材料コスト低減を実現できる。更に、シール材が固化する前にカバーの押え凸部が接続端子の移動を規制するとともに、当該押え凸部の先端部を含めて覆うようにシール材でシールされるので、接続端子が露出しないように全体を確実にシールでき、防水信頼性を高めることができる。また、保護ケースとカバー(押え凸部)とがシール材を介して結合される形となるので、接続構造を覆うカバーが保護ケースから外れるのを防止し、保護ケース内の接続構造を良好に保護することができる。
【0021】
本発明の第3の観点によれば、以下の工程を含むフレキシブルフラットハーネスの製造方法が提供される。即ち、第1工程では、フレキシブルフラットケーブルが有する複数のフラット導線に接続端子を接続して第1接続部を形成するとともに、略円形の断面を有する丸状ケーブルに当該接続端子を接続して第2接続部を形成する。第2工程では、前記接続端子、前記第1接続部、及び前記第2接続部を、凹部を有する保護ケースに収容する。第3工程では、前記保護ケースの前記凹部をカバーで覆い、当該カバーに形成されている押え凸部を前記凹部へ挿入して前記接続端子に接触又は対面させる。第4工程では、前記押え凸部の少なくとも先端部、及び前記接続端子を覆うように前記凹部内にシール材を充填する。
【0022】
この方法によっても、フレキシブルフラットケーブルの端部に丸状ケーブルを接続することができる。従って、この丸状ケーブルに防水コネクタを配置することにより、簡単な構成でコネクタ部分の防水を実現したフレキシブルフラットハーネスを提供できる。また、このフレキシブルフラットケーブルと丸状ケーブルとの接続部分にシール材の充填による防水処理を施すことで、当該接続部分に水が侵入することによる短絡を防止できる。更に、保護ケースの凹部に接続端子が配置され、その凹部にシール材が充填されるので、シール材の量が少なくても接続端子の周囲全体を容易に覆うことができる。従って、接続部分の防水性能を維持しながら小型化とシール材の材料コスト低減を実現できる。更に、カバーの押え凸部が接続端子の移動を規制した状態で、当該押え凸部の少なくとも先端部まで覆うように凹部内にシール材を充填するので、接続端子が露出しないように全体を確実にシールでき、防水信頼性を高めることができる。また、保護ケースとカバー(押え凸部)とがシール材を介して結合される形となるので、接続構造を覆うカバーが保護ケースから外れるのを防止し、保護ケース内の接続構造を良好に保護することができる。
【0023】
前記のフレキシブルフラットハーネスの製造方法においては、前記第4工程において、前記シール材は前記凹部内のフレキシブルフラットケーブル側から充填されることが好ましい。
【0024】
この方法により、凹部内に例えば接続端子間を隔てる隔壁等が設けられていた場合でも、フレキシブルフラットケーブル側から各接続端子に均等にシール材を行き渡らせて充填することができる。従って、全ての接続端子についてムラなくシールを行うことができる。
【0025】
本発明の第4の観点によれば、前記の製造方法により製造されたフレキシブルフラットハーネスが提供される。また、本発明の第5の観点によれば、前記のフレキシブルフラットハーネスを備えるスライドドアの給電装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
次に、発明の実施の形態を説明する。図1は、フレキシブルフラットハーネスを備えるスライドドア給電装置の全体構成を示す平面図である。
【0027】
本実施形態のスライドドア給電装置1は、図1に示すように、自動車のスライドドア側に取り付けられるドア側部材11と、車体側に取り付けられる車体側部材12と、車体側からスライドドア側に電力を供給するためのフレキシブルフラットハーネス13と、を備えている。
【0028】
フレキシブルフラットハーネス13は、複数本のフレキシブルフラットケーブル(FFC)14を備えている。このフレキシブルフラットケーブル14は、幅方向に所定間隔をおいて並べて配置した複数の導線の外側に絶縁体を配置して構成されている。
【0029】
フレキシブルフラットケーブル14の導線は、フラット状の薄い断面形状を有するいわゆる平角導線(フラット導線)として構成されている。この平角導線は、例えば銅、アルミニウム、又はこれらの合金材料を成形加工することによって構成することができる。フレキシブルフラットケーブル14の絶縁体は、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド等の合成樹脂からなる。この絶縁体をフィルム状に形成して平角導線を覆うようにラミネートするか、平角導線に対して樹脂を押出被覆成形することにより、前記フレキシブルフラットケーブル14を構成することができる。
【0030】
前記ドア側部材11には、フレキシブルフラットケーブル14を収容するための取付穴21が形成されている。一方、前記車体側部材12には、フレキシブルフラットケーブル14を収容するための取付溝22が形成されている。この構成で、前記フレキシブルフラットケーブル14は、複数本が厚み方向に重ねられるとともに、その幅方向を上下方向に向けた状態で、ドア側部材11及び車体側部材12に固定される。
【0031】
フレキシブルフラットハーネス13は、可撓性を有する材料によってコルゲート状に形成された保護部材15を備えている。この保護部材15はドア側部材11と車体側部材12の間に配置され、複数本重ねられたフレキシブルフラットケーブル14の外側を覆って保護するように構成されている。
【0032】
フレキシブルフラットケーブル14の車体側の端部には、丸状ケーブル16の一端が防水ジョイント部17を介して接続される。丸状ケーブル16は円形の断面を有する汎用のケーブルであり、単線又はより線を絶縁被覆した構成となっている。
【0033】
フレキシブルフラットケーブル14のそれぞれの平角導線は、防水ジョイント部17に備えられる接続構造を介して、丸状ケーブル16に電気的に接続される。なお、防水ジョイント部17の詳細な構成は後述する。
【0034】
丸状ケーブル16の他端には防水コネクタ18が配置される。この防水コネクタ18はいわゆる個室防水タイプとされており、図略のシリコンゴム製のワイヤシールによって防水処理が施されている。
【0035】
以上の構成で、ドア側部材11は、図略のスライドドアの開閉に伴い、車体側部材12に対して図1の白抜き矢印方向に移動する。スライドドア給電装置1は、この移動に追随してフレキシブルフラットケーブル14を変形させることで、車体側とスライドドア側との電気的接続を維持し、これによりスライドドア側への常時給電を実現している。
【0036】
次に、図2以降を参照して、防水ジョイント部17の詳細な構成を説明する。図2はフレキシブルフラットハーネスの防水ジョイント部を示す斜視図である。図3は防水ジョイント部の保護ケースにフレキシブルフラットケーブル及び丸状ケーブルを取り付ける様子を示す分解斜視図、図4はシール材が注入された保護ケースにカバーを固定する様子を示す斜視図である。
【0037】
図2に示すように、この防水ジョイント部17は、一側を開放した箱状の保護ケース31と、この保護ケース31の開放側を閉鎖するカバー32と、を備えている。
【0038】
この防水ジョイント部17は、図1に示すように、複数本のフレキシブルフラットケーブル14のそれぞれに対して1つずつ備えられる。また、各防水ジョイント部17には、フレキシブルフラットケーブル14が備える前記平角導線19の数と同数の丸状ケーブル16が接続される。図2の例ではフレキシブルフラットケーブル14は4本の平角導線19を備えているので、防水ジョイント部17に接続される丸状ケーブル16の数も4本である。
【0039】
前記フレキシブルフラットケーブル14の一端及び丸状ケーブル16の一端は、前記保護ケース31の内部に収容されている。
【0040】
図3には防水ジョイント部17を製造する工程が示されている。この図3に示すように、前記フレキシブルフラットケーブル14が備える平角導線19と、前記丸状ケーブル16の心線とは、接続端子40を介して電気的に接続されている。なお、この接続端子40は、Wire to Flexible−Flat−Cableの頭文字をとって、WF端子と称されることがある。
【0041】
接続端子40は、フレキシブルフラットケーブル14が備える平角導線19のそれぞれに対応させて、前記保護ケース31内に配置される。接続端子40は、導電性金属板を適宜の形状に打ち抜くとともに細長く折曲げ加工して形成されており、その長手方向が前記平角導線19と平行となるように配置されている。
【0042】
この接続端子40は、長手方向中央に配置される角筒状の基部41と、この基部41の一端から延出されるピアス部42と、前記基部41の他端から延出されるバレル部43と、を備えている。
【0043】
ピアス部42は、前記フレキシブルフラットケーブル14の平角導線19及び絶縁皮膜を厚み方向に貫通することで、フレキシブルフラットケーブル14に固定されている。このピアッシングにより第1接続部46が形成され、この第1接続部46により接続端子40と平角導線19とが電気的に接続される。
【0044】
バレル部43は、前記丸状ケーブル16の被覆が除去された部分(心線)にカシメて圧着される。この圧着により第2接続部47が形成され、この第2接続部47により接続端子40が丸状ケーブル16に固定されるとともに、当該丸状ケーブル16の心線と接続端子40とが電気的に接続される。
【0045】
保護ケース31は絶縁性の合成樹脂からなり、一側を開放した浅い凹部51を有する幅広の箱状に形成されている。この保護ケース31は、フレキシブルフラットケーブル14及び丸状ケーブル16の長手方向に沿って若干細長い形状とされている。この保護ケース31の内底面には、当該保護ケース31の長手方向に沿って細長い複数の隔壁52が凸状に形成されている。この隔壁52は等間隔をあけて配置され、各接続端子40の間を隔てるように形成されている。
【0046】
また、隣り合う隔壁52の間の位置、及び隔壁52と保護ケース31の側壁(凹部51の内壁)との間の位置において、前記保護ケース31の内底面には固定突起53が凸状に形成されている。一方、前記接続端子40の基部41には、前記固定突起53を挿通可能な位置決め穴45が形成されている。
【0047】
接続端子40の近傍位置において、前記フレキシブルフラットケーブル14はほぼ垂直に折り曲げられ、曲げ部61が形成されている。また、同様に接続端子40の近傍位置において、丸状ケーブル16はほぼ垂直に折り曲げられ、曲げ部62が形成されている。これらの曲げ部61,62は、接続端子40を保護ケース31内に配置したときに、フレキシブルフラットケーブル14及び丸状ケーブル16が前記保護ケース31の凹部51の内面に沿うように形成されている。
【0048】
以上の構成で、前記防水ジョイント部17を組み立てるには、最初に保護ケース31を、図3に示すように開放側が上方に向く状態とする。次に、フレキシブルフラットケーブル14を、そのそれぞれの平角導線19に接続端子40を介して丸状ケーブル16を接続した状態で、保護ケース31に上側からセットする。これにより、接続端子40及び曲げ部61,62が保護ケース31の凹部51内に収容される。
【0049】
このとき、前記接続端子40は隔壁52と隔壁52の間(又は隔壁52と凹部51の内壁との間)に配置され、また、基部41に形成されている位置決め穴45が、前記保護ケース31内底面の固定突起53に嵌合する。従って、組立作業時にフレキシブルフラットケーブル14や丸状ケーブル16等に外力が加わった場合でも、接続端子40の位置ズレが防止される。
【0050】
次に、保護ケース31の前記凹部51内にシール材を充填する。充填するシール材としては様々なものが考えられるが、例えばウレタン系、シリコン系等の絶縁性を有する樹脂を用いることができる。シール材を所定量注入すると、保護ケース31に収容された接続端子40及び前記曲げ部61,62は、図4に示すように、その全体がシール材70に埋没する。
【0051】
続いて、前記シール材70が硬化する前に、直ちに保護ケース31にカバー32を取り付け、前記保護ケース31の凹部51を閉鎖する。このカバー32は、前記保護ケース31と同様に、フレキシブルフラットケーブル14及び丸状ケーブル16に沿って若干細長く形成されている。このカバー32にはスナップフィット部81が一体形成されており、また、前記保護ケース31の側面には、前記スナップフィット部81に係合可能な係止突起54が一体形成されている。従って、スナップフィット部81を係止突起54に係合することで、カバー32を保護ケース31に固定することができる。
【0052】
また、前記カバー32の保護ケース31側を向く面には、押え凸部85が前記凹部51の内底面に向けて突出されている。この押え凸部85は前記接続端子40のそれぞれに対応して1つずつ形成され、等間隔で並べて配置されている。
【0053】
以上の構成で、カバー32を保護ケース31に取り付けると、カバー32の押え凸部85の先端が凹部51へ挿入されるとともにシール材70の液面に沈み、その先端面が接続端子40の基部41に接触又は近接する。これにより、接続端子40が凹部51の底部から浮く方向(前記位置決め穴45が固定突起53から抜ける方向)に移動しようとしても、その移動は押え凸部85の先端面によって規制される。従って、接続端子40の浮きを防止しつつ、かつ所定の位置に接続端子40を位置決めした状態で、当該接続端子40の周囲をシール材70によりシールすることができる。これにより、防水信頼性を向上させることができる。
【0054】
カバー32を閉じた後にシール材70が固化すると、図2に示す防水ジョイント部17が完成する。この防水ジョイント部17により、フレキシブルフラットケーブル14が有する平角導線19のそれぞれを、防水された構造の内部で丸状ケーブル16に接続(変換)することができる。その上で前記丸状ケーブル16を公知の防水コネクタ18に接続すれば、フレキシブルフラットケーブル14の防水コネクタ構造を安価に実現することができる。
【0055】
以上に説明したように、本実施形態のフレキシブルフラットハーネス13は、複数の平角導線19を有するフレキシブルフラットケーブル14と、円形の断面を有する複数の丸状ケーブル16と、前記平角導線19と前記丸状ケーブル16にそれぞれ接続される接続端子40と、前記平角導線19と前記接続端子40との第1接続部46と、前記丸状ケーブル16と前記接続端子40との第2接続部47と、凹部51を有する保護ケース31と、前記凹部51を覆うカバー32と、を備える。そして、前記接続端子40、前記第1接続部46、及び前記第2接続部47が前記保護ケース31の前記凹部51に収容される。前記カバー32には前記凹部51の内底面に向かって突出する押え凸部85が形成されて、この押え凸部85が前記接続端子40に接触又は近接している。前記押え凸部85の少なくとも先端部、前記接続端子40、前記第1接続部46、及び前記第2接続部47を覆うように前記凹部51にシール材が充填されている。
【0056】
これにより、簡単な構成で、フレキシブルフラットケーブル14の端部に丸状ケーブル16を接続することができる。また、このフレキシブルフラットケーブル14と丸状ケーブル16との接続部分はシール材70の充填による防水処理が施されているので(防水ジョイント部17)、当該接続部分に水が侵入することによる短絡を防止できる。更に、保護ケース31の凹部51に接続端子40が配置され、その凹部51にシール材70が充填されるので、シール材70の量が少なくても複数の接続端子40の周囲全体(第1接続部46及び第2接続部47を含む全体)を一括して容易に覆うことができる。従って、防水ジョイント部17の小型化と防水性能を両立できるとともにシール材70の材料コストも低減できる。更に、カバー32の押え凸部85が接続端子40の移動を規制した状態で、当該押え凸部85の先端部を含めて覆うようにシール材70でシールされるので、接続端子40が露出しないように全体を確実にシールでき、防水信頼性を高めることができる。また、保護ケース31とカバー32(押え凸部85)とがシール材70を介して結合される形となるので、カバー32が保護ケース31から外れるのを防止し、保護ケース31内の接続構造を良好に保護することができる。
【0057】
また、前記フレキシブルフラットハーネス13は、丸状ケーブル16に取り付けられる防水コネクタ18を備えている。
【0058】
この構成により、丸状ケーブル16に防水コネクタ18を配置し、これをハーネスのコネクタとすることができる。従って、簡単な構成でコネクタ部分の防水を実現したフレキシブルフラットハーネス13を提供できる。
【0059】
また、前記接続端子40の近傍位置において前記フレキシブルフラットケーブル14と前記丸状ケーブル16には曲げ部61,62が形成され、前記曲げ部61,62が前記保護ケース31の凹部51に収容されている。また、この曲げ部61,62を覆うように前記凹部51にシール材70が充填されている。
【0060】
この構成により、保護ケース31内にはフレキシブルフラットハーネス13及び丸状ケーブル16が曲げられた状態で配置されるので、フレキシブルフラットハーネス13及び丸状ケーブル16に引張方向の力が加わっても保護ケース31から抜けにくく、耐久性に優れる。
【0061】
また、本実施形態では、前記第1接続部46において前記接続端子40は前記平角導線19にピアッシングされており、第2接続部47において前記接続端子40は前記丸状ケーブル16の心線に圧着されている。
【0062】
この構成により、平角導線19と丸状ケーブル16の心線とを接続端子40を介して確実に接続できるとともに、製造コスト及び製造工数を低減できる。
【0063】
また、前記押え凸部85は、前記接続端子40の長手方向の中央部(前記基部41)に接触又は近接している。
【0064】
この構成により、接続端子40を傾かせたりせず、その移動を押え凸部85によって確実に規制した状態でシール材70によりシールすることができる。
【0065】
また、本実施形態のフレキシブルフラットハーネス13においては、前記保護ケース31の凹部51の内底面に固定突起53が形成されている。また、前記接続端子40には前記固定突起53を挿通可能な位置決め穴45が形成されている。そして、前記固定突起53から前記位置決め穴45が抜ける方向の前記接続端子40の移動を前記押え凸部85が規制するように構成されている。
【0066】
この構成により、固定突起53と位置決め穴45とにより、接続端子40を動かないように位置決めしてシール材70でシールすることができる。また、位置決め穴45が固定突起53から抜けないように前記押え凸部85によって接続端子40の移動が規制されるので、固定突起53による前記接続端子40の位置決めは確実に行われる。従って、シール材70による防水処理を確実に行うことができ、接続端子40同士の接触による短絡を防止できる。
【0067】
また、本実施形態のフレキシブルフラットハーネス13は、以下の工程で製造されている。即ち、第1工程では、フレキシブルフラットケーブル14が有する複数の平角導線19に接続端子40をピアッシングして第1接続部46を形成するとともに、円形の断面を有する丸状ケーブル16に当該接続端子40を圧着して第2接続部47を形成する。第2工程(図3)では、前記接続端子40、前記第1接続部46、及び前記第2接続部47を、凹部51を有する保護ケース31に収容する。第3工程では、前記凹部51にシール材70を充填する。第4工程(図4)では、前記シール材70が固化する前に、前記凹部51を覆うようにカバー32を前記保護ケース31に取り付け、当該カバー32に形成されている押え凸部85を前記シール材70に沈めて前記接続端子40に接触又は対面させる。
【0068】
この方法では、第4工程(図4)において、シール材70が固化する前にカバー32の押え凸部85が接続端子40の移動を規制するとともに、当該押え凸部85の先端部を含めて覆うようにシール材70でシールされる。従って、接続端子40が露出しないように全体を確実にシールでき、防水信頼性を高めることができる。
【0069】
なお、前記防水ジョイント部17は、以下の方法で製造することもできる。即ち、最初は図3に示すように、前記フレキシブルフラットケーブル14と前記丸状ケーブル16に形成されている曲げ部61,62と、前記接続端子40とを、凹部51を有する保護ケース31に収容する。その後、図5に示すように、シール材の充填前にカバー32を保護ケース31に取り付け、凹部51を閉鎖する。このとき、カバー32に形成されている押え凸部85を前記凹部51へ挿入し、前記接続端子40に接触又は対面させて、接続端子40の移動を規制しておく。
【0070】
次に、保護ケース31の底面に形成されている注入孔58を介して、保護ケース31にシール材を充填する。このシール材の充填量は、前記押え凸部85の少なくとも先端部、前記接続端子40、及び前記曲げ部61,62を覆うことができる量となるように設定する。
【0071】
なお、図5に示すように、シール材を注入するための注入孔58は保護ケース31のフレキシブルフラットケーブル14寄りの位置に配置されており、この注入孔58から注入されたシール材はフレキシブルフラットケーブル14側に先ず充填され、次いで丸状ケーブル16側へ流れて充填される。このように、それぞれの接続端子40を隔てる隔壁52がないフレキシブルフラットケーブル14側からシール材を充填することで、それぞれの接続端子40へ均等にシール材を行き渡らせることができ、全ての接続端子40をムラ無くシールできる。注入後、シール材を固化させることで、図2に示す防水ジョイント部17を完成させることができる。
【0072】
以上に説明したように、図5では、前述の第3工程と第4工程の代わりに、以下の方法でフレキシブルフラットハーネス13を製造している。即ち、前記保護ケース31の前記凹部51をカバー32で覆い、当該カバー32に形成されている押え凸部85を前記凹部51へ挿入して前記接続端子40に接触又は対面させる。そして、前記押え凸部85の少なくとも先端部、及び前記接続端子40を覆うように前記凹部51内にシール材を充填する。
【0073】
この方法では、カバー32の押え凸部85が接続端子40の移動を規制した状態で、当該押え凸部85の少なくとも先端部まで覆うように凹部51内にシール材を充填するので、接続端子40が露出しないように全体を確実にシールでき、防水信頼性を高めることができる。
【0074】
また、前記の方法では、保護ケース31のフレキシブルフラットケーブル14側に形成された注入孔58を介して、シール材はフレキシブルフラットケーブル14側から充填されている。
【0075】
これにより、フレキシブルフラットケーブル14側から、隔壁52で隔てられた各接続端子40に均等にシール材を行き渡らせて充填することができる。従って、全ての接続端子40についてムラ無くシールを行うことができる。
【0076】
以上に本発明の好適な実施形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0077】
上記実施形態において、前記押え凸部85は、接続端子40の長手方向中央の部分に接触又は近接するように1つ設けられている。しかしながら、前記接続端子40の長手方向両端部に位置するピアス部42及びバレル部43をそれぞれ規制するように、2つの押え凸部をカバー32に形成することもできる。
【0078】
例えば図5において、カバー32によって閉じられた凹部51の一部でなく全部にシール材70を充填することができる。この場合、押え凸部85の先端部だけでなく全部がシール材70に覆われることになる。また、図5における注入孔58は、保護ケース31でなくカバー32側に形成することもできる。
【0079】
上記実施形態においてフレキシブルフラットケーブル14は、図3に示すように、防水ジョイント部17の内部で前記曲げ部61ともう1箇所の計2箇所でクランク状に曲げられている。しかしながら、これに代えて、例えば前記曲げ部61の1箇所だけで折り曲げる構成に変更することができる。同様に、丸状ケーブル16も、前記曲げ部62の1箇所だけで折り曲げる構成に変更することができる。
【0080】
カバー32を保護ケース31と一体的に形成するように変更することができる。例えば、カバー32と保護ケース31とを薄肉状のヒンジで連結した形状に一体成形し、カバー32を閉じることで保護ケース31に固定する構成が考えられる。
【0081】
フレキシブルフラットケーブル14を例えば幅方向に並べて複数本配置し、1つの共通の保護ケース31に接続するように変更することができる。
【0082】
フレキシブルフラットケーブル14の有する平角導線19の数は、スライドドア給電装置の構成及び用途に応じて適宜変更することができる。また、防水コネクタ18の形状についても、スライドドアを有する車両の仕様等に応じて様々に変更することができる。更に、防水コネクタ18に備えられる防水構造も、例えば一括防水タイプ等の様々な防水構造を採用することができる。
【0083】
防水ジョイント部17及び防水コネクタ18は、フレキシブルフラットハーネス13の一側(スライドドア給電装置1における車体側)に備えることに代えて、他側(ドア側)に備えるように変更することができる。また、フレキシブルフラットハーネス13の両端側(車体側とドア側の両方)に防水ジョイント部及び防水コネクタを備えるように変更することができる。
【0084】
本発明のフレキシブルフラットハーネスは、車両のスライドドア給電装置1以外の給電装置に用いることができる。また、車両以外の製品に使用することもできる。ただし、本発明のフレキシブルフラットハーネスは、例えば車両のドアやエンジンルームに位置するモジュール等、防水が要求される部分で使用する場合に特に好適である。また、給電に限らず、信号の伝送を行うためのハーネスに使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0085】
【図1】本発明の一実施形態に係るフレキシブルフラットハーネスを備えるスライドドア給電装置の全体構成を示す平面図。
【図2】フレキシブルフラットハーネスの防水ジョイント部を示す斜視図。
【図3】防水ジョイント部の保護ケースにフレキシブルフラットケーブル及び丸状ケーブルを取り付ける様子を示す分解斜視図。
【図4】保護ケースに注入されたシール材の硬化前に当該保護ケースにカバーを固定する工程を示す斜視図。
【図5】シール材の注入前にカバーを取り付ける変形例の工程を示す斜視図。
【符号の説明】
【0086】
1 スライドドア給電装置
11 ドア側部材
12 車体側部材
13 フレキシブルフラットハーネス
14 フレキシブルフラットケーブル
16 丸状ケーブル
17 防水ジョイント部
18 防水コネクタ
19 平角導線(フラット導線)
31 保護ケース
32 カバー
40 接続端子
45 位置決め穴
46 第1接続部
47 第2接続部
51 保護ケースの凹部
52 隔壁
53 固定突起
58 注入孔
61,62 曲げ部
70 シール材
85 押え凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のフラット導線を有するフレキシブルフラットケーブルと、
略円形の断面を有する複数の丸状ケーブルと、
前記フラット導線と前記丸状ケーブルにそれぞれ接続される接続端子と、
前記フラット導線と前記接続端子との第1接続部と、
前記丸状ケーブルと前記接続端子との第2接続部と、
凹部を有する保護ケースと、
前記凹部を覆うカバーと、
を備え、
前記接続端子、前記第1接続部、及び前記第2接続部が前記保護ケースの前記凹部に収容され、
前記カバーには前記凹部の内底面に向かって突出する押え凸部が形成されて、この押え凸部が前記接続端子に接触又は近接しており、
前記押え凸部の少なくとも先端部、前記接続端子、前記第1接続部、及び前記第2接続部を覆うように前記凹部にシール材が充填されていることを特徴とするフレキシブルフラットハーネス。
【請求項2】
請求項1に記載のフレキシブルフラットハーネスであって、
前記丸状ケーブルに取り付けられる防水コネクタを備えることを特徴とするフレキシブルフラットハーネス。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のフレキシブルフラットハーネスであって、
前記接続端子の近傍位置において前記フレキシブルフラットケーブルと前記丸状ケーブルには曲げ部が形成され、前記曲げ部が前記保護ケースの凹部に収容され、
この曲げ部を覆うように前記凹部にシール材が充填されていることを特徴とするフレキシブルフラットハーネス。
【請求項4】
請求項1から3までの何れか一項に記載のフレキシブルフラットハーネスであって、
前記第1接続部において前記接続端子は前記フラット導線にピアッシングされており、
前記第2接続部において前記接続端子は前記丸状ケーブルの心線に圧着されていることを特徴とするフレキシブルフラットハーネス。
【請求項5】
請求項1から4までの何れか一項に記載のフレキシブルフラットハーネスであって、
前記押え凸部は前記接続端子の長手方向のほぼ中央部に接触又は近接していることを特徴とするフレキシブルフラットハーネス。
【請求項6】
請求項1から5までの何れか一項に記載のフレキシブルフラットハーネスであって、
前記保護ケースの凹部の内底面には固定突起が形成され、
前記接続端子には前記固定突起を挿通可能な位置決め穴が形成され、
前記固定突起から前記位置決め穴が抜ける方向の前記接続端子の移動を前記押え凸部が規制することを特徴とするフレキシブルフラットハーネス。
【請求項7】
フレキシブルフラットケーブルが有する複数のフラット導線に接続端子を接続して第1接続部を形成するとともに、略円形の断面を有する丸状ケーブルに当該接続端子を接続して第2接続部を形成する第1工程と、
前記接続端子、前記第1接続部、及び前記第2接続部を、凹部を有する保護ケースに収容する第2工程と、
前記凹部にシール材を充填する第3工程と、
前記シール材が固化する前に、前記保護ケースの前記凹部をカバーで覆い、当該カバーに形成されている押え凸部を前記シール材に沈めて前記接続端子に接触又は対面させる第4工程と、
を含むことを特徴とするフレキシブルフラットハーネスの製造方法。
【請求項8】
フレキシブルフラットケーブルが有する複数のフラット導線に接続端子を接続して第1接続部を形成するとともに、略円形の断面を有する丸状ケーブルの心線に当該接続端子を接続して第2接続部を形成する第1工程と、
前記接続端子、前記第1接続部、及び前記第2接続部を、凹部を有する保護ケースに収容する第2工程と、
前記保護ケースの前記凹部をカバーで覆い、当該カバーに形成されている押え凸部を前記凹部へ挿入して前記接続端子に接触又は対面させる第3工程と、
前記押え凸部の少なくとも先端部、及び前記接続端子を覆うように前記凹部内にシール材を充填する第4工程と、
を含むことを特徴とするフレキシブルフラットハーネスの製造方法。
【請求項9】
請求項8に記載のフレキシブルフラットハーネスの製造方法であって、
前記第4工程において、前記シール材は前記凹部内のフレキシブルフラットケーブル側から充填されることを特徴とするフレキシブルフラットハーネスの製造方法。
【請求項10】
請求項7から9までの何れか一項に記載のフレキシブルフラットハーネスの製造方法により製造されたことを特徴とするフレキシブルフラットハーネス。
【請求項11】
請求項1から6までの何れか一項、又は請求項10に記載のフレキシブルフラットハーネスを備えることを特徴とするスライドドアの給電装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−87855(P2009−87855A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−258708(P2007−258708)
【出願日】平成19年10月2日(2007.10.2)
【出願人】(000005290)古河電気工業株式会社 (4,457)
【Fターム(参考)】