説明

ブッシュ型流体封入式ゴムマウント及びその製造方法

【課題】軸方向の剛性と半径方向の剛性を独立的に調整可能な流体封入式ゴムマウントを提供する。
【解決手段】内側スリーブ210の外面と間隔を置いて、前記内側スリーブの外面を取り囲む外側スリーブ220と、前記内側スリーブと前記外側スリーブとの間に設置される第1絶縁ゴムと、内側スリーブと前記外側スリーブとの間に形成される内部空間240に半径方向に設置されて、前記内部空間を上側の第1内部空間と下側の第2内部空間とに分割して少なくとも一側に前記第1内部空間240aと前記第2内部空間240bとを連結するオリフィス268,269が形成されている空間分割具260、及び前記内部空間に充填されて前記第1内部空間と前記第2内部空間とに加えられる圧力差によって前記オリフィスを通じて前記第1内部空間と前記第2内部空間との間に流動されながら外部振動を減衰させる流体を含む構成を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はマウント及びその製造方法に関し、特に車のボディーとフレームとの間またはエンジンとフレームとの間など二つの構造物の間に設置され、これら構造物相互間に伝達する衝撃を緩和して振動を吸収する役割をする車用マウント及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にフレームはボディーで伝達する荷重、前後車軸での反力を支持する重要部分である。路面からフレームに伝達した衝撃や振動がボディーなどに伝達することを遮断して、二つの構造物の直接締結による問題点を防止するためにフレームとボディーとの間またはフレームとエンジンとの間などにマウントが装着される。
【0003】
図1は従来のブッシュ型流体封入式ゴムマウントの断面図である。
図1に示すように従来のブッシュ型流体封入式ゴムマウント100は内側スリーブ(inner sleeve)110と外側スリーブ(outer sleeve)120を具備する。二つのスリーブ110、120の間に絶縁ゴム130が設置されて外側スリーブ120との間に内部空間140を形成している。内部空間140にはスリーブら110、120の長さ方向に隔壁142が設置されて内部空間140を2部分で分割して、二つの分割された内部空間140には流体144が満たされている。
【0004】
絶縁ゴム130は内側スリーブ110が結合される結合孔132を具備し、両端付近が外側に延長されて外側スリーブ120の内側面に密着される突出部134らを有する。突出部134と外側スリーブ120内面との間にオリフィスリング150が装着されている。このオリフィスリング150は二つの分割された空間を連通させるオリフィス(図示せず)が形成される部分で流体の移動通路を提供するためである。このオリフィスリング150と外側スリーブ120内面との間に密封のためのオーリング152が介在されている。
【0005】
そして、両側突出部134の間に絶縁ゴム130が半径方向に一定以上収縮されることを防止するストッパ160が設置されている。
図1に示すような従来のブッシュ型流体封入式ゴムマウント100は半径方向のみに流体圧ダンピング効果が現われて、軸方向では流体圧ダンピング効果が現われない。
図1のマウント100は軸方向で高い剛性を得にくいし、車の垂直方向に装着される必要がある時に軸方向で流体圧ダンピング効果を得ることができないという短所がある。
また、図1に示すようなブッシュ型流体封入式ゴムマウント100は軸方向と半径方向の剛性をそれぞれ独立的に調節することが不可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は軸方向で流体圧ダンピング効果を得ることができる車の垂直方向で装着可能なブッシュ型流体封入式ゴムマウントを提供することにある。
本発明の他の目的は軸方向の剛性と半径方向の剛性を独立的にそれぞれ調節することができるブッシュ型流体封入式ゴムマウントを提供することにある。
本発明のまた他の目的は本発明によるブッシュ型流体封入式ゴムマウントを製造する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるブッシュ型流体封入式ゴムマウントは内側スリーブを含む。また、前記内側スリーブ外面と間隔を置いて前記内側スリーブの外面を取り囲む外側スリーブを含む。また、前記内側スリーブと前記外側スリーブとの間に設置される第1絶縁ゴムを含む。この第1絶縁ゴムは、前記内側スリーブが挿入されることができる内側スリーブ挿入孔を具備して、前記内側スリーブと前記外側スリーブとの間に内部空間を形成し、加えられる荷重によって収縮または膨脹されながら外部振動を減衰させて前記内部空間の形状を変化させる。また本発明によるブッシュ型流体封入式ゴムマウントは、前記内部空間に半径方向に配置されて前記内部空間を上側の第1内部空間と下側の第2内部空間とに分割する空間分割具を含む。この空間分割具の少なくとも一側には、前記第1内部空間と前記第2内部空間とを連結するオリフィスが形成され、前記内部空間に充填された流体を前記第1内部空間と前記第2内部空間に加えられる圧力差によって前記オリフィスを通じて前記第1内部空間と前記第2内部空間との間に流動されながら外部振動を減衰させる構成を有する。
【0008】
前記第1絶縁ゴムは上部胴部及び前記胴部で前記内部空間外側に沿って下方に延長された外側延長部を具備して構成され、前記空間分割具は前記内側スリーブの外周面に沿って結合される第1補助スリーブ、前記第1補助スリーブの外周面に沿って設置された第2絶縁ゴム及び前記第2絶縁ゴムの外周面に沿って設置されて、外周面は前記空間部の外側内壁面に密着されて前記オリフィスを有するオリフィスリングを含んで構成されることが望ましい。
【0009】
前記第1絶縁ゴムは前記内部空間が下方に開放されるように形成されていて、前記内部空間の下部はゴムでなされたダイヤフラム、該ダイヤフラムの内側に設置されて前記内側スリーブの外周面に沿って結合される第2補助スリーブ、前記ダイヤフラムの外側に設置されて前記外側スリーブの内側面に沿って結合される第3補助スリーブを具備するダイヤフラム器具によって詰まっていた方が良い。
【0010】
前記外側延長部の内周面には前記オリフィスリングがかかる係止突起が形成されていることが望ましい。
前記オリフィスリングの外周面に沿って流体流動溝が形成されて、前記オリフィスは前記第1内部空間を前記流体流動溝の一側と連結する第1オリフィスと前記流体流動溝の他側を前記第2内部空間と連結する第2オリフィスでなされたものが良い。
【0011】
前記流体流動溝はその両端がお互いに詰まっていて、前記第1オリフィスは前記流体流動溝の一端で0〜15゜の間に形成されて、前記第2オリフィスは前記流体流動溝の一端で335〜350゜の間に形成されていることが望ましい。
前記第1絶縁ゴムと前記第2絶縁ゴムはお互いに異なる材質のゴムでなされている場合がある。
【0012】
前記第1絶縁ゴムの上面に前記第1絶縁ゴムを保護する上部板が設置されて、前記上部板は前記内側スリーブと一体で固定されていて、前記第1絶縁ゴムの外側面には前記外側スリーブの支持を受けるための外側スリーブ支持用の突出部が形成されていることが望ましい。
【0013】
前記第1絶縁ゴムは前記胴部で前記内側スリーブと前記内部空間との間に沿って下方に延長された内側延長部をさらに具備して、前記第1補助スリーブは下部より上部が広く形成された第1拡張部を具備して、前記内部空間の下部でその内部に挿入されて固定され、前記第1拡張部と前記内側スリーブとの間に前記内側延長部が介在されることが望ましい。
【0014】
前記第2補助スリーブは下部より上部が広く形成された第2拡張部を具備して前記内部空間の下部でその内部に挿入されて固定され、前記第2拡張部と前記内側スリーブとの間に前記第1補助スリーブの下部と前記第2絶縁ゴムの下部が介在された方が良い。
【0015】
本発明によるブッシュ型流体封入式ゴムマウントの製造方法は内側スリーブと前記内側スリーブ外面と間隔を置いて前記内側スリーブの外面を取り囲む外側スリーブの間に前記内側スリーブが挿入されることができる内側スリーブ挿入孔を具備して前記内側スリーブと前記外側スリーブとの間に内部空間を形成して下方が開放された第1絶縁ゴムを結合する段階と、前記内部空間に半径方向に設置されて前記内部空間を上側の第1内部空間と下側の第2内部空間で分割して少なくとも一側に前記第1内部空間と前記第2内部空間を連結するオリフィスが形成されている空間分割具を流体の中で前記第1絶縁ゴムの開放された下方を通じて前記内側スリーブと前記外側スリーブとの間で挿入する段階と、ゴムでなされたダイヤフラム、該ダイヤフラムの内側に設置されて前記内側スリーブの外周面に沿って結合される第2補助スリーブ、前記ダイヤフラムの外側に設置されて前記外側スリーブの内側面に沿って結合される第3補助スリーブでなされたダアイプラム器具を流体の中で前記第1絶縁ゴムの開放された下方を通じて前記内側スリーブと前記外側スリーブとの間で挿入する段階と、及び前記外側スリーブの外面を内側に加圧して前記外側スリーブの内面と前記第3補助スリーブとの間が密封されるようにする段階と、を含む構成を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によるブッシュ型流体封入式ゴムマウントは軸方向で流体圧ダンピング効果を提供する。
発明によるブッシュ型流体封入式マウントは、第1絶縁ゴムと第2絶縁ゴムを必要な剛性を具えた材料から選択して使うことができるから、マウントの軸方向の剛性と半径方向の剛性を自在に調整して作ることができる。
本発明によるブッシュ型流体封入式ゴムマウント製造方法によれば、軸方向で流体圧ダンピング効果があるブッシュ型流体封入式ゴムマウントを作ることが可能となり、軸方向の剛性と半径方向の剛性を自在に調整して作ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施例を詳細に説明する。
図2は本発明によるブッシュ型流体封入式ゴムマウントの部分切開斜視図であり、図3は図2のI-Iによる断面図である。
図2と図3に示すように本発明によるブッシュ型流体封入式ゴムマウント200は内側スリーブ210及び内側スリーブ210外面と間隔を置いて前記内側スリーブ210の外面を取り囲む外側スリーブ220を具備する。内側スリーブ210は中空の円筒形状をしている。外側スリーブ220も中空の円筒形状であり、その上端は後で説明される第1絶縁ゴム230の上端付近の突出部232を支持することができるように外方に折り曲げられている。
【0018】
内側スリーブ210と外側スリーブ220との間には第1絶縁ゴム230が装着されている。この第1絶縁ゴム230は中央部に内側スリーブ210が挿入されることができる内側スリーブ挿入孔234を具備し、内側スリーブ210と外側スリーブ220との間に内部空間240を形成する。
【0019】
第1絶縁ゴム230は、内側スリーブ挿入孔234が通過される上部の胴部236、胴部236から内部空間240外側に沿って下方に延長された外側延長部238、及び胴部236と内部空間240と内側スリーブ210との間に沿って下方に延長された内側延長部242を具備している。外側延長部238の内壁面には係止突起244が形成されていて、内側延長部242と外側延長部238との間の下方は開放された形態を取っている。第1絶縁ゴム230は場合によって内側延長部242なしに構成されることができる。また、場合によって外側延長部238を形成しないで外側スリーブ220が内部空間240の内壁を形成するようにするか、または別途のゴムを外側スリーブ220内面に付着して本発明によるマウント200を構成することができるが、望ましくはない。
【0020】
胴部236の外周面には外側スリーブ220の支持を受けるための突出部232が形成されていて、その上方に胴部236の上面に設置される上部板250が安定に装着されることができるように胴部236の上面よりすこし低い位置で外方に延長された側面延長部246が形成されている。
前記のような第1絶縁ゴム230は加えられる荷重によって収縮または膨脹されながら外部振動を減衰させて、内部空間240の形状を変化させる役割をする。
【0021】
第1絶縁ゴム230の上面には第1絶縁ゴム230を保護する上部板250が設置されている。この上部板250は内側スリーブ210と一体で固定されていることが望ましい。
【0022】
本発明によるブッシュ型流体封入式ゴムマウント200は内部空間240に半径方向に配置されて内部空間240を上部の第1内部空間240aと下部の第2内部空間240bとに分割する空間分割具260を有する。
空間分割具260は内側スリーブ210の外周面に沿って結合される第1補助スリーブ262を具備する。第1補助スリーブ262は、その上部に形成された第1拡張部263を具備している。第1拡張部263と内側スリーブ210の間には内側延長部242の下端が介在されていて油密性が向上する。
第1補助スリーブ262の外周面に沿っては、第2絶縁ゴム264が配置されている。この第2絶縁ゴム264は第1絶縁ゴム230と異なる材質の物が使用されることができるし、この場合マウント200の軸方向の剛性と半径方向の剛性を独立的にそれぞれ調整することができる。
【0023】
第2絶縁ゴム264の外周面に沿ってはオリフィスリング266が設置されている。このオリフィスリング266はその外周面が内部空間240の外側内壁面に密着される。望ましくは、内部空間240の外側内壁面は第1絶縁ゴム264の外側延長部238になるものであり、場合によって外側スリーブ220の内壁面にコーティングされた他の材料または外側スリーブ220の内壁面である。
【0024】
図示したようにオリフィスリング266の外周面に沿って流体流動溝267が形成されている。このようなオリフィスリング266には流体流動溝267の一側と第1内部空間240aを連結する第1オリフィス268および流体流動溝267の他側と第2内部空間240bと連結する第2オリフィス269がそれぞれ形成されているが、これと関しては後でさらに詳しく説明する。
【0025】
図示したように内部空間240の下部にはダイヤフラム272が設置されている。このダイヤフラム272としてはゴムでなされたものが適当である。このダイヤフラム272は、第1内部空間240aにあった流体280がオリフィス268、269を通じて第2内部空間240bに移動する時に膨脹して、第2内部空間240bにあった流体280がオリフィス268、269を通じて第1内部空間240aに抜け出る時に収縮して、これらにより第2内部空間240bの大きさと形態を調整する役割をする。
【0026】
ダイヤフラム272はその内側に設置されて内側スリーブ210の外周面に沿って結合される第2補助スリーブ274とその外側に設置されて外側スリーブ220の内側面に沿って結合される第3補助スリーブ276によって第2内部空間240bの下部を塞ぐように設置されている。第2補助スリーブ274及び第3補助スリーブ276はダイヤフラム272の設置のためのものであるので、ダイヤフラム272と合わせてダイヤフラム器具270と称することができる。
【0027】
図示したように第2補助スリーブ274は、その上部が拡張された第2拡張部275を具備し、この第2拡張部275と内側スリーブ210との間に第2絶縁ゴム264の下端と第1補助スリーブ262の下端が介在されることができるように設置される。
【0028】
そして、第3補助スリーブ276の外面と外側スリーブ220内面との間に第1絶縁ゴム230の外側延長部238が介在されて油密性が向上する。
場合によって前記のようなダイヤフラム器具なしに第1絶縁ゴム230の外側延長部238の下端が内側スリーブ210外面と第1補助スリーブ262の間に介在されるか、または内側スリーブ210に付着して第2内部空間240bを形成するように構成されることができることはもちろんである。同じく、第1絶縁ゴムの内側延長部242が長く延長されて外側延長部と接合されるか、または外側スリーブ220に接着されて第2内部空間240bを形成するように構成されることもできる。
【0029】
内部空間240には第1内部空間240aと第2内部空間240bに加えられる圧力差によってオリフィス268、269を通じて第1内部空間240aと第2内部空間240bとの間に流動されながら外部振動を減衰させる流体280が充填されている。
【0030】
流体280としては、冷却水で使用されるモノ−エチレングリコール70%、モノ−プロピレングリコール30%の不凍液などを使えば良い。
上で説明したスリーブらの材料としては、鉄などが使用されることができるし、オリフィスリングとしてはアルミニウムやアルミニウム合金が使用されることができる。スリーブとゴム、オリフィスリングとゴムは接着剤やその他の知られた方法によって堅固にお互いに接着される。
【0031】
図2と図3を通じて説明したようなブッシュ型流体封入式ゴムマウント200は内側スリーブ210を通過するボルトとボルトに結合されるナットを通じて車のフレームとボディーとの間またはフレームとエンジンとの間など二つの構造物の間に設置されて上部構造物の荷重を支持しながら、二つの構造物相互間に伝達する衝撃と振動を減衰させる機能をする。
【0032】
すなわち、走行中である車で路面の凹凸などによってフレームが上昇されれば、上部板250上に搭載されるボディーの重力によって第1絶縁ゴム230が加圧されて収縮されながらフレームとボディー相互間に伝達する衝撃力を緩衝して、振動を減衰させる。第1絶縁ゴム230が収縮されることによって第1内部空間240aは収縮して、第1内部空間240aにあった流体280はオリフィス268、269を通じて第2内部空間240bに流入されながらフレームとボディー相互間に伝達する衝撃力を緩衝して、振動を減衰させる。流体280が第2内部空間240bに流入されればダイヤフラム272は膨脹される。フレームが上昇後に下降する場合には、第1絶縁ゴム230が膨脹されながら第1内部空間240aが膨脹するようになって、収縮時の逆過程でフレームとボディー相互間に伝達する衝撃力を緩衝して、振動を減衰させる。
【0033】
前記のような作動過程で上部板250、内側スリーブ210、外側延長部238を除いた第1絶縁ゴム230、第1補助スリーブ262、第2補助スリーブ274は一緒に上下で動いて、外側スリーブ220とオリフィスリング266及び第3補助スリーブ276はフレームに固定されて動かないで、第2絶縁ゴム264とダイヤフラム272は動く部分と動かない部分との間で一端が上下流動されながら動く部分の運動を許容する役割をする。
【0034】
図4は第1オリフィスと第2オリフィスの設置状態を説明するためのオリフィスリングの平面図である。
図3と図4を一緒に参照すれば、オリフィスリング266にはその側面に沿って流体流動溝267が形成されている。この流体流動溝267はオリフィスリング266のまわり全体に形成しないで、図4に示すように流体流動溝267の両端がお互いに連結されないように形成することが望ましい。この状態で第1オリフィス268は流体流動溝267の一端の付近で第1内部空間240aと流体流動溝267が連結されるように設置して、第2オリフィス269は流体流動溝267他端の付近で第2内部空間240bと流体流動溝267がお互いに連結されるように設置されるのが望ましい。このようにする場合、第1内部空間240aと第2内部空間240bとの間に長い緩衝区域が生じて第1内部空間240aと第2内部空間240b相互間の力の伝達がすこし遅延されて伝達される。
【0035】
前記のようなオリフィスリング266で第1オリフィス268は流体流動溝267の一端で0〜15゜の間に形成されて、第2オリフィス269は流体流動溝267の一端で335〜350゜の間に形成されることが望ましい。
【0036】
図5は本発明によるブッシュ型流体封入式ゴムマウントの製造方法を説明するための説明図である。
【0037】
先ず、図5に示すように上部板250と一体で連結されている内側スリーブ210を第1絶縁ゴム230の内側スリーブ挿入孔234で挿入して、第1絶縁ゴム230の外側に外側スリーブ220を配置する。
その後、内側スリーブ210と外側スリーブ220との間に挟まれるよう結合された第1絶縁ゴム230を、不凍液などの流体が入れられている容器に入れて、第1絶縁ゴム230の内部空間240に流体が満たされるようにする。その状態で、空間分割具260の第1補助スリーブ262を、開放された第1絶縁ゴム230下部から通して、内側スリーブ210に結合して上側に押し上げる。この時、内部空間240内側の流体280らのうち、一部は外部に抜けて来る。空間分割具260などの組み立てを円滑にして内部流体が外部に円滑に流出されることができるようにするのために、組み立て前の第1絶縁ゴム230の外側延長部238または外側スリーブ220は図5に示すように下方に行くほどその内径領域がすこし広くなるように形成した方が良い。
【0038】
これは第2絶縁ゴム230の外側延長部238を下方に行くほどその厚さが減るようにするか、または外側スリーブ220の直径が下方に行くほどすこし大きくなるようにすればよい。
空間分割具260の第1補助スリーブ262が内側スリーブ210に結合されて上昇されることによって第2絶縁ゴム264とオリフィスリング266も一緒に上昇されて、結局第1補助スリーブ262の第1拡張部263と内側スリーブ210との間に第1絶縁ゴム230の内側延長部242が完全に挿入されて、オリフィスリング266は係止突起244に係止して上昇が止めるようになる。
【0039】
その後、第2補助スリーブ274とダイヤフラム272と第3補助スリーブ276を内部空間240の下部開放部を通じて内側スリーブ210と外側スリーブ220との間に結合する。第2補助スリーブ274が内側スリーブ210に結合されて上昇されれば、第2拡張部275と内側スリーブ210との間で第2絶縁ゴム264と第1補助スリーブ262との下端部が挿入されて介在される。
【0040】
その後、第3補助スリーブ276を上側に加圧する状態で外側スリーブ220の下端部の外面を内側に向けて加圧して外側スリーブ220と第1絶縁ゴム230の外側延長部238が第3補助スリーブ276の外面に密着されるようにすれば、本発明によるブッシュ型流体封入式ゴムマウント200が完成される。
【0041】
以上では本発明を実施例によって詳細に説明したが、本発明は実施例によって限定されず、本発明が属する技術分野において通常の知識を有するものであれば本発明の思想と精神を離れることなく、本発明を修正または変更できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】従来のブッシュ型流体封入式ゴムマウントの断面図である。
【図2】本発明によるブッシュ型流体封入式ゴムマウントの部分切開斜視図である。
【図3】図2のI-Iによる断面図である。
【図4】第1オリフィスと第2オリフィスとの設置状態を説明するためのオリフィスリングの平面図である。
【図5】本発明によるブッシュ型流体封入式ゴムマウントの製造方法を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0043】
200 ブッシュ型流体封入式ゴムマウント
210 内側スリーブ
220 外側スリーブ
230 第1絶縁ゴム
240 内部空間
240a 第1内部空間
240b 第2内部空間
250 上部板
260 空間分割具
262 第1補助スリーブ
264 第2絶縁ゴム
266 オリフィスリング
267 流体流動溝
268 第1オリフィス
269 第2オリフィス
270 ダイヤフラム器具
272 ダイヤフラム
274 第2補助スリーブ
276 第3補助スリーブ
280 流体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側スリーブと、
前記内側スリーブ外面と間隔を置いて前記内側スリーブの外面を取り囲む外側スリーブと、
前記内側スリーブが挿入されることができる内側スリーブ挿入孔を具備し、前記内側スリーブと前記外側スリーブとの間に設置されて前記内側スリーブと前記外側スリーブとの間に内部空間を形成し、加えられる荷重によって収縮または膨脹されることにより外部振動を減衰させて前記内部空間の形状を変化させる第1絶縁ゴムと、
前記内部空間に半径方向に配置されて前記内部空間を上側の第1内部空間と下側の第2内部空間で分割して、少なくとも一側に前記第1内部空間と前記第2内部空間とを連結するオリフィスが形成されている空間分割具と、及び
前記内部空間に充填され、前記第1内部空間と前記第2内部空間に加えられる圧力差によって前記オリフィスを通じて前記第1内部空間と前記第2内部空間との間に流動されながら外部振動を減衰させる流体と、を含むブッシュ型流体封入式ゴムマウント。
【請求項2】
前記第1絶縁ゴムは、上側に設置した胴部及び該胴部から前記内部空間外側に沿って下方に延長された外側延長部を具備して構成され、
前記空間分割具は、前記内側スリーブの外周面に沿って結合される第1補助スリーブ、前記第1補助スリーブの外周面に沿って設置された第2絶縁ゴム及び前記第2絶縁ゴムの外周面に沿って設置されて、外周面は前記空間部の外側内壁面に密着されて前記オリフィスを有するオリフィスリングを含んで構成されたことを特徴とする請求項1に記載のブッシュ型流体封入式ゴムマウント。
【請求項3】
前記第1絶縁ゴムは前記内部空間が下方に開放されるように形成されていて、前記内部空間の下部はゴムで形成されたダイヤフラム、前記ダイヤフラムの内側に設置されて前記内側スリーブの外周面に沿って結合される第2補助スリーブ、前記ダイヤフラムの外側に設置されて前記外側スリーブの内側面に沿って結合される第3補助スリーブを具備するダイヤフラム器具によって詰まっていることを特徴とする請求項1に記載のブッシュ型流体封入式ゴムマウント。
【請求項4】
前記外側延長部の内周面には前記オリフィスリングがかかる係止突起が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のブッシュ型流体封入式ゴムマウント。
【請求項5】
前記オリフィスリングの外周面に沿って流体流動溝が形成されて、前記オリフィスは前記第1内部空間を前記流体流動溝の一側と連結する第1オリフィスと前記流体流動溝の他側を前記第2内部空間と連結する第2オリフィスからなることを特徴とする請求項2に記載のブッシュ型流体封入式ゴムマウント。
【請求項6】
前記第1絶縁ゴムと前記第2絶縁ゴムはお互いに異なる材質のゴムでなされていることを特徴とする請求項2に記載のブッシュ型流体封入式ゴムマウント。
【請求項7】
前記第1絶縁ゴムの上面に前記第1絶縁ゴムを保護する上部板が設置されて、前記上部板は前記内側スリーブと一体で固定されていて、前記第1絶縁ゴムの外側面には前記外側スリーブの支持を受けるための外側スリーブ支持用突出部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のブッシュ型流体封入式ゴムマウント。
【請求項8】
前記第1絶縁ゴムは前記胴部で前記内側スリーブと前記内部空間との間に沿って下方に延長された内側延長部をさらに具備して、
前記第1補助スリーブは下部より上部が広く形成された第1拡張部を具備して、前記第1補助スリーブの下部は前記内部空間に挿入されて固定され、前記第1拡張部と前記内側スリーブとの間に前記内側延長部が介在されることを特徴とする請求項2に記載のブッシュ型流体封入式ゴムマウント。
【請求項9】
前記第2補助スリーブは下部より上部が広く形成された第2拡張部を具備して、前記第2補助スリーブ下部は前記内部空間のうちの下部に挿入されて固定され、前記第2拡張部と前記内側スリーブとの間に前記第1補助スリーブの下部と前記第2絶縁ゴムの下部が介在されることを特徴とする請求項3に記載のブッシュ型流体封入式ゴムマウント。
【請求項10】
内側スリーブと前記内側スリーブ外面と間隔を置いて前記内側スリーブの外面を取り囲む外側スリーブとの間に、前記内側スリーブが挿入されることができる内側スリーブ挿入孔を具備して前記内側スリーブと前記外側スリーブとの間に内部空間を形成して下方が開放された第1絶縁ゴムを結合する段階と、
前記内部空間に半径方向で設置されて前記内部空間を上側の第1内部空間と下側の第2内部空間に分割して少なくとも一側に前記第1内部空間と前記第2内部空間とを連結するオリフィスが形成されている空間分割具を、流体の中で前記第1絶縁ゴムの開放された下方を通じて前記内側スリーブと前記外側スリーブとの間に挿入する段階と、
ゴムで形成されたダイヤフラム、前記ダイヤフラムの内側に設置されて前記内側スリーブの外周面に沿って結合される第2補助スリーブ、および前記ダイヤフラムの外側に設置されて前記外側スリーブの内側面に沿って結合される第3補助スリーブで構成されたダアイプラム器具を、流体の中で前記第1絶縁ゴムの開放された下方を通じて前記内側スリーブと前記外側スリーブとの間で挿入する段階と、及び
前記外側スリーブの外面を内側に加圧して前記外側スリーブの内面と前記第3補助スリーブの間が密封されるようにする段階と、を含むブッシュ型流体封入式ゴムマウント製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−309507(P2007−309507A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−170987(P2006−170987)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【出願人】(506213946)ディーティーアール カンパニー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】