説明

ブラシレスモータ

【課題】 電子回路基板とロータマグネットを接近させることでホールICの磁極検出精度を向上させ、そしてモータの薄型化を可能にする。
【解決手段】 ブラシレスモータにおいて、電子回路基板4には、開口穴41と開口穴41の各外周側には切り欠き部42とが設けられており、ステータ3における下方側インシュレータ32には電子回路基板4との当たり面32aと弧状突片32cとが設けられている。そしてステータ3における各ティース部のコイル巻回部分の一部を電子回路基板4に嵌め込む状態になるように電子回路基板4の面と下方側インシュレータ32の当たり面32aを当接し、そして電子回路基板4の切り欠き部42と下方側インシュレータ32の弧状突片32cとを係合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薄型のブラシレスモータに関する。
【背景技術】
【0002】
図6は、従来のブラシレスモータの一例であるファンモータの断面構造を示したものである。
【0003】
このファンモータはほぼ筒状のケーシングAを備えている。このケーシングAの一端開口側の中央部には、複数の放射状アームを介してブラケットBが一体成形されており、そのブラケットBの中央部には、筒状の軸受保持部Cが嵌挿されている。
【0004】
軸受保持部Cの内周部には、一対の軸受が保持され、この軸受に回転部中心であるシャフトFが嵌挿され、シャフトFを中心として回転部が、軸受により回転自在に支持される。シャフトFの上部には、カップ状のヨークKが固定されている。ヨークKの外周面には、インペラHが固定され、またヨークKの内周面には、リング状のロータマグネットNが固定されている。ロータマグネットNは、軸受保持部Cの外周面に固定されたステータPと半径方向に間隙を介し対向する。
【0005】
ステータPは、ステータコアの複数のティースにインシュレータを介して巻線を施すことにより構成されており、このステータPの下方(静止部)には、電子回路を搭載した電子回路基板Qが固定されている。より具体的には、電子回路基板QはステータPの巻線Oとの間に所定の隙間が形成されるようインシュレータに連結されている。電子回路基板Qには、駆動制御回路用ICや抵抗、コンデンサの他に、ロータマグネットNに軸方向に対向する位置にロータマグネットNの回転位置を検出するホールICQ1が実装されている。そして巻線Oに所定の電流を供給して巻線OとステータP側及びヨークKとロータマグネットN側をそれぞれブラシレスモータの静止部及び回転部として作動させる。そして電子回路基板Qは、巻線O・ステータP側に対してヨークK・ロータマグネット側Nを回転させるために巻線Oへの供給電流を制御する。巻線Oと電子回路基板Qとは、図示しない導電体により接続されている。また電子回路基板Qにはリード線Rが接続されており、このリード線Rがアームを通してケーシングAの外部に引き出され、外部から電子回路基板Qに電源供給するようになっている(従来のブラシレスモータとして例えば特許文献1を参照)。
【0006】
【特許文献1】特開2002−5093号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ブラシレスモータの駆動は、ロータマグネットNの磁極位置に同期して、ステータPの巻線Oの電流方向を切り換えて行う。その為、ロータマグネットNの磁極位置を検出するためのセンサが必要となる。またそのセンサの必要条件は、ロータマグネットNの磁極の極性と磁界強度が検出できることである。ブラシレスモータはそのセンサにホールICQ1を使用することが主流である。ホールICQ1は、ホールICQ1の出力電圧の大きさと方向が、磁束密度と素子電流の積となることより、磁界強度と極性を検出できる。ホールICQ1の出力電圧は磁束密度に比例するので、ロータマグネットNとホールICQ1との距離が小さければ、つまりロータマグネットNとホールICQ1との軸方向距離Sが近ければ、その分ホールICQ1の出力電圧は大きくなる。従ってブラシレスモータにおいてロータマグネットNの磁極位置を精度よく検出するためには、ロータマグネットNとホールICQ1とを近接配置することが望ましい。
【0008】
しかしながら、上述した従来のブラシレスモータの構造では、電子回路基板QをステータPの巻線Oと所定の距離を離して配置されているため、ステータPに径方向に対向するロータマグネットNと電子回路基板Qとの軸方向距離Sが大きい。そのため電子回路基板Qのロータ側に実装されているホールICQ1に影響するロータマグネットNの磁束密度が低くなり、ホールICQ1のロータマグネットNの磁極位置検出が満足できない問題がある。
【0009】
更にブラシレスモータの薄型を図る場合、各部品の軸方向間隔を小さくしようとすると巻線Oが電子回路基板Q表面に接近し、最悪の場合、電子回路基板Qと接触してしまい、モータの高さを低くすることができない問題がある。加えて、この種のブラシレスモータでは、モータ特性の要求に応じ、ステータPの巻線Oのターン数が決定されるが、ターン数に従って巻線高さが異なることから巻線Oと電子回路基板Q間の隙間も変化することになり、結果的に巻線高さに制約を受け、モータ設計の自由度が低下することとなる。
【0010】
本発明は、従来技術に存した上記の様な問題点に鑑み行われたものであり、その目的とするところは、電子回路基板QとロータマグネットNとを近づけることを可能にし、ホールICQ1のロータマグネットNの磁極位置検出を満足させ、更に薄型化を実現させるブラシレスモータを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の請求項1記載のブラシレスモータは、ハウジングに設けられた円筒状軸受保持部と、該軸受保持部に外嵌されたステータコア、このステータコアの複数のティース部を覆ったインシュレータ及び各ティース部にインシュレータを介して巻回されたコイルを有するステータと、前記軸受保持部の内側に軸受部材を介して回転自在に支持されたシャフトを有するロータと、該ロータに前記ステータと径方向に対向するよう装着された多極着磁された円筒状ロータマグネットと、前記ステータに軸線方向に対向して配設され前記コイルの端部が接続された回路基板とを備えたブラシレスモータにおいて、
前記回路基板には、前記軸受保持部が遊嵌する中央孔部と、この中央孔部に連通し前記各ティース部のコイル巻回部分にそれぞれ対向した複数の逃がし孔部とが形成されており、前記回路基板が、前記各逃がし孔部にそれぞれ前記各ティース部のコイル巻回部分の一部を嵌め込んだ状態で取り付けられていることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項2記載のブラシレスモータは、前記インシュレータには、前記回路基板が軸線方向から当接してステータコアに対する回路基板の軸線方向高さ位置を規定する当たりが形成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項3記載のブラシレスモータは、前記インシュレータには、前記ステータの各ティース部間のスロット位置に軸線方向に長い導電ピンが支持されており、前記ティース部に巻回されたコイルが前記導電ピンに接続され、該導電ピンが前記回路基板に接続されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項4記載のブラシレスモータは、前記回路基板の前記ロータマグネットに対向する位置にはセンサ用孔部が設けられ、当該孔部に前記ロータマグネットの磁極を検出するロータ位置検出素子が配置されていることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項5記載のブラシレスモータは、前記回路基板における少なくとも一つの逃がし孔部の周縁に切り欠き部が形成され、前記インシュレータに前記切り欠き部に軸線方向に係合する爪片が形成され、ステータに対する回路基板の回り止めとして機能していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、ロータマグネットとホールICとの距離を縮めることができ、ホールICの出力電圧を上げることによって磁極位置検出精度を上げることができる。更にモータの薄型化を実現することができる。また同じモータ高さであっても、ステータの位置が低くなっているため、ロータとステータとの間の軸方向に低くした分だけ空間的な余裕ができ、巻線を多く巻き込むことが出来るので、モータの電流値低減及び低速化が可能となる。即ち、モータ設計の自由度が上がり、より広範囲のモータ特性の要求に応じることができる。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、下側インシュレータの当たりと電子回路基板上面とが当接されることで容易に且つ確実にステータに対する電子回路基板の位置を決めることができる。
【0018】
請求項3に記載の発明によれば、予めインシュレータに挿入された導通ピンに、電子回路基板の導通ピン通し孔に通しながらインシュレータの当たりまで電子回路基板は配置され、そして導通ピンと電子回路基板とは固持されるので、インシュレータと電子回路基板との保持をより確実にすることができる。またステータと電子回路基板との取りつけ位置の位置決めも容易にすることができる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、ロータ位置検出素子の位置決めを確実にすることができ、ロータマグネットとの位置関係を正確に決めることができるので磁極位置検出精度を上げることができる。また電子回路基板面とロータ位置検出素子であるホールICの上面の高さを合わせることにより、コイルから発生する磁界の影響を抑えることができる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、切り欠き部にインシュレータの爪片が係合することによってステータと電子回路基板との周方向の位置決めが確実に行うことができる。また同時にこの係合は、電子回路基板の回り止めの作用も生じる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施例を、図面を参照しつつ説明する。図1は本発明のブラシレスモータをファンモータに適用した場合の要部を示す軸方向断面図である。図2は電子回路基板の平面図である。図3はステータ部分を拡大し、ステータの巻線と電子回路基板との位置及び取り付け関係を示した図である。また図4は電子回路基板を下側より見た図であり、ステータの巻線の一部と電子回路基板の開口穴との関係を表す図である。図5は下方側インシュレータを下側から見た図である。
【0022】
ファンモータのハウジングには一端開口側の中央部に上方開口の浅皿形状をなすブラケット1が一体に設けられ、中央部には、上方に向かって延びた有底円筒状の軸受保持部1aを有している。軸受保持部1aの内部には略円筒状の軸受部2が収容され、中央付近底面部には、内側の軸受部2を支持するための突部1bが設けられている。そして軸受保持部1aの上端部には、後述するインシュレータを取りつけるための保持爪1cが数カ所設けられている。
【0023】
略2段円柱形状をなす軸受部2には、内側の軸受部2aがブラケット1の軸受保持部1aにおける底面中心付近の環状突部1bに当接するように内嵌され、そして外側の軸受部2bは軸保持部に当接するように内嵌される。そしてこの軸受部2の内側には、ロータの回転中心であるシャフト5が嵌挿され、これが軸受に部2より回転自在に支持される。この軸受部2は、含油性の多孔質金属燒結体からなるすべり軸受であり、その内周面が軸受面となり、シャフト5が摺動することにより表面から油(潤滑油)が滲み出る。この油(潤滑油)がシャフト5と内周面との媒介物となり、シャフト5と内周面との直接接触をなくし回転可能に支持する。
【0024】
ブラケット1の軸受保持部1aの外側には、ステータ3が外嵌されている。ステータ3は、積層されて周方向に複数(実施例では4つ)のティースが配列した環状のコア3aとこれを上下から狭持してコア3aの内周面と各ティースの周方向外側の面を除くコア3aのほぼ全面を覆う絶縁性合成樹脂製の上方側インシュレータ31及び下方側インシュレータ32と、コア3aの各ティースにインシュレータ31、32を介してこれらに巻回されるコイル33とコイル33を電子回路基板4に接続するための導電ピン9とからなる。ステータ3においてブラケット1の基部側には、電子回路基板4が下方側インシュレータ32によって固定されている。
【0025】
上方側インシュレータ31の上端部内周部には、断面逆U字型を形成し、かつ内周方向に突部31cを有する環状の装着部31aが一体成形され、この装着部31aに軸受保持部1a上端部を嵌め込むようにステータ3が配設されている。またこの装着部31aは、ブラケット1の軸受保持部1bの頂上部にある保持爪1cと接合するために数カ所開口部31bを有する。そして開口部31bと保持爪1cは弾性変形して係合し、ステータ3の抜け止めとして機能する。下方側インシュレータ32には、各ティースの位置に対応して電子回路基板4を軸方向に位置決めする当たり面32aと電子回路基板の周方向の位置決めを行う内周側、外周側の弧状突片32b、32cとが設けられるときに、各ティース間のスロット位置に対応して導電ピン9を貫通保持するための膨出部32dが設けられており、導電ピン9の上端部にコイル33がからげられて接続され、導電ピン9の下端部が電子回路基板4に通じる。
【0026】
軸受部2よりも更に上方に延びる金属製のシャフト5は軸受部2よりも若干小さい外径(大径面)を有する円柱体であるが、軸受部2に保持されたときにこの上面より上方では、上方に向かってテ−パ状に縮径する面と外径が一様に小さい面(小径面)とからなるネック5aを有する。更に上方では、太くなった径(大径面)を経て上端面に達する。また軸受部2に対応する部分では、下方に向かってテ−パ状に縮径する面と外径が一様に小さい面(中径面)と下方に向かってテ−パ状に膨径する面とを有する。更に下端では、太くなった径(大径面)を経て下端面5bに達する。下端面5bでは球状面となっている。
【0027】
シャフト5の上端には、ロータ6が固定されている。ロータ6は、略椀形状のロータフレーム6aとその周壁外周側に羽根6bとが一体成形されてなる。ロータフレーム6aの周壁には、上端部が内方に屈曲した略円筒形状の磁性体からなるヨーク7が内嵌固定され、そのヨーク7には、円筒形状のロータマグネット8がステータ3と相対するように内嵌固定されている。ロータフレーム6aの基部はロータフレーム6aのボス部6a1によって支持されている。シャフト5の上端5cには、ローレットが形成されており、ロータフレーム6aのボス部6a1と結合するときの密着性を高めるようにしている。ロータフレーム6aの成形時にシャフト5の上端5cをインサート成形してこれらを一体化することもできる。ロータフレーム6aのボス部6a1の下端にある突部6a2及び軸受部2の上端外周の環状突部2b1と上側インシュレータ31の内周方向の突部31cとが組み合わさることで、ラビリンス構造を形成する。このラビリンス構造により、軸受部2からの油(潤滑油)の飛散は防止される。
【0028】
電子回路基板4には、図2に示されるように開口穴41と導電ピン9を通すための貫通孔43とホールIC45の位置決めを行うための貫通孔44とが設けられている。そして開口穴41は、軸受保持部1aが遊嵌する円形の中央孔部41aとこれに連通し各ティースのコイル巻回部分にそれぞれ対向した4つの逃し孔部41bとからなっており、各逃がし孔部41bのそれぞれの外側には切り欠き部42が設けられている。また電子回路基板4には、駆動制御回路用ICと抵抗とコンデンサとホールIC45とが実装されており、ホールIC45は貫通孔44に嵌め込むようにして実装されている。その電子回路基板4において、ステータ3が配置される各位置には、それぞれに逃がし孔部41bが位置しており、ロータマグネット8と電子回路基板4上面を接近させようとしてコイル部33を下げることで(電子回路基板4を上げることで)コイル部33の一部が電子回路基板4より下側に配置され、図4に示されるように開口穴41にコイル部33の一部が電子回路基板4との接触がないように嵌め込まれた状態になっている。
【0029】
また下方側インシュレータ32の内周側の各弧状突片32bを電子回路基板4の開口穴41における各逃がし孔41bの円周側に嵌め込み、インシュレータ32の当たり面32aを電子回路基板4のロータマグネット8側である上面に当接して組み付けることでステータ3と電子回路基板4との軸方向の位置が精度よく保持される。更に貫通孔44にホールIC45を電子回路基板4の上面とホールIC45の上面位置とを合わせるように位置決めを行い、実装することでロータマグネット8との位置関係を良好に保つことができ、そして製品によるホールIC45の位置のバラツキを抑えることができる。
【0030】
また図5に示されるように下側インシュレータ32の導電ピン9を貫通保持するための膨出部32dは4箇所設けられている。これは図5のように上下左右対称の形状であると成形しやすいためである。その内の3箇所に導電ピン9を貫通保持する。電子回路基板4には、導電ピン9を通す貫通孔43が3箇所設けられている。この構成によりステータ3と電子回路基板4とを取り付ける際に下方側インシュレータ32より突出した3つの導電ピン9を電子回路基板4の導電ピン9を通す3箇所の貫通孔43にそれぞれ合わせることにより、ステータ3と電子回路基板4との取り付ける向きを容易に決定することができる。
【0031】
また下方側インシュレータ32の外周側の各弧状突片32bが電子回路基板4における各開口穴41の外側の切り欠き部42に弾性変形して係合されることで、電子回路基板4は下方側インシュレータ32に保持され、そしてステータ3と電子回路基板4との周方向の正確な位置決めを行うことができる。したがって、ホールIC45がステータ3のスロットに対して正確な位置に配置される。
【0032】
ステータ3と電子回路基板4とを組み付けることで電子回路基板4の軸方向下側に導電ピン9が飛び出す。電子回路基板4の下面における各貫通孔43の周囲には、図4で示されるようにランド43aが形成されており、電子回路基板4より導出した導電ピン9をランド43aにて半田付けすることにより、導電ピン9を通してステータ3と電子回路基板4とは通電することができ、更に電子回路基板4とステータ3との固持も確実となる。
【0033】
コイル部33の一部が電子回路基板4より下方に配置されることで、ステータ3の位置を下げることができる。ステータ3とロータマグネット8は相対向しなければならないので、ロータマグネット8も下げる必要がある。従ってロータマグネット8と電子回路基板4とが近づき、そしてロータマグネット8とホールIC45との距離46を近づけることができる。それによってホールIC45の出力電圧が大きくなり、磁気位置検出精度を上げることができるので、磁気位置検出を満足することができる。
【0034】
またステータ3の位置を下げることで、電子回路基板4からコイル部33の上部までの高さが低くなるので、それに伴い各部品を軸方向に短縮することができる。従って、モータの薄型化を図ることができる。
【0035】
またステータ3の位置を下げることにより、ステータ3のコイル部33とロータフレーム6a内側部との間に軸方向の距離が広がる。その距離分だけ更にティース部にコイル33を巻回することができるので、巻線高さの制約が広がり、設計自由度が向上する。そしてコイル33をより多く巻回することで、同じ回転数にてモータを駆動させたとしても、モータを回転させるのに使用される電流値を低減できる。また同じ電流値でも更なる低速回転に対応することができる。
【0036】
以上、本発明にかかるブラシレスモータの実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、発明の範囲を逸脱することなく、種々の変形乃至修正が可能である。例えば、本発明における下側インシュレータ32と導電ピン9との接続には、下側インシュレータ32のティース間に膨出部32dを設けたが、下側インシュレータ32の各ティース部下側に膨出部32dを設け、導電ピン9を保持してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明に係るモータを示す軸方向断面図である。
【図2】上記モータに用いられている電子回路基板図である。
【図3】上記モータに用いられている電子回路基板とステータとを組み合わせた状 態のものをブラケット側より見た図である。
【図4】上記モータに用いられている電子回路基板とステータとの位置関係を拡大した 図である。
【図5】上記モータに用いられている下方側インシュレータを下側より見た図である。
【図6】従来のモータを示す軸方向断面図である。
【符号の説明】
【0038】
3 ステータ
3a コア
31 上方側インシュレータ
31a 装着部
31b 開口部
31c 内周方向突部
32 下方側インシュレータ
32a 電子回路基板当たり面
32b、32c 弧状突片
32d 膨出部
4 電子回路基板
41 開口穴
41a 中央孔部
41b 逃がし孔部
42 切り欠き部
43 導電ピン貫通孔
43a ランド部
44 ホールIC貫通孔
45 ホールIC
8 ロータマグネット
9 導電ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングに設けられた円筒状軸受保持部と、該軸受保持部に外嵌されたステータコア、このステータコアの複数のティース部を覆ったインシュレータ及び各ティース部にインシュレータを介して巻回されたコイルを有するステータと、前記軸受保持部の内側に軸受部材を介して回転自在に支持されたシャフトを有するロータと、該ロータに前記ステータと径方向に対向するよう装着された多極着磁された円筒状ロータマグネットと、前記ステータに軸線方向に対向して配設され前記コイルの端部が接続された回路基板とを備えたブラシレスモータにおいて、
前記回路基板には、前記軸受保持部が遊嵌する中央孔部と、この中央孔部に連通し前記各ティース部のコイル巻回部分にそれぞれ対向した複数の逃がし孔部とが形成されており、前記回路基板が、前記各逃がし孔部にそれぞれ前記各ティース部のコイル巻回部分の一部を嵌め込んだ状態で取り付けられていることを特徴とするブラシレスモータ。
【請求項2】
前記インシュレータには、前記回路基板が軸線方向から当接してステータコアに対する回路基板の軸線方向高さ位置を規定する当たりが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のブラシレスモータ。
【請求項3】
前記インシュレータには、前記ステータの各ティース部間のスロット位置に軸線方向に長い導電ピンが支持されており、前記ティース部に巻回されたコイルが前記導電ピンに接続され、該導電ピンが前記回路基板に接続されていることを特徴とする請求項1に記載のブラシレスモータ。
【請求項4】
前記回路基板の前記ロータマグネットに対向する位置にはセンサ用孔部が設けられ、当該孔部に前記ロータマグネットの磁極を検出するロータ位置検出素子が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のブラシレスモータ。
【請求項5】
前記回路基板における少なくとも一つの逃がし孔部の周縁に切り欠き部が形成され、前記インシュレータに前記切り欠き部に軸線方向に係合する爪片が形成され、ステータに対する回路基板の回り止めとして機能していることを特徴とする請求項1に記載のブラシレスモータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−74864(P2006−74864A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−252585(P2004−252585)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(000232302)日本電産株式会社 (697)
【Fターム(参考)】