ブレーキアクチュエータを形成するための装置、および方法
【課題】空気圧式ブレーキアクチュエータのフランジケース内に画定されたシール溝の中にシールを取り付けるための改善された装置および方法を提供し、組付けの自動化を可能とし、ヒューマンエラーの可能性をなくす。
【解決手段】軸方向に移動可能な周辺溝を画定するフランジケースを含むブレーキアクチュエータのシール組付け装置。プッシュロッドは、シールに接触しているプッシュロッドガイドブッシングを有する。装置の自動マニピュレータがフランジケースに対して多軸方向に移動し、自動マニピュレータのタッキング工具はシールを保持する。工具は互いに対して移動可能な少なくとも2つの部材を含む。第1の部材はタッキング工具の軸を中心に回転し、フランジケースの周辺溝の中にシールを押しつけるためのタッキング面を有する。第2の部材はシールを周辺溝の中に徐々に挿入し、シールを周辺溝の背後壁の中に押しこむ。
【解決手段】軸方向に移動可能な周辺溝を画定するフランジケースを含むブレーキアクチュエータのシール組付け装置。プッシュロッドは、シールに接触しているプッシュロッドガイドブッシングを有する。装置の自動マニピュレータがフランジケースに対して多軸方向に移動し、自動マニピュレータのタッキング工具はシールを保持する。工具は互いに対して移動可能な少なくとも2つの部材を含む。第1の部材はタッキング工具の軸を中心に回転し、フランジケースの周辺溝の中にシールを押しつけるためのタッキング面を有する。第2の部材はシールを周辺溝の中に徐々に挿入し、シールを周辺溝の背後壁の中に押しこむ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のブレーキ装置のための改善されたダイヤフラム式の空気圧式ブレーキアクチュエータに関し、より詳細には、ブレーキアクチュエータのフランジケースの中にシールを取り付ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空気圧式ブレーキアクチュエータは、車両総重量が大きく、かなりのブレーキ力で迅速に応答するブレーキ装置を必要とする、トラックやバスやトレーラなどの商用車両の空気圧式ブレーキ装置の部品を形成する。典型的なダイヤフラム式の空気圧式ブレーキアクチュエータは、互いに対向するリムまたはフランジ部分を含むカップ形のハウジング部材を有するハウジングと、中心部分を含み弛緩状態でカップ形である可撓性のダイヤフラムと、前記中心部分を取り囲む概して円錐形の側壁と、前記ハウジング部材のリム部分の間に延びる概して放射状のリム部分と、を含む。ブレーキアクチュエータはさらに接触面を有するピストンを含み、該ピストンはダイヤフラムの中心部分と係合し、第1の位置からダイヤフラムの反対側の空気圧の変化に応じてダイヤフラムの中心部分および側壁部分と共に往復運動する。それに応じて、ダイヤフラムはカップ形に引き延ばされ、車両ブレーキ装置を作動させる反転位置である第2の位置へと引き延ばされる。ブレーキアクチュエータはブレーキアクチュエータを作動させるように、空気圧ラインによって車両の空気圧ブレーキ装置へと接続される。ピストンは車両のブレーキを作動させるように、車両のブレーキ装置へと動作可能に接続される。
【0003】
ブレーキアクチュエータ装置は、緊急用またはスプリングチャンバを含み、該チャンバは、車両の空気圧が所定の最小値を下回った場合またはサイドブレーキが車両の運転者によって作動させられた場合に車両のブレーキ装置を作動させるパワースプリングを有する。スプリングブレーキチャンバにおいて、パワースプリングは端部壁とピストンの間のハウジング内に位置する。車両の通常の動作の間、車両からの空気圧は、パワースプリングとピストンの反対側のカップ形のダイヤフラムの側のパワースプリングチャンバ内に受け入れられ、通常はパワースプリングを圧縮する。スプリングチャンバ内の空気圧が所定の最小値を下回った場合、パワースプリングは延びて車両のブレーキ装置を作動させる。
【0004】
スプリングチャンバおよびサービスチャンバは、例えば、本願の譲受人に譲受された特許文献1に開示されているように、「ピギーバック(piggyback)」アセンブリ内で組み合わせられてもよい。この設計において、アセンブリは、中心に概してH形のフランジケースを含み、フランジケースの両端部はカップ形のハウジング部材によって囲まれており、フランジケースの一方の側にサービスチャンバを、フランジケースの反対の側にパワースプリングチャンバを画定する。フランジケースのウェブ部分の中心開口は、ピストンおよびパワースプリングと反対側のサービスチャンバ内のダイヤフラムの中心部分に対して付勢されたヘッド部分を有するプッシュロッドを受け入れ、よってプッシュロッドは、スプリングチャンバ内の圧力が所定の最小圧力を下回った場合には車両ブレーキ装置を作動させるように、サービスチャンバ内でピストンに対して駆動される。
【0005】
現在、シールは手動で取り付けられる。シールの手動での取り付けはコスト的に効率的でなく、ヒューマンエラーの可能性が高い。この問題を解決するために、ペンシルバニア州Erieを本拠とする企業、Automated Industrial Apparatusによって生産された、手動取り付けの必要を解消するように自動化装置を用いるタイプの従来技術の装置が、Oリングおよびシールを取り付けるために用いられてきた。実行できる範囲では、これらの装置はシール溝と同じ平面上にシールを保ち、それによってファンネルを通ってシールを押すことによってシールの外径を縮小させる。この方法は、シールとシールが取り付けられる溝との間の完全な「シートコンタクト(seat contact)」の形成に悪影響を与える。このことはシール溝とシールとの間に空洞を残し、流体、潤滑剤などが漏れるおそれをもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5311809号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それゆえ、シールの取り付けの方法および装置を改善させることが、長年にわたって必要であった。これらの、そして他の問題が、以下に記載の改善された装置および方法によって解決される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の装置は、ブレーキアクチュエータ(図示せず)の概してH形のフランジケースの中にシールを取り付ける。フランジケースは中心のウェブ部分、外部壁および放射状に延びるフランジを有する。ブレーキアクチュエータのカバーまたはヘッド部分は端部壁、側壁およびフランジまたはスカート部分を含む。可撓性のダイヤフラムがフランジケースとカバーの間に延在し、それによってダイヤフラムの互いに反対側に下方の空気圧チャンバと上方の空気圧チャンバを形成する。フランジケースはウェブ部分内に開口を画定し、該開口はやはりウェブ部分内に画定された周辺溝の中に延びる。周辺溝の直径は開口の半径よりも大きく、周辺溝と開口の両方が互いに同軸に位置合わせされている。周辺溝と開口はフランジケースに関して軸方向に移動可能なプッシュロッド(図示せず)を囲む。
【0009】
自動化装置は、ウェブ部分内に画定された開口を通して周辺溝の中にシールを取り付ける。当業者は、自動化装置がシール、Oリングなどの取り付けを必要とする任意の用途に使用されることができるものであり、本発明の範囲を限定するものではないことを理解するであろう。自動化装置は多軸運動のために応用可能なアームを提供する。アームの末端部は末端部を通って末端部先端へと延びるシャフトを含む。
【0010】
シール保持要素またはガイドが末端部先端と協働する。シールデフレクタがシール保持ガイドに接続される。プランジャはセンターピンおよび以下に述べる他のシール係合要素を含む。プランジャはシール保持ガイドの内部に位置し、シール保持ガイドに対して移動可能である。シール取り付けの初期段階において、シールはシール保持ガイドの中に上向きに押される位置で配置される。シールはレバーおよび空気圧シリンダによって押される。シールが上向きに移動すると、シールは角度のついた部分を有するシールデフレクタを通り、それがシールの上方部分をセンターピンに向けさせる。シール係合面またはマンドレル面を有するマンドレルは、中心のウェブ部分と当接してシールを開口内にとらえるように配置される。
【0011】
上記について示唆すると、シール保持ガイドはシールを周辺溝の中に挿入するための開口に向けて低くなる。シールの上方部分はセンターピンの背後部によって付勢される一方、シールの下方部分はマンドレル面によって付勢され、それによってシールを曲がらせる。シールが曲がるにつれて、下方部分は上方部分に概して垂直に延び、それによって、シールがそれ自身の上に折り重なるにつれて、下方部分は周辺溝の背後側へと延びる。
【0012】
シールが周辺溝の中に導かれるとき、センターピンはシールをそれ自身の上に折り重ならせる。シールガイドはセンターピンに対して後退し、プランジャをフランジケースに入ることを可能にする。センターピンがシールから遠ざけられて、シールの上方部分がプランジャに対して概して垂直な位置へと動くことを可能にするような位置へと、プランジャは上げられる。そして、プランジャはシール係合位置へと動き、シールの中間にピンを挿入する。
【0013】
上記について示唆すると、プランジャは偏心ワイパまたはタッキング部分へと延びるネック部分を有する。ネック部分は周辺壁を有する。周辺壁は偏心ワイパの直径よりも小さい直径を有する。偏心ワイパの底面は、シールが周辺溝の中にプランジャによって押しつけられるとき、シールの上方を受け入れて保持するための、中に画定されたポケット部分を提供する。上記センターピンは底面の中心に位置する。ポケット部分は、シールの上方リップを導いて、周辺溝の上方縁を通すように、設計されている。そして、プランジャは、周辺溝の中にシールの残りの部分を追いやるように低くなっている。そして、シールはその全体が周辺溝の中に配置される。
【0014】
結果としてシールが周辺溝に正しく着座しないことにつながる、シールの、可能性のあるいかなる漏れおよび変形も防ぐように、正しい「溝へのシール」または「シートコンタクト」が確実に形成されることが重要であり、それによって周辺溝とシールとの間に空隙の部分が全く形成されない。プランジャは軸を中心にスピンする位置に置かれ、それによって周辺溝の遠位部分の中にシールを押しつける。そして、プランジャは、周辺溝の上部縁とシールの上部リップとの間に偏心ワイパの縁を延ばすために十分上部へと動く。そして、プランジャは、マンドレル面に向かってシールを押しつけるように回転する。今や、シールはウェブ部分の周辺溝に正しく着座し、プランジャは上向きに動かされる。
【0015】
シール取り付け装置は自動化装置と協働可能である。シール取り付け装置の一組の要素が、各軸を中心に、および自動化装置に対して移動可能である。シール取り付け装置がシールを保持ガイド内に挿入するために自動化装置に近接して動かされるにつれて、要素の間のシールを保持するために、第1の要素は第2の要素に沿って摺動する。要素の1つは末端部先端を有する第1の摺動部によって画定される。末端部先端の一方はリップ部分へと延び、末端部先端の他方は各軸のうち一方を有する。支持タワーは、第1の摺動部の軸を受け入れるための平面でない構成の溝を画定する板を提供し、それによって、自動化装置に対して第1の摺動部が動くにつれて、第1の摺動部が溝に沿って動くことを可能にする。第2の摺動部は、各軸のうち他方を中心に回転し、第1の摺動部に沿ってリップ部分に近づいたり離れたりしながら動き、リップ部分と第2の摺動部の間の距離を制限し、それによって第1の摺動部と第2の摺動部との間にシールを閉じこめる。第1の摺動部と第2の摺動部との間にシールが閉じこめられるように第1の摺動部および第2の摺動部がシール挿入位置へと動かされるにつれて、レバーはシールをガイドの中に挿入するために第1の摺動部および第2の摺動部と協働可能である。
【0016】
本発明の利点は、フランジケース内に画定されたシール溝の中にシールを取り付けるための改善された装置および方法を提供し、それによって手動での取り付けのために必要なことがなくなることである。
【0017】
本発明のもう一つの利点は、費用対効果が低い、シール溝の中にシールを取り付けるための改善された装置および方法を提供し、ヒューマンエラーの可能性をなくすことである。
【0018】
本発明のさらにもう一つの利点は、シールとシールが取り付けられる溝との間の完全な「シートコンタクト」を形成する、シール溝の中にシールを取り付けるための改良された装置および方法を提供し、それによって流体漏れの問題をなくすことである。
【0019】
本発明の他の利点および称賛に値する特徴は、以下の好ましい実施形態、添付の特許請求の範囲、および図面の記載からより十分に理解されるであろう。以下に、図面の簡単な説明を記す。
【0020】
本発明の他の利点は容易に理解されるであろう。同様に、付随する図面に関連して考慮される場合には以下の発明の詳細な説明を参照することによってよりよく理解されるものとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】シールが、シール取り付け装置によってタッキング工具のシールガイドの中に上向きに押される位置にある、ブレーキアクチュエータのフランジケースの中にシールを取り付けるための本発明のタッキング工具の部分図である。
【図2】シールがフランジケースの中に挿入される前の、可動位置にあるシールを破線で示した、シールを備えたシール取り付け装置を示す図である。
【図3】シールがタッキング工具の中に挿入されている、シール挿入位置にあるシール取り付け装置を示す図である。
【図4】シールがシールガイドの内部にあり、シール溝を画定するフランジケースの中に挿入されるように向けられている、タッキング工具の部分図である。
【図5】シールがシール溝の周辺壁へと追いやられ、タッキング工具のセンターピンがシールをシール自身の上に折り重ならせる、本発明のタッキング工具のさらにもう1つの部分図である。
【図6】図5の拡大部分図である。
【図7】プランジャの拡大部分図である。
【図8】「溝へのシール」コンタクトが形成される前に、プランジャのワイパ部分がシールを回転させて、シール溝の底部の中にシールを着座させる、ウェブ部分およびシール溝内に位置するシールの部分図である。
【図9】タッキング工具がそのタッキング状態から後退する前に、シールがすでにシール溝内に取り付けられ、プランジャのワイパ部分がシールを回転させて、シール溝の底部の中にシールを着座させる、タッキング工具のさらにもう1つの部分図である。
【図10】様々な回転状態での、図9に示された本発明のタッキング工具の断面図である。
【図11】様々な位置での、シール取り付け工具のシール係合部材の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
各図を参照すると、同じ参照符号は同様のまたは対応する部品を表し、本発明の装置は概して10で表される。装置10はシール12を、ブレーキアクチュエータ(図示せず)の、概して14で示される概してH形のフランジケースの中に取り付ける。しかしながら、シールを必要とする他のケース配置もまた発明者によって意図されていることが、当業者には理解されるであろう。フランジケース14は中心のウェブ部分16、外壁または周辺壁18および放射状に延びるフランジ20と22を含む。ブレーキアクチュエータはまた、ブレーキを作動させるために必要な他の構成要素(図示せず)も含む。ブレーキアクチュエータのカバーまたはヘッド部分は端部壁、側壁およびフランジまたはスカート部分を含む。可撓性のダイヤフラムがフランジケースとカバーの間に延び、それによって下部空気圧チャンバと上部空気圧チャンバとをダイヤフラムの互いに反対側に形成する。
【0023】
フランジケース14はウェブ部分16内に開口またはアパーチャー24を画定し、該開口またはアパーチャー24は、やはりウェブ部分16内に画定された周辺溝26の中に延びる周辺壁25を有する。周辺溝26の直径は開口24および周辺壁25の直径よりも大きい。周辺溝26と開口24とは同軸に位置合わせされている。周辺溝26および開口24はフランジケース14に対して軸方向に移動可能なプッシュロッド(図示せず)を囲む。溝26は、ブレーキアクチュエータの空気圧チャンバをシールする知られている方法で、シール12を保持する。
【0024】
図1から図6を参照すると、概して30で示される自動化装置が、ウェブ部分16内に画定される開口24を通して周辺溝26の中にシール12を取り付ける。当業者は自動化装置30が、シール、Oリングなどの取り付けを必要とする任意の用途に使用できること、および本発明の範囲を限定することを意図していないことを理解するであろう。自動化装置30は多軸運動のために構成可能なアーム32を有する。アーム32は空気圧によって鉛直方向に駆動する。しかしながら、アーム32は所望によって油圧またはサーボモータによって駆動されてもよい。
【0025】
アーム32の末端部34はアーム32と共に鉛直方向に駆動されるシャフト36(図5)を保持する。タッキング工具40はシール12を保持するためのシール保持部材(第1の部材)すなわちガイド43から形成され、シャフト36の下方末端部先端である末端部先端(第2の部材)38と協働可能である。タッキング工具40の第2の部材38はセンターピン44および以下に述べる他のシール係合要素を含む遠位面45を有する。第2の部材38は、以下でより明らかになるように、シール12をアパーチャー24の中に挿入するようにプランジャとして動作し、ガイド43を通して伸縮自在に延びる。シール取り付けの初期段階で、シール12はシール保持ガイド40の中に上向きに押される位置で配置される。概して図1から図3において41で示されるように、シール12はシール取り付け装置によって押される。シール取り付け装置41およびその機能的および機械的態様は以下にさらに詳しく論じられる。自動化装置30は、少なくとも2つのギア35と37、および保持ガイド40を回転させるように該ギア35と37をそれぞれ取り囲むベルト39と43を有する末端部34と協働する。ギア35は自動化装置30から延びる主要シャフト(図示せず)によって回転される。図5に示した、ギア35と37およびベルト39と43の型、形状、レイアウト、および配置は、記述の目的で示したものであり、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。機械技術の当業者は、保持ガイド40を回転させるために他の機械的装置が本発明において使用されてもよいことを理解するであろう。
【0026】
図1および図2に最も良く見えるように、シール係合面すなわちマンドレル面54を有するマンドレル52が、中心のウェブ部分16に当接して開口24を覆うように配置され、ここで開口24は、ウェブ部分16の、タッキング工具40に向かい合う部分に画定されている。取り付けの間、シール保持ガイド40はシール12を周辺溝26の中に挿入するように、開口24に向けて低くされている。
【0027】
シールの取り付けの準備ができると、シール12の上方部分は第2の部材38の遠位面45内のポケット50によって受け入れられ、シール12の下方部分はマンドレル面54に向けて付勢される。シール12はセンターピン44によって歪められた形状で第1の部材すなわちシールホルダ43の内部に保持される。図5および図6に最も良く示されるように、シール12の歪んだ形状のために、歪んだシール12は、シール12の外径より小さい内径を有するアパーチャー24内に合わさる。取り付けのとき、マンドレル面54によって周辺溝26の背後部の中に折られるにつれて、シール12の下方部分は上方部分48に概して垂直に曲げられる。センターピン44がシール12をそれ自身の上に折り重ならせるにつれて、シール12は周辺溝26内に押しつけられる。第2の部材38の遠位端45が開口24に入るようにはまり込む(telescope)につれて、ばねで付勢されたシールガイド40はセンターピン44に対して後退する。センターピン44は遠位面45から外側に付勢するようにばね荷重を加えられ、センターピン44は第2の部材38が開口24の中に、および溝26の中にシールを押しつけ続けるように縮む。ポケット50はセンターピン44が後退する間に所望の方向で第2の部材38の遠位面45に対してシール12を保持する。
【0028】
図7および図8に最も良く見られるように、第2の部材38は偏心ワイパすなわちタッキング部分72へと延びるネック部分70を含む。ネック部分70は、偏心ワイパ72の直径よりも小さい直径を有する周辺壁74を含む。図8はタッキング工具40の断面図を示す。シャフト36はガイド43の内部に位置し、第1の軸Yを有する。第2の部材38はシャフト36の内部に配置される。第2の部材38は第1の軸Yからずれた第2の軸Xを有する。第2の部材38はセンターピン44およびばね75を受け入れる空洞73を画定し、それによってセンターピン44が空洞73の中に後退することを可能にする。軸Xと軸Yとの間に画定されたずれは、偏心ワイパ72を軸Yを中心に回転させ、シール12の残りの部分を完全にシール溝26の中に追いやることを可能とし、正確な「溝へのシール」または「シートコンタクト」が周辺溝26とシール12との間に形成されることを確実にする。
【0029】
シールの完全な取り付けは、図6から図9を参照して最も良く説明される。センターピン44は、今やシール12を解放してしまい、第2の部材38内に画定された空洞73の中に後退している。ポケット部分50は、今やシール12の上部リップを周辺溝26の上部縁84を通り過ぎるように導く。シール12の残りの部分をシール溝26の中に追いやるように、第2の部材38は低くされている。そして、シール12は、その全体が周辺溝26の中に置かれる。
【0030】
シール12が周辺溝に正しく着座していないことに応じて発生しうる、シール12のいかなる漏れおよび変形の可能性も阻止するためには、正しい「溝へのシール」または「シートコンタクト」が周辺溝26とシール12の間に確実に形成されることが重要である。
【0031】
偏心ワイパ72が周辺溝26の上方縁84とシール12との間に位置する。第2の部材38は、したがって、マンドレル面54に向けてシール12を押しつけるように回転し、図9および図10に最も良く見えるように、偏心ワイパが溝26の内部に位置する。マンドレル面54は、偏心ワイパ72によってシール12を溝26の中に完全に曲げるために必要な空間を提供する。シール12は今や、ウェブ部分16の周辺溝26内に正しく着座し、第2の部材38は引きさがっている。第2の部材38は、開口24によって画定される軸からずれた軸を中心に回転する。そしてマンドレル52はH形フランジケース14から解放される。本発明の装置10はアセンブリライン(図示せず)内に一体化されることもでき、別々のユニットとして利用されることもできる。
【0032】
本発明の装置10の他の態様は、シール12をタッキング工具40に送出することである。このことは図1から図3および図11を再度参照することによって最も良く説明される。シール取り付け装置すなわちアーム41は第1の要素90および第2の要素92を含む。第2の要素92は末端部先端96および98を有する。末端部先端96の1つはキー部分100へと延びる。反対側の末端部先端98はピン102を含む。支持タワー104は、図11に最も良く示されるように、平坦でない配置の溝110を画定するプレート108を有する。溝110は第2の要素92のピン102を受け入れるように設計され、それによって、第2の要素92が自動化装置30に対して動くにつれて、第2の要素92が溝110に沿って動くことを可能にする。キー部分100は、シール12がシール保持ガイド43の中に挿入されるにつれてシール12の向きを変えるように角がつけられたシールコンタクト112を有する。シール12がシール保持ガイド40に挿入されて、上で説明したようにセンターピン44の周囲でシールが変形するにつれて、角がつけられたシールコンタクト112を有するキー部分100を受け入れるように、シール保持ガイド40はキー溝120を画定する。
【0033】
第1の要素90は、第2の要素92の真下に位置し、概してタワー104において枢動する。第1の要素90は末端部先端124および126を含む。第1の末端部先端124は第1の軸支ピン128を含む。第2の末端部先端126は、シール12がガイド40の中に挿入される前にシール12を受け入れて保持するポケット130を有する。シール12は、ポケット130の中に手動で、または自動挿入装置、すなわちミキシングボウル(図示せず)によって配置される。図11に最も良く示されるように、第1の要素90はピン128によって画定される軸を中心に、シール受け入れ位置、すなわち第1の位置(図1)とシール取り付け位置、すなわち第2の位置(図3)の間で回転可能である。第1の要素は軸支ピン128を中心に枢動し、第2の要素は溝110内で枢動するので、遠位端126および96はアーム41の第1の位置と第2の位置の間で相対的に変化する。シール受け入れ位置、すなわち第1の位置(図1)ではキー部分100はポケット130から後退し、シール12をポケットの中に挿入するための通路を提供する。アームがシール取り付け位置、すなわち第2の位置(図3)に位置するとき、キーはポケット130の上に位置し、レバー132によって持ち上げられた場合にシールを曲げるようにキー溝120内に受け入れられている。シール12はシール保持ガイド40の下に位置しているので、レバー132はガイド40内にシール12を持ち上げるように上向きに枢動する。
【0034】
本発明の装置10は従来技術の装置および方法を超えた数多くの利点を提供する。本発明の装置10はフランジケース14に画定された周辺溝26にシール12を手動で取り付ける必要を解消し、ブレーキアクチュエータの生産コストを減少させヒューマンエラーの可能性を解消する。装置10は、完全な「シートコンタクト」がシール12と周辺溝26との間に常に形成されることを保証し、流体漏れに関連する問題が解消した状態でシールが取り付けられる。
【0035】
本発明は例示的な実施形態を参照して記載されているが、本発明の範囲から離れることなく、様々な変更が行われてもよく、要素が同等物と置き換えられてもよいことは当業者に理解されるであろう。加えて、本発明の本質的な範囲から離れることなく、特別な状況または材料を本発明の教示に適応させるように多くの変更が行われてもよい。したがって、本発明は、本発明を実施するために意図された最良の形態として開示された特別な実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内にあるすべての実施形態を含むことを意図したものである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のブレーキ装置のための改善されたダイヤフラム式の空気圧式ブレーキアクチュエータに関し、より詳細には、ブレーキアクチュエータのフランジケースの中にシールを取り付ける方法に関する。
【背景技術】
【0002】
空気圧式ブレーキアクチュエータは、車両総重量が大きく、かなりのブレーキ力で迅速に応答するブレーキ装置を必要とする、トラックやバスやトレーラなどの商用車両の空気圧式ブレーキ装置の部品を形成する。典型的なダイヤフラム式の空気圧式ブレーキアクチュエータは、互いに対向するリムまたはフランジ部分を含むカップ形のハウジング部材を有するハウジングと、中心部分を含み弛緩状態でカップ形である可撓性のダイヤフラムと、前記中心部分を取り囲む概して円錐形の側壁と、前記ハウジング部材のリム部分の間に延びる概して放射状のリム部分と、を含む。ブレーキアクチュエータはさらに接触面を有するピストンを含み、該ピストンはダイヤフラムの中心部分と係合し、第1の位置からダイヤフラムの反対側の空気圧の変化に応じてダイヤフラムの中心部分および側壁部分と共に往復運動する。それに応じて、ダイヤフラムはカップ形に引き延ばされ、車両ブレーキ装置を作動させる反転位置である第2の位置へと引き延ばされる。ブレーキアクチュエータはブレーキアクチュエータを作動させるように、空気圧ラインによって車両の空気圧ブレーキ装置へと接続される。ピストンは車両のブレーキを作動させるように、車両のブレーキ装置へと動作可能に接続される。
【0003】
ブレーキアクチュエータ装置は、緊急用またはスプリングチャンバを含み、該チャンバは、車両の空気圧が所定の最小値を下回った場合またはサイドブレーキが車両の運転者によって作動させられた場合に車両のブレーキ装置を作動させるパワースプリングを有する。スプリングブレーキチャンバにおいて、パワースプリングは端部壁とピストンの間のハウジング内に位置する。車両の通常の動作の間、車両からの空気圧は、パワースプリングとピストンの反対側のカップ形のダイヤフラムの側のパワースプリングチャンバ内に受け入れられ、通常はパワースプリングを圧縮する。スプリングチャンバ内の空気圧が所定の最小値を下回った場合、パワースプリングは延びて車両のブレーキ装置を作動させる。
【0004】
スプリングチャンバおよびサービスチャンバは、例えば、本願の譲受人に譲受された特許文献1に開示されているように、「ピギーバック(piggyback)」アセンブリ内で組み合わせられてもよい。この設計において、アセンブリは、中心に概してH形のフランジケースを含み、フランジケースの両端部はカップ形のハウジング部材によって囲まれており、フランジケースの一方の側にサービスチャンバを、フランジケースの反対の側にパワースプリングチャンバを画定する。フランジケースのウェブ部分の中心開口は、ピストンおよびパワースプリングと反対側のサービスチャンバ内のダイヤフラムの中心部分に対して付勢されたヘッド部分を有するプッシュロッドを受け入れ、よってプッシュロッドは、スプリングチャンバ内の圧力が所定の最小圧力を下回った場合には車両ブレーキ装置を作動させるように、サービスチャンバ内でピストンに対して駆動される。
【0005】
現在、シールは手動で取り付けられる。シールの手動での取り付けはコスト的に効率的でなく、ヒューマンエラーの可能性が高い。この問題を解決するために、ペンシルバニア州Erieを本拠とする企業、Automated Industrial Apparatusによって生産された、手動取り付けの必要を解消するように自動化装置を用いるタイプの従来技術の装置が、Oリングおよびシールを取り付けるために用いられてきた。実行できる範囲では、これらの装置はシール溝と同じ平面上にシールを保ち、それによってファンネルを通ってシールを押すことによってシールの外径を縮小させる。この方法は、シールとシールが取り付けられる溝との間の完全な「シートコンタクト(seat contact)」の形成に悪影響を与える。このことはシール溝とシールとの間に空洞を残し、流体、潤滑剤などが漏れるおそれをもたらす。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第5311809号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それゆえ、シールの取り付けの方法および装置を改善させることが、長年にわたって必要であった。これらの、そして他の問題が、以下に記載の改善された装置および方法によって解決される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の装置は、ブレーキアクチュエータ(図示せず)の概してH形のフランジケースの中にシールを取り付ける。フランジケースは中心のウェブ部分、外部壁および放射状に延びるフランジを有する。ブレーキアクチュエータのカバーまたはヘッド部分は端部壁、側壁およびフランジまたはスカート部分を含む。可撓性のダイヤフラムがフランジケースとカバーの間に延在し、それによってダイヤフラムの互いに反対側に下方の空気圧チャンバと上方の空気圧チャンバを形成する。フランジケースはウェブ部分内に開口を画定し、該開口はやはりウェブ部分内に画定された周辺溝の中に延びる。周辺溝の直径は開口の半径よりも大きく、周辺溝と開口の両方が互いに同軸に位置合わせされている。周辺溝と開口はフランジケースに関して軸方向に移動可能なプッシュロッド(図示せず)を囲む。
【0009】
自動化装置は、ウェブ部分内に画定された開口を通して周辺溝の中にシールを取り付ける。当業者は、自動化装置がシール、Oリングなどの取り付けを必要とする任意の用途に使用されることができるものであり、本発明の範囲を限定するものではないことを理解するであろう。自動化装置は多軸運動のために応用可能なアームを提供する。アームの末端部は末端部を通って末端部先端へと延びるシャフトを含む。
【0010】
シール保持要素またはガイドが末端部先端と協働する。シールデフレクタがシール保持ガイドに接続される。プランジャはセンターピンおよび以下に述べる他のシール係合要素を含む。プランジャはシール保持ガイドの内部に位置し、シール保持ガイドに対して移動可能である。シール取り付けの初期段階において、シールはシール保持ガイドの中に上向きに押される位置で配置される。シールはレバーおよび空気圧シリンダによって押される。シールが上向きに移動すると、シールは角度のついた部分を有するシールデフレクタを通り、それがシールの上方部分をセンターピンに向けさせる。シール係合面またはマンドレル面を有するマンドレルは、中心のウェブ部分と当接してシールを開口内にとらえるように配置される。
【0011】
上記について示唆すると、シール保持ガイドはシールを周辺溝の中に挿入するための開口に向けて低くなる。シールの上方部分はセンターピンの背後部によって付勢される一方、シールの下方部分はマンドレル面によって付勢され、それによってシールを曲がらせる。シールが曲がるにつれて、下方部分は上方部分に概して垂直に延び、それによって、シールがそれ自身の上に折り重なるにつれて、下方部分は周辺溝の背後側へと延びる。
【0012】
シールが周辺溝の中に導かれるとき、センターピンはシールをそれ自身の上に折り重ならせる。シールガイドはセンターピンに対して後退し、プランジャをフランジケースに入ることを可能にする。センターピンがシールから遠ざけられて、シールの上方部分がプランジャに対して概して垂直な位置へと動くことを可能にするような位置へと、プランジャは上げられる。そして、プランジャはシール係合位置へと動き、シールの中間にピンを挿入する。
【0013】
上記について示唆すると、プランジャは偏心ワイパまたはタッキング部分へと延びるネック部分を有する。ネック部分は周辺壁を有する。周辺壁は偏心ワイパの直径よりも小さい直径を有する。偏心ワイパの底面は、シールが周辺溝の中にプランジャによって押しつけられるとき、シールの上方を受け入れて保持するための、中に画定されたポケット部分を提供する。上記センターピンは底面の中心に位置する。ポケット部分は、シールの上方リップを導いて、周辺溝の上方縁を通すように、設計されている。そして、プランジャは、周辺溝の中にシールの残りの部分を追いやるように低くなっている。そして、シールはその全体が周辺溝の中に配置される。
【0014】
結果としてシールが周辺溝に正しく着座しないことにつながる、シールの、可能性のあるいかなる漏れおよび変形も防ぐように、正しい「溝へのシール」または「シートコンタクト」が確実に形成されることが重要であり、それによって周辺溝とシールとの間に空隙の部分が全く形成されない。プランジャは軸を中心にスピンする位置に置かれ、それによって周辺溝の遠位部分の中にシールを押しつける。そして、プランジャは、周辺溝の上部縁とシールの上部リップとの間に偏心ワイパの縁を延ばすために十分上部へと動く。そして、プランジャは、マンドレル面に向かってシールを押しつけるように回転する。今や、シールはウェブ部分の周辺溝に正しく着座し、プランジャは上向きに動かされる。
【0015】
シール取り付け装置は自動化装置と協働可能である。シール取り付け装置の一組の要素が、各軸を中心に、および自動化装置に対して移動可能である。シール取り付け装置がシールを保持ガイド内に挿入するために自動化装置に近接して動かされるにつれて、要素の間のシールを保持するために、第1の要素は第2の要素に沿って摺動する。要素の1つは末端部先端を有する第1の摺動部によって画定される。末端部先端の一方はリップ部分へと延び、末端部先端の他方は各軸のうち一方を有する。支持タワーは、第1の摺動部の軸を受け入れるための平面でない構成の溝を画定する板を提供し、それによって、自動化装置に対して第1の摺動部が動くにつれて、第1の摺動部が溝に沿って動くことを可能にする。第2の摺動部は、各軸のうち他方を中心に回転し、第1の摺動部に沿ってリップ部分に近づいたり離れたりしながら動き、リップ部分と第2の摺動部の間の距離を制限し、それによって第1の摺動部と第2の摺動部との間にシールを閉じこめる。第1の摺動部と第2の摺動部との間にシールが閉じこめられるように第1の摺動部および第2の摺動部がシール挿入位置へと動かされるにつれて、レバーはシールをガイドの中に挿入するために第1の摺動部および第2の摺動部と協働可能である。
【0016】
本発明の利点は、フランジケース内に画定されたシール溝の中にシールを取り付けるための改善された装置および方法を提供し、それによって手動での取り付けのために必要なことがなくなることである。
【0017】
本発明のもう一つの利点は、費用対効果が低い、シール溝の中にシールを取り付けるための改善された装置および方法を提供し、ヒューマンエラーの可能性をなくすことである。
【0018】
本発明のさらにもう一つの利点は、シールとシールが取り付けられる溝との間の完全な「シートコンタクト」を形成する、シール溝の中にシールを取り付けるための改良された装置および方法を提供し、それによって流体漏れの問題をなくすことである。
【0019】
本発明の他の利点および称賛に値する特徴は、以下の好ましい実施形態、添付の特許請求の範囲、および図面の記載からより十分に理解されるであろう。以下に、図面の簡単な説明を記す。
【0020】
本発明の他の利点は容易に理解されるであろう。同様に、付随する図面に関連して考慮される場合には以下の発明の詳細な説明を参照することによってよりよく理解されるものとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】シールが、シール取り付け装置によってタッキング工具のシールガイドの中に上向きに押される位置にある、ブレーキアクチュエータのフランジケースの中にシールを取り付けるための本発明のタッキング工具の部分図である。
【図2】シールがフランジケースの中に挿入される前の、可動位置にあるシールを破線で示した、シールを備えたシール取り付け装置を示す図である。
【図3】シールがタッキング工具の中に挿入されている、シール挿入位置にあるシール取り付け装置を示す図である。
【図4】シールがシールガイドの内部にあり、シール溝を画定するフランジケースの中に挿入されるように向けられている、タッキング工具の部分図である。
【図5】シールがシール溝の周辺壁へと追いやられ、タッキング工具のセンターピンがシールをシール自身の上に折り重ならせる、本発明のタッキング工具のさらにもう1つの部分図である。
【図6】図5の拡大部分図である。
【図7】プランジャの拡大部分図である。
【図8】「溝へのシール」コンタクトが形成される前に、プランジャのワイパ部分がシールを回転させて、シール溝の底部の中にシールを着座させる、ウェブ部分およびシール溝内に位置するシールの部分図である。
【図9】タッキング工具がそのタッキング状態から後退する前に、シールがすでにシール溝内に取り付けられ、プランジャのワイパ部分がシールを回転させて、シール溝の底部の中にシールを着座させる、タッキング工具のさらにもう1つの部分図である。
【図10】様々な回転状態での、図9に示された本発明のタッキング工具の断面図である。
【図11】様々な位置での、シール取り付け工具のシール係合部材の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
各図を参照すると、同じ参照符号は同様のまたは対応する部品を表し、本発明の装置は概して10で表される。装置10はシール12を、ブレーキアクチュエータ(図示せず)の、概して14で示される概してH形のフランジケースの中に取り付ける。しかしながら、シールを必要とする他のケース配置もまた発明者によって意図されていることが、当業者には理解されるであろう。フランジケース14は中心のウェブ部分16、外壁または周辺壁18および放射状に延びるフランジ20と22を含む。ブレーキアクチュエータはまた、ブレーキを作動させるために必要な他の構成要素(図示せず)も含む。ブレーキアクチュエータのカバーまたはヘッド部分は端部壁、側壁およびフランジまたはスカート部分を含む。可撓性のダイヤフラムがフランジケースとカバーの間に延び、それによって下部空気圧チャンバと上部空気圧チャンバとをダイヤフラムの互いに反対側に形成する。
【0023】
フランジケース14はウェブ部分16内に開口またはアパーチャー24を画定し、該開口またはアパーチャー24は、やはりウェブ部分16内に画定された周辺溝26の中に延びる周辺壁25を有する。周辺溝26の直径は開口24および周辺壁25の直径よりも大きい。周辺溝26と開口24とは同軸に位置合わせされている。周辺溝26および開口24はフランジケース14に対して軸方向に移動可能なプッシュロッド(図示せず)を囲む。溝26は、ブレーキアクチュエータの空気圧チャンバをシールする知られている方法で、シール12を保持する。
【0024】
図1から図6を参照すると、概して30で示される自動化装置が、ウェブ部分16内に画定される開口24を通して周辺溝26の中にシール12を取り付ける。当業者は自動化装置30が、シール、Oリングなどの取り付けを必要とする任意の用途に使用できること、および本発明の範囲を限定することを意図していないことを理解するであろう。自動化装置30は多軸運動のために構成可能なアーム32を有する。アーム32は空気圧によって鉛直方向に駆動する。しかしながら、アーム32は所望によって油圧またはサーボモータによって駆動されてもよい。
【0025】
アーム32の末端部34はアーム32と共に鉛直方向に駆動されるシャフト36(図5)を保持する。タッキング工具40はシール12を保持するためのシール保持部材(第1の部材)すなわちガイド43から形成され、シャフト36の下方末端部先端である末端部先端(第2の部材)38と協働可能である。タッキング工具40の第2の部材38はセンターピン44および以下に述べる他のシール係合要素を含む遠位面45を有する。第2の部材38は、以下でより明らかになるように、シール12をアパーチャー24の中に挿入するようにプランジャとして動作し、ガイド43を通して伸縮自在に延びる。シール取り付けの初期段階で、シール12はシール保持ガイド40の中に上向きに押される位置で配置される。概して図1から図3において41で示されるように、シール12はシール取り付け装置によって押される。シール取り付け装置41およびその機能的および機械的態様は以下にさらに詳しく論じられる。自動化装置30は、少なくとも2つのギア35と37、および保持ガイド40を回転させるように該ギア35と37をそれぞれ取り囲むベルト39と43を有する末端部34と協働する。ギア35は自動化装置30から延びる主要シャフト(図示せず)によって回転される。図5に示した、ギア35と37およびベルト39と43の型、形状、レイアウト、および配置は、記述の目的で示したものであり、本発明の範囲を限定することを意図したものではない。機械技術の当業者は、保持ガイド40を回転させるために他の機械的装置が本発明において使用されてもよいことを理解するであろう。
【0026】
図1および図2に最も良く見えるように、シール係合面すなわちマンドレル面54を有するマンドレル52が、中心のウェブ部分16に当接して開口24を覆うように配置され、ここで開口24は、ウェブ部分16の、タッキング工具40に向かい合う部分に画定されている。取り付けの間、シール保持ガイド40はシール12を周辺溝26の中に挿入するように、開口24に向けて低くされている。
【0027】
シールの取り付けの準備ができると、シール12の上方部分は第2の部材38の遠位面45内のポケット50によって受け入れられ、シール12の下方部分はマンドレル面54に向けて付勢される。シール12はセンターピン44によって歪められた形状で第1の部材すなわちシールホルダ43の内部に保持される。図5および図6に最も良く示されるように、シール12の歪んだ形状のために、歪んだシール12は、シール12の外径より小さい内径を有するアパーチャー24内に合わさる。取り付けのとき、マンドレル面54によって周辺溝26の背後部の中に折られるにつれて、シール12の下方部分は上方部分48に概して垂直に曲げられる。センターピン44がシール12をそれ自身の上に折り重ならせるにつれて、シール12は周辺溝26内に押しつけられる。第2の部材38の遠位端45が開口24に入るようにはまり込む(telescope)につれて、ばねで付勢されたシールガイド40はセンターピン44に対して後退する。センターピン44は遠位面45から外側に付勢するようにばね荷重を加えられ、センターピン44は第2の部材38が開口24の中に、および溝26の中にシールを押しつけ続けるように縮む。ポケット50はセンターピン44が後退する間に所望の方向で第2の部材38の遠位面45に対してシール12を保持する。
【0028】
図7および図8に最も良く見られるように、第2の部材38は偏心ワイパすなわちタッキング部分72へと延びるネック部分70を含む。ネック部分70は、偏心ワイパ72の直径よりも小さい直径を有する周辺壁74を含む。図8はタッキング工具40の断面図を示す。シャフト36はガイド43の内部に位置し、第1の軸Yを有する。第2の部材38はシャフト36の内部に配置される。第2の部材38は第1の軸Yからずれた第2の軸Xを有する。第2の部材38はセンターピン44およびばね75を受け入れる空洞73を画定し、それによってセンターピン44が空洞73の中に後退することを可能にする。軸Xと軸Yとの間に画定されたずれは、偏心ワイパ72を軸Yを中心に回転させ、シール12の残りの部分を完全にシール溝26の中に追いやることを可能とし、正確な「溝へのシール」または「シートコンタクト」が周辺溝26とシール12との間に形成されることを確実にする。
【0029】
シールの完全な取り付けは、図6から図9を参照して最も良く説明される。センターピン44は、今やシール12を解放してしまい、第2の部材38内に画定された空洞73の中に後退している。ポケット部分50は、今やシール12の上部リップを周辺溝26の上部縁84を通り過ぎるように導く。シール12の残りの部分をシール溝26の中に追いやるように、第2の部材38は低くされている。そして、シール12は、その全体が周辺溝26の中に置かれる。
【0030】
シール12が周辺溝に正しく着座していないことに応じて発生しうる、シール12のいかなる漏れおよび変形の可能性も阻止するためには、正しい「溝へのシール」または「シートコンタクト」が周辺溝26とシール12の間に確実に形成されることが重要である。
【0031】
偏心ワイパ72が周辺溝26の上方縁84とシール12との間に位置する。第2の部材38は、したがって、マンドレル面54に向けてシール12を押しつけるように回転し、図9および図10に最も良く見えるように、偏心ワイパが溝26の内部に位置する。マンドレル面54は、偏心ワイパ72によってシール12を溝26の中に完全に曲げるために必要な空間を提供する。シール12は今や、ウェブ部分16の周辺溝26内に正しく着座し、第2の部材38は引きさがっている。第2の部材38は、開口24によって画定される軸からずれた軸を中心に回転する。そしてマンドレル52はH形フランジケース14から解放される。本発明の装置10はアセンブリライン(図示せず)内に一体化されることもでき、別々のユニットとして利用されることもできる。
【0032】
本発明の装置10の他の態様は、シール12をタッキング工具40に送出することである。このことは図1から図3および図11を再度参照することによって最も良く説明される。シール取り付け装置すなわちアーム41は第1の要素90および第2の要素92を含む。第2の要素92は末端部先端96および98を有する。末端部先端96の1つはキー部分100へと延びる。反対側の末端部先端98はピン102を含む。支持タワー104は、図11に最も良く示されるように、平坦でない配置の溝110を画定するプレート108を有する。溝110は第2の要素92のピン102を受け入れるように設計され、それによって、第2の要素92が自動化装置30に対して動くにつれて、第2の要素92が溝110に沿って動くことを可能にする。キー部分100は、シール12がシール保持ガイド43の中に挿入されるにつれてシール12の向きを変えるように角がつけられたシールコンタクト112を有する。シール12がシール保持ガイド40に挿入されて、上で説明したようにセンターピン44の周囲でシールが変形するにつれて、角がつけられたシールコンタクト112を有するキー部分100を受け入れるように、シール保持ガイド40はキー溝120を画定する。
【0033】
第1の要素90は、第2の要素92の真下に位置し、概してタワー104において枢動する。第1の要素90は末端部先端124および126を含む。第1の末端部先端124は第1の軸支ピン128を含む。第2の末端部先端126は、シール12がガイド40の中に挿入される前にシール12を受け入れて保持するポケット130を有する。シール12は、ポケット130の中に手動で、または自動挿入装置、すなわちミキシングボウル(図示せず)によって配置される。図11に最も良く示されるように、第1の要素90はピン128によって画定される軸を中心に、シール受け入れ位置、すなわち第1の位置(図1)とシール取り付け位置、すなわち第2の位置(図3)の間で回転可能である。第1の要素は軸支ピン128を中心に枢動し、第2の要素は溝110内で枢動するので、遠位端126および96はアーム41の第1の位置と第2の位置の間で相対的に変化する。シール受け入れ位置、すなわち第1の位置(図1)ではキー部分100はポケット130から後退し、シール12をポケットの中に挿入するための通路を提供する。アームがシール取り付け位置、すなわち第2の位置(図3)に位置するとき、キーはポケット130の上に位置し、レバー132によって持ち上げられた場合にシールを曲げるようにキー溝120内に受け入れられている。シール12はシール保持ガイド40の下に位置しているので、レバー132はガイド40内にシール12を持ち上げるように上向きに枢動する。
【0034】
本発明の装置10は従来技術の装置および方法を超えた数多くの利点を提供する。本発明の装置10はフランジケース14に画定された周辺溝26にシール12を手動で取り付ける必要を解消し、ブレーキアクチュエータの生産コストを減少させヒューマンエラーの可能性を解消する。装置10は、完全な「シートコンタクト」がシール12と周辺溝26との間に常に形成されることを保証し、流体漏れに関連する問題が解消した状態でシールが取り付けられる。
【0035】
本発明は例示的な実施形態を参照して記載されているが、本発明の範囲から離れることなく、様々な変更が行われてもよく、要素が同等物と置き換えられてもよいことは当業者に理解されるであろう。加えて、本発明の本質的な範囲から離れることなく、特別な状況または材料を本発明の教示に適応させるように多くの変更が行われてもよい。したがって、本発明は、本発明を実施するために意図された最良の形態として開示された特別な実施形態に限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲内にあるすべての実施形態を含むことを意図したものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールを受け入れるために溝を画定する周辺壁を有する中心開口を画定するウェブ部分を含むフランジケースを有するブレーキアクチュエータを形成するための装置であって、
フランジケースのウェブ部分を支持するマンドレルと、
前記マンドレルと反対側にあり、第1の部材と、中心開口によって画定された軸に沿って前記第1の部材に対して移動可能な第2の部材と、を有し、前記第1の部材がシールを受け入れて保持するように構成された、タッキング工具と、を含み、
前記第2の部材が、中心開口によって画定された軸を中心に回転可能であり、前記マンドレルと協働して、前記第1の部材からフランジケースの中心開口の周辺壁によって画定された溝の中にシールを押しつけるためのカム表面を有する、
ブレーキアクチュエータを形成するための装置。
【請求項2】
さらに、前記タッキング工具の第1の部材が、シールを溝の中に挿入するように中心開口によって画定された軸と同軸の管状部材として画定される、請求項1に記載のブレーキアクチュエータを形成するための装置。
【請求項3】
シール保持要素を有し、シールを受け入れる第1の位置と、前記タッキング工具へシールを渡すための第2の位置との間で枢動するアームを含む、請求項1に記載のブレーキアクチュエータを形成するための装置。
【請求項4】
前記アームが、前記アームが前記第1の位置にあるときに前記シール保持要素に通路を提供する末端部先端を有する協働可能な部材を含む、請求項3に記載のブレーキアクチュエータを形成するための装置。
【請求項5】
前記協働可能な部材が、前記アームが前記第2の位置にあるときにシール保持要素の上に配置されるシール折り曲げ手段を含む、請求項4に記載のブレーキアクチュエータを形成するための装置。
【請求項6】
前記アームが前記第2の位置に配置されて、それによって、前記シール保持要素から前記タッキング工具へ運搬されるシールを歪めるときに、前記シール折り曲げ手段が前記タッキング工具によって受け取られる、請求項5に記載のブレーキアクチュエータを形成するための装置。
【請求項7】
前記タッキング工具の前記第1の部材が、中心開口の周辺壁の内径よりも小さい歪んだ大きさを有する歪んだ形状にシールを保持する、請求項1に記載のブレーキアクチュエータを形成するための装置。
【請求項8】
前記マンドレルが、前記第2の部材の前記カム表面と協働し、それによってシールを歪んだ形状に保ちながら溝の中にシールの一部を押しつけるように配置されたシール係合面を有する、請求項1に記載のブレーキアクチュエータを形成するための装置。
【請求項9】
前記第2の部材がさらに、前記第1の部材を超えて中心開口の中に延びてそれによってシールをタッキング工具から中心開口の中に押しつけるネック部分を有するプランジャとして画定される、請求項1に記載のブレーキアクチュエータを形成するための装置。
【請求項10】
前記ネック部分がネック直径を有する周辺壁を含み、カム表面がネック直径よりも大きいカム直径を有する、請求項9に記載のブレーキアクチュエータを形成するための装置。
【請求項11】
前記カム表面が溝の中に回転し、それによってシールを溝の中に配置する、請求項10に記載のブレーキアクチュエータを形成するための装置。
【請求項12】
流体的にシールされたハウジングを通して開口の周辺壁内に画定された溝の中にシールを機械的に挿入するための装置であって、前記装置が、
流体的にシールされたハウジングの開口を通して、周辺壁に画定された溝の中にシールを挿入するために必須の変形された形態でシールを保持するためのタッキング工具と、
シールをタッキング工具へ運搬するためのシール運搬アームと、を有し、前記シール運搬アームが、タッキング工具によって受け取られるシールを正しい位置に置くシール保持要素と、末端部先端を含む協働部材と、を有し、前記末端部先端は、前記シール運搬アームが第1の位置に配置されているとき、前記シール保持要素に通路を提供し、前記シール運搬アームが第2の位置に配置されているとき、少なくとも部分的に前記シール保持要素を締めつけ、それによって、シールが前記シール運搬アームから前記タッキング工具へと運搬されるとき、前記末端部先端は、シールを変形形態へと変形させる、
シールを機械的に挿入するための装置。
【請求項13】
前記タッキング工具が、シールを変形形態で受け入れるための管状部材を有する、請求項12に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項14】
前記タッキング工具が、前記管状部材からシールを取り出すための、前記管状部材と同軸で並ぶプランジング部材を含む、請求項13に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項15】
前記プランジング部材がピンを有する遠位面を含み、前記ピンは前記遠位面から延び、それによってシールを前記管状部材内で変形形態で保持する、請求項14に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項16】
前記プランジング部材が遠位面を含み、前記遠位面は、シールが変形形態に保持される間にシールの端部を受け入れるためのポケットを有する、請求項13に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項17】
前記タッキング工具からハウジングの正反対の側に配置されたマンドレルを含み、前記マンドレルが含む、請求項13に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項18】
前記タッキング工具がシールを受け入れるための管状部材を含み、前記タッキング工具が前記軸を画定し、流体供給源と流体連結する、請求項17に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項19】
シールを溝に取り付けるための自動化装置を含み、前記自動化装置が多軸運動に適したアームを有し、前記流体供給源と流体連結されている、請求項18に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項20】
前記アームが末端部を含み、前記末端部が、それを通って末端部先端へ延びるシャフトを有する、請求項19に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項21】
シール保持要素が前記末端部先端と協働可能である、請求項20に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項22】
さらに、前記タッキング工具の前記部材の1つが、センターピンを有するプランジャによって画定され、前記プランジャが前記シール保持要素内に位置し、前記シール保持要素に対して移動可能である、請求項21に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項23】
さらに、前記支持面がマンドレルによって画定され、前記マンドレルが、中心のウェブ部分に当接して前記ウェブ部分内に画定された開口を覆うように配置されたシール係合面を有する、請求項22に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項24】
前記プランジャが、前記タッキング面へ延びるネック部分を含む、請求項23に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項25】
前記ネック部分が、前記タッキング面の直径よりも小さい直径を有する周辺壁を含む、請求項24に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項26】
前記タッキング面が、その中に画定されたポケット部分を含み、前記ポケット部分は、シールが前記プランジャによって溝の中に押しつけられるにつれてシールの上部を受け入れて保持するためのものである、請求項25に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項27】
パネルを通して、開口の開口壁に配置されたシール溝の中にシールを挿入する方法であって、前記開口壁が、開口をシールするために必要なシールよりも小さい半径を有し、前記方法が、
管状部材によって伸縮自在に受け取られる排出装置を含む、前記管状部材を供給するステップと、
パネルにおいて開口に概して垂直に向けられる管状部材の中にシールを挿入するステップと、
変形形態に配置されたシールの大きさが、開口壁の直径よりも小さくなるように、管状部材内のシールを変形させるステップと、
パネルに配置された開口を管状部材と位置合わせし、管状部材から前記排出装置を伸縮させることによってシールを開口の中に押しつけるステップと、
排出装置をシールを中心に回転させ、それによって溝にシールを着座させることによって、シールを溝の中に導くステップと、を有する、
シールを挿入する方法。
【請求項28】
シールを溝の中に導く前記ステップが、さらに、排出装置と向かい合うようにパネルの正反対側にマンドレルを供給し、それによって、パネル内に配置された開口を介してシールが通過することを防ぐことによって定義される、請求項27に記載のシールを挿入する方法。
【請求項29】
シールを歪んだ形状に保持するように、排出装置にセンターピンを供給するステップをさらに含む、請求項27に記載のシールを挿入する方法。
【請求項30】
排出装置にワイパを供給し、排出装置が回転するときにワイパを溝の中に挿入するステップをさらに含む、請求項27に記載のシールを挿入する方法。
【請求項31】
パネル内に配置された開口に垂直な向きである管状部材にシールを送出するステップをさらに含む、請求項27に記載のシールを挿入する方法。
【請求項1】
シールを受け入れるために溝を画定する周辺壁を有する中心開口を画定するウェブ部分を含むフランジケースを有するブレーキアクチュエータを形成するための装置であって、
フランジケースのウェブ部分を支持するマンドレルと、
前記マンドレルと反対側にあり、第1の部材と、中心開口によって画定された軸に沿って前記第1の部材に対して移動可能な第2の部材と、を有し、前記第1の部材がシールを受け入れて保持するように構成された、タッキング工具と、を含み、
前記第2の部材が、中心開口によって画定された軸を中心に回転可能であり、前記マンドレルと協働して、前記第1の部材からフランジケースの中心開口の周辺壁によって画定された溝の中にシールを押しつけるためのカム表面を有する、
ブレーキアクチュエータを形成するための装置。
【請求項2】
さらに、前記タッキング工具の第1の部材が、シールを溝の中に挿入するように中心開口によって画定された軸と同軸の管状部材として画定される、請求項1に記載のブレーキアクチュエータを形成するための装置。
【請求項3】
シール保持要素を有し、シールを受け入れる第1の位置と、前記タッキング工具へシールを渡すための第2の位置との間で枢動するアームを含む、請求項1に記載のブレーキアクチュエータを形成するための装置。
【請求項4】
前記アームが、前記アームが前記第1の位置にあるときに前記シール保持要素に通路を提供する末端部先端を有する協働可能な部材を含む、請求項3に記載のブレーキアクチュエータを形成するための装置。
【請求項5】
前記協働可能な部材が、前記アームが前記第2の位置にあるときにシール保持要素の上に配置されるシール折り曲げ手段を含む、請求項4に記載のブレーキアクチュエータを形成するための装置。
【請求項6】
前記アームが前記第2の位置に配置されて、それによって、前記シール保持要素から前記タッキング工具へ運搬されるシールを歪めるときに、前記シール折り曲げ手段が前記タッキング工具によって受け取られる、請求項5に記載のブレーキアクチュエータを形成するための装置。
【請求項7】
前記タッキング工具の前記第1の部材が、中心開口の周辺壁の内径よりも小さい歪んだ大きさを有する歪んだ形状にシールを保持する、請求項1に記載のブレーキアクチュエータを形成するための装置。
【請求項8】
前記マンドレルが、前記第2の部材の前記カム表面と協働し、それによってシールを歪んだ形状に保ちながら溝の中にシールの一部を押しつけるように配置されたシール係合面を有する、請求項1に記載のブレーキアクチュエータを形成するための装置。
【請求項9】
前記第2の部材がさらに、前記第1の部材を超えて中心開口の中に延びてそれによってシールをタッキング工具から中心開口の中に押しつけるネック部分を有するプランジャとして画定される、請求項1に記載のブレーキアクチュエータを形成するための装置。
【請求項10】
前記ネック部分がネック直径を有する周辺壁を含み、カム表面がネック直径よりも大きいカム直径を有する、請求項9に記載のブレーキアクチュエータを形成するための装置。
【請求項11】
前記カム表面が溝の中に回転し、それによってシールを溝の中に配置する、請求項10に記載のブレーキアクチュエータを形成するための装置。
【請求項12】
流体的にシールされたハウジングを通して開口の周辺壁内に画定された溝の中にシールを機械的に挿入するための装置であって、前記装置が、
流体的にシールされたハウジングの開口を通して、周辺壁に画定された溝の中にシールを挿入するために必須の変形された形態でシールを保持するためのタッキング工具と、
シールをタッキング工具へ運搬するためのシール運搬アームと、を有し、前記シール運搬アームが、タッキング工具によって受け取られるシールを正しい位置に置くシール保持要素と、末端部先端を含む協働部材と、を有し、前記末端部先端は、前記シール運搬アームが第1の位置に配置されているとき、前記シール保持要素に通路を提供し、前記シール運搬アームが第2の位置に配置されているとき、少なくとも部分的に前記シール保持要素を締めつけ、それによって、シールが前記シール運搬アームから前記タッキング工具へと運搬されるとき、前記末端部先端は、シールを変形形態へと変形させる、
シールを機械的に挿入するための装置。
【請求項13】
前記タッキング工具が、シールを変形形態で受け入れるための管状部材を有する、請求項12に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項14】
前記タッキング工具が、前記管状部材からシールを取り出すための、前記管状部材と同軸で並ぶプランジング部材を含む、請求項13に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項15】
前記プランジング部材がピンを有する遠位面を含み、前記ピンは前記遠位面から延び、それによってシールを前記管状部材内で変形形態で保持する、請求項14に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項16】
前記プランジング部材が遠位面を含み、前記遠位面は、シールが変形形態に保持される間にシールの端部を受け入れるためのポケットを有する、請求項13に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項17】
前記タッキング工具からハウジングの正反対の側に配置されたマンドレルを含み、前記マンドレルが含む、請求項13に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項18】
前記タッキング工具がシールを受け入れるための管状部材を含み、前記タッキング工具が前記軸を画定し、流体供給源と流体連結する、請求項17に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項19】
シールを溝に取り付けるための自動化装置を含み、前記自動化装置が多軸運動に適したアームを有し、前記流体供給源と流体連結されている、請求項18に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項20】
前記アームが末端部を含み、前記末端部が、それを通って末端部先端へ延びるシャフトを有する、請求項19に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項21】
シール保持要素が前記末端部先端と協働可能である、請求項20に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項22】
さらに、前記タッキング工具の前記部材の1つが、センターピンを有するプランジャによって画定され、前記プランジャが前記シール保持要素内に位置し、前記シール保持要素に対して移動可能である、請求項21に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項23】
さらに、前記支持面がマンドレルによって画定され、前記マンドレルが、中心のウェブ部分に当接して前記ウェブ部分内に画定された開口を覆うように配置されたシール係合面を有する、請求項22に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項24】
前記プランジャが、前記タッキング面へ延びるネック部分を含む、請求項23に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項25】
前記ネック部分が、前記タッキング面の直径よりも小さい直径を有する周辺壁を含む、請求項24に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項26】
前記タッキング面が、その中に画定されたポケット部分を含み、前記ポケット部分は、シールが前記プランジャによって溝の中に押しつけられるにつれてシールの上部を受け入れて保持するためのものである、請求項25に記載のシールを機械的に挿入するための装置。
【請求項27】
パネルを通して、開口の開口壁に配置されたシール溝の中にシールを挿入する方法であって、前記開口壁が、開口をシールするために必要なシールよりも小さい半径を有し、前記方法が、
管状部材によって伸縮自在に受け取られる排出装置を含む、前記管状部材を供給するステップと、
パネルにおいて開口に概して垂直に向けられる管状部材の中にシールを挿入するステップと、
変形形態に配置されたシールの大きさが、開口壁の直径よりも小さくなるように、管状部材内のシールを変形させるステップと、
パネルに配置された開口を管状部材と位置合わせし、管状部材から前記排出装置を伸縮させることによってシールを開口の中に押しつけるステップと、
排出装置をシールを中心に回転させ、それによって溝にシールを着座させることによって、シールを溝の中に導くステップと、を有する、
シールを挿入する方法。
【請求項28】
シールを溝の中に導く前記ステップが、さらに、排出装置と向かい合うようにパネルの正反対側にマンドレルを供給し、それによって、パネル内に配置された開口を介してシールが通過することを防ぐことによって定義される、請求項27に記載のシールを挿入する方法。
【請求項29】
シールを歪んだ形状に保持するように、排出装置にセンターピンを供給するステップをさらに含む、請求項27に記載のシールを挿入する方法。
【請求項30】
排出装置にワイパを供給し、排出装置が回転するときにワイパを溝の中に挿入するステップをさらに含む、請求項27に記載のシールを挿入する方法。
【請求項31】
パネル内に配置された開口に垂直な向きである管状部材にシールを送出するステップをさらに含む、請求項27に記載のシールを挿入する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−36993(P2011−36993A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−123118(P2010−123118)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(595138007)インディアン ヘッド インダストリーズ インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】INDIAN HEAD INDUSTRIES, INC.
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−123118(P2010−123118)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(595138007)インディアン ヘッド インダストリーズ インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】INDIAN HEAD INDUSTRIES, INC.
【Fターム(参考)】
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