説明

ブロックコポリマーおよびその使用

本発明は、沈殿重合法によりフリーラジカル共重合することによる、アニオノゲン性基/アニオン性基を有する架橋コポリマーの製造方法、該方法によって得られるコポリマーおよびそれらの使用に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
H1)少なくとも1個の疎水性基および少なくとも1個の親水性基を含むブロック構造を有する少なくとも1種の化合物、および
H2)H1)と異なる少なくとも1種の塩基性化合物
を含む補助組成物H)の存在下で、沈殿重合法により、
a)アクリル酸、重合に用いるモノマーの総重量に基づいて70〜100重量%、
b)a)と異なる、フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン系不飽和二重結合を有する少なくとも1種の親水性非イオン性化合物、重合に用いるモノマーの総重量に基づいて0〜30重量%、
c)1分子あたり少なくとも2個のα,β-エチレン系不飽和二重結合を含む、少なくとも1種のフリーラジカル重合可能な架橋性化合物、重合に用いるモノマーの総重量に基づいて0〜1重量%
を含むモノマー組成物をフリーラジカル共重合することによる、コポリマー組成物CP)の製造方法。
【請求項2】
コポリマー組成物CP)の製造に使用するモノマー組成物は、
a)アクリル酸、重合に用いるモノマーの総重量に基づいて70〜99.99重量%、
b)a)と異なる、フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン系不飽和二重結合を有する少なくとも1種の親水性非イオン性化合物、重合に用いるモノマーの総重量に基づいて0〜29.99重量%、
c)1分子あたり少なくとも2個のα,β-エチレン系不飽和二重結合を含む、少なくとも1種のフリーラジカル重合可能な架橋性化合物、重合に用いるモノマーの総重量に基づいて0.01〜1重量%、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
化合物H1)は、一般式:
【化1】

[式中、
nは少なくとも1である整数であり、
mは少なくとも1である整数であり、
pは少なくとも2である整数であり、
qは少なくとも2である整数であり、
Aは疎水性基であり、ここで、
式(I)および(II)で示される化合物において、基Aは、それぞれの場合において同一または異なる意味を有し、それぞれの場合において基Xへの1個の結合サイトを有し、
式(III)で示される化合物において、基Aは、それぞれの基Xへのq個の結合サイトを有し、
Xは、式(I)で示される化合物において化学結合または(n+m)価の有機基であり、式(II)および(III)で示される化合物において化学結合または二価の有機基であり、
Bは親水性基である]
で示される化合物から選択される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
疎水性基は、
・C-C30-アルキル基、
・ポリイソブテニル基、
・ポリテトラヒドロフラン基、
・ポリエステル基、
・ポリシリコーン基
およびそれらの組合せ
から選択される、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
ポリイソブテニル基を有する化合物H1)の製造は、
・高反応性ポリイソブテン、
・少なくとも1個の窒素含有末端基を有するポリイソブテン、
・ポリイソブテニルアルコール、
・ポリイソブテニルアルデヒド、
・少なくとも1個のカルボン酸末端基またはその誘導体を有するポリイソブテン、
・上記化合物の2以上の混合物
から選択されるポリイソブテンから開始する、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
親水性基は、
・ポリエチレンオキシド含有基、
・ポリプロピレンオキシド含有基、
・ポリ(エチレンオキシド/プロピレンオキシド)含有基、
・ポリエチレンイミン含有基、
・ポリソルベート含有基、
・ポリグリセロール含有基、
・ポリビニルピロリドン含有基
およびそれらの組合せから選択される、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
基Xは、式:
【化2】

[式中、それぞれの基Xにおける♯は、ある場合は基Aへの結合サイトを表し、ある場合は基Bへの結合サイトを表し、
およびRは、互いに独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘタリールである]
で示される基から選択される、請求項3〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
ブロック構造を有する化合物H1)は、
・ポリイソブテニルアルコールアルコキシレート、
・ポリイソブテニルアミンアルコキシレート、
・少なくとも1個のカルボン酸末端基またはその誘導体を有する少なくとも1種のポリイソブテンと無水物基に対して反応性の末端基を有する少なくとも1種のポリアルキレンオキシドとの反応生成物、
・少なくとも1個のポリエーテル基を有するシリコーン化合物、
・少なくとも1個の疎水性基および少なくとも1個のイソシアネート基に反応性の基を含む少なくとも1種の化合物、少なくとも1個の親水性基および少なくとも1個のイソシアネート基に反応性の基を含む少なくとも1種の化合物、ならびに少なくとも1種のポリイソシアネートの反応生成物
から選択される、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
助剤H1)は、PIBSAおよびポリエチレンオキシドモノメチルエーテルの反応生成物を含むか、または、PIBSAおよびポリエチレンオキシドモノメチルエーテルの反応生成物からなる、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
ブロック構造を有する化合物H1)は、
p1)少なくとも1個の疎水性基および少なくとも1個のイソシアネート基に反応性の基を含む少なくとも1種の化合物、
p2)少なくとも1個の親水性基および少なくとも1個のイソシアネート基に反応性の基を含む少なくとも1種の化合物、および
p3)少なくとも1種のポリイソシアネート
を組み込まれた形態で含むウレタン化合物から選択される、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
【請求項11】
ウレタン化合物H1)は、56〜280g/molの範囲の分子量を有する、1分子あたり2個のイソシアネート基に反応性の基を含む化合物から選択される、好ましくはジオール、ジアミン、アミノアルコールおよびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物p4)を、組み込まれた形態でさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
ウレタン化合物H1)は、56〜280g/molの範囲の分子量を有する、1分子あたり1個のみのイソシアネート基に反応性の基を有する化合物から選択される少なくとも1種の化合物p5)を、組み込まれた形態でさらに含む、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
成分H2)は、H1)と異なる、アミン基およびアンモニウム基から選択される少なくとも1個の窒素原子含有基を有する塩基性化合物から選択される、請求項1〜12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
成分H2)は、NH、(NH)CO、NHHCO、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、アミノアルコール、窒素含有複素環およびそれらの混合物から選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
成分H2)は、炭酸水素アンモニウムを含むか、または、炭酸水素アンモニウムからなる、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
コポリマー組成物CP)の製造に使用する反応混合物は、共重合の全過程を通して、最大5重量%、好ましくは最大3重量%、特に最大2重量%の水分含量を有する、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
コポリマー組成物CP)の製造に使用するモノマー組成物は、非イオン性親水性成分b)として、一般式(IV):
【化3】

[式中、
基R〜Rの1つは式CH=CR-〔R=HまたはC-C-アルキル〕で示される基であり、基R〜Rの他の基は、互いに独立して、H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘタリールであり、
ここで、RおよびRは、それらを結合させるアミド基と一緒になって、5〜8個の環原子を有するラクタムであってもよく、
ここで、RおよびRは、それらを結合させる窒素原子と一緒になって、五〜七員環複素環であってもよく、
ただし、基R、RおよびRの炭素原子の合計は最大8である]
で示されるα,β-エチレン系不飽和アミド基含有化合物から選択される少なくとも1種のモノマーb1)を含む、請求項1〜16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
コポリマー組成物CP)の製造に使用するモノマー組成物は、親水性非イオン性成分b)として、式(IIIa)または(IIIb):
【化4】

[式中、
♯は、フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン系不飽和二重結合を有する基への結合サイトであり、ここで、化合物(IIIa)において、♯は式CH=CR-〔R=HまたはC-C-アルキル〕で示される基への結合サイトではなく、
はHまたはC-C-アルキルであり、
はHまたはC-C-アルキルであるか、または
およびRは共に(CH)1-4である]
で示される基を有する少なくとも1種のモノマーb2)を含む、請求項1〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
コポリマー組成物CP)の製造に使用するモノマー組成物は、親水性非イオン性成分b)として、α,β-エチレン系不飽和のモノおよびジカルボン酸とC-C30-ジオールとのエステル、α,β-エチレン系不飽和のモノおよびジカルボン酸と第1級または第2級アミノ基を有するC-C30-アミノアルコールとのアミド、およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種のモノマーb3)を含む、請求項1〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
コポリマー組成物CP)の製造に使用するモノマー組成物は、親水性非イオン性成分b)として、一般式VI a)およびVI b):
【化5】

[式中、
アルキレンオキシド単位の順は任意であり、
kおよびlは、互いに独立して、0〜1000の整数であり、ここでkおよびlの合計は少なくとも5であり、
は、水素またはC-C-アルキルであり、
は、水素、C-C30-アルキル、C-C30-アルケニルまたはC-C-シクロアルキルであり、
Xは、Oまたは式NR10〔式中、R10は、H、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールまたはヘタリールである〕で示される基である]
で示される化合物から選択される少なくとも1種のモノマーb4)を含む、請求項1〜19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
コポリマー組成物CP)の製造に使用するモノマー組成物は、フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン系不飽和二重結合および1分子あたり少なくとも1個のカチオノゲン性基および/またはカチオン性基を有する、少なくとも1種の化合物d)をさらに含む、請求項1〜20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
コポリマー組成物CP)の製造に使用するモノマー組成物は、アクリル酸と異なる、フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン系不飽和二重結合および1分子あたり少なくとも1個のアニオノゲン性基および/またはアニオン性基を有する、少なくとも1種の化合物e)をさらに含む、請求項1〜21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
コポリマー組成物CP)の製造に使用するモノマー組成物は、α,β-エチレン系不飽和のモノおよびジカルボン酸とC-C30-アルカノールとのエステル、α,β-エチレン系不飽和モノおよびジカルボン酸とモノ-およびジ-(C-C30-アルキル)アミンとのアミド、N,N-ジアリルアミン、N,N-ジアリルアミンの酸付加塩および第四級化生成物、N,N-ジアリル-N-アルキルアミン、N,N-ジアリル-N-アルキルアミンの酸付加塩および第四級化生成物、アルキレンオキシド基を有するウレタン(メタ)アクリレート、ビニルアルコールおよびアリルアルコールとC-C30-モノカルボン酸とのエステル、C-C30-アルキルビニルエーテル、ビニル芳香族、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、C-C-モノオレフィン、少なくとも2個の共役二重結合を有する非芳香族炭化水素およびそれらの混合物から選択される少なくとも1種の化合物f)をさらに含む、請求項1〜22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
無水の非プロトン性溶媒または無水の非プロトン性溶媒混合物中、好ましくはシクロヘキサンおよび酢酸エチルの混合物中で重合を行う、請求項1〜23のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
請求項1〜12のいずれかに記載のブロック構造を有する化合物H1)。
【請求項26】
請求項1〜24のいずれかに記載の方法によって得られるコポリマー組成物CP)。
【請求項27】
水性組成物中で該組成物のレオロジー特性を改質するための、特に該組成物を増粘させるための、請求項26に記載のコポリマー組成物CP)、または、それらから得られるコポリマーの使用。
【請求項28】
A)請求項1〜24のいずれかに記載の方法によって得られる少なくとも1種のコポリマー組成物CP)、
B)少なくとも1種の活性成分または効果物質、および
C)任意に、A)およびB)と異なる少なくとも1種のさらなる助剤
を含む活性成分または効果物質組成物。
【請求項29】
A)請求項1〜24のいずれかに記載の方法によって得られる少なくとも1種のコポリマー組成物CP)、
B)少なくとも1種の化粧用に許容性の活性成分、および
C)任意に、CP)およびB)と異なる少なくとも1種のさらなる化粧用に許容性の助剤
を含む、化粧品組成物。
【請求項30】
ゲルの形態である請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
A)請求項1〜24のいずれかに記載の方法によって得られる少なくとも1種のコポリマー組成物、
B)少なくとも1種の医薬用に許容性の活性成分、および
C)任意に、A)およびB)と異なる少なくとも1種のさらなる医薬用に許容性の助剤
を含む、医薬品組成物。
【請求項32】
食品分野においてレオロジー特性を改質するための、請求項1〜24のいずれかに記載の方法によって得られるコポリマー組成物CP)の使用。
【請求項33】
薬剤における助剤としての、好ましくは固形薬剤形態用のコーティング組成物としての、または、コーティング組成物中での、レオロジー特性を改良するための、界面活性化合物としての、接着剤としての、または、接着剤中での、ならびに、繊維工業、製紙業、印刷工業および皮革工業用のコーティング組成物としての、または、コーティング組成物中での、請求項1〜24のいずれかに記載の方法によって得られるコポリマー組成物CP)の使用。
【請求項34】
a)アクリル酸、重合に用いるモノマーの総重量に基づいて70〜100重量%、
b)a)と異なる、フリーラジカル重合可能なα,β-エチレン系不飽和二重結合を有する少なくとも1種の水溶性非イオン性化合物、重合に用いるモノマーの総重量に基づいて0〜30重量%、
c)1分子あたり少なくとも2個のα,β-エチレン系不飽和二重結合を含む、少なくとも1種のフリーラジカル重合可能な架橋性化合物、重合に用いるモノマーの総重量に基づいて0〜1重量%
を含むモノマー組成物を、沈殿重合法によりフリーラジカル共重合することによるコポリマー組成物CP)の製造用の助剤としての、請求項1〜12のいずれかに記載のブロック構造を有する化合物H1)の使用。

【公表番号】特表2013−521363(P2013−521363A)
【公表日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−555395(P2012−555395)
【出願日】平成23年3月1日(2011.3.1)
【国際出願番号】PCT/EP2011/053000
【国際公開番号】WO2011/107460
【国際公開日】平成23年9月9日(2011.9.9)
【出願人】(510015257)ビーエイエスエフ・ソシエタス・エウロパエア (6)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【Fターム(参考)】