説明

プライマ層およびオーバーコートとしてフルオロポリマー粉末塗料を被着させる方法

基材上に剥離表面を形成させる方法であって、プライマ粉末を基材上に被着させてプライマ層を形成させる工程と、オーバーコート粉末をプライマ層上に被着させてオーバーコート層を形成させる工程と、プライマ粉末とオーバーコート粉末の両方を被着させた後、基材を焼き付ける工程とを含む方法。プライマ粉末は、テトラフルオロエチレン/パーフルオロオレフィンコポリマーおよび非溶融加工性結合剤を含む。オーバーコート粉末は、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材にプライマ粉末を被着させて基材上にフルオロポリマープライマ層を形成させ、プライマ層上にフルオロポリマー粉末を被着させてオーバーコートを形成させることにより耐久性剥離表面を形成させる分野である。詳しくは、本発明は、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマー粉末オーバーコートとの良好な被膜間粘着力を達成するとともに基材との長持ちする付着を維持するフルオロポリマープライマ粉末の選択に関する。
【背景技術】
【0002】
良好な耐薬品性、優れた剥離、良好な耐熱性および電気絶縁性などの特性を有するフルオロポリマー樹脂は多くの用途において望ましい。溶融流動性であるフルオロポリマー粉末は、炊飯器、グリルおよびオーブンウェアなどのクックウェア物品を被覆する際、ならびに複写機および印刷機のための定着機構ロールまたはベルトならびに化学処理反応器などの無数の工業用途において有用と見られてきた。液体塗料の代わりに粉末塗料を被着させる利点の1つは、液体塗料を被着させる際に用いられる乾燥工程およびガス抜き工程ならびに液体塗料の被着に関連した装置をなくすことである。更に、粉末塗料は、環境問題を提起するとともに高価な改善手順を必要とする揮発性有機溶媒の使用を必要としない。
【0003】
プライマ層とオーバーコートの両方のための粉末塗料は、特許文献1に記載されている。この特許において、パーフルオロアルコキシポリマー(PFA)は、プライマ層とオーバーコートの両方のために例示されている。この特許は、PFA樹脂を金属基材に付着させることが困難であり、比較的高温、すなわち約675〜約720°F(375〜382℃)の範囲内でPFAを被着させなければならないことを認めている。Rauらは、PFAに対する著しい一切の劣化(分解)を伴わないでこれらの高温で金属基材へのPFA樹脂の付着を達成するためにポリ(フェニレンスルフィド)(PPS)などの結合剤の使用を開示している。
【0004】
その高い使用温度、良好な耐摩擦性および優れた剥離特性のゆえに、PFAは、商用オーブンウェアのための剥離表面向けなどの厳しい商業用途において用いられる表面のために好まれる樹脂である。商用ベーク皿は毎日無数の高温サイクルを受け、ベーク商品の商業生産を経済的にするために相当な長時間にわたって剥離特性を保持しなければならない。しかし、経験によると、PFAプライマ層上にPFAオーバーコートを被着させると経時的に系の不適切な粘着力をもたらすことが示されてきた。結果として、Rauらにおいて開示されたPFA/PFA系は余りにも迅速に破損する場合があり、剥離表面を有する基材に年当たり数千のベークサイクルを受けさせる商業運転のニーズに適切に対処していない。
【0005】
従って、PFAトップコートと合わせて用いることができ、かつ良好な剥離特性および耐摩擦性を維持しつつ改善された粘着力およびより長い寿命と合わせて高い使用温度で用いることができるプライマ/トップコート系を可能にする改善されたプライマ粉末組成物が必要とされ続けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】Rauら、米国特許第5,093,403号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
基材上に焼き付けられたとき、パーフルオロアルコキシポリマー(PFA)としても知られているテトラフルオロエチレン/パーフルオロ(ビニルアルキルエーテル)コポリマーの粉末オーバーコートと一緒にプライマ粉末として被着させたテトラフルオロエチレン/パーフルオロオレフィンコポリマーおよび非溶融加工性結合剤の使用が基材への塗料系のより耐久性がある、優れた接着を与えることが見出された。
【課題を解決するための手段】
【0008】
簡単に言うと、そして本発明の一態様によると、基材上に剥離表面を形成させる方法であって、プライマ粉末を基材上に被着させてプライマ層を形成させる工程と、オーバーコート粉末をプライマ層上に被着させてオーバーコート層を形成させる工程と、プライマ粉末とオーバーコート粉末の両方を被着させた後、基材を焼き付ける工程とを含む方法が提供される。プライマ粉末は、テトラフルオロエチレン/パーフルオロオレフィンコポリマーおよび非溶融加工性結合剤を含む。オーバーコート粉末は、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーを含む。
【0009】
前述した一般的説明および以下の詳細な説明はあくまで例示および説明のためのものであり、添付した特許請求の範囲に規定された本発明を限定するものではない。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明によると、基材上に剥離表面を形成させる方法であって、プライマ粉末を基材上に被着させてプライマ層を形成させる工程と、オーバーコート粉末をプライマ層上に被着させてオーバーコート層を形成させる工程と、プライマ粉末とオーバーコート粉末の両方を被着させた後、基材を焼き付ける工程とを含む方法が提供される。プライマ粉末は、テトラフルオロエチレン/パーフルオロオレフィンコポリマーおよび非溶融加工性結合剤を含む。オーバーコート粉末は、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーを含む。
【0011】
一実施形態において、非溶融加工性結合剤には、ポリアミドイミド、ポリベンズイミダゾール、ポリイミド、液晶ポリマーまたはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。特定の実施形態において、非溶融加工性結合剤はポリアミドイミドを含む。
【0012】
更に別の実施形態において、プライマ粉末は、テトラフルオロエチレン/パーフルオロオレフィンコポリマーおよび非溶融加工性結合剤の総合重量を基準にして35〜90重量%のテトラフルオロエチレン/パーフルオロオレフィンコポリマーおよび10〜65重量%の非溶融加工性結合剤を含む。
【0013】
一実施形態において、パーフルオロオレフィンはヘキサフルオロプロピレンを含む。別の実施形態において、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)はパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)を含む。
【0014】
更に別の実施形態において、プライマ粉末は溶融加工性結合剤を更に含む。より特定の実施形態において、溶融加工性結合剤には、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリーレンエーテルケトンまたはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。より特定の別の実施形態において、プライマ粉末は、テトラフルオロエチレン/パーフルオロオレフィンコポリマー、非溶融加工性結合剤および溶融加工性結合剤の総合重量を基準にして10〜55重量%の溶融加工性結合剤を含む。
【0015】
一実施形態において、プライマ粉末は無機充填剤を更に含む。より特定の実施形態において、無機充填剤には、マイカフレーク、炭化ケイ素、カーボンブラック、硫酸バリウム、ウルトラマリンブルー、混合金属酸化物顔料、酸化アルミニウムまたはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。より特定の更に別の実施形態において、無機充填剤はマイカフレークと硫酸バリウムとを含む。より特定の更に別の実施形態において、プライマ粉末は、テトラフルオロエチレン/パーフルオロオレフィンコポリマー、非溶融加工性結合剤および無機充填剤の総合重量を基準にして10〜20重量%の無機充填剤を含む。
【0016】
一実施形態において、プライマ粉末を被着させる工程は静電吹付またはホットフロッキングを含む。別の実施形態において、オーバーコート粉末を被着させる工程は静電吹付またはホットフロッキングを含む。
【0017】
一実施形態において、基剤には、金属、セラミック、プラスチック、ガラスまたはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。より特定の実施形態において、金属には、鋼、高炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム被覆鋼、アルミニウムまたはそれらの任意の組み合わせが挙げられる。
【0018】
一実施形態において、プライマ粉末を被着させるか、オーバーコート粉末を被着させるか、またはその両方のとき、基材は周囲温度にある。
【0019】
別の実施形態において、本方法は、プライマ粉末を被着させた後に且つオーバーコート粉末を被着させる前に基材を焼き付ける工程を更に含む
【0020】
更に別の実施形態において、プライマ層の厚さは100マイクロメートル未満であり、オーバーコート層の厚さは650マイクロメートル未満である。
【0021】
なおさらに別の実施形態において、基剤上の剥離被膜は本方法によって形成される。
【0022】
Hennesseyによる米国特許出願公開第2006/0110601号明細書には、テトラフルオロエチレン/パーフルオロオレフィンコポリマーを含むプライマ層とテトラフルオロエチレン/パーフルオロ(ビニルアルキルエーテル)コポリマーを含むトップコートの両方に関する粉末塗料の使用が記載されている。Hennesseyのプライマ粉末は、強くて耐久性がある被膜の形成を助ける溶融加工性ポリマー結合剤を更に含む。意外なことに、類似の系において非溶融加工性結合剤を使用すると、粉末プライマ中で溶融加工性結合剤を使用して、または使用せずに優れた接着特性を有する塗料系を提供することが可能であることが見出された。
【0023】
多くの態様および実施形態を上述してきた。それらは単に例示であり、限定するものではない。本明細書を読んだ後、当業者は、本発明の範囲を逸脱せずに他の態様および実施形態が可能であることを理解する。本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および特許請求の範囲から明らかであろう。
【0024】
フルオロポリマー
プライマとオーバーコートの両方の中で用いられるフルオロポリマーは溶融流動性である。溶融粘度は、典型的には10〜約10Pa・sの範囲である。一実施形態において、溶融粘度は、米国特許第4,380,618号明細書に記載されたように修正されたASTM D−1238およびコポリマーに応じてASTM D−2116またはD−3307の方法によって372℃で測定して、10〜10Pa・sの範囲である。こうした溶融流動性フルオロポリマーの例には、テトラフルオロエチレン(TFE)と、TFEホモポリマーの融点より実質的に下に、コポリマーの融点を下げるのに十分な量でポリマー中に存在する少なくとも1種のフッ素化共重合性モノマー(コモノマー)、例えば、315℃以下の溶融温度に下げるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とのコポリマーが挙げられる。
【0025】
プライマ粉末はテトラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロオレフィンのコポリマーを含む。一実施形態において、パーフルオロオレフィンコモノマーは、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)のように3〜8個の炭素原子を有してもよい。一実施形態において、プライマ粉末は、テトラフルオロエチレンと、直鎖または分岐のアルキル基が1〜5個の炭素原子を含有するパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)のコポリマー60重量%以下を更に含む。
【0026】
オーバーコート粉末は、テトラフルオロエチレンと、直鎖または分岐のアルキル基が1〜5個の炭素原子を含有するパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)のコポリマーを含む。一実施形態において、PAVEモノマーは、アルキル基が1、2、3または4個の炭素原子を含むモノマーであり、コポリマーは、幾つかのPAVEモノマーを用いて製造することが可能である。一実施形態において、TFEコポリマーには、PFA(TFE/PAVEコポリマー)、TFE/HFP/PAVE(但し、PAVEはPEVEおよび/またはPPVEである)およびMFA(TFE/PMVE/PAVE)(但し、PAVEのアルキル基は少なくとも2個の炭素原子を有する)が挙げられる。
【0027】
プライマの中のTFE/パーフルオロオレフィンコポリマーの融点は、典型的にはオーバーコート粉末のTFE/PAVEコポリマーの融点より低い。例えば、FEPとしても知られているTFE/HFPの融点は典型的には約510°F(266℃)であり、典型的には約590°F(310℃)であるTFE/PPVEの融点より低い。従って、より低い融点のTFE/パーフルオロオレフィンコポリマーを含むプライマ層が、より高い融点のTFE/PAVE(PFA)コポリマーオーバーコートと合わせて、優れているとともに耐久性の塗料系を形成させることは意外なことである。より低い融点のフルオロポリマーを有するプライマ系がPFA系により用いられる高い硬化温度または焼付け温度、典型的には675°(357℃)〜720°F(382℃)に耐えることができず、より低い融点のコポリマーが分解し(泡立ち)、基材からの離層を引き起こすことが予期され得たであろう。意外なことに、PFA粉末オーバーコートと合わせたTFE/パーフルオロオレフィンプライマ粉末層が焼き付けられたときに先行技術のPFAプライマ/PFAオーバーコート系より粘着力において優れている塗料系を形成させることが見出された。
【0028】
非溶融加工性結合剤
本発明において用いられるプライマ粉末塗料は、テトラフルオロエチレン/パーフルオロオレフィンコポリマーに加えて、耐高温性の非溶融加工性結合剤を更に含有する。プライマ粉末は、フルオロポリマーと非溶融加工性結合剤の総合重量を基準にして35〜90重量%の非溶融加工性結合剤を含有してもよい。結合剤は、基材にフルオロポリマーを接着させるためのノンスティック仕上剤で用いるため、および膜形成性のために周知されている。結合剤は、一般に非フッ素含有結合剤であるが、フルオロポリマーに接着する。非溶融加工性結合剤は溶融流れ挙動を示さず、単独で用いるとき、良好な膜形成特性をもたない。非溶融加工性結合剤には、ポリイミド(PI)、ポリベンズイミダゾール(PBI)、ポリアミドイミド(PAI)および液晶ポリマー(LCP)が挙げられる。これらの非溶融加工性結合剤のすべては、250℃を超える持続使用温度を有することが可能である。
【0029】
溶融加工性結合剤
プライマ粉末塗料は、テトラフルオロエチレン/パーフルオロオレフィンコポリマーおよび非溶融加工性結合剤に加えて、溶融加工性結合剤を更に含有してもよい。溶融加工性結合剤成分は、溶融に至るまで加熱すると膜形成性であるポリマーを含み、熱的に安定であり、高い持続温度使用を有する。溶融加工性結合剤は以下の1つ以上を含む。すなわち、(1)ガラス転移温度約230℃および持続温度使用約170℃〜190℃の非晶質熱可塑性ポリマーであるポリエーテルスルホン(PES)および(2)溶融温度約280℃および持続温度使用約200℃〜240℃の部分結晶質ポリマーであるポリフェニレンスルフィド(PPS)および(3)ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)およびポリエーテルケトン(PEK)などのポリアリーレンエーテルケトンである。ポリアリーレンエーテルケトンは少なくとも250℃で熱的に安定であり、少なくとも300℃の温度で溶融し、米国特許第3,065,205号明細書、米国特許第3,441,538号明細書、米国特許第3,442,857号明細書、米国特許第5,357,040号明細書、米国特許第5,131,827号明細書、米国特許第4,578,427号明細書の1つまたは複数において開示されている。上でリストされたポリマー結合剤のすべては、持続使用範囲内の温度およびそれより低い温度で熱的に安定であるとともに寸法的に安定であり、そして、それらは耐磨耗性である。これらのポリマーは汚れていない金属表面にもよく接着する。
【0030】
その他の添加剤
フルオロポリマーおよび結合剤に加えて、プライマ粉末およびオーバーコート粉末は、無機充填剤、膜硬化剤、顔料、安定剤および他の添加剤を含んでもよい。適する充填剤および膜硬化剤の例には、ケイ素、ジルコニウム、タンタル、チタン、タングステン、ホウ素およびアルミニウムの無機酸化物、窒化物、ホウ化物および炭化物ならびにガラスフレーク、ガラスビーズ、ガラス繊維、ケイ酸アルミニウムまたはケイ酸ジルコニウム、マイカ、金属フレーク、金属繊維、微細セラミック粉末、二酸化ケイ素、二酸化チタン、硫酸バリウム、タルク、カーボンブラックなど、ならびにポリアミド、ポリエステルおよびポリイミドの合成繊維が挙げられる。一実施形態において、プライマ粉末は、フルオロポリマー、結合剤および充填剤の総合重量を基準にして10〜20重量%の無機充填剤を含む。
【0031】
プライマ粉末の調製
テトラフルオロエチレン/パーフルオロオレフィンコポリマーおよび非溶融加工性結合剤、ならびに任意に他のフルオロポリマー、溶融加工性結合剤および上述した他の添加剤を含有するプライマ粉末は、個々の成分の粉末をブレンドする従来の機械的方法を用いて製造してもよい。
【0032】
あるいは、プライマ粉末の多成分粒子、すなわち、任意に他のフルオロポリマーと合わせたテトラフルオロエチレン/パーフルオロオレフィンコポリマーおよび結合剤の多成分粒子は、フルオロポリマー粒子および他の成分を結合剤の溶液と組み合わせ、フルオロポリマーを結合剤の溶液と混合し、フルオロポリマーの多成分粒子の組成物を非分散結合剤と分離することによりBrothersらによる米国特許第6,232,372号明細書の教示に従って製造することが可能である。「非分散結合剤」は、プライマ粉末の粒子の多成分状態が、結合剤成分がフルオロポリマー成分に分散している状態ではないことを意味する。従って、一実施形態において用いられる結合剤成分は、フルオロポリマー成分に分散された充填剤の形態を取っておらず、逆にフルオロポリマー粒子を取り囲む被膜として存在する。この実施形態の多成分粒子の表面に存在する非分散結合剤は、組成物がプライマ塗料として用いられるとき、基材への粒子の接着を促進する。
【0033】
一実施形態において、プライマ粉末は、ポリマー結合剤および上で論じた任意に他の成分と合わせてテトラフルオロエチレン/パーフルオロオレフィンコポリマーの一次粒子の液体分散液を噴霧乾燥して、テトラフルオロエチレン/パーフルオロオレフィンコポリマーおよび結合剤の凝集粒子の砕けやすい粒体を製造することによって、米国特許第6,518,349号明細書におけるFelixらの教示により吹付け可能な粉末に製造することが可能である。「砕けやすい」とは、粉砕粒子から広がるフィブリルの形成などのはっきり認められるほどの粒子歪みを引き起こさずに、より小さい粒度に粒体を縮小させる(微粉砕する)ことが可能であることを意味する。噴霧乾燥法によって形成されたポリマーと成分のブレンドは、粉末形成後に個々の成分の粉末をブレンドする従来の機械的方法によって形成されたブレンドより均一である。
【0034】
噴霧乾燥によって形成された多成分粉末は静電塗布中に分離せず、よって基材上により均一な被膜を提供する。
【0035】
噴霧乾燥において用いられるフルオロポリマー成分は、塗布の容易さおよび環境許容性を提供し得る水中のポリマーの分散液として一般に市販されている。「分散液」とは、分散液を用いるときに粒子の沈降が時間内に起きないようにフルオロポリマー粒子が水性媒体に安定に分散されていることを意味する。これは、典型的にはほぼ0.2マイクロメートルのフルオロポリマー粒子(一次粒子とも呼ばれる)の小さいサイズおよび分散液製造業者による水性分散液の中での界面活性剤の使用によって達成される。こうした分散液は、分散重合として知られているプロセス、任意にその後の濃縮および/または界面活性剤の更なる添加によって直接得ることが可能である。
【0036】
粉末の塗布
プライマ粉末およびオーバーコート粉末は、必要に応じて適する界面活性剤または粘度調整剤入りの適する液体に乾燥粉末を懸濁させ、湿式被覆技術によって組成物を沈着させることにより基材に被着させることが可能である。一実施形態において、粉末塗料は、周知の従来の技術、例えば、ホットフロッキング、静電吹付、静電流動層およびロトライニングなどによって乾燥状態で沈着する。より特定の実施形態において、摩擦電気吹付またはコロナ吹付などの静電吹付が用いられる。
【0037】
プライマ粉末は、典型的には、グリットブラスト仕上、エッチングまたは化学処理などの従来の処理によって処理された清浄且つ脱脂済みの基材に被着させて、基材への塗料の接着を助ける。適するいかなる基材も被覆することが可能である一方で、典型的な金属基材の例には、特に、鋼、高炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム被覆鋼およびアルミニウムが挙げられる。一実施形態において、プライマ粉末およびオーバーコートプライマを基材に被着させる方法は、基材が15〜25℃の温度にあるときに行われる。基材の前処理に加えて、金属基材上の強くて耐久性がある被膜の形成はプライマ層の組成と基材の両方に応じて決まる。基材への塗料の良好な接着は、アルミニウム基材に関してより容易に達成され、高炭素綱基材に関してより難しく、ステンレス鋼基材に関して最も難しい。
【0038】
粉末オーバーコートは、一回焼き付け塗布と呼ばれる塗布においてプライマ粉末を最初に焼き付けずにプライマ粉末上で基材に被着させてもよい。すなわち、オーバーコートの焼き付けが典型的にはプライマ層を焼き付ける。一回焼き付けシステムにおいて、被覆された基材は、典型的には約735°F(390℃)で60分にわたり焼き付けられる。あるいは、粉末オーバーコートは、2回焼き付け塗布と呼ばれる塗布においてプライマ層を焼き付けた後に被着させ、焼き付けることが可能である。典型的には、プライマ粉末は基材に被着され、725°F(385℃)で約30分にわたり焼き付けられ、後でオーバーコート粉末を塗布し、それはその後680°F(360℃)で更に約30分にわたり焼き付けられる。典型的な塗布において、プライマ層は厚さ約3ミル(75マイクロメートル)未満であり、オーバーコート層は約25ミル(650マイクロメートル)以下である。他の塗布において、プライマ層は厚さ約2ミル(50マイクロメートル)未満であり、オーバーコート層は厚さ約1.5〜約3ミル(38〜76マイクロメートル)の間である。
【0039】
上述した粉末塗料は、本発明の基材上で剥離表面のためのプライマ層およびオーバーコート層として用いられる。こうした塗料は、クックウェアおよびオーブンウェアへの用途、ならびに複写機および印刷機のための定着機構ロールまたはベルト、バルブ、タンク、インペラ、パイプ、金属フォイル、靴型、スノーシャベルおよびスノープラウ、船底、シュート、コンベヤ、ダイ、ツール、工業容器、型、内張反応容器、自動車パネル、熱交換器およびチューブなどの無数の工業用途を有する。
【0040】
試験方法
付着強さ粘着力試験
4.0インチ×12.0インチ(10.1cm×30.5cm)のステンレス鋼をアセトンによるリンスにより清浄化する。パネルはグリットブラスト表面を有する。実施例の各々における説明によりパネルを被覆する。以下で詳述する付着強さ粘着力試験にパネルを供する。
【0041】
被覆された基材を単純化T−剥離試験(接着剤の剥離抵抗)に供することにより、被覆された金属パネルの付着強さを決定する。焼き付けられた被膜を1インチ離れた平行線を有する金属基材に押し付ける。固定しておくのに十分である被膜のフラップを押し上げるために幅1インチのたがねを用いる。被膜を手であるいは一対のプライアで基材から引っ張る。
【0042】
付着強さを沸騰水試験の前後に採点する。沸騰水試験のためにパネルを所定の時間にわたり沸騰水に浸漬させる。1〜4の採点システムにより付着破壊を定性的に採点する。4の評点は最善の粘着力評点である。非常に容易に剥離する膜をもたらした接着剤破壊を示すサンプルに1の評点を与える。膜を剥離するために著しい努力を必要とした接着剤破壊を示したサンプルに2の評点を与える。剥離によって破壊したが、膜の著しい伸びまたは膜の伸びの後に膜の緩やかな引裂をもたらしたサンプルに3の評点を与える。きれいな被膜破壊または伸びの後に破壊を示したサンプルに4の評点を与える。
【実施例】
【0043】
以下の実施例において、約8インチ×8インチのステンレス鋼パネル基材をアセトンで清浄化し、Empire Abrasive Equipment Companyから入手できる「Pro−Finish」ブラストキャビネット、モデルPF−3648を用いて、約70〜125マイクロインチRaの粗度に100グリット酸化アルミニウムでグリットブラストした。
【0044】
「Nordsen Sure−Coat静電粉末塗料ガンを用いて粉末塗料を基材に被着させる。実施例で規定された時間と温度で電気加熱ホットエア対流炉内で、被覆されたパネルを焼き付ける。これらの実施例で用いた炉はクラスA溶媒ベント炉である。
【0045】
噴霧乾燥によってテトラフルオロエチレン/パーフルオロオレフィンコポリマーおよび結合剤からプライマ粉末を調製する実施例に関して、用いた噴霧乾燥機は、APV Anhydro AS(Copenhagen,Denmark)によって製造された「APV Pilot Spray Dryer」タイプPSD52である。300℃〜320℃の入口空気温度および110℃〜125℃の出口温度で噴霧乾燥機を運転する。粉末をサイクロンセパレータ内に集め、微粉を最終フィルタ内に集め、ホットエアおよび水蒸気を排出する。ぜん動ポンプを用いて分散液を送り、二流体(空気および液体)ノズルで噴霧する。ノズルの空気圧力は60psigである。
【0046】
フルオロポリマー
以下の実施例において特に指定がない限り、分散液の濃度は固体および液体の総合重量を基準にして重量%である。分散液の固体含有率は重力測定で決定され、固体および液体の総合重量を基準にして重量%で記載される。
【0047】
メルトフローレート(MFR)は、ASTM(D−2116またはD−3307)の方法によって372℃で測定される。MFRがg/10分の単位であり、溶融粘度(MV)が10Pa・sの単位であるとき、MFRは、MV=53.15/MFRという関係によってMVに関連付けられる。
【0048】
生分散液粒度(RDPS)は陽子相関分光分析によって測定される。
【0049】
粉末粒子の平均粒度は、(Honeywell Corporationの一部門であるLeeds & Northupから入手できる「Microtrac 101 Laser Particle Counter」を用いて)乾燥粒子に関するレーザー光散乱によって測定される。
【0050】
FEP分散液:水中のTFE/HFPコポリマー樹脂分散液。固形物含有率は28〜32重量%であり、生分散液粒度(RDPS)は160〜220ナノメートルであり、樹脂は10.3〜13.2重量%のHFP含有率および2.95〜13.3g/10分のメルトフローレートを有する。樹脂の融点は507°F(264℃)である。
【0051】
PFA分散液:水中のTFE/PPVEコポリマー樹脂分散液。固形物含有率は28〜32重量%であり、生分散液粒度(RDPS)は150〜245ナノメートルであり、樹脂は2.9〜3.6重量%のPPVE含有率および1.3〜2.2g/10分のメルトフローレートを有する。樹脂の融点は590°F(310℃)である。FEP粉末(DuPont Companyから市販されている製品コード532〜8110):10.3〜13.2重量%のHFPを含有するTFE/HFPコポリマー粉末、粒度は26.3〜46.6マイクロメートルの範囲内であり、メルトフローレートは2.95〜13.3g/10分であり、嵩密度は48〜72g/100ccである。樹脂の融点は507°F(264℃)である。
【0052】
PFA粉末(DuPont Companyから市販されているタイプ350、製品コード532〜7410):2.9〜3.6重量%のPPVEを含有するTFE/PPVEフルオロポリマー粉末、粒度は28.5〜0.9マイクロメートルの範囲内であり、メルトフローレートは1.3〜2.2g/10分であり、嵩密度は56〜87g/100ccである。樹脂の融点は590°F(310℃)である。
【0053】
非溶融加工性結合剤
TORLON Al−10としてSolvay Advanced Polymersから市販されているポリアミドイミド(PAI)。
【0054】
XYDAR SRT−400としてSolvay Advanced Polymersから市販されている液晶ポリマー(LCP)。
【0055】
溶融加工性結合剤
ポリフェニレンスルフィド(PPS)は、「Ryton」PR11−10としてChevron Phillips Chemical Companyから市販されている。
【0056】
ポリエチレンスルホン(PES)は、「Sumika Excel PES」4100mpとして住友化学(Sumitomo Chemical)から市販されている。 ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)は、150PFグレードとしてVictrexから市販されている。
【0057】
他の成分
マイカは、AfflairのグレードとしてEMD Chemicalsから市販されている。
【0058】
GE Siliconesから市販されているSilwet L−77界面活性剤。
【0059】
C.I.ピグメントブラック28としてEngelhard Corporationから市販されているブラック顔料。
【0060】
実施例1−FEP/PAIプライマ粉末
噴霧乾燥を用いてFEP/PAIプライマ粉末を調製した。脱イオン水、界面活性剤(Silwet L−77)、FEPおよびPAIを用いた。APVパイロットサイズ噴霧乾燥機を起動し、300℃の入口空気温度に予熱し、DI水を噴霧乾燥機にフィードして115℃の出口温度を維持する。噴霧乾燥機へのフィードをDI水からFEP混合物に変える。混合物のためのポンプ速度を調節して、噴霧乾燥機の出口温度を115℃に保つ。噴霧乾燥機内で、水を高温空気ストリームの中で蒸発させ、得られた粉末を、サイクロン分離器を通して集める。
【0061】
FEP/PAIのブレンドされたプライマ粉末を上で調製されたグリットブラスト仕上ステンレス鋼パネル上に粉末被覆することにより被着させる。パネルを725°F(385℃)の炉に入れ、30分にわたり焼き付けてプライマ層を形成させる。PFAオーバーコート粉末DuPont532−5310をプライマ層の上に静電的に被着させて、オーバーコート層を形成させる。パネルを680°F(360℃)の炉に入れ、30分にわたり焼き付けてオーバーコート層を形成させる。最終被膜厚さは、約100〜145マイクロメートルの範囲内であり、プライマ厚さは約50〜70マイクロメートルであり、オーバーコート厚さは約50〜75マイクロメートルである。上述した剥離試験を用いて基材への塗料の結合の接着強度を試験し、結果を表1に提示している。
【0062】
【表1】

【0063】
70重量%以上のPAI使用率に関しては、被膜はオーバーコートを焼き付け後に剥がれる。70重量%未満のPAI使用率に関しては、焼き付けられた被膜は沸騰の前に剥離に耐える。パネルを沸騰水に24時間にわたり入れた後、被膜は30〜60重量%の範囲内のPAI使用率に関して優れたままである。従って、試験は、被膜とステンレス鋼基材との間の強くて耐久性のある結合の証拠を示している。
【0064】
実施例2−FEP/PAI/PPSプライマ粉末
実施例1においてFEP/PAI粉末に関して記載された噴霧乾燥を用いてFEP/PAI/PPSプライマ粉末を調製した。
【0065】
実施例1のように、FEP/PAI/PPSのブレンドされたプライマ粉末を上で調製されたグリットブラスト仕上ステンレス鋼パネル上に粉末被覆することにより被着させる。パネルを725°F(385℃)の炉に入れ、30分にわたり焼き付けて、PFAオーバーコート粉末を被着させる前にプライマ層を形成させる。パネルを680°F(360℃)の炉に入れ、30分にわたり焼き付けてオーバーコート層を形成させる。最終被膜厚さは、約100〜150マイクロメートルの範囲内であり、プライマ厚さは約45〜75マイクロメートルであり、オーバーコート厚さは約50〜75マイクロメートルである。上述した剥離試験を用いて基材への塗料の結合の接着強度を試験し、結果を表2に提示している。
【0066】
【表2】

【0067】
FEP/PAI/PPS被膜のすべては沸騰の前に剥離に耐える。パネルを沸騰水に24時間入れた後、被膜は塗料組成物の広い範囲内に関して優れたままである。従って、被膜とステンレス鋼基材との間の強くて耐久性のある結合の証拠を示している。
【0068】
一般的説明または実施例において上述した作業のすべてが必要であるとは限らず、特定の作業の一部を必要としない場合があり、1つ以上のその更なる作業を上述した作業に加えて行ってもよいことに留意されたい。なお更に、作業を記載する順序は、必ずしも作業を行う順序である必要はない。本明細書を読んだ後、当業者は、当業者の特定の必要性または要求のためにどの作業を使用できるかを決定できるであろう。
【0069】
前述した明細書において、本発明を特定の実施形態に関連して記載してきた。しかし、当業者は、1つ以上の修正または1つ以上の他の変更を以下の特許請求の範囲に規定された本発明の範囲を逸脱せずに実施できることを理解する。従って、本明細書および図面を限定的な意味でなく例示的な意味において考えるべきであり、いかなるおよびすべてのかかる修正および他の変更は本発明の範囲内に含まれるべきことが意図されている。
【0070】
1つ以上のあらゆる利益、1つ以上の他の利点、1つ以上の課題に対する1つ以上の解決策またはそれらの任意の組み合わせを1つ以上の特定の実施形態に関して上述してきた。しかし、かかる利益、利点、課題に対する解決策、もしくはあらゆる利益、利点または解決策を想到させるか、またはより明白になるようにさせ得るあらゆる要素は、請求項のいずれかまたはすべての重要な、必要なまたは必須の特徴または要素として解釈されるべきではない。
【0071】
別々の実施形態の文脈において上および下で分かりやすくするために記載されている本発明の特定の特徴を単一の実施形態における組み合わせで提供してもよい。逆に、単一の実施形態の文脈において簡潔にするために記載されている本発明の種々の特徴を別々に、またはあらゆる下位組み合わせにおいて提供してもよい。更に、範囲において指定された値への言及は当該範囲内の各値およびあらゆる値を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材上に離型表面を形成する方法であって、
(a)テトラフルオロエチレン/パーフルオロオレフィンコポリマーと非溶融加工性結合剤とを含むプライマ粉末を基材上に塗布してプライマ層を形成する工程と、
(b)テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)コポリマーを含むオーバーコート粉末をプライマ層上に塗布してオーバーコート層を形成する工程と、
(c)プライマ粉末とオーバーコート粉末の両方を塗布した後、基材を焼き付ける工程と
を含む方法。
【請求項2】
非溶融加工性結合剤が、ポリアミドイミド、ポリベンゾイミダゾール、ポリイミド、液晶ポリマーまたはそれらの任意の組み合わせを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
非溶融加工性結合剤がポリアミドイミドを含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
プライマ粉末が、テトラフルオロエチレン/パーフルオロオレフィンコポリマーおよび非溶融加工性結合剤の統計質量を基準にして35〜90質量%のテトラフルオロエチレン/パーフルオロオレフィンコポリマーと10〜65質量%の非溶融加工性結合剤とを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
パーフルオロオレフィンがヘキサフルオロプロピレンを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)がパーフルオロ(プロプルビニルエーテルを含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
プライマ粉末が溶融加工性結合剤を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
溶融加工性結合剤が、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリーレンエーテルケトンまたはそれらの任意の組み合わせを含む請求項7に記載の方法。
【請求項9】
プライマ粉末が、テトラフルオロエチレン/パーフルオロオレフィンコポリマー、非溶融加工性結合剤および溶融加工性結合剤の統計質量を基準にして10〜55質量%の溶融加工性結合剤を含む請求項7に記載の方法。
【請求項10】
プライマ粉末が無機充填剤を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
無機充填剤が、マイカフレーク、炭化ケイ素、カーボンブラック、硫酸バリウム、ウルトラマリンブルー、混合金属酸化物顔料、酸化アルミニウムまたはそれらの任意の組み合わせを含む請求項10に記載の方法。
【請求項12】
無機充填剤がマイカフレークと硫酸バリウムとを含む請求項11に記載の方法。
【請求項13】
プライマ粉末が、テトラフルオロエチレン/パーフルオロオレフィンコポリマー、非溶融加工性結合剤および無機充填剤の統計質量を基準にして10〜20質量%の無機充填剤を含む請求項10に記載の方法。
【請求項14】
プライマ粉末を塗布する工程が静電吹付またはホットフロッキングを含む請求項1に記載の方法。
【請求項15】
オーバーコート粉末を塗布する工程が静電吹付またはホットフロッキングを含む請求項1に記載の方法。
【請求項16】
基材が、金属、セラミック、プラスチック、ガラスまたはそれらの任意の組み合わせを含む請求項1に記載の方法。
【請求項17】
金属が、鋼、高炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウムメッキ鋼、アルミニウムまたはそれらの任意の組み合わせを含む請求項16に記載の方法。
【請求項18】
プライマ粉末を塗布するか、オーバーコート粉末を塗布するか、またはその両方のとき、基材が周囲温度にある請求項1に記載の方法。
【請求項19】
プライマ粉末を塗布した後で且つオーバーコート粉末を塗布する前に、基材を焼き付ける工程を更に含む請求項1に記載の方法。
【請求項20】
プライマ層の厚さが100マイクロメートル未満であり、オーバーコート層の厚さが650マイクロメートル未満である請求項1に記載の方法。
【請求項21】
請求項1に記載の方法によって形成される基材上の離型被膜。

【公表番号】特表2010−517747(P2010−517747A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−548302(P2009−548302)
【出願日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際出願番号】PCT/US2008/001290
【国際公開番号】WO2008/094652
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】