説明

プリントサービス装置

【課題】撮像装置とプリントサービス装置とを連携させた新規なプリントサービスを実現するための技術を提供する。
【解決手段】撮像装置は、撮影画像が記録される領域とプリントサービスに関わる付加的データが記録される領域とが設けられたメモリを有する。プリントサービス装置は、撮像装置本体または撮像装置のメモリが接続される接続部と、接続された撮像装置のメモリから撮影画像を読み込んでプリント処理またはプリント注文処理を実行するプリントサービス処理部と、接続された撮像装置のメモリに対し、付加的データを設定する付加的データ設定部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像のプリントサービスに用いられるプリントサービス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラなどの撮像装置の普及に伴い、デジタル画像をプリントするサービスが注目を集めている。一般的なサービス形態では、画像が記録されたメモリカードをカメラから取り外してDPEショップに預けるか、メモリ内蔵タイプのカメラの場合はカメラ本体ごとDPEショップに渡して、プリントを依頼する。また、コンビニ等に設置されたKIOSK端末(プリントサービス装置)を利用してプリントあるいはプリント注文を行うセルフサービスの形態もある。最近では、インターネットを介してプリント注文を行うサービスも登場している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者は、この種のプリントサービスにおいて顧客の拡大および固定化を図るための方策として、無償もしくは低料金でデジタルカメラを貸与、頒布もしくは販売し、そのカメラで撮影された画像のプリントやプリント注文をプリントサービス装置で受注するといったビジネスモデルを検討している。
【0004】
しかしながら、その実現には以下のような課題がある。
【0005】
従来技術では、カメラとプリントサービス装置とを関連付ける手段がないため、たとえばA社が顧客にカメラを貸与したとしても、その顧客が他社のプリントサービスを利用する可能性があり、ビジネスモデル自体が成立しないおそれがある。
【0006】
また、カメラに関していえば、撮影可能枚数あるいは記録可能容量がプログラム的に制限されたカメラであることが好ましく、さらには、使い捨てではなく、メモリ内容(画像や設定など)をリフレッシュすることにより繰り返し使えるリサイクル型のカメラが好ましい。とはいえ、メモリのリフレッシュのためにカメラを返却したり一時的にショップに預けたりしなければならないとなれば、その手間が顧客への負担となるし、サービス提供者にとっても回収コストの問題が生じる。よって、顧客自身が簡単に何度でもメモリをリフレッシュでき、ある程度の期間、マイカメラとして使い続けられるような仕組みが望まれる。しかし、従来は、かかる仕組みを実現するための好適なシステムが存在しなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、上記課題を解決するために、以下の構成を採用する。
【0008】
本発明に係るプリントサービス装置は、撮像装置で撮影された画像のプリントサービスに用いられるプリントサービス装置であって、撮像装置は、撮影画像が記録される領域とプリントサービスに関わる付加的データが記録される領域とが設けられたメモリを有しており、プリントサービス装置は、撮像装置本体または撮像装置のメモリが接続される接続部と、接続された撮像装置のメモリから撮影画像を読み込んでプリント処理またはプリント注文処理を実行するプリントサービス処理部と、接続された撮像装置のメモリに対し、付加的データを設定する付加的データ設定部と、を有する。
【0009】
ここで、付加的データには、プリントサービスに関連する種々の情報を含めることが可
能である。たとえば、撮影可能枚数あるいは記録可能容量の上限を規定する情報、撮像装置の使用期限を規定する情報、撮影画像の削除の可否を規定する情報のような「撮像装置の作動に関わる情報」を含めてもよい。また、プリント処理またはプリント注文処理の利用に応じて付与されるポイントや、利用履歴、画像の補正のログなどのような「サービスの利用に関わる情報」を含めてもよい。また、顧客IDその他の個人情報のような「撮像装置の利用者に関わる情報」を含めてもよい。また、撮像装置IDやサービス提供者IDのような「サービス提供者に関わる情報」を含めてもよい。また、「広告情報」を含めてもよい。
【0010】
ここで、前記撮像装置は、前記メモリを保持したまま、前記メモリの接続端子部分を装置本体の外部に露出させるメモリ取出機構を備えることが好ましい。なお、メモリやその接続端子の仕様は、汎用的、標準的なメモリの規格に準拠していることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、プリントサービス装置により撮像装置のメモリ内容を書き換えることができる。そして、たとえば、付加的データとして「サービスの利用に関わる情報」を記録するようにすれば、撮像装置とプリントサービスの間に関連付けを持たせたり、顧客に付加価値を提供することができるようになり、本プリントサービスの利用機会の拡大、顧客の固定化につながる。また、付加的データとして「撮像装置の作動に関わる情報」の書き換えを行うようにすれば、撮像装置を回収せずとも、顧客自身でいわゆるメモリリフレッシュが行えるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。
【0013】
(KIOSK端末の構成)
本実施形態では、プリントサービス装置としてKIOSK端末を例に挙げる。図1は、KIOSK端末の外観を示しており、図2は、KIOSK端末の機能構成を示している。
【0014】
KIOSK端末は、コンビニ、DPE店、小売店、ホテル、駅、サービスエリア、ゲームセンター、公共施設などに設置される多機能情報端末である。一般に、KIOSK端末は、インターネット接続可能なコンピュータ、メモリリーダライタ、プリンタ等を内蔵しており、目的に応じたアプリケーションをインストールすることで、種々の機能を切り替えて実行できるようになっている。本実施形態では、プリント処理(内蔵のプリンタにより画像をプリントアウトする処理)およびプリント注文処理(画像の印画紙プリントオーダーを受け付ける処理)を実行するためのアプリケーションがインストールされたKIOSK端末を想定している。
【0015】
図1に示すように、KIOSK端末101の前面には、タッチパネルディスプレイ110、カメラ/メモリ接続部111、金銭挿入口112、クレジットカードリーダ113、プリント排出口114が設けられている。また、KIOSK端末101は、その機能として、データ読込部120、データ書込部121、表示部122、入力部123、入金部124、プリント処理部125、プリント注文処理部126、付加的データ処理部127、通信部128、プリンタ129を備える。
【0016】
タッチパネルディスプレイ110は、表示部122と入力部123の機能を兼ねたものである。表示部122は、KIOSK端末101の操作画面やガイダンスなどを表示する機能であり、入力部123は、ユーザーからの入力受け付けを行う機能である。図示しないが、スピーカで音声ガイダンスを出力してもよい。
【0017】
カメラ/メモリ接続部111は、デジタルカメラ(撮像装置)103やそのメモリ(メモリカード)130が接続される接続部である。カメラ本体の接続にはUSBなどのケーブルを用いてもよいし、赤外線やBluetoothなどの無線通信を利用してもよい。デジタルカメラ103からメモリ130を取り出せる場合には、メモリ130をカメラ/メモリ接続部111のメモリ挿入口に差し込むことで接続可能である。
【0018】
データ読込部120は、カメラ/メモリ接続部111に接続されたデジタルカメラ103のメモリ(内蔵メモリもしくはメモリ130)から、データを読み込む機能である。また、データ書込部121は、カメラ/メモリ接続部111に接続されたデジタルカメラ103のメモリに対し、データを書き込む機能である。後述するが、本実施形態のデジタルカメラ103のメモリには、撮影画像が記録される領域と、プリントサービスに関わる付加的データが記録される領域とが設けられている。データ読込部120やデータ書込部121は、撮影画像領域、付加的データ領域のいずれにもアクセス可能である。
【0019】
金銭挿入口112とクレジットカードリーダ113は、ユーザーからの入金を受け付ける部分である。投入された金銭の処理やクレジットカードによる決済処理は、入金部124によって実行される。
【0020】
プリンタ129は、レシートや引換票、あるいは、画像のプリント出力を行う装置である。プリンタ129で印刷された出力物は、プリント排出口114に排出される。
【0021】
プリント処理部125は、データ読込部120で読み込まれた撮影画像をプリンタ129により印刷する処理(プリント処理)を実行する機能である。また、プリント注文処理部126は、データ読込部120で読み込まれた撮影画像の印画紙プリントオーダーを受け付ける処理(プリント注文処理)を実行する機能である。さらに、付加的データ処理部127は、データ読込部120で読み込まれたデジタルカメラ103の付加的データの更新や、新たな付加的データの生成を行う機能である。更新・生成された付加的データはデータ書込部121によりデジタルカメラ103のメモリに書き込まれる。これらプリント処理部125、プリント注文処理部126、付加的データ処理部127の各機能は、アプリケーションプログラムとしてKIOSK端末101に実装されている。これらの機能の具体的な処理については後述する。
【0022】
通信部128は、インターネット140との通信処理を行う機能である。KIOSK端末101は、インターネット140を介して、プリントサービス提供者の運営サーバ141、プリント工場に設置されたプリントサーバ142、KIOSK端末101の設置者の設置者サーバ143などと通信可能に設けられている。
【0023】
(デジタルカメラの構成)
本実施形態では、無償もしくは低料金でデジタルカメラ103を貸与、頒布もしくは販売し、そのカメラで撮影された画像のプリントやプリント注文をKIOSK端末101(プリントサービス装置)で受注する、といったプリントサービスを想定している。
【0024】
本サービスで用いるデジタルカメラ103としては、図3(a)に示すようなメモリ内蔵タイプのカメラでもよいし、図3(b)に示すようなメモリ着脱タイプのカメラでもよい。メモリ内蔵タイプの場合は、構成が簡易となり低コストを実現できるという利点、および、カメラ本体とメモリの一体性が確保されるため付加的データの改ざん等を防止できるという利点がある。メモリ着脱タイプの場合は、撮影画像が記録されたメモリ130を取り外し、KIOSK端末101やパソコンなどの外部機器に簡単に接続できるため、利便性および汎用性の点で優れている。
【0025】
また、本サービスに好適なデジタルカメラ103としては、図3(c)に示す構成のものがある。この構成では、メモリ130が、カメラ本体の内部に格納される位置(装着状態)と、その接続端子部分がカメラ本体の外部に露出する位置(取出状態)との間を移動できるように設けられている。取出状態においてもメモリ130はカメラ本体に保持されたままであり、メモリ半着脱タイプとよぶことができる。この構成によれば、カメラ本体との一体性を保ったまま、メモリ130をKIOSK端末101に挿入できる。すなわち、メモリ内蔵タイプの利点とメモリ着脱タイプの利点の両方を兼ね備えているといえる。
【0026】
図4は、デジタルカメラ103の機能構成を示すブロック図である。デジタルカメラ103は、概略、メモリ130、入力部131、撮像部132、フラッシュ133、表示部134、データ入出力部135、制御部136を備える。メモリ130は、上述のように、カメラ内部のプリント基板に実装されている場合と、メモリカードのように着脱自在の場合と、途中まで引き出せる半着脱式の場合のいずれの構成でもよい。
【0027】
入力部131は、シャッター、ズームボタン、設定ボタンなどから構成される機能であって、ユーザーからの入力操作を受け付けるものである。撮像部132は、レンズおよび撮像素子から構成される。表示部134はLCDなどの平面型ディスプレイからなり、撮影画像や各種設定などを表示可能である。データ入出力部135は、撮影画像や各種設定などの電子データをメモリ130に書き込んだり、電子データをメモリ130から読み出したりする回路である。制御部136は、マイコン、ROM、フレームメモリなどから構成される回路である。マイコンがROMに格納されている制御プログラムを読み込んで実行することにより、各ハードウェアの制御、撮影画像に対する画像処理、カメラの撮影モードやパラメータなどの各種設定パラメータの変更、データ入出力などの種々の処理を統括的に実行する。
【0028】
メモリ130には、図4に示すように、少なくとも付加的データ領域137と撮影画像領域138とが設けられている。付加的データとは、本プリントサービスに関連する情報の群である。付加的データ領域137には、サービス内容にあわせて種々の情報を格納することができる。付加的データとしては、たとえば、撮影可能枚数あるいは記録可能容量の上限を規定する情報、カメラの使用期限を規定する情報、撮影画像の削除の可否を規定する情報のような「カメラの作動に関わる情報」、プリント処理またはプリント注文処理の利用に応じて付与されるポイントや、利用履歴、画像の補正のログなどのような「サービスの利用に関わる情報」、顧客IDその他の個人情報のような「カメラのユーザーに関わる情報」、カメラIDやサービス提供者IDのような「サービス提供者に関わる情報」、広告提供者から提供される「広告情報」などを含めることができる。本実施形態では、図4に示すように、カメラID、サービス提供者ID、カメラの製造年月日、撮影可能枚数、ポイント数、画像補正ログ、顧客ID、取引最新日などの情報が、付加的データ領域137に格納されている。これらの付加的データは、デジタルカメラ103の貸与、頒布もしくは販売時にサービス提供者によって初期設定される情報と、ユーザー自身がKIOSK端末101を利用して設定したり更新したりする情報を含む。
【0029】
(デジタルカメラの動作)
撮影モード、フラッシュのON/OFF、記録画像の解像度その他の設定を変更する場合、ユーザーは入力部131を利用して入力操作を行う。入力された設定情報は制御部136内部のROMに記録されるか、データ入出力部135を介してメモリ130に記録される。
【0030】
撮影を行う場合、まず、制御部136はメモリ130の付加的データ領域137を参照して、撮影可能枚数が1以上か否かを調べる。撮影可能枚数がゼロのとき、制御部136は撮影不可となるよう制御するとともに、表示部134に「撮影枚数が上限に達しました
。画像を削除するか、KIOSK端末にて新たにチャージして下さい。」というようなメッセージを表示する。撮影可能な場合には、撮像部132で撮影された画像は制御部136内部のフレームメモリに格納され、表示部134に表示される。その表示映像を見ながらユーザーが所望のタイミングでシャッターを押すと、制御部136が、必要に応じてフラッシュ133を発光させ、撮像部132から撮影画像を取り込み、その撮影画像に対して所定の画像処理を施した後、データ入出力部135を介して撮影画像をメモリ130に記録する。画像を1枚撮影するごとに、制御部136は付加的データの撮影可能枚数を1ずつ減じていく。
【0031】
撮影画像の閲覧や整理を行う際は、制御部136がデータ入出力部135を介してメモリ130から撮影画像を読み込み、それらを表示部134に表示する。ユーザーは入力部131を操作して、表示の切り替えや画像の削除などを行うことができる。ただし、付加的データに、撮影画像の削除不可の情報が設定されている場合には、ユーザーによる削除操作が禁止される。
【0032】
このように、本実施形態のデジタルカメラ103は、作動時に付加的データを参照することにより、撮影可能枚数の制限や撮影画像の削除の可否をプログラム的に制御できる。他にも、付加的データにカメラの使用期限を設定しておけば、デジタルカメラ103で撮影を行える期間に制限を設けることもできる。すなわち、付加的データ(カメラの作動に関わる情報)をメモリ130に設定しておくだけで、撮影、記録、画質などのデジタルカメラ103としての基本性能を損なうことなく、リサイクル型カメラとしての機能や役割を持たせることができるのである。
【0033】
(KIOSK端末の動作:プリント処理)
次に、本実施形態のプリントサービスの処理について説明する。ここでは、プリントサービスの名称を「BBデジカメサービス」と仮定する。
【0034】
KIOSK端末101の初期メニュー画面から「BBデジカメサービス」を選択すると、本サービスに関するサービスメニュー画面が表示される。サービスメニュー画面では、「プリント出力」「印画紙プリント注文」「デジカメチャージ」の中から所望の処理を選択することができる。いずれかの処理を選択すると、「デジタルカメラまたはメモリを接続して下さい。」というガイダンスが出力される。ユーザーがデジタルカメラ103またはそのメモリ130をカメラ/メモリ接続部111に接続すると、以下の処理が実行される。
【0035】
図5は、「プリント出力」が選択された場合に実行されるプリント処理の流れを示している。
【0036】
まず、データ読込部120がメモリから付加的データを読み込む(ステップS100)。付加的データの読み込みに成功した場合には、付加的データ処理部127が、付加的データの「サービス提供者ID」がBBデジカメサービスの提供者IDと一致するか否かチェックする(ステップS101)。付加的データの読み込みに失敗した場合あるいは提供者IDが不一致の場合は、「このデジタルカメラ/メモリはBBデジカメサービスをご利用できません。」というメッセージを出力してプリント処理を中断する。
【0037】
次に、データ読込部120がメモリから撮影画像を読み込む(ステップS102)。プリント処理部125は、読み込まれた画像のサムネイルを表示部122に一覧表示する(ステップS103)。ユーザーはサムネイル表示を見ながら、プリント対象とする画像を選択することができる。画像選択が完了すると、プリント処理部125は、プリント設定画面を表示する(ステップS104)。ユーザーはこの画面上で、プリント枚数、プリン
トサイズ、用紙、レイアウト、色調などのプリント設定を入力できる。また、画像に合成するフレーム、文字、イラストなどを入力できるようにしてもよい。さらに、通常の用紙だけでなく、ポストカード印刷やシールプリント印刷などにも対応していることが好ましい。
【0038】
プリント設定が完了すると、プリント処理部125はプリント代金を計算し表示部122に表示する。プリント代金の支払い方法は、現金とクレジットカードから選択可能である。また、付加的データの「ポイント」をプリント代金の支払いに充てることもできる。入金処理は入金部124が実行する(ステップS105)。
【0039】
入金が完了すると、付加的データ処理部127がプリント代金や支払い方法に応じた付与ポイントを計算し、現在のポイント数に加算する(ステップS106)。また、プリント代金の支払いにポイントが利用された場合には、付加的データ処理部127は利用ポイントを現在のポイント数から減算する。そして、付加的データ処理部127は、付加的データの中の「ポイント数」と「取引最新日」を更新し、データ書込部121を介して更新後の付加的データをデジタルカメラ103のメモリに書き込む(ステップS107)。
【0040】
次に、プリント処理部125がプリント対象の画像に対して、先に入力されたプリント設定に応じた画像処理を施した後、その画像をカラー印字する(ステップS108)。プリント出力はKIOSK端末101のプリント排出口114から排出される。
【0041】
その後、プリント処理部125は、今回のプリント処理の内容と付加的データとを利用ログとして運営サーバ141や設置者サーバ143に送信する(ステップS109)。この利用ログは、KIOSK端末101の保守・管理に利用される他、「誰が、いつ、どこで、どのようなサービスを利用したか」といったマーケティング情報としても利用される。
【0042】
(KIOSK端末の動作:プリント注文処理)
図6は、サービスメニュー画面で「印画紙プリント注文」が選択された場合に実行されるプリント注文処理の流れを示している。
【0043】
付加的データの読み込み(ステップS200)からサムネイルの一覧表示(ステップS203)までの処理は、図5のステップS100〜S103の処理とほぼ同様のため、説明を省略する。
【0044】
画像選択が完了すると、プリント注文処理部126は、プリント注文画面を表示する(ステップS204)。ユーザーはこの画面上で、プリント枚数、プリントサイズ、用紙、レイアウト、色調、写真の受け取り方法などの注文内容を入力できる。また、明るさ補正、色味(かぶり)補正、シャープネス補正などの高度な画像補正を設定できるようにしてもよい。さらに、付加的データの「画像補正ログ」を参照し、当該ユーザーが過去の注文処理で設定した補正内容を適用するようにしてもよい。
【0045】
注文内容の設定が完了すると、プリント注文処理部126はプリント代金を計算し表示部122に表示する。プリント代金の支払い方法は、現金やクレジットカードによる前払いでもよいし、写真受け取り時の後払い(コンビニでの支払い、代引きなど)でもよい。前払いの場合には入金部124により入金処理が実行される(ステップS205)。このときも、付加的データの「ポイント」をプリント代金の支払いに充てることができる。
【0046】
次に、付加的データ処理部127がプリント代金や支払い方法に応じた付与ポイントを計算し、現在のポイント数に加算する(ステップS206)。また、プリント代金の支払
いにポイントが利用された場合には、付加的データ処理部127は利用ポイントを現在のポイント数から減算する。そして、付加的データ処理部127は、付加的データの中の「ポイント数」と「取引最新日」を更新するとともに、今回の注文処理で設定された補正内容を「画像補正ログ」に追加し、データ書込部121を介して更新後の付加的データをデジタルカメラ103のメモリに書き込む(ステップS207)。
【0047】
次に、プリント注文処理部126は写真の引換票を印字するとともに、代金後払いの場合には代金の請求書も印字する(ステップS208)。引換票や請求書はKIOSK端末101のプリント排出口114から排出される。
【0048】
その後、プリント注文処理部126は、注文内容とともにプリント対象の画像を運営サーバ141およびプリントサーバ142に送信する(ステップS209)。また、今回の注文処理の内容と付加的データとを利用ログとして運営サーバ141や設置者サーバ143に送信する(ステップS210)。
【0049】
プリントサーバ142の設置されたプリント工場では、注文内容に従って、画像の印画紙プリントが行われる。出来上がった写真は、ユーザー指定の方法(コンビニでの受け取り、自宅への配送など)でユーザーに渡される。
【0050】
(KIOSK端末の動作:チャージ処理)
本実施形態のデジタルカメラ103では、付加的データにより撮影可能枚数や使用期限が設定されており、これを超えて継続使用することができないようになっている。撮影可能枚数が少なくなったり、使用期限に近づいてくると、デジタルカメラ103の表示部134に「撮影枚数が上限に達しました。KIOSK端末にて新たにチャージして下さい。」とか、「使用期限は○月○日です。KIOSK端末にて新たにチャージして下さい。」といった、チャージ処理を促すメッセージが表示される。ユーザーは、KIOSK端末101を利用して、デジタルカメラ103の撮影可能枚数や使用期限などの「カメラの作動に関わる情報」を更新(リフレッシュ)することができる。
【0051】
図7は、サービスメニュー画面で「デジカメチャージ」が選択された場合に実行されるチャージ処理の流れを示している。
【0052】
付加的データの読み込み(ステップS300)からサービス提供者IDのチェック(ステップS301)までの処理は、図5のステップS100〜S101の処理とほぼ同様のため、説明を省略する。
【0053】
付加的データ処理部127は、現在カメラに設定されている撮影可能枚数や使用期限とともに、チャージ内容選択画面を表示部122に表示する(ステップS302)。チャージ内容選択画面では、たとえば、「30枚/500円」、「50枚/700円」、「100枚/1000円」、「7日/800円」、「1ヶ月/1500円」、「3ヶ月/2500円」というように撮影枚数や使用期間がその価格とともに複数種類表示され、ユーザーは所望のチャージ内容を選択することができる。
【0054】
チャージ内容が選択されたら、付加的データ処理部127は、チャージ代金の入金を促すメッセージを出力する。チャージ代金の支払い方法は、現金とクレジットカードから選択可能である。また、付加的データの「ポイント」をチャージ代金の支払いに充てることもできる。入金処理は入金部124が実行する(ステップS303)。
【0055】
入金が完了すると、付加的データ処理部127がチャージ代金や支払い方法に応じた付与ポイントを計算し、現在のポイント数に加算する。また、チャージ代金の支払いにポイ
ントが利用された場合には、付加的データ処理部127は利用ポイントを現在のポイント数から減算する。そして、付加的データ処理部127は、付加的データの中の「ポイント数」と「取引最新日」を更新する(ステップS304)。
【0056】
さらに、付加的データ処理部127は、今回購入されたチャージ内容を付加的データに設定する(ステップS305)。たとえば、撮影枚数が購入された場合、付加的データの「撮影可能枚数」に今回購入された枚数が加算されるとともに、「画像削除不可」の情報が追加される。また、使用期間が購入された場合、付加的データの「使用期限」に今回購入された期間が加算されるとともに、「画像削除可」の情報が追加される。つまり、「使用期限」の場合には、その期間内なら何度でも画像の撮り直し(削除)ができることになる。更新後の付加データは、データ書込部121によってデジタルカメラ103のメモリに書き込まれる(ステップS306)。
【0057】
その後、付加的データ処理部127は、今回のチャージ処理の内容と付加的データとを利用ログとして運営サーバ141や設置者サーバ143に送信する(ステップS307)。
【0058】
以上述べた本実施形態によれば、KIOSK端末101(プリントサービス装置)によりデジタルカメラ103(撮像装置)のメモリ内容を書き換えることができるので、KIOSK端末101とデジタルカメラ103とが連携した新しいプリントサービスを実現できる。
【0059】
特に本実施形態では、サービス提供者ID、ポイント数、画像補正ログのような「サービスの利用に関わる情報」を記録するようにしたので、デジタルカメラ103とプリントサービスの間に関連付けを持たせたり、顧客に付加価値を提供することができるようになり、ひいては、本プリントサービスの利用機会の拡大、顧客の固定化を図ることができる。
【0060】
また本実施形態では、撮影可能枚数や使用期限や画像削除の可否などの「カメラの作動に関わる情報」がデジタルカメラ103に記録されているので、リサイクル型カメラの回収リスクを小さくすることができる。しかも、KIOSK端末101にてそれらの情報の更新ができるので、サービス提供者がカメラを回収せずとも、顧客自身でいわゆるメモリリフレッシュが行えるようになり、利便性が向上する。
【0061】
なお、上記実施形態は本発明の一具体例を例示したものにすぎない。本発明の範囲は上記実施形態に限られるものではなく、その技術思想の範囲内で種々の変形が可能である。
【0062】
たとえば、プリントサービス装置は、KIOSK端末のような形態ではなく、別体のパソコン、プリンタ、メモリリーダライタなどを組み合わせて構成することもできる。また、撮像装置もコンパクトタイプのデジタルカメラに限られず、一眼レフタイプのデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話に搭載されたデジタルカメラなど、撮影画像などの電子データをメモリに記録する方式を採用する種々の撮像装置に好ましく適用することができる。
【0063】
また、上記実施形態では、KIOSK端末101にプリント処理とプリント注文処理を実装しているが、いずれか一方の処理を実装するだけでもよい。プリント処理、プリント注文処理、チャージ処理の具体的な処理の流れは一例にすぎず、適宜変更しても構わない。
【0064】
また、付加的データとして広告情報を記録し、撮像装置やプリントサービス装置の表示
部に広告情報を表示するなど、撮像装置そのものを広告媒体として利用することも好ましい。その広告収入を撮像装置代金やプリント代金に還元するようにすれば、安価なプリントサービスを提供することができる。
【0065】
[撮像装置の具体例]
上述したように、本発明に係るプリントサービス装置では、メモリ内蔵タイプ、メモリ着脱タイプ、メモリ半着脱タイプのいずれの撮像装置(デジタルカメラ)も利用可能である。
【0066】
とはいえ、メモリ内蔵タイプの場合、メモリの内容を読み書きするために専用のケーブルや装置が必要であったり、(外部出力端子を持たないカメラでは)カメラを分解する必要があり、取り扱いが面倒である。また、コンビニなどに設置されているKIOSK端末を利用できないという不利もある。また、メモリ着脱タイプの撮像装置は、メモリ内蔵タイプに比べてコスト高となるし、ユーザー自身でメモリ交換ができてしまうため、カメラ回収のリスクを考慮すると、リサイクル用途やレンタル用途への展開が難しいという問題がある。
【0067】
撮像装置とプリントサービス装置のあいだのデータ通信手段としては、他にも、USBで接続する方式や、無線LAN・赤外線などの無線通信方式が考えられる。しかしながら、USB通信や無線通信の構成追加は、撮像装置のコストアップにつながるため好ましくない。特に無線通信方式では、撮像装置側に通信用の電源を設けなければならないため、コストに加えて消費電力の問題も生じる。コストを抑えるために赤外線通信などの低速な通信方式を採用した場合には、大容量画像の転送に時間がかかり、利便性を損なう結果となる。さらに、USB通信や無線通信などの双方向通信可能なインターフェースをプリントサービス装置に設けた場合、そのインターフェースが悪用され、装置に不正侵入(ハッキング)されるリスクが生じるという問題も出てくる。
【0068】
従って、本発明に係るプリントサービス装置で利用する撮像装置としては、メモリ内蔵タイプの一体性とメモリ着脱タイプの汎用性とを兼ね備える利便性に優れたメモリ半着脱タイプの撮像装置が好ましい。
【0069】
そこで以下、メモリ半着脱タイプの撮像装置の具体例を述べる。
【0070】
(デジタルカメラの外観)
図8に、デジタルカメラ(撮像装置)の外観を示す。なお、本実施形態では、コンパクトタイプのデジタルカメラを例に挙げて説明するが、他にも、一眼レフタイプのデジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話に搭載されたデジタルカメラなど、撮影画像などの電子データをメモリに記録する方式を採用する種々の撮像装置を好ましく利用可能である。
【0071】
図8に示すように、デジタルカメラ1は、レンズ10、フラッシュ11、シャッター12、ファインダー13を備える。また、デジタルカメラ1は、撮影画像などの電子データを記録するためのメモリ2を内蔵している。
【0072】
メモリ2は、カメラ本体側面に設けられた取り出し口15から、接続端子20を外向きにして引き出し可能に構成されている。カメラ本体とメモリ2にはそれぞれロゴ14,21が付されており、両者のロゴ14,21を見比べることでカメラ本体とメモリ2との整合を確認できるようになっている。なお、カメラ本体側面には取り出し口15を塞ぐためのラバーカバー16が取り付けられている。
【0073】
(デジタルカメラの内部構成)
図9にデジタルカメラ1の内部構成を示す。図9は、図8のA−A線における内部透視図である。
【0074】
カメラ本体の内部には回路プリント基板30が配され、この回路プリント基板30には、制御部31、撮像素子32、データ入出力部34が実装されている。また、カメラ本体の背面側に設けられた表示部33も回路プリント基板30に接続されている。
【0075】
制御部31は、マイコン、ROM、フレームメモリなどから構成される回路である。マイコンがROMに格納されている制御プログラムを読み込んで実行することにより、各ハードウェアの制御、撮影画像に対する画像処理、カメラの撮影モードやパラメータなどの各種設定パラメータの変更、データ入出力などの種々の処理を統括的に実行する。
【0076】
撮像素子32はCCDやCMOSなどで構成されるイメージセンサであり、レンズ10と光軸合わせして配置されている。データ入出力部34は、撮影画像や各種設定などの電子データをメモリ2に書き込んだり、電子データをメモリ2から読み出したりする回路である。表示部33はLCDなどの平面型ディスプレイからなり、撮影画像や各種設定などを表示可能である。
【0077】
(メモリ取出機構)
メモリ2は、不図示のガイドに沿ってスライド自在に設けられており、図9に示すように、カメラ本体の内部に格納される第1の位置(装着状態)と、接続端子20の部分がカメラ本体の外部に露出する第2の位置(取出状態)との間を移動することができる。なお、回路プリント基板30や表示部33は、メモリ2のスライドと干渉しない位置に配置されている。
【0078】
メモリ2を第1の位置まで挿入すると、メモリ2の接続端子20がデータ入出力部34の接点と電気的に接続する。この装着状態においては、データ入出力部34によりメモリ2の電子データの読み書きが可能となる。
【0079】
一方、メモリ2を装着状態から引き出していくと、第2の位置においてメモリ2に設けられたストッパー22がカメラ本体の被係合部に係合し、それ以上はメモリ2を引き出せなくなる。かかるメモリ取出機構により、メモリ2をカメラ本体に保持したまま、メモリ2の接続端子20の部分をカメラ本体の外部に露出させることができる。この取出状態においては、カメラ本体との一体性を保ったまま、メモリリーダライタを具備する外部機器(たとえば、パーソナルコンピュータ、KIOSK端末、デジタルDPE装置)にメモリ2を挿入できるため、メモリ2に記録されている撮影画像や各種設定などの電子データを外部機器に簡単に転送することができる。
【0080】
(デジタルカメラの動作)
図10を参照して、デジタルカメラ1の動作について説明する。図10は、デジタルカメラ1の機能構成を示すブロック図である。同図において、入力部35は、シャッター12、ズームボタン、設定ボタンなどから構成される機能であって、ユーザーからの入力操作を受け付けるものである。また、撮像部36は、撮像を行う機能であって、レンズ10および撮像素子32から構成される。
【0081】
撮影モード、フラッシュのON/OFF、記録画像の解像度その他の設定を変更する場合、ユーザーは入力部35を利用して入力操作を行う。入力された設定情報は制御部31内部のROMに記録されるか、データ入出力部34を介してメモリ2に記録される。
【0082】
撮影を行う場合、撮像部36で撮影された画像は制御部31内部のフレームメモリに格納され、表示部33に表示される。その表示映像を見ながらユーザーが所望のタイミングでシャッター12を押すと、制御部31が、必要に応じてフラッシュ11を発光させ、撮像部36から撮影画像を取り込み、その撮影画像に対して所定の画像処理を施した後、データ入出力部34を介して撮影画像をメモリ2に記録する。なお、表示部33を使わず、ファインダー13を通してアングルを決定してもよい。
【0083】
撮影画像の閲覧や整理を行う際は、制御部31がデータ入出力部34を介してメモリ2から撮影画像を読み込み、それらを表示部33に表示する。ユーザーは入力部35を操作して、表示の切り替えや画像の削除などを行うことができる。
【0084】
(外部機器との接続)
図11を参照して、メモリ半着脱タイプのデジタルカメラ1を外部機器と接続する際の使用方法について説明する。ここでは、外部機器としてKIOSK端末を例に挙げる。
【0085】
図11に示すように、KIOSK端末4の前面には、タッチパネルディスプレイ40、メモリ挿入口41、金銭・カード挿入口42、プリント排出口43が設けられている。KIOSK端末4は、インターネット44を介してホストサーバ45やプリントサーバ46とデータ通信可能である。
【0086】
KIOSK端末4を利用する際は、デジタルカメラ1の取り出し口15からメモリ2を引き出した後、そのメモリ2をメモリ挿入口41に差し入れる。このとき、メモリ2はカメラ本体に保持されたままであるが、接続端子20を外向きにしてカメラ本体から突き出ているため、メモリ挿入口41への挿入に支障はない。
【0087】
メモリ2挿入後のKIOSK端末の動作は、上述した通りである。もちろん、上述したサービス以外のサービスを利用するためにこのメモリ2を利用してもよい。
【0088】
なお、パーソナルコンピュータ(PC)との接続も上記と同様にして行うことができる。すなわち、デジタルカメラ1のメモリ2を引き出した後、カメラ本体ごとメモリ2をPCのメモリリーダライタに装着すれば、メモリ2に記録されている画像をPCに読み込むことができる。よって、PCで画像を閲覧したり、プリンタで画像を印字したり、インターネット上の印画紙プリントオーダーサイトを利用して印画紙プリントの注文を行うことができる。
【0089】
以上述べたメモリ半着脱タイプの構成によれば、メモリ2とデジタルカメラ1との一体性が保たれるので、メモリ2をデジタルカメラ1の専用品として利用することができるようになる。そうすると、たとえばメモリ2に、失われては困るデータ(デジタルカメラ1の制御プログラムや設定情報)、機器使用時からの継続性が要求されるデータ(使用履歴、撮影枚数、交換時期情報など)、漏洩しては困るデータ(ユーザー個人情報やメンテナンス情報やパスワード)、付加価値データ(広告情報、使用に応じたポイント、画像閲覧・編集・プリント用の専用アプリケーション)等々の重要データを記録することもできるようになり、メモリ2の利用効率ばかりでなく、デジタルカメラ自体の利用の幅も広がることが期待される。
【0090】
また、メモリ2の接続端子20をカメラ本体の外部に取り出すことができるので、KIOSK端末4やPCなどの外部機器に容易に接続することができ、メモリ着脱タイプのデジタルカメラと同等の汎用性を得ることができる。
【0091】
また、メモリ着脱タイプの場合は、カメラから抜き出したメモリをKIOSK端末4に
挿入したまま忘れて帰ってしまうという事態が起こり得るが、本実施形態の構成では、メモリ2がデジタルカメラ1から分離しないため、メモリ2の紛失を防止することができるという利点もある。
【0092】
<変形例>
メモリ取出機構の変形例を図12〜図14に示す。図12(a)の構成では、メモリ2の一端がカメラ本体に軸支されている。装着状態ではメモリ2がカメラ本体に内蔵されているが、メモリ2を回転させると、メモリ2の接続端子20がカメラ本体の外部に露出する。図12(b)の構成では、メモリ2を押し出すスライダ23が設けられている。このスライダ23をスライドさせると、メモリ2の接続端子20をカメラ本体の外部に押し出すことができる。図12(c)の構成では、データ入出力部6の接点がカメラ本体表面に設けられている。メモリ2の一端はカメラ本体に軸支されており、メモリ2を倒してカメラ本体表面に沿わせると装着状態となり、メモリ2を持ち上げ起立させると取出状態となる。
【0093】
図13の構成では、カメラ本体が第1筐体1aと第2筐体1bから構成され、メモリ2は第1筐体1a内部のデータ入出力部6に固定的に接続されている。第2筐体1bは第1筐体1aに対してスライド自在に組み付けられ、第1筐体1aと第2筐体1bの間にはバネなどの弾性部材28が介在している。この弾性部材28の作用により、通常状態では第2筐体1bがメモリ2を覆う位置に配置される。図13に示すように、外部機器50のメモリ挿入口51にカメラを押し付けると、第2筐体1bが外部機器50に突き当たるため、第1筐体1aと第2筐体1bとが圧縮方向にスライドし、メモリ2の接続端子20がカメラ本体から飛び出し、外部機器50内のメモリ接続部52に装着される。使用後、カメラ本体ごと抜き出すと、弾性部材28の弾性復元力により第2筐体1bが元の位置に戻り、メモリ2が覆われる。
【0094】
図14の構成では、メモリ2をカメラ本体外部に押し出すバネなどの弾性部材53と、メモリ2が装着状態にあるときにストッパー22が引っ掛かる突起54と、ストッパー22と突起54との係合を解除するボタン55と、が設けられている。メモリ2をカメラ本体内部に押し込むと、ストッパー22が突起54と係合し、メモリ2が装着状態で固定される。この状態でボタン55を押すと、係合が外れ、弾性部材53の弾性復元力によりメモリ2がカメラ本体外部に押し出される。
【0095】
カメラ本体とメモリとの電気的接続の変形例を図15に示す。図15(a)の構成では、メモリ2の両端に接続端子20,24が設けられている。メモリ2を装着状態にすると、装着方向先端側の接続端子24がデータ入出力部34に突き当たり、電気的接続が確保される。メモリ2を取り出すと、他方(取出方向先端側)の接続端子20がカメラ本体の外部に露出する。また、図15(b)の構成では、メモリ2とデータ入出力部34とがケーブル25で固定的に接続されている。このケーブル25により、データ入出力部34とメモリ2の電気的接続が図られるとともに、カメラ本体とメモリ2の分離が防止される。この構成は、メモリ2を取り出した場合もデータ入出力部34とメモリ2との電気的接続を保持することができるという利点がある。
【0096】
図16の変形例では、メモリ2自体に回動機構26が設けられている。図9に示した構成では、メモリ2を外部機器47に装着しているときにカメラ本体に外力が作用すると、メモリ2の基端に応力が集中し、メモリ2の故障や破壊を招くおそれがある。これに対し、図16に示した構成では、カメラ本体の姿勢に自由度が生まれるため、外力を逃がすことができ、メモリ2の故障などを防止することができるという利点がある。
【0097】
図17の変形例では、カメラ本体の取り出し口15の周囲に凹部27を設けている。外
部機器47の構成によっては、メモリ挿入口の脇にメモリ取り出し用ボタン48が設けられていることがあり、カメラごとメモリ2を差し込むときに邪魔になるケースが想定される。そこで、図17のように、メモリ取り出し用ボタン48に対応した凹部27を設けることで、そのような問題を回避することができる。
【0098】
なお、上述した変形例を適宜組み合わせた構成も好ましい。
【0099】
かかる構成は、市販用の撮像装置にも適用することができるが、半着脱式のメモリという特徴を活かし、リサイクル用途、レンタル用途、イベント用途などの特殊用途の撮像装置に特に好ましく適用することができる。
【0100】
たとえば、ユーザーが撮影したり、画像を外部機器に転送したり、画像をプリントしたりするたびに、その履歴情報をメモリに自動的に記録していくようにしておけば、ユーザーの使用回数に応じた従量課金が可能となる。
【0101】
また、撮像装置を販売もしくは貸与する際に撮影上限枚数をメモリにセットしておき、制御部にて上限枚数を超える撮影が不可となるように制御することもできる。この方法を利用すれば、販売もしくは貸与時にユーザーから撮影予定枚数に応じた代金を徴収する、といったプリペイド方式のビジネスも実現可能である。
【0102】
また、メモリ内に使用回数に応じたポイントを記録するようにして、代金割引や商品プレゼントなどのポイント還元サービスを行うようにすれば、ユーザーのつなぎとめを図ることもできる。
【0103】
また、メモリ内に広告情報を記録したりメモリ本体に広告を付すなど、撮像装置そのものを広告媒体として利用し、その広告収入を撮像装置代金に還元するようにすれば、安価な貸与サービスを提供することができる。
【0104】
上述したビジネス手法は、装置本体とメモリの一体性が担保されることにより現実性を帯びる。ユーザーによるメモリ交換が自由となれば、使用履歴やポイントの管理が難しく、広告媒体として機能しないおそれがあるからである。
【0105】
また、従来のメモリ内蔵タイプの撮像装置の場合は、メモリの内容を読み書きするのに撮像装置を分解する必要があったり、専用装置を利用する必要があったのに対し、メモリ半着脱タイプの撮像装置の場合は汎用的なメモリリーダライタを具備した端末(PCなど)を利用可能なため、サービス提供者にとっては、システムコストの低減、サービスの自由度の向上などの利益がある。しかも、ユーザーにとっては、PCやKIOSK端末にて撮影画像の閲覧やプリントができるなど、撮影画像の取扱性が向上するという利益がある。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】KIOSK端末の外観を示す斜視図。
【図2】KIOSK端末の機能構成を示すブロック図。
【図3】デジタルカメラの外観を示す斜視図。
【図4】デジタルカメラの機能構成を示すブロック図。
【図5】プリント処理の流れを示すフローチャート。
【図6】プリント注文処理の流れを示すフローチャート。
【図7】チャージ処理の流れを示すフローチャート。
【図8】デジタルカメラの外観を示す斜視図。
【図9】デジタルカメラの内部構成を示す透視図。
【図10】デジタルカメラの機能構成を示すブロック図。
【図11】デジタルカメラと外部機器との接続を示す図。
【図12】メモリ取出機構の変形例を示す図。
【図13】メモリ取出機構の変形例を示す図。
【図14】メモリ取出機構の変形例を示す図。
【図15】カメラ本体とメモリとの電気的接続の変形例を示す図。
【図16】メモリの回動機構を示す図。
【図17】メモリの取り出し口の変形例を示す図。
【符号の説明】
【0107】
1 デジタルカメラ(撮像装置)
1a 第1筐体
1b 第2筐体
10 レンズ
11 フラッシュ
12 シャッター
13 ファインダー
14 ロゴ
15 取り出し口
16 ラバーカバー
2 メモリ
20 接続端子
21 ロゴ
22 ストッパー
23 スライダ
24 接続端子
25 ケーブル
26 回動機構
27 凹部
28 弾性部材
30 回路プリント基板
31 制御部
32 撮像素子
33 表示部
34 データ入出力部
35 入力部
36 撮像部
4 KIOSK端末
40 ディスプレイ
41 メモリ挿入口
42 金銭・カード挿入口
43 プリント排出口
44 インターネット
45 ホストサーバ
46 プリントサーバ
47 外部機器
48 メモリ取り出し用ボタン
50 外部機器
51 メモリ挿入口
52 メモリ接続部
53 弾性部材
54 突起
55 ボタン
101 KIOSK端末
110 タッチパネルディスプレイ
111 カメラ/メモリ接続部
112 金銭挿入口
113 クレジットカードリーダ
114 プリント排出口
120 データ読込部
121 データ書込部
122 表示部
123 入力部
124 入金部
125 プリント処理部
126 プリント注文処理部
127 付加的データ処理部
128 通信部
129 プリンタ
103 デジタルカメラ
130 メモリ
131 入力部
132 撮像部
133 フラッシュ
134 表示部
135 データ入出力部
136 制御部
137 付加的データ領域
138 撮影画像領域
140 インターネット
141 運営サーバ
142 プリントサーバ
143 設置者サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置で撮影された画像のプリントサービスに用いられるプリントサービス装置であって、
撮像装置は、撮影画像が記録される領域とプリントサービスに関わる付加的データが記録される領域とが設けられたメモリを有しており、
プリントサービス装置は、
撮像装置本体または撮像装置のメモリが接続される接続部と、
接続された撮像装置のメモリから撮影画像を読み込んでプリント処理またはプリント注文処理を実行するプリントサービス処理部と、
接続された撮像装置のメモリに対し、付加的データを設定する付加的データ設定部と、を有する
ことを特徴とするプリントサービス装置。
【請求項2】
前記撮像装置は、
前記メモリを保持したまま、前記メモリの接続端子部分を装置本体の外部に露出させるメモリ取出機構を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のプリントサービス装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2006−186966(P2006−186966A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−293657(P2005−293657)
【出願日】平成17年10月6日(2005.10.6)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(597088029)デジプリ株式会社 (2)
【Fターム(参考)】