プリント基板接続用の端子部材を備えた制御装置、および、プリント基板へのリード端子の半田付け方法
【課題】プリヒータ等の余計な装備を使用せずに、リード端子の基端側を予熱することができて、それにより、プリント基板の反対面までの半田の上がりを良くする。
【解決手段】プリント基板10のスルーホール11に、プリント基板の第1面10a側から第2面10b側に突き抜けるように挿入され、その状態でプリント基板の第2面側に溶融半田Hが供給されることにより、スルーホールに半田付けされるリード端子21を有するプリント基板接続用のバスバー20を備えた制御装置において、リード端子の基部側から分岐した経路として予熱片22が設けられている。予熱片22は、リード端子21をスルーホール11に挿入したときに、プリント基板の貫通孔12を通してプリント基板の第2面側に突き出し、それにより、リード端子に供給される溶融半田Hの熱に曝されることで、その熱を吸収して、リード端子の基部側に伝える役目を果たす。
【解決手段】プリント基板10のスルーホール11に、プリント基板の第1面10a側から第2面10b側に突き抜けるように挿入され、その状態でプリント基板の第2面側に溶融半田Hが供給されることにより、スルーホールに半田付けされるリード端子21を有するプリント基板接続用のバスバー20を備えた制御装置において、リード端子の基部側から分岐した経路として予熱片22が設けられている。予熱片22は、リード端子21をスルーホール11に挿入したときに、プリント基板の貫通孔12を通してプリント基板の第2面側に突き出し、それにより、リード端子に供給される溶融半田Hの熱に曝されることで、その熱を吸収して、リード端子の基部側に伝える役目を果たす。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板接続用の端子部材を備えた制御装置、および、プリント基板へのリード端子の半田付け方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図18に示すように、プリント基板10に、例えばバスバー(端子部材)20Sに形成したリード端子21を接続する場合、プリント基板10に形成してあるスルーホール11に、プリント基板10の第1面10a側からその裏面である第2面10b側に突き抜けるように、リード端子21を挿入し、その状態で、プリント基板10の第2面10b側に、例えばスポットフロー用のノズル1などから溶融半田Hを供給することにより、リード端子21をスルーホール11のメッキ部11aに半田付けすることが行われている。
【0003】
ところで、リード端子21やスルーホール11に供給された半田Hの熱は、図18(b)の矢印Y2で示す放熱経路を通ってバスバー20Sの全体に逃げることになるが、バスバー20Sの熱容量が非常に大きい場合、半田Hの熱の逃げ方が速いために、リード端子21やスルーホール11に供給された半田Hが、リード端子21とスルーホール11の隙間を上って、プリント基板10の反対側(第1面10a側)に到達する前に、図18(c)に拡大して示すように、冷えて固まってしまうことがあり、プリント基板10に対するリード端子21の接続性が良好でなくなることがあった。
【0004】
このような現象を抑制するため、例えば、特許文献1には、半田付けする前にリード端子を予熱しておくためのプリヒータを装備する例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−234569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、プリヒータを装備すると、設備コストがかかる上、設備が複雑化するなどの問題がある。
【0007】
本発明は、上記事情を考慮し、プリヒータ等の余計な装備を使用せずに、リード端子の基端側を予熱することができて、それにより、プリント基板の反対面までの半田の上がりを良くすることのできるプリント基板接続用の端子部材を備えた制御装置、および、プリント基板へのリード端子の半田付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、リード端子の基部側から分岐した経路として予熱片を設け、その予熱片を、リード端子をプリント基板の第1面側から第2面側に向けてスルーホールに挿入したときに、リード端子と隣接した位置でリード端子と並んで、プリント基板の貫通孔またはプリント基板と他の部材との隙間を通して、プリント基板の第2面側に突き出させるようにし、それにより、リード端子に供給される溶融半田の熱を予熱片から吸収して、リード端子の基部側に伝えるようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、予熱片の作用により、リード端子の基部側を予熱することができるので、リード端子を経由しての供給半田の熱の急速な逃げを減じることができ、プリント基板の半田供給側と反対側の面までの半田の上がりを良くすることができて、リード端子の接続性の向上が図れる。しかも、溶融半田の熱を利用するだけなので、プリヒータを装備する必要がなく、安価で容易に実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態のバスバーの半田付け方法の説明図で、(a)は半田付け時の状態を示す断面図、(b)は半田付け後の状態を示す断面図、(c)は(b)のC部の拡大図である。
【図2】同第1実施形態のバスバーを示す図で、(a)は同バスバーの折り曲げ前の平面図、(b)は同バスバーの折り曲げ後の平面図、(c)は同バスバーの折り曲げ後の側面図である。
【図3】同第1実施形態のバスバーの変形例を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図4】同第1実施形態のバスバーの別の変形例を示す平面図である。
【図5】本発明の第2実施形態のバスバーの半田付け方法の説明図で、(a)はスルーホールにリード端子を挿入する前の状態を示す断面図、(b)はスルーホールにリード端子を挿入した状態を示す断面図、(c)は半田付け時の状態を示す断面図、(d)は半田付け後の状態を示す断面図である。
【図6】同第2実施形態のバスバーを示す図で、(a)は同バスバーの折り曲げ前の平面図、(b)は同バスバーの折り曲げ後の平面図、(c)は同バスバーの折り曲げ後の側面図である。
【図7】同第2実施形態のバスバーを用いた場合に有効性を発揮させることのできる、プリント基板とリード端子および予熱片との配置関係を示す平面図である。
【図8】本発明の第3実施形態のバスバーの半田付け方法の説明図で、(a)は半田付け時の状態を示す断面図、(b)は半田付け後に予熱片の先端側をカットした状態を示す断面図である。
【図9】本発明の第4実施形態のバスバーの半田付け方法の説明図で、半田付け時の状態を示す断面図である。
【図10】本発明の第5実施形態のバスバーの半田付け方法の説明図で、半田付け時の状態を示す断面図である。
【図11】本発明の実施形態のバスバーのその他の形状例を示す図で、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図12】図11のバスバーの予熱片をプリント基板とカバーの隙間に通した場合の例を示す図である。
【図13】本発明の実施形態のバスバーの更にその他の形状例を示す図で、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図14】図13のバスバーの予熱片をプリント基板とカバーの隙間に通した場合の例を示す図である。
【図15】本発明の実施形態のバスバーの更にその他の形状例を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図16】(a)〜(d)は本発明の実施形態のバスバーの予熱片の吸熱量アップのためのバリエーションの各例を示す図である。
【図17】(a)および(b)はバスバーの基部側への伝熱量を抑制するための手段の各例を示す正面図である。
【図18】従来例の説明図で、(a)は半田付け時の状態を示す断面図、(b)は半田付け後の状態を示す断面図、(c)は(b)の要部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0012】
<第1実施形態>
図1は第1実施形態のバスバーの半田付け方法の説明図で、図1(a)は半田付け時の状態を示す断面図、図1(b)は半田付け後の状態を示す断面図、図1(c)は図1(b)のC部の拡大図、図2(a)は同バスバーの折り曲げ前の平面図、図2(b)は同バスバーの折り曲げ後の平面図、図2(c)は同バスバーの折り曲げ後の側面図である。
【0013】
本実施形態のバスバー(端子部材)20は、プリント基板(PCB)10のスルーホール11に接続されるリード端子21の他に、リード端子21の基部側から分岐した経路としての予熱片22を一体に有している。
【0014】
予熱片22は、プリント基板10の第1面10a(上面)側からリード端子21をスルーホール11に挿入したときに、同時に、リード端子21と隣接した位置で、リード端子21と並んで、プリント基板10の貫通孔12(または、後述するプリント基板10と他の部材との隙間でも可)を通して、プリント基板10の第2面10b(下面)側に突き出すものとして構成されており、リード端子21と略同長の端子形状に形成されている。尚、この第1実施形態では、バスバー20がプリント基板10に対して平行となる形態としたが、バスバー20のプリント基板10に対する配設方向やバスバー20の形状等は特に制限されるものではない。
【0015】
このバスバー20のリード端子21をスルーホール11に半田付けする場合は、プリント基板10の第1面10a側からスルーホール11にリード端子21を挿入すると共に、予熱片22をプリント基板10に形成した貫通孔12に挿入する。そうすると、リード端子21と同様に予熱片22が、プリント基板10に第2面10b側に突き出す。
【0016】
この状態で、プリント基板10と溶融半田Hのスポットフロー用のノズル1とを相対的に接近させる。そうすると、溶融半田Hの熱に予熱片22が曝されることで、予熱片22がその熱を吸収して、リード端子21の基部21a側に吸収した熱を伝える。もちろん、溶融半田Hに直接、予熱片22が接触するようにする方が効果があがるが、必ずしも接触しないで溶融半田Hの発する熱雰囲気に曝すことでも、予熱効果を上げることはできる。また、フロー半田槽を用いる場合でも、同様の効果を奏する。
【0017】
このように、予熱片22を通して、溶融半田Hの熱がリード端子21の基部21a側に伝えられることで、リード端子21の基部21a側が温められて、リード端子21の先端21b側と基部21a側の温度差が少なくなり、図1(b)中の矢印Y1で示す放熱経路を通しての熱の移動が少なくなる。
【0018】
従って、同時にまたはその後に行われる溶融半田Hの供給工程において、プリント基板10の第2面10b側にてリード端子21の近辺に供給される溶融半田Hの熱の急速な逃げが減じられることになり、図1(c)に示すように、途中で半田Hが凝固するのを防ぐことができて、プリント基板10の反対面(第1面10a)までの半田Hの上がりを良くすることができる。
【0019】
その結果、スルーホール11のメッキ部11aに対してリード端子21を良好に半田付けすることができるようになり、リード端子21の接続性の向上が図れる。しかも、溶融半田Hの熱を利用するだけなので、プリヒータを装備する必要がなく、安価で容易に実現可能である。
【0020】
ここで、予熱片22の貫通孔12は、スルーホール11より大きく設定され、この場合、バスバー20の取り付け時の位置決め上の制約を減ずる効果があるが、特に規定されるものではなく、例えば、スルーホール11と同径でも良い。
【0021】
図3のバスバー20Aは、図1のバスバー20の変形例である。
【0022】
このバスバー20Aでは、バー状の端子素材23の先端側に、二股に分岐した分岐脚24を形成し、それら2本の分岐脚24を互いに平行に同じ方向に曲げることで、一方をリード端子21とし、他方を予熱片22としている。
【0023】
また、図4のバスバー20Bは更に別の変形例であり、このバスバー20Bでは、バー状の端子素材23の先端側に、四股に分岐した分岐脚24を形成し、それら4本の分岐脚24を互いに平行に同じ方向に曲げることで、そのうちの1本をリード端子21とし、残りの3本を予熱片22としている。
【0024】
このように、予熱片22の本数は何本に設定することもでき、多ければ多いだけ、予熱のための吸熱量を増やすことができる。また、複数の端子を持つ端子部材にも適用でき、例えば、端子素子23の先端に六股に分岐した分岐脚を形成し、3本までを端子としても同様の効果を生じる。この際、バスバー全体の放熱・加熱のバランスに応じて予熱片を適切に配設することができる。
【0025】
<第2実施形態>
図5は本発明の第2実施形態のバスバーの半田付け方法の説明図で、図5(a)はスルーホールにリード端子を挿入する前の状態を示す断面図、図5(b)はスルーホールにリード端子を挿入した状態を示す断面図、図5(c)は半田付け時の状態を示す断面図、図5(d)は半田付け後の状態を示す断面図、図6(a)は同バスバーの折り曲げ前の平面図、図6(b)は同バスバーの折り曲げ後の平面図、図6(c)は同バスバーの折り曲げ後の側面図である。
【0026】
この第2実施形態のバスバー20Cでは、予熱片22の、プリント基板10の第2面10b側に突出する部分の長さを、リード端子21よりも長く設定しており、予熱片22の先端側を、リード端子21と略平行に直線状に延ばしている。その他の構成は第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0027】
このように予熱片22の先端側を長く延ばした場合は、表面積や体積が増える分だけ、ノズル1内の溶融半田Hから受ける熱量を増やすことができる上、先端が溶融半田Hを噴出するノズル1に先に近づくことで、リード端子21よりも速く熱を吸収し始めることができる。それにより、溶融半田Hの熱を、より効果的にリード端子21の基部21a側に伝えることができる。
【0028】
従って、プリント基板10の第2面10b側にてリード端子21の近辺に供給される溶融半田Hの熱の急速な逃げをより一層減じることができ、途中で半田Hが凝固するのを防ぐことができて、プリント基板10の反対面(第1面10a)までの半田Hの上がりを良くすることができる。
【0029】
また、予熱の効果が上がることにより、リード端子21に対する半田の供給時間を短く設定することが可能となるため、予め先にリフロー半田で接続した部品18の半田付け部分が再溶融するのを抑制することができる。
【0030】
また、予熱片22がリード端子21と略平行に長く直線上に延びていることにより、プリント基板10のスルーホール11にリード端子21を挿入する際に、図5(a)および図5(b)に示すように、先に予熱片22が貫通孔12に挿入されることよって、予熱片22がガイドの役目をなし、リード端子21の挿入の容易化が図れる。
【0031】
このことにより、例えば図7に示すように、リード端子21が多数存在する場合に、各貫通孔12に先に予熱片22を挿入することができ、その予熱片22のガイド作用により、多数のリード端子21を各スルーホール11にスムーズに挿入することができるという効果が得られる。
【0032】
<第3実施形態>
図8は、本発明の第3実施形態のバスバーの半田付け方法の説明図で、図8(a)は半田付け時の状態を示す断面図、図8(b)は半田付け後に予熱片の先端側をカットした状態を示す断面図である。
【0033】
前記第2実施形態のように、予熱片22の先端側を直線状に長く延ばした場合、上述のように組付け時や半田付け時にメリットがあるが、その後で長く延びた部分が邪魔になることが予想される。
【0034】
この点、図8に示す第3実施形態のバスバー20Dでは、予熱片22の、プリント基板10の第2面10b側に突出する部分の基端側の位置に、切断を容易にするための弱部(括れ等)25が設けられている。従って、長くて邪魔になりそうな場合に、図8(b)に示すように、半田付け後に弱部25で切断することにより、邪魔にならずにすむようになる。
【0035】
<第4実施形態>
図9は本発明の第4実施形態のバスバーの半田付け方法の説明図で、半田付け時の状態を示す断面図である。
【0036】
この第4実施形態のバスバー20Eでは、予熱片22の先端が長く延びているものの、邪魔にならないように先が曲げてある。つまり、予熱片22の、プリント基板10の第2面10b側に突出する部分が、プリント基板10に沿ってL字形に折れ曲がっている。
【0037】
このように、予熱片22の先端をプリント基板10に沿ってL字形に曲げた場合は、上述した予熱片22によるガイド作用は得られなくなるが、吸熱性が良い点は変わらない。また、予熱片22を単純に直線状に長くするのではないので、邪魔にならずにすむし、小型化が可能となる。この際、予熱片22に対応するプリント基板10の貫通孔12を充分な大きさとすれば、組付上も特段の工程、工数を要しない。また、本予熱片22をプリント基板10の端部から裏面に回り込むように配設し、プリント基板10とケースの間に通すようにしても良い。
【0038】
<第5実施形態>
図10は、本発明の第5実施形態のバスバーの半田付け方法の説明図で、半田付け時の状態を示す断面図である。
【0039】
上述した第2実施形態では、予熱片22の吸熱性を良くするために、予熱片22の長さを長くした場合を示したが、長くせずに、本実施形態のバスバー20Fのように、予熱片22の太さを太くしたり、厚さを厚くしたり、幅を広くしたりして、リード端子21よりも予熱片22の断面積を大きくした場合にも、第2実施形態のバスバーと同様の効果を得ることができる。
【0040】
<その他のバスバーの形状例>
図11は、図1に示した第1実施形態のバスバー20のその他の形状例を示す図で、図11(a)は側面図、図11(b)は正面図である。
【0041】
このバスバー20Gでは、帯板状の端子素材23の先端部に、2枚の互いに平行で長さの異なる細幅板状の分岐脚24a、24bを形成し、短い方の分岐脚24aをそのまま延ばし、長い方の分岐脚24bを、2箇所で略直角に曲げて先端側を短い分岐脚24aと平行に延ばし、短い分岐脚24aをリード端子21とし、長い分岐脚24bを予熱片22としている。
【0042】
このバスバー20Gをプリント基板10にセットすることにより、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0043】
なお、図11(a)に示すように、予熱片22をプリント基板10に形成した貫通孔12に通さないで、図12に示すように、プリント基板10の端部とカバー5の隙間6に通してもよい。
【0044】
図13は、図10に示した第5実施形態のバスバーの形状例を示す図で、図13(a)は側面図、図13(b)は正面図である。
【0045】
このバスバー20Hでは、リード端子21と予熱片22が、1枚の帯板または1本の線材の長さ方向の2つの箇所を用いて構成されており、予熱片22が、帯板または線材を二重以上に重ね折りすることにより、リード端子21よりも熱容量が大となるように構成されている。このように構成した場合、リード端子21と予熱片22が素材を延ばして見た場合に直列に並ぶ。
【0046】
このバスバー20Hを用いた場合、予熱片22が実質的に太くなった場合と同じであるので、吸熱性が良くなる。
【0047】
なお、図13(a)に示すように、予熱片22をプリント基板10に形成した貫通孔12に通さないで、図14に示すように、プリント基板10の端部とカバー5の隙間6に通してもよい。
【0048】
図15は、第1実施形態と第5実施形態のバスバーの変形例を示す図である。
【0049】
このバスバー20Iでは、帯板状の端子素材の中央にU字状のスリット26を入れることで、端子素材を内側部材と外側部材に分岐させており、外側部材を2つの線L1、L2の位置で略直角に曲げることで、2つの互いに平行な分岐脚を形成し、それら分岐脚の一方をリード端子21とし、他方を予熱片22としている。
【0050】
図16(a)〜(d)は、予熱片22の吸熱量アップのためのバスバー形状のバリエーションを示す図である。
【0051】
図16(a)に示すバスバー20Jでは、単純に予熱片22をリード端子21よりも長く設定している(第2実施形態に相当)。
【0052】
図16(b)に示すバスバー20Kでは、予熱片22をリード端子21よりも幅広板としている(第3実施形態に相当)。
【0053】
図16(c)に示すバスバー20Lでは、予熱片22をリード端子21よりも長く設定した上で、蛇腹状に折り曲げて、実質的な長さを短くしている(第4実施形態に相当)。
【0054】
図16(d)に示すバスバー20Mでは、図16(b)の予熱片22にエンボス加工を施して、表面積を増大させている。
【0055】
図17(a)および図17(b)は、バスバーの基部側への伝熱量を抑制するための手段の各例を示す正面図である。
【0056】
バスバーの基端部側への熱の移動量を減らす必要がある場合は、例えば、図17(a)のバスバー20Nのように、バスバーの途中に貫通孔28を設けたり、図17(b)のバスバー20Pのように、バスバーの途中に括れ29を設けたりして、伝熱経路断面積を小さくするのが有効である。このようにすれば、予熱片22の吸収した熱をリード端子21の基部側に有効に伝えることができるので、より半田の上がりを良くすることができる。
【0057】
以上の各実施形態では、バスバーの形状として示したが、部品や素子の端子自体をこれらのように成形した場合でも同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0058】
1 ノズル
5 カバー(他の部材)
6 隙間
10 プリント基板
10a 第1面
10b 第2面
11 スルーホール
12 貫通孔
20 バスバー(端子部材)
20A〜20N,20P バスバー(端子部材)
21 リード端子
21a 基部
22 予熱片
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント基板接続用の端子部材を備えた制御装置、および、プリント基板へのリード端子の半田付け方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図18に示すように、プリント基板10に、例えばバスバー(端子部材)20Sに形成したリード端子21を接続する場合、プリント基板10に形成してあるスルーホール11に、プリント基板10の第1面10a側からその裏面である第2面10b側に突き抜けるように、リード端子21を挿入し、その状態で、プリント基板10の第2面10b側に、例えばスポットフロー用のノズル1などから溶融半田Hを供給することにより、リード端子21をスルーホール11のメッキ部11aに半田付けすることが行われている。
【0003】
ところで、リード端子21やスルーホール11に供給された半田Hの熱は、図18(b)の矢印Y2で示す放熱経路を通ってバスバー20Sの全体に逃げることになるが、バスバー20Sの熱容量が非常に大きい場合、半田Hの熱の逃げ方が速いために、リード端子21やスルーホール11に供給された半田Hが、リード端子21とスルーホール11の隙間を上って、プリント基板10の反対側(第1面10a側)に到達する前に、図18(c)に拡大して示すように、冷えて固まってしまうことがあり、プリント基板10に対するリード端子21の接続性が良好でなくなることがあった。
【0004】
このような現象を抑制するため、例えば、特許文献1には、半田付けする前にリード端子を予熱しておくためのプリヒータを装備する例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−234569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、プリヒータを装備すると、設備コストがかかる上、設備が複雑化するなどの問題がある。
【0007】
本発明は、上記事情を考慮し、プリヒータ等の余計な装備を使用せずに、リード端子の基端側を予熱することができて、それにより、プリント基板の反対面までの半田の上がりを良くすることのできるプリント基板接続用の端子部材を備えた制御装置、および、プリント基板へのリード端子の半田付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、リード端子の基部側から分岐した経路として予熱片を設け、その予熱片を、リード端子をプリント基板の第1面側から第2面側に向けてスルーホールに挿入したときに、リード端子と隣接した位置でリード端子と並んで、プリント基板の貫通孔またはプリント基板と他の部材との隙間を通して、プリント基板の第2面側に突き出させるようにし、それにより、リード端子に供給される溶融半田の熱を予熱片から吸収して、リード端子の基部側に伝えるようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、予熱片の作用により、リード端子の基部側を予熱することができるので、リード端子を経由しての供給半田の熱の急速な逃げを減じることができ、プリント基板の半田供給側と反対側の面までの半田の上がりを良くすることができて、リード端子の接続性の向上が図れる。しかも、溶融半田の熱を利用するだけなので、プリヒータを装備する必要がなく、安価で容易に実現可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1実施形態のバスバーの半田付け方法の説明図で、(a)は半田付け時の状態を示す断面図、(b)は半田付け後の状態を示す断面図、(c)は(b)のC部の拡大図である。
【図2】同第1実施形態のバスバーを示す図で、(a)は同バスバーの折り曲げ前の平面図、(b)は同バスバーの折り曲げ後の平面図、(c)は同バスバーの折り曲げ後の側面図である。
【図3】同第1実施形態のバスバーの変形例を示す図で、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は側面図である。
【図4】同第1実施形態のバスバーの別の変形例を示す平面図である。
【図5】本発明の第2実施形態のバスバーの半田付け方法の説明図で、(a)はスルーホールにリード端子を挿入する前の状態を示す断面図、(b)はスルーホールにリード端子を挿入した状態を示す断面図、(c)は半田付け時の状態を示す断面図、(d)は半田付け後の状態を示す断面図である。
【図6】同第2実施形態のバスバーを示す図で、(a)は同バスバーの折り曲げ前の平面図、(b)は同バスバーの折り曲げ後の平面図、(c)は同バスバーの折り曲げ後の側面図である。
【図7】同第2実施形態のバスバーを用いた場合に有効性を発揮させることのできる、プリント基板とリード端子および予熱片との配置関係を示す平面図である。
【図8】本発明の第3実施形態のバスバーの半田付け方法の説明図で、(a)は半田付け時の状態を示す断面図、(b)は半田付け後に予熱片の先端側をカットした状態を示す断面図である。
【図9】本発明の第4実施形態のバスバーの半田付け方法の説明図で、半田付け時の状態を示す断面図である。
【図10】本発明の第5実施形態のバスバーの半田付け方法の説明図で、半田付け時の状態を示す断面図である。
【図11】本発明の実施形態のバスバーのその他の形状例を示す図で、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図12】図11のバスバーの予熱片をプリント基板とカバーの隙間に通した場合の例を示す図である。
【図13】本発明の実施形態のバスバーの更にその他の形状例を示す図で、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図14】図13のバスバーの予熱片をプリント基板とカバーの隙間に通した場合の例を示す図である。
【図15】本発明の実施形態のバスバーの更にその他の形状例を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図である。
【図16】(a)〜(d)は本発明の実施形態のバスバーの予熱片の吸熱量アップのためのバリエーションの各例を示す図である。
【図17】(a)および(b)はバスバーの基部側への伝熱量を抑制するための手段の各例を示す正面図である。
【図18】従来例の説明図で、(a)は半田付け時の状態を示す断面図、(b)は半田付け後の状態を示す断面図、(c)は(b)の要部の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面を用いて説明する。
【0012】
<第1実施形態>
図1は第1実施形態のバスバーの半田付け方法の説明図で、図1(a)は半田付け時の状態を示す断面図、図1(b)は半田付け後の状態を示す断面図、図1(c)は図1(b)のC部の拡大図、図2(a)は同バスバーの折り曲げ前の平面図、図2(b)は同バスバーの折り曲げ後の平面図、図2(c)は同バスバーの折り曲げ後の側面図である。
【0013】
本実施形態のバスバー(端子部材)20は、プリント基板(PCB)10のスルーホール11に接続されるリード端子21の他に、リード端子21の基部側から分岐した経路としての予熱片22を一体に有している。
【0014】
予熱片22は、プリント基板10の第1面10a(上面)側からリード端子21をスルーホール11に挿入したときに、同時に、リード端子21と隣接した位置で、リード端子21と並んで、プリント基板10の貫通孔12(または、後述するプリント基板10と他の部材との隙間でも可)を通して、プリント基板10の第2面10b(下面)側に突き出すものとして構成されており、リード端子21と略同長の端子形状に形成されている。尚、この第1実施形態では、バスバー20がプリント基板10に対して平行となる形態としたが、バスバー20のプリント基板10に対する配設方向やバスバー20の形状等は特に制限されるものではない。
【0015】
このバスバー20のリード端子21をスルーホール11に半田付けする場合は、プリント基板10の第1面10a側からスルーホール11にリード端子21を挿入すると共に、予熱片22をプリント基板10に形成した貫通孔12に挿入する。そうすると、リード端子21と同様に予熱片22が、プリント基板10に第2面10b側に突き出す。
【0016】
この状態で、プリント基板10と溶融半田Hのスポットフロー用のノズル1とを相対的に接近させる。そうすると、溶融半田Hの熱に予熱片22が曝されることで、予熱片22がその熱を吸収して、リード端子21の基部21a側に吸収した熱を伝える。もちろん、溶融半田Hに直接、予熱片22が接触するようにする方が効果があがるが、必ずしも接触しないで溶融半田Hの発する熱雰囲気に曝すことでも、予熱効果を上げることはできる。また、フロー半田槽を用いる場合でも、同様の効果を奏する。
【0017】
このように、予熱片22を通して、溶融半田Hの熱がリード端子21の基部21a側に伝えられることで、リード端子21の基部21a側が温められて、リード端子21の先端21b側と基部21a側の温度差が少なくなり、図1(b)中の矢印Y1で示す放熱経路を通しての熱の移動が少なくなる。
【0018】
従って、同時にまたはその後に行われる溶融半田Hの供給工程において、プリント基板10の第2面10b側にてリード端子21の近辺に供給される溶融半田Hの熱の急速な逃げが減じられることになり、図1(c)に示すように、途中で半田Hが凝固するのを防ぐことができて、プリント基板10の反対面(第1面10a)までの半田Hの上がりを良くすることができる。
【0019】
その結果、スルーホール11のメッキ部11aに対してリード端子21を良好に半田付けすることができるようになり、リード端子21の接続性の向上が図れる。しかも、溶融半田Hの熱を利用するだけなので、プリヒータを装備する必要がなく、安価で容易に実現可能である。
【0020】
ここで、予熱片22の貫通孔12は、スルーホール11より大きく設定され、この場合、バスバー20の取り付け時の位置決め上の制約を減ずる効果があるが、特に規定されるものではなく、例えば、スルーホール11と同径でも良い。
【0021】
図3のバスバー20Aは、図1のバスバー20の変形例である。
【0022】
このバスバー20Aでは、バー状の端子素材23の先端側に、二股に分岐した分岐脚24を形成し、それら2本の分岐脚24を互いに平行に同じ方向に曲げることで、一方をリード端子21とし、他方を予熱片22としている。
【0023】
また、図4のバスバー20Bは更に別の変形例であり、このバスバー20Bでは、バー状の端子素材23の先端側に、四股に分岐した分岐脚24を形成し、それら4本の分岐脚24を互いに平行に同じ方向に曲げることで、そのうちの1本をリード端子21とし、残りの3本を予熱片22としている。
【0024】
このように、予熱片22の本数は何本に設定することもでき、多ければ多いだけ、予熱のための吸熱量を増やすことができる。また、複数の端子を持つ端子部材にも適用でき、例えば、端子素子23の先端に六股に分岐した分岐脚を形成し、3本までを端子としても同様の効果を生じる。この際、バスバー全体の放熱・加熱のバランスに応じて予熱片を適切に配設することができる。
【0025】
<第2実施形態>
図5は本発明の第2実施形態のバスバーの半田付け方法の説明図で、図5(a)はスルーホールにリード端子を挿入する前の状態を示す断面図、図5(b)はスルーホールにリード端子を挿入した状態を示す断面図、図5(c)は半田付け時の状態を示す断面図、図5(d)は半田付け後の状態を示す断面図、図6(a)は同バスバーの折り曲げ前の平面図、図6(b)は同バスバーの折り曲げ後の平面図、図6(c)は同バスバーの折り曲げ後の側面図である。
【0026】
この第2実施形態のバスバー20Cでは、予熱片22の、プリント基板10の第2面10b側に突出する部分の長さを、リード端子21よりも長く設定しており、予熱片22の先端側を、リード端子21と略平行に直線状に延ばしている。その他の構成は第1実施形態と同様であるので、説明は省略する。
【0027】
このように予熱片22の先端側を長く延ばした場合は、表面積や体積が増える分だけ、ノズル1内の溶融半田Hから受ける熱量を増やすことができる上、先端が溶融半田Hを噴出するノズル1に先に近づくことで、リード端子21よりも速く熱を吸収し始めることができる。それにより、溶融半田Hの熱を、より効果的にリード端子21の基部21a側に伝えることができる。
【0028】
従って、プリント基板10の第2面10b側にてリード端子21の近辺に供給される溶融半田Hの熱の急速な逃げをより一層減じることができ、途中で半田Hが凝固するのを防ぐことができて、プリント基板10の反対面(第1面10a)までの半田Hの上がりを良くすることができる。
【0029】
また、予熱の効果が上がることにより、リード端子21に対する半田の供給時間を短く設定することが可能となるため、予め先にリフロー半田で接続した部品18の半田付け部分が再溶融するのを抑制することができる。
【0030】
また、予熱片22がリード端子21と略平行に長く直線上に延びていることにより、プリント基板10のスルーホール11にリード端子21を挿入する際に、図5(a)および図5(b)に示すように、先に予熱片22が貫通孔12に挿入されることよって、予熱片22がガイドの役目をなし、リード端子21の挿入の容易化が図れる。
【0031】
このことにより、例えば図7に示すように、リード端子21が多数存在する場合に、各貫通孔12に先に予熱片22を挿入することができ、その予熱片22のガイド作用により、多数のリード端子21を各スルーホール11にスムーズに挿入することができるという効果が得られる。
【0032】
<第3実施形態>
図8は、本発明の第3実施形態のバスバーの半田付け方法の説明図で、図8(a)は半田付け時の状態を示す断面図、図8(b)は半田付け後に予熱片の先端側をカットした状態を示す断面図である。
【0033】
前記第2実施形態のように、予熱片22の先端側を直線状に長く延ばした場合、上述のように組付け時や半田付け時にメリットがあるが、その後で長く延びた部分が邪魔になることが予想される。
【0034】
この点、図8に示す第3実施形態のバスバー20Dでは、予熱片22の、プリント基板10の第2面10b側に突出する部分の基端側の位置に、切断を容易にするための弱部(括れ等)25が設けられている。従って、長くて邪魔になりそうな場合に、図8(b)に示すように、半田付け後に弱部25で切断することにより、邪魔にならずにすむようになる。
【0035】
<第4実施形態>
図9は本発明の第4実施形態のバスバーの半田付け方法の説明図で、半田付け時の状態を示す断面図である。
【0036】
この第4実施形態のバスバー20Eでは、予熱片22の先端が長く延びているものの、邪魔にならないように先が曲げてある。つまり、予熱片22の、プリント基板10の第2面10b側に突出する部分が、プリント基板10に沿ってL字形に折れ曲がっている。
【0037】
このように、予熱片22の先端をプリント基板10に沿ってL字形に曲げた場合は、上述した予熱片22によるガイド作用は得られなくなるが、吸熱性が良い点は変わらない。また、予熱片22を単純に直線状に長くするのではないので、邪魔にならずにすむし、小型化が可能となる。この際、予熱片22に対応するプリント基板10の貫通孔12を充分な大きさとすれば、組付上も特段の工程、工数を要しない。また、本予熱片22をプリント基板10の端部から裏面に回り込むように配設し、プリント基板10とケースの間に通すようにしても良い。
【0038】
<第5実施形態>
図10は、本発明の第5実施形態のバスバーの半田付け方法の説明図で、半田付け時の状態を示す断面図である。
【0039】
上述した第2実施形態では、予熱片22の吸熱性を良くするために、予熱片22の長さを長くした場合を示したが、長くせずに、本実施形態のバスバー20Fのように、予熱片22の太さを太くしたり、厚さを厚くしたり、幅を広くしたりして、リード端子21よりも予熱片22の断面積を大きくした場合にも、第2実施形態のバスバーと同様の効果を得ることができる。
【0040】
<その他のバスバーの形状例>
図11は、図1に示した第1実施形態のバスバー20のその他の形状例を示す図で、図11(a)は側面図、図11(b)は正面図である。
【0041】
このバスバー20Gでは、帯板状の端子素材23の先端部に、2枚の互いに平行で長さの異なる細幅板状の分岐脚24a、24bを形成し、短い方の分岐脚24aをそのまま延ばし、長い方の分岐脚24bを、2箇所で略直角に曲げて先端側を短い分岐脚24aと平行に延ばし、短い分岐脚24aをリード端子21とし、長い分岐脚24bを予熱片22としている。
【0042】
このバスバー20Gをプリント基板10にセットすることにより、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0043】
なお、図11(a)に示すように、予熱片22をプリント基板10に形成した貫通孔12に通さないで、図12に示すように、プリント基板10の端部とカバー5の隙間6に通してもよい。
【0044】
図13は、図10に示した第5実施形態のバスバーの形状例を示す図で、図13(a)は側面図、図13(b)は正面図である。
【0045】
このバスバー20Hでは、リード端子21と予熱片22が、1枚の帯板または1本の線材の長さ方向の2つの箇所を用いて構成されており、予熱片22が、帯板または線材を二重以上に重ね折りすることにより、リード端子21よりも熱容量が大となるように構成されている。このように構成した場合、リード端子21と予熱片22が素材を延ばして見た場合に直列に並ぶ。
【0046】
このバスバー20Hを用いた場合、予熱片22が実質的に太くなった場合と同じであるので、吸熱性が良くなる。
【0047】
なお、図13(a)に示すように、予熱片22をプリント基板10に形成した貫通孔12に通さないで、図14に示すように、プリント基板10の端部とカバー5の隙間6に通してもよい。
【0048】
図15は、第1実施形態と第5実施形態のバスバーの変形例を示す図である。
【0049】
このバスバー20Iでは、帯板状の端子素材の中央にU字状のスリット26を入れることで、端子素材を内側部材と外側部材に分岐させており、外側部材を2つの線L1、L2の位置で略直角に曲げることで、2つの互いに平行な分岐脚を形成し、それら分岐脚の一方をリード端子21とし、他方を予熱片22としている。
【0050】
図16(a)〜(d)は、予熱片22の吸熱量アップのためのバスバー形状のバリエーションを示す図である。
【0051】
図16(a)に示すバスバー20Jでは、単純に予熱片22をリード端子21よりも長く設定している(第2実施形態に相当)。
【0052】
図16(b)に示すバスバー20Kでは、予熱片22をリード端子21よりも幅広板としている(第3実施形態に相当)。
【0053】
図16(c)に示すバスバー20Lでは、予熱片22をリード端子21よりも長く設定した上で、蛇腹状に折り曲げて、実質的な長さを短くしている(第4実施形態に相当)。
【0054】
図16(d)に示すバスバー20Mでは、図16(b)の予熱片22にエンボス加工を施して、表面積を増大させている。
【0055】
図17(a)および図17(b)は、バスバーの基部側への伝熱量を抑制するための手段の各例を示す正面図である。
【0056】
バスバーの基端部側への熱の移動量を減らす必要がある場合は、例えば、図17(a)のバスバー20Nのように、バスバーの途中に貫通孔28を設けたり、図17(b)のバスバー20Pのように、バスバーの途中に括れ29を設けたりして、伝熱経路断面積を小さくするのが有効である。このようにすれば、予熱片22の吸収した熱をリード端子21の基部側に有効に伝えることができるので、より半田の上がりを良くすることができる。
【0057】
以上の各実施形態では、バスバーの形状として示したが、部品や素子の端子自体をこれらのように成形した場合でも同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0058】
1 ノズル
5 カバー(他の部材)
6 隙間
10 プリント基板
10a 第1面
10b 第2面
11 スルーホール
12 貫通孔
20 バスバー(端子部材)
20A〜20N,20P バスバー(端子部材)
21 リード端子
21a 基部
22 予熱片
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板に形成されたスルーホールに、前記プリント基板の第1面側からその裏面である第2面側に突き抜けるように挿入され、その状態で前記プリント基板の第2面側に溶融半田が供給されることにより、前記スルーホールに半田付けされるリード端子を有するプリント基板接続用の端子部材を備えた制御装置において、
前記リード端子の基部側から分岐した経路として予熱片が設けられ、該予熱片は、前記リード端子を前記スルーホールに挿入したときに、前記リード端子と隣接した位置で該リード端子と並んで、前記プリント基板の貫通孔またはプリント基板と他の部材との隙間を通して、前記プリント基板の第2面側に突き出し、それにより、前記リード端子に供給される溶融半田の熱に曝されることで、その熱を吸収して、前記リード端子の基部側に吸収した熱を伝えるものを有することを特徴とするプリント基板接続用の端子部材を備えた制御装置。
【請求項2】
前記端子部材の予熱片の前記プリント基板の第2面側に突出する部分が、前記リード端子よりも長く形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板接続用の端子部材を備えた制御装置。
【請求項3】
プリント基板に形成されたスルーホールに、前記プリント基板の第1面側からその裏面である第2面側に突き抜けるように、端子部材に形成されたリード端子を挿入し、その状態で前記プリント基板の第2面側に溶融半田を供給することにより、前記リード端子を前記スルーホールに半田付けするプリント基板へのリード端子の半田付け方法において、
前記端子部材に、前記リード端子の基部側から分岐した経路として予熱片を設け、該予熱片を、前記リード端子を前記スルーホールに挿入したときに、前記リード端子と隣接した位置で該リード端子と並べて、前記プリント基板の貫通孔またはプリント基板と他の部材との隙間を通して、前記プリント基板の第2面側に突き出させ、それにより、前記予熱片を前記リード端子に供給する溶融半田の熱に曝すことで、その熱を予熱片により吸収して前記リード端子の基部側に伝えながら、前記リード端子を前記スルーホールに半田付けすることを特徴とするプリント基板へのリード端子の半田付け方法。
【請求項1】
プリント基板に形成されたスルーホールに、前記プリント基板の第1面側からその裏面である第2面側に突き抜けるように挿入され、その状態で前記プリント基板の第2面側に溶融半田が供給されることにより、前記スルーホールに半田付けされるリード端子を有するプリント基板接続用の端子部材を備えた制御装置において、
前記リード端子の基部側から分岐した経路として予熱片が設けられ、該予熱片は、前記リード端子を前記スルーホールに挿入したときに、前記リード端子と隣接した位置で該リード端子と並んで、前記プリント基板の貫通孔またはプリント基板と他の部材との隙間を通して、前記プリント基板の第2面側に突き出し、それにより、前記リード端子に供給される溶融半田の熱に曝されることで、その熱を吸収して、前記リード端子の基部側に吸収した熱を伝えるものを有することを特徴とするプリント基板接続用の端子部材を備えた制御装置。
【請求項2】
前記端子部材の予熱片の前記プリント基板の第2面側に突出する部分が、前記リード端子よりも長く形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプリント基板接続用の端子部材を備えた制御装置。
【請求項3】
プリント基板に形成されたスルーホールに、前記プリント基板の第1面側からその裏面である第2面側に突き抜けるように、端子部材に形成されたリード端子を挿入し、その状態で前記プリント基板の第2面側に溶融半田を供給することにより、前記リード端子を前記スルーホールに半田付けするプリント基板へのリード端子の半田付け方法において、
前記端子部材に、前記リード端子の基部側から分岐した経路として予熱片を設け、該予熱片を、前記リード端子を前記スルーホールに挿入したときに、前記リード端子と隣接した位置で該リード端子と並べて、前記プリント基板の貫通孔またはプリント基板と他の部材との隙間を通して、前記プリント基板の第2面側に突き出させ、それにより、前記予熱片を前記リード端子に供給する溶融半田の熱に曝すことで、その熱を予熱片により吸収して前記リード端子の基部側に伝えながら、前記リード端子を前記スルーホールに半田付けすることを特徴とするプリント基板へのリード端子の半田付け方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
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【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−61125(P2011−61125A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−211521(P2009−211521)
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月14日(2009.9.14)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】
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