説明

プロスタグランジンを調製するためのプロセス及び中間体

【課題】プロスタグランジンの製造に有用なシクロペンタノン誘導体、及びその合成方法を提供する。
【解決手段】下式IIで表わされるシクロペンタノン誘導体。


該化合物は、シクロペンテノン誘導体に、ビニルハライド類との共役付加反応により合成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロスタグランジン及びその誘導体を調製するための新規なプロセス及び中間体に関する。
【背景技術】
【0002】
プロスタグランジン及びその誘導体は、血管拡張作用や起炎性(prophogistic)作用、血小板凝集阻害作用、子宮筋収縮作用、腸収縮作用、眼圧低下作用等の各種生物学的作用を有し、心筋梗塞や狭心症、動脈硬化、高血圧、十二指腸潰瘍の治療又は予防薬の調製に利用することができ、ヒト及び動物への各種用途において有用である。
【0003】
過去数十年間、学術研究者及び産業機関の多くが、能率的で且つコスト節約できる革新的プロスタグランジン合成プロセスのための重要な各種中間体の探求に尽力してきた(非特許文献1)。
【0004】
具体的には、式I:
【0005】
【化1】

【0006】
【化2】

【0007】
で表されるラクトンは、プロスタグランジン2α化合物合成の後半段階において極めて重要な中間体である。
【0008】
例えば、I−1又はI−2で表されるラクトン(式中、R2はメチレンを表し、R3はn−ブチルを表す)は、天然プロスタグランジンF2α、E2及びI2の合成のための重要な中間体であり、非特許文献2及び3に報告されている。
【0009】
式I−1又はI−2で表されるラクトン(式中、R2はメチレンを表し、R3はベンジルを表す)は、ビマトプロスト合成のための優れた中間体であり、特許文献1に開示されている。
【0010】
式I−1又はI−2で表されるラクトン(式中、R2は−CH2O−を表し、R3は置換フェニルを表す)は、(+)−クロプロステノール、トラボプロスト及び(+)−フルプロステノールの合成のための中間体であり、特許文献2及び3に記載されている。
【0011】
式I−3で表されるラクトン(式中、R2はメチレンを表し、R3はベンジルを表す)は、ラタノプロスト合成のための中間体であり、特許文献4に開示されている。
【0012】
工業的には、式Iで表される前記ラクトンは、有名な中間体III(所謂、コーリアルデヒド)から、次のスキーム1:
【0013】
【化3】

【0014】
(式中、Pは保護基であり、R2及びR3は上に定義した通り)に示す経路で調製されている。
【0015】
コーリアルデヒドIIIの合成(コーリのプロセス)は、シクロペンタジエンを出発物質として用いる連続経路12超の反応段階から成る。コーリのプロセスにおいては、再現可能に製造を進行させることが困難であるばかりでなく、通常、得られる最終目的化合物の収率が低い。更に、コーリのプロセスの主たる問題点は、ω−側鎖の15−ケトン官能基(スキーム1)の還元に対する選択性が低いことに関連しており、多くの場合、主な不純物として相当量の15β−異性体が生成することになる(非特許文献4〜7)。15β−異性体を除去するためには、コーリのプロセスにおいて、目的生成物とRf値が殆ど変わらない該異性体を分離するためにカラムクロマトグラフィーを利用する必要があり、これは工業的に好ましくない。
【0016】
カルニンス(Kalnins)A.らは、式IV−aで表されるラセミ体シクロペンテノンと、式V−1aで表されるラセミ体ビニルハライドに由来するキュープレートとの共役付加による式II−1aで表される二重ラセミシクロペンタノンの調製を報告した(非特許文献8)。更に、このようにして得られた式II−1aで表されるシクロペンタノンをカラムクロマトグラフィーにより精製して過剰の式II−1bで表される15β−異性体を除去し、次いで還元/ラクトン化反応に付して式I−1aで表されるラセミ体ラクトンを得る。
【0017】
【化4】

【0018】
前述のアプローチは、プロスタグランジン合成のための優れた中間体であるシクロペンタノン及びラクトン合成をするための近道であるようである。残念なことに、報告された収率は低く(約27%)、相当量の15β−異性体(約24%)が観察された。共役付加反応における各種ジアステレオマー(例えば8−異性体及び11−異性体)の生成に関する問題は、看過され未検討である。最も重要なことに、式II−1aで表される15α異性体、式II−1bで表される15β−異性体及び次式II−2a:
【0019】
【化5】

【0020】
で表される保護されていない化合物はいずれも結晶性ではない(非特許文献9〜11)ことから、望ましくない異性体を除去するための工業的に実行可能な精製方法(例えば結晶化)を用いることができず、異性体含有量を更に低減するための精製はカラムクロマトグラフィーによって行うしかなく、これにより商業的製造が困難となる。
【0021】
医薬用途、特にヒトを対象とした医薬用途のためのプロスタグランジン生成物の更なる合成に用いられる式IIのシクロペンタノンは、高エナンチオマー純度であると共に高ジアステレオマー純度であることが望ましい。しかしながら先行技術文献の中には、式IVで表される光学的に富化されたシクロペンテノンと式V−1で表されるビニルハライドとの共役付加により高エナンチオマー純度且つ高ジアステレオマー純度を有する式IIのシクロペンタノンの調製に注目したものはない。
【特許文献1】米国特許出願公開第2005/0209337号明細書
【特許文献2】欧州特許出願公開第0362686号明細書
【特許文献3】米国特許出願公開第2005/0209337号明細書
【特許文献4】米国特許第5359095号明細書
【非特許文献1】コリンズ(Collines)P.W.ら、1993、Chem.Rev.93、1533
【非特許文献2】E.J.コーリ(Corey)ら、1970、J.Am.Chem.Soc.、92、397
【非特許文献3】E.J.コーリ(Corey)ら、1977、J.Am.Chem.Soc.、99、2006
【非特許文献4】コーリ(Corey)ら、1987、J.Am.Chem.Soc.、109、7925
【非特許文献5】コーリら、1972、J.Am.Chem.Soc.、94、8616
【非特許文献6】コーリら、1971、J.Am.Chem.Soc.93、1491
【非特許文献7】ノヨリら、1979、J.Am.Chem.Soc.、101、5843
【非特許文献8】Zhurnal Organicheskoi Khimii(1988)、24(4)、742
【非特許文献9】Latvijas PSR Zinatnu Akademijas Vestis、Kimijas Serija 1990、1、78
【非特許文献10】Zhurnal Analiticheskoi Khimii 1985、40、872;Journal of Organic Chemistry、1984、49、5279
【非特許文献11】Latvijas PSR Zinatnu Akademijas Vestis、Kimijas Serija、1983、5、556
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
以下、前述の不斉プロセスから生じると考えられるいくつかの問題点について述べる。
(1)キラリティートランスファーの機構
【0023】
式IIで表されるシクロペンタノンの不斉合成に関する研究で刊行物に記載されているものはなく、式IVで表されるシクロペンテノンから式IIで表されるシクロペンタノンにキラリティーを移動させる方法は知られていない。光学純度を更に上げるために最終プロセス(式IIで表されるシクロペンタノンから出発して最終のプロスタグランジンまで)で行う更なる光学分割段階がないことから、最終目的物であるプロスタグランジンのエナンチオマー純度は、純粋に式IIで表されるシクロペンタノンのエナンチオマー純度によって決まる。従って、式IIで表されるシクロペンタノンから高エナンチオマー純度のプロスタグランジン生成物を得るためには、非常に高い光学純度の該シクロペンタノンを得ることが重要である。このことは更に、共役付加反応の基質である式IVで表されるシクロペンテノンの光学純度を高くする必要があるというだけでなく、式IVで表されるシクロペンテノンから式IIで表されるシクロペンタノンにキラリティーを100%移動させる必要があることを意味する。しかしながら先行技術は、不斉共役付加反応におけるキラリティートランスファー機構の研究に着目してこなかった。
【0024】
(2)式IIで表されるシクロペンタノンの製造における15β−異性体生成の除去又は該異性体生成の最小限化
【0025】
15β−異性体は、プロスタグランジン生成物又は関連中間体から最も除去困難なジアステレオマーの一種と考えられてきた。これは、他のジアステレオマーが目的生成物とシクロペンタン環上の配向が異なるのに対し、15β−異性体は側鎖構造がわずかに異なるだけであるためである。最近の薬局方の傾向としては、15β−異性体の含有量を0.10%未満に低減することが望ましい(Pharmacopoeia Forum 31(4)、[July−Aug.2005]、1119)。式IIで表されるシクロペンタノンの製造で生成する15β−異性体の量は、式V−1で表されるビニルハライドの光学純度に直接関係しているかも知れないが、エナンチオ過剰(e.e.)100%の式V−1で表されるビニルハライドから式IIのシクロペンタノンを製造した場合、該シクロペンタノンが確実に15β−異性体フリーとなることを示す証拠はない。式IIで表されるシクロペンタノンの製造において、残留する15β−異性体含有量の最小限化に伴う問題が残る。
【0026】
(3)式IIで表されるシクロペンタノンの製造における8−異性体及び11−異性体の除去
【0027】
共役付加反応においては、8−異性体及び11−異性体の生成も避けることができない。これら二種の異性体を能率的に除去する方法に関して問題が残る。
【0028】
前述のようにカルニンス(Kalnins)A.らは、式II−1aで表されるラセミ体シクロペンタノンの還元/ラクトン化によるラセミ体ラクトンI−1aの調製を報告した:
【0029】
【化6】

【0030】
また、同様の還元/ラクトン化反応が、マリノ(Marino)J.P.ら、J.Org.Chem.1984、49、5279に次の反応として報告されている:
【0031】
【化7】

【0032】
また、次の反応はベラルディ(Beraldi)P.G.らにより研究されている(Tetrahedron、1987、43、4669):
【0033】
【化8】

【0034】
上述の反応において、還元反応により生じる副生成物である式VIIの9β−異性体は、立体障害のためにラクトン化できず、従って、目的のラクトンから容易に除去することができる。先行技術に報告されている反応は、R1が低級アルキルの場合に限り行われたものであるが、本発明ではR1は嵩高いことが好ましく、結果が異なると予想される。還元生成物(即ちヒドロキシルエステル)が嵩高いR1を有している場合には容易にラクトン化せず、その結果ヒドロキシルエステルの9α−異性体から9β−異性体を除去することが困難になる。しかしながら、R1が嵩高いアルキル、アラルキル又はアリールである場合に、式IIのシクロペンタノンを還元/ラクトン化して行う式Iのラクトンの調製について報告している関連研究はない。
【0035】
上述のように、式Iで表されるラクトンの製造のための従来のアプローチは解決すべき各種問題に直面している。
本発明は、合成経路の長さという側面において又は望ましくない異性体の除去の必要性において、従来プロセスが抱える各種問題を排除するために、式Iで表されるラクトンの単純且つ対費用効果の高い合成経路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0036】
本発明は、式Iで表されるラクトンの合成のための不斉プロセスを提供する。本発明は予期しない2種の知見に基づく。第一の知見は、共役付加生成物である式IIのシクロペンタノンのエナンチオマー純度が大幅に向上し、共役付加反応における式IV及び式Vで表される各基質のエナンチオマー純度より高くなることである。該反応におけるキラリティーの向上を示すこの現象は、式IV及び式Vで表される各基質が高光学純度であることを必要とせず、光学純度約90%e.e.以上であれば式IIの高エナンチオマー純度のシクロペンタノンの調製に十分であることを示している。この光学純度は、95%e.e.超であることが好ましく、99.8%e.e.超であることがより好ましい。これにより、目的生成物の製造コストが大幅に低減される。
【0037】
第二の知見は、先行技術においては式II−1a:
【0038】
【化9】

【0039】
(式中、R1はメチルであり、R2はメチレンであり、R3はn−ブチルである)で表されるラセミ体シクロペンタノンの非保護体が油状物として報告されたが、R1をメチルからエチルに変えるだけで、生成するシクロペンタノンが良好な結晶性を示す(mp:62℃)ことが観察されることである。更に、R1をより嵩高い構造、例えばアラルキルやアリール又はそれらの置換体とした場合、結晶性を更に向上させることができることが見出されている。また同様の知見は、R2とR3がそれぞれメチレンとn−ブチルと異なる場合に得られる。この良好な結晶性によって、共役付加反応により生じる望ましくないジアステレオマー、特に15β−異性体をより能率的に除去することができる。
【0040】
これらの発見に基づき、本発明は高エナンチオマー純度且つ高ジアステレオマー純度の式Iで表されるラクトンの商業的製造に有利な新規不斉プロセスを提供する。特に、該プロセスにより製造される式Iのラクトンは、そのエナンチオマーと15β−異性体を1%未満、好ましくは0.5%未満、より好ましくは0.1%未満しか含有しない。
【0041】
本発明は他のアスペクトにおいて、式II:
【0042】
【化10】

(式中、Zは、カップリング及び脱保護反応に関与しないが、還元/ラクトン化反応において脱離基として作用する任意の基であり;R2、R3、X1、X2及び
【0043】
【化11】

【0044】
で表される、好ましくは95%e.e.、より好ましくは99%e.e.の新規エナンチオマー富化シクロペンタノンと、該シクロペンタノンの調製プロセスを提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
定義
本明細書において使用される用語「アルキル」は、メチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル等の炭素数1〜30の直鎖又は分岐状の炭化水素基、又はシクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メンチル等の炭素数3〜10の環状飽和炭化水素基を意味する。
【0046】
本明細書において使用される用語「低級アルキル」は、メチル、エチル、プロピル等の炭素数1〜6のアルキルを意味する。
【0047】
本明細書において使用される用語「アルケニル」は、ペンテニル、プロペニル等の一以上の炭素−炭素二重結合を有する炭素数3〜20の直鎖又は分岐状の炭化水素基、又はシクロペンテニル、シクロヘキセニル等の一以上の炭素−炭素二重結合を有する炭素数5〜20の環状不飽和炭化水素基を意味する。
【0048】
本明細書において使用される用語「アルキニル」は、ペンチニル、プロピニル等の一以上の炭素−炭素三重結合を有する炭素数3〜20の直鎖又は分岐状の炭化水素基、又は一以上の炭素−炭素三重結合を有する炭素数6〜20の環状不飽和炭化水素基を意味する。
【0049】
本明細書において使用される用語「アリール」は、フェニル、ナフチル、アンスリル、フェナンスリル等の単環式又は多環式芳香族炭化水素基を意味する。アリールは、ハロゲン、アルコキシル、チオアルコキシル、アルキル、アリール等の一以上の置換基によって任意的に置換されていてもよく、置換基はこれらに限定されない。
【0050】
本明細書において使用される用語「アラルキル」は、炭素数1〜20の直鎖又は分岐状炭化水素と上述のアリール基一以上とを意味し、例としてはベンジル、ベンズヒドリル、フルオレニルメチル等が挙げられる。
【0051】
前述のアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール及びアラルキルはいずれも、ハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシル、アリールオキシ、チオアルコキシル、チオアリールオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、シアノ、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル及びカルボニルから成る群から選択される一以上の置換基、又はピリジニル、チオフェニル、フラニル、イミダゾリル、モルホリニル、オキサゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル及びピロリジノニル等から成る群から選択されるヘテロ環基によって任意的に置換されていてもよい。
【0052】
用語「保護基」は、有機合成化学において従来定義されている意味を有する(即ち、官能基又は化学反応の攻撃対象となる化合物部分を保護することができる基)。保護基としては、メトキシメチル、メトキシチオメチル、2−メトキシエトキシメチル、ビス(2−クロロエトキシ)メチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、4−メトキシテトラヒドロピラニル、4−メトキシテトラヒドロチオピラニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフラニル、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、トリフェニルメチル、アリル、ベンジル、置換ベンジル及びSiRabc(Ra、Rb、Rcはそれぞれ独立にC1-4アルキル、フェニル、ベンジル、置換フェニル又は置換ベンジルである)を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0053】
【化12】

【0054】
本発明のアスペクト
【0055】
本発明における、式Iで表されるラクトンの合成のための新規アプローチをスキーム2に示す。反応物はいずれも、光学純度90%e.e.超を通常有するエナンチオマー富化体として使用する。
【0056】
【化13】

【0057】
A.式II−1で表される新規シクロペンタノンの調製
【0058】
スキーム2の段階(a)に示すように、式II−1で表されるシクロペンタノン
【0059】
(式中Zは、カップリング及び脱保護反応に関与しないが、還元/ラクトン化反応において脱離基として作用する任意の基であり;R2は単結合であるか、又はC1-4−アルキレン又は式−CH2O−で表される基であり;R3はC1-7−アルキル、アリール又はアラルキル基であって、その各々は非置換か、又はC1-4−アルキル、ハロゲン又はトリハロメチルによって置換されており;好ましくは、R2及びR3は、次の(i)〜(iii):
(i)R2はメチレン、R3はn−ブチル;
(ii)R2はエチレン、R3はフェニル;及び
(iii)R2は−CH2O−、R3は、ハロゲン及びトリハロメチルから選択される置換基によって置換されているフェニル、
から成る群から選択され、
1及びP2は、同一又は異なるヒドロキシ基保護基である)
【0060】
は、式V−1、式V−2、式V−3:
【0061】
【化14】

【0062】
(式中、Yはハロゲンであり;R6は低級アルキルであり;R2、R3及びP2は上に定義した通りであり、チェン(Chen)ら、1978、J.Org.Chem.、43、3450、米国特許第4233231号、同第4415501号及び同第6294679号に記載されている)でそれぞれ表されるビニルハライド、ビニルスタンナン又はアルキンに由来する式V(式中、R2、R3及びP2は上に定義した通りであり;R4は非障害性基であり;Xは−CN、−SCN、−OSO2CF3又は−S−フェニル−である)
【0063】
で表されるキュープレートのエナンチオマー富化ω−側鎖単位と、式IVで表される光学活性シクロペンテノンとのカップリング反応により調製され、該反応は、好ましくは−100℃〜40℃の範囲の温度で行う。該シクロペンテノンの調製は、同日出願の同時係属中特許出願「光学活性シクロペンテノンの調製プロセス及び該プロセスにより調製されるシクロペンテノン」に開示されている。
【0064】
続いて、反応物を塩基(例えば、水酸化アンモニウム)で急冷し、従来法により行う後処理に付す。得られた粗生成物は従来法(例えば、カラムクロマトグラフィー)により精製することができ、また未精製の生成物を次反応に直接使用することもできる。
【0065】
本発明の実施形態によれば、前記式中の置換基Zは、−OR1、−N(R12又は−SR1
(式中、R1は各場合において独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はアラルキル基であって、その各々は非置換か、又はハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシル、アリールオキシ、チオアルコキシル、チオアリールオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、シアノ、アルコキシカルボニルフェニル、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル及びカルボニルから成る群から選択される一以上の置換基、又はピリジニル、チオフェニル、フラニル、イミダゾリル、モルホリニル、オキサゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル及びピロリジノニルから成る群から選択されるヘテロ環基によって置換されているか、又は、Zが−OR1である場合は、R1はカルボキシル基の保護基である。Zは−OR1であることが好ましい。)である。
【0066】
B.式Iで表されるラクトンの調製
【0067】
スキーム2の段階(d)に示すように、好適な溶媒中で、式Y:
12(R5nH (Y)
(式中、M1はLi、K又はNaを表すか、又は存在せず;M2はAl又はBを表し;nは2又は3であり;R5は水素、アルキル又はアルコキシルを表す)で表される還元剤を用いて、式II−1又はII−2で表されるシクロペンタノンを還元/ラクトン化し、式I−1又はI−2で表されるラクトンを生成する。
本発明によれば、還元剤は、ナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウムヒドリド、ジイソブチルアルミニウムヒドリド、リチウムトリ−tert−ブトキシアルミノヒドリド、リチウムトリ−アルキルボロヒドリド、カリウムトリアルキルボロヒドリド、ナトリウムトリ−アルキルボロヒドリド及びそれらの混合物から選択される。好ましくは、還元剤はリチウムトリ−sec−ブチルボロヒドリド、リチウムトリアミルボロヒドリド、ナトリウムトリ−sec−ブチルボロヒドリド、カリウムトリ−sec−ブチルボロヒドリド、カリウムトリアミルボロヒドリド又はそれらの混合物である。最も好ましくは、還元剤はリチウムトリ−sec−ブチルボロヒドリドである。
前記反応で使用する好適な溶媒は、テトラヒドロフラン、エーテル、トルエン、ヘキサン及びそれらの混合物から選択することができるが、これらに限定されない。
反応は−120℃〜室温の範囲の温度、好ましくは−100℃〜−40℃で行う。
還元剤の使用量は、薄層クロマトグラフィー(TLC)でモニターされる基質又は反応物の反応が完全に行われる量とする。反応終了に際し、式I−1又はI−2で表されるラクトンを、過剰な還元剤の除去や抽出、脱水、濃縮等の後処理によって、反応液から単離することができる。更に、生成物をカラムクロマトグラフィーや結晶化によって精製することができる。
【0068】
C.式II−1で表されるシクロペンタノン及び式I−1で表されるラクトンの脱保護
【0069】
スキーム2の段階(b)に示すように、式II−1で表されるシクロペンタノン及び式I−1で表されるラクトンをそれぞれ脱保護して、式II−2で表されるシクロペンタノン及び式I−2で表されるラクトンを調製する。この脱保護反応を行うための条件は当業者には明らかである。例えば、式II−1(式中、P1及びP2はそれぞれトリエチルシリル保護基である)で表されるシクロペンタノンを好適な溶媒(例えば、アセトンと水の体積比5:1混合溶媒)に溶解させ、脱保護剤(例えば、塩酸やp−トルエンスルホン酸、ピリジウムp−トルエンスルホネート)で処理し、室温で10分〜10時間攪拌して、式II−2で表される脱保護された生成物を得る。
【0070】
II−2で表される粗シクロペンタノン生成物は、共役付加反応(カップリング反応)で生じる立体異性体を少量含有する。また該異性体は、カラムクロマトグラフィーにおいて、単一溶媒又はヘキサン、ヘプタン、酢酸エチル、トルエン、エーテル及びイソプロピルアルコールの内の二種以上の混合液を用いて溶出させることにより除去することができる。
【0071】
或いは、粗生成物II−2に存在する立体異性体は、粗生成物を結晶化して除去することもできる。結晶化は、エチルエーテル、石油エーテル、イソプロピルエチルエーテル、ブチルメチルエーテル、酢酸エチル、トルエン、イソプロピルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ヘキサン、ヘプタン、イソプロピルアルコール、メタノール、エタノール、酢酸及びそれらの混合物から選択される好適な有機溶媒中で行うことが好ましい。
【0072】
D.式II−2で表されるシクロペンタノン又は式I−2で表されるラクトンの保護
【0073】
スキーム2に示すラクトンの保護体I−1又はラクトンの非保護体I−2を更に、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(DIBAL)を用いる還元反応と、ウィッチヒ反応とに付して、最終目的物であるプロスタグランジンを得ることができる。しかしながら、DIBAL、及びヒドロキシル基を反応させるためのウィッチヒ試薬の過剰消費を避けるために、ラクトンの保護体I−1を使用することが好ましい。
【0074】
スキーム2に示すように、段階(c)において、式II−2で表されるシクロペンタノン又は式I−2で表されるラクトンの保護を行う。使用される好適な保護基は、トリアルキルシリルやテトラヒドロピラニル(THP)等である。好適な反応条件は当業者に明らかである。例えば、式I−2で表されるラクトンを、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、トルエン、ジメチルホルムアミド及びそれらの混合物から選択される適切な有機溶媒に溶解させ、2モル当量超の塩基(例えば、トリアキルアミンやイミダゾール)及び約2モル当量のtert−ブチルジメチルシリルクロリドと約0〜80℃の範囲の温度で反応させることができる。次いで、濾過、抽出、脱水、濃縮等の後処理を行って、式I−1で表されるラクトン保護体を得る。
本発明によれば、予期せず且つ驚くべきことであるが、結晶体の式I−1aで表される高純度ラクトンが得られた。
【0075】
【化15】

【0076】
E.式I−3で表される13,14−ジヒドロラクトンの合成
【0077】
次のスキーム3に示すように、13,14−ジヒドロ−プロスタグランジンF2αの合成、特にラタノプロストの合成に有用な式I−3で表されるラクトンは、次に述べる経路のうちの一経路により調製することができ、これをスキーム3に示す。
(i)式VIで表されるキュープレート(これは、米国特許第6852880号に開示の方法に従って調製できる)のω−側鎖単位と、式IVで表されるシクロペンテノンとのカップリング反応を行い、式II−3で表されるシクロペンタノン保護体を得、これを更に脱保護及び還元/ラクトン化反応に付して、式I−3で表される脱保護されたラクトンを得る;
(ii)式IVで表されるシクロペンテノンを式Vで表されるキュープレートと反応させ、式IIで表されるシクロペンタノンを得、これを更に、脱保護、水素化及び段階(e)及び(d)に示す還元/ラクトン化反応に付して、式I−3で表される脱保護されたラクトンを得る;又は
(iii)(ii)項で述べた経路に従って得られる式IIのシクロペンタノンを式Iのラクトン保護体に変換し、これを更に脱保護及び水素化、又は脱保護せずに水素化して、式I−3で表されるラクトン非保護体又はラクトン保護体を得る。
【0078】
【化16】

【0079】
(式中、Z、R4、R5、M1、M2、n、P1、P2、X1及びX2は上に定義した通り)
【0080】
スキーム3の段階(e)の水素化反応は、水素下において好適な溶媒中、水素化触媒と好適な塩基/求電子試薬の存在下にて行う。好適な水素化触媒は、パラジウム、白金、ロジウム、ニッケル及びそれらの混合物から成る群から選択される金属を含有する。この触媒の例としては、Pd−C、Pt−C及びNiを挙げることができる。好適な溶媒は、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、エタノール、トルエン及びそれらの混合物から選択することができる。
【0081】
次いで、段階(e)に示すように式Iで表されるラクトンを、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(DIBAL)を用いた半還元反応に付し、続いてウィッチヒ反応を行ってプロスタグランジン、特にPGE2とPGF2α系列(series)を生成する。DIBAL及びウィッチヒ反応に関する詳細については、先行技術文献(例えば、リー(Lee)ら、1978、J.Chem.Soc.Perkin transI 1179;EP−A−0639563;コーリ(Corey)ら、1969、J.Am.Chem.Soc.91、5675;及びJ.Am.Chem.Soc.1972、94、8616)から知ることができる。
【0082】
本発明は、プロスタグランジン合成のための単純且つ容易な方法を提供するだけでなく、コーリのプロセスが直面している、最終的な精製を困難なものとする過剰な15β−異性体の生成に関する問題を解決する。より重要なことには、スキーム3に従って調製される式IIで表されるシクロペンタノンを、結晶化又は単純なカラムクロマトグラフィーにより更に精製して、15β−異性体を完全に排除することができる。
要約すれば本発明は、15β−異性体フリープロスタグランジンの合成するための近道を提供する。
【0083】
F.式IIで表される新規化合物
【0084】
更に本発明は、式II:
【0085】
【化17】

【0086】
(式中、ZはOR1であり、R1、X1、X2、R2及びR3は上に定義した通り)で表される、エナンチオ過剰95%超の光学純度を有する新規エナンチオマー富化化合物を提供する。
【0087】
本発明の一実施形態によれば、式IIにおけるX1及びX2はいずれも水素原子であり;R1はアルキル、アルケニル又はアルキニルであって、その各々は非置換か、又はハロゲン、チオアルコキシル、チオアリールオキシ、アルキルアミノ及びシアノから成る群から選択される一以上の置換基、又はモルホリニル、オキサゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル及びピロリジノニルから成る群から選択されるヘテロ環基によって置換されている;又は、R1は非置換であるか、又はハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシル、アリールオキシ、チオアルコキシル、チオアリールオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、シアノ、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びカルボニルから成る群から選択される一以上の置換基によって置換されているアリールである;又は、R1は非置換であるか、又はハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシル、アリールオキシ、チオアルコキシル、チオアリールオキシ、アルキルアミノ、シアノ、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル及びカルボニルから成る群から選択される一以上の置換基によって置換されているアラルキルである。
本発明のより好ましい実施形態によれば、R1はC1−C10アルキル、ベンジル、ナフチル又はフェニルであって、その各々は非置換か、又はハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシル、アリールオキシ、チオアルコキシル、チオアリールオキシ、アルキルアミノ、シアノ、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル及びモルホリニルから成る群から選択される一以上の置換基によって置換されている。
【0088】
本発明の最も好ましい実施形態によれば、式IIで表される化合物は、
エチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート;
ベンジル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート;
2−ナフチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート;
(1’R,2’S,5’R)−メンチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート;
2−シアノエチル(1R,2R,3R)3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート;
3−エトキシカルボニルフェニル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート;
4−モルホリンエチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート;
ベンジル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[5−フェニル−(3S)−ヒドロキシ−(1E)−ペンテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート;
2−ナフチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[5−フェニル−(3S)−ヒドロキシ−(1E)−ペンテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート;
(1’R,2’S,5’R)−メンチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[5−フェニル−(3S)−ヒドロキシ−(1E)−ペンテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート;
エチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[5−フェニル−(3S)−ヒドロキシ−(1E)−ペンテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート;
エチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3R)−ヒドロキシ−4−(3−トリフルオロメチル)フェノキシ−(1E)−ブテニル]−5−オキソ−シクロペナンアセテート;及び
エチル(1R,2R,3R)3−ヒドロキシ−2−[5−フェニル−(3R)−ヒドロキシ−ペンタニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートから成る群から選択される。
【実施例】
【0089】
実施例1
4−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−(3R)−トリエチルシリルオキシ−1−ブチン
【0090】
【化18】

【0091】
(3R)−4−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−3−ヒドロキシ−1−ブチン(6.7g、29mmol)及びイミダゾール(2.96g、44mmol)を酢酸エチル100mLに溶解し、溶液を約5℃まで冷却した。この溶液に、クロロトリエチルシラン(6.3mL、38mmol)を、添加中の温度を約5〜10℃に保ち、30分かけてゆっくり添加した。混合液をゆっくりと室温に戻した。沈澱物を濾去した。次いで、反応液を飽和重曹水溶液50mLで2回洗浄し、更に食塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮して粗生成物(13.2g)を得た。粗生成物を蒸留により精製し、(R)−シリルエーテルを無色油状物として得た(9.1g、91%)。
【0092】
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 7.18 (m, 1H), 6.93 (m, 2H), 6.80 (m, 1H), 4.71 (m, 1H), 4.04 (m, 2H), 2.45 (d, 1H), 0.98 (t, 9H), 0.67 (q, 6H).
【0093】
実施例2
5−フェニル−(3S)−トリエチルシリルオキシ−1−ペンチン
【0094】
【化19】

【0095】
実施例1と同様の手続を行い、5−フェニル−(3S)−ヒドロキシ−1−ペンチンから、標題化合物を油状物として88%の収率で得た。
【0096】
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 7.39 (m, 2H), 7.29 (m, 3H), 4.47 (m,1H), 2.89 (m, 2H), 2.53 (d, 1H), 2.12 (m, 2H), 1.08 (t, 9H), 0.77 (q, 6H).
【0097】
実施例3
(3S)−トリエチルシリルオキシ−1−オクチン
【0098】
【化20】

【0099】
実施例1と同様の手続を行い、(3S)−ヒドロキシ−1−オクチンから、標題化合物を油状物として95%の収率で得た。
【0100】
実施例4
(1E)−トリブチルスタニル−(3S)−トリエチルシリルオキシ−1−オクテン
【0101】
【化21】

【0102】
(3S)−トリエチルシリルオキシ−1−オクチン20g(78.6mmol)及びアゾ−ビス(イソブチロニトリル)150mgの攪拌混合液に、窒素雰囲気下、注射器を用いてトリ−n−ブチルスズヒドリド30mL(113mmol)を添加した。この混合液を約130℃に加熱し、2時間攪拌した後、室温まで冷却した。過剰のトリ−n−ブチルスズヒドリドを、約70℃(0.05mmHg)での真空蒸留により除去した。約165℃(0.05mmHg)で真空蒸留することにより、生成物36.5gを無色液体として収率87%で得た。
【0103】
1H NMR δ 4.05 (br m, 1H, C-3 H), 6.0 (m, 2H, olefin); 13C NMR δ 152.2, 126.6, 77.0, 38.2, 32, 29.3,27.4, 25.1, 22.8, 14.1, 13.7, 9.6, 6.9, 5.1.
【0104】
実施例5
5−フェニル−(1E)−トリブチルスタニル−(3S)−トリエチルシリルオキシ−1−ペンテン
【0105】
【化22】

【0106】
実施例4と同様の手続を行い、5−フェニル−(3S)−トリエチルシリルオキシ−1−ペンチンから、標題化合物を油状物として82%の収率で得た。
【0107】
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 7.33 (m, 2H), 7.23 (m,3H), 5.90〜6.21 (m, 2H), 4.15(q, 1H), 2.74 (m, 2H), 1.88 (m, 2H), 1.57 (m,2H), 1.30〜1.80 (m, 12H), 0.90〜1.08 (m, 24H), 0.67 (q, 6H).
【0108】
実施例6
(1E)−トリブチルスタニル−4−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−(3R)−トリエチルシリルオキシ−1−ブテン
【0109】
【化23】

【0110】
実施例4と同様の手続を行い、4−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−(3R)−トリエチルシリルオキシ−1−ブチンから、標題化合物を油状物として74%の収率で得た。
【0111】
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 7.22 (m, 1H), 6.96 (m, 2H), 6.81 (m, 1H), 5.90〜6.21 (m, 2H), 4.49 (m, 1H), 3.90 (d, 2H).
【0112】
実施例7
(1E)−ヨード−(3S)−トリエチルシリルオキシ−1−オクテン
【0113】
【化24】

【0114】
(1E)−トリブチルスタニル−(3S)−トリエチルシリルオキシ−1−オクテン5.3gをエーテル75mLに攪拌した溶液に、ヨウ素2.5gを添加した。溶液を室温で約2時間攪拌し、真空蒸留により濃縮し、乾燥させた。得られた粗生成物を、ヘキサンとエーテルの混合液を勾配溶離液とするシリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーにより、更に精製した。標題化合物の収率は2.2g(63%)であった。
【0115】
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 6.49 (dd, 1H), 6.19 (d, 1H), 4.04 (q, 1H), 1.20〜1.70 (m, 8H), 0.93 (t, 9H), 0.83 (t, 3H), 0.57 (q, 6H).
【0116】
実施例8
エチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート
【0117】
【化25】

【0118】
250mLの三口フラスコを火力乾燥し、冷却せしめた。シアン化銅(2.7g、30mmol)及び無水テトラヒドロフラン(THF)40mLを反応フラスコに添加し、メチルリチウム(1.5M、エチルエーテル中)40mLを約−10℃で滴下した。反応液を30分間攪拌した後、(1E)−トリブチルスタニル−(3S)−トリエチルシリルオキシ−1−オクテン(15.9g、30mmol)の無水テトラヒドロフラン(20mL)溶液を添加した。反応液を室温で3時間攪拌し、次いで−70℃まで冷却した。反応液に、エチル(3R)−トリエチルシリオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテン−1−アセテート(6.3g、21mmol)の無水テトラヒドロフラン(20mL)溶液を添加した。反応液を−70℃で30分間攪拌し、水酸化アンモニウム50mL含有飽和塩化アンモニウム水溶液500mLで急冷した。反応液を分相し、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合一し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。固形物を濾去した。溶媒を真空下蒸発させた。残渣を更にアセトン100mL及び水20mLに溶解した後、p−トルエンスルホン酸一水和物0.5gを添加した。反応溶液を室温で1時間攪拌し、二層に分離するまで更に真空蒸留に付した。反応液に酢酸エチル150mLを添加し、この反応液を分相せしめた。有機層を飽和重曹溶液と食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾固した。粗生成物をヘキサンと酢酸エチルの混合液を勾配溶離液として、シリカゲルを用いたクロマトグラフィーにより精製した。標題化合物は微量の15−エピマーを含有し、その収量は5.83g(89%)であった。15−エピマーは標題化合物をエーテル/ヘキサンから結晶化して除去することができる。標題化合物4.2gを結晶(白色〜オフホワイトの粉末)として得た(MP:62℃)。
【0119】
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 5.69 (m,1H), 5.57 (m,1H), 4.15 (m, 4H), 3.38 (br, 1H), 2.80 (dd, 1H), 2.15〜2.65 (m, 6H), 1.20〜1.84 (m, 10H), 0.90 (t, 3H); 13C-NMR (CDCl3/TMS): δ 213.22, 172.31, 138.26, 131.06, 73.42, 72.86, 61.55, 54.85, 51.64, 45.96, 37.95, 32.36, 32.35, 25.79, 23.24, 14.81, 14.68.
【0120】
実施例9
ベンジル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート
【0121】
【化26】

【0122】
(1E)−ヨード−(3S)−トリエチルシリルオキシ−1−オクテン(35.4g)のエーテル(200mL)溶液を−70℃まで冷却し、1.6Mのn−ブチルリチウム溶液60mLを添加した。このようにして得られた溶液を溶液Aとし、−70℃で2時間攪拌した。乾いたフラスコにCuCN(8.3g)とエーテル(50mL)を入れた。この溶液を−20℃まで冷却し、メチルリチウムの1.5Mエーテル(61mL)溶液を添加した。この溶液混合物を溶液Bとし、更に30分間攪拌した。次いで、溶液Bを−70℃まで冷却し、これに前もって準備したビニルリチウム溶液(溶液A)を添加した。温度を約−70℃に保ちながら、この混合液を1時間攪拌した。反応液に、ベンジル(3R)−トリエチルシリルオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテン−1−アセテート(26.2g)のエーテル(50mL)溶液を添加した。更に20分間攪拌した後、反応液を9/1(v/v)飽和NH4Cl水溶液/NH4OHの混合溶液に注ぎ、分相させた。水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合一し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。固形物を濾去し、溶媒を真空下蒸発させた。残渣をアセトン300mL及び水50mLに溶解した後、p−トルエンスルホン酸一水和物2gを添加した。反応溶液を室温で1時間攪拌し、二層への分離が観察されるまで濃縮した。酢酸エチル150mLを添加して抽出した。有機層を更に飽和重曹溶液と食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾固した。この液体残渣を、ヘキサンと酢酸エチルの混合液を勾配溶離液として、シリカゲルを用いたクロマトグラフィーにより精製した。標題化合物を結晶として得た(収率:74%、MP:74℃)。
【0123】
1H-NMR (CDCl3/TMS):δ 7.39 (m,5H), 5.52〜5.71 (m,2H), 5.12 (dd, 2H), 4.05〜4.20 (m,2H), 3.36(s, 1H), 2.79 (dd, 1H), 2.64 (m, 2H), 2.38〜2.55 (m, 3H), 2.34 (dd,1H), 1.10〜1.80 (m,7H), 0.89 (t, 3H).
13C-NMR (CDCl3/TMS):δ213.05, 172.11, 138.37, 136.24, 130.24, 129.29, 129.08, 128.70, 73.37, 72.62, 67.35, 54.81, 51.63, 45.93, 37.93, 32.35, 25.80, 23.29, 14.60.
【0124】
実施例10
2−ナフチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート
【0125】
【化27】

【0126】
ベンジル(3R)−トリエチルシリオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテン−1−アセテートの代わりに、等モルの2−ナフチル(3R)−テトラヒドロピラニルオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテン−1−アセテートを反応基質として用いた以外は、実施例9と同様の手続を行った。標題化合物が調製され、結晶として得られた。収率:63%
【0127】
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 7.87 (m, 3H), 7.58 (s, 1H), 7.50 (m, 2H), 7.25 (m, 1H), 5.76 (m, 2H), 4.21(m, 2H), 2.87 (m, 3H), 2.61 (m, 2H), 2.42 (m, 1H), 1.20〜1.80 (m, 8H), 0.87 (t, 3H).
【0128】
実施例11
ベンジル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[5−フェニル−(3S)−ヒドロキシ−(1E)−ペンテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート
【0129】
【化28】

【0130】
攪拌棒を備え付けた100mLフラスコにジルコノセンクロリドヒドリド(1.29g、5mmol)を入れ、セプタムで密封した。このフラスコを真空ポンプで排気し、アルゴンで置換した。この操作を3回繰り返した。続いてこのフラスコにTHF(15mL)を添加し、混合物を白色のスラリーが生じるまで攪拌し、これに5−フェニル−(3S)−トリエチルシリルオキシ−1−ペンチン(1.37g、5mmol、94%e.e.)を添加した。混合物を30分間攪拌し、−70℃に冷却した。エーテル性MeLi(3.5mL、5mmol)の添加により、鮮黄色の溶液が生成した。同時に、このジルコニウム溶液にリチウム2−チエニルシアノキュープレート(20mL、0.25M THF中)を添加した。混合物を15分間−70℃で攪拌し、ベンジル(3R)−トリエチルシリルオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテン−1−アセテート(0.90g、2.5mmol、95%e.e.)のエーテル(5mL)溶液を添加した。10分後、混合物を10%NH4OH/飽和NH4Cl水溶液(40mL)で急冷した。生成物をエーテル50mLで3回抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥した。次いで溶液を濾過し、溶媒を真空蒸発により除去した。液体残渣をアセトン20mL―水4mLに溶解した後、p−トルエンスルホン酸一水和物2gを添加した。反応溶液を室温で1時間攪拌し、二層への分離が観察されるまで濃縮した。酢酸エチル30mLを抽出と分相のため添加した。有機層を飽和重曹溶液と食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を除去し乾燥させるため、真空蒸発に付した。この液体残渣を、ヘキサンと酢酸エチルの混合液を勾配溶離液とするシリカゲルを用いたクロマトグラフィーにより、精製した。標題化合物を結晶として得た(収率:82%(>99.9%e.e キラルカラムを用いて、ラクトン誘導体として測定)、MP:81℃)。
1H-NMR (CDCl3/TMS):δ7.17〜7.42 (m, 10H), 5.56〜5.78 (m, 2H), 5.1 (dd, 2H), 4.13 (m, 2H), 2.16〜2.87 (m, 6H), 1.80〜2.10 (m, 2H);
13C-NMR(CDCl3/TMS):δ212.87,172.07,142.13,138.15,135.63,129.28,129.17,129.09,129.06,128.83,126.70,72.70,72.39,67.39,54.71,51.62,46.04,39.52,32.43,32.42.
【0131】
実施例12
(1’R,2’S,5’R)−メンチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート
【0132】
【化29】

【0133】
エチル(3R)−トリエチルシリオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテン−1−アセテートの代わりに、等モルの(1’R,2’S,5’R)−メンチル(3R)−トリエチルシリオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテン−1−アセテートを反応基質として用いた以外は、実施例8と同様の手続を行った。標題化合物が調製され、結晶として得られる(収率:62%、MP:96℃)。
【0134】
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 5.59 (m, 2H), 4.59 (m, 1H), 4.05 (m, 2H), 2.71 (m,1H), 2.49 (m,3H), 2.28 (m,2H)
【0135】
実施例13
3−エトキシカルボニルフェニル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート
【0136】
【化30】

【0137】
エチル(3R)−トリエチルシリオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテン−1−アセテートの代わりに、等モルの3−エトキシカルボニルフェニル(3R)−トリエチルシリルオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテン−1−アセテートを反応基質として用いた以外は、実施例8と同様の手続を行った。標題化合物を調製することができ、収率68%で得られる。
【0138】
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 7.94 (d, 1H), 7.76 (s,1H), 7.47 (t, 1H), 7.31 (m, 1H), 5.75 (dd, 1H), 5.63 (dd, 1H), 4.41 (q, 2H), 4.17 (m, 2H), 2.86 (m, 3H), 2.57 (m, 2H), 2.37 (dd, 1H), 1.57 (m, 1H), 1.51 (m, 1H), 1.43 (t, 3H), 1.29 (m, 6H), 0.90 (t, 3H).
【0139】
実施例14
2−シアノエチル(1R,2R,3R)3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート
【0140】
【化31】

【0141】
エチル(3R)−トリエチルシリオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテン−1−アセテートの代わりに、等モルの2−シアノエチル(3R)−トリエチルシリルオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテン−1−アセテートを反応基質として用いた以外は、実施例8と同様の手続を行った。標題化合物を調製することができ、結晶として得られる(収率:72%、MP:54℃)。
【0142】
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 5.66 (m, 1H), 5.55 (m, 1H), 4.29 (m, 2H), 4.10 (m, 2H), 2.79 (dd, 1H), 2.74 (t, 2H), 2.59 (m, 2H), 2.44 (m, 2H), 2.33 (dd, 1H), 1.58 (m, 1H), 1.49 (m, 1H), 1.31 (m, 6H), 0.91 (t, 3H).
【0143】
実施例15
エチル(1R,2R,3R)3−ヒドロキシ−2−[5−フェニル−(3S)−ヒドロキシ−(1E)−ペンテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート
【0144】
【化32】

【0145】
(1E)−トリブチルスタニル−(3S)−トリエチルシリルオキシ−1−オクテンの代わりに、等モルの(1E)−トリブチルスタニル−5−フェニル−(3R)−トリエチルシリルオキシ−1−ペンテンを反応基質として用いた以外は、実施例8と同様の手続を行った。標題化合物を調製することができ、収率68%で得られる。
【0146】
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 7.30 (m, 2H), 7.22 (m, 3H), 5.71 (dd, 1H), 5.58 (dd, 1H), 4.11 (m, 4H), 3.34 (brs, 2H), 2.30〜2.90 (m, 6H), 1.70〜1.95 (m, 2H), 1.25 (t, 3H).
【0147】
実施例16
4−モルホリンエチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート
【0148】
【化33】

【0149】
エチル(3R)−トリエチルシリオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテン−1−アセテートの代わりに、等モルの4−モルホリンエチル(3R)−トリエチルシリルオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテン−1−アセテートを反応基質として用いた以外は実施例8に記載の手順と同様にし、標題化合物を調製することができ、収率70%で得られる。
【0150】
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 5.64 (dd, 1H), 5.54 (dd, 1H), 4.21 (m, 4H), 4.08 (m, 2H), 3.72 (t, 4H), 2.77 (dd, 1H), 2.63 (t, 2H), 2.57 (t, 1H), 2.52 (brs, 4H), 2.37 (m, 2H), 1.56 (m, 1H), 1.47 (m, 1H), 1.30 (m, 6H), 0.90 (t, 3H).
【0151】
実施例17
2−ナフチル(1R,2R,3R)3−ヒドロキシ−2−[5−フェニル−(3S)−ヒドロキシ−(1E)−ペンテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート
【0152】
【化34】

【0153】
エチル(3R)−トリエチルシリオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテン−1−アセテートの代わりに、等モルの2−ナフチル(3R)−トリエチルシリルオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテン−1−アセテートを反応基質として用いた以外は、実施例15と同様の手続を行った。標題化合物を調製することができ、結晶として得られる(収率:72%、MP:123℃)。
【0154】
実施例18
(1’R,2’S,5’R)−メンチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[5−フェニル−(3S)−ヒドロキシ−(1E)−ペンテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート
【0155】
【化35】

【0156】
エチル(3R)−トリエチルシリオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテン−1−アセテートの代わりに、等モルの(1’R,2’S,5’R)−メンチル(3R)−トリエチルシリオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテン−1−アセテートを反応基質として用いた以外は、実施例15と同様の手続を行った。標題化合物を調製することができ、結晶として得られる(収率:67%、MP:115℃)。
【0157】
実施例19〜20
エチル(1R,2R,3R)3−ヒドロキシ−2−[5−フェニル−(3R)−ヒドロキシ−ペンタニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート
【0158】
【化36】

【0159】
実施例19:(3S)−3−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)−5−ブロモ−1−フェニルペンタン1.25gをエーテル(20mL)に溶解し、−70℃まで冷却した。T−BuLi(ペンタン中1.7M、4.3mL)を滴下し、混合物を30分間攪拌した。これに(2−チエニル)Cu(CN)Li(0.25M、30mL)を滴下した。反応溶液を1時間攪拌し、エチル(3R)−トリエチルシリルオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテン−1−アセテート(0.74g、2.5mmol)/エーテル(5mL)を添加した。10分後、混合液を10%NH4OH/飽和NH4Cl水溶液(40mL)で急冷した。生成物をエーテル50mLで3回抽出し、MgSO4で乾燥した。次いで溶液を濾過し、溶媒を真空蒸発により除去した。液体残渣をジクロロメタン(20mL)に溶解し、フッ化水素のピリジン(2.5mL)溶液を0℃で添加し、3時間攪拌した。反応終了後、反応液を飽和重曹水溶液に注ぎ、水相を更に酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合一し、MgSO4で乾燥し、濾過し、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物を収率48%で得た。
【0160】
実施例20:エチル(1R,2R,3R)3−ヒドロキシ−2−[5−フェニル−(3S)−ヒドロキシ−(1E)−ペンテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート(1g)の酢酸エチル(10mL)攪拌溶液に、5%Pd−C触媒(0.2g)を添加した。この溶液を水素下で30時間攪拌した。溶液を濾過し、得られた濾液を更に濃縮乾固した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、溶出溶媒は酢酸エチル:ヘキサン=1:1)による更なる精製に付し、標題化合物を無色油状物として得た(0.68g)。
【0161】
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 7.31 (m, 2H), 7.22 (m, 3H), 4.15 (q, 2H), 3.65〜4.3 (m,2H).
【0162】
実施例21
エチル(1R,2R,3R)3−トリエチルシリルオキシ−2−[(3S)−トリエチルシリルオキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート
【0163】
【化37】

【0164】
エチル3−ヒドロキシ−2−(3−ヒドロキシ−1−オクテニル)−5−オキソ−シクロペンタンアセテート(12.5g、40mmol)を酢酸エチル100mLに溶解し、イミダゾール6.8gを添加し、反応系が均一になるまで攪拌した。反応液にトリエチルシリルクロリド14.7mLをゆっくり添加した。攪拌した反応液を室温に戻し、一晩攪拌した。反応液を濾過して、濾液を得た。次いで、反応液を飽和重曹水溶液30mLで2回洗浄し、更に食塩水で洗浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮して粗生成物を得た(20.2g)。
【0165】
実施例22〜31
(3aR,4R,5R,6aS)−ヘキサヒドロ−5−ヒドロキシ−4−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−2H−シクロペンタ[β]フラン−2−オン
【0166】
【化38】

【0167】
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 5.62 (m, 1H), 5.48 (m, 1H), 4.31 (m, 1H), 3.96〜4.17 (m, 2H), 0.89 (t, 3H).
【0168】
実施例22:ベンジル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート(20g、49mmol)/THF200mLをドライアイスメタノール浴により約−70℃まで冷却した。次いでこの溶液に、1.0Mリチウムトリ−(sec−ブチル)−ボロヒドリド(49mL)を滴下した。反応液を2時間攪拌し、飽和塩化アンモニウム水溶液100mLで急冷した。分相後、水層を2回酢酸エチルで抽出した。有機層を合一し、食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下蒸発させた。得られた濃縮物を、シリカゲルを用いたカラムクロマトグラフィーで精製した。標題化合物を収率82%で得た。
【0169】
実施例23:ベンジル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートの代わりに、等モルのエチル(1R,2R,3R)3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートを反応基質として用いた以外は、実施例22と同様の手続を行った。標題化合物を調製することができ、収率75%で得られる。
【0170】
実施例24:ベンジル(1R,2R,3R)3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートの代わりに、等モルの2−ナフィル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートを反応基質として用いた以外は、実施例22と同様の手続を行った。標題化合物を調製することができ、収率63%で得られる。
【0171】
実施例25:ベンジル(1R,2R,3R)3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートの代わりに、等モルのメンチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートを反応基質として用いた以外は、実施例22と同様の手続を行った。標題化合物を調製することができ、収率69%で得られる。
【0172】
実施例26:ベンジル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートの代わりに、等モルの4−モルホリンエチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートを反応基質として用いた以外は、実施例22と同様の手続を行った。標題化合物を調製することができ、収率67%で得られる。
【0173】
実施例27:ベンジル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートの代わりに、等モルの3−エトキシカルボニルフェニル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートを反応基質として用いた以外は、実施例22に記載の手順と同様にし、標題化合物を調製することができ、収率69%で得られる。
【0174】
実施例28:ベンジル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートの代わりに、等モルの2−シアノエチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートを反応基質として用いた以外は、実施例22と同様の手続を行った。標題化合物を調製することができ、収率76%で得られる。
【0175】
実施例29:リチウムトリ−sec−ブチルボロヒドリドの代わりに、等モルのナトリウムトリ−sec−ブチルボロヒドリドを反応の還元剤として用いた以外は、実施例22と同様の手続を行った。標題化合物を調製することができ、収率69%で得られる。
【0176】
実施例30:リチウムトリ−sec−ブチルボロヒドリドの代わりに、等モルのジイソブチルアルミニウムヒドリドを反応の還元剤として用いた以外は、実施例22と同様の手続を行った。標題化合物を調製することができ、収率42%で得られる。
【0177】
実施例31:リチウムトリ−sec−ブチルボロヒドリドの代わりに、等モルのリチウムトリ−tert−ブトキシアルミニウムヒドリドを反応の還元剤として用いた以外は、実施例22と同様の手続を行った。標題化合物を調製することができ、収率57%で得られる。
【0178】
実施例32
(3aR,4R,5R,6aS)−ヘキサヒドロ−5−トリエチルシリルオキシ−4−[(1E,3S)−3−トリエチルシリルオキシ−(1E)−オクテニル]−2H−シクロペンタ[β]フラン−2−オン
【0179】
【化39】

【0180】
エチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートの代わりに、等モルのエチル(1R,2R,3R)−3−トリエチルシリオキシ−2−[(3S)−トリエチルシリルオキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートを反応基質として用いた以外は、実施例22と同様の手続を行った。標題化合物を調製することができ、収率95%で得られる。
【0181】
実施例33〜36
(3aR,4R,5R,6aS)−ヘキサヒドロ−5−ヒドロキシ−4−[(1E,3S)−5−フェニル−3−ヒドロキシ−(1E)−ペンテニル]−2H−シクロペンタ[β]フラン−2−オン
【0182】
【化40】

【0183】
実施例33:ベンジル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートの代わりに、等モルのエチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[5−フェニル−(3S)−ヒドロキシ−(1E)−ペンテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートを反応基質として用いた以外は、実施例22と同様の手続を行った。標題化合物を調製することができ、収率75%で得られる。
【0184】
実施例34:ベンジル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートの代わりに、等モルの2−ナファチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[5−フェニル−(3S)−ヒドロキシ−(1E)−ペンテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートを反応基質として用いた以外は、実施例22と同様の手続を行った。標題化合物を調製することができ、収率68%で得られる。
【0185】
実施例35:ベンジル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートの代わりに、等モルの(1’R,2’S,5’R)−メンチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[5−フェニル−(3S)−ヒドロキシ−(1E)−ペンテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートを反応基質として用いた以外は、実施例22と同様の手続を行った。標題化合物を調製することができ、収率77%で得られる。
【0186】
実施例36:ベンジル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートの代わりに、等モルのベンジル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[5−フェニル−(3S)−ヒドロキシ−(1E)−ペンテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートを反応基質として用いた以外は、実施例22と同様の手続を行った。標題化合物を調製することができ、収率78%で得られる。
【0187】
1H-NMR (CDCl3/TMS):δ7.04〜7.28 (m, 5H), 5.57 (m, 1H), 5.39 (m, 1H), 4.81 (m, 1H), 4.03 (m, 1H), 3.87 (m,1H), 1.58〜2.85 (m,10H);
13C-NMR (CDCl3/TMS):
δ177.47,142.21,137.13,130.85,129.16,129.10,125.88,83.10,77.95,72.60,55.88,43.17,40.52,35.38,34.83,32.41.
【0188】
実施例37〜40
(3aR,4R,5R,6aS)−ヘキサヒドロ−5−ヒドロキシ−4−[5−フェニル−(3R)−ヒドロキシ−ペンタニル]−2H−シクロペンタ[β]フラン−2−オン
【0189】
【化41】

【0190】
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 0.85〜1.95 (m, 9H), 2.30 (m, 2H), 2.50 (m, 1H), 2.68 (m, 1H), 2.80 (m, 2H), 3.63 (m, 1H), 4.03 (m, 1H), 4.94 (m, 1H), 7.15〜7.42 (m, 5H)
【0191】
実施例37:ベンジル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートの代わりに、等モルのエチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[5−フェニル−(3R)−ヒドロキシ−ペンタニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートを反応基質として用いた以外は、実施例22と同様の手続を行った。標題化合物を調製することができ、結晶として得られる(収率:75%)。
【0192】
実施例38:(3aR,4R,5R,6aS)−ヘキサヒドロ−5−ヒドロキシ−4−[(1E,3S)−5−フェニル−3−ヒドロキシ−1−ペンテニル]−2H−シクロペンタ[β]フラン−2−オン(10g)の酢酸エチル(100mL)溶液に、10%Pt−C触媒(1g)と水酸化ナトリウム(0.2g)を添加した。この溶液を水素雰囲気下で18時間攪拌した。濾過後、濾液を真空濃縮し溶媒を除去した。粗生成物を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、展開溶媒は酢酸エチル:ヘキサン=1:1)による精製に付した。標題化合物を結晶として得た(収率:72%)。
【0193】
実施例39:(3aR,4R,5R,6aS)−ヘキサヒドロ−5−ヒドロキシ−4−[(1E,3S)−5−フェニル−3−ヒドロキシ−(1E)−ペンテニル]−2H−シクロペンタ[β]フラン−2−オン(1g)の酢酸エチル(10mL)溶液に、5%Pd−C触媒(0.2g)と水酸化ナトリウム(0.05g)を添加した。この溶液を水素雰囲気下で一晩攪拌した。濾過後、濾液を真空蒸発により濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン=1:1で溶出)に付した。標題化合物を結晶として得た(収率78%)。
【0194】
実施例40:(3aR,4R,5R,6aS)−ヘキサヒドロ−5−ヒドロキシ−4−[(1E,3S)−5−フェニル−3−ヒドロキシ−(1E)−ペンテニル]−2H−シクロペンタ[β]フラン−2−オン(1g)のエチルアルコール(10mL)溶液に、ラニーニッケル触媒(0.5g)と水酸化ナトリウム(0.1g)を添加した。この溶液を水素雰囲気下で10時間攪拌した。濾過後、濾液を真空蒸発により濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル:ヘキサン=1:1で溶出)に付した。標題化合物を、エナンチオマーを<0.1%(キラルカラムで分析)と15β−エピマーを<0.1%(逆相HPLCで分析)を含有する結晶として得た(収率68%)。
【0195】
MP: 68〜72℃ ; 1H-NMR (CDCL3/TMS):δ 7.15〜7.42 (M, 5H), 4.94 (M, 1H), 4.03 (M, 1H), 3.63 (M, 1H), 2.80 (M, 2H), 2.68 (M, 1H), 2.50 (M, 1H), 2.30 (M, 2H), 0.85〜1.95 (M, 9H); 13C-NMR(CDCL3/TMS):δ178.04,142.41,129.19,129.07,126.68,84.45,78.32,72.03,54.72,43.95,41.35,39.79,36.65,35.89,32.73,29.67.
【0196】
実施例41
(3aR,4R,5R,6aS)−ヘキサヒドロ−5−ヒドロキシ−4−[(3R)−ヒドロキシ−4−(3−トリフルオロメチル)フェノキシ−(1E)−ブテニル]−2H−シクロペンタ[β]フラン−2−オン
【0197】
【化42】

【0198】
ベンジル(3R)−トリエチルシリオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテン−1−アセテートと5−フェニル−(3S)−トリエチルシリルオキシ−1−ペンチンに代えて、等モルのエチル(3R)−トリエチルシリルオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテン−1−アセテートと4−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−(3R)−トリエチルシリルオキシ−1−ブチンを反応基質に用いた以外は実施例11に記載の手順と同様にしてエチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3R)−ヒドロキシ−4−(3−トリフルオロメチル)フェノキシ−(1E)−ブテニル]−5−オキソ−シクロペナンアセテートを調製した。このようにして得た粗生成物を、実施例22と全く同一の手順に従い還元/ラクトン化に付した。標題化合物を調製することができ、収率25%で得られる。
【0199】
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 7.41 (m, 1H), 7.25 (m, 1H), 7.14 (s, 1H), 7.09 (m, 1H), 5.75 (m, 2H), 4.93 (q, 1H), 4.57 (s, 1H), 4.04 (m, 2H), 3.92(m, 1H), 2.28〜2.82 (m, 4H), 1.92〜2.18 (m, 2H).
【0200】
実施例42
(3aR,4R,5R,6aS)−ヘキサヒドロ−5−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−4−[(1E,3S)−3−tert−ブチルジメチルシリルオキシ−(1E)−オクテニル]−2H−シクロペンタ[β]フラン−2−オン
【0201】
【化43】

【0202】
(3aR,4R,5R,6aS)−ヘキサヒドロ−5−ヒドロキシ−4−[(1E,3S)−3−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−2H−シクロペンタ[β]フラン−2−オン(10.7g,40mmol)を酢酸エチル100mLに溶解させ、イミダゾール8.2gを添加し、反応系が均一になるまで攪拌した。tert−ブチルジメチルシリルクロリド15.7gの酢酸エチル50mL溶液を反応液に徐々に添加した。反応液を室温にて一晩攪拌した。反応液を濾過し濾液を得た。次いで、反応液を飽和重曹水溶液50mLで2回洗浄し、更に食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して粗生成物を得た。粗生成物を−70℃(ドライアイス冷浴の温度)でヘキサンから結晶化し、濾過し、冷ヘキサンで洗浄した。固体を乾燥して、標題化合物を白色固体として得た。
【0203】
MP:74℃ (14.3g). 1H-NMR (CDCl3/TMS):δ5.47(dd, 1H), 5.35 (dd, 1H), 4.93 (td, 1H), 4.02 (q, 1H), 3.96 (q,1H), 2.73 (m, 1H), 2.62 (m, 1H), 2.45 (m, 2H), 2.22 (m, 1H), 1.95 (m, 1H), 1.44 (m, 1H), 1.38 (m, 1H), 1.27 (m, 6H), 0.82〜0.88 (m,3H), 0.86 (s, 9H), 0.85 (s, 9H), 0.02 (m,12H).
【0204】
実施例43
(3aR,4R,5R,6aS)−ヘキサヒドロ−5−トリエチルシリオキシ−4−[5−フェニル−(3R)−トリエチルシリルオキシ−ペンタニル]−2H−シクロペンタ[β]フラン−2−オン
【0205】
【化44】

【0206】
(3aR,4R,5R,6aS)−ヘキサヒドロ−5−ヒドロキシ−4−[5−フェニル−(3R)−トリエチルシリルオキシ−ペンタニル]−2H−シクロペンタ[β]フラン−2−オン(12.2g、40mmol)を酢酸エチル120mLに溶解させ、イミダゾール8.2gを添加し、反応系が均一になるまで攪拌した。トリエチルシリルクロリド15.7gを反応液に添加して、この反応液を室温にて30分間攪拌した。反応液を濾過して濾液を得、次いでこれを飽和重曹水溶液50mLで2回洗浄し、食塩水50mLで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して粗生成物を得た(21g)。
【0207】
実施例44 ラタノプロストの調製
(3aR,4R,5R,6aS)−ヘキサヒドロ−5−トリエチルシリオキシ−4−[5−フェニル−(3R)−トリエチルシリルオキシ−ペンタニル]−2H−シクロペンタ[β]フラン−2−オン(21g、39.4mol)の乾燥トルエン(250mL)攪拌溶液に、−78℃でジイソブチルアルミニウムヒドリド溶液(60mL、ヘキサン中20%)を滴下した。2時間攪拌後、反応液を2M硫酸水素ナトリウム溶液に注ぎ30分間攪拌した。水相をトルエンで2回抽出した(2×100mL)。合一した有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発乾固した。対応する粗ラクトールを無色油状物として得た。カリウムtert−ブトキシド(27g、240mmol)を、4−カルボキシブチル−トリフェニルホスホニウムブロミド(53g、120mmol)のTHF500mL懸濁液に添加した。この混合液を−10℃未満に冷却して、上で得られた粗ラクトールを添加した。この混合液を18時間攪拌して、飽和塩化アンモニウム水溶液200mLを添加した。分相後、有機層と無機層を別々に回収した。水相のpHを2M硫酸水素ナトリウム溶液で6に調整し、次いで水層を酢酸エチル500mLで2回抽出した。合一した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空下蒸発させた。液体残渣を更にDMF120mLに溶解させ、2−ヨードプロパン15gを添加し、続いてK2CO310gを添加した。反応溶液を室温にて12時間攪拌し、次いで酢酸エチル500mLで希釈し、水で洗浄した(2×100ml)。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、濃縮し、カラムクロマトグラフィーにより精製して、ラタノプロストの保護体を得た。ラタノプロスト保護体をTHF100mL及び水10mLに溶解させ、濃HCl(1mL)を添加し、室温にて30分間攪拌した。次いで、飽和重曹水溶液50mLを添加した。水層を酢酸エチル(100mL)で2回抽出した。合一した有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発乾固した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィーに付した(シリカゲル、エチルアセテート:ヘキサン=1:1で溶出)。標題化合物を無色油状物として得た(5.4g)。生成物を更にHPLCで分析したところ、15−β異性体を含有しない5−transラタノプロストが最終生成物中約2〜3%であることが分かった。
【0208】
実施例45
ジノプロストの調製
【0209】
(3aR,4R,5R,6aS)−ヘキサヒドロ−5−トリエチルシリルオキシ−4−[(1E,3S)−3−トリエチルシリルオキシ−(1E)−オクテニル]−2H−シクロペンタ[β]フラン−2−オン(19.9g、40mol)の乾燥トルエン(250mL)攪拌溶液に、−78℃でジイソブチルアルミニウムヒドリド溶液(60mL、ヘキサン中20%)を滴下した。2時間攪拌後、この反応液を2M硫酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、30分間攪拌した。有機層から水層を分取し、トルエン(100mL)で2回抽出した。合一した有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾固した。粗ラクトールを無色油状物として得た。カリウムtert−ブトキシド(27g、240mmol)を4−カルボキシブチル−トリフェニルホスホニウムブロミド(53g、120mmol)のTHF500mL懸濁液に添加した。この混合液を−10℃未満に冷却して粗ラクトールを添加した。得られた混合液を更に−10℃未満で18時間攪拌し、次いで飽和塩化アンモニウム溶液200mLを添加した。分相後、水層と有機層を分取した。水相のpHを2M硫酸水素ナトリウム溶液で4に調整し、酢酸エチル500mLで2回抽出した。合一した有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、真空下蒸発させたところ、わずかに黄色の油状物が得られた。上で得られた黄色油状物の攪拌溶液に、THF100mL、水10mL、濃HCl1mLを添加した。室温で30分間攪拌した後、この反応液に飽和重曹溶液50mLを添加した。水層を分取し、酢酸エチル(100mL)で2回抽出した。合一した有機層を食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾固した。得られた粗プロスタグランジンF2α(ジノプロスト)をHPLCにより分析したところ、15−β異性体を含有しない5−transPGF2αが最終生成物中約2〜3%であることが分かった。
【0210】
実施例46
ベンジル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3R)−ヒドロキシ−4−(3−トリフルオロメチル)フェノキシ−(1E)−ブテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート
【0211】
【化45】

【0212】
(1E)−トリブチルスタニル−4−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]−(3R)−トリエチルシリルオキシ−1−ブテン2.8gのTHF10mL溶液を−70℃まで冷却し、1.6Mのn−ブチルリチウム溶液4.2mLを添加した。このようにして得られた溶液を溶液Aとし、−70℃で1時間攪拌した。乾燥したフラスコに、CuI(0.76g)とエーテル(5mL)を添加した。トリブチルホスフィン(2.5mL)を添加し、混合液を室温で攪拌して均一な溶液とした。この均一溶液を、先に調製したアルケニルリチウム溶液に添加した。混合液を約−70℃で1時間攪拌した。ベンジル(3R)−トリエチルシリルオキシ−5−オキソ−1−シクロペンテン−1−アセテート(1.25g)のエーテル5mL溶液を反応液に添加した。更に20分間攪拌した後、反応液を9/1(v/v)飽和NH4Cl水溶液/NH4OH混合溶液に注ぎ、相分離させた。水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を合一し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。固体を濾去し、溶媒を真空下蒸発させた。残渣をアセトン20mL及び水5mLに溶解した後、p−トルエンスルホン酸一水和物0.1gを添加した。反応溶液を室温で1時間攪拌し、分離した二層が観察されるまで濃縮した。酢酸エチル20mLを添加し抽出した。有機層を更に飽和重曹溶液と食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発乾固した。液体残渣を、ヘキサンと酢酸エチルの混合液を勾配溶離液としてシリカゲルを用いたクロマトグラフィーで精製した。標題化合物を収率42%で得た。
【0213】
1H-NMR (CDCl3/TMS): δ 6.97〜7.39 (m,9H), 5.64〜5.78 (m,2H), 5.03 (d, 2H), 4.45 (m,1H), 4.02〜4.14(m, 2H), 3.92(dd, 1H), 3.83(m, 1H), 3.61(m, 1H), 2.22〜2.90 (m,6H).

【特許請求の範囲】
【請求項1】
95%超のエナンチオ過剰のエナンチオマー純度を有する式II:
【化1】

(式中Zは、カップリング及び脱保護反応には関与しないが、還元/ラクトン化反応において脱離基として作用する任意の基であり;R2は単結合であるか、又はC1-4−アルキレン又は−CH2O−であり;R3はC1-7−アルキル、アリール又はアラルキルであって、その各々は非置換か、又はC1-4−アルキル、ハロゲン又はトリハロメチルによって置換されており;X1とX2は独立して水素又はそれぞれP1とP2であり(ここで、P1とP2は同一又は異なるヒドロキシル基保護基である);
【化2】

で表される化合物の調製プロセスであって、90%超のエナンチオ過剰の光学純度を有する式IV:
【化3】

(式中、P1は上に定義した通り)で表される化合物を、それぞれ90%超のエナンチオ過剰の光学純度を有する式V−1、式V−2又は式V−3:
【化4】

(式中、Yはハロゲンを表し;R6は低級アルキルを表し;
【化5】

で表される化合物に由来するキュープレートと反応させることと、任意的に、得られた化合物の脱保護反応を行いP1又はP2、又はP1及びP2の両方をHに変換することを含む調製プロセス。
【請求項2】
Zは−OR1、−N(R12又は−SR1(式中、R1は各場合において独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はアラルキル基であって、その各々は非置換か、又はハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシル、アリールオキシ、チオアルコキシル、チオアリールオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、シアノ、アルコキシカルボニル、アリールカルボニル、アリールアミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル及びカルボニルから成る群から選択される一以上の置換基、又はピリジニル、チオフェニル、フラニル、イミダゾリル、モルホリニル、オキサゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル及びピロリジノニルから成る群から選択されるヘテロ環基によって置換される)を表す、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
Zは−OR1であり、R1が請求項2に定義した通りである、請求項1に記載のプロセス。
【請求項4】
2とR3は、
(i)R2はメチレン、R3はn−ブチル;
(ii)R2はエチレン、R3はフェニル;及び
(iii)R2は−CH2O−、R3はハロゲン又はトリハロメチルによって置換されているフェニル、
から成る群から選択される、請求項1に記載のプロセス。
【請求項5】
95%超のエナンチオ過剰のエナンチオマー純度を有する式I:
【化6】

(式中、R2は単結合又はC1-4−アルキレン又は−CH2O−を表し;R3はC1-7−アルキル又はアリール又はアラルキルを表し、その各々は非置換か、又はC1-4−アルキル、ハロゲン及びトリハロメチルによって置換されており;
【化7】

1とX2は請求項1に定義した通りである)で表されるラクトンの調製プロセスであって、
(a)90%超のエナンチオ過剰の光学純度を有する式IV:
【化8】

(式中、Zは請求項1で定義した通りであり;P1はヒドロキシル基の保護基を表す)で表される化合物を、それぞれ90%超のエナンチオ過剰の光学純度を有する式V−1、式V−2又は式V−3:
【化9】

(式中、Yはハロゲンを表し;R6は低級アルキルを表し;P2はヒドロキシル基の保護基を表し;
【化10】

に由来するキュープレートと反応させて式II−1:
【化11】

で表される化合物を生成させる段階と、
(b)任意的に、保護基P1又はP2、又はP1及びP2の両方を除去して式II:
【化12】

で表される化合物を生成させる段階と、
(c)任意的に、パラジウム、白金、ロジウム、ニッケル及びそれらの混合物から選択される金属を含有する触媒を用い、水素下において式IIで表される化合物を水素化する段階と、
(d)式IIで表される化合物を、式M12(R5nH(式中、M1はリチウム、カリウム又はナトリウムを表すか、又は存在せず;M2はアルミニウム又はホウ素を表し;R5は水素、アルキル又はアルコキシルを表し;nは2又は3である)で表される還元剤を有効量用いて還元/ラクトン化して、式Iで表される化合物を生成させる段階とを含む調製プロセス。
【請求項6】
1及びX2は水素であり、P1とP2の両方が段階(b)において除去され、段階(c)が存在しない、請求項5に記載のプロセス。
【請求項7】
式II又は式Iで表される化合物を結晶化して単離することを更に含む、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
Zは−OR1を表し、R1は請求項2に定義した通りである、請求項5に記載のプロセス。
【請求項9】
還元剤は、リチウムトリ−sec−ブチルボロヒドリド、リチウムトリスアミルボロヒドリド、ナトリウムトリ−sec−ブチルボロヒドリド、カリウムトリ−sec−ブチルボロヒドリド、カリウムトリスアミルボロヒドリド及びそれらの混合物から選択される、請求項5に記載のプロセス。
【請求項10】
還元剤はリチウムトリ−sec−ブチルボロヒドリドである、請求項5に記載のプロセス。
【請求項11】
95%超のエナンチオ過剰のエナンチオマー純度を有する式II:
【化13】

(式中、ZはOR1(式中、R1は各場合において独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール又はアラルキルを表し、その各々は非置換か、又はハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシル、アリールオキシ、チオアルコキシル、チオアリールオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、シアノ及びアルコキシルカルボニルフェニルから成る群から選択される一以上の置換基、又はピリジニル、チオフェニル、フラニル、イミダゾリル、モルホリニル、オキサゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル及びピロリジノニルから成る群から選択されるヘテロ環基によって置換されている)を表し、X1、X2
【化14】

で表されるエナンチオマー富化化合物。
【請求項12】
1とX2はいずれも水素原子である、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
1はアルキル、アルケニル又はアルキニルを表し、その各々は非置換か、又はハロゲン、アルコキシル、アリールオキシ、チオアルコキシル、チオアリールオキシ、アルキルアミノ及びシアノから成る群から選択される一以上の置換基、又はモルホリニル、オキサゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロピラニル、ピロリジニル及びピロリジノニルから成る群から選択されるヘテロ環基によって置換されている、請求項11に記載の化合物。
【請求項14】
1は、非置換か、又はハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシル、アリールオキシ、チオアルコキシル、チオアリールオキシ、アルキルアミノ、アリールアミノ、アルコキシカルボニル及びシアノから成る群から選択される一以上の置換基によって置換されているアリールである、請求項11に記載の化合物。
【請求項15】
1は、非置換か、ハロゲン、アルキル、アリール、アルコキシル、アリールオキシ、チオアルコキシル、チオアリールオキシ、アルキルアミノ及びシアノから成る群から選択される一以上の置換基によって置換されているアラルキルである、請求項11に記載の化合物。
【請求項16】
2及びR3は請求項4に定義した通りである、請求項11に記載の化合物。
【請求項17】
エチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート;
ベンジル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート;
2−ナフチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート;
(1’R,2’S,5’R)−メンチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート;
2−シアノエチル(1R,2R,3R)3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート;
3−エトキシカルボニルフェニル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート;
4−モルホリンエチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3S)−ヒドロキシ−(1E)−オクテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート;
ベンジル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[5−フェニル−(3S)−ヒドロキシ−(1E)−ペンテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート;
2−ナフチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[5−フェニル−(3S)−ヒドロキシ−(1E)−ペンテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート;
(1’R,2’S,5’R)−メンチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[5−フェニル−(3S)−ヒドロキシ−(1E)−ペンテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート;
エチル(1R,2R,3R)3−ヒドロキシ−2−[5−フェニル−(3S)−ヒドロキシ−(1E)−ペンテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート;
ベンジル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3R)−ヒドロキシ−4−(3−トリフルオロメチル)フェノキシ−(1E)−ブテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート;
エチル(1R,2R,3R)−3−ヒドロキシ−2−[(3R)−ヒドロキシ−4−(3−トリフルオロメチル)フェノキシ−(1E)−ブテニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテート;及び
エチル(1R,2R,3R)3−ヒドロキシ−2−[5−フェニル−(3R)−ヒドロキシ−ペンタニル]−5−オキソ−シクロペンタンアセテートから成る群から選択される請求項11に記載の化合物。

【公開番号】特開2007−217409(P2007−217409A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−9403(P2007−9403)
【出願日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(507019086)チャイロゲート インターナショナル インク. (2)
【氏名又は名称原語表記】CHIROGATE INTERNATIONAL INC.
【Fターム(参考)】