説明

プロセスユニットおよび画像形成装置

【課題】現像ユニットが離脱位置に配置された状態で、現像ユニットの駆動入力部に駆動力が入力された場合に、現像ユニットの損傷を防止することができるプロセスユニット、および、そのプロセスユニットを備える画像形成装置を提供すること。
【解決手段】
現像カートリッジ13は、プロセスフレーム12に保持された状態で、画像形成可能な画像形成位置と、プロセスフレーム12から離脱可能な離脱位置とに移動可能であり、現像カートリッジ13に、駆動力の入力が可能なカップリング部材58と、カップリング部材58に入力された駆動力を伝達するギヤ列56とを備え、プロセスフレーム12に、現像カートリッジ13が画像形成位置に配置されているときには、検知ギヤ63とアジテータギヤ62とを噛合させ、現像カートリッジ13が離脱位置に配置されているときには、検知ギヤ63とアジテータギヤ62との噛合を解除する切替ボス42を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタなどの画像形成装置に備えられるプロセスユニット、および、そのプロセスユニットを備える画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のカラープリンタとして、所定方向に並列配置され、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナーにそれぞれ対応する複数の感光体と、各感光体にそれぞれ対応し、トナーを供給する複数の現像カートリッジとを備えるタンデム型カラーレーザプリンタが知られている。
【0003】
このようなタンデム型カラーレーザプリンタとして、例えば、感光ドラムを備えるドラムユニットと、ドラムユニットに着脱自在に設けられ、現像ローラを備える現像カートリッジとを備え、現像カートリッジに、現像押圧ボスが設けられるとともに、ドラムユニットに、現像カートリッジの現像押圧ボスを押圧する押圧部材が設けられているカラーレーザプリンタが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
そして、まず、現像ローラが感光ドラムに接触するまで、現像カートリッジをドラムユニットに上方から押し込み、その後、現像押圧ボスを押圧部材の下に潜り込ますように、現像カートリッジを前方に傾けると、現像押圧ボスが押圧部材に押圧されて、現像ローラがドラムユニット圧接され、これによって、現像カートリッジのドラムユニットへの装着が完了される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−210631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかるに、上記した特許文献1に記載のカラーレーザプリンタでは、現像カートリッジがドラムユニットに押し込まれ、現像ローラが感光ドラムに接触されたときに、現像ローラが感光ドラムに対して位置決めされる。
【0007】
そのため、その後に現像カートリッジを前方に傾けずに、ドラムユニットを本体ケーシングに対して装着した場合(現像カートリッジのドラムユニットへの装着が完了していない場合)においても、現像カートリッジに本体ケーシングからの駆動力が入力される場合がある。
【0008】
このような場合には、現像カートリッジが正規の位置に配置されていない状態で駆動力が入力されるので、その駆動力により、現像カートリッジを損傷する場合がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、現像ユニットが離脱位置に配置された状態で、現像ユニットの駆動入力部に駆動力が入力された場合に、現像ユニットの損傷を防止することができるプロセスユニット、および、そのプロセスユニットを備える画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記した目的を達成するため、第1の発明は、枠体と、現像剤担持体を備え、前記枠体に対して着脱可能に設けられる現像ユニットとを備えるプロセスユニットであって、前記現像ユニットは、前記枠体に保持された状態において、画像形成可能な画像形成位置と、前記枠体から離脱可能な離脱位置とに移動可能に設けられ、駆動力が入力される駆動入力部と、前記駆動入力部に入力された駆動力を伝達する駆動伝達部とを備え、前記枠体は、前記駆動伝達部を、駆動力を伝達可能な伝達状態と、駆動力を伝達不能な伝達解除状態とに切り替える切替部材を備え、前記駆動入力部には、前記現像ユニットが前記画像形成位置および前記離脱位置のいずれに配置されていても、駆動力の入力が可能であり、前記切替部材は、前記現像ユニットが前記画像形成位置に配置されているときには、前記駆動伝達部を前記伝達状態に切り替え、前記現像ユニットが前記離脱位置に配置されているときには、前記駆動伝達部を前記伝達解除状態に切り替えることを特徴としている。
【0011】
また、第2の発明は、画像形成装置であって、上記したプロセスユニットと、前記駆動入力部に駆動力を入力する駆動源とを備えることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
第1の発明によれば、枠体に設けられる切替部材によって、現像ユニットが画像形成位置に配置されているときには、現像ユニットの駆動伝達部が、伝達状態に切り替えられ、現像ユニットが離脱位置に配置されているときには、現像ユニットの駆動伝達部が、伝達解除状態に切り替えられる。
【0013】
そのため、現像ユニットが離脱位置に配置されているときに、現像ユニットの駆動入力部に駆動力が入力されたとしても、駆動伝達部において、駆動力の伝達を解除することができる。
【0014】
その結果、現像ユニットが離脱位置に配置された状態で、現像ユニットの駆動入力部に駆動力が入力された場合に、現像ユニットの損傷を防止することができる。
【0015】
また、第2の発明によれば、上記したプロセスユニットを備えているため、現像ユニットが離脱位置に配置された状態で、駆動源から駆動入力部に駆動力が入力されたとしても、現像ユニットの損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタを示す側断面図である。
【図2】図1に示すプロセスユニットの左上側から見た斜視図である。
【図3】図2に示すプロセスユニットを示し、(a)は、左側面図であり、(b)は、A−A断面図である。
【図4】図1に示す現像カートリッジを示し、(a)は、斜視図であり、(b)は、ギヤカバーを取り外した状態の斜視図である。
【図5】プロセスフレームへの現像カートリッジの装着において、現像カートリッジが離脱位置に配置された状態を説明するための説明図であって、(a)は、左側面から見た説明図であり、(b)は、右上側からみた説明図である。
【図6】現像カートリッジが離脱位置に配置された状態を示すプロセスユニットの側面図である。
【図7】プロセスフレームへの現像カートリッジの装着において、現像カートリッジが画像形成位置に配置された状態を説明するための説明図であって、(a)は、左側面から見た説明図であり、(b)は、右上側からみた説明図である。
【図8】現像カートリッジが画像形成位置に配置された状態を示すプロセスユニットの側面図である。
【図9】検知ギヤの変形例を示す概略構成図であって、(a)は、現像カートリッジが画像形成位置に配置された状態において、検知ギヤとアジテータギヤとが噛合した状態を示し、(b)は、現像カートリッジが離脱位置に配置された状態において、検知ギヤとアジテータギヤとの噛合が解除された状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
1.カラーレーザプリンタの全体構成
図1に示すように、画像形成装置の一例としてのカラーレーザプリンタ1は、横置きタイプのダイレクトタンデム型カラーレーザプリンタである。カラーレーザプリンタ1は、本体ケーシング2内に、用紙Pを給紙するための給紙部3と、給紙された用紙Pに画像を形成するための画像形成部4とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、給紙部3および画像形成部4を収容する側面視略矩形状のボックス状に形成されており、その一方側壁には、後述するプロセスユニット9を着脱させるためのフロントカバー5が形成されている。フロントカバー5は、本体ケーシング2に対して下端部を支点として揺動自在に設けられている。
【0018】
なお、以下の説明において、フロントカバー5が設けられる側(図1における紙面右側)を前側とし、その反対側(図1における紙面左側)を後側とする。また、カラーレーザプリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が左側であり、紙面奥側が右側である。
(2)給紙部
給紙部3は、用紙Pを収容する給紙トレイ6を備えている。給紙トレイ6は、本体ケーシング2内の底部に着脱自在に装着されている。給紙トレイ6の前端部上側には、1対のレジストローラ7が設けられている。
【0019】
給紙トレイ6に収容されている用紙Pは、両レジストローラ7間に向けて1枚ずつ給紙され、所定のタイミングで、画像形成部4(感光ドラム14(後述)と搬送ベルト22(後述)との間)に向けて搬送される。
(3)画像形成部
画像形成部4は、スキャナユニット8、プロセスユニット9、転写ユニット10、および定着ユニット11を備えている。
(3−1)スキャナユニット
スキャナユニット8は、本体ケーシング2の上部に配置されている。スキャナユニット8は、実線で示すように、4つの感光ドラム14(後述)に向けて、画像データに基づいて、レーザービームをそれぞれ出射し、感光ドラム14(後述)を露光する。
(3−2)プロセスユニット
(3−2−1)プロセスユニットの構成
プロセスユニット9は、スキャナユニット8の下側であって、転写ユニット10の上側に配置されており、1つの枠体の一例としてのプロセスフレーム12と、各色に対応する4つの現像ユニットの一例としての現像カートリッジ13とを備えている。また、プロセスユニット9は、本体ケーシング2に対して、前後方向にスライドすることにより、着脱自在に設けられている。
【0020】
プロセスフレーム12は、本体ケーシング2に対して、前後方向に沿ってスライド可能に設けられ、感光ドラム14、スコロトロン型帯電器15およびドラムクリーニングローラ16を支持している。
【0021】
感光ドラム14は、左右方向に沿って設けられ、前後方向に互いに間隔を隔てて、4つ並列配置されている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラック感光ドラム14K、イエロー感光ドラム14Y、マゼンタ感光ドラム14Mおよびシアン感光ドラム14Cが、順次配置されている。
【0022】
スコロトロン型帯電器15は、感光ドラム14の斜め後側上側に、感光ドラム14と間隔を隔てて対向配置されている。
【0023】
ドラムクリーニングローラ16は、感光ドラム14の後側において、感光ドラム14と対向して接触するように配置されている。
【0024】
各現像カートリッジ13は、各感光ドラム14に対応するように、感光ドラム14の上側において、プロセスフレーム12に着脱自在に設けられている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラック現像カートリッジ13K、イエロー現像カートリッジ13Y、マゼンタ現像カートリッジ13Mおよびシアン現像カートリッジ13Cが、順次配置されている。また、各現像カートリッジ13は、それぞれ、現像剤担持体の一例としての現像ローラ17を備えている。
【0025】
現像ローラ17は、後述するが、現像カートリッジ13の下端において、後側から露出されるように回転可能に支持されており、感光ドラム14に対して前上側から対向し、接触されている。
【0026】
なお、現像カートリッジ13は、現像ローラ17にトナーを供給する供給ローラ18、現像ローラ17に供給されたトナーの厚みを規制する層厚規制ブレード19を備え、それらの上側の空間には、各色に対応する現像剤の一例としてのトナーが収容されている。
(3−2−2)プロセスユニットでの現像動作
現像カートリッジ13内のトナーは、供給ローラ18に供給され、さらに、現像ローラ17に供給され、供給ローラ18と現像ローラ17との間で正極性に摩擦帯電される。
【0027】
現像ローラ17に供給されたトナーは、現像ローラ17の回転に伴って、層厚規制ブレード19によって厚さが規制され、一定厚さの薄層として現像ローラ17の表面に担持される。
【0028】
一方、感光ドラム14の表面は、感光ドラム14の回転に伴って、スコロトロン型帯電器15により一様に正帯電された後、スキャナユニット8からのレーザービーム(図1破線参照。)の高速走査により露光される。これにより、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が感光ドラム14の表面に形成される。
【0029】
感光ドラム14がさらに回転すると、現像ローラ17の表面に担持され、かつ、正帯電されているトナーが、感光ドラム14の表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム14の静電潜像は可視像化され、感光ドラム14の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
(3−3)転写ユニット
転写ユニット10は、本体ケーシング2内において、給紙部3の上側であって、プロセスユニット9の下側において、前後方向に沿って配置されている。この転写ユニット10は、駆動ローラ20、従動ローラ21、搬送ベルト22、および4つの転写ローラ23を備えている。
【0030】
駆動ローラ20および従動ローラ21は、前後方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0031】
搬送ベルト22は、各感光ドラム14に対して上下方向に対向し、その上側部分が各感光ドラム14と接触するように、駆動ローラ20および従動ローラ21の周りに巻回されている。また、搬送ベルト22は、駆動ローラ20の駆動により、各感光ドラム14と接触する搬送ベルト22の上側部分が前側から後側に向かって移動するように、周回移動されている。
【0032】
各転写ローラ23は、各感光ドラム14と、それぞれ搬送ベルト22の上側部分を挟んで対向するように、設けられている。
【0033】
そして、給紙部3から給紙された用紙Pは、搬送ベルト22によって、前側から後側に向かって、各感光ドラム14と各転写ローラ23とが対向する転写位置を順次通過するように搬送される。その搬送中に、各感光ドラム14に担持されている各色のトナー像が、用紙Pに順次転写され、カラー画像が形成される。
【0034】
なお、感光ドラム14から用紙Pへのトナー像の転写後に感光ドラム14の表面にトナーが残留する場合がある。その場合には、残留した廃トナーは、感光ドラム14の回転により、ドラムクリーニングローラ16と対向したときに、ドラムクリーニングローラ16に印加されるクリーニングバイアスによって、ドラムクリーニングローラ16に転写され、ドラムクリーニングローラ16に保持される。
(3−4)定着ユニット
定着ユニット11は、転写ユニット10の後側に配置され、加熱ローラ24、および加熱ローラ24に対向する加圧ローラ25を備えている。転写ユニット10において、用紙Pに転写されたカラー画像は、用紙Pが加熱ローラ24と加圧ローラ25との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって用紙Pに熱定着される。
(4)排紙
トナー像が定着した用紙Pは、各排紙ローラ26によって、図示しないUターンパスを通過するように搬送され、スキャナユニット8の上側に形成される排紙トレイ27上に排紙される。
2.プロセスユニットの詳細
(1)プロセスフレーム
プロセスフレーム12は、図2に示すように、前後方向に長手の平面視略矩形枠形状に形成されている。また、プロセスフレーム12は、左右1対の側板31を備えている。
【0035】
両側板31は、左右方向において互いに間隔を隔てて対向配置されている。両側板31は、図3(a)および(b)に示すように、前後方向に長手の略矩形状に形成されている。
【0036】
また、両側板31には、ガイド溝32が形成されている。
【0037】
なお、本実施形態では、アクチュエータ41および切替ボス42に関する構成は、左側の側板31にのみ設けられている。そこで、以下の説明において、側板31については、左側の側板31を詳細に説明し、右側の側板31についての説明を省略する。そして、左側の側板31を、単に側板31と記載する。
【0038】
ガイド溝32は、側板31の右面(左右方向内面)において、各感光ドラム14に対応するように、前後方向に等しい間隔を隔てて4つ形成されている。各ガイド溝32は、対応する感光ドラム14の前上側において、側板31の上側部分から後側斜め下側(以下、第1傾斜方向Xとし、図3中において、太い実線で示す。)に向かって延び、上側が開放された略U字形状に形成されている。
【0039】
詳しくは、側板31の右面には、各ガイド溝32を区画するように、前後1対のガイドリブ33が4対形成されている。
【0040】
両ガイドリブ33(以下、両ガイドリブ33の前後方向に言及するときには、前側のリブを前リブ33Fとし、後側のリブを後リブ33Bとする。)は、前後方向に互いに間隔を隔てて第1傾斜方向Xに沿って延びるとともに、右側に向かって突出形成されている。また、両ガイドリブ33の下端部は、感光ドラム14に対して、わずかに間隔を隔てて対向配置されている。
【0041】
前リブ33Fは、側板31の上側部分から、第1傾斜方向Xに沿って略一直線状に延び、その後、後側に向かって屈曲して、感光ドラム14の径方向に沿う方向(以下、第2傾斜方向Yとし、図3において、太い破線で示す。)に向かって延びている。
【0042】
後リブ33Bは、側板31の上側部分から第1傾斜方向Xに沿って略一直線状に延び、その後、ガイド溝32の溝幅(前リブ33Fと後リブ33Bとの前後方向間隔)をやや拡げるように、後側へ向かって膨出している。また、後リブ33Bの下端部は、前リブ33Fの下端部に対して、現像ローラ軸73(後述)の直径にほぼ相当する間隔を隔てて対向配置され、第2傾斜方向Yに沿って延びるように、形成されている。
【0043】
つまり、各ガイド溝32は、側板31の上側部分から第1傾斜方向Xに沿って延びる第1ガイド溝32Aと、第1ガイド溝32Aに連続して、第1ガイド溝32Aの下端部から第2傾斜方向Yに沿って延びる第2ガイド溝32Bとを備えている。
【0044】
また、前リブ33Fと、後リブ33Bの後側へ向かって膨出している部分との間には、カップリング穴37が形成されている。
【0045】
カップリング穴37は、後側へ向かうに従って下側へ傾斜するように延びる長穴であり、現像カートリッジ13のカップリング部材58(後述)を左側から露出させる。
【0046】
また、側板31の右面には、隣り合うガイド溝32間において、延設部34が設けられている。
【0047】
延設部34は、前後方向に沿って延び、後側のガイド溝32を形成する前リブ33Fの上端縁と、前側のガイド溝32を形成する後リブ33Bの上端縁とを連結している。延設部34の上面には、下側へ窪む凹部35が形成されている。
【0048】
また、側板31の右面には、押圧カム36、突出部材の一例としてのアクチュエータ41、および、切替部材の一例としての切替ボス42が設けられている。
【0049】
押圧カム36は、側板31の上端部において、各ガイド溝32に対応して、各延設部34に対して上側から隣接するように、4つ設けられている。
【0050】
押圧カム36は、側面視略扇形状をなしている。詳しくは、押圧カム36は、後上側へ向かって互いの間隔が広くなる1対の平面部分38と、両平面部分38の後側上端をつなぎ、後上側へ略円弧状に膨出する曲面部分39とを備えている。
【0051】
また、押圧カム36は、両平面部分38の前側下端同士の連結部分の近傍に、左右方向外側に延びる回動軸40を有している。回動軸40は、対応する側板31の左右方向内側面に支持されている。これにより、押圧カム36は、回動軸40を中心として回動自在に支持されている。そして、押圧カム36は、図示しない付勢部材によって、常には、左側面視反時計回りに付勢されている。
【0052】
アクチュエータ41は、後リブ33Bの上側において、現像カートリッジ13に対応するように、4つ設けられている。なお、アクチュエータ41は、略杆状に形成されており、一端部が側板31の右面から右側に突出され(図3(b)、図5(b)参照)、他端部が側板31の左面から左側に露出されるように(図3(a)参照)、側板31に回動自在に設けられている。なお、アクチュエータ41は、一端部に現像カートリッジ13の検知ギヤ63(後述)が当接されることにより回動されて、他端部が側板31の左面から突出される。
【0053】
切替ボス42は、アクチュエータ41の上側において、現像カートリッジ13に対応するように、側板31に4つ設けられ、側板31の右面から突出する略角柱形状に形成されている。また、切替ボス42は、現像カートリッジ13が画像形成位置(後述)に配置されているときには、現像カートリッジ13の検知ギヤ63(後述)に干渉せず、現像カートリッジ13が離間位置(後述)に配置されているときには、現像カートリッジ13の検知ギヤ63(後述)に干渉するように、アクチュエータ41の一端部よりも後側に配置されている。
(2)現像カートリッジ
現像カートリッジ13は、図1および図4(a)に示すように、フレーム51と、上記した現像ローラ17および供給ローラ18とを備えている。
【0054】
フレーム51は、左右方向に延び、後下側へ向かう頂角を有する側面視略二等辺三角形のボックス形状に形成されている。
【0055】
また、フレーム51は、その前側上端部において、取っ手52、および、左右1対のボス53を備えている。また、フレーム51には、その後側下端部において、開口部54が形成されている。
【0056】
取っ手52は、フレーム51の左右方向中央部において、左右方向に延びるとともに、フレーム51の上端部から上側に向かって膨出するように形成されている。
【0057】
ボス53は、フレーム51の左右両端面において、左右方向外側へ向かって突出する略円筒形状に形成されている。
【0058】
開口部54は、フレーム51の左右方向すべてにわたって、後方に向かって開放されるように形成されている。
【0059】
また、フレーム51は、駆動ユニット55を備えている。
【0060】
駆動ユニット55は、図4(a)および(b)に示すように、フレーム51の左端部に設けられ、駆動入力部の一例としてのカップリング部材58と、駆動伝達部の一例としてのギヤ列56と、ギヤカバー57とを備えている。
【0061】
カップリング部材58は、略円柱形状のカップリング雌部材であり、現像カートリッジ13の下側後端部に回転自在に設けられ、大径のギヤ部64と、ギヤ部64から左側へ同軸上に延びる小径のカップリング部65とを一体的に備えている。
【0062】
カップリング部65の左端部には、現像カートリッジ13が本体ケーシング2に装着されたときに、本体ケーシング2に設けられるカップリング雄部材(図示せず)が左方から連結され、本体ケーシング2に設けられる駆動源の一例としてのモータ81(図8参照)からの駆動力が入力される。
【0063】
ギヤ列56は、図4(b)および図7(a)に示すように、中継ギヤ61、アジテータギヤ62、および、情報ギヤの一例としての検知ギヤ63を備えている。
【0064】
中継ギヤ61は、カップリング部材58の上側において、大径の外歯と小径の内歯とが一体的に成形される2段ギヤとして形成され、その外歯においてカップリング部材58に上方から噛合されている。
【0065】
アジテータギヤ62は、中継ギヤ61の前上側に配置され、中継ギヤ61の内歯に前上側から噛合されている。アジテータギヤ62は、現像カートリッジ13内のトナーを攪拌するアジテータ(図示せず)の回転軸の左端部に相対回転不能に設けられている。
【0066】
検知ギヤ63は、欠歯ギヤであり、アジテータギヤ62の上側に配置されている。詳しくは、検知ギヤ63は、その周方向において、約4/5が、ギヤ歯を有し、約1/5が、ギヤ歯を有さない欠歯部分として形成されている。また、検知ギヤ63は、支持部67と、2つの当接部66とを備えている。
【0067】
支持部67は、検知ギヤ63の左面から左側に向かって突出される略筒形状に形成されており、検知ギヤ63の回転軸を中心とした側面視略半円形状の円弧部68と、その円弧部68の両端を連結し、検知ギヤ63の径方向に沿って、欠歯部分と反対側へ突出する角部69とを備えている。
【0068】
各当接部66は、検知ギヤ63の径方向略中央から径方向外側に向かって延びるとともに、支持部67の左端部から左側へ突出する略平板形状に形成されている。また、各当接部66は、検知ギヤ63の周方向において、支持部67の角部69を挟んで互いに略120°の間隔を隔てるように、配置されている。なお、当接部66の数や形状は、現像カートリッジ13の情報(新品であるか否かの情報、印刷可能枚数など)に対応している。
【0069】
そして、検知ギヤ63は、角部69が上側へ向かい、欠歯部分が下側へ向かうようにフレーム51に回転自在に設けられている。
【0070】
また、駆動ユニット55は、付勢部材の一例としてのコイルばね70を備えている。
【0071】
コイルばね70は、フレーム51の左端部から左側に突出する支持ボス71に巻回されており、その一端部が、フレーム51の左壁に固定され、その他端部が、検知ギヤ63の角部69に前上側から当接されている。これにより、コイルばね70は、常には、検知ギヤ63を左側面視反時計回りに付勢している。
【0072】
また、これにより、検知ギヤ63は、常には、左側面視において欠歯部分よりも後側のギヤ歯によって、アジテータギヤ62に噛合されており、ギヤ列56は、常には、駆動伝達可能な伝達状態となっている。
【0073】
ギヤカバー57は、図4(a)に示すように、カップリングカバー76および検知ギヤカバー77を備えている。
【0074】
カップリングカバー76は、ギヤカバー57の下端部において、カップリング部材58を囲むように、ギヤカバー57の左面から左側に向かって延びる略円筒形状に形成されている。
【0075】
検知ギヤカバー77は、検知ギヤ63を収容可能なように、ギヤカバー57の左面から左側に向かって延び、左端部が閉鎖された側面視略半円形の筒形状に形成されている。また、検知ギヤカバー77の後端部には、当接部66を露出させるための露出口72が開口されている。
【0076】
現像ローラ17は、フレーム51の下端部において、その後端部が開口部54から露出されるように、左右方向に沿って設けられている。また、現像ローラ17は、現像ローラ軸73を備えている。
【0077】
現像ローラ軸73は、現像ローラ17の軸心であって、現像ローラ17に左右方向に沿って挿通されている。現像ローラ軸73の左端部には、現像駆動ギヤ59が相対回転不能に設けられている。また、現像ローラ軸73の左右方向両端部には、カラー部材75がそれぞれ設けられている。
【0078】
カラー部材75は、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。また、カラー部材75の内径は、現像ローラ軸73の外径よりもやや大径に形成されている。そして、カラー部材75は、現像ローラ軸73に外嵌されている。
【0079】
供給ローラ18は、現像ローラ17の前方斜め上方に配置され、前方斜め上方から現像ローラ17に接触されている。また、供給ローラ18は、供給ローラ軸74を備えている。
【0080】
供給ローラ軸74は、供給ローラ18の軸心であって、供給ローラ18に左右方向に沿って挿通されている。供給ローラ軸74の左端部には、供給駆動ギヤ60が相対回転不能に設けられている。
【0081】
そして、現像ローラ軸73の左端部が、フレーム51の左端部に回転自在に支持されるとともに、現像ローラ軸73の右端部が、フレーム51の右端部に回転自在に支持されることにより、現像ローラ17は、フレーム51に回転自在に支持されている。また、現像駆動ギヤ59は、カップリング部材58のギヤ部64に下側から噛合されている。
【0082】
また、供給ローラ軸74の左端部が、フレーム51の左端部に回転自在に支持されるとともに、供給ローラ軸74の右端部が、フレーム51の右端部に回転自在に支持されることにより、供給ローラ18は、フレーム51に回転自在に支持されている。また、供給駆動ギヤ60は、カップリング部材58のギヤ部64に前下側から噛合されている。
3.現像カートリッジの本体ケーシングに対する着脱
(1)プロセスユニットに対する現像カートリッジの着脱
本体ケーシング2に現像カートリッジ13を装着するには、まず、プロセスフレーム12に現像カートリッジ13を装着する。
【0083】
プロセスフレーム12に現像カートリッジ13を装着するには、まず、現像カートリッジ13の取っ手52を把持し、現像カートリッジ13を、本体ケーシング2から引き出されたプロセスフレーム12の上側において、対応する感光ドラム14と前後方向で一致する位置に配置する。
【0084】
次いで、現像カートリッジ13を下降させて、プロセスフレーム12内に挿入する。
【0085】
すると、現像カートリッジ13がプロセスフレーム12内に挿入されるに従って、現像ローラ軸73の左端部が、左側の側板31の第1ガイド溝32Aに対して上側から嵌合されるとともに、現像ローラ軸73の右端部が、右側の側板31の第1ガイド溝32Aに対して上側から嵌合される。
【0086】
これにより、現像カートリッジ13は、現像ローラ軸73の左右方向両端部がガイド溝32の第1ガイド溝32Aにガイドされることによって、第1傾斜方向X(図3(b)参照)に沿って、下側に向かうに従ってやや後側に向かうように、プロセスフレーム12内に挿入される。
【0087】
その後、現像ローラ軸73の左右方向両端部がガイド溝32の第1ガイド溝32Aの下端部に到達した後、引き続き現像カートリッジ13をプロセスフレーム12内に挿入する。
【0088】
すると、現像ローラ軸73の左右方向両端部が、対応するガイド溝32の第2ガイド溝32Bにガイドされることによって、第2傾斜方向Y(図3(b)参照)に沿って、下側に向かうに従って後側に向かうように、第2ガイド溝32Bの最深部に案内される。
【0089】
これにより、現像カートリッジ13は、プロセスフレーム12から離脱可能な離脱位置に配置される。
【0090】
このとき、ボス53は、図5(a)に示すように、押圧カム36の曲面部分39に後側から当接している。
【0091】
すなわち、現像カートリッジ13は、ボス53が押圧カム36の曲面部分39によって押圧されることにより、その前端部が後上側に持ち上げられて後方に傾くように、プロセスフレーム12に保持されている。この状態において、現像カートリッジ13のカップリング部材58は、図6に示すように、プロセスフレーム12のカップリング穴37から露出されている。
【0092】
そのため、この状態(現像カートリッジ13が離脱位置に配置された状態)で、プロセスユニット9が本体ケーシング2内に装着されると、本体ケーシング2のカップリング雄部材(図示せず)がカップリング部材58に嵌合され、仮想線で示すように、モータ81からの駆動力の入力が可能となる。
【0093】
一方、上記したように現像カートリッジ13をプロセスフレーム12に装着する途中で、検知ギヤ63は、図5(a)および(b)に示すように、当接部66において、プロセスフレーム12の切替ボス42に上方から当接される。
【0094】
そして、現像カートリッジ13が下降するに従って、当接部66は、切替ボス42により上側に向かって押圧される。検知ギヤ63は、コイルばね70の付勢力に抗して左側面視時計回りに回動される。
【0095】
そして、現像カートリッジ13が離脱位置に配置されると、検知ギヤ63の欠歯部分がアジテータギヤ62に対向して、検知ギヤ63とアジテータギヤ62との噛合が解除される。検知ギヤ63とアジテータギヤ62との噛合が解除されると、ギヤ列56は、検知ギヤ63とアジテータギヤ62との間において、駆動力を伝達不能となる。すなわち、ギヤ列56は、現像カートリッジ13が離脱位置に配置されているときには、駆動力を伝達不能な伝達解除状態に切り替えられる。
【0096】
このとき、検知ギヤ63の当接部66は、プロセスフレーム12の切替ボス42に上側から当接されているので、切替ボス42により、切替ボス42よりも下側に配置されているアクチュエータ41への当接が規制されている。言い換えると、切替ボス42は、現像カートリッジ13が離脱位置に配置されているときに、当接部66とアクチュエータ41との間に配置され、当接部66のアクチュエータ41に対する当接を規制している。
【0097】
次いで、取っ手52を把持し、現像カートリッジ13を前側へ回動させる。
【0098】
すると、図7(a)に示すように、現像カートリッジ13が、現像ローラ軸73を中心として、前側へ回動し、ボス53は、押圧カム36を前側へ押圧して左側面視時計回り方向へ回動させながら、押圧カム36の下に入り込む。
【0099】
そして、ボス53が押圧カム36の下側へ入り込むと、押圧カム36は、ボス53に上方から係合し、付勢部材(図示せず)の付勢力により、ボス53を後下側へ向けて押圧する。
【0100】
このとき、現像カートリッジ13は、押圧カム36により後下側へ向けて押圧されるとともに、現像ローラ軸73が側板31の第2ガイド溝32Bにガイドされることにより、第2傾斜方向Yに沿って、対応する感光ドラム14に向かって前上側から圧接される。
【0101】
これにより、現像カートリッジ13が画像形成可能な画像形成位置に配置され、現像カートリッジ13のプロセスフレーム12に対する装着が完了する。なお、同様の手順によって、すべての現像カートリッジ13を、プロセスフレーム12に装着する。
【0102】
一方、上記したように現像カートリッジ13を前方へ回動させると、検知ギヤ63が切替ボス42から前側に向かって退避し、検知ギヤ63の切替ボス42に対する当接が解除される。
【0103】
すると、検知ギヤ63は、コイルばね70の付勢力により、左側面視反時計回りに回動される。
【0104】
そして、検知ギヤ63の回転方向(左側面視反時計回り方向)において、検知ギヤ63の欠歯部分よりも上流側のギヤ歯が、アジテータギヤ62に噛合すると、検知ギヤ63の回動が停止される。
【0105】
検知ギヤ63とアジテータギヤ62とが噛合されると、ギヤ列56は、検知ギヤ63とアジテータギヤ62との間において、駆動力を伝達可能となる。すなわち、ギヤ列56は、現像カートリッジ13が画像形成位置に配置されているときには、駆動力を伝達可能な伝達状態に切り替えられる。
【0106】
なお、現像カートリッジ13をプロセスフレーム12から離脱させる場合には、現像カートリッジ13をプロセスフレーム12に装着したときと逆の手順で操作する。
【0107】
つまり、まず、取っ手52を把持して現像カートリッジ13を後方へ向かって回動させる。次いで、取っ手52を把持して、現像カートリッジ13を上側に引き抜き、プロセスフレーム12から離脱させる。
(2)本体ケーシングに対するプロセスユニットの着脱
次いで、本体ケーシング2にプロセスユニット9(すべての現像カートリッジ13が装着されたプロセスフレーム12)を装着する。
【0108】
本体ケーシング2にプロセスユニット9を装着するには、プロセスユニット9を、後側に向かって、本体ケーシング2内に挿入する。
【0109】
そして、図1に示すように、プロセスユニット9が本体ケーシング2内に完全に挿入されると、各感光ドラム14が、搬送ベルト22に対して上から接触する。
【0110】
その後、フロントカバー5を後方に揺動させ、本体ケーシング2の内空間を閉鎖する。
【0111】
このようにして、プロセスユニット9の本体ケーシング2への装着が完了する。
【0112】
また、本体ケーシング2に装着されたプロセスユニット9を、本体ケーシング2から離脱させる場合には、フロントカバー5を前側に揺動させ、プロセスユニット9を前側へ引き出す。
(3)駆動伝達
プロセスユニット9が本体ケーシング2内に装着されると、図8に示すように、本体ケーシング2のカップリング雄部材(図示せず)がカップリング部材58に左側から嵌合され、モータ81からの駆動力がカップリング部材58に入力され、ウォーミングアップ動作が開始される。
【0113】
ウォーミングアップ動作において、カップリング部材58に入力された駆動力は、中継ギヤ61およびアジテータギヤ62を介して検知ギヤ63に伝達される。つまり、ギヤ列56は、カップリング部材58に入力された駆動力を伝達する。
【0114】
また、カップリング部材58に入力された駆動力は、現像駆動ギヤ59および供給駆動ギヤ60にそれぞれ伝達され、現像ローラ17と供給ローラ18とが回転される。
【0115】
そして、検知ギヤ63に駆動力が伝達されると、検知ギヤ63が左側面視反時計回りに回転されて、当接部66が、アクチュエータ41の一端部に上側から当接され、アクチュエータ41がプロセスフレーム12から突出される。
【0116】
そして、本体ケーシング2の光センサ(図示せず)によってアクチュエータ41の突出を検知し、その検知結果に基づいて、CPU(図示せず)により、現像カートリッジ13の使用状態に関する情報(新品であるか否かの情報、印刷可能枚数など)を判断する。すなわち、検知ギヤ63は、左側面視反時計回りに姿勢を変位させられることによって、現像カートリッジ13の使用状態に関する情報を示している。
【0117】
そして、検知ギヤ63は、左側面視反時計回りに所定量(ギヤ歯に対応した4/5回転)回転された後、欠歯部分がアジテータギヤ62と対向して、停止する。
4.作用効果
(1)このプロセスユニット9によれば、図5(a)および図7(a)に示すように、現像カートリッジ13が離脱位置に配置されているとき(図5(a)参照)には、切替ボス42が検知ギヤ63を押圧することにより、検知ギヤ63とアジテータギヤ62との噛合が解除されて、現像カートリッジ13のギヤ列56が、伝達解除状態に切り替えられる。また、現像カートリッジ13が離脱位置から画像形成位置に配置されると(図7(a)参照)、コイルばね70の付勢力により、検知ギヤ63とアジテータギヤ62とが噛合されて、現像カートリッジ13のギヤ列56が、伝達状態に切り替えられる。
【0118】
そのため、現像カートリッジ13が離脱位置に配置されているときに、現像カートリッジのカップリング部材58に駆動力が入力されたとしても、ギヤ列56において、駆動力の伝達を解除することができる。
【0119】
その結果、現像カートリッジ13が離脱位置に配置された状態で、現像カートリッジ13のカップリング部材58に駆動力が入力された場合に、現像カートリッジ13が損傷することを防止することができる。
(2)また、このプロセスユニット9によれば、図5(a)に示すように、切替ボス42により、ギヤ列56の検知ギヤ63を押圧して、確実に伝達解除状態に切り替えることができる。
(3)また、このプロセスユニット9によれば、図5(a)に示すように、検知ギヤ63を回動させることにより、ギヤ列56を伝達解除状態に切り替えることができる。
【0120】
そのため、検知ギヤ63を大きく移動させることなく、ギヤ列56を伝達解除状態に切り替えることができる。
(4)また、このプロセスユニット9によれば、図5(a)に示すように、検知ギヤ63は、コイルばね70によって、常には、アジテータギヤ62と噛合するように付勢されている。
【0121】
そのため、切替ボス42による検知ギヤ63への押圧を解除すれば、コイルばね70の付勢力によって、検知ギヤ63とアジテータギヤ62とを噛合させて、ギヤ列56を伝達状態に切り替えることができる。
【0122】
その結果、切替ボス42による検知ギヤ63への押圧が解除されたときに、ギヤ列56を、確実に、伝達状態に切り替えることができる。
(5)また、このプロセスユニット9によれば、図5(a)に示すように、ギヤ列56は、複数のギヤ(中継ギヤ61、アジテータギヤ62および検知ギヤ63)が互いに駆動伝達可能に噛合されており、切替ボス42は、アジテータギヤ62と検知ギヤ63との噛合を解除することにより、ギヤ列56を伝達解除状態に切り替える。
【0123】
そのため、切替ボス42によって検知ギヤ63とアジテータギヤ62との噛合を解除するという簡易な構成で、確実に、ギヤ列56を伝達解除状態に切り替えることができる。
(6)また、このプロセスユニット9によれば、図5(a)に示すように、切替ボス42は、検知ギヤ63とアジテータギヤ62との噛合を解除する。
【0124】
そのため、簡易な構成で、検知ギヤ63への駆動力の伝達を解除することができ、現像カートリッジ13が離脱位置に配置された状態で、現像カートリッジ13のカップリング部材58に駆動力が入力された場合に、検知ギヤ63の損傷を防止することができる。
(7)また、現像カートリッジ13が離脱位置に配置されているときには、現像カートリッジ13が画像形成位置に配置されているときと比べて、現像カートリッジ13に設けられている検知ギヤ63と、プロセスユニット9に設けられるアクチュエータ41との相対配置が変化している。
【0125】
そのため、現像カートリッジ13が離脱位置に配置されているときに、当接部66がアクチュエータ41に当接すると、アクチュエータ41が、異常な方向から押圧されて損傷する場合がある。
【0126】
そこで、このプロセスユニット9によれば、図5(b)に示すように、切替ボス42は、現像カートリッジ13が離脱位置に配置されているときに、検知ギヤ63の当接部66と、プロセスフレーム12のアクチュエータ41との間に配置され、当接部66のアクチュエータ41に対する当接を規制している。
【0127】
そのため、現像カートリッジ13が離脱位置に配置されているときにおける当接部66のアクチュエータ41に対する当接を、確実に防止することができる。
【0128】
その結果、現像カートリッジ13が離脱位置に配置されているときに、当接部66がアクチュエータ41に当接されて、アクチュエータ41が損傷することを防止することができる。
(8)また、このプロセスユニット9によれば、図1に示すように、互いに間隔を隔てて並列配置される複数の感光ドラム14と、各感光ドラム14に対応する現像カートリッジ13とを備えるタンデム型のプロセスユニット9において、現像カートリッジ13が離脱位置に配置された状態で、現像カートリッジ13のカップリング部材58に駆動力が入力された場合に、現像カートリッジ13の損傷を防止することができる。
(9)また、このカラーレーザプリンタ1によれば、上記したプロセスユニット9を備えているため、現像カートリッジ13が離脱位置に配置された状態で、モータ81からカップリング部材58に駆動力が入力されたとしても、現像カートリッジ13の損傷を防止することができる。
5.変形例
上記した実施形態では、現像カートリッジ13の検知ギヤ63を欠歯ギヤとして形成し、現像カートリッジ13をプロセスフレーム12に装着するときに、切替ボス42からの押圧によって検知ギヤ63を回動させることにより、検知ギヤ63の欠歯部分をアジテータギヤ62に対向させて、ギヤ列56を伝達状態から伝達解除状態に切り替えている。
【0129】
しかし、図9(a)および(b)に示すように、検知ギヤ92を左右方向にスライドさせることにより、ギヤ列56を伝達状態から伝達解除状態に切り替えるように構成してもよい。なお、変形例において、上記した実施形態と同様の部材については、その説明を省略する。
【0130】
詳しくは、検知ギヤ92は、左右方向(軸線方向)にスライド自在に設けられている。
【0131】
アジテータギヤ91は、検知ギヤ92が左側にスライドされたときに、検知ギヤ92に噛合し、検知ギヤ92が右側にスライドされたときに、アジテータギヤ91との噛合が解除されるように、配置されている。
【0132】
そして、検知ギヤ92は、付勢部材の一例としての圧縮ばね93により、常には、左側へ向かって付勢されている。
【0133】
切替ボス90は、現像カートリッジ13が離脱位置に配置されているときに、検知ギヤ92の回転軸に左側から当接するように配置されている。
【0134】
そして、現像カートリッジ13のプロセスフレーム12への装着において、まず、現像カートリッジ13が離脱位置に配置されると、切替ボス90が検知ギヤ92の回転軸に左側から当接し、検知ギヤ92が、圧縮ばね93の付勢力に抗して右側へスライドする。
【0135】
すると、検知ギヤ92とアジテータギヤ91との噛合が解除され、ギヤ列56が伝達解除状態に切り替えられる。
【0136】
次いで、現像カートリッジ13が画像形成位置に配置されると、切替ボス90の検知ギヤ92への当接が解除され、検知ギヤ92が、圧縮ばね93の付勢力により左側へスライドする。
【0137】
すると、検知ギヤ92とアジテータギヤ91とが噛合され、ギヤ列56が伝達状態に切り替えられる。
【0138】
変形例によれば、切替ボス90は、左側に向かって検知ギヤ92を押圧することにより、検知ギヤ92とアジテータギヤ91を伝達解除状態に切り替える。
【0139】
そのため、検知ギヤ92を左右方向にずらして、検知ギヤ92とアジテータギヤ91との噛合を、確実に解除することができる。
【0140】
その結果、検知ギヤ92の損傷を、より防止することができる。
【0141】
また、上記した実施形態では、検知ギヤ63とアジテータギヤ62との噛合を解除することにより、ギヤ列56を伝達状態から伝達解除状態に切り替えたが、ギヤ列56において、噛合を解除するギヤの組み合わせは特に限定されず、例えば、中継ギヤ61とアジテータギヤ62との噛合を解除するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0142】
1 カラーレーザプリンタ
9 プロセスユニット
12 プロセスフレーム
13 現像カートリッジ
14 感光ドラム
17 現像ローラ
41 アクチュエータ
42 切替ボス
56 ギヤ列
58 カップリング部材
62 アジテータギヤ
63 検知ギヤ
66 当接部
70 コイルばね
81 モータ
90 切替ボス
91 アジテータギヤ
92 検知ギヤ
93 圧縮ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体と、現像剤担持体を備え、前記枠体に対して着脱可能に設けられる現像ユニットとを備えるプロセスユニットであって、
前記現像ユニットは、前記枠体に保持された状態において、画像形成可能な画像形成位置と、前記枠体から離脱可能な離脱位置とに移動可能に設けられ、
駆動力が入力される駆動入力部と、
前記駆動入力部に入力された駆動力を伝達する駆動伝達部とを備え、
前記枠体は、前記駆動伝達部を、駆動力を伝達可能な伝達状態と、駆動力を伝達不能な伝達解除状態とに切り替える切替部材を備え、
前記駆動入力部には、前記現像ユニットが前記画像形成位置および前記離脱位置のいずれに配置されていても、駆動力の入力が可能であり、
前記切替部材は、
前記現像ユニットが前記画像形成位置に配置されているときには、前記駆動伝達部を前記伝達状態に切り替え、
前記現像ユニットが前記離脱位置に配置されているときには、前記駆動伝達部を前記伝達解除状態に切り替えることを特徴とする、プロセスユニット。
【請求項2】
前記切替部材は、前記現像ユニットが前記離脱位置に配置されているときに、前記駆動伝達部を、前記伝達解除状態に切り替えるように押圧することを特徴とする、請求項1に記載のプロセスユニット。
【請求項3】
前記切替部材は、前記駆動伝達部を回動させることにより、前記駆動伝達部を前記伝達解除状態に切り替えることを特徴とする、請求項2に記載のプロセスユニット。
【請求項4】
前記駆動伝達部が常には前記伝達状態となるように、前記駆動伝達部を付勢する付勢部材を備えることを特徴とする、請求項2または3に記載のプロセスユニット。
【請求項5】
前記駆動伝達部は、複数のギヤが互いに駆動伝達可能に噛合されるギヤ列であり、
前記切替部材は、前記ギヤ列の噛合を解除することにより、前記駆動伝達部を前記伝達解除状態に切り替えることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれかに記載のプロセスユニット。
【請求項6】
前記ギヤ列は、姿勢の変位によって前記現像ユニットの使用状態に関する情報を示す情報ギヤを備え、
前記切替部材は、前記情報ギヤと、前記ギヤ列の他のギヤとの噛合を解除することを特徴とする、請求項5に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項7】
前記情報ギヤは、前記現像ユニットの情報に対応する当接部を備えており、
前記枠体は、前記当接部が当接されることによって前記枠体から突出される突出部材を備えており、
前記切替部材は、前記現像ユニットが前記離脱位置に配置されているときに、前記当接部と前記突出部材との間に配置され、前記当接部の前記突出部材に対する当接を規制することを特徴とする、請求項6に記載のプロセスユニット。
【請求項8】
前記切替部材は、前記情報ギヤの回転軸の軸線方向に沿って、前記情報ギヤを押圧することにより、前記駆動伝達部を前記伝達解除状態に切り替えることを特徴とする、請求項6または7のいずれかに記載のプロセスユニット。
【請求項9】
前記枠体は、互いに間隔を隔てて並列配置される複数の感光体を保持し、
前記現像ユニットは、各前記感光体に対応するように複数設けられ、
前記切替部材は、各前記現像ユニットに対応するように複数設けられていることを特徴とする、請求項1ないし8のいずれかに記載のプロセスユニット。
【請求項10】
請求項1ないし9のいずれかに記載のプロセスユニットと、
前記駆動入力部に駆動力を入力する駆動源と
を備えることを特徴とする、画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−180273(P2011−180273A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−42724(P2010−42724)
【出願日】平成22年2月26日(2010.2.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】