説明

プロセス制御システム

【課題】分散型制御装置による制御からに多変数モデル予測制御装置による制御への切り替えを、1制御周期の欠落もなく実行することができるプロセス制御システムを実現する。
【解決手段】プロセス出力値を共通に入力する分散型制御装置と多変数モデル予測制御装置とを、双方のステータス変更操作により切り替える機能を有し、分散型制御装置が稼動するスタンドバイモードのステータスから多変数モデル予測制御装置が稼動するコントロールモードのステータスに切り替える際に、多変数モデル予測制御装置は、所定の制御周期で分散型制御装置と多変数モデル予測制御装置に設定されているステータスの読み込み処理と、双方のステータスをコントロールモードに一致させるステータス等値化処理と、プロセスの制御演算処理と、演算結果を分散型制御装置側に渡す書き込み処理とを制御周期の期間中に少なくとも1回の追加ステータス等値化処理を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセス出力値を共通に入力する分散型制御装置(以下、DCS:Distributed Control System)と多変数モデル予測制御装置(以下、MOC:Multivariable Optimizing Controller)とを双方のステータス変更操作により切り替える機能を有し、前記DCSが稼動するスタンドバイモードのステータスから前記MOCが稼動するコントロールモードのステータスに切り替える際に、前記MOCは、所定の制御周期で前記DCSとMOCに設定されているステータスの読み込み処理と、双方のステータスをコントロールモードに一致させるステータス等値化処理と、プロセスの制御演算処理と、演算結果を前記DCS側に渡す書き込み処理とを実行するプロセス制御システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
MOCを適用したプロセスの高度制御システムに関しては、特許文献1及び非特許文献1に詳細な技術開示がある。本発明は、DCSとMOCとを、双方のステータス変更操作により切り替えて稼動させるプロセスを制御システムに適用される。
【0003】
図4は、ステータス変更操作でDCS20が稼動するスタンドバイモードでのプロセス制御システムの構成例を示す機能ブロック図である。MOC10はステータス変更操作部11を備え、DCS20はステータス変更操作部21を備える。両者はプロセス30のフィールド機器(図示せず)にアクセスし、プロセス量の測定や操作を実行する。
【0004】
図4に示した構成は、MOC10及びDCS20のステータス変更操作部11及び21が共にスタンドバイモードに設定され、DCS20側がプロセス30アクセスして制御を実行し、MOC10側は待機状態(スタントバイ)であることを示している。
【0005】
DCS20は、2組のカスケード制御系でプロセス30を制御している。PID制御を実行する一次コントローラPID1は、I/O1を介して取得するプロセス30の測定値PV1と設定値SV1に基づく制御演算出力を、二次ントローラPID2にカスケード設定値SET1として渡す。
【0006】
二次コントローラPID2は、I/O2を介して取得するプロセス30の測定値PV2とカスケード設定値SET1に基づく制御演算出力MV1をI/O2を介してプロセス30に出力する。
【0007】
同様に、PID制御を実行する一次コントローラPID3は、I/O4を介して取得するプロセス30の測定値PV3と設定値SV2に基づく制御演算出力を、二次コントローラPID4にカスケード設定値SET2として渡す。
【0008】
二次コントローラPID4は、I/O5を介して取得するプロセス30の測定値PV4とカスケード設定値SET2に基づく制御演算出力MV2をI/O6を介してプロセス30に出力する。
【0009】
I/O1を介して取得するプロセス30の測定値PV1とI/O4を介して取得するプロセス30の測定値PV3は、MOC10にプロセス出力値POV1及びPOV2として入力されている。
【0010】
MOC10は、プロセス出力値POV1及びPOV2に対するコントロール値CV1及びCV2を入力し、プロセスモデルによる最適予測演算を実行した制御演算出力である操作量MV1及びMV2を生成し、ステータスがコントロールモードに変更された場合には、DCS20の二次コントローラPID2及びPID4にリモートカスケード設定値として出力する。
【0011】
図5は、MOC10が稼動するコントロールモードでのプロセス制御システムの構成例を示す機能ブロック図である。このコントロールモードでは、DCS20側の一次コントローラPID1、PID3は稼動せず、二次コントローラPID2及びPID4のみが稼動する。
【0012】
MOC10は、プロセス出力値POV1,POV2及びコントロール値CV1,CV2を入力しプロセスモデルによる最適予測演算を実行した制御演算出力である操作量MV1及びMV2を生成し、DCS20の二次コントローラPID2及び二次コントローラPID4にリモートカスケード設定値RSV1及びRSV2として出力(書きこむ)する。
【0013】
即ち、コントロールモードでは、DCS20の二次コントローラPID2及びPID4は、MOC10側からリモートカスケード設定値RSV1及びRSV2を取得するリモートカスケード制御系となる。
【0014】
図6は、スタンドバイモード及びコントロールモードでのプロセス制御システムの基本構成を示す機能ブロック図である。図6(A)のスタンドバイモードでは、二次コントローラPID2は、DCSの一次コントローラPID1の制御演算出力をカスケード設定値SET1とするカスケード制御を実行する。
【0015】
図6(B)のコントロールモードでは、二次コントローラPID2は、MOCの制御演算出力である操作量MV1をリモートカスケード設定値RSV1とするリモートカスケード制御を実行する。
【0016】
このように、MOC10による制御とDCS20による制御は切り替えて用いられる。通常、MOC10のステータスをステータス変更操作部11の操作監視画面でオペレータが手動でスタンドバイ/コントロールを変更設定することで、これらの制御モードを切り替える。
【0017】
MOC10のステータスをスタンドバイからコントロールに変更した場合には、DCS20による制御からMOC10による制御への切り替えが発生する。逆に、コントロールからスタンドバイに変更した場合には、MOC10による制御からDCS20による制御への切り替えが発生する。
【0018】
これらの切り替えは、DCS20側の二次コントローラPID2,PID4のモードを変更することで対応する。例えばオペレータが手動で変更するパラメータ名を以下のようにモードを変更する。
【0019】
(a)パラメータ名:ステータス変更操作部11の操作監視画面の要求ステータスの値、またはDCS20で定義された要求ステータスの値
(b)値:スタンドバイまたはコントロール
【0020】
上記の変更をトリガーとして、DCS20側のロジックによって自動的に変更されるパラメータ名及び値は、
(a)パラメータ名:二次コントローラPID2,PID4のモード
(b)値:コントロールの場合はリモートカスケード(RCAS)、スタンドバイの場合はカスケード(CAS)
である。
【0021】
DCS20による制御からMOC10による制御への切り替え処理の手順を説明する。
(1)MOC20のステータスはスタンドバイの状態にある。
(2)オペレータがステータス変更操作部11の操作監視画面からステータスをコントロールに変更設定する。
【0022】
(3)MOC10の実行機能が、所定の制御周期において、DCS20側のステータス変更操作部21に設定されている要求ステータスの値を読み込んでこの値をコントロールに設定する。(読みこみ処理/ステータス等値化処理)
【0023】
(4)DCS20側の要求ステータスの値がコントロールに変更されることによって、DCS20のロジックにより自動的に二次コントローラPID2,PID4のモードがリモートカスケードに切り替わる。この切り替えに要する時間は、DCS20の環境に依存する。
【0024】
(5)MOC10の制御演算出力である操作量MV1、MV2を、DCS20側の二次コントローラPID2,PID4にリモートカスケード設定値RSV1、RSV2として出力する。(制御演算処/書きこみ処理)
【0025】
図7は、所定の制御周期で実行されるスタンドバイモードからコントロールモードへの切り替え操作の、従来手法による処理を示すタイムチャートである。MOC10の実行機能は、あらかじめ定義された所定の周期Tを有する制御周期T1,T2,T3,…Tn毎に、読みこみ処理S1,ステータス等値化S2,制御演算処理S3,書きこみ処理S4を実行する。制御周期と制御周期の間では、処理は一切行わない。
【0026】
処理S1乃至S4の内容を(a)乃至(d)に示す。
(a)読みこみ処理S1:DCS20側のステータス情報及びプロセスデータの現在値を取得する処理。
(b)ステータス等値化処理S2:MOC10側のステータス変更操作部11に設定したステータス変更内容を、DCS20側のステータス変更操作部22の設定に反映させる処理。
(c)制御演算処理S3:取得したプロセスデータを用いて、制御演算し適切な制御が実現されるように操作量を生成する処理。
(d)書きこみ処理S4:制御演算によって得られた操作量MV1,MV2をDCS20側二次コントローラPID2,PID4にリモートカスケード設定値RSV1、RSV2として出力する処理。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0027】
【特許文献1】特開2010−079464号公報
【非特許文献1】横河技報Vol47 No.4(2003) P137-140「高度制御パッケージExasmocR3とExarqeの機能連携による超脱硫プロセスへの高度制御への適用」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
従来構成のプロセス制御システムでは、書き込み処理S4において、MOC10が制御演算結果である操作量MV1及びMV2を出力しても、そのタイミングにおいてDCS20側の二次コントローラPID2,PID4のモードがそれを受け付ける状態(RCASモード)でなければ、MOC10の操作量MV1,MV2は無視されてしまう。
【0029】
上記の(4)に示したように、DCS20側の要求ステータスがコントロールに変更されることによって、DCS20のロジックにより自動的に二次コントローラPID2,PID4のモードがリモートカスケードに切り替わるが、この切り替えに要する時間は、DCS20の環境に依存するので、操作量MV1,MV2を受け付けつことができずに無視が発生する可能性を完全に回避することができない。
【0030】
一般に、MOCとの接続対象であるDCSの環境は各社様々であり、この処理に要する時間も様々である。それでも、どのようなケースにおいても、DCSによる制御からMOCによる制御への切り替えを1制御周期の欠落もなく実現する制御をユーザより求められている。
【0031】
本発明の目的は、DCSによる制御からMOCによる制御への切り替えを1制御周期の欠落もなく実行することができるプロセス制御システムを実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0032】
このような課題を達成するために、本発明は次の通りの構成になっている。
(1)プロセス出力値を共通に入力する分散型制御装置と多変数モデル予測制御装置とを双方のステータス変更操作により切り替える機能を有し、前記分散型制御装置が稼動するスタンドバイモードのステータスから前記多変数モデル予測制御装置が稼動するコントロールモードのステータスに切り替える際に、前記多変数モデル予測制御装置は、所定の制御周期で前記分散型制御装置と多変数モデル予測制御装置に設定されているステータスの読み込み処理と、双方のステータスをコントロールモードに一致させるステータス等値化処理と、プロセスの制御演算処理と、演算結果を前記分散型制御装置側に渡す書き込み処理とを実行するプロセス制御システムにおいて、
前記制御周期の期間中に少なくとも1回の追加ステータス等値化処理を実行することを特徴とするプロセス制御システム。
【0033】
(2)プロセス出力値を共通に入力する分散型制御装置と多変数モデル予測制御装置とを双方のステータス変更操作により切り替える機能を有し、前記分散型制御装置が稼動するスタンドバイモードのステータスから前記多変数モデル予測制御装置が稼動するコントロールモードのステータスに切り替える際に、前記多変数モデル予測制御装置は、所定の制御周期で前記分散型制御装置と多変数モデル予測制御装置に設定されているステータスの読み込み処理と、双方のステータスをコントロールモードに一致させるステータス等値化処理と、プロセスの制御演算処理と、演算結果を前記分散型制御装置側に渡す書き込み処理とを実行するプロセス制御システムにおいて、
前記制御周期の期間中に、前回の制御周期のタイミングにおける前記書き込み処理を、前記タイミングより所定時間シフトさせて実行することを特徴とするプロセス制御システム。
【0034】
(3)前記シフトされる書き込み処理は、前回の制御周期のタイミングで前記多変数モデル予測制御装置から前記分散型制御装置に渡される制御演算結果を前記分散型制御装置が読み込み処理に要する時間を経過した後に実行されることを特徴とする(2)に記載のプロセス制御システム。
【0035】
(4)前記制御周期の期間中に、少なくとも1回の追加ステータス等値化処理を実行することを特徴とする(2)または(3)に記載のプロセス制御システム。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、次のような効果を期待することができる。
(1)制御周期の途中でステータス等値化処理を追加して実行することにより、DCSによる制御からMOCによる制御への切り替えを、1制御周期の欠落もなく実現することが可能である。
【0037】
(2)各制御周期において書き込み処理を制御周期のタイミングより所定時間シフトさせて実行することにより、DCSによる制御からMOCによる制御への切り替えを、1制御周期の欠落もなく実現することが可能である。
【0038】
(3)各制御周期において書き込み処理を制御周期のタイミングより所定時間シフトさせて実行する処理に加えて、制御周期の途中でステータス等値化処理を追加して実行することにより、DCSによる制御からMOCによる制御への切り替えを、1制御周期の欠落もなく実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】所定の制御周期で実行される、スタンドバイモードからコントロールモードへの切り替え操作の本発明による処理の一実施例を示すタイムチャートである。
【図2】所定の制御周期で実行される、スタンドバイモードからコントロールモードへの切り替え操作の本発明による処理の他の実施例を示すタイムチャートである。
【図3】所定の制御周期で実行される、スタンドバイモードからコントロールモードへの切り替え操作の本発明による処理の更に他の実施例を示すタイムチャートである。
【図4】分散型制御装置が稼動するスタンドバイモードでのプロセス制御システムの構成例を示す機能ブロック図である。
【図5】多変数モデル予測制御装置が稼動するコントロールモードでのプロセス制御システムの構成例を示す機能ブロック図である。
【図6】スタンドバイモード及びコントロールモードでのプロセス制御システムの基本構成を示す機能ブロック図である。
【図7】所定の制御周期で実行されるスタンドバイモードからコントロールモードへの切り替え操作の、従来手法による処理を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下本発明を、図面を用いて詳細に説明する。図1は、所定の制御周期で実行される、スタンドバイモードからコントロールモードへの切り替え操作の本発明による処理の一実施例を示すタイムチャートである。図7で説明した従来構成のタイムチャートと同一要素には同一符号を付して説明を省略する。
【0041】
本発明の特徴部は、制御周期と次の制御周期の間にステータス等値化処理を追加する構成にある。図1において、制御周期T1と制御周期T2の間で、制御周期T1のタイミングから所定時間τ1後に追加のステータス等値化処理S21を実行し、必要に応じて更に所定時間τ1後に追加のステータス等値化処理S22を実行する。
【0042】
MOC10の実行機能において、この間隔τ1をステータスステータス等値化処理間隔とする。この間隔τ1と追加実行するステータス等値化処理の回数は、ユーザが任意に設定可能である。
【0043】
例えば、制御周期T1とT2の間でMOC10のステータス変更操作部11の操作監視画面からのステータス変更が発生した場合には、本処理によって、次の制御周期T2より前に追加のステータス等値化処理により、DCS20の要求ステータス設定がコントロールに変更設定される。
【0044】
これにより、DCS20のロジックによって自動的に二次コントローラPID2、PID4のモードがリモートカスケード制御に切り替わる。そして、次の制御周期T2のタイミングにおいて、MOC10の操作量MV1,MV2がDCS20の二次コントローラPID2、PID4に書き込まれて受け付けられる。
【0045】
図2は、所定の制御周期で実行される、スタンドバイモードからコントロールモードへの切り替え操作の本発明による処理の他の実施例を示すタイムチャートである。この処理の特徴は、従来構成では制御周期毎に実行されていた書き込み処理を、その制御周期のタイミングより所定時間シフトさせて実行する構成にある。
【0046】
図2において、制御周期T1から制御周期T2までの期間Tの間で、従来構成では制御周期T1のタイミングで実行していた書き込み処理S4を、T1のタイミングより所定時間τ2だけシフト(遅らせて)させて実行する。
【0047】
このシフト時間τ2は書きこみ待機時間であり、MOC10からDCS20に渡される制御演算結果をDCS20が読み込み処理に要する時間より長く設定される。この設定時間もユーザが任意に設定可能である。
【0048】
図1の実施例では、例えば制御周期T2の直前にステータスが変更された場合には、制御周期T2のタイミングでの切り替えに対応できない可能性がある。図2の実施例によれば、制御周期T2の直前に、MOCのステータス変更操作部11の操作監視画面からのステータス変更が発生した場合でも、制御周期T2のタイミングよりシフト時間τ2後に書き込み処理S4を実行することにより、制御周期T2における読みこみ処理/ステータス等値化処/制御演算処理によって、DCSの要求ステータスはコントロールモードに設定される。
【0049】
これにより、DCS20のロジックによって自動的に二次コントローラPID2、PID4のモードがリモートカスケード制御に切り替わる。そして、次の制御周期T2のタイミングからシフト時間τ2後にMOC10の操作量MV1,MV2がDCS20の二次コントローラPID2、PID4に書き込まれて受け付けられる。
【0050】
図3は、所定の制御周期で実行される、スタンドバイモードからコントロールモードへの切り替え操作の本発明による処理の更に他の実施例を示すタイムチャートである。この実施例の特徴は、書き込み処理S4を所定時間シフトして実行する図2の実施例の構成に追加して、図1に示した追加の等値化処理S21、S22を少なくとも1回実施する構成にある。
【0051】
このように、書き込み処理のシフトと追加の等値化処理を融合して実行させることで、全ての場合において、DCSによるスタンドバイモードからMOCによるコントロールモードへの切り替えを1制御周期の欠落もなく実現することができる。
【0052】
以上説明した本発明の実施例では、DCSによるスタンドバイモードからMOCによるコントロールモードへの切り替え時に発生する課題解決を提供している。逆に、MOCによるコントロールモードからDCSによるスタンドバイモードへの切り替え操作では、MOC10からの操作量MV1,MV2はDCS20側では使用されず、また、MOC10の機能としても操作量はDCS20側に出力しないので、これをDCS20側が受け付けてくれないという問題は本質的に発生しない。
【符号の説明】
【0053】
10 多変数モデル予測制御装置(MOC)
11 ステータス変更操作部
20 分散型制御装置(DCS)
21 ステータス変更操作部
30 プロセス
S1 読み込み処理
S2 ステータス等値化処理
S21,S22 追加ステータス等値化処理
S3 制御演算処理
S4 書き込み処理

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセス出力値を共通に入力する分散型制御装置と多変数モデル予測制御装置とを双方のステータス変更操作により切り替える機能を有し、前記分散型制御装置が稼動するスタンドバイモードのステータスから前記多変数モデル予測制御装置が稼動するコントロールモードのステータスに切り替える際に、前記多変数モデル予測制御装置は、所定の制御周期で前記分散型制御装置と多変数モデル予測制御装置に設定されているステータスの読み込み処理と、双方のステータスをコントロールモードに一致させるステータス等値化処理と、プロセスの制御演算処理と、演算結果を前記分散型制御装置側に渡す書き込み処理とを実行するプロセス制御システムにおいて、
前記制御周期の期間中に少なくとも1回の追加ステータス等値化処理を実行することを特徴とするプロセス制御システム。
【請求項2】
プロセス出力値を共通に入力する分散型制御装置と多変数モデル予測制御装置とを、双方のステータス変更操作により切り替える機能を有し、前記分散型制御装置が稼動するスタンドバイモードのステータスから前記多変数モデル予測制御装置が稼動するコントロールモードのステータスに切り替える際に、前記多変数モデル予測制御装置は、所定の制御周期で前記分散型制御装置と多変数モデル予測制御装置に設定されているステータスの読み込み処理と、双方のステータスをコントロールモードに一致させるステータス等値化処理と、プロセスの制御演算処理と、演算結果を前記分散型制御装置側に渡す書き込み処理とを実行するプロセス制御システムにおいて、
前記制御周期の期間中に、前回の制御周期のタイミングにおける前記書き込み処理を、前記タイミングより所定時間シフトさせて実行することを特徴とするプロセス制御システム。
【請求項3】
前記シフトされる書き込み処理は、前回の制御周期のタイミングで前記多変数モデル予測制御装置から前記分散型制御装置に渡される制御演算結果を前記分散型制御装置が読み込み処理に要する時間を経過した後に実行されることを特徴とする請求項2に記載のプロセス制御システム。
【請求項4】
前記制御周期の期間中に、少なくとも1回の追加ステータス等値化処理を実行することを特徴とする請求項2または3に記載のプロセス制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−113539(P2012−113539A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−262421(P2010−262421)
【出願日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】