説明

ヘキサミジン組成物を用いた哺乳類のケラチン組織の調整

本発明は、哺乳類のケラチン組織の状態を調整するための方法に関するが、この方法は各々が、こうした処置を必要とする哺乳類のケラチン組織に、安全且つ有効な量のスキンケア組成物を局所的に適用する工程を含み、このスキンケア組成物は、
a)ヘキサミジン、その塩及び誘導体から成る群から選択される安全且つ有効な量のヘキサミジン化合物と、
b)糖アミン、ビタミンB3、レチノイド、ペプチド、フィトステロール、ブチル化ヒドロキシトルエン及びブチル化ヒドロキシアニソール、これらの誘導体、及びこれらの組合せから成る群から選択される安全且つ有効な量のスキンケア活性物質と、
c)ヘキサミジン及びスキンケア活性物質のための皮膚科学的に許容可能なキャリアとを含む。
追加の実施形態では、上記の組成物は、目の下の黒い隈、腫れた目、弛み、血色の悪さ並びに、クモの巣状血管及び/又は皮膚の赤斑を予防、抑制、及び/又は処置するため、皮膚の剥離、剥脱、及び/又は代謝回転を促進するため、毛穴の大きさの外観を調整及び/又は減少させるため、日焼けを予防/抑制するため、脂っぽい/テカテカした外観を調整するため、哺乳類の皮膚の色素沈着を予防、抑制、及び/又は処置するため、哺乳類の皮膚のかゆみを予防、抑制、及び/又は処置するため、皮膚の乾燥を予防、抑制、及び/又は処置するため、細い線及びしわを予防、抑制、及び/又は処置するため、哺乳類の皮膚の皮膚萎縮を予防、抑制、及び/又は処置するため、哺乳類の唇、毛髪、及び爪を軟らかくするため及び/又は滑らかにするため、並びに哺乳類の皮膚のセルライトが現れることを予防、抑制、及び/又は処置するために好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スキンケア活性物質、特にヘキサミジン及びその塩と、糖アミン、ビタミンB3、レチニルプロピオネート、ペプチド、フィトステロール、並びにブチル化ヒドロキシトルエン及びブチル化ヒドロキシアニソールなどの他のスキンケア活性物質とを組合せて含有する局所的に適用する組成物に関する。このような組成物は、定義されたヘキサミジン組成物を用いて哺乳類のケラチン組織の状態を調整するのに有用であるが、この方法には、a)目の下の黒い隈及び腫れた目が現れることを予防、抑制、及び/又は処置することと、b)哺乳類の皮膚の血色の悪さを予防、抑制、及び/又は処置することと、c)哺乳類の皮膚の日焼けを予防及び/又は抑制することと、d)哺乳類の皮膚の剥離、剥脱、及び/又は代謝回転を増加することと、e)哺乳類の皮膚の毛穴の大きさを調整及び/又は減少させることと、f)哺乳類の皮膚の脂っぽい及び/又はテカテカした外観を調整することと、g)炎症後の色素沈着のような色素沈着を予防、抑制、及び/又は処置することと、h)哺乳類の皮膚のセルライトが現れることを予防、抑制、及び/又は処置することと、i)哺乳類の皮膚上のクモの巣状血管及び/又は赤斑が現れることを予防、抑制、及び/又は処置することと、j)哺乳類の唇、毛髪及び爪を軟らかくすること及び/又は滑らかにすることと、k)哺乳類の皮膚のかゆみを予防、抑制、及び/又は処置することと、l)哺乳類の皮膚の細い線及び/又はしわが現れることを予防、抑制、及び/又は処置することと、m)哺乳類の皮膚の弛みが現れることを予防、抑制、及び/又は処置することと、n)哺乳類の皮膚の皮膚萎縮を予防、抑制、及び/又は処置することと、o)皮膚の乾燥を予防、抑制、及び/又は処置することが挙げられる。これらの方法は、特定のヘキサミジン組成物を含有する組成物の、こうした処置を必要とする哺乳類の皮膚への局所的な適用により達成される。
【背景技術】
【0002】
最近では、皮膚、毛髪、及び爪のようなケラチン組織の健康及び物理的外観を改善することを目的とする、消費者が入手できる多数のパーソナルケア製品がある。これらの製品の多くは、通常は皮膚の老化又はヒトの皮膚の環境による損傷に関連する皮膚のしわ及びその他の組織構造の変化を遅らせること、最小にすること、又は更には除去することさえも目的としている。しかしながら、皮膚の弛み又は血色の悪さ(これは経年的皮膚の老化により生じ、顔及びその他の身体部位上に生じる)の予防又は処置に効果を証明した製品はない。
【0003】
哺乳類のケラチン組織、特にヒトの皮膚は、外部要因及び内部要因の両方による様々な損傷を受ける。このような外部要因としては、紫外線放射、環境汚染、風、熱、赤外線放射、低湿度、強い界面活性剤、研磨剤などが挙げられる。一方、内部要因としては、経年的老化及び皮膚内部のその他の生化学的変化が挙げられる。外部又は内部にかかわらず、これらの要因が皮膚損傷の目に見える症候をもたらす。典型的な皮膚の損傷には、加齢にしたがって自然に生じる皮膚の薄化が含まれる。このような菲薄化により、皮膚に供給する細胞及び血管が減少し、並びに、真皮−表皮接合点の平滑化が起こり、この接合点の機械抵抗を弱小化する結果となる。例えば、オイカリネン(Oikarinen)著、「皮膚の老化:経年的老化対光老化(The Aging of Skin:Chronoaging Versus Photoaging)」、Photodermatol.Photoimmunol.Photomed.,第7巻、3〜4頁、1990年を参照のこと。老化した又は損傷した皮膚に見られるその他の損傷又は変化には、細かい筋、皺、色素沈着、血色の悪さ、弛み、目の下の黒い隈、腫れた目、拡大した毛穴、代謝回転速度の低下、及び異常な剥離又は剥脱が挙げられる。外部要因及び内部要因の両方の結果として被る追加の損傷には、目に見える死んだ角質(即ち、剥脱、鱗屑状の剥がれ、乾燥、荒れ)が挙げられる。
【0004】
そのため、これらのケラチン組織の状態を治療することを求める製品及び方法への要求がある。
【0005】
理論に束縛されるものではないが、特定のヘキサミジン組成物は、皮膚の弛み及び/又は血色の悪さの進行を予防すること、既存の皮膚の弛み及び/又は血色の悪さを改善することの両方が可能であることが見出された。特定のヘキサミジン組成物は、ケラチン組織の細胞及び細胞外の構成成分、特に、ケラチン、コラーゲン、及びエラスチンなどのタンパク性構成成分、並びにこうした組織の細胞膜を安定化できることもまた見出された。ヘキサミジン処理したタンパク質及び細胞はより強くなり、より耐性になり、より高程度の上記の損傷原因に耐えることができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
その結果として、本出願者らは意外にも、特定のヘキサミジン組成物を含有する局所的に適用する組成物が、ケラチン組織状態の予防的処置並びに、治療的処置を提供するために用いられてもよいことを見出した。例えば、本出願者らはこうした組成物が、目の下の黒い隈、腫れた目、皮膚の弛み、血色の悪さ並びに、クモの巣状血管及び/又は赤斑を予防、抑制、及び/又は処置するため、皮膚の剥離、剥脱、及び/又は代謝回転を促進するため、毛穴の大きさの外観を調整及び/又は減少させるため、日焼けを予防/抑制するため、脂っぽい/テカテカした外観を調整するため、哺乳類の皮膚の色素沈着(炎症後の色素沈着、しみのような色斑など)を予防、抑制、及び/又は処置するため、哺乳類の皮膚のかゆみを予防、抑制、及び/又は処置するため、皮膚の乾燥を予防、抑制、及び/又は処置するため、細い線及びしわを予防、抑制、及び/又は処置するため、哺乳類の皮膚の皮膚萎縮を予防、抑制、及び/又は処置するため、哺乳類の唇、毛髪、及び爪を軟らかくするため及び/又は滑らかにするため、並びに哺乳類の皮膚のセルライトが現れることを予防、抑制、及び/又は処置するために有用である可能性があることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、哺乳類のケラチン組織の状態を調整するための方法に関するが、この方法は各々が、こうした処置を必要とする哺乳類のケラチン組織に、安全且つ有効な量のスキンケア組成物を局所的に適用する工程を含み、このスキンケア組成物は、
a)ヘキサミジン、その塩及び誘導体から成る群から選択される安全且つ有効な量のヘキサミジン化合物と、
b)糖アミン、ビタミンB3、レチノイド、ペプチド、フィトステロール、ブチル化ヒドロキシトルエン及びブチル化ヒドロキシアニソール、これらの誘導体、及びこれらの組合せから成る群から選択される安全且つ有効な量の1以上のスキンケア活性物質と、
c)ヘキサミジン及びスキンケア活性物質のための皮膚科学的に許容可能なキャリアとを含む。
【0008】
追加の実施形態では、上記の組成物は、目の下の黒い隈、腫れた目、弛み、血色の悪さ並びに、クモの巣状血管及び/又は皮膚の赤斑を予防、抑制、及び/又は処置するため、皮膚の剥離、剥脱、及び/又は代謝回転を促進するため、毛穴の大きさの外観を調整及び/又は減少させるため、日焼けを予防/抑制するため、脂っぽい/テカテカした外観を調整するため、哺乳類の皮膚の炎症後の色素沈着のような色素沈着を予防、抑制、及び/又は処置するため、哺乳類の皮膚のかゆみを予防、抑制、及び/又は処置するため、皮膚の乾燥を予防、抑制、及び/又は処置するため、細い線及びしわを予防、抑制、及び/又は処置するため、哺乳類の皮膚の皮膚萎縮を予防、抑制、及び/又は処置するため、哺乳類の唇、毛髪、及び爪を軟らかくするため及び/又は滑らかにするため、並びに哺乳類の皮膚のセルライトが現れることを予防、抑制、及び/又は処置するために好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本明細書で使用する百分率及び比率は全て総組成物の重量によるものであり、測定は全て、特に指示がない限り、25℃で行われる。
【0010】
本発明の組成物は、本明細書に記載された必須構成成分並びに任意成分を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなることができる。本明細書で使用する時、用語「から本質的になる」は、組成物又は構成成分が追加の成分を包含することができるが、追加の成分が特許請求した組成物又は方法の基本的及び新規な特性を実質的に変更しない場合に限ることを意味する。
【0011】
本明細書で引用する全ての刊行物は、その全体を参考として本明細書に組み込む。
【0012】
本明細書で使用する時、「ケラチン組織」という用語は、皮膚、毛髪、足指の爪、手指の爪、表皮、蹄などが挙げられるがこれらに限定されない、哺乳類の最も外側の保護被覆として配置されるケラチン含有層のことをいう。
【0013】
本明細書で使用する時、「局所に適用する」という用語は、本発明の組成物をケラチン組織表面に適用すること又は塗り広げることを意味する。
【0014】
本明細書で使用する時、「皮膚科学的に許容可能」という用語は、そのように記載される組成物又はその構成成分が、過度の毒性、不適応性、不安定性、アレルギー反応などを示すことなくヒトのケラチン組織に接触させて用いるのに好適であることを意味する。
【0015】
本明細書で使用する時、「安全且つ有効な量」という用語は、当業者の健全な判定の範囲内で、明白な利益、好ましくは明白なケラチン組織外観又は感触の利益(これらの利益には、本明細書に開示される利益が独立して又は組合せて含まれる)を顕著に誘導するのに十分であるが、重篤な副作用を回避する程十分に低い、即ち合理的な利益対危険性比を提供する化合物又は組成物の量を意味する。
【0016】
本明細書で使用する時、「炎症後の色素沈着」という用語は、炎症性事象(例えば、ニキビ、ひっかき傷、虫刺、日焼けなど)への反応としてのメラニン含有量の変化、特に皮膚のくすみの問題のことをいう。
【0017】
本明細書で使用する時、「色素沈着」という用語は、色素沈着(pigmentation)が、皮膚の隣接する領域のそれよりも大きい皮膚の領域(例えば、色斑、しみなど)のことをいう。
【0018】
本明細書で使用する時、「剥離、剥脱、及び/又は代謝回転の増加」という用語は、角質層(角層を含む)の上層の除去を意味する。理論により限定されることを意図するものではないが、これらの利益は、これらの層を最上部から除去する化学的手段及び物理的手段によって達成される可能性があると考えられている。加えて、成長層(例えば、基底層)から上方への表皮層の代謝回転を引き起こす生物学的手段により剥脱を引き起こすことは可能である。これは、ケラチノサイトの増殖過程及び/又は分化の誘導としての過程を伴うと考えられている。後者はまたケラチン化の程度の上昇をもたらし、そのことは結局は有棘層及び顆粒層を含む上方の表皮層の再編成をもたらす。
【0019】
本明細書で使用する時、「脂っぽい及び/又はテカテカした外観」という用語は、それぞれの腺源からの油、皮脂、及び/又は汗の排出に際して示される傾向にある哺乳類の皮膚の光沢のある外観を意味する。
【0020】
本明細書で使用する時、「弛み」という用語は、皮膚エラスチンにおける喪失、損傷、変性、及び/又は異常によって起こるゆるみ、しまりのないこと等の皮膚の状態を意味する。
【0021】
本明細書で使用する時、「滑らかにする」及び「軟らかくする」という用語は、その感触が改善されるようにケラチン組織の表面を改変することを意味する。
【0022】
本明細書で使用する時、「血色の悪さ」という用語は、タンパク質のグリケーション及びリポフスチンの蓄積、又は典型的には皮膚の老化を伴う末梢血流量の減少のような過程により色がつく(例えば、色が黄色に)ような、皮膚の構成成分の損失、損傷、変質、及び/又は異常の結果として生じる青白い色、黄色等の皮膚の状態を意味する。
【0023】
本発明の組成物は、局所的な適用及びケラチン組織状態の調整に有用である。ケラチン組織状態、特にヒトの皮膚の状態の調整は、体の内因及び/又は外因により誘導されるか又は引き起こされる可能性のある状態のために、必要とされることが多い。例えば、「皮膚状態の調整」には、皮膚状態の予防的調整及び/又は治療的調整が挙げられ、次の利益の1つ以上を伴ってもよい:萎縮(例えば、皮膚の)を減少させるために厚くさせること(即ち、皮膚の表皮及び/若しくは真皮層、並びに/又は皮下脂肪及び筋肉のような皮下層の構築、適用可能であれば爪及び毛幹のケラチン層の構築)、真皮−表皮境界の回旋の増加、目の下の隈のような非メラニン性の皮膚の変色、発疹(例えば、酒さによる不均一な赤味)(以後、「赤斑」と呼ぶ)、血色の悪さ(青白い又は黄色い色)、毛細血管拡張症又はクモの巣状血管によって生じる変色、メラニンによる変色(例えば、色斑、しみ、不均一な色素沈着)及び皮膚の他の発色団による変色(例えば、リポフスチン、グリケーションにより生じるもののようなタンパク質架橋など)。本明細書で使用する時、皮膚状態の予防的調整には、目に見える及び/又は触知できる皮膚の不連続性(例えば、目で見て又は感じて検出されてもよい皮膚のきめの不揃い、細い線、しわ、弛み、伸展線、セルライト、腫れた目など)を遅らせること、最小にすること、及び/又は予防することが挙げられる。本明細書で使用する時、皮膚状態の治療的調整には皮膚の不連続性を改善すること、例えば、減退させること、最小にすること及び/又は消退させることが挙げられる。皮膚状態の調整は、皮膚外観及び/又は感触の改善を伴う。
【0024】
本明細書で使用する時、「皮膚状態の調整」は、起源のメカニズムに関係なくこうした徴候の調整を包含することを意図している。
【0025】
本発明の必須及び任意の構成成分を包含する組成物を、以下で詳細に記載する。
【0026】
I.材料
A.ヘキサミジン化合物
本発明の局所的に適用する組成物はまた、安全且つ有効な量の1つ以上のヘキサミジン及びその塩を含む。より好ましくは、ヘキサミジンはヘキサミジンイセチオネートである。
【0027】
本明細書で使用する時、「ヘキサミジン」は、それらのあらゆる異性体及び互変異性体を包含し、ラボラトリーズセロバイオロジークス(Laboratoires Serobiologiques)(フランス、プルノイ(Pulnoy))からエラスタブ(Elastab)(登録商標)HP100という商品名のヘキサミジンイセチオネートとして市販されている。
【0028】
本発明の組成物において、ヘキサミジンは、好ましくは組成物の約0.0001重量%〜約25重量%、更に好ましくは約0.001重量%〜約10重量%、更に好ましくは約0.01重量%〜約5重量%、最も好ましくは約0.02重量%〜約2.5重量%含まれる。
【0029】
B.スキンケア活性物質
本発明は、糖アミン、ビタミンB3、レチニルプロピオネート、フィトステロール、ブチル化ヒドロキシトルエン及びブチル化ヒドロキシアニソール、これらの誘導体及びそれらの組合せから成る群から選択される1以上のスキンケア活性物質を包含する。
【0030】
1)糖アミン(アミノ糖類)
本発明の組成物は安全且つ有効な量の糖アミン(それはアミノ糖としても既知である)を包含する。本明細書で使用する時、「糖アミン」とは、6炭素の糖のアミン誘導体のことをいう。好ましくは組成物は、組成物の約0.001重量%〜約20重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約15重量%、更により好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、最も好ましくは約0.5重量%〜約5重量%の糖アミンを含有する。
【0031】
糖アミンは、起源が合成又は天然であることができ、本質的に純粋な化合物又は化合物の混合物(例えば、自然源の抽出物又は合成物質の混合物)として用いることができる。グルコサミンは、一般に、多くの貝類に見られ、菌源にも由来し得る。本明細書で使用する時、「糖アミン」は、その異性体及び互変異性体並びにその塩(例えば、HCl塩)を包含し、ミズーリ州セントルイスのシグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Co.)より市販されている。
【0032】
本明細書で有用な糖アミンの例には、グルコサミン、N−アセチルグルコサミン、マンノサミン、N−アセチルマンノサミン、ガラクトサミン、N−アセチルガラクトサミン、これらの異性体(例えば、立体異性体)、及びこれらの塩(例えば、HCl塩)が挙げられる。本明細書での使用に好ましいのはグルコサミンであり、特に、D−グルコサミン及びN−アセチルグルコサミン、特にN−アセチル−D−グルコサミンである。加えて、2つ以上の糖アミンの組合せを使用してもよい。本発明の局所的に適用する組成物はまた、安全且つ有効な量の1つ以上のグルコサミン化合物を含む。本明細書での使用に最も好ましいのは、N−アセチルD−グルコサミンである。
【0033】
2)ビタミンB3
本発明の組成物は、安全且つ有効な量のビタミンB3化合物を包含する。ビタミンB3化合物は、同時係属の米国特許出願第08/834,010号(1997年4月11日出願)(PCT国際公開特許WO97/39733A1(1997年10月30日に公開)に対応)に記載されるように、皮膚の状態を調整するのに特に有用である。好ましくは、組成物は、組成物の約0.01重量%〜約50重量%、より好ましくは、約0.1重量%〜約20重量%、更により好ましくは約0.5重量%〜約10重量%、より一層好ましくは、約1重量%〜約5重量%、最も好ましくは約2重量%〜約5重量%のビタミンB3化合物を含有する。
【0034】
本明細書で使用する時、「ビタミンB3化合物」は、以下の式を有する化合物を意味する。
【0035】
【化1】

式中、Rは、−CONH2(即ち、ニコチン酸アミド)、−COOH(即ち、ニコチン酸)、又は−CH2OH(即ち、ニコチニルアルコール);誘導体;及び前記のいずれかの塩である。
【0036】
前述のビタミンB3化合物の代表的な誘導体には、非血管拡張性のニコチン酸のエステル(例えば、トコフェリルニコチネート)、ニコチニルアミノ酸、カルボン酸のニコチニルアルコールエステル、ニコチン酸−N−オキシド、及びナイアシンアミド−N−オキシドを包含するニコチン酸エステルが挙げられる。
【0037】
好適なビタミンB3化合物の例は当該技術分野において周知であり、複数の供給元、例えば、シグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Company)(ミズーリ州セントルイス)、ICNバイオメディカルズ社(ICN Biomedicals,Inc.)(カリフォルニア州アービン)及びアルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Company)(ウィスコンシン州ミルウォーキー)より市販されている。
【0038】
ビタミン化合物は、実質的には純粋な物質として、又は自然源(例えば、植物)から好適な物理的及び/又は化学的単離をすることによって得られる抽出物として、包含されてもよい。
【0039】
3)レチノイド
本発明の組成物は、安全且つ有効な量のレチノイドを、結果として得られる組成物が、ケラチン組織状態の調整、好ましくは目に見える及び/又は触知できる皮膚の不連続性の調整、より好ましくは皮膚老化の徴候の調整のために安全且つ有効であるように含有してもよい。好ましくは組成物は、組成物の約0.001重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.005重量%〜約2重量%、更により好ましくは約0.01重量%〜約1重量%、更により好ましくは約0.01重量%〜約0.5重量%のレチノイドを含有する。組成物において用いられる最適な濃度は選択される特定のレチノイドに左右されるが、その理由は、それらの効力が著しく異なるからである。
【0040】
本発明で使用するとき、「レチノイド」には、皮膚内でビタミンAの生物学的活性を有するビタミンA又はレチノール様化合物のすべての天然及び/又は合成類縁体並びに、これらの化合物の幾何異性体及び立体異性体が包含される。レチノイドは、好ましくはレチノール、レチノールエステル(例えば、パルミチン酸レチニル、酢酸レチニル、プロピオン酸レチニル等のレチノールのC2〜C22アルキルエステル)、レチナール、及び/又はレチノイン酸(全トランスレチノイン酸及び/又は13−シス−レチノイン酸を含む)又はこれらの混合物から成る群から選択される。より好ましくは、レチノイドはレチノイン酸以外のレチノイドである。これらの化合物は、当該技術分野において周知であり、複数の供給元、例えば、シグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Company)(ミズーリ州セントルイス)及びベーリンガー・マンハイム(Boehringer Mannheim)(インディアナ州インディアナポリス)より市販されている。本明細書において有用なその他のレチノイドは、米国特許第4,677,120号(パリッシュ(Parish)ら、1987年6月30日発行);米国特許第4,885,311号(パリッシュ(Parish)ら、1989年12月5日発行);米国特許第5,049,584号(パーセル(Purcell)ら、1991年9月17日発行);米国特許第5,124,356号(パーセル(Purcell)ら、1992年6月23日発行);及び米国再発行特許34,075号(パーセル(Purcell)ら、1992年9月22日発行)に記載されている。その他の好適なレチノイドは、トコフェリルレチノエート[レチノイン酸(トランス−又はシス−)のトコフェロールエステル]、アダパレン{6−[3−(1−アダマンチル)−4−メトキシフェニル]−2−ナフト工酸}、及びタザロテン(エチル−6−[2−(4,4−ジメチルチオクロマン−6−イル)−エチニル]ニコチネート)である。好ましいレチノイドは、レチノール、パルミチン酸レチニル、酢酸レチニル、プロピオン酸レチニル、レチナール及びこれらの組合せである。更に好ましいのは、プロピオン酸レチニルであり、約0.1%〜約0.3%使用されるのが最も好ましい。
【0041】
4)ペプチド
本発明の組成物は、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−ペプチド、及び誘導体が挙げられるが、これらに限定されない安全且つ有効な量のペプチドを含有してもよい。組成物は好ましくは、組成物の約1×10-6重量%〜約20重量%、より好ましくは約1×10-6重量%〜約10重量%、更により好ましくは約1×10-5重量%〜約5重量%を含有する。
【0042】
本明細書で使用する時、「ペプチド」は10以下のアミノ酸を含有するペプチド及びその誘導体、異性体、並びに金属イオン(例えば、銅、亜鉛、マンガン、マグネシウムなど)のような他の種との錯体のことをいう。本明細書で使用する時、ペプチドとは、天然に存在するペプチドと合成のペプチドとの両方のことをいう。また、本明細書で有用なのは、ペプチドを含有する天然起源の組成物及び市販されている組成物である。好ましいペプチドは、少なくとも1つの塩基性のアミノ酸(例えば、ヒスチジン、リシン、アルギニン)を含有する。より好ましいペプチドは、ジペプチドカルノシン(ベータ−ala−his)、トリペプチドgly−his−lys、トリペプチドhis−gly−gly、トリペプチドgly−gly−his、トリペプチドgly−his−gly、ペンタペプチドlys−thr−thr−lys−ser、及び上記の金属錯体、例えばトリペプチドhis−gly−gly(イアミン(Iamin)としても既知である)の銅錯体である。他の好適なペプチドには、ペプチドCK(arg−lys−arg)、ペプチドCK+(ac−arg−lys−arg−NH2)、及びペプチドE(arg−ser−arg−lys)が挙げられる。市販されている好ましいトリペプチド誘導体含有組成物は、バイオペプチド(Biopeptide)CL(登録商標)であるが、これはパルミトイル−gly−his−lys100ppmを含有し、フランスのセデルマ(Sederma)より市販されている。市販されている好ましいペンタペプチド誘導体含有組成物は、マトリキシル(Matrixyl)(登録商標)であるが、これはパルミトイル−lys−thr−thr−lys−ser100ppmを含有し、フランスのセデルマ(Sederma)より市販されている。
【0043】
本明細書で有用なペプチド誘導体としては親油性誘導体、好ましくはパルミトイル誘導体が挙げられる。好ましくはペプチドは、パルミトイル−lys−thr−thr−lys−ser、パルミトイル−gly−his−lys、これらの誘導体、及びこれらの組合せから選択される。
【0044】
5)フィトステロール
本発明の局所的に適用する組成物は、β−シトステロール、カンペステロール、ブラジカステロール、δ−5−アベナステロール、ルペノール、α−スピナステロール、スチグマステロール、これらの誘導体、類縁体、及びこれらの組合せから成る群から選択される、1つ以上の安全且つ有効な量のフィトステロールを含む。更に好ましくは、フィトステロールは、β−シトステロール、カンペステロール、ブラジカステロール、スチグマステロール、これらの誘導体、及びこれらの組合せから成る群から選択される。更により好ましくは、フィトステロールは、β−シトステロール、カンペステロール、ブラジカステロール、スチグマステロール、及びこれらの組合せから成る群から選択される。最も好ましくは、フィトステロールはスチグマステロールである。
【0045】
フィトステロールは起源が合成又は天然であることができ、本質的に純粋な化合物又は化合物の混合物(例えば、自然源の抽出物)として用いることができる。フィトステロールは、通常植物油及び植物性脂肪の不けん化部に見出され、遊離ステロール、アセチル化誘導体、ステロールエステル、エトキシ化又はグリコシド誘導体として入手可能である。更に好ましくは、フィトステロールは遊離ステロールを含まない。本明細書で使用する時、「フィトステロール」には、その異性体及び互変異性体が含まれるが、アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Company)(ウィスコンシン州ミルウォーキー)、シグマ・ケミカル社(Sigma Chemical Company)(ミズーリ州セントルイス)、及びフィトケム・プロダクツ社(Fytokem Products,Inc.)(カナダ、サスカチュワン州サスカトゥーン)より市販されている。
【0046】
本発明の組成物中に、フィトステロールは、好ましくは組成物の約0.0001重量%〜約25重量%、より好ましくは、約0.001重量%〜約15重量%、更により好ましくは約0.01重量%〜約10重量%、より一層好ましくは、約0.1重量%〜約5重量%、最も好ましくは約0.2重量%〜約2重量%含まれる。
【0047】
6)ブチル化ヒドロキシトルエン及びブチル化ヒドロキシアニソール
本発明の局所的に適用する組成物は、安全且つ有効な量のBHT又はBHAを含む。本明細書で有用なBHTは、次の一般構造で記載することができる:
【0048】
【化2】

Xは、OH及びSHから成る群より選択され;
Yは、H、OH、OR5、COOR5、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、芳香族、ヘテロ芳香族、カルボキサミド、スルホンアミド、カルバメート、尿素及びトリアルキルシリルから成る群から選択され;
1、R2、R3及びR4は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、芳香族、ヘテロ芳香族、OR5、カルボキサミド、スルホンアミド、ホルミル、アシル、カルボキシル、カルボキシレート、カルバメート、尿素、トリアルキルシリル、ヒドロキシル及び水素から成る群から選択され;
5は、アルキル、シクロアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、芳香族、ヘテロ芳香族、トリアルキルシリル、アシル及び水素から成る群から選択される。
【0049】
本発明の組成物中に、BHT又はBHAは、組成物の約0.0001重量%〜約99.99重量%、より好ましくは約0.001重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約5重量%、更により好ましくは約0.1重量%〜約0.5重量%含まれる。
【0050】
C.皮膚科学的に許容可能なキャリア
本発明の局所的に適用する組成物はまた、ヘキサミジン組成物のための皮膚科学的に許容可能なキャリアも含む。本明細書で使用する時、「皮膚科学的に許容可能なキャリア」という語句は、キャリアがケラチン組織への局所的な適用に好適であり、良好な審美特性を有し、本発明の活性物質及びその他のいずれの構成成分とも適合性があり、安全性又は毒性についていずれの問題も起こさないことを意味する。安全且つ有効な量のキャリアは、組成物の約50%〜約99.99%、好ましくは約60%〜約99.9%、より好ましくは約70〜約98%、最も好ましくは約80〜約95%である。
【0051】
キャリアは、多種多様な形態をとることができる。例えば、本明細書においては水中油型、油中水型、水中油中水型及びシリコーン中水中油型エマルションなどのエマルションキャリアが有用であるが、これらに限定されない。
【0052】
好ましいキャリアは、水中油型エマルション及び油中水型エマルションのようなエマルション、例えば、水中シリコーン型又はシリコーン中水型エマルションを含む。当業者には理解されるように、特定の構成成分は、構成成分の水への溶解度/組成物における分散性に応じて、主として水層又は油層のいずれかに分散する。ビタミンB6は、主に油相に分散する。水中油型エマルションが特に好ましい。
【0053】
本発明に基づいたエマルションは一般に、前述の溶液及び脂質又は油を含有する。脂質及び油は、動物、植物、又は石油に由来してもよく、天然又は合成(人工的)でもよい。好ましいエマルションはグリセリンのような湿潤剤も含有する。エマルションは好ましくは更に、組成物の重量に基づいて約1重量%〜約10重量%、より好ましくは約2重量%〜約5重量%の乳化剤を含有する。乳化剤は、非イオン性、陰イオン性又は陽イオン性であってよい。好適な乳化剤は、例えば、米国特許第3,755,560号(ディッカート(Dickert)ら、1973年8月28日発行);米国特許第4,421,769号(ディクソン(Dixon)ら、1983年12月20日発行);及び「マカッチャンの洗剤と乳化剤(McCutcheon's Detergents and Emulsifiers)」北アメリカ版、317〜324頁(1986年)に開示されている。
【0054】
エマルションは、ケラチン組織へ適用する際に泡の発生を最小にするために消泡剤をさらに含有してもよい。消泡剤としては、高分子量のシリコーン類、及びそのような利用について周知のその他の物質が挙げられる。
【0055】
好適なエマルションは、所望の製品形状によって、幅広い粘度を有してよい。低粘度エマルションの代表例で好ましいものの粘度は、約5×10-52/秒(約50センチストークス)以下、更に好ましくは約1×10-52/秒(約10センチストークス)以下、最も好ましくは5×10-62/秒(約5センチストークス)以下である。
【0056】
好ましいシリコーン中水型エマルション及び水中油型エマルションを以下に詳しく説明する。
【0057】
1)シリコーン中水型エマルション
シリコーン中水型エマルションは、連続的なシリコーン相と分散した水性相を含有する。
【0058】
(a)連続シリコーン相
本発明の好ましいシリコーン中水型エマルションは、約1〜約60重量%、好ましくは約5〜約40重量%、更に好ましくは約10〜約20重量%の連続的なシリコーン相を含む。連続的なシリコーン相は、以下に説明するような不連続な水性相を含有するか、又は取り囲む外部相として存在する。
【0059】
連続的なシリコーン相はポリオルガノシロキサンオイルを含有する。好ましいシリコーン中水型エマルション系は、配合して任意のレチノイドに対し酸化的に安定な溶媒を提供する。これらの好ましいエマルションの連続的なシリコーン相は、約50重量%〜約99.9重量%のオルガノポリシロキサンオイル及び約50重量%未満の非シリコーンオイルを含む。好ましい実施形態においては、シリコーン連続相は、少なくともシリコーン連続相の約50重量%、好ましくは約60重量%〜約99.9重量%、更に好ましくは約70重量%〜約99.9重量%、更により好ましくは約80重量%〜約99.9重量%のポリオルガノシロキサンオイル、及び非シリコーンオイルをシリコーン連続相の約50重量%まで、好ましくは約40重量%未満、更に好ましくは約30重量%未満、更により好ましくは約10重量%未満、最も好ましくは約2重量%未満含む。これらの好ましいエマルション系は、相当する低濃度のポリオルガノシロキサンオイルを含有する油中水型エマルションよりも、長期間にわたってレチノイドに高い酸化安定性を与える。連続的シリコーン相における非シリコーンオイルの濃度は、組成物中で選択されたレチノイドの酸化的安定性を更に高めるために、最小限に抑えられるか完全に除かれる。この種類のシリコーン中水型エマルションは、米国特許同時係属の米国特許出願第08/570,275号(ジョセフ・マイケル・ズコフスキー(Joseph Michael Zukowski)、ブレント・ウィリアム・メーソン(Brent William Mason)、ラリー・リチャード・ロビンソン(Larry Richard Robinson)、及びグレグ・ジョージ・ヒルブランド(Greg George Hillebrand)、1995年12月11日出願)に記載されている。
【0060】
組成物に使用するオルガノポリシロキサンオイルは揮発性、非揮発性、又は揮発性及び非揮発性シリコーンの混合物であってもよい。この文脈で使用する時、「非揮発性」という用語は、周囲条件で液状であり、引火点が約100℃を超える(1気圧下で)シリコーンのことをいう。この文脈で使用する時、「揮発性」の用語は、他の全てのシリコーン油を指す。好適なオルガノポリシロキサンは、幅広い揮発性及び粘度を有する多種多様なシリコーンから選択することができる。好適なオルガノポリシロキサンオイルの例には、ポリアルキルシロキサン、環式ポリアルキルシロキサン、及びポリアルキルアリールシロキサンが挙げられる。
【0061】
本明細書中の組成物において有用なポリアルキルシロキサンとしては、25℃で、約5×10-7〜約1m2/秒(0.5〜約1,000,000センチストークス)の粘度を有するポリアルキルシロキサンが挙げられる。このようなポリアルキルシロキサンは、一般化学式、R3SiO[R2SiO]xSiR3で表すことができ、式中、Rは1〜約30個の炭素原子を有するアルキル基であり(好ましくは、Rがメチル又はエチル、より好ましくはメチルであり、混合アルキル基も同じ分子中で使用することができる)、xは0〜約10,000の整数であり、約10,000,000を越える範囲を取り得る所望の分子量を達成するために選択される。市販のポリアルキルシロキサンには、ジメチコンとしても既知のポリジメチルシロキサンが挙げられ、その例としては、ゼネラル・エレクトリック社(General Electric Company)より販売されるビカシル(Vicasil)(登録商標)シリーズ、及びダウ・コーニング社(Dow Corning Corporation)より販売されるダウ・コーニング(Dow Corning)(登録商標)200シリーズが挙げられる。(好適なポリジメチルシロキサンの特定例としては、粘度が6.5×10-72/秒(0.65センチストークス)であって、且つ沸点が100℃のダウ・コーニング(Dow Corning)(登録商標)200流体、粘度が1×10-52/秒(10センチストークス)であって、且つ沸点が200℃を超えるダウ・コーニング(Dow Corning)(登録商標)225流体、及び粘度がそれぞれ5×10-5、3.5×10-5及び0.0125m2/秒(50、350及び12,500センチストークス)であって、且つ沸点が200℃を超えるダウ・コーニング(Dow Corning)(登録商標)200流体が挙げられる。適切なジメチコンには、化学式が、(CH33SiO[(CH32SiO]x[CH3RSiO]ySi(CH33で表されるものが挙げられ、式中、Rは2〜約30個の炭素原子を有する直鎖アルキル又は分枝鎖アルキルであり、x及びyはそれぞれ1又はそれより大きい整数で、約10,000,000を越える範囲を取り得る所望の分子量を達成するために選択される。これらのアルキル置換ジメチコンの例には、セチルジメチコン及びラウリルジメチコンが挙げられる。
【0062】
組成物中での使用に適切な環状ポリアルキルシロキサンには、化学式、[SiR2−O]nで表されるものが挙げられ、式中、Rはアルキル基(好ましくはRがメチル又はエチル、より好ましくはメチル)であり、nは約3〜約8の整数であり、より好ましくはnは約3〜約7の整数であり、最も好ましくはnは約4〜約6の整数である。Rがメチルの時には、これらの物質は、典型的にはシクロメチコンと呼ばれる。市販のシクロメチコン類には、粘度が2.5×10-62/秒(2.5センチストークス)、沸点が172℃で、主としてシクロメチコンテトラマー(すなわち、n=4)を含有するダウ・コーニング(Dow Corning)(登録商標)244流体、粘度が2.5×10-62/秒(2.5センチストークス)、沸点が178℃で、主としてシクロメチコンペンタマー(すなわち、n=5)を含有するダウ・コーニング(登録商標)344流体、粘度が4.2×10-62/秒(4.2センチストークス)、沸点が205℃で、主としてシクロメチコンテトラマー及びペンタマー(すなわち、n=4及び5)の混合物を含有するダウ・コーニング(登録商標)245流体、並びに、粘度が4.5×10-62/秒(4.5センチストークス)、沸点が217℃で、主としてシクロメチコンテトラマー、ペンタマー、及びヘキサマー(すなわち、n=4、5、及び6)の混合物を含有するダウ・コーニング(登録商標)345流体が挙げられる。
【0063】
一般化学式、[(CH23SiO1/2x[SiO2]yに相当するポリマー物質であるトリメチルシロキシシリケートのような物質も有用であり、式中、xは約1〜約500の整数であり、yは約1〜約500の整数である。市販のトリメチルシロキシシリケートは、ダウ・コーニング(Dow Corning)(登録商標)593流体として、ジメチコンとの混合物として販売されている。
【0064】
ジメチコノールもまた組成物への使用に適している。これらの化合物は、化学式、R3SiO[R2SiO]xSiR2OH及びHOR2SiO[R2SiO]xSiR2OHで表すことができ、式中、Rはアルキル基(好ましくはRがメチル又はエチル、より好ましくはメチルである)であり、xは望ましい分子量を達成するように選択される0〜約500の整数である。市販のジメチコノール類は、典型的には、ジメチコン又はシクロメチコンとの混合物として販売されている(例えば、ダウ・コーニング(Dow Corning)(登録商標)1401、1402、1403流体)。
【0065】
ポリアルキルアリールシロキサンも組成物で使用するのに適している。25℃での粘度が約1.5×10-5〜約6.5×10-52/秒(15〜約65センチストークス)であるポリメチルフェニルシロキサンが特に有用である。
【0066】
本明細書での利用で好ましいものは、ポリアルキルシロキサン、アルキル置換ジメチコーン、シクロメチコン、トリメチルシロキシシリケート、ジメチコノール、ポリアルキルアリールシロキサン、及びこれらの混合物から成る群から選択されるオルガノポリシロキサンである。本明細書で用いるのにより好ましいのは、ポリアルキルシロキサン及びシクロメチコンである。ポリアルキルシロキサンの中で好ましいのは、ジメチコンである。
【0067】
前述したように、連続的なシリコーン相は1つ以上の非シリコーンオイルを含有してもよい。連続的なシリコーン相中の非シリコーンオイルの濃度は、組成物中のいずれかのレチノイドの酸化安定性を更に強化するために、好ましくは最小に抑えられるか又は完全に除かれる。好適な非シリコーンオイルは、融点が約1気圧で約25℃以下である。連続的なシリコーン相での使用に好適な非シリコーンオイルの例は、油中水型エマルションの形態の局所的に適用する身体ケア製品において、化学分野では周知の、例えば、鉱油、植物油、合成油、半合成油などである。
【0068】
(b)分散水相
本発明の局所用組成物は、約30%〜約90%、より好ましくは約50%〜約85%、最も好ましくは約70%〜約80%の分散した水性相を含む。エマルション技術では、「分散相」という用語は、当業者には周知であり、相が、連続相中に懸濁した又は連続相に囲まれた小粒子又は液滴として存在することを意味する。分散相は、内部相又は不連続相としても既知である。分散した水性相は、前述の連続的なシリコーン相に懸濁し取り囲まれた小さな水性粒子又は液滴の分散である。
【0069】
水性相は水、又は1つ以上の水溶性若しくは水に分散性の成分と水との組合せであり得る。そのような任意成分の非限定的な例には、増粘剤、酸、塩基、塩、キレート化剤、ゴム、水溶性又は水分散性アルコール及びポリオール、緩衝液、防腐剤、日焼け止め剤、着色剤などが挙げられる。
【0070】
本発明の局所用組成物は、典型的には組成物の約25重量%〜約90重量%、好ましくは約40重量%〜約80重量%、更に好ましくは約60重量%〜約80重量%の分散した水性相における水を含む。
【0071】
(c)水相分散用の乳化剤
本発明のシリコーン中水エマルションは、好ましくは乳化剤を含む。好ましい実施形態において、組成物は、組成物の約0.1重量%〜約10重量%の乳化剤、より好ましくは約0.5重量%〜約7.5重量%、最も好ましくは約1重量%〜約5重量%の乳化剤を含有する。乳化剤は、連続的なシリコーン相に水性相を分散し、懸濁するのを助ける。
【0072】
好ましいシリコーン中水型エマルションを作成するために、本明細書では多種多様な乳化剤を使用できる。選択された乳化剤が物理的、化学的に組成物の必須構成成分に適合し、望ましい分散特性を提供するという条件で、既知の又は従来の乳化剤を組成物に使用することができる。好適な乳化剤には、局所用身体ケア製品を利用する分野の当業者に既知の、シリコーン乳化剤、非シリコーン含有乳化剤、及びこれらの混合物が挙げられる。好ましくはこれら乳化剤のHLB値は、約14より小さく、より好ましくは約2〜約14、最も好ましくは約4〜約14である。これらの範囲外のHLB値を有する乳化剤は、これらの範囲内に収まる有効な加重平均HLB値を得るように、その他の乳化剤と組合せて使用し得る。
【0073】
シリコーン乳化剤が好ましい。多種多様なシリコーン乳化剤が、本明細書で有用である。これらのシリコーン乳化剤は、典型的には、有機的に修飾されたオルガノポリシロキサンであり、当業者にはシリコーン界面活性剤としても既知である。有用なシリコーン乳化剤には、ジメチコンコポリオールが挙げられる。これらの物質は、ポリエチレンオキシド鎖、ポリプロピレンオキシド鎖、これらの分子鎖の混合物、並びにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドの両方から誘導されるポリエーテル鎖含有部分のようなポリエーテル側鎖を含むように修飾されたポリジメチルシロキサンである。その他の例には、アルキル変性ジメチコンコポリオール、即ち、C2〜C30ペンダント側鎖を含有する化合物が含まれる。更に他の有用なジメチコンコポリオールとしては、様々な陽イオン性、陰イオン性、両性、及び双性イオン性のペンダント部分を有する物質が挙げられる。
【0074】
本明細書において有用なジメチコンコポリオール乳化剤は、次の一般構造で記載することができる:
【0075】
【化3】

式中、RはC1〜C30の直鎖、分枝鎖、又は環式アルキルであり、R2は以下から成る群から選択される。
【0076】
−(CH2n−O−(CH2CHR3O)m−H
及び
−(CH2n−O−(CH2CHR3O)m−(CH2CHR4O)o−H
式中、nは3〜約10の整数であり;R3及びR4は、R3及びR4が、同時に同じものとならないようにH及びC1〜C6の直鎖又は分枝鎖アルキルから成る群より選択され;m、o、x、及びyは、分子の全分子量が約200〜約10,000,000になるように選択され、m、o、x、及びyは、m及びoが同時にゼロにならないように、独立してゼロ以上の整数から選択され、zは独立して1以上の整数から選択される。これらのコポリオールの位置異性体が生成し得ることが認識される。R3及びR4基を含有するR2部分について前述した化学的表現は、限定的ではなく、便宜上示したものである。
【0077】
厳密にはジメチコンコポリオールとしては分類されないが、前段落の構造式で表されるシリコーン界面活性剤も本明細書で有用であり、式中、R2は:
−(CH2n−O−R5
であり、式中、R5は、カチオン、アニオン、両性イオン、又は双性イオン部分である。
【0078】
本明細書の乳化剤として有用なジメチコンコポリオール及びその他のシリコーン界面活性剤の非限定的な例には、ペンダントポリエチレンオキシド側鎖を有するポリジメチルシロキサンポリエーテルコポリマー、ペンダントポリプロピレンオキシド側鎖を有するポリジメチルシロキサンポリエーテルコポリマー、ペンダント混合物ポリエチレンオキシド及びポリプロピレンオキシド側鎖を有するポリジメチルシロキサンポリエーテルコポリマー、ペンダント混合物ポリ(エチレン)(プロピレン)オキシド側鎖を有するポリジメチルシロキサンポリエーテルコポリマー、ペンダントオルガノベタイン側鎖を有するポリジメチルシロキサンポリエーテルコポリマー、ペンダントカルボキシレート側鎖を有するポリジメチルシロキサンポリエーテルコポリマー、ペンダント四級アンモニウム側鎖を有するポリジメチルシロキサンポリエーテルコポリマー;及びペンダントC2〜C30直鎖、分枝鎖、又は環式アルキル部分を含有する前述のコポリマーの修飾物が挙げられるが、これらに限定されない。本発明において有用なジメチコンコポリオールの市販されている例は、ダウ・コーニング社((Dow Corning Corporation)のダウ・コーニング(Dow Corning)(登録商標)190、193、Q2−5220、2501ワックス、2−5324流体、及び3225C(この後者の物質はシクロメチコンとの混合物として市販されている)である。セチルジメチコンコポリオールは、ポリグリセリル−4−イソステアレート(及び)ヘキシルラウレートとの混合物として市販されており、商品名ABIL(登録商標)WE−09(ゴールドシュミット(Goldschmidt)から入手可能)で販売されている。セチルジメチコンコポリオールは、ヘキシルラウレート(及び)ポリグリセリル−3オレエート(及び)セチルジメチコンの混合物としても市販されており、商品名ABIL(登録商標)WS−08(ゴールドシュミット(Goldschmidt)から市販)で販売されている。ジメチコンコポリオールの非限定的なその他の例には、ラウリルジメチコンコポリオール、ジメチコンコポリオールアセテート、ジエメチコンコポリオールアジパート、ジメチコンコポリオールアミン、ジメチコンコポリオールベヘネート、ジメチコンコポリオールブチルエーテル、ジメチコンコポリオールヒドロキシステアレート、ジメチコンコポリオールイソステアレート、ジメチコンコポリオールラウレート、ジメチコンコポリオールメチルエーテル、ジメチコンコポリオールホスフェート、及びジメチコンコポリオールステアレートも挙げられる。国際化粧品成分辞典(International Cosmetic Ingredient Dictionary)、第5版(1993年)を参照されたい。
【0079】
本明細書で有用なジメチコンコポリオール乳化剤は、例えば、米国特許第4,960,764号(フィゲロア・ジュニア(Figueroa,Jr.)ら、1990年10月2日発行);欧州特許第330,369号(サノグエリア(SanoGueira)、1989年8月30日公開);G.H.ダームス(G.H.Dahms)ら「シリコーンコポリオールにより提供された新しい処方の可能性(New Formulation Possibilities Offered by Silicone Copolyols)」化粧品及び洗面用化粧品(Cosmetics & Toiletries)110巻、91〜100頁、1995年3月;M.E.カルロッティ(M.E.Carlotti)ら「W/O−Sエマルションの最適化及びエステル構造とエマルション特性の定量的関係の研究(Optimization of W/O-S Emulsions And Study Of The Quantitative Relationships Between Ester Structure And Emulsion Properties)」分散科学と技術誌(J.Dispersion Science And Technology)13巻3号、315〜336頁(1992年);P.ハメイヤー(P.Hameyer)「化粧品の油中水型エマルション調製における有機及び有機シリコーン乳化剤の比較技術研究(Comparative Technological Investigations of Organic and Organosilicone Emulsifiers in Cosmetic Preparations)」HAPPI28巻4号、88〜128頁(1991年);J.スミッド−コーバー(J.Smid−Korbar)ら「エマルションにおけるシリコーン界面活性剤の効率と有用性(Efficiency and usability of silicone surfactants in emulsions)」プロビジョナル・コミュニケーション、インターナショナル・ジャーナル・オブ・コスメティック・サイエンス(Provisional Communication,International Journal of Cosmetic Science)12巻、135〜139頁(1990年);並びにD.G.クリシク(D.G.Krzysik)ら「油中水型系のための新しいシリコーン乳化剤(A New Silicone Emulsifier For Water-in-Oil Systems)」医薬品化粧品産業(Drug and Cosmetic Industry)146巻4号、28〜81頁(1990年4月)に記載されている。
【0080】
本発明に有用な非シリコーン含有乳化剤の中には、糖エステル及びポリエステル、アルコキシル化糖エステル及びポリエステル、C1〜C30脂肪族アルコールのC1〜C30脂肪酸エステル、C1〜C30脂肪族アルコールのC1〜C30脂肪酸エステルのアルコキシル化誘導体、C1〜C30脂肪族アルコールのアルコキシル化エーテル、C1〜C30脂肪酸のポリグリセリルエステル、ポリオールのC1〜C30エステル、ポリオールのC1〜C30エーテル、アルキルホスフェート、ポリオキシアルキレン脂肪エーテルホスフェート、脂肪酸アミド、アシルラクチレート、石鹸、及びこれらの混合物のような様々な非イオン性及び陰イオン性乳化剤がある。その他の好適な乳化剤は、例えば「マカッチャンの洗剤と乳化剤(McCutcheon's Detergents and Emulsifiers)」、北米版(1986年)、アルレッド・パブリッシング・コーポレーション(Allured Publishing Corporation)出版;米国特許第5,011,681号(チオッティ(Ciotti)ら、1991年4月30日発行);米国特許第4,421,769号(ディクソン(Dixon)ら、1983年12月20日発行);及び米国特許第3,755,560号(ディッカート(Dickert)ら、1973年8月28日発行)に記載されている。
【0081】
これらの非シリコーン含有乳化剤の非限定的な例には、ポリエチレングリコール20ソルビタンモノラウレート(ポリソルベート20)、ポリエチレングリコール5大豆ステロール、ステアレス−20、セテアレス−20、PPG−2メチルグルコースエーテルジステアレート、セテス−10、ポリソルベート80、セチルホスフェート、カリウムセチルホスフェート、ジエタノールアミンセチルホスフェート、ポリソルベート60、グリセリルステアレート、ポリエチレングリコール−100ステアレート、ポリオキシエチレン20ソルビタントリオレエート(ポリソルベート85)、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン4ラウリルエーテルナトリウムステアレート、ポリグリセリル−4−イソステアレート、ヘキシルラウレート、ステアレス−20、セテアレス−20、PPG−2メチルグルコースエーテルジステアレート、セテス−10、ジエタノールアミンセチルホスフェート、グリセリルステアレート、ポリエチレングリコール−100ステアレート、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0082】
2)水中油型エマルション
その他の好ましい局所用キャリアには、連続的な水相及びそこに分散している疎水性の水不溶性相(「油相」)を有する水中油型エマルションが挙げられる。水中油型エマルションを含む好適なキャリアの例は、米国特許第5,073,371号(1991年12月17日ターナー・D.J.(Turner,D.J.)らに発行)、及び米国特許第5,073,372号(1991年12月17日ターナー・D.J.(Turner,D.J.)らに発行)に記載されている。構造剤、親水性の界面活性剤及び水を含有する、特に好ましい水中油型エマルションについては、以下に詳述する。
【0083】
(a)構造剤
好ましい水中油型エマルションは、液晶ジェルの網目構造の構成を補佐するための構造剤を含む。理論によって束縛されるものではないが、構造剤は、組成物の安定性に寄与する組成物に流動学的特性を供給する助けをすると考えられている。構造剤はまた乳化剤又は界面活性剤として機能してもよい。好ましい本発明の組成物は、組成物の約0.5重量%〜約20重量%、更に好ましくは約1重量%〜約10重量%、最も好ましくは約1重量%〜約5重量%の構造剤を含む。
【0084】
本発明の好ましい構造剤は、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、ステアリン酸、パルミチン酸、平均約1〜約21のエチレンオキシド単位を有するステアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテル、平均約1〜約5のエチレンオキシド単位を有するセチルアルコールのポリエチレングリコールエーテル、及びこれらの混合物から成る群から選択される。本発明の更に好ましい構造剤は、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、平均約2のエチレンオキシド単位を有するステアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテル(ステアレス−2)、平均約21のエチレンオキシド単位を有するステアリルアルコールのポリエチレングリコールエーテル(ステアレス−21)、平均約2のエチレンオキシド単位を有するセチルアルコールのポリエチレングリコールエーテル、及びこれらの混合物から成る群から選択される。更により好ましい構造剤は、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリルアルコール、セチルアルコール、ベヘニルアルコール、ステアレス−2、ステアレス−21、及びこれらの混合物から成る群から選択される。
【0085】
(b)親水性界面活性剤
好ましい水中油型エマルションは、約0.05重量%〜約10重量%、好ましくは約1重量%〜約6重量%、より好ましくは約1重量%〜約3重量%の少なくとも1つの親水性界面活性剤を含み、この親水性界面活性剤は疎水性の物質を水相に分散することができる。界面活性剤は少なくとも、水に分散するのに十分なだけ親水性でなければならない。
【0086】
好適な界面活性剤には、多種多様な既知の陽イオン性、陰イオン性、双性イオン性、及び両性界面活性剤が挙げられる。マカッチャンの洗剤及び乳化剤(McCutcheon's,Detergents and Emulsifiers)、北米版(1986年)、アルレッド・パブリッシング・コーポレーション(Allured Publishing Corporation)により出版;米国特許第5,011,681号;米国特許第4,421,769号;及び米国特許第3,755,560号を参照されたい。これらの参考文献は、その全てを本明細書に参考として組み込む。
【0087】
選ばれる正確な界面活性剤は、組成物のpH及び存在するその他の構成成分に依存している。
【0088】
好ましいのは、陽イオン性界面活性剤、特にジアルキル第四級アンモニウム化合物であり、その例は米国特許第5,151,209号;米国特許第5,151,210号;米国特許第5,120,532号;米国特許第4,387,090号;米国特許第3,155,591号;米国特許第3,929,678号;米国特許第3,959,461号;マカッチャンの洗剤及び乳化剤(McCutcheon's,Detergents & Emulsifiers)(北米版、1979年)M.C.出版社(M.C.Publishing Co.);及びシュワルツら著界面活性剤(Surface Active Agents)、それらの化学と技術(Their Chemistry and Technology)、ニューヨーク:インターサイエンス・パブリッシャーズ(Interscience Publishers)、1949年に記載されており;これらの記載は参考として本明細書に組み入れる。本明細書で有用な陽イオン性界面活性剤には、次式を有するような陽イオンアンモニウム塩が挙げられる:
【0089】
【化4】

式中、R1は、約12〜約30個の炭素原子を有するアルキル基、又は約12〜約30個の炭素原子を有する芳香族基、アリール基又はアルカリール基であり;R2、R3、及びR4は、水素、約1〜約22個の炭素原子を有するアルキル基、又は約1〜約22個の炭素原子を有する芳香族基、アリール基又はアルカリール基から独立して選択され;Xは、適合する陰イオンであり、好ましくは塩化塩、臭化塩、ヨウ化塩、酢酸塩、リン酸塩、硝酸塩、硫酸塩、メチル硫酸塩、エチル硫酸塩、トシラート、乳酸塩、クエン酸塩、グリコレート、及びこれらの混合物から成る群から選択される。加えて、R1、R2、R3、及びR4のアルキル基はまた、エステル及び/若しくはエーテル結合、又はヒドロキシ若しくはアミノ基の置換基も含有することができる(例えば、アルキル基がポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール部分を含有することができる)。
【0090】
より好ましくは、R1は、約12〜約22個の炭素原子を有するアルキル基であり;R2は、水素、又は約1〜約22個の炭素原子を有するアルキル基から選択され;R3及びR4は、水素、又は約1〜約3個の炭素原子を有するアルキル基から独立して選択され;Xは前に説明したとおりである。
【0091】
最も好ましくは、R1は、約12〜約22個の炭素原子を有するアルキル基であり;R2、R3、及びR4は、水素又は約1〜約3個の炭素原子を有するアルキル基から選択され;Xは前に説明したとおりである。
【0092】
あるいは、その他の有用な陽イオン性乳化剤としてはアミノ−アミドが挙げられ、その際上記構造式において、R1は代替的にR5CONH−(CH2nであり、式中、R5は約12〜約22個の炭素原子を有するアルキル基であり、nは約2〜約6、より好ましくは約2〜約4、最も好ましくは約2〜約3の整数である。これらの陽イオン性乳化剤の非限定的な例には、ステアルアミドプロピルPG−ジモニウムクロリドホスフェート、ベヘナミドプロピルPG塩化ジモニウム、ステアルアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート、ステアルアミドプロピルジメチル(ミリスチルアセテート)塩化アンモニウム、ステアルアミドプロピルジメチルセテアリルアンモニウムトシレート、ステアルアミドプロピルジメチル塩化アンモニウム、ステアルアミドプロピルジメチルアンモニウム乳酸塩、及びこれらの混合物が挙げられる。とりわけ好ましいのは、ベヘナミドプロピルPG塩化ジモニウムである。
【0093】
四級アンモニウム塩の陽イオン性界面活性剤の非限定的な例には、セチル塩化アンモニウム、セチル臭化アンモニウム、ラウリル塩化アンモニウム、ラウリル臭化アンモニウム、ステアリル塩化アンモニウム、ステアリル臭化アンモニウム、セチルジメチル塩化アンモニウム、セチルジメチル臭化アンモニウム、ラウリルジメチル塩化アンモニウム、ラウリルジメチル臭化アンモニウム、ステアリルジメチル塩化アンモニウム、ステアリルジメチル臭化アンモニウム、セチルトリメチル塩化アンモニウム、セチルトリメチル臭化アンモニウム、ラウリルトリメチル塩化アンモニウム、ラウリルトリメチル臭化アンモニウム、ステアリルトリメチル塩化アンモニウム、ステアリルトリメチル臭化アンモニウム、ラウリルジメチル塩化アンモニウム、ステアリルジメチルセチルジタロージメチル塩化アンモニウム、ジセチル塩化アンモニウム、ジセチル臭化アンモニウム、ジラウリル塩化アンモニウム、ジラウリル臭化アンモニウム、ジステアリル塩化アンモニウム、ジステアリル臭化アンモニウム、ジセチルメチル塩化アンモニウム、ジセチルメチル臭化アンモニウム、ジラウリルメチル塩化アンモニウム、ジラウリルメチル臭化アンモニウム、ジステアリルメチル塩化アンモニウム、ジステアリルメチル臭化アンモニウム、及びこれらの混合物から成る群から選択されたものが挙げられる。追加的な四級アンモニウム塩には、C12〜C30のアルキル炭素鎖がタロー脂肪酸又はココナッツ脂肪酸に由来するものが挙げられる。「タロー」という用語は、一般にC16〜C18の範囲でアルキル鎖の混合物を有する、タロー脂肪酸(通常、水素添加タロー脂肪酸)に由来するアルキル基のことをいう。「ココナッツ」という用語は、一般にC12〜C14の範囲でアルキル鎖の混合物を有する、ココナッツ脂肪酸に由来するアルキル基のことをいう。これらのタロー及びココナッツ原料に由来する四級アンモニウム塩の例としては、ジタロージメチル塩化アンモニウム、ジタロージメチルアンモニウムメチルサルフェート、ジ(水素添加タロー)ジメチル塩化アンモニウム、ジ(水素添加タロー)ジメチル酢酸アンモニウム、ジタロージプロピルリン酸アンモニウム、ジタロージメチル硝酸アンモニウム、ジ(ココナッツアルキル)ジメチル塩化アンモニウム、ジ(ココナッツアルキル)ジメチル臭化アンモニウム、タロー塩化アンモニウム、ココナッツ塩化アンモニウム、ステアルアミドプロピル塩化PG−ジモニウムホスフェート、ステアルアミドプロピルエチルジモニウムエソサルフェート、ステアルアミドプロピルジメチル(ミリスチルアセテート)塩化アンモニウム、ステアルアミドプロピルジメチルセテアリルアンモニウムトシラート、ステアルアミドプロピルジメチル塩化アンモニウム、ステアルアミドプロピルジメチル乳酸アンモニウム、及びこれらの混合物が挙げられる。エステル結合を伴ったアルキル基を有する第四級アンモニウム化合物の例は、ジタローイルオキシエチルジメチル塩化アンモニウムである。
【0094】
より好ましい陽イオン性界面活性剤には、ベヘナミドプロピル塩化PGジモニウム、ジラウリルジメチル塩化アンモニウム、ジステアリルジメチル塩化アンモニウム、ジミリスチルジメチル塩化アンモニウム、ジパルミチルジメチル塩化アンモニウム、ジステアリルジメチル塩化アンモニウム、ステアルアミドプロピル塩化PG−ジモニウムホスフェート、ステアルアミドプロピルエチルジアンモニウムエトサルフェート、ステアルアミドプロピルジメチル(ミリスチルアセテート)塩化アンモニウム、ステアルアミドプロピルジメチルセテアリルアンモニウムトシラート、ステアルアミドプロピルジメチル塩化アンモニウム、ステアルアミドプロピルジメチル乳酸アンモニウム、及びこれらの混合物から成る群から選択されたものである。
【0095】
最も好ましい陽イオン性界面活性剤は、ベヘナミドプロピル塩化PGジモニウム、ジラウリルジメチル塩化アンモニウム、ジステアリルジメチル塩化アンモニウム、ジミリスチルジメチル塩化アンモニウム、ジパルミチルジメチル塩化アンモニウム、及びこれらの混合物から成る群から選択されたものである。
【0096】
陽イオン性界面活性剤と構造剤との好ましい組合せは、ベヘナミドプロピル塩化PGジモニウム及び/又はベヘニルアルコールであり、特にそのような組合せがイオン性及び/又は極性の高い溶媒を含有する場合、物理的、化学的安定性を高めるように、その比率を好ましく最適化する。この組合せは、特に酸化亜鉛やオクチルメトキシケイ皮酸のような日焼け止め剤への使用に有用である。
【0097】
多種多様な陰イオン性界面活性剤も、本明細書に有用である。例えば、ラフリン(Laughlin)らの米国特許第3,929,678号(1975年12月30日発行)を参照されたい。これは参考としてその全てを本明細書に組み込む。陰イオン性界面活性剤の非限定的な例には、アルコイルイセチオネート、並びにアルキル及びアルキルエーテルサルフェートが挙げられる。アルコイルイセチオネートは、典型的には式、RCO−OCH2CH2SO3Mを有し、式中、Rは、約10〜約30個の炭素原子のアルキル又はアルケニルであり、Mはアンモニウム、ナトリウム、カリウム及びトリエタノールアミンのような水溶性陽イオンである。これらのイセチオネートの非限定的な例には、ココイルイセチオン酸アンモニウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ステアロイルイセチオン酸ナトリウム、及びこれらの混合物から成る群から選択される、アルコイルイセチオネートが挙げられる。
【0098】
アルキル及びアルキルエーテルサルフェートは、典型的にはそれぞれ式、ROSO3M及びRO(C24O)xSO3Mを有し、式中、Rは、約10〜約30個の炭素原子のアルキル又はアルケニルであり、xは約1〜約10であり、Mは、アンモニウム、ナトリウム、カリウム及びトリエタノールアミンのような水溶性陽イオンである。別の好適な種類の陰イオン性界面活性剤は、以下の一般式の有機硫酸反応生成物の水溶性塩である。
【0099】
1SO3
式中、R1は約8〜約24個、好ましくは約10〜約16個の炭素原子を持つ直鎖または分枝鎖、飽和脂肪族炭化水素ラジカルから成る群から選択され、Mは、陽イオンである。更にその他の陰イオン性合成界面活性剤には、約12〜約24個の炭素原子を有するスクシナメート、オレフィンスルホネート、及びβ−アルキルオキシアルカンスルホネートとして示される部類が挙げられる。このような物質の例は、ラウリル硫酸ナトリウム及びラウリル硫酸アンモニウムである。
【0100】
本発明において有用なその他の陰イオン性物質は、脂肪酸の石鹸(即ち、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩)であり、典型的には約8〜約24個の炭素原子、好ましくは約10〜約20個の炭素原子を有する。石鹸類を作製する際に使用される脂肪酸類は、例えば、植物由来又は動物由来のグリセリド類(例えば、パーム油、ココヤシ油、大豆油、ヒマシ油、タロー、ラードなど)のような天然源から得ることができる。脂肪酸類は、また、合成的に調製することもできる。石鹸については、米国特許第4,557,853号に更に詳細に記載されている。
【0101】
両性及び双極性界面活性剤も、本発明で有用である。本発明の組成物で使用できる両性及び双極性界面活性剤の例は、脂肪族基が直鎖又は分枝鎖であることができ、脂肪族置換基の1つが約8〜約22個の炭素原子を含有し(好ましくはC8〜C18)、1つが陰イオン性水溶性基、例えば、カルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート、又はホスホネートを含有する脂肪族第二級及び第三級アミンの誘導体と広く記載されるものである。例としては、式、RN[CH2mCO2M]2及びRNH(CH2mCO2Mを持つアルキルイミノアセテート、並びにイミノジアルカノエート及びアミノアルカノエートがあり、式中、mは1から4であり、RはC8〜C22のアルキル基又はアルケニル基であり、Mは、H、アルカリ金属、アルカリ土類金属アンモニウム、又はアルカノールアンモニウムである。更に、イミダゾリニウム及びアンモニウム誘導体も挙げられる。好適な両性界面活性剤の具体例としては、3−ドデシル−アミノプロピオン酸ナトリウム、3−ドデシルアミノプロパンスルホン酸ナトリウム、本発明では参考としてその全体を組み込む米国特許第2,658,072号の教示にしたがって、ドデシルアミンをイセチオン酸ナトリウムと反応させることによって調製するもののようなN−アルキルタウリン;本明細書に参考としてその全体を組み込む米国特許第2,438,091号の教示にしたがって生成するもののようなn−高級アルキルアスパラギン酸;「ミラノール」の商品名で市販されている製品で、本明細書に参考としてその全体を組み込む米国特許第2,528,378号に記載されているものが挙げられる。有用な両性界面活性剤のその他の例には、リン酸コアミドプロピル塩化PG−ジモニウム(モナコープ(Mona Corp)からモナクエート(Monaquat)PTCとして市販されている)のようなリン酸塩が挙げられる。
【0102】
ベタインも本明細書では両性又は双極性界面活性剤として有用である。ベタインの例には、高級アルキルベタイン、例えば、ココジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルカルボキシメチルベタイン、ラウリルジメチルアルファカルボキシエチルベタイン、セチルジメチルカルボキシメチルベタイン、セチルジメチルベタイン(ロンザ社(Lonza Corp.)からロンザイン(Lonzaine)16SPの名で市販)、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)カルボキシメチルベタイン、ステアリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)カルボキシメチルベタイン、オレイルジメチルガンマ−カルボキシプロピルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシプロピル)アルファ−カルボキシエチルベタイン、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ステアリルジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルジメチルスルホエチルベタイン、ラウリルビス−(2−ヒドロキシエチル)スルホプロピルベタイン、及びアミドベタイン、アミドスルホベタイン(ここでは、RCONH(CH23基は、ベタインの窒素原子と結合している)、オレイルベタイン(ヘンケル(Henkel)から両性ベルベテック(Velvetex)OLB−50として市販)、並びにコカミドプロピルベタイン(ヘンケルからベルベテックスBK−35及びBA−35として市販)が挙げられる。
【0103】
その他の有用な両性及び双極性界面活性剤には、スルタイン及びコカミドプロピルヒドロキシスルタイン(ローヌプーラン(Rhone-Poulenc)からミラテイン(Mirataine)CBSとして市販)のようなヒドロキシスルタイン、並びに式、RCON(CH3)CH2CH2CO2Mに相当するアルカノイルサルコシネートであって、式中、Rは約10〜約20個の炭素原子を有するアルキル基又はアルケニル基であり、Mは、アンモニウム、ナトリウム、カリウム及びトリアルカノールアミン(例えば、トリエタノールアミン)のような水溶性陽イオンであるものが挙げられ、その中で好ましい例は、ラウロイルサルコシン酸ナトリウムである。
【0104】
(c)水
好ましい水中油型エマルションは、局所用キャリアの約25重量%〜約98重量%、好ましくは約65重量%〜約95重量%、更に好ましくは約70重量%〜約90重量%の水を含む。
【0105】
疎水性相は連続的な水性相に分散している。疎水性相は、水中シリコーン型エマルションに関連して本明細書に記載されるシリコーン、並びにエマルションに関連して前述したようなその他のオイル及び脂質が挙げられるが、これらに限定されない、当該分野で既知の水不溶性又は部分的に水溶性の物質を含有してもよい。
【0106】
(組成物の形態)
ローションやクリームが挙げられるがこれらに限定されない、本発明の局所用組成物は、皮膚科学的に許容可能な皮膚軟化剤を含んでもよい。このような組成物は、好ましくは約2%〜約50%の皮膚軟化剤を含有する。本明細書で使用する時、「皮膚軟化剤」とは、乾燥の予防又は緩和並びに、皮膚の保護に有用な物質のことをいう。多種多様の好適な皮膚軟化剤が既知であり、本明細書で使用してもよい。サガリン(Sagarin)の「化粧品、科学と技術(Cosmetics,ScienceandTechnology)」、第2版、第1巻32〜43頁(1972年)は皮膚軟化剤として好適な物質の多数の例を含み、本明細書に参考として組み入れる。好ましい皮膚軟化剤は、グリセリンである。グリセリンは、好ましくは約0.001〜約20%、より好ましくは約0.01〜約10%、最も好ましくは約0.1〜約7%、例えば5%の量で用いられる。
【0107】
本発明に基づいたローション及びクリームは一般に、溶液キャリアシステム及び1つ以上の皮膚軟化剤を含む。ローションは典型的には、約1%〜約20%、好ましくは約5%〜約10%の皮膚軟化剤;約50%〜約90%、好ましくは約60%〜約80%の水;及び上記の量のビタミンB6を含む。クリームは典型的には、約5%〜約50%、好ましくは約10%〜約20%の皮膚軟化剤;約45%〜約85%、好ましくは約50%〜約75%の水;及び上記の量のビタミンB6を含む。
【0108】
本発明の軟膏は、動物油若しくは植物油若しくは半固形炭化水素(油性)の単純なキャリアベース;エマルションを形成するために水を吸収するような吸収性軟膏ペース;又は水溶性キャリア、例えば、水溶性溶液キャリアを含んでもよい。軟膏は更に、参考として本明細書に組み込む、サガリン(Sagarin)著「化粧品、科学と技術(Cosmetics、Science and Technology)」、第2版、第1巻、72〜73頁(1972年)に記載されるような濃厚剤、及び/又は皮膚軟化剤を含んでもよい。
【0109】
洗浄(「洗剤」)に有用な本発明の組成物は、例えば、上記のように、好適なキャリアと共に配合され、好ましくは、上記の量のビタミンB6に加えて、約1%〜約90%の皮膚科学的に許容可能な界面活性剤を含有する。
【0110】
洗浄組成物の物理的形状はさほど重要ではない。組成物は、例えば、化粧石鹸、リキッド、シャンプー、浴用ジェル、ヘアコンディショナー、ヘアトニック、ペースト、又はムースとして配合することができる。化粧石鹸は、最も一般的に皮膚の洗浄に使われる洗浄剤の形態なので、最も好ましい。シャンプーのようなリンスオフ洗浄剤組成物は、皮膚及び頭皮に活性物質を十分な濃度で付着させるために適したデリバリーシステムが必要である。好ましいデリバリーシステムは不溶性錯体の利用を伴う。このようなデリバリーシステムの更に完全な開示については、米国特許第4,835,148号(バーフォード(Barford)ら、1989年5月30日発行)を参照のこと。
【0111】
本発明の組成物は、化粧品の形態であってもよい。好適な化粧品の形態には、ファンデーション、口紅、ルージュ、マスカラなどが挙げられるが、これらに限定されない。そのような化粧用製品は、オイル、着色剤、色素、皮膚軟化剤、芳香剤、ワックス、安定剤などのような従来の成分を含んでもよい。本明細書に用いるのに好適な、代表的なキャリア及びこうしたその他の成分は、例えば、同時係属の特許出願第08/430,961号(マーシャ・L・カンター(Marcia L.Canter)、ブレイン・D・バーフォード(Brain D.Barford)、及びブライアン・D・ホフリヒター(Brian D.Hofrichter)の名前で1995年4月28日出願)に記載されている。
【0112】
D.任意の構成成分
本発明の組成物は、所与の製品の種類に従来用いられる他の様々な成分を、それらが本発明の利益を容認し難いほど変更しないという条件で含有してもよい。
【0113】
組成物中に組み込まれる場合、任意構成成分は、正しい判断の範囲内で、過度の毒性、不適応性、不安定性、アレルギー反応などを示すことなく、ヒトのケラチン組織に接触させて用いるのに好適でなければならない。「CTFA化粧品成分ハンドブック(CTFA Cosmetic Ingredient Handbook)」、第2版(1992年)には、スキンケアに関連する業界で一般に使用される様々な非限定的な化粧品及び医薬品の成分が記載されており、それらは本発明の組成物への使用に好適である。このような成分分類の例としては:研磨剤、吸収剤、香水、顔料、着色料/着色剤、精油、皮膚への刺激剤、収れん剤などの美容的構成成分(例えば、丁子油、メンソール、カンファー、ユーカリ油、オイゲノール、メンチルラクテート、マンサク属の留出物)、抗ニキビ剤、固化防止剤、消泡剤、抗菌剤(例えば、ヨードプロピルブチルガーバメート)、酸化防止剤、結合剤、生物学的添加物、緩衝剤、充填剤、キレート剤、化学的添加物、着色剤、化粧用収れん剤、化粧用殺生物剤、変性剤、薬用収れん剤、外用鎮痛剤、皮膜形成剤又は物質、例えば、前記組成物の皮膜形成性及び実質性を補助するポリマー(例えば、エイコセンとビニルピロリドンのコポリマー)、乳白剤、pH調整剤、噴射剤、還元剤、金属イオン封鎖剤、スキンブリーチング剤及び美白剤(例えば、ヒドロキノン、コウジ酸、アスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコサミン)、スキンコンディショニング剤(その他のもの及び閉鎖性のものを含めた湿潤剤)、皮膚鎮静剤及び/又は治療剤(例えば、パンテノール及び誘導体(例えば、エチルパンテノール)、アロエベラ、パントテン酸及びその誘導体、アラントイン、ビサボロール、及びグリチルリチン酸二カリウム)、皮膚処置剤、増粘剤及びビタミン及びその誘導体が挙げられる。
【0114】
しかしながら、本発明のいかなる実施形態においても、本発明において有用な活性物質は、それらが提供する利益又は前提とされるそれらの作用様式によって分類することができる。しかしながら、本明細書で有用な活性物質は、場合によっては1を超える利益をもたらすか、又は1を超える作用様式を介して機能することが理解される必要がある。それゆえ、本明細書での分類は、便宜上のことであって、特定の適用又は列記する適用に対する活性を限定しようとするものではない。
【0115】
1.)剥離活性物質
安全且つ有効な量、より好ましくは組成物の約0.01重量%〜約10重量%、更により好ましくは約0.5重量%〜約5重量%、また好ましくは約0.1重量%〜約2重量%の剥離活性物質を本発明の組成物に添加してもよい。剥離活性物質は、本発明の皮膚外観効果を増進させる。例えば、剥離活性物質は皮膚の質感(例えば、滑らかさ)を改善する傾向がある。本明細書に用いるのに好適な1つの剥離系は、スルフヒドリル化合物及び双極性界面活性剤を含み、PCT国際公開特許96/01101(1996年1月18日出願)に相当する米国特許第5,681,852号(ドナルド・L・ビッセット(Donald L.Bissett)の名において1997年10月28日発行)に記載されている。本明細書での使用に好適な別の剥離系は、サリチル酸及び双極性界面活性剤を含み、PCT国際公開特許95/13048(1995年5月18日公開)に相当し、出願第08/209,041号(ビセット(Bissett)の名において1994年3月9日出願、現在放棄)の継続である、米国特許第5,652,228号(1997年7月29日発行)に記載されている。これらの特許出願に記載されているような双性イオン界面活性剤はまた、本明細書においても剥離剤として有用であり、セチルベタインが特に好ましい。
【0116】
2.)抗ニキビ活性物質
本発明の組成物は、安全且つ有効な量の1つ以上の抗ニキビ活性物質を含んでもよい。有用な抗ニキビ活性物質の例には、レゾルシノール、イオウ、サリチル酸、エリスロマイシン、亜鉛などが挙げられる。好適な抗ニキビ活性物質の更なる例は、米国特許第5,607,980号(マカティ(McAtee)ら、1997年3月4日発行)により詳細に記載されている。
【0117】
3.)抗しわ活性物質/抗皮膚萎縮活性物質
本発明の組成物は、安全且つ有効な量の1つ以上の抗しわ活性物質又は抗萎縮活性物質を更に含んでもよい。本発明の組成物に用いるのに好適な代表的な抗しわ/抗皮膚萎縮活性物質には、イオウ含有D及びLアミノ酸及びこれらの誘導体と塩、特にN−アセチル誘導体が挙げられ、その好ましい例は、N−アセチル−L−システインであり;チオール、例えば、エタンチオール;ヒドロキシ酸(例えば、サリチル酸、グリコール酸)、ケト酸(例えば、ピルビン酸)、アスコルビン酸(ビタミンC)、フィチン酸、リポ酸;リソフォスファチド酸、皮膚剥脱剤(例えば、フェノールなど)、フラボノイド(例えば、フラバノン、カルコン、イソフラボン、フラボンなど)、スチルベン、シンナメート、レスベラトロル、カイネチン、ゼアチン、ジメチルアミノエタノール、自然源(例えば、大豆ペプチド)からのペプチド、糖酸の塩(例えば、グルコン酸マンガン)、テルペンアルコール(例えば、ファルネソール)、ペプチド、及び特にケラチン組織の状態、例えば、皮膚の状態を調整する場合に本発明のケラチン組織の外観の利益を強化するレチノイド、並びにその他のビタミンB化合物(例えば、チアミン(ビタミンB1)、パントテン酸(ビタミンB5)、カルニチン(ビタミンBt)、リボフラビン(ビタミンB2)、コバラミン(ビタミンB12)、パンガム酸又はジイソプロピルアミンジクロロアセテート(ビタミンB15群)、並びにこれらの誘導体及び塩(例えば、HCl塩又はカルシウム塩))が挙げられる。
【0118】
(a)酸化防止剤/ラジカルスカベンジャー
本発明の組成物は、安全且つ有効な量の酸化防止剤/ラジカルスカベンジャーを含んでもよい。酸化防止剤/ラジカルスカベンジャーは、鱗屑の剥がれの増加又は角質層のきめの変化の原因となり得る紫外線に対して、またその他の皮膚損傷の原因となり得る環境要因に対して、特に有用に防御する。
【0119】
酸化防止剤/ラジカルスカベンジャーを安全且つ有効な量、組成物の好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、より好ましくは約1重量%〜約5重量%で主題発明の組成物に加えてもよい。
【0120】
アスコルビン酸(ビタミンC)及びその塩、脂肪酸のアスコルビルエステル、アスコルビン酸誘導体(例えば、アスコルビン酸リン酸マグネシウム)、トコフェロール(ビタミンE)、トコフェロールソルベート、トコフェロールアセテート、トコフェロールのその他のエステル、ヒドロキシチロソール(tyrosol)、ブチル化ヒドロキシ安息香酸及びその塩、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸(トロロックス(Trolox)(登録商標)という商品名で市販)、没食子酸及びそのアルキルエステル、特にプロピルガレート、尿酸及びその塩及びアルキルエステル、ソルビン酸及びその塩、リポ酸、アミン(例えば、N,N−ジエチルヒドロキシルアミン、アミノ−グアニジン)、スルフヒドリル化合物(例えば、グルタチオン)、ジヒドロキシフマル酸及びその塩、リシンピドレート、アルギニンピロレート、ノルジヒドログアイアレチン酸、バイオフラボノイド、リシン、メチオニン、プロリン、スーパーオキシドジスムターゼ、シリマリン、茶抽出物、ブドウの皮/種子抽出物、メラニン、及びローズマリー抽出物のような酸化防止剤/ラジカルスカベンジャーを用いてもよい。好ましい酸化防止剤/ラジカルスカベンジャーは、トコフェロールソルベート及びその他のトコフェロールのエステルから選択され、より好ましくはトコフェロールソルベートである。局所組成物及び本発明に適用できるものにおけるトコフェロールソルベートの使用については、例えば、ドナルド L・ビセット(Donald L.Bissett)、ロドニー D・ブッシュ(Rodney D.Bush)及びランジット・シャテジー(Ranjit Chatterjee)による1989年7月11日発行の米国特許第4,847,071号に記載されている。
【0121】
(b)キレート化剤
本発明の組成物は更に、安全且つ有効な量のキレーター又はキレート化剤を含んでもよい。本明細書で使用するとき、「キレーター」又は「キレート剤」とは、金属イオンが容易に化学反応に加わったり、化学反応を触媒したりしないように、錯体を形成することによって系から金属イオンを除くことができる活性物質を意味する。キレート化剤を含むことは、過剰な鱗屑又は皮膚組織変化の一因となるような紫外線照射から、また皮膚の損傷を起こし得るようなその他の環境化学物質から、保護するためにとりわけ有用である。
【0122】
安全かつ有効な量のキレート剤を主題発明の組成物に加えてもよく、好ましくは組成物の約0.1%〜約10%、より好ましくは約1%〜約5%加えてもよい。本発明に有用な代表的なキレート剤の例は、米国特許第5,487,884号(ビセット(Bissett)ら、1996年1月30日発行)、国際公開91/16035(International Publication No.91/16035)(ブッシュ(Bush)ら、1995年10月31日発行)、及び国際公開91/16034(International Publication No.91/16034)(ブッシュ(Bush)ら、1995年10月31日発行)に開示されている。本発明の組成物に有用な好ましいキレート化剤は、フリルジオキシム及び誘導体である。
【0123】
(c)フラボノイド
本発明の組成物は、任意にフラボノイド化合物を含んでもよい。フラボノイドは、米国特許第5,686,082号及び第5,686,367号に広範に開示されており、これらを両方共本明細書に参考として組み込む。本発明で使用するのに適しているフラボノイドの例は、非置換フラバノン、モノ−置換フラバノン及びこれらの混合物から成る群から選択されるフラバノン;非置換カルコン、モノ−置換カルコン、ジ−置換カルコン、トリ−置換カルコン、及びこれらの混合物から成る群から選択されるカルコン;非置換フラボン、モノ−置換フラボン、ジ−置換フラボン、及びこれらの混合物から成る群から選択されるフラボン;1つ以上のイソフラボン;非置換クマリン、モノ−置換クマリン、ジ−置換クマリン、及びこれらの混合物から成る群から選択されるクマリン;非置換クロモン、モノ−置換クロモン、ジ−置換クロモン、及びこれらの混合物から成る群から選択されるクロモン;1つ以上のジクマロール;1つ以上のクロマノン;1つ以上のクロマノール;これらの異性体(例えば、シス/トランス異性体);並びにこれらの混合物である。本明細書で使用するとき、「置換した」という用語は、フラボノイドの1個又は複数個の水素原子が独立して、ヒドロキシル、C1〜C8アルキル、C1〜C4アルコキシル、O−グリコシド等、又はこれら置換基の混合で置換されるフラボノイドを意味する。
【0124】
本明細書で使用するのに好ましいのは、フラボン及びイソフラボン、特に非置換イソフラボン、ダイゼイン(7,4’−ジヒドロキシイソフラボン(isoflavan))、ゲニステイン(5,7,4’−トリヒドロキシイソフラボン)、イーコル(7,4’−ジヒドロキシイソフラバン)、5,7−ジヒドロキシ−4’−メトキシイソフラボン、大豆イソフラボン(大豆から抽出された混合物)、及びこれらの混合物である。
【0125】
これらは、合成物質であるか又は自然源(例えば、植物)からの抽出物として得ることができる。天然に供給される物質を更に誘導することもできる(例えば、自然源から抽出後に調製されるエステル又はエーテル誘導体)。本発明で有用なフラボノイド化合物は、多数の供給元、例えば、インドファイン・ケミカル社(Indofine Chemical Company,Inc.)(米国ニュージャージー州サマービル)、ステラロイズ社(Steraloids,Inc.)(米国ニューハンプシャー州ウィルトン)、及びアルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Company,Inc.)(米国ウィスコンシン州ミルウォーキー)から販売されている。
【0126】
上記フラボノイド化合物の混合物を使用してもよい。
【0127】
本明細書に記載したフラボノイド化合物は、本発明中では、好ましくは約0.01%〜約20%、更に好ましくは約0.1%〜約10%、最も好ましくは約0.5%〜約5%の濃度で存在している。
【0128】
(d)抗炎症剤
安全かつ有効な量の抗炎症剤を本発明の組成物に加えることができ、その量は、好ましくは組成物の約0.01%〜約10%、更に好ましくは約0.5%〜約5%である。抗炎症剤は、本発明における皮膚の外観に関する利点を高め、例えばそのような薬剤は、更に均一で好ましい皮膚の色調又は色に寄与する。そのような薬剤は効力が様々に異なるために、組成物中で使用される抗炎症剤の正確な量は、利用する特定の抗炎症剤によって決まる。
【0129】
ステロイド性抗炎症剤は、ヒドロコルチゾンのような副腎皮質ホルモンを含むが、これらに限定されない。
【0130】
組成物に有用な第二の部類の抗炎症剤は、非ステロイド性抗炎症剤を含む。この群に含まれる様々な化合物は、当業者に周知である。非ステロイド性抗炎症剤の化学構造、合成、副作用などの詳細な開示については、「抗炎症薬及び抗リウマチ薬(Anti-inflammatory and Anti-Rheumatic Drugs)」、K.D.レインスフォード(K.D.Rainsford)、第I〜III巻、CRCプレス、ボカラトン(Boca Raton)、(1985)及び「抗炎症薬、化学及び薬理学(Anti-inflammatory Agents,Chemistry and Pharmacology)」、1、R.A.シェラー(R.A.Scherrer)ら、アカデミックプレス、ニューヨーク(1974)を含めた標準的なテキストを参照してもよい。
【0131】
組成物発明において有用な特定の非ステロイド性抗炎症剤としては、サリチル酸塩、フルフェナム酸、エトフェナム酸塩(etofenamate)、アスピリン及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0132】
最後に、いわゆる「天然の」抗炎症剤が、本発明の方法に有用である。このような抗炎症剤は、好適な物理的及び/又は化学的単離により自然源(例えば、植物、真菌類、微生物の副産物)より抽出物として好適に取得されてもよい。例えば、キャンデリラワックス、α−ビサボロール、アロエベラ、マニスタ(Manjistha)(ルビア(Rubia)属の植物、特にルビア・コーディフォリア(Rubia Cordifolia)の抽出物)、及びグガル(Guggal)(コミフォラ(Commiphora)属の植物、特にコミフォラ・ムクル(Commiphora Mukul)の抽出物)、コーラノキ抽出物、カモミール、ムラサキツメクサ抽出物、及びムチヤギ抽出物を使用してもよい。
【0133】
本発明において有用な追加の抗炎症剤には、グリチルレチン酸、グリチルリチン酸、及びこれらの誘導体(例えば、塩及びエステル)を含む、アラントイン及びカンゾウの化合物(植物属/種名グリチルリチア・グラブラ(Glycyrrhiza glabra)族が挙げられる。前記化合物の好適な塩としては、金属及びアンモニウム塩が挙げられる。好適なエステルには、C2〜C24、好ましくはC10〜C24、より好ましくはC16〜C24の酸の飽和又は不飽和エステルが挙げられる。前述の具体的な例としては、油溶性カンゾウ抽出物、グリチルリチン酸及びグリチルレチン酸そのもの、グリチルリチン酸モノアンモニウム、グリチルリチン酸モノカリウム、グリチルリチン酸二カリウム、1−β−グリチルレチン酸、ステアリルグリチルレチネート、及び3−ステアリルオキシグリチルレチン酸、及び3−スクシニルオキシ−β−グリチルレチン酸二ナトリウムが挙げられる。ステアリルグリチルレチネートが好ましい。
【0134】
これらの抗炎症剤の活性構成成分(例えば、ビアボロール、グリチルレチネートエステル)はまた、自然源の抽出物から得られるか又は合成により調製されてもよい。
【0135】
(e)抗セルライト剤
本発明の組成物はまた、安全且つ有効な量の抗セルライト剤を含んでもよい。好適な抗セルライト剤としては、キサンチン化合物(例えば、カフェイン、テオフィリン、テオブロミン、及びアミノフィリン)を挙げることができるが、これらに限定されない。
【0136】
(f)局所麻酔剤
本発明の組成物はまた、安全且つ有効な量の局所麻酔剤を含んでもよい。局所麻酔剤の例としては、ベンゾカイン、リドカイン、ブピバカイン、クロルプロカイン、ジブカイン、エチドカイン、メピバカイン、テトラカイン、ジクロニン、ヘキシルカイン、プロカイン、コカイン、ケタミン、プラモキシン、フェノール、及び製薬上許容できるこれらの塩が挙げられる。
【0137】
(g)日焼け活性物質
本発明の組成物は、日焼け活性物質を含んでもよい。存在する場合、組成物は、組成物の約0.1重量%〜約20重量%、更に好ましくは約2重量%〜約7重量%、最も好ましくは約3重量%〜約6重量%のジヒドロキシアセトンを人工の日焼け活性物質として含むのが好ましい。
【0138】
ジヒドロキシアセトンは、DHA又は1,3−ジヒドロキシ−2−プロパノンとしても既知であり、白色から灰白色の結晶性粉末である。この物質は、化学式、C363及び次の化学構造により示すことができる。
【0139】
【化5】

化合物はモノマー及びダイマーの混合物として存在することができ、固体結晶状態のダイマーが優勢である。加熱又は溶解の際に、このダイマーは分解し、モノマーが得られる。このダイマー型からモノマー型への変換はまた、水溶液中でも生じる。ジヒドロキシアセトンは、酸性pH値においてより安定であることも既知である。メルクインデックス(The Merck Index)、第10版、3167項目、463頁(1983年)、及び「化粧品用のジヒドロキシアセトン(Dihydroxyacetone for Cosmetics)」、イー・メルクテクニカルブリテン(E.Merck Technical Bulletin)、03−304 110、319 897、180 588を参照のこと。
【0140】
(h)美白剤
本発明の組成物は美白剤を含んでもよい。使用する時、組成物は、好ましくは組成物の約0.1重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約5重量%、更に好ましくは約0.5重量%〜約2重量%の美白剤を含む。好適な美白剤としては、コウジ酸、アルブチン、トラネキサム酸、アスコルビン酸及びその誘導体、例えば、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸リン酸ナトリウム、又はリン酸アスコルビルのその他の塩、アスコルビルグルコシドなどを含む、当該技術分野において既知のものが挙げられる。本明細書に用いるのに好適な他の美白剤物質としては、ウンデシルエノイルフェニルアラニン(SEPPIC製のセピホワイト(Sepiwhite)(登録商標))、アロエシン、アクチホワイト(Actiwhite)(登録商標)(コグニス(Cognis))、エンブリカ(登録商標)(Emblica)(??)及びアゼログリシナ(Azeloglicina)(??)が挙げられる。本明細書に用いるのに好適な美白剤としては、また、PCT出願第US95/07432号(1995年6月12日出願)に相当する同時係属の特許出願第08/479,935号(ヒルブランド(Hillebrand)の名において、1995年6月7日出願)、及びPCT出願第US95/02809号(1995年3月1日出願、1995年9月8日公開)に相当する同時係属の特許出願第08/390,152号(カーラL.クバルネス(Kalla L.Kvalnes)、ミッチェルA.デロング(Mitchell A.DeLong)、バートンJ.ブラッドベリ(Barton J.Bradbury)、カーチスB.モトレー(Curtis B.Motley)及びジョンD.カーター(John D.Carter)の名において、1995年2月24日出願)に記載されるものが挙げられる。
【0141】
(i)抗菌及び抗カビ活性物質
本発明の組成物は、抗菌又は抗カビ活性物質を含んでもよい。このような活性物質は、微生物を駆除し、微生物の発生を防止し、又は微生物の病原作用を防止し得る。安全且つ有効な量の抗菌又は抗カビ活性物質は、本発明の組成物に、好ましくは約0.001%〜約10%、更に好ましくは約0.01%〜約5%、最も好ましくは約0.05%〜約2%加えてもよい。
【0142】
抗菌及び抗カビ活性物質の例としては、β−ラクタム剤、キノロン剤、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、テトラサイクリン、エリスロマイシン、アミカシン、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロバニライド、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、ドキシサイクリン、カプレオマイシン、クロルヘキシジン、クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、クリンダマイシン、エタンブトール、ヘキサミジン、イセチオネート、メトロニダゾール、ペンタミジン、ゲンタマイシン、カナマイシン、リネオマイシン、メタサイクリン、メテナミン、ミノサイクリン、ネオマイシン、ネチルミシン、パロモマイシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、ミコナゾール、塩酸テトラサイクリン、エリスロマイシン、亜鉛エリスロマイシン、エリスロマイシンエストレート、ステアリン酸エリスロマイシン、硫酸アミカシン、塩酸ドキシサイクリン、硫酸カプレオマイシン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン、塩酸クロルテトラサイクリン、塩酸オキシテトラサイクリン、塩酸クリンダマイシン、塩酸エタンブトール、塩酸メトロニダゾール、塩酸ペンタミジン、硫酸ゲンタマイシン、硫酸カナマイシン、塩酸リネオマイシン、塩酸メタサイクリン、馬尿酸メテナミン、マンデル酸メテナミン、塩酸ミノサイクリン、硫酸ネオマイシン、硫酸ネチルミシン、硫酸パロモマイシン、硫酸ストレプトマイシン、硫酸トブラマイシン、塩酸ミコナゾール、ケタコナゾール、塩酸アマンファジン、硫酸アマンファジン、オクトピロックス、パラクロロメタキシレノール、ナイスタチン、トルナフテート、ジンクピリチオン、及びクロトリマゾールが挙げられる。
【0143】
本明細書で有用な活性物質の好ましい例には、サリチル酸、過酸化ベンゾイル、3−ヒドロキシ安息香酸、グリコール酸、乳酸、4−ヒドロキシ安息香酸、アセチルサリチル酸、2−ヒドロキシブタン酸、2−ヒドロキシペンタン酸、2−ヒドロキシヘキサン酸、シス−レチノイン酸、トランス−レチノイン酸、レチノール、フィチン酸、N−アセチル−L−システイン、リポ酸、アゼライン酸、アラキドン酸、過酸化ベンゾイル、テトラサイクリン、イブプロフェン、ナプロキセン、ヒドロコルチゾン、アセトミノフェン、レゾルシノール、フェノキシエタノール、フェノキシプロパノール、フェノキシイソプロパノール、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロカルバニリド、オクトピロックス、塩酸リドカイン、クロトリマゾール、ミコナゾール、ケトコナゾール、ネオサイシンサルフェート、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。
【0144】
(j)日焼け止め活性物質
紫外線に曝されることによって、角質層の過度の鱗屑と組織変化を招き得る。したがって、本発明の組成物は、任意に日焼け止め活性物質を含有してもよい。本明細書で使用するとき、「日焼け止め活性物質」とは、日焼け止め剤及び物理的日焼け防止剤の両方を含む。好適な日焼け止め活性物質は、有機又は無機であってよい。
【0145】
多種多様な従来の日焼け止め活性物質は、本発明への使用に好適である。サガリン(Sagarin)らの「化粧品の科学及び技術(Cosmetics Science and Technology)」(1972年)VIII章189頁以下では、多数の適切な活性物質が開示されている。具体的な好適な日焼け止め活性物質としては、例えば;p−アミノ安息香酸、その塩及びその誘導体(エチル、イソブチル、グリセリルエステル;p−ジメチルアミノ安息香酸);アントラニレート(即ち、o−アミノ安息香酸;メチル、メンチル、フェニル、ベンジル、フェニルエチル、リナリル、テルピニル、及びシクロヘキシニルエステル);サリチレート(アミル、フェニル、オクチル、ベンジル、メンチル、グリセリル、及びジ−プロ−ピレングリコールエステル);ケイ皮酸誘導体(メンチル及びベンジルエステル、α−フェニルシナモニトリル;ブチルピルビン酸シナモイル);ジヒドロキシケイ皮酸誘導体(ウンベリフェロン、メチルウンベリフェロン、メチルアセト−ウンベリフェロン);トリヒドロキシケイ皮酸誘導体(エスクレチン、メチルエスクレチン、ダフネチン、及びグルコシド、エスクリン及びダフニン);炭化水素(ジフェニルブタジエン、スチルベン);ジベンザールアセトン及びベンザールアセトフェノン;ナフトールスルホネート(2−ナフトール−3,6−ジスルホン酸及び2−ナフトール−6,8−ジスルホン酸のナトリウム塩);ジ−ヒドロキシナフトエ酸及びその塩;o−及びp−ヒドロキシビフェニルジスルホネート;クマリン誘導体(7−ヒドロキシ、7−メチル、3−フェニル);ジアゾール(2−アセチル−3−ブロムインダゾール、フェニルベンゾキサゾール、メチルナフトキサゾール、様々なアリールベンゾチアゾール);キニン塩(ビサルフェート、硫酸塩、塩化物、オレイン酸塩、及びタンニン酸塩);キノリン誘導体(8−ヒドロキシキノリン塩、2−フェニルキノリン);ヒドロキシ−又はメトキシ−置換ベンゾフェノン;尿酸及びビオルル酸;タンニン酸及びその誘導体(例えば、ヘキサエチルエーテル);(ブチルカルボトール)(6−プロピルピペロニル)エーテル;ヒドロキノン;ベンゾフェノン(オキシベンゼン、スリソベンゾン、ジオキシベンゾン、ベンゾレゾルシノール、2,2’−,4,4’−テトラヒドロオキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、オクタベンゾン;4−イソプロピルジベンゾイルメタン;ブチルメトキシジベンゾイルメタン;エトクリレン;オクトクリレン;[3−(4’−メチルベンジリデンボルナン−2−オン)、4−イソプロピル−ジ−ベンゾイルメタン;酸化亜鉛及び二酸化チタンが挙げられる。
【0146】
これらの中でも、2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート(パーソル(PARSOL)MCXとして市販されている)、4,4’−t−ブチルメトキシジベンゾイル−メタン(パーソル1789として市販)、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチル−p−アミノ安息香酸、ジガロイルトリオレエート、2,2−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、エチル−4−(ビス(ヒドロキシ−プロピル))アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−サリチラート、グリセリル−p−アミノベンゾエート、3,3,5−トリ−メチルシクロヘキシルサリチラート、メチルアンスラニレート、p−ジメチル−アミノ安息香酸又はアミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ジメチル−アミノ−ベンゾエート、2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸、2−(p−ジメチルアミノフェニル)−5−スルホンベンゾキサゾン酸、オクトクリレン、酸化亜鉛、二酸化チタン、及びこれらの化合物の混合物が好ましい。
【0147】
本発明に有用な組成物において有用な更に好ましい有機日焼け止め活性物質は、2−エチルヘキシル−p−メトキシケイ皮酸塩、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸、オクチルジメチル−p−アミノ安息香酸、オクトクリレン、酸化亜鉛、二酸化チタン、及びこれらの混合物である。
【0148】
特に好ましい日焼け止め活性物質には、4,4’−t−ブチルメトキシジベンゾイルメタン、2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、オクトクリレン、酸化亜鉛、二酸化チタン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0149】
安全且つ有効な量の日焼け止め活性物質は、典型的には約1重量%〜約20重量%、更に典型的には約2重量%〜約10重量%の濃度で使用される。正確な量は、選択した日焼け止め剤及び所望の日焼け防止指数(SPF)により変化する。
【0150】
(k)コンディショニング剤
本発明の組成物は、湿潤剤、加湿剤、又は皮膚コンディショナーから成る群から選択されるコンディショニング剤を含んでもよい。これらの様々な物質を使用することができ、それぞれ、組成物の約0.01重量%〜約20重量%、更に好ましくは約0.1重量%〜約10重量%、最も好ましくは約0.5重量%〜約7重量%の濃度で存在し得る。これらの物質には、グアニジン;尿素;グリコール酸及びグリコール酸塩(例えば、アンモニウム及び四級アルキルアンモニウム);サリチル酸;乳酸及び乳酸塩(例えば、アンモニウム及び四級アルキルアンモニウム);様々な形態のうちのいずれかのアロエベラ(例えば、アロエベラジェル);ソルビトール、マンニトール、グリセロール、ヘキサントリオール、ブタントリオール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのようなポリヒドロキシ化合物;ポリエチレングリコール;糖類(例えば、メリビオース)及びデンプン;糖及びデンプン誘導体(例えば、アルコキシル化グルコース、フルクトース、スクロースなど);ヒアルロン酸;ラクトアミドモノエタノールアミン;アセトアミドモノエタノールアミン;並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。また、本明細書で有用なのは、米国特許第4,976,953号(オール(Orr)ら、1990年12月11日発行)に記載されるプロポキシル化グリセロールである。
【0151】
また、糖及び関連物質の、C1〜C30のモノエステル及びポリエステルも有用である。これらのエステルは、糖又はポリオール部分及び1つ以上のカルボン酸部分から誘導される。このようなエステル物質は、更に、米国特許第2,831,854号、米国特許第4,005,196号(ジャンダセック(Jandacek)、1977年1月25日発行);米国特許第4,005,195号(ジャンダセック(Jandacek)、1977年1月25日発行);米国特許第5,306,516号(レットン(Letton)ら、1994年4月26日発行);米国特許第5,306,515号(レットン(Letton)ら、1994年4月26日発行);米国特許第5,305,514号(レットン(Letton)ら、1994年4月26日発行);米国特許第4,797,300号(ジャンダセック(Jandacek)ら、1989年1月10日発行);米国特許第3,963,699号(リッジ(Rizzi)ら、1976年6月15日発行);米国特許第4,518,772号(ボルペンヘイン(Volpenhein)、1985年5月21日発行);及び米国特許第4,517,360号(ボルペンヘイン(Volpenhein)、1985年5月21日発行)に更に記載されている。
【0152】
好ましくは、コンディショニング剤は、グリセロール、尿素、グアニジン、スクロースポリエステル、及びこれらの組合せから成る群から選択される。
【0153】
(l)濃厚剤(増粘剤及びゲル化剤を含む)
本発明の組成物は、好ましくは組成物の約0.1重量%〜約5重量%、更に好ましくは約0.1重量%〜約3重量%、最も好ましくは約0.25重量%〜約2重量%の1つ以上の濃厚剤を含むことができる。
非限定的な濃厚剤の種類は以下から成る群から選択されるものが挙げられる:
(i)カルボン酸ポリマー
これらのポリマーは、アクリル酸、置換アクリル酸、及びこれらのアクリル酸や置換アクリル酸の塩及びエステルに由来する1つ以上のモノマーを含有する架橋した化合物であるが、ここで架橋剤は2つ以上の炭素間二重結合を含有し、また多価アルコールに由来する。本発明で有用なポリマーは、米国特許第5,087,445号(ハフェイ(Haffey)ら、1992年2月11日発行);米国特許第4,509,949号(フアン(Huang)ら、1985年4月5日発行);米国特許第2,798,053号(ブラウン(Brown)、1957年年7月2日発行)において;及び「CTFA国際化粧品成分辞典(CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary)」第4版、1991年、12〜80頁において更に十分に記載されている。
【0154】
本明細書で有用な、市販のカルボン酸ポリマーの例としては、スクロース又はペンタエリトリトール(pentaerytritol)のアリルエーテルと架橋した、アクリル酸のホモポリマーであるカルボマーが挙げられる。カルボマーは、B.F.グッドリッチ(B.F.Goodrich)からカーボポール(Carbopol)(登録商標)900シリーズ(例えば、カーボポール(Carbopol)(登録商標)954)として入手可能である。それに加え、その他の適切なカルボン酸ポリマー剤には、C10〜30アルキルアクリレートと、1つ以上のアクリル酸モノマー、メタクリル酸モノマー、又はこれらの短鎖の1つ(即ち、C1〜4アルコール)のエステルとのコポリマーが挙げられ、ここでその架橋剤は、スクロース又はペンタエリスリトールのアリルエーテルである。これらのコポリマーは、アクリレート/C10〜30アルキルアクリレートクロスポリマーとして知られ、カルボポール(Carbopol)(登録商標)1342、カルボポール(登録商標)1382、ペムレン(Pemulen)TR−1、及びペムレンTR−2としてB.F.グッドリッチ社(B.F.Goodrich)より市販されている。換言すれば、本明細書で有用なカルボン酸ポリマー増粘剤の例は、カルボマー、アクリレート/C10〜C30アルキルアクリレートクロスポリマー、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものである。
【0155】
(ii)架橋ポリアクリレートポリマー
本発明の組成物は、陽イオン性及び非イオン性ポリマーを含む、増粘剤又はゲル化剤として有用な架橋ポリアクリレートポリマーを任意に含むことができるが、陽イオン性ポリマーが一般に好ましい。有用な架橋非イオン性ポリアクリレートポリマー及び架橋陽イオン性ポリアクリレートポリマーの例は、米国特許第5,100,660号(ハウェ(Hawe)ら、1992年3月31日発行);米国特許第4,849,484号(ハード(Heard)、1989年7月18日発行);米国特許第4,835,206号(ファラー(Farrar)ら、1989年5月30日発行);米国特許第4,628,078号(グローバー(Glover)ら、1986年12月9日発行);米国特許第4,599,379号(フレッシャー(Flesher)ら、1986年7月8日発行);及び欧州特許第228,868号(ファラー(Farrar)ら、1987年7月15日公開)に記載されるものである。
【0156】
(iii)ポリアクリルアミドポリマー
本発明の組成物は、ポリアクリルアミドポリマー、特に置換分枝又は非分枝ポリマーを含む、非イオン性ポリアクリルアミドポリマーを任意に含むことができる。これらのポリアクリルアミドポリマーのうち最も好ましいのは、非イオン性ポリマーであるCTFA指定ポリアクリルアミド及びイソパラフィン及びラウレス7であり、商品名セピゲル(Sepigel)305としてセピック社(Seppic Corporation)(ニュージャージー州フェアフィールド(Fairfield))より市販されている。
【0157】
本明細書で有用なその他のポリアクリルアミドポリマーには、アクリルアミド及び置換アクリルアミドと、アクリル酸及び置換アクリル酸との、多元ブロックコポリマーが挙げられる。このような多元ブロックコポリマーの市販の例としては、リポケミカルズ社(Lipo Chemicals,Inc.)(米国ニュージャージー州パターソン)から得られる、ハイパン(Hypan)SR150H、SS500V、SS500W、SSSA100Hが挙げられる。
【0158】
(iv)多糖類
多種多様な多糖類が本明細書で有用である。「多糖類」とは、繰り返す糖(即ち、炭水化物)単位の主鎖を含有するゲル化剤のことをいう。多糖類ゲル化剤の非限定的な例としては、セルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、プロピオン酸カルボン酸セルロースアセテート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、微結晶セルロース、セルロース硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。アルキル置換セルロースも本明細書において有用である。これらのポリマーでは、セルロースポリマーのヒドロキシ基は、ヒドロキシアルキル化(好ましくは、ヒドロキシエチル化又はヒドロキシプロピル化)して、ヒドロキシアルキル化セルロースを形成し、次いで更にC10〜C30直鎖又は分枝鎖アルキル基によって、エーテル結合を通じて修飾される。典型的には、これらのポリマーは、C10〜C30の直鎖又は分枝鎖アルコールとヒドロキシアルキルセルロースとのエーテルである。本明細書で有用なアルキル基の例としては、ステアリル、イソステアリル、ラウリル、ミリスチル、セチル、イソセチル、ココイル(即ち、ココヤシ油のアルコールに由来するアルキル基)、パルミチル、オレイル、リノレイル、リノレニル、リシノレイル、ベヘニル、及びこれらの混合物から成る群から選択されるものが挙げられる。アルキルヒドロキシアルキルセルロースエーテルの中でも好ましいのは、CTFA表記セチルヒドロキシエチルセルロースの物質であり、これはセチルアルコールとヒドロキシエチルセルロースとのエーテルである。この物質は、アクアロン社(Aqualon Corporation)(デラウェア州ウィルミントン)から、商品名ナトロゾル(Natrosol)(登録商標)CSプラス(Plus)として販売されている。
【0159】
その他の有用な多糖類には、直鎖の(1〜3)結合グルコース単位と3単位毎の(1〜6)結合グルコースを含むスクレログルカンが挙げられるが、その市販の例は、マイケル・メルシエ・プロダクツ社(Michel Mercier Products Inc.)(ニュージャージー州マウンテインサイド(Mountainside))のクレアロゲル(Clearogel)(登録商標)CS11である。
【0160】
(v)ゴム類
本明細書において有用なその他の増粘剤及びゲル化剤には、主として自然源より誘導される物質が挙げられる。これらのゲル化剤ゴムの非限定的な例としては、アカシア、寒天、アルギン、アルギン酸、アルギン酸アンモニウム、アミロペクチン、アルギン酸カルシウム、カラゲナンカルシウム、カルニチン、カラゲナン、デキストリン、ゼラチン、ゲランゴム、グアーガム、ヒドロキシプロピルトリモニウム塩化グアー、ヘクトライト、ヒアルロン酸、水酸化ケイ素、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシプロピルグアー、カラヤゴム、ケルプ、イナゴマメゴム、納豆ゴム、アルギン酸カリウム、カラゲナンカリウム、アルギン酸プロピレングリコール、スクレロチンゴム、カルボキシメチルデキストランナトリウム、カラゲナンナトリウム、トラガカントゴム、キサンタンゴム、及びその混合物から成る群から選択される物質が挙げられる。
【0161】
本発明の好ましい組成物には、カルボン酸ポリマー、架橋ポリアクリレートポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、及びこれらの混合物から成る群から選択される増粘剤、更に好ましくはカルボン酸ポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、及びこれらの混合物から成る群から選択される増粘剤が包含される。
【0162】
(組成物の調製)
本発明の組成物は一般的には、局所用組成物を製造する技術分野において既知である従来の方法で調製される。このような方法は典型的には、加熱、冷却、真空適用などの有り又は無しで、各成分を1段階又はそれより多くの段階で混合して、比較的均一な状態にすることを伴う。組成物は好ましくは、安定性(物理的安定性、化学的安定性、光安定性)及び/又は活性物質(例えば、ヘキサミジン、糖アミン、ビタミンB3、レチニルプロピオネート、フィトステロール)の送給を最適化するように調製される。この最適化には、適切なpH(例えば、7未満)、活性剤と錯体になり、ひいては安定性又は送給に負の影響を与え得る物質の排除(例えば、汚染鉄の排除)、錯体形成を防止する手法(例えば、適切な分散剤又は二重区画包装)の使用、適切な光安定性の手法(例えば、日焼け止め剤/日焼け防止剤の組み込み、不透明包装の使用)の使用などを挙げてもよい。
【0163】
(ケラチン組織状態の調整方法)
本発明の組成物は、多数の哺乳類のケラチン組織状態の調整に有用である。ケラチン組織状態のそのような調整には、予防的及び治療的な調整が含まれる。より具体的には、こうした調整方法は、これらに限定されないが、ケラチン組織を厚くさせる(即ち、表皮及び/又は真皮及び/又は皮膚の皮下層並びに適用可能であれば爪及び毛幹のケラチン層の構築)、哺乳類の皮膚の萎縮を予防、抑制、及び/又は処置すること、哺乳類の唇、毛髪及び爪を軟らかくすること及び/又は滑らかにすること、哺乳類の皮膚のかゆみを予防、抑制、及び/又は処置すること、目の下の黒い隈及び/又は腫れた目が現れることを予防、抑制、及び/又は処置すること、哺乳類の皮膚の血色の悪さを予防、抑制、及び/又は処置すること、哺乳類の皮膚の弛み(即ち、グリケーション)を予防、抑制、及び/又は処置すること、哺乳類の皮膚の日焼け剥離、剥脱を予防及び/又は抑制すること、及び/又は代謝回転を増加すること、哺乳類の皮膚の毛穴の大きさを減少させること、哺乳類の皮膚の脂っぽい/テカテカした外観を調整すること、炎症後の色素沈着などの色素沈着を予防、抑制、及び/又は処置すること、哺乳類の皮膚上のクモの巣状血管及び/又は赤斑が現れることを予防、抑制、及び/又は処置すること、哺乳類の皮膚の細い線及びしわを予防、抑制、及び/又は処置すること、皮膚の乾燥(即ち、荒れ、鱗屑状の剥がれ、剥脱)を予防、抑制、及び/又は処置すること、並びに哺乳類の皮膚のセルライトが現れることを予防、抑制、及び/又は処置することを対象とする。
【0164】
本出願者は意外にも、本発明の選択されたヘキサミジン化合物から本質的になる組成物は、上に開示した方法にもまた有用であることを見出した。
【0165】
ケラチン組織状態の調整には、安全且つ有効な量の本発明の組成物をケラチン組織に局所的に適用することを伴う。適用される組成物の量、適用頻度、及び使用期間は、所与の組成物のヘキサミジン及び/又はその他の構成成分の濃度、並びに例えば存在するか又は発生が見込まれるケラチン組織の損傷の程度を考慮した所望の調整の程度によって、広く異なる。
【0166】
好ましい実施形態では、組成物は皮膚に長期間適用される。「長期の局所的な適用」とは、被験者の生存中長期間にわたって、好ましくは少なくとも約1週間、より好ましくは少なくとも約1か月間、更により好ましくは少なくとも約3か月間、更により一層好ましくは少なくとも約6か月間、なおより好ましくは少なくとも約1年間にわたって、本発明組成物を連続的に局所に適用することを意味する。利益は、様々な最大使用期間(例えば、5年、10年又は20年)の後に得られるが、被験者の生涯を通じて長期に亘って適用を続けることが好ましい。典型的には、付与はこのような延長された期間にわたって1日当たり約1回程度であろうが、付与の度合いは1週間当たり約1回から1日当たり約3回又はそれ以上まで変動させることができる。
【0167】
本発明の組成物は、皮膚外観及び/又は感触の利益を提供するために広範囲の量を使用することができる。1回の適用当たりで典型的に適用される本発明組成物の量は、組成物mg/皮膚cm2で、約0.1mg/cm2〜約20mg/cm2までである。特に有用な適用量は、約0.5mg/cm2〜約10mg/cm2である。
【0168】
ケラチン組織状態の調整は、好ましくは組成物を、何らかの美的、予防的、治療的又はその他の利益のために、皮膚又はその他のケラチン組織に残るように意図された(即ち、「リーブオン」組成物)、皮膚ローション、透明ローション、乳状ローション、クリーム、ジェル、フォーム、軟膏、ペースト、エマルション、スプレー、コンディショナー、トニック、化粧品、口紅、ファンデーション、ネールポリッシュ、アフターシェーブなどの形態で適用することにより実施される。組成物をケラチン組織(例えば、皮膚)に適用した後、好ましくは少なくとも約15分間、更に好ましくは少なくとも約30分間、更により好ましくは少なくとも約1時間、最も好ましくは少なくとも数時間、例えば約12時間までの間放置する。顔、毛髪、及び/又は爪の外面部分のいずれかの部分、例えば、顔、口唇、目の下の部分、眼瞼、頭皮、首、胴、腕、手、脚、手指の爪、足指の爪、頭髪、睫毛、眉毛などを処置することができる。本発明の組成物は、例えば、手のひら及び/又は手指、用具(例えば、綿球、綿棒、パッドなど)を用いて適用されてもよい。
【0169】
少なくとも最低濃度のヘキサミジンにケラチン組織を連続的に曝すことを確実にする別の手法は、例えば、顔に適用された貼付剤の使用により化合物を適用することである。そのような手法は、より集中的な処置が必要である問題のある皮膚領域(例えば、顔の目尻のしわの領域、額のしわ線、目の下の領域など)に特に有用である。貼付剤は閉塞的、半閉塞的又は非閉塞的であってもよい。ヘキサミジン組成物は貼付剤内に含有されるか、又は貼付剤の適用前に皮膚に適用され得る。貼付剤はまた、PCT出願WO9701313(PCT application WO 9701313)(バーケット(Burkett)ら)に記載されているもののような発熱反応用の化学反応開始剤などの更なる活性物質を包含し得る。その貼付剤はまた、例えばヘキサミジン及び他の活性剤の放出を増大させるための電気エネルギー源(例えば、バッテリ)を包含し得る。貼付剤を、ケラチン組織上で、好ましくは少なくとも約5分間、更に好ましくは少なくとも約15分間、更により好ましくは少なくとも約30分間、更により好ましくは少なくとも約1時間、最も好ましくは夜間治療の形態として夜の間放置する。
【実施例】
【0170】
以下の実施例は、本発明の範囲内の実施形態を更に記載及び例示する。諸実施例は、単に説明の目的で与えられるに過ぎず、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく諸実施例の多くの変形形態が可能であるため、本発明を制限するものと解釈すべきではない。
【0171】
(実施例I〜VII)
以下の構成成分から従来の方法によって潤いを与えるスキンクリーム/ローションを調製する。
【0172】
【表1】

*パルミトイル−ペンタペプチド=セデルマ(Sederma)から入手可能なパルミトイル−リシン−トレオニン−トレオニン−リシン−セリン
好適な容器において、相Aの構成成分を一緒にし、好適な混合器(例えば、テクマー(Tekmar)RW20ZM)で混合して、攪拌しながら約70〜80℃の温度に加熱し、この温度を維持する。分離型の好適な容器において、相Bの構成成分を一緒にし、好適な混合器で混合して、攪拌しながら約70〜75℃に加熱し、この温度を維持する。相B混合物をその後相A混合物に加え、組合せたものが乳化するまで十分に混合する。相A及び相Bの構成成分のエマルションをその後約60℃に冷却し、その後相Cの構成成分を連続して混合しながらエマルションに加える。相A、B及びCの構成成分のエマルションを更にその後約40℃に冷却し、その後相Dの構成成分を混合しながらエマルションに加える。得られたエマルションは、次に好適な粉砕機(テクマー(Tekmar)T−25)を使用して約5分間又は生成物が均一になるまで粉砕する。
【0173】
(実施例VIII〜XIII)
以下の構成成分から従来の方法によって潤いを与えるスキンクリーム/ローションを調製する。
【0174】
【表2】

*KSG−21、信越から入手可能な乳化シリコーンエラストマー
**ゴールドシュミット化学社(Goldschmidt Chemical Corporation)から入手可能なエイビル(Abil)EM−97
***ダウ・コーニング社(Dow Corning Corp.)製シリコーンエラストマー分散液
好適な容器において、相Aの構成成分を好適な混合器(例えば、テクマー(Tekmar)製モデルRW20DZM)で混合し、全構成成分が溶解するまで混合し続ける。その後、相Bの構成成分を好適な容器で混和し、好適な粉砕機(例えば、テクマー(Tekmar)RW−20)を使用して約5分間粉砕する。相Cの構成成分を、その後相B混合物に混合しながら加える。その後、相Dの構成成分を相B及び相Cの混合物に加え、得られた相B、C及びDの構成成分の組合せを好適な混合器(例えばテクマー(Tekmar)RW−20)を使用して約1時間混合する。その後、相Aをゆっくりと相B、C及びDの混合物に混合しながら加える。得られた混合物をその後生成物が均一になるまで連続的に混合する。得られた生成物をその後適切な粉砕機(例えばテクマー(Tekmar)T−25)を使用して約5分間粉砕する。
【0175】
(実施例XIV)
潤いを与える水中シリコーン型漿液(serums)/ローションを、以下の成分から従来の方法により調製する。
【0176】
【表3】

1ダウ・コーニング社(Dow Corning Corp.)製シリコーンエラストマー分散液
2エンゲルハード(Engelhard)製の二酸化チタン及び酸化スズ被覆雲母の緑色干渉顔料
3エッカート(Eckart)製の二酸化チタン被覆雲母の赤色干渉顔料
好適な容器中で、水相成分を合わせ、均一になるまで混合する。別の好適な容器中で、シリコーン/油相成分を合わせ、均一になるまで混合する。シリコーン/油相を水相に加え、得られたエマルションを(例えば、テクマー(Tekmar)T−25で)粉砕する。増粘剤及び次に残りの成分を攪拌しながらエマルションに加える。組成物が均一になったら、生成物を好適な容器へ注ぐ。
【0177】
(実施例XV)
(水中シリコーン型ムース)
【0178】
【表4】

1ダウ・コーニング社(Dow Corning Corp.)製シリコーンエラストマー分散液
2エッカート(Eckart)製の二酸化チタン被覆雲母の赤色干渉顔料
好適な容器中で、水相成分を合わせ、均一になるまで混合する。別の好適な容器中で、シリコーン/油相成分を合わせ、均一になるまで混合する。シリコーン/油相を水相に加え、得られたエマルションを(例えば、テクマー(Tekmar)T−25で)粉砕する。増粘剤及び次に残りの成分を攪拌しながらエマルションに加える。組成物が均一になったら、生成物を好適な容器へ注ぐ。生成物及び噴射剤をエアゾール容器に加える。次いで、エアゾール容器を密封する。
【0179】
(実施例XVI)
(水系スティック製剤)
【0180】
【表5】

全ての成分を適切な大きさの容器内にて合わせ、85℃まで加熱し、冷却し、およそ65℃でスティック容器に注ぐ。
【0181】
(実施例XVII)
手及び身体スキンケア用の潤いを与えるスキンクリーム/ローションを以下の成分から従来の方法により調製する。
【0182】
【表6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
スキンケア組成物であって:
a)ヘキサミジン、その塩、及び誘導体から成る群から選択されるヘキサミジン化合物であって、好ましくは前記ヘキサミジン化合物の約0.0001重量%から約25重量%、
b)糖アミン、ビタミンB3、レチノイド、ペプチド、フィトステロール、ブチル化ヒドロキシトルエン及びブチル化ヒドロキシアニソール、これらの誘導体又はこれらの混合物を含む、安全且つ有効な量の1以上のスキンケア活性物質、及び
c)前記ヘキサミジン及び前記スキンケア活性物質のための皮膚科学的に許容可能なキャリア、を含むスキンケア組成物。
【請求項2】
前記組成物が、剥離活性物質、抗ニキビ活性物質、しわ修復活性物質、酸化防止剤、ラジカルスカベンジャー、キレート化剤、抗炎症剤、局所麻酔剤、日焼け活性物質、美白剤、抗セルライト剤、フラボノイド、抗菌活性物質、抗カビ活性物質、日焼け止め活性物質、コンディショニング剤、及びこれらの組合せを含む追加のスキンケア活性物質を約0.001重量%〜約10重量%含む請求項1に記載のスキンケア組成物。
【請求項3】
前記組成物は、油中水型エマルション、水中油型エマルション、シリコーン中水型エマルション及びこれらの組合せから成る群から選択されるエマルションである請求項1又は2に記載のスキンケア組成物。
【請求項4】
哺乳類のケラチン組織の状態を調整する方法であって、このような処置が必要な哺乳類の皮膚に対して請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物を局所的に適用する工程を含む方法。
【請求項5】
哺乳類の皮膚を厚くさせる、及び/又は哺乳類の皮膚の萎縮を予防、抑制、及び/又は処置する;哺乳類の皮膚上のクモの巣状血管及び/又は赤斑が現れることを予防、抑制、及び/又は処置する;目の下の黒い隈及び/又は腫れた目が現れることを予防、抑制、及び/又は処置する;哺乳類の皮膚の血色の悪さを予防、抑制、及び/又は処置する;哺乳類の皮膚の日焼けを予防及び/又は抑制する;哺乳類の皮膚の剥離、剥脱、及び/又は代謝回転を増加させる;哺乳類の皮膚の毛穴の大きさを調整、及び/又は減少させる;哺乳類の皮膚の脂っぽい及び/又はテカテカした外観を調整する、色素沈着を予防、抑制、及び/又は処置する;哺乳類の皮膚の弛みを予防、抑制、及び/又は処置する;哺乳類の唇、毛髪及び爪を軟らかくする及び/又は滑らかにする;哺乳類の皮膚のかゆみを予防、抑制、及び/又は処置する;哺乳類の皮膚の細い線及び/又はしわが現れることを予防、抑制、及び/又は処置する;哺乳類の皮膚の皮膚乾燥を予防、抑制、及び/又は処置する方法であって、前記方法はこのような処置が必要な哺乳類の皮膚に、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物を局所的に適用する工程を含む方法。
【請求項6】
ヘキサミジン、糖アミン、及びビタミンB3化合物を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のスキンケア組成物。
【請求項7】
前記糖アミンはN−アセチルグルコサミンであり、前記ビタミンB3化合物はナイアシンアミドである請求項6に記載のスキンケア組成物。


【公表番号】特表2006−515329(P2006−515329A)
【公表日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518889(P2005−518889)
【出願日】平成16年3月4日(2004.3.4)
【国際出願番号】PCT/US2004/006499
【国際公開番号】WO2004/078158
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】