説明

ヘリカルパイプを形成する、巻回可能な複合補強ストリップおよびその製造方法

流体を輸送するためのヘリカルパイプを形成する、巻回可能な複合ストリップ(10)が開示される。複合ストリップは、ベース部分(12)を備えた細長いプラスチックストリップ(11)を有し、ベース部分(12)は外面(15)を構成する上面を備え、複合ストリップは更に、ベース部分(12)の外面(15)から直立して縦方向に延びている少なくとも1つの複合リブ部分(20)を有している。リブ部分(20)は、ベース部分(12)から離れた遠位端(23)を有する。複合リブ部分は、ベース部分(12)内または該ベース部分に隣接して配置された細長いインボード補強部材(30)と、該インボード補強部材(30)と平行にリブ部分(20)の遠位端(20)内に配置された細長いアウトボード補強部材(40)と、これらのインボード補強部材(30)とアウトボード補強部材(40)との間に延びている細長い中間プラスチックウェブ(23)とを有している。巻回してヘリカルパイプにしたとき、複合リブ部分(20)は、半径方向圧壊荷重に対してパイプを補強する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は補強リブ構造の改善に関し、より詳しくは、複合材から作られた、補強すなわち強化ヘリカル巻回パイプ、チューブまたは導管に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明に或る背景を提供する以下の説明は、本発明のより良い理解を容易にすることを意図している。しかしながら、この説明は、言及するいかなる資料が、本願の優先日の時点で、公開され、知られまたは一般的な技術常識の一部であったことを認めるものではないことが理解されるべきである。
【0003】
プラスチックパイプは、室温でまたはプラスチックがより柔軟になる高温で、ストリップの長手方向に延びている一連の間隔を隔てた直立リブを備えたプラスチックストリップをヘリカルに巻回することにより製造できることが知られている。ヘリカルに巻回したチューブのこの形態はパイプ製造工業界で既に知られており、プラスチックストリップの形態、チューブの形態およびそのようなストリップからパイプあるいはチューブを製造する機械の形態に関する特許において、本件出願人によって記載されている。
【0004】
高性能用途で使用されるこれらのパイプでは、必要な強度を得るには、プラスチックストリップの壁厚も、リブの壁厚も、充分に大きくなければならない。別の方法として、完成したパイプまたはチューブを、強化すなわち補強部材で補強してもよい。
【0005】
補強チューブまたはパイプがざん壕内に埋められ、あるいは大きい地圧を受けるような用途では、パイプまたはチューブの強度は極めて重要である。
【0006】
本件出願人によるオーストラリア国特許第607431号明細書(特許文献1)は、完成したパイプまたはチューブの撓み抵抗が顕著に増大される態様でリブ間に配置された補強部材を利用する補強プラスチックチューブを製造する方法を開示する。補強部材はU形断面の輪郭を有する金属部材からなり、補強部材の自由端は、一対の隣接するリブの対向するフランジ形態の下で係合して、それによって金属ストリップをリブ間の所定位置でロックし、リブおよび完成パイプを補剛するように設計されている。
【0007】
本件出願人によるオーストラリア国特許第661047号明細書(特許文献2)は、上記特許文献1の開示の改善を開示する。この改善は、逆U形または逆V形断面の中央ボディ部分を備えた補強部材を設けることによりもたらされ、補強部材の中央部分の半径方向高さはリブの高さより大きく、それによって複合パイプの有効外径がかなり大きくなる。これにより、より剛性の大きいパイプが提供される。
【0008】
本件出願人によるオーストラリア国特許第2003227090号明細書(特許文献3)は、上記特許文献2の開示の更なる改善を開示する。この改善は、少なくとも3:1の高さ対厚さ比を有する補強部材を設け、この補強部材をストリップのベースに対して実質的に垂直に向けることによってもたらされる。ストリップの内面は、補強ストリップの下に連続面を形成する。前記補強ストリップを提供することによって、従来技術の補強よりもより効果的な方法で、半径方向圧壊荷重に対してパイプを補強できると同時に、内面が滑らかなパイプ内面を提供し、パイプ内の流体から補強ストリップを分離する。
【0009】
特許文献3のパイプが商業化される前は、ヘリカル巻回複合パイプは、多段階作業で形成されていた。プラスチックボディを押出成形し、次にヘリカルに巻回してパイプを形成する。細長い鋼補強部材を、別々にロール成形して、所要剛性を付与する輪郭(例えば、前述のU形またはV形の輪郭)にする。ロール成形された鋼の輪郭を、次に、ヘリカルに巻回されたプラスチックボディの半径に近似する半径に圧延する。最後に、輪郭および半径が付与された1つの補強部材あるいは複数の補強部材を、プラスチックパイプの外面上に巻回し、必要な剛性を有する複合パイプを形成する。
【0010】
特許文献1および2に開示された補強部材を使用するとき、鋼補強部材をプラスチックパイプの半径に近似する半径に圧延する段階は、鋼補強部材にその弾性限界を超える歪みを付与することを含む。これは、圧延加工中にかなりの力を加えることを必要とする。これに対し、押出成形されたプラスチック形状を巻いてヘリカルパイプにすることは、一般に、プラスチックの材料特性により、殆ど力は不要である。本件出願人による特許文献3の複合形状を使用することにより、あらかじめ成形された鋼とプラスチックとの複合ストリップを、複合形状のスプールから巻回して直接パイプにすることが可能になった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】オーストラリア国特許第607431号明細書
【特許文献2】オーストラリア国特許第661047号明細書
【特許文献3】オーストラリア国特許第2003227090号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、前述の特許文献1、2および3に開示された改善を超える或る改善を、ヘリカルに巻回した補強プラスチックチューブまたはパイプに巻くことができるストリップ、およびそのようなストリップから巻回されるパイプに加えることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の第1の態様によれば、流体輸送用ヘリカルパイプを形成する、巻回可能な複合ストリップが提供され、該複合ストリップは、
ベース部分を備えた細長いプラスチックストリップを有し、ベース部分は、内面を構成する下面および外面を構成する上面を備え、
ベース部分の外面から直立して縦方向に延びている少なくとも1つのリブ部分を有し、リブ部分は、ベース部分から離れている遠位端を備え、
ベース部分内またはベース部分に隣接して配置された細長いインボード補強部材と、
インボード補強部材と平行にリブ部分の遠位端内に配置された細長いアウトボード補強部材と、
インボード補強部材とアウトボード補強部材との間に延びている細長い中間プラスチックウェブ部分とを有し、ウェブ部分は、インボード補強部材およびアウトボード補強部材と一緒に複合リブ部分を形成し、
巻回してヘリカルパイプにしたときに、複合リブ部分が半径方向圧壊荷重に対してパイプを補強する。
【0014】
好ましくは、アウトボード補強部材は、プラスチックストリップのヤング係数より大きいヤング係数を有する材料から構成され、インボード補強部材は、プラスチックストリップのヤング係数より大きいヤング係数を有する材料から構成されている。
【0015】
好ましくは、インボード補強部材およびアウトボード補強部材は、完全に封入されている。
【0016】
好ましくは、補強部材はストランデッドフィラメントまたは非ストランデッドフィラメントである。
【0017】
好ましくは、補強部材はワイヤである。
【0018】
好ましくは、複合ストリップは、ベース部分の外面から直立して縦方向に延びている複数の複合リブ部分を有している。
【0019】
好ましくは、複合ストリップは、複合ストリップの両エッジに連結形態を有し、連結形態は、ストリップがヘリカル経路に巻回され且つストリップの隣接するエッジ部分が互いにオーバーラップするとき、噛み合うようになっている。
【0020】
好ましくは、各複合リブ部分について、ストリップの内面から複合リブ部分の遠位端まで上方に向かって測定した距離は、ストリップの内面から連結形態の頂点まで上方に向かって測定した距離を超えない。
【0021】
好ましくは、ストリップは、ベースに対して垂直にリブ部分を2等分する平面のそれぞれ第1側および第2側に横方向にオフセットして配置された、リブ部分の遠位端内に配置された第1および第2の細長いアウトボード補強部材を有している。
【0022】
本発明の第2の態様によれば、流体輸送用ヘリカルパイプを形成する、巻回可能な複合ストリップが提供され、該複合ストリップは、
ベース部分を備えた細長いプラスチックストリップを有し、ベース部分は、内面を構成する下面および外面を構成する上面を備え、
ベース部分の外面から直立して縦方向に延びている少なくとも1つのリブ部分を有し、リブ部分は、ベース部分から離れている遠位端を備え、
ベース部分内またはベース部分に隣接して配置された細長いインボード補強部材と、
インボード補強部材と平行にリブ部分の遠位端内に配置され且つベースに対して垂直にリブ部分を2等分する平面のそれぞれ第1側および第2側に横方向にオフセットして配置された第1および第2の細長いアウトボード補強部材と、
インボード補強部材とアウトボード補強部材との間に延びている細長い中間プラスチックウェブ部分とを有し、ウェブ部分は、インボード補強部材およびアウトボード補強部材と一緒に複合リブ部分を形成し、
巻回してヘリカルパイプにしたときに、複合リブ部分が半径方向圧壊荷重に対してパイプを補強する。
【0023】
好ましくは、アウトボード補強部材は、プラスチックストリップのヤング係数より大きいヤング係数を有する材料から構成され、インボード補強部材は、プラスチックストリップのヤング係数より大きいヤング係数を有する材料で構成されている。
【0024】
好ましくは、インボード補強部材およびアウトボード補強部材は、完全に封入されている。
【0025】
好ましくは、補強部材はストランデッドフィラメントまたは非ストランデッドフィラメントである。
【0026】
好ましくは、補強部材はワイヤである。
【0027】
好ましくは、複合ストリップは、ベース部分の外面から直立して縦方向に延びている複数の複合リブ部分を有している。
【0028】
好ましくは、複合ストリップは、複合ストリップの両エッジに連結形態を有し、連結形態は、ストリップがヘリカル経路に巻回され且つストリップの隣接するエッジ部分が互いにオーバーラップするとき、噛み合うようになっている。
【0029】
好ましくは、各複合リブ部分について、ストリップの内面から複合リブ部分の遠位端まで上方に向かって測定した距離は、ストリップの内面から連結形態の頂点まで上方に向かって測定した距離を超えない。
【0030】
本発明の第3の態様によれば、ヘリカルに巻回された複合ストリップからなるパイプが提供され、該パイプは、
ベース部分を備えた細長いプラスチックストリップを有し、ベース部分は、内面を構成する下面および外面を構成する上面を備え、
ベース部分の外面から直立して縦方向に延びている少なくとも1つのリブ部分を有し、リブ部分は、ベース部分から離れている遠位端を備え、
ベース部分内またはベース部分に隣接して配置された細長いインボード補強部材と、
インボード補強部材と平行にリブ部分の遠位端内に配置された細長いアウトボード補強部材と、
インボード補強部材とアウトボード補強部材との間に延びている細長い中間プラスチックウェブ部分とを有し、ウェブ部分は、インボード補強部材およびアウトボード補強部材と一緒に複合リブ部分を形成し、
複合リブ部分は、半径方向圧壊荷重に対してパイプを補強する。
【0031】
好ましくは、複合ストリップは、ベースに対して垂直にリブ部分を2等分する平面のそれぞれ第1側および第2側に横方向にオフセットして配置された、リブ部分の遠位端内に配置された第1および第2の細長いアウトボード補強部材を有している。
【0032】
本発明の第4の態様によれば、パイプ製造方法が提供され、該パイプ製造方法は、
a)細長いプラスチックストリップを押出成形する段階を有し、ストリップはベース部分を有し、ベース部分は内面を構成する下面および外面を構成する上面を備え、ストリップは更に、ベース部分の外面から直立して縦方向に延びている少なくとも1つのリブ部分を有し、
b)サブ組立複合ストリップを形成するために、少なくとも1つのリブ部分に隣接する位置に、下補強部材をストリップのベース部分内に導入する段階と、
c)サブ組立複合ストリップを巻いてストリップのスプールにまたはヘリカルに巻回されたパイプにする段階と、
d)組立てられた複合ストリップを形成するために、少なくとも1つのリブ部分の頂部内に上補強部材を導入する段階とを有し、
下補強部材を導入する段階は、押出成形段階中または後であるが巻回段階の前に行われ、上補強部材を導入する段階は、巻回段階中または後に行われる。
【0033】
好ましくは、押出成形段階および導入段階b)は、クロスヘッド押出成形ダイ内で一緒に行われる。
【0034】
好ましくは、巻回段階c)は、サブ組立複合ストリップを巻回してパイプにすることを含む。
【0035】
好ましくは、導入段階d)は、外側補強部材に張力を付与してパイプにプレストレスを付与することを含む。
【0036】
好ましくは、少なくとも1つのリブの頂部内の上補強部材をシールする段階を更に有する。
【0037】
本発明の第5の態様によればパイプ製造方法が提供され、該パイプ製造方法は、
a)細長いプラスチックストリップを押出成形する段階を有し、ストリップはベース部分を有し、ベース部分は内面を構成する下面および外面を構成する上面を備え、ストリップは更に、ベース部分の外面から直立して縦方向に延びている少なくとも1つのリブ部分を有し、リブ部分は、ベース部分から離れた遠位端を備え、
b)サブ組立複合ストリップを形成するために、少なくとも1つのリブ部分に隣接する位置に、下補強部材をストリップのベース部分内に導入する段階と、
c)ベースを横切る軸線の周りに複合ストリップを曲げる段階と、
d)組立てられた複合ストリップを形成するために、少なくとも1つのリブ部分の遠位端内に上補強部材を導入する段階とを有し、
下補強部材を導入する段階は、押出成形段階中または後であるが曲げ段階の前に行われ、上補強部材を導入する段階は、曲げ段階中または後に行われる。
【0038】
本発明の第6の態様によれば、パイプ製造方法が提供され、該パイプ製造方法は、
a)細長いプラスチックストリップを押出成形する段階を有し、ストリップはベース部分を有し、ベース部分は内面を構成する下面および外面を構成する上面を備え、ストリップは更に、ベース部分の外面から直立して縦方向に延びている少なくとも1つのリブ部分を有し、リブ部分は、ベース部分から離れた遠位端を備え、
b)前記少なくとも1つのリブ部分に隣接する位置の前記ストリップのベース部分または前記少なくとも1つのリブ部分の遠位端のいずれか一方の中に、第1の補強部材を導入して、サブ組立複合ストリップを形成する段階と、
c)ベースを横切る軸線の周りに複合ストリップを曲げる段階と、
d)前記少なくとも1つのリブ部分に隣接する位置の前記ストリップのベース部分または前記少なくとも1つのリブ部分の遠位端の他方の中に、第2の補強部材を導入して、組立てられた複合ストリップを形成する段階とを有し、
第1の補強部材を導入する段階は、押出成形段階中または後に行われ、第2の補強部材を導入する段階は、曲げ段階中または後に行われる。
【0039】
以下、添付図面を参照して、本発明の特定の実施形態をより詳細に説明する。これらの実施形態は単なる例示であって、本発明の範囲を限定することを意味するものではない。
【0040】
本発明の実施形態は添付図面に示される。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1a】本発明の一実施形態による複合ストリップの断面図である。
【図1b】ストリップの隣接する巻きを結合するための変形例のエッジ構成を示す、図1aと同様の図面である。
【図2】本発明の変形実施形態を示す。
【図3a】図1aの形状の等角図である。
【図3b】図1bの形状の等角図である。
【図4】図1bの形状から巻回されたパイプの等角図である。
【図5】ベース補強部を備えたストリップの、本発明の更なる変形実施形態による複合ストリップの断面図である。
【図6】隣接する形状が連結しているところを示す図5と同様の図である。
【図7a】本発明の更なる実施形態による複合ストリップの断面図を示し、複合ストリップの複合リブ部分の拡大図を含む。
【図7b】変形例の複合リブ部分20を示す、図7aの拡大図と同様の拡大図である。
【図7c】更なる変形例の複合リブ部分を示す。
【図7d】更なる変形例の複合リブ部分を示す。
【図7e】更なる変形例の複合リブ部分を示す。
【図7f】更なる変形例の複合リブ部分を示す。
【図7g】更なる変形例の複合リブ部分を示す。
【図7h】更なる変形例の複合リブ部分を示す。
【図8a】本発明の更なる態様によるパイプに巻回されている複合ストリップを示す概略等角図である。
【図8b】本発明の更なる実施形態による複合ストリップの断面図を示し、複合ストリップは図7aに示されるのと同じストリップである。
【図9】本発明の更なる実施形態による複合ストリップの2つの巻きを示す断面図である。
【図10a】更なる変形例の複合リブ部分20を示す、図7aの拡大図と同様の拡大図である。
【図10b】更なる変形例の複合リブ部分20を示す、図7aの拡大図と同様の拡大図である。
【図10c】更なる変形例の複合リブ部分20を示す、図7aの拡大図と同様の拡大図である。
【図10d】更なる変形例の複合リブ部分20を示す、図7aの拡大図と同様の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1aを参照すると、ヘリカルパイプを形成する、巻回可能な細長い複合ストリップ10が示されている。複合ストリップ10は、細長いプラスチックストリップ11と、中間プラスチックウェブ部分23により分離されている、一対の平行に間隔を隔てた補強部材30、40とを有している。本発明のこの実施形態に使用されるプラスチックはポリ塩化ビニル(PVC)であるが、ポリエチレンを含む他の適当なプラスチックを使用することもできる。
【0043】
プラスチックストリップ11は、実質的に平らな内面14を備えたベース部分12を有している。ベース部分12からは、縦方向に延びている複数の複合リブ部分20が上方に突出している。各リブ部分20は、ベース部分から離れた遠位端26を有している。本実施形態では、各複合リブ部分20は、ベース部分12内に配置されたインボード補強部材30と、インボード補強部材30と平行にリブ部分の遠位端内に配置されたアウトボード補強部材40と、インボード補強部材30とアウトボード補強部材40との間に延びている中間プラスチックウェブ部分23とを有している。
【0044】
中間プラスチックウェブ部分23は、インボード補強部材30とアウトボード補強部材40とを互いに隔てて保持している。この構成は、もしもこの構成が設けられていない場合に比べて、非常に効果的な補剛を生じるので、曲げにおいて特に重要である。例えば、形状を巻回してヘリカルパイプにするとき、インボード補強部材30とアウトボード補強部材40とが分離していることにより、半径方向に間隔を隔てていない同様の補強部材を有する同様のパイプに比べて、半径方向圧壊荷重に対してパイプが非常に強化される。
【0045】
図1aおよび図1bに示す補強部材30、40は、実質的に円形の断面を有している。これらの補強部材は、例えば、中実ワイヤまたはストランデッドワイヤであるのがよい。
【0046】
図2には、本発明の変形実施形態が示されている。この実施形態では、補強部材30および40は実質的に矩形の断面形状を有している。図2の補強部材30および40は、鋼またはアルミニウムのストリップである。得られる複合リブ部分20は、「I」ビームと同様な外観および機能を有する。これらの複合リブは、本件出願人による上記先願(特許文献3)に開示された複合リブに対して非常に有効な利点を提供する。
【0047】
図1a、図1bおよび図2に示された複合リブ部分20は、上記先願の複合リブより有効である。更に、別の方法で必要とされるであろう全高よりも著しく小さい、図2に両矢印RHで示すリブ全高で、同等の剛性を得ることができる。これは多くの利点を有している。例えば、ホストパイプ内でパイプを巻回するパイプ修繕用途で、前述の出願の複合ストリップに比べて、図1a、図1bまたは図2の複合ストリップを使用して、新しい巻回パイプによって生じる内径を大きくすることができる。
【0048】
図1aおよび図1bの両方のアウトボード補強部材は、これらの対応するインボード補強部材の真上に横方向に置かれている。本発明の他の実施形態(例えば図9に示すような)では、インボード補強部材および/またはアウトボード補強部材は、多数の部材を有し、且つ(例えば)多数のアウトボード補強部材の中心は、その対応するインボード補強部材の真上に横方向に置かれる。インボード補強部材上で横方向にセンタリングする目的は、バランスされた荷重を与えること、および複合リブ部分が半径方向圧壊荷重下で、横向きに押潰される傾向を減じることである。
【0049】
或る用途では、図2に示したリブ高さRHを、図2に両矢印JHで示すエッジ結合機構の高さに合わせるのが有利である。
【0050】
図1aに示す形状では、インボード補強部材30およびアウトボード補強部材40の両方がプラスチックによって完全に包囲されている。これは、補強部材30および40が腐食を受ける材料(例えば鋼)で作られる場合に特に有利である。
【0051】
図1bを参照すると、図1aに示したものと同様の複合ストリップ10が示される。図1aのストリップ10と図1bのストリップ10との間の相違は、エッジ16、18の領域にある。図1aのエッジ細部(edge details)は、巻回されるストリップの隣接する巻きの機械的結合を提供する。これに対し、図1bの形状のエッジは、ストリップの隣接する巻き間の溶接または溶着接合部を提供する。
【0052】
図1aに示す形状のエッジの溶着は、PVCパイプの接合に一般に使用されている溶剤接合により達成することができる。溶接および接着を含む他の接合手段が、PVC、ポリエチレンおよび他の材料に適している。
【0053】
インボード補強部材およびアウトボード補強部材には、種々の材料を使用できる。インボード補強部材およびアウトボード補強部材のいずれにも使用できる材料の例は、鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、他の金属、天然繊維、ケブラー、合成繊維および高強度プラスチックである。例えば図7fに示すように、高強度ポリマーは、リブの頂部上に直接溶接できる。
【0054】
或る用途では、補強部材にプレコートしておくのが有利である。例えば、複合ストリップのリブへの接合を補助するために、ワイヤにPVCをコーティングするのがよい。或る用途でのワイヤは、腐食を防止するために例えば亜鉛めっきによってコーティングされる。補強部材のような或る用途では、内部繊維に損傷を与えることなく溶接できるポリエチレンコーティングされたナイロンも適している。
【0055】
或る用途では、補強部材とこれを包囲するプラスチックストリップとの間の機械的な結合を補助するため、補強部材の表面を鋸歯状にするのが有利である。
【0056】
補強部材は、有益な伸びまたは他の特性を付与するために、他の手段によって、捩り、編組し、ストランド化し、編みまたは予加工することができる。
【0057】
補強部材は、補強部材とこれを包囲するストリップとの間の結合強度を改善するために予熱するのがよい。鋼を予熱することにより、押出成形されたプラスチックの急冷を減じ、その時点での材料の脆性が減少する。
【0058】
或る用途でのアウトボード補強部材は、インボード補強部材とは異なるのがよい。例えば、或る負荷条件下では、アウトボード補強部材は引っ張りに強ければよく(すなわち高い引っ張りヤング係数を有する)、インボード補強部材は圧縮に強ければよい(すなわち高い圧縮ヤング係数を有する)。天然繊維は引っ張りには強いが圧縮には弱く、従って、外側の補強部材には適しているが、内側の補強部材には適していない。また或る用途では、アウトボード補強部材の方が腐食による劣化をより受け易いことがあり、このような環境下では、この部材はアルミニウムのような耐食性材料で形成するのがよい。
【0059】
多くの地下用途では、補強部材は、ヘリカルに巻回されたパイプを形成する複合ストリップの各巻き内の引っ張りと圧縮との間で互い違いであるのがよい。
【0060】
図1aおよび図1bに示す本発明の実施形態では、ストリップの幅を横切るように間隔を隔てられている、縦方向に延びている7つのリブ部分20のアレイが設けられている。本発明の他の実施形態では、7つより多数または少数のリブ部分20を設けることができる。
【0061】
図4を参照すると、図1b、図2および図3に示された複合ストリップをヘリカルに巻回することにより製造されたヘリカル巻回複合パイプ70が示されている。図1bおよび図4を比較すると、ベース部分12の平らな面14に対する補強部材30、40の向きは、パイプ70を形成するためにストリップを巻回した後でも実質的に変化しないままである。中間プラスチックウェブ部分23は、ストリップ10の巻回中に、補強ストリップ20および30の支持を提供する。ヘリカルパイプを形成するためにストリップ10を巻回する間、補強部材30および40は、ストリップ10を実質的に横切る軸線の周りで曲げられる。
【0062】
図1a、図1b、図2aおよび図2bに示すストリップ形状は、材料コストが最小になることを確実にするため、広範囲の用途に要求される性能基準を維持しながら、形状の大きさを最小に維持する。
【0063】
図7aは、図1aに示したものと同様の本発明の更なる実施形態を示す。本発明のこの実施形態では、リブ20が、簡単な平行壁を有するより簡単な形状になっており、インボード補強部材およびアウトボード補強部材の直径がより小さくなっている。多くの他の変更が可能であり、且つウェブ部分23は、達成されることが要求される特定の設計パラメータに依存して異なる形状および厚さを有してもよいことが、理解されるべきである。図7aに示す形状または複合ストリップは、クロスヘッド押出成形法により製造できる。
【0064】
ここで図7b、図7cおよび図7dを参照すると、リブ領域20の変形の拡大図が示されている。例えば図7bでは、リブ部分の遠位端26から延びている突出部29aおよび29bの間に、上向きに開いた口が形成されている。突出部29aおよび29bは、離れるように撓むことができ、ワイヤアウトボード補強部材40を図7bに示す位置に据え付けることができる。次いで、例えば溶接法、溶剤溶着法または接着法により、突出部29aおよび29b間の口を閉じるために、ビード28が形成される。
【0065】
図7dでは、口が横向きに開いている。この場合にも、開いた口は、接着、溶着または溶接によりシールできる。
【0066】
図7eはリブ部分20の更なる変形を示し、インボード補強部材30は、ベース12の押出成形後に据え付けられる。
【0067】
図7gおよび図7hには更なる変形が示されており、補強部材30は、プラスチックストリップ11の押出成形後に据え付けられ、補強部材30は、プラスチックストリップ11の下側または内側から据え付けられる。
【0068】
図7fは複合リブ部分20の更なる変形を示し、アウトボード補強部材40は、複合リブ部分20の遠位端26上に溶接、接着または同時押出成形される高強度ポリマーである。
【0069】
プラスチックストリップ12、補強要素30および40、中間プラスチックリブ部分23の寸法および形状は、巻回されるべきパイプの直径に適合するように変えることができる。例えば、図7aに示すタイプの複合ストリップには、直径1.25mmのワイヤから作られた補強部材30および40を設けることができる。或る用途では、直径0.8mm以下のワイヤが適当であり、大径パイプに使用する複合ストリップには非常に太いワイヤ、直径数ミリメートルのワイヤを使用するのがよい。種々のグレードのワイヤを作ることができる。リブの高さは変えることができ、典型的には5−40mmの間であるのがよい(しかしながら、或る用途では、これより低いまたは高いリブ高さが適当である)。
【0070】
ここで図9を参照すると、本発明の更なる実施形態が示されている。この実施形態では、第1および第2の細長いアウトボード補強部材42および44が、ベース12に垂直なリブ部分20を2等分するP−P平面のそれぞれ第1側および第2側に横方向にオフセットして位置決めされている。この配置で、複合リブ部分20が安定化される。複合ストリップ10が巻回されてパイプになるとき、またはベース部分12の下のベース部分12を横切る軸線の周りで曲げられるとき、複合リブ部分20が一方側に横方向に曲げられるならば、反対側の補強部材の張力により複合リブ部分20が真直ぐにされる傾向がある。
【0071】
ここで図10a、図10b、図10cおよび図10dを参照すると、複合リブ領域20の更なる変形の拡大図が示されている。これらの更なる変形では、補強ストリップ100が、複合ストリップ部分23内に包含されている。補強ストリップ100は、本件出願人による上述の先行特許出願(特許文献3)に記載されたタイプのものである。或る用途では、上記特許文献3に記載されているように、補強ストリップ100のみを備えたヘリカルパイプを巻回し、続いて、図10a、図10b、図10cおよび図10dのいずれか1つに示すようにインボード補強部材30およびアウトボード補強部材40を加えるのが好ましい。
【0072】
上記説明から明らかなように、インボード補強部材がベース部分内またはこれに隣接して配置され且つアウトボード補強部材がリブ部分の遠位端内に配置され且つ中間プラスチックウェブ部分がインボード補強部材とアウトボード補強部材との間に延びている複合リブ部分を備えた複合ストリップを作るために、複合リブ部分20を多くの方法で形成することができる。選択的に、ストリップ100の形態の更なる補強部材を、複合リブ部分23のプラスチックウェブ部分内またはこれに隣接して包含させることができる。
【0073】
補強部材をプラスチックストリップ11に据付けるあるいは結合する方法として、クロスヘッド押出成形、抵抗加熱を用いた溶接、レーザを用いた溶接、溶剤溶着、接着および/または機械的取付け(例えば、クリップ止め)があるが、これらに限定されるものではない。プラスチックストリップは、PVCまたはポリエチレン(例えば、高密度ポリエチレンを含む)から押出成形することができる。PVCを使用する場合、多くの用途での溶接には溶剤溶融が好ましい。
【0074】
プラスチックストリップ12への補強部材30、40の付加により、パイプの圧力定格の向上を助けることもできる。上述の複合ストリップには、巻回パイプの圧力定格を向上させるために、他の要素を更に組込むことができる。例えば、繊維織物(例えばガラス繊維)、プラスチックまたは鋼の薄層を設けて、パイプの圧力定格を向上させることができる。ストリップのプラスチック材料のヤング係数および強度を超えるヤング係数および強度を有するいかなる材料を使用することができる。薄層は、いかなる適当な方法で形状(ストリップ12)内に組込むことができる。例えば、薄層を、図5および図6に示すように、ストリップのベース12に溶接するか、あるいはストリップのベース12内にクロスヘッド押出成形して、ストリップ10を形成することができる。
【0075】
パイプの圧力定格を高めるため、改善された噛み合いエッジ形態を設けることもできる。図5および図6には、高圧用途のために構成された形状の例が示されている。機械的ロックが、プラスチックストリップ11から形成された雄形エッジ部材16および雌形エッジ部材18により提供される。この形状は、複合ストリップ10が作られるときに、クロスヘッド押出成形され、補強部材30および40を封入し、前述のようにシーリングビードを付加する必要をなくす。薄層50は、ストリップ11のベース部分内に組込まれる。薄層50は、PVCプラスチックストリップ11よりも高いヤング係数および強度を有している。巻回してヘリカルパイプにしたとき、この形状は、圧力下の流体を運ぶのに適した高圧パイプを提供することができる。隣接する巻きは直接一体接合されないけれども、プラスチックの厚さおよび隣接エッジ16および18により形成される機械的ロックの設計により、パイプは大きい内部圧力に確実に耐えられる。
【0076】
本発明の他の実施形態は、ストリップのベース12に接合されるか、あるいはストリップのベース12内に埋設される薄層を備えることができる。
【0077】
方向性を有する材料を薄層として、あるいは薄層内に使用できる。例えば、長手方向に強く、横方向に弱い配向プラスチックフィルムストリップを使用できる。このようなストリップは、巻回パイプの「フープ」強度を向上できる。
【0078】
横方向に強く、長手方向に弱いプラスチックフィルムストリップを使用することもできる。
【0079】
或る用途では、直交方向に互いに強い2つ(またはそれ以上)のプラスチックフィルムストリップから薄層を形成し、これにより全方向に高強度な複合体を得ることが望ましい。
【0080】
方向性を有する適当な材料の例として、高度に延伸されたポリオレフィンシートがある。このようなシートは、同じ方向に配向された分子の比率が高く、高いヤング係数および降伏強度を提供する。
【0081】
本件出願人による上記特許文献3(名称「ヘリカルパイプを形成する、巻回可能な複合ストリップおよびその製造方法」)は、他の複合ストリップおよび複合パイプ形態およびパイプの製造方法を開示している。これらの形態および方法は本発明に使用でき、上記特許文献3の開示が全体として本願に援用される。
【0082】
より一般的には、高いヤング係数(e modulus)をもつ短繊維(例えばガラス繊維)を種々の割合で形状全体にわたって分散させることにより性能を向上させることができる。そのような繊維を組込むことにより、複合ストリップの引っ張り強度を向上させ、そのようなストリップから巻回されたパイプの圧力定格を向上させることができる。
【0083】
上述し且つ図示した種々の複合ストリップは、種々の方法で製造できる。より詳しくは、補強部材は、押出成形(クロスヘッド押出成形)中、押出成形後であるが、スプール上に複合ストリップを巻回する前、スプール加工中、パイプ巻回加工中、またはパイプ巻回加工後に加えることができる。
【0084】
用途に依存して、パイプ巻回加工は、修繕すべきパイプ内で地下、建設現場の地上、またはパイプ製造工場で行うことができる。
【0085】
図7aから図7fより明らかなように、インボード補強部材およびアウトボード補強部材は、設置までおよび設置後を含む、製造加工時の種々の時点で、別々にまたは一緒に加えることができる。例えば、インボード補強部材は、押出成形段階でクロスヘッド押出成形法により加えることができ、アウトボード補強部材は、複合ストリップ10を巻回してパイプ70にする加工中または加工後に加えることができる。
【0086】
ここで図8aおよび図8bを参照すると、ワイヤの形態のアウトボード補強部材40を、パイプの巻回加工中に複合ストリップ10に加える方法が概略的に示されている。リブ部分20の頂部に形成された溝またはスロット27内にワイヤ40を供給するために一対のワイヤスプール50が設けられている。
【0087】
或る用途では、ワイヤはスプーリング段階で加えるのが有利である。例えば、或る修繕プロジェクトでは、現場でのワイヤの付加は非常に困難なことがある。
【0088】
ストリップが既に曲げられているとき、従って、より小さい応力がストリップに導入され、それは、最終的にはストリップの使用を制限するおそれがあり、あるいはスプールの内径サイズを大きくする必要があり、それによってスプールのキャパシティが小さくなる(これにより、運送コストが嵩む)ことを意味するが、或る用途ではスプーラでワイヤを付加することが、クロスヘッド押出成形によって簡単に付加するよりも良いことがある。
【0089】
選択的に、ワイヤ40に予張力を付与するため、テンショナ60を設けることができる。これにより、外側補強部材(ワイヤ)40が引っ張られ、内側補強部材が圧縮された状態にある、予張力が付与されたパイプ70が得られる。
【0090】
図8bに示すように、突出部29aおよび29bは導入部(lead-in)を備えた形状にするのが有利である。この導入部は、突出部29aおよび29bの可撓性と一緒に、ワイヤに張力が付与されたときにワイヤが所定位置にスナップ止めされるようにする。ひとたび溝27内にしっかりと保持されたならば、ビードを付加して、補強部材を組み込みからシールするのがよい(これは、例えば鋼ワイヤの場合に望ましい)。
【0091】
上述し且つ図8aに示したように、パイプ巻回加工後または加工中にアウトボード補強部材を付加することにより、多くの著しい利点が得られる。パイプの巻回時点でいずれか一方または両方の補強部材が所定位置にないと、力は大幅に減じられる。これにより巻回加工が容易になる。更に、図8aに示し且つ上述した方法によれば、パイプは既に形成されていて、従って、完成した複合ストリップが巻回可能であるように設計する必要がないので、非常に高い複合ストリップ強化パイプ剛性を達成できる。
【0092】
スプーリングの前にいずれか一方または両方の補強部材が付加されないことにより、より小さい直径でスプーリングを開始できるので、1スプール当りのストリップ巻回の長さを増大できる。
【0093】
或る用途では、複合ストリップ10をスプーリングする中間工程なしに、複合ストリップの製造直後にパイプを巻回するのが有利である。上記本発明の種々の実施形態、特に、ストランデッドワイヤであるか非ストランデッドワイヤであるかを問わずワイヤを用いる実施形態では、連続パイプ製造方法を行うのがよりコスト効率がよい。これは、非常に長いワイヤが商業的に容易に入手でき、ワイヤ(補強部材)を結合する労力を要せずして連続方法で非常に長いパイプを製造できるからである。この連続方法は、ストリップ形態の補強部材を用いたパイプを巻回する方法(本件出願人による上記特許文献3に記載されているような)に比べて在庫の低減を含む、著しい付加的利益を提供する。
【0094】
本発明の理解を容易にすべく、好ましい実施形態に関して本発明を説明したが、本発明の原理を逸脱することなく種々の変更をなし得ることを理解すべきである。従って、本発明は、その範囲内のこのようなあらゆる変更を含むことを理解すべきである。
【符号の説明】
【0095】
10 複合ストリップ
11 プラスチックストリップ
12 ベース部分
16、18 エッジ
20 複合リブ部分
23 プラスチックウェブ部分
28 ビード
29a、29b 突出部
30、40 補強部材
70 パイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体輸送用ヘリカルパイプを形成する、巻回可能な複合ストリップであって、
ベース部分を備えた細長いプラスチックストリップを有し、前記ベース部分は、内面を構成する下面および外面を構成する上面を備え、
前記ベース部分の外面から直立して縦方向に延びている少なくとも1つのリブ部分を有し、前記リブ部分は、前記ベース部分から離れている遠位端を備え、
前記ベース部分内または前記ベース部分に隣接して配置された細長いインボード補強部材と、
前記インボード補強部材と平行にリブ部分の遠位端内に配置された細長いアウトボード補強部材と、
前記インボード補強部材とアウトボード補強部材との間に延びている細長い中間プラスチックウェブ部分とを有し、前記ウェブ部分は、前記インボード補強部材およびアウトボード補強部材と一緒に複合リブ部分を形成し、
巻回してヘリカルパイプにしたときに、前記複合リブ部分が半径方向圧壊荷重に対してパイプを補強する、
ことを特徴とする複合ストリップ。
【請求項2】
前記アウトボード補強部材は、前記プラスチックストリップのヤング係数より大きいヤング係数を有する材料から構成され、前記インボード補強部材は、前記プラスチックストリップのヤング係数より大きいヤング係数を有する材料から構成されている、請求項1に記載の複合ストリップ。
【請求項3】
前記インボード補強部材およびアウトボード補強部材は、完全に封入されている、請求項1に記載の複合ストリップ。
【請求項4】
前記補強部材はストランデッドフィラメントまたは非ストランデッドフィラメントである、請求項1または3に記載の複合ストリップ。
【請求項5】
前記補強部材はワイヤである、請求項4に記載の複合ストリップ。
【請求項6】
前記ベース部分の外面から直立して縦方向に延びている複数の複合リブ部分を有している、請求項1に記載の複合ストリップ。
【請求項7】
前記複合ストリップの両エッジに連結形態を有し、前記連結形態は、前記ストリップがヘリカル経路に巻回され且つ前記ストリップの隣接するエッジ部分が互いにオーバーラップするとき、噛み合うようになっている、請求項1に記載の複合ストリップ。
【請求項8】
各複合リブ部分について、前記ストリップの内面から前記複合リブ部分の遠位端まで上方に向かって測定した距離は、前記ストリップの内面から前記連結形態の頂点まで上方に向かって測定した距離を超えない、請求項7に記載の複合ストリップ。
【請求項9】
前記ベースに対して垂直に前記リブ部分を2等分する平面のそれぞれ第1側および第2側に横方向にオフセットして配置された、前記リブ部分の遠位端内に配置された第1および第2の細長いアウトボード補強部材を有している、請求項1に記載の複合ストリップ。
【請求項10】
流体輸送用ヘリカルパイプを形成する、巻回可能な複合ストリップであって、
ベース部分を備えた細長いプラスチックストリップを有し、前記ベース部分は、内面を構成する下面および外面を構成する上面を備え、
前記ベース部分の外面から直立して縦方向に延びている少なくとも1つのリブ部分を有し、前記リブ部分は、前記ベース部分から離れている遠位端を備え、
前記ベース部分内または前記ベース部分に隣接して配置された細長いインボード補強部材と、
前記インボード補強部材と平行に前記リブ部分の遠位端内に配置され且つ前記ベースに対して垂直に前記リブ部分を2等分する平面のそれぞれ第1側および第2側に横方向にオフセットして配置された第1および第2の細長いアウトボード補強部材と、
前記インボード補強部材とアウトボード補強部材との間に延びている細長い中間プラスチックウェブ部分とを有し、前記ウェブ部分は、前記インボード補強部材およびアウトボード補強部材と一緒に複合リブ部分を形成し、
巻回してヘリカルパイプにしたときに、前記複合リブ部分が半径方向圧壊荷重に対して前記パイプを補強する、
ことを特徴とする複合ストリップ。
【請求項11】
前記アウトボード補強部材は、前記プラスチックストリップのヤング係数より大きいヤング係数を有する材料から構成され、前記インボード補強部材は、前記プラスチックストリップのヤング係数より大きいヤング係数を有する材料で構成されている、請求項10に記載の複合ストリップ。
【請求項12】
前記インボード補強部材およびアウトボード補強部材は、完全に封入されている、請求項10に記載の複合ストリップ。
【請求項13】
前記補強部材はストランデッドフィラメントまたは非ストランデッドフィラメントである、請求項10または12に記載の複合ストリップ。
【請求項14】
前記補強部材はワイヤである、請求項13に記載の複合ストリップ。
【請求項15】
前記ベース部分の外面から直立して縦方向に延びている複数の複合リブ部分を有している、請求項10に記載の複合ストリップ。
【請求項16】
前記複合ストリップの両エッジに連結形態を有し、前記連結形態は、前記ストリップがヘリカル経路に巻回され且つ前記ストリップの隣接するエッジ部分が互いにオーバーラップするとき、噛み合うようになっている、請求項10に記載の複合ストリップ。
【請求項17】
各複合リブ部分について、前記ストリップの内面から前記複合リブ部分の遠位端まで上方に向かって測定した距離は、前記ストリップの内面から前記連結形態の頂点まで上方に向かって測定した距離を超えない、請求項16に記載の複合ストリップ。
【請求項18】
ヘリカルに巻回された複合ストリップからなるパイプであって、
ベース部分を備えた細長いプラスチックストリップを有し、前記ベース部分は、内面を構成する下面および外面を構成する上面を備え、
前記ベース部分の外面から直立して縦方向に延びている少なくとも1つのリブ部分を有し、前記リブ部分は、前記ベース部分から離れている遠位端を備え、
前記ベース部分内または前記ベース部分に隣接して配置された細長いインボード補強部材と、
前記インボード補強部材と平行に前記リブ部分の遠位端内に配置された細長いアウトボード補強部材と、
前記インボード補強部材とアウトボード補強部材との間に延びている細長い中間プラスチックウェブ部分とを有し、前記ウェブ部分は、前記インボード補強部材およびアウトボード補強部材と一緒に複合リブ部分を形成し、
前記複合リブ部分は、半径方向圧壊荷重に対してパイプを補強する、
ことを特徴とするパイプ。
【請求項19】
前記複合ストリップは、前記ベースに対して垂直に前記リブ部分を2等分する平面のそれぞれ第1側および第2側に横方向にオフセットして配置された、前記リブ部分の遠位端内に配置された第1および第2の細長いアウトボード補強部材を有している、請求項18に記載のパイプ。
【請求項20】
パイプを製造する方法であって、
a)細長いプラスチックストリップを押出成形する段階を有し、前記ストリップはベース部分を有し、前記ベース部分は内面を構成する下面および外面を構成する上面を備え、前記ストリップは更に、前記ベース部分の外面から直立して縦方向に延びている少なくとも1つのリブ部分を有し、
b)サブ組立複合ストリップを形成するために、前記少なくとも1つのリブ部分に隣接する位置に、下補強部材を前記ストリップのベース部分内に導入する段階と、
c)前記サブ組立複合ストリップを巻いてストリップのスプールにまたはヘリカルに巻回されたパイプにする段階と、
d)組立てられた複合ストリップを形成するために、前記少なくとも1つのリブ部分の頂部内に上補強部材を導入する段階とを有し、
前記下補強部材を導入する段階は、前記押出成形段階中または後であるが前記巻回段階の前に行われ、前記上補強部材を導入する段階は、前記巻回段階中または後に行われる、
ことを特徴とするパイプ製造方法。
【請求項21】
前記押出成形段階および導入段階b)は、クロスヘッド押出成形ダイ内で一緒に行われる、請求項20に記載のパイプ製造方法。
【請求項22】
前記巻回段階c)は、前記サブ組立複合ストリップを巻回してパイプにすることを含む、請求項20に記載のパイプ製造方法。
【請求項23】
前記導入段階d)は、前記外側補強部材に張力を付与してパイプにプレストレスを付与することを含む、請求項20乃至22のいずれか1項に記載のパイプ製造方法。
【請求項24】
前記少なくとも1つのリブの頂部内の上補強部材をシールする段階を更に有する、請求項20に記載のパイプ製造方法。
【請求項25】
パイプ製造方法であって、
a)細長いプラスチックストリップを押出成形する段階を有し、前記ストリップはベース部分を有し、前記ベース部分は内面を構成する下面および外面を構成する上面を備え、前記ストリップは更に、前記ベース部分の外面から直立して縦方向に延びている少なくとも1つのリブ部分を有し、前記リブ部分は、前記ベース部分から離れた遠位端を備え、
b)サブ組立複合ストリップを形成するために、前記少なくとも1つのリブ部分に隣接する位置に、下補強部材を前記ストリップのベース部分内に導入する段階と、
c)前記ベースを横切る軸線の周りに前記複合ストリップを曲げる段階と、
d)組立てられた複合ストリップを形成するために、前記少なくとも1つのリブ部分の遠位端内に上補強部材を導入する段階とを有し、
前記下補強部材を導入する段階は、前記押出成形段階中または後であるが前記曲げ段階の前に行われ、前記上補強部材を導入する段階は、前記曲げ段階中または後に行われる、
ことを特徴とするパイプ製造方法。
【請求項26】
パイプ製造方法であって、
a)細長いプラスチックストリップを押出成形する段階を有し、前記ストリップはベース部分を有し、前記ベース部分は内面を構成する下面および外面を構成する上面を備え、前記ストリップは更に、前記ベース部分の外面から直立して縦方向に延びている少なくとも1つのリブ部分を有し、前記リブ部分は、前記ベース部分から離れた遠位端を備え、
b)前記少なくとも1つのリブ部分に隣接する位置の前記ストリップのベース部分または前記少なくとも1つのリブ部分の遠位端のいずれか一方の中に、第1の補強部材を導入して、サブ組立複合ストリップを形成する段階と、
c)前記ベースを横切る軸線の周りに前記複合ストリップを曲げる段階と、
d)前記少なくとも1つのリブ部分に隣接する位置の前記ストリップのベース部分または前記少なくとも1つのリブ部分の遠位端の他方の中に、第2の補強部材を導入して、組立てられた複合ストリップを形成する段階とを有し、
前記第1の補強部材を導入する段階は、前記押出成形段階中または後に行われ、前記第2の補強部材を導入する段階は、前記曲げ段階中または後に行われる、
ことを特徴とするパイプ製造方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【図7e】
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【図7f】
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【図7g】
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【図7h】
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【図8a】
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【図8b】
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【図9】
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【図10a】
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【図10b】
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【図10c】
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【図10d】
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【公表番号】特表2010−505643(P2010−505643A)
【公表日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−530735(P2009−530735)
【出願日】平成19年10月3日(2007.10.3)
【国際出願番号】PCT/AU2007/001463
【国際公開番号】WO2008/040052
【国際公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(501116790)リブ ロック オーストラリア プロプライエタリー リミテッド (3)
【Fターム(参考)】