説明

ベタインを含む構造化組成物

【課題】出願人は、パーソナルケア製品などへの利用に、1以上のベタインを構造化システム内に組み入れ、審美的に満足でき、相安定で、追加特性も発揮する組成物を創出するのが望ましいことに気付いたが、ベタインの不定形の親水性頭部基が、安定化を特に困難にする、と考え、ベタインを含む構造化組成物、および、かかる組成物の製造法を開発する必要性を認識した。
【解決手段】陰イオン界面活性剤、ベタインおよび枝分れ脂肪アルコールを含む構造化組成物であって、約1パスカル(Pa)〜約1500 Paの降伏応力を有する、構造化組成物と、かかる組成物の製造法および使用法と、が提供される。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、少なくとも1のベタインを含む構造化組成物、構造化組成物の製造法、および、パーソナルケア製品中のかかる組成物の使用に関する。
【0002】
〔関連技術の説明〕
パーソナルケア、ホームケアおよび他の消費者製品中に使用される様々ないわゆる「構造化(structured)」組成物は、技術上周知である。かかる構造化組成物は、しばしば、層状(ラメラ)界面活性剤富化相の存在を特徴とし、望ましい流動(rheological)および審美特性、ならびに、水に不溶性の機能成分の顕著な懸濁力を発揮する傾向がある。
【0003】
出願人は、特定のパーソナルケア製品への利用を含むが、それに制約されない特定の最終用途として、1以上のベタインを構造化システム内に組み入れ、審美的に満足でき、および/または、相安定であるだけでなく、マイルド性、発泡性、および/または、費用対効果などの1以上の追加特性も発揮する組成物を創出するのが望ましいことに気付いた。しかし、出願人は、さらに、構造化システムへのベタインの組み入れが、問題を生じる傾向があることに気付いた。特に、出願人は、ベタインの不定形の親水性頭部基が、かかる分子を構造化組成物中で安定化することを特に困難にする、と考える。
【0004】
上記の点に照らして、出願人は、ベタインを含む構造化組成物、および、かかる組成物の製造法を開発する必要性に気付いた。
【0005】
〔発明の概要〕
本発明は、前記の要求を満たし、先行技術の短所を克服する。特に、出願人は、1以上のベタインが、1以上の枝分れ脂肪アルコールおよび1以上の陰イオン界面活性剤と配合され、相安定な構造化組成物を生成することを発見した。
【0006】
ある実施態様によれば、本発明は、ベタイン、枝分れ脂肪アルコールおよび陰イオン界面活性剤を含む組成物であって、当該組成物が約1 パスカル(Pa)〜約1500 Paの降伏応力を有する組成物を提供する。
【0007】
別の実施態様によれば、本発明は、ベタイン、枝分れ脂肪アルコールおよび陰イオン界面活性剤を含む組成物であって、当該組成物が約1.7未満のH-Bディメンション(H-B dimension)を有する組成物を提供する。
【0008】
なおも別の実施態様によれば、本発明は、本発明の組成物を含むパーソナルケア製品を提供する。
【0009】
以下の出願No.2に関して
ある実施態様によれば、本発明は、約1パスカル(Pa)〜約1500 Paの降伏応力を有する組成物を得るのに十分な量のベタイン、枝分れ脂肪アルコールおよび陰イオン界面活性剤の配合を含む構造化組成物の製造法を提供する。
【0010】
別の実施態様によれば、本発明は、人体をクレンジングする方法であって、人体への本発明の構造化組成物の適用を含む方法を提供する。
【0011】
〔好ましい実施の形態の説明〕
本明細書に挙げる全パーセンテージは、他に具体的に言及されない限り、重量パーセンテージである。
【0012】
「構造化組成物(structured composition)」は、本明細書で使用される場合、以下の試験法に述べられる「降伏応力試験」により測定されると、約1 パスカル(Pa)〜約1500 Paの降伏応力を有する組成物を意味する。特定の好ましい構造化組成物の例は、後述の降伏応力法で測定されると、約10 Pa〜約1100 Paの降伏応力を有する組成物を含む。
【0013】
上記のように、出願人は、予想外にも、少なくとも1のベタインを少なくとも1の枝分れ脂肪アルコールおよび少なくとも1の陰イオン界面活性剤と配合することによって入手可能であることを発見した。出願人は、本発明の組成物が、特定の実施の形態に従って、「ヒーピング(積重ねheaping)」と称されることができる望ましい属性、即ち、下記の試験法に述べられている「ヒーピング度試験」によって測定された場合、剪断を受けた際に急速に形状を回復し、ピークを形成する能力を有することを、さらに発見した。従って、特定の実施の形態では、本発明の組成物は、後述のヒーピング度試験法によって測定されると、約1.7未満、好ましくは約1.6未満、さらに好ましくは約1.5未満、はるかに好ましくは約1.4未満のHauesorff-Besicovitchディメンション(以後、H-Bディメンション)を有する。
【0014】
様々な適切なベタインは、いずれも、本発明の組成物に使用されることができる。適切なベタインの例は、アルキルベタイン、アミドアルキルベタイン、アミドアルキルスルタイン、両性リン酸塩(amphophosphates)、リン酸化イミダゾリン(フォスフォベタイン(phosphobetaines)およびピロフォスフォベタイン(pyrophosphobetaines)など)、ならびに、次式で表される他のベタインを含み、
B-N+R1R2(CH2)pX
式中、
Bはアルキルまたはアルケニル基、好ましくは炭素原子約7〜約22個を有する基であり、
Xは、陰イオン荷電部分もしくはそれらの中性(プロトン化)誘導体である。
当業者に認識されるように、Xの電荷は、当該組成物のpHに依存する。
【0015】
適切なアルキルベタインの例は、次式の化合物を含み、
D-N+R9R10(CH2)pCO2
式中、
Dは、炭素原子約8〜約22、例えば炭素原子約8〜約16個を有するアルキルまたはアルケニル基であり、
R9およびR10は、それぞれ、独立して、炭素原子約1〜約4個を有するアルキルまたはヒドロキシアルキル基であり、
pは1または2である。
本発明での使用に好ましいベタインは、テキサス州、The Woodlands所在のHuntsman International LLCから「Empigen BB/J」として市販されているラウリルベタインである。
【0016】
適切なアミドアルキルベタインの例は、次式の化合物を含み、
F-CO-NH(CH2)q-N+R11R12(CH2)mCO2
式中、
Fは、炭素原子約7〜約21個、例えば炭素原子約7〜約15個を有するアルキルまたはアルケニル基であり、
R11およびR12は、それぞれ、独立して、炭素原子約1〜約4個を有するアルキルまたはヒドロキシアルキル基であり、
qは約2〜約6の整数であり、
mは1または2である。
あるアミドアルキルベタインは、バージニア州Hopewell 所在のDegussa Goldschmidt Chemical Corporationから「Tegobetaine L7」の販売名で市販されているコカミドプロピルベタインである。
【0017】
適切なアミドアルキルスルタインの例は、次式の化合物を含み、
【化1】

式中、
Eは、炭素原子約7〜約21個、例えば約7〜約15個を有するアルキルまたはアルケニル基であり、
R14およびR15は、それぞれ、独立して、炭素原子約1〜約4個を有するアルキルまたはヒドロキシアルキル基であり、
rは、約2〜約6の整数であり、
R13は、炭素原子約2〜約3個を有するアルキレンまたはヒドロキシアルキレン基である。
【0018】
ある実施の形態では、アミドアルキルスルタインは、ニュージャージー州Cranbury所在のRhodia Inc.から「Mirataine CBS」の販売名で市販されているコカミドプロピルヒドロキシスルタインである。
【0019】
適切な両性リン酸塩化合物の例は、次式の化合物を含み、
【化2】

式中、
Gは、炭素原子約7〜約21個、例えば約7〜約15個を有するアルキルまたはアルケニル基であり、
sは、約2〜約6の整数であり、
R16は、水素、または炭素原子約2〜約3個を含有するカルボキシアルキル基であり、
R17は、炭素原子約2〜約3個を含有するヒドロキシアルキル基、または次式の基であり、
R19-O-(CH2)t-CO2
式中、
R19は、炭素原子約2〜約3個を有するアルキレンまたはヒドロキシアルキレン基であり、
tは、1または2であり、
R18は、炭素原子約2〜約3個を有するアルキレンまたはヒドロキシアルキレン基である。
【0020】
ある実施の形態では、前記両性リン酸塩化合物は、イリノイ州シカゴ所在のUniqemaから「Monateric 1023」の販売名で市販されているラウロアンフォPG-酢酸リン酸ナトリウム(sodium lauroampho PG-acetate phosphate)、および米国特許第4,380,637号に開示されている化合物である。当該特許は、参照することによって本明細書に組入れられている。
【0021】
適切なフォスフォベタインの例は、次式の化合物を含み、
【化3】

式中、
E、r、R1、R2およびR3は、上記のとおりである。ある実施の形態では、当該フォスフォベタイン化合物は、米国特許第4,215,064号、同第4,617,414号および同第4,233,192号に開示されている化合物である。当該特許は、すべて、参照することによって本明細書に組入れられている。
【0022】
適切なピロフォスフォベタインの例は、次式の化合物を含み、
【化4】

式中、
E、r、R1、R2およびR3は、上記のとおりである。ある実施の形態では、当該ピロフォスフォベタイン化合物は、米国特許第4,382,036号、同第4,372,869号および同第4,617,414号に開示されている化合物である。当該特許は、すべて、参照することによって本明細書に組入れられている。
【0023】
構造化組成物を生成するための、当該組成物中の他の成分と併用される適切なベタインまたはベタイン配合物のいずれの量も、本発明に従って使用されることができる。特定の実施の形態に従って、ベタインは、当該組成物中、重量換算で約0.1%超〜約50%の活性ベタインの濃度で使用される。好ましくは、ベタインは、当該組成物中、約1%〜約40%、さらに好ましくは約5%〜約40%、はるかに好ましくは約15%〜約35%の活性ベタイン濃度で存在する。
【0024】
本組成物には、様々な枝分れ脂肪アルコールいずれもが使用されることができる。「枝分れ脂肪アルコール(branched fatty alcohol)」とは、植物油もしくは動物油および少なくとも1のペンダント炭化水素を含む炭素鎖を有する脂肪から誘導されるいずれかの各種アルコールを意味する。当該枝分れ脂肪アルコールは、いずれかの数の炭素原子、好ましくは炭素原子約7〜約22個、さらに好ましくは炭素原子約9〜約15個、はるかに好ましくは炭素原子約11〜約15個を含むことができる。適切な枝分れ脂肪アルコールは、分子1当たりアルコール基1個以上を含むことができる。特定の好ましい実施の形態では、当該脂肪アルコールは、分子1当たりアルコール基1個を含む。
【0025】
適切な枝分れ脂肪アルコールは、その分子の炭素主鎖に1以上の枝を含むことができる。特定の好ましい実施の形態では、当該枝分かれ脂肪アルコールは、一枝分れ(monobranched)である。「一枝分れの」とは、当該脂肪アルコールが、アルキル鎖中に枝1個となる(CH)官能基1個を有するアルキル鎖を有する、即ち、当該脂肪アルコールは、水素原子1個および炭素原子3個が結合する唯一の炭素を有することを意味する。
【0026】
特定の好ましい実施の態様では、前記枝分れ脂肪アルコールは一級アルコールである。「一級アルコール」とは、1よりも多い炭素原子に-COH基が結合していないことを意味する。
【0027】
ある特に好ましい実施の形態では、前記枝分れ脂肪アルコールは一枝分れ、一級アルコールの両方である。さらに特に好ましい実施の形態では、当該枝分れ脂肪アルコールは、一枝分れ一級アルコールであり、分子1個当たりに唯一のアルコール基を有する。
【0028】
特定の好ましい実施の形態では、前記枝分れ脂肪アルコールは、水素原子、炭素原子および酸素原子のみから成る。当該枝分れ脂肪アルコール内の炭素-炭素結合は、飽和もしくは不飽和であることができる。
【0029】
ある特に好ましい実施の形態では、前記枝分れ脂肪アルコールは、一枝分れ一級脂肪アルコールで、以下の構造で表されることができ、
【化5】

式中、
以下の3式のそれぞれを満たし、即ち、
m + n =8または9であり、
mは0〜9(含む)の範囲の整数で、
nは0〜9(含む)の範囲の整数である。
【0030】
前記枝分れ脂肪アルコールとしての使用に特に適した市販材料は、以下の材料、ドイツ国Bad Homburg 所在のSasol Chemical Coによって製造されているIsalchem 123またはLialchem 123、の単独または配合物を含む。特に好ましい実施の形態では、当該枝分れ脂肪アルコールはIsalchem 123である。
【0031】
別の実施の形態では、前記枝分れ脂肪アルコールは、エトキシおよび/またはプロポキシ基などのアルコキシレート部分を含む。当該脂肪アルコールが、なおも、構造化組成物を提供できる限り、どのアルコキシ基数も許容できる。ある実施の形態では、当該脂肪アルコールは、10までの、10個を含むアルコキシ基、さらに好ましくは0〜3個のアルコキシ基、最も好ましくは1〜3個のアルコキシ基を有する。
【0032】
本発明の組成物中の枝分れ脂肪アルコールの濃度は、当該組成物中、重量換算で好ましくは約0.1%〜約10%、さらに好ましくは0.5%〜約5%、はるかに好ましくは約0.75%〜約4%の活性枝分れ脂肪アルコールである。
【0033】
本発明のある実施の形態では、前記枝分れ脂肪アルコールおよびベタインは、約0.15:1〜約0.35:1の脂肪アルコール対ベタイン比(活性体を基準として重量対重量)で存在する。
【0034】
様々な適切な陰イオン界面活性剤は、いずれも、本発明で使用されることができる。特定の実施の形態によれば、適切な陰イオン界面活性剤は、枝分かれもしくは非枝分れであることができ、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、アルキルモノグリセリルエーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、アルキルエーテルスルホコハク酸塩、アルキルスルホススクシンアミド酸塩(alkyl sulfosuccinamates)、アルキルアミドスルホコハク酸塩、アルキルカルボン酸塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸塩、アルキルコハク酸塩、脂肪族アシルサルコシン酸塩、脂肪族アシルアミノ酸、脂肪族アシルタウリン酸塩、脂肪族アルキルスルホ酢酸塩、アルキルリン酸塩、およびそれらの2以上の混合物を含むことができる。特定の陰イオン界面活性剤の例は、
次式のアルキル硫酸塩
R'-CH2OSO3X'
次式のアルキルエーテル硫酸塩
R'(OCH2CH2)vOSO3X'
次式のアルキルモノグリセリルエーテル硫酸塩
【化6】

次式のアルキルモノグリセリド硫酸塩
【化7】

次式のアルキルモノグリセリドスルホン酸塩
【化8】

次式のアルキルスルホン酸塩
R'-SO3X'
次式のアルキルアリールスルホン酸塩
【化9】

次式のアルキルスルホコハク酸塩
【化10】

次式のアルキルエーテルスルホコハク酸塩
【化11】

次式のアルキルスルホススクシンアミド酸塩
【化12】

次式のアルキルアミドスルホコハク酸塩
【化13】

次式のアルキルカルボン酸塩
R'-(OCH2CH2)w-OCH2CO2X'
次式のアルキルアミドエーテルカルボン酸塩
【化14】

次式のアルキルコハク酸塩
【化15】

次式の脂肪族アシルサルコシン酸塩
【化16】

次式のアミノ酸脂肪族アシル
【化17】

次式の脂肪族アシルタウリン酸
【化18】

次式の脂肪族アルキルスルホ酢酸塩
【化19】

次式のアルキルリン酸塩
【化20】

および、それらの混合物を含み、
式中、
R'は、炭素原子約7〜約22、好ましくは約7〜約16を有するアルキル基であり、
R'1は、炭素原子約1〜約18、好ましくは約8〜約14を有するアルキル基であり、
R'2は、天然もしくは合成I-アミノ酸置換基であり、
X'は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、置換基約1〜約3個で置換されたアンモニウムイオンであって、当該置換基がそれぞれ同一もしくは異なることができ、炭素原子1〜4個を有するアルキル基および炭素原子約2〜約4個を有するヒドロキシアルキル基からなる群から選択される、置換されたアンモニウムイオン、から成る群から選択され、
vは1〜6の整数であり、
wは0〜20の整数である。
【0035】
特定の好ましい実施の形態では、本発明で使用される陰イオン界面活性剤は、枝分れ陰イオン界面活性剤を含む。「枝分れ陰イオン界面活性剤」は、10%を超える枝分れ界面活性剤分子を含む陰イオン界面活性剤を意味する。適切な枝分れ陰イオン界面活性剤は、トリデセス硫酸ナトリウムなどのトリデカノール系硫酸塩を含み、これは、一般に高レベルの枝分れを含み、80%を超える界面活性剤分子が少なくとも2つの枝を含む。別の適切な枝分れ陰イオン界面活性剤は、約15〜30%の枝分れ界面活性剤分子を有する、SAFOL 23アルコール(米国テキサス州Houston所在のSasol, Incより)から誘導されるC12〜13アルキル硫酸塩である。
【0036】
枝分れ陰イオン界面活性剤は、以下の枝分れ陰イオンアルキル硫酸塩またはアルキルエーテル硫酸塩界面活性剤を含むが、それらに制約されず、即ち、トリデシル硫酸ナトリウム、C12〜13アルキル硫酸ナトリウム、C12〜15アルキル硫酸ナトリウム、C12〜15アルキル硫酸ナトリウム、C12〜18アルキル硫酸ナトリウム、C10〜16アルキル硫酸ナトリウム、トリデセス硫酸ナトリウム、C12〜13パレス硫酸ナトリウム(sodium C12-13 pareth sulfate)、C12〜13パレス-n硫酸ナトリウム、C12〜14パレス-n硫酸ナトリウムである。ある特に適した枝分れ陰イオン界面活性剤(約50%枝分れ)は、イリノイ州Northfield 所在のStepan CompanyからCEDEPAL TD 430 MFLDとして販売されているトリデセス硫酸ナトリウムである。
【0037】
TEA、DEA、アンモニア、カリウム塩など、前記の全枝分れ陰イオン界面活性剤の他の塩が有用である。有用なアルコキシレートは、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドおよびEO/PO混合アルコキシレートを含む。枝分れアルコールから調製されるリン酸塩、カルボン酸塩およびスルホン酸塩も、有用な陰イオン枝分れ界面活性剤である。枝分れ陰イオン界面活性剤は、Fischer-Tropsch縮合合成ガスによって生成される液体炭化水素からの一級アルコールなどの合成アルコール、例えばテキサス州Houston 所在のSasol North Americaから販売中のSAFOL 23アルコール 、2002年1月1日にCoffindafferに交付された米国特許第6,335,312号に記述されているアルコールなどの合成アルコールから誘導されることができる。好ましいアルコールはSAFOL.TM.23である。好ましいアルコキシル化アルコールはSAFOL 23-3である。硫酸塩は、イオウ系SO3気流プロセス、クロロスルホン酸プロセス、硫酸プロセスまたはOleumプロセスから従来のプロセスによって高純度に調製されることができる。流下薄膜型反応装置中でのSO3気流による調製が、好ましい硫酸化プロセスである。
【0038】
適切な枝分れ陰イオン界面活性剤は、前記のとおり、SAFOL 23-n(nは1〜約20の整数)から誘導される枝分れ陰イオン硫酸塩を含むが、それらに制約されない。存在するアルコールモル数に基づいて、例えばわずか約0.3モルのEOもしくは1.5モルのEOもしくは2.2モルのEOを化学量論的に添加することによる部分アルコキシル化(Fractional alkloxylation)も有用である。その理由は、生じる分子の配合物が、実際、常にアルコキシレートの分布であり、整数nが平均数を表すにすぎないためである。好ましいモノメチル枝分れ陰イオン界面活性剤は、約28%の枝分れ陰イオン界面活性剤分子を有するSAFOL 23の硫酸化から誘導されるC12〜13アルキル硫酸塩を含む。
【0039】
前記枝分れ陰イオン界面活性剤が枝分れ陰イオン一級硫酸塩である場合、当該界面活性剤は、次の枝分れ陰イオン界面活性剤分子の数種を含有することができ、4-メチルウンデシル硫酸塩、5-メチルウンデシル硫酸塩、7-メチルウンデシル硫酸塩、8-メチルウンデシル硫酸塩、7-メチルドデシル硫酸塩、8-メチルドデシル硫酸塩、9-メチルドデシル硫酸塩、4,5ジメチルデシル硫酸塩、6,9-ジメチルデシル硫酸塩、6,9-ジメチルウンデシル硫酸塩、5-メチル-8-エチルウンデシル硫酸塩、9-メチルウンデシル硫酸塩、5,6,8-トリメチルデシル硫酸塩、2-メチルドデシル硫酸塩、および、2-メチルウンデシル硫酸塩がある。当該陰イオン界面活性剤が一級アルコキシル化硫酸塩である場合、これらの同分子は、アルコキシル化から生じる典型的なアルコキシル化付加物の他に、n=0未反応アルコール硫酸塩として存在することができる。
【0040】
構造化組成物を生成するために当該組成物中の他の成分と併用される適切な陰イオン界面活性剤またはその配合物の量は、いずれも適している。特定の実施の形態によれば、枝分れ陰イオン界面活性剤は、前記組成物中、重量換算で約0.1%超〜約20%の活性枝分れ陰イオン界面活性剤の濃度で使用される。好ましくは、枝分れ陰イオン界面活性剤は、前記組成物中に、約0.3%〜約15%、さらに好ましくは約2%〜約13%、はるかに好ましくは約4.5%〜約10%の活性枝分れ陰イオン界面活性剤の濃度で存在する。
【0041】
本発明の組成物には、両性界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、または、それらの配合物などの他の界面活性剤が使用されることができる。例えば、様々な両性界面活性剤は、いずれも、本発明での使用に適している。両性界面活性剤は、対イオンなしで、本明細書に開示されている。本発明の組成物のpH条件下で、当該両性界面活性剤は、平衡な正電荷と負電荷を有するために電気的に中性である、あるいは、当該両性界面活性剤は、アルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウムの対イオンなどの対イオンを有することを、当業者は、容易に認識するはずである。
【0042】
両性界面活性剤の例は、上記のとおりの「ベタイン」、ならびに、アルキルアンフォ酢酸塩(モノもしくはジ)などのアンフォカルボン酸塩(amphocarboxylates);フォスフォベタインおよびピロフォスフォベタインなどのリン酸化イミダゾリン;カルボキシアルキルアルキルポリアミン;アルキルイミノ-ジプロピオン酸塩、アルキルアンフォグリシン酸塩(モノもしくはジ);アルキルアンフォプロピオン酸塩 (モノもしくはジ);N-アルキルβ-アミノプロピオン酸;アルキルポリアミノカルボン酸塩;および、それらの混合物を含むが、それらに制約されない。
【0043】
適切なアンフォカルボン酸塩化合物の例は、次式の化合物を含み、
A-CONH(CH2)xN+R5R6R7
式中、
Aは、炭素原子約7〜約21個、例えば約10〜約16個を有するアルキルまたはアルケニル基であり、
xは、約2〜約6の整数であり、
R5は、水素、または炭素原子約2〜約3個を含有するカルボキシアルキル基であり、
R6は、炭素原子約2〜約3個を含有するヒドロキシアルキル基、または、次式の基であり、
R8-O-(CH2)nCO2
式中、
R8は、炭素原子約2〜約3個を有するアルキレン基であり、
nは、1または2であり、
7は、炭素原子約2〜約3個を含有するカルボキシアルキル基である。
【0044】
適切なアンフォフォスフェート化合物(amphophosphate compounds)の例は、次式の化合物を含み、
【化21】

式中、
Gは、炭素原子約7〜約21個、例えば約7〜約15個を有するアルキルまたはアルケニル基であり、
sは、約2〜約6の整数であり、
R16は、水素、または炭素原子約2〜約3個を含有するカルボキシアルキル基であり、
R17は、炭素原子約2〜約3個を含有するヒドロキシアルキル基、または、次式の基であり、
R19-O-(CH2)t-CO2
式中、
R19は、炭素原子約2〜約3個を有するアルキレンまたはヒドロキシアルキレン基であり、
tは、1または2であり、
R18は、炭素原子約2〜約3個を有するアルキレンまたはヒドロキシアルキレン基である。
【0045】
ある実施の形態では、前記アンフォフォスフェート化合物は、「Monateric 1023」の販売名でイリノイ州Chicago所在のUniqemaから市販されているナトリウムラウロアンフォPG-アセテートフォスフェート(sodium lauroampho PG-acetate phosphate)、および、米国特許第4,380,637号に開示されている化合物である。当該特許は、参照することによって本明細書に組入れられている。
【0046】
適切なカルボキシアルキルアルキルポリアミンの例は、次式の化合物を含み、
【化22】

式中、
Iは、炭素原子約8〜約22個、例えば約8〜約16個を含有するアルキルまたはアルケニル基であり、
R22は、炭素原子約2〜約3個を有するカルボキシアルキル基であり、
R21は、炭素原子約2〜約3個を有するアルキレン基であり、
uは、約1〜約4の整数である。
【0047】
ある実施の形態では、高度な費用対効果を提供するために、前記組成物中の全両性界面活性剤に対するベタインの重量分率は、少なくとも約25%、好ましくは少なくとも約50%、最も好ましくは少なくとも約75%である。
【0048】
各種非イオン界面活性剤も適していることができる。適切な非イオン界面活性剤の例は、脂肪アルコール酸またはアミドエトキシレート、モノグリセリドエトキシレート、ソルビタンエステルエトキシレート・アルキルポリグリコシド、それらの混合物などを含むがそれらに制約されない。特定の好ましい非イオン界面活性剤は、ポリオールエステルのポリオキシエチレン誘導体を含み、当該ポリオールエステルのポリオキシエチレン誘導体は、(1)(a)炭素原子約8〜約22個、好ましくは約10〜約14個を含有する脂肪酸、および、(b)ソルビトール、ソルビタン、グルコース、α-メチルグルコシド、1分子当たり平均約1〜約3個のグルコース残基を有するポリグルコース、グリセリン、ペンタエリスリトールおよびそれらの混合物から選択されるポリオール、から誘導され、(2)平均約10〜約120個、好ましくは約20〜約80個のオキシエチレン単位を含有し、(3)ポリオールエステルのポリオキシエチレン誘導体1分子当たり平均約1〜約3個の脂肪酸残基を有する。かかる好ましいポリオールエステルのポリオキシエチレン誘導体の例は、PEG-80ソルビタンラウレートおよびポリソルベート20を含むが、それらに制約されない。PEG-80ソルビタンラウレートは、平均約80モルのエチレンオキサイドでエトキシル化されたラウリン酸のソルビタンモノエステルであり、「Atlas G-4280」の販売名でイリノイ州Chicago所在のUniqemaから市販されている。ポリソルベート20は、約20モルのエチレンオキサイドと縮合されたソルビトールおよびソルビトール無水物混合物のラウレートモノエステルであり、「Tween 20」の販売名でデラウェア州Wilmington所在のICI Surfactantsから市販されている。
【0049】
別のクラスの適切な非イオン界面活性剤は、長鎖アルキルグルコシドまたはポリグルコシドを含み、これらは、(a)炭素原子約6〜約22個、好ましくは約8〜約14個を含有する長鎖アルコールの(b)グルコースまたはグルコース含有ポリマーとの縮合生成物である。好ましいアルキルグルコシドは、アルキルグルコシド1分子当たり約1〜約6個のグルコース残基を含む。好ましいグルコシドは、デシルグルコシドであり、これは、デシルアルコールのグルコースポリマーとの縮合生成物で、「Plantaren 2000」の販売名でペンシルヴェニア州Ambler所在の Cognis Corporationから市販されている。
【0050】
構造化組成物の生成に適した非イオン界面活性剤は、いずれの量も、本方法に従って配合されることができる。例えば、本発明に使用されるモノマー界面活性剤の量は、当該組成物中の総活性非イオン界面活性剤の約2%〜約30%、さらに好ましくは約3%〜約25%、はるかに好ましくは約8%〜約20%、はるかに好ましくは約9%〜約15%であることができる。
【0051】
各種陽イオン界面活性剤も、前記組成物での使用に適することができる。適切な陽イオン界面活性剤の例は、アルキル四級化合物(alkyl quaternaries)(モノ、ジもしくはトリ)、ベンジル四級化合物、エステル四級化合物、エトキシル化四級化合物、アルキルアミン、および、それらの混合物を含むが、それらに制約されず、当該アルキル基は、炭素原子約6〜約30個を有し、炭素原子約8〜約22個が好ましい。
【0052】
本発明の組成物は、当業者に認識されることになるように、さらに、水を含み、水は、構造化相が分散されるビヒクルを提供する働きをする。当該組成物中の水分濃度は、当該組成物を安定化するのに十分であるが、当該組成物の構造化を防ぐほど高くない。ある実施の形態では、水分濃度は、約5%〜約70%、好ましくは約15%〜約60%、さらに好ましくは約20%〜約50%、最も好ましくは約25%〜約45%である。
【0053】
本発明の特定の実施の形態では、本発明の組成物は、他の機能成分を含む。他の機能成分とは、当該組成物を安定化させるため、または、当該組成物に審美的効果を提供するため、または、末端消費者に各種効果の1以上を付与するため、のいずれかのために1以上の機能を発揮するいずれかの部分を意味する。これらの各種機能成分は、室温でいずれかの形状であることができ(例、固体、液体、ペーストなど)、また、当該組成物中に分散、乳化、または、可溶化、または、その他、均質化されることができる。
【0054】
本発明の組成物に多様な機能成分が使用されることができるが、当該成分は、当該組成物の相安定性に有害な作用を与えないのが好ましい。「相安定性に有害な作用を与える」とは、安定性が困難な状況を受ける場合に(例、22℃、50%相対湿度で1週間保持される、48時間の凍結融解サイクルを3回受ける場合)、特定の機能成分を加えることによって、当該組成物が、視覚的に異なる2以上の相に取返し不可能に分離し、そのために、局所使用を不快にする (例、触覚的、嗅覚的、および/または、視覚的に)ことを意味する。
【0055】
使用可能な機能成分は、染料および着色剤、紫外線フィルターおよびサンスクリーン、乳白剤、つや消し剤、流動性(レオロジー)改良剤(rheology modifiers)、油類、皮膚軟化剤およびスキンコンディショナー、キレート化剤および金属イオン封鎖剤、pH調整剤、保湿剤、フィルム形成ポリマー、可塑剤、香料を含むが、それらに制約されず、下記のとおり、グリコール(グリセロール、プロピレングリコールを含む)、C1〜C6アルコールなどの水溶性溶媒および各種の有益な化合物が、(同じく、相安定性に有害作用を示さない限り)前記組成物に組み入れられることができる。
【0056】
前記機能成分は水不溶性であることができる。「水不溶性」とは、25℃の脱イオン水中で、10分間の温和な攪拌下で前記脱イオン水中1重量%の前記成分部分を提供した後に、基本的に完全に溶解することができない成分部分を意味する。本発明の組成物には、多様な水不溶性成分が組み入れられることができる。当該組成物の構造化の性質は、室温で固体(例、特定ポリマーおよびロウ、染料、および微粒子(ミネラル酸化物、ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩、亜鉛ピリチオン、コロイドエンバク粉、大豆誘導体など))、または、室温で液体(例、油分、皮膚軟化剤、スキンコンディショナー、生体活性剤、香料成分)である水不溶性成分の分散に適している。
【0057】
一例として、シリコーンなどの水不溶性添加剤を懸濁することができ、および/または、結果として生じる製品がコンディショニングシャンプーである消費者に適応される傾向のある多様な市販真珠光沢もしくは乳白剤が、いずれも、本発明での使用に適している。当該真珠光沢もしくは乳白剤は、前記組成物の総重量に基づいて、約1パーセント〜約10パーセント、例えば約1.5パーセント〜約7パーセントまたは約2パーセント〜約5パーセントの量で存在することができる。適切な真珠光沢もしくは乳白剤の例は、(a)炭素原子約16〜約22個を有する脂肪酸と、(b)エチレンもしくはプロピレングリコールのいずれかとの、モノもしくはジエステル;(a) 炭素原子約16〜約22個を有する脂肪酸と、(b)式HO-(JO)a-Hのポリアルキレングリコール(式中、Jは炭素原子約2〜約3個を有するアルキレン基、aは2または3である)との、各モノもしくはジエステル;炭素原子約16〜約22個を含有する脂肪アルコール;式KCOOCH2Lの脂肪族エステル(式中、KおよびLは、それぞれ独立して、炭素原子約15〜約21個を含有する);シャンプー組成物に不溶性の無機固体、および、それらの混合物を含むが、それらに制約されない。
【0058】
前記真珠光沢もしくは乳白剤は、「Euperlan PK-3000」の販売名でペンシルヴェニア州Ambler所在のCognis Corporationから市販中のものなど、既製安定化水性分散液(a pre-formed, stabilized aqueous dispersion)として前記構造化組成物に導入されることができる。この材料は、グリコールジステアレート(エチレングリコールとステアリン酸のジエステル)、Laureth-4(CH3(CH2)10CH2(OCH2CH2)4OH)およびコカミドプロピルベタインの配合物であり、それぞれ、約25〜約30:約3〜約15:約20〜約25の重量パーセント比であることができる。
【0059】
毛髪につやなどの追加属性を付与する揮発性シリコーンなど、多様な市販の二次コンディショナーは、いずれも、本発明での使用に適している。揮発性シリコーンコンディショニング剤は、約220℃未満の大気圧沸点を有する。当該揮発性シリコーンコンディショナーは、前記組成物の総重量に基づいて、約0パーセント〜約3パーセント、例えば約0.25パーセント〜約2.5パーセントまたは約0.5パーセント〜約1.0パーセントの量で存在することができる。適切な揮発性シリコーンの例は、「DC-345」の販売名でミシガン州Midland所在のDow Corning Corporationから市販されているポリジメチルシクロシロキサンなどのポリジメチルシロキサン液、ポリジメチルシクロシロキサン液、ヘキサメチルジシロキサン液、シクロメチコン液、および、それらの混合物を含むが、それらに制約されず、好ましくは、シクロメチコン液を含む。他の適切な二次コンディショナーは、ポリクォータニウム(polyquarterniums)、陽イオングア(cationic guar)などを含めた陽イオンポリマーを含む。
【0060】
前記パーソナルクレンジング組成物に保湿およびコンディショニング作用を提供することができる多様な市販保湿剤は、いずれも、本発明での使用に適している。当該保湿剤は、組成物の総重量に基づいて、約0パーセント〜約10パーセント、例えば約0.5パーセント〜約5パーセントまたは約0.5パーセント〜約3パーセントの量で存在できる。適切な保湿剤の例は、1)グリセリン、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリグリセロール、および、それらの混合物を含む群から選択される水溶性液体ポリオール、2)式HO-(R"O)b-Hのポリアルキレングリコール(式中、R"は炭素原子約2〜約3個を有するアルキレン基、bは約2〜約10の整数である)、3)式CH3-C6H10O5-(OCH2CH2)c-OHのメチルグルコースのポリエチレングリコールエーテル(式中、cは約5〜約25の整数である)、4)尿素、および5)それらの混合物、を含むが、それらに制約されず、グリセリンが好ましい保湿剤である。
【0061】
適切なキレート化剤の例は、本発明の組成物を保護および保存することができる化合物を含む。好ましくは、当該キレート化剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、さらに好ましくは、「Versene 100XL」の販売名でミシガン州Midland所在のDow Chemical Companyから市販されているEDTA四ナトリウムであり、当該組成物の総重量に基づいて、約0パーセント〜約0.5パーセントまたは約0.05パーセント〜約0.25パーセントの量で存在する。
【0062】
適切な防腐剤は、例えばパラベン、四級アンモニウム種、フェノキシエタノール、安息香酸塩、DMDMヒダントインを含み、前記組成物の総重量に基づいて、約0パーセント〜約1パーセントまたは約0.05パーセント〜約0.5パーセントの量で当該組成物中に存在する。
【0063】
前記組成物に増粘剤を含むのは、典型的には不必要である(その理由は、「増粘」は、典型的には、ベタインおよび脂肪アルコールの配合物を使うことによって審美的、費用対効果の面で達成されるからである)が、本発明での使用に適した適切な粘性をパーソナルクレンジング組成物に付与することができる各種市販増粘剤のいずれかを組み入れることが可能である。
【0064】
適切な増粘剤は、1)式HO-(CH2CH2O)zHのポリエチレングリコール(式中
、zは約3〜約200の整数である)と2)炭素原子約16〜約22個を含有する脂肪酸との、モノもしくはジエステル;エトキシル化ポリオールの脂肪酸エステル;脂肪酸とグリセリンのモノおよびジエステルのエトキシル化誘導体;ヒドロキシアルキルセルロース;アルキルセルロース;ヒドロキシアルキルアルキルセルロース;疎水的改質アルカリ膨潤性エマルジョン(HASE);疎水的改質エトキシル化ウレタン(HEUR);キサンタンガムおよびグアガム;およびそれらの混合物を含むが、それらに制約されない。好ましい増粘剤は、ポリエチレングリコールエステル、さらに好ましくは「PEG 6000 DS」の販売名でイリノイ州Northfield所在のStepan Companyまたはイタリア国Bologna所在のComiel, S.p.A.から販売されているPEG-150ジステアレートを含む。
【0065】
本発明の組成物は、有益剤(benefit agent)を含むことができる。有益剤は、元素、イオン、化合物(例、合成化合物または天然物から単離された化合物)、または、固体(例、微粒子)、液体、気体状態の他の化学成分、および、皮膚、毛髪、粘膜もしくは歯への美容または治療効果を有する化合物である。本明細書で使用される場合、用語「有益剤」は、皮膚、毛髪、粘膜もしくは歯の所望の位置に送達可能な化粧品または医薬品などのいずれかの活性成分を含む。
【0066】
本発明で有用な有益剤は、その治療効果またはその想定作用形態によって分類されることができる。しかし、当然ながら、本発明に有用な有益剤は、ある状況下で、1を超える治療効果を提供し、あるいは、1を超える作用形態で作用することができる。そのため、本明細書で提供される特定の分類は、便宜上行われるもので、当該有益剤を挙げられる特定の用途に制限することを意図されていない。
【0067】
適切な有益剤の例は、皮膚軟化剤、保湿および水分損失防止剤;クレンジング剤;脱色素剤;反射剤および光学的改良剤;アミノ酸およびそれらの誘導体;抗菌剤;アレルギー抑制剤;にきび止め剤;アンチエージング(抗加齢)剤;しわ防止剤、殺菌剤;鎮痛剤;てかり抑制剤;かゆみ止め;局所麻酔剤;抗脱毛剤;育毛促進剤;発毛抑制剤;抗ヒスタミン剤;抗感染剤;抗炎症剤;抗コリン作用薬;血管収縮剤;血管拡張剤;創傷治癒促進剤;ペプチド、ポリペプチドおよびタンパク;脱臭剤および汗止め;薬剤;皮膚引き締め剤、ビタミン;皮膚美白剤;皮膚褐色化剤(skin darkening agents);抗真菌剤;脱毛剤;反刺激剤(counterirritants);痔治療薬;殺虫剤;剥離酵素または他の機能的有益剤;酵素阻害剤;毒ツタ用剤;毒カシ用剤;やけど用剤;おむつかぶれ防止剤;あせも用剤;ビタミン;ハーブエキス;ビタミンAおよびその誘導体;フラボノイド;知覚およびストレス軽減剤;抗酸化剤;ヘアライトナー(脱色剤);サンスクリーン;抗浮腫剤、ネオコラーゲン増強剤、ふけ防止/脂漏性皮膚炎/乾癬用剤;角質溶解剤;潤滑剤;ライトニングおよびホワイトニング(美白)剤;石灰化、フッ素化および鉱化剤;およびそれらの混合物など、有益性を提供するものを含むが、それらに制約されない。
【0068】
使用可能な有益剤の量は、例えば、当該有益剤の皮膚、爪、粘膜もしくは歯への浸透能、選択される特定有益剤、所望される特定の有益性、使用者の当該有益剤への感受性、使用者の健康状態、年令、皮膚および/または爪の状態などに応じて異なることができる。要するに、当該有益剤は、「安全かつ有効な量」で使用され、この量は、所望の皮膚もしくは爪有益剤を送達し、あるいは、治療すべき特定の状態を改質するのに十分に高いが、確実な医学的判断の範囲内で合理的なリスク対有益比に基づいて重篤な副作用を回避できるだけ十分に低い量である。
【0069】
本発明の組成物は、構造化され、即ち、約1パスカル(Pa)〜約1500 Pa、さらに好ましくは約10 Pa〜約1100 Paの降伏応力を有し、好ましくは、主として外相(典型的には水相)内に分散された1以上の界面活性剤から構成されている層状(ラメラ相)を含む。本パーソナルケア組成物の粘度は、クリームもしくはローションもしくはゲルの粘度など、当該組成物が塗布可能であるような粘度であることができる。例えば、当該粘度は、30 rpmのLVT3スピンドルを使って測定された場合、約5Pa・s〜約20Pa・s(約500 cps〜約2000 cps)であることができる。
【0070】
本組成物のpHは重要でないが、皮膚への刺激を促進しない範囲、約5〜約7.5などであることができる。
【0071】
本発明のある実施の形態では、本構造化組成物は、少なくとも2つの視覚的に異なる相を含み、第一相が第二相から視覚的に異なっている。好ましくは、視覚的に異なる相は、互いに物理的に接触して包装され、安定である。好ましくは、当該視覚的に異なる相は、縞、リボンまたは筋などのパターンを形成する。第一相対第二相比は、典型的には約1:99〜約99:1、好ましくは90:10〜約10:90、さらに好ましくは約70:30〜約30:70、なおもはるかに好ましくは約50:50である。技術上周知のように、視覚的に異なる第一相は、構造を提供するのに十分な方法で成分、例えばベタイン、枝分れ陰イオン界面活性剤および枝分れ脂肪アルコールを含むことができる。視覚的に異なる第二相も、構造を提供するのに十分な方法で前記成分を含むことができる。別法として、第二相は、非構造化状態であることができる。
【0072】
本発明の組成物は、典型的には、直接または間接に、局所にまたは経口で、身体または別の表面に塗布するなどのために、パッケージから押出し可能または分散可能である。特定の機能に応じて、本発明の組成物は、水でゆすがれる、あるいは、皮膚にこすられ、ゆすがずに残留することができる。好ましくは、本発明の組成物は、リンスオフ(洗い流せる)調合物であり、リンスオフとは、当該製品が、皮膚もしくは体毛に局所塗布され、その後(即ち、数分以内に)、当該組成物の一部を沈着させながら、皮膚もしくは体毛が水でゆすがれ、あるいは、別途、基質または他の適切な除去手段を使って拭き取られることを意味する。本発明の組成物に特に適した使用法は、ボディーウォッシュおよびコンディショナー、ならびに、ヘアシャンプーおよびコンディショナー、および、フェイシャルクレンザーを含む。本発明の組成物は、パーソナルケア利用の中でも、にきび治療有益剤、ストレス軽減組成物(例、約1%超、好ましくは約3%超の芳香性化合物などの、高濃度を有する組成物)にも使用されることができる。
【0073】
特定の実施の形態では、本発明によって生成される組成物は、好ましくは、人体の少なくとも一部を治療もしくはクレンジングするために、パーソナルケア製品として、または、当該製品中で使用される。特定の好ましいパーソナルケア製品の例は、シャンプー、ハンドウォッシュ、フェイスウォッシュ、および/または、ボディーウォッシュ、入浴剤、ゲル、ローション、クリームなどの人体の皮膚、毛髪、および/または、膣領域への適用に適した各種製品を含む。上記のように、出願人は、予想外にも、本方法が、良好な審美効果、および、特定の実施の形態では、発泡特性、流動性、発泡性および界面活性剤高負荷などの1以上の望ましい特性を有する費用対効果の高いパーソナルケアを提供することを発見した。
【0074】
本発明は、人体を治療および/またはクレンジングする方法であって、当該人体の少なくとも一部を本発明の組成物と接触させることを含む方法を提供する。特定の好ましい方法は、哺乳類の皮膚、毛髪および/または膣領域を本発明の組成物と接触させ、かかる領域をクレンジングし、および/または、にきび、しわ、皮膚炎、乾燥、筋肉痛、かゆみなどを含むが、それらに制約されない様々な病態のいずれかについてかかる領域を治療することを含む。特定の好ましい実施の形態では、前記接触段階は、ヒトの皮膚、毛髪もしくは膣領域への本発明の組成物の塗布を含む。
【0075】
本発明のクレンジング法は、さらに、例えば泡立てる段階、ゆすぐ段階などを含めて、毛髪および皮膚のクレンジングに従来伴う追加的な任意の段階のいずれかを含むことができる。
【0076】
本発明は、さらに、ベタインを含む構造化組成物の製造法であって、ベタイン、枝分れ脂肪アルコールおよび陰イオン界面活性剤の配合を含む製造法を提供する。例えば、ベタイン、枝分れ脂肪アルコールおよび陰イオン界面活性剤を含む、から基本的に成る、あるいは、から成る1以上の構造化組成物は、かかる成分いずれかの1以上またはかかる成分を含む組成物を、他の成分のいずれかの1以上もしくはかかる他の成分を含む組成物に、どの順序でも、任意に、機械攪拌プロペラ、パドルなどの従来の設備を使って、流し込み、混合、滴加、ピペッティング、ポンピングなどによって配合されることができる。
【0077】
本発明の方法は、さらに、上記の任意の成分1以上を、上記の配合段階の前もしくは後に、または、上記の配合段階と同時に、本発明の構造化組成物と混合、あるいは、本発明の構造化組成物に導入する各種段階のいずれかを含むことができる。特定の実施の形態では、混合順序は重要ではないが、他の実施の形態では、かかる成分を本構造化組成物に添加する前に、前記香料および前記非イオン界面活性剤などの特定成分を予めブレンドするのが好ましい。
【0078】
〔実施例〕
本方法および以下の実施例では、以下の降伏応力試験が使用される。特に、上記のように、降伏応力試験が使用され、本発明に従って組成物が構造化されるか否かを決定する。さらに、ヒーピング(積み重ね)度試験が使用され、当該組成物の急速形状回復能を決定する。
【0079】
<降伏応力試験>
以下の降伏応力試験が各種パーソナルケア組成物について実施され、本発明に従った降伏応力を決定した。サンプルは、25℃に設定された水浴中に、当該サンプルを平衡化するのに十分な時間中(少なくとも約1時間)配置された。手順は、約1.0 gの被験組成物を、角度1度の20 mm円錐、20mmプレート、水浴および溶媒トラップを有する適正な較正されたレオメーター(流動計)(例、Advanced Rheometer AR 2000)のベースプレート上に静置することによって達成された。サンプルサイズは、いったん前記円錐およびプレートの最終位置が定まると、間隙からの当該サンプルの微流を流出させるのに十分なサイズであった(0.030 mm)。試験前の当該サンプルの剪断を最少化するために、各サンプルは、当該サンプルを顕著な剪断や延びを起こさないように静かに一回ですくいあげ、へらを当該サンプルに押し付けず、かつ、サンプルから向こう側に回転させずに、当該プレートに平らな層にする一貫した方法で当該プレートに適用された。当該サンプルは、ベースプレートの中央に置かれ、当該プレート全体に比較的平らになるように置かれた。いったん測定位置が決まると、サンプル材料の小隆起が前記間隙から突き出た。これは、トッププレートを妨害し、当該サンプルを前剪断させることがないように、速やかにかつ穏やかに除去された。[当該トッププレートが移動する場合、試験は中止された]ここまで説明されたサンプル調製は、当該サンプルの過度の乾燥を軽減するために、20秒未満であった。装置は、制御下剪断速度操作(log)のために、剪断速度0.01.−1〜300.−1の範囲、300収集データ点、試験時間300秒、水浴25℃に設定された。前記レオメーターに接続されたアウトプット機器は、剪断速度/秒−1の関数として応力(Pa)をプロットするように設定された。降伏応力対剪断速度のプロットから、曲線が直線性から外れる応力として降伏応力が決定された。3回操作の平均値と標準偏差が決定された。
【0080】
<ヒーピング度試験>
本発明に従って、各種パーソナルケア組成物について以下のヒーピング度試験が実施され、H-Bディメンションを決定した。
【0081】
上記の降伏応力試験完了直後、次に、レオメーター上の自動リフトモーターを使って前記プレートから前記円錐が外された。前記サンプルはプレート上に30分間放置され、Canon S25, 5メガピクセルカメラでデジタル画像が撮影された。当該写真は、ボックスカウンティング技法を使って評価された。プレートサンプルエリアを1ボックスのボックススケールで覆うことから始め、ボックス数を2倍にし、ボックス数が1024になるまでそれぞれ繰り返した。材料のH-Bディメンションは、log N(l)対log lをプロットすることによって算出され、この場合、N(l)は、材料のいずれかの表面を包含するボックス数で、lはボックス数の逆数を表す分解能(即ち、ボックス分解能)であり、H-Bディメンションは、8ボックスから1024ボックスまでのプロットの直線の傾きである。当該試験法が繰り返され、サンプル毎に10回反復実施された。得られたH-Bディメンションが10%未満の相対標準偏差を有する場合、そのサンプルに対して、その数値が報告される。
【0082】
〔実施例1〜3〕
<本発明の実施例の調製>
実施例1(Ex1)〜3(Ex3)の本発明の構造化組成物は、表1に挙げられる材料および量に従って特定の成分を他の成分とブレンドすることによって調製された:
【表1】

【0083】
表1に記された構造化組成物は、次のように調製された:オーバーヘッドプロペラタイプミキサーを備えた適切なサイズの容器に、リスト順に成分が添加された。攪拌は、通気なしで良好なバッチの移動を維持するのに十分なものであった。定速攪拌を維持しながら、成分が添加された。最終成分添加後、pHが測定され、5.5〜6.5に調整された。次にクエン酸が添加され、約5.7の間までのpHに低下された。具体的には、0.12%、0.11%および0.10%のクエン酸が、それぞれ、Ex1、Ex2およびEx3に添加され、pHを5.70、5.70および5.74に低下させた。30 rpmの回転LVT3スピンドル付き標準Brookfield DV-I + 粘度計を使って、粘度について実施例Ex1〜3が評価され、数値は、表1にセンチポアズ(cps)で報告されている。
【0084】
〔実施例4〜7〕
<本発明の実施例の調製>
実施例4(Ex4)〜7(Ex7)の本発明の構造化組成物は、表1に挙げられた材料および量に従って特定の成分を他の成分とブレンドすることによって調製された:
【表2】

表2に記された構造化組成物は、実施例1〜3と同様の方法で調製された:オーバーヘッドプロペラタイプミキサーを備えた適切なサイズの容器に、リスト順に成分が添加された。攪拌は、通気なしの良好なバッチの移動を維持するように十分なものであった。定速攪拌を維持しながら、成分が添加された。実施例6および7は、40〜50℃に加熱され、ワセリンの液化を促進し、バッチが均質であることを確認した。加熱が中止され、当該バッチは、冷却中攪拌を維持しながら、周囲の室温まで冷却された。最終成分添加後、pHが測定され、5.5〜6.5に調整された。次にクエン酸が添加され、約5.7の間までのpHに低下された。具体的には、0.12%、0.15%、0.13%および0.15%のクエン酸が、それぞれ、Ex4、Ex5、Ex6およびEx7に添加され、pHを5.65、5.55、5.53および5.60に低下させた。30 rpmでLVT3スピンドルを使って、粘度について実施例Ex4〜Ex7が評価され、数値は、表2にセンチポアズ(cps)で報告されている。実施例5は、粘度について評価されなかった。その理由は、粘度計を使って信頼できる粘度を読み取るには粘性が高すぎたからである。
【0085】
〔実施例8および9および比較実施例C1およびC2〕
<実施例の調製および構造化効率比較>
本発明の実施例Ex8および実施例Ex9および比較実施例C1およびC2の構造化組成物は、表3および4に挙げられた材料および量に従って成分をブレンドすることによって調製された:
【表3】

【表4】

【0086】
2件の実験が実施され、ラウリルアルコール、直鎖アルコールに対する枝分れC12〜13アルコールの構造化効率を比較した。使用プロセスは、前述のものに比較可能である。組成物8およびC1が調製され、ガラスジャー中、周囲温度条件で4日間熟成された。実施例8は、視覚的相分離を伴わずに良好な物理的安定性を維持したが、実施例C1は、同一期間の保存後、視覚的相不安定を示した(異なる2層に分離)。組成物Ex9およびC2が調製され、ガラスジャー中、50℃で4日間熟成された。実施例9は、視覚的相分離を伴わずに良好な物理的安定性を維持したが、実施例C2は、同一期間の保存後、視覚的相不安定を示した(異なる2層に分離)。
【0087】
〔実施例1(Ex1)および3(Ex3)および比較実施例C3〕
<比較実施例の調製および構造化効率比較>
本発明の実施例Ex1および実施例Ex3の調製は、上記のとおりである。比較実施例C3は、表5に挙げられた材料および量に従って成分をブレンドすることによって調製された:
【表5】

【0088】
5件の実験が実施され、従来の非構造化系に対する本発明の構造化効率を比較した。使用プロセスは、前述のものに比較可能である。組成物Ex1およびEx3が、降伏応力試験に従って評価された。組成物Ex1、Ex3およびC3は、ヒーピング度試験に従って評価された。降伏応力、降伏応力標準偏差およびH-Bディメンションの結果は、表6に報告される。
【表6】

実施例Ex1およびEx3は、降伏応力、H-Bディメンションの両方によって明らかなように、構造化を示したが、実施例C3は、構造化を示さなかった。実施例C3については、降伏応力は評価されなかった。
【0089】
〔実施例10〕
<本発明の実施例の調製および構造化効率>
本発明の実施例Ex10の構造化組成物は、表7に挙げられた材料および量に従って特定成分を他の成分とブレンドすることによって調製された:
【表7】

【0090】
表7に記された構造化組成物は、次のように調製された:オーバーヘッドプロペラタイプミキサーを備えた適切なサイズの容器中で、ココアルキル硫酸ナトリウム(Sodium coco-sulfate)が十分量の水と予め混合された。攪拌は、通気なしの良好なバッチの移動を維持するように十分なものであった。ココアルキル硫酸ナトリウムは、均質化するまで、約40℃〜約50℃に調整された温度で混合された。熱源が除去され、調合物の全水分約4.0%中のグアヒドロキシプロピルトリモニウムクロライド(guar hydroxypropyltrimonium chloride)プレミックスが当該ココアルキル硫酸ナトリウムに添加され、15〜30分間混合された。次に、調合物の全水分約4.0%中Avena sativa(エンバク)のプレミックスが添加され、15〜30分間混合された。コカミドプロピルベタイン、EDTA、アンフォ酢酸塩、次に、残りの成分が、リスト順に添加された。最終成分添加後、pHが測定され、5.5〜6.5に調整された。Ex10が50℃で4週間放置され、驚くべきことに、高レベルの皮膚軟化油(ジメチコン、ヒマワリ油、ワセリンを含めて4.75%)および香油(4.0%)が存在するにもかかわらず、相安定を保った。
【0091】
〔実施例11〕
<本発明の実施例の調製>
本発明の実施例Ex11の構造化組成物が、表8に挙げられた材料および量に従って特定成分を他の成分とブレンドすることによって調製された:
【表8】

【0092】
表8に記された構造化組成物は、Ex10についての上述の方法と類似した方法で調製された。
【0093】
〔実施の態様〕
(1) ベタイン、枝分れ脂肪アルコールおよび陰イオン界面活性剤を含む組成物において、
前記組成物が、約1パスカル(Pa)〜約1500 Paの降伏応力を有する、
組成物。
(2) 実施態様1に記載の組成物において、
前記降伏応力が約10Pa〜約1100 Paである、
組成物。
(3) 実施態様1に記載の組成物において、
前記枝分れ脂肪アルコールが一枝分れである、
組成物。
(4) 実施態様1に記載の組成物において、
前記枝分れ脂肪アルコールが、一枝分れ一級アルコールである、
組成物。
(5) 実施態様1に記載の組成物において、
前記枝分れ脂肪アルコールが、約7〜約22個の炭素原子を有する一枝分れ一級アルコールである、
組成物。
(6) 実施態様1に記載の組成物において、
前記陰イオン界面活性剤が、トリデシル硫酸塩、C12〜13アルキル硫酸ナトリウム、C12〜15アルキル硫酸塩、C12〜15アルキル硫酸塩、C12〜18アルキル硫酸ナトリウム、C10〜16アルキル硫酸塩、トリデセス硫酸塩、C12〜13パレス硫酸塩、C12〜13パレス-n硫酸塩、C12〜14パレス-n硫酸塩、および、それらの配合物から成る群から選択される、
組成物。
(7) 実施態様1に記載の組成物において、
前記陰イオン界面活性剤がトリデセス硫酸塩である、
組成物。
(8) 実施態様4に記載の組成物において、
前記陰イオン界面活性剤がトリデセス硫酸塩である、
組成物。
(9) 実施態様1に記載の組成物において、
前記ベタインが、アミドアルキルベタインである、
組成物。
(10) 実施態様1に記載の組成物において、
前記組成物が、約1.7未満のH-Bディメンションを有する、
組成物。
(11) ベタイン、枝分れ脂肪アルコールおよび陰イオン界面活性剤を含む組成物において、
前記組成物が、約1.7未満のH-Bディメンションを有する、
組成物。
(12) 実施態様11に記載の組成物において、
前記枝分れ脂肪アルコールが一枝分れである、
組成物。
(13) 実施態様11に記載の組成物において、
前記枝分れ脂肪アルコールが、約7〜約22個の炭素原子を有する一枝分れ一級アルコールである、
組成物。
(14) 実施態様11に記載の組成物において、
前記陰イオン界面活性剤が、トリデシル硫酸塩、C12〜13アルキル硫酸ナトリウム、C12〜15アルキル硫酸塩、C12〜15アルキル硫酸塩、C12〜18アルキル硫酸ナトリウム、C10〜16アルキル硫酸塩、トリデセス硫酸塩、C12〜13パレス硫酸塩、C12〜13パレス-n硫酸塩、C12〜14パレス-n硫酸塩、および、それらの配合物から成る群から選択される、
組成物。
(15) 実施態様13に記載の組成物において、
前記陰イオン界面活性剤がトリデセス硫酸塩である、
組成物。
(16) 実施態様11に記載の組成物において、
前記ベタインがアミドアルキルベタインである、
組成物。
(17) 実施態様1の組成物を含むパーソナルケア製品。
(18) 実施態様16に記載のパーソナルケア製品において、
前記製品が、人体への使用に適したシャンプー、石ケン、洗浄剤、入浴剤、ゲル、ローションおよびクリームから成る群から選択される、
パーソナルケア製品。
(19) 実施態様11の組成物を含むパーソナルケア製品。
(20) 実施態様19に記載のパーソナルケア製品において、
前記製品が、人体への使用に適したシャンプー、石ケン、洗浄剤、入浴剤、ゲル、ローションおよびクリームから成る群から選択される、
パーソナルケア製品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベタイン、枝分れ脂肪アルコールおよび陰イオン界面活性剤を含む組成物において、
前記組成物が、約1パスカル(Pa)〜約1500 Paの降伏応力を有する、
組成物。
【請求項2】
請求項1に記載の組成物において、
前記降伏応力が約10Pa〜約1100 Paである、
組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の組成物において、
前記枝分れ脂肪アルコールが一枝分れである、
組成物。
【請求項4】
請求項1に記載の組成物において、
前記枝分れ脂肪アルコールが、一枝分れ一級アルコールである、
組成物。
【請求項5】
請求項1に記載の組成物において、
前記枝分れ脂肪アルコールが、約7〜約22個の炭素原子を有する一枝分れ一級アルコールである、
組成物。
【請求項6】
請求項1に記載の組成物において、
前記陰イオン界面活性剤が、トリデシル硫酸塩、C12〜13アルキル硫酸ナトリウム、C12〜15アルキル硫酸塩、C12〜15アルキル硫酸塩、C12〜18アルキル硫酸ナトリウム、C10〜16アルキル硫酸塩、トリデセス硫酸塩、C12〜13パレス硫酸塩、C12〜13パレス-n硫酸塩、C12〜14パレス-n硫酸塩、および、それらの配合物から成る群から選択される、
組成物。
【請求項7】
請求項1に記載の組成物において、
前記陰イオン界面活性剤がトリデセス硫酸塩である、
組成物。
【請求項8】
請求項4に記載の組成物において、
前記陰イオン界面活性剤がトリデセス硫酸塩である、
組成物。
【請求項9】
請求項1に記載の組成物において、
前記ベタインが、アミドアルキルベタインである、
組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の組成物において、
前記組成物が、約1.7未満のH-Bディメンションを有する、
組成物。
【請求項11】
ベタイン、枝分れ脂肪アルコールおよび陰イオン界面活性剤を含む組成物において、
前記組成物が、約1.7未満のH-Bディメンションを有する、
組成物。
【請求項12】
請求項11に記載の組成物において、
前記枝分れ脂肪アルコールが一枝分れである、
組成物。
【請求項13】
請求項11に記載の組成物において、
前記枝分れ脂肪アルコールが、約7〜約22個の炭素原子を有する一枝分れ一級アルコールである、
組成物。
【請求項14】
請求項11に記載の組成物において、
前記陰イオン界面活性剤が、トリデシル硫酸塩、C12〜13アルキル硫酸ナトリウム、C12〜15アルキル硫酸塩、C12〜15アルキル硫酸塩、C12〜18アルキル硫酸ナトリウム、C10〜16アルキル硫酸塩、トリデセス硫酸塩、C12〜13パレス硫酸塩、C12〜13パレス-n硫酸塩、C12〜14パレス-n硫酸塩、および、それらの配合物から成る群から選択される、
組成物。
【請求項15】
請求項13に記載の組成物において、
前記陰イオン界面活性剤がトリデセス硫酸塩である、
組成物。
【請求項16】
請求項11に記載の組成物において、
前記ベタインがアミドアルキルベタインである、
組成物。
【請求項17】
請求項1の組成物を含むパーソナルケア製品。
【請求項18】
請求項16に記載のパーソナルケア製品において、
前記製品が、人体への使用に適したシャンプー、石ケン、洗浄剤、入浴剤、ゲル、ローションおよびクリームから成る群から選択される、
パーソナルケア製品。
【請求項19】
請求項11の組成物を含むパーソナルケア製品。
【請求項20】
請求項19に記載のパーソナルケア製品において、
前記製品が、人体への使用に適したシャンプー、石ケン、洗浄剤、入浴剤、ゲル、ローションおよびクリームから成る群から選択される、
パーソナルケア製品。

【公開番号】特開2009−102295(P2009−102295A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−168157(P2008−168157)
【出願日】平成20年6月27日(2008.6.27)
【出願人】(598039367)ジョンソン・アンド・ジョンソン・コンシューマー・カンパニーズ・インコーポレイテッド (79)
【氏名又は名称原語表記】Johnson & Johnson Consumer Companies,Inc.
【住所又は居所原語表記】Grandview Road,Skillman,New Jersey 08558,United States of America
【Fターム(参考)】