説明

ベースポリマーにグラフトされた安定なトリフルオロスチレン含有化合物

構造(1a)または(1b)
【化1】


(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル基、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、;Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり;QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなる)から選択され、;R基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよく;かつ、nは1aについては1または2であり、そしてnは1bについては1、2、または3である)を含んでなる少なくとも1つのグラフトモノマーを少なくとも1つのベースポリマーへグラフトすることによって製造されたフッ素化イオン交換高分子。これらのイオン交換高分子は、燃料電池で使用される触媒コート膜および膜電極アセンブリを製造するのに有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベースポリマーにグラフトされた新規化合物、および膜としての電気化学セルでのその使用に、より具体的には燃料電池でのこれらのグラフトポリマーの使用に関する。本発明は、米国エネルギー省(U.S.Department of Energy)によって授与された契約(Contract)No.DE−FC04−02AL67606の下での政府支援を受けて行われた。政府は本発明に一定の権利を有する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池およびリチウム−イオン・バッテリーなどの電気化学セルは公知である。操作条件に依存して、各タイプのセルは、それらに使用される電解質に特定セットの要件を課す。燃料電池については、これは、セルを作動させるために使用される水素またはメタノールなどの燃料のタイプと、電極を分離するために使用される膜の組成とによって典型的には決定される。燃料としての水素によって作動される、プロトン交換膜燃料電池は、より低純度のフィードストリーム、改善された電極動力学、その冷却を改善するための燃料電池スタックからのより良好な伝熱を活用するために現在用いられているものより高い操作温度で稼働させることができよう。廃熱もまた有用なやり方で利用される。しかしながら、現行の燃料電池が100℃超で操作されることになる場合、それらは、有用なレベルのプロトン伝導性を支援するために典型的なプロトン交換膜の十分な水和を維持するように加圧されなければならない。
【0003】
燃料電池およびリチウム−イオン・バッテリーなどの、最新世代の電気化学セルの性能を改善する新規なグラフト化フィルムを発見する、より低いレベルの水和で十分なプロトン伝導性を維持し、そして意図される用途に対して十分な耐久性を有するであろう新規膜材料を開発する継続的なニーズが存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
第1態様では、本発明は、構造1aまたは1b
【0005】
【化1】

【0006】
(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル基、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなる)から選択され、
基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化(perfluorinated)または部分フッ素化されていてもよく、かつ、
nは1aについては1または2であり、そしてnは1bについては1、2、または3である)
を含んでなる少なくとも1つのグラフトモノマーを少なくとも1つのベースポリマーへグラフトすることによって製造されたフッ素化イオン交換高分子を提供する。
【0007】
第1態様では、本発明はまた、ジビニルベンゼン、シアヌル酸トリアリルなどの、単一のまたは多数のビニル基を含有する化合物;構造2または3
【0008】
【化2】

【0009】
(式中、YはH;Cl、Br、FもしくはIなどのハロゲン;アルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、線状もしくは分枝アルキルもしくはパーフルオロアルキル基;またはアルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、酸素、塩素もしくは臭素を含有するパーフルオロアルキル基を含んでなる)
を有する少なくとも1つのモノマー;およびそれらの混合物から選択された少なくとも1つのコモノマーをさらに含んでなる少なくとも1つのグラフトモノマーを提供する。
【0010】
第2態様では、本発明は、
(a)構造1aまたは1b
【0011】
【化3】

【0012】
(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは、場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル基、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなる)から選択され、
基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよく、かつ、
nは1aについては1または2であり、そしてnは1bについては1、2、または3である)
を含んでなる少なくとも1つのグラフトモノマーを、ニートの形態、エマルジョンの形態、または溶液の形態で含んでなるモノマー組成物を形成する工程と、
(b)ベースポリマーに電離放射線を照射する工程と、
(c)少なくとも1つのベースポリマーを工程(a)からのモノマー組成物と約0℃〜約120℃の温度で約0.1〜約500時間接触させる工程と
を含んでなるイオン性ポリマーを製造するためのグラフト化方法を提供する。工程(b)および(c)は同時にまたは順次行われてもよい。
【0013】
第2態様では、本発明はまた、ジビニルベンゼン、シアヌル酸トリアリルなどの、単一のまたは多数のビニル基を含有する化合物;構造2または3
【0014】
【化4】

【0015】
(式中、YはH;Cl、Br、FもしくはIなどのハロゲン;アルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、線状もしくは分枝アルキルもしくはパーフルオロアルキル基;またはアルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、酸素、塩素もしくは臭素を含有するパーフルオロアルキル基を含んでなる)
を有する少なくとも1つのモノマー;およびそれらの混合物から選択された少なくとも1つのコモノマーをさらに含んでなる少なくとも1つのグラフトモノマーを提供する。
【0016】
第3態様では、本発明は、高分子電解質膜を含んでなる触媒コート膜であって、該高分子電解質膜が構造1aまたは1b
【0017】
【化5】

【0018】
(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル基、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなる)から選択され、
基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよく、かつ、
nは1aについては1または2であり、そしてnは1bについては1、2、または3である)
を含んでなる少なくとも1つのグラフトモノマーをベースポリマーへグラフトすることによって製造されたフッ素化イオン交換高分子を含んでなる、触媒コート膜を提供する。
【0019】
場合により、少なくとも1つのグラフトモノマーは、ジビニルベンゼン、シアヌル酸トリアリルなどの、単一のまたは多数のビニル基を含有する化合物から選択されたコモノマー;構造2または3
【0020】
【化6】

【0021】
(式中、YはH;Cl、Br、FもしくはIなどのハロゲン;アルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、線状もしくは分枝アルキルもしくはパーフルオロアルキル基;またはアルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、酸素、塩素もしくは臭素を含有するパーフルオロアルキル基を含んでなる)
を有する少なくとも1つのモノマー;およびそれらの混合物をさらに含んでなる。
【0022】
第4態様では、本発明は、第1表面および第2表面を有する、高分子電解質膜を含んでなる膜電極アセンブリであって、該高分子電解質膜が構造1aまたは1b
【0023】
【化7】

【0024】
(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル基、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなる)から選択され、
基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよく、かつ、
nは1aについては1または2であり、そしてnは1bについては1、2、または3である)
を含んでなる少なくとも1つのグラフトモノマーを少なくとも1つのベースポリマー・フィルムへグラフトすることによって製造されたフッ素化イオン交換高分子を含んでなる、膜電極アセンブリを提供する。
【0025】
場合により、少なくとも1つのグラフトモノマーは、ジビニルベンゼン、シアヌル酸トリアリルなどの、単一のまたは多数のビニル基を含有する化合物;構造2または3
【0026】
【化8】

【0027】
(式中、YはH;Cl、Br、FもしくはIなどのハロゲン;アルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、線状もしくは分枝アルキルもしくはパーフルオロアルキル基;またはアルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、酸素、塩素もしくは臭素を含有するパーフルオロアルキル基を含んでなる)
を有する少なくとも1つのモノマー;およびそれらの混合物から選択された少なくとも1つのコモノマーをさらに含んでなる。
【0028】
第4態様では、膜電極アセンブリは、膜の第1および第2表面上に存在する電気触媒(electrocatalyst)コーティング組成物から製造された少なくとも1つの電極をさらに含んでなる。それはまた少なくとも1つのガス拡散バッキングをさらに含んでなる。あるいはまた、膜電極アセンブリは、膜の第1および第2表面上に存在する少なくとも1つのガス拡散電極であって、ガス拡散バッキングと電気触媒含有組成物から製造された電極とを含んでなるガス拡散電極をさらに含んでなる。
【0029】
第5態様では、本発明は、第1表面および第2表面を有する、高分子電解質膜を含んでなる膜電極アセンブリを含んでなる、燃料電池などの電気化学セルであって、該高分子電解質膜が構造1aまたは1b
【0030】
【化9】

【0031】
(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル基、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなる)から選択され、
基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよく、かつ、
nは1aについては1または2であり、そしてnは1bについては1、2、または3である)
を含んでなる少なくとも1つのグラフトモノマーを少なくとも1つのベースポリマーへグラフトすることによって製造されたフッ素化イオン交換高分子を含んでなる、電気化学セルを提供する。
【0032】
場合により、少なくとも1つのグラフトモノマーは、ジビニルベンゼン、シアヌル酸トリアリルなどの、単一のまたは多数のビニル基を含有する化合物;構造2または3
【0033】
【化10】

【0034】
(式中、YはH;Cl、Br、FもしくはIなどのハロゲン;アルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、線状もしくは分枝アルキルもしくはパーフルオロアルキル基;またはアルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、酸素、塩素もしくは臭素を含有するパーフルオロアルキル基を含んでなる)
を有する少なくとも1つのモノマー;およびそれらの混合物から選択された少なくとも1つのコモノマーをさらに含んでなる。
【0035】
第5態様では、燃料電池は、高分子電解質膜の第1および第2表面上に存在する、電気触媒含有組成物から製造された少なくとも1つの電極、例えば、アノードおよびカソードをさらに含んでなる。それはまた少なくとも1つのガス拡散バッキングをさらに含んでなる。あるいはまた、燃料電池での膜電極アセンブリは、膜の第1および第2表面上に存在する少なくとも1つのガス拡散電極であって、ガス拡散バッキングと電気触媒含有組成物から製造された電極とを含んでなるガス拡散電極をさらに含んでなる。
【0036】
第5態様では、燃料電池は、燃料をアノードに供給するための手段、酸素をカソードに供給するための手段、アノードおよびカソードを外部電気負荷に接続するための手段、アノードと接触した液体またはガス状態の水素またはメタノール、ならびにカソードと接触した酸素をさらに含んでなる。燃料は液相または気相にある。幾つかの好適な燃料には、水素、メタノールおよびエタノールなどのアルコール、ジエチルエーテルなどなどのエーテルが含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
フッ素化イオン交換高分子
本発明のフッ素化イオン交換高分子は、燃料電池、クロルアルカリ電池、バッテリー、電解セル、イオン交換膜、センサー、電気化学キャパシター、および改良電極で高分子電解質膜として有用である。
【0038】
フッ素化モノマー
フッ素化イオン交換高分子は、構造1aまたは1b
【0039】
【化11】

【0040】
(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは、場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル基、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなる)から選択され、
基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよく、かつ、
nは1aについては1または2であり、そしてnは1bについては1、2、または3である)
を含んでなる少なくとも1つのグラフトモノマーをベースポリマーへグラフトすることによって製造される。
【0041】
幾つかの好適な過フッ素化アルキレン基Rは(CF(ここで、q=1〜16)、(CFOCFCF(ここで、q=1〜12)、および(CFCF(CF)O)CFCF(ここで、q=1〜6)から選択されてもよい。典型的には、Rは(CF(ここで、q=1〜4)、(CFOCFCF(ここで、q=1〜4)、および(CFCF(CF)O)CFCF(ここで、q=1〜2)を含んでなる。R基は典型的には、そのそれぞれが部分フッ素化または過フッ素化されていてもよいメチル、エチル、プロピル、ブチル、およびフェニルから選択される。より典型的には、Rはパーフルオロメチル、パーフルオロエチル、およびパーフルオロフェニルから選択される。典型的にはRをトリフルオロスチレン環と結び付ける基ZはS(スルフィド結合)またはSO(スルホン結合)である。典型的にはnは1である。
【0042】
典型的にはスルホニルフルオリド基を有するモノマーは構造1aFおよび1bFで表される。
【0043】
【化12】

【0044】
スルホニルフルオリド基は、グラフト反応前かグラフト反応後かのどちらかに、酸、金属塩、アミド、またはイミド形に転化されてもよい。
【0045】
グラフト化モノマーの合成
【0046】
【化13】

【0047】
BrCSHがMeOH中KOHと反応させることによってカリウム塩へ転化された。真空乾燥された後、塩はDMSO中BrCFCFBrと反応して高収率でBrCSCFCFBrを与えた。Naでのスルフィネーション(sulfination)および次の塩素化は相当するフルオロスルホニルクロリドを生み出し、引き続くフッ素−塩素交換はフルオロスルホニルフルオリドBrCSCFCFSOFを与えた。
【0048】
【化14】

【0049】
バートン(Burton)の方法(Burtonら、JOC53、2714、1988)に従ったPd触媒作用でのBrCSCFCFSOFとCF=CFZnXとのカップリング反応は、結合生成物1a1を与え、それはBrで保護され、次に酸化されて相当するスルホンを形成することができた。スルホンのZnでの脱臭素化はモノマー1a2を与えた。
【0050】
トリフルオロスチレンおよび1,4−ビス(トリフルオロスチレン)などの他のモノマーは、バートンの方法に従った類似のやり方で製造された。あるいはまた、モノマーはブロモチオフェノールのナトリウムまたはカリウム塩とIRSOE(ここで、Eはイミダゾールなどの保護基である)との反応によって製造することができる。生じた生成物BrCSRSOEは、CF=CFZnXとのパラジウム触媒カップリング反応を受けてCF=CFCSRSOEを与える。
【0051】
コモノマー
グラフトモノマーは、グラフト化方法を改善するための、または強度もしくは耐溶媒膨潤性などの特性を改善するためのコモノマーを場合により含んでいてもよい。コモノマーはグラフト反応中に構造1aまたは1bを有するモノマーと一緒に導入されてもよい。コモノマーはフリーラジカル条件下にモノマー1aまたは1bと共重合できなければならない。好適な架橋モノマーは、ジビニルベンゼン、シアヌル酸トリアリルなどの、単一のまたは多数のビニル基を含有する化合物から選択されたコモノマー;構造2または3
【0052】
【化15】

【0053】
(式中、YはH;Cl、Br、FもしくはIなどのハロゲン;アルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、線状もしくは分枝アルキルもしくはパーフルオロアルキル基;またはアルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、酸素、塩素もしくは臭素を含有するパーフルオロアルキル基を含んでなる)
を有する少なくとも1つのモノマー;およびそれらの混合物を含んでなる。幾つかの好適な置換基Yは、水素、塩素、フッ素、メチル、エチル、メトキシ、パーフルオロメチル、パーフルオロエチル、パーフルオロブチル、パーフルオロメトキシ、および−CFCF(CF)OCFCFから選択される。
【0054】
ベースポリマー
グラフト反応のための基材として使用されるべきベースポリマーは、ホモポリマーであっても、または幾つかのコモノマーよりなってもよい。ベースポリマーは典型的には、最終グラフトポリマーに望ましい機械的特性を与えるように選択され、グラフト化のためポリマーを活性化するために用いられる照射に安定であり、かつ、それが使用中に曝される条件下で安定である。セパレーターまたは膜のためには、ベースポリマーはフィルムの形態で存在することが望ましいが、電気化学的用途に依存して他の形状が望ましいかもしれない。好適な材料には一般に、非フッ素化、フッ素化、および過フッ素化モノマーのホモポリマーまたは共重合体が含まれる。部分的にまたは完全にフッ素化されたポリマーは、しばしば増加した化学的安定性を与え、より典型的である。幾つかの典型的なベースポリマーには、デュポン(DuPont)テフゼル(Tefzel)(登録商標)のケースでは、35:65〜65:35(モル比)の範囲のエチレンおよびテトラフルオロエチレン(TFE)と1〜10モル%のターモノマー、パーフルオロブチルエチレンとのターポリマーを含んでなるポリ(エチレン−テトラフルオロエチレン−ターモノマー(ETFE);他のターモノマーをまた使用するETFE共重合体(ネオフロン(Neoflon)(登録商標)ETFE);エチレンとクロロトリフルオロエチレとの共重合体を含んでなるECTFE;場合により少量(1〜3モル%)のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)、通常パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PPVE)またはパーフルオロ(エチルビニルエーテル)(PEVE)を含有していてもよい、TFEとヘキサフルオロプロピレン(HFP)との共重合体を含んでなるFEP;PAVEがPPVEまたはPEVEであってもよい、TFEとPAVEとの共重合体を含んでなるPFA;TFE、PMVE、およびPPVEの共重合体を含んでなるMFA;TFEのホモポリマーを含んでなるPTFE;0.5モル%以下の別のモノマー、通常PAVEを含有する変性PTFE;フッ化ビニル(VF)のポリマーを含んでなるPVF;フッ化ビニリデン(VF2)のポリマーを含んでなるPVDF;それぞれ、アトフィナ(Atofina)およびデュポンによって商標カイナーフレックス(KynarFlex)(登録商標)およびバイトン(Viton)(登録商標)Aで販売されているVF2とHFPとの共重合体;ポリエチレンならびにポリプロピレンが含まれるかもしれない。用語「変性」は、これらのポリマーをTFEの共重合体から区別する。変性PTFEポリマーはPTFEに似ているが、溶融加工できない。
【0055】
典型的には、ベースポリマーは、ポリ(エチレン−テトラフルオロエチレン)、ポリ(エチレン−テトラフルオロエチレン−ターモノマー)(テフゼル(登録商標)、ネオフロン(登録商標)ETFE);ポリ(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン)(テフロン(Teflon)(登録商標)FEP);ポリ(テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル)(テフロン(登録商標)PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン(登録商標)PTFE);ポリ(エチレン−クロロトリフルオロエチレン);ポリ(フッ化ビニリデン)(カイナー(Kynar)(登録商標)またはソレフ(Solef)(登録商標));ならびにポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)(カイナー(登録商標)フレックス(Flex))から選択されてもよい。より典型的には、ベースポリマーは、ポリ(エチレン−テトラフルオロエチレン−ターモノマー)、ポリ(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン−パーフルオロプロピルビニルエーテル)、およびポリ(フッ化ビニリデン)から選択される。
【0056】
グラフトポリマーおよび膜の製造方法
フッ素化イオン交換高分子は、
(a)任意のコモノマーと一緒に、構造1aまたは1bを有する少なくとも1つのグラフトモノマーをニートの形態、エマルジョンの形態、または溶液の形態で含んでなるモノマー組成物を形成する工程と、
(b)典型的にはフィルムの形態にあるベースポリマーに電離放射線を照射する工程と、
(c)ベースポリマーを工程(a)からのモノマー組成物と約0℃〜約120℃の温度で約0.1〜約500時間接触させる工程と
を含んでなるグラフト化方法によって製造されてもよい。工程(b)および(c)は同時にまたは順次に行われてもよい。
【0057】
グラフト化方法に使用されるモノマーは、「フッ素化イオン交換高分子」のもとで上に記載されたような、任意のコモノマーと一緒に、構造1aまたは1bを有する少なくとも1つのグラフトモノマーから選択される。第2態様の方法に好適なベースポリマーには一般に、フッ素化または過フッ素化モノマーのホモポリマーまたは共重合体が含まれるかもしれない。部分的にまたは完全にフッ素化されたポリマーはしばしば増加した化学的安定性を与え、典型的である。典型的には、ベースポリマーは先にリストされたものから選択されてもよい。
【0058】
放射線を用いてグラフトモノマーのための結合サイトを生み出すためにフリーラジカルがベースポリマー中に創出されてもよい。ベースポリマーがフィルムの形態にある時、フィルムは照射フィルムとして公知である。線量は、所望のグラフトレベルに達するのを可能にするために十分であるが、過度の放射線損傷を引き起こすほどに高くあるべきではない。グラフトレベルは(グラフトポリマーの重量−ベースポリマーの重量)/(ベースポリマーの重量)と定義される。放射線は電子ビーム、ガンマ線、またはX線の形で提供されてもよい。電子ビーム照射は典型的には、商業生産に有利であるかもしれない高線量率で行われる。照射は、ベースポリマーがグラフトモノマーと接触している間に行われてもよい(同時の照射およびグラフト化)。しかしながら、ベースポリマーのフリーラジカルが十分に安定である場合、照射が先ず行われ、その後の工程でベースポリマーがグラフトモノマーと接触させられてもよい(照射後グラフト化)。照射後グラフト化方法に好適なベースポリマーは通常フッ素化ポリマーである。このケースでは、照射は典型的にはサブ周囲温度で、例えばベースポリマーがドライアイスで冷却されて行われてもよく、それは、グラフト反応でのその使用前にフリーラジカルの消滅を防ぐために十分に低い温度で貯蔵されてもよい。
【0059】
ポリ(エチレン−テトラフルオロエチレン)などの、幾つかの基材では、照射は酸素の存在下に、または酸素なしの環境で行われてもよく、かなりのグラフトレベルはどちらのケースでも得ることができる。典型的にはグラフト化は、窒素またはアルゴンなどの不活性ガス中で行われてもよい。これは、ベースポリマー・フィルムを不活性雰囲気ボックス内で酸素バリア性バッグ中へ装填し、それらを(グラフトモノマーおよび溶媒ありまたはなしで)シールし、次に照射することによって成し遂げられてもよい。照射後グラフト化のケースでは、ベースポリマーはその時はまた、グラフト反応の前およびその間ずっと酸素なし環境中で貯蔵されてもよい。
【0060】
グラフト反応はベースポリマーを、グラフトモノマーを含有するモノマー組成物に曝すことによって行われてもよい。最も単純な形では、ニート液体モノマーがモノマー組成物として使用されてもよい。グラフト反応に使用されるフッ素化モノマーの量を下げることが一般に望ましく、これは、このようにしてモノマー組成物の全作業容量を増やす、溶媒でエマルジョンまたは溶液を形成することによりそれを希釈することによって成し遂げられてもよい。モノマー組成物はこのように、モノマーと水および/またはイソプロパノールなどのアルコール、ならびにフッ素化カルボン酸塩、典型的にはパーフルオロオクタン酸アンモニウムおよびフルオロオクタンスルホン酸アンモニウムなどのフッ素化または非フッ素化界面活性剤との機械または超音波混合によって製造されたエマルジョンであってもよい。モノマー組成物のための第3の有用な形は、不活性有機溶媒中のモノマー溶液である。典型的な溶媒には、トルエン、ベンゼン、ハロベンゼン、パーフルオロエーテルなどのフルオロカーボン、1,1,2−トリクロロトリフルオロエタンなどのフルオロクロロカーボン、CHCl、CHClCHClなどのクロロカーボン、および炭化水素が含まれる。溶媒グラフト化によるグラフトポリマーの製造方法はまた、フルオロアルキルベンゼン溶媒を使用してもよい。好ましいフルオロアルキルベンゼン溶媒は、トリフルオロメチルベンゼン(α,α,α−トリフルオロトルエン)、1,3−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、および1,4−ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン、ならびに(ペンタフルオロエチル)ベンゼンであり、トリフルオロメチルベンゼンが最も好ましい。我々は、フッ素化脂肪族基で置換された芳香族化合物が、フッ素化ビニルモノマーのための溶媒として使用された時に、モノマーをフッ素化ベースポリマーにグラフトすることに速い速度を提供することを見いだした。グラフト溶液はグラフトモノマーと溶媒との混合物を含んでなってもよく、ここで、混合物中の溶媒のモル分率は1%〜99%、より典型的には5%〜90%である。グラフト化は、ベースポリマー・フィルムを、照射中にまたは照射後に、モノマー組成物と接触させ、フィルムを約0℃〜約120℃に約0.1〜約500時間保持することによって成し遂げられてもよい。典型的な温度は約25℃〜約100℃、より典型的には約35〜約90℃、最も典型的には約40〜約80℃である。典型的な時間は約10分〜300時間、より典型的には約1時間〜約200時間、最も典型的には約1時間〜約100時間である。グラフト反応後に、溶媒および未反応モノマーは低沸点溶媒での抽出によってまたは蒸発によって除去されてもよい。グラフトポリマーはまた、ベースフィルムにグラフトされていないフィルム中に形成されたいかなるポリマーも除去するために溶媒で抽出されてもよい。
【0061】
イオン性ポリマーの製造
本発明は、スルホン化試薬の使用なしに、フルオロスルホニルフルオリドの酸形への容易な転化を提供する。ペンダント・スルホニルフルオリド基を持つモノマーでグラフトされたポリマーは、MOHもしくはMCO(M=Li、Na、K、Cs、NH)、またはMeOHおよび/またはDMSOならびに水中のMOHなどの塩基で加水分解されてもよい。加水分解は通常室温〜約100℃、典型的には室温〜約80℃で実施されてもよい。強塩基に敏感であるPVDFなどのポリマー基材では、基材の分解を回避するより弱い炭酸塩塩基を使用することが好ましい。HNOなどの酸でのポリマー塩の処理はポリマー酸を与えた。本明細書で使用される特定の連結基Zは酸形にあるイオン交換高分子の増加した熱安定性を生み出すことが分かった。
【0062】
グラフトポリマースルフィド(Z=S)は、CrOまたは過酸化水素を用いてスルホンポリマー(Z=SO)へ酸化されてもよい。
【0063】
電気化学セル
図1に示されるように、燃料電池などの電気化学セルは、非統合膜電極アセンブリ(MEA)を形成するために少なくとも1つのガス拡散バッキング(GDB)(13)と組み合わせて触媒コート膜(CCM)(10)を含んでなる。触媒コート膜(10)は、上に議論された高分子電解質膜(11)と電気触媒コーティング組成物から形成された触媒層または電極(12)とを含んでなる。燃料電池は、水素;液体もしくはガスのアルコール、例えばメタノールおよびエタノール;またはエーテル、例えばジエチルエーテルなどなどの燃料のための入口(14)、アノード出口(15)、カソードガス入口(16)、カソードガス出口(17)、タイロッド(示されていない)とつなぎ合わされたアルミニウム末端ブロック(18)、シーリングのためのガスケット(19)、電気絶縁層(20)、ガス分配のための流れ場付きグラファイト・カレントコレクタ・ブロック(21)、および金めっきカレントコレクタ(22)をさらに備えていてもよい。
【0064】
あるいはまた、その上に電気触媒コーティング組成物の層を有するガス拡散バッキングを含んでなるガス拡散電極は、MEAを形成するために固体高分子電解質膜と接触させられてもよい。
【0065】
触媒層を電極としてCCM(10)またはGDE上に塗布するために使用される電気触媒コーティング組成物は、バインダーにとって好適な溶媒中に分散された触媒とバインダーとの組み合わせを含んでなり、導電率、接着性、および耐久性を改善するための他の材料を含んでもよい。触媒は、担持されていなくても、または典型的にはカーボン上に担持されていてもよく、アノードまたはカソードとしてのそれらの使用に依存して組成が異なってもよい。バインダーは典型的には高分子電解質膜(11)を形成するために使用された同じポリマーよりなってもよいが、燃料電池の操作を改善するために必要とされるような他の好適な高分子電解質を部分的に含有しても、またはそれより専らなってもよい。幾つかの例には、ナフィオン(Nafion)(登録商標)パーフルオロスルホン酸、スルホン化ポリエーテルスルホン、またはそれらの膜が挙げられる。
【0066】
燃料電池は、ガスまたは液体相にあってもよい、そして水素、アルコール、またはエーテルを含んでもよい燃料源を利用する。燃料は、燃料電池が高い電力出力を提供するように、上に議論された固体高分子電解質膜で十分なイオン伝導性を維持するために必要とされる程度まで加湿される。操作温度に依存して、燃料電池は、必要とされる程度の加湿を維持するために高圧で操作されてもよい。典型的にはガスの加湿水素フィードまたはメタノール/水溶液がアノード区画に供給され、空気または酸素がカソード区画に供給される。
【0067】
触媒コート膜
上記のものに類似の電気触媒コーティング組成物を固体高分子電解質膜上へ塗布する様々な技法がCCM製造に関して公知である。幾つかの公知の方法には、吹き付け、塗装、パッチコーティングおよびスクリーン、デカル、パッドまたはフレキソ印刷が含まれる。
【0068】
本発明の一実施形態では、図1に示されるMEA(30)は、約200℃未満、典型的には約140〜約160℃の温度でガス拡散バッキング(GDB)をCCMと熱統合することによって製造されてもよい。CCMは、当該技術で公知の任意のタイプでできていてもよい。この実施形態では、MEAは、薄い触媒−バインダー層がその上に配置された固体高分子電解質(SPE)膜を含んでなる。触媒は担持されていても(典型的にはカーボン上に)、または担持されていなくてもよい。製造の一方法では、触媒フィルムは、カプトン(Kapton)(登録商標)ポリイミドフィルム(デュポン・カンパニー(DuPont Company)から入手可能な)などの平らな剥離基材上に電気触媒コーティング組成物を薄く塗ることによってデカルとして製造される。コーティングが乾燥した後に、デカルは、加圧および加熱、引き続き剥離基材の除去によってSPE膜の表面に転写されて触媒層が制御された厚さおよび触媒分布を有して触媒コート膜(CCM)を形成する。あるいはまた、触媒層は、例えば印刷などによって膜に直接付けられ、次に触媒フィルムは約200℃以下の温度で乾燥される。
【0069】
このように形成されたCCMは、次にGDBと組み合わせられてMEA(30)を形成する。MEAは、CCMおよびGDBを層状にし、引き続き全体構造を約200℃以下、典型的には約140〜約160℃の範囲の温度に加熱し、加圧することにより単一工程で統合することによって形成される。MEAの両側面は同じやり方で同時に形成することができる。また、触媒層およびGDBの組成物は膜の反対側で異なってもよい。
【0070】
本発明は次の実施例で例示される。
【実施例】
【0071】
面内導電率測定
膜の面内導電率は、電流が膜の平面に平行に流れる技法によって、制御した相対湿度および温度の条件下に測定した。4電極技法を、参照により本明細書に援用されるワイ.ソン(Y.Sone)ら著、J.Electrochem.Soc.,143、1254(1996年)による「4電極ACインピーダンス法によって測定されるようなナフィオン(登録商標)117のプロトン伝導性(Proton Conductivity of Nafion(R) 117 As Measured by a Four−Electrode AC Impedance Method)」という表題の論文に記載されたものと同じように用いた。図2について言及すると、4つの0.25mm直径白金ワイヤー電極を支持し、かつ、支える溝を含有する4つの平行な尾根(41)を有するように下方固定具(40)をアニールしたガラス繊維強化ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)から機械加工した。2つの外側電極間の距離は25mmであるが、2つの内側電極間の距離は10mmであった。膜のストリップを、10〜15mmの幅および外側電極をカバーし、そしてそれをわずかに越えて伸びるのに十分な長さにカットし、白金電極のトップ上に置いた。底部固定具のそれに対応する適所に尾根を有する上方固定具(示されていない)をトップ上に置き、膜を押して白金電極と接触させるように2つの固定具を一緒に固定した。膜を含有する固定具を小さな圧力容器(圧力フィルター・ハウジング)に入れ、それを加熱用の温度自動調節される強制対流オーブンに入れた。容器内の温度を熱電対で測定した。水を較正ウォーターズ(Waters)515HPLCポンプ(ウォーターズ・コーポレーション、マサチューセッツ州ミルフォード(Waters Corporation,Milford,MA))から供給し、較正マスフロー・コントローラー(200sccm最高)から供給される乾燥空気と組み合わせてオーブン内部への1.6mm直径ステンレススチール・チューブのコイル内で水を蒸発させた。生じた加湿空気を圧力容器の入口へ供給した。容器内の全圧(100〜345kPa)を、出口の圧力制御レットダウン・バルブを用いて調節し、キャパシタンス・マノメーター(モデル280E、セトラ・システムズ社、マサチューセッツ州ボックスバーロウ(Setra Systems,Inc.,Boxborough,MA))を用いて測定した。温度の関数としての液体水の蒸気圧の表、2つの流速からのガス組成、容器温度、および全圧を用いて理想ガス挙動を仮定して相対湿度を計算した。図2について言及すると、固定具の下方および上方部のスロット(42)は、水蒸気との迅速な平衡のために膜への加湿空気のアクセスを可能にした。生じた電圧を内側2電極間で測定しながら、電流を外側2電極間に加えた。内側2電極間のACインピーダンス(抵抗)の実数部Rは、ポテンシオスタット/周波数応答分析器(EISソフトウェア付きPC4/750TM、ガムリー・インスツルメンツ、ペンシルバニア州ワーミンスター(Gamry Instruments,Warminster,PA))を用いて1kHzの周波数で測定した。膜の導電率κを次に、
κ=1.00cm/(R×t×w)
(ここで、tは膜の厚さであり、wはその幅であった(両方ともcm単位で))
のように計算した。
【0072】
実施例1 照射フィルム
ETFEフィルムは30μmおよび55μmの厚さで入手した(テフゼル(登録商標)LZ5100およびLZ5200、デュポン・カンパニー、デラウェア州ウィルミントン(Wilmington,DE))。PVdFフィルムは50μmの厚さで入手した(カイナー(登録商標)、グッドフェロー社、ペンシルバニア州バーウィン(Goodfellow Corp,Berwyn,PA))。フィルムを脱ガスし、窒素充満グローブボックスへ持ち込んだ。それらを一定の大きさにカットし、ガスバリア性バッグ(シールド・パック社、ルイジアナ州ウェストモンロー(Shield Pack,Inc.,West Monroe,LA)製のPPDアルミ箔バリアバッグ)の内側にシールした。ドライアイス小粒を冷却用の金属トレイに入れ、フィルム入りバッグを金属トレイ中へ置いた。フィルムに、1MVおよび2.2mAの電流を用いる電子ビーム加速器を用いて照射した。6フィルム以下を各バッグに入れ、バッグをトレイ中で2以下の高さまで積み重ねた。金属トレイを2.39cm/秒のスピードでビームの真下をゆっくり移動させながら、ビームを40°開口にわたって電気走査させた。各パスは20kGyの線量をもたらし、1〜13パスを用いて20〜260kGyの総線量をもたらした。190kGyより上の線量については、パスを2グループに分け、グループ間にバッグを冷却させるために3分中断を含めた。照射フィルムは、ドライアイス下にまたは−40℃に冷却した冷凍室中でバッグ中に貯蔵した。
【0073】
実施例2
実施例1からの照射フィルムを秤量し、窒素充満ドライボックス内のガラス反応器内部に入れた。ガラス反応器は、グラフト溶液を満たした薄い環状容量を提供するために底部で接合された2つの同心ガラス管から形成された。スルフィドモノマーCF=CF−CS(CFSOF、またはスルホンモノマーCF=CF−CS(CFSOF、およびα,α,α−トリフルオロトルエン(TFT)の脱酸素溶液(1:1体積モノマー:体積TFT)をフィルムの一面に注いだ。反応器をセプタムでシールし、グローブボックスから取り出した。それを表1に示された温度でおよび示された時間油浴中で加熱した。フィルムをモノマー溶液から取り出し、α,α,α−トリフルオロトルエンで簡単にリンスした。フィルムを次にテトラヒドロフラン(THF)中70℃で4時間加熱して残留する溶媒、モノマー、および/またはベースフィルムに結合していないポリマーをさらに除去した。フィルムをドラフトで周囲条件下に乾燥させ、再秤量した。グラフトレベルを表1に示す。グラフトレベルは(w−w)/w(ここで、wは基材フィルムの初期重量であり、wはTHF抽出後の乾燥グラフト化フィルムの重量である)として計算した。
【0074】
幾つかのケースでは、フィルムをHO:MeOH:DMSO(5:4:1重量:重量:重量)中の10%KOH中への50℃で16時間の浸漬によって加水分解した。フィルムを14%硝酸中50℃で1時間酸性化し、次に、各回新しい水に変えて、脱イオン水中50℃で15分間3回リンスした。120℃および25、50、または95%RHでの導電率を表1に示す。
【0075】
【表1】

【0076】
実施例3 エマルジョングラフト化
撹拌子を備えた30mLボトルに20mLの脱イオン水および4.0mLの20%パーフルオロオクタン酸アンモニウム(C8)溶液を装入した。溶液にNを10分間バブルさせ、3.0gのCF=CFCSCFCFSOFを加えた。生じた混合物を3分間超音波処理して乳状エマルジョンを与えた。
【0077】
140kGy線量で照射した実施例1からの合計0.380gになる4フィルムを秤量し、窒素充満ドライボックス内の撹拌子入り30mLボトル内部に入れた。上で製造したエマルジョンをシールしたフィルム含有ボトル中へカニューレによって移し、次にエマルジョンを60℃で3日間撹拌した。フィルムをボトルから取り出し、MeOH、アセトンおよび水で洗浄した。グラフト化フィルムを真空オーブン中窒素ブリードしながら60℃で2時間乾燥させた後、1.176gのグラフト化フィルムを209.5%グラフトレベルで得た。グラフトレベルは(w−w)/w(ここで、wはフィルムの初期重量であり、wは洗浄乾燥グラフト化フィルムの重量である)として計算した。
【0078】
実施例4 グラフト化フィルムの加水分解
実施例3で製造した2つのグラフト化フィルム(209%グラフトレベル)をHO:MeOH:DMSO(5:4:1重量:重量:重量)中の10%KOH中へ60℃で24時間浸漬した。フィルムを10%硝酸中60℃で60時間酸性化し、次に中性pHまで脱イオン水でリンスした。加水分解したフィルムは58μm厚さに膨潤した。サンプルの導電率は、最初の25%から最後の95%まで変動する、制御した湿度下に80℃で面内測定した。導電率値を下の表2に示す。
【0079】
【表2】

【0080】
実施例5 エマルジョングラフト化
撹拌子を備えた30mLボトルに20mLの脱イオン水および4.0mLの20%パーフルオロオクタン酸アンモニウム(C8)溶液を装入した。溶液にNを10分間バブルさせ、3.0gのCF=CFCSCFCFSOFおよび0.3gの1,4−ジ(トリフルオロビニル)ベンゼンを加えた。生じた混合物を3分間超音波処理して乳状エマルジョンを与えた。
【0081】
140kGy線量で照射した、それぞれ0.266gの重さがある、実施例1からの4フィルムを秤量し、撹拌子入り30mLボトル内部に入れ、窒素充満ドライボックス内に入れた。上で製造したエマルジョンをシールしたフィルム含有ボトル中へカニューレによって移し、次にエマルジョンを55℃で3日間撹拌した。フィルムをボトルから取り出し、MeOH、アセトンおよび水で洗浄した。グラフト化フィルムを真空オーブン中窒素ブリードしながら60℃で2時間乾燥させた後、0.366gのグラフト化フィルムを得た。37.6%グラフトレベルを、式(w−w)/w(ここで、wはフィルムの初期重量であり、wは乾燥グラフト化フィルムの重量である)を用いて計算した。
【0082】
実施例6 ニートグラフト化
140kGy線量で照射した、それぞれ0.078gの重さがある、実施例1からの4フィルムを、小さなチューブ中のニートCF=CFCSCFCFSOF中に60℃で3日間浸漬した。フィルムをボトルから取り出し、MeOH、アセトンおよび水で洗浄した。グラフト化フィルムを真空オーブン中窒素ブリードしながら60℃で2時間乾燥させた後、0.134gのグラフト化フィルムを得た。71.8%グラフトレベルを、式(w−w)/w(ここで、wはフィルムの初期重量であり、wは乾燥グラフト化フィルムの重量である)を用いて計算した。
【0083】
実施例7 加水分解および導電率
実施例6で製造した71.8%増量を有するグラフト化1ミルETFEフィルムを、ペトリ(Petri)皿中の5:4:1の比(重量比)のHO:MeOH:DMSOの溶液中10%KOH中に50℃で一晩浸漬した。フィルムを脱イオン水中周囲温度で5分間リンスした。フィルムを、10%硝酸中に60℃で60時間浸けることによって酸形にイオン交換させ、脱イオン水中でのリンス、次に脱イオン水中への室温で15分間の3連続浸漬がこれに続いた。加水分解したフィルムは38μm厚さに膨潤した。サンプルの導電率は、最初の25%から最後の95%まで変動する、制御した湿度下に80℃で面内測定した。導電率値を下の表3に示す。
【0084】
【表3】

【0085】
膜の熱安定性は、次の例外付きで、熱重量分析による分解速度論に関するASTM E1641−99標準試験方法(ASTM E1641−99 Standard Test Method for Decomposition Kinetics by Thermogravimetry)を用いて評価した:周囲温度で加湿した空気を、TGA(TAインスツルメンツ、デラウェア州ニューキャッスル(TA Instruments,New Castle,DE))のサンプル室中に流すために使用した。サンプルを150℃に加熱し、その温度に2時間保持し、その時間中に多量の水和水が失われた。1、3、5および10℃/分の加熱速度を用いて温度上昇を150℃から開始し、分解の第一段階のみを分析した。速度論的TGA研究は、120℃で分解の第一段階の10%の完了について計算される時間は200時間であることを示した。
【0086】
実施例8 グラフト化膜の酸化
実施例4で製造した膜を50mLのCHCOH中3.0gのCrO中に60℃で24時間浸漬した。フィルムを取り出し、水で洗浄し、次に100mLの10%HNO中に60℃で24時間浸漬した。きれいなフィルムを水で洗浄し、再び15%HNO中に60℃で24時間浸漬した。フィルムを中性pHまで水で洗浄した。加水分解したフィルムは38μm厚さに膨潤した。サンプルの導電率は、最初の25%から最後の95%まで変動する、制御した湿度下に80℃で面内測定した。導電率値を下の表4に示す。
【0087】
【表4】

【0088】
上に修正されたようなASTM E1641−99を用いる速度論的TGA研究は、120℃で第1段階の分解の10%完了について計算された時間は1.4×10時間であることを示した。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】シングルセル・アセンブリの略図である。
【図2】面内導電率測定のための4電極セルの下方固定具の略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造1aまたは1b
【化1】


(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル基、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなる)から選択され、
基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここでアルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよく、かつ、
nは1aについては1または2であり、そしてnは1bについては1、2、または3である)
を含んでなる少なくとも1つのグラフトモノマーを少なくとも1つのベースポリマーへグラフトすることによって製造されたフッ素化イオン交換高分子。
【請求項2】
Qがフッ素を含んでなる請求項1に記載のフッ素化イオン交換高分子。
【請求項3】
が(CF(ここで、q=1〜16)、(CFOCFCF(ここで、q=1〜12)、および(CFCF(CF)O)CFCF(ここで、q=1〜6)から選択され、そしてRが、そのそれぞれが部分フッ素化または過フッ素化されていてもよいメチル、エチル、プロピル、ブチル、およびフェニルから選択される請求項1に記載のフッ素化イオン交換高分子。
【請求項4】
が(CF(ここで、q=1〜4)、(CFOCFCF(ここで、q=1〜4)、および(CFCF(CF)O)CFCF(ここで、q=1〜2)から選択され、そしてRがパーフルオロメチル、パーフルオロエチル、およびパーフルオロフェニルから選択される請求項3に記載のフッ素化イオン交換高分子。
【請求項5】
n=1であり、そしてZがSまたはSOである請求項3に記載のフッ素化イオン交換高分子。
【請求項6】
前記少なくとも1つのグラフトモノマーが単一のまたは多数のビニル基を含有する化合物;構造2または3
【化2】


(式中、YはH;Cl、Br、FもしくはIなどのハロゲン;アルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、線状もしくは分枝アルキルもしくはパーフルオロアルキル基;またはアルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、酸素、塩素もしくは臭素を含有するパーフルオロアルキル基を含んでなる)
を有する少なくとも1つのモノマー;およびそれらの混合物から選択された少なくとも1つのコモノマーをさらに含んでなる請求項1に記載のフッ素化イオン交換高分子。
【請求項7】
単一のまたは多数のビニル基を含有する前記化合物が構造2のビス(トリフルオロビニル)−ベンゼンまたはシアヌル酸トリアリルを含んでなる請求項6に記載のフッ素化イオン交換高分子。
【請求項8】
構造3のコモノマー上の置換基Yが水素、塩素、フッ素、メチル、エチル、メトキシ、パーフルオロメチル、パーフルオロエチル、パーフルオロブチル、パーフルオロメトキシ、および−CFCF(CF)OCFCFから選択される請求項7に記載のフッ素化イオン交換高分子。
【請求項9】
前記ベースポリマーが非フッ素化、フッ素化、または過フッ素化モノマーから製造された少なくとも1つのホモポリマーまたは共重合体を含んでなる請求項1に記載のフッ素化イオン交換高分子。
【請求項10】
前記ベースポリマーがポリ(エチレン−テトラフルオロエチレン)、ポリ(エチレン−クロロトリフルオロエチレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル)、ポリ(テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル)、ポリ(テトラフルオロエチレン−パーフルオロプロピルビニルエーテル)、ポリテトラフルオロエチレン、変性ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリエチレン、およびポリプロピレンから選択される請求項9に記載のフッ素化イオン交換高分子。
【請求項11】
前記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)がパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)またはパーフルオロ(エチルビニルエーテル)を含んでなる請求項10に記載のフッ素化イオン交換高分子。
【請求項12】
前記ベースポリマーがエチレン、テトラフルオロエチレン(TFE)、およびパーフルオロブチルエチレンを含んでなる1〜10モル%のターモノマーのターポリマーを含んでなる請求項2に記載のフッ素化イオン交換高分子。
【請求項13】
構造1aまたは1b
【化3】


(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル基、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなる)から選択され、
基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここでアルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよく、かつ、
nは1aについては1または2であり、そしてnは1bについては1、2、または3である)
を含んでなる少なくとも1つのグラフトモノマーを、フィルムの形態にある部分的にまたは完全にフッ素化されたポリマーである少なくとも1つのベースポリマーへグラフトすることによって製造されたフッ素化イオン交換高分子を含んでなるフッ素化イオン交換高分子膜。
【請求項14】
前記ベースポリマーが完全にフッ素化されたポリマーを含んでなる請求項13に記載のフッ素化イオン交換膜。
【請求項15】
前記ベースポリマーがポリ(エチレン−テトラフルオロエチレン)、ポリ(エチレン−テトラフルオロエチレン−ターモノマー)、ポリ(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ(エチレン−クロロトリフルオロエチレン)、ポリ(フッ化ビニリデン)、およびポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)から選択される請求項13に記載のフッ素化イオン交換膜。
【請求項16】
前記ベースポリマーがポリ(エチレン−テトラフルオロエチレン−ターモノマー)、ポリ(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン−パーフルオロプロピルビニルエーテル)、およびポリ(フッ化ビニリデン)から選択される請求項15に記載のフッ素化イオン交換膜。
【請求項17】
前記ベースポリマーがエチレン、テトラフルオロエチレン(TFE)、およびパーフルオロブチルエチレンを含んでなる1〜10モル%のターモノマーのターポリマーを含んでなる請求項15に記載のフッ素化イオン交換膜。
【請求項18】
(a)構造1aまたは1b
【化4】


(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは、場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル基、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなる)から選択され、
基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよく、かつ、
nは1aについては1または2であり、そしてnは1bについては1、2、または3である)
を含んでなる少なくとも1つのグラフトモノマーを、ニートの形態、エマルジョンの形態、または溶液の形態で含んでなるモノマー組成物を形成する工程と、
(b)少なくとも1つのベースポリマーに電離放射線を照射する工程と、
(c)少なくとも1つのベースポリマーを工程(a)からのモノマー組成物と約0℃〜約120℃の温度で約0.1〜約500時間接触させる工程と
を含んでなるフッ素化イオン交換高分子膜を製造するためのグラフト化方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つのベースポリマーがフィルムの形態にある請求項18に記載の方法。
【請求項20】
工程(b)および(c)が同時に行われる請求項18に記載の方法。
【請求項21】
工程(b)および(c)が順次に行われる請求項18に記載の方法。
【請求項22】
QがFを含んでなる請求項18に記載の方法。
【請求項23】
が(CF(ここで、q=1〜16)、(CFOCFCF(ここで、q=1〜12)、および(CFCF(CF)O)CFCF(ここで、q=1〜6)から選択され、そしてRが、そのそれぞれが部分フッ素化または過フッ素化されていてもよいメチル、エチル、プロピル、ブチル、およびフェニルから選択される請求項18に記載の方法。
【請求項24】
が(CF(ここで、q=1〜4)、(CFOCFCF(ここで、q=1〜4)、および(CFCF(CF)O)CFCF(ここで、q=1〜2)から選択され、そしてRがパーフルオロメチル、パーフルオロエチル、およびパーフルオロフェニルから選択される請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記グラフトモノマーが単一のまたは多数のビニル基を含有する化合物;構造2または3
【化5】


(式中、YはH;Cl、Br、FもしくはIなどのハロゲン;アルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、線状もしくは分枝アルキルもしくはパーフルオロアルキル基;またはアルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、酸素、塩素もしくは臭素を含有するパーフルオロアルキル基を含んでなる)
を有する少なくとも1つのモノマー;およびそれらの混合物から選択された少なくとも1つのコモノマーをさらに含んでなる請求項18に記載の方法。
【請求項26】
単一のまたは多数のビニル基を含有する前記化合物が構造2のビス(トリフルオロビニル)−ベンゼンまたはシアヌル酸トリアリルを含んでなる請求項25に記載の方法。
【請求項27】
構造3のコモノマー上の置換基Yが水素、塩素、フッ素、メチル、エチル、メトキシ、パーフルオロメチル、パーフルオロエチル、パーフルオロブチル、パーフルオロメトキシ、および−CFCF(CF)OCFCFから選択される請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記ベースポリマーが非フッ素化、フッ素化、または過フッ素化モノマーから製造されたホモポリマーまたは共重合体を含んでなる請求項18に記載の方法。
【請求項29】
前記ベースポリマーがポリ(エチレン−テトラフルオロエチレン)、ポリ(エチレン−クロロトリフルオロエチレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル)、ポリ(テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル)、ポリ(テトラフルオロエチレン−パーフルオロプロピルビニルエーテル)、ポリテトラフルオロエチレン、変性ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリエチレン、およびポリプロピレンから選択される請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記ベースポリマーが部分的にまたは完全にフッ素化されたポリマーを含んでなる請求項28に記載の方法。
【請求項31】
前記ベースポリマーがポリ(エチレン−テトラフルオロエチレン)、ポリ(エチレン−テトラフルオロエチレン−ターモノマー)、ポリ(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ(エチレン−クロロトリフルオロエチレン)、ポリ(フッ化ビニリデン)、およびポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)から選択される請求項30に記載の方法。
【請求項32】
第1表面および第2表面を有する高分子電解質膜を含んでなる触媒コート膜であって、該高分子電解質膜が構造1aまたは1b
【化6】


(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは、場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル基、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなる)から選択され、
基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここでアルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよく、かつ、
nは1aについては1または2であり、そしてnは1bについては1、2、または3である)
を含んでなる少なくとも1つのグラフトモノマーを少なくとも1つのベースポリマーへグラフトすることによって製造されたフッ素化イオン交換高分子を含んでなる、触媒コート膜。
【請求項33】
前記ベースポリマーがフィルムの形態にある請求項32に記載の触媒コート膜。
【請求項34】
前記高分子電解質膜の第1および第2表面上に存在する電気触媒コーティング組成物から製造された少なくとも1つの電極をさらに含んでなる請求項32に記載の触媒コート膜。
【請求項35】
前記少なくとも1つの電極がアノードである請求項34に記載の触媒コート膜。
【請求項36】
前記少なくとも1つの電極がカソードである請求項34に記載の触媒コート膜。
【請求項37】
前記電気触媒コーティング組成物が触媒およびバインダーを含んでなる請求項34に記載の触媒コート膜。
【請求項38】
前記バインダーがパーフルオロスルホン酸ポリマーである請求項37に記載の触媒コート膜。
【請求項39】
前記少なくとも1つのグラフトモノマーが単一のまたは多数のビニル基を含有する化合物;構造2または3
【化7】


(式中、YはH;Cl、Br、FもしくはIなどのハロゲン;アルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、線状もしくは分枝アルキルもしくはパーフルオロアルキル基;またはアルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、酸素、塩素もしくは臭素を含有するパーフルオロアルキル基を含んでなる)
を有する少なくとも1つのモノマー;およびそれらの混合物から選択された少なくとも1つのコモノマーをさらに含んでなる請求項32に記載の触媒コート膜。
【請求項40】
第1表面および第2表面を有する、高分子電解質膜を含んでなる膜電極アセンブリであって、該高分子電解質膜が構造1aまたは1b
【化8】


(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル基、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなる)から選択され、
基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよく、かつ、
nは1aについては1または2であり、そしてnは1bについては1、2、または3である)
を含んでなる少なくとも1つのグラフトモノマーを少なくとも1つのベースポリマーへグラフトすることによって製造されたフッ素化イオン交換高分子を含んでなる、膜電極アセンブリ。
【請求項41】
前記ベースポリマーがフィルムの形態にある請求項40に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項42】
前記膜の第1または第2表面上に存在する電気触媒コーティング組成物から製造された少なくとも1つの電極をさらに含んでなる請求項40に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項43】
少なくとも1つの電極がアノードである請求項42に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項44】
少なくとも1つの電極がカソードである請求項42に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項45】
前記電気触媒コーティング組成物が触媒およびバインダーを含んでなる請求項42に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項46】
前記バインダーがパーフルオロスルホン酸ポリマーである請求項45に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項47】
前記高分子電解質膜上に存在する少なくとも1つの電極に隣接して少なくとも1つのガス拡散バッキングをさらに含んでなる請求項40に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項48】
前記膜の第1および第2表面上に存在する少なくとも1つのガス拡散電極であって、ガス拡散バッキングと電気触媒コーティング組成物から製造された電極とを含んでなるガス拡散電極をさらに含んでなる請求項40に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項49】
QがFを含んでなる請求項40に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項50】
が(CF(ここで、q=1〜16)、(CFOCFCF(ここで、q=1〜12)、および(CFCF(CF)O)CFCF(ここで、q=1〜6)から選択され、そしてRが、そのそれぞれが部分フッ素化または過フッ素化されていてもよいメチル、エチル、プロピル、ブチル、およびフェニルから選択される請求項40に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項51】
前記少なくとも1つのグラフトモノマーが単一のまたは多数のビニル基を含有する化合物;構造2または3
【化9】


(式中、YはH;Cl、Br、FもしくはIなどのハロゲン;アルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、線状もしくは分枝アルキルもしくはパーフルオロアルキル基;またはアルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、酸素、塩素もしくは臭素を含有するパーフルオロアルキル基を含んでなる)
を有する少なくとも1つのモノマー;およびそれらの混合物から選択された少なくとも1つのコモノマーをさらに含んでなる請求項40に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項52】
単一のまたは多数のビニル基を含有する前記化合物が構造2のビス(トリフルオロビニル)−ベンゼンまたはシアヌル酸トリアリルである請求項51に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項53】
構造3のコモノマー上の置換基Yが水素、塩素、フッ素、メチル、エチル、メトキシ、パーフルオロメチル、パーフルオロエチル、パーフルオロブチル、パーフルオロメトキシ、および−CFCF(CF)OCFCFよりなる群から選択される請求項51に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項54】
前記少なくとも1つのベースポリマーが非フッ素化、フッ素化、または過フッ素化モノマーから製造されたホモポリマーまたは共重合体を含んでなる請求項41に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項55】
前記少なくとも1つのベースポリマーがポリ(エチレン−テトラフルオロエチレン)、ポリ(エチレン−クロロトリフルオロエチレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル)、ポリ(テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル)、ポリ(テトラフルオロエチレン−パーフルオロプロピルビニルエーテル)、ポリテトラフルオロエチレン、変性ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリエチレン、およびポリプロピレンから選択される請求項54に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項56】
前記少なくとも1つのベースポリマーがポリ(エチレン−テトラフルオロエチレン)、ポリ(エチレン−テトラフルオロエチレン−ターモノマー)、ポリ(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ(エチレン−クロロトリフルオロエチレン)、ポリ(フッ化ビニリデン)、およびポリ(フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン)から選択される請求項54に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項57】
前記少なくとも1つのベースポリマーがエチレン、テトラフルオロエチレン(TFE)、および1〜10モル%のパーフルオロブチルエチレンのターポリマーを含んでなる請求項56に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項58】
前記パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)がパーフルオロ(プロピルビニルエーテル)またはパーフルオロ(エチルビニルエーテル)を含んでなる請求項55に記載のフッ素化イオン交換高分子。
【請求項59】
前記少なくとも1つのベースポリマーがエチレン、テトラフルオロエチレン(TFE)、およびパーフルオロブチルエチレンなどの1〜10モル%のターモノマーのターポリマーを含んでなる請求項54に記載の膜電極アセンブリ。
【請求項60】
第1表面および第2表面を有する、高分子電解質膜を含んでなる膜電極アセンブリを含んでなる電気化学セルであって、該高分子電解質膜が構造1aまたは1b
【化10】


(式中、ZはS、SO、またはPOR(ここで、Rは、場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜14個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルキル基、1〜8個の炭素原子のアルキル基、6〜12個の炭素原子のアリール基または6〜12個の炭素原子の置換アリール基を含んでなる)を含んでなり、
は場合により酸素もしくは塩素を含有していてもよい1〜20個の炭素原子の線状もしくは分枝パーフルオロアルケン基を含んでなり、
QはF、−OM、−NH、−N(M)SO、および−C(M)(SO(ここで、MはH、アルカリカチオン、またはアンモニウムを含んでなる)から選択され、
基は場合によりエーテル酸素を含んでいてもよい1〜14個の炭素原子のアルキルまたは6〜12個の炭素原子のアリールを含んでなり、ここで、アルキルまたはアリール基は過フッ素化または部分フッ素化されていてもよく、かつ、
nは1aについては1または2であり、そしてnは1bについては1、2、または3である)
を含んでなる少なくとも1つのグラフトモノマーを少なくとも1つのベースポリマーへグラフトすることによって製造されたフッ素化イオン交換高分子を含んでなる、電気化学セル。
【請求項61】
燃料電池である請求項56に記載の電気化学セル。
【請求項62】
前記ベースポリマーがフィルムの形態にある請求項61に記載の電気化学セル。
【請求項63】
前記少なくとも1つのグラフトモノマーが単一のまたは多数のビニル基を含有する化合物;構造2または3
【化11】


(式中、YはH;Cl、Br、FもしくはIなどのハロゲン;アルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、線状もしくは分枝アルキルもしくはパーフルオロアルキル基;またはアルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、酸素、塩素もしくは臭素を含有するパーフルオロアルキル基を含んでなる)
を有する少なくとも1つのモノマー;およびそれらの混合物から選択された少なくとも1つのコモノマーをさらに含んでなる請求項60に記載の電気化学セル。
【請求項64】
前記少なくとも1つのグラフトモノマーが単一のまたは多数のビニル基を含有する化合物;構造2または3
【化12】


(式中、YはH;Cl、Br、FもしくはIなどのハロゲン;アルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、線状もしくは分枝アルキルもしくはパーフルオロアルキル基;またはアルキル基がC1〜C10炭素原子を含んでなる、酸素、塩素もしくは臭素を含有するパーフルオロアルキル基を含んでなる)
を有する少なくとも1つのモノマー;およびそれらの混合物から選択された少なくとも1つのコモノマーをさらに含んでなる請求項61に記載の電気化学セル。
【請求項65】
前記高分子電解質膜の第1および第2表面上に存在する電気触媒含有組成物から製造された少なくとも1つの電極をさらに含んでなる請求項61に記載の燃料電池。
【請求項66】
少なくとも1つのガス拡散バッキングをさらに含んでなる請求項60に記載の燃料電池。
【請求項67】
前記膜の第1および第2表面上に存在する少なくとも1つのガス拡散電極であって、ガス拡散バッキングと電気触媒含有組成物から製造された電極とを含んでなるガス拡散電極をさらに含んでなる請求項61に記載の燃料電池。
【請求項68】
燃料をアノードに供給するための手段、酸素をカソードに供給するための手段、アノードおよびカソードを外部電気負荷に接続するための手段、アノードと接触した液体またはガス状態の水素またはメタノール、ならびにカソードと接触した酸素をさらに含んでなる請求項61に記載の燃料電池。
【請求項69】
燃料をアノードに供給するための手段、酸素をカソードに供給するための手段、アノードおよびカソードを外部電気負荷に接続するための手段、アノードと接触した液体またはガス状態の水素またはメタノール、ならびにカソードと接触した酸素をさらに含んでなる請求項64に記載の燃料電池。
【請求項70】
前記燃料がアルコールまたはエーテルである請求項68に記載の燃料電池。
【請求項71】
前記燃料がメタノールである請求項70に記載の燃料電池。
【請求項72】
前記燃料が水素である請求項68に記載の燃料電池。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2007−536391(P2007−536391A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511335(P2007−511335)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/020701
【国際公開番号】WO2005/113621
【国際公開日】平成17年12月1日(2005.12.1)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】