説明

ベーン式ポンプおよびそれを用いたエバポリークチェックシステム

【課題】安定したポンプ性能を維持可能なベーン式ポンプを提供する。
【解決手段】ハウジング10は、筒部13、筒部13の一方の端部を塞ぐ第1板部11、および、筒部13の他方の端部を塞ぐ第2板部12を有する。ハウジング10は、筒部13と第1板部11と第2板部12との間にポンプ室101を形成する。ロータ40は、ポンプ室101に回転可能に収容される。ロータ40は、中心部を軸方向に貫く中心孔43、および、ハウジング10の内壁に対し摺動可能な複数のベーン41を有する。モータ30は、中心孔43に嵌合するシャフト33を有し、シャフト33を回転させることでロータ40を回転させる。ハウジング10には、ポンプ室101を軸方向に二等分する仮想平面α上に吸入口15が形成される。また、この仮想平面αに対して対称となる位置に排出口16と排出口17とが形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベーン式ポンプに関し、特にエバポリークチェックシステム等に好適に用いられるベーン式ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ベーン付きロータをモータにより回転駆動することで、流体を加圧し吐出するベーン式ポンプが知られている。例えば特許文献1に開示されるような燃料タンクからの燃料蒸気の漏れを検査するエバポリークチェックシステムにおいて、ベーン式ポンプは燃料タンクの内部を減圧または加圧するのに用いられる。
【0003】
このベーン式ポンプでは、ポンプ室に略円柱状のロータが設けられている。また、ポンプ室とオリフィスとキャニスタとを接続する吸入口、および、ポンプ室と大気とを接続する排出口は、ポンプ室の軸方向の片側端部に開口するよう形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−138602
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の従来のベーン式ポンプによると、ポンプ室の軸方向の両端部に圧力差が生じ、ロータの姿勢を変化させる軸方向の圧力勾配が生じる。この圧力勾配によってロータの回転が安定せず、ベーン式ポンプのポンプ性能が不安定になるおそれがある。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、安定したポンプ性能を維持可能なベーン式ポンプを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、安定した検査機能を維持可能なエバポリークチェックシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明によると、ベーン式ポンプは、ハウジング、ロータ、およびモータを備える。ハウジングは、筒部、筒部の一方の端部を塞ぐ第1板部、および、筒部の他方の端部を塞ぐ第2板部を有する。ハウジングは、筒部と第1板部と第2板部との間にポンプ室を形成する。ロータは、ポンプ室に回転可能に収容される。ロータは、中心部を軸方向に貫く中心孔、および、ハウジングの内壁に対し摺動可能な複数のベーンを有する。モータは、中心孔に嵌合するシャフトを有し、シャフトを回転させることでロータを回転させる。ハウジングには、ポンプ室を軸方向に二等分する仮想平面に対して対称となる位置に第1吸入口と第2吸入口とが形成される。また、この仮想平面に対して対称となる位置に第1排出口と第2排出口とが形成される。ここで、請求項2に記載の発明によると、第1吸入口と第2吸入口とは、ポンプ室を軸方向に二等分する仮想平面上で重なるよう形成されている。また、請求項3に記載の発明によると、第1排気口と第2排気口とは、仮想平面上で重なるよう形成されている。
このように、第1吸入口と第2吸入口、第1排出と第2排出口、とをポンプ室を二等分する仮想平面に対して互いに対称となるよう形成することにより、ポンプ室の軸方向の両端部に圧力差が生じるのを抑制することができる。よって、ロータの姿勢が変化するのを抑制することができ、安定したポンプ性能を維持することができる。
【0007】
ここで、第1板部、筒部、および、第2板部は、例えば、それぞれ独立した部材であり、積層してハウジングを形成する。これにより、第1板部および第2板部は、両面の平面加工を容易に行うことができる。
【0008】
請求項4に記載の発明によると、第1排出口または第2排出口の少なくともいずれか一方は、筒部の重力方向下側に形成されている。これにより、例えばロータおよびベーンとハウジングの内壁とが摺動することによって発生する磨耗粉をポンプ室の外側に排出することができる。
【0009】
請求項5に記載の発明によると、第1板部および第2板部の少なくともいずれか一方と筒部とは一体に形成される。これにより、部品点数を低減することができ、低コスト化に寄与することができる。
【0010】
請求項6に記載のエバポリークチェックシステムは、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のベーン式ポンプと、燃料タンクの圧力を検出する圧力センサとを備え、燃料タンクからの燃料蒸気の漏れを検出する。また、エバポリークチェックシステムは、ベーン式ポンプの駆動により燃料タンクの内部を減圧または加圧したときの燃料タンクの圧力と基準圧力とを比較することで燃料タンクからの燃料蒸気の漏れを検出する。このシステムの場合、安定したポンプ機能を維持可能なベーン式ポンプを燃料タンク内部の減圧または加圧に用いるため、安定した検査性能を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1実施形態によるベーン式ポンプを示す断面図。
【図2】図1のII−II線断面図。
【図3】本発明の第1実施形態によるベーン式ポンプの特性を示す模式図。
【図4】本発明の比較例によるベーン式ポンプの特性を示す模式図。
【図5】本発明の第1実施形態によるベーン式ポンプを適用したエバポリークチェックシステムを示す模式図。
【図6】本発明の第2実施形態によるベーン式ポンプを示す断面図。
【図7】図6のVII−VII線断面図。
【図8】本発明の第3実施形態によるベーン式ポンプを示す模式図。
【図9】本発明の第4実施形態によるベーン式ポンプを示す模式図。
【図10】本発明の第5実施形態によるベーン式ポンプを示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において、実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態は、燃料タンクからの燃料蒸気の漏れを検査するエバポリークチェックシステムに用いられるベーン式ポンプに適用したものである。本発明の第1実施形態によるベーン式ポンプを図1および図2に示す。ベーン式ポンプ1は、流体を吸入し加圧して吐出する。ベーン式ポンプ1が加圧する流体としては、例えば空気などの気体や水などの液体を適用することができる。
【0013】
ベーン式ポンプ1は、ハウジング10、ロータ40、および、モータ30などを備えている。ハウジング10は、第1板部11、第2板部12、および筒部13を有し、例えば樹脂などの材料により形成されている。筒部13は、略円筒形状に形成され、筒部13の内周壁131は、略円筒面状である。筒部13は、軸方向の一方の端部開口が第1板部11により塞がれている。本実施形態の場合、第1板部11と筒部13とは、一体に形成され、有低筒状に形成されている。筒部13の他方の端部には、径方向外側に延びるつば部14が形成されている。つば部14の第1板部11とは反対側の端面には、平面部141が形成されている。
【0014】
第2板部12の第1板部11側の端面には、平面部121が形成されている。平面部121は、つば部14の平面部141に接合している。これにより、第2板部12は、筒部13の他方の端部開口を覆っている。そのため、筒部13の内周側に、第1板部11と筒部13と第2板部12とに囲まれたポンプ室101が形成されている。つまり、ハウジング10におけるポンプ室101の開口部は、第2板部12によって閉塞されている。
【0015】
ポンプ室101は、ロータ40を回転可能に収容する。これにより、第1板部11と筒部13と第2板部12とロータ40とに囲まれた空間102が形成される(図2参照)。本実施形態では、ロータ40は、筒部13の軸に対し偏心して設置されている。そのため、空間102は、筒部13の周方向へ容積が変化している。
【0016】
空間102は、吸入口15、排出口16、および排出口17に接続している。吸入口15、排出口16、および排出口17は、それぞれ空間102から径方向外側へ延びて形成されている。図1に示すように、吸入口15はポンプ室101を軸方向に二等分する仮想平面α上に形成される。ここで、吸入口15は特許請求の範囲における「第1吸入口と第2吸入口とが仮想平面α上で重なるよう形成される」吸入口に相当する。すなわち、吸入口15は、特許の請求範囲における「第1吸入口」と「第2吸入口」とを含む。
【0017】
排出口16と排出口17とは、仮想平面αに対して対称となる位置に形成される。また、排出口16および排出口17は、それぞれ筒部13の軸方向の両端部に形成される。本実施形態の場合、排出口16は第1板部11と接するよう形成され、排出口17は第2板部12と接するよう形成される。ここで、排出口16および排出口17は、それぞれ、特許の請求範囲における「第1排出口」および「第2排出口」に相当する。
本実施形態の場合、吸入口15、排出口16、および排出口17は、図2に示すように、ポンプ室101の軸線を含む同一の平面上に形成される。
【0018】
ロータ40は、例えば樹脂などの材料により略円柱状に形成され、中心部に凹部42および中心孔43を有している。凹部42は、ロータ40の第1板部11側の端面から軸方向の途中まで窪ませることによりロータ40の肉盗みとして形成されている。中心孔43は、ロータ40を板厚方向に貫き、ロータ40の第2板部12側と凹部42とを連通している。中心孔43は、第2板部12側の端部から軸方向の途中まで徐々に径が縮小するテーパ状に形成されたテーパ孔44を有している。また、中心孔43は、軸方向の途中から凹部42に通じる箇所まで断面が非円形状に形成された非円形孔45を有している。
【0019】
中心孔43には、モータ30のシャフト33が挿入されている。シャフト33は、ロータ40の中心孔43へ挿入されるとき、テーパ孔44に案内されつつ非円形孔45に嵌まり込む。シャフト33は、軸方向の途中から凹部42側端部まで、断面の形状が非円形孔45の断面の形状と概ね同一に形成されている。ここで、非円形孔45の断面積は、シャフト33の端部の断面積よりも大きい。すなわち、非円形孔45を形成するロータ40の内壁とシャフト33の外壁との間には隙間が形成される。よって、シャフト33は、非円形孔45の形状に対応した状態でロータ40に緩く嵌合する。これにより、シャフト33が回転すると、シャフト33はロータ40に対して空転することなく、ロータ40はシャフト33とともに回転する。
【0020】
ロータ40は、外周壁から径内方向へ凹むベーン収容溝46を有している。ベーン収容溝46は、ロータ40の第2板部12側の端面と第1板部11側の端面とを接続するように軸方向へ延びて形成されている。本実施形態の場合、ベーン収容溝46は、ロータ40の周方向へ等間隔に四つ形成されている。ロータ40のベーン収容溝46には、それぞれベーン41が収容されている。ロータ40と筒部13の内周壁131とは偏心している。そのため、ロータ40の回転にともなってロータ40と筒部13の内周壁131との間の距離は変化する。ロータ40が回転すると、ベーン41は遠心力により径外方向へ内周壁131に接するまで突出する。そして、ロータ40と筒部13の内周壁131との距離が小さくなるにしたがって、ベーン41はベーン収容溝46の径内方向へ押し込まれる。これにより、ベーン41は、ロータ40の回転にともなって径外方向の端部が筒部13の内周壁131と接触しながら回転するとともに、ベーン収容溝46の内部を径方向へ往復移動する。
【0021】
ポンプ室101に収容されるロータ40は、第2板部12および弾性シート50を挟んで設置されているモータ30により回転駆動される。
モータ30には、例えば直流式または交流式の電気モータが適用される。モータ30は、図示しない固定子が収容されているカバー32と、図示しない可動子とともに回転するシャフト33と、第2板部12および弾性シート50を取り付けるための取付部34とを有している。取付部34は、例えば金属などの材料からなり、取付穴342が形成されている。取付穴342の内壁にはめねじ溝が形成されている。
【0022】
筒部13のつば部14には、取付部34の取付穴342に対応する位置に通穴142が形成されている。本実施形態の場合、図2に示すように、つば部14には三つの通穴142が形成されている。
【0023】
図1に示すように、第2板部12は、つば部14の通穴142に対応する位置に、モータ30側へ突出する突出部18を有している。突出部18のほぼ中心には、第2板部12を板厚方向に貫く通穴122が形成されている。通穴122は、通穴142に対応した位置に形成されている。
【0024】
第2板部12とモータ30の取付部34との間には、弾性シート50が設けられている。弾性シート50は、例えばゴムなどのように弾性を有し且つ減衰係数の大きい材料から板状に形成されている。
弾性シート50には、第2板部12の突出部18に対応する位置に通穴52が形成されている。通穴52の内径は、突出部18の外径とほぼ同一もしくはやや大きく設定されている。
【0025】
図1に示すように、ねじ60は、柱部62、および、柱部62の一方の端部に設けられる頭部61を有している。柱部62には、他方の端部から軸方向の途中までおねじ溝が形成されている。
ねじ60は、つば部14の通穴142、第2板部12の通穴122、弾性シート50の通穴52、および、取付穴342を通り、取付部34に螺着している。これにより、つば部14、第2板部12および弾性シート50は、ねじ60の頭部61と取付部34との間に挟み込まれることによって取付部34に締付結合される。このとき、ねじ60の頭部61と取付部34との間には軸力が働く。そのため、弾性シート50は、第2板部12と取付部34とに押され、軸方向に圧縮される。これにより、弾性シート50に反力が生じ、第2板部12は弾性シート50からつば部14方向への面圧を受ける。その結果、第2板部12の平面部121は、つば部14の平面部141と密着する。したがって、ポンプ室101は気密または液密に保たれる。
【0026】
本実施形態では、ハウジング10の筒部13の軸方向と重力方向とが一致するよう、ベーン式ポンプ1が設置されている。よって、筒部13の軸方向の両端のうち一端は重力方向の下側に位置する。本実施形態の場合、第2板部12と接する排出口17は重力方向下側に位置し、第1板部11と接する排出口16は重力方向上側に位置する。
【0027】
次に、上記の構成のベーン式ポンプ10の作動、作用、及び効果を図3に基づいて説明する。
モータ30の回転にともなってシャフト33に接続しているロータ40は回転する。ロータ40の回転にともなって、ベーン41は筒部13の内周壁131と接触しながらロータ40とともに回転する。空間102の容積は、吸入口15側から排出口16および排出口17側にかけて回転方向へ縮小している。そのため、ベーン41がロータ40とともに回転することにより、空間102の流体は吸入口15側から排出口16および排出口17側へかけて加圧されながら空間102を流れる。これにより、吸入口15から吸入された流体は、ロータ40とともに回転するベーン41によって空間102の内部で加圧され、排出口16および排出口17からベーン式ポンプ10の外部へ吐出される。ロータ40の回転により、流体は連続して加圧される。
【0028】
ここで、図3(A)に示すように、負圧の流体は、吸入口15から吸入され、排出口16および排出口17から大気に排出される。本実施形態の場合、吸入口15(「第1吸入口」および「第2吸入口」)はポンプ室101を軸方向に二等分する仮想平面α上に形成され、排出口16(「第1排出口」)と排出口17(「第2排出口」)とは仮想平面αに対して対称となる位置に形成される。
【0029】
図3(B)に示すように、ポンプ室101の左上領域の圧力をPaとし、ポンプ室101の左下領域の圧力をPbとし、ポンプ室101の右上領域の圧力をPcとし、ポンプ室101の右下領域の圧力をPdとすると、ポンプ室101の各領域の圧力関係は、Pa=Pb、かつPc=Pdとなる。このように、ポンプ室101の軸方向の両端部に圧力差が生じるのを抑制することができる。よって、ロータ40の姿勢が変化するのを抑制することができ、安定したポンプ性能を維持することができる。
【0030】
また、本実施形態の場合、ベーン式ポンプ1はハウジング10の筒部13の軸方向と重力方向とが一致するよう設置され、排出口16は第1板部11に接するよう形成され、排出口17は第2板部12に接するよう形成される。また、排出口17は筒部13の重力方向下側に位置する。このため、ロータ40と第1板部11および第2板部12とが摺動することによって発生する磨耗粉、および、ベーン41と筒部13とが摺動することによって発生する磨耗粉をポンプ室の外側に容易に排出することができる。
また、本実施形態では、第1板部11と筒部13とは一体形成されているため、部品点数を低減することができ、低コスト化に寄与することができる。
【0031】
次に、比較例について説明することにより、本実施形態による上述の効果を明らかなものとする。
比較例とは、図4(A)に示すように、吸入口95および排出口96をポンプ室91の軸方向片側に設ける構成のベーン式ポンプである。つまり、この比較例は、「背景技術」の欄に示した従来のベーン式ポンプの構成と類似している。
【0032】
この比較例の場合、ロータ94が回転すると、負圧の流体は吸入口95から吸入され、排出口96から大気に排出される。ここで、ポンプ室91の軸方向において、排出口96との距離が遠い領域より排出口96との距離が近い領域の流体の圧力が高くなり、吸入口95との距離が近い領域より吸入口95との距離が遠い領域の流体の圧力が高くなる。
【0033】
すなわち、図4(B)に示すように、ポンプ室91の左上領域の圧力をPeとし、ポンプ室91の左下領域の圧力をPfとし、ポンプ室91の右上領域の圧力をPgとし、ポンプ室91の右下領域の圧力をPhとすると、ポンプ室91の各領域の圧力の関係は、Pf>Pe、かつPg>Phとなる。これにより、ポンプ室91の軸方向の両端部に圧力差が生じる。よって、ロータ94は、シャフト93の軸に対して傾き、姿勢が変化するおそれがある。
【0034】
本実施形態では比較例と異なり、吸入口15はポンプ室101を軸方向に二等分する仮想平面α上で形成される。このため、吸入口15から吸入された流体は、仮想平面αの軸方向両側に対称となるよう流れる。よって、ポンプ室101の吸入口15側の軸方向の両端部の圧力はPc=Pdとなる。また、排出口16と排出口17とは仮想平面αに対して対称となる位置に形成される。このため、流体は仮想平面αの軸方向両側に対称となるよう、排出口16および排出口17から大気へ排出される。よって、ポンプ室101の排出口16および排出口17側の軸方向の両端部の圧力はPa=Pbとなる。このように、本実施形態では、ポンプ室101の軸方向の両端部の圧力差が生じるのを抑えることができる。このため、ロータ94の姿勢が変化するのを抑制することができる。
【0035】
次に、本実施形態のベーン式ポンプ10を適用したエバポリークチェックシステム(以下、単に「チェックシステム」という。)100について、図5に基づいて説明する。このチェックシステム100では、ベーン式ポンプ10を、燃料タンク120内部を減圧するのに用いる。
【0036】
チェックシステム100は、検査モジュール110、燃料タンク120、キャニスタ130、吸気装置600およびECU700から構成されている。検査モジュール110は、ベーン式ポンプ10、モータ30、切換弁180および圧力センサ400を備えている。切換弁180とキャニスタ130とは、キャニスタ通路140により接続している。大気通路150は、検査モジュール110とは反対側の端部が開放端152として大気に開放されている。キャニスタ通路140と大気通路150とは接続通路160により接続している。接続通路160とベーン式ポンプ10の吸入口15とはポンプ通路162により接続している。ベーン式ポンプ10の排出口16および排出口17と大気通路150とは排出通路163により接続している。ポンプ通路162からは圧力導入通路164が分岐し、圧力導入通路164はポンプ通路162とセンサ室170とを接続している。センサ室170には、圧力センサ400が設置されている。これにより、センサ室170は、圧力導入通路164およびポンプ通路162と概ね同一の圧力となる。
【0037】
キャニスタ通路140からはオリフィス通路510が分岐している。オリフィス通路510は、キャニスタ通路140とポンプ通路162とを接続している。オリフィス通路510にはオリフィス520が設置されている。オリフィス520は、燃料タンク120からの燃料蒸気を含む空気漏れが許容される開口の大きさに対応している。
【0038】
切換弁180は、弁本体181および駆動部182を有している。駆動部182は弁本体181を駆動する。駆動部182は、コイル183を有しており、コイル183はECU700に接続している。ECU700は、コイル183への通電を断続する。コイル183に通電されていないとき、接続通路160とポンプ通路162との間は遮断されるとともに、キャニスタ通路140と大気通路150とは接続通路160を経由して連通する。一方、コイル183に通電されているとき、キャニスタ通路140とポンプ通路162は連通し、キャニスタ通路140と大気通路150との間は遮断される。なお、オリフィス通路510とポンプ通路162とはコイル183への通電または非通電に関わらず常に連通している。
【0039】
キャニスタ130は例えば活性炭などの吸着剤135を有している。キャニスタ130は、検査モジュール110と燃料タンク120との間に設置され、燃料タンク120で発生した燃料蒸気を吸着する。キャニスタ130は、キャニスタ通路140により検査モジュール110と接続し、タンク通路132により燃料タンク120に接続している。また、キャニスタ130には、吸気装置600の吸気管610へ連通するパージ通路133が接続している。吸気管610の中にはスロットル620が設けられる。燃料タンク120で発生した燃料蒸気は、タンク通路132を通過すると吸着剤135に吸着される。キャニスタ130と吸気装置600の吸気管610とを接続するパージ通路133には、パージバルブ134が設置されている。パージバルブ134は、ECU700からの指令によりパージ通路133を開閉する。
【0040】
圧力センサ400は、センサ室170の圧力を検出し、ECU700に圧力に応じた信号を出力する。ECU700は、図示しないCPU、ROMおよびRAMなどを有するマイクロコンピュータから構成される。ECU700には、圧力センサ400をはじめとして種々のセンサから出力された信号が入力される。ECU700は、これら入力された種々の信号からROMに記録されている所定の制御プログラムにしたがって各部を制御する。
【0041】
エンジンの運転中およびエンジンの運転の停止後の所定期間は、コイル183に通電されず、キャニスタ通路140と大気通路150とは接続通路160を介して連通している。したがって、燃料タンク120で発生した燃料蒸気を含む空気は、キャニスタ130を通過することにより燃料蒸気が除去された後、大気通路150の開放端152から大気へ放出される。
【0042】
車両に搭載されたエンジンの運転が停止されてから所定の期間が経過すると、燃料タンク120からの燃料蒸気を含む空気漏れの検査が開始される。検査では、車両が駐車されている高度による誤差を補正するため、大気圧の検出が行われる。大気圧の検出は、センサ室170に設置されている圧力センサ400によって実施される。コイル183に通電していないとき、オリフィス通路510を経由して大気通路150とポンプ通路162とは連通している。そのため、圧力導入通路164を経由してポンプ通路162と連通しているセンサ室170の圧力は大気圧と概ね同一である。したがって、大気圧はセンサ室170の圧力センサ400によって検出される。
【0043】
大気圧の検出が完了すると、検出された圧力から車両が駐車されている場所の高度を算定する。ECU700は、算定された高度に基づいて、各種のパラメータを補正する。これらが完了すると、ECU700は切換弁180のコイル183へ通電する。コイル183へ通電すると、切換弁180は図5の右方へ移動する。これにより、切換弁180は、大気通路150とキャニスタ通路140との間を遮断するとともに、キャニスタ通路140とポンプ通路162とを連通する。そのため、ポンプ通路162に接続しているセンサ室170はキャニスタ130を経由して燃料タンク120と連通する。燃料タンク120の内部で燃料蒸気が発生している場合、燃料タンク120の内部の圧力は車両の周囲すなわち大気圧と比較して高くなっている。
【0044】
燃料タンク120における燃料蒸気の発生にともなう圧力上昇が検出されると、ECU700は切換弁180のコイル183への通電を停止する。コイル183への通電が停止されると、ポンプ通路162はオリフィス通路520を経由してキャニスタ通路140および大気通路150と連通する。また、キャニスタ通路140と大気通路150とは接続通路160を経由して連通する。
【0045】
ここで、モータ30に通電すると、ベーン式ポンプ10が駆動され、ポンプ通路162は減圧される。そのため、大気通路150から流入した空気は、オリフィス通路510を経由してポンプ通路162へ流入する。ポンプ通路162へ流入する空気の流れはオリフィス通路510のオリフィス520によって絞られるため、ポンプ通路162の圧力は低下する。ポンプ通路162の圧力は、オリフィス520の開口面積に対応する所定の圧力まで低下した後、一定となる。このとき、検出されたポンプ通路162の圧力は基準圧力として記録される。基準圧力の検出が完了すると、モータ30への通電は停止される。
【0046】
基準圧力が検出されると、再び切換弁180のコイル183に通電される。これにより、大気通路150とキャニスタ通路140との間は遮断されるとともに、キャニスタ通路140とポンプ通路162とは連通する。そのため、燃料タンク120はポンプ通路162と連通し、ポンプ通路162の圧力は燃料タンク120と同一になる。そして、モータ30に通電すると、ベーン式ポンプ10が作動する。ベーン式ポンプ10の作動により、燃料タンク120の内部は減圧される。このとき、ポンプ通路162は燃料タンク120に連通している。そのため、ポンプ通路162に連通するセンサ室170の圧力センサ400が検出する圧力は燃料タンク120の内部の圧力とほぼ同一である。
【0047】
ベーン式ポンプ10の作動の継続によって、センサ室170すなわち燃料タンク120の内部の圧力が先に検出した基準圧力よりも低下した場合、燃料タンク120からの燃料蒸気を含む空気の漏れは許容以下と判断される。すなわち、燃料タンク120の内部の圧力が基準圧力よりも低下する場合、燃料タンク120の外部から内部へ空気の侵入がないか、または侵入する空気がオリフィス520の流量以下である。そのため、燃料タンク120の気密は十分に確保されていると判断される。
【0048】
一方、燃料タンク120の内部の圧力が基準圧力まで低下しない場合、燃料タンク120からの燃料蒸気を含む空気漏れは許容を超過していると判断される。すなわち、燃料タンク120の内部の圧力が基準圧力まで低下しない場合、燃料タンク120の内部の減圧にともなって燃料タンク120には外部から空気が侵入していると考えられる。そのため、燃料タンク120の気密は十分に確保されていないと判断される。
【0049】
燃料蒸気を含む空気漏れの検査が完了すると、モータ30および切換弁180への通電は停止される。ECU700は、ポンプ通路162の圧力が大気圧に回復したことを検出した後、圧力センサ400の作動を停止させ、チェック工程を終了する。
上述のように、本実施形態によるベーン式ポンプ10は、安定したポンプ性能を維持可能である。そのため、チェックシステム100に本実施形態のベーン式ポンプ10を適用した場合、安定したポンプ性能を維持可能なベーン式ポンプ10を燃料タンク120内部の減圧に用いることができる。したがって、チェックシステム100において、安定した検査性能を維持することができる。
【0050】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態によるベーン式ポンプを図6および図7に示す。第2実施形態では、ハウジングの構成が第1実施形態と異なる。ここでは、第1実施形態と異なる部分のみを説明し、第1実施形態と同様の構成についての説明を割愛する。また、同様の構成部分については同一の符号を付す。
【0051】
第2実施形態によるベーン式ポンプ2は、ハウジング20、ロータ40、および、モータ30などを備えている。ハウジング20は、第1板部21、第2板部12、および筒部23を有する。筒部23は、略円筒形状に形成され、筒部23の内周壁231は、略円筒面状である。筒部23の軸方向の両端開口は、第1板部21および第2板部12により塞がれている。本実施形態の場合、第1板部21、第2板部12、および、筒部23は、それぞれ独立して部材であり、積層することによってハウジング20を形成する。
【0052】
図5に示すように、第1板部21に対して筒部23の反対側には鉄板37が設けられる。
本実施形態の場合、鉄板37には通穴372が設けられ、第1板部21には通穴212が設けられ、筒部23には軸方向に通穴232が設けられる。ここで、通穴372、通穴212、および、通穴232は、第2板部12の通穴122に対応した位置に設けられる。ねじ60は、鉄板37の通穴372、第1板部21の通穴212、筒部23の通穴232、第2板部12の通穴122、および、取付穴342を通り、取付部34に螺着している。これにより、鉄板37、第1板部21、筒部23、第2板部12、および、弾性シート50は、ねじ60の頭部61と取付部34との間に挟み込まれることによって取付部34に締付結合される。つまり、ハウジング20は、ねじ60によって鉄板37と取付部34との間に締付固定される。また、弾性シート50の反力により、第2板部12は弾性シート50から筒部23方向への面圧を受ける。その結果、第1板部21と筒部23と第2板部12とに囲まれたポンプ室101は、気密または液密に保たれる。
【0053】
ポンプ室101は、ロータ40を回転可能に収容する。これにより、第1板部21と筒部23と第2板部12とロータ40とに囲まれた空間102が形成される。ロータ40は、筒部23の軸に対し偏心して設置されている。そのため、筒部23とロータ40との間に形成される空間102は、周方向へ容積が変化している。
【0054】
空間102は、吸入口25、排出口26、および排出口27を介してハウジング20の外部と接続する。吸入口25、排出口26、および排出口27は、それぞれ空間102から径方向外側へ延びて形成されている。図6に示すように、吸入口25はポンプ室101を軸方向に二等分する仮想平面α上に形成される。ここで、吸入口25は特許請求の範囲における「第1吸入口と第2吸入口とが仮想平面α上で重なるよう形成される」吸入口に相当する。すなわち、吸入口25は、「第1吸入口」と「第2吸入口」とを含む。排出口26と排出口27とは、仮想平面αに対して対称となる位置に形成される。また、排出口26および排出口27は、筒部23の軸方向の両端部に形成される。本実施形態の場合、排出口26は第1板部21に接するよう形成され、排出口27は第2板部12に接するよう形成される。ここで、排出口26および排出口27は、それぞれ、特許請求範囲における「第1排出口」および「第2排出口」に相当する。
【0055】
本実施形態では、排出口26と排出口27とが仮想平面αに対して対称となる位置に形成される。このため、ポンプ室101の軸方向の両端部に圧力差が生じるのを抑制することができる。よって、ロータ40の姿勢が変化するのを抑制することができ、安定したポンプ性能を維持することができる。また、排出口26は第1板部21と接するよう形成され、排出口27は第2板部12と接するよう形成される。このため、ロータ40と第1板部21および第2板部22とが摺動することによって発生する磨耗粉、および、ベーン41と筒部23とが摺動することによって発生する磨耗粉をポンプ室の外側に容易に排出することができる。
【0056】
また、本実施形態では、第1板部21および第2板部12は、それぞれ独立している部材である。このため、第1板部21および第2板部12をそれぞれ単独加工することができる。よって、第1板部21および第2板部12の表面または裏面の平面加工を容易に行うことができる。
【0057】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態によるベーン式ポンプを図8に示す。第3実施形態では、排出口が第1実施形態と異なる。ここでは、第1実施形態と異なる部分のみを説明し、第1実施形態と同様の構成についての説明を割愛する。また、同様の構成部分については同一の符号を付す。
【0058】
本実施形態によるベーン式ポンプ3の場合、図8に示すように、排出口36は仮想平面αの上に形成される。ここで、排出口36は特許請求の範囲における「第1排出口と第2排出口とが仮想平面α上で重なるよう形成される」排出口に相当する。すなわち、排出口36は特許の請求範囲における「第1排出口」と「第2排出口」とを含む。吸入口15および排出口36が仮想平面αの上に形成されるため、ポンプ室101の軸方向の両端部に圧力差が生じるのを抑制することができる。よって、ロータ40の姿勢が変化するのを抑制することができ、安定したポンプ性能を維持することができる。
【0059】
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態によるベーン式ポンプを図9に示す。第4実施形態では、吸入口が第1実施形態と異なる。ここでは、第1実施形態と異なる部分のみを説明し、第1実施形態と同様の構成についての説明を割愛する。また、同様の構成部分については同一の符号を付す。
【0060】
本実施形態によるベーン式ポンプ4の場合、図9に示すように、吸入口47と吸入口48とは仮想平面αに対して対称となる位置に形成される。言い換えると、吸入口47および吸入口48は、仮想平面から等距離離れている位置に形成される。ここで、吸入口47および吸入口48は、それぞれ、特許請求範囲における「第1吸入口」および「第2吸入口」に相当する。
これにより、ポンプ室101の軸方向の両端部に圧力差が生じるのを抑制することができるため、ロータ40の姿勢が変化するのを抑制することができ、安定したポンプ性能を維持することができる。
【0061】
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態によるベーン式ポンプを図10に示す。第5実施形態では、吸入口および排出口が第1実施形態と異なる。ここでは、第1実施形態と異なる部分のみを説明し、第1実施形態と同様の構成についての説明を割愛する。また、同様の構成部分については同一の符号を付す。
【0062】
本実施形態によるベーン式ポンプ5の場合、図10に示すように、吸入口47と吸入口48とは仮想平面αに対して対称となる位置に形成される。また、排出口36は仮想平面αの上に形成される。ここで、排出口36は、特許の請求範囲における「第1排出口」と「第2排出口」とを含む。また、吸入口47および吸入口48は、それぞれ、特許請求範囲における「第1吸入口」および「第2吸入口」に相当する。
これにより、ポンプ室101の軸方向の両端部に圧力差が生じるのを抑制することができる。ため、ロータ40の姿勢が変化するのを抑制することができ、安定したポンプ性能を維持することができる。
【0063】
(他の実施形態)
本発明の他の実施形態では、第1吸入口と第2吸入口とはポンプ室を軸方向に二等分する仮想平面に対して対称となる位置に形成されているのであれば、どのような間隔で形成されてもよい。同様に、第1排出口と第2排出口との間隔もどのように設定されても良い。
【0064】
上述の実施形態では、ハウジングの筒部の軸と重力方向とが一致するようにして、ベーン式ポンプが設置される例を例示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、ベーン式ポンプは如何なる向きで設置されても良い。
【0065】
上述の実施形態では、燃料タンクの内部を減圧して燃料蒸気の漏れを検査するチェックシステムに本発明を適用した例について説明した。これに対し、燃料タンクの内部を加圧して燃料蒸気の漏れを検査するチェックシステム、あるいは流体の減圧または加圧を実施する公知の各種の装置に本発明を適用することができる。
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
【符号の説明】
【0066】
1、2 ・・・ベーン式ポンプ、
10、20・・・ハウジング、
11、21・・・第1板部、
12 ・・・第2板部、
13、23・・・筒部、
14 ・・・つば部、
15、25・・・吸入口(第1吸入口および第2吸入口)、
16、26・・・排出口(第1排出口)、
17、27・・・排出口(第2排出口)、
18 ・・・突出部、
30 ・・・モータ、
32 ・・・カバー、
33 ・・・シャフト、
34 ・・・取付部、
36 ・・・排出口(第1排出口および第2排出口)、
37 ・・・鉄板、
40 ・・・ロータ、
41 ・・・ベーン、
42 ・・・凹部、
43 ・・・中心孔、
44 ・・・テーパ孔、
45 ・・・非円形孔、
46 ・・・ベーン収容溝、
47 ・・・吸入口(第1吸入口)、
48 ・・・吸入口(第2吸入口)、
50 ・・・弾性シート、
52 ・・・通穴、
61 ・・・頭部、
62 ・・・柱部、
100 ・・・エバポリークチェックシステム(チェックシステム)、
101 ・・・ポンプ室、
102 ・・・空間、
α ・・・仮想平面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒部、当該筒部の一方の端部を塞ぐ第1板部、および、前記筒部の他方の端部を塞ぐ第2板部を有し、前記筒部と前記第1板部と前記第2板部との間にポンプ室を形成するハウジングと、
前記ポンプ室に回転可能に収容され、中心部を軸方向に貫く中心孔、および、前記ハウジングの内壁に対し摺動可能な複数のベーンを有する略円柱状のロータと、
前記中心孔に嵌合するシャフトを有し、当該シャフトを回転させることで前記ロータを回転させるモータとを備え、
前記ハウジングには、前記ポンプ室を軸方向に二等分する仮想平面に対して対称となる位置に第1吸入口と第2吸入口とが形成され、前記仮想平面に対して対称となる位置に第1排出口と第2排出口とが形成されることを特徴とするベーン式ポンプ。
【請求項2】
前記第1吸入口と前記第2吸入口とは、前記仮想平面上で重なるよう形成されることを特徴とする請求項1に記載のベーン式ポンプ。
【請求項3】
前記第1排出口と前記第2排出口とは、前記仮想平面上で重なるよう形成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のベーン式ポンプ。
【請求項4】
前記第1排出口または前記第2排出口の少なくともいずれか一方は、前記筒部の重力方向下側に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のベーン式ポンプ。
【請求項5】
前記第1板部および前記第2板部の少なくともいずれか一方と前記筒部とは一体に形成されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のベーン式ポンプ。
【請求項6】
燃料タンクからの燃料蒸気の漏れを検出するエバポリークチェックシステムであって、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の前記ベーン式ポンプと、
前記燃料タンクの圧力を検出する圧力センサとを備え、
前記ベーン式ポンプの駆動により前記燃料タンクの内部を減圧または加圧したときの前記燃料タンクの圧力と基準圧力とを比較することで前記燃料タンクからの燃料蒸気の漏れを検出することを特徴とするエバポリークチェックシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−2207(P2012−2207A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140398(P2010−140398)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】