説明

ペースト塗布装置及びペースト塗布方法

【課題】 ペーストを基板上に必要な塗布量で塗布し、塗布品質を向上させることのできるペースト塗布装置及びペースト塗布方法を提供すること。
【解決手段】 ポンプ34を駆動して容器40内のペーストをノズルから吐出させて基板31上に塗布するペースト塗布装置10において、容器40内に加圧気体を供給する正圧源53と、ポンプ34を駆動している時に、容器40内に加圧気体を供給し、ポンプ34の駆動を停止している時には加圧気体の供給を停止する制御装置56と、を備えたもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器内に収容されたペーストをノズルから吐出させて基板上に塗布するペースト塗布装置及びペースト塗布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
公知技術文献1には、シリンジ内に一定圧力の気体を供給し、シリンジ内のシール剤を気体圧力でノズルから吐出するペースト塗布装置が開示されている。
【特許文献1】特開平11-119232
【0003】
しかしながら、公知技術文献1に開示のものでは、次のような問題点がある。
温度変化等によりシール剤の粘度が変化してシール剤の流れ易さが変わると、ノズルからのシール剤の吐出量が変化してしまう。その結果、液晶表示パネルの製造工程等で、基板上にペーストとしてのシール剤を一定の塗布量で線状に塗布する場合、塗布量が不均一になり、塗布品質の低下につながる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、ペーストを基板上に必要な塗布量で塗布し、塗布品質を向上させることのできるペースト塗布装置及びペースト塗布方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、ケーシング内にモータによって回転される吐出部材を設けたポンプと、ペーストを貯留する容器と、ペーストを吐出するノズルと、を備え、ポンプを駆動して容器内のペーストをノズルから吐出させて基板上に塗布するペースト塗布装置において、容器内に加圧気体を供給する正圧源と、ポンプを駆動している時に、容器内に加圧気体を供給し、ポンプの駆動を停止している時には加圧気体の供給を停止する制御装置と、を備えたものである。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、制御装置は、容器内に加圧気体の供給を停止した後、容器内を減圧又は大気開放するようにしたものである。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1の発明において更に、容器内に負圧を作用させる負圧源を備え、制御装置は、加圧気体の供給を停止した後、負圧源から容器内に負圧を作用させるようにしたものである。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかの発明において更に、ポンプは、モータの回転速度の増減に応じてノズルからのペーストの吐出量を増減するものであり、制御装置は、モータの回転速度の増減に応じて加圧気体の供給圧力を増減するようにしたものである。
【0009】
請求項5の発明は、ケーシング内にモータによって回転される吐出部材を設けたポンプと、ペーストを貯留する容器と、ペーストを吐出するノズルと、を備え、ポンプを駆動して容器内のペーストをノズルから吐出させて基板上に塗布するペースト塗布装置において、容器内に加圧気体を供給する正圧源と、容器内に負圧を作用させる負圧源と、ポンプを駆動している時に、容器内に加圧気体を供給し、ポンプの駆動を停止している時に、容器内への加圧気体の供給を停止し、次いで、ペーストを吐出する方向と逆の方向にポンプを回転している時に、容器内を大気開放する、又は、負圧源により容器内に負圧を作用させる制御装置と、を備えたものである。
【0010】
請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれかの発明において更に、ケーシングがシリンダからなり、吐出部材がスクリューからなるポンプであるものである。
【0011】
請求項7の発明は、ケーシング内にモータによって回転される吐出部材を設けたポンプにより、容器内に貯留されたペーストをノズルから吐出させて基板上に塗布するペースト塗布方法において、ポンプを駆動している時に、容器内に加圧気体を供給し、ポンプの駆動を停止している時には加圧気体の供給を停止するものである。
【0012】
請求項8の発明は、請求項7の発明において更に、加圧気体の供給を停止した後、容器内を減圧又は大気開放するようにしたものである。
【0013】
請求項9の発明は、請求項7の発明において更に、加圧気体の供給を停止した後、容器内に負圧を作用させるようにしたものである。
【0014】
請求項10の発明は、請求項7の発明において更に、モータの回転速度を増減することにより、ノズルからのペーストの吐出量を増減する時に、モータの回転速度の増減に応じて加圧気体の供給圧力を増減するようにしたものである。
【0015】
請求項11の発明は、ケーシング内にモータによって回転される吐出部材を設けたポンプにより、容器内に貯留されたペーストをノズルから吐出させて基板上に塗布するペースト塗布方法において、ポンプを駆動している時に、容器内に加圧気体を供給し、ポンプの駆動を停止している時に加圧気体の供給を停止し、次いで、ペーストを吐出する方向と逆の方向にポンプを駆動している時に、容器内を大気開放する、又は、負圧源により容器内に負圧を作用させるものである。
【0016】
請求項12の発明は、請求項7〜11のいずれかの発明において更に、ケーシングが円筒状のシリンダからなり、吐出部材がスクリューからなるポンプであるものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、ペースト塗布装置は、モータによってポンプの吐出部材を回転させて、容器内のペーストをノズルから吐出するので、ペーストの粘度に関係なくポンプの吐出部材の回転量に応じた量のペーストをノズルから吐出することができる。その結果、ペーストの塗布品質を向上させることができる。
【0018】
また、ポンプを駆動して吐出部材を回転させている時に、正圧源から容器内に加圧気体を供給して、加圧気体によりノズルから吐出する方向にペーストを押圧するので、ポンプでのペーストの吸い込み不足がなくなり、ペーストがポンプ内に確実に供給される。その結果、ペーストをノズルから安定して吐出することができ、単位長さ当りの塗布量がばらついたり、描画されたパターンが断線したりする等の不具合を防止することができる。特に、ペーストの粘度が高い場合や、ポンプの駆動速度が速い場合に有効である。
【0019】
また、ポンプの駆動を停止して吐出部材の回転を停止している時には、加圧気体の供給を停止してペーストに対する押圧力の付与を停止するので、ペーストがノズルから漏れ出すことを防止できる。そして、次回の基板上への塗布の際に、ノズルから漏れ出してノズルの先端に溜まったペーストが基板上の塗布開始位置に付着して、その部分で塗布量が過多になることを防止することができる。これによっても、ペーストの塗布品質を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
図1はペースト塗布装置を示す斜視図、図2は吐出装置とともに容器内の圧力制御用の配管を示すブロック図、図3は描画パターンを示す模式図、図4は描画パターンの塗布位置とポンプのモータ速度との関係を示す模式図、図5は容器内の圧力の切り換えを示すタイミングチャート図、図6はポンプのモータの回転速度に合わせて容器内の圧力を変える場合のタイミングチャート図である。
【0021】
図1に示すペースト塗布装置10は4つの脚12上に矩形平板状のベース11を有する。ベース11の上面に、Xテーブルユニット17、Yテーブルユニット18を介して、矩形板状のテーブル30が設けられる。ここで、X軸方向は、図1中のベース11上面に沿う左右方向を、Y軸方向は、図1中のベース11上面に沿う前後方向である。
【0022】
Xテーブルユニット17は、X軸方向に移動可能なXテーブル13、Xテーブル13を移動させる移動機構14を有して構成される。Xテーブル13上には、Yテーブルユニッロ18が載置される。
【0023】
Yテーブルユニット18は、Y軸方向に移動可能なYテーブル15、Yテーブル15を移動させる移動機構16を有して構成される。Yテーブル15上には、テーブル30が固定される。
【0024】
また、ベース11上には門型のコラム20が固定され、コラム20の水平桁部20Aの前面部に固定された直線ガイド21上に2つの塗布ヘッド22が左右方向に所定の間隔をおいて設けられる。2つの塗布ヘッド22は移動機構23を有し、移動機構23によってX軸方向に移動自在に設けられる。これにより、2つの塗布ヘッド22のX軸方向の間隔を、後述する基板31上に塗布する複数のパターンPのX軸方向における配置間隔に合わせることができるようになっている。
【0025】
移動機構14,16、23は、それぞれ不図示の送りねじとナットと、送りねじを回動する駆動用のサーボモータ24、25、26を備える。
【0026】
テーブル30上には液晶表示パネルの製造に用いられるガラス基板31が保持される。
【0027】
塗布ヘッド22は吐出装置32を有し、吐出装置32はZテーブルユニット37上に設けられる。Zテーブルユニット37は不図示の移動機構を有し、吐出装置32をZ軸方向(図1中の上下方向)に駆動する。
【0028】
尚、移動機構14、16、23としては直線状の固定子とこの固定子上を移動する可動子からなるリニアモータでも良い。
【0029】
吐出装置32は、図2に示す如く、ポンプ34と、内部にペーストとしてのシール剤Lを貯留した容器40と、シール剤Lを吐出するノズル33を有し、ポンプ34は容器40内から供給されたシール剤Lをノズル33から吐出して基板31上に塗布する。
【0030】
モータ24,25は、それぞれXテーブルユニット17とYテーブルユニット18を駆動してテーブル30をX軸方向とY軸方向に移動させ、テーブル30上の基板31をポンプ34のノズル33に対して水平方向に相対移動させる。
【0031】
ペースト塗布装置10は、ノズル33と一体的に設けられた不図示のレーザ変位計等の距離測定器を有する。後述の制御装置56は、この距離測定器による基板31面までの距離の測定値によるフィードバック制御により、ノズル33と基板31面との間のギャップを予め設定されたギャップに保つように制御(ギャップ制御)する。
【0032】
ポンプ34は、図2に示す如く、ケーシングとしての中空円筒状のシリンダ35と、このシリンダ35内に回転自在に設けられた吐出部材としてのスクリュー36と、シリンダ35の上端部に設けられたモータ41とからなる。シリンダ35はZテーブルユニット37上にZ軸方向(上下方向)に取り付けられ、シリンダ35の下端部には、ノズル孔33Aを有するノズル33が一体に形成される。スクリュー36の外周には螺旋状凸条36Aが一体に形成され、隣接する凸条36Aと凸条36Aとの間に螺旋状の溝36Bが区画され、凸条の外周とシリンダ35内周との間には、スクリュー36が回転するために必要な微小な環状隙間が形成される。そして、シリンダ35内にポンプ室39が形成される。モータ41はサーボモータからなり、モータ41の軸に連結部材38を介してスクリュー36が連結され、モータ41を回転させることによってスクリュー36が回転駆動される。
【0033】
また、吐出装置32は円筒状の容器40を有し、容器40の下端部にパイプ状の接続部40Aが一体に形成される。容器40の接続部40Aはシリンダ35上部の吸入孔43に連結され、吸入孔43はスクリュー36の上部外周のポンプ室39に開口する。容器40内に貯留されたシール剤Lの上部は気体室45とされ、気体室45は、図2に示す如く、配管46を介して正圧源53に接続され、後述する如く、正圧源53から容器40内にシール剤Lの加圧手段としての加圧気体が供給される。
【0034】
ポンプ34のモータ41を回転してスクリュー36を回転させると、容器40内のシール剤Lがシリンダ35の吸入孔43からスクリュー36上部のポンプ室39内に供給され、シール剤Lはスクリュー36の螺旋状の溝36Bに沿って押し出され、シリンダ35の下端部のノズル33から吐出される。モータ41の回転量に応じた量のシール剤Lがノズル33から吐出される。
【0035】
例えば、スクリュー36が一回転すると、凸条36Aのピッチ相当分のシール剤Lがノズル33から吐出される。そして、ノズル33からのシール剤Lの単位時間当たりの吐出量は、ポンプ32のモータ41の回転速度(単位時間当たりの回転量)に比例するので、モータ41の回転速度を変えることでノズル33からのシール剤Lの単位時間当たりの吐出量を変えることができる。ポンプ34は、従来技術の如く、圧力気体によってシール剤Lを押し出すのではなく、スクリュー36外周の凸条36Aによって直接機械的に液状のシール剤Lを押し出すので、ポンプ32のモータ41の回転量に比例した吐出量が得られる。
【0036】
ペースト塗布装置10は制御装置56を備える。制御装置56は、Xテーブルユニット17、Yテーブルユニット18を駆動するモータ24、25に付随するエンコーダ等から、ノズル33と基板31とのX軸方向の相対移動速度とY軸方向の相対移動速度、及び、これらのX軸方向とY軸方向の相対移動速度を合成した相対移動速度に応じてポンプ34のモータ41の回転速度を制御して、ポンプ34の吐出量を制御する。
【0037】
次に、上記構成の塗布装置10によって、テーブル30上に保持されたガラス基板31の周縁部にシール剤Lを塗布する動作について、図1、図3、図4を参照して説明する。尚、ここでは、2つの塗布ヘッド22は、同じ塗布パターンPを並行して塗布描画することから、説明を簡単にするために、2つの塗布ヘッド22のうち1つの塗布ヘッド22による塗布動作についてのみ説明する。
【0038】
塗布装置10は矩形のガラス基板31の周縁部に沿ってシール剤Lを、図3中、時計回り方向に線状に塗布して、矩形状のパターンPを塗布描画する。
【0039】
制御装置56は、Xテーブルユニット17のモータ24とYテーブルユニット18のモータ25を回転させて、基板31をノズル33に対して水平方向に相対移動させるのと同時に、各モータ24、25の回転に合わせてポンプ34のモータ41を回転させて、ノズル33からシール剤Lを吐出させて、基板31上にパターンPを塗布描画する。
【0040】
図4は横軸に描画開始点Oから描画終了点Fに至る過程における基板31上の塗布位置を示し、縦軸にポンプ34のモータ41の回転速度を示す。
【0041】
描画開始点付近POにおいては、Xテーブルユニット17を駆動するモータ24の回転速度を、停止状態から加速するので、テーブル30はモータ24の加速に従って加速する。そこで、制御装置56はモータ24の回転速度に合わせて、ポンプ34のモータ41の回転速度を停止状態Oからモータ24の回転速度に対応する回転速度V1まで加速する。
【0042】
次いで、テーブル30は、Xテーブルユニット17を駆動するモータ24の回転速度に対応する一定の速度で移動するので、制御装置56は、モータ24の回転速度に対応する一定の回転速度V1でポンプ34のモータ41を回転してポンプ34を駆動し、直線部PSを塗布描画する。
【0043】
次いで、円弧状のコーナ部PCを、Xテーブルユニット17を駆動するモータ24とYテーブルユニット18を駆動するモータ25を同時に回転させてテーブル30を移動させる。このときのテーブル30の移動速度は、Xテーブル13とYテーブル15の移動速度を合成した移動速度となる。テーブル30は、コーナ部PCの入口付近で徐々に減速し、コーナ部PCの移動中は、減速した一定の速度V2で移動し、コーナ部PCの出口付近で徐々に加速する。従って、コーナ部PCでは、Xテーブル13とYテーブル15の移動速度を合成した移動速度に応じてポンプ34のモータ41の回転速度を制御して、ポンプ34の吐出量を制御する。
同様に、他の3つの直線部PS及びコーナ部PCを塗布描画する。
【0044】
描画終了点付近PFにおいては、Xテーブルユニット17を駆動するモータ24の回転速度を、回転速度V1から減速するので、制御装置56はモータ24の回転速度に合わせて、ポンプ34のモータ41の回転速度を、モータ24の回転速度に対応する回転速度V1から停止状態まで減速する。
次いで、モータ24の停止に合わせてポンプ34のモータ41を停止させる。
【0045】
以上の如く、描画開始点付近POと描画終了点付近PFでは、ポンプ34のモータ41の回転速度をXテーブルユニット17のモータ24の回転速度に合わせ、コーナ部PCでは、Xテーブルユニット17とYテーブルユニット18の両方のモータ24、25によって移動されるテーブル30の移動速度に合わせて、直線部PSの回転速度V1よりも低い回転速度V2とする。その結果、描画開始点付近PO、描画終了点付近PF、及び、コーナ部PCにおける単位長さ当たりのシール剤Lの塗布量を直線部PSの塗布量と同一とし、これらの部分での塗布パターンPの線幅方向及び厚みの膨らみを防止する。
【0046】
次いで、ノズル33を、描画終了点Fから次のパターンPの描画開始点Oに移動させる。今回のパターンPが基板31上に形成すべき最後のパターンPの場合は、描画終了点Fから描画開始点Oへの移動は不要である。以上でガラス基板31上にシール剤Lを塗布する1サイクルが終了する。
【0047】
次に、ペースト塗布装置10は、ノズル33からシール剤Lを安定して吐出するために、図3に示す如く、容器40内の気体室45に加圧気体を供給するための正圧源53を備え、更に、ポンプ34の停止時にノズル33からのシール剤Lの漏れを防止するために、負圧源54と大気源55とを備える。
【0048】
(A)最初に、描画の途中で容器40内へ供給する加圧気体の設定圧を変えることなく、塗布する場合について説明する。
【0049】
容器40内の気体室45に接続される配管46には、3つの配管50、51、52が接続され、3つの配管50、51、52は正圧源53に接続する正圧源配管50と、負圧源54に接続する負圧源配管51と、大気源55に接続する大気開放配管52からなる。尚ここで、大気源55とは大気圧のことであり、従って、大気開放配管52はその端部が大気に開放されていれば良い。
【0050】
正圧源配管50には、正圧源53側から電空レギュレータR1、電磁弁V1が配置される。負圧源配管51にも、同様に電空レギュレータR2、電磁弁V2が配置される。大気開放配管52には、電磁弁V3が配置される。正圧源53は、例えば、窒素ガスの供給タンク、負圧源54は、例えば、真空ポンプ34からなる。また、これらの電磁弁V1、V2、V3及び電空レギュレータR1、R2はそれぞれ制御装置56に接続される。
【0051】
制御装置56は、電磁弁V1を開閉して正圧源53から容器40内に加圧気体を供給し、又は供給を停止し、更に、ポンプ34の駆動の停止後には、電磁弁V2、V3の開閉を制御して容器40内の圧力を大気圧又は負圧に切り換える。また、制御装置56は、電空レギュレータR1、R2の電圧を制御して、容器40内の気体室45へ供給する加圧気体の設定圧を変える。電空レギュレータR1、R2に与える電圧の最適値は、例えば、実験により求め、求めた電圧値は、制御装置56内の不図示の記憶部に記憶される。制御装置56は、記憶部等に記憶された電圧値を読み出し、電空レギュレータR1、R2に供給する。
【0052】
上記の構成を備えたペースト塗布装置10が、ポンプ34の駆動時に容器40内へ加圧気体を供給する場合の動作と供給を停止する場合の動作について、図2、図3、図5を参照して説明する。
【0053】
ここで、正圧源53からは窒素ガスが常に供給されていて、負圧源54の真空ポンプ34は常に駆動状態とされており、スクリュー36の回転を停止させている待機状態では、3つの電磁弁V1、V2、V3は閉じているものとする。
【0054】
(1)まず、制御装置56は、図5のタイミングチャートに示す如く、正圧源配管50の電磁弁V1を開いて、正圧源53から容器40内へ加圧気体を供給する。容器40内へ供給する加圧気体の圧力値は電空レギュレータR1で設定される。
【0055】
(2)次いで、Xテーブルユニット17のモータ24を回転させて、テーブル30をノズル33に対して水平方向に相対移動を開始させるのと同時に、ポンプ34のモータ41を、ペーストを吐出する方向に回転(正転)させてポンプ34を駆動する。正圧源配管50の電磁弁V1を開いてから所定の時間t1遅れたタイミングで、Xテーブルユニット17のモータ24とポンプ34のモータ41が駆動される。ここで、時間t1は、電磁弁V1が開いてから容器40の気体室45内の圧力が電空レギュレータR1で設定された圧力に到達するに充分な時間である。
【0056】
このように、容器40内に供給された加圧気体が、シール剤Lをノズル33から吐出させる方向に押圧するので、シリンダ35内のポンプ室39の吸入孔43部分での吸い込み不足が生じることが防止できる。
【0057】
尚、ここで、容器40の気体室45内の圧力が電空レギュレータR1で設定された圧力に到達する前においても、気体室45内には大気圧以上の圧力が作用しているので、この圧力によっても容器40内のシール剤Lはポンプ室39へと押圧される。従って、時間t1を設けることなく、電磁弁V1をポンプ34のモータ41の回転を開始すると同時に開いても、ポンプ室39の吸入孔43部分での吸い込み不足を防止することが可能である。
【0058】
(3)次いで、テーブル30をノズル33に対して相対移動させ、ノズル33が基板31上の描画終了点Fに至ると、Xテーブルユニット17のモータ24の回転を停止させて、テーブル30の移動を停止させるとともに、モータ24の回転の停止に合わせて、ポンプ34のモータ41の回転を停止させる。
【0059】
次いで、ポンプ34のモータ41の停止と同時に正圧源配管50の電磁弁V1を閉じて、容器40内への加圧気体の供給を停止する。
【0060】
以上の如く、モータ41によってポンプ34を駆動している時、即ち、図5に示す如く、モータ41を回転(正転)してポンプ34の駆動を開始してから停止する迄の間、容器40の気体室45内に、電空レギュレータR1で設定された加圧気体が供給され、この加圧気体が吸入孔43へ向かって押し出す方向にシール剤Lを押圧する。従って、シール剤Lの粘度が高い場合やスクリュー36が高速で回転する場合でも、ポンプ室39内にシール剤Lが安定して供給される。その結果、スクリュー36の回転時におけるポンプ室39の吸入孔43部分での吸い込み不足が防止できる。
【0061】
しかしながら、正圧源配管50の電磁弁V1を閉じて加圧気体の供給を停止しただけでは、容器40の気体室45内には加圧気体を供給した時の正圧が閉じ込められている。この閉じ込められた正圧はシール剤Lをノズル33から押し出す力として作用する。容器40とノズル33との間は、スクリュー36の溝36Bを介して常に連通した状態にあるので、ポンプ34のモータ41の回転停止中、気体室45内に加圧気体の圧力が作用していると、シール剤Lが押し出されてノズル33から少なからず漏れ出すことが考えられる。そこで、電磁弁V1を閉じるとともに、大気開放配管52の電磁弁V3を開いて容器40の気体室45内を大気に開放する。電磁弁V3は時間t2経過した時点で閉じる。ここで、時間t2は、電磁弁V3を開いてから気体室45内が大気圧に到達するに充分な時間である。このように、気体室45内を大気に開放することにより、ポンプ室39内のシール剤Lをノズル33から押し出す力を減らすので、気体室45内に加圧気体が残存することに起因するノズル33からのシール剤Lの漏れ出しが防止できる。
【0062】
尚、このとき、ノズル33からのシール剤Lの漏れ出しが防止できれば良いので、気体室45内の圧力は必ずしも大気圧まで下げる必要はない。
【0063】
(4)また、容器40の気体室45内を大気開放して大気圧としても、容器40内のシール剤Lの残量が多いような場合には、シール剤Lが自重でノズル33から漏れ出すおそれがある。そこで、図5に示す如く、大気開放配管52の電磁弁V3を閉じるとともに、負圧源配管51の電磁弁V2を開き、負圧源54から容器40の気体室45内に負圧を作用させる。シリンダ35内に作用させる負圧の大きさは電空レギュレータR2で設定される。電磁弁V2を開いてから時間t3後には容器40の気体室45内に所定の負圧が作用させる。このように、容器40の気体室45内を負圧とすることにより、ノズル33からシール剤Lを吸引する方向の力を作用させて、ノズル33からシール剤Lが漏れ出すのを確実に防止する。
【0064】
このとき、容器40内のシール剤Lの重さは、シール剤Lの残量の減少とともに軽くなるので、シール剤Lの残量が減少するにつれてシール剤Lがノズル33から漏れ出しにくくなる。一方、容器40の気体室45内の容積は増大するので、気体室45内の圧力が電空レギュレータR2で設定された圧力に到達するまでの時間が長くなる。そのため、容器40内のシール剤Lの残量の減少に合わせて、負圧の大きさが小さくなるように、そして、時間t3を長くするように制御しても良い。
【0065】
また、パターンPの描画終了点Fでは、描画終了点Fからノズル33を上昇させる際にシール剤Lが糸を引いたりするのを防止する為に、ポンプ34のモータ41の回転(正転)を停止させた後、シール剤Lの吐出方向とは逆方向にポンプ34のモータ41を回転(逆転)させて、余分なシール剤Lをノズル33から吸引することがある。また、描画終了点付近PFにおいてシール剤Lの塗布量を制御して所望の終点形状にする場合にも、加圧気体の供給を停止した後モータ41を逆転させる場合がある。このような場合に、気体室45内に加圧気体が残っていたりすると、加圧気体の圧力がシール剤Lをノズル33から押し出す方向に作用する為に、安定してノズル33からシール剤Lを吸引することができないおそれがある。
【0066】
そこで、ポンプ34のモータ41を逆転させてノズル33からシール剤Lを吸引する場合にも、上述の(3)の如く、正圧源配管50の電磁弁V1を閉じた後、大気開放配管52の電磁弁V3を開いて、容器40内に供給していた加圧気体を大気開放して、シール剤Lを押し出す力を無くするか、又は、(4)の如く、大気開放配管52の電磁弁V3を閉じた後、負圧源配管51の電磁弁V2を開き、容器40内に負圧を作用させてシリンダ35内にシール剤Lを吸引し易くすることもできる。
【0067】
(5)次に、何時までも負圧源配管51の電磁弁V2を開いておくと、シール剤Lがノズル33の中へ引き込まれてしまうことがあるので、適当な時間t3後に電磁弁V2を閉じる。尚、ここで、時間t3は、電磁弁V2を開いてから容器40の気体室45内の圧力が電空レギュレータR2で設定された所定の負圧に到達するに充分な時間である。
尚、上述の時間t1、t2、t3は、それぞれ実験によって決めることができる。
【0068】
また、時間t1、t2、t3は、シリンダ35内の圧力を検出するセンサを設けておき、シリンダ35内の圧力が、設定した圧力や大気圧になったタイミングで切り換えることもできる。
【0069】
(B)次に、パターンPの描画途中で、正圧源53から容器40内へ供給する加圧気体の設定圧を変える場合について、説明する。
【0070】
ペースト塗布装置10は、図4に示す如く、パターンPの描画途中のコーナ部PCで、ポンプ34のモータ41の回転速度をV1からV2(又はV2からV1)に変える。この場合、制御装置56は、ポンプ34のモータ41の回転速度の増減に応じて正圧源53から容器40内への加圧気体の供給圧力を増減する。そのために、ペースト塗布装置10は、制御装置56の記憶部に、ポンプ34のモータ41の回転速度とこの回転速度に適した加圧気体の圧力との関係を示す相関データを記憶している。相関データは、予め、実験等により求められる。制御装置56は、ポンプ34のモータ41の回転速度を変えるとき、記憶部の相関データに基づいて、電空レギュレータR1を制御して容器40の気体室45内へ供給する加圧気体の供給圧力を増減する。
【0071】
上記の構成を備えたペースト塗布装置10が、ポンプ34のモータ41の回転速度の増減に応じて正圧源53から供給する加圧気体の供給圧力を増減する場合の動作について、図6を参照して、説明する。
【0072】
以下に述べる動作(6)〜(9)は上述の(A)における動作(2)と(3)の間に入るものである。図4に示すように、ポンプ34のモータ41の回転速度V1を一旦V2に減速し、再び元の回転速度V1に戻す例で説明する。
【0073】
(6)制御装置56は、Xテーブルユニット17、Yテーブルユニット18を駆動するモータ24、25に付随するエンコーダの出力信号からノズル33と基板31との相対位置情報を検出しており、ノズル33が基板31上において描画するパターンPのコーナ部PCに到達したタイミングTm1で、モータ24、25の回転を制御してテーブル30を減速させる。そして、この減速に合わせてポンプ34のモータ41の回転速度を下げる。
【0074】
(7)制御装置56は、ポンプ34のモータ41を減速させるタイミングTm1から時間t4(モータ41の回転速度V1が減速後の回転速度V2となるに要する時間)遅れたタイミングTr1で電空レギュレータR1への供給電圧を、減速した後のモータ41の回転速度V2に適した圧力が得られる電圧値に、相関データに基づいて変更する。これにより、容器40の気体室45内の圧力は、モータ41の回転速度V1に対応する圧力P1から回転速度V2に対応する圧力P2に下がる。
【0075】
このように、ポンプ34のモータ41の回転速度が回転速度V2となった時点で容器40の気体室45内の圧力を圧力P1から圧力P2に変更するので、モータ41が回転速度V1で回転している間は気体室45内には圧力P1を作用させることができ、回転速度V2よりも速い回転速度V1でスクリュー36が駆動されているポンプ室39内に確実にシール剤Lを供給することができる。
【0076】
(8)制御装置56は、Xテーブルユニット17、Yテーブルユニット18を駆動するモータ24、25に付随するエンコーダの出力信号からノズル33と基板31との現在の相対位置情報を得て、得られた現在の相対位置情報とノズル33と基板31との相対移動速度とから、パターンPのコーナ部PCの出口付近におけるポンプ34のモータ41の加速すべき位置に至るまでの時間を算出し、この時間からモータ41を加速するタイミングTm2を算出する。
【0077】
そして、制御装置56は、ポンプ34のモータ41が加速するタイミングTm2よりも時間t5早いタイミングTr2で電空レギュレータR1への供給電圧を、加速した後のモータ41の回転速度V1に適した圧力P1が得られる電圧値に、相関データに基づいて変更する。これにより、容器40の気体室45内の圧力は、圧力P2から圧力P1に上がる。ここで、時間t5は、容器40の気体室45内の圧力P2から圧力P1に変化するのに充分な時間である。このように、ポンプ34のモータ41が加速して回転速度V1で回転するときには、容器40の気体室45内の圧力は圧力P1となっており、容器40内のシール剤Lは圧力P1でポンプ室39内に供給されるので、ポンプ室39の吸入孔43部分におけるシール剤Lの吸い込み不足を防止することができる。
【0078】
(9)制御装置56は、時間t5後のポンプ34のモータ41が加速するタイミングTmにおいてモータ41への供給電圧を増加し回転速度を上げる。
【0079】
本実施例によれば、以下の作用効果を奏する。
(a)ペースト塗布装置10は、モータ41によってポンプ34の吐出部材としてのスクリュー36を回転させて、容器40内のペーストとしてのシール剤Lをノズル33から吐出するので、シール剤Lの粘度に関係なくポンプ34のスクリュー36の回転量に応じた量のシール剤Lをノズル33から吐出させることができる。その結果、シール剤Lの塗布品質を向上させることができる。
【0080】
また、ポンプ34を駆動してスクリュー36を回転させている時、即ち、モータが回転(正転)してポンプ34が駆動を開始してから停止する迄の間、正圧源53から容器40の気体室45内に加圧気体を供給する。加圧気体は、シール剤Lを吸入孔43へ向かって押し出す方向に押圧するので、ポンプ室39の吸入孔43部分でのシール剤Lの吸い込み不足がなくなり、シール剤Lがポンプ室39内に確実に供給される。その結果、シール剤Lをノズル33から安定して吐出させることができ、塗布量がばらついたり、描画されたシール剤LのパターンPが断線したりする等の不具合を防止することができる。特に、シール剤Lの粘度が高い場合や、ポンプ34のスクリュー36の回転速度が速い場合に有効である。
【0081】
また、ポンプ34の駆動を停止させてスクリュー36の回転を停止させている時、即ち、ポンプ34の駆動の停止中は、加圧気体の供給を停止してシール剤Lに対する押圧力の付与を停止させるので、シリンダ35内のシール剤Lがノズル33から漏れ出すことを防止できる。そして、次回の基板31上への塗布の際に、ノズル33から漏れ出してノズル33の先端に溜まったシール剤Lが基板31上の塗布開始位置に付着して、その部分で塗布量が過多になることを防止することができる。これによっても、シール剤Lの塗布品質を向上させることができる。
【0082】
(b)容器40内への加圧気体の供給を停止させただけでは、容器40の気体室45内には加圧気体が閉じ込められているので、シリンダ35内のシール剤Lには閉じ込められた加圧気体の圧力がかかっている。容器40とノズル33との間にはスクリュー36の溝36Bを介して連通されているので、ノズル33からシール剤Lが漏れ出すおそれがある。しかしながら、ポンプ34の駆動を停止させてスクリュー36の回転を停止している時には、容器40の気体室45内を減圧又は大気開放するので、シリンダ35内のシール剤Lをノズル33から押し出す力が減少又は無くなる。従って、ポンプ34の駆動の停止中に、ノズル33からシール剤Lが漏れ出すことを確実に防止することができる。
【0083】
(c)ポンプ34の駆動を停止させている時に容器40内への加圧気体の供給を停止し、負圧源54から容器40内に負圧を作用させるので、上述の(b)による場合よりも、ポンプ34の停止時におけるノズル33からのシール剤Lの漏れを確実に防止できる。
【0084】
(d)ポンプ34のモータ41が減速された状態で、モータ41が減速される前に気体室45内に供給していた圧力と同じ圧力の加圧気体を供給し続けると、容器40とノズル33との間はスクリュー36の溝36Bによって連通されているので、気体室45内の圧力によってシール剤Lが押し出され、シール剤Lの吐出量がスクリュー36の回転による吐出量よりも過多となるおそれがある。しかしながら、ポンプ34のモータ41の回転速度の増減に応じて容器40の気体室45内への加圧気体の供給圧力を増減するので、パターンPの描画開始点付近PO、コーナ部PC、描画終了点付近PF等で、ポンプ34のスクリュー36の回転速度を増減する場合、回転速度に応じた量のシール剤Lをシリンダ35内のポンプ室39に供給することができる。その結果、ポンプ34のモータ41の回転速度に応じた量のシール剤Lをノズル33から安定して吐出させることができる。従って、描画開始点付近PO、コーナ部PC、描画終了点付近PF等でポンプ34のモータ41の回転速度を変化させる場合においても、均一な塗布量のシール剤LのパターンPを塗布描画することができる。
【0085】
(e)描画終了点F等で、シール剤Lを吐出させる方向と逆の方向にポンプ34のスクリュー36を回転させて、ノズル33からシリンダ35内にシール剤Lを吸引している時に、容器40の気体室45内を大気に開放するか、又は、容器40の気体室45内に負圧を作用させることにより、シール剤Lをシリンダ35内へ吸引し易くすることができる。その結果、描画終了点付近Fでの描画パターンPを所望の形状にしたり、シール剤Lの糸引き現象を防止したりすることができ、塗布品質を向上させることができる。
【0086】
(f)吐出部材がスクリュー36からなるポンプ34の場合、容器40内のシール剤Lとノズル孔33A内のシール剤Lはスクリュー36外周の螺旋状の溝36Bを介して連通している。従って、容器40の気体室45内に加圧気体の圧力が作用していると、シリンダ35内のシール剤Lには、螺旋状の溝36Bに沿ってシール剤Lを押し出す力が常時作用する。また、シール剤Lの吸入孔43はシリンダ35の上部に開口しているので、容器40内のシール剤Lはシリンダ35内のシール剤Lよりも高い位置にある。従って、シール剤Lの自重によっても、ノズル33から押し出す力がシール剤Lに常時作用する。従って、吐出部材がスクリュー36からなるポンプ34の場合、ポンプ34の駆動を停止している時に容器40内への加圧気体の供給を停止し、更に、容器40内を減圧したり、大気開放したり、容器40内に負圧を作用させたりすることは特に有効である。
【0087】
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、実施例では、シリンダ35内に吐出部材としてスクリュー36を設けたポンプ34の例で説明したが、例えば、吐出部材として回転子の外周にベーンを設けたベーンポンプ、又は、一般的に、ケーシング内に回転体からなる吐出部材を設けた回転型のポンプであっても良い。
【0088】
また、シール剤Lを加圧する手段として加圧気体を使用する例で説明したが、ピストンを使用してシール剤Lを機械的に加圧するものでも良い。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】ペースト塗布装置を示す斜視図である。
【図2】吐出装置とともに容器内の圧力制御用の配管を示すブロック図である。
【図3】描画パターンを示す模式図である。
【図4】描画パターンの塗布位置とポンプのモータ速度との関係を示す模式図である。
【図5】容器内の圧力の切り換えを示すタイミングチャート図である。
【図6】ポンプのモータの回転速度に合わせて容器内の圧力を変える場合のタイミングチャート図である。
【符号の説明】
【0090】
10 ペースト塗布装置
31 基板
33 ノズル
34 ポンプ
35 シリンダ(ケーシング)
36 スクリュー(吐出部材)
40 容器
41 ポンプのモータ
53 正圧源
54 負圧源
56 制御装置
L シール剤(ペースト)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシング内にモータによって回転される吐出部材を設けたポンプと、
ペーストを貯留する容器と、
ペーストを吐出するノズルと、を備え、
ポンプを駆動して容器内のペーストをノズルから吐出させて基板上に塗布するペースト塗布装置において、
前記容器内に加圧気体を供給する正圧源と、
前記ポンプを駆動している時に、前記容器内に加圧気体を供給し、該ポンプの駆動を停止している時には該加圧気体の供給を停止する制御装置と、を備えたことを特徴とするペースト塗布装置。
【請求項2】
前記制御装置は、前記容器内に加圧気体の供給を停止した後、前記容器内を減圧又は大気開放する請求項1に記載のペースト塗布装置。
【請求項3】
前記容器内に負圧を作用させる負圧源を備え、
前記制御装置は、前記加圧気体の供給を停止した後、該負圧源から該容器内に負圧を作用させる請求項1に記載のペースト塗布装置。
【請求項4】
前記ポンプは、前記モータの回転速度の増減に応じて前記ノズルからのペーストの吐出量を増減するものであり、
前記制御装置は、前記モータの回転速度の増減に応じて前記加圧気体の供給圧力を増減する請求項1〜3のいずれかに記載のペースト塗布装置。
【請求項5】
ケーシング内にモータによって回転される吐出部材を設けたポンプと、
ペーストを貯留する容器と、
ペーストを吐出するノズルと、を備え、
ポンプを駆動して容器内のペーストをノズルから吐出させて基板上に塗布するペースト塗布装置において、
前記容器内に加圧気体を供給する正圧源と、
前記容器内に負圧を作用させる負圧源と、
前記ポンプを駆動している時に、前記容器内に加圧気体を供給し、
前記ポンプの駆動を停止している時に、前記容器内への加圧気体の供給を停止し、
前記ペーストを吐出する方向と逆の方向に前記ポンプを回転している時に、該容器内を大気開放する、又は、該負圧源により該容器内に負圧を作用させる制御装置と、を備えたことを特徴とするペースト塗布装置。
【請求項6】
前記ケーシングがシリンダからなり、前記吐出部材がスクリューからなるポンプである請求項1〜5のいずれかに記載のペースト塗布装置。
【請求項7】
ケーシング内にモータによって回転される吐出部材を設けたポンプにより、容器内に貯留されたペーストをノズルから吐出させて基板上に塗布するペースト塗布方法において、
前記ポンプを駆動している時に、前記容器内に加圧気体を供給し、該ポンプの駆動を停止している時には該加圧気体の供給を停止することを特徴とするペースト塗布方法。
【請求項8】
前記加圧気体の供給を停止した後、前記容器内を減圧又は大気開放する請求項7に記載のペースト塗布方法。
【請求項9】
前記加圧気体の供給を停止した後、前記容器内に負圧を作用させる請求項7に記載のペースト塗布方法。
【請求項10】
前記モータの回転速度を増減することにより、前記ノズルからのペーストの吐出量を増減する時に、該モータの回転速度の増減に応じて前記加圧気体の供給圧力を増減する請求項7に記載のペースト塗布方法。
【請求項11】
ケーシング内にモータによって回転される吐出部材を設けたポンプにより、容器内に貯留されたペーストをノズルから吐出させて基板上に塗布するペースト塗布方法において、
前記ポンプを駆動している時に、前記容器内に加圧気体を供給し、
該ポンプの駆動を停止している時に加圧気体の供給を停止し、
次いで、前記ペーストを吐出する方向と逆の方向に該ポンプを駆動している時に、該容器内を大気開放する、又は、該負圧源により該容器内に負圧を作用させることを特徴とするペースト塗布方法。
【請求項12】
前記ケーシングが円筒状のシリンダからなり、前記吐出部材がスクリューからなるポンプである請求項7〜11のいずれかに記載のペースト塗布方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−268377(P2007−268377A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−95606(P2006−95606)
【出願日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【出願人】(000002428)芝浦メカトロニクス株式会社 (907)
【Fターム(参考)】