説明

ポリアルキレンオキシド基及び四級窒素原子を含有するコポリマー並びに界面活性剤系を有する洗濯組成物

布地のような表面及び硬質表面上での土汚れ除去効果及び再付着防止効果のための、ポリアルキレンオキシド基及び四級窒素原子を含有するコポリマー並びに界面活性剤系を有する洗剤組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、布地のような表面及び床又は皿のような硬質表面上での土汚れ除去効果及び再付着防止効果のためのポリアルキレンオキシド基及び四級窒素原子を含むコポリマーを含む洗剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄プロセスにおいて、洗浄力は一次と二次に分類される。一次洗浄力は、繊維製品又は硬質表面から汚れを実際に除去することを意味すると理解される。二次洗浄力は、洗浄溶液から分離した汚れが布地などの表面又は硬質表面に再付着することで生じる影響を防止することを意味すると理解される。布地の場合、布地は、洗浄作業から次第に灰色になることが多く、こうして灰色になる過程はめったに元に戻ることはない。床のような硬質表面の場合、再付着によって、消費者にとって望ましくない硬質表面の筋(streaking)及び/又は斑点(spotting)が生じる。
【0003】
洗浄溶液から布地などの表面への汚れの再付着を防止するために、カルボキシメチルセルロース(CMC)ポリアクリル酸のナトリウム塩及びアクリル酸−マレイン酸コポリマーなどの物質の使用が知られている。しかし、既知のポリマーの作用は、土含有汚れに関して満足のいくものではない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明に従うコポリマーを含む洗剤組成物は、次の有利な適用特性を提供する:洗剤組成物は、優れた方法で汚れの粒子を分散させ、したがって洗浄の間に布地及び硬質表面に汚れが再付着するのを防止する。この効果は、特に粒子状汚れに当てはまるが、疎水性のオイル−及び油脂含有汚れに対しても当てはまる。特に土壌様汚れは、本発明に従う洗剤組成物の使用によって容易に除去されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、洗剤組成物であって、
共重合前の形態で、前記コポリマーの約60〜約99重量%の、式Iの少なくとも1つのモノエチレン性不飽和ポリアルキレンオキシドモノマーを含むモノマー(I)、
【化1】

式中、式(I)のYは、−O−及び−NH−から選択され、式(I)のYが−O−の場合、式(I)のXは−CH−若しくは−CO−から選択され、−−式(I)のYが−NH−である場合、式(I)のXは−CO−であり、式(I)のRは、水素、メチル、及びこれらの混合物から選択され、式(I)のRは独立に、直鎖又は分枝鎖C〜C−アルキレンラジカルから選択され、これはブロック様又はランダムに配置されていてもよく、式(I)のRは、水素、C〜C−アルキル、及びこれらの混合物から選択され、式(I)のnは3〜50の整数である、
約1〜約40重量%の、少なくとも1つの四級化窒素含有モノエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー(II)、
前記コポリマーの0〜約39重量%の陰イオン性モノエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー(III)、並びに
前記コポリマーの0〜約30重量%の他の非イオン性モノエチレン性不飽和モノマーを含むモノマー(IV)
を含む、前記洗剤組成物の約0.005〜約20重量%のコポリマー
を含み、
前記コポリマーは、2000〜100000の平均分子量(M)を有する。
【0006】
前記洗剤組成物は、さらに、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、両性界面活性剤及びこれらの混合物から選択される1以上の界面活性剤を有する界面活性剤系を、前記洗剤組成物の約0.01重量%〜約90重量%を含む。
【0007】
本発明は、さらに、請求項1に記載の洗剤組成物を少なくとも一部の表面と接触させ、次いで任意にその表面をすすぐことによって表面を洗浄するために洗剤組成物を使用する方法に関する。本発明の洗剤組成物は、好ましくは洗濯洗剤組成物又は硬質表面洗剤組成物である。
【0008】
全ての引用される文書は、関連部分において、参考として本明細書に組み込まれるが、いかなる文書の引用も、それが本発明に関して先行技術であるという承認として解釈されるべきではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、ポリアルキレンオキシド基及び四級窒素原子を含有するコポリマーを含む洗剤組成物に関する。これらの組成物は、いかなる従来の形態であることもでき、すなわち液体、粉末、顆粒、粒塊、ペースト、錠剤、袋、バー、ジェル、二重区画容器にて送達される種類のもの、スプレー又はフォーム洗剤、ウェットタイプワイプ(すなわち、米国特許第6,121,165号(マッケイ(Mackey)ら)で論じられるような不織布材料と組み合わせた洗剤組成物)、消費者によって水で活性化されるドライワイプ(すなわち、米国特許第5,980,931号(ファウラー(Fowler)ら)で論じられるような不織布材料と組み合わせた洗剤組成物)の形態、及びその他の均質又は多相の消費者洗浄製品形態であることができる。洗剤組成物に加えて、本発明の化合物は、産業用クリーナー(すなわち、フロアクリーナー)にて使用又は組み込むのにも好適な場合がある。これらの洗剤組成物は、多くの場合、以下でより詳細に論じられる界面活性剤及びその他の洗剤補助剤成分をさらに含む。1つの実施形態において、本発明の洗剤組成物は液体又は固体洗濯洗剤組成物である。別の実施形態において、本発明の洗剤組成物は硬質表面洗剤組成物であり、好ましくは硬質表面洗剤組成物は不織布基材を含浸させる。本明細書で使用する時、「含浸」とは、硬質表面洗剤組成物が不織布基材の少なくとも一部に浸透する、好ましくは不織布基材を飽和させるように、硬質表面洗剤組成物が不織布基材に適切に接触していることを意味する。
【0010】
「X〜Y」又は「約X〜約Y」という形式で記載される場合、数の全ての範囲が、本明細書に明確に記載されたかのように本明細書に組み込まれ、含まれる。本明細書全体にわたって提示されるあらゆる限界が、場合によってはさらに低い又はさらに高いあらゆる限界を、こうしたさらに低い又はさらに高い限界が本明細書に明確に記載されているかのように含むということを、理解すべきである。本明細書全体にわたって提示されるあらゆる範囲は、そのような広い範囲内に入るあらゆるさらに狭い範囲を、こうしたさらに狭い範囲が全て本明細書に明確に記載されたものとして含む。
【0011】
(コポリマー)
本発明は、共重合形態で、洗剤組成物の約0.01重量%〜約20重量%、好ましくは約0.01重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.01重量%〜約8重量%のコポリマーを含む洗剤組成物に関し、このコポリマーは、モノマー(I)及び(II)を含む群から選択されるモノマーを含む。モノマー(I)は、前記コポリマーの約60重量%〜約99重量%の、式(I)の少なくとも1つのモノエチレン性不飽和ポリアルキレンオキシドモノマーを含み、
【化2】

式中、式(I)のYは、−O−及び−NH−から選択され、式(I)のYが−O−の場合、式(I)のXは−CH−又は−CO−から選択され、式(I)のYが−NH−である場合、式(I)のXは−CO−であり、式(I)のRは、水素、メチル、及びこれらの混合物から選択され、式(I)のRは独立に、直鎖又は分枝鎖C〜C−アルキレンラジカルから選択され、これはブロック様又はランダムに配置されていてもよく、式(I)のRは、水素、C〜C−アルキル、及びこれらの混合物から選択され、式(I)のnは3〜50の整数である。
【0012】
モノマー(II)は、前記コポリマーの約1〜約40重量%の、少なくとも1つの四級化窒素含有モノエチレン性不飽和モノマーを含む。モノマーは、前記コポリマーが、2,000〜100,000の重量平均分子量(M)を有するように選択される。
【0013】
本発明に使用するためのコポリマーは、さらに、モノマー(III)及び(IV)を含んでもよい。モノマー(III)は、前記コポリマーの0重量%〜約39重量%の陰イオン性モノエチレン性不飽和モノマーを含んでもよい。モノマー(IV)は、前記コポリマーの0重量%〜約30重量%の他の非イオン性モノエチレン性不飽和モノマーを含んでもよい。
【0014】
本発明に従う好ましいコポリマーは、共重合されたモノマー(I)として、式(I)のモノエチレン性不飽和ポリアルキレンオキシドモノマーを含み、ここで式(I)のYは−O−であり、式(I)のXは−CO−又は−CH−であり、式(I)のRは水素又はメチルであり、式(I)のRは独立に、ブロック様又はランダムに配置された直鎖又は分枝鎖C〜C−アルキレンラジカル、好ましくはエチレン、1,2−若しくは1,3−プロピレン又はこれらの混合物、特に好ましくはエチレンから選択され、式(I)のRはメチルであり、nは5〜30の整数である。
【0015】
モノマー(I)
本発明のコポリマーに使用するためのモノマー(I)は、例えば以下であることができる。
(A)末端保護されていないか、アルキルラジカルによって1つの末端部が末端保護されているか、1つの末端部がアミノ化されているか、又はアルキルラジカルによって1つの末端部が末端保護され、かつ1つの末端部がアミノ化されている、(メタ)アクリル酸のポリアルキレングリコールとの反応生成物、及び
(B)末端保護されていないか、又はアルキル、フェニル若しくはアルキルフェニルラジカルによって1つの末端部が末端保護されている、ポリアルキレングリコールのアルキルエーテル。
【0016】
好ましいモノマー(I)は、前記(メタ)アクリレート及びアリルエーテルであり、ここでアクリレート及び主にメタクリレートが特に好ましい。言及され得るモノマー(I)の特に適した例は以下である。
(A)メチルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミド、メチルポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミド、メチルポリブチレングリコール(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミド、メチルポリ(プロピレンオキシド−co−エチレンオキシド)(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミド、エチルポリエチレングリコール(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミド、エチルポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミド、エチルポリブチレングリコール(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミド並びにエチルポリ(プロピレンオキシド−co−エチレンオキシド)(メタ)アクリレート及び(メタ)アクリルアミドであり、それぞれは3〜50、好ましくは3〜30、特に好ましくは5〜30のアルキレンオキシド単位を有し、ここでメチルポリエチレングリコールアクリレートが好ましく、メチルポリエチレングリコールメタクリレートが特に好ましい;
(B)エチレングリコールアリルエーテル及びメチルエチレングリコールアリルエーテル、プロピレングリコールアリルエーテル及びメチルプロピレングリコールアリルエーテルであり、それぞれ3〜50、好ましくは3〜30、特に好ましくは5〜30のアルキレンオキシド単位を有する。
【0017】
本発明に従うコポリマーにおけるモノマー(I)の割合は、コポリマーの60重量%〜99重量%、好ましくは65重量%〜90重量%である。
【0018】
モノマー(II)
本発明に従うコポリマーに特に好適なモノマー(II)には、1−ビニルイミダゾールの、ビニルピリジンの、アミノアルコール、特にN,N−ジ−C〜C−アルキルアミノ−C〜C−アルコールとの(メタ)アクリル酸エステルの、アミノ含有(メタ)アクリルアミド、特に(メタ)アクリル酸のN,N−ジ−C〜C−アルキルアミノ−C〜C−アルキルアミドの、及びジアリルアルキルアミン、特にジアリル−C〜C−アルキルアミンの、四級化生成物が含まれる。
【0019】
好適なモノマー(II)は、次式IIa〜IIdを有する。
【化3】

式中、式IIa〜IIdのRは、C〜C−アルキル又はベンジル、好ましくはメチル、エチル又はベンジルから選択され、式IIcのR’は、水素又はメチルから選択され、式IIcのYは、−O−又は−NH−から選択され、式IIcのAはC〜C−アルキレン、好ましくは直鎖又は分枝鎖C〜C−アルキレン、特に1,2−エチレン、1,3−及び1,2−プロピレン又は1,4−ブチレンから選択され、式IIa〜IIdのX−は、ハライド、例えばヨウ化物、好ましくはクロリド又はブロミド、C〜C−アルキルサルフェート、好ましくはメチルサルフェート又はエチルサルフェート、C〜C−アルキルスルホネート、好ましくはメチルスルホネート又はエチルスルホネート、C〜C−アルキルカーボネート、並びにこれらの混合物から選択される。
【0020】
本発明に利用されてもよい好ましいモノマー(II)の具体例は、以下である。
(A)3−メチル−1−ビニルイミダゾリウムクロリド、3−メチル−1−ビニルイミダゾリウムメチルサルフェート、3−エチル−1−ビニルイミダゾリウムエチルサルフェート、3−エチル−1−ビニルイミダゾリウムクロリド及び3−ベンジル−1−ビニルイミダゾリウムクロリド、
(B)1−メチル−4−ビニルピリジニウムクロリド、1−メチル−4−ビニルピリジニウムメチルサルフェート及び1−ベンジル−4−ビニルピリジニウムクロリド、
(C)メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、メタクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロリド、トリメチルアンモニウムエチルアクリレートクロリド及びメチルサルフェート、トリメチルアンモニウムエチルメタクリレートクロリド及びメチルサルフェート、ジメチルエチルアンモニウムエチルアクリレートエチルサルフェート、ジメチルエチルアンモニウムエチルメタクリレートエチルサルフェート、トリメチルアンモニウムプロピルアクリレートクロリド及びメチルサルフェート並びにトリメチルアンモニウムプロピルメタクリレートクロリド及びメチルサルフェート、並びに
(D)ジメチルジアリルアンモニウムクロリド及びジエチルジアリルアンモニウムクロリド。
【0021】
好ましいモノマー(II)は、3−メチル−1−ビニルイミダゾリウムクロリド、3−メチル−1−ビニルイミダゾリウムメチルサルフェート、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、トリメチルアンモニウムエチルメタクリレートクロリド、ジメチルエチルアンモニウムエチルメタクリルレートエチルサルフェート及びジメチルジアリルアンモニウムクロリドから選択される。
【0022】
本発明のコポリマーは、前記コポリマーの1重量%〜40重量%、好ましくは3重量%〜30重量%のモノマー(II)を含む。モノマー(II)とモノマー(I)との重量比は、好ましくは1:1以上、好ましくは1:1〜1:4である。
【0023】
モノマー(III)
本発明のコポリマーの任意成分として、モノマー(III)及び(IV)も利用されてもよい。モノマー(III)は、陰イオン性モノエチレン性不飽和モノマーから選択される。好適なモノマー(III)は以下から選択されることができる。
(A)好ましくは3〜6個の炭素原子を有するα,β−不飽和モノカルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン酸、及びビニル酢酸、好ましくはアクリル酸及びメタクリル酸、
(B)好ましくは4〜6個の炭素原子を有する不飽和ジカルボン酸、例えばイタコン酸及びマレイン酸、それらの酸無水物、例えば無水マレイン酸、
(C)エチレン性不飽和スルホン酸、例えばビニルスルホン酸、アクリルアミドプロパンスルホン酸、メタリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、m−及びp−スチレンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドメタンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドエタンスルホン酸、(メタ)アクリルアミドプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−ブタンスルホン酸、3−メタクリルアミド−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、メタンスルホン酸アクリレート、エタンスルホン酸アクリレート、プロパンスルホン酸アクリレート、アリルオキシベンゼンスルホン酸、メタリルオキシベンゼンスルホン酸及び1−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、
(D)エチレン性不飽和ホスホン酸、例えばビニルホスホン酸並びにm−及びp−スチレンホスホン酸、並びに
(E)C〜C−アルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びポリ(C〜C−アルキレン)グリコールモノ(メタ)アクリレート、例えばエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートの、酸性リン酸エステル。
【0024】
陰イオン性モノマー(III)は、水溶性の遊離酸の形態又は水溶性の塩の形態、特にアルカリ金属及びアンモニウム、特にアルキルアンモニウム、塩の形態で存在することができ、好ましい塩はナトリウム塩である。
【0025】
好ましいモノマー(III)は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸及びビニルホスホン酸から選択されてもよく、特にアクリル酸、メタクリル酸及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸が好ましい。
【0026】
本発明のコポリマーにおけるモノマー(III)の割合は、コポリマーの39重量%まで、好ましくは3重量%〜30重量%であることができる。モノマー(III)が本発明のコポリマー中に存在する場合、モノマー(I)とモノマー(III)の重量比は、1:1以上であるのが好ましい。
【0027】
モノマー(IV)
本発明のコポリマーの任意成分として、モノマー(IV)も利用されてもよい。モノマー(IV)は、以下から選択される非イオン性モノエチレン性不飽和モノマーから選択される。
(A)モノエチレン性不飽和C〜C−カルボン酸、特にアクリル酸及びメタクリル酸と一価のC〜C22−アルコール、特にC〜C16−アルコールとのエステル、並びにモノエチレン性不飽和C〜C−カルボン酸、特にアクリル酸及びメタクリル酸と二価のC〜C−アルコールとのヒドロキシアルキルエステル、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート及びステアリル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、
(B)モノエチレン性不飽和C〜C−カルボン酸、特にアクリル酸及びメタクリル酸と、C〜C12−アルキルアミン及びジ(C〜C−アルキル)アミンとのアミド、例えばN−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−tert−オクチル(メタ)アクリルアミド及びN−ウンデシル(メタ)アクリルアミド、並びに(メタ)アクリルアミド、
(C)飽和C〜C30−カルボン酸、特にC〜C14−カルボン酸のビニルエステル、例えばビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニル2−エチルヘキサノエート及びビニルラウレート、
(D)ビニルC〜C30−アルキルエーテル、特にビニルC〜C18−アルキルエーテル、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルn−プロピルエーテル、ビニルイソプロピルエーテル、ビニルn−ブチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニル2−エチルヘキシルエーテル及びビニルオクタデシルエーテル、
(E)N−ビニルアミド及びN−ビニルラクタム、例えばN−ビニルホルムアミド、N−ビニル−N−メチルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニル−N−メチルアセトアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピペリドン及びN−ビニルカプロラクタム、
(F)脂肪族及び芳香族オレフィン、例えばエチレン、プロピレン、C〜C24−α−オレフィン、特にC〜C16−α−オレフィン、例えばブチレン、イソブチレン、ジイソブテン、スチレン及びα−メチルスチレン、並びにさらに活性二重結合を有するジオレフィン、例えばブタジエン、
(G)不飽和ニトリル、例えばアクリロニトリル及びメタクリロニトリル。
【0028】
好ましいモノマー(IV)は、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルメチルエーテル、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルピロリドン及びN−ビニルカプロラクタムから選択される。
【0029】
モノマー(IV)が本発明のコポリマーに存在する場合、モノマー(IV)の割合は、コポリマーの30重量%までであってよい。
【0030】
本発明の好ましいコポリマーとしては、式(III)〜(XI)が挙げられるが、これらに限定されない。
【化4】

式中、M+は水素又は水溶性陽イオン、例えばアルカリ金属又はアンモニウムであり、式(III)の指数x、y及びzは、前記モノマー比(x:y:z)が1:0.5:1〜1:2:2であり5000〜15000の重量平均分子量を有するようになるものである。
【化5】

式中、式(IV)の指数x、y及びzは、前記モノマー比(x:y:z)が1:0.5:1〜1:1:1であり4000〜10000の重量平均分子量を有するようになるものである。
【化6】

式中、式(V)の指数y及びzは、前記モノマー比(y:z)が1:1〜1:4であり5000〜15000の重量平均分子量を有するようになるものである。
【化7】

式中、式(VI)の指数y及びzは、前記モノマー比(y:z)が1:1〜1:4であり5000〜15000の重量平均分子量を有するようになるものである。
【化8】

式中、式(VII)の指数x、y及びzは、前記モノマー比(x:y:z)が1:0.5:1〜1:1:1であり5000〜15000の重量平均分子量を有するようになるものである。
【化9】

式中、式(VIII)の指数x、y及びzは、前記モノマー比(x:y:z)が、これらに限定されないが、6:1:1、6:1:2、10:1:1及び10:1:2を含む1:1:1〜10:1:2であり10000〜75000、好ましくは10000又は50000の重量平均分子量を有するようになるものである。
【化10】

式中、式(IX)の指数y及びzは、前記モノマー比(y:z)が1:1〜1:2であり4000〜15000の重量平均分子量を有するようになるものである。
【化11】

式中、M+は水素又は水溶性陽イオン、例えばアルカリ金属又はアンモニウムであり、式(X)の指数x、y及びzは、前記モノマー比(x:y:z)が1:0.5:1〜1:2:2であり5000〜15000の重量平均分子量を有するようになるものである。
【化12】

式中、M+は水素又は水溶性陽イオン、例えばアルカリ金属又はアンモニウムであり、式(XI)の指数x、y及びzは、前記モノマー比(x:y:z)が1:0.5:1〜1:2:2であり5000〜15000の重量平均分子量を有するようになるものである。
【0031】
本発明のコポリマーは、2000〜100000、好ましくは3000〜50000、特に好ましくは3000〜25000の重量平均分子量(M)を有する。
【0032】
本発明に従うコポリマーは、モノマー(I)及び(II)並びに所望ならば(III)及び/又は(IV)のラジカル重合によって調製できる。モノマーのラジカル重合は全て既知の方法に従って行うことができ、溶液重合方法及びエマルション重合方法が好ましい。好適な重合開始剤は、熱的又は光化学的に分解し、フリーラジカルを形成する化合物(光開始剤)、例えばベンゾフェノン、アセトフェノン、ベンゾインエーテル、ベンジルジアルキルケトン及びこれらの誘導体である。
【0033】
重合開始剤は、重合されるべき材料の要件に従って、通常、重合されるべきモノマーに基づいて0.01重量%〜15重量%、好ましくは0.5重量%〜5重量%の量で使用され、個々に又は互いに組み合わせて使用されることができる。
【0034】
四級化されたモノマー(II)の代わりに、対応する三級アミンを使用することも可能である。この場合、四級化は、得られたコポリマーとアルキル化剤、例えばアルキルハライド、ジアルキルサルフェート及びジアルキルカーボネート、又はベンジルハライド、例えばベンジルクロリドとを反応させることによって重合後に行われる。言及され得る好適なアルキル化剤の例は、メチルクロリド、メチルブロミド及びヨウ化メチル、エチルクロリド及びエチルブロミド、ジメチルサルフェート、ジエチルサルフェート、ジメチルカーボネート並びにジエチルカーボネートである。
【0035】
陰イオン性モノマー(III)は、遊離酸の形態又は塩基で部分的に若しくは完全に中和された形態のいずれかで重合に使用されることができる。列挙され得る具体例は、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、エタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンである。
【0036】
本発明に従うコポリマーのモル質量を制限するために、習慣的な調整剤、例えば、メルカプトエタノール、チオグリコール酸及び二亜硫酸ナトリウムなどのメルカプト化合物を重合中に添加することができる。調整剤の好適な量は、重合されるべきモノマーに基づいて0.1重量%〜5重量%である。
【0037】
界面活性剤 − 本発明に使用してもよい界面活性剤は、非イオン性、陰イオン性、陽イオン性界面活性剤、両性、双極性、半極性の非イオン性界面活性剤から選択される界面活性剤、アルキルアルコールのようなその他の補助剤又はこれらの混合物を含む界面活性剤又は界面活性剤系を含んでもよい。本発明の洗剤組成物はさらに、洗剤組成物の約0.01重量%〜約90重量%、好ましくは約0.01重量%〜約80重量%、より好ましくは約0.05重量%〜約60重量%、最も好ましくは約0.05重量%〜約30重量%の、1以上の界面活性剤を有する界面活性剤系を含む。
【0038】
(陰イオン性界面活性剤)
本明細書で有用な陰イオン性界面活性剤の非限定例としては、C11〜C18アルキルベンゼンスルホネート(LAS)、C10〜C20一級分枝鎖及びランダムアルキルサルフェート(AS)、C10〜C18二級(2,3)アルキルサルフェート、C10〜C18アルキルアルコキシサルフェート(AES)であって、その際好ましくはxが1〜30であるもの、好ましくは1〜5のエトキシ単位を含むC10〜C18アルキルアルコキシカルボキシレート、米国特許第6,020,303号及び米国特許第6,060,443号で論じられるような中鎖分枝状アルキルサルフェート、米国特許第6,008,181号及び米国特許第6,020,303号で論じられるような中鎖分枝状アルキルアルコキシサルフェート、PCT国際公開特許WO99/05243、PCT国際公開特許WO99/05242、PCT国際公開特許WO99/05244で論じられるような変性アルキルベンゼンスルホネート(MLAS)、メチルエステルスルホネート(MES)、並びにα−オレフィンスルホネート(AOS)が挙げられる。
【0039】
(非イオン性界面活性剤)
非イオン性界面活性剤の非限定例としては、C12〜C18アルキルエトキシレート、例えば、シェル(Shell)製のネオドール(NEODOL)(登録商標)非イオン性界面活性剤、C〜C12アルキルフェノールアルコキシレートであって、ここでアルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位とプロピレンオキシ単位との混合物であるもの、エチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとの、C12〜C18アルコール及びC〜C12アルキルフェノール縮合体、例えば、バスフ社(BASF)製のプルロニック(PLURONIC)(登録商標)、米国特許第6,150,322号で論じられるようなC14〜C22中鎖分枝状アルコール、米国特許第6,153,577号、同第6,020,303号及び同第6,093,856号で論じられるようなC14〜C22中鎖分枝状アルキルアルコキシレート、BAEx、ここでxは1〜30であるもの、米国特許第4,565,647号(レナド(Llenado)、1986年1月26日発行)で論じられるようなアルキル多糖類、特に米国特許第4,483,780号及び同第4,483,779号で論じられるようなアルキルポリグリコシド、米国特許第5,332,528号、PCT国際公開特許WO92/06162号、同第WO93/19146号、同第WO93/19038号及び同第WO94/09099号で論じられるようなポリヒドロキシ脂肪酸アミド(GS−塩基)、米国特許第6,482,994号及びPCT国際公開特許WO01/42408号で論じられるような、エーテルで末端保護されたポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤類が挙げられる。
【0040】
(陽イオン性界面活性剤)
陰イオン性界面活性剤の非限定例としては、米国特許第6,136,769号で論じられるような26個までの炭素原子を有することができる四級アンモニウム界面活性剤、例えばアルコキシラート四級アンモニウム(AQA)界面活性剤、米国特許第6,004,922号で論じられるようなジメチルヒドロキシエチル四級アンモニウム(K1)が挙げられる。
【0041】
(洗剤補助物質及び使用方法)
一般に、洗剤補助剤は、最小限の必須成分のみを含む洗剤組成物を、洗濯、消費者向け、商業的及び/又は産業的な洗浄目的のために有用な洗剤組成物へと変換するために必要とされる任意の物質である。特定の実施形態では、洗剤補助剤は、洗剤製品の絶対的な特徴として、特に家庭環境において消費者により直接的に使用されることが意図される洗剤製品の絶対的な特徴として、当業者に容易に認識可能である。
【0042】
これらの追加構成成分の厳密な性質、及びそれを組み入れる濃度は、洗剤組成物の物理的形態及びそれが使用されるべき洗浄作業の性質に依存している。
【0043】
漂白剤と共に使用される場合、洗剤補助剤成分は、漂白剤と良好な安定性を有するべきである。本明細書中の洗剤組成物の特定の実施形態は、法律によって要求されるように、無ホウ素及び/又は無リンであるべきである。洗剤補助剤の濃度は、洗剤組成物の約0.00001重量%〜約99.9重量%である。全体的な洗剤組成物の使用濃度は、意図する用途に依存して広範囲に変動可能であり、例えば、溶液中の数ppm〜洗浄される表面にニート洗剤組成物をいわゆる「直接適用する」範囲である。
【0044】
非常に典型的には、本明細書中の洗剤組成物、例えば、洗濯洗剤、洗濯洗剤添加物、硬質表面クリーナー、合成及び石鹸ベースの洗濯バー、柔軟仕上げ剤及び布地処理液、固体、並びに全ての種類の処理物品は、いくつかの補助剤を必要とするが、漂白添加剤のような単純に処方された特定の製品は、例えば、酸素漂白剤及び本明細書中に記載されるような界面活性剤だけを必要とする場合がある。好適な洗濯又は洗浄補助物質及び方法の包括的なリストは、PCT国際公開特許WO99/05242中に見出すことができる。
【0045】
(補助剤物質)
通常の補助剤としては、ビルダー、界面活性剤、酵素、ポリマー、漂白剤、漂白活性化剤、触媒物質などが挙げられるが、本組成物の必須成分の一部として以上ですでに定義された物質を除く。本明細書の他の補助剤としては、起泡促進剤、起泡抑制剤(消泡剤)など、分散性ポリマー(例えば、バスフ社(BASF Corp.)又はローム・アンド・ハース(Rohm & Haas)製のもの)などの上述したもの以外の多様な活性成分又は特殊材料、カラースペックル(color speckles)、シルバーケア、変色防止剤及び/又は腐食防止剤、染料、充填剤、殺菌剤、アルカリ性源、ヒドロトロープ、酸化防止剤、酵素安定剤、プロ香料、香料、可溶化剤、担体、加工助剤、顔料、並びに液体処方については溶媒、キレート化剤、移染防止剤、分散剤、光沢剤、起泡抑制剤、染料、構造可塑剤、柔軟仕上げ剤、磨耗防止剤、ヒドロトロープ、加工助剤、及びその他の布地ケア剤を挙げることができる。このような他の補助剤の好適な例及び使用濃度は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812B1号及び同第6,326,348B1号に見出される。
【0046】
(使用方法)
本発明は、ある場所(situs)、とりわけ表面又は布地を洗浄するための方法を含む。このような方法は、ニート形態又は洗浄溶液中の希釈形態の、出願人の洗剤組成物の一実施形態と、表面又は布地の少なくとも一部とを接触させ、次にこのような表面又は布地をすすぐ工程を含む。好ましくは、表面又は布地は前述のすすぎ工程の前に洗浄工程にさらされる。本発明の目的のために、洗浄には、擦ること及び機械的攪拌が含まれるが、これらに限定されない。
【0047】
当業者に理解されるように、本発明の洗剤組成物は、洗濯用途において使用するのに理想的に適している。それ故に、本発明は布地を洗濯するための方法を含む。この方法は、洗濯されるべき布地を、本発明を構成する洗剤組成物、洗浄添加物又はこれらの混合物の少なくとも1つの実施形態を含む洗濯溶液と接触させる工程を含む。布地は、通常の消費者の使用条件で洗濯され得るほとんどいかなる布地を含んでもよい。溶液は、好ましくは、約8〜約10のpHを有する。組成物は、好ましくは、溶液中で約500ppm〜約10,000ppmの濃度で使用される。水温は好ましくは約5℃〜約60℃の範囲である。水:布地の比率は、好ましくは、約1:1〜約20:1である。
【0048】
本発明は、ある場所(situs)、とりわけ表面又は布地を洗浄するための方法を含む。このような方法は、本発明の洗剤組成物の実施形態で含浸された不織布基材を接触させる工程、不織布基材を硬質表面又は布地の少なくとも一部と接触させる工程を含む。この方法はさらに、すすぎ工程を含んでもよい。本発明の目的のために、洗浄には、擦ること及び機械的攪拌が含まれるが、これらに限定されない。本明細書で使用する時、「不織布基材」は、好適な坪量、キャリパー(厚さ)、吸収性及び強度特性を有する、従来の様式によるいかなる不織布シート又はウェブも含むことができる。好適な市販の不織布基材の例としては、商標名ソンタラ(SONTARA)(登録商標)としてデュポン(DuPont)から、及びポリウェブ(POLYWEB)(登録商標)としてジェームズ・リバー社(James River Corp.)から販売されるものが挙げられる。
【0049】
当業者に理解されるように、本発明の洗剤組成物は、硬質表面用途において使用するのに理想的に適している。それ故に、本発明は硬質表面を洗浄するための方法を含む。この方法は、洗浄されるべき硬質表面を、硬質表面溶液、又は洗剤組成物の実施形態で含浸された不織布基材と接触させる工程を含む。硬質表面を接触させる場合における不織布基材の使用方法は、ユーザーの手によって、又は不織布基材が取り付けられた器具を用いることによって行われてもよい。
【0050】
実施例 − 本発明に従うコポリマーの調製
以下で与えられる重量平均分子量(M)は、較正標準として狭い分布の線状ポリマルトトリオース及びマルトヘキソースを用いるサイズ排除クロマトグラフィー法により決定された。
【0051】
(コポリマー1)
攪拌器、還流凝縮器、内部温度計及び滴下漏斗を備えた2lの重合容器に246.5gの水を添加し、窒素を流し、80℃まで加熱する。568.8gの濃度50重量%のメチルポリエチレングリコールメタクリレート(M1000)水溶液(供給液1)、34.7gの濃度45重量%の3−メチル−1−ビニルイミダゾリウムメチルサルフェート水溶液(供給液2)、15gのメルカプトエタノールと50gの水との混合物(供給液3)、及び6.0gの2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリドと80gの水との開始剤混合物(供給液4)を滴下して、連続的に添加する(供給液1、2及び3は3時間で、供給液4は4時間で)。開始剤の添加が終了したら、反応混合物を80℃で1時間攪拌し、次いで1.5gの2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリドと20gの水とを含む別の開始剤混合物を一度に80℃で添加する。80℃で2時間攪拌し、次いで2.75gの濃度30重量%の過酸化水素を添加し、この混合物を80℃で30分間攪拌する。室温(20〜25℃)まで冷却後、反応混合物を濾過する。
【0052】
固形分含量が30.4重量%でpHが4.6のわずかに黄色がかった透明なポリマー溶液が回収されるはずである。コポリマーの平均分子量Mは4600であるべきである。
【0053】
(コポリマー2)
攪拌器、還流凝縮器、内部温度計及び滴下漏斗を備えた2lの重合容器に239.0gの水を導入し、窒素を流し、80℃まで加熱する。51.5gの濃度50重量%の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩水溶液(供給液1)、109.9gの濃度45重量%の3−メチル−1−ビニルイミダゾリウムメチルサルフェート水溶液(供給液2)、449.6gの濃度50重量%のメチルポリエチレングリコールメタクリレート(M1000)水溶液(供給液3)、9gのメルカプトエタノールと50gの水との混合物(供給液4)、及び6.0gの2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリドと80gの水との開始剤混合物(供給液5)を滴下して、連続的に添加する(供給液1、2、3及び4は3時間で、供給液5は4時間で)。開始剤の添加が終了したら、反応混合物を80℃で1時間攪拌し、次いで1.5gの2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリドと20gの水とを含む別の開始剤混合物を一度に80℃で添加する。80℃で2時間攪拌し、1.65gの濃度30%の過酸化水素を添加し、この混合物を80℃で30分間攪拌する。室温(20℃〜25℃)まで冷却後、濾過し、3.6の濃度10重量%の水酸化ナトリウム溶液を濾液に添加する。
【0054】
これにより、固形分含量が30.7重量%でpHが6.5のわずかに黄色がかった透明なポリマー溶液が生成されるはずである。コポリマーの平均分子量Mは6100であるべきである。
【0055】
(コポリマー3)
攪拌器、還流凝縮器、内部温度計及び滴下漏斗を備えた2lの重合容器に243.7gの水を導入し、窒素を流し、80℃まで加熱する。20.7gのメタクリル酸と40gの水との混合物(供給液1)、64.7gの濃度60重量%のジアリルジメチルアンモニウムクロリド水溶液(供給液2)、480.9gの濃度50重量%のメチルポリエチレングリコールメタクリレート(M1000)水溶液(供給液3)、9gのメルカプトエタノールと50gの水との混合物(供給液4)、及び6.0gの2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリドと80gの水との開始剤混合物(供給液5)を滴下して、連続的に添加する(供給液1、2、3及び4は3時間で、供給液5は4時間で)。開始剤の添加が終了したら、反応混合物を80℃で1時間攪拌し、1.5gの2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリドと20gの水とを含む別の開始剤混合物を一度に80℃で添加する。80℃で2時間攪拌し、1.65gの濃度30重量%の過酸化水素を添加し、この混合物を80℃で30分間攪拌する。室温(20℃〜25℃)まで冷却後、濾過し、75gの濃度10重量%の水酸化ナトリウム溶液を濾液に添加する。
【0056】
これにより、固形分含量が28.8重量%でpHが6.5のわずかに黄色がかった透明なポリマー溶液が生成されるはずである。コポリマーの平均分子量Mは9800であるべきである。
【0057】
(コポリマー4)
攪拌器、還流凝縮器、内部温度計及び滴下漏斗を備えた2lの重合容器に197.0gの水を導入し、窒素を流し、80℃まで加熱する。417.9gの濃度50重量%のメチルポリエチレングリコールメタクリレート(M1000)水溶液(供給液1)、92.1gの濃度50重量%のメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド水溶液(供給液2)、13gのメルカプトエタノールと50gの水との混合物(供給液3)、及び5.1gの2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリドと80gの水との開始剤混合物(供給液4)を滴下して、連続的に添加する(供給液1、2及び3は3時間で、供給液4は4時間で)。開始剤の添加が終了したら、反応混合物を80℃で1時間攪拌し、次いで1.3gの2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリドと20gの水とを含む別の開始剤混合物を一度に80℃で添加する。80℃で2時間攪拌し、1.95gの濃度30重量%の過酸化水素を添加し、この混合物を80℃でさらに30分間攪拌する。室温(20℃〜25℃)まで冷却後、反応混合物を濾過する。
【0058】
これにより、固形分含量が32.7重量%でpHが5.6のわずかに黄色がかった透明なポリマー溶液が生成されるはずである。コポリマーの平均分子量Mは5000であるべきである。
【0059】
(コポリマー5)
攪拌器、還流凝縮器、内部温度計及び滴下漏斗を備えた2lの重合容器に250.1gの水を導入し、窒素を流し、80℃まで加熱する。51.5gの濃度50重量%の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸のナトリウム塩水溶液(供給液1)、54.0gの濃度50重量%のメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド水溶液(供給液2)、489.8gの濃度50重量%のメチルポリエチレングリコールメタクリレート(M1000)水溶液(供給液3)、9gのメルカプトエタノールと50gの水との混合物(供給液4)、及び6.0gの2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリドと80gの水との開始剤混合物(供給液5)を滴下して、連続的に添加する(供給液1、2、3及び4は3時間で、供給液5は4時間で)。開始剤の添加が終了したら、混合物を80℃で1時間攪拌し、次いで1.5gの2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロリドと20gの水とを含む別の開始剤混合物を一度に80℃で添加する。80℃で2時間攪拌し、1.65gの濃度30重量%の過酸化水素を添加し、この混合物を80℃で30分間攪拌する。室温(20℃〜25℃)まで冷却後、濾過し、0.8gの濃度10重量%の水酸化ナトリウム溶液を濾液に添加する。
【0060】
これにより、固形分含量が30.2重量%でpHが6.5のわずかに黄色がかった透明なポリマー溶液が生成されるはずである。コポリマーの平均分子量Mは6500であるべきである。
【0061】
(洗濯洗剤における本発明に従うコポリマーの使用)
洗浄実験について、ゼオライトをベースとする固体の洗濯洗剤処方(LD1)、リン酸塩をベースとする固体の洗濯洗剤処方(LD3)、液体洗濯洗剤処方(LD2)、及び液体洗濯洗剤処方(LD4)、及び液体洗濯洗剤処方(LD5)を使用する。処方を表1に示す。洗浄条件を表3に列挙する。
【表1】

米国特許第4,891,160号(ファンデルメール(VanderMeer)ら)に従う1以上のポリマー。
PCT国際公開特許WO00/105923(プライス(Price)ら)に従う1以上のポリマー。
本願の式III〜XIのいずれか1つに従うポリマー。
【表2】

本願の式III〜XIのいずれか1つに従うポリマー。
例えば、ダウ・コーニング(Dow Corning)AFエマルション又はポリジメチルシロキサン
【0062】
本発明の特定の実施形態を例示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗剤組成物であって、
(A)共重合形態で、
(I)前記コポリマーの60重量%〜99重量%の、式Iの少なくとも1つのモノエチレン性不飽和ポリアルキレンオキシドモノマー、
【化1】

式中、式(I)のYは−O−及び−NH−から選択され、式(I)のYが−O−の場合、式(I)のXは−CH−若しくは−CO−から選択され、又は式(I)のYが−NH−である場合、式(I)のXは−CO−であり、式(I)のRは、水素、メチル、及びこれらの混合物から選択され、式(I)のRは独立に、直鎖又は分枝鎖C〜C−アルキレンラジカルから選択され、これはブロック様又はランダムに配置されていてもよく、式(I)のRは、水素、C〜C−アルキル、及びこれらの混合物から選択され、式(I)のnは3〜50の整数である、
(II)前記コポリマーの1〜40重量%の、少なくとも1つの四級化窒素含有モノエチレン性不飽和モノマー、
(III)前記コポリマーの0〜39重量%の陰イオン性モノエチレン性不飽和モノマー、並びに
(IV)前記コポリマーの0〜30重量%の他の非イオン性モノエチレン性不飽和モノマー
を含む、前記洗剤組成物の0.01重量%〜20重量%のコポリマー
を含み、
前記コポリマーが、2,000〜100,000の平均分子量(M)を有することを特徴とする、洗剤組成物。
【請求項2】
前記洗剤組成物が、さらに、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、双極性界面活性剤、両性界面活性剤及びこれらの混合物から選択される1以上の界面活性剤を有する界面活性剤系を、前記洗剤組成物の0.01重量%〜90重量%含むことを特徴とする、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項3】
前記コポリマーが、式(I)のYが−O−であり、式(I)のXが−CO−又は−CH−であり、式(I)のRが水素又はメチルであり、式(I)のRが独立に、エチレン、プロピレン又はこれらの混合物から選択され、式(I)のRがメチルであり、式(I)のnが5〜30の整数である式(I)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項4】
前記コポリマーのモノマー(II)が、式IIa〜IIdから成る群から選択され、
【化2】

式中、式IIa〜IIdのRがC〜C−アルキル又はベンジル、好ましくはメチル、エチル又はベンジルから選択され、式IIcのR’が水素又はメチルから選択され、式IIcのYが−O−又は−NH−から選択され、式IIcのAがC〜C−アルキレン、好ましくは直鎖又は分枝鎖C〜C−アルキレン、特に1,2−エチレン、1,3−及び1,2−プロピレン又は1,4−ブチレンから選択され、式IIa〜IIdのX−がハライド、例えばヨウ化物、及び好ましくはクロリド又はブロミド、C〜C−アルキルサルフェート、好ましくはメチルサルフェート又はエチルサルフェート、C〜C−アルキルスルホネート、好ましくはメチルスルホネート又はエチルスルホネート、C〜C−アルキルカーボネート、並びにこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項5】
前記コポリマーが、モノマー(III)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項6】
前記コポリマーが、式(III)〜(XI)
【化3】

式中、M+は水素又は水溶性陽イオン、例えばハライド、アルカリ金属、アンモニウム塩、サルフェート塩、及びカーボネート塩であり、式(III)の指数x、y及びzは、前記モノマー比(x:y:z)が1:0.5:1〜1:2:2であり5000〜10000の重量平均分子量を有するようになるものである、
【化4】

式中、式(IV)の指数x、y及びzは、前記モノマー比(x:y:z)が1:0.5:1〜1:1:1であり4000〜10000の重量平均分子量を有するようになるものである、
【化5】

式中、式(V)の指数y及びzは、前記モノマー比(y:z)が1:1〜1:4であり5000〜15000の重量平均分子量を有するようになるものである、
【化6】

式中、式(VI)の指数y及びzは、前記モノマー比(y:z)が1:1〜1:4であり5000〜15000の重量平均分子量を有するようになるものである、
【化7】

式中、式(VII)の指数x、y及びzは、前記モノマー比(x:y:z)が1:0.5:1〜1:1:1であり5000〜15000の重量平均分子量を有するようになるものである、
【化8】

式中、式(VIII)の指数x、y及びzは、前記モノマー比(x:y:z)が、これらに限定されないが、6:1:1、6:1:2、10:1:1及び10:1:2を含む1:1:1〜10:1:2であり10000〜75000、好ましくは10000又は50000の重量平均分子量を有するようになるものである、
【化9】

式中、式(IX)の指数y及びzは、前記モノマー比(y:z)が1:1〜1:2であり4000〜15000の重量平均分子量を有するようになるものである、
【化10】

式中、M+は水素又は水溶性陽イオンであり、式(X)の指数x、y及びzは、前記モノマー比(x:y:z)が1:0.5:1〜1:2:2であり5000〜15000の重量平均分子量を有するようになるものである、
【化11】

式中、M+は水素又は水溶性陽イオンであり、式(XI)の指数x、y及びzは、前記モノマー比(x:y:z)が1:0.5:1〜1:2:2であり5000〜15000の重量平均分子量を有するようになるものである
から成る群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項7】
前記組成物が、固体又は液体から選択される洗濯洗剤組成物であることを特徴とする、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項8】
請求項1に記載の洗剤組成物を少なくとも一部の表面と接触させ、次いでその表面をすすぐことによって表面を洗浄するための、請求項1に記載の洗剤組成物の使用。
【請求項9】
前記組成物が、硬質表面洗剤組成物であることを特徴とする、請求項1に記載の洗剤組成物。
【請求項10】
前記硬質表面洗剤組成物が、不織布基材を含浸させることを特徴とする、請求項11に記載の洗剤組成物。

【公表番号】特表2007−510806(P2007−510806A)
【公表日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−540043(P2006−540043)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【国際出願番号】PCT/US2004/039042
【国際公開番号】WO2005/052107
【国際公開日】平成17年6月9日(2005.6.9)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】