説明

マイクロコネクタ及びその製造方法

【課題】 雄側基材又は雌側基材に振動や衝撃が加えられても、雄型締結部と雌型締結部との締結状態を維持することができ、雄側基材及び雌側基材を機械的及び電気的に確実に締結することができるマイクロコネクタ及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 雄型締結部5と、雌型締結部8とを備えて、雄側基板3と雌側基板7とを接続するマイクロコネクタ1であって、雌型締結部8の先端側が根元側に対して湾曲して、雌型締結部8の先端側の内径が雄型締結部5の先端側の外径よりも大きい径に弾性変形可能とされ、雄型締結部5を雌型締結部8に挿通させた際に、雌型締結部8の先端側の内径が雄型締結部5の先端側の外径よりも小さい径に復元することにより、雄型締結部5及び雌型締結部8が互いに係合されるものとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、微小な領域にて電気的な接続を行うためのマイクロコネクタ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報通信機器を中心とする機器の小型化が急速に進められている。これに伴い、電気配線部分の小型化も進められ、基板同士の接続に際しては、大きさがマイクロメートルオーダーのマイクロコネクタが使用されてきている。このようなマイクロコネクタには、通常のコネクタと同様に、電気的な接触面積を確保するとともに、接続の際の機械的な強度を満たす必要がある。そこで、種々のマイクロコネクタが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。このマイクロコネクタは、雄型コネクタと雌型コネクタとのそれぞれに弾性を持たせることにより、その弾性力を利用して嵌合・保持させている。また、磁石を用いて位置合わせを容易にしている。
【特許文献1】特開平10−189168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来のマイクロコネクタの場合、雄型コネクタと雌型コネクタとが互いが嵌合した状態での弾性変形による弾性力のみでは、締結力が未だ十分ではなく、振動・衝撃によっては外れてしまう可能性がある。
本発明は上記事情に鑑みて成されたものであり、雄側基材又は雌側基材に振動や衝撃が加えられても、雄型締結部と雌型締結部との締結状態を維持することができ、雄側基材及び雌側基材を機械的及び電気的に確実に締結することができるマイクロコネクタ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
本発明に係るマイクロコネクタは、導電性を有する雄側配線が配された平面状の雄側基材上に導電性材料が堆積されて立設された雄型締結部と、導電性を有する雌側配線が配された平面状の雌側基材に配された雌型締結部とを備えて、前記雄側基材と前記雌側基材とを互いの法線方向から対向させて接続するマイクロコネクタであって、前記雄型締結部又は前記雌型締結部の先端側が根元側に対して湾曲して、前記雄型締結部の先端側の外径が前記雌型締結部の先端側の内径よりも小さい径、又は、前記雌型締結部の先端側の内径が前記雄型締結部の先端側の外径よりも大きい径に弾性変形可能とされ、前記雄型締結部を前記雌型締結部に挿通させた際に、前記雄型締結部の先端側の外径が前記雌型締結部の先端側の内径よりも大きい径、又は、前記雌型締結部の先端側の内径が前記雄型締結部の先端側の外径よりも小さい径に復元することにより、前記雄型締結部及び前記雌型締結部が互いに係合されることを特徴とする。
【0005】
このマイクロコネクタは、雄型締結部又は雌型締結部の何れか一方の弾性変形によって他方に対する挿通及び係合の双方を可能として、前記雄側基材と前記雌側基材とを機械的及び電気的に接続することができる。
【0006】
また、本発明に係るマイクロコネクタは、前記マイクロコネクタであって、前記雄型締結部の先端に、前記雄型締結部の根元側よりも径方向外方に突出した雄側突起部が配され、前記雌型締結部の先端側の内径が前記雄型締結部の根元側の外径よりも小さくなるように、前記雌側基材上に導電性材料が堆積されて前記雌型締結部が立設され、前記雌型締結部の先端側を根元側に対して径方向に湾曲して弾性変形させた際に、前記雌型締結部の先端側の内径を前記雄側突起部の外径よりも大きくするスリットが、前記雌型締結部に配され、前記雄型締結部を前記雌型締結部に挿通させた際に、前記雄側突起部の前記雌型締結部への押圧力を緩和する退避部が、前記雌型締結部の根元側に配されていることを特徴とする。
【0007】
この発明は、雌型締結部の先端側の内径が雄型突起部の外径よりも小さくても、雄型締結部と雌型締結部とを締結させる際、雄側突起部が雌型締結部の内周面を径方向外方に押圧することによって雌型締結部の先端側を弾性変形させて内径を広げることができ、雄側突起部を雌型締結部に挿通させることができる。そして、雄側突起部が雌型締結部の根元側に達した際には、退避部にて雄側突起部の雌型締結部への押圧力を緩和させることができ、雌型締結部の先端側の内径を再び縮小させることができる。この際、雄型締結部の根元側の径が雌型締結部の先端側の内径よりも大きいので、雌型締結部の先端側の内径が完全には復元せず、雄型締結部への押圧力を維持することができる。
【0008】
また、本発明に係るマイクロコネクタは、前記マイクロコネクタであって、前記雌型締結部が、前記雌側基材を貫通する貫通孔を備え、前記雄型締結部の根元側の外径が、前記貫通孔の内径よりも大きく形成され、前記雄型締結部の先端に、前記雄型締結部の根元側よりも径方向外方に突出した雄側突起部が配され、前記雄型締結部の先端側を根元側に対して径方向に湾曲して弾性変形させた際に、前記雄型突起部の外径を前記貫通孔の内径よりも小さくするスリットが、前記雄型締結部に配されていることを特徴とする。
【0009】
この発明は、雌型締結部の貫通孔の内径が雄側突起部の外径よりも小さくても、雄型締結部と雌型締結部とを締結させる際、貫通孔の内周面からの押圧力を受けて雄側突起部の先端側の外径を縮めることができ、雄側突起部を雌型締結部に挿通させることができる。そして、雄側突起部が雌型締結部の貫通孔を貫通した際には、雄側突起部への雌型締結部の押圧力を解除させることができ、雄型締結部の先端側の外径を再び拡開させることができる。この際、雄型締結部の根元側の径が雌型締結部の先端側の内径よりも大きいので、雄型突起部の外径が完全には復元せず、雌型締結部の雄型締結部への押圧力を維持することができる。
【0010】
また、本発明に係るマイクロコネクタは、前記マイクロコネクタであって、前記雄側突起部の周縁部又は前記雌型締結部の先端側の内径が曲面となっていることを特徴とする。
この発明は、雄型締結部と雌型締結部とを嵌合して雄側突起部を退避部と係合させる際、又は、雄側突起部を雌型締結部に貫通させる際に、雄型締結部を滑らかに弾性変形させて元の状態に復元させることができる。また、雄型締結部と雌型締結部との締結状態を解除するために雄型締結部の先端側を押圧させる際、雄型締結部の先端側を滑らかに弾性変形させて縮小させることができる。
【0011】
また、本発明に係るマイクロコネクタは、前記マイクロコネクタであって、前記雄型締結部及び前記雌型締結部とがそれぞれ嵌合されて通電されることを特徴とする。
この発明は、雄型締結部と雌型締結部との接触面積を確保して、電気的な接続状態を維持することができ、接触抵抗を小さくすることができる。
【0012】
また、本発明に係るマイクロコネクタは、前記マイクロコネクタであって、前記雄型締結部及び前記雌型締結部が互いに係合されることにより、前記雄型締結部又は前記雌型締結部の弾性変形に伴う復元力によって、前記雄型締結部の根元側の外周面と前記雌型締結部の先端側の内周面とが互いに押圧されて、前記雄型締結部及び前記雌型締結部とが互いに電気的に接触されることを特徴とする。
この発明は、雄型締結部の根元側の外周面と雌型締結部の先端側の内周面との間で、雄型締結部と雌型締結部との接触面積を確保して、電気的な接続状態を維持することができる。
【0013】
本発明に係るマイクロコネクタの製造方法は、基材の表面にパターン形成された平面状の電気配線が配された基材上に、電鋳により導電性材料を堆積して雄型締結部又は雌型締結部を立設させるマイクロコネクタの製造方法であって、前記電気配線を含む前記基材の表面に第一感光性材料を塗布し、露光して同心上に複数の未硬化層を分割配置して第一硬化層を形成する工程と、前記第一硬化層上に第二感光性材料を塗布し、露光して前記第一硬化層に対して第二硬化層を階段状に積層する工程とを備えていることを特徴とする。
【0014】
この発明は、電気配線を含む基材上に電鋳物を堆積させる際、未硬化層を分割する第一硬化層及び第二硬化層があった部分にスリットを形成することができる。従って、雄型締結部又は雌型締結部に径方向への弾性を持たせることができる。
【0015】
また、本発明に係るマイクロコネクタの製造方法は、前記マイクロコネクタの製造方法であって、前記電鋳物の先端を研磨して前記第二硬化層の表面高さと一致させる工程を備えていることを特徴とする。
この発明は、第二硬化層に電鋳物を支持させた状態で研磨することができ、電鋳物の先端の研磨を安定した状態で行うことができる。
【0016】
また、本発明に係るマイクロコネクタの製造方法は、前記マイクロコネクタの製造方法であって、前記第一硬化層と前記第二硬化層との境界となる前記第一硬化層の周縁部を曲面とする曲面形成工程を備えていることを特徴とする。
この発明は、第一硬化層と第二硬化層との境界部分によって電鋳物に生じる段部を曲面状にすることができ、製造されたマイクロコネクタの着脱を滑らかに行うことができる。
【0017】
また、本発明に係るマイクロコネクタの製造方法は、前記マイクロコネクタの製造方法であって、前記第二感光性材料が、前記第一感光性材料よりもガラス転移点が高いものとされ、前記曲面形成工程が、前記第一感光性材料のガラス転移点以上、かつ、前記第二感光性材料のガラス転移点以下の温度で加熱する工程であることを特徴とする。
【0018】
この発明は、第一硬化層の周縁部を曲面状にする際、第一感光性材料のガラス転移点よりも高く、かつ、第二感光性材料のガラス転移点以下の温度に加熱することによって、第一硬化層の周縁部を軟化させて曲面状にすることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、雄側基材又は雌側基材に振動や衝撃が加えられても、雄型締結部と雌型締結部との締結状態を維持することができ、雄側基材及び雌側基材を機械的及び電気的に確実に締結することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明に係る第1の実施形態について、図1から図5を参照して説明する。
本実施形態に係るマイクロコネクタ1は、図1に示すように、導電性を有する雄側配線(電気配線)2が配された雄側基板(雄側基材)3上にニッケル(Ni)(導電性材料)が堆積されて立設された雄型締結部5と、導電性を有する雌側配線(電気配線)6が配された雌側基板(雌側基材)7上にNiが堆積されて立設された雌型締結部8とを備えており、雄型締結部5と雌型締結部8とを締結させることによって雄側基板3と雌側基板7とを機械的かつ電気的に接続するものとなっている。
【0021】
雄側基板3及び雌側基板7は、例えばシリコン(Si)基板とされている。なお、Siに限らず、金属、ガラス、ポリイミド、エポキシ等からなる基板であっても構わない。ただし、基板が導電性材料である場合には、雄側基板3と雄側配線との間、及び雌側基板7と雌側配線6との間に図示しない絶縁層が配される。
雄型締結部5は、円柱状に形成されて雄側基板3から立設された雄側支持部10と、雄側支持部10の先端に配され、円柱状に形成されて雄側支持部10の外径(D1)よりも大きい外径(D2)の雄側突起部11とを備えている。雄側突起部11の先端面は球面状に盛り上がって形成されている。雄側支持部10と雄側突起部11との境界となる雄側突起部11の周縁部12Aは、外径が徐々に変化するように曲面状に形成されている。
【0022】
雌型締結部8は、雌側基板7から先端までの高さが雄型締結部5よりも低くなるようにして円筒状に形成された雌側支持部13を備えている。
雌側支持部13の先端側の内径(d1)は、雄側支持部10の外径(D1)よりも小さくなるように形成されている。
【0023】
雌側支持部13には、雌型締結部8の先端側を根元側に対して径方向に湾曲して弾性変形させた際に、雌型締結部8の先端側の内径を雄側突起部11の外径(D2)よりも大きくするように所定の幅を有するスリット15が、雌型締結部8を先端側から見たときに十文字状に形成されている。
【0024】
雌側支持部13の根元側には、雄側突起部11の外径よりも大きい内径(d2)を有して雄側突起部11の雌型締結部8への押圧力を緩和する退避部16が配されている。即ち、退避部16に対しては、雌側支持部13の先端側が径方向内方に突出した雌側突起部17となっている。退避部16と雌側突起部17との境界となる雌側突起部17の周縁部12Bは、外径が徐々に変化するように、曲面状に形成されている。
【0025】
次に、本実施形態に係るマイクロコネクタ1の製造方法について説明する。
このマイクロコネクタの製造方法は、雄型締結部5と雌型締結部8とで共通する工程を備えている。即ち、図2から図4に示すように、雄側基板3又は雌側基板7にそれぞれパターン形成された平面状の雄側配線2又は雌側配線6を含む表面に第一ネガフォトレジスト(第一感光性材料)を塗布し、露光して同心上に複数の第一未硬化層18,20を分割配置して第一硬化層21,22を形成する工程(S01)と、第一硬化層21,22上に第二ネガフォトレジスト(第二感光性材料)を塗布し、露光して第一硬化層21,22に対して第二硬化層23,24を階段状に積層する工程(S02)と、現像して第一未硬化層18,20及び第二未硬化層26を除去する工程(S03)と、第一硬化層21,22と第二硬化層23,24との境界となる第一硬化層21,22の周縁部21A,22Aを曲面とする曲面形成工程(S04)と、雄側配線2又は雌側配線6に通電して雄側基板3又は雌側基板7の表面から第一硬化層21,22及び第二硬化層23,24に沿って導電性材料を堆積させて、雄型締結部5を立設させる工程又は雌型締結部8を立設させる工程(S05)とを備えている。
【0026】
まず、雄型締結部5の製造方法について説明する。
第一ネガフォトレジストを塗布し、露光して同心上に複数の第一未硬化層18を分割配置して第一硬化層21を形成する工程(S01)では、最初に、図3(a),(b)に示すように、表面に平面状の雄側配線2がパターン形成された雄側基板3を用意する。そして、ネガフォトレジストが露光される波長がカットされた、いわゆる図示しないイエロールーム内で、雄側配線2を含む雄側基板3の表面に、例えば、エポキシ系の樹脂をベースとする化学増幅型の第一ネガフォトレジストを塗布する。
【0027】
続いて、第一ネガフォトレジストに硬化させない第一未硬化層18を形成するためのフォトマスクを第一ネガフォトレジストの表面に配置して、露光する。これにより、図3(c)に示すように、第一硬化層21と硬化されない第一未硬化層18とを形成する。
【0028】
次に、第二ネガフォトレジストを塗布し、露光して第一硬化層21に対して第二硬化層23を階段状に積層する工程(S02)を行う。ここでは、第二ネガフォトレジストとして、第一ネガフォトレジストのガラス転移点よりも高いガラス転移点を有するものを第一硬化層21及び第一未硬化層18の表面に塗布する。
【0029】
そして、第一硬化層21に対して第二硬化層23が階段状に積層されるように、第二ネガフォトレジストに硬化させない第二未硬化層(不図示)を形成するための図示しないフォトマスクを第二ネガフォトレジストの表面に配置して、露光する。これにより、第二硬化層23と硬化されない第二未硬化層とを形成する。
【0030】
そして、現像して第一未硬化層18及び第二未硬化層を除去する工程(S03)に移行して、これらを除去する。
即ち,上述した工程までによって製造されたものを現像液中に漬けて、図3(d)に示すような状態とする。
【0031】
次に、曲面形成工程(S04)に移行する。
ここでは、第一ネガフォトレジストのガラス転移点以上、かつ、第二ネガフォトレジストのガラス転移点以下の温度で加熱する。これによって、図3(e)に示すように、第一硬化層21の周縁部21Aを軟化させて曲面状にする。こうして、雄用電鋳型27を得る。
【0032】
そして、雄型締結部5を立設させる工程(S05)に移行する。
即ち、図示しない電鋳液内に雄用電鋳型27を浸した状態で、雄側配線2を利用してこれに電圧を印加して電子を供給する。これによって図示しない電極から溶出されたNiイオンが移動して、図3(f)に示すように、雄側配線2上にNiを徐々に析出させる。
こうして、第一硬化層21及び第二硬化層23を、例えば、有機溶剤にて溶融して除去して、図3(g)に示すように、雄型締結部5を得る。
【0033】
次に、雌型締結部8の製造方法について説明する。
雌型締結部8を製造する工程は、上述のように雄型締結部5と同様の工程となるが、さらに、電鋳物28の先端28aを研磨して第二硬化層24の表面高さと一致させる工程(S16)を備えている。
【0034】
まず、第一ネガフォトレジストを塗布し、露光して同心上に複数の第一未硬化層20を分割配置して第一硬化層22を形成する工程(S01)では、雄型締結部5の場合と同様に、図4(a),(b)に示すように、表面に平面状の雌側配線6がパターン形成された雌側基板7を用意する。そして、図示しないイエロールーム内で、雌側配線6を含む雌側基板7の表面に、第一ネガフォトレジストを塗布する。
【0035】
続いて、第一ネガフォトレジストに硬化させない第一未硬化層20を形成するための図示しないフォトマスクを第一ネガフォトレジストの表面に配置して、露光する。これにより、図4(c)に示すように、第一硬化層22と硬化されない第一未硬化層20とを形成する。この際、図4(d)に示すように、第一硬化層22内の同心上で軸対称に四分割された円筒状の第一未硬化層20を配置する。
【0036】
次に、第二ネガフォトレジストを塗布し、露光により第一硬化層22に対して第二硬化層24を階段状に積層する工程(S02)を行う。
即ち、第二ネガフォトレジストを、第一硬化層22及び第一未硬化層20の表面に塗布する。
そして、第一硬化層22に対して第二硬化層24が階段状に積層されるように、第二ネガフォトレジストに図示しないフォトマスクを表面に配置して、露光する。これにより、図4(e)に示すように、第二フォトレジストの第二未硬化層26を第一未硬化層20上に重ねた状態とした第二硬化層24を形成する。
【0037】
そして、現像して第一未硬化層20及び第二未硬化層26を除去する工程(S03)に移行して、雄型締結部5の場合と同様にして第一未硬化層20及び第二未硬化層26を除去し、図4(f)に示すように、第一硬化層22とこれに階段状に積層された第二硬化層24とを得る。
次に、曲面形成工程(S04)に移行し、雄型締結部5の場合と同様にして、図4(g)に示すように、第一硬化層22の周縁部22Aを軟化させて曲面状にする。こうして、雌用電鋳型29を得る。
【0038】
続いて雌型締結部8を立設させる工程(S05)に移行する。
即ち、雄型締結部5の場合と同様に、雌用電鋳型29の雌側配線6を利用して電圧を印加する。そして、雌側配線6上にNiを徐々に析出させて電鋳物28を形成する。このとき、図4(h)に示すように、電鋳物28の先端28aが、第二硬化層24から突出した状態で形成される。
【0039】
この場合、電鋳物28の先端28aを研磨して第二硬化層24の表面高さと一致させる工程(S06)に移行する。即ち、図4(i)に示すように、電鋳物28の先端28aと第二硬化層24の表面とが同一平面上になるように、電鋳物28の先端28aを研磨する。
こうして、第一硬化層22及び第二硬化層24を、例えば、有機溶剤にて溶融して除去して、図4(j)に示すように、雌型締結部8を得る。
【0040】
このようにして得られた雄型締結部5と雌型締結部8とを接続する際の作用について説明する。
まず、図1(a)に示すように、雄型締結部5と雌型締結部8とが対向するように雄側基板3と雌側基板7とを対向させる。
【0041】
この状態で、雄型締結部5の雄側突起部11を雌型締結部8内に挿入する。この際、雌側支持部13の先端側の内径(d1)よりも雄側突起部11の外径(D2)のほうが大きい。そこで、雄側突起部11が雌側突起部17の内周面に当接された際、雌側支持部13の先端側を根元側に対して径方向外方に押圧し、弾性変形により湾曲させて拡開する。この状態では、雄側突起部11の外径(D2)よりも雌側突起部17の内径のほうが大きくなるので、雄側突起部11が雌側支持部13内に挿入される。
【0042】
さらに挿入を進め、雄側突起部11を雌側支持部13の退避部16に至らせて雌側基板7に当接させる。このとき、雄側突起部11の外径(D2)のほうが、退避部16の内径(d2)よりも小さいので、雌側支持部13と雄側突起部11との径方向の押圧関係が解除され、雌側支持部13の先端側が元の状態に戻ろうとして径方向内方に湾曲して復元しようとする。しかし、雌側支持部13先端側の内径(d1)が、雄側支持部10の外径(D1)よりも小さいので、完全には元の内径(d1)まで復元せず、雌側突起部17が雄側支持部10を押圧する状態となる。こうして、図1(b)に示すように、雄側突起部11と退避部16とが係合した状態で雄型締結部5と雌型締結部8とが接続され、雌側突起部17の内周面と雄側支持部10の外周面との間が導通状態となる。
【0043】
雄型締結部5と雌型締結部8とを分離する際には、雄側基板3と雌側基板7とを互いに離間させる方向に移動する。そして、雄側突起部11と雌側突起部17とを接触させて雄側突起部11が再び雌側支持部13の先端側を拡開させるようにする。この際、雄側突起部11の周縁部12A及び雌側突起部17の周縁部12Bがともに曲面状なので、雄側突起部11と雌側突起部17とが引っ掛ることなくスムーズに移動する。こうして、雄型締結部5と雌型締結部8とを離間させる。このとき、雌側支持部13が弾性変形して元の状態に戻る。
【0044】
このマイクロコネクタ1及びその製造方法によれば、振動や衝撃が加えられても、雄型締結部5と雌型締結部8との締結状態を維持することができる。この際、雄型締結部5の雄側支持部10と雌型締結部8の雌側支持部13との間の接触面積を好適に確保して接触抵抗を小さくすることができ、電気的な接続状態を好適に維持することができる。
【0045】
また、雌側配線6を含む雌側基板7上に電鋳物28を堆積させる際、第一未硬化層20及び第二未硬化層26を分割した部分にスリット15を形成することができる。従って、スリット15に沿って雌型締結部8に対して径方向への弾性を持たせることができる。
【0046】
次に、第2の実施形態について図5を参照しながら説明する。
なお、上述した第1の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係るマイクロコネクタ30の雄型締結部31に、雄側支持部32の先端側を根元側に対して径方向に湾曲可能なスリット33が配され、雌型締結部35が、雌側基板36を貫通するとともに雄型締結部31が挿通可能な貫通孔37を備えているとした点である。
【0047】
スリット33は、所定の幅を有して雄側支持部32の先端側から見て一文字状に形成されており、先端から根元側までの高さ方向に配されている。なお、スリット33の形状は、第1の実施形態のように十文字状であっても構わない。
【0048】
雌型締結部35の貫通孔37の内径(d3)は、雄側支持部32の先端側を湾曲してスリット33幅を縮めた際に形成される雄側突起部38の外径(D2)よりも大きく、かつ、雄側支持部32が弾性変形していない場合の外径(D3)よりも小さく形成されている。
貫通孔37の内周面には、雌側配線6と接続された導電層39が配されている。
【0049】
次に、本実施形態に係るマイクロコネクタ30の製造方法について、まず、雄型締結部31について説明する。
本実施形態の場合も、第1の実施形態と同様の工程によって製造する。この際、第一ネガフォトレジストを塗布し、露光して第一硬化層を形成する工程(S01)では、第1の実施形態に係る雌型締結部35の場合と同様の方法によって、同心上で二つに等分割された円筒状の第一未硬化層を第一硬化層内に配置する。
【0050】
第二ネガフォトレジストを塗布し、露光して第一硬化層に対して第二硬化層を階段状に積層する工程(S02)も第1の実施形態と同様に行う。この際、第1の実施形態に係る雌型締結部35の場合のように、第一硬化層に対して第二硬化層が階段状に積層されるように、第二ネガフォトレジストにフォトマスクを表面に配置して、露光する。これにより、第二フォトレジストの第二未硬化層を第一未硬化層上に重ねた状態とした第二硬化層を形成する。
その後、第1の実施形態と同様の作業を行い、雄型締結部31を得る。
【0051】
一方、雌型締結部35は、雌側基板36に貫通孔37を形成し、その内周面に導電層39を配することによって得られる。
【0052】
こうして得られた雄型締結部31と雌型締結部35とを接続する際の作用について説明する。
まず、図5(a)に示すように、雄型締結部31と雌型締結部35とが対向するように雄側基板3と雌側基板7とを対向させる。
【0053】
この状態で、雄型締結部31の雄側突起部38を雌型締結部35に挿入する。この際、貫通孔37の内径(d3)よりも雄側突起部38の外径(D2)のほうが大きいが、雄側突起部38が貫通孔37の内周面に当接する際に、雄側支持部32の先端側が根元側に対して径方向内方に押圧され、湾曲して雄型締結部31の先端側の外径が収縮する。この状態では、雄側突起部38の外径は、雌型締結部35の貫通孔37の内径(d3)よりも小さくなるので、雄側突起部38が貫通孔37内に挿入する。
【0054】
さらに挿入を進め、雄側突起部38を雌側基板7の反対側の面まで貫通させる。このとき、雄側突起部38への押圧状態が解除され、雄側支持部32の先端側が元の状態に戻ろうとして径方向外方に復元する。しかし、雄側支持部32の外径(D3)が、貫通孔37の内径(d3)よりも大きいので、完全には元の状態まで復元せず、貫通孔37が雄側支持部32を押圧する状態となる。こうして、雄型締結部31と雌型締結部35とが接続され、貫通孔37の内周面の導電層39と雄側支持部32の外周面との間が導通状態となる。
【0055】
このマイクロコネクタ30によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0056】
次に、第3の実施形態について図6を参照しながら説明する。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第3の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係るマイクロコネクタ40が、第1の実施形態と同じ構成の雄型締結部5及び雌型締結部8の他に、さらに、雄側基板3及び雌側基板7の電気的な接続を行うための雄側電極41及び雌側電極42を別に備えているとした点である。
【0057】
即ち、本実施形態のマイクロコネクタ40における雄型締結部5及び雌型締結部8は、ガイド部材として雄側基板3及び雌側基板7の機械的な接続のみの機能を有している。
雄側電極41は、ピン状に形成され、雄側基板3に配された雄側配線2上に立設されている。
【0058】
雌側電極42は、円筒状に形成され、雄側電極41と対向する位置となる雌側基板7の雌側配線6上に立設されている。雌側電極42と雄側電極41とは互いに嵌合可能な径となっている。
【0059】
このマイクロコネクタ40の雄側電極41と雌側電極42とを接続する場合には、第1の実施形態と同様の方法によって、雄型締結部5及び雌型締結部8とを互いに締結することにより行う。この際、雄側電極41と雌側電極42とが嵌合することによって、雄側電極41の外周面と雌側電極42の内周面との間で導通状態とするとともに、雄側基板3と雌側基板7とを機械的に接続する。
【0060】
このマイクロコネクタ40によれば、雄型締結部5及び雌型締結部8が上述した形状なので、両者を着脱する際、大きな力を要する。しかし、雄側電極41及び雌側電極42は、従来のような形状で構わないので、雄側電極41及び雌側電極42が複数組必要な場合でも、雄側基板3と雌側基板7との着脱に際して、これらに比例するような大きな力を要さずに行うことができ、電気的な接続を確実に行うことができる。
【0061】
次に、第4の実施形態について図7及び図8を参照しながら説明する。
なお、上述した他の実施形態と同様の構成要素には同一符号を付すとともに説明を省略する。
第4の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、本実施形態に係るマイクロコネクタ50の雌型締結部51における雌側支持部52が、円筒状に形成されて径方向に設けられたスリット53によって軸対称に二分割され、それぞれの根元側に窓(退避部)55が配されているとした点である。
【0062】
雌側支持部52は、先端から根元側にかけて同一の内外径とされている。
雄型締結部56の雄側突起部57は、第1の実施形態のような円筒状ではなく、雄側支持部58の中心に対して対称となる位置にのみ径方向外方に突出して配されている。
雄側突起部57の外径(D4)は、雌側支持部52の内径(d4)よりも大きく、かつ、雌側支持部52の外径(d5)よりも小さく形成されている。なお、雄側支持部58の外径(D5)は、雌側支持部52の内径(d4)よりも大きく形成されている。
【0063】
このマイクロコネクタ50は、第1の実施形態における第一硬化層21,22及び第二硬化層23,24とは形状が異なる以外は、第1の実施形態と同様の方法によって製造される。
【0064】
次に、本実施形態に係るマイクロコネクタ50に係る雄型締結部56及び雌型締結部51を接続する方法について説明する。
まず、雄型締結部56と雌型締結部51とが対向するように雄側基板3と雌側基板7とを対向させる。
【0065】
この状態で、雄型締結部56の雄側突起部57を雌型締結部51に挿入する。この際、第1の実施形態と同様に、雄側突起部57が、雌側支持部52の内周面と擦れながら雌側支持部52の先端側を径方向外方へ湾曲させて根元側に対して拡開させる。さらに挿入を進めて雄側突起部57を窓55に至らせる。このとき、雄側突起部57と窓55とが係合するのにともない、雄側突起部57と雌側支持部52との押圧関係が解除され、雌側支持部52の先端側が元の状態に戻ろうとして径方向内方に復元する。
【0066】
しかし、雄側支持部58の外径(D5)が、雌側支持部52の内径(d5)よりも大きいので、完全には元の状態まで復元せず、雌側支持部52が雄側支持部58を押圧する状態となる。こうして、雄型締結部56と雌型締結部51とが接続され、雌側支持部52の内周面と雄側支持部58の外周面との間が導通状態となる。
このマイクロコネクタ50によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0067】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態に係る雄型締結部及び雌型締結部のそれぞれを組み合わせて使用しても構わない。
【0068】
また、雄側突起部の周縁部を曲面状としているが、代わりに角部を面取りしても構わない。また、曲面加工しない場合には、雄型締結部と雌型締結部とを一度接続させてその後取外しできないようにすることができる。
さらに、曲面形成する際、加熱せずに第一硬化層を機械加工して研削しても構わない。
【0069】
また、スリットの形状や数は、十文字や一文字のものに限らず、雄型締結部又は雌型締結部の先端側を根元側に対して径方向に湾曲させることができる形状であれば構わない。
また、雄型締結部及び雌型締結部は基板に配するものに限らず、電鋳によって立設可能な基材であればどのような形状であっても構わない。
【0070】
また、雄型締結部及び雌型締結部を電気めっきによる電鋳としているが、無電解めっきにより作製しても構わない。
また、Niの電鋳としているが、Niに限らず、銅や金、コバルト、クロム、及びこれらの合金からなるものとしても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るマイクロコネクタの(a)雄型締結部及び雌型締結部を示す側面図、(b)雄型締結部及び雌型締結部を接続した状態を示す側面図、(c)雌型締結部を示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るマイクロコネクタの(a)雄型締結部、(b)雌型締結部の製造方法を示すフロー図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るマイクロコネクタの製造方法を示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係るマイクロコネクタの製造方法を示す説明図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係るマイクロコネクタの(a)雄型締結部及び雌型締結部を示す側面図、(b)雄型締結部及び雌型締結部を接続した状態を示す側面図、(c)雌型締結部を示す平面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態に係るマイクロコネクタの雄型締結部及び雌型締結部を示す側面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係るマイクロコネクタの(a)雄型締結部及び雌型締結部を示す斜視図、(b)雄型締結部及び雌型締結部を示す側面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態に係るマイクロコネクタの(a)雄型締結部及び雌型締結部を接続した状態を示す側面図、(b)雌型締結部を示す平面図である。
【符号の説明】
【0072】
1,30,40,50 マイクロコネクタ
2 雄側配線(電気配線)
3 雄側基板(雄側基材)
5,31,56 雄型締結部
6 雌側配線(電気配線)
7,36 雌側基板(雌側基材)
8,35,51 雌型締結部
11,38,57 雄側突起部
15,53 スリット
16 退避部
18,20 第一未硬化層
21,22 第一硬化層
21A,22A 周縁部
23,24 第二硬化層
26 第二未硬化層
37 貫通孔
55 窓(退避部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性を有する雄側配線が配された平面状の雄側基材上に導電性材料が堆積されて立設された雄型締結部と、導電性を有する雌側配線が配された平面状の雌側基材に配された雌型締結部とを備えて、前記雄側基材と前記雌側基材とを互いの法線方向から対向させて接続するマイクロコネクタであって、
前記雄型締結部又は前記雌型締結部の先端側が根元側に対して湾曲して、前記雄型締結部の先端側の外径が前記雌型締結部の先端側の内径よりも小さい径、又は、前記雌型締結部の先端側の内径が前記雄型締結部の先端側の外径よりも大きい径に弾性変形可能とされ、
前記雄型締結部を前記雌型締結部に挿通させた際に、前記雄型締結部の先端側の外径が前記雌型締結部の先端側の内径よりも大きい径、又は、前記雌型締結部の先端側の内径が前記雄型締結部の先端側の外径よりも小さい径に復元することにより、前記雄型締結部及び前記雌型締結部が互いに係合されることを特徴とするマイクロコネクタ。
【請求項2】
前記雄型締結部の先端に、前記雄型締結部の根元側よりも径方向外方に突出した雄側突起部が配され、
前記雌型締結部の先端側の内径が前記雄型締結部の根元側の外径よりも小さくなるように、前記雌側基材上に導電性材料が堆積されて前記雌型締結部が立設され、
前記雌型締結部の先端側を根元側に対して径方向に湾曲して弾性変形させた際に、前記雌型締結部の先端側の内径を前記雄側突起部の外径よりも大きくするスリットが、前記雌型締結部に配され、
前記雄型締結部を前記雌型締結部に挿通させた際に、前記雄側突起部の前記雌型締結部への押圧力を緩和する退避部が、前記雌型締結部の根元側に配されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロコネクタ。
【請求項3】
前記雌型締結部が、前記雌側基材を貫通する貫通孔を備え、
前記雄型締結部の根元側の外径が、前記貫通孔の内径よりも大きく形成され、
前記雄型締結部の先端に、前記雄型締結部の根元側よりも径方向外方に突出した雄側突起部が配され、
前記雄型締結部の先端側を根元側に対して径方向に湾曲して弾性変形させた際に、前記雄型突起部の外径を前記貫通孔の内径よりも小さくするスリットが、前記雄型締結部に配されていることを特徴とする請求項1に記載のマイクロコネクタ。
【請求項4】
前記雄側突起部の周縁部が曲面となっていることを特徴とする請求項1から3の何れか一つに記載のマイクロコネクタ。
【請求項5】
前記雌側締結部の先端側の内径が曲面となっていることを特徴とする請求項1から4の何れか一つに記載のマイクロコネクタ。
【請求項6】
前記雄型締結部及び前記雌型締結部とがそれぞれ嵌合されて通電されることを特徴とする請求項1から5の何れか一つに記載のマイクロコネクタ。
【請求項7】
前記雄型締結部及び前記雌型締結部が互いに係合されることにより、前記雄型締結部又は前記雌型締結部の弾性変形に伴う復元力によって、前記雄型締結部の根元側の外周面と前記雌型締結部の先端側の内周面とが互いに押圧されて、前記雄型締結部及び前記雌型締結部とが互いに電気的に接触されることを特徴とする請求項6に記載のマイクロコネクタ。
【請求項8】
基材の表面にパターン形成された平面状の電気配線が配された基材上に、電鋳により導電性材料を堆積して雄型締結部又は雌型締結部を立設させるマイクロコネクタの製造方法であって、
前記電気配線を含む前記基材の表面に第一感光性材料を塗布し、露光して同心上に複数の未硬化層を分割配置して第一硬化層を形成する工程と、
前記第一硬化層上に第二感光性材料を塗布し、露光して前記第一硬化層に対して第二硬化層を階段状に積層する工程とを備えていることを特徴とするマイクロコネクタの製造方法。
【請求項9】
前記電鋳物の先端を研磨して前記第二硬化層の表面高さと一致させる工程を備えていることを特徴とする請求項8に記載のマイクロコネクタの製造方法。
【請求項10】
前記第一硬化層と前記第二硬化層との境界となる前記第一硬化層の周縁部を曲面とする曲面形成工程を備えていることを特徴とする請求項8又は9に記載のマイクロコネクタの製造方法。
【請求項11】
前記第二感光性材料が、前記第一感光性材料よりもガラス転移点が高いものとされ、
前記曲面形成工程が、前記第一感光性材料のガラス転移点以上、かつ、前記第二感光性材料のガラス転移点以下の温度で加熱する工程であることを特徴とする請求項9に記載のマイクロコネクタの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−128798(P2007−128798A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−321791(P2005−321791)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】