説明

マイナスイオン水の製造方法、及び、マイナスイオン水

【課題】本発明では、マイナスイオン水の製造方法、及び、マイナスイオン水を提供することを目的とする。
【解決手段】このマイナスイオン水は、純水から脱酸素処理を行い、溶存酸素を1ppm以下にしてから電解質槽を通して電気分解し、更に陰極室側の水を安定化槽に入れて製造したものである。試験したマイナスイオン水は、通常ではpH12以上を有し、菌の繁殖が不可能な領域(高アルカリ性菌でpH10.5)にあるが、肌に触れると弱酸性に中和される性質を持っている。つまり、このマイナスイオン水は、基本的な目的である殺菌性や防カビ性において大変優れており、なおかつ使用安全性が高い製剤組成物を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイナスイオン水の製造方法、及び、マイナスイオン水に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、化粧品、医薬部外品、医薬品等の製剤組成物の調製には、その用途に応じて、水道水、井戸水、湧水、精製水、その他の様々な種類の水(以下「調製水」とよぶ)が使用されている。また、製剤組成物の調製には、有機物質の生理活性を利用して調整を行うため、様々な種類の有機物質が使用されている。利用される有機物質としては、動物の臓器や、植物の葉、花、茎及び根等の天然素材から抽出される抽出物を始めとして、水溶性又は油溶性を問わず様々な種類のものがある。
【0003】
そのため、製剤組成物を長期間保存すると、調製の際に使用した調製水及び有機物質を原因とする微生物やカビが発生するので、製剤組成物には、様々な種類の殺菌剤や防腐剤が混入されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、製剤組成物に混入されている殺菌剤や防腐剤の中には、皮膚に対する安全性が充分に確認されているとは言い難いものもある。そのため、これらの殺菌剤や防腐剤が混入されている調剤組成物を使用した使用者が、皮膚刺激反応やアレルギー反応を引き起こす可能性があった。
【0005】
そのため、殺菌剤や防腐剤を一切使用しないことも考えられるが、殺菌剤や防腐剤を混入しないと、上述したように調製の際に使用した調製水及び有機物質を原因とする微生物やカビが発生するので、製剤組成物は一週間程度の短い期間しか使用することができなかった。
【0006】
そこで、本発明では、使用者にとって安全であり、かつ、長期保存もできる製剤組成物を調製可能なマイナスイオン水の製造方法、及び、この製造方法により製造されたマイナスイオン水を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための請求項1記載の発明は、マイナスイオン水の製造方法であって、脱酸素処理を行って純水の溶存酸素を1ppm以下にする脱酸素工程と、この脱酸素工程により脱酸素処理を行った前記純水を電気分解する電気分解工程と、この電気分解工程により電気分解された前記純水のうち、陰極室側の前記純水を密閉された安定化槽内で 圧力をかける安定化工程とを経て、前記純水を処理したマイナスイオン水を製造することを特徴とする。
【0008】
この製造方法により製造されたマイナスイオン水は、各種実験により、長期間安定的に高いアルカリ性が維持されるため殺菌能力が継続的に維持されることが分かった。また、このマイナスイオン水は、人体に触れると高いアルカリ性を維持する性能が失われ、人体に安全な状態になることが分かった。
【0009】
従って、本発明の製造方法により製造されたマイナスイオン水を用いれば、このマイナスイオン水が微生物やカビの発生を防止するので、長期間保存可能な製剤組成物を調製することができる。
【0010】
また、本発明の製造方法により製造されたマイナスイオン水を用いれば、このマイナスイオン水は人体に触れると、人体にとって安全な状態になるので、使用者にとって安全な製剤組成物を調製することができる。
【0011】
その他、本発明の製造方法により製造されたマイナスイオン水は、他のマイナスイオン水等に比べ、洗浄力や帯電防止効果、消臭効果に優れた特性を有する。
次に、請求項2に記載したマイナスイオン水は、脱酸素処理を行って純水の溶存酸素を1ppm以下にし、この純水を電気分解し、さらに、電気分解された前記純水のうち、陰極室側の前記純水を密閉された安定化槽内で圧力をかけて製造されたことを特徴とする。
【0012】
このマイナスイオン水は、上記製造方法で製造されたマイナスイオン水と同様の作用効果を発揮する。
尚、脱酸素処理は、イオン交換膜法等どのような方法で脱酸素処理を行ってもよい。
【0013】
また、安定化槽内で純水にかける圧力は、4kg/cm2 以上であることが好ましく、12kg/cm2 以上であることがより好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
次に、本発明が適用された実施形態について説明する。
ここで、図1は、本実施形態のマイナスイオン水の製造工程を説明するための模式図である。
【0015】
図1に示すように、本実施形態のマイナスイオン水の製造方法では、3つの工程を経て、純水からマイナスイオン水を製造する。
第1の工程である脱酸素工程1では、イオン交換膜を用いて、純水中の溶存酸素の濃度を1ppm以下に落とす脱酸素処理を行う。
【0016】
第2の工程である電気分解工程2では、脱酸素処理を行った純水中に電極を配して純水を電気分解し、マイナスの電極が配された陰極室側の純水を取り出す電気分解処理を行う。
【0017】
第3の工程である安定化工程3では、電気分解工程により電気分解された前記純水のうち、陰極室側の純水を密閉された安定化槽内で4kg/cm2 の圧力をかけた状態で2〜3日寝かせる安定化処理を実行する。尚、安定化処理で純水にかける圧力は少なくとも4kg/cm2 以上あるとよく、より好ましくは12kg/cm2であるとよい。
【0018】
そして、この3つの製造工程を経て得られたマイナスイオン水について以下のような実験を行った。
<実験例1(本実施形態のマイナスイオン水の経時安定性)>
試験液1は、本実施形態のマイナスイオン水であり、試験液2は、レドックス株式会社製、商品名:レドックスウォータータイプIS‘生成機)というマイナスイオン水で、試験液3は、アマノ株式会社製、商品名:電解洗浄水精製装置Σ3000というマイナスイオン水である。そして、本実験では、これらの試験液を100mlの透明ガラス瓶に注いで満水の状態とした。そして、これらの試験液を室温にて開放放置し、そのpH変化、酸化還元電位(ORP)の変化、及び、外観変化を所定時間毎に測定した。また密閉した状態でも同様の測定を行った。
【0019】
【表1】

【0020】
外観観察では、3者間に有意の差は認められなかったが、pH変化および酸化還元電位(ORP)変化は表1に示されている通り、本実施形態のマイナスイオン水のpHが開放して放置したものについては72時間放置しても10に保たれていた一方で、他社品のpHは10を下回っている。また、密閉したものについては、本実施形態のマイナスイオン水は72時間放置してもpHが12.2に維持されていた一方で、他社品のpHは10を下回った。
【0021】
このことから、本実施形態のマイナスイオン水は、イオン化によって物理的に電子が過剰な状態が長期間安定的に維持されることが実証された。微生物である菌類(グラム陰性菌、グラム陽性菌、黴等)は高アルカリ性域では繁殖できないことが知られている。そのため、本実施形態のマイナスイオン水は殺菌効果があることが予想される。そこで、次に本実施形態のマイナスイオン水の制菌作用について実験を行った。
<試験例2(本実施形態のマイナスイオン水の制菌作用)>
試験液1は、本実施形態のマイナスイオン水であり、試験液2は、レドックス株式会社製、商品名:レドックスウォータータイプIS‘生成機という減菌精製水である。試験方法としては、一般的に使用されている"平板培養法"を使用し、保存温度は25℃に設定し、培養に用いるシャーレの中に、試験液1及び2及び各種菌を注入し、所定時間毎に生菌数を計数した。下記表2はその試験結果を示している。用いた菌は、大腸菌、緑膿菌、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌、MRSA(メチシリン・レジスタント・スタヒロコッカス・アウレウスの略語で、メチシリン(抗生物質の名称)に耐性を獲得した黄色ブドウ球菌を意味する)、腸炎ビブリオである。
【0022】
【表2】

【0023】
試験液2では、24時間経過しても菌が生きており、MRSAに至っては、4倍に増加しているが、本実施形態のマイナスイオン水である試験液1が注入されたシャーレでは、何れの菌に対しても、6時間を経過した時点で生菌数が0となった。
【0024】
このことから、本実施形態のマイナスイオン水は、微生物やカビ等の発生が長期間安定的に抑制されるが実証された。
<試験例3(急性毒性試験)>
本実施形態のマイナスイオン水の急性毒性試験としてヒメダカに対する魚毒性試験を実施した。試験条件は以下の通りである。
試 験 魚 :ヒメダカ(平均体長3.0cm、平均体重0.24g)
順化条件 :試験前14日間、(自然放置により残留塩素を除去した水道水(pH7.9)、水温 :23±1℃ 照明 :14時間/日で飼育して順化させた。尚、順化期間中の試験魚の死亡率は5%以下であった)
群魚数 :10尾、水温 :23±1℃、照明 :14時間/日
試験容器 :丸形ガラス製水槽
希 釈 水 :自然放置により残留塩素を除去した水道水(pH7.9)
試験水の調製 :本実施形態のマイナスイオン水を希釈水に添加して、1,000−100,000ppmの試験水を調製した。
測 定 :各試験水における試験魚の挙動を観察し、24、48、72及び96時間後の死亡数を記録した。
結 果 :いずれの試験水でも死亡例は0であった。従って、0%死亡率は100,000mg/l以上であり、体重当りでは、218,341g/l以上となるので、本実施形態のマイナスイオン水は実質的には毒性を呈さないことが立証された。
<試験例4(洗浄力試験)>
試験水1は、本実施形態のマイナスイオン水、試験液2は、レドックス株式会社製、商品名:レドックスウォータータイプIS‘生成機というマイナスイオン水で、試験液3は、アマノ株式会社製、商品名:電解洗浄水精製装置Σ3000というマイナスイオン水である。また、界面活性剤を主体とする市販の台所用洗剤を標準品として、これらの試験液の洗浄力をJIS K3362(合成洗剤試験方法)の7.2(台所用合成洗剤)の洗浄力評価法に準じて比較評価した。具体的には、標準汚れ(牛脂・大豆油・モノオレイン及びオイルレッドの混合物)を付着させたガラス片を装着した洗浄力試験器(回転数250±10rpm)を使用して3分間洗浄した後、1分間濯ぎを行い、次いで室温で1昼夜風乾した。ガラス片をクロロホルム溶液に浸し、クロロホルム溶液の赤色の程度(汚れ落ちの程度)を標準品により処理した場合と目視で比較することにより評価を行った。
【0025】
【表3】

【0026】
表3に示すように、試験液2及び3は、クロロホルム溶液の色が標準液より濃く、洗浄力が劣ることが判明したが、本実施形態のマイナスイオン水である試験液1は標準液と殆ど差がない洗浄力を有することが判明した。
<試験例5(帯電防止効果)>
JIS L0217に規定する洗い方番号103に準じて、洗い−濯ぎ−脱水−自然乾燥を行った試料(ポリエステル100%)に、試料水(試験液1は本実施形態のマイナスイオン水、試験液2は、レドックス株式会社製、商品名:レドックスウォータータイプIS‘生成機というマイナスイオン水で、試験液3は、アマノ株式会社製、商品名:電解洗浄水精製装置Σ3000というマイナスイオン水、試験液4は純水である。)を20ml/m2吹きつけて、1時間熱風(70℃)乾燥した。その後24時間調湿し(温度20±5℃、相対湿度40%以下)、ポリエチレン袋に封入し試料の調製を行った。試料を回転式摩擦装置に入れ、60±10℃のドラムで15分間運転した。絶縁性手袋でドラムより試料を取り出し、帯電電荷量測定装置のファラデーゲージに投入し、電位差計の数値V(v)を読み、帯電電荷量Q(C)を求めた。なお、試料に帯電している静電気は、1回ごとに自己放電式除電器を用いて除電した。
【0027】
【表4】

【0028】
この表4に示されている通り、本実施形態のマイナスイオン水は、他の試験液に比べて、帯電防止効果において優れていることが判明した。
<試験例6(消臭効果)>
試料水(試験液1は本実施形態のマイナスイオン水、試験液2は、レドックス株式会社製、商品名:レドックスウォータータイプIS‘生成機というマイナスイオン水で、試験液3は、アマノ株式会社製、商品名:電解洗浄水精製装置Σ3000というマイナスイオン水)1gを容器に秤取し、密栓して、メチルメルカプタン50μlをガスタイトシリンジを用いて密栓した容器に注入し、振盪しながら室温で放置した。経時的に容器内のガスをガスクロマトグラムへ注入した。同様の方法でブランクテストを行い、得られたガスクロマトグラム上のピーク高さを測定し、ブランクを本実施形態のマイナスイオン水として試料の各測定時刻における残存率を測定した。
【0029】
【表5】

【0030】
この表5に示されている通り、本実施形態のマイナスイオン水は、他の試験液に比べて消臭効果において極めて優れていることが判明した。
<試験例7(安全性)>
この実験では、マイナスイオン水を直接肌に触れさせる実験を行った。
【0031】
その結果、マイナスイオン水は、人間の肌に触れる前のpHが12であったが、肌に触れた瞬間に、人体に触れても安全なレベルである5.6にpHが下がった。
以上説明した本実施携帯の製造方法で製造したマイナスイオン水を用いると以下のような効果がある。
【0032】
この製造方法により製造されたマイナスイオン水は、実験1及び実験2により、長期間安定的に高いアルカリ性が維持されるため殺菌能力が継続的に維持されることが分かった。また、このマイナスイオン水は、実験7により、人体に触れると高いアルカリ性を維持する性能が失われ、人体に安全な状態になることが分かった。
【0033】
従って、本実施形態の製造方法(図1参照)により製造されたマイナスイオン水を用いれば、このマイナスイオン水が微生物やカビの発生を防止するので、長期間保存可能な製剤組成物を調製することができる。また、本実施形態の製造方法により製造されたマイナスイオン水を用いれば、このマイナスイオン水は人体に触れると、人体にとって安全な状態になるので、使用者にとって安全な製剤組成物を調製することができる。
【0034】
その他、本発明の製造方法により製造されたマイナスイオン水は、実験4、実験5、実験6により、他のマイナスイオン水等に比べ、洗浄力や帯電防止効果、消臭効果に優れた特性を有する。
【0035】
尚、本実施形態のマイナスイオン水は、実験7より、肌に触れた瞬間に、pHが12から5.6に変化することが分かった。これは、人体の汗等の体液と反応することで、マイナスイオン水が体液を中和するためであると考えられる。このように体液が中和されると、体内にあるアスコルビン酸(ビタミンC)が、この中和反応に引き寄せられて皮膚へと誘導すると考えられる。またビタミンCは美白効果があることが知られている。そのため、本実施形態のマイナスイオン水を肌につけると、美白効果があるとも考えられる。
【0036】
また、通常、水は表面張力が71dyne/cm〜73dyne/cmであり、皮脂によって殆ど皮膚への浸透力はないとされている。塩化ナトリウム(NaCl)を電解質としたpH12.38の同じ電解水に於いても、71.1dyne/cmである。しかし、本実施形態のマイナスイオン水の中和反応は、表面張力を低くし(29.2dyne/cm)、浸透力を増している。また、一般に、皮膚の細胞内に水を浸透させることにより細胞の核から作られた老廃物を細胞外へ排出するとされているが、メラニン色素も皮膚細胞の核が必要と判断したもので老廃物の一種である。これは過剰な光線の吸収に役立つものではあるが、紫外線照射によって黒化の原因となる。細胞膜は、表面は親水性、内側は疎水性の性質を示し、膜として安定していられるのは、水の力によるところが大きい。水がリン脂質分子のサンドイッチを離れないように押しつけているのである。細胞膜以外にも、小胞体の膜、ミトコンドリアの内膜、外膜、ゴルジ体の膜など、細胞内に見られる膜は、基本的にはこのような構造をしていると考えられており、また細胞膜にはリン脂質以外にも多くの分子が存在する。細胞膜に埋め込まれたタンパク質を、膜タンパク質(membrane protein)と呼ぶが、脂質の二重膜は、膜タンパク質を浮かべる担体のはたらきをしているだけで、極言すれば細胞膜の性質は、膜タンパク質の性質に依存していると言える。膜タンパク質の中には、膜を貫通しているものがあるが、多くの膜貫通タンパク質は、ちょうど弁の付いた管のようになっていて、特定のイオンや物質を選択的に通すことができる。このタンパク質のおかげで、細胞膜は特定のイオンやブドウ糖などの必要な物質を通すことができる。本実施形態のマイナスイオン水の浸透圧は107mOsmと精製水1mOsmの107倍あり、細胞内液の浸透圧285±5mOsm/Lに近く、電離したイオンにより適度な浸透圧が行なわれ、細胞内に必要分の水を入れ炎症改善や老廃物の細胞外への誘導ができると考えられる。これらのことから、肌に張りを与え、シワの改善や、細胞内のくすみの原因である老廃物を外に出して、透き通った肌に修復していくことができると考えられる。
【0037】
以下、本実施形態のマイナスイオン水を用いて製造した化粧品等の例である。
尚、《カッコ内》の数値は、重量%である。
<例1(化粧水)>
本実施形態のマイナスイオン水《77.0》、 1,3−ブチレングリコール《10.0》、 ポリオキシエチレン10ヒマワリ油《2.0》 《商品名:FLORASUN PEG-10, FLORATECH》、ポリオキシエチレン20オレイルエーテル《1.0》、 エタノール《10.0》、香料適量
調製法:エタノール及び本実施形態のマイナスイオン水以外の成分を混合し、攪拌しながら加熱し均一にする。これにエタノールを添加し充分に加えて良く混合した後に本実施形態のマイナスイオン水を更に添加して混合することにより均一な溶液となす。
<例2(栄養クリーム)>
POE(8)ミツロウ(商品名:APIFIL, GATTEFOSSE)《8.0》、ミリスチン酸オクチルドデシル 《10.0》、 イソステアリン酸イソステアリル《10.0》、本実施形態のマイナスイオン水《64.4》、 カルボキシビニルポリマー (商品名:カーボポール 934, B.F Goodrich)《0.2》、 水酸化ナトリウム(10%水溶液)《0.4》、ブナの芽抽出物(商品名:GATULINE RC, GATTEFOSSE)《2.0》、 ジエチレングリコールモノエチルエーテル 《5.0》
調製法:カーボポールを水に分散させる。攪拌しながら、75℃に加熱したカーボポール水溶液を75℃に加熱した APIFIL とエステルとの混合物に添加する。次に、水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを約7に調製する。攪拌しながら冷却し、30℃で他の成分を加えて完全に冷却する。
<例3(保湿用乳液)>
POE(6)ステアレートと、POE(20)セチルエーテル《6.0》、POE(20)ステアリルエーテルとの混合物 (商品名:TEFOSE 2000, GATTEFOSSE) ステアリン酸 《1.0》、ステアリン酸グリセリル《1.0》、イソステアリン酸イソステアリル《6.0》、ヒマワリ油(商品名:FLORASUN 90, FLORATECH)《4.0》、 ジメチルポリシロキサン(100CS)《2.0》、 本実施形態のマイナスイオン水《76.8》、 ヒドロキシエチルセルロース《0.2》、コラーゲン(商品名:PANCOGENE MARIN, GATTEFOSSE)《3.0》
調製法:ヒドロキシエチルセルロースを水に分散させ、静置する。攪拌しながら、75℃に加熱したヒドロキシエチルセルロース水溶液を75℃に加熱した乳化剤と油相に加える。75℃に2〜3分保持し、攪拌しながら冷却し、30℃で他の成分を加え完全に冷却する。
<例4(液体ファンデーション)>
(A相) 本実施形態のマイナスイオン水《60.0》、カルボキシメチルセルロース《0.3》、ケイ酸マグネシウムアルミニウム《0.8》、1,3−ブチレングリコール《10.0》
(B相) タルク《3.0》、酸化チタン《5.0》、ベンガラ《0.5》、黄酸化鉄《1.5》、黒酸化鉄《0.1》
(C相) ホホバエステル(商品名:FLORAESTERS 30, FLORATECH)《5.0》、パルミチン酸イソプロピル《7.0》、酢酸トコフェロール《0.2》、セタノール《0.5》 、ステアリン酸《2.5》、モノオレイン酸デカグリセリン《1.2》、デカオレイン酸デカグリセリン《2.0》
(D相)トリエタノールアミン《0.4》
調製法:A相の本実施形態のマイナスイオン水を75℃に加熱する。CMCとケイ酸マグネシウムアルミニウムを予め混合しておき、急速攪拌しながら加熱し、本実施形態のマイナスイオン水に添加する。A相の残余の成分を予め混合しておき、緩く攪拌しながら、CMCとケイ酸マグネシウムアルミニウムとを含有する本実施形態のマイナスイオン水溶液に添加し、75℃で20分間混合する。高速ホモミキサーで攪拌しながら、75℃でB相成分をA相に加え、30分間攪拌する。攪拌しながらC相成分を80℃に加熱し、緩く攪拌しながら80℃でA+B相に徐々に添加する。20分間攪拌した後に、攪拌しながら75℃まで冷却させ、次いでD相成分を添加してpHを約7に調製し、室温まで冷却する。
<例5(W/O型ファンデーション)>
(A相) ジイソステアリン酸トリグリセリン《2.0》、硬化ヒマシ油《1.0》、流動パラフィン《14.0》、ジメチルポリシロキサン《2.0》
(B相) 親油処理酸化チタン《6.4》、黄酸化鉄《1.0》、ベンガラ《1.0》、ジイソステアリン酸トリグリセリル《3.0》流動パラフィン
(C相) 本実施形態のマイナスイオン水《68.6》、炭酸ナトリウム《0.5》、硫酸マグネシウム《0.5》
調製法:3本ロールを使用してB相成分を混練して均一にする(混練回数:3回)。B相成分をA相に添加する。急速攪拌しながら、85℃に加熱したC相成分を85℃に加熱した(A+B)相に添加し、攪拌しながら冷却する。
<例6(台所用液体洗剤)>
本実施形態のマイナスイオン水《87.5》、アルキルエーテル硫酸塩《5.0》、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド《2.0》、EDTA−2Na《0.5》、プロピレングリコール《5.0》、香料 適量
調製法:全成分を混合し、均一になるまで攪拌する。
<例7(風呂場用殺菌洗浄剤)>
本実施形態のマイナスイオン水《94.0》、塩化ベンザルコニウム液《1.0》、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(商品名:ソフタノール90、 日本触媒)《2.0》、メタケイ酸ナトリウム《3.0》
調製法:全成分を混合し、均一になるまで攪拌する。
<例8(石鹸タイプのボディー洗浄剤)>
ラウリン酸《3.0》、ミリスチン酸《7.0》、パルミチン酸《2.0》、オレイン酸《3.0》、ラウロイルジエタノールアミド《5.0》、グリセリン《20.0》、水酸化カリウム 《3.5》、本実施形態のマイナスイオン水《56.5》、香料 適量 キレート剤 適量
調製法:水酸化カリウム及び本実施形態のマイナスイオン水以外の成分を混合し、加熱しながら攪拌し、次いで水酸化カリウムの水溶液を添加する。均一になるまで攪拌し冷却する。
<例9(液体ボディーソープ)>
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム《30.0》、ラウリルエーテル硫酸アンモニウム《15.0》、ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド《4.0》、塩化ナトリウム《2.0》、 植物抽出物《3.0》、キレート剤 適量、本実施形態のマイナスイオン水《46.0》
調製法:植物抽出物以外の成分を混合し、加熱しながら混合し均一にする。次いで、攪拌しながら冷却し、室温に至った時点で植物抽出物を添加して混合する。
<例10(液状浴用剤)>
ポリオキシエチレン(30)ポリオキシプロピレン(6)《20.0》、デシルテトラデシルエーテル グリセリン《25.0》、ヒマワリ油《25.0》、香料 適量、本実施形態のマイナスイオン水《30.0》
調製法:本実施形態のマイナスイオン水以外の成分を混合し、攪拌しながら均一にする。この混合物を攪拌しながら本実施形態のマイナスイオン水を添加して混合する。
【0038】
以上本発明の一実施形態ついて説明したが、本発明はこの実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0039】
以下、その具体例について例示する。
<具体例1(化粧品製剤)>
化粧品製剤として具体的なものとしては、スキンクリーム、洗顔クリーム、化粧乳液、化粧水、ローション、美容液、メイクアップ落とし、液体ファンデーション、プレストパウダー、口紅、リップグロス、シャンプー、ボディーソープ、石鹸、液体洗浄剤、リンス、トリートメント等を例示することができる。
<具体例2(医薬部外品製剤)>
医薬部外品製剤として具体的なものとしては、浴用剤、日焼け止め剤(クリーム、乳液、化粧水、パック等)、腋臭防止剤、口中清涼剤、育毛剤、薬用歯磨き、パーマネントウェーブ剤、ゲル状芳香剤、バスクリーナー、清浄用綿類、殺菌洗浄剤、コンタクトレンズ保存液、眼鏡クリーナー、昆虫忌避剤等を例示することができる。
<具体例3(医薬品製剤)>
医薬品製剤として具体的なものとしてはエアゾール剤、液剤、眼軟膏剤、懸濁剤、乳剤、点眼剤、軟膏剤、パップ剤、リニメント剤、ローション剤等を例示することができる。又、これらの製剤組成物は、当然のことながら、従来から化粧品、医薬部外品及び医薬品に使用されている添加物、例えば界面活性剤、動植物油脂、脂肪酸エステル、高級アルコール、高級脂肪酸、多価アルコール、ワックス、合成又は天然の高分子、防腐剤、顔料及び色素、香料、生理活性物質等を、その配合により本実施形態のマイナスイオン水の効果を損なわない範囲内で使用することができる。この場合に、界面活性剤の具体例としては、例えばソルビタン脂肪酸エステル類、エチレングリコール脂肪酸エステル類、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、蔗糖脂肪酸エステル類、メチルグルコシド脂肪酸エステル類、アルキルグリセリルエーテル類、トリアルキルリン酸類等の親油性非イオン界面活性剤を例示することができる。一方、親水性非イオン界面活性剤の具体例としては、例えばポリグリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン動植物油脂類、ポリオキシエチレン硬化動物油脂類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド類、脂肪酸アルカノールアミド類、ポリオキシエチレンメチルグルコシド脂肪酸エステル類、蔗糖脂肪酸エステル類、アルキルアミンオキシド類等を例示することができる。又、陰イオン界面活性剤の具体例としては、例えば脂肪酸石鹸、アルキル硫酸エステル塩類、アルキルエーテル硫酸エステル塩類、高級脂肪酸アミドスルホン酸塩類、アルキルリン酸エステル塩類、アルキルエーテルリン酸エステル塩類、スルホコハク酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、アルキルエーテルカルボン酸塩類、アシルアミノ酸塩類、オレフィンスルホン酸塩類等を例示することができる。更に、陽イオン界面活性剤の具体例としては、例えばアルキルトリメチルアンモニウム塩類、ジアルキルジメチルアンモニウム塩類、アルキルベンジルアンモニウム塩類、アルキルピリジニウム塩類、アルキルベンゼトニウム塩類等を例示することができる。更に又、両性界面活性剤の具体例としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤類、アルキルベタイン類、アルキルアミノ酢酸ベタイン類、スルホベタイン類、アミドベタイン類等を例示することができる。
<具体例4(動植物油脂)>
動植物油脂の具体例としては、例えばアーモンド油、アボガド油、アンズ核油、オリーブ油、キリ油、グレープシード油、牛脂、牛骨髄脂、小麦胚芽油、コメヌカ油、サザンカ油、サフラワー油、スクワラン、ツバキ油、豚脂、ナタネ油、ヒマワリ油、ヒマシ油、馬油、パーム油、パーム核油、プリスタン、ホホバ油、マカダミアナッツ油、ミンク油、綿実油、ヤシ油、ローズヒップ油、オゾケライト、カカオ脂等を例示することができる。
<具体例5(脂肪酸エステル)>
脂肪酸エステルの具体例としては、例えばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、オクタン酸セチル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸ブチル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル、ミリスチン酸イソセチル、ステアリン酸イソセチル、パルミチン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソセチル、ラウリン酸ヘキシル、ステアリン酸コレステリル、乳酸セチル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソプロピル、モノカプリル酸プロピレングリコール、ジカプリル酸プロピレングリコール、トリオクタン酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリベヘニン酸グリセリル、トリイソステリン酸トリメチロールプロパン、トリオクタン酸ペンタエリスリトール、モノステアリン酸バチル等を例示することができる。
<具体例6(高級アルコール)>
高級アルコールの具体例としては、例えばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ヘキシルデカノール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール、バチルアルコール、セラキルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、コレステロール、フィトステロール、ホホバアルコール等を例示することができる。
<具体例7(高級脂肪酸)>
高級脂肪酸の具体例としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リノール酸、リノレン酸、ヤシ油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸等を例示することができる。
<具体例8(多価アルコール)>
多価アルコールの具体例としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ブチレングリコール、ポリグリセリン類、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等を例示することができる。
<具体例9(ワックス)>
ワックスの具体例としては、例えばパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、鯨ロウ、米糠ロウ、セレシンロウ、ミツロウ、モクロウ、モンタンロウ、硬化ヒマシ油、水素添加ホホバ油、硬化牛脂等を例示することができる。
<具体例10(合成又は天然高分子)>
合成又は天然高分子の具体例としては、例えばポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、高分子量ポリエチレングリコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、微結晶セルロース、カルボキシメチルデンプン、リン酸化デンプン、アラビアガム、アルギン酸、アルブミン、カゼイン、グアガム、カラギーナン、カンテン、キサンタンガム、コラーゲン、デキストラン、デンプン、ペクチン、マルメロ等を例示することができる。
<具体例11(防腐剤)>
防腐剤の具体例としては、例えばメチルパラベン、プロピルパラベン、イソプロピルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール等を例示することができる。
<具体例12(顔料及び色素)>
顔料及び色素の具体例としては、例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、無水ケイ酸、、酸化アルミニウム、タルク、カオリン、セリサイト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ハイドロキシアパタイト、群青、紺青、カーボンブラック等の無機顔料類、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の金属石鹸類、アルミニウム粉等の金属粉末類、雲母チタン、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、真珠貝粉末等のパール顔料類、アゾ系顔料、インジゴ系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機顔料類、レーキ顔料類、β−カロチン、カンタキサンチン、カルサミン、ルチン、コチニール、アリザリン、クロロフィル、クルクミン等の天然色素類を例示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施形態のマイナスイオン水の製造工程を説明するための模式図である。
【符号の説明】
【0041】
1…脱酸素工程、2…電気分解工程、3…安定化工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱酸素処理を行って純水の溶存酸素を1ppm以下にする脱酸素工程と、
この脱酸素工程により脱酸素処理を行った前記純水を電気分解する電気分解工程と、
この電気分解工程により電気分解された前記純水のうち、陰極室側の前記純水を密閉された安定化槽内で4kg/cm2 以上の圧力をかける安定化工程と
を経て、前記純水を処理したマイナスイオン水を製造することを特徴とするマイナスイオン水の製造方法。
【請求項2】
脱酸素処理を行って純水の溶存酸素を1ppm以下にし、この純水を電気分解し、さらに、電気分解された前記純水のうち、陰極室側の前記純水を密閉された安定化槽内で4kg/cm2 以上の圧力をかけて製造されたことを特徴とするマイナスイオン水。

【図1】
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【公開番号】特開2007−50400(P2007−50400A)
【公開日】平成19年3月1日(2007.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−340495(P2005−340495)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【出願人】(598086316)株式会社エー・アイ・システムプロダクト (11)
【Fターム(参考)】