マットセンサ及びその製造方法
【課題】コードスイッチの配線・設置が容易なマットセンサ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】荷重が加わるとスイッチングするコードスイッチ(6)が配設されたマットセンサ(1)であって、可撓性を有する上面シート(2)と下面シート(3)との間には、前記荷重により弾性変形する発泡樹脂層(4)が設けられ、少なくとも前記発泡樹脂層(4)には、前記コードスイッチ(6)を収納する収納溝(5)が形成され、前記収納溝(5)の全長又は一部において、前記発泡樹脂層(4)の無荷重時における前記収納溝(5)の少なくとも一部の幅が、無荷重時における前記コードスイッチ(6)の幅よりも小さく、前記収納溝(5)内に前記コードスイッチ(6)を収納することにより、前記発泡樹脂層(4)の前記収納溝(5)部の弾性変形によって前記コードスイッチ(6)を保持する。
【解決手段】荷重が加わるとスイッチングするコードスイッチ(6)が配設されたマットセンサ(1)であって、可撓性を有する上面シート(2)と下面シート(3)との間には、前記荷重により弾性変形する発泡樹脂層(4)が設けられ、少なくとも前記発泡樹脂層(4)には、前記コードスイッチ(6)を収納する収納溝(5)が形成され、前記収納溝(5)の全長又は一部において、前記発泡樹脂層(4)の無荷重時における前記収納溝(5)の少なくとも一部の幅が、無荷重時における前記コードスイッチ(6)の幅よりも小さく、前記収納溝(5)内に前記コードスイッチ(6)を収納することにより、前記発泡樹脂層(4)の前記収納溝(5)部の弾性変形によって前記コードスイッチ(6)を保持する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マットセンサ及びその製造方法に関し、更に詳しくは、自動ドアの足踏みマット、自動車の座席、ベッドのマットレスなどに用いられ、マット上に人や物体が載っているか否か等を検出するためのマットセンサ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マットに荷重・圧力検知用のコードスイッチが配線されたマットセンサは、自動ドアの足踏みマット、自動車の座席シート、ベッドのマットレス、室内等の床部などに設けられ、人や物が検出面上に載っているか否かを検出したり、或いは人や物体の出入り・侵入などを検出したりするための面状感圧センサ(マットスイッチ)として用いられる。
【0003】
従来のマットセンサには、矩形管状の包装体内に感圧センサ体が内蔵された直線状の荷重検知センサを車両座面などに複数本、平行に配置したもの(特許文献1参照)、上下2層のクッション材を貼り合わせてなるマットの、2層のクッション材間の貼り合わせ面に線状スイッチを蛇行して埋め込み固定したもの(特許文献2参照)、座席シート等のクッション部に、線状の荷重センサを覆うように、裏面に接着層を有する可撓性シートを用いて接着固定するもの(特許文献3参照)が知られている。これらマットセンサでは、コードスイッチとして機能する線状センサ(荷重検知センサ、線状スイッチ、荷重センサ)を、クッション材やスポンジ材に位置決めするための溝に設置して固定する方法が記載されている。
【特許文献1】特開2001−167660号公報
【特許文献2】特開2005−235664号公報
【特許文献3】特開2003−57129号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したクッション材やスポンジ材に線状センサ(コードスイッチ)の位置決めの溝を設けたマットセンサでは、溝の線状センサの配置位置からの位置ずれを溝を設けることによってある程度防止できるものの、溝の幅が線状センサの幅と同一か又はより大きく形成されているため、線状センサが溝から外れ易く、線状センサを溝内に接着固定させる接着剤が固定するまでの間、テープ等で仮固定をしなければならず、手間がかかった。
そこで、特許文献3のようにテープで線状センサを固定したり、或いは瞬間接着剤を用いて固定することも考えられるが、テープや瞬間接着剤では、高温環境でのマットセンサの使用や長期信頼性に問題がある。
また、低コスト化やセンサの端末不感部の減少を図るために、一本の線状センサ(コードスイッチ)を曲げてマット面内に蛇行させるなどして配線する場合、線状センサを曲げた屈曲部分に応力が生じて、曲線状に形成した溝の部分から線状センサがすぐに抜け出てしまう。このため、線状センサの配線に時間がかかり、またテープ等による仮固定の箇所も多くなり、配線作業に時間を要した。また、接着剤にも高価で強力なものを使用しなければならなかった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決し、コードスイッチの配線・設置が容易なマットセンサ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は次のように構成されている。
本発明の第1の態様は、荷重が加わるとスイッチングするコードスイッチが配設されたマットセンサであって、可撓性を有する上面シートと下面シートとの間には、前記荷重により弾性変形する発泡樹脂層が設けられ、少なくとも前記発泡樹脂層には、前記コードスイッチを収納する収納溝が形成され、前記収納溝の全長又は一部において、前記発泡樹脂層の無荷重時における前記収納溝の少なくとも一部の幅が、無荷重時における前記コードスイッチの幅よりも小さく、前記収納溝内に前記コードスイッチを収納することにより、前記発泡樹脂層の前記収納溝部の弾性変形によって前記コードスイッチを保持するように構成されたことを特徴とするマットセンサである。
【0007】
本発明の第2の態様は、第1の態様のマットセンサにおいて、無荷重時の前記収納溝の少なくとも一部の幅が、無荷重時の前記コードスイッチの幅の0.7〜0.98倍であることを特徴とする。
【0008】
本発明の第3の態様は、第1の態様又は第2の態様のマットセンサにおいて、無荷重時の前記収納溝の深さが、無荷重時の前記コードスイッチの高さよりも大きいことを特徴とする。
【0009】
本発明の第4の態様は、第1〜第3の態様のいずれかのマットセンサおいて、前記収納溝が曲線状の溝部を有し、前記コードスイッチが前記曲線状の溝部内に屈曲して配設されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の第5の態様は、第1〜第4の態様のいずれかのマットセンサにおいて、前記コードスイッチがスイッチングする反応変位が前記発泡樹脂層のつぶれ変位荷重が急激に変化する変化点変位よりも小さく、且つ前記コードスイッチが破壊する破壊変位が前記発泡樹脂層の変化点変位よりも大きいことを特徴とする。
【0011】
本発明の第6の態様は、第1〜第5の態様のいずれかのマットセンサにおいて、前記発泡樹脂層の発泡倍率が5〜100倍であることを特徴とする。
【0012】
本発明の第7の態様は、第1〜第6の態様のいずれかのマットセンサにおいて、前記発泡樹脂層は、高発泡樹脂層と低発泡樹脂層とを有し、前記コードスイッチがスイッチングする反応変位までは主に高発泡樹脂層がつぶれ変形し、前記コードスイッチが破壊する破壊変位に近づくにつれて前記コードスイッチの変形を主に低発泡樹脂層が阻止するように構成したことを特徴とする。
【0013】
本発明の第8の態様は、第1〜第7の態様のいずれかのマットセンサにおいて、前記発泡樹脂層における前記低発泡樹脂層に代えてソリッド層とすることを特徴とする。
【0014】
本発明の第9の態様は、第1〜第8の態様のいずれかのマットセンサにおいて、前記コードスイッチは、中空部を有する絶縁体と、前記中空部を区画する前記絶縁体の内壁面部にそれぞれ保持され、互いに間隔を隔てつつ前記中空部の長手方向に沿って螺旋状に配線された複数の導電部材とを有することを特徴とする。
【0015】
本発明の第10の態様は、可撓性を有する下面シート上に、面状の発泡樹脂層を接合する工程と、前記発泡樹脂層に形成されたコードスイッチを収納する収納溝に、前記コードスイッチを収納して、前記コードスイッチの幅よりも小さい幅の前記収納溝の部分でコードスイッチを保持した状態で設置する工程と、前記発泡樹脂層上を覆う可撓性を有する上面シートを前記下面シートに接合する工程と、を有することを特徴とするマットセンサの製造方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、発泡樹脂層の収納溝部の弾性変形によってコードスイッチを保持するようにしたので、テープ等の仮固定をすることなく、簡易・迅速にコードスイッチの配線、設置ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明に係るマットセンサ及びその製造方法の実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態のマットセンサ1を示し、図1(a)はマットセンサ1の平面図、図1(b)は図1(a)のB−B拡大断面図である。可撓性を有する上面シート2と下面シート3との間には、荷重により弾性変形する発泡樹脂層4が設けられている。発泡樹脂層4には、荷重が加わるとスイッチングするコードスイッチ6を収納する収納溝(スリット状の開口、貫通孔)5が形成されている。発泡樹脂層4の無荷重時における収納溝5の幅は、コードスイッチ6を収納溝5内に収納する前の、無荷重時におけるコードスイッチ6の幅(直径)よりも小さく、収納溝5内にコードスイッチ6を収納することにより、発泡樹脂層4の収納溝5部の弾性変形によってコードスイッチ6を保持・挟持するように構成されている。
【0018】
収納溝5は発泡樹脂層4内を蛇行させて形成されており、この収納溝5内に、図1に示すように、連続した一本のコードスイッチ6が収納され、マット面の全域に亘って荷重・圧力を検知できるようになっている。なお、発泡樹脂層4に直線状の収納溝を複数形成し、各収納溝にコードスイッチ6を収納するようにしてもよい。
【0019】
上面シート2及び下面シート3は、平板状のシートであり、それらの材料としては、発泡樹脂層4より硬いが、可撓性・弾性を有するゴム材料、例えば、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、ニトリルゴムなどが挙げられる。上面シート2及び下面シート3の表面には、意匠上或いは滑り止めのために、エンボス加工等を施す場合もある。
【0020】
発泡樹脂層4は上面シート2と下面のシート3の間に介在する平板状の層であり、発泡樹脂層4の材質には、ウレタン、ポリエチレン、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム等が用いられる。発泡樹脂層4の硬さは、発泡倍率と材質によって決定されるが、収納溝5部によるコードスイッチ6の保持およびコードスイッチ6の動作・感度特性などの観点から、発泡倍率は5〜100倍程度のものを用いるのが好ましい。
【0021】
収納溝5の幅が、コードスイッチ6の幅よりも小さいので、収納溝5にコードスイッチ6を嵌め込んで配線したときに、収納溝5部分の発泡樹脂層4の弾性変形・圧縮変形によってコードスイッチ6が挟持され保持される。このため、収納溝5からコードスイッチ6が簡単には抜け出したり浮き出たりせず、テープ等で仮固定(仮押さえ)する必要もなくなり、コードスイッチ6の配線・設置作業が容易となる。特に、コードスイッチ6を曲げてマット面内に蛇行させるなどして屈曲配線する場合には、コードスイッチ6を曲げた屈曲部分に応力が生じ、収納溝5からコードスイッチ6が抜け出やすく大変であったが、収納溝5の溝幅をコードスイッチ6の幅よりも小さくしてコードスイッチ6を保持しているので、コードスイッチ6の配線・設置を簡単に行うことができる。
【0022】
無荷重時の収納溝5の幅は、収納されるコードスイッチ6を良好に保持し且つコードスイッチ6の動作・感度に支障がないように、無荷重時のコードスイッチ6の幅(直径)の0.7〜0.98倍であるのが好ましい。また、無荷重時の収納溝5の深さは、無荷重時のコードスイッチ6の高さ(収納溝5の深さ方向の寸法)よりも大きくするのが好ましく、これにより、収納溝5内に確実にコードスイッチ6を保持できると共に、発泡樹脂層4表
面からコードスイッチ6がはみ出さず、マット表面が凹凸状態にならない。
【0023】
コードスイッチ6は、図2に示すように、中空部11を有する円管状の絶縁体7と、中空部11を区画する絶縁体7の内壁面(内周面)部にそれぞれ保持された4本の導電部材8とからなる。4本の導電部材8は、互いに間隔を隔てつつ中空部11の長手方向に沿ってほぼ同一ピッチで螺旋状に配線され、絶縁体7の横断面おいて4本の導電部材8は対向配置を保って配設されている。絶縁体7は、復元性ゴム又は復元性プラスチックからなり、荷重(押し圧)が加わった時に潰れ変形し、荷重(押し圧)がなくなると、元の円形断面形状に復元する。導電部材8は、金属線(より線)9の外周に導電ゴム等の導電樹脂10を被覆したものである。絶縁体7が潰れ変形して導電部材8、8同士が接触すると、導電部材8間の抵抗値が変化し、この抵抗値の変化により、ON、OFFのスイッチ動作をし荷重(押し圧)を検知する。円管状の絶縁体7の内周面に隣接する導電部材8、8間の絶縁体7の肉厚は一部薄く形成され、絶縁体7が適度に潰れ変形し易くなっている。また、コードスイッチ6の導電部材8は、図1(a)に示すように、コネクタ13を介して外部配線12に接続されている。
【0024】
次に、本実施形態のマットセンサ1の動作を説明する。
図3は、マットセンサ1に人や移動体などが載って押し圧による荷重が加わったときの状態を示す。マットセンサ1の上面シート2に荷重が加わると、荷重が加わった部分の発泡樹脂層4及びコードスイッチ6は、その厚さ方向に押圧されて変形する。この変形により、コードスイッチ6の導電部材8、8間が接触してON状態となり、ON信号電流が外部配線12を通じて流れ、マットセンサ1上に人や移動体などが載ったことを検知する。
【0025】
コードスイッチ6がスイッチングする反応変位(コードスイッチ6の導電部材8同士が接触する最小変位)は、発泡樹脂層4のつぶれ変位荷重が急激に変化する変化点変位よりも小さくし、且つコードスイッチ6が破壊する破壊変位(コードスイッチ6が変形して破壊する変位)は、発泡樹脂層4の変化点変位よりも大きくするのが好ましい(図11及び図13参照)。
発泡樹脂層4はつぶれ変形が小さいときは、発泡樹脂層4内部の空気層(気泡)が変形するため、小さい荷重で変形するが、空気層が完全につぶれる前後から、つぶれ変位に対して急激に荷重が増大する(図13参照)。この荷重が急激に変化する発泡樹脂層4の変化点変位よりコードスイッチ6の反応変位が小さい場合、発泡樹脂層4のつぶれ荷重は小さいため、コードスイッチ6の反応性(反応荷重)を阻害せず、低荷重で反応性の良いマットセンサ1となる。
また、コードスイッチ6の破壊変位が発泡樹脂層4の変化点変位より大きいと、コードスイッチ6の破壊変位に達するまでに必要な荷重が急激に増大し(発泡樹脂層4のつぶれ荷重が変化点以上で急激に増大するため)、その結果、コードスイッチ6が破壊し難くなり、耐久性、耐荷重性に優れたマットセンサ1となる。
【0026】
次に、上記のマットセンサ1の製造方法を図4により説明する。
まず、予め成形した上面シート2、下面シート3、発泡樹脂層4およびコードスイッチ6を用意し、下面シート3上に発泡樹脂層4を接着剤で貼り合わせた後、発泡樹脂層4に収納溝5を形成する(図4(a))。
次に、発泡樹脂層4の収納溝5にコードスイッチ6を沿わせて配線する(図4(b))。このとき、上述したように、発泡樹脂層4の収納溝5の幅は、コードスイッチ6の幅よりも小さいため、コードスイッチ6を曲げて屈曲配線することも容易である。また、下面シート3とコードスイッチ6を接着剤で接着固定する場合でも、接着剤が硬化するまでにテープや瞬間接着剤などを用いた仮固定等は必要ない。
最後に、発泡樹脂層4を上面シート2で覆い、上面シート2と下面シート3を接着剤を用いて貼り合わせる。上面シート2と下面シート3は、それら外縁部で接し、接着剤で密
着一体化される(図4(c))。
【0027】
上記製造方法では、下面シート3上に発泡樹脂層4を接着剤で貼り合わせた後、発泡樹脂層4に収納溝5を形成したが、発泡樹脂層4を下面シート3に貼り合わせる前に、予め、発泡樹脂層4に収納溝5を形成しておいてもよい。また、始めに上面シート2に発泡樹脂層4を貼り合わせ、収納溝5にコードスイッチ6を配線した後、上面シート2に下面シート3を貼り合わせるようにしてもよい。
【0028】
なお、図1に示す上記実施形態のマットセンサ1においては、発泡樹脂層4は単層であり、発泡樹脂層4の潰れやすさは、コードスイッチ5が反応する変位までは小さな荷重で変形し、コードスイッチ5が破壊する変位になる前に急激に荷重が増加するような、適切な発泡倍率と材質の発泡層を選定するようにした。このような特性を、図5に示す発泡樹脂層40では、高発泡樹脂層41と低発泡樹脂層42との二層構造によって実現させている。この発泡樹脂層40では、コードスイッチ6がスイッチングする反応変位までは主に軟らかい高発泡樹脂層41が潰れ変形して、コードスイッチ6の低荷重での反応性を確保し、一方、コードスイッチ6が破壊する破壊変位に近づくにつれてコードスイッチ6の変形を主に硬い低発泡樹脂層42が阻止して、コードスイッチ6の破壊を防止する構造としている。
【0029】
また、図5の発泡樹脂層40における低発泡樹脂層42を代えてソリッド層に代えてもよい。また、図6(a)に示すように、発泡樹脂層4の貫通した開口(収納溝)の下方に連続する溝を下面シート3にも形成した収納溝51にし、下面シート3の溝部分をソリッド層として機能させるようにしてもよい。
【0030】
また、図1の実施形態の収納溝5は、その全長において、発泡樹脂層4を貫通する深さ方向に一定幅の矩形断面のものであるが、収納溝5の一部において、例えば、蛇行させるための曲線状の収納溝5部分のみの溝幅をコードスイッチ6の幅よりも小さく形成するようにしてもよい。
また、深さ方向に一定幅の収納溝5ではなく、収納溝の少なくとも一部の幅が、無荷重時におけるコードスイッチ6の幅よりも小さい断面形状のものであればよい。例えば、図6(b)に示すように、コードスイッチ6の挿入側の開口部が狭く、下面シート3側が広いテーパ状の断面形状の収納溝52、或いは、図6(c)に示すように、発泡樹脂層4が収納溝の開口を塞ぐ方向に一部突出したような断面形状の収納溝53でもよい。このような断面形状の収納溝52、53でも、収納されるコードスイッチ6を保持・挟持してコードスイッチ6が収納溝52,53から抜け出ることを防止できる。
【0031】
図2に示す上記コードスイッチ6は、中空部11を有する絶縁体7の内壁面部に4本の導電部材8を、互いに間隔を隔てつつ中空部11の長手方向に沿って螺旋状に配線されているため、全方向からの荷重・圧力を検知でき、可撓性に非常に優れ、座屈せずに直径20mm程度まで曲げて配線設置が可能である。また、曲げによって導電部材8同士が接触し難いため、曲げた状態においてもスイッチ機能を奏する。また、マットセンサ1を平坦でない床などに設置して用いることが可能である。更に、可撓性に優れた上面シート2、下面シート3、発泡樹脂層4及びコードスイッチ6を用いてマットセンサ1を構成しているので、マットセンサ1を曲げたりロール状にすることができ、持ち運び、収納などの取扱性がよい。更にまた、コードスイッチ6は細径化が可能で、マットセンサ1の薄型化、軽量化が図れる。
また、コードスイッチ6の導電部材8としての4本の電極を抵抗を介して直列接続することにより、電極同士が非接触のOFF状態のときには、電極間は一定の抵抗値を示し、何らかの原因により電極に断線が生じてコードスイッチ6が破損したときには、上記の抵抗値が変化するので、これを検知することによりコードスイッチ6の断線検知を行うこと
ができる。
また、コードスイッチ6の表面を防水構造とすることが好ましい。上面シート2と下面シート3とは外縁部で接し、接着剤で液密に接着されているが、マットセンサ1の上面シート2、下面シート3に亀裂が生じ水が浸入した場合でも、コードスイッチ6の表面を防水構造とすることで、コードスイッチ6のスイッチ機能は保たれるので、マットセンサ1のセンサ機能を保持することができる。
【0032】
なお、図2に示す上記コードスイッチ6は、中空部11を有する絶縁体7の内壁面部に導電部材8を螺旋状に4本配線しているが、絶縁体7の内壁面部に沿って螺旋状に2本以上の導電部材8を設ければよい。
また、コードスイッチの他の実施形態としては、図7(a)に示すように、矩形管状の絶縁体21の上・下辺壁の内壁面に、矩形断面の2本の導電部材22(金属線23に導電樹脂24を被覆したもの)を間隙を隔てて互いに平行に、絶縁体21の長手方向に沿って直線状に配線したコードスイッチ61を用いてもよい。また、図7(b)に示すように、上電極26と下電極27との間に圧電ゴム28を設けて、これらの外周を絶縁樹脂29で被覆した矩形断面のコードスイッチ62、あるいは、図7(c)に示すように、内電極30とその外周部の外電極32との間にピエゾ素子(圧電樹脂)31を設け、ピエゾ素子31外周を絶縁樹脂33で被覆した同軸構造のコードスイッチ63を用いてもよい。
【実施例】
【0033】
次に、本発明の実施例を述べる。
図8に、本実施例のマットセンサ81の平面図を示す。マットセンサ81の寸法は700mm×500mmである。上面シート82及び下面シート(図示せず)は、700mm×500mmの矩形で厚さ1mmのクロロプレンゴムを使用した。クロロプレンゴムは、弾性があり難燃性を有する。上面シート82の表面には、滑り止め加工としてエンボス処理を施した。上面シート82は、その外縁部82aにおいて下面シートに接着剤で貼り合わした。
【0034】
上面シート82と下面シートが貼り合わされた防水構造のマットセンサ81内には、図9に示す発泡樹脂層84を設けた。発泡樹脂層84は、寸法660mm×460mm×5mmで、材質としては、イノアックコーポレーション製UEM55(発泡ウレタン、密度55±3kg/m3、発泡倍率約20倍)を用いた。発泡樹脂層84には、センサ検知の不感部・死角部をなくすように、収納溝85を蛇行させ且つマットセンサ82の外周に沿わせて、マットセンサ82全域に亘って形成した。具体的には、図示のように、収納溝85の蛇行部においては、直線状の収納溝85間の間隔を70mm、曲線状の収納溝85の曲率半径を35mmなどとした。
【0035】
収納溝85内に収納されるコードスイッチ86は、図10に示すように、上記図2のコードスイッチ6と同一の構造であって、外径4.6mmである。円管状の絶縁体87は絶
縁ゴムからなる。導電部材88は、外径0.85mmで、金属線89の外周に導電ゴム9
0を被覆したものである。また、導電部材88間の間隔は0.74mm、導電部材88間
の絶縁体87の薄肉部の厚さは0.7mmとした。
発泡樹脂層84の厚さは5mmであり、収納溝85に収納されるコードスイッチ86の外径4.6mmよりも大きく、コードスイッチ86が発泡樹脂層84表面から盛り上がっ
て凸凹の状態にならないようにした。また、収納溝85の幅は、コードスイッチ86に嵌め込んで仮固定ができるように、コードスイッチ86の径よりも小さい4.1mmとした
。
【0036】
図10は、上記コードスイッチ86に荷重を加えて潰れ変形させたときの、コードスイッチ86の厚さと抵抗との関係を測定する方法を説明する説明図である。下面の寸法10
mm×25mmの圧子治具101を用い、コードスイッチ86にその半径方向に荷重をかけ、潰れ変形するコードスイッチ86の厚さと抵抗との関係を測定した。
【0037】
図11には、上記測定によるコードスイッチ86の厚さ(mm)と抵抗(Ω)との関係を示す。測定結果から、コードスイッチ86の厚さが3.1mm〜3.6mmの範囲がコードスイッチ86が反応する反応変位領域(1〜1.5mm)であり、厚さ0.9mmがコードスイッチ86が破壊される破壊変位(3.7mm)であった。
【0038】
図12は、上記の発泡樹脂層84に荷重を加えて変形させたときの、発泡樹脂層84の厚さと荷重との関係を測定する方法を説明する説明図である。図10と同様に、下面寸法10mm×25mmの圧子治具101を用い、発泡樹脂層84にその厚さ方向に荷重をかけ、圧縮変形する発泡樹脂層84の厚さと荷重との関係を測定した。
【0039】
図13には、上記測定による発泡樹脂層84の厚さ(mm)と荷重(N)との関係を示す。図13に示すように、発泡樹脂層84は厚さ1.8mmまでは低荷重で変形したが、
1.8mm以上に圧縮変形させるには、必要な荷重が急激に増加した。従って、発泡樹脂
層84の変化点変位は、厚さが1.8mmとなるときであり、変化点変位(3.2mm)となるまでが低荷重領域で、厚さ1.8mmを超えると高荷重領域になる。
【0040】
上記図11及び図13の結果から、発泡樹脂層84の厚さが1.8mmとなるの変化点
変位(3.2mm)は、コードスイッチ86の厚さが3.1mm〜3.6mmの範囲にある
コードスイッチ86の反応変位領域(1〜1.5mm)より十分に大きく、コードスイッ
チ86の厚さが0.9mmとなるコードスイッチ86の破壊変位(3.7mm)よりも十分に小さい。このため、コードスイッチ86は極めて破壊されにくく、しかも低荷重で反応性の良い特性を発揮できることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態のマットセンサを示し、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のB−B拡大断面図である。
【図2】図1のコードスイッチを示す図である。
【図3】図1のマットセンサに荷重が加わった状態を示す断面図である。
【図4】図1のマットセンサの製造方法を示す工程図である。
【図5】本発明の他の実施形態のマットセンサにおける発泡樹脂層を説明するための断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態のマットセンサにおける発泡樹脂層を示す断面図である。
【図7】本発明に用いられるコードスイッチの他の実施形態を示す断面図である。
【図8】本発明の一実施例のマットセンサの平面図である。
【図9】図8のマットセンサの発泡樹脂層の平面図である。
【図10】図8のマットセンサに用いられるコードスイッチに荷重を加えて変形させたときの、コードスイッチの厚さと抵抗との関係を測定する方法を説明する説明図である。
【図11】図10の測定により得られた、コードスイッチの厚さと抵抗との関係を示す図である。
【図12】図8のマットセンサに用いられる発泡樹脂層に荷重を加えて変形させたときの、発泡樹脂層の厚さと荷重との関係を測定する方法を説明する説明図である。
【図13】図12の測定により得られた、発泡樹脂層の厚さと荷重との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1 マットセンサ
2 上面シート
3 下面シート
4 発泡樹脂層
5 収納溝
6 コードスイッチ
7 絶縁体
8 導電部材
11 中空部
40 発泡樹脂層
41 高発泡樹脂層
42 低発泡樹脂層
51、52、53 収納溝
61、62、63 コードスイッチ
81 マットセンサ
84 発泡樹脂層
85 収納溝
86 コードスイッチ
【技術分野】
【0001】
本発明は、マットセンサ及びその製造方法に関し、更に詳しくは、自動ドアの足踏みマット、自動車の座席、ベッドのマットレスなどに用いられ、マット上に人や物体が載っているか否か等を検出するためのマットセンサ及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マットに荷重・圧力検知用のコードスイッチが配線されたマットセンサは、自動ドアの足踏みマット、自動車の座席シート、ベッドのマットレス、室内等の床部などに設けられ、人や物が検出面上に載っているか否かを検出したり、或いは人や物体の出入り・侵入などを検出したりするための面状感圧センサ(マットスイッチ)として用いられる。
【0003】
従来のマットセンサには、矩形管状の包装体内に感圧センサ体が内蔵された直線状の荷重検知センサを車両座面などに複数本、平行に配置したもの(特許文献1参照)、上下2層のクッション材を貼り合わせてなるマットの、2層のクッション材間の貼り合わせ面に線状スイッチを蛇行して埋め込み固定したもの(特許文献2参照)、座席シート等のクッション部に、線状の荷重センサを覆うように、裏面に接着層を有する可撓性シートを用いて接着固定するもの(特許文献3参照)が知られている。これらマットセンサでは、コードスイッチとして機能する線状センサ(荷重検知センサ、線状スイッチ、荷重センサ)を、クッション材やスポンジ材に位置決めするための溝に設置して固定する方法が記載されている。
【特許文献1】特開2001−167660号公報
【特許文献2】特開2005−235664号公報
【特許文献3】特開2003−57129号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述したクッション材やスポンジ材に線状センサ(コードスイッチ)の位置決めの溝を設けたマットセンサでは、溝の線状センサの配置位置からの位置ずれを溝を設けることによってある程度防止できるものの、溝の幅が線状センサの幅と同一か又はより大きく形成されているため、線状センサが溝から外れ易く、線状センサを溝内に接着固定させる接着剤が固定するまでの間、テープ等で仮固定をしなければならず、手間がかかった。
そこで、特許文献3のようにテープで線状センサを固定したり、或いは瞬間接着剤を用いて固定することも考えられるが、テープや瞬間接着剤では、高温環境でのマットセンサの使用や長期信頼性に問題がある。
また、低コスト化やセンサの端末不感部の減少を図るために、一本の線状センサ(コードスイッチ)を曲げてマット面内に蛇行させるなどして配線する場合、線状センサを曲げた屈曲部分に応力が生じて、曲線状に形成した溝の部分から線状センサがすぐに抜け出てしまう。このため、線状センサの配線に時間がかかり、またテープ等による仮固定の箇所も多くなり、配線作業に時間を要した。また、接着剤にも高価で強力なものを使用しなければならなかった。
【0005】
本発明は、上記課題を解決し、コードスイッチの配線・設置が容易なマットセンサ及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は次のように構成されている。
本発明の第1の態様は、荷重が加わるとスイッチングするコードスイッチが配設されたマットセンサであって、可撓性を有する上面シートと下面シートとの間には、前記荷重により弾性変形する発泡樹脂層が設けられ、少なくとも前記発泡樹脂層には、前記コードスイッチを収納する収納溝が形成され、前記収納溝の全長又は一部において、前記発泡樹脂層の無荷重時における前記収納溝の少なくとも一部の幅が、無荷重時における前記コードスイッチの幅よりも小さく、前記収納溝内に前記コードスイッチを収納することにより、前記発泡樹脂層の前記収納溝部の弾性変形によって前記コードスイッチを保持するように構成されたことを特徴とするマットセンサである。
【0007】
本発明の第2の態様は、第1の態様のマットセンサにおいて、無荷重時の前記収納溝の少なくとも一部の幅が、無荷重時の前記コードスイッチの幅の0.7〜0.98倍であることを特徴とする。
【0008】
本発明の第3の態様は、第1の態様又は第2の態様のマットセンサにおいて、無荷重時の前記収納溝の深さが、無荷重時の前記コードスイッチの高さよりも大きいことを特徴とする。
【0009】
本発明の第4の態様は、第1〜第3の態様のいずれかのマットセンサおいて、前記収納溝が曲線状の溝部を有し、前記コードスイッチが前記曲線状の溝部内に屈曲して配設されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の第5の態様は、第1〜第4の態様のいずれかのマットセンサにおいて、前記コードスイッチがスイッチングする反応変位が前記発泡樹脂層のつぶれ変位荷重が急激に変化する変化点変位よりも小さく、且つ前記コードスイッチが破壊する破壊変位が前記発泡樹脂層の変化点変位よりも大きいことを特徴とする。
【0011】
本発明の第6の態様は、第1〜第5の態様のいずれかのマットセンサにおいて、前記発泡樹脂層の発泡倍率が5〜100倍であることを特徴とする。
【0012】
本発明の第7の態様は、第1〜第6の態様のいずれかのマットセンサにおいて、前記発泡樹脂層は、高発泡樹脂層と低発泡樹脂層とを有し、前記コードスイッチがスイッチングする反応変位までは主に高発泡樹脂層がつぶれ変形し、前記コードスイッチが破壊する破壊変位に近づくにつれて前記コードスイッチの変形を主に低発泡樹脂層が阻止するように構成したことを特徴とする。
【0013】
本発明の第8の態様は、第1〜第7の態様のいずれかのマットセンサにおいて、前記発泡樹脂層における前記低発泡樹脂層に代えてソリッド層とすることを特徴とする。
【0014】
本発明の第9の態様は、第1〜第8の態様のいずれかのマットセンサにおいて、前記コードスイッチは、中空部を有する絶縁体と、前記中空部を区画する前記絶縁体の内壁面部にそれぞれ保持され、互いに間隔を隔てつつ前記中空部の長手方向に沿って螺旋状に配線された複数の導電部材とを有することを特徴とする。
【0015】
本発明の第10の態様は、可撓性を有する下面シート上に、面状の発泡樹脂層を接合する工程と、前記発泡樹脂層に形成されたコードスイッチを収納する収納溝に、前記コードスイッチを収納して、前記コードスイッチの幅よりも小さい幅の前記収納溝の部分でコードスイッチを保持した状態で設置する工程と、前記発泡樹脂層上を覆う可撓性を有する上面シートを前記下面シートに接合する工程と、を有することを特徴とするマットセンサの製造方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、発泡樹脂層の収納溝部の弾性変形によってコードスイッチを保持するようにしたので、テープ等の仮固定をすることなく、簡易・迅速にコードスイッチの配線、設置ができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明に係るマットセンサ及びその製造方法の実施形態を図面を用いて説明する。
図1は、本実施形態のマットセンサ1を示し、図1(a)はマットセンサ1の平面図、図1(b)は図1(a)のB−B拡大断面図である。可撓性を有する上面シート2と下面シート3との間には、荷重により弾性変形する発泡樹脂層4が設けられている。発泡樹脂層4には、荷重が加わるとスイッチングするコードスイッチ6を収納する収納溝(スリット状の開口、貫通孔)5が形成されている。発泡樹脂層4の無荷重時における収納溝5の幅は、コードスイッチ6を収納溝5内に収納する前の、無荷重時におけるコードスイッチ6の幅(直径)よりも小さく、収納溝5内にコードスイッチ6を収納することにより、発泡樹脂層4の収納溝5部の弾性変形によってコードスイッチ6を保持・挟持するように構成されている。
【0018】
収納溝5は発泡樹脂層4内を蛇行させて形成されており、この収納溝5内に、図1に示すように、連続した一本のコードスイッチ6が収納され、マット面の全域に亘って荷重・圧力を検知できるようになっている。なお、発泡樹脂層4に直線状の収納溝を複数形成し、各収納溝にコードスイッチ6を収納するようにしてもよい。
【0019】
上面シート2及び下面シート3は、平板状のシートであり、それらの材料としては、発泡樹脂層4より硬いが、可撓性・弾性を有するゴム材料、例えば、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、天然ゴム、ニトリルゴムなどが挙げられる。上面シート2及び下面シート3の表面には、意匠上或いは滑り止めのために、エンボス加工等を施す場合もある。
【0020】
発泡樹脂層4は上面シート2と下面のシート3の間に介在する平板状の層であり、発泡樹脂層4の材質には、ウレタン、ポリエチレン、クロロプレンゴム、エチレンプロピレンゴム等が用いられる。発泡樹脂層4の硬さは、発泡倍率と材質によって決定されるが、収納溝5部によるコードスイッチ6の保持およびコードスイッチ6の動作・感度特性などの観点から、発泡倍率は5〜100倍程度のものを用いるのが好ましい。
【0021】
収納溝5の幅が、コードスイッチ6の幅よりも小さいので、収納溝5にコードスイッチ6を嵌め込んで配線したときに、収納溝5部分の発泡樹脂層4の弾性変形・圧縮変形によってコードスイッチ6が挟持され保持される。このため、収納溝5からコードスイッチ6が簡単には抜け出したり浮き出たりせず、テープ等で仮固定(仮押さえ)する必要もなくなり、コードスイッチ6の配線・設置作業が容易となる。特に、コードスイッチ6を曲げてマット面内に蛇行させるなどして屈曲配線する場合には、コードスイッチ6を曲げた屈曲部分に応力が生じ、収納溝5からコードスイッチ6が抜け出やすく大変であったが、収納溝5の溝幅をコードスイッチ6の幅よりも小さくしてコードスイッチ6を保持しているので、コードスイッチ6の配線・設置を簡単に行うことができる。
【0022】
無荷重時の収納溝5の幅は、収納されるコードスイッチ6を良好に保持し且つコードスイッチ6の動作・感度に支障がないように、無荷重時のコードスイッチ6の幅(直径)の0.7〜0.98倍であるのが好ましい。また、無荷重時の収納溝5の深さは、無荷重時のコードスイッチ6の高さ(収納溝5の深さ方向の寸法)よりも大きくするのが好ましく、これにより、収納溝5内に確実にコードスイッチ6を保持できると共に、発泡樹脂層4表
面からコードスイッチ6がはみ出さず、マット表面が凹凸状態にならない。
【0023】
コードスイッチ6は、図2に示すように、中空部11を有する円管状の絶縁体7と、中空部11を区画する絶縁体7の内壁面(内周面)部にそれぞれ保持された4本の導電部材8とからなる。4本の導電部材8は、互いに間隔を隔てつつ中空部11の長手方向に沿ってほぼ同一ピッチで螺旋状に配線され、絶縁体7の横断面おいて4本の導電部材8は対向配置を保って配設されている。絶縁体7は、復元性ゴム又は復元性プラスチックからなり、荷重(押し圧)が加わった時に潰れ変形し、荷重(押し圧)がなくなると、元の円形断面形状に復元する。導電部材8は、金属線(より線)9の外周に導電ゴム等の導電樹脂10を被覆したものである。絶縁体7が潰れ変形して導電部材8、8同士が接触すると、導電部材8間の抵抗値が変化し、この抵抗値の変化により、ON、OFFのスイッチ動作をし荷重(押し圧)を検知する。円管状の絶縁体7の内周面に隣接する導電部材8、8間の絶縁体7の肉厚は一部薄く形成され、絶縁体7が適度に潰れ変形し易くなっている。また、コードスイッチ6の導電部材8は、図1(a)に示すように、コネクタ13を介して外部配線12に接続されている。
【0024】
次に、本実施形態のマットセンサ1の動作を説明する。
図3は、マットセンサ1に人や移動体などが載って押し圧による荷重が加わったときの状態を示す。マットセンサ1の上面シート2に荷重が加わると、荷重が加わった部分の発泡樹脂層4及びコードスイッチ6は、その厚さ方向に押圧されて変形する。この変形により、コードスイッチ6の導電部材8、8間が接触してON状態となり、ON信号電流が外部配線12を通じて流れ、マットセンサ1上に人や移動体などが載ったことを検知する。
【0025】
コードスイッチ6がスイッチングする反応変位(コードスイッチ6の導電部材8同士が接触する最小変位)は、発泡樹脂層4のつぶれ変位荷重が急激に変化する変化点変位よりも小さくし、且つコードスイッチ6が破壊する破壊変位(コードスイッチ6が変形して破壊する変位)は、発泡樹脂層4の変化点変位よりも大きくするのが好ましい(図11及び図13参照)。
発泡樹脂層4はつぶれ変形が小さいときは、発泡樹脂層4内部の空気層(気泡)が変形するため、小さい荷重で変形するが、空気層が完全につぶれる前後から、つぶれ変位に対して急激に荷重が増大する(図13参照)。この荷重が急激に変化する発泡樹脂層4の変化点変位よりコードスイッチ6の反応変位が小さい場合、発泡樹脂層4のつぶれ荷重は小さいため、コードスイッチ6の反応性(反応荷重)を阻害せず、低荷重で反応性の良いマットセンサ1となる。
また、コードスイッチ6の破壊変位が発泡樹脂層4の変化点変位より大きいと、コードスイッチ6の破壊変位に達するまでに必要な荷重が急激に増大し(発泡樹脂層4のつぶれ荷重が変化点以上で急激に増大するため)、その結果、コードスイッチ6が破壊し難くなり、耐久性、耐荷重性に優れたマットセンサ1となる。
【0026】
次に、上記のマットセンサ1の製造方法を図4により説明する。
まず、予め成形した上面シート2、下面シート3、発泡樹脂層4およびコードスイッチ6を用意し、下面シート3上に発泡樹脂層4を接着剤で貼り合わせた後、発泡樹脂層4に収納溝5を形成する(図4(a))。
次に、発泡樹脂層4の収納溝5にコードスイッチ6を沿わせて配線する(図4(b))。このとき、上述したように、発泡樹脂層4の収納溝5の幅は、コードスイッチ6の幅よりも小さいため、コードスイッチ6を曲げて屈曲配線することも容易である。また、下面シート3とコードスイッチ6を接着剤で接着固定する場合でも、接着剤が硬化するまでにテープや瞬間接着剤などを用いた仮固定等は必要ない。
最後に、発泡樹脂層4を上面シート2で覆い、上面シート2と下面シート3を接着剤を用いて貼り合わせる。上面シート2と下面シート3は、それら外縁部で接し、接着剤で密
着一体化される(図4(c))。
【0027】
上記製造方法では、下面シート3上に発泡樹脂層4を接着剤で貼り合わせた後、発泡樹脂層4に収納溝5を形成したが、発泡樹脂層4を下面シート3に貼り合わせる前に、予め、発泡樹脂層4に収納溝5を形成しておいてもよい。また、始めに上面シート2に発泡樹脂層4を貼り合わせ、収納溝5にコードスイッチ6を配線した後、上面シート2に下面シート3を貼り合わせるようにしてもよい。
【0028】
なお、図1に示す上記実施形態のマットセンサ1においては、発泡樹脂層4は単層であり、発泡樹脂層4の潰れやすさは、コードスイッチ5が反応する変位までは小さな荷重で変形し、コードスイッチ5が破壊する変位になる前に急激に荷重が増加するような、適切な発泡倍率と材質の発泡層を選定するようにした。このような特性を、図5に示す発泡樹脂層40では、高発泡樹脂層41と低発泡樹脂層42との二層構造によって実現させている。この発泡樹脂層40では、コードスイッチ6がスイッチングする反応変位までは主に軟らかい高発泡樹脂層41が潰れ変形して、コードスイッチ6の低荷重での反応性を確保し、一方、コードスイッチ6が破壊する破壊変位に近づくにつれてコードスイッチ6の変形を主に硬い低発泡樹脂層42が阻止して、コードスイッチ6の破壊を防止する構造としている。
【0029】
また、図5の発泡樹脂層40における低発泡樹脂層42を代えてソリッド層に代えてもよい。また、図6(a)に示すように、発泡樹脂層4の貫通した開口(収納溝)の下方に連続する溝を下面シート3にも形成した収納溝51にし、下面シート3の溝部分をソリッド層として機能させるようにしてもよい。
【0030】
また、図1の実施形態の収納溝5は、その全長において、発泡樹脂層4を貫通する深さ方向に一定幅の矩形断面のものであるが、収納溝5の一部において、例えば、蛇行させるための曲線状の収納溝5部分のみの溝幅をコードスイッチ6の幅よりも小さく形成するようにしてもよい。
また、深さ方向に一定幅の収納溝5ではなく、収納溝の少なくとも一部の幅が、無荷重時におけるコードスイッチ6の幅よりも小さい断面形状のものであればよい。例えば、図6(b)に示すように、コードスイッチ6の挿入側の開口部が狭く、下面シート3側が広いテーパ状の断面形状の収納溝52、或いは、図6(c)に示すように、発泡樹脂層4が収納溝の開口を塞ぐ方向に一部突出したような断面形状の収納溝53でもよい。このような断面形状の収納溝52、53でも、収納されるコードスイッチ6を保持・挟持してコードスイッチ6が収納溝52,53から抜け出ることを防止できる。
【0031】
図2に示す上記コードスイッチ6は、中空部11を有する絶縁体7の内壁面部に4本の導電部材8を、互いに間隔を隔てつつ中空部11の長手方向に沿って螺旋状に配線されているため、全方向からの荷重・圧力を検知でき、可撓性に非常に優れ、座屈せずに直径20mm程度まで曲げて配線設置が可能である。また、曲げによって導電部材8同士が接触し難いため、曲げた状態においてもスイッチ機能を奏する。また、マットセンサ1を平坦でない床などに設置して用いることが可能である。更に、可撓性に優れた上面シート2、下面シート3、発泡樹脂層4及びコードスイッチ6を用いてマットセンサ1を構成しているので、マットセンサ1を曲げたりロール状にすることができ、持ち運び、収納などの取扱性がよい。更にまた、コードスイッチ6は細径化が可能で、マットセンサ1の薄型化、軽量化が図れる。
また、コードスイッチ6の導電部材8としての4本の電極を抵抗を介して直列接続することにより、電極同士が非接触のOFF状態のときには、電極間は一定の抵抗値を示し、何らかの原因により電極に断線が生じてコードスイッチ6が破損したときには、上記の抵抗値が変化するので、これを検知することによりコードスイッチ6の断線検知を行うこと
ができる。
また、コードスイッチ6の表面を防水構造とすることが好ましい。上面シート2と下面シート3とは外縁部で接し、接着剤で液密に接着されているが、マットセンサ1の上面シート2、下面シート3に亀裂が生じ水が浸入した場合でも、コードスイッチ6の表面を防水構造とすることで、コードスイッチ6のスイッチ機能は保たれるので、マットセンサ1のセンサ機能を保持することができる。
【0032】
なお、図2に示す上記コードスイッチ6は、中空部11を有する絶縁体7の内壁面部に導電部材8を螺旋状に4本配線しているが、絶縁体7の内壁面部に沿って螺旋状に2本以上の導電部材8を設ければよい。
また、コードスイッチの他の実施形態としては、図7(a)に示すように、矩形管状の絶縁体21の上・下辺壁の内壁面に、矩形断面の2本の導電部材22(金属線23に導電樹脂24を被覆したもの)を間隙を隔てて互いに平行に、絶縁体21の長手方向に沿って直線状に配線したコードスイッチ61を用いてもよい。また、図7(b)に示すように、上電極26と下電極27との間に圧電ゴム28を設けて、これらの外周を絶縁樹脂29で被覆した矩形断面のコードスイッチ62、あるいは、図7(c)に示すように、内電極30とその外周部の外電極32との間にピエゾ素子(圧電樹脂)31を設け、ピエゾ素子31外周を絶縁樹脂33で被覆した同軸構造のコードスイッチ63を用いてもよい。
【実施例】
【0033】
次に、本発明の実施例を述べる。
図8に、本実施例のマットセンサ81の平面図を示す。マットセンサ81の寸法は700mm×500mmである。上面シート82及び下面シート(図示せず)は、700mm×500mmの矩形で厚さ1mmのクロロプレンゴムを使用した。クロロプレンゴムは、弾性があり難燃性を有する。上面シート82の表面には、滑り止め加工としてエンボス処理を施した。上面シート82は、その外縁部82aにおいて下面シートに接着剤で貼り合わした。
【0034】
上面シート82と下面シートが貼り合わされた防水構造のマットセンサ81内には、図9に示す発泡樹脂層84を設けた。発泡樹脂層84は、寸法660mm×460mm×5mmで、材質としては、イノアックコーポレーション製UEM55(発泡ウレタン、密度55±3kg/m3、発泡倍率約20倍)を用いた。発泡樹脂層84には、センサ検知の不感部・死角部をなくすように、収納溝85を蛇行させ且つマットセンサ82の外周に沿わせて、マットセンサ82全域に亘って形成した。具体的には、図示のように、収納溝85の蛇行部においては、直線状の収納溝85間の間隔を70mm、曲線状の収納溝85の曲率半径を35mmなどとした。
【0035】
収納溝85内に収納されるコードスイッチ86は、図10に示すように、上記図2のコードスイッチ6と同一の構造であって、外径4.6mmである。円管状の絶縁体87は絶
縁ゴムからなる。導電部材88は、外径0.85mmで、金属線89の外周に導電ゴム9
0を被覆したものである。また、導電部材88間の間隔は0.74mm、導電部材88間
の絶縁体87の薄肉部の厚さは0.7mmとした。
発泡樹脂層84の厚さは5mmであり、収納溝85に収納されるコードスイッチ86の外径4.6mmよりも大きく、コードスイッチ86が発泡樹脂層84表面から盛り上がっ
て凸凹の状態にならないようにした。また、収納溝85の幅は、コードスイッチ86に嵌め込んで仮固定ができるように、コードスイッチ86の径よりも小さい4.1mmとした
。
【0036】
図10は、上記コードスイッチ86に荷重を加えて潰れ変形させたときの、コードスイッチ86の厚さと抵抗との関係を測定する方法を説明する説明図である。下面の寸法10
mm×25mmの圧子治具101を用い、コードスイッチ86にその半径方向に荷重をかけ、潰れ変形するコードスイッチ86の厚さと抵抗との関係を測定した。
【0037】
図11には、上記測定によるコードスイッチ86の厚さ(mm)と抵抗(Ω)との関係を示す。測定結果から、コードスイッチ86の厚さが3.1mm〜3.6mmの範囲がコードスイッチ86が反応する反応変位領域(1〜1.5mm)であり、厚さ0.9mmがコードスイッチ86が破壊される破壊変位(3.7mm)であった。
【0038】
図12は、上記の発泡樹脂層84に荷重を加えて変形させたときの、発泡樹脂層84の厚さと荷重との関係を測定する方法を説明する説明図である。図10と同様に、下面寸法10mm×25mmの圧子治具101を用い、発泡樹脂層84にその厚さ方向に荷重をかけ、圧縮変形する発泡樹脂層84の厚さと荷重との関係を測定した。
【0039】
図13には、上記測定による発泡樹脂層84の厚さ(mm)と荷重(N)との関係を示す。図13に示すように、発泡樹脂層84は厚さ1.8mmまでは低荷重で変形したが、
1.8mm以上に圧縮変形させるには、必要な荷重が急激に増加した。従って、発泡樹脂
層84の変化点変位は、厚さが1.8mmとなるときであり、変化点変位(3.2mm)となるまでが低荷重領域で、厚さ1.8mmを超えると高荷重領域になる。
【0040】
上記図11及び図13の結果から、発泡樹脂層84の厚さが1.8mmとなるの変化点
変位(3.2mm)は、コードスイッチ86の厚さが3.1mm〜3.6mmの範囲にある
コードスイッチ86の反応変位領域(1〜1.5mm)より十分に大きく、コードスイッ
チ86の厚さが0.9mmとなるコードスイッチ86の破壊変位(3.7mm)よりも十分に小さい。このため、コードスイッチ86は極めて破壊されにくく、しかも低荷重で反応性の良い特性を発揮できることが確認できた。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態のマットセンサを示し、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のB−B拡大断面図である。
【図2】図1のコードスイッチを示す図である。
【図3】図1のマットセンサに荷重が加わった状態を示す断面図である。
【図4】図1のマットセンサの製造方法を示す工程図である。
【図5】本発明の他の実施形態のマットセンサにおける発泡樹脂層を説明するための断面図である。
【図6】本発明の他の実施形態のマットセンサにおける発泡樹脂層を示す断面図である。
【図7】本発明に用いられるコードスイッチの他の実施形態を示す断面図である。
【図8】本発明の一実施例のマットセンサの平面図である。
【図9】図8のマットセンサの発泡樹脂層の平面図である。
【図10】図8のマットセンサに用いられるコードスイッチに荷重を加えて変形させたときの、コードスイッチの厚さと抵抗との関係を測定する方法を説明する説明図である。
【図11】図10の測定により得られた、コードスイッチの厚さと抵抗との関係を示す図である。
【図12】図8のマットセンサに用いられる発泡樹脂層に荷重を加えて変形させたときの、発泡樹脂層の厚さと荷重との関係を測定する方法を説明する説明図である。
【図13】図12の測定により得られた、発泡樹脂層の厚さと荷重との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0042】
1 マットセンサ
2 上面シート
3 下面シート
4 発泡樹脂層
5 収納溝
6 コードスイッチ
7 絶縁体
8 導電部材
11 中空部
40 発泡樹脂層
41 高発泡樹脂層
42 低発泡樹脂層
51、52、53 収納溝
61、62、63 コードスイッチ
81 マットセンサ
84 発泡樹脂層
85 収納溝
86 コードスイッチ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷重が加わるとスイッチングするコードスイッチが配設されたマットセンサであって、
可撓性を有する上面シートと下面シートとの間には、前記荷重により弾性変形する発泡樹脂層が設けられ、
少なくとも前記発泡樹脂層には、前記コードスイッチを収納する収納溝が形成され、
前記収納溝の全長又は一部において、前記発泡樹脂層の無荷重時における前記収納溝の少なくとも一部の幅が、無荷重時における前記コードスイッチの幅よりも小さく、前記収納溝内に前記コードスイッチを収納することにより、前記発泡樹脂層の前記収納溝部の弾性変形によって前記コードスイッチを保持するように構成されたことを特徴とするマットセンサ。
【請求項2】
無荷重時の前記収納溝の少なくとも一部の幅が、無荷重時の前記コードスイッチの幅の0.7〜0.98倍であることを特徴とする請求項1に記載のマットセンサ。
【請求項3】
無荷重時の前記収納溝の深さが、無荷重時の前記コードスイッチの高さよりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載のマットセンサ。
【請求項4】
前記収納溝が曲線状の溝部を有し、前記コードスイッチが前記曲線状の溝部内に屈曲して配設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマットセンサ。
【請求項5】
前記コードスイッチがスイッチングする反応変位が前記発泡樹脂層のつぶれ変位荷重が急激に変化する変化点変位よりも小さく、且つ前記コードスイッチが破壊する破壊変位が前記発泡樹脂層の変化点変位よりも大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のマットセンサ。
【請求項6】
前記発泡樹脂層の発泡倍率が5〜100倍であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のマットセンサ。
【請求項7】
前記発泡樹脂層は、高発泡樹脂層と低発泡樹脂層とを有し、前記コードスイッチがスイッチングする反応変位までは主に高発泡樹脂層がつぶれ変形し、前記コードスイッチが破壊する破壊変位に近づくにつれて前記コードスイッチの変形を主に低発泡樹脂層が阻止するように構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のマットセンサ。
【請求項8】
前記発泡樹脂層における前記低発泡樹脂層に代えてソリッド層とすることを特徴とする請求項7に記載のマットセンサ。
【請求項9】
前記コードスイッチは、中空部を有する絶縁体と、前記中空部を区画する前記絶縁体の内壁面部にそれぞれ保持され、互いに間隔を隔てつつ前記中空部の長手方向に沿って螺旋状に配線された複数の導電部材とを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のマットセンサ。
【請求項10】
可撓性を有する下面シート上に、面状の発泡樹脂層を接合する工程と、
前記発泡樹脂層に形成されたコードスイッチを収納する収納溝に、前記コードスイッチを収納して、前記コードスイッチの幅よりも小さい幅の前記収納溝の部分でコードスイッチを保持した状態で設置する工程と、
前記発泡樹脂層上を覆う可撓性を有する上面シートを前記下面シートに接合する工程と、
を有することを特徴とするマットセンサの製造方法。
【請求項1】
荷重が加わるとスイッチングするコードスイッチが配設されたマットセンサであって、
可撓性を有する上面シートと下面シートとの間には、前記荷重により弾性変形する発泡樹脂層が設けられ、
少なくとも前記発泡樹脂層には、前記コードスイッチを収納する収納溝が形成され、
前記収納溝の全長又は一部において、前記発泡樹脂層の無荷重時における前記収納溝の少なくとも一部の幅が、無荷重時における前記コードスイッチの幅よりも小さく、前記収納溝内に前記コードスイッチを収納することにより、前記発泡樹脂層の前記収納溝部の弾性変形によって前記コードスイッチを保持するように構成されたことを特徴とするマットセンサ。
【請求項2】
無荷重時の前記収納溝の少なくとも一部の幅が、無荷重時の前記コードスイッチの幅の0.7〜0.98倍であることを特徴とする請求項1に記載のマットセンサ。
【請求項3】
無荷重時の前記収納溝の深さが、無荷重時の前記コードスイッチの高さよりも大きいことを特徴とする請求項1又は2に記載のマットセンサ。
【請求項4】
前記収納溝が曲線状の溝部を有し、前記コードスイッチが前記曲線状の溝部内に屈曲して配設されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のマットセンサ。
【請求項5】
前記コードスイッチがスイッチングする反応変位が前記発泡樹脂層のつぶれ変位荷重が急激に変化する変化点変位よりも小さく、且つ前記コードスイッチが破壊する破壊変位が前記発泡樹脂層の変化点変位よりも大きいことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のマットセンサ。
【請求項6】
前記発泡樹脂層の発泡倍率が5〜100倍であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のマットセンサ。
【請求項7】
前記発泡樹脂層は、高発泡樹脂層と低発泡樹脂層とを有し、前記コードスイッチがスイッチングする反応変位までは主に高発泡樹脂層がつぶれ変形し、前記コードスイッチが破壊する破壊変位に近づくにつれて前記コードスイッチの変形を主に低発泡樹脂層が阻止するように構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のマットセンサ。
【請求項8】
前記発泡樹脂層における前記低発泡樹脂層に代えてソリッド層とすることを特徴とする請求項7に記載のマットセンサ。
【請求項9】
前記コードスイッチは、中空部を有する絶縁体と、前記中空部を区画する前記絶縁体の内壁面部にそれぞれ保持され、互いに間隔を隔てつつ前記中空部の長手方向に沿って螺旋状に配線された複数の導電部材とを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のマットセンサ。
【請求項10】
可撓性を有する下面シート上に、面状の発泡樹脂層を接合する工程と、
前記発泡樹脂層に形成されたコードスイッチを収納する収納溝に、前記コードスイッチを収納して、前記コードスイッチの幅よりも小さい幅の前記収納溝の部分でコードスイッチを保持した状態で設置する工程と、
前記発泡樹脂層上を覆う可撓性を有する上面シートを前記下面シートに接合する工程と、
を有することを特徴とするマットセンサの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2008−192487(P2008−192487A)
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−26602(P2007−26602)
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月6日(2007.2.6)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】
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