説明

マニピュレータおよびそれを複数備えたパワーアシスト装置

【課題】マニピュレータおよびそれを複数備えたパワーアシスト装置において、操作性の向上を図る。
【解決手段】パワーアシストアーム1は、動作部としての直動関節5と、回転関節6と、ハンド部8とを備えている。また、パワーアシストアーム1は、各動作部を操作する第1操作部11および第2操作部12と、直動関節5を駆動する直動関節駆動装置と、回転関節6を駆動する回転関節駆動装置と、ハンド部8を駆動するハンド部駆動装置とを備えている。第1操作部11はハンド部8から離れた位置にあり、第2操作部12はハンド部8に近接した位置に設置されている。パワーアシストアーム1は、直動関節5、回転関節6およびハンド部8の力覚を第1操作部11に提示する直動関節力覚提示装置、回転関節力覚提示装置およびハンド部力覚提示装置を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人間の動作を代替させるマニピュレータおよびそれを複数備えたパワーアシスト装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、人間に代わって人の力では行うことができない作業や危険な作業を行う作業装置として、マニピュレータが用いられている。マニピュレータは、通常、人が操作する操作部と、操作部への操作入力に応じて作動する動作部と、操作部への操作入力に基づき動作部を駆動する駆動機構とを備えている。駆動機構は、操作者によりなされた操作部への操作入力に基づいて動作部を駆動する。
【0003】
ところで、上述のマニピュレータの中には、人間が操作する力を増幅して動作部に動作させるためのパワーアシスト型のマニピュレータがある。また、この種のパワーアシスト型のマニピュレータとしては、例えば、重量物搬送等に用いられる大型のマニピュレータがある。
【特許文献1】特開2003−145464号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、大型のマニピュレータは、操作部が動作部から離れた位置にある。そのため、操作時に動作部の微細な動作を視覚によって確認することが困難であり、視覚による操作の補正を行い難い。そのため、大型のマニピュレータでは操作者は直感的な操作を行い難いという問題があった。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、マニピュレータおよびそれを複数備えたパワーアシスト装置において、操作性の向上を図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るマニピュレータは、特定の動作部を含み、所定の動作を行う少なくとも一つ以上の動作部と、操作者によって操作される少なくとも第1操作部および第2操作部と、前記第1操作部または前記第2操作部の操作入力に基づき、前記動作部を駆動する駆動装置と、前記動作部の動作に基づき、前記第1操作部に力覚を提示する第1力覚提示装置と、を備え、前記第1操作部は前記特定の動作部から離れた位置にあり、前記第2操作部は前記特定の動作部に近接した位置にあるものである。
【0007】
ここで、「離れた位置」とは、操作者が視覚によって特定の動作部の動作の概略を確認することはできるが、特定の動作部の微細な動作を確認できない程度に離れた位置を言う。一方、「近接した位置」とは、操作者が特定の動作部の微細な動作を視覚により確認できる程度に近接した位置を言う。また、力覚とは、動作部の動作感覚をいい、力覚提示とは、例えば、動作部の動作速度、動作量および動作部にかかる反力等を操作部において再現することをいう。
【0008】
上記マニピュレータでは、特定の動作部を広い範囲で移動させるような場合には、特定の動作部から離れた第1操作部を用いて操作することにより、離れた位置から特定の動作部の大きな動作を確認しつつ操作することができる。そのため、マニピュレータ自体の動作の概略を把握しつつ、僅かな操作量で特定の動作部を大きく動作させることができる。また、操作者が特定の動作部から離れるため、特定の動作部と操作者との干渉を懸念することなく迅速に特定の動作部の動作を操作することができる。一方、正確な位置決めや繊細な動作が必要な場合には、特定の動作部に近接した第2操作部を用いて操作する。これにより、近接した位置から特定の動作部の動作を視覚により確認しつつ繊細な操作を行うことができる。そのため、特定の動作部の位置決めを正確に行うことができ、また、特定の動作部に繊細な動作を行わせることができる。したがって、上記マニピュレータによれば、操作性の向上を図ることができる。
【0009】
なお、上記マニピュレータは第1力覚提示装置を備えている。これにより、第1操作部には動作部の動作に基づく力覚が提示される。そのため、上記マニピュレータによれば、特定の動作部から離れた位置にある第1操作部であっても特定の動作部の操作を容易に行うことができる。また、特定の動作部以外の動作部についても、動作に基づく力覚が第1操作部に提示されるため、第1操作部を用いて操作を容易に行うことができる。
【0010】
前記マニピュレータは、前記特定の動作部の動作に基づき、前記第2操作部に力覚を提示する第2力覚提示装置をさらに備えることが好ましい。
【0011】
このことにより、操作者は、第2操作部を操作する際、視覚だけでなく、第2操作部から出力される力覚を享受することができる。したがって、上記マニピュレータによれば、前記特定の動作部の位置決めをより正確に行うことができ、また、前記特定の動作部により繊細な動作を行わせることができる。
【0012】
前記マニピュレータは、基端部から先端部に向かって延び、前記動作部を有するアームと、前記アームの基端部を支持する支持部と、をさらに備え、前記特定の動作部は前記アームの前記先端部に取り付けられ、前記第1操作部は、前記アームの前記基端部または前記支持部に取り付けられ、前記第2操作部は、前記アームの前記先端部に取り付けられていることが好ましい。
【0013】
上記マニピュレータによれば、アームの基端部または支持部に取り付けられた第1操作部で上記動作部を操作することにより、アームの先端部に取り付けられた特定の動作部を広範囲にわたって移動させることができる。一方、アームの先端部に取り付けられた特定の動作部に近接する第2操作部で操作することにより、視覚によって力覚を補いつつ、特定の動作部の位置決めを正確に行うことができ、また、特定の動作部に繊細な動作を行わせることができる。
【0014】
前記マニピュレータは、基端部から先端部に向かって延び、前記動作部を有するアームと、前記アームの基端部を支持する支持部と、をさらに備え、前記特定の動作部は前記アームの前記先端部に取り付けられ、前記第1操作部は、前記アームおよび前記支持部から離れた位置に設置され、前記第2操作部は、前記アームの前記先端部に取り付けられていてもよい。
【0015】
上記マニピュレータによれば、第1操作部が上記マニピュレータから離れた位置に設置されていても、特定の動作部に近接した第2操作部を併用することにより、特定の動作部の位置決めを正確に行うことができ、また、特定の動作部に繊細な動作を行わせることができる。
【0016】
前記マニピュレータは、前記第1操作部および第2操作部を、それぞれ独立して操作の有効/無効を切替え可能に構成してもよい。
【0017】
上記マニピュレータによれば、操作入力を行いたい操作部を有効にし、不要な操作部を無効に切替える。操作者は有効な操作部を用いて操作入力を行い、動作部を動作させる。このように、不要な操作部を無効に設定することにより、該操作部からの不用意な操作入力やこれに基づく力覚提示装置の提示を排除できるために、作業の安全性が向上することになる。
【0018】
前記マニピュレータには、操作入力を行っている第1操作部または第2操作部を検出可能な検出器を備えさせることも可能である。
【0019】
上記マニピュレータによれば、操作者により操作入力が行われている第1操作部または第2操作部は、検出器により検出されることになる。かかる検出結果に基づき、操作者以外の者もマニピュレータの操作状況を把握することができる。その結果、操作者のみならず、それ以外の者の安全性を確保することが可能となる。
【0020】
前記マニピュレータは、前記第1操作部および第2操作部は、いずれか一方が操作入力可能となっているときに他方が操作入力不能となるように構成してもよい。
【0021】
上記マニピュレータによれば、使用する操作部のみについて操作入力ができるように設定すれば、不使用の操作部については操作入力及び力覚提示装置による提示が不能となるように設定される。操作者は操作可能に設定した操作部から操作入力を行って動作部を動作させる。
【0022】
これにより、他の操作部からの操作入力はできなくなるために、該操作部からの不用意な操作入力等により、操作者が意図しない動作を動作部が行うというようなこともなくなる。よって、一連の作業の安全性が大幅に向上することになる。
【0023】
前記マニピュレータは、操作入力可能な操作部を設定する際に、前記動作部がロックされるように構成してもよい。
【0024】
上記マニピュレータによれば、操作部の設定時において動作部がロックされるために、該動作部がその自重により不用意に落下等するようなことはない。
【0025】
前記マニピュレータは、前記第1操作部および第2操作部の少なくとも一方を、収納可能または着脱可能に構成することも可能である。
【0026】
上記マニピュレータによれば、複数の操作部中、使用しない操作部は収納または取り外し、使用する操作部で操作入力を行って動作部を動作させる。これにより、不使用の操作部からの操作入力は排除されるために、作業の安全性が確保される。また、取り外した操作部から操作入力が行えるように設定すれば、作業内容に応じて最適な位置で操作入力することができることになる。
【0027】
前記マニピュレータには、収納または取り外した操作部を検出可能な検出器を備えさせてもよい。
【0028】
上記マニピュレータによると、操作部が収納されていたり、取り外されている場合は、これが検出器によって検出される。かかる検出結果に基づき、操作者以外の者もその時の操作状況を簡易に認識することが可能となる。これにより、操作者および操作者以外の者の安全性確保を図ることができる。
【0029】
前記マニピュレータには、収納可能な操作部の収納状態または着脱可能な操作部の着脱状態を提示する提示手段を備えさせることも可能である。
【0030】
上記マニピュレータによれば、操作部の収納または着脱状況を提示手段により、例えば視覚的または聴覚的に認識できるので、操作者のみならず、その他の者の現場等における安全性を確保し得ることになる。
【0031】
前記マニピュレータには、前記第1操作部および前記操作部の少なくとも一方の使用状況を提示する提示手段を備えさせても構わない。
【0032】
上記マニピュレータによると、例えば視覚的、聴覚的手段等からなる提示手段に基づいて、操作部の使用状況を簡易且つ的確に認識することができる。その結果、操作者及びそれ以外の者の安全性が確保される。
【0033】
前記マニピュレータは、前記動作部による第1の動作を第1操作部により行わせると共に、前記動作部による第2の動作を第2操作部により行わせるように設定可能とすることもできる。
【0034】
上記マニピュレータによれば、動作部が行う複数の動作中、各操作部が受け持つ動作を適切に設定することが可能となる。これにより、例えば、特定の動作部を広範囲に移動させたり、該動作部と操作者との干渉を回避しつつ動作を行える第1操作部と、正確な位置決めや特定の動作部に繊細な動作を行わしめるのに適した第2操作部、という各操作部の特性に応じた使い分けを良好に行うことができる。同時に、安全性の向上も図れる結果となる。
【0035】
本発明に係るパワーアシスト装置は、前記マニピュレータを複数備えるものである。
【0036】
このことにより、操作性に優れたマニピュレータを複数備えたパワーアシスト装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0037】
以上のように、本発明によれば、マニピュレータおよびそれを複数備えたパワーアシスト装置において、操作性及び安全性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態では、本発明に係るマニピュレータの一例として、重量物や長大な物を運搬する際に作業者の作業を補うパワーアシストアーム1について説明する。なお、これらは実施例の一例であって本発明はこれらに限定されるものではない。
【0039】
図1は、実施形態1に係るパワーアシストアーム1の構成を示す模式図である。図1に示すように、パワーアシストアーム1は、アーム2と、アーム2の基端部2aが取り付けられた支持部3とを備えている。アーム2は、支持部3によって片持ち支持されている。支持部3は、鉛直方向に延びる支柱3aと、水平方向に延び、支柱3aの下端部が固定された支持台3bとを備えている。支柱3aの上端部にはアーム2の基端部2aが取り付けられている。なお、便宜上、以下の説明では、図1の左側を前側、右側を後側として説明する。
【0040】
アーム2は、上腕部4、下腕部7および複数の動作部を備えている。本実施形態では、アーム2は、本発明に係る動作部として直動関節5、回転関節6およびハンド部8を備えている。本実施形態では、アーム2は、基端部2aから先端部2bに向かって延びている。アーム2は、基端部2aから先端部2bに向かって順に、上腕部4、直動関節5、回転関節6、下腕部7およびハンド部8がそれぞれ連結されることにより構成されている。なお、本実施形態では、ハンド部8が本発明に係る「特定の動作部」に該当するものとして説明する。
【0041】
上腕部4の後端部(アーム2の基端部2a)は、支持部3の上端部に取り付けられている。上腕部4の前端部には直動関節5の固定部5aが取り付けられている。直動関節5は固定部5aと、可動部5bとにより構成されている。可動部5bの後端部は固定部5aにスライド自在に支持されている。このような構成により、可動部5bが固定部5aに対して前後方向にスライドすることにより、直動関節5は伸縮する。
【0042】
直動関節5の可動部5bの前端部は回転関節6に取り付けられている。また、回転関節6には、下腕部7の基端部が取り付けられている。これにより、回転関節6は、直動関節5と下腕部7との間に設けられ、直動関節5と下腕部7とを相対回転自在に接続する。下腕部7の先端部にはハンド部8が取り付けられている。
【0043】
ハンド部8は、下腕部7の先端部に固定された断面略L字状の板状体からなる固定部8aと、可動部8bとにより構成されている。可動部8bは、固定部8aの一方の面と対峙し、固定部8aにスライド自在に接続されている。ハンド部8は、可動部8bが固定部8aに対してスライドすることにより、開閉することとなる。このような動作により、ハンド部8は対象物を把持することとなる。
【0044】
なお、固定部8aの形状は、L字状に限定されず、把持することが可能となるようないかなる形状であってもよい。また、ハンド部8は、開閉動作により対象物を挟むだけでなく、例えば、つまむ、握る等の動作を行うものであってもよい。さらに、ハンド部8は、固定部8aと可動部8bとにより構成されることに限定されない。そのため、可動部と可動部とにより構成されていてもよい。
【0045】
また、パワーアシストアーム1は、第1操作部11と、第2操作部12とを備えている。第1操作部11は支持部3に取り付けられており、本発明に係る「特定の動作部」としてのハンド部8から離れた位置にある。一方、第2操作部12は、アーム2の先端部2b(本実施形態では下腕部7)に取り付けられており、ハンド部8に近接した位置にある。
【0046】
第1操作部11は、直動関節5および回転関節6との操作入力を行うための操作ハンドル13を備えている。操作ハンドル13の構成は何ら限定されないが、本実施形態では、操作ハンドル13は、操作盤11aにスライド自在かつ回転自在に取り付けられている。操作ハンドル13の周囲には、6軸センサ14が取り付けられている。6軸センサ14は、操作者によって操作ハンドル13に前後方向または回転方向の力が加えられると、その付加された力の大きさおよび方向を検知する。
【0047】
第1操作部11は、ハンド部8の操作入力を行うためのハンド操作入力部15を備えている。ハンド操作入力部15の構成は何ら限定されないが、本実施形態では、ハンド操作入力部15は、水平方向に延びる板状体15aと、板状体15aの後端部の上面に設けられた筒状体からなる指入れ15bとにより構成されている。板状体15aの指入れ15bよりも前側には歪みゲージ16が取り付けられている。歪みゲージ16は、操作者によりハンド操作入力部15に所定のB1方向(図3参照)の力が加えられると、その力と方向とを検知する。
【0048】
第2操作部12は、直動関節5および回転関節6との操作入力を行うための操作ハンドル9を備えている。操作ハンドル9の構成は何ら限定されないが、本実施形態では、操作ハンドル9は、操作盤12aにスライド自在かつ回転自在に取り付けられている。操作ハンドル9の周囲には、6軸センサ10が取り付けられている。6軸センサ10は、操作者によって操作ハンドル9に前後方向または回転方向の力が加えられると、その付加された力の大きさおよび方向を検知する。
【0049】
第2操作部12は、ハンド部8の操作入力を行うためのハンド操作入力部17を備えている。ハンド操作入力部17の構成は何ら限定されないが、本実施形態では、ハンド操作入力部17もハンド操作入力部15と同様に、水平方向に延びる板状体17aと、板状体17aの後端部の上面に設けられた筒状体からなる指入れ17bとにより構成されている。板状体17aの指入れ17bよりも前側には歪みゲージ18が取り付けられている。歪みゲージ18は、操作者によりハンド操作入力部17に所定のB2(図3参照)方向の力が加えられると、その力と方向とを検知する。
【0050】
図2に示すように、パワーアシストアーム1は、直動関節5を駆動する直動関節駆動装置21と、直動関節5の動作に基づき、第1操作部11に力覚を提示する直動関節力覚提示装置22とを備えている。また、パワーアシストアーム1は、回転関節6を駆動する回転関節駆動装置23と、回転関節6の動作に基づき、第1操作部11に力覚を提示する回転関節力覚提示装置24とを備えている。
【0051】
直動関節駆動装置21は、第1操作部11の操作入力または第2操作部12の操作入力に応じて直動関節5を伸縮させる。具体的には、操作ハンドル13に対しA1方向に力を付加する様に入力する、または、操作ハンドル9に対しA2方向に力を付加する様に入力する。このような入力により、直動関節駆動装置21は、直動関節5の可動部5bを前方または後方に移動させる。これにより、直動関節5は伸縮することとなる。
【0052】
直動関節力覚提示装置22は、直動関節5の伸縮動作に応じた力覚(伸縮速度、伸縮長さ、反力等)を第1操作部11に伝達する。具体的には、直動関節力覚提示装置22は、操作ハンドル13を、直動関節5の伸縮速度および反力に応じた速度および力で、直動関節5の伸縮長さに応じた長さ分だけA1方向にスライドさせる。これにより、第1操作部11に直動関節5の伸縮動作に応じた力覚(伸縮速度、伸縮長さ、反力等)を提示する。
【0053】
回転関節駆動装置23は、第1操作部11の操作入力または第2操作部12の操作入力に応じて回転関節6を回転させる。具体的には、操作ハンドル13に対しC1方向に力を付加する様に入力する、または、操作ハンドル9に対しC2方向に力を付加する様に入力する。このような入力により、回転関節駆動装置23は、回転関節6を回転させる。
【0054】
回転関節力覚提示装置24は、回転関節6の回転動作に応じた力覚(回転速度、回転角度、反力等)を第1操作部11に伝達する。具体的には、回転関節力覚提示装置24は、操作ハンドル13を、回転関節6の回転速度および反力に応じた回転速度および力で、回転関節6の回転角度に応じた回転角度分だけC1方向に回転させる。これにより、第1操作部11に回転関節6の回転動作に応じた力覚(回転速度、回転角度、反力等)を提示する。
【0055】
さらに、図3に示すように、パワーアシストアーム1は、ハンド部8を駆動するハンド部駆動装置25と、ハンド部8の動作に基づき、第1操作部11に力覚を提示する第1ハンド部力覚提示装置26と、ハンド部8の動作に基づき、第2操作部12に力覚を提示する第2ハンド部力覚提示装置27とを備えている。
【0056】
ハンド部駆動装置25は、第1操作部11の操作入力または第2操作部12の操作入力に応じてハンド部8を開閉させる。具体的には、ハンド操作入力部15に対し、B1方向に力を付加する様に入力する、または、ハンド操作入力部17に対し、B2方向に力を付加する様に入力する。このような入力により、ハンド部駆動装置25は、ハンド部8の可動部8bをスライドさせる。これにより、ハンド部8は開閉することとなる。
【0057】
第1ハンド部力覚提示装置26は、ハンド部8の開閉動作に応じた力覚(開閉速度、開閉度合い、反力等)を第1操作部11に伝達する。具体的には、ハンド操作入力部15を、ハンド部8の開閉速度および反力に応じた速度および力で、ハンド部8の開閉度合いに応じた分だけB1方向にスライドさせることにより、第1操作部11に力覚を提示する。
【0058】
第2ハンド部力覚提示装置27は、ハンド部8の開閉動作に応じた力覚(開閉速度、開閉度合い、反力等)を第2操作部12に伝達する。具体的には、ハンド操作入力部17を、ハンド部8の開閉速度および反力に応じた速度および力で、ハンド部8の開閉度合いに応じた分だけB2方向にスライドさせることにより、第2操作部12に力覚を提示する。
【0059】
以上がパワーアシストアーム1の全体構成である。次に、直動関節力覚提示装置22、回転関節力覚提示装置24、第1ハンド部力覚提示装置26および第2ハンド部力覚提示装置27について詳述する。
【0060】
図4に示すように、直動関節力覚提示装置22は、第1の油圧シリンダ31および第2の油圧シリンダ41を備えている。第1の油圧シリンダ31は、シリンダ33と、シリンダ33内部を第1空間34と第2空間35とに仕切るピストン36と、ピストン36に取り付けられたピストンロッド37により構成されている。第2の油圧シリンダ41も第1の油圧シリンダ31と同様に、シリンダ43と、シリンダ43内部を第3空間44と第4空間45とに仕切るピストン46と、ピストン46に取り付けられたピストンロッド47により構成されている。第1の油圧シリンダ31のシリンダ33および第2の油圧シリンダ41のシリンダ43内には作動油が封入されている。
【0061】
また、第1の油圧シリンダ31の第1空間34と第2の油圧シリンダ41の第3空間44とには第1配管38が接続されており、第1空間34と第3空間44とは連通している。一方、第1の油圧シリンダ31の第2空間35と第2の油圧シリンダ41の第4空間45とには第2配管39が接続されており、第2空間35と第4空間45とは連通している。また、ピストンロッド37と直動関節5の可動部5bとは、リンク機構37a等を介して接続されている。また、ピストンロッド47と操作ハンドル13とは、リンク機構47a等を介して接続されている。
【0062】
図5に示すように、回転関節力覚提示装置24は、第1の油圧シリンダ51と、第1のレバー52と、第2の油圧シリンダ61と、第2のレバー62とを備えている。
【0063】
第1の油圧シリンダ51は、シリンダ53と、シリンダ53内部を第1空間54と第2空間55とに仕切るピストン56と、ピストン56に取り付けられたピストンロッド57により構成されている。本実施形態では、ピストンロッド57は、第1空間54を貫く様に設けられている。シリンダ53は、回転関節6のシャフト6aと平行な方向に延びる軸53aに揺動自在に支持されている。シリンダ53内には作動油が封入されている。
【0064】
第2の油圧シリンダ61は、シリンダ63と、シリンダ63内部を第3空間64と第4空間65とに仕切るピストン66と、ピストン66に取り付けられたピストンロッド67により構成されている。本実施形態では、ピストンロッド67は、第3空間64を貫くように設けられている。シリンダ63は、操作ハンドル13の回転軸13aと平行な方向に延びる軸63aに揺動自在に支持されている。シリンダ63内には作動油が封入されている。
【0065】
第1の油圧シリンダ51の第1空間54と第2の油圧シリンダ61の第3空間64とには第1配管58が接続されており、第1空間54と第3空間64とは連通している。一方、第1の油圧シリンダ51の第2空間55と第2の油圧シリンダ61の第4空間65とには第2配管59が接続されており、第2空間55と第4空間65とは連通している。
【0066】
なお、第1のレバー52は棒状体からなり、回転関節6のシャフト6aからピストンロッド57に向かって延びている。第1のレバー52は、ピストンロッド57にピン52aを介して相対回転可能に接合されている。また、第1のレバー52は、回転関節6の回転機構6bに相対回転不能に接続されている。
【0067】
一方、第2のレバー62は棒状体からなり、操作ハンドル13の回転軸13aからピストンロッド67に向かって延びている。第2のレバー62は、ピストンロッド67にピン62aを介して相対回転可能に接合されている。また、第2のレバー62は、回転軸13a回りに正逆回転自在な回転機構を構成する操作ハンドル13に相対回転不能に接続されている。
【0068】
なお、図5では、第1のレバー52の端部とピストンロッド57の端部とが接合されている状態を示している。しかし、第1のレバー52とピストンロッド57とはそれぞれ端部ではなく中途部において接合されていてもよい。また、第2のレバー62とピストンロッド67とも同様に中途部において接合されていてもよい。
【0069】
図6に示すように、第1ハンド部力覚提示装置26は、第1の油圧シリンダ71および第2の油圧シリンダ81を備えている。第1の油圧シリンダ71は、シリンダ73と、シリンダ73内部を第1空間74と第2空間75とに仕切るピストン76と、ピストン76に取り付けられたピストンロッド77とにより構成されている。第2の油圧シリンダ81も第1の油圧シリンダ71と同様に、シリンダ83と、シリンダ83内部を第3空間84と第4空間85とに仕切るピストン86と、ピストン86に取り付けられたピストンロッド87とにより構成されている。
【0070】
また、第1の油圧シリンダ71の第1空間74と第2の油圧シリンダ81の第3空間84とは第1配管78を介して接続されている。第1の油圧シリンダ71の第2空間75と第2の油圧シリンダ81の第4空間85とは第2配管79を介して接続されている。ピストンロッド77とハンド部8の可動部8bとは、リンク機構77a等を介して接続されている。また、ピストンロッド87と第1操作部11のハンド操作入力部15の板状体15aとは、リンク機構87a等を介して接続されている。
【0071】
また、第2ハンド部力覚提示装置27は、第1の油圧シリンダ111および第2の油圧シリンダ121を備えている。第1の油圧シリンダ111は、シリンダ113と、シリンダ113内部を第1空間114と第2空間115とに仕切るピストン116と、ピストン116に取り付けられたピストンロッド117とにより構成されている。第2の油圧シリンダ121も第1の油圧シリンダ111と同様に、シリンダ123と、シリンダ123内部を第3空間124と第4空間125とに仕切るピストン126と、ピストン126に取り付けられたピストンロッド127とにより構成されている。
【0072】
また、第1の油圧シリンダ111の第1空間114と第2の油圧シリンダ121の第3空間124とは第1配管118を介して接続されている。第1の油圧シリンダ111の第2空間115と第2の油圧シリンダ121の第4空間125とは第2配管119を介して接続されている。ピストンロッド117とハンド部8の可動部8bとは、リンク機構117a等を介して接続されている。また、ピストンロッド127と第1操作部11のハンド操作入力部17の板状体17aとは、リンク機構127a等を介して接続されている。
【0073】
以上が直動関節力覚提示装置22、回転関節力覚提示装置24、第1ハンド部力覚提示装置26および第2ハンド部力覚提示装置27の構成である。次に、パワーアシストアーム1の動作について説明する。なお、ここでは、動作の一例として、パワーアシストアーム1を用いて重量物500の運搬を行う場合について説明する。
【0074】
まず、図7(a)に示すように、操作者Xは、本実施形態において、本発明に係る特定の動作部であるハンド部8から離れた位置にある第1操作部11の操作ハンドル13を用いて、直動関節5を伸縮させ、回転関節6を回転させることにより、ハンド部8を重量物500に近接させる。
【0075】
具体的には、図2に示すように、直動関節5を伸縮させる際、操作者Xは、操作ハンドル13に対してA1方向(前方または後方)に力を付加する。このとき、操作ハンドル13に取り付けられた6軸センサ14によりその力の向きおよび大きさ等が検知される。これらのデータは直動関節駆動装置21に伝達される。直動関節駆動装置21は、このデータに基づき、直動関節5の伸縮速度および伸縮長さを決定し、直動関節5の可動部5bを前方または後方に移動させる。これにより、直動関節5は伸縮させられることとなる。
【0076】
一方、直動関節5が伸縮すると、直動関節力覚提示装置22が駆動され、操作ハンドル13がA1方向(前方または後方)にスライド移動する。これにより、操作者Xに直動関節5における力覚(伸縮の速度、伸縮長さ、反力等)を提示することができる。
【0077】
具体的には、図4に示すように、直動関節5が伸縮すると、第1の油圧シリンダ31のピストンロッド37が直動関節5の可動部5bにリンクしてシリンダ33の第1空間34または第2空間35側に移動する。これにより、第1の油圧シリンダ31が伸縮する。
【0078】
例えば、第1の油圧シリンダ31が伸びると、第1配管38を介して第1の油圧シリンダ31の第1空間34から第2の油圧シリンダ41の第3空間44に作動油が圧送されると共に、第2配管39を介して第2の油圧シリンダ41の第4空間45から第1の油圧シリンダ31の第2空間35に作動油が圧送される。一方、第1の油圧シリンダ31が縮むと、第2配管39を介して第1の油圧シリンダ31の第2空間35から第2の油圧シリンダ41の第4空間45に作動油が圧送されると共に、第1配管38を介して第2の油圧シリンダ41の第3空間44から第1の油圧シリンダ31の第1空間34に作動油が圧送される。
【0079】
このような動作により、ピストン46およびピストンロッド47が油圧により第2の油圧シリンダ41の第3空間44または第4空間45側へ押圧される。ここで、ピストンロッド47は、操作ハンドル13とリンク機構47a等を介して接続されている。そのため、操作ハンドル13は、ピストンロッド47の移動にリンクしてA1方向(前方または後方)にスライド移動することとなる。
【0080】
また、図2に示すように、回転関節6を回転させる際、操作者Xは、操作ハンドル13に対してC1方向(周方向)に力を付加する。このとき、操作ハンドル13に取り付けられた6軸センサ14により力の向きおよび大きさ等が検知される。これらのデータは回転関節駆動装置23(図2参照)に伝達される。回転関節駆動装置23は、このデータに基づき、回転関節6の回転速度および回転角度等を決定し、回転関節6の回転機構6bを回転駆動する。これにより、回転関節6に接続された下腕部7およびハンド部8は旋回させられることとなる。
【0081】
一方、回転関節6の回転機構6bが回転すると、回転関節力覚提示装置24が駆動され、操作ハンドル13がC1方向(周方向)に回転する。これにより、操作者Xに回転関節6における力覚(回転の速度、回転角度、反力等)を提示することができる。
【0082】
具体的には、図5に示すように、回転機構6bが回転すると、第1のレバー52が回転機構6bと共に回転する。第1の油圧シリンダ51のピストンロッド57は、第1のレバー52の回転にリンクしてシリンダ53の第1空間54または第2空間55側に移動する。これにより、第1の油圧シリンダ51が伸縮することとなる。
【0083】
第1の油圧シリンダ51が伸びると、第1配管58を介して第1の油圧シリンダ51の第1空間54から第2の油圧シリンダ61の第3空間64に作動油が圧送されると共に、第2配管59を介して第2の油圧シリンダ61の第4空間65から第1の油圧シリンダ51の第2空間55に作動油が圧送される。一方、第1の油圧シリンダ51が縮むと、第2配管59を介して第1の油圧シリンダ51の第2空間55から第2の油圧シリンダ61の第4空間65に作動油が圧送されると共に、第1配管58を介して第2の油圧シリンダ61の第3空間64から第1の油圧シリンダ51の第1空間54に作動油が圧送される。
【0084】
このような動作により、第2の油圧シリンダ61の一方の空間に作動油が圧送されると、ピストン66およびピストンロッド67は、油圧によって第3空間64または第4空間65側へ押圧されて移動する。これに伴い、第2のレバー62は、ピストンロッド67にリンクして回転する。前述したように、第2のレバー62は回転機構を構成する操作ハンドル13に相対回転不能に接続されている。そのため、第2のレバー62の回転に伴い、操作ハンドル13はC1方向に回転することとなる。
【0085】
このようにして、直動関節5および回転関節6を動作させてハンド部8を重量物500に近接させる。次に、操作者Xは、第1操作部11のハンド操作入力部15をB1方向に上下させることにより、ハンド部8を開閉させて重量物500を把持させる。
【0086】
まず、操作者Xは、図3に示すように、ハンド操作入力部15の板状体15aに対してB1方向(上方または下方)に力を付加する。このとき、板状体15aに取り付けられた歪みゲージ16により力の向きおよび大きさ等が検知される。これらのデータは、ハンド部駆動装置25に伝達される。ハンド部駆動装置25は、このデータに基づき、ハンド部8の開閉速度および開閉度合いを決定し、ハンド部8の可動部8bをスライド移動させる。これにより、ハンド部8は開閉することとなる。
【0087】
一方、ハンド部8が開閉すると、第1ハンド部力覚提示装置26が駆動され、ハンド操作入力部15の板状体15aがB1方向(上方または下方)にスライド移動する。これにより、操作者にハンド部8における力覚(開閉の速度、開閉度合い、反力等)を提示することができる。
【0088】
具体的には、図6に示すように、ハンド部8が開閉すると、第1の油圧シリンダ71のピストンロッド77がハンド部8の可動部8bにリンクしてシリンダ73の第1空間74または第2空間75側に移動する。これにより、第1の油圧シリンダ71が伸縮する。
【0089】
第1の油圧シリンダ71が伸びると、第1配管78を介して第1の油圧シリンダ71の第1空間74から第2の油圧シリンダ81の第3空間84に作動油が圧送されると共に、第2配管79を介して第2の油圧シリンダ81の第4空間85から第1の油圧シリンダ71の第2空間75に作動油が圧送される。一方、第1の油圧シリンダ71が縮むと、第2配管79を介して第1の油圧シリンダ71の第2空間75から第2の油圧シリンダ81の第4空間85に作動油が圧送されると共に、第1配管78を介して第2の油圧シリンダ81の第3空間84から第1の油圧シリンダ71の第1空間74に作動油が圧送される。
【0090】
このような動作により、ピストン86およびピストンロッド87が油圧によって第2の油圧シリンダ81の第3空間84または第4空間85側へ押圧される。ここで、ピストンロッド87は、ハンド操作入力部15の板状体15aに接続されている。そのため、ハンド操作入力部15は、ピストンロッド87の移動によりB1方向(上方または下方)にスライド移動することとなる。
【0091】
このようにして、ハンド部8を開閉させて重量物500を把持させる。なお、重量物500の中には、傷付き易いまたは把持可能な部分が小さい等の理由により、ハンド部8によって把持する際に繊細な動作が必要となるものがある。このような重量物500をハンド部8に把持させる場合、以下のように操作することも可能である。
【0092】
上述したように、ハンド部8に繊細な動作が要求される場合、図7(b)に示すように、操作者Xは、動作部としてのハンド部8付近まで移動し、ハンド部8に近接した位置にある第2操作部12を用いて直動関節5、回転関節6およびハンド部8を操作する。
【0093】
具体的には、直動関節5を伸縮させる際、操作者Xは、操作ハンドル9に対してA2方向(前方または後方)に力を付加する。このとき、操作ハンドル9に取り付けられた6軸センサ10によりその力の向きおよび大きさ等が検知される。これらのデータは直動関節駆動装置21に伝達される。直動関節駆動装置21は、このデータに基づき、直動関節5の伸縮速度および伸縮長さを決定し、直動関節5の可動部5bを前方または後方に移動させる。これにより、直動関節5は伸縮させられることとなる。
【0094】
また、回転関節6を回転させる際、操作者Xは、操作ハンドル9に対してC2方向(周方向)に力を付加する。このとき、操作ハンドル9に取り付けられた6軸センサ10により力の向きおよび大きさ等が検知される。これらのデータは回転関節駆動装置23(図2参照)に伝達される。回転関節駆動装置23は、このデータに基づき、回転関節6の回転速度および回転角度等を決定し、回転関節6の回転機構6bを回転駆動する。これにより、回転関節6に接続された下腕部7およびハンド部8は旋回させられることとなる。
【0095】
さらに、ハンド部8を開閉させる際、操作者Xは、図3に示すように、ハンド操作入力部17の板状体17aに対してB2方向(上方または下方)に力を付加する。このとき、板状体17aに取り付けられた歪みゲージ18により力の向きおよび大きさ等が検知される。これらのデータは、ハンド部駆動装置25に伝達される。ハンド部駆動装置25は、このデータに基づき、ハンド部8の開閉速度および開閉度合いを決定し、ハンド部8の可動部8bをスライド移動させる。これにより、ハンド部8は開閉することとなる。
【0096】
一方、ハンド部8が開閉すると、第2ハンド部力覚提示装置27が駆動され、ハンド操作入力部17の板状体17aがB2方向(上方または下方)にスライド移動する。これにより、操作者にハンド部8における力覚(開閉の速度、開閉度合い、反力等)を提示することができる。
【0097】
具体的には、図6に示すように、ハンド部8が開閉すると、第1の油圧シリンダ111のピストンロッド117がハンド部8の可動部8bにリンクしてシリンダ113の第1空間114または第2空間115側に移動する。これにより、第1の油圧シリンダ111が伸縮する。
【0098】
第1の油圧シリンダ111が伸びると、第1配管118を介して第1の油圧シリンダ111の第1空間114から第2の油圧シリンダ121の第3空間124に作動油が圧送されると共に、第2配管119を介して第2の油圧シリンダ121の第4空間125から第1の油圧シリンダ111の第2空間115に作動油が圧送される。一方、第1の油圧シリンダ111が縮むと、第2配管119を介して第1の油圧シリンダ111の第2空間115から第2の油圧シリンダ121の第4空間125に作動油が圧送されると共に、第1配管118を介して第2の油圧シリンダ121の第3空間124から第1の油圧シリンダ111の第1空間114に作動油が圧送される。
【0099】
このような動作により、ピストン126およびピストンロッド127が油圧によって第2の油圧シリンダ121の第3空間124または第4空間125側へ押圧される。ここで、ピストンロッド127は、ハンド操作入力部17の板状体17aに接続されている。そのため、ハンド操作入力部17は、ピストンロッド127の移動によりB2方向(上方または下方)にスライド移動することとなる。
【0100】
このようにして、ハンド部8に近接した位置にある第2操作部12を用いて操作することにより、操作者Xは、ハンド部8の動作を目視しながら、ハンド部8に重量物500を把持させることができる。また、第2操作部12の操作ハンドル9を用いて、直動関節5を伸縮させ、回転関節6を回転させてハンド部8の位置を微調整することも可能である。
【0101】
ハンド部8に重量物500を把持させた後、第1操作部または第2操作部を操作して、直動関節5を伸縮させ、回転関節6を回転させてハンド部8を所定の位置まで移動させる。そして、所定の位置においてハンド部8を開くと、重量物500はハンド部8から離れ、所定の位置に載置される。このような動作により、重量物500は所定の位置まで運搬される。
【0102】
以上のように、本実施形態に係るパワーアシストアーム1は、特定の動作部としてのハンド部8と、ハンド部8から離れた位置にある第1操作部11とハンド部8に近接した位置にある第2操作部12とを備えている。
【0103】
ここで、「離れた位置」とは、操作者Xが視覚によってハンド部8の動作の概略を確認することはできるが、ハンド部8の微細な動作を確認できない程度に離れた位置を言う。一方、「近接した位置」とは、操作者Xがハンド部8の微細な動作を視覚により確認できる程度に近接した位置を言う。
【0104】
本パワーアシストアーム1では、ハンド部8を広い範囲で移動させるような場合には、ハンド部8から離れた第1操作部11を用いて各動作部(直動関節5、回転関節6、ハンド部8)を操作することにより、離れた位置からハンド部8の大きな動作を確認しつつ操作することができる。そのため、パワーアシストアーム1自体の動作の概略を把握しつつ、僅かな操作量でハンド部8を大きく動作させることができる。また、操作者Xがハンド部8から離れるため、ハンド部8と操作者Xとの干渉を懸念することなく迅速にハンド部8の動作を操作することができる。一方、正確な位置決めや繊細な動作が必要な場合には、ハンド部8に近接した第2操作部12を用いて各動作部(直動関節5、回転関節6、ハンド部8)を操作する。これにより、近接した位置からハンド部8の動作を視覚により確認しつつ直動関節5、回転関節6を繊細に動作させてハンド部8の位置決めを正確に行うことができる。また、ハンド部8の動作を視覚により確認しつつ操作することにより、ハンド部8に繊細な動作を行わせることができる。
【0105】
また、本パワーアシストアーム1は、本発明に係る第1力覚提示装置としての直動関節力覚提示装置22、回転関節力覚提示装置24および第1ハンド部力覚提示装置26を備えている。これにより、第1操作部11には本発明にかかる動作部(直動関節5、回転関節6、ハンド部8)の各動作に基づく力覚(動作速度、動作度合い、反力等)が提示される。そのため、本パワーアシストアーム1によれば、特定の動作部としてのハンド部8から離れた位置にある第1操作部11であってもハンド部8の操作を容易に行うことができる。また、ハンド部8以外の動作部(直動関節5、回転関節6)についても、動作に基づく力覚が第1操作部11に提示されるため、第1操作部11を用いて操作を容易に行うことができる。
【0106】
また、本パワーアシストアーム1は、第1ハンド部力覚提示装置26だけでなく、第2ハンド部力覚提示装置27を備えている。これにより、第2操作部12にも、ハンド部8の開閉動作に基づく力覚(開閉速度、開閉度合い、反力等)が提示される。そのため、操作者Xは、第2操作部12を操作する際、視覚だけでなく、第2操作部12から出力される力覚を享受することができる。したがって、本パワーアシストアームによれば、ハンド部8の位置決めをより正確に行うことができ、また、ハンド部8により繊細な動作を行わせることができる。
【0107】
本パワーアシストアーム1では、第1操作部11は、アーム2の基端部2aが取り付けられた支持部3に設けられており、ハンド部8から離れた位置にある。また、第2操作部12は、ハンド部8が取り付けられたアーム2の先端部2bに取り付けられており、ハンド部8に近接している。そのため、アーム2の基端部2aまたは支持部3に取り付けられた第1操作部11で上記動作部(ハンド部8、直動関節5、回転関節6)を操作することにより、アーム2の先端部2bに取り付けられた特定の動作部であるハンド部8を広範囲にわたって移動させることができる。一方、アーム2の先端部2bに取り付けられたハンド部8に近接する第2操作部12で操作することにより、視覚によって力覚を補いつつ、ハンド部8に繊細な動作を行わせることができる。
【0108】
なお、本実施形態では、第1操作部11は、支持部3に取り付けられていたが、第1操作部11の設置位置はこれに限られない。例えば、アーム2の基端部2a(本実施形態では、上腕部4の後端部)に取り付けられていてもよい。このような場合であっても、第1操作部11が設置された位置からパワーアシストアーム1全体の動作の概略を確認することが可能であり、ハンド部8を広範囲にわたって移動させることができる。
【0109】
また、第1操作部11は、アーム2および支持部3から離れた位置に設置され、遠隔操作することとしてもよい。このような場合であっても、第2操作部12を併用することにより、ハンド部8に繊細な動作を行わせることができる。また、第2操作部12を併用してハンド部8以外の動作部(直動関節5、回転関節6)についても、微細な動作を行わせることにより、ハンド部8の位置決め動作を正確に行うことができる。
【0110】
なお、本実施形態では、力覚の提示に際し、作動液として油を用いる油圧アクチュエータを用いている。しかし、作動液は油に限定されない。そのため、油圧アクチュエータではなく、他の液体を用いた液圧アクチュエータを用いてもよい。
【0111】
また、直動関節力覚提示装置22、回転関節力覚提示装置24、第1ハンド部力覚提示装置26および第2ハンド部力覚提示装置27は、作動液として油を用いる液圧アクチュエータを用いたものでなくてもよい。例えば、直動関節5、回転関節6、ハンド部8の位置を検知する位置センサを各部に設け、モータ等の駆動装置を用いて電気的に力覚を提示するものであってもよい。また、直動関節5、回転関節6、本発明に係る特定の動作部としてのハンド部8の可動部8bと、第1操作部11の操作ハンドル13、第1操作部11および第2操作部12のハンド操作入力部15,17とを、リンク機構等を用いて直接接続することにより機械的に力覚を提示するものであってもよい。
【0112】
なお、本実施形態に係るパワーアシストアーム1は、本発明に係る動作部として直動関節5、回転関節6、ハンド部8を備えていた。しかし、動作部はこれらに限定されない。例えば、図8に示すように、他の動作部として上腕部4を捻るための捻り機構91や、アーム2を上下方向に回動してアーム2を起伏させるための回転関節92や、アーム2を水平方向に旋回させるための旋回機構93を加え、これらの動作部と第1操作部11との間に駆動装置および油圧アクチュエータを用いた力覚提示装置を備えていてもよい。
【0113】
このようなパワーアシストアーム1によれば、ハンド部8の可動範囲が広がるため、重量物の運搬等だけでなく、組み立て作業、除去・撤去作業等、多目的に使用可能となる。また、このような場合であっても、第1操作部11と第2操作部12を使い分けることにより、大きな動作と繊細な動作のいずれもが可能となる。
【0114】
また、本実施形態では、本発明に係る特定の動作部は、ハンド部8により構成されていた。しかし、本発明に係る特定の動作部はハンド部8に限られない。
【0115】
例えば、図9に示すように、ハンド部8に加え、回転関節6を特定の動作部とし、操作部20を回転関節6に近接した位置に設けてもよい。このような場合、操作部20には、回転関節6を操作するための操作ハンドル19等の操作入力部を設けることが必要となる。そして、当該操作ハンドル19と回転関節駆動装置23とを接続し、また、必要に応じて、回転関節6の動作に基づく力覚を操作部20に提示する力覚提示装置を設けてもよい。このような場合、回転関節6に繊細な動作を行わせることができるため、ハンド部8の位置移動を正確に行わせることが可能となる。
【0116】
また、図9では、ハンド部8に近接した第2操作部12にはハンド操作入力部17を設け、回転関節6に近接した操作部20には操作ハンドル19を設けていた。しかし、ハンド部8と回転関節6とが近い場合、ハンド部8に近接した第2操作部12を設けずに、回転関節6に近接した位置のみに操作部20を設け、当該操作部20に回転関節6の操作を行うための操作ハンドル19およびハンド部8の操作を行うためのハンド操作入力部17を設けることとしてもよい。このような場合であっても、操作部20を用いて、ハンド部8の動作状況を目視により確認しつつ操作入力を行うことができる。そのため、繊細な操作を行うことができる。
【0117】
さらに、本実施形態では、第2操作部12は、第1操作部11と同様に、操作ハンドル9とハンド操作入力部17とを備えていた。しかし、図9に示すように、操作部20として操作ハンドル19を回転関節6付近に設けた場合、第2操作部12に操作ハンドル9を設けなくともよい。このような場合であっても、特定の動作部としてのハンド部8に繊細な動作を行わせることができる。また、回転関節6とハンド部8とは比較的近い位置にあるため、ハンド部8の角度等を微調整したい場合は、操作ハンドル19を用いることにより、ハンド部8の角度を視覚により確認しつつ操作することができる。
【0118】
さらに、本実施形態のパワーアシストアーム1は、第2ハンド部力覚提示装置27を備えていたが、第2ハンド部力覚提示装置27を備えていなくてもよい。第2ハンド部力覚提示装置27を備えていない場合であっても、ハンド部8に近接した位置にある第2操作部12を用いて操作することにより、ハンド部8の微細な動作を視覚で確認することができるため、繊細な操作を行うことができる。
【0119】
<他の実施形態>
なお、この種のマニピュレータにおける作業上の安全面を考慮した場合には、次のような種々の手段を備えさせるのが好ましい。
【0120】
まず、上記実施形態においては、両操作部11、12ともに操作入力ができるように構成している。しかるに、例えばこれら操作部11,12のいずれか一方、または両者共に操作入力不能とするために、各操作部11,12の操作の有効/無効を切替えられるように構成することも可能である。かかる操作の有効/無効の切替えは、例えば各操作ハンドル9、13の先端部に押しボタンスイッチやトグルスイッチ等を設けて、これにより行うようにする。また、マニピュレータを総合的に管理する制御室内等において行うように構成してもよい。操作者Xは有効な操作部を用いて操作入力を行い、各動作部を動作させる。
【0121】
このように、使用しない操作部を無効に設定することにより、該操作部からの不用意な操作入力を完全に排除できるために、作業の安全性が向上することになる。特に、一方の操作部を殆ど操作せずに、他の操作部による操作を継続的に行うような場合に有用である。
【0122】
また、上記実施形態では、操作入力中の操作部を検出できるような手段は設けていない。しかし、操作入力を行っている操作部を検出可能な検出器を備えさせてもよい。
【0123】
かかる検出器による検出結果を、例えば前記操作盤11a、12a等に視覚的または聴覚的に提示する提示手段を設けておけば、操作者X以外の者もマニピュレータの操作状況を的確に把握することができる。その結果、操作者Xのみならず、それ以外の者の安全性も確保することが可能となる。
【0124】
さらに、操作入力可能な操作部を任意に設定できるように構成することも可能である。この場合は、例えば特定のまたは各操作部11、12により、操作入力可能な操作部の設定、及びそれ以外の操作部による操作入力を不能とする設定が行えるようにする。使用する操作部について操作入力ができるように設定すると、使用しない他の操作部については操作入力が不能となるように設定される。
【0125】
これにより、他の操作部からの操作入力はできなくなるために、該操作部からの不用意な操作入力等により、操作者Xが意図しない動作を動作部が行うというようなこともなくなる。よって、一連の作業の安全性が大幅に向上することになる。また、このような設定を操作部11、12自体で行えるようにすることにより、設定者たる操作者Xにかかる負担を軽減できて、作業の効率化が図れる。さらに、作業主体である操作者Xの意思が十分に反映された最適な状況下での操作が可能となる。
【0126】
また、この場合において、操作入力可能な操作部を設定する際には、動作部がロックされるように構成してもよい。このように、動作部がロックされれば、該動作部がその自重により不用意に落下等するようなことはない。
【0127】
さらに、上記実施形態とは異なり、各操作部11、12は例えば図10に示すように収納可能に、または図11に示すように着脱可能に構成することも可能である。前者の場合は、操作盤11a、12aの一側面にロック機構(図示せず)を有する蝶番200を設けてマニピュレータに回動自在に取付ける。不要時には破線で示すように操作盤11a、12aを回動させて、操作入力ができないように回動した状態でロックして収納する。後者の場合は、各操作部11、12に接続される各種の配管や配線等は取り外せるように構成する。
【0128】
これによると、複数の操作部中、使用しない操作部は収納または取り外し、使用する操作部で操作入力を行って動作部を動作させる。これにより、不使用の操作部からの操作入力は排除されるために、作業の安全性が確保される。また、取り外した操作部から操作入力が行えるように設定すれば、作業内容に応じて最適な位置で操作入力することができることになる。この場合は、例えば各操作部11、12に接続される各種の配管や配線等を巻き取り可能なリール201を操作盤11a、12a等に設ける。
【0129】
また、このように操作部11、12を収納しまたは取り外せるようにした場合は、さらに収納または取り外した操作部を検出可能な検出器を備えさせると、一層安全性を高めることができる。
【0130】
これによると、収納または取り外された操作部は検出器によって検出される。かかる検出結果により、操作者以外の者の安全性を確保することもできる。
【0131】
また、操作部を収納または着脱可能に構成した場合は、その状況を提示するための提示手段を備えさせることも可能である。かかる提示手段としては、例えば視覚的或いは聴覚的手段等を挙げることができる。これにより、操作者のみならず、その他の者の現場等における安全性を確保し得ることになる。
【0132】
さらに、操作部の使用状況を提示するための提示手段を備えさせることも、安全面では大変有効な手段である。即ち、いずれの操作部が使用状態にあり、不使用の状態にあるのかを提示する手段である。これによると、かかる提示手段に基づいて操作部の使用状況を簡易に且つ的確に認識することができる。その結果、操作者及びそれ以外の者の安全性が確保されるのである。
【0133】
また、前記動作部による第1の動作を第1操作部11により行わせると共に、前記動作部による第2の動作を第2操作部12により行わせるように設定可能としてもよい。なお、この「第1の動作」および「第2の動作」の具体的な内容は、動作部が行い得る複数の動作の中から、操作者等が任意に選択して設定されることになる。
【0134】
このようにすると、動作部が行う複数の動作中、各操作部11,12が受け持つ動作を適切に設定することが可能となる。これにより、例えば、特定の動作部を広範囲に移動させたり、該動作部と操作者Xとの干渉を回避しつつ動作を行える第1操作部11と、正確な位置決めや特定の動作部に繊細な動作を行わしめるのに適した第2操作部12、という各操作部11、12の特性に応じた使い分けを良好に行うことができる。同時に、安全性の向上も図れる結果となる。
【0135】
《パワーアシスト装置》
図12に示すように、本発明によれば、本パワーアシストアーム1を2つ用いることにより、双腕のパワーアシストアーム1を備えたパワーアシスト装置100を提供することができる。当該パワーアシスト装置100によれば、2つのパワーアシストアーム1を用いることにより、大きな動作と繊細な動作との両方を行わせることが可能なパワーアシスト装置100を提供することができる。これにより人間の腕や手先の動作に近い動作を行わせることが可能となる。したがって、当該パワーアシスト装置100によれば、操作性に優れたマニピュレータを複数備え、幅広い用途に用いることができるパワーアシスト装置を提供することができる。
【0136】
なお、図10では、2つのパワーアシストアーム1の第1操作部11はそれぞれの支持部3に取り付けられていたが、2つの第1操作部11をまとめて1つの操作部として設置することも勿論可能である。また、パワーアシストアーム1を3つ以上備えたパワーアシスト装置を提供することも勿論可能である。
【産業上の利用可能性】
【0137】
以上説明したように、本発明は、マニピュレータおよびそれを備えたパワーアシスト装置について有用である。
【図面の簡単な説明】
【0138】
【図1】実施形態に係るパワーアシストアームの構成を示す図である。
【図2】直動関節および回転関節と第1操作部および第2操作部との関係を示す図である。
【図3】ハンド部と第1操作部および第2操作部との関係を示す図である。
【図4】直動関節力覚提示装置の詳細図である。
【図5】回転関節力覚提示装置の詳細図である。
【図6】第1ハンド部力覚提示装置および第2ハンド部力覚提示装置の詳細図である。
【図7】(a)は第1操作部使用時の動作図であり、(b)は第2操作部使用時の動作図である。
【図8】変形例に係るパワーアシストアーム1の構成を示す模式図である。
【図9】変形例に係るパワーアシストアーム1の構成を示す図である。
【図10】変形例に係る操作部の構成を示す平面図である。
【図11】変形例に係る操作部の構成を示す正面図である。
【図12】実施形態に係るパワーアシスト装置の構成図である。
【符号の説明】
【0139】
1 パワーアシストアーム(マニピュレータ)
2 アーム
2a 基端部
2b 先端部
3 支持部
5 直動関節(動作部)
6 回転関節(動作部)
8 ハンド部(動作部、特定の動作部)
11 第1操作部
12 第2操作部
20 操作部(第2操作部)
21 直動関節駆動装置(駆動装置)
22 直動関節力覚提示装置(第1力覚提示装置)
23 回転関節駆動装置(駆動装置)
24 回転関節力覚提示装置(第1力覚提示装置)
25 ハンド部駆動装置(駆動装置)
26 第1ハンド部力覚提示装置(第1力覚提示装置)
27 第2ハンド部力覚提示装置(第2力覚提示装置)
91 捻り機構(動作部)
92 回転関節(動作部)
93 旋回機構(動作部)
100 パワーアシスト装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特定の動作部を含み、所定の動作を行う少なくとも一つ以上の動作部と、
操作者によって操作される少なくとも第1操作部および第2操作部と、
前記第1操作部または前記第2操作部の操作入力に基づき、前記動作部を駆動する駆動装置と、
前記動作部の動作に基づき、前記第1操作部に力覚を提示する第1力覚提示装置と、を備え、
前記第1操作部は前記特定の動作部から離れた位置にあり、前記第2操作部は前記特定の動作部に近接した位置にある、マニピュレータ。
【請求項2】
請求項1に記載のマニピュレータであって、
前記特定の動作部の動作に基づき、前記第2操作部に力覚を提示する第2力覚提示装置をさらに備える、マニピュレータ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のマニピュレータであって、
基端部から先端部に向かって延び、前記動作部を有するアームと、
前記アームの基端部を支持する支持部と、をさらに備え、
前記特定の動作部は前記アームの前記先端部に取り付けられ、
前記第1操作部は、前記アームの前記基端部または前記支持部に取り付けられ、
前記第2操作部は、前記アームの前記先端部に取り付けられている、マニピュレータ。
【請求項4】
請求項1または2に記載のマニピュレータであって、
基端部から先端部に向かって延び、前記動作部を有するアームと、
前記アームの基端部を支持する支持部と、をさらに備え、
前記特定の動作部は前記アームの前記先端部に取り付けられ、
前記第1操作部は、前記アームおよび前記支持部から離れた位置に設置され、
前記第2操作部は、前記アームの前記先端部に取り付けられている、マニピュレータ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1つに記載のマニピュレータであって、
前記第1操作部および第2操作部は、それぞれ独立して操作の有効/無効を切替え可能に構成されている、マニピュレータ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1つに記載のマニピュレータであって、
操作入力を行っている第1操作部または第2操作部を検出可能な検出器を備える、マニピュレータ。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載のマニピュレータであって、
前記第1操作部および第2操作部は、いずれか一方が操作入力可能となっているときに他方が操作入力不能となるように構成されている、マニピュレータ。
【請求項8】
請求項7記載のマニピュレータであって、
操作入力可能な操作部を設定する際に、前記動作部がロックされるように構成された、マニピュレータ。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1つに記載のマニピュレータであって、
前記第1操作部および第2操作部の少なくとも一方は、収納可能または着脱可能に構成された、マニピュレータ。
【請求項10】
請求項9記載のマニピュレータであって、
収納または取り外した操作部を検出可能な検出器を備える、マニピュレータ。
【請求項11】
請求項9または10記載のマニピュレータであって、
収納可能な操作部の収納状態または着脱可能な操作部の着脱状態を提示する提示手段を備えた、マニピュレータ。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1つに記載のマニピュレータであって、
前記第1操作部および前記操作部の少なくとも一方の使用状況を提示する提示手段を備えた、マニピュレータ。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1つに記載のマニピュレータであって、
前記動作部による第1の動作を第1操作部により行わせると共に、前記動作部による第2の動作を第2操作部により行わせるように設定可能とした、マニピュレータ。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1つに記載のマニピュレータを複数備えるパワーアシスト装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2009−28893(P2009−28893A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−165783(P2008−165783)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(000002358)新明和工業株式会社 (919)
【Fターム(参考)】