説明

マルチイメージフェーズシフト解析を用いた検査システム及び方法

【課題】エッジ破断部を検査するための、新規の改善された検査システム及び方法を提供すること。
【解決手段】検査システム(10)が、光源(20)と、回折格子(23)と、位相シフトユニットと、イメージャ(30)と、プロセッサ(11)とを備える。光源(20)は、光を発生するように構成される。回折格子(23)は、発生した光の経路内にあり、光が通過した後に回折格子像を生成するように構成される。位相シフトユニットは、回折格子像の複数の位相シフトパターンを形成し、それを物体表面(16)上に反射して、複数の投影位相シフトパターンを形成するように構成される。イメージャ(30)は、投影位相シフトパターンの像データを取得するように構成される。プロセッサ(11)は、像データから物体表面を再現するように構成される。検査方法についても開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、物体を検査するための検査システム及び方法に関する。より詳細には、本発明は、物体のエッジ破断部を検査するための検査システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物体の特徴の検査は、確実にそのような特徴が、適切な機械的特性を達成するように適切に構成又は形状設定されるようにするために望ましいものである。例えば、タービン翼形部、圧縮機のファン、動翼根元部などの物体では、熱及び/又は機械的応力を受けたとき急速に磨耗する、又はひび割れする恐れのある物体のセクション内に、鋭利なエッジ破断部又は不連続部が生じることがある。したがって、そのようなエッジ破断部を正確に測定して特徴付けることが望ましい。
【0003】
エッジ破断部を検査するために、様々な既存のシステムが使用されている。例えば、エッジ破断部は、エッジのワックス又は軟金属型取りを使用して測定される。次いで、型取り跡が、触針又はトレーサタイプの機械式ゲージを使用して測定される。しかし、そのような型取りプロセスはオフラインのプロセスであり、これは、エッジ破断部の正確な複製を作製するのが難しいため、概して時間がかかり、不正確である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第7499830号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、エッジ破断部を検査するための、新規の改善された検査システム及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、検査システムが提供される。この検査システムは、光源と、回折格子と、位相シフトユニットと、イメージャと、プロセッサとを備える。光源は、光を発生するように構成される。回折格子は、発生した光の経路内にあり、光が通過した後に回折格子像を生成するように構成される。位相シフトユニットは、回折格子像の複数の位相シフトパターンを形成し、それを物体表面上に反射して、複数の投影位相シフトパターンを形成するように構成される。イメージャは、投影位相シフトパターンの像データを取得するように構成される。プロセッサは、像データから物体表面を再現するように構成される。
【0007】
本発明の別の実施形態によれば、位相シフトプロジェクタが提供される。この位相シフトプロジェクタは、光源と、回折格子と、位相シフトユニットとを備える。光源は、光を発生するように構成される。回折格子は、発生した光の経路内にあり、光が通過した後に回折格子像を生成するように構成される。位相シフトユニットは、回折格子像の複数の位相シフトパターンを形成し、それを物体表面上に反射して、複数の投影位相シフトパターンを形成するように構成される。
【0008】
本発明の別の実施形態は、検査方法を対象とする。この検査方法は、光源から回折格子を通って光を投影して、回折格子像を生成し、回折格子像を位相シフトユニットを通って案内して、回折格子像の複数の位相シフトパターンを形成し、それを物体表面の約10mm未満の長さ寸法を有するエリア上に反射して、複数の投影位相シフトパターンを表面法線に対してある角度で形成し、物体表面から投影位相シフトパターンの複数の像データを、位相シフトパターンを物体表面上に投影角度とは異なる角度から見て取得し、像データから物体表面を約10μm未満の分解能で再現することを含む。
【0009】
上記及び他の利点及び特徴は、添付の図面に関連して行われる本発明の好ましい諸実施形態の以下の詳細な説明からより一層理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態による、物体表面を検査するための検査システムの概略図である。
【図2】本発明の一実施形態による、図1に示す位相シフトプロジェクタ及び受像器の概略図である。
【図3】位相シフトを達成するために回転板を回転させる動作を示す概略図である。
【図4】本発明の別の実施形態による、図1に示す位相シフトプロジェクタ及び受像器の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の好ましい諸実施形態を以下に、添付の図面を参照して説明する。以下の説明では、不必要に詳細にして本開示をあいまいにするのを避けるために、公知の機能又は構造は詳細に説明しない。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態による、物体表面16の特徴を検査するための検査システム10の概略図である。本明細書では、「特徴」という用語は、腐食、点食、エッジ、面の肌、及び他の幾何学的特徴を含むことができる。図示の実施形態では、検査システム10は、プロセッサ11、位相シフトプロジェクタ12、受像器13、コントローラ14、及びモニタ15を備える。物体表面16は球面状のものとして示してあるが、本発明は、任意の特定タイプの物体表面に限定されず、物体表面はどんな形状でもよい。いくつかの実施形態では、位相シフトプロジェクタ12と受像器13が、物体表面16上の同じ関心領域を、ある相対角度を挟んで狙うことができる。
【0013】
図示の構成では、プロセッサ11は、受像器13によって物体表面16から取り込まれた像を処理するために中央処理装置(CPU)を備えることができる。コントローラ14は、プロセッサ11に接続され、位相シフトプロジェクタ12を所望の位相シフトパターンを生成するように制御するために、ソレノイド、ステップモータ、又は圧電アクチュエータを含めたプログラム制御アクチュエータなどの電気及び/又は機械システムを備えることができる。他の例では、コントローラ14をプロセッサ11に直接結合することができず、コントローラ14はその代わりに、位相シフトプロジェクタ12を独立に制御することができる。モニタ15は、物体表面16の最終測定像を利用者が観測できるように表示するために、例えば液晶ディスプレイ(LCD)などのディスプレイを備えることができる。
【0014】
本発明は、本発明の処理タスクの実施に関して、どんな特定のプロセッサにも限定されないことに留意されたい。「プロセッサ」という用語は、本明細書では、本発明のタスクを実施するのに必要な計算(calculation)、即ち計算(computation)を実施することのできる任意の機械を意味するものとする。「プロセッサ」という用語は、当業者には理解されるように、構造化入力を受け入れることができ、且つその入力を定められた規則に従って処理して、出力を生成することのできる任意の機械を意味するものとする。
【0015】
図2は、本発明の一実施形態による、図1に示す位相シフトプロジェクタ12及び受像器13の概略図である。図2に示すように、位相シフトプロジェクタ12は、光源20、集光光学系21、拡散器22、回折格子23、第1のリレー光学系24、第1の位相シフトユニット(標識付けせず)、及び投影光学系28を含む。第1の位相シフトユニットは、回転透明板25、第1のミラー26、及び第2のミラー27を含む。本明細書では、「ミラー」という用語は、所望の位相シフトパターンを物体表面16上に反射することのできる任意の適切な素子を意味する。さらに、受像器13は、イメージャ30、第2のリレー光学系31、及び観察光学系(viewing optics)32を含む。
【0016】
図示の例では、光源20は典型的には白色光源を備えるが、水銀アークランプ若しくはメタルハライドアークランプ、ハロゲンランプ、レーザ/蛍光体システム、ファイバ結合レーザ、又はLEDベース光源など、任意の適切な光源を含んでもよい。第1及び第2のリレー光学系24、31、投影光学系28、並びに観察光学系32は、従来型のレンズ、又は効率が高く、歪みが少なく、焦点が良好な任意のレンズを備えることができる。透明板25は、ガラス板を備えることができる。イメージャ30は、電荷結合デバイス(CCD)センサ、又は各画素で感知された光レベルに応答してビデオ信号を出力する、感光画素の2次元アレイを有する他の任意のデバイスを備えることができる。
【0017】
非限定的な一例では、第1及び第2のリレー光学系24、31がそれぞれ、可変焦点リレーレンズを備えることができる。第1及び第2のミラー26、27は固定とすることができる。投影光学系28は、マイクロレンズを備えることができる。いくつかの例では、投影光学系28は、顕微鏡システムと同様に1つ以上の回折格子パターンを物体表面の小さなエリア上に高空間分解能で結像するように構成されたマイクロレンズを備えることができる。観察光学系32は、対物レンズを備えることができる。一例では、観察光学系32はテレセントリックレンズを備える。いくつかの例では、観察光学系32は、顕微鏡システムと同様に物体表面の小さなエリアを高空間分解能で観察するように構成される。より具体的な実施形態では、観察光学系32は、物体表面の大きさが数mmの、例えば大きさが約10mm未満の長さ寸法を有するエリアを、約10μm未満の高空間分解能で観察するように構成される。
【0018】
図2に示すように、動作中、光源20が光ビーム(標識付けせず)を発生する。集光レンズ21が光ビームを集束して、集束ビームを生成する。集束ビームが拡散器22を通過して、均一なビームをもたらす。均一なビームが回折格子23を通過して、縞ビームをもたらす。可変焦点レンズ24が縞ビームを、回転透明板25を通過するように伝達して、第1のミラー26に到達させる。次いで、第1のミラー26が縞ビームを第2のミラー27に反射し、第2のミラー27が縞ビームを、投影レンズ28を通過するように引き続き反射し、その結果、回折格子23の回折格子像又は縞パターンが物体表面16上に投影される。非限定的な一例では、位相シフトユニットがさらに、投影位相シフトパターンを物体表面16の表面法線に対してある角度で形成するように構成され、イメージャ30がさらに、投影位相シフトパターンの像データを、位相シフトユニットの投影角度とは異なる角度から見て取得するように構成される。
【0019】
物体表面16上に縞パターンが投影された後、物体表面16の幾何形状が、回折格子23の縞パターンを歪ませることがある。対物レンズ32が、投影縞パターンの物体表面16からの反射光を案内して、可変焦点リレーレンズ31に合焦させる。可変焦点リレーレンズ31は、投影縞パターン内の像データを取得するために、投影縞パターンをイメージャ30内に伝達する。最後に、像データが(図1に示す)プロセッサ11内で処理されると、物体表面16の輪郭を再現するための準備が整う。
【0020】
図1に示すように、コントローラ14は、回転透明板25を毎回ある一定の角度で回転するように制御することができる。非限定的な一例では、コントローラ14は、回転透明板25を回折格子23の格子線に平行な軸(図示せず)の周りで回転するように制御するために、圧電アクチュエータを備える。したがって、いくつかの実施形態では、回転透明板25の移動と共に、回折格子像の複数の異なる位相シフト縞パターンを短時間にわたって1つずつ生成することができる。その間に、イメージャ30も、投影位相シフト縞パターンを1つずつ取り込む。プロセッサ11は、異なる投影位相シフト縞パターンを処理して、物体表面16を再現する。
【0021】
図2に示す構成では、第1及び第2のミラー26、27が、回折格子23の1つ以上の縞パターンを折り畳み、且つ検査システム10が物体表面16上の小さな特徴の輪郭を高分解能でマッピングできるように、第1のリレーレンズ24及び投影レンズ28と協働する。さらに、受像器13は、第2のリレーレンズ31及び対物レンズ32を使用して、物体表面16上の小さな特徴の高分解能の光収集を達成する。
【0022】
図3は、位相シフトを達成するために回転透明板25を回転させる動作を示す概略図である。図3に示すように、回転透明板25は、軸34に垂直な平面33に対して角度αだけ傾動され、その結果、軸34に平行な入射ビーム35が、回転透明板25の内部で屈折し、透過ビーム36が入射ビーム35に平行であり、且つ入射ビーム35に対して距離「d」だけ変位される。変位「d」が所与の回折格子の回折格子周期の1/N(Nは整数且つN≧3である)のとき、あるパターンの位相シフト角度は隣接するパターンに対して2π/Nであることが当業者に知られている。一実施形態では、回転透明板25の厚さが「t」であり、その屈折率が「n」である。入射ビーム35の変位「d」は、次の式で与えられる。
【0023】
【数1】

したがって、角度αを制御することにより、ある縞パターンの隣接する縞パターンに対する位相シフト角度を容易に決定することができる。
【0024】
光学収差を位相シフトプロジェクタ12に加えすぎないようにすることが望ましい。発散光ビーム中で傾動される回転板は、様々な量の球面収差及び非点収差を投影像にもたらす。ガラス板が厚く、傾動角度αが大きいほど、加わる収差の大きさが大きくなる。製品設計者は、加わる収差が投影像に対するその影響の点で許容できるかどうかを判定するために、位相シフトプロジェクタの像の光学設計をチェックすることができる。
【0025】
さらに、検査システム10の精度は、主としてそのベースライン間隔によって決まり得る。一実施形態では、ベースライン間隔が、投影レンズ28と観察レンズ32の間の間隔である。投影レンズ28と観察レンズ32の間の距離が大きいほど、検査システム10の測定分解能が高くなる。したがって、システムの分解能を増大させるために、投影レンズ28と観察レンズ32がどちらも検査システム10の端部(図示せず)内に配設されるとき、投影レンズ28は検査システム10の端部の一方の側に配設され、観察レンズ32は検査システム10の端部の他方の側に配設される。
【0026】
いくつかの実施形態では、回折格子23の縞パターンが、正弦波強度プロファイルを構成する平行な明るい線と暗い線を含むことができる。方形、台形、三角形、又は他のプロファイルを有するパターンを、物体表面16上に投影することができる。他の実施形態では、パターンは、直線の平行線を含む必要がない。例えば、曲線、波線、ジグザグ線、又は他のそのようなパターンを、適切な位相シフト解析と共に使用することができる。非限定的な一例では、回折格子23の格子線が方形波分布を有している場合、パターンも方形波(方形プロファイル)であり、それにより、位相シフトの計算にいくらかの非直線性誤差が導入される可能性がある。投影レンズ28は、方形波を正弦波に変更し非直線性誤差を低減するための空間帯域通過フィルタとして働くことができる。
【0027】
いくつかの実施形態では、物体表面16の再現が、位相シフト解析で知られる従来のアルゴリズムのいずれかを使用して、プロセッサ11内で、まず位相シフトパターンからの情報を組み合わせて位相がラップされた像(phase-wrapped image)を取得し、次いで位相がラップされた像をアンラップして物体表面16を再現することによって達成される。
【0028】
一実施形態では、物体表面16を再現するために3段階位相シフトアルゴリズムが使用される。図2〜3に示すように、回転透明板25を回転させることにより各位相シフトパターンが別々の位相シフト角度で生成されて、3つの位相シフトパターンが生成される。一例では、位相シフトパターンが、120°(2π/3)だけ分離され、したがって、3つの別々の位相シフト角度を、−2π/3、0、及び2π/3とすることができる。3つの異なるパターン内の各点の強度I(x,y)はそれぞれ、次のように表すことができる。
【0029】
【数2】

上式で、Aは平均強度であり、Mは強度変調であり、Φ(x,y)は、求めるべきラップされた位相である。上記の3つの式をΦ(x,y)について連立で解くと、次の解が得られる。
【0030】
【数3】

強度I、I、及びIが既知である場合、各点のラップされた位相Φ(x,y)が求まり、その範囲は−π〜πである。次いで、各点のラップされた位相Φ(x,y)が既知の位相アンラッププロセスによってアンラップされて、その点の絶対位相が得られる。次いで、その点の実際の高さ座標Z(x,y)を、その点の絶対位相と、当業者に既知のシステムパラメータとによって求めることができる。このようにして、正確な測定値を得ることによって、物体表面16を再現することができる。
【0031】
図4は、本発明の別の実施形態による、図1に示す位相シフトプロジェクタ12及び受像器13の概略図である。図示の実施形態の構成は、図2に示す構成と類似しており、図2及び図4の同じ参照番号は、同じ要素を示すために使用されている。図2及び図4に示す2つの図示の実施形態は、図4に示す第2の位相シフトユニット(標識付けせず)が(図2に示す)回転透明板25を使用しておらず、その代わりに第1のミラー26及び回転ミラー29を使用しているという点で異なる。いくつかの例では、第1のミラー26を固定とすることができる。
【0032】
したがって、図4に示すように、第1のリレーレンズ24が、回折格子23からの縞ビームを伝達して第1のミラー26に到達させる。第1のミラー26が縞ビームを回転ミラー29に反射し、回転ミラー29が縞ビームを、投影レンズ28を通過するように引き続き反射し、その結果、回折格子23の回折格子像又は縞パターンが、物体表面16上に投影される。したがって、回折格子23の回折格子像の複数の異なる位相シフトパターンが、回転ミラー29を短時間にわたって回転させることによって1つずつ生成される。同様に、受像器13が投影位相シフトパターンを取り込み、それによりプロセッサ11が物体表面16の輪郭を再現することができる。
【0033】
いくつかの実施形態では、コントローラ14が、回転ミラー29の移動を制御することができる。一実施形態では、コントローラ14が、回転ミラー29の移動を制御するために圧電アクチュエータを備え、これらを一緒に、傾動圧電ミラーと呼ぶことができる。このようにして、この検査システムは、物体表面16の特徴を高分解能で検査することができる。
【0034】
以上、本開示を典型的な諸実施形態において図示し説明してきたが、本開示の趣旨から決して逸脱せずに様々な修正及び置換を行うことができるため、本開示は示した詳細に限定されるものではない。したがって、当業者なら、本明細書において開示した本開示の更なる修正形態及び均等物を、通常の実験だけを用いて思いつくことができ、かかる全ての修正形態及び均等物は、添付の特許請求の範囲によって規定される本開示の趣旨及び範囲内に含まれると考えられる。
【符号の説明】
【0035】
10 検査システム
11 プロセッサ
12 位相シフトプロジェクタ
13 受像器
14 コントローラ
15 モニタ
16 物体表面
20 光源
21 集光光学系、集光レンズ
22 拡散器
23 回折格子
24 第1のリレー光学系、第1の可変焦点リレーレンズ
25 回転透明板
26 第1のミラー、固定ミラー
27 第2のミラー
28 投影光学系、投影レンズ
29 回転ミラー
30 イメージャ
31 第2のリレー光学系、第2の可変焦点リレーレンズ
32 観察光学系、対物レンズ、観察レンズ
33 平面
34 軸
35 入射ビーム
36 透過ビーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を発生するように構成された光源(20)と、
前記発生した光の経路内にある回折格子(23)であって、前記光が通過した後に回折格子像を生成するように構成された回折格子(23)と、
前記回折格子像の複数の位相シフトパターンを形成し、それを物体表面(16)上に反射して、複数の投影位相シフトパターンを形成するように構成された位相シフトユニットと、
前記投影位相シフトパターンの像データを取得するように構成されたイメージャ(30)と、
前記像データから前記物体表面(16)を再現するように構成されたプロセッサ(11)と
を備える検査システム(10)。
【請求項2】
前記位相シフトユニットが、第1の位相シフトユニット又は第2の位相シフトユニットを備え、前記第1の位相シフトユニットが、回転透明板(25)及び1対のミラー(26、27)を備え、前記第2の位相シフトユニットが、1対のミラー(26、29)を備え、前記第1の位相シフトユニットの前記回転透明板(25)が、前記回折格子像の前記位相シフトパターンを形成して、前記第1の位相シフトユニットの前記ミラー(26、27)に伝達するように構成され、前記第1の位相シフトユニットの前記ミラー(26、27)が固定であり、且つ前記位相シフトパターンを前記物体表面(16)上に反射するように構成され、前記第2の位相シフトユニットの前記ミラー(26、29)が、固定ミラー(26)及び回転ミラー(29)を備え、前記固定ミラー(26)が、前記回折格子像を前記回転ミラー(29)上に反射するように構成され、前記回転ミラー(29)が、前記回折格子像の前記位相シフトパターンを形成するように構成される、請求項1記載の検査システム。
【請求項3】
前記位相シフトユニットを前記位相シフトパターンを形成するように制御するように構成されたコントローラ(14)をさらに備え、前記コントローラ(14)が圧電アクチュエータを備える、請求項1記載の検査システム。
【請求項4】
前記位相シフトユニットからの前記位相シフトパターンを前記物体表面(16)上に投影するように構成された複数の投影光学系(28)と、
前記物体表面(16)からの前記投影位相シフトパターンを案内して、前記イメージャ(30)上に合焦させるように構成された複数の観察光学系(32)と
をさらに備える、請求項1記載の検査システム。
【請求項5】
前記回折格子(23)と前記位相シフトユニットの間にある第1の可変焦点リレーレンズ(24)、及び前記観察光学系(32)と前記イメージャ(30)の間にある第2の可変焦点リレーレンズ(31)をさらに備え、前記観察光学系(32)がテレセントリックレンズを備え、前記投影光学系(28)がマイクロレンズを備える、請求項4記載の検査システム。
【請求項6】
前記光源(20)と前記回折格子(23)の間にある集光レンズ(21)、及び前記集光レンズ(21)と前記回折格子(23)の間にある拡散器(22)をさらに備える、請求項1記載の検査システム。
【請求項7】
前記検査システム(10)が、前記物体表面上の大きさが約10mm未満の長さ寸法を有するエリアを約10μm未満の分解能で検査し、前記位相シフトユニットがさらに、前記投影位相シフトパターンを、前記物体表面の表面法線に対してある角度で形成するように構成され、前記イメージャ(30)がさらに、前記投影位相シフトパターンの前記像データを、前記位相シフトユニットの投影する前記角度とは異なる角度から見て取得するように構成される、請求項1記載の検査システム。
【請求項8】
光源(20)から回折格子(23)を通って光を投影して、回折格子像を生成し、
前記回折格子像を位相シフトユニットを通って案内して、前記回折格子像の複数の位相シフトパターンを形成し、それを物体表面の約10mm未満の長さ寸法を有するエリア上に反射して、複数の投影位相シフトパターンを表面法線に対してある角度で形成し、
前記物体表面(16)から前記投影位相シフトパターンの複数の像データを、前記位相シフトパターンを前記物体表面上に投影する前記角度とは異なる角度から見て取得し、
前記像データから前記物体表面を約10μm未満の分解能で再現する
ことを含む検査方法。
【請求項9】
前記位相シフトユニットが、第1の位相シフトユニット又は第2の位相シフトユニットを備え、前記第1の位相シフトユニットが、回転透明板(25)及び1対のミラー(26、27)を備え、前記第2の位相シフトユニットが、1対のミラー(26、29)を備え、前記第1の位相シフトユニットの前記回転透明板(25)が、前記回折格子像の前記位相シフトパターンを形成し、それを前記第1の位相シフトユニットの前記ミラー(26、27)に伝えるように構成され、前記第1の位相シフトユニットの前記ミラー(26、27)が固定であり、且つ前記位相シフトパターンを前記物体表面(16)上に反射するように構成され、前記第2の位相シフトユニットの前記ミラー(26、29)が、固定ミラー(26)及び回転ミラー(29)を備え、前記固定ミラー(26)が、前記回折格子像を前記回転ミラー(29)上に反射するように構成され、前記回転ミラー(29)が、前記回折格子像の前記位相シフトパターンを形成するように構成される、請求項8記載の検査方法。
【請求項10】
前記位相シフトパターンを、形成されて前記位相シフトユニットから反射された後に、前記物体表面(16)上に投影するために投影レンズ(28)を通って案内し、前記投影位相シフトパターンを、イメージャ(30)上に結像される前に、観察レンズ(32)を通って案内し、前記光を、前記回折格子(23)を通過する前に、集光レンズ(21)及び第1の可変焦点リレーレンズ(24)を通って案内し、前記投影位相シフトパターンを、前記観察レンズ(32)を通過した後に、第2の可変焦点リレーレンズ(31)を通って案内することをさらに含む、請求項8記載の検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−271312(P2010−271312A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−114851(P2010−114851)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】