説明

マルチプルGPS測定タイプを加重最小二乗解へと融合するための方法

GPSベースの空中ナビゲーションシステムを用いて空中航空機に対する位置データを計算する方法であって、該GPSベースの空中ナビゲーションシステムで利用可能な複数の異なるタイプの測定データを加重最小二乗アルゴリズムに融合して、該複数の異なるタイプの測定データに対する適正な共分散行列を決定することにより、相対状態関数の位置成分を処理するステップを含む方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、35U.S.C.セクション119(e)下、2006年8月11日付け出願の同時継続仮出願第60/822,195号の利益を請求する。該仮出願の開示は、参照によりここにそっくりそのまま組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、全地球測位システム(GPS)ベースの相対ナビゲーションシステムに関し、更に詳しくは、空中ナビゲーションシステムの位置成分の相対状態を処理するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
迅速に配置展開可能で、悪天候でも不利な地形でも昼夜を問わず存続可能で、かつ可動性の精密(高精度)進入及び着陸機能にして、前方展開、危機対応及び機動力の行動指針をサポートする進入着陸機能に対するニーズが見出されている。該機能は、平時及び敵対状況の両方において、シーリング及び/又は視程が制限因子である世界中のどのような適切な面(陸及び海)にも軍隊が着陸することを可能にするべきである。
【0004】
統合精密進入着陸システム(JPALS)は、そのような戦略システムの不可欠な部分である。JPALSは、迅速に配置展開可能で、悪天候でも不利な地形でも昼夜を問わず存続(生存)可能で、かつ可動性の正確な進入及び着陸機能を提供するディファレンシャルGPSである。JPALSは、低いシーリング又は乏しい視程のため、離着陸管制活動に対するインパクトを最小にしつつ、世界中のいかなる適切な陸もしくは海上面にも着陸することを可能にする。この進入着陸システムは、広範な気象及び地勢条件下、固定基準、船上及び厳しい環境からの慣用で特別な操業を実行する機能を提供する。
【0005】
海上JPALSの主要な機能の一つは、その割り当てられた船に対する空中乗り物の相対状態(位置、速度及び加速度)を決定することである。この機能は、「相対状態機能」又は「相対ナビゲーション」(「RelNav」)と呼ばれる。既存の非軍事及び軍事システムは、統合活動を制限する多くの欠点を有するため、JPALS要求を満たさない。システムの多様性は、それ自体、インターサービス、市民及び同盟活動を妨げる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来システムの制限、特に、標的に次第に近付く航空機の位置データの計算に適用される制限には、航空機の位置を計算するため、おびただしい数の測定を行わなければならない点がある。ある測定タイプは、より正確であるが、結果を得るのにより処理時間を要する。従来から、解に用いられるために同じタイプの四つの測定値が必要とされる。そうでなければ、最適な解は利用可能にはなり得ない。加重最小二乗位置解を用いる慣用の方法は、単一の測定タイプのみを使用する。更には、慣用方法は、二つの移動中の乗り物間(例えば航空機と船間)に相対位置推定が必要な場合には満足できるものとは言えなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ここで用いられるように、用語「発明」及び「本発明」は、その種々の実施形態及び側面においてここに記述した発明、並びに、当業者にそれら自体を示唆するいかなる均等物をも包括的に含むものであると理解されるべきである。
【0008】
本発明は、異なるタイプの測定データ、例えば、いくつかの異なる測定パラメータを融合することにより、相対状態関数(機能)の位置成分を処理する、GPSベースの空中ナビゲーションシステムのための新規で有効なシステム及び方法を提供する。更に詳しくは、本発明は、目標位置に接近する航空機の位置データを計算する改良された方法を提供する。
【0009】
本発明は、そのような位置計算の速度及び精度を高める。これは、GPSベースのシステムにおいて利用可能な測定データの異なるタイプのいくつか又はすべてを加重最小二乗アルゴリズムへと融合して、該異なる測定タイプを前提に適切な共分散行列を決定することにより成し遂げられる。この方法は、すべての衛星及びそれら最良の利用可能な測定値を含むことにより、位置解の最適な精度を与える。更には、本発明は、満足できる結果を操作し、二つの乗り物間(例えば、航空機と船間)に相対位置推定が必要とされる場合はいつもで動作して満足できる結果を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明のシステム及び方法が使用され得るタイプの相対ナビゲーションシステムの全構成を例示する。
【図2】図2は、空中相対ナビコンピュータシステム及びインターフェースを含む空中相対状態システムの構造的ブロック図である。
【図3】図3は、相対ナビコンピュータシステム及びインターフェースを含む空中相対ナビゲーションシステムの主要な機能/処理ブロックを示す流れ図である。
【図4】図4は、本発明に従って位置データを計算するプロセスステップを特定する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の定義は、本発明の種々の適応性のある側面を実現するGPSベースのナビゲーションシステムに一般的に(しかし限定的ではなく)用いられるように与えられる。
【0012】
GPSは、24の地球周回軌道衛星の群れを有する衛星ベースのナビゲーションシステムである。これらの衛星は、六つの円軌道にほぼ均等に分散され、各軌道に四つの衛星を有する。各GPS衛星は、二つの周波数、すなわち、L1(1575.42MHz)とL2(1227.60MHz)で送信する。L1周波数は、そこに変調された二つの異なるスペクトラム拡散コード、すなわち粗取得(CA)コードとYコードを有する。Yコードはまた、L2キャリア上に変調される。
【0013】
地心座標(ECEF)は、GPSに対して用いられるデカルト座標系である。これは、位置をX、Y及びZ座標のメートルで表す。点(0,0,0)は、地球の中心を表し、それ故、名称が地心である。
【0014】
1984年の世界測地系(WGS84)は、GPSに用いられ、かつ米国国防地図製作局によって開発された測地基準系である。
【0015】
ダブルディファレンス(技術)は、二つに受信機を使用する測定法である。ディファレンス(違い)は、各受信機における二つの衛星間、次いで同じ二つの受信機間の各測定エポックで形成される。
【0016】
本発明をより良く理解するため、システム全体の説明が与えられ、本発明の機能及び操作が具体的に詳しく記述される。
【0017】
図1は、航空機102と船106間の相対ナビゲーションシステム100のための構成全体を示す。航空機102及び船106の両方は、GPS衛星群104からL1及びL2GPS測定を受ける。船106は、その測定データを処理してその状態(位置、速度)及び推定ワイドレーン位相アンビギュイティを発生させる。船測定データは、4つものGPSアンテナから発生させられる。計算船状態(位置、速度)及び推定ワイドレーン位相アンビギュイティは、該船の一斉送信(ブロードキャスト)範囲内の全航空機による使用のため、無線周波数を用いて一斉送信される。
【0018】
航空機102は、前記一斉送信により受信した前記船の測定値、状態及びアンビギュイティと該航空機自体の測定値とを組み合わせ、該航空機自体のGPSアンテナと前記船の基準点との間の相対ベクトル解を作り出す。これはまた、前記相対ベクトル解の質を決定する。
【0019】
図2を参照して、空中相対状態システム110は、船106と航空機102との間の相対位置及び速度ベクトルを計算する相対ナビ(RelNav)コンピュータシステム116を含む。これはまた、計算位置及び速度ベクトルの不確定性(不確実性)を計算する。該計算相対状態及びその不確定性は、航空機102の案内及び制御のための案内及び制御(G&C)システム118に入力される。
【0020】
システムモジュール性を保証するため、空中相対状態システム110におけるインターフェースは明確である。五つのそのようなインターフェースが図2及び3に示される。
すなわち、航空機航空電子工学システム117、及びその関連航空電子工学インターフェース(AI)117Aと、
空中GPS受信機119及びその関連GPS受信機インターフェース(AGRI)119Aと、
空中データリンク112及びその関連データリンクインターフェース(DLI)112Aと、
コンフィギュレーションデータ114及びその関連コンフィギュレーションデータインターフェース(CDI)114Aと、
空中案内及び制御システム118及びその関連案内及び制御インターフェース(GCI)118Aとである。
【0021】
相対状態機能は、図3に例示されるように、いくつかのサブ機能に分割されている。各サブ機能を実行するアルゴリズムは記述されず、単に、実行されるサブ機能が確認される。機能性及びアルゴリズム実行の詳細な説明は、高精度(正確な)相対状態モジュール(PRS)137に対してのみ与えられる。これは、PRS137のアーキテクチャ及び操作が本発明を具現するからである。
【0022】
図3における相対ナビコンピュータシステム116の機能表示は、九つの機能ブロックと三つのサブブロックを特定する。測定管理及び確認(MMV)機能129は、AGRI119Aを介して空中GPS受信機119からデータを受信し、CDI114Aを介してコンフィギュレーションデータ114を受信し、更に、DLI112Aを介して船非圧縮データ(DU)125を受信する。DU125は、船位置及び速度データをWGS−84ECEF座標に変換する。MMV機能129は、疑似距離(PR)及びキャリア位相(CP)データを確認し(「測定確認」127)、船と航空機の間のはかない(ephemeral)データの使用を同期させ(「はかないデータの同期」127a)、船位置及び速度データを航空機時間へと伝播させ(「船データ・・・の伝播」126)、航空機測定を船時間に同期させ(「航空機データ・・・の同期」128)、更に、各航空機GPS測定のシグマ値を計算する(「シグマ計算」128a)。
【0023】
船対流圏訂正(STC)機能131は、対流圏の訂正を船GPS測定に適用する。航空機対流圏訂正機能(ATC)132は、対流圏の訂正を航空機GPS測定に適用する。絶対位置及び速度(APV)機能130は、航空機の絶対位置、はかないデータからの衛星の位置、及び、航空機の絶対速度解を計算する。相対測定(RM)機能133は、船時間におけるシングル−ディファレンス(SD)測定値(L1 PR、L2 PR、L1 CP、L2 CP、WL CP、NL PR)及び分散から船時間におけるダブル−ディファレンス(DD)測定値(L1 PR、L2 PR、L1 CP、L2 CP、WL CP、NL PR)を計算すると共に、DD測定値の分散成分(マルチパス及びノイズ、電離圏訂正、対流圏訂正)を計算する。衛星の最高度が基準として選ばれ、また、RM機能133は、DD測定値の共分散行列(マトリックス)成分(マルチパス及びノイズ、電離圏訂正、対流圏訂正)を計算する。船測定は四つの別個のアンテナからもたらされ得るので、四つの別個の解が要求され得る。
【0024】
ワイドレーンアンビギュイティ(WLA)機能134は、WLフロートアンビギュイティ及び共分散(船UD、航空機UD、SD、及びDD)を決定する。これは、WLアンビギュイティを正確に固定する(決める)確率を決定し、これはまた、整数アンビギュイティの弁別比を決定し、整数アンビギュイティを検査し、かつWLアンビギュイティを固定する。WL固定アンビギュイティが首尾良く決定された(解決)と仮定して、L1/L2アンビギュイティ(L1L2A)機能135が実行される。これは、L1及びL2フロートアンビギュイティ及び共分散を決定し、L1及びL2アンビギュイティを正確に固定する可能性を決定し、決定した(解かれた)L1及びL2整数アンビギュイティの弁別比(DR)を決定し、整数アンビギュイティを検査し、かつL1及びL2アンビギュイティを固定する。基本相対状態(BRS)機能136は、航空機時間における基本相対状態(位置及び速度)を計算すると共に、基本相対状態(位置及び速度)の共分散を計算する。
【0025】
G&Cインターフェース(GCI)118Aは、正確な相対状態出力を案内及び制御に供給し、かつ、高精度相対状態モジュール(PRS)137から入力を受信する。航空電子工学インターフェース(AI)117Aは、基本相対状態出力を航空機航空電子工学システムに供給する。PRSモジュール137は、船に対する航空機の距離が10海里未満の場合のみ高精度相対状態を決定する。衛星は、その測定が設定可能な時間量の間に連続的に利用可能であった場合、特殊解において単に考慮されるべきである。最初の間隔は30秒又は60サンプルに設定される。
【0026】
高精度相対状態(PRS)モジュール137のための機能ブロック図が図4に示され、該図は高精度相対状態解に到達するために実行される異なる計算を例示する。第1コンピューティングモジュール138は、測定値及び共分散からコードレンジ値及び位相レンジ値を計算する。DD NLコードレンジ可観測は式(1)、(2)及び(3)によって計算される。
【0027】
【数1】

【0028】
DD位相レンジ可観測は式(4)〜(9)によって計算される。
【数2】

【数3】

【0029】
第1コンピューティングモジュール138によって計算が実行された後、第1及び第2機能モジュール139及び140は、更なる処理のために測定データを選択する。上記で定義した方法を用いて、ダブルディファレンス対の各々からの測定分散に基づいてベストなデータが選択される。オーダーは、L1固定、L2固定、L1フロート、L2フロート、ワイドレーン固定、ワイドレーンフロート、及び、ナローレーンコードである。このように、すべての可視衛星が解において使用され、それ自体の相対不確定性によってのみ重み付けされる。
【0030】
第3機能モジュール141は、共分散行列要素(成分)計算のためにデータを集める。解に用いられる共分散行列は、他の解よりも生成が難しく、各要素ごとに行われる。この解に対する対角線要素は、単に、ダブルディファレンス共分散行列の対角線要素から採られ、また、測定タイプは上記式を用いて決定される。例えば、測定値二がワイドレーン固定測定値であるとしたら、M(2,2)要素は、WL固定共分散行列から採られ、また、成共分散行列の同じスポットに置かれるであろう。
【0031】
第4機能モジュール142は、共分散行列要素計算を実行する。非対角線要素は、各測定タイプ間の関係によって決定される。該情報を提供する最も簡単な方法は、完全な例を示し、アルゴリズムを提供することである。この例では、混成解は、次のように降順に測定の各タイプを含み、これらの測定値各々は、そのそれぞれの解タイプにおける第1測定値である。
L1_固定
L2_固定
L1_フロート
L2_フロート
WL_固定
WL_フロート
NL_コード
【0032】
共分散行列が式(10)によって示される。
【数4】

【0033】
ここで、行列の要素は式(11)〜(32)によって計算された。
【数5】

【0034】
【数6】

【0035】
該例に含まれないケースは共通解間の関係である。これらのケースでは、次が適用される。
Ll_固定対Ll_固定はbと同等である。
L2_固定対L2_固定はgと同等である。
Ll_フロート対Ll_フロートはlと同等である。
L2_フロート対L2_フロートはpと同等である。
WL_固定対WL_固定はsと同等である。
WL_フロート対WL_フロートはuと同等である。
NL_コード対NL_コードはvと同等である。
【0036】
第5機能モジュール143は、加重最小二乗法を用いて相対位置解を計算する。測定は、その衛星に利用可能な最も正確な(最小分散)測定値を用いてすべての衛星を含むべきである。WLSアルゴリズムの異なるスポットによって実行される計算が次に示される。フィルタの開始時に1度初期化が実行される。他の全スポットは、解が収束するまで(2又は3回)繰り返される。
【0037】
ステップ1は、式(33)によってベースラインベクトルbを初期化する(フィルタの開始時)。
【数7】

【0038】
ステップ2は、式(34)、(35)及び(36)によって測定値及び共分散を計算する。
【数8】

【0039】
ステップ3は、式(37)〜(42)によって船及び航空機から衛星jへのLOS(視線)ベクトルを計算する。
該式において、衛星位置{xS,yS,zS}は衛星の軌道から、船位置{xA,yA,zA}は絶対位置解から得られる。
【0040】
【数9】

【0041】
ステップ4は、式(43)〜(45)を評価することによって線形化を実行する。
【数10】

【0042】
ステップ5は、式(46)〜(49)によって加重最小二乗相対位置解を計算する。
【数11】

【0043】
解は、各相対位置解及びそのWGS−84からの共分散をNED座標(船基準点における北−東−下座標)へと変換することによって到達される。
【0044】
該方法からの最終出力は、次のデータを含む。
混成相対位置NED
混成相対位置の共分散
【符号の説明】
【0045】
100 相対ナビゲーションシステム
102 航空機
104 GPS衛星群
106 船
110 空中相対状態システム
112 空中データリンク
114 コンフィギュレーションデータ
116 相対ナビゲーションコンピュータ
117 航空機航空電子工学システム
118 案内及び制御システム
119 空中GPS受信機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
GPSベースの空中ナビゲーションシステムを用いて空中航空機に対する位置データを計算する方法であって、該GPSベースの空中ナビゲーションシステムで利用可能な複数の異なるタイプの測定データを加重最小二乗アルゴリズムに融合して、該複数の異なるタイプの測定データに対する適正な共分散行列を決定することにより、相対状態関数の位置成分を処理するステップを含む方法。
【請求項2】
GPSベースのナビゲーションシステムを用いて空中航空機に対する位置、速度及び加速度データを計算するための方法であって、
複数の測定データタイプを加重最小二乗アルゴリズムに融合することにより、相対状態関数の位置、速度及び加速度成分を処理するステップと、
前記複数の測定データタイプに対する適正な共分散行列を決定するステップにして、位置、速度及び加速度データにおける誤りが最小化される該ステップとを含む方法。
【請求項3】
前記測定データタイプの少なくとも一つは船に対して測定される請求項2の方法。
【請求項4】
前記測定データタイプの少なくとも一つは空中航空機に対して測定される請求項2の方法。
【請求項5】
前記測定データタイプの少なくとも一つは静止地理学的地点に対して測定される請求項2の方法。
【請求項6】
前記処理するステップは、ワイドレーン位相アンビギュイティの計算を含む請求項2の方法。
【請求項7】
空中航空機位置、速度及び加速度データが、船の位置、速度及び加速度データに組み合わされて、該空中航空機と該船との間の相対ベクトル解を生成する請求項2の方法。
【請求項8】
前記処理するステップは、前記空中航空機と船との間の前記相対ベクトル解の質の決定を含む請求項7の方法。
【請求項9】
GPSベースのナビゲーションシステムを用いて空中航空機に対する位置、速度及び加速度データを計算するための装置であって、
前記GPSベースのナビゲーションシステムを用いて複数の測定位置、速度及び加速度データタイプを取得するように動作可能なデータ収集デバイスと、
前記複数の測定位置、速度及び加速度データタイプを加重最小二乗アルゴリズムに融合するように動作可能な計算デバイスにして、位置、速度及び加速度データにおける誤りが最小化されるように、適正な共分散行列が前記複数の測定位置、速度及び加速度データタイプに対して決定される該計算デバイスとを備えた装置。
【請求項10】
前記複数の測定位置、速度及び加速度データタイプの少なくとも一つは、前記空中航空機から取得され、データタイプの少なくとも一つは、船及び静止地理学的地点からなる群から選択される基準位置から取得される請求項9の装置。
【請求項11】
前記計算デバイスは更に、ワイドレーン位相アンビギュイティを計算するように動作可能である請求項9の装置。
【請求項12】
前記計算デバイスは更に、前記空中航空機の位置、速度及び加速度データと船の位置、速度及び加速度データとを組み合わせて、該空中航空機と該船との間の相対ベクトル解を生成するように動作可能である請求項9の装置。
【請求項13】
前記計算デバイスは更に、前記空中航空機と船との間の前記相対ベクトル解の質を決定するように動作可能である請求項12の装置。
【請求項14】
GPSベースのナビゲーションシステムを用いて空中航空機に対する位置、速度及び加速度データを計算するための空中ナビゲーションシステムであって、
船及び前記空中航空機の複数の位置、速度及び加速度データタイプを決定するように動作可能な複数のGPSデータ収集デバイスと、
位置、速度及び加速度データが最小化されるように、前記複数の位置、速度及び加速度データタイプに対する適正な共分散行列を決定するため、前記複数の位置、速度及び加速度データタイプを加重最小二乗アルゴリズムに融合するように動作可能な計算コンポーネントとを備えたシステム。
【請求項15】
前記複数の位置、速度及び加速度データタイプの少なくとも一つは、前記空中航空機に対して測定され、該データタイプの少なくとも一つは、船及び固定地理学的位置からなる群から選択される基準位置から測定される請求項14のシステム。
【請求項16】
前記計算コンポーネントは更に、ワイドレーン位相アンビギュイティを計算するように動作可能である請求項14のシステム。
【請求項17】
前記計算コンポーネントは更に、前記空中航空機位置、速度及び加速度データと船の位置、速度及び加速度データとを組み合わせて、該空中航空機と該船との間の相対ベクトル解を生成するように動作可能である請求項14のシステム。
【請求項18】
前記計算コンポーネントは更に、前記空中航空機と船との間の前記相対ベクトル解の質を決定するように動作可能である請求項17のシステム。
【請求項19】
異なるタイプの測定データを融合することによって移動クラフトの位置データを計算する方法であって、
全地球測位システム(GPS)測定データをGPS衛星群から前記移動クラフトへと送信するステップと、
加重最小二乗アルゴリズムを用いて、基準位置による位置データ、速度データ及び推定ワイドレーン位相アンビギュイティデータを計算するステップと、
前記計算したデータを前記基準位置から前記移動クラフトへと送信するステップと、
前記移動クラフトにより前記測定データと前記計算したデータとを組み合わせて、該移動クラフト自体の位置と前記基準位置との間の相対ベクトル解を生成するステップとを含む方法。
【請求項20】
前記移動クラフトは空中航空機である請求項19の方法。
【請求項21】
前記基準位置は船である請求項19の方法。
【請求項22】
加重最小二乗アルゴリズムを用いて、船と空中航空機との間の相対位置及び速度ベクトルを計算し、この情報を、基本相対状態(BRS)データ及び高精度相対状態(PRS)データとして該空中航空機に供給する方法であって、
船時間におけるダブル−ディファレンス測定値を計算するステップと、
ワイドレーンフロートアンビギュイティ及び共分散値を決定するステップと、
前記ダブル−ディファレンス測定値、ワイドレーンフロートアンビギュイティ及び共分散値から第1及び第2周波数フロートアンビギュイティ及び共分散計算値を決定するステップと、
前記第1及び第2周波数フロートアンビギュイティ及び共分散計算値から前記空中航空機のPRS解を計算するステップと、
航空機時間におけるBRS解及びBRS共分散値を計算するステップと、
BRS解及びPRS解を前記空中航空機に送信するステップとを含む方法。
【請求項23】
複数の異なるタイプの測定データを処理することにより、空中ナビゲーションシステムに対する高精度相対状態(PRS)解を計算する方法であって、
衛星データから測定値及び分散からコードレンジ値及び位相レンジ値を計算するステップと、
前記計算したコードレンジ値及び位相レンジ値から最小分散を有する測定データ値を選択するステップと、
前記選択したデータを共分散行列要素計算のために集めるステップと、
共分散行列の要素に対する値を計算することにより、共分散行列を作るステップと、
加重最小二乗(WLS)アルゴリズムにより、前記共分散行列を用いてPRS解及びその共分散を計算するステップとを含む方法。
【請求項24】
前記PRS解及びその共分散を計算するステップは、該PRS解が収束するまで前記計算を繰り返すことを含む請求項23の方法。
【請求項25】
前記衛星データは、少なくとも二つの全地球測位システム(GPS)衛星からのデータを含む請求項23の方法。
【請求項26】
空中航空機のための着陸システムであって、
加重最小二乗アルゴリズムを用いて基準位置位置データ、速度データ及び推定ワイドレーン位相アンビギュイティデータを計算して送信するための手段を有する基準位置と、
GPS測定データを送信するように動作可能なGPS衛星群と、
GPS衛星群からの前記測定データ及び前記基準位置からの前記計算したデータを受信するように動作可能な前記空中航空機上の受信機と、
前記測定データ及び前記基準データを加重最小二乗(WLS)アルゴリズムと融合させることにより、前記空中航空機に対する位置データを計算するように動作可能な、前記受信機に関連付けられた計算システムとを備えた着陸システム。
【請求項27】
前記空中航空機は、該空中航空機自体の位置と前記基準位置との間の相対ベクトル解を生成するため、測定データと計算データを組み合わせるように動作可能なナビゲーションシステムを有する請求項26の着陸システム。
【請求項28】
前記基準位置は船であり、該船は、該船と前記空中航空機との間の相対位置及び速度ベクトルを計算するように動作可能な相対ナビゲーション(RelNav)システムを有する請求項26の着陸システム。
【請求項29】
前記相対位置及び速度ベクトルは、前記船により前記空中航空機に送信される請求項28の着陸システム。
【請求項30】
船と空中航空機との間の相対位置及び速度ベクトルを計算すると共に、この情報を相対状態として該空中航空機に供給するための空中相対ナビゲーション(RelNav)システムであって、
入ってくる測定データを処理及び検査する測定管理及び確認機能と、
シングル−ディファレンス測定値からダブル−ディファレンス測定値及び分散成分を計算する相対測定機能と、
ワイドレーンフロートアンビギュイティ及び第1共分散値を決定するワイドレーンアンビギュイティ機能と、
第1及び第2周波数フロートアンビギュイティ及び第2共分散値を決定するアンビギュイティ機能と、
前記ワイドレーンフロートアンビギュイティ、前記第1共分散値、前記第1及び第2周波数フロートアンビギュイティ、及び前記第2共分散値から相対状態及び共分散解を計算し、かつ、該解を、加重最小二乗アルゴリズムを用いる前記空中航空機上の航空電子工学システムに供給する相対状態機能とを備えたシステム。
【請求項31】
前記共分散値は、マルチパスエラー、ノイズエラー、電離圏エラーもしくは対流圏エラーのうちの少なくとも一つに対する訂正を含む請求項30の空中相対ナビゲーションシステム。
【請求項32】
前記共分散値は、マルチパス、ノイズ、電離圏訂正及び対流圏訂正のうちの少なくとも一つからなる群から選択される請求項30の空中相対ナビゲーションシステム。
【請求項33】
複数の異なるタイプの測定データを処理するために加重最小二乗(WLS)アルゴリズムを用いて、空中ナビゲーションシステムに対するPRS解を計算するための高精度相対状態(PRS)計算モジュールであって、
衛星からの測定及び共分散データからコードレンジ値及び位相レンジ値を計算するように動作可能な入力計算モジュールと、
測定分散に基づいてデータを選択するように動作可能なデータ選択モジュールと、
共分散行列要素計算のためのデータを集めるように動作可能な共分散行列作成モジュールと、
前記共分散行列要素に対する値を決定するための共分散行列要素計算モジュールと、
前記加重最小二乗アルゴリズムにより前記共分散行列を用いて前記PRS解及びその共分散を計算するように動作可能なPRS解計算モジュールとを備えた高精度相対状態計算モジュール。
【請求項34】
前記入力計算モジュールは、すべての利用可能な全地球測位システム(GPS)衛星からの測定データを含む請求項33の高精度相対状態計算モジュール。
【請求項35】
前記加重最小二乗アルゴリズムは、
測定値及び共分散を計算するための動作と、
船及び航空機から衛星への視線(LOS)ベクトルを計算するための動作と、
LOSベクトルの線形化を実行するための動作と、
相対位置解のWLSを計算する動作と、
各相対位置解及びその共分散を、1984年座標の世界測地系から船基準点における北−東−下座標へと変換するための動作とを含む請求項33の高精度相対状態計算モジュール。
【請求項36】
前記相対位置解計算モジュールは、前記PRS解が収束するまで繰り返し動作する請求項33の高精度相対状態計算モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2010−500578(P2010−500578A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524024(P2009−524024)
【出願日】平成19年8月13日(2007.8.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/075832
【国際公開番号】WO2008/097346
【国際公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【出願人】(506145278)シエラ・ネバダ・コーポレイション (9)
【Fターム(参考)】