説明

マンガン乾電池およびその負極缶ならびにそれらの製造方法

【課題】環境にやさしい無鉛亜鉛缶の耐食性を向上させ、従来の鉛を添加した負極缶と同等またはそれ以上の保存特性を有する無鉛亜鉛缶を提供する。
【解決手段】鉛が無添加の板状亜鉛の小片に、潤滑剤を塗布し、固着させる工程と、その後、インパクト成形法により有底円筒形の缶に成形する鉛無添加のマンガン乾電池用負極缶の製造方法において、前記潤滑剤に、インジウムまたはビスマスの金属粉体を含ませる。これにより亜鉛缶の界面にのみ適量のインジウムやビスマスを強固にかつ均一に存在させ、電池の保存特性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水銀や鉛を含まないマンガン乾電池とその製造方法に関し、特にその負極亜鉛缶とその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、マンガン乾電池における負極缶では、材料として用いられている亜鉛の耐食性を向上させるために、亜鉛に鉛を添加していた。
【0003】
しかし、近年、使用後の乾電池がもたらす環境汚染を防止するため、電池を構成する部材に、水銀およびカドミウム、鉛等の有害物質を使用しない方向で種々の検討が進められている。
【0004】
その有望な代替物質としてインジウムなどが注目されている。
【0005】
その技術の一つとしては、負極缶を構成する材料として、亜鉛に対してインジウムを適量含有し、かつアルミニウムとガリウムの少なくとも一方を微量含有する亜鉛合金を用いることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0006】
しかし、亜鉛合金中にインジウムを添加すると、亜鉛缶の耐食性は向上するが、亜鉛缶作製時の加工性が悪くなるという問題があった。また、亜鉛合金中にアルミニウムやガリウムを添加すると、加工性は向上するが、亜鉛缶の耐食性および長期保存特性が良好でないという問題があった。
【0007】
また、正極合剤中の電解液や亜鉛缶表面に接する包紙の糊剤中に、インジウムとビスマスを添加することが提案されている(例えば、特許文献2または3参照)。
【0008】
しかし、インジウムとビスマスを効果が充分にでる程度まで添加すると、析出したインジウムとビスマスが抵抗成分となって、放電性能を低下させるという問題があった。
【特許文献1】特開平6−196156号公報
【特許文献2】特開平6−325771号公報
【特許文献3】特開昭61−224265号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上述べたとおり、インジウムやビスマスの効果は亜鉛缶の表面にあるときに発揮されるものであるから、亜鉛合金中や糊剤中に添加する方法では、亜鉛缶表面以外の効果のない部分にまでインジウムやビスマスが存在することになる。そして、所定の効果を得るためには、多めにインジウムやビスマスを添加する必要があり、その過剰分のインジウムが電池の抵抗成分として働き、電池の放電特性に悪影響を与えるという課題があった。
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するためのものであり、亜鉛缶の表面にのみ適量のインジウムまたはビスマスを均一に存在させて、亜鉛缶の耐食性や電池の保存特性を向上させることができるマンガン乾電池を提供するものである。
【0011】
また、鉛を含まない亜鉛缶を用いて、従来の鉛を含有した場合と同等またはそれ以上の耐食性および長期保存特性を有する負極缶を提供することを目的とする。
【0012】
ひいては、この負極缶を用いることにより、環境にやさしいマンガン乾電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のマンガン乾電池は、鉛無添加の亜鉛負極缶内に水銀、インジウムまたはビスマスが無添加の糊剤が塗布されたセパレータを介して、主活物質である二酸化マンガンと、インジウムまたはビスマスが無添加の電解液とからなる正極合剤を収納したマンガン乾電池であって、前記亜鉛缶の全表面積の80%以上がインジウムまたはビスマス層で覆われていることを特徴とするものであり、本発明の亜鉛缶は、耐食性が向上しており、従来の鉛(0.4重量%)を添加した負極缶を用いたマンガン乾電池と同等またはそれ以上の保存特性を有する。
【0014】
また、電解液または糊剤のいずれにもインジウムまたはビスマスが無添加のため、必要以上にインジウムやビスマスを添加させて、電池の抵抗成分を増加させることはないので電池の放電特性を向上させることができる。さらに、マンガン乾電池中に、水銀または鉛を含まないため環境にやさしいマンガン乾電池である。
【0015】
本発明の請求項2に記載のマンガン乾電池用負極缶は、純亜鉛からなるマンガン乾電池用負極缶において、前記負極缶の全表面積の80%以上にインジウムまたはビスマスが溶融固着されていることを特徴とするものであり、インジウムまたはビスマスが負極缶の表面に強固に固着されているため、負極缶における水素ガス発生が抑制され、耐食性および長期保存特性が向上する。
【0016】
本発明の請求項3に記載のマンガン乾電池の製造方法は、セパレータに水銀、インジウムまたはビスマスが無添加の糊剤を塗布する工程と、二酸化マンガン、導電剤およびインジウムまたはビスマスが無添加の電解液を混合し、成形して正極合剤を作成する工程と、請求項2に記載のマンガン乾電池用負極缶内に、水銀、インジウムまたはビスマスが無添加の糊剤が塗布された前記セパレータを介して前記正極合剤を収納する組み立て工程を少なくとも含むものである。
【0017】
糊剤は水銀が無添加のため、作業環境上もやさしいものであり、電解液および糊剤もインジウムまたはビスマスが無添加のため低コストな工法である。
【0018】
本発明の請求項4に記載のマンガン乾電池用負極缶の製造方法は、板状亜鉛の小片に、潤滑剤を塗布し、固着させる工程と、その後、インパクト成形法により有底円筒形の缶に成形する鉛無添加のマンガン乾電池用負極缶製造方法において、前記潤滑剤には、インジウムまたはビスマスの金属粉体が含まれていることを特徴とするものである。
【0019】
本発明の製造方法では、亜鉛缶押出しプレスにインパクト成形法を用いており、金属インジウム、金属ビスマスの融点が低いため、亜鉛合金に塗布されたインジウムやビスマスは、亜鉛缶押出しプレス工程時に、発生した押し出し加工熱で瞬間的に溶けて、亜鉛缶表面に均一なインジウム層やビスマス層を形成する。これにより、亜鉛缶の耐食性が向上し、従来の鉛を添加した負極缶と同等またはそれ以上の保存特性を有する。
【0020】
本発明の請求項5に記載のマンガン乾電池用負極缶の製造方法は、請求項4に記載のマンガン乾電池用負極缶の製造方法において、前記潤滑剤は、黒鉛であるものである。
【0021】
潤滑剤が黒鉛であるので、潤滑油などを使った場合に比べ、缶の伸びが良く、また、製缶後、潤滑油を蒸発させるための時間(エージング)を必要としない。
【0022】
本発明の請求項6に記載のマンガン乾電池用負極缶の製造方法は、請求項5に記載のマンガン乾電池用負極缶の製造方法において、前記潤滑剤に含まれる前記金属粉体のインジウムまたはビスマスの総量が0.005〜0.5重量%であるものである。
【0023】
潤滑剤に含まれる金属粉体のインジウムおよび/またはビスマスとしての総量が0.005重量%未満の場合、インジウムやビスマスを塗布することによる効果が不充分となる。しかし、0.5重量%を超える場合でも効果が認められたが、これ以上の添加は製造コスト増が問題点となる。よって、特に、インジウムおよび/またはビスマスの総量は0.005〜0.5重量%がより好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、鉛を含まずに、従来の鉛を含有した場合と同等またはそれ以上の耐食性および長期保存特性を有する負極缶を提供することができる。
【0025】
また、この負極缶を用いることにより、環境にやさしいマンガン乾電池を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
本発明の骨子は、板状亜鉛の小片に、潤滑剤を塗布し、固着させる工程と、その後、インパクト成形法により有底円筒形の缶に成形する鉛無添加のマンガン乾電池用負極缶の製造方法において、前記潤滑剤には、インジウムおよびビスマスよりなる群から選択される少なくとも一種の金属粉体が含まれていることであり、本発明の亜鉛缶の表面にインジウムやビスマスを最適量だけ、確実に存在させることができ、これらの添加金属の効果を最大限に発揮させることができる。
【0027】
上記のインジウムおよびビスマスは水素過電圧が大きいため、亜鉛表面の水素過電圧が大きくなり、負極缶における水素ガス発生が抑制され、耐食性および長期保存特性が向上する。
【0028】
本発明の製造方法では、亜鉛缶押出しプレスにインパクト成形法を用いており、この工法では、亜鉛缶押出しプレス工程時のインパクトの瞬間に約300℃の加工熱が発生する。
【0029】
金属インジウム、金属ビスマスの融点はそれぞれ160℃、270℃であり、亜鉛合金に塗布されたインジウムやビスマスは、亜鉛缶押出しプレス工程時のインパクトの瞬間の熱(約300℃)に瞬間的に溶けて、亜鉛缶表面に均一なインジウム層やビスマス層を形成する。これにより、亜鉛缶の耐食性が向上し、従来の鉛(0.4重量%)を添加した負極缶と同等またはそれ以上の保存特性を有する。
【0030】
本発明では、亜鉛缶の界面にインジウムやビスマスを最適量だけ、確実に存在させることができ、これらの添加金属の効果を最大限に発揮させることができる。また、工程的には潤滑剤を変えているだけなので、メッキ法等の様に新たな工程や装置は必要が無いため、低コストで実現できる。
【0031】
そして、必要以上にインジウムやビスマスを添加させて、電池の抵抗成分を増加させることはないので電池の放電特性を向上させることができる。
【0032】
このとき、鉛を含有せず、鉛を含有した場合と同等またはそれ以上の耐食性および長期保存特性を有する負極缶が得られる。
【0033】
また、この負極缶を用いたマンガン乾電池では、負極缶に有害な鉛が含まれないため、環境汚染を抑制することができる。
【実施例】
【0034】
《電池1〜29》
本発明を実施例を用いて詳細に説明する。
【0035】
そして、以下に説明するように、各種の負極缶を用いて、電池1〜29の電池を作成した。
【0036】
(電池1)
(1) 負極缶の作製
まず、溶解炉を使用して純度99.99重量%の亜鉛を約500℃で溶融し、亜鉛溶湯を得た。そして、亜鉛溶湯を冷却しながら所定の厚さの板状に圧延し、これをプレスで打ち抜くことにより、所定の大きさの丸形の小片を得た。この小片に、インジウムを0.001wt%添加した黒鉛粉末主成分の潤滑剤を塗布し、ミキサーでの攪拌により固着させ、インパクト成形法により有底円筒形の単3形マンガン乾電池用のR6サイズ負極缶をそれぞれ得た。
【0037】
この負極缶の重量は3.5gである。また、小片に固着された黒鉛は約0.1mg程度である。この負極缶の全表面積に対するインジウム層の割合は、55%であった。
【0038】
(2) 正極合剤の作製
二酸化マンガン5gと、導電性カーボンブラック1gと、塩化亜鉛30重量部および水70重量部を含む電解液4gとを、重量比50:10:40で混合し、成形して正極合剤を得た。この電解液は、インジウムまたは水銀が無添加である。
【0039】
(3) マンガン乾電池の組み立て
上記で得られたR6サイズの負極缶を用い、以下に示す手順で図1に示す構成の単3形マンガン乾電池を作製した。
【0040】
上記で得られた負極缶4内にセパレータ3を介して円筒形の正極合剤1を収納した。このセパレータ3には、澱粉およびアルコール、界面活性剤の水溶液からなる糊剤ペーストが、40mg塗布されている。この糊剤ペーストは、水銀、インジウムまたはビスマスは無添加である。さらに、正極合剤の中央部に、カーボン粉末を固めた炭素棒2を差し込んだ。
【0041】
封口体5は、ポリオレフィン系樹脂で作製し、中央部に炭素棒2を挿入させる孔を設けた。鍔紙9は、板紙を中心孔を有する環状に打ち抜いて得たものであり、正極合剤1の上部に配置した。封口体5はおよび鍔紙9の中心孔を貫通する炭素棒2は、正極の集電体として作用するように、その上部を正極端子11と接触させた。
【0042】
負極亜鉛缶4の外周には、絶縁を確保するための熱収縮性を有する樹脂フィルムからなる樹脂チューブ8を配し、その上端部で、封口体5の外周部上部を覆い、その下端部でシールリング7の下面を覆った。
【0043】
ブリキ板で作製した正極端子11には、炭素棒2の上端部に被せるキャップ状の中央部および平板状の鍔部を有する形状を持たせた。この正極端子11の平板状の鍔部には、樹脂製の絶縁リング12を配した。正極合剤1の底部と負極亜鉛缶4の間には、絶縁を確保するために、底紙13を設けた。負極端子6の平板状の外周部の外面側にはシールリング7を配置した。
【0044】
筒状のブリキ板で作製した金属外装缶10を、樹脂チューブ8の外側に配置し、その下端部を内側に折り曲げ、その上端部を内方にカールさせるとともに、その上端部の先端を絶縁リング12に接触させた。このようにして、絶縁リング12、正極端子11の平板状の鍔部、ならびに樹脂チューブ8の上端部、封口体5の外周部、および負極亜鉛缶4の開口端部、ならびに樹脂チューブ8の下端部、シールリング7、および負極端子6がそれぞれ所定位置に固定した。
【0045】
(電池2〜21)
潤滑剤へのインジウムまたはビスマスの添加量を、(表1)に示した通りに変えた以外は電池1と同様の製造方法で電池2〜21を作成した。この時の負極缶の全表面積に対するインジウムまたはビスマス層の割合を(表1)に同じく示す。
【0046】
(電池22)
また、比較のため、有鉛(0.4wt%)の亜鉛を用い、黒鉛粉末主成分の潤滑剤へのインジウムおよびビスマスの添加量をゼロとした配合以外は、電池1と同様の製造方法で電池22を作成した。この時の負極缶の表面にはインジウムまたはビスマス層は存在しない。
【0047】
(電池23)
さらに比較のため、黒鉛粉末主成分の潤滑剤へのインジウムおよびビスマスの添加量をゼロとした配合以外は、電池1と同様の製造方法で電池23を作成した。この時の負極缶の表面にはインジウムまたはビスマス層は存在しない。
【0048】
(電池24〜29)
電池23と同じ負極缶を用い、澱粉およびアルコール、界面活性剤の水溶液からなる糊剤ペーストに、Bi23およびIn(OH)3を表1に示す通りの配合で添加し、良く攪拌して均一に分散させ、これらのペーストをクラフト紙材に塗布して乾燥させセパレータとした以外は、電池1と同様の製造方法で電池24〜29を作成した。この場合、電池内において負極缶の表面には、インジウムまたはビスマス層が、置換による合金化により形成できていると考えられるが、本発明の溶融固着と違い、電池電池内の反応であるので、検証はできなかった。
【0049】
(マンガン乾電池の放電性能)
上記で得られた各マンガン乾電池について以下のような放電性能の評価を行った。
【0050】
初度および45℃で3ヶ月間保存後の電池について、20±2℃の環境下で、1.8Ωの負荷で15秒間放電し、その後45秒間放電を休止するサイクルを、閉路電圧が0.9Vに達するまで繰り返した。そして、この時のサイクル数により放電性能を評価した。この評価結果を(表1)に示す。
【0051】
【表1】

【0052】
表1から明らかなように、電池1〜21は、従来の鉛を含有した負極缶を用いた電池22と同等またはそれ以上の耐食性および長期保存特性を有していた。
【0053】
ここで、電池1,8,15は、負極缶でのインジウムまたはビスマス層の全表面積が80%に達していない。潤滑剤に含まれる金属粉体のインジウムまたはビスマスとしての総量が0.005重量%未満の場合、インジウムまたはビスマスを添加することによる効果が不充分となる。
【0054】
また、電池7、14、21のように、0.5重量%を超える場合でも効果が認められたがこれ以上の添加は製造コスト増が問題点となる。
【0055】
よって、特に、インジウムまたはビスマスとしての総量は0.005〜0.5重量%がより好ましいことがわかった。
【0056】
また、インジウムあるいはビスマス単独よりも両成分の複合の方が、相乗効果により性能を向上し得る傾向であった。
【0057】
これらに対し、インジウムまたはビスマスが無添加の電池23は、初度の放電性能も耐食性および長期保存特性も悪かった。
【0058】
また、糊剤にインジウムおよびビスマス塩を添加した電池24〜29は、析出したインジウムとビスマスが抵抗成分となるため、初度の放電性能がよくなかった。なお、本実施例においては、糊剤にインジウムおよびビスマス塩を添加したが、糊剤中のインジウムおよびビスマス塩は、電解液にも拡散するので、電解液に添加しても同じ結果になると考えられる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
以上のように、本発明のマンガン乾電池は、懐中電灯などの携帯機器の電源としてに有用である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】本発明のマンガン乾電池の一部を断面にした正面図
【符号の説明】
【0061】
1 正極合剤
2 炭素棒
3 セパレータ
4 負極缶
5 封口体
6 負極端子
7 シールリング
8 樹脂チューブ
9 鍔紙
10 金属外装缶
11 正極端子
12 絶縁リング
13 底紙

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛無添加の亜鉛負極缶内に水銀、インジウムまたはビスマスが無添加の糊剤が塗布されたセパレータを介して、主活物質である二酸化マンガンと、インジウムまたはビスマスが無添加の電解液とからなる正極合剤を収納したマンガン乾電池であって、前記亜鉛缶の全表面積の80%以上がインジウムまたはビスマス層で覆われていることを特徴とするマンガン乾電池。
【請求項2】
純亜鉛からなるマンガン乾電池用負極缶において、前記負極缶の全表面積の80%以上にインジウムまたはビスマスが溶融固着されていることを特徴とするマンガン乾電池用負極缶。
【請求項3】
セパレータに水銀、インジウムまたはビスマスが無添加の糊剤を塗布する工程と、二酸化マンガン、導電剤およびインジウムまたはビスマスが無添加の電解液を混合し、成形して正極合剤を作成する工程と、請求項2に記載のマンガン乾電池用負極缶内に、水銀、インジウムまたはビスマスが無添加の糊剤が塗布された前記セパレータを介して前記正極合剤を収納する組み立て工程を少なくとも含むマンガン乾電池の製造方法。
【請求項4】
板状亜鉛の小片に、潤滑剤を塗布し、固着させる工程と、その後、インパクト成形法により有底円筒形の缶に成形する鉛無添加のマンガン乾電池用負極缶製造方法において、前記潤滑剤には、インジウムまたはビスマスの金属粉体が含まれていることを特徴とするマンガン乾電池用負極缶の製造方法。
【請求項5】
前記潤滑剤は、黒鉛である請求項4に記載のマンガン乾電池用負極缶の製造方法。
【請求項6】
前記潤滑剤に含まれる前記金属粉体のインジウムまたはビスマスの総量が0.005〜0.5重量%である請求項5記載のマンガン乾電池用負極缶の製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2006−59546(P2006−59546A)
【公開日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−237155(P2004−237155)
【出願日】平成16年8月17日(2004.8.17)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】