説明

メサ型圧電振動片及び圧電デバイス

【課題】固定部材が流出することなどによる振動部の振動の阻害を抑制しつつ、屈曲振動の影響を抑制して安定した振動をするメサ型圧電振動片及びメサ型圧電振動片を備えた圧電デバイスの提供。
【解決手段】励振電極16,18を有する振動部12と、振動部12の両端部に肉薄部13,14を有する水晶振動片10であって、固定部11を有する一方の肉薄部13側の振動部12の端部12bから一方の肉薄部13側の励振電極16,18の端部16b,18bまでの寸法をT1とし、他方の肉薄部14側の振動部12の端部12cから他方の肉薄部14側の励振電極16,18の端部16c,18cまでの寸法をT2とし、水晶振動片10に発生する屈曲振動の波長をλとしたときに、T1−T2=λ×m(但し、T2=(2n−1)λ/2、m及びnは自然数)の関係式を略満たすことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メサ型圧電振動片及びメサ型圧電振動片を備えた圧電デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、メサ型圧電振動片において、メサ型圧電振動片を構成する圧電基板の外形寸法、圧電基板の振動部の寸法及び振動部に形成された励振電極の寸法などを、互いに関連付けて規定することにより、メサ型圧電振動片の本来の振動モードである厚みすべり振動に対して、不要振動である屈曲振動を抑制した構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−340023号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1の構成では、メサ型圧電振動片の長辺に沿った方向の振動部の端部から励振電極の端部までの距離が、屈曲振動の波長であるλの1/2に規定され、振動部の端部と励振電極の端部とが近接した状態となっている。
そして、メサ型圧電振動片を備えた圧電デバイスは、メサ型圧電振動片をパッケージ内へ片持ち支持構造で固定する際に、振動部に隣接する固定部を接着剤などの固定部材により固定する。
この際、圧電デバイスは、固定部材が接着剤であることから、固定部材が振動部に近接している励振電極に接近し過ぎると、振動部の振動が阻害されることにより、CI値などの特性が劣化するという問題がある。
加えて、圧電デバイスは、固定部材に導電性接着剤などの導電部材が用いられた場合、固定部材の流出により、固定部材を介して表裏の励振電極同士がショートするなどの不具合が発生するという問題がある。
また、固定部材の流出による励振電極同士のショートを抑制するために、固定部から励振電極の端部までの距離を長くするとメサ型圧電振動片全体の寸法も長くなり、メサ型圧電振動片が大型化するという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例にかかるメサ型圧電振動片は、励振電極を有する振動部と、前記振動部の両端部に前記振動部より厚みが薄い肉薄部とを有するメサ型圧電振動片であって、前記肉薄部の一方は、外部に固定される固定部を有し、前記固定部を有する前記一方の肉薄部側の前記振動部の端部から前記一方の肉薄部側の前記励振電極の端部までの寸法をT1とし、前記他方の肉薄部側の前記振動部の端部から前記他方の肉薄部側の前記励振電極の端部までの寸法をT2とし、前記メサ型圧電振動片に発生する屈曲振動の波長をλとしたときに、T1−T2=λ×m(但し、T2=(2n−1)λ/2、m及びnは自然数
)の関係式を略満たすことを特徴とする。
【0007】
これによれば、メサ型圧電振動片は、固定部を有する一方の肉薄部側の振動部の端部から一方の肉薄部側の励振電極の端部までの寸法をT1とし、他方の肉薄部側の振動部の端部から他方の肉薄部側の励振電極の端部までの寸法をT2とし、メサ型圧電振動片に発生する屈曲振動の波長をλとしたときに、T1−T2=λ×m(但し、T2=(2n−1)λ/2、m及びnは自然数)の関係式を略満たす。
【0008】
このことから、メサ型圧電振動片は、振動部に対して励振電極をT1−T2=λ×m(但し、T2=(2n−1)λ/2、m及びnは自然数)となるように他方の肉薄部側に偏って形成することにより、従来と比較して固定部から励振電極までの距離を長くすることができる。
これにより、メサ型圧電振動片は、例えば、接着剤などの固定部材から励振電極までの距離を長くすることができることから、固定部材の流出に伴う振動部の振動が阻害されることによるCI値などの特性劣化を抑制できる。
加えて、メサ型圧電振動片は、例えば、導電性接着剤などの固定部材が励振電極まで流出しにくくなることから、導電性部材からなる固定部材を介して表裏の励振電極同士がショートするなどの不具合を低減できる。
【0009】
この際、メサ型圧電振動片は、T1−T2=λ×m(但し、T2=(2n−1)λ/2、m及びnは自然数)であることから、振動部の端部及び励振電極の端部における屈曲振動の成分が、振動部の本来の振動モードである厚みすべり振動の成分と結合しにくい状態となっている。
このことから、メサ型圧電振動片は、上記のように大型化をせず励振電極を偏らせても、屈曲振動の影響を抑制して安定した振動をすることができる。
【0010】
[適用例2]上記適用例にかかるメサ型圧電振動片は、前記関係式のnを1とすることが好ましい。
【0011】
これによれば、メサ型圧電振動片は、nを1とすることから、T2=λ/2となり、振動部に対する励振電極の他方の肉薄部側の端部の位置を、振動部の本来の振動モードである厚みすべり振動の成分と、不要な屈曲振動の成分とが結合しにくく、且つ周波数特性上最適の位置とすることができる。
【0012】
[適用例3]本適用例にかかる圧電デバイスは、上記適用例に記載のメサ型圧電振動片と、前記メサ型圧電振動片を気密封止された内部に収容し、前記メサ型圧電振動片の前記固定部を前記内部に固定するパッケージとを備えたことを特徴とする。
【0013】
これによれば、圧電デバイスは、上記適用例に記載のメサ型圧電振動片と、メサ型圧電振動片を気密封止された内部に収容し、メサ型圧電振動片の固定部を内部に固定するパッケージとを備えている。
このことから、圧電デバイスは、内部が気密封止されたパッケージ内に、上記適用例に記載した効果を有するメサ型圧電振動片を備えることにより、安定した周波数特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態の水晶振動子の概略構成を示す模式図。
【図2】水晶振動片の断面に屈曲振動の波形を重ね合わせた模式図。
【図3】周波数温度特性のデータをグラフで示した説明図。
【図4】CI値温度特性のデータをグラフで示した説明図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、メサ型圧電振動片及び圧電デバイスの実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
(実施形態)
図1は、本実施形態の圧電デバイスの一例としての水晶振動子の概略構成を示す模式図である。図1(a)は平面図、図1(b)は、図1(a)のA−A線での断面図である。なお、平面図では、理解を容易にするためにリッド(蓋)部を省略し、リッド部の外形を2点鎖線で表している。
【0017】
図1に示すように、本実施形態の水晶振動子1は、メサ型圧電振動片としての水晶振動片10、水晶振動片10を気密封止された内部に収容し、水晶振動片10の固定部を内部に固定するパッケージ20などから構成されている。
【0018】
パッケージ20は、ベース部21、リッド部22、接合部23などから構成されている。
ベース部21には、セラミックグリーンシートを成形して積層し、焼成した酸化アルミニウム質焼結体などが用いられている。
ベース部21の底面21aには、マウント電極21b,21cが形成されている。マウント電極21b,21cは、タングステンなどのメタライズ層にニッケル、金などの各被膜をメッキなどにより積層した金属被膜からなる。
【0019】
ベース部21の外面には、上記金属被膜からなる外部電極21d,21eが形成されている。この外部電極21d,21eは、図示しない内部配線によりそれぞれマウント電極21b,21cに接続されている。水晶振動子1は、外部電極21d,21eを介して外部の機器に実装される。
【0020】
リッド部22は、コバールなどの金属からなり、パッケージ20内部に水晶振動片10が収容、固定された状態で、コバールなどの金属からなる接合部23にシーム溶接されている。なお、接合部23は、ろう付けなどによりベース部21に接合されている。
これらにより、水晶振動子1のパッケージ20内は、気密封止されている。なお、パッケージ20の内部は、真空状態または窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスが封入されている。
【0021】
パッケージ20のベース部21には、水晶振動片10が搭載され、水晶振動片10は、固定部11が導電性接着剤などからなる固定部材30を介してマウント電極21b,21cに固定されている。これにより、水晶振動片10は、固定部11を介してベース部21に片持ち支持されている。
【0022】
水晶振動片10は、発振周波数などに応じた所定の厚みに研磨された圧電基板としての水晶ウエハから、フォトリソグラフィ技術などを用いて、略矩形の振動部12と、振動部12の両端部に振動部12より厚みが薄い一方の肉薄部13及び他方の肉薄部14とを有する平面形状が略矩形のメサ型に形成されている。
なお、本実施形態では、水晶振動片10を厚みすべり振動をするATカット水晶振動片としている。また、水晶振動片10の厚みは、数μm〜100μm程度の範囲で適宜設定される。
【0023】
水晶振動片10は、振動部12の一方の主面(表)15に略矩形の励振電極16が形成され、他方の主面(裏)17に略矩形の励振電極18が形成されている。なお、振動部12は、平面視において一方の主面15側の輪郭と他方の主面17側の輪郭とが略重なるように形成されている。また、励振電極16と励振電極18とは、平面視において輪郭が略重なるように形成されている。
なお、水晶振動片10の一方の肉薄部13と他方の肉薄部14とを結ぶ辺(長辺)は、水晶結晶軸のX軸に沿うように形成されている。また、水晶振動片10は、振動部12及び励振電極16,18の上記長辺側の辺も、同様にX軸に沿うように形成されている。
【0024】
水晶振動片10の一方の肉薄部13の一方の主面15側には、励振電極16に接続された接続電極16aが形成され、一方の肉薄部13の他方の主面17側には、励振電極18に接続された接続電極18aが形成されている。
なお、接続電極16aは、他方の主面17側にも回り込んで形成され、接続電極18aは、一方の主面15側にも回り込んで形成されている。これにより、水晶振動片10は、一方の主面15及び他方の主面17のいずれが、ベース部21に対する載置面になってもよい構成になっている。
なお、励振電極16,18、接続電極16a,18aは、クロム、ニッケル、金、銀などの各被膜がスパッタ、蒸着などの方法により積層された金属被膜からなる。
【0025】
ここで、水晶振動片10の振動部12と励振電極16,18との位置関係について図2を参照して説明する。
図2は、図1(a)のB−B線での水晶振動片10の断面に、水晶振動片10に発生する屈曲振動の波形を重ね合わせた模式図である。なお、図2では、図面が見易くなるようにハッチングを省略してある。
【0026】
図2に示すように、水晶振動片10の振動部12と励振電極16,18とは、次のような位置関係にある。
水晶振動片10の固定部11を有する一方の肉薄部13側の振動部12の端部12b(一方の肉薄部13と振動部12との段差部)から、一方の肉薄部13側の励振電極16,18の端部16b,18bまでの寸法をT1とする。そして、水晶振動片10の他方の肉薄部14側の振動部12の端部12c(他方の肉薄部14と振動部12との段差部)から、他方の肉薄部14側の励振電極16,18の端部16c,18cまでの寸法をT2とする。
ここで、水晶振動片10に発生する不要振動である屈曲振動の波長をλとしたときに、水晶振動片10は、T1−T2=λ×m(但し、T2=(2n−1)λ/2、m及びnは
自然数であり、例えば、1,2,3,4,5…などである。)の関係式を略満たす。
なお、λは、以下の公知の式などより求められる(特許文献1参照)。
λ/2=(1.332/f)−0.0024
ここで、fは水晶振動片10の発振周波数(単位:MHz)を表す。例えば、fが26MHzの場合、λは約0.1mmとなる。
【0027】
この関係式を略満たすことにより、図2に示すように、水晶振動片10は、X軸方向において屈曲振動の波形19の上下の頂点の位置が、振動部12の端部12b,12c、励振電極16,18の端部16b,18b,16c,18cの位置と一致するようになる。
これにより、水晶振動片10は、振動部12と励振電極16,18とを、本来の厚みすべり振動の成分と不要振動である屈曲振動の成分とが最も結合しにくい位置関係に設けることができる。
なお、水晶振動片10は、nの値を1に設定することにより、励振電極16,18の端部16c,18cを振動部12の端部12cに最も接近させることができる。このことから、水晶振動片10は、振動部12に対して励振電極16,18のサイズを最大限大きくすることが可能となり、周波数特性を向上させることができる。
なお、nの値は、1に限定するものではなく、発振周波数、振動部12のサイズ、励振電極16,18の必要サイズなどに応じて、後述するmの値とともに適宜設定される。
【0028】
そして、水晶振動片10は、mの値を適宜選択することで振動部12の固定部11側の端部12bから励振電極16,18の固定部11側の端部16b,18bまでの寸法を適宜設定できる。
これによれば、水晶振動片10は、mの値を適宜選択することで振動部12の固定部11側の端部12bから励振電極16,18の固定部11側の端部16b,18bまでの寸法を、従来より長く設定することができる。
【0029】
このことから、水晶振動片10は、固定部11がベース部21に固定される際に、固定部材30が励振電極16,18に流出することにより、振動部12の振動が阻害されることで、CI値などの特性が劣化することを抑制できる。加えて、水晶振動片10は、固定部材30を介して表裏の励振電極16,18同士がショートするなどの不具合を低減できる。
なお、水晶振動片10は、mが大きければ大きいほど固定部11から励振電極16,18までの距離が長くなることから、上記の課題に対して顕著な効果が上げられる。しかしながら、水晶振動片10は、mが大きければ大きいほど、振動部12のサイズに対して励振電極16,18のサイズが小さくなることから、CI値などの特性変化が考えられる。
これらのことから、mの値は、課題に対する効果の度合いと望ましいCI値などの特性とのバランスを考慮すると、3程度が好ましい。
【0030】
なお、これはmを3に限定するものではなく、mの値は、発振周波数、振動部12のサイズ、励振電極16,18の必要サイズなどに応じて適宜設定される。
これにより、水晶振動片10は、振動部12に対して励振電極16,18が他方の肉薄部14側に偏って形成される。
【0031】
なお、励振電極16,18の振動部12に対するZ軸方向における形成位置は、図1(a)に示すように、紙面上側と紙面下側とで振動部12の端部から励振電極16,18の端部までが、略同寸法で形成されている。
【0032】
ここで、従来技術を用いた水晶振動片のサンプル(上記関係式におけるmが0、nが1、つまり、T1=T2=λ/2)と、本実施形態の水晶振動片10のサンプル(上記関係式におけるmが3、nが1、つまり、T1=3λ+λ/2、T2=λ/2)とを比較したデータについて図3、図4を参照して説明する。
なお、両者は励振電極形状のみが上記のように異なり、外形形状、振動部の形状、発振周波数、λなど他の仕様は、ともに同一である。なお、発振周波数は約33.6MHz、λは約70μmである。
【0033】
図3は、両者の周波数温度特性のデータをグラフで示した説明図であり、同図(a)は、本実施形態の複数サンプルのデータであり、同図(b)は、従来技術の複数サンプルのデータである。
図3は、横軸が温度、縦軸が周波数の変位量を表している。図3に示すように、両者の周波数温度特性には、有意差がない。このことから、本実施形態の水晶振動片10は、振動部12に対して励振電極16,18が、m=3、n=1となるように従来より小さく、且つ他方の肉薄部14側に偏って形成されていても、周波数温度特性において、実使用上問題がないことが裏付けられた。
【0034】
図4は、両者のCI値温度特性のデータをグラフで示した説明図であり、同図(a)は、本実施形態の複数サンプルのデータであり、同図(b)は、従来技術の複数サンプルのデータである。
図4は、横軸が温度、縦軸がCI値を表している。図4に示すように、両者のCI値温度特性には、有意差がない。このことから、本実施形態の水晶振動片10は、振動部12に対して励振電極16,18が、m=3、n=1となるように従来より小さく、且つ他方の肉薄部14側に偏って形成されていても、CI値温度特性において、実使用上問題がないことが裏付けられた。
【0035】
上述したように、上記実施形態の水晶振動片10は、固定部11を有する一方の肉薄部13側の振動部12の端部12bから、一方の肉薄部13側の励振電極16,18の端部16b,18bまでの寸法をT1とし、他方の肉薄部14側の振動部12の端部12cから、他方の肉薄部14側の励振電極16,18の端部16c,18cまでの寸法をT2とし、水晶振動片10に発生する屈曲振動の波長をλとしたときに、T1−T2=λ×m(但し、T2=(2n−1)λ/2、m及びnは自然数)の関係式を略満たす。
【0036】
このことから、水晶振動片10は、振動部12に対して励振電極16,18をT1−T2=λ×mとなるように他方の肉薄部14側に偏って形成することにより、従来と比較して固定部11から励振電極16,18までの距離を長くすることができる。
これにより、水晶振動片10は、固定部11がベース部21に固定される際に、固定部材30が励振電極16,18まで流出しにくくなることから、固定部材30が励振電極16,18に流出することにより、振動部12の振動が阻害されることで、CI値などの特性が劣化することを抑制できる。
【0037】
また、水晶振動片10は、上記のように従来と比較して大型化せず、固定部11から励振電極16,18までの距離を長くすることができることから、導電性接着剤である固定部材30を介して表裏の励振電極16,18同士がショートするなどの不具合を低減できる。
【0038】
なお、この際、水晶振動片10は、T1−T2=λ×m(但し、T2=(2n−1)λ/2、m及びnは自然数)であることから、振動部12の端部12b,12c及び励振電極16,18の端部16b,16c,18b,18cにおける屈曲振動の波形19の位相が、屈曲振動の成分と厚みすべり振動の成分とが最も結合しにくい状態となっている。
このことから、水晶振動片10は、上記のように励振電極16,18を振動部12に対して偏らせても、屈曲振動の影響を抑制して安定した厚みすべり振動をすることができる。
また、水晶振動片10は、上述したように、従来と比較して各特性を同等に維持しながら上記の効果を得ることができる。
【0039】
また、水晶振動子1は、水晶振動片10と、水晶振動片10を気密封止された内部に収容し、水晶振動片10の固定部11をベース部21に固定するパッケージ20とを備えている。
このことから、水晶振動子1は、内部が気密封止されたパッケージ20内に、上記の効果を有する水晶振動片10を備えることにより、安定した周波数特性を得ることができる。
【0040】
なお、上記実施形態では、圧電デバイスとして水晶振動片10と、水晶振動片10を気密封止された内部に収容し、水晶振動片10の固定部11を内部に固定するパッケージ20とを備えた水晶振動子1について説明したが、これに限定するものではなく、水晶振動片10を発振させる発振回路素子を、パッケージ20内部に設けた水晶発振器などにも適用できる。
【符号の説明】
【0041】
1…圧電デバイスとしての水晶振動子、10…メサ型圧電振動片としての水晶振動片、11…固定部、12…振動部、12b…一方の肉薄部側の端部、12c…他方の肉薄部側の端部、13…一方の肉薄部、14…他方の肉薄部、15…一方の主面、16,18…励振電極、16b,18b…一方の肉薄部側の端部、16c,18c…他方の肉薄部側の端部、17…他方の主面、20…パッケージ、21…ベース部、21a…底面、21b,21c…マウント電極、21d,21e…外部電極、22…リッド部、23…接合部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
励振電極を有する振動部と、前記振動部の両端部に前記振動部より厚みが薄い肉薄部とを有するメサ型圧電振動片であって、
前記肉薄部の一方は、外部に固定される固定部を有し、
前記固定部を有する前記一方の肉薄部側の前記振動部の端部から前記一方の肉薄部側の前記励振電極の端部までの寸法をT1とし、
他方の前記肉薄部側の前記振動部の端部から前記他方の肉薄部側の前記励振電極の端部までの寸法をT2とし、
前記メサ型圧電振動片に発生する屈曲振動の波長をλとしたときに、
T1−T2=λ×m(但し、T2=(2n−1)λ/2、m及びnは自然数)の関係式
を略満たすことを特徴とするメサ型圧電振動片。
【請求項2】
請求項1に記載のメサ型圧電振動片において、前記関係式のnを1とすることを特徴とするメサ型圧電振動片。
【請求項3】
請求項1または2に記載のメサ型圧電振動片と、前記メサ型圧電振動片を気密封止された内部に収容し、前記メサ型圧電振動片の前記固定部を前記内部に固定するパッケージとを備えたことを特徴とする圧電デバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−102472(P2013−102472A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−280755(P2012−280755)
【出願日】平成24年12月25日(2012.12.25)
【分割の表示】特願2008−189451(P2008−189451)の分割
【原出願日】平成20年7月23日(2008.7.23)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】